点灯装置
【課題】 ランプに流れる電流を検出して出力電圧を最適に制御することができる点灯装置を提供する。
【解決手段】 1次側の巻線N122、N123と2次側の巻線N131とを有するトランスTと、トランスTの1次側の巻線N122に流す電源からの電流をオン、オフするトランジスタQ121と、トランスTの2次側の巻線N131に接続されたランプ負荷130に流れる電流を検出する電流検出回路132と、電流検出回路132の検出電流に基づいてトランジスタQ121を制御し、トランスTの1次側の巻線N122に流れる電流を制御する駆動回路110とを有する構成を採用している。
【解決手段】 1次側の巻線N122、N123と2次側の巻線N131とを有するトランスTと、トランスTの1次側の巻線N122に流す電源からの電流をオン、オフするトランジスタQ121と、トランスTの2次側の巻線N131に接続されたランプ負荷130に流れる電流を検出する電流検出回路132と、電流検出回路132の検出電流に基づいてトランジスタQ121を制御し、トランスTの1次側の巻線N122に流れる電流を制御する駆動回路110とを有する構成を採用している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ、イメージスキャナ、複写機等の原稿読み取り装置の光源として使用される希ガス蛍光ランプの点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機やイメージスキャナなどの原稿読み取り装置の照明用光源として、希ガス放電による発光を利用した希ガス蛍光灯ランプが使用されている。
このような希ガス蛍光ランプは、パルス状の高周波電圧を印可して点灯することにより、高い輝度が得られることが知られている。
【0003】
図1に、従来より一般的に用いられている希ガス蛍光ランプの点灯装置の構成を示す。
点灯装置をON/OFF制御するスイッチ回路Q6、スイッチングトランジスタQ10、Q11の切替時の飽和電流を抑制するためのチョークコイルL8、起動時には短絡し、起動後はインピーダンスとして働くことによりランプの印加電圧を抑制する2次側のバラストコンデンサC13、C14、共振条件を設定する一次側のコンデンサC12等を有している。動作原理は、ロイヤの回路と同じ動作原理である。
【0004】
また、特許文献1の点灯装置の構成を図2に示す。この点灯装置は、図1に示す点灯装置と同様に2個のスイッチング素子Q22,Q23を必要とし、2次側にはバラストコンデンサC25を有している。また、フォトカプラのオンにより負荷電流を冷陰極管が点灯を保持し続けることのできる最小電流値に設定する負荷電流設定変更用の抵抗R26,R29と、フォトカプラを冷陰極管の点灯開始時における一定時間だけONさせる制御信号の入力端子(図2に示す信号入力端子S)とを備えている。
【0005】
特許文献2の点灯装置は、発振器を有し入力電圧の増減により発振周波数を可変し制御する方式で、希ガス蛍光ランプの照度を安定させることを目的としている。この点灯装置は、出力側にバラストコンデンサを設けておらず、始動時、起動時、点灯時の電圧が全て同じであるため、ランプに印加する電圧のストレスがそのままランプに加わりランプの寿命に影響する。
【0006】
【特許文献1】特開平5−343190号公報
【特許文献2】特開2006−79997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしがなら、図1に示す点灯装置や、図2に示す特許文献1の点灯装置は、トランスの二次側の電圧がランプ電圧よりも高くなり、バラストコンデンサが必要となる。バラストコンデンサには電流が流れるので無負荷損を生じてしまう。
また、特許文献2の点灯装置は、出力側にバラストコンデンサを有していないため、始動時、起動時、点灯時の電圧がすべて同じになる。このため、ランプに印加する電圧のストレスがそのままランプに加わり、ランプの寿命に影響する。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ランプに流れる電流を検出して出力電圧を最適に制御することができる点灯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するために本発明の点灯装置は、1次巻線と2次巻線とを有するトランスと、前記トランスの1次巻線に流す電源からの電流をオン、オフするスイッチング素子と、前記トランスの2次巻線に接続されたランプに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段の検出電流に基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御する駆動回路とを有する構成を採用している。
本発明は、ランプに流れる電流の大きさを検出して、トランスの1次巻線に流す電流を制御することからトランスの2次巻線に発生する電圧を制御することができる。従って、ランプの起動時と点灯時とでランプに供給される電圧を変更してランプにかかる電圧ストレスを軽減することができる。また、トランスの2次側にバラストコンデンサを設ける必要がなくなる。
【0010】
本発明の点灯装置は、1次巻線と2次巻線とを有するトランスと、前記トランスの1次巻線に流す電源からの電流をオン、オフするスイッチング素子と、前記スイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段の検出電流に基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御する駆動回路とを有する構成を採用している。
本発明は、スイッチング素子に流れる電流の大きさを検出して、トランスの1次巻線に流す電流を制御することからトランスの2次巻線に発生する電圧を制御することができる。従って、ランプの起動時と点灯時とでランプに供給される電圧を変更してランプにかかる電圧ストレスを軽減することができる。また、トランスの2次側にバラストコンデンサを設ける必要がなくなる。
【0011】
本発明の点灯装置は、1次巻線と2次巻線とを有するトランスと、前記トランスの1次巻線に流す電源からの電流をオン、オフするスイッチング素子と、前記トランスの2次巻線に接続されたランプにかかる電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段の検出電圧に基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御する駆動回路とを有する構成を採用している。
本発明は、ランプにかかる電圧の大きさを検出して、トランスの1次巻線に流す電流を制御することからトランスの2次巻線に発生する電圧を制御することができる。従って、ランプの起動時と点灯時とでランプに供給される電圧を変更してランプにかかる電圧ストレスを軽減することができる。また、トランスの2次側にバラストコンデンサを設ける必要がなくなる。
【0012】
上記点灯装置において、前記電流検出手段の検出電流値が所定値を超えるとオンする第1スイッチと、前記電源の電圧を分圧する分圧回路と、前記第1スイッチのオンによりオンして、前記分圧回路の分圧比を切り替える第2スイッチとを有し、前記駆動回路は、前記分圧回路で分圧された前記電源の電圧と基準電圧とに基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御する構成を採用できる。
従って、簡単な回路構成で、トランスの1次巻線に流れる電流を制御することができる。
【0013】
上記点灯装置において、前記トランスの2次巻線に接続されたランプの再起動時に、前記第1スイッチをオフして前記分圧回路の分圧比を初期状態に戻す第3スイッチを有する構成を採用できる。
従って、ランプの再起動時に第1スイッチをオフして分圧回路の分圧比を切り替えることにより、前記スイッチング素子の制御を変更してトランスの1次巻線に流れる電流を変更することができる。
【0014】
本発明の点灯装置は、1次巻線と2次巻線とを有するトランスと、前記トランスの1次巻線に流す電源からの電流をオン、オフするスイッチング素子と、前記2次巻線に発生する電圧を検出する電圧検出手段と、外部から入力されるデューティを調整されたPWM信号を直流変換する変換手段と、前記電圧検出手段の検出電圧と、直流変換された前記PWM信号の電圧とに基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御する駆動回路とを有する構成を採用している。
本発明は、外部入力したPWM信号と、トランスの2次巻線に発生する電圧とに基づいてスイッチング素子を制御し、トランスの1次巻線に流す電流を制御する。従って、トランスの2次巻線に発生する電圧を制御して、ランプの起動時と点灯時とでランプに供給される電圧を変更することができる。このためランプにかかる電圧ストレスを軽減することができる。また、トランスの2次側にバラストコンデンサを設ける必要がなくなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ランプに流れる電流を検出して出力電圧を最適に制御することができる点灯装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例を説明する。
【実施例1】
【0017】
まず、図3を参照しながら本実施例の構成を説明する。
図3に示す点灯装置1000は、出力切替回路100と、駆動回路110と、トランスTと、スイッチング用のトランジスタQ121と、ランプ負荷130と、電流検出回路132と、電圧変換回路133と、出力保持回路140とを有している。
【0018】
出力切替回路100は、電源電圧Vccに直列に接続した抵抗R101,R102,R103と、エミッタ端子を接地し、ベース端子を抵抗R144とサイリスタSCR143のアノード端子との接続点S1に接続し、コレクタ端子を抵抗R101とR102との接続点S2に接続したトランジスタQ104と、前述接続点S1と、トランジスタQ104のベース端子とを接続する配線に一旦を接続し、他端を接地した抵抗R105とを有している。
【0019】
また、駆動回路110は、入力側を抵抗R102とR103との接続点S3に抵抗R106を介して接続し、出力側を巻線N123を介してトランジスタQ121に接続している。駆動回路110内には、オペアンプ113が設けられている。オペアンプ113の反転入力端子は、抵抗R112とコンデンサC111とからなる直流変換器と、抵抗R106とを介して接続点S3に接続している。また、オペアンプ113の非反転入力端子には、基準電圧源116が接続されている。オペアンプ113の反転入力端子と出力端子との間には、抵抗R114とコンデンサC115とが接続されている。また、オペアンプ113の出力端子には、抵抗R117,R118、コンデンサC119とからなる直流変換器が接続されている。
【0020】
トランスTの一次側には、巻線N122と、巻線N123とが設けられている。巻線N122の一端は、電源電圧Vccに接続し、他端はトランジスタQ121のコレクタ端子に接続されている。また、巻線N123の一端は、トランジスタQ123のベース端子に接続し、他端は駆動回路110の出力に接続している。さらに、トランジスタQ121と直列に、トランスTの共振周波数を設定するコンデンサC120が接続されている。
【0021】
トランスTの二次側には、巻線N131が設けられており、この巻線N131には、ランプ負荷130と、ランプ負荷130に流れる電流を検出する電流検出回路132とが設けられている。また、電流検出回路132には、電圧変換回路133が接続されている。
電流検出回路132は、ランプ負荷130に流れる電流を検出する。電圧変換回路133は、電流検出回路132の検出電流値を電圧値に変換する。電圧変換回路133によって変換された電圧は、出力保持回路140に出力される。
【0022】
出力保持回路140は、サイリスタSCR143と、抵抗R141と、コンデンサ142と、抵抗R144とを有している。
サイリスタSCR143のアノード端子は、抵抗R144を介して電源電圧Vccに接続されている。また、サイリスタSCR143のカソード端子は接地されている。さらにサイリスタSCR143のゲート端子には抵抗R141とコンデンサC142とが接続されている。このゲート挿入抵抗R141とコンデンサC142とは、ノイズ除去に用いられる。
【0023】
まず、ランプ負荷130の起動時には、出力切替回路100のトランジスタQ104がオフ状態にあるので、電源電圧Vccは抵抗R101,R102,R103によって分圧され、分圧された電圧(以下、この電圧をV1と呼ぶ)が駆動回路110のオペアンプ113に入力される。オペアンプ113は、この電圧V1と、基準電圧源116の基準電圧とを比較して、電圧V1が基準電圧よりも高くなると、トランジスタQ121のベース端子にバイアス電圧を印加する。
【0024】
オペアンプ113からのバイアス電圧によりトランスTとトランジスタQ121とが自励発振を始める。トランスTの一次側の巻線N122,N123で振動した電圧は、巻線N122と巻線N123の巻数比に応じた電圧として、トランスTの二次側の巻線N131に出力され、ランプ負荷130に電圧が印加される。このときランプ負荷30には、点灯開始電圧よりも大きな電圧が印加される。
ランプ負荷130は、インピーダンスが非常に高い状態にあるが、ランプ負荷130の起動電圧よりも高い始動電圧が印加されることで、ランプ負荷130に流れる電流(以下、ランプ電流という)が増加し、ランプ負荷130が起動状態となる。起動状態では、ランプ負荷130の電圧が急激に低下してランプ電流が急激に増加する状態になる。起動状態からランプ負荷130が点灯する点灯状態になると、ランプ電圧は急激に低下して点灯電圧に落ち着くと共にランプ負荷130に流れるランプ電流もより小さい一定値に落ち着く。
【0025】
図4には、電流検出回路132と、電圧変換回路133との詳細な構成を示す。
電流検出回路132は、抵抗R134で構成し、電圧変換回路133は、ランプ負荷130と抵抗R134との接続点S4に直列に接続したダイオードD135とコンデンサC136とを有している。
ランプの起動状態では、ランプ電流が増加するので、電流検出回路132の検出電流は増加する。電流検出回路132の検出電流は交流電流であるため、電圧変換回路133のダイオードD135により整流して直流電流に変換しコンデンサC136に蓄える。コンデンサC136に蓄えられる電荷を検出電圧として出力保持回路40のサイリスタSCR143のゲート端子に印加する。
サイリスタSCR143の出力電圧を、出力切替回路100のトランジスタQ104のベース端子に印加することにより、抵抗R101,R102,R103による分圧は、ほぼR102とR103の分圧比になる。
抵抗R102,R103で分圧された電圧(以下、この電圧をV2と呼ぶ)が駆動回路110のオペアンプ113に入力される。
オペアンプ113は、この電圧V2に応じた低い電圧をトランジスタQ121のベース端子に供給する。なお、図4に示す点灯装置1100では、図3に示すトランジスタQ104に代えて、スイッチング素子107を設けている。
また、図5に示す点灯装置1200では、図3、4に示す出力保持回路140に代えて、オペアンプ160を設けている。
図5に示す点灯装置1200は、電源電圧Vccに抵抗151と、ツェナーダイオード152とを直列に接続した基準電圧発生回路150を設けている。ツェナーダイオード152の降伏電圧よりも高い電源電圧Vccが基準電圧発生回路150に入力されると、ツェナーダイオード152に電流が流れ、オペアンプ160の非反転入力端子に基準信号が出力される。また、オペアンプ160の反転入力端子には、電圧変換回路133の出力が抵抗R144を介して入力されている。
【0026】
このように本実施例は、ランプ負荷130に流れる電流の大きさを電流検出回路132で検出し、トランスTの1次側の巻線N122に流す電流を出力切替回路100と駆動回路110とで制御することからトランスTの2次側の巻線N131に発生する電圧を制御することができる。従って、ランプの起動時と点灯時とでランプに供給される電圧を変更してランプにかかる電圧ストレスを軽減することができる。また、トランスの2次側にバラストコンデンサを設ける必要がなくなる。
【0027】
図6には、出力切替回路100の抵抗R101,R102,R103で分圧された電源電圧と、トランジスタQ121のベース端子に供給する制御電圧と、トランスTの1次側の巻線N122の電圧と、トランスTの2次側の巻線N131の出力電圧とを示す。
なお、図6(A)には、抵抗R101,R102,R103で分圧され、オペアンプ113の反転入力端子に入力される入力電圧が0.5Vの場合を示し、図6(B)には入力電圧が2.5Vの場合を示し、図6(C)には入力電圧が5.0Vの場合を示す。
【実施例2】
【0028】
添付図面を参照しながら本発明の第2実施例について説明する。本実施例の点灯装置2000の構成を図7に示す。
本実施例は、図7に示すようにトランジスタQ121のエミッタ端子に電流検出回路132を接続している。電流検出回路132には、電圧変換回路133を接続して電流検出回路132の検出電流を電圧変換回路133で電圧に変換する。変換した電圧を出力保持回路140内のサイリスタSCR143のゲート端子に供給する。
このようにトランスTをスイッチングするトランジスタQ121に流れる電流を検出し、検出電流に応じて駆動回路110に供給する電圧を切り替えることでも、ランプ負荷130に供給する電圧を最適値に制御することができる。
【実施例3】
【0029】
添付図面を参照しながら本発明の第3実施例について説明する。本実施例の点灯装置3000の構成を図8に示す。
本実施例は、図8に示すようにトランスTの2次側の電圧を電圧検出回路137で検出する。すなわち、ランプ負荷130にかかる電圧を検出する。検出した電圧は、電圧比較回路138に出力される。電圧比較回路138は、電圧比較回路138の検出電圧と基準電圧とを比較し、検出電圧が基準電圧よりも高くなると、出力保持回路140のサイリスタSCR143に所定レベルの信号を出力する。
このようにランプ負荷130の電圧を検出し、検出電圧に応じて駆動回路110に供給する電圧を切り替えることでも、ランプ負荷130に供給する電圧を最適値に制御することができる。
なお、電圧検出回路137は、トランスTに補助巻線を設けて、この補助巻線でランプにかかる負荷を検出してもよい。
【実施例4】
【0030】
添付図面を参照しながら本発明の第4実施例について説明する。本実施例の点灯装置4000の構成を図9に示す。
本実施例は、点灯中のランプを一旦消灯してから再度点灯するときに、出力保持回路140のサイリスタSCR143が導通したままであるので、サイリスタSCR1をリセットするトランジスタQ145を設けている。
トランジスタQ145は、ベース端子を基準電圧発生回路150に接続している。また、エミッタ端子を接地し、コレクタ端子をサイリスタSCR143のカソード端子に接続している。
電源がオフされ、電源電圧Vccがツェナーダイオード152の降伏電圧よりも低くなると、ツェナーダイオード152がオフし、トランジスタQ145もオフする。トランジスタQ145のオフによりサイリスタSCR143もオフされる。
このような構成とすることで、ライプの再点灯時にサイリスタSCR143をリセットすることができる。
【実施例5】
【0031】
添付図面を参照しながら本発明の第5実施例について説明する。本実施例の点灯装置5000の構成を図10に示す。
本実施例は、基準電圧発生回路200、PWM変換回路210、オペアンプ300、起動時タイミング回路230、出力調整回路240、出力検出回路250、比較駆動回路260を有している。
【0032】
基準電圧発生回路200は、シャントレギュレータにより構成されている。具体的な構成は、電源電圧Vccに抵抗R201とR202とサイリスタSCR203とが直列に接続されている。また、サイリスタSCR203に並列に抵抗204及び抵抗205と、コンデンサが接続されている。抵抗204と抵抗205の接続点S5がサイリスタSCR203のゲート端子に接続されている。
【0033】
また、PWM変換回路210は、外部信号として入力されるPWM信号のパルス幅に従った電圧信号を生成して、オペアンプ270の非反転入力端子に出力する。
【0034】
オペアンプ300は、バッファ(ボルテージフォロア)として機能する。オペアンプ300の出力は、比較駆動回路260の反転入力端子に接続されている。
【0035】
起動時タイミング回路230は、電源電圧Vccの立ち上がり時に、トランスTの二次側の出力電圧が無制御状態になることを防止するために設けている。起動時タイミング回路230は、トランスTの出力電圧の立ち上がりに遅れが生じている間、トランスTの二次側の出力電圧をクランプするため、比較駆動回路260に電圧を供給する。
【0036】
出力検出回路250は、トランスTの補助巻線N124と、この補助巻線N124に接続されたダイオードD251と、コンデンサ252とを有している。補助巻線N124に発生する電圧をダイオードD251で直流電圧に変換して、出力調整回路240に出力する。
【0037】
出力調整回路240は、直列に接続された抵抗R241と可変抵抗R242とを有している。出力検出回路250の出力側は、抵抗R241に接続されている。また、の抵抗R241に接続した可変抵抗R242の反対側の端部は、比較駆動回路260のオペアンプ261の非反転入力端子に接続している。
【0038】
比較駆動回路260は、オペアンプ261と、抵抗R264と、抵抗R265と、コンデンサC266とを有している。また、オペアンプ261の反転入力端子と出力端子との間には、抵抗R262とコンデンサC263とが接続されている。
オペアンプ261は、直流電圧に変換されたPWM信号を基準電圧として、出力調整回路240から出力される電圧との差に応じた電圧をトランジスタQ121のゲートに出力する。
【0039】
外部入力されるPWM信号は、不図示の制御回路より送られてくる信号である。ランプ電流に応じたデューティのPWM信号を本実施例の点灯装置に入力することで、比較駆動回路260が補助巻線N124で検出する電圧がPWM信号の電圧に近づくようにトランジスタQ121のゲート端子に印加する電圧を調整する。このようにして、ランプの点灯時には高い電圧を印加し、ランプの点灯後は比較的低い電圧でランプを駆動するように点灯装置を制御することができる。
【実施例6】
【0040】
添付図面を参照しながら本発明の第6実施例について説明する。本実施例の点灯装置6000の構成を図11に示す。
本実施例も実施例5と同様に補助巻線124を設けて、この補助巻線N124でトランスTの2次側に発生する電圧を検出している。
また、基準電圧発生部を持たず、外部入力されるPWM信号を基準電圧としている。
【0041】
外部に設けられた不図示の制御回路でデューティを調整されたPWM信号を入力する。このPWM信号をコンデンサC111と、抵抗R112とからなる直流変換回路で直流変換し、オペアンプ1113の反転入力端子に出力する。PWM信号のデューティはランプ電流の大きさに応じて制御回路で調整される。
また、トランスTの補助巻線N124に発生する電圧をダイオードD251、コンデンサC252で平滑した直流電圧に変換して、出力調整回路240に出力する。出力調整回路240は、直流電圧を調整してオペアンプ113の非反転入力端子に出力する。
オペアンプ113は、直流電圧に変換されたPWM信号を基準電圧として、出力調整回路240から出力される電圧との差に応じた電圧をトランジスタQ121のゲートに出力する。
従って、ランプの点灯時には高い電圧を印加し、ランプの点灯後は比較的低い電圧でランプを駆動するように点灯装置を制御することができる。
【0042】
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】従来の一般的な点灯装置の構成を示す図である。
【図2】従来の一般的な点灯装置の構成を示す図である。
【図3】実施例1の点灯装置の構成を示す図である。
【図4】電流検出回路と電圧変換回路の詳細な構成を示す図である。
【図5】出力保持回路をオペアンプで構成した点灯装置を示す図である。
【図6】スイッチング用のトランジスタのベースに印加される制御電圧とトランスTの1次巻線の電圧と2次巻線の電圧とを示す図であり、(A)は入力電圧を0.5Vに分圧したときのものであり、(B)は入力電圧を2.5Vに分圧したときのものであり、(C)は入力電圧を5.0Vに分圧したときのものである。
【図7】実施例2の点灯装置の構成を示す図である。
【図8】実施例3の点灯装置の構成を示す図である。
【図9】実施例4の点灯装置の構成を示す図である。
【図10】実施例5の点灯装置の構成を示す図である。
【図11】実施例6の点灯装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
100 出力切替回路
110 駆動回路
T トランス
Q121 トランジスタ
130ランプ負荷
132 電流検出回路
133 電圧変換回路
140 出力保持回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ、イメージスキャナ、複写機等の原稿読み取り装置の光源として使用される希ガス蛍光ランプの点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機やイメージスキャナなどの原稿読み取り装置の照明用光源として、希ガス放電による発光を利用した希ガス蛍光灯ランプが使用されている。
このような希ガス蛍光ランプは、パルス状の高周波電圧を印可して点灯することにより、高い輝度が得られることが知られている。
【0003】
図1に、従来より一般的に用いられている希ガス蛍光ランプの点灯装置の構成を示す。
点灯装置をON/OFF制御するスイッチ回路Q6、スイッチングトランジスタQ10、Q11の切替時の飽和電流を抑制するためのチョークコイルL8、起動時には短絡し、起動後はインピーダンスとして働くことによりランプの印加電圧を抑制する2次側のバラストコンデンサC13、C14、共振条件を設定する一次側のコンデンサC12等を有している。動作原理は、ロイヤの回路と同じ動作原理である。
【0004】
また、特許文献1の点灯装置の構成を図2に示す。この点灯装置は、図1に示す点灯装置と同様に2個のスイッチング素子Q22,Q23を必要とし、2次側にはバラストコンデンサC25を有している。また、フォトカプラのオンにより負荷電流を冷陰極管が点灯を保持し続けることのできる最小電流値に設定する負荷電流設定変更用の抵抗R26,R29と、フォトカプラを冷陰極管の点灯開始時における一定時間だけONさせる制御信号の入力端子(図2に示す信号入力端子S)とを備えている。
【0005】
特許文献2の点灯装置は、発振器を有し入力電圧の増減により発振周波数を可変し制御する方式で、希ガス蛍光ランプの照度を安定させることを目的としている。この点灯装置は、出力側にバラストコンデンサを設けておらず、始動時、起動時、点灯時の電圧が全て同じであるため、ランプに印加する電圧のストレスがそのままランプに加わりランプの寿命に影響する。
【0006】
【特許文献1】特開平5−343190号公報
【特許文献2】特開2006−79997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしがなら、図1に示す点灯装置や、図2に示す特許文献1の点灯装置は、トランスの二次側の電圧がランプ電圧よりも高くなり、バラストコンデンサが必要となる。バラストコンデンサには電流が流れるので無負荷損を生じてしまう。
また、特許文献2の点灯装置は、出力側にバラストコンデンサを有していないため、始動時、起動時、点灯時の電圧がすべて同じになる。このため、ランプに印加する電圧のストレスがそのままランプに加わり、ランプの寿命に影響する。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ランプに流れる電流を検出して出力電圧を最適に制御することができる点灯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するために本発明の点灯装置は、1次巻線と2次巻線とを有するトランスと、前記トランスの1次巻線に流す電源からの電流をオン、オフするスイッチング素子と、前記トランスの2次巻線に接続されたランプに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段の検出電流に基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御する駆動回路とを有する構成を採用している。
本発明は、ランプに流れる電流の大きさを検出して、トランスの1次巻線に流す電流を制御することからトランスの2次巻線に発生する電圧を制御することができる。従って、ランプの起動時と点灯時とでランプに供給される電圧を変更してランプにかかる電圧ストレスを軽減することができる。また、トランスの2次側にバラストコンデンサを設ける必要がなくなる。
【0010】
本発明の点灯装置は、1次巻線と2次巻線とを有するトランスと、前記トランスの1次巻線に流す電源からの電流をオン、オフするスイッチング素子と、前記スイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段の検出電流に基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御する駆動回路とを有する構成を採用している。
本発明は、スイッチング素子に流れる電流の大きさを検出して、トランスの1次巻線に流す電流を制御することからトランスの2次巻線に発生する電圧を制御することができる。従って、ランプの起動時と点灯時とでランプに供給される電圧を変更してランプにかかる電圧ストレスを軽減することができる。また、トランスの2次側にバラストコンデンサを設ける必要がなくなる。
【0011】
本発明の点灯装置は、1次巻線と2次巻線とを有するトランスと、前記トランスの1次巻線に流す電源からの電流をオン、オフするスイッチング素子と、前記トランスの2次巻線に接続されたランプにかかる電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段の検出電圧に基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御する駆動回路とを有する構成を採用している。
本発明は、ランプにかかる電圧の大きさを検出して、トランスの1次巻線に流す電流を制御することからトランスの2次巻線に発生する電圧を制御することができる。従って、ランプの起動時と点灯時とでランプに供給される電圧を変更してランプにかかる電圧ストレスを軽減することができる。また、トランスの2次側にバラストコンデンサを設ける必要がなくなる。
【0012】
上記点灯装置において、前記電流検出手段の検出電流値が所定値を超えるとオンする第1スイッチと、前記電源の電圧を分圧する分圧回路と、前記第1スイッチのオンによりオンして、前記分圧回路の分圧比を切り替える第2スイッチとを有し、前記駆動回路は、前記分圧回路で分圧された前記電源の電圧と基準電圧とに基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御する構成を採用できる。
従って、簡単な回路構成で、トランスの1次巻線に流れる電流を制御することができる。
【0013】
上記点灯装置において、前記トランスの2次巻線に接続されたランプの再起動時に、前記第1スイッチをオフして前記分圧回路の分圧比を初期状態に戻す第3スイッチを有する構成を採用できる。
従って、ランプの再起動時に第1スイッチをオフして分圧回路の分圧比を切り替えることにより、前記スイッチング素子の制御を変更してトランスの1次巻線に流れる電流を変更することができる。
【0014】
本発明の点灯装置は、1次巻線と2次巻線とを有するトランスと、前記トランスの1次巻線に流す電源からの電流をオン、オフするスイッチング素子と、前記2次巻線に発生する電圧を検出する電圧検出手段と、外部から入力されるデューティを調整されたPWM信号を直流変換する変換手段と、前記電圧検出手段の検出電圧と、直流変換された前記PWM信号の電圧とに基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御する駆動回路とを有する構成を採用している。
本発明は、外部入力したPWM信号と、トランスの2次巻線に発生する電圧とに基づいてスイッチング素子を制御し、トランスの1次巻線に流す電流を制御する。従って、トランスの2次巻線に発生する電圧を制御して、ランプの起動時と点灯時とでランプに供給される電圧を変更することができる。このためランプにかかる電圧ストレスを軽減することができる。また、トランスの2次側にバラストコンデンサを設ける必要がなくなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ランプに流れる電流を検出して出力電圧を最適に制御することができる点灯装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例を説明する。
【実施例1】
【0017】
まず、図3を参照しながら本実施例の構成を説明する。
図3に示す点灯装置1000は、出力切替回路100と、駆動回路110と、トランスTと、スイッチング用のトランジスタQ121と、ランプ負荷130と、電流検出回路132と、電圧変換回路133と、出力保持回路140とを有している。
【0018】
出力切替回路100は、電源電圧Vccに直列に接続した抵抗R101,R102,R103と、エミッタ端子を接地し、ベース端子を抵抗R144とサイリスタSCR143のアノード端子との接続点S1に接続し、コレクタ端子を抵抗R101とR102との接続点S2に接続したトランジスタQ104と、前述接続点S1と、トランジスタQ104のベース端子とを接続する配線に一旦を接続し、他端を接地した抵抗R105とを有している。
【0019】
また、駆動回路110は、入力側を抵抗R102とR103との接続点S3に抵抗R106を介して接続し、出力側を巻線N123を介してトランジスタQ121に接続している。駆動回路110内には、オペアンプ113が設けられている。オペアンプ113の反転入力端子は、抵抗R112とコンデンサC111とからなる直流変換器と、抵抗R106とを介して接続点S3に接続している。また、オペアンプ113の非反転入力端子には、基準電圧源116が接続されている。オペアンプ113の反転入力端子と出力端子との間には、抵抗R114とコンデンサC115とが接続されている。また、オペアンプ113の出力端子には、抵抗R117,R118、コンデンサC119とからなる直流変換器が接続されている。
【0020】
トランスTの一次側には、巻線N122と、巻線N123とが設けられている。巻線N122の一端は、電源電圧Vccに接続し、他端はトランジスタQ121のコレクタ端子に接続されている。また、巻線N123の一端は、トランジスタQ123のベース端子に接続し、他端は駆動回路110の出力に接続している。さらに、トランジスタQ121と直列に、トランスTの共振周波数を設定するコンデンサC120が接続されている。
【0021】
トランスTの二次側には、巻線N131が設けられており、この巻線N131には、ランプ負荷130と、ランプ負荷130に流れる電流を検出する電流検出回路132とが設けられている。また、電流検出回路132には、電圧変換回路133が接続されている。
電流検出回路132は、ランプ負荷130に流れる電流を検出する。電圧変換回路133は、電流検出回路132の検出電流値を電圧値に変換する。電圧変換回路133によって変換された電圧は、出力保持回路140に出力される。
【0022】
出力保持回路140は、サイリスタSCR143と、抵抗R141と、コンデンサ142と、抵抗R144とを有している。
サイリスタSCR143のアノード端子は、抵抗R144を介して電源電圧Vccに接続されている。また、サイリスタSCR143のカソード端子は接地されている。さらにサイリスタSCR143のゲート端子には抵抗R141とコンデンサC142とが接続されている。このゲート挿入抵抗R141とコンデンサC142とは、ノイズ除去に用いられる。
【0023】
まず、ランプ負荷130の起動時には、出力切替回路100のトランジスタQ104がオフ状態にあるので、電源電圧Vccは抵抗R101,R102,R103によって分圧され、分圧された電圧(以下、この電圧をV1と呼ぶ)が駆動回路110のオペアンプ113に入力される。オペアンプ113は、この電圧V1と、基準電圧源116の基準電圧とを比較して、電圧V1が基準電圧よりも高くなると、トランジスタQ121のベース端子にバイアス電圧を印加する。
【0024】
オペアンプ113からのバイアス電圧によりトランスTとトランジスタQ121とが自励発振を始める。トランスTの一次側の巻線N122,N123で振動した電圧は、巻線N122と巻線N123の巻数比に応じた電圧として、トランスTの二次側の巻線N131に出力され、ランプ負荷130に電圧が印加される。このときランプ負荷30には、点灯開始電圧よりも大きな電圧が印加される。
ランプ負荷130は、インピーダンスが非常に高い状態にあるが、ランプ負荷130の起動電圧よりも高い始動電圧が印加されることで、ランプ負荷130に流れる電流(以下、ランプ電流という)が増加し、ランプ負荷130が起動状態となる。起動状態では、ランプ負荷130の電圧が急激に低下してランプ電流が急激に増加する状態になる。起動状態からランプ負荷130が点灯する点灯状態になると、ランプ電圧は急激に低下して点灯電圧に落ち着くと共にランプ負荷130に流れるランプ電流もより小さい一定値に落ち着く。
【0025】
図4には、電流検出回路132と、電圧変換回路133との詳細な構成を示す。
電流検出回路132は、抵抗R134で構成し、電圧変換回路133は、ランプ負荷130と抵抗R134との接続点S4に直列に接続したダイオードD135とコンデンサC136とを有している。
ランプの起動状態では、ランプ電流が増加するので、電流検出回路132の検出電流は増加する。電流検出回路132の検出電流は交流電流であるため、電圧変換回路133のダイオードD135により整流して直流電流に変換しコンデンサC136に蓄える。コンデンサC136に蓄えられる電荷を検出電圧として出力保持回路40のサイリスタSCR143のゲート端子に印加する。
サイリスタSCR143の出力電圧を、出力切替回路100のトランジスタQ104のベース端子に印加することにより、抵抗R101,R102,R103による分圧は、ほぼR102とR103の分圧比になる。
抵抗R102,R103で分圧された電圧(以下、この電圧をV2と呼ぶ)が駆動回路110のオペアンプ113に入力される。
オペアンプ113は、この電圧V2に応じた低い電圧をトランジスタQ121のベース端子に供給する。なお、図4に示す点灯装置1100では、図3に示すトランジスタQ104に代えて、スイッチング素子107を設けている。
また、図5に示す点灯装置1200では、図3、4に示す出力保持回路140に代えて、オペアンプ160を設けている。
図5に示す点灯装置1200は、電源電圧Vccに抵抗151と、ツェナーダイオード152とを直列に接続した基準電圧発生回路150を設けている。ツェナーダイオード152の降伏電圧よりも高い電源電圧Vccが基準電圧発生回路150に入力されると、ツェナーダイオード152に電流が流れ、オペアンプ160の非反転入力端子に基準信号が出力される。また、オペアンプ160の反転入力端子には、電圧変換回路133の出力が抵抗R144を介して入力されている。
【0026】
このように本実施例は、ランプ負荷130に流れる電流の大きさを電流検出回路132で検出し、トランスTの1次側の巻線N122に流す電流を出力切替回路100と駆動回路110とで制御することからトランスTの2次側の巻線N131に発生する電圧を制御することができる。従って、ランプの起動時と点灯時とでランプに供給される電圧を変更してランプにかかる電圧ストレスを軽減することができる。また、トランスの2次側にバラストコンデンサを設ける必要がなくなる。
【0027】
図6には、出力切替回路100の抵抗R101,R102,R103で分圧された電源電圧と、トランジスタQ121のベース端子に供給する制御電圧と、トランスTの1次側の巻線N122の電圧と、トランスTの2次側の巻線N131の出力電圧とを示す。
なお、図6(A)には、抵抗R101,R102,R103で分圧され、オペアンプ113の反転入力端子に入力される入力電圧が0.5Vの場合を示し、図6(B)には入力電圧が2.5Vの場合を示し、図6(C)には入力電圧が5.0Vの場合を示す。
【実施例2】
【0028】
添付図面を参照しながら本発明の第2実施例について説明する。本実施例の点灯装置2000の構成を図7に示す。
本実施例は、図7に示すようにトランジスタQ121のエミッタ端子に電流検出回路132を接続している。電流検出回路132には、電圧変換回路133を接続して電流検出回路132の検出電流を電圧変換回路133で電圧に変換する。変換した電圧を出力保持回路140内のサイリスタSCR143のゲート端子に供給する。
このようにトランスTをスイッチングするトランジスタQ121に流れる電流を検出し、検出電流に応じて駆動回路110に供給する電圧を切り替えることでも、ランプ負荷130に供給する電圧を最適値に制御することができる。
【実施例3】
【0029】
添付図面を参照しながら本発明の第3実施例について説明する。本実施例の点灯装置3000の構成を図8に示す。
本実施例は、図8に示すようにトランスTの2次側の電圧を電圧検出回路137で検出する。すなわち、ランプ負荷130にかかる電圧を検出する。検出した電圧は、電圧比較回路138に出力される。電圧比較回路138は、電圧比較回路138の検出電圧と基準電圧とを比較し、検出電圧が基準電圧よりも高くなると、出力保持回路140のサイリスタSCR143に所定レベルの信号を出力する。
このようにランプ負荷130の電圧を検出し、検出電圧に応じて駆動回路110に供給する電圧を切り替えることでも、ランプ負荷130に供給する電圧を最適値に制御することができる。
なお、電圧検出回路137は、トランスTに補助巻線を設けて、この補助巻線でランプにかかる負荷を検出してもよい。
【実施例4】
【0030】
添付図面を参照しながら本発明の第4実施例について説明する。本実施例の点灯装置4000の構成を図9に示す。
本実施例は、点灯中のランプを一旦消灯してから再度点灯するときに、出力保持回路140のサイリスタSCR143が導通したままであるので、サイリスタSCR1をリセットするトランジスタQ145を設けている。
トランジスタQ145は、ベース端子を基準電圧発生回路150に接続している。また、エミッタ端子を接地し、コレクタ端子をサイリスタSCR143のカソード端子に接続している。
電源がオフされ、電源電圧Vccがツェナーダイオード152の降伏電圧よりも低くなると、ツェナーダイオード152がオフし、トランジスタQ145もオフする。トランジスタQ145のオフによりサイリスタSCR143もオフされる。
このような構成とすることで、ライプの再点灯時にサイリスタSCR143をリセットすることができる。
【実施例5】
【0031】
添付図面を参照しながら本発明の第5実施例について説明する。本実施例の点灯装置5000の構成を図10に示す。
本実施例は、基準電圧発生回路200、PWM変換回路210、オペアンプ300、起動時タイミング回路230、出力調整回路240、出力検出回路250、比較駆動回路260を有している。
【0032】
基準電圧発生回路200は、シャントレギュレータにより構成されている。具体的な構成は、電源電圧Vccに抵抗R201とR202とサイリスタSCR203とが直列に接続されている。また、サイリスタSCR203に並列に抵抗204及び抵抗205と、コンデンサが接続されている。抵抗204と抵抗205の接続点S5がサイリスタSCR203のゲート端子に接続されている。
【0033】
また、PWM変換回路210は、外部信号として入力されるPWM信号のパルス幅に従った電圧信号を生成して、オペアンプ270の非反転入力端子に出力する。
【0034】
オペアンプ300は、バッファ(ボルテージフォロア)として機能する。オペアンプ300の出力は、比較駆動回路260の反転入力端子に接続されている。
【0035】
起動時タイミング回路230は、電源電圧Vccの立ち上がり時に、トランスTの二次側の出力電圧が無制御状態になることを防止するために設けている。起動時タイミング回路230は、トランスTの出力電圧の立ち上がりに遅れが生じている間、トランスTの二次側の出力電圧をクランプするため、比較駆動回路260に電圧を供給する。
【0036】
出力検出回路250は、トランスTの補助巻線N124と、この補助巻線N124に接続されたダイオードD251と、コンデンサ252とを有している。補助巻線N124に発生する電圧をダイオードD251で直流電圧に変換して、出力調整回路240に出力する。
【0037】
出力調整回路240は、直列に接続された抵抗R241と可変抵抗R242とを有している。出力検出回路250の出力側は、抵抗R241に接続されている。また、の抵抗R241に接続した可変抵抗R242の反対側の端部は、比較駆動回路260のオペアンプ261の非反転入力端子に接続している。
【0038】
比較駆動回路260は、オペアンプ261と、抵抗R264と、抵抗R265と、コンデンサC266とを有している。また、オペアンプ261の反転入力端子と出力端子との間には、抵抗R262とコンデンサC263とが接続されている。
オペアンプ261は、直流電圧に変換されたPWM信号を基準電圧として、出力調整回路240から出力される電圧との差に応じた電圧をトランジスタQ121のゲートに出力する。
【0039】
外部入力されるPWM信号は、不図示の制御回路より送られてくる信号である。ランプ電流に応じたデューティのPWM信号を本実施例の点灯装置に入力することで、比較駆動回路260が補助巻線N124で検出する電圧がPWM信号の電圧に近づくようにトランジスタQ121のゲート端子に印加する電圧を調整する。このようにして、ランプの点灯時には高い電圧を印加し、ランプの点灯後は比較的低い電圧でランプを駆動するように点灯装置を制御することができる。
【実施例6】
【0040】
添付図面を参照しながら本発明の第6実施例について説明する。本実施例の点灯装置6000の構成を図11に示す。
本実施例も実施例5と同様に補助巻線124を設けて、この補助巻線N124でトランスTの2次側に発生する電圧を検出している。
また、基準電圧発生部を持たず、外部入力されるPWM信号を基準電圧としている。
【0041】
外部に設けられた不図示の制御回路でデューティを調整されたPWM信号を入力する。このPWM信号をコンデンサC111と、抵抗R112とからなる直流変換回路で直流変換し、オペアンプ1113の反転入力端子に出力する。PWM信号のデューティはランプ電流の大きさに応じて制御回路で調整される。
また、トランスTの補助巻線N124に発生する電圧をダイオードD251、コンデンサC252で平滑した直流電圧に変換して、出力調整回路240に出力する。出力調整回路240は、直流電圧を調整してオペアンプ113の非反転入力端子に出力する。
オペアンプ113は、直流電圧に変換されたPWM信号を基準電圧として、出力調整回路240から出力される電圧との差に応じた電圧をトランジスタQ121のゲートに出力する。
従って、ランプの点灯時には高い電圧を印加し、ランプの点灯後は比較的低い電圧でランプを駆動するように点灯装置を制御することができる。
【0042】
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】従来の一般的な点灯装置の構成を示す図である。
【図2】従来の一般的な点灯装置の構成を示す図である。
【図3】実施例1の点灯装置の構成を示す図である。
【図4】電流検出回路と電圧変換回路の詳細な構成を示す図である。
【図5】出力保持回路をオペアンプで構成した点灯装置を示す図である。
【図6】スイッチング用のトランジスタのベースに印加される制御電圧とトランスTの1次巻線の電圧と2次巻線の電圧とを示す図であり、(A)は入力電圧を0.5Vに分圧したときのものであり、(B)は入力電圧を2.5Vに分圧したときのものであり、(C)は入力電圧を5.0Vに分圧したときのものである。
【図7】実施例2の点灯装置の構成を示す図である。
【図8】実施例3の点灯装置の構成を示す図である。
【図9】実施例4の点灯装置の構成を示す図である。
【図10】実施例5の点灯装置の構成を示す図である。
【図11】実施例6の点灯装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
100 出力切替回路
110 駆動回路
T トランス
Q121 トランジスタ
130ランプ負荷
132 電流検出回路
133 電圧変換回路
140 出力保持回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次巻線と2次巻線とを有するトランスと、
前記トランスの1次巻線に流す電源からの電流をオン、オフするスイッチング素子と、
前記トランスの2次巻線に接続されたランプに流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段の検出電流に基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御する駆動回路と、
を有することを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
1次巻線と2次巻線とを有するトランスと、
前記トランスの1次巻線に流す電源からの電流をオン、オフするスイッチング素子と、
前記スイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段の検出電流に基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御する駆動回路と、
を有することを特徴とする点灯装置。
【請求項3】
1次巻線と2次巻線とを有するトランスと、
前記トランスの1次巻線に流す電源からの電流をオン、オフするスイッチング素子と、
前記トランスの2次巻線に接続されたランプにかかる電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段の検出電圧に基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御する駆動回路と、
を有することを特徴とする点灯装置。
【請求項4】
前記電流検出手段の検出電流値が所定値を超えるとオンする第1スイッチと、
前記電源の電圧を分圧する分圧回路と、
前記第1スイッチのオンによりオンして、前記分圧回路の分圧比を切り替える第2スイッチとを有し、
前記駆動回路は、前記分圧回路で分圧された前記電源の電圧と基準電圧とに基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の点灯装置。
【請求項5】
前記トランスの2次巻線に接続されたランプの再起動時に、前記第1スイッチをオフして前記分圧回路の分圧比を初期状態に戻す第3スイッチを有することを特徴とする請求項4記載の点灯装置。
【請求項6】
1次巻線と2次巻線とを有するトランスと、
前記トランスの1次巻線に流す電源からの電流をオン、オフするスイッチング素子と、
前記2次巻線に発生する電圧を検出する電圧検出手段と、
外部から入力されるデューティを調整されたPWM信号を直流変換する変換手段と、
前記電圧検出手段の検出電圧と、直流変換された前記PWM信号の電圧とに基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御する駆動回路と、
を有することを特徴とする点灯装置。
【請求項1】
1次巻線と2次巻線とを有するトランスと、
前記トランスの1次巻線に流す電源からの電流をオン、オフするスイッチング素子と、
前記トランスの2次巻線に接続されたランプに流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段の検出電流に基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御する駆動回路と、
を有することを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
1次巻線と2次巻線とを有するトランスと、
前記トランスの1次巻線に流す電源からの電流をオン、オフするスイッチング素子と、
前記スイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段の検出電流に基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御する駆動回路と、
を有することを特徴とする点灯装置。
【請求項3】
1次巻線と2次巻線とを有するトランスと、
前記トランスの1次巻線に流す電源からの電流をオン、オフするスイッチング素子と、
前記トランスの2次巻線に接続されたランプにかかる電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段の検出電圧に基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御する駆動回路と、
を有することを特徴とする点灯装置。
【請求項4】
前記電流検出手段の検出電流値が所定値を超えるとオンする第1スイッチと、
前記電源の電圧を分圧する分圧回路と、
前記第1スイッチのオンによりオンして、前記分圧回路の分圧比を切り替える第2スイッチとを有し、
前記駆動回路は、前記分圧回路で分圧された前記電源の電圧と基準電圧とに基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の点灯装置。
【請求項5】
前記トランスの2次巻線に接続されたランプの再起動時に、前記第1スイッチをオフして前記分圧回路の分圧比を初期状態に戻す第3スイッチを有することを特徴とする請求項4記載の点灯装置。
【請求項6】
1次巻線と2次巻線とを有するトランスと、
前記トランスの1次巻線に流す電源からの電流をオン、オフするスイッチング素子と、
前記2次巻線に発生する電圧を検出する電圧検出手段と、
外部から入力されるデューティを調整されたPWM信号を直流変換する変換手段と、
前記電圧検出手段の検出電圧と、直流変換された前記PWM信号の電圧とに基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記トランスの1次巻線に流れる電流を制御する駆動回路と、
を有することを特徴とする点灯装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−187745(P2009−187745A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−25397(P2008−25397)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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