説明

無効電力補償装置および無効電力補償装置の出力分担方法

【課題】複数の補償器に対して有効に出力分担可能な無効電力補償装置またはその出力分担方法を提供する。
【解決手段】電力系統に接続された無効電力補償装置であって、無効電力補償装置が出力する電圧または前記電力系統を流れる電流に基づいて電力系統の電圧または電流を安定化させる複数の補償器と、無効電力補償装置の補償容量分担のために割り当てられる複数の補償器の出力の優先順位nを決定する優先順位決定部1と、優先順位決定部が決定した優先順位によりSn+1=Sn−Vn(n=1,2,3,4・・・)・・・(1)(ただし、Sn+1は無効電力補償装置の残容量、Snは現在の無効電力補償装置の容量、Vnは優先順位をつけた複数の補償器のうちでn番目の補償器の出力電力)なる算出式にて無効電力補償装置の出力を分担し、この場合、Sn+1<0であればVn=Snとする分担量演算割当部2とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の補償器を備えた無効電力補償装置であって、例えば複数の補償器の出力分担に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境問題への対応などから太陽光発電、風力発電等の分散型電源の普及拡大が急速に進んでいる。今後、分散型電源が電力系統に大量に連系されるようになると、電力系統の電力品質に悪影響を及ぼすことが懸念されている。その電力品質の悪影響を補償するものに、図4のような自励式無効電力補償装置(SVC(Static Var Compensator))あるいは電力用アクティブフィルタ等がある。
【0003】
図4において、電力系統(配電系統)10に接続された自励式無効電力補償装置11(以下、無効電力補償装置11と称す。)は、電力系統10に一端が接続された連系変圧器12、連系変圧器12の他端に一端が接続されたリアクトル13、リアクトル13の他端に接続された自励式インバータ14、および自励式インバータ14を制御する制御回路15を備えている。
【0004】
制御回路15には、図示省略の電圧検出器により検出される無効電力補償装置11の出力電圧V、図示省略の電流検出器により検出される電力系統10を流れる電流ILおよび図示省略の電流検出器により検出される自励式インバータ14の出力電流Iが入力される。制御回路15は、これらの入力に基づいて自励式インバータ14を制御する信号を生成する。
【0005】
分散型電源の各々に対して図4のような装置を設置する場合、コスト面あるいは設置場所の問題があり、図4のような回路構成を変えずに、電圧変動、高調波電圧または電流、不平衡電圧または電流、フリッカ等を1台で対応可能な補償機能を有する多機能の無効電力補償装置が提案されている。
【0006】
ただ、このような無効電力補償装置には出力できる容量に制限がある。このため、補償機能が増えたことにより、全ての補償機能で必要な補償量を出力するためには容量を増加させる必要があり、この場合、無効電力補償装置の大型化に伴ってコストが増えるなどの問題がある。この対策として、限られた無効電力補償装置の定格容量内で出力するための種々の出力分担方式が提案されている(例えば、特許文献1〜4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開H08−111937号公報。
【特許文献2】特開H10−111725号公報。
【特許文献3】特開H10−243561号公報。
【特許文献4】特開H11−18299号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図5は、図4の前記制御回路15の概略図である。
【0009】
制御回路15は、電圧変動補償演算部20、高調波電圧(電流)補償演算部21、不平衡電圧(電流)補償演算部22、フリッカ補償演算部23(以下、符号20〜23はまとめて補償器20〜23とも称す。)、分担量演算部24、リミッタ部25、加算器26、ACR27およびPWM制御回路28を備えている。
【0010】
電圧変動補償演算部20は、無効電力補償装置11の出力電圧Vに基づいて電力系統10の電圧変動を補償するような補償電流指令値を算出する。
【0011】
高調波電圧(電流)補償演算部21は、電力系統10を流れる電流ILに基づいて電力系統10の高調波電圧(電流)を補償するような補償電流指令値を算出する。
【0012】
不平衡電圧(電流)補償演算部22は、電力系統10を流れる電流ILに基づいて電力系統10が三相平衡化するような補償電流指令値を算出する。
【0013】
フリッカ補償演算部23は、無効電力補償装置11の出力電圧V、電力系統10を流れる電流ILに基づいてフリッカを補償するような補償電流指令値を算出する。
【0014】
分担量演算部24は、所定の算出式により補償器20〜23が出力する出力電力を決定し、その結果をリミッタ部25の各リミッタ25a〜25dに出力する。
【0015】
リミッタ部25は、リミッタ25a〜25dを備えており、分担量演算部24により補償器20〜23に対するリミッタ25a〜25dの制限値が決定される。補償器20〜23の補償電流指令値は、リミッタ25a〜25dにより制限されて加算器26に出力される。
【0016】
加算器26は、リミッタ25a〜25dの信号を全て加算した信号をACR27に出力する。
【0017】
ACR27は、リミッタ部25から加算器26を介して出力された補償電流指令値と自励式インバータ14の出力電流Iとの偏差信号に基づいて自励式インバータ14の電圧指令を生成し、PWM制御回路28に出力する。
【0018】
PWM制御回路28は、ACR27からの電圧指令に基づいてゲート信号を生成し自励式インバータ14に送信する。
【0019】
図5に示すような分担方式は、補償機能ごとに出力リミッタを設けるなどして、装置容量内で出力できるように、分担量演算部24にて分担量を調整している。分担量演算部24によって演算される分担の割合は、固定値または補償量と補償容量の総和の比とするなどして決めている。
【0020】
従来の方式でもある程度の補償効果はある。しかし、設置箇所により補償したい事象は様々であり、どの補償機能にも補償量を割り振る場合、特に補償したい事象の補償効果まで下げてしまうという欠点があった。
【0021】
本発明は、前記課題に基づいてなされたものであり、複数の補償器に対して有効に出力分担可能な無効電力補償装置またはその出力分担方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、前記課題の解決を図るために、電力系統に接続された無効電力補償装置であって、前記無効電力補償装置が出力する電圧または前記電力系統を流れる電流に基づいて前記電力系統の電圧または電流を安定化させる複数の補償器と、前記無効電力補償装置の補償容量分担のために割り当てられる前記複数の補償器の出力の優先順位nを決定する優先順位決定部と、前記優先順位決定部が決定した優先順位によりSn+1=Sn−Vn(n=1,2,3,4・・・)・・・(1)(ただし、Sn+1は前記無効電力補償装置の残容量、Snは現在の前記無効電力補償装置の容量、Vnは優先順位をつけた前記複数の補償器のうちでn番目の補償器の出力電力)なる算出式にて前記無効電力補償装置の出力を分担し、この場合、Sn+1<0であればVn=Snとする分担量演算割当部とを有する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の無効電力補償装置の出力分担方法は、電力系統に接続され、前記電力系統の電圧または電流を安定化させる複数の補償器、優先順位決定部および分担量演算割当部を備えた無効電力補償装置の出力分担方法であって、前記優先順位決定部は、前記無効電力補償装置の補償容量分担のために割り当てられる前記複数の補償器の出力の優先順位nを決定し、前記分担量演算割当部は、前記優先順位決定部が決定した優先順位によりSn+1=Sn−Vn(n=1,2,3,4・・・)・・・(1)(ただし、Sn+1は前記無効電力補償装置の残容量、Snは現在の前記無効電力補償装置の容量、Vnは優先順位をつけた前記複数の補償器のうちでn番目の補償器の出力電力)なる算出式にて前記無効電力補償装置の出力を分担し、この場合、Sn+1<0であればVn=Snとすることを特徴とする。
【0024】
上記構成によれば、複数の補償器に優先順位を設けている。そして、式(1)により無効電力補償装置の出力を複数の補償器に分担し、各補償器ごとに無効電力補償装置の残容量を計算し、最終的に無効電力補償装置の出力は無効電力補償装置の定格容量の範囲内で各補償器に分担される。また、Sn+1<0のときは、該当する補償器の出力電力に制限をかけている。
【0025】
これにより、無効電力補償装置の定格を超えずに優先順位に沿って割り当てることができ、必要な補償機能に最優先で無効電力補償装置の装置容量を割り当てることができるので、本来必要な補償機能が100%補償できるようになる。また、補償機能が増えたとしても優先順位を指定するだけで簡単に無効電力補償装置の容量を分担することができる。
【0026】
また、前記分担量演算割当部は、前記優先順位のうち同じ優先順位が複数ある場合、前記複数の同じ優先順位の補償器の出力電力VnをVn=Vnm+Vn(m+1)+・・・(ただし、mは1、Vnmは優先順位n番目の前記複数の同じ優先順位の補償器mの出力電力、Vn(m+1)は優先順位n番目の前記複数の同じ優先順位の補償器m+1の出力電力、優先順位n番目の補償器m+2以降も同じ)なる計算式にて算出し、この場合、式(1)においてSn+1<0であれば前記複数の同じ優先順位を有する各補償器の出力電力Vnmは、Vnm=Vnm/Vn*Sn(m=1,2,3,4・・・)により算出されることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の無効電力補償装置の出力分担方法は、前記分担量演算割当部は、前記優先順位のうち同じ優先順位が複数ある場合、前記複数の同じ優先順位の補償器の出力電力VnをVn=Vnm+Vn(m+1)+・・・(ただし、mは1、Vnmは優先順位n番目の前記複数の同じ優先順位の補償器mの出力電力、Vn(m+1)は優先順位n番目の前記複数の同じ優先順位の補償器m+1の出力電力、優先順位n番目の補償器m+2以降も同じ)なる計算式にて算出し、この場合、式(1)においてSn+1<0であれば前記複数の同じ優先順位を有する各補償器の出力電力Vnmを、Vnm=Vnm/Vn*Sn(m=1,2,3,4・・・)により算出することを特徴とする。
【0028】
上記構成によれば、複数の補償器の優先順位のうち重複している優先順位があっても無効電力補償装置の容量を補償器に割り当てている。
【0029】
これにより、優先順位が重複した場合でも、無効電力補償装置の容量を重複している補償器に割り当てることができる。
【発明の効果】
【0030】
請求項1または3の発明によれば、複数の補償器に優先順位を設けている。そして、式(1)により無効電力補償装置の出力を複数の補償器に分担し、各補償器ごとに無効電力補償装置の残容量を計算し、最終的に無効電力補償装置の出力は無効電力補償装置の定格容量の範囲内で各補償器に分担される。また、Sn+1<0のときは、該当する補償器の出力電力に制限をかけている。
【0031】
これにより、無効電力補償装置の定格を超えずに優先順位に沿って割り当てることができ、必要な補償機能に最優先で無効電力補償装置の装置容量を割り当てることができるので、本来必要な補償機能が100%補償できるようになる。また、補償機能が増えたとしても優先順位を指定するだけで簡単に無効電力補償装置の容量を分担することができる。
【0032】
請求項2または4の発明によれば、複数の補償器の優先順位のうち重複している優先順位があっても無効電力補償装置の容量を補償器に割り当てている。
【0033】
これにより、優先順位が重複した場合でも、無効電力補償装置の容量を重複している補償器に割り当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施の形態における多機能補償を有する制御回路の構成図。
【図2】実施励1における制御回路の処理を説明するためのフローチャート。
【図3】実施励2における制御回路の処理を説明するためのフローチャート。
【図4】自励式無効電力補償装置の構成図。
【図5】従来の多機能補償を有する制御回路の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態における無効電力補償装置を図面等に基づいて詳細に説明する。
【0036】
図1は、本実施の形態における無効電力補償装置の制御回路3の構成図である。図5と同一のものには同一の符号を付して説明を省略する。図5と異なるのは、分担量演算部24およびリミッタ部25の代わりに優先順位決定部1および分担量演算割当部2が設けられていることである。なお、制御回路3が制御手段に相当する。
【0037】
優先順位決定部1は、補償器20〜23に優先順位nをつけるものである。例えば、図1の場合、補償器が4つあるため1〜4(1が最優先)の優先順位をつける。
【0038】
分担量演算割当部2は、優先順位決定部1が決定した優先順位に基づいて、後述する処理により無効電力補償装置の容量を補償器20〜23に割り当てるものである。
【0039】
このような装置構成により下記の実施例1および2の処理が行われる。
【実施例1】
【0040】
図2を用いて本実施例における分担量演算割当部2の処理を説明する。ここで、無効電力補償装置の定格容量をS、現在の無効電力補償装置の容量をSn、優先順位ごとに割り当てた後の無効電力補償装置の残容量をSn+1、優先順位をつけた各補償器の出力電力をVnとする(n=1,2,3,4・・・)。
【0041】
まず、nに最優先順位である1を代入する。また、現在の無効電力補償装置の容量S1に定格容量Sを代入する(STEP1)。
【0042】
次に、
Sn+1=Sn−Vn(ただし、Sn+1≧0の場合)・・・(1)
式(1)により無効電力補償装置の容量は補償器20〜23に分担される。n=1であるから、残容量S2にS1−V1を代入する(STEP2)。
【0043】
次に、残容量S2が負か否かを判別し(STEP3)、S2≧0の場合はSTEP5に進む。S2<0の場合は
Vn=Sn・・・(2)
式(2)により当該補償器の出力電力に制限をかける。n=1であるから優先順位が1の補償器の出力電力V1にS1を代入する(STEP4)。
【0044】
次に、nに次の優先順位である2を代入する(STEP5)。
【0045】
次に、nが優先順位の最大値を超えたか否かを判別し(STEP6)、nが優先順位の最大値を超えた場合は処理を終了し、そうでない場合はSTEP2に戻りnが最大値になるまでSTEP2〜6の処理を繰り返す。
【0046】
なお、本実施例では、補償器が4つの場合を説明したがn≧2の場合も適用可能である。
【0047】
このように本実施例では、補償器20〜23に優先順位を設けている。そして、無効電力補償装置の容量を補償器20〜23に分担し、Sn+1<0のときは、式(2)により該当する補償器20〜23の出力電力に制限をかけている。
【0048】
これにより、無効電力補償装置の定格を超えずに優先順位に沿って割り当てることができ、必要な補償機能に最優先で無効電力補償装置の装置容量を割り当てることができるので、本来必要な補償機能が100%補償できるようになる。また、補償機能が増えたとしても優先順位を指定するだけで簡単に無効電力補償装置の容量を分担することができる。
【実施例2】
【0049】
優先順位決定部1にて優先順位をつけるが、このとき重複した優先順位が含まれていてもよい(例えば、1,2,2,3)。
【0050】
図3に本実施例の処理を示す。実施例1と異なるのは、優先順位が重複している場合に行うSTEP7〜10の処理が付加されている点である。
【0051】
STEP1の後に、優先順位が複数か否かを判別する(STEP7)。優先順位が重複していない場合は、STEP2へ進む。一方、優先順位が重複している場合はSTEP8へ進む。
【0052】
STEP7において、優先順位が重複している場合に、補償器の出力電力Vnを
Vn=Vnm+Vn(m+1)+・・・(mは1とする) ・・・・(3)
式(3)により算出する(STEP8)。
ここで、Vnmは優先順位n番目の補償器mの出力電力を示し、Vn(m+1)は優先順位n番目の補償器m+1の出力電力を示す。m+2以降は省略しておりn番目の重複している補償器は全て加算される。
【0053】
次に、STEP3においてSn+1<0の場合はSTEP7と同じ処理内容のSTEP9へ進む。優先順位が重複していない場合は、STEP4へ進む。一方、優先順位が重複している場合はSTEP10へ進む。
【0054】
STEP9において、優先順位が重複している場合に、
Vnm=Vnm/Vn*Sn(m=1,2,3,4,・・・) ・・・(4)
式(4)により重複している優先順位の各補償器の出力電力Vnmを算出する(STEP10)。重複している優先順位の各々について式(4)の算出が行われる。
【0055】
このように本実施例では、補償器20〜23の優先順位のうち重複している優先順位があっても式(3)、(4)により無効電力補償装置の容量を補償器20〜23に割り当てている。
【0056】
これにより、実施例1の効果に加えて優先順位が重複した場合でも、無効電力補償装置の容量を重複している補償器に割り当てることができる。
【0057】
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
【符号の説明】
【0058】
1…優先順位決定部
2…分担量演算割当部
3,15…制御回路
10…電力系統
11…無効電力補償装置
12…連系変圧器
13…リアクトル
14…自励式インバータ
20…電圧変動補償演算部
21…高調波電圧(電流)補償演算部
22…不平衡電圧(電流)補償演算部
23…フリッカ補償演算部
24…分担量演算部
25…リミッタ部
25a〜25d…リミッタ
26…加算器
27…ACR
28…PWM制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統に接続された無効電力補償装置であって、
前記無効電力補償装置が出力する電圧または前記電力系統を流れる電流に基づいて前記電力系統の電圧または電流を安定化させる複数の補償器と、
前記無効電力補償装置の補償容量分担のために割り当てられる前記複数の補償器の出力の優先順位nを決定する優先順位決定部と、
前記優先順位決定部が決定した優先順位により
Sn+1=Sn−Vn(n=1,2,3,4・・・)・・・(1)
(ただし、Sn+1は前記無効電力補償装置の残容量、Snは現在の前記無効電力補償装置の容量、Vnは優先順位をつけた前記複数の補償器のうちでn番目の補償器の出力電力)
なる算出式にて前記無効電力補償装置の出力を分担し、
この場合、Sn+1<0であればVn=Snとする分担量演算割当部とを有する制御手段を備えたことを特徴とする無効電力補償装置。
【請求項2】
前記分担量演算割当部は、前記優先順位のうち同じ優先順位が複数ある場合、前記複数の同じ優先順位の補償器の出力電力Vnを
Vn=Vnm+Vn(m+1)+・・・
(ただし、mは1、Vnmは優先順位n番目の前記複数の同じ優先順位の補償器mの出力電力、Vn(m+1)は優先順位n番目の前記複数の同じ優先順位の補償器m+1の出力電力、優先順位n番目の補償器m+2以降も同じ)
なる計算式にて算出し、
この場合、式(1)においてSn+1<0であれば前記複数の同じ優先順位を有する各補償器の出力電力Vnmは、
Vnm=Vnm/Vn*Sn(m=1,2,3,4・・・)
により算出されることを特徴とする請求項1に記載の無効電力補償装置。
【請求項3】
電力系統に接続され、前記電力系統の電圧または電流を安定化させる複数の補償器、優先順位決定部および分担量演算割当部を備えた無効電力補償装置の出力分担方法であって、
前記優先順位決定部は、前記無効電力補償装置の補償容量分担のために割り当てられる前記複数の補償器の出力の優先順位nを決定し、
前記分担量演算割当部は、前記優先順位決定部が決定した優先順位により
Sn+1=Sn−Vn(n=1,2,3,4・・・)・・・(1)
(ただし、Sn+1は前記無効電力補償装置の残容量、Snは現在の前記無効電力補償装置の容量、Vnは優先順位をつけた前記複数の補償器のうちでn番目の補償器の出力電力)
なる算出式にて前記無効電力補償装置の出力を分担し、この場合、Sn+1<0であればVn=Snとすることを特徴とする無効電力補償装置の出力分担方法。
【請求項4】
前記分担量演算割当部は、前記優先順位のうち同じ優先順位が複数ある場合、前記複数の同じ優先順位の補償器の出力電力Vnを
Vn=Vnm+Vn(m+1)+・・・
(ただし、mは1、Vnmは優先順位n番目の前記複数の同じ優先順位の補償器mの出力電力、Vn(m+1)は優先順位n番目の前記複数の同じ優先順位の補償器m+1の出力電力、優先順位n番目の補償器m+2以降も同じ)
なる計算式にて算出し、この場合、式(1)においてSn+1<0であれば前記複数の同じ優先順位を有する各補償器の出力電力Vnmを、
Vnm=Vnm/Vn*Sn(m=1,2,3,4・・・)
により算出することを特徴とする請求項3に記載の無効電力補償装置の出力分担方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−30382(P2011−30382A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−174983(P2009−174983)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)
【Fターム(参考)】