説明

点灯装置

【課題】外管の内部に放電管が設けられ、外管の内径と放電管の外径とがほぼ等しく、外管と放電管の少なくとも一部が接触している高圧放電ランプにおいて、表面温度の不均一等により生ずる照度むらを抑制すること。
【解決手段】高圧放電ランプ10は放電管11と外管20から構成され、高圧放電ランプ10の一対の電極16に給電部1から交流電圧を印加することにより点灯する。点灯時、冷却水流路65内に冷却水Wを循環させることにより高圧放電ランプ10は冷却される。給電部1は、定常点灯周波数f1の駆動信号でインバータを駆動してランプ10を点灯させるが、照度むらが生ずる前に、照度むらを解消することができるそれより周波数が低い周波数f2の駆動信号を切り替えてランプ10を点灯させる。これにより、定常点灯時に生じる陽イオンの密度分布不均一を解消し照度分布が不均一になるのを抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両端が封止され、内部に、一対の電極が対向配置されると共に、少なくとも金属が封入された放電管と、放電管の外方に設けられた外管とを有する高圧放電ランプの点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば接着剤などの樹脂の硬化処理やプリント基板などの露光処理においては、紫外線光源として、例えば高圧放電ランプ(紫外線照射ランプ)が用いられている。
この高圧放電ランプ(紫外線照射ランプ)は、ランプ点灯時に高温になることから、特許文献1に記載されるように、冷却される。
特許文献1には、放電管(以下、特許文献1では発光管)の外方に二重管構造の水冷ジャケットを設け、発光管と水冷ジャケット内管との間に冷却風を流す技術が記載されている。
図10に特許文献1の図1に示される光源を示す。同図に示すように、紫外線照射ランプ101と水冷ジャケット102と水冷ジャケット両端の端キャップ103a,103bを備えている。紫外線照射ランプ101は直管状の石英ガラス製発光管106の両端に一対の電極を封着し、内部に希ガスと水銀及び金属ハロゲン化物を封入したものである。
【0003】
水冷ジャケット102は円筒状の石英ガラス等の透明な材料よりなり、内管121と外管122よりなる二重管構造になっており、また、両端外周に設けられた接続管123a,123bを通して外部から冷却水104がジャケット内を循環して、空気層を介して近接する発光管106を冷却すると共にランプ101から放射される熱を吸収する。
水冷ジャケット102の一方の端キャップ103aには冷気の通気口131が、他方の端キャップ103bには排気口132が設けてある。そして、外部から冷却風105が矢印で示すように通気口131から水冷ジャケット102の内側に入り、発光管106と水冷ジャケット102の内管121との空間を流れ、発光管表面から熱を奪って発光管106を冷却する。
特許文献1の段落番号[0011]に記載された数値例から、特許文献1に記載のものは、例えば発光管106の外径は24mm、水冷ジャケットの内管121が26mmであり、両者の間隙が1mm(=1000μm)であると読み取れる。
図10(b)に特許文献1に記載の発光管106と内管121を管軸方向に垂直な平面で切った断面図を示す。
【0004】
特許文献1に記載の冷却では、高圧放電ランプ(紫外線照射ランプ)が充分に冷却されないことから、最近特許文献2に記載される技術が開発された。
特許文献2に記載のものは、高圧放電ランプを二重管構造とし、放電管とその外方に位置する外管との間隙とを近接させることで、外管の外周に流れる冷却水によって、放電管への冷却効果を高めるようにしたものである。
図11に特許文献2に示される光照射装置の断面構成を示し、図12に図11に示す光照射装置の放電管と外管の断面構成を示す。なお、図12(b)は、図12(a)におけるB−B線断面図である。
この光照射装置は、高圧放電ランプ10を光源として具える。高圧放電ランプ10は、全体が棒状の放電管11と、この放電管11が内部に配置された例えば石英ガラスからなる外管20とにより構成されている。
放電管11は、両端が封止された例えば石英ガラスからなる直管状の内管12の内部に、各々例えばタングステンからなる一対の棒状の電極16が対向配置されたものであり、各電極16が内管12に形成されたロッド状の封止部13に気密に埋設された例えばモリブデンからなる金属箔17を介して封止部13の外端より軸方向外方に突出して伸びる外部リード18に電気的に接続されている。
高圧放電ランプ10の放電管11と外管20との間の空隙には、空気層または適宜のガスによるガス層が形成されている。
【0005】
この光照射装置は、上記高圧放電ランプ10の管軸に沿って伸びるよう設けられ、高圧放電ランプ10の外周面との間に冷却水Wが流過される冷却水流路65を形成する円筒状の冷却ジャケット60と、高圧放電ランプ10および冷却ジャケット60の両端に配置された、内部空間が高圧放電ランプ10と冷却ジャケット60との間の冷却水流路65に連通する冷却水供給流路形成部材61および冷却水排出流路形成部材62とにより構成された冷却機構を有する。
また、光照射方向(図11において下方向)に対して高圧放電ランプ10の背面側には、例えば断面が放物状の反射面71を有する樋状の反射鏡70が、その第1焦点が高圧放電ランプ10の中心(高圧放電ランプ10における一対の電極16の中心を結ぶ直線)と一致する状態で、高圧放電ランプ10に沿って伸びるよう配置されており、高圧放電ランプ10から放射される光が直接的にあるいは反射鏡70により反射されて平行光とされてマスクステージ75に保持されたマスクMを介してワークステージ76上に載置された、例えばレジスト等の感光剤が塗布された液晶パネルや半導体素子などのワーク77に照射される。
【0006】
上記光照射装置においては、高圧水銀ランプ10の点灯時において、冷却水Wが図示しない適宜の冷却水供給手段(ポンプ)によって供給される。
供給される冷却水Wは、高圧放電ランプ10と冷却ジャケット60との間に形成された冷却水流路65内を、高圧放電ランプ10の壁面、具体的には外管20の外周面に沿って軸方向に流過されて高圧放電ランプ10全体を冷却した後、冷却水排出流路形成部材62を介して排出される。
これら高圧放電ランプの放電管内には、Hg、あるいは、Hgと共にFe,Tl,Sn,Zn,Inなどの陽イオンが封入されており、これらがランプ点灯中に励起され光が放射される。
【0007】
【特許文献1】特開平06−267512号公報
【特許文献2】特開2008−146962公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
放電管と、外周面に冷却水が流れる外管との間の平均間隙、すなわち、放電管の外径と外管の内径の差を小さくし、例えば平均間隙を100μm以下にすると放電管の長手方向における照度分布が不均一(いわゆる照度むら)になることがあった。これは、特許文献1に記載のものの場合には、起こらなかったものである。
本発明者らの鋭意検討の結果、それは、間隙を特許文献1のものよりも小さくしたことに起因することが分かった。
具体的には、放電管と外管とを構成する部材はガラス部材であることから、その外面形状は波打つように不均一である。このため、放電管と外管との間隙は、例えば±100μmの変動を受け、平均間隙が例えば100μm以下の場合、その間隙が100%以上変動することになる。
すなわち、放電管と外管とは、所々当接する部分があり、別の所では例えば200μm以下の間隙が存在することになる。外管の外周面に冷却水を流すと、放電管は、当接する部分は熱伝導性が良好であることから、効率良く冷却されるのに対し、間隙が200μmの部分は当接する部分より熱伝導性が良くないので、効率良く冷却されなかった。放電管の長手方向においても、効率良く冷却される部分と、冷却されない部分とができてしまう。
【0009】
放電管の内部には、Hg、あるいは、Hgと共にFe、Tlなどの陽イオンが封入されている。これら陽イオンは、熱平衡状態で温度が低い部分で密度が高くなり、温度が高い部分で密度が低くなるので、特許文献2に記載される高圧放電ランプの場合、その長手方向で、効率よく冷却される部分で陽イオンの密度が高くなり、冷却されない部分で密度が低くなる。このように、放電管内の長手方向で陽イオンの密度分布が不均一になって、照度分布が不均一(照度むら)になったと考えられる。
なお、特許文献1の場合は、平均間隙が1000μmであることから、放電管と外管との外面形状が波打つことによりその間隙が例えば±100μmの変動を受けても、その間隙の変動は10%程度にすぎない。このため、特許文献1に記載の高圧放電ランプは、その長手方向における冷却分布がほとんど生じず、照度分布が不均一(照度むら)になることもなかったと考えられる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、放電管と、その外方に設けられた外管とを具備し、外管の内径と放電管の外径とがほぼ等しく、外管と放電管の少なくとも一部が接触している高圧放電ランプにおいて、照度むらを抑制した点灯装置及び点灯方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明においては、上記課題を次のようにして解決する。
(1)両端が封止され、内部に、一対の電極が対向配置されると共に、少なくとも金属が封入されてなる全体が棒状の放電管と、該放電管の外方に設けられた外管とを具備し、外管の内径と放電管の外径とがほぼ等しく、外管と放電管がところどころで接触しており、外管の内径と放電管の外径との差の平均値が例えば100μm程度である高圧放電ランプと、この高圧放電ランプの管軸に沿って伸びるよう設けられ、高圧放電ランプの外管との間に冷却水が流過される流路を形成する流路形成部材と、この一対の電極に電気的に接続され上記高圧放電ランプに給電する給電部とを備えた点灯装置において、給電部を次のように構成する。
すなわち、上記高圧放電ランプを点灯させるための定常点灯周波数f1を有する第1の信号と上記高圧放電ランプの照度むらを解消させるための該定常点灯周波数f1より低い周波数f2を有する第2の信号を生成する信号生成手段と、上記第1の信号もしくは第2の信号を選択的に出力させる切替手段と、上記第1の信号もしくは第2の信号により駆動され、上記高圧放電ランプに周波数f1もしくは周波数f2の交流電圧を供給するインバータ回路とから構成する。そして、定常点灯周波数f1で高圧放電ランプを点灯させ、照度むらが生ずる前に、照度むらを解消することができるそれより周波数が低い周波数f2に切り替えてランプ10を点灯させる。
(2)上記(1)において、切替手段にタイマ手段を設け、このタイマ手段により、放電ランプに周波数f1の交流電圧を供給してから第1の所定時間後に、上記高圧放電ランプに供給する交流電圧の周波数をf1からf2に低下させ、第2の所定時間の間、上記高圧放電ランプに上記周波数f2の交流電圧を供給する。
(3)上記(1)(2)において、定常点灯周波数f1[Hz]と周波数f2[Hz]との関係を、f2≦0.3f1とする。
(4)上記(1)(2)(3)において、上記放電管内に封入された金属には水銀が含まれ、上記定常点灯周波数f1[Hz]を、放電管に封入された水銀密度[mg/cm3 ]をHgとし、電極間距離[m]をALとしたとき、f1<(Hg/30)-0.33 ×250/ALとする。
【発明の効果】
【0011】
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)定常点灯周波数f1を有する第1の信号と、照度むらを解消させるためのf1より低い周波数f2を有する第2の信号を生成し、上記第1の信号と第2の信号を切り替えて高圧放電ランプを点灯させるようにしたので、定常点灯時に生じる陽イオンの密度分布不均一を解消し、照度分布が不均一(照度むら)になることが抑制できる。
すなわち、周波数f1より低い周波数f2に切り替えることで、陽イオンが一方の電極側に引き寄せられ、定常点灯周波数f1で点灯していたときに生ずる陽イオンの密度分布不均一を解消できる、これによる照度むらを抑制できる。
(2)タイマ手段を用い、上記高圧放電ランプに供給する交流電圧の周波数を切り替えるようにすることにより、比較的簡単な構成の手段で、実用上に支障ない程度に、照度分布が不均一(照度むら)を抑制することができる。
(3)定常点灯周波数f1[Hz]と周波数f2[Hz]との関係を、f2≦0.3f1とすることにより、照度むらの不均一を効果的に解消することができる。
(4)定常点灯周波数f1[Hz]を、放電管に封入された水銀密度[mg/cm3 ]をHgとし、電極間距離[m]をALとしたとき、f1<(Hg/30)-0.33 ×250/ALとすることにより、音響共鳴を抑制でき、ガス分布やイオンの粗密の定在波の発生による色むらを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
まず、本発明が対象とする光照射装置について説明する。
本発明の光照射装置は、前記図11に示したものと同様、高圧放電ランプを具備し、ランプ点灯時においてランプを冷却する冷却水が外管の壁面に沿って流過される流路を区画する流路形成部材が設けられた構成のものである。
図1は、本発明の実施形態に係る光照射装置の構成の概略を示す断面図であり、図2は、図1におけるA−A線断面図である。
この光照射装置は、高圧放電ランプ10を光源として具えており、高圧放電ランプ10が内部に挿通された状態で高圧放電ランプ10の管軸に沿って伸びるよう設けられ、高圧放電ランプ10の外周面との間に冷却水Wが流過される冷却水流路65を形成する流路形成部材である円筒状の冷却ジャケット60を有する。
高圧放電ランプ10および冷却ジャケット60の両端には、内部空間が高圧放電ランプ10と冷却ジャケット60との間の冷却水流路65に連通する冷却水供給流路形成部材61および冷却水排出流路形成部材62が配置され、これらにより冷却機構を構成する。
【0013】
冷却水供給流路形成部材61および冷却水排出流路形成部材62は全体が略L字型の管状であり、高圧放電ランプ10および冷却ジャケット60が、例えば管軸が水平方向に伸びる姿勢で接続されている。
そして、軸方向内方側の口締め部63によって例えばOリング(図示せず)を介して冷却ジャケット60の外周面が保持固定されていると共に、軸方向外方側の口締め部64によって例えばOリング(図示せず)を介して高圧放電ランプ10の外周面が保持固定されている。
冷却ジャケット60は、高仕放電ランプ10から放射される紫外線を透過する材料、例えば石英ガラスにより構成されている。
【0014】
光照射方向(図1および図2において下方向)に対して高圧放電ランプ10の背面側には、例えば断面が放物状の反射面71を有する樋状の反射鏡70が、その第1焦点が高圧放電ランプ10の中心(高圧放電ランプ10における 一対の電極16の中心を結ぶ直線)と一致する状態で、高圧放電ランプ10に沿って伸びるよう配置されている。
高圧放電ランプ10から放射される光は直接的にあるいは反射鏡70により反射されて平行光とされてマスクステージ75に保持されたマスクMを介してワークステージ76上に載置された、例えばレジスト等の感光剤が塗布された液晶パネルや半導体素子などのワーク77に照射される。
ここに、反射面71は、例えばチタニアおよびシリカなどの異なる反射層を交互に蒸着させて形成した多層膜によって形成されている。
【0015】
高圧放電ランプ10の一対の電極16には、外部リード18を介して給電部1が電気的に接続され、給電部1から一対の電極間に交流電圧を印加することにより、高圧放電ランプ10は点灯する。
高圧水銀ランプ10の点灯時において、冷却水Wが図示しない適宜の冷却水供給手段(ポンプ)によって供給される。ここに、高圧放電ランプ10の冷却は、冷却水Wを例えば5L(リットル)/minの流量で循環させることによって達成される。
供給される冷却水Wは、高圧放電ランプ10と冷却ジャケット60との間に形成された冷却水流路65内を、高圧放電ランプ10の壁面、具体的には外管20の外周面に沿って流れる。
【0016】
次に上記高圧放電ランプ10について説明する。
高圧放電ランプ10は、外管20の内径と放電管11の外径とがほぼ等しく、外管20と放電管11がところどころで接触しており、外管と放電管の平均間隙が100μm以下に構成された二重管構造のものである。
なお、ここで言う平均間隙とは、外管20と放電管11を組み立てる前に、外管20の内径L4と放電管11の外径L5を複数個所で測定し、その差分を1/2した平均値であり、有効発光領域の複数箇所で測った電極間の径方向の間隙の平均値のことをいう。
例えば、外管20の内径L4は、以下のように求める。
外管20と放電管11を組み立てる前の外管20の外径L1を計り、外管20の肉厚の厚い所の厚さL2と薄い所の厚さL3とを計って、L4=L1−L2−L3により外管20の内径L4を求める。
また、放電管11の外径L5は、外管20と放電管11を組み立てる前に測定した放電管11の外径である。
【0017】
図3は、本発明の実施形態に係る高圧放電ランプの構成の概略を示す断面図である。
この高圧放電ランプ10は、前記図11に示したものと同様、両端が封止された、例えば石英ガラスからなる直管状の内管12の内部に、各々例えばタングステンからなる一対の棒状の電極16が対向配置され、各電極16が内管12に形成されたロッド状の封止部13に気密に埋設された例えばモリブデンからなる金属箔17を介して封止部13の外端より軸方向外方に突出して伸びる外部リード18に電気的に接続されてなる、全体が棒状の放電管11と、この放電管11が内部に配置された、例えば石英ガラスからなる外管20とにより構成されている。放電管11と外管20の両端部分は、ベース25を介して接着剤24により固定されている。
放電管11における封止部13は、例えば、内管12の構成材料であるパイプ体における両端部を溶融状態にして内部を減圧するシュリンクシール法により形成されたものであり、放電管11の中央部(発光領域に相当する部分)より小径とされている
この高圧放電ランプ10は高圧水銀ランプ、あるいは、メタルハライドランプであり、放電管11の内部に、例えば1mg/mm3 以上の水銀が封入されると共にアルゴンガスなどの希ガスが適宜の量で封人されている。なお、水銀(Hg)と共に鉄(Fe)、タリウム(Tl) 、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)等のハロゲン化合物が封入されていてもよく、また、水銀(Hg)を含まないものもある。そして、例えば波長が350〜450nmである紫外線を含む光を放射する。
【0018】
高圧放電ランプ10の一対の電極には、図1に示すように、給電部1が電気的に接続される。
図4は、本発明の第1の実施形態に係わる給電部の詳細を示した構成図である。
給電部1は、直流電圧が供給される昇圧整流回路2と、昇圧整流回路2の出力側に接続され直流電圧を交流電圧に変化させて放電ランプ10に供給するフルブリッジ型インバータ回路3と、フルブリッジ型インバータ回路3と高圧放電ランプ10との間で高圧放電ランプ10に直列接続されたコイルLL1、スタータコイルLL2及びスタータ回路4と、フルブリッジ型インバータ回路3のスイチング素子(例えばIGBT)の駆動を制御する制御部5と、により構成される。
昇圧整流回路2は、交流電源2aに接続され、昇圧トランスT1、整流ダイオードD1、平滑コンデンサC1により構成される整流回路で、交流電圧を直流電圧に変換し、その後のコイルLL3、スイッチング素子S1、ダイオードD1、コンデンサC2により構成される昇圧チョッパー回路で昇圧された直流電圧をフルブリッジ型インバータ回路3に供給する。
昇任チョッパー回路のIGBTやFET等のスイッチング素子S1には制御回路2bが接続されており、スイッチング素子S1のスイッチング周波数およびON、OFF期間を変化させることにより、所望の電圧を供給できるようになっている。
【0019】
フルブリッジインバータ回路3は、ブリッジ状に接続されたIGBTやFET等のスイッチング素子Q1〜Q4から構成されている。フルブリッジインバータ回路3のスイッチング素子のON、OFFは、後述するドライバ回路によって駆動される。
フルブリッジ型インバータ回路3の動作は、スイッチング素子Q1、Q4とスイッチング素子Q2、Q3を交互にON,OFFを繰り返す。スイッチング素子Q2、Q3がONするときは、昇圧整流回路2→スイッチング素子Q3→コイルLL1→スターターコイルLL2→放電ランプ10→スイッチング素子Q2→昇圧整流回路2に電流が流れる。
一方、スイッチング素子Q1、Q4がONするときは、昇圧整流回路2→スイッチング素子Q1→放電ランプ10→スターターコイルLL2→コイルLL1→スイッチング素子Q4→昇圧整流回路2の経路で放電ランプ10に交流矩形波電流を供給する。
【0020】
制御部5は、マルチバイブレータ、LC発振回路などから構成され、基本発振波形である信号Aを発信する基本周波数発振回路5aと、該信号Aよりも低周波な信号Bを発信する低周波発振回路5cと、所定時間でON−OFFを切り替えるタイマー信号Tを発信するタイマー回路5bと、により構成される。上記基本周波数発振回路5a、タイマー回路5b、低周波発振回路5cが出力する各信号A,T,Bは、ドライバ回路5dで組み合せられる。
各信号A,B,Tとが組み合わせられ、フルブリッジ型インバータ回路3を制御するための信号の合成について、図5〜図7を用いて説明する。
【0021】
図5はドライバ回路の詳細図である。
発振回路5aが出力する周波数f1を有する信号Aは、論理回路L1(アンド回路)の一方の入力端子に入力され、論理回路L1の他方の入力端子には、タイマー回路5bの出力信号Tが入力される。タイマー回路5bの出力信号Tは、後述する図7に示すように例えば、信号Aの立下り時にハイレベル(Hレベル)からローレベル(Lレベル)、あるいはローレベル(Lレベル)からハイレベル(Hレベル)に変わる信号であり、信号Aの第1の所定周期毎に状態がHからLレベルに変わり、信号Aの第2の所定周期毎に状態がLからHレベルに変わる。
論理回路L1は、タイマー回路5bの出力がHレベルのとき、信号Aを出力する。
また、タイマー回路5bの出力信号Tは論理回路L2(反転回路)に入力されて反転され、論理回路L3(アンド回路)の一方の入力端子に入力される。論理回路L3の他方の入力端子には、低周波発振回路5cの出力[周波数f2(f2<f1)を有する信号B]が入力される。論理回路L3は、タイマー回路5bの出力信号TがLレベルのとき、信号Bを出力する。
【0022】
論理回路L1、L2の出力は論理回路L4(オア回路)の入力端子に入力され、論理回路L4は、タイマー回路5bの出力はHレベルのときは信号Aを出力し、タイマー回路5bの出力がLレベルのときは、信号Bを出力する。すなわち、タイマー回路5bと論理回路L1,L2,L3,L4で切替回路SLを構成し、切替回路SLは、タイマー回路5bの出力信号Tに応じて、信号Aまたは信号Bを選択的に出力する。
論理回路L4の出力信号C1は、遅延回路DD1に入力され、遅延回路DD1は信号C1を遅延させた信号C2を出力する。信号C1、C2は論理回路L5(アンド回路)の入力端子に入力され、論理回路L5は、そのアンド信号である信号Xを出力する。この信号Xは、フルブリッジ型インバータ回路3のスイッチング素子Q1,Q4の駆動信号となる。
また、信号C1、C2は論理回路L6,L7(反転回路)で反転され、論理回路L8(アンド回路)の入力端子に入力され、論理回路L8は、そのアンド信号である信号Yを出力する。この信号Yは、フルブリッジ型インバータ回路3のスイッチング素子Q2,Q3の駆動信号となる。
【0023】
図6は制御部の動作を示したフローチャート図、図7は制御部でのタイミングチャートであり、図5、図6、図7により、動作を説明する。
まず、ステップS1で、基本周波数発振回路5aから基本発振波形である信号Aが作成される。
次に、ステップS2で、基本発振波形を元に周波数f1,f2の点灯波形、タイマー波形が生成される。すなわち、発振回路5aが出力する信号Aを元に低周波発振回路5cで、信号Aよりも低周波な信号Bが作成され、また、信号Aを用いてタイマー回路5bで、所定時間でON−OFFを切り替えるタイマー信号Tが作成される。
ステップ3で、信号A(周波数f1),信号B(周波数f2)及び信号Tが組み合わせられ、フルブリッジ型インバータ回路のIGBT等から構成されるスイッチング素子Q1〜Q4の駆動信号X,Yが作成される。
ステップ4でX,Y波形に基づき、上記スイッチング素子Q1〜Q4がオン、オフし交流点灯する。
【0024】
すなわち、信号TがHレベルの期間は、定常点灯周波数f1の信号X,Yを出力し、高圧放電ランプを定常点灯周波数f1で点灯させる。
続いて、高圧放電ランプが照度むらを生じる前の、定常点灯周波数f1で点灯開始してから所定時間後に、信号TをLレベルとし、定常点灯周波数f1よりも低い周波数f2で高圧放電ランプを点灯させる。
このとき、高圧放電ランプの放電管の陽イオンは、低周波が入力されることで、陰極に引き寄せられる時間が長くなり、プラズマ中の陽イオンがかき乱される。その攪拌効果により陽イオンの分布が一様となり、定常点灯周波数f1が入力されたときよりも陽イオンの密度分布の不均一を解消することができ、照度むらを抑制することができる。
なお、図5の回路では、遅延回路DD1を設けて遅延した信号C2を生成し、信号C1と信号C2(あるいはその反転信号)の論理積を行なって、信号XのON時と信号YのON時との間に、両方の信号がOFFになる休止期間を設けている。これは、スイッチング素子Q1〜Q4が同時にONされると破壊される問題を解消するため、デッドタイムを形成したものである。
【0025】
本実施形態においては、定常点灯周波数f1を有する信号Aと、f1より低い周波数f2を有する信号Bを生成し、タイマー回路5bにより所定時間毎に信号Aと信号Bを切り替えて、定常点灯周波数f1の信号と、照度むらを解消することができるそれより周波数が低い周波数f2の信号によりフルブリッジ型インバータ回路3のスイッチング素子Q1〜Q4を駆動し、高圧放電ランプを点灯させるようにしたので、定常点灯時に生じる陽イオンの密度分布不均一を解消し、照度分布が不均一(照度むら)になることが抑制できる。
すなわち、所定時間毎に、定常点灯周波数f1より低い周波数f2に切り替えることで、陽イオンが一方の電極側に引き寄せられ、定常点灯周波数f1で点灯していたときに生ずる陽イオンの密度分布不均一を解消できる、これによる照度むらを抑制できる。
なお、高圧放電ランプが照度むらを発生させる時間があらかじめ分かるので、上述のタイマー回路5bの信号Tは、高圧放電ランプに照度むらが生じる前の所定時間で、信号ABとが切り替わるタイミングに設定されている。
【0026】
さらに、後述の実験結果に示すように、低周波f2は、5Hz以上であり、かつ、定常点灯周波数f1の30%以下であれば、電極変形を抑制しつつ、照度むら抑制に効果的である。
また、低周波f2を定常点灯周波数f1に挿入するタイミングとしては、陽イオンの不均一分布が生じる前にすることが好ましい。このため、定常点灯周波数f1で点灯を開始してから10分以内に低周波f2を挿入することが好ましい。
さらにまた、低周波f2が挿入される期間は、1周期〜10周期(1周期は周波数f2の信号のON−OFF期間)であり、定常点灯周波数f1で点灯する期間は、時間として0.1〜6秒間の範囲とすることが望ましい。
なお、低周波f2で点灯させる期間及び低周波f2で点灯させる周期は、ランプの仕様、点灯条件、外管と発光管が当接する面積や当接している部分の数などにより定まるものと考えられる。
【0027】
ここで、交流点灯させるランプにおいては、音響共鳴によって、照度むらが生じることが従来知られている(例えば、特開昭63−285899号公報の2頁目左上欄の15行目〜等を参照)。
音響共鳴は、次式(1)を満たす条件で発生する。なお、次式(1)で示すfaは音響共鳴周波数、mは常数、Vは音速(m/s)、ALは電極間距離(単位:m)である。
fa=mv/(2AL) …(1)
この(1)式を満たす条件では、ランプの軸方向にガス分子や電離イオンの粗密の定在波が発生し(「音響共鳴」という)、色むらが発生することが知られている。
(1)式における音速vは、一般的に、比熱比γ,密度p(単位:kg/m3 )及び圧力ρ(単位:N/m2 )で表すことができる(次式(2)参照)
v=(γp/ρ)0.5 …(2)
(1)式に(2)式を代入すると、次式(3)式になる。
fa=m(γp/ρ)0.5 /(2AL) …(3)
【0028】
この音響共鳴周波数faは、封入物の蒸気圧,気体密度、温度などに依存している。
実際のランプでは、これらの数値は一様ではなく、ランプサイズ(内径、電極間距離、それらの比)や点灯条件(入力)、放電管の冷却条件(内表面温度など)に大きく依存した分布をもつため、厳密には実験的に求める必要がある。
本発明は照度むらを抑制することを目的としており、この照度むらは前記したように音響共鳴によっても発生するので、音響共鳴も抑制することが好ましい。
そこで、本願における定常点灯周波数f1が、上記の音響共鳴周波数faを満たさない範囲を実験的に求めた。
その結果、近似的に以下の条件(4)になることがわかった。なお、条件(4)で示すHgは封入水銀密度(単位:mg/cm3 )、ALは上述と同じく電極間距離(単位:m)である。
f1<(Hg/30)-0.33 ×250/AL …(4)
【0029】
図4の点灯装置においては、信号Aと信号Bとの切替を、所定時間で切り替えるタイマー回路5bと論理回路L1〜L4からなる切替回路SLを用いて行なったが、信号Aと信号Bを切り替える手段としては、タイマー回路に限定されるものではなく、以下に説明する手段を用いてもよい。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る給電部の構成図であり、同図によりその他の構成例について説明する。
図8に示す点灯装置は、高圧放電ランプの長手方向に沿って複数の照度計PS1,PS2,PS3、…を設けるとともに、該照度計による測定結果を相互に比較する比較回路5eと、その出力の差が一定値以上になると、信号Aと信号Bを切り替えるフィードバック制御回路5fを設けている。
すなわち、図4のタイマー回路5bに替えて、比較回路5eとフィードバック制御回路5fを設けて、比較回路5eの比較結果に基づき、フィードバック制御回路5fにより信号Aと信号Bを切り替えている。
【0030】
図8は、ドライバ回路4dを動作させる信号Tを生成する回路が相違するのみで、その他の構成は、図4に示したものと基本的には同じであり、以下、図4との相違点のみ説明する。
ランプ点灯時、高圧放電ランプ10の電極間の径方向に位置するように、複数の照度計PS1、PS2、PS3、…が設けられる(以下3個の照度計PS1、PS2、PS3が設けられているとして説明する)。
複数の照度計PS1、PS2、PS3は、高圧放電ランプ10の長手方向における各照度を測定し、その測定結果を比較回路5eに送信する。比較回路5eにおいて、各照度計PS1,PS2,PS3による測定結果を比較し、測定結果に、ある一定値以上のずれが生ずると、フィードバック制御回路5fに切替信号Dを送出する。
フィードバック制御回路5fは、高圧放電ランプ10の長手方向における照度分布が所定範囲から外れた場合、点灯周波数を切り替える信号をドライバ回路5dに送出する。すなわち、フィードバック制御回路5fは信号EをLレベルとし、ドライバ回路5dは、この信号EがLレベルになると、フルブリッジ型インバータ回路のスイッチング素子Q1〜Q4の駆動信号X,Yの周波数を定常点灯周波数f1からf2に切り替える。
【0031】
これにより、上記照度計の測定結果のずれが解消すると、比較回路5eは、切替信号Dの送出を停止し、フィードバック制御回路5fは信号EをHレベルとする。ドライバ回路5dは、この信号EがHレベルになると、フルブリッジ型インバータ回路のスイッチング素子Q1〜Q4の駆動信号X,Yの周波数を定常点灯周波数f1に戻す。
ここでいう所定範囲とは、高圧放電ランプ10からの紫外線が照射される被照射物によって、許容される照度分布の均一性があり、この許容される照度分布の均一性が維持できる範囲、例えば±10%の照度分布のことをいう。
なお、ドライバ回路の内部の構成は、図5に示したものと基本的には同じであり、その動作も図7に示した通りであり、図5において信号Tが入力される端子に上記信号Eが入力される。
前記第1の実施形態と本実施形態の相違は、定常点灯周波数f1からf2に切り替えるタイミングが、第1の実施形態では所定時間毎であるのに対し、本実施形態では所定の照度分布からはずれた場合であるか、という違いであり、それ以外の作用・効果を共通である。
【0032】
本発明の効果を確認するため、以下の実験を行った。
(1)実験例1
実験に用いた光照射装置の構成を図9(a)に示す。前記図1に示した光照射装置と、同様の構成を有し、その仕様は、以下のとおりである。
・放電管(発光管):内径5.4mm 外径9mm
・外管:内径9.15mm 外径12mm
・電極間距離:500mm
・封入物
水銀密度 5mg/cm3
.水冷ジャケットと外管との間に流れる冷却水の流量:20L/min
実験に用いた高圧放電ランプの点灯条件は、定常点灯周波数f1を1秒間入力し、続いて低周波f2を1周期分(周波数f1のON−OFFで1周期)入力のように周波数f1とf2の信号を交互に入力した。すなわち、定常点灯周波数f1が1秒間→低周波f2が1周期→定常点灯周波数f1が1秒間→…(以下同様)である。
点灯周波数は、以下のとおりである。
・定常点灯周波数f1: 100、500、800、1000Hz
・低周波f2: 3、5、10、30、50、100、150、200、300、500Hz
【0033】
実験に用いた高圧放電ランプの電極間の径方向外方には、冷却ジャケットを介して複数の照度計が配置される。この複数の照度計は、高圧放電ランプの長手方向に沿って配置され、その長手方向における照度分布を測定する。
この照度計は、電極先端から軸方向に5cm離れた箇所から、高圧放電ランプの長手方向に向かって10mm間隔で配置した。
そして、照度計により電極先端から5cmの位置から軸方向に1cm毎に対向する電極の5cm前までの照度を測定し、図9(b)に示すように、各照度計から測定された各照度から、平均値を求め、その平均値と各照度とのばらつき(すなわち、照度むら)を観察した。
観察の結果を表1にまとめた。表1では、平均値から最大15%以上のばらつきがあったとき×とし、最大10%〜15%の間のばらつきのとき△とし、最大5%〜10%の間のばらつきのとき○とし、最大5%未満のばらつきのとき◎とした。
【0034】
【表1】

【0035】
表1に示されるように、低周波f2が定常点灯周波数f1の30%以下のとき、照度むらの抑制効果を得ることができる。
但し、低周波f2が3Hzのとき、電極変形が生じていた。これは、一方の電極から他方の電極に向かって電流が流れる期間、すなわち直流点灯期間が長かったため、一方的に電子の衝突をうけた電極が変形したものと考えられる。このため、低周波f2の好ましい範囲としては、5≦f2≦0.3f1となる。
また、表1では、定常点灯周波数f1が1000Hzにおいては、全て△であるのに対し、定常点灯周波数f1が800Hz以下の範囲において、照度むらが抑制されることがあることを示されている。これは、f1:800Hz以下の範囲が、上述でいう、音響共鳴を抑制するための条件である(4)式のf1<(Hg/30)-0.33 ×250/ALに相当しており、このため、音響共鳴による照度むらを抑制できていることが分かる。
【0036】
(2)実験例2
ランプの発光長(電極間距離)を1000mmに変更して、上記実験例1と同一の条件で実験を行なった。ランプ仕様は次の通りである。
・放電管(発光管):内径5.4mm 外径9mm
・外管:内径9.15mm 外径12mm
・発光長(電極間距離):1000mm
・封入物
水銀密度 5mg/cm3
.水冷ジャケットと外管との間に流れる冷却水の流量:25L/min
その結果を表2に示す。
この場合は、周波数f1が400Hzと500Hzの間で、音響共鳴による照度むらの抑制が機能していることがわかる。
【0037】
【表2】

【0038】
(3)実験例3
ランプの封入物を変更し、メタルハライドランプを用いて、上記実験例1と同一の条件で同様の実験を行なった。ランプ仕様は次の通りである。
・放電管(発光管):内径4.6mm 外径10.3mm
・外管:内径10.45mm 外径13mm
・発光長(電極間距離):500mm
・封入物
水銀密度:2.5mg/cm3
沃化鉄 :0.45mg/cm3
沃化タリウム:0.06mg/cm3
・水冷ジャケットと外管との間に流れる冷却水の流量:20L/min
その結果を表3に示す。
【0039】
【表3】

【0040】
この場合は、周波数f1が1000Hzと1200Hzの間で、音響共鳴による照度むらの抑制が機能していることがわかる。すなわち、水銀以外のメタルの添加量と比較して、水銀の添加量が多い場合(他の金属より5倍程度以上)、前記(4)式のf1<(Hg/30)-0.33 ×250/ALが適用できることがわかる。
また、上記(2)−(3)の実験結果から、実験例1で得られた、低周波f2の好ましい範囲である5≦f2≦0.3f1の式が、その他のランプにも適用できることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態に係る光照射装置の構成の概略を示す断面図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る高圧放電ランプの構成の概略を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係わる給電部の詳細を示した構成図である。
【図5】図4に示す制御部のドライバ回路の詳細図である。
【図6】制御部の動作を示すフローチャートである。
【図7】制御部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る給電部の構成図である。
【図9】実験に用いた光照射装置の構成及び測定位置と照度を示す図である。
【図10】従来に係わる光源の構成を示す図ある。
【図11】従来に係わる光照射装置の構成を示す図である。
【図12】図11に示す光照射装置の放電管と外管を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 給電部
2 昇圧整流回路
2a 交流電源
2b 制御回路
3 フルブリッジ型インバータ回路
4 スタータ回路
5 制御部
5a 基本周波数発振回路
5c 低周波発振回路
5b タイマー回路
5d ドライバ回路
5e 比較回路
5f フィードバック制御回路
10 高圧放電ランプ
11 放電管
12 内管
13 封止部
16 電極
17 金属箔
18 外部リード
20 外管
60 冷却ジャケット
61 冷却水供給流路形成部材
62 冷却水排出流路形成部材
63,64口締め部
65 冷却水流路
70 反射鏡
75 マスクステージ
76 ワークステージ
77 ワーク
T1 昇圧トランス
D1 ダイオード
C1 平滑コンデンサ
C2 コンデンサ
LL1 コイル
LL3 コイル
S1 スイッチング素子
SL 切替回路
DD1 遅延回路
PS1,PS2,PS3 照度計
W 冷却水
M マスク
Q1〜Q4 スイッチング素子
L1〜L8 論理回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が封止され、内部に、一対の電極が対向配置されると共に、少なくとも金属が封入されてなる全体が棒状の放電管と、該放電管の外方に設けられた外管とを具備する高圧放電ランプと、
上記高圧放電ランプの管軸に沿って伸びるよう設けられ、高圧放電ランプの外管との間に冷却水が流過される流路を形成する流路形成部材と、
該一対の電極に電気的に接続され上記高圧放電ランプに給電する給電部と、から構成される点灯装置であって、
上記給電部は、
上記高圧放電ランプを点灯させるための定常点灯周波数f1を有する第1の信号と、上記高圧放電ランプの照度むらを解消させるための該定常点灯周波数f1より低い周波数f2を有する第2の信号を生成する信号生成手段と、
上記第1の信号もしくは第2の信号を選択的に出力させる切替手段と、
上記第1の信号もしくは第2の信号により駆動され、上記高圧放電ランプに周波数f1もしくは周波数f2の交流電圧を供給するインバータ回路から構成される
ことを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
上記切替手段はタイマ手段を有し、該タイマ手段により、放電ランプに周波数f1の交流電圧を供給を開始してから第1の所定時間後に、上記高圧放電ランプに供給する交流電圧の周波数をf1からf2に低下させ、第2の所定時間の間上記高圧放電ランプに上記周波数f2の交流電圧を供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
上記定常点灯周波数f1[Hz]と周波数f2[Hz]との関係は、f2≦0.3f1である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の点灯装置。
【請求項4】
上記放電管内封入されてなる金属には水銀が含まれ、
上記定常点灯周波数f1[Hz]は、放電管に封入された水銀密度[mg/cm3 ]をHgとし、電極間距離[m]をALとしたとき、
f1<(Hg/30)-0.33 ×250/ALである
ことを特徴とする請求項1,2または請求項3に記載の点灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−67474(P2010−67474A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233117(P2008−233117)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】