説明

無線ゲーム装置へのアクセスを提供するためのシステムおよび方法

無線ゲーム装置およびネットワークへのアクセスを制御するためのシステムおよび方法が提供される。例えば、アクセスは、ソフトセキュリティチェックの代わりの、またはそれに加えての、ハードセキュリティチェックなどの、1つ以上のレベルのセキュリティチェックを介して制御される。ハードセキュリティチェックにおいて、ユーザは、無線ゲーム装置にアクセスするために使用することができる、カードまたはその他の物理的トークンなどの、機器を使用する。そのような機器は、ユーザを識別する情報を装置に伝達してもよく、または、単に信号(その信号がなければ装置はユーザに対してロックされる)を生成するために使用されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ゲームの分野に関し、特に、無線ネットワークを組み込んだゲームシステムおよび方法と、そのようなゲームシステムへのアクセスを提供するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想カジノは、インターネットなどの通信ネットワークを介してアクセス可能である。例えば、オンラインカジノは、カジノゲームなどのゲームのグラフィカル表現を、インターネットと通信状態にあるコンピュータの画面上で、ユーザに提示する。ユーザは、賭けをし、ゲームに参加し、そして、賞金を勝ち取るか、またはお金を失ってもよい。賞金の受け取り、または損失金の支払いは、通常、信用取引によって処理される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
参加者は、そのようなオンラインカジノにアクセスするために、ゲーム装置を使用してもよく、それらのゲーム装置の一部は無線であってもよい。しかし、無線ゲーム装置(例えば、ブラックベリー(Blackberry(商標))ハンドヘルド装置などのハンドヘルド機)のセキュリティは、通常、ソフトチェックによって達成されるため、最適とは言えない場合がある。例えば、ユーザは、特定のゲーム装置へのアクセスを提供されるために、正しいユーザ名と、関連するパスワードとを入力するように求められるだけの場合がある。
【0004】
したがって、無線ゲーム装置およびゲームシステムへのセキュリティ保護されたアクセスを、より良好に保証する機構を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、無線ゲーム装置およびゲームシステムへのセキュリティ保護されたアクセスを、より良好に保証する機構を提供することが、本発明の目的である。
【0006】
この目的およびその他の目的は、本発明の原理に従って、ゲーム装置へのアクセスが与えられる前のソフトセキュリティチェックの代わりに、またはそれに加えて、ハードセキュリティチェックなどの、1つ以上のレベルのセキュリティチェックを、ゲームネットワークに提供することによって達成される。ハードセキュリティチェックにおいて、ユーザは、ゲーム装置にアクセスするために使用されてもよい、カードまたはその他の物理的トークンなどの、機器を使用する。そのような機器は、ユーザを識別する情報を装置に伝達してもよく、または、信号(その信号がなければ装置はロックされる)を生成するために使用されてもよい。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態では、機器からの信号を検出または再生(reproducing)することが可能な装置が提供される。信号が検出された場合、装置へのアクセスが提供される。代替として、またはそれに加えて、信号は、装置へのアクセスを提供するために検証される必要がある、識別情報を含んでもよい。機器は、識別情報を記憶するための媒体と、識別情報が、装置を操作することを許可されているユーザと関連付けられた場合に、装置へのアクセスが提供されるように、識別情報を装置に伝達するための、発信器とを含んでもよい。
【0008】
本発明をより完全に理解するために、そして、さらなる特徴と利点について、ここで、添付の図面と組み合わせて理解される、以下の説明を記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
コンビニエンスゲームシステム(convenience gaming system)は、参加者が、遠隔および/または移動位置からゲーム活動に参加することを可能にする。可能なゲーム活動は、カジノによって提供されるものなどの、ギャンブルを含む。ギャンブル活動は、以下に限定されないが、スロットマシン、ビデオポーカー、テーブルゲーム(例えば、クラップス、ルーレット、ブラックジャック、パイゴウポーカー(pai gow poker)、カリブスタッドポーカー(Caribbean stud poker)、バカラなど)、ホイールオブフォーチュン(wheel of fortune)ゲーム、キノ、スポーツくじ、競馬、ドッグレース、ハイアライなどのカジノタイプの任意のギャンブル活動、およびその他のギャンブル活動を含んでもよい。ゲーム活動は、さらに、任意のタイプのイベントについて賭けをすることを含んでもよい。イベントは、例えば、競馬または自動車レース、および運動競技(フットボール、バスケットボール、野球、ゴルフ、その他)などの、スポーツイベントを含んでもよい。イベントは、さらに、通常は賭けを含まないようなものを含んでもよい。そのようなイベントは、以下に限定されないが、政治選挙、エンターテインメント業界の賞、および映画の興行成績を含んでもよい。ゲームは、さらに、賭けを行わないゲームおよびイベントを含んでもよい。ゲームは、さらに、州営宝くじおよび州間宝くじなどの、宝くじ、または宝くじタイプの活動を含んでもよい。それらは、すべての形態の、数字選択宝くじ、「スクラッチ式」宝くじ、およびその他の宝くじコンテストを含んでもよい。コンビニエンスゲームシステムは、セルラーネットワーク、あるいは、プライベート無線および/または有線ネットワークなどの、通信ネットワーク上に実装されてもよい。後者の例としては、ワイファイ(WiFi)およびワイマックス(WiMax)ネットワークが挙げられる。いくつかの実施形態では、コンビニエンスゲームシステムの通信ネットワークは、インターネットから完全に独立している。他の実施形態では、コンビニエンスゲームシステムの動作は、セキュリティの問題がない情報のみがインターネットを介して伝送されるように、インターネットを最小限利用し、かつ/または、情報は暗号化されてもよい。好ましくは、通信ネットワークは、プレーヤーが遠隔位置(例えば、カジノのゲーム区域の外側)からゲームに参加することを可能にする。さらに、システムは、プレーヤーが、コンビニエンスゲーム活動に参加している間に移動することを可能にしてもよい。好ましくは、システムは、遠隔位置からのゲームを、その位置が1つ以上の条件を満たすかどうかに応じて、許可または拒否するように動作可能な、位置の検証または特定機能を有する。条件は、例えば、位置が、法律によってゲームが許可されている所定の区域内であるかどうかであってもよい。
【0010】
例えば図1に示すように、コンビニエンスゲームシステム10は、少なくとも1つのユーザ12を含む。システムは、少なくとも第1のユーザ12と第2のユーザ14とが存在するように、追加のユーザを含んでもよい。複数のユーザが第1のコンビニエンスゲームシステム10にアクセスし、一方、その他の複数のユーザが、第1のゲームシステム10と通信状態にある第2のコンビニエンスゲームシステム(図示せず)にアクセスしてもよい。ユーザ12および14は、好ましくは、ゲーム通信装置13を介してシステム10にアクセスする。ゲーム通信装置13は、電子通信を送信および受信するための、任意の好適な装置を含んでもよい。そのような装置の例としては、以下に限定されないが、携帯電話機、PDA、コンピュータ、ミニコンピュータなどが挙げられる。ゲーム通信装置13は、通信ネットワーク16にゲーム情報を送信し、通信ネットワーク16からゲーム情報を受信する。ゲーム情報は、さらに、ネットワーク16と、ゲームサービスプロバイダ20の領域内に存在してもよいサーバなどの、コンピュータ18との間で伝送される。ただし、コンピュータ18の位置は重要ではなく、そして、コンピュータ18は、ゲームサービスプロバイダ20の領域に隣接して存在してもよく、または、ゲームサービスプロバイダ20の領域から遠く離れて存在してもよい。その上、特定の実施形態では、ゲームサービスプロバイダは必要とされない。コンピュータ18および/またはゲームサービスプロバイダ20は、ゲームプロバイダ(図1には図示せず)の中に、ゲームプロバイダに隣接して、またはゲームプロバイダから遠く離れて存在してもよい。ゲームプロバイダは、カジノなどの、ゲームの実際の管理者であってもよい。例として、ゲームサービスプロバイダは、カジノの敷地上に位置していてもよく、そして、コンピュータ18は、物理的に、ゲームサービスプロバイダの地理的な境界内にあってもよい。ただし、前述のように、コンピュータ18およびゲームサービスプロバイダ20は、遠隔位置にある可能性も存在する。コンピュータ18は、ゲームサーバとして機能してもよい。追加のコンピュータ(明示的には図示せず)が、例えば、データベース管理コンピュータおよび冗長サーバとして機能してもよい。
【0011】
好ましくは、ソフトウェアは、ゲーム通信装置13上およびコンピュータ18上の両方に存在する。ゲーム通信装置13上に存在するソフトウェアは、好ましくは、ゲーム活動(本明細書で述べるギャンブル活動および非ギャンブル活動を含む)に対応する情報をユーザに提示するように動作可能である。情報は、以下に限定されないが、活動に関連するオブジェクトのグラフィカル表現、および活動に関連し、ユーザによる選択が可能なオプションの提示を含む。ゲーム通信装置のソフトウェアは、さらに、好ましくは、コンピュータからのデータ、およびユーザによって入力されるデータ、または、別の装置または機器を介して通信される情報を、受信するように動作可能である。コンピュータ上に存在するソフトウェアは、好ましくは、ゲーム通信装置とデータを交換することと、追加のコンピュータおよびデータ記憶装置にアクセスすることと、本明細書に記載するすべての機能および既知の電子ゲームシステムに共通する機能を実行することとが可能である。
【0012】
ネットワーク16を通して伝送されるゲーム情報は、ユーザが参加するゲーム体験の動作において必要な、または望ましい、任意のフォーマットの、任意の情報を含んでもよい。情報は、全体的に、または組み合わせて、デジタルまたはアナログ、テキストまたは音声の、任意のフォーマットで、そして、例えば有線または無線技術を含んでもよい、任意の、既知のまたは将来の転送技術によって、伝送されてもよい。無線技術は、例えば、ライセンスを受ける、またはライセンスを免除される技術を含んでもよい。使用されてもよい、いくつかの特定の技術は、以下に限定されないが、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)(CDMA)、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(Global System for Mobile Communications)(GSM)、ジェネラル・パケット・ラジオ・サービス(General Packet Radio Service)(GPRS)、ワイファイ(WiFi)(802.11x)、ワイマックス(WiMax)(802.16x)、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network)(PSTN)、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line)(DSL)、統合サービスデジタル網(Integrated Services Digital Network)(ISDN)、またはケーブルモデム技術を含む。これらは例にすぎず、当業者は、その他のタイプの通信技術が本発明の範囲内であることを理解するであろう。さらに、ユーザとゲームサーバとの間での情報の通信において、追加の構成要素が使用されてもよいということが理解されるであろう。そのような追加の構成要素は、以下に限定されないが、回線、中継線、アンテナ、スイッチ、ケーブル、送信器、受信器、コンピュータ、ルータ、サーバ、光ファイバ伝送装置、リピータ、増幅器などを含んでもよい。
【0013】
少なくとも1つの実施形態では、ゲーム情報の通信は、インターネットを介して、またはインターネットの介入なしに行われてもよい。特定の実施形態では、ゲーム情報の一部が、インターネット上で伝送されてもよい。さらに、ゲーム情報のいくらか、またはすべてが、部分的にインターネット通信経路上で伝送されてもよい。特定の実施形態では、いくらかの情報が、全面的にまたは部分的にインターネット上で伝送され、しかし、情報は、ゲーム情報ではないか、あるいは、秘密に保たれる必要がある、または秘密に保たれる必要のないゲーム情報である。例えば、テーブルゲームのグラフィカル表現をユーザのゲーム通信装置上にもたらすデータは、少なくとも部分的にインターネット上で伝送されてもよく、一方、ユーザによって送信される賭け情報は、全面的に非インターネット通信ネットワーク上で伝送されてもよい。別の例として、ハードチェック機器(例えば、以下で述べるブレスレット)に関連付けられた識別情報は、ゲーム通信装置からサーバに、インターネット上で伝送されてもよく、または、されなくてもよい。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、例えば図2に示すように、通信ネットワークはセルラーネットワーク22を含む。セルラーネットワーク22は、複数の基地局23を含み、基地局23のそれぞれは、対応するカバレージエリア25を有する。基地局の技術は一般的に知られており、基地局は、一般的なセルラーネットワーク内で見出される任意のタイプであってもよい。基地局は、オーバーラップするカバレージエリアを有してもよい。さらに、カバレージエリアは、セクタ化されていてもよく、セクタ化されていなくてもよい。ネットワークは、さらに、コンビニエンスゲームシステムにアクセスするために、およびコンビニエンスゲームシステム上で利用できる活動に参加するために、ユーザによって使用される、ゲーム通信装置として機能する、移動局24も含む。ユーザは、無線信号の送信および受信を介して、基地局のネットワークに接続される。通信ネットワークは、さらに、ネットワークの無線部分に、専用の、セキュリティ保護された陸上通信線(landline)を介して接続されていることが好ましい、少なくとも1つの音声/データスイッチを含む。通信ネットワークは、さらに、専用の、セキュリティ保護された陸上通信線を介して、音声/データスイッチに同様に接続された、ゲームサービスプロバイダを含む。音声/データスイッチは、基地局の無線ネットワークに、例えば、モバイルスイッチングセンター(mobile switching center)(MSC)を介して接続されてもよく、陸上通信線は、音声/データスイッチとMSCとの間に提供されてもよい。
【0015】
ユーザは、コンビニエンスゲームシステムに、通信ネットワークと通信状態にあり、したがって通信ネットワークの部分である、移動局を経由してアクセスする。移動局は、前述のようにネットワークと接続して動作可能な、任意の電子通信装置であってもよい。例えば、この特定の実施形態では、移動局は、セルラー電話機を含んでもよい。
【0016】
好ましくは、例えばセルラーネットワークの場合、コンビニエンスゲームシステムは、自社ブランドのキャリアネットワーク(private label carrier network)の使用を介して有効にされる。各基地局は、移動局のハンドセットとの間で、非公開の、セキュリティ保護された、音声および/またはデータ伝送の送受信を行うように、セルラー電話会社によってプログラムされる。ハンドセットは、好ましくは、ゲームソフトウェアと、電話会社の認証ソフトウェアとの両方を使用して、あらかじめプログラムされる。基地局は、プライベートT−1回線を介してスイッチと通信を行う。ゲームサービスプロバイダは、ゲームサービスプロバイダによって制御されるゲームサーバに呼を転送する、プライベートT−1またはT−3回線をリースする。暗号化が、ゲーム委員会などのゲーム監督機関によって要求される場合、電話機上に組み込まれてもよい。
【0017】
セルラーネットワークは、好ましくは、非公開の、閉じたシステムである。移動局は基地局と通信を行い、基地局は、ゲーム管轄区域(gaming jurisdiction)内に位置している集中型スイッチに接続される。スイッチでは、音声呼は、局所的に、または長距離を経由して転送される。特定のサービスプロバイダのゲームトラフィックは、中央スイッチから、ホスト位置(カジノまたはその他の位置であってもよい)におけるゲームサーバに転送される。
【0018】
加入者がその特定のゲームアプリケーションを起動すると、ハンドセットは、ゲーム管轄区域内に全体が存在するように設計されたセルまたはセクタを有する、特定の基地局のみと通信を行う。例えば、基地局が、州境を越えて信号を拾い上げるか、または送信するのに十分なほど、州境に近い場合、その基地局は装置と通信を行うことはできない。カスタマがゲームのために装置を使用する際に、システムは、望ましい場合、音声呼の発信または受信を禁止してもよい。その上、音声は、必要に応じて完全に排除されてもよい。さらに、装置は、好ましくは、インターネットに「接続」することを許可されない。これは、賭け(bets/wagers)がゲーム管轄区域の境界内で発信され、かつ終端させられるということ、および、「プライベート」無線システムが迂回またはバイパスされることはできないということの、高いレベルの確実性を保証する。特定の実施形態では、一部のデータおよび/または音声トラフィックは、少なくとも部分的に、インターネット上で通信されてもよい。いくつかの実施形態では、特定の非ゲーム情報は、インターネットを含む経路上で転送されてもよく、一方、システムのゲーム活動に関連するその他の情報は、インターネットを含まない経路上で転送される。
【0019】
図3に示すように、ゲーム通信装置32は、ネットワーク34上で、ゲームサービスプロバイダと通信状態にある。ゲームサービスプロバイダは、好ましくは、1つ以上のサーバを有し、サーバ上には、さまざまなゲームおよびその他のアプリケーションが存在する。図3に示すように、いくつかの例示的なゲームアプリケーションは、競馬およびその他のスポーツ、金融取引(financial exchange)、カジノおよび/または仮想カジノ、エンターテインメントおよびその他のイベントの取引(entertainment and other events exchange)、ならびに、ニュースおよびリアルタイムエンターテインメントを含む。これらのアプリケーションのそれぞれは、1つ以上のソフトウェアモジュール内で実施されてもよい。アプリケーションは、任意の可能な組み合わせで、組み合わせられてもよい。その上、これらのアプリケーションは網羅的ではなく、その他のアプリケーションが、任意の記載した、または潜在的なコンビニエンス活動に関連付けられた環境をユーザに提供するために、存在してもよいということが理解されるべきである。
【0020】
本発明の他の実施形態では、例えば図4に示すように、通信ネットワークは、プライベート無線ネットワークを含む。プライベート無線ネットワークは、「ゲームスポット(Game Spots)」または「エンターテインメントスポット(Entertainment Spots)」をカバーするための、例えば、802.11x(WiFi)ネットワーク技術を含んでもよい。図4では、さまざまなWiFiネットワークが、ネットワーク41として示されている。ネットワーク41は、以下に限定されないが、802.16x(WiMax)技術を含む、その他の通信プロトコルを、プライベート無線ネットワークを提供するために使用してもよい。さらに、ネットワーク41は、相互に接続されてもよい。さらに、コンビニエンスゲームシステムは、図4に示すように、ネットワークの組み合わせを含んでもよい。例えば、プライベート無線ネットワーク16と、マルチチャネルアクセスユニットまたはセクタ化された基地局を含むセルラーネットワーク42と、1つ以上の衛星を含む衛星ネットワーク46との組み合わせが示されている。
【0021】
プライベート無線ネットワークに関しては、好ましい技術は、(例えば、100〜300フィート(30.48〜91.44m)の範囲内の)小さな区域をカバーし、そして非常に高速なスループットを提供するため、プライベート無線ネットワークは、ゲームサービスプロバイダの製品についての、位置および識別情報の検証というゲーム委員会の要求のために、特に適している。ネットワーク41によって有効にされるゲームスポットは、現在のカジノ区域48と、水泳プール、湖、またはその他のレクリエーション区域49、カジノ48またはホテル45および47の中に見出されるような客室およびレストラン、住宅区域40、およびその他の遠隔コンビニエンスゲーム区域43などの、新しい区域とを含んでもよい。図4に示す全体的なコンビニエンスゲームシステムの構成は、例としてのみ意図されており、本発明の範囲内で変更されてもよい。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態では、コンビニエンスゲームシステムのシステムアーキテクチャは、以下を含む。
【0023】
(1)ほとんどが802.11x(WiFi)および/または802.16x WiMax技術からなる、無線LAN(ローカルエリアネットワーク(Local Area Network))構成要素;堅牢なセキュリティおよび認証ソフトウェア;ゲームソフトウェア;ウィンドウズ(登録商標)(Windows(登録商標))またはシンビアン(Symbian(登録商標))オペレーティングシステムが内部に組み込まれた、携帯電話会社(mobile carrier)が認可したハンドセット;および、
【0024】
(a)無線データ保護に関して安全な、CDMA技術;
【0025】
(b)少なくとも2つの層のユーザ認証(携帯電話会社によって提供されるものと、ゲームサービスプロバイダによって提供されるもの);
【0026】
(c)ゲームサービスへの強制トンネリング(スタティックルーティング);
【0027】
(d)アプリケーション層における終端間暗号化;および、
【0028】
(e)最新のファイアウォールおよびDMZ技術;
【0029】
(2)ライセンスを受ける、またはライセンスを免除される、ポイントツーポイントリンクと、ライセンスを受ける、またはライセンスを免除される、ポイントツーマルチポイント技術とからなる、MWAN(メトロポリタン無線アクセスネットワーク(Metropolitan Wireless Access Network));
【0030】
(3)無線サービスが到達できないところに接続性を提供するための、プライベートMAN(メトロポリタンアクセスネットワーク(Metropolitan Access Network))T−1およびT−3回線;ならびに、
【0031】
(4)モバイルスイッチからゲームサーバへの冗長プライベート回線通信。
【0032】
「ゲームスポット」または「エンターテインメントスポット」のそれぞれは、好ましくは、MWAN/MANを介して、中央の、冗長ゲームサーバに接続される。プライベート無線ネットワーク41にアクセスするためには、ゲーム通信装置は、好ましくは、WiFi−またはWiMax−対応型のPDAまたはミニラップトップであり、第三者のパートナーによって管理される必要はない。
【0033】
好ましくは、コンビニエンスゲームシステムは、位置が1つ以上の条件を満たすかどうかに応じて、遠隔位置からのゲームを、その位置が1つ以上の条件を満たすかどうかに応じて、許可するか、または無効にするように動作可能な、位置検証機能を含む。条件は、例えば、位置が、法律によってゲームが許可されている所定の区域内であるかどうかであってもよい。別の例として、条件は、位置が、学校などの、ゲーム禁止区域(no−gaming zone)内であるかどうかであってもよい。システム内で使用される位置検証技術は、以下に限定されないが、「ネットワークベースの」および/または「衛星ベースの」技術を含んでもよい。ネットワークベースの技術は、例えば、マルチラテレーション(multilateration)、三角測量(triangulation)、およびジオフェンシング(geo−fencing)などの技術を含んでもよい。衛星ベースの技術は、例えば、グローバルポジショニング衛星(global positioning satellite)(GPS)技術を含んでもよい。
【0034】
前述のように、セルラーアプローチは、好ましくは、少なくとも1つのセルラー、モバイル、音声およびデータネットワークの使用を含む。例えばネバダ州(Nevada)などの、特定の管轄区域内でのゲームのために、技術は、三角測量、グローバルポジショニング衛星(GPS)技術、および/またはジオフェンシングを、ネバダ州境の外側で賭けが行われる可能性を回避するために含んでもよい。いくつかの実施形態では、ネットワークは、ネバダ州などの、特定の管轄区域のすべてをカバーするわけではない。例えば、ネットワークは、特定の基地局についてのセルラーカバレージが、州境、またはその他の、管轄区域の境界にまたがっている区域はカバーしない。これは、州の外側で発信されている、または終端させられている賭けの可能性を防止するための、位置検証の使用を可能にするために行われる。三角測量は、承認されていない位置からのゲームを防止するための方法として使用されてもよい。三角測量は、例えば、それぞれがGPS座標を有する複数の基地局において受信される、1つの移動局からの信号強度を比較することによって達成されてもよい。この技術は、移動局の位置を正確に特定するために使用されてもよい。位置は、次に、移動局のユーザが、学校などの、承認されていない区域内にいるかどうかを判定するために、地図またはその他のリソースと比較されてもよい。あるいは、GPS技術が、それらの目的のために使用されてもよい。
【0035】
図5に示すように、コンビニエンスゲームシステムは、複数のゲーム通信装置54、55、および56を含む。装置54は、ゲーム管轄区域58の外側に位置している。装置55および56は、両方とも、ゲーム管轄区域58の内側に位置している。しかし、装置56のみが、複数の基地局53のカバレージエリアによって定められる、ジオフェンス(geo−fence)57の内部に位置している。したがって、装置56を介したゲームは有効にするが、装置54および55を介したゲームは無効にするために、ジオフェンシングが使用されてもよい。装置55などの、ゲーム管轄区域58の内部にあるいくつかのゲーム通信装置は、コンビニエンスゲームシステムへのアクセスを許可されないが、ジオフェンス57は、装置54などの、管轄区域58の外側のゲーム通信装置がアクセスを許可されないことを確実にする。
【0036】
ジオフェンシングは、位置を指定しない。むしろ、ジオフェンシングは、移動局が特定の境界内にあることを確実にする。例えば、ジオフェンシングは、州境を越えた移動局が、コンビニエンスゲームシステムにアクセスしないことを確実にするために使用されてもよい。三角測量は、他方、正確な位置、またはほぼ正確な位置を指定する。例えば、図5に示すように、装置56の位置を特定するために、装置56は、基地局53のうちの3つの間で三角測量される。三角測量は、移動局などの装置が、(例えば、学校などの)ギャンブルが許可されていない特定のスポット内に位置しているかどうかを識別するために使用されてもよい。好ましくは、本発明と組み合わせて使用される位置特定技術は、米国連邦通信委員会(FCC)のフェーズ2 E911の要件を満たす。ジオロジカル・インスティチュート・サーベイ(Geological Institute Survey)(GIS)のマッピングも、装置がゲームのために許可されていない区域内にあるかどうかを判定するために、ゲーム通信装置の識別された座標を、GISマップの機能または要素と比較するために利用されてもよい。三角測量、ジオフェンシング、グローバルポジショニング衛星(GPS)技術などの、任意のタイプの位置検証、あるいは、ユーザが承認されたゲーム区域内にいるということの、許容できるレベルの信頼度を確実にするために、または提供するために使用されてもよい、任意のその他のタイプの位置特定技術が使用されてもよいということに留意すべきである。
【0037】
他の実施形態では、位置検証は、チャネルアドレス検査を使用して、あるいは、ゲーム通信装置によってアクセスされているネットワークまたはネットワークの部分を示す、何らかのその他の、識別番号、または情報を使用する位置検証を使用して、達成される。この目的のために識別番号を使用すると仮定すると、例として、位置検査の一方法によれば、参加者は、携帯電話機を介してゲームシステムにアクセスする。携帯電話機の識別番号、または携帯電話機によってアクセスされているネットワーク要素の識別番号は、モバイルネットワークへの発呼者の接続を識別する。番号は、発呼者が、確定した区域内にいるという事実、および、特定のモバイルネットワーク上にいるという事実を示す。この情報を、ネットワークを介して、ゲームサービスプロバイダに通信するために、サーバアプリケーションが携帯電話機上に存在してもよい。関連する実施形態において、情報のための識別番号は、第1のネットワークプロバイダから第2のネットワークプロバイダに渡される。例えば、発呼者のホームネットワークは、第2のプロバイダによって提供されるものであってもよく、しかし、発呼者は、第1のプロバイダによって提供されるネットワーク上で(かつ、管轄区域内で)ローミング中である。関連するゲーム活動を許可する、または許可しない、確定した区域内に発呼者がいるかどうかを、第2のプロバイダが判定することを可能にするために、第1のプロバイダは、識別情報を、第2のプロバイダに渡す。好ましくは、ゲームサービスプロバイダは、さまざまな可能な世界中のモバイルネットワークの識別番号を地理的区域にマッピングするデータベースを維持するか、またはそのようなデータベースにアクセスできる。本発明は、携帯電話機と接続されている、ネットワークのネットワーク部分、またはネットワーク要素を示す、任意の番号またはその代用を使用することを企図する。識別番号は、基地局または基地局のグループ、回線、チャネル、中継線、スイッチ、ルータ、リピータなどのうちの1つ以上を示してもよい。
【0038】
本発明の他の実施形態では、ユーザが自分の電話機をゲームサーバに接続すると、ゲームサーバは、ネットワーク識別情報を引き出して、その情報を、ゲームサービスプロバイダの中に伝達する。ゲーム通信装置上に存在するソフトウェアは、ユーザによってログインまたはアクセスされ次第、(少なくとも一部は識別情報に基づいて)ユーザの位置を判定し、そして、ゲームサービスプロバイダにメッセージを送信する機能を内蔵してもよい。位置を特定するために使用される識別番号または情報は、国固有、州固有、町固有、または何らかのその他の定義可能な境界に固有であってもよい。
【0039】
任意の位置特定方法に関連して、ゲームシステムは、位置特定情報を定期的に更新してもよい。これは、許可されていない区域へのゲーム通信装置の移動が、ログインまたは初期アクセス時のみでなく、プレイ中にも検出されることを確実にするために、例えば、ゲームセッションの間に、事前定義された時間間隔で行われてもよい。
【0040】
したがって、使用されている位置特定技術に応じて、ゲーム活動を許可するか禁止するかの決定は、ゲーム通信装置において、ゲームサーバにおいて、または、ゲーム通信装置と(例えば、基地局などにおける)ゲームサーバとの間で情報を伝送するために使用される電気通信ネットワークの任意の構成要素において、行われてもよい。
【0041】
許可されていない区域内でのゲームを防止することに関連する、プライベート無線ネットワークの一態様は、ゲーム通信装置上への、無線認証(Radio Frequency Identification(RFID))センサなどのセンサの配置である。ユーザが、装置を、承認されたゲーム区域の外側に持って行くと、センサはアラームを鳴らす。さらに、装置は、不動の物体に「つなぎ留められ(tethered)」てもよい。ユーザは単に、自分のIDおよびパスワードを使用してそのような装置にログインしてもよい。
【0042】
図6に関連して、本発明による方法の例示的な実施形態が、以下のように説明されてもよい。前述のように、ソフトウェアは、ゲーム通信装置上にロードされていることが好ましく、そして、ゲームのための入力データを受信するように動作可能である。入力データは、ゲームサーバ上に存在する関連するゲームソフトウェアにおいて発生してもよく、または、ゲーム通信装置のユーザによって入力されてもよい。装置上のソフトウェアは、ゲーム環境の表現を提示するように動作可能である。これは、特に、ブラックジャックのテーブルなどの、テーブルゲームの表現、またはスロットマシンの表現を含んでもよい。ゲーム環境の表現のその他の例は、本明細書に記載した任意のその他のアプリケーションのグラフィカル表現を含む。
【0043】
図6に示す例示的な方法では、第1のステップ602において、ゲーム通信装置が起動される。これは、電話機、PDA、または本明細書の他のところに記載されているようなその他の通信装置を、オンにしたことの結果として発生してもよい。好ましくは、起動は、ゲーム通信装置をプライベートデータネットワークに接続することを含む。起動の一部は、プロンプトにおいてログインすることを含む。これは、ゲーム通信装置のユーザの、第1のレベルの認証として考えられてもよい。第2のレベルのユーザ認証は、ゲーム通信装置自体の認証を含む。これは、例えば、携帯電話会社による移動局の認証によって発生してもよい。第3のレベルのユーザ識別は、バイオメトリクスを含んでもよい。バイオメトリクスのさまざまな例としては、以下に限定されないが、指紋識別、写真識別、網膜のスキャニング、声紋マッチングなどが挙げられる。
【0044】
次のステップ604において、ゲーム環境がユーザに提示される。ゲーム環境は、さまざまな段階で提示されてもよい。例えば、第1の段階において、ゲーム環境は、例えば、テーブルゲーム、スロット、スポーツギャンブル、ビデオポーカー、およびカジノの会計(casino cashier)を含む、特定のゲームオプションがユーザに提示される、カジノのロビーを含んでもよい。それに続く段階では、カジノのロビーから選択された活動のタイプの、任意選択のインスタンスがユーザに提示されてもよい。
【0045】
次のステップ606において、ユーザは、特定のカジノテーブルゲームなどの、活動を選択する。ステップ608において、選択した活動に関連する1つ以上のオプションがユーザに提示される。ステップ610において、ユーザは、オプションを選択する。例えば、この時点で、ユーザは、賭けること、カードを引くこと、レストランまたはレストランのメニュー品目を選択すること、ニュース源またはニュース記事を選択すること、金融取引における買いまたは売りを注文すること、所与の映画についての、金額以上/以下の特定の興行成績について賭けること、などを行ってもよい。ユーザ入力のためのオプションは無数にある。ステップ612において、ゲーム通信装置上に存在するソフトウェアは、ユーザによるオプション入力を受け入れ、そして、ゲームサーバにおいて存在するソフトウェアに入力データを送信する。ステップ614において、ゲームサーバソフトウェアは、入力データに従って動作する。
【0046】
この時点における動作は、以下に限定されないが、結果および/または金額を決定すること、別のサーバおよび/またはソフトウェアアプリケーションにアクセスすること、情報を検索すること、ユーザへの応答を準備すること、などを含んでもよい。結果および/または金額を決定する動作は、例えば、ユーザが、ギャンブル活動に関連して、賭けをするための装置を使用している場合に発生してもよい。テーブルゲームまたはスロットマシンなどの、特定のギャンブル活動については、結果(すなわち、ユーザが勝ったか負けたか)を決定するために、乱数発生器が組み込まれてもよく、そして、ゲームサーバソフトウェアは、さらに、勝った、または負けた金額を、賭けられた金額と、任意の適用可能な賭け率とに基づいて決定する。別のサーバおよび/またはソフトウェアアプリケーションにアクセスする動作は、例えば、ユーザが、ニュースサービスにアクセスすること、レストランにおいて予約することおよび食べ物と飲み物を注文すること、または小売購入を行うことなどの、サービス活動に関与している場合に発生してもよい。情報を検索する動作は、ゲームサーバソフトウェアが、ユーザによって要求された特定のタイプの情報を検索する目的のために、別のサーバにアクセスするよう促された場合に発生してもよい。
【0047】
好ましくは、ゲームサーバソフトウェアは、ユーザの入力データに対する応答を準備し、そして、ステップ616において。ステップ618において、ユーザは、応答に対する確認応答を行う。例えば、ギャンブルの場合、ユーザは、ブラックジャックの勝負で、ディーラーが21を超えたため勝ったということ、および、五分五分の賭け率における50ドルの賭けに基づいて、ユーザへの支払い金は100ドルであったということを、確認応答してもよい。ステップ620において、ユーザはログアウトする。
【0048】
ユーザがギャンブルをしている状況では、図6に関連して説明した一連のステップ(あるいは、ステップのサブセット、または修正された一連のステップ)の後で、ユーザは、物理的にカジノに入り、支払いおよび/または清算(これは、例えば、信用拡張または前払いを含んでもよい)のために、カジノの出納所に行く。いくつかの実施形態では、ユーザが賞金を受け取ることができる前に、(例えば、24時間の)待ち期間がある。待ち期間の目的は、不正手段の監視のための時間を取っておくためである。待ち期間は、差引残高の金額に依存してもよい。例えば、5,000ドル未満がユーザに支払われるべきである場合、待ち期間は12時間であってもよい。5,000ドル〜10,000ドルがユーザに支払われるべきである場合、待ち期間は24時間であってもよい。10,000ドルを超える額がユーザに支払われるべきである場合、待ち期間は48時間であってもよい。
【0049】
好ましくは、データは、コンビニエンスゲーム活動の間に、ゲーム通信装置と、ゲームサービスプロバイダによって制御されるサーバとの間でやりとりされる。通信の経路の例が、図7に示されている。例えば、ユーザによって行われた賭けなどの、ゲームデータは、ゲーム通信装置701から、基地局702(あるいは、WiFiまたはWiMaxネットワークなどのプライベート無線ネットワークの場合は、送信器)に送信される。基地局702は、データを、ネットワーク703を経由して、ハブまたはゲートウェイ704に送り、ハブまたはゲートウェイ704は、次に、データを、ゲームサービスプロバイダによって運用されるゲームサーバ705に送る。好ましくは、ゲーム通信装置701からネットワーク703への通信は、無線通信を含む。これは、任意のタイプの周知の無線通信、または、将来利用可能になる任意のタイプの無線通信であってもよい。許容できる無線通信プロトコルの例は、CDMA、GSM、およびGPRSを含む。
【0050】
好ましくは、ネットワーク703から、ゲートウェイ704への、そしてサーバ705への通信は、セキュリティ保護された陸上通信線上で行われる。図7は、通信ネットワークの例にすぎず、本発明は、ゲーム通信装置701からサーバ705にデータが送信されてもよい、その他のネットワークを包含すると理解されるべきである。好ましくは、ゲーム通信装置701からサーバ705に送信されるデータに応答するデータは、最初の送信の経路と本質的に逆の経路に沿って、ゲーム通信装置701に返送される。本明細書に記載されている方法およびシステムの、少なくとも特定の実施形態では、ユーザは、実際には、ゲーム通信装置上でゲームをプレイしているのではないということに留意すべきである。むしろ、ユーザは、実際には、カジノ内に位置していてもよい、ゲームサービスプロバイダによって制御されるサーバ上でゲームをプレイしているのであり、したがって、ゲーム装置およびサーバと相互作用している。他の実施形態では、ユーザは、ゲーム装置自体の上でゲームをプレイしていてもよく、または、装置のみと相互作用していてもよい。
【0051】
賞金および損失金の、支払いおよび/または受け取りに関しての、1つの可能なアプローチは、以下のとおりである。カジノ付きホテル(casino hotel)へのチェックイン時に、ホテルの担当者は、客に、コンビニエンスゲーム装置にアクセスしたいかどうかに関して尋ねてもよい。客が、そのようなアクセスを希望する場合、ホテルの担当者は、クレジットカードタイプの前払い金(deposit)、またはその他の前払い金と交換に、ゲーム通信装置を客に提供してもよい。客は、次に、無線ゲームのためのアカウントに金を入れる。客のアカウント残高情報は、好ましくはゲームサーバ上に維持されている、客のアカウントファイル上に書き込まれる。ユーザは、例えば、カジノの出納所において、信用取引を設定することによって、および/または、カジノの出納所に現金を支払うことによって、自分のゲームアカウントに金を入れてもよい。多くのその他の代替が存在し、このプロセスは例にすぎない。客のアカウントまたはゲーム通信装置には、あらかじめ資金が入れられていてもよい。資金は、コンビニエンスゲームセッションの間に入れられてもよい。これは、例えば、ユーザが、ゲーム環境からカジノの出納所の活動を選択し、そして、アカウントに資金を追加するように出納所に指示した場合に発生してもよい。金融サブシステムは、ユーザのアカウントに関連する金融取引を行うために、アカウントカード技術(ATMカード、クレジットカード、ストアドバリューカード、ギフトカード、など)を利用してもよい。その上、ユーザは、遠隔での受け取り、または支払いを、ゲーム通信装置を介して指示を入力することによって行ってもよく、あるいは、コンビニエンスゲーム活動に関係しているカジノ、ホテル、ゲームサービスプロバイダ、またはその他のエンティティによって運用されている、ゲームサーバまたはその他のサーバと電子通信状態にある、現金自動預払機(ATM)などの、別の遠隔装置によって指示を入力することにより行ってもよい。例えば、ユーザは、(ゲーム通信装置を介して)遠隔でレストランに注文してもよい。次に、ユーザは、食事の注文というコンビニエンスゲーム活動の金融取引要求に対応する指示を受理するように動作可能な、ATMタイプのマシンにおいて、食事についての前払いを行ってもよい。
【0052】
ユーザによって着手されたゲーム取引の電子記録が作成されてもよい。好ましくは、これは、ユーザによって行われたすべてのキーストロークの電子記録である、キーストロークログの利用によって達成されてもよい。この状況におけるキーストロークログの利用は、ユーザのゲーム活動の、前例のない監視を可能にする。紛争が生じた場合には、キーストロークログを参照して、実際にユーザが、例えば特定の賭けを行ったかどうかを容易に判定してもよい。
【0053】
電子記録の追加の可能な態様は、ゲーム管理委員会(gaming control board)またはその他の監督機関が、システム上で行われるコンビニエンスゲーム活動の定期的な独立した監視を行うために、直接的な方法で電子記録にアクセスすることを可能にすることである。別の可能な態様は、不正に操作されたマシンに対する警察活動を可能にすることである。例えば、ゲーム管理委員会(またはその他の監督機関)は、ゲーム通信装置を取得して、ある期間にわたるそれらのテスト結果を、電子記録データベース内の記録に対して比較すること(例えば、キーストロークログ内に示された結果を比較することによって)が可能である。これは、本質的に、テストのための電子アクセスを含む。
【0054】
本発明の他の実施形態では、図8に示すように、船をベースとしたコンビニエンスゲームシステムが提供される。システムは、好ましくは、例えばクルーズ船(cruise liner)などの、客船(passenger vessel)802を含む。システムは、通信ネットワークに接続された、1つ以上のゲーム通信装置806を含む。図8に示すネットワークは、LANを介して基地局コントローラ(BSC)810に接続された基地局808を有する、モバイルネットワークを含む。BSC 810は、第1の衛星814と通信状態にある、第1の超小型開口端末(Very Small Aperture Terminal)(SAT)モデム812に、T1インタフェースを介して接続される。第1の衛星814は、第2のVSATモデム812と通信状態にある第2の衛星814からの信号を送信および受信するように動作可能である。第2のVSATモデム812は、ゲームサービスプロバイダ816のところに位置しているゲームサーバ818と通信状態にある。ゲームサーバは、ゲームデータベース820に結合されている。図8に示すネットワーク構成は、やはり、例示のみを目的としており、その他の構成が本発明の範囲内である。船上の事務処理部門(back office)822が提供されることが好ましい。データは、船上のVSATモデムおよび送信器によって、第1の衛星に、第2の(好ましくは、地上にある)VSAT受信器およびモデムへの中継のために通信される。データは、次に、移動局コントローラ(図示せず)を介して、サーバおよび/または集中型データベースに通信される。
【0055】
対応するビジネスモデルは、ゲームサービスプロバイダが船旅会社(cruise line)と契約することを含み、船旅会社は、ゲームサービスプロバイダが、例えばリピータを使用することによって、船旅会社の船(1つまたは複数)の全域にわたるカバレージを提供することを許可することに同意する。ゲームサービスプロバイダは、プライベート無線ネットワークを提供してもよく、その場合、プライベート無線ネットワークの使用によって、またはプライベート無線ネットワークへのアクセスによって発生するあらゆる収入、ならびに、ゲーム活動による収入は、船旅会社とゲームサービスプロバイダとの、すべてまたはその任意のサブセットの間で、割り当てられてもよい。あるいは、ゲームサービスプロバイダは、携帯電話会社および衛星プロバイダと契約してもよく、その場合、携帯電話の通話による収入、およびゲーム活動による収入は、船旅会社と携帯電話会社とゲームサービスプロバイダとの、すべてまたはその任意のサブセットの間で、割り当てられてもよい。
【0056】
コンビニエンスゲームシステム上で行われる取引に関連する、ユーザの活動について、いくつかのシナリオが存在する。1つの例示的なシナリオでは、ユーザは、カジノの敷地内に位置していてもよいゲームサーバから遠く離れた、固定位置にいる。これは、例えば、ゲーム通信装置が、固定位置にあるか、または特定の区域以外に移動できないように固定位置につなぎ留められている、キオスク(kiosk)、または何らかのその他の通信装置である状況を含んでもよい。別の例示的なシナリオでは、ユーザは、コンビニエンスゲーム取引を第1の位置において開始し、第1の位置とは異なる第2の位置において取引を終了する。別の例示的なシナリオでは、ユーザは、1つのコンビニエンスゲーム取引の間に、移動する。別の例示的なシナリオでは、ユーザは、第1の承認された区域内を移動し、次に、(コンビニエンスゲーム取引の間に)ユーザは、第1の承認された区域の外側に移動し、承認されていない区域を通って、遠隔の第2の承認された区域に移動する。
【0057】
別の例示的な実施形態では、コンビニエンスゲームシステムは、相互に作用する複数の無線ユーザを含むゲーム活動を可能にするために使用されてもよい。例えば、システムは、第1のユーザと第2のユーザとが同じテーブル上でゲーム取引を行い、そして、第1のユーザによって選択されたオプションが、第2のユーザに関連する結果とオプションとに直接影響を及ぼす、(ブラックジャックなどの)テーブルゲームを可能にしてもよい。好ましくは、第1および第2のユーザの両方のゲーム通信装置上に提示されるゲーム環境は、他方のそれぞれのユーザの存在と活動とを示す。複数のユーザがコンビニエンスゲームシステム上で相互に作用する、別の例は、ユーザがカジノに対して賭けをすることの代わりに、またはそれに加えて、お互いに対して賭けをする、ポーカーゲームの提供である。ユーザ間の相互作用の別の例は、第1のユーザがレストランの予約を行った場合、またはイベントのチケットを購入した場合、それにより、第2のユーザが利用できるオプションが減少することである。
【0058】
好ましくは、ゲームサービスプロバイダは、少なくとも以下の機能を提供する。第1に、ゲームサービスプロバイダは、1つ以上のゲームサーバを提供し、そして制御する。それらのサーバは、物理的にゲームサービスプロバイダの範囲内に位置してもよく、または遠隔位置に存在してもよい。前述のように、ゲームサーバは、ゲームプロバイダのところ、またはその付近に位置してもよい(カジノ、カジノ付きホテル、ラシノ(racino)、クルーズ船(cruise ship)、競馬場など)。ゲームサービスプロバイダは、さらに、取引監視およびキーストロークロギングサービスなどの、監視サービスを提供してもよい。ゲームサービスプロバイダは、さらに、データ管理およびセキュリティサービスを提供してもよい。これらのサービスは、網羅的であることは意図されておらず、ゲームサービスプロバイダは、コンビニエンスゲームプロセスを容易にするその他のサービスを提供してもよい。
【0059】
本発明は、電子的に行われてもよい、任意のゲーム環境または任意のその他の活動のための環境に関連して実装されてもよいということに留意すべきである。本発明は、ネバダ州または任意のその他の特定のゲーム管轄区域に限定されない。例えば、本発明は、ニュージャージー州アトランティックシティー(Atlantic City,N.J.)内の、国際管轄区域内の、ネイティブアメリカンゲーム施設内の、カジノ関連して、および、スロットマシン、ビデオくじ端末(video lottery terminal)、またはその他のギャンブル装置も有する競馬場である、「ラシノ」に関連して、使用されてもよい。例えば、「ラシノ」に関連して、本発明は、パドック区域内で競走馬を見ている間にスロットマシンゲームをプレイしたい参加者によって使用されてもよい。これは、スロットマシン区域が喫煙を許可しておらず、参加者が屋外の喫煙区域からギャンブルをしたい場合に、望ましい可能性がある。あるいは、スロットマシン区域が喫煙を許可しており、ギャンブラーは、間接喫煙の煙を吸い込むのを回避することが可能な区域からスロットマシンをプレイすることを希望する可能性がある。ゲーム参加者が、ゲーム施設から遠く離れた位置において何らかの他の主要な活動を楽しみながら、遠隔ゲームに参加するために、本発明を使用することが可能な、多数のその他のシナリオが想定されてもよい。
【0060】
さらに、本発明は、ゲームに限定されず、金融商品の取引、および他のタイプのイベント(選挙、授賞イベント、または任意のその他の活動など)について賭けをすることなどの、その他の適用例を含んでもよい。より具体的には、本発明は、遠隔および/または移動ゲームに関連して説明したが、本発明の原理は、パーソナルデジタル(またはデータ)アシスタント(PDA)、コンピュータ、ミニコンピュータ、ページャ、無線端末、携帯電話機などの、ハンドヘルド装置を含む、無線通信装置またはその他のポータブル装置を使用する、任意のシステムまたは方法に適用可能である。そのようなシステムは、金融商品または任意の商品の取引のために使用されるものなどの、電子取引システムを含んでもよい。
【0061】
少なくとも1つの実施形態では、本発明は、ゲームを、承認された地理的区域に制限する、管轄区域制御を提供する。本発明は、さらに、年齢/識別情報の検証機能を含んでもよい。これは、網膜のスキャニング、指紋識別、声紋マッチング、またはその他のバイオメトリクスを含む、任意の適用可能な技術によって達成されてもよい。識別情報の検証は、さらに、(デジタル写真電話機の使用により)カスタマに自分の写真を撮らせて、その写真を、事前承認されたユーザの記憶されている写真との比較のために、ゲームサービスプロバイダに送信させることによって達成されてもよい。識別情報の検証は、さらに、参加者が提供するデータを、記憶されているデータと比較することと、参加者による、電子的な協定または契約の実行とを介して達成されてもよい。本発明は、さらに、キーストロークのロギングを提供してもよい。少なくとも1つの実施形態では、すべての通信が、インターネットにアクセスすることなしに達成される。
【0062】
移動、遠隔ゲームは、多くの理由で望ましい可能性があり、それらの理由のうちのいくつかはすでに説明した。本発明は、賭けをする人が、ゴルフ、水泳、食事、およびショーなどの、その他のレジャー活動を楽しみながら賭けをすることを可能にすることによって、既存の構内でのゲーム収入を補足することを可能にしてもよい。賭けをする人はカジノの外側で好みのゲームをプレイすることができるため、本発明は、新しいコインレスの賭け環境を補完する可能性がある。本発明は、賭けをする人の識別情報および位置の検証のための、規制上の要件を順守する、高速で、信頼性が高く、正確で、かつセキュリティ保護された、移動ゲーム環境を、キーストロークログを生成する機能とともに提供する。本発明は、地理的な観点から許可されていない使用を制限してもよく、そして、ゲーム活動を法律上のパラメータに従わせるための、位置検証技術(例えば、ジオフェンシング)を使用した実装が可能である。
【0063】
消費者は、ゲーム環境の増加した選択肢から恩恵を受ける可能性がある。消費者は、製品が規制され、公正で、セキュリティ保護されているという知識から恩恵を受けながら、好みのどのような周囲状況においても賭けをすることができ、一方で、カジノの構内の環境で発生する可能性があるような外部からの影響なしに、自分が選択する速度でゲーム体験を楽しむことができる。ゲーム会社は、その収益基盤を、新しい、規制され、移動、遠隔の媒体で増加させるために、本発明を使用してもよい。休憩時間に、またはカジノの外側で楽しみたいカスタマは、自分のゲーム通信装置上でゲームをプレイすることができ、従来のカジノの環境に威圧されるカスタマは、個人的にプレイすることができる。カスタマがより楽しい体験をすることによる、ゲームの増加と、付随的な収入の増加とから、ゲーム管轄区域は恩恵を受ける可能性がある。
【0064】
本発明は、さらに、従来の電気通信システムに比較して増加した速度でコンテンツを配信するために使用されてもよい。コンテンツは、例えば、実況中継、エンターテインメント、ニュース、販売促進および広告を含んでもよい。
【0065】
上述のように、本発明は、賭けをする人の識別情報および位置検証についての、規制上の要件を順守する、移動ゲーム環境を提供する。その上、システムは、規制の観点から、100パーセント「公正」であるように設計される。ソフトウェアは、不法にビジネスを行うか、またはさもなければ「グレー」エリアで活動する、いかなる者にもライセンス供与されたことはなく、かつ、ライセンス供与されないであろう、という点で公正である。例えば、好ましい実施形態では、ソフトウェアは、ソフトウェアを不法に動作させるか、またはさもなければインターネット上で不法にビジネスを行うエンティティには、ランセンス供与されない。これは、特定のゲーム管轄区域では、違法な活動に従事していることが知られている他のエンティティとビジネスを行う会社、またはそれらのエンティティとの間で技術のライセンス供与を行う会社には、ゲームの許可またはライセンスを与えないという点で、望ましい可能性がある。
【0066】
好ましくは、システムは、ゲームソフトウェア(または、システム上で動作するその他のアプリケーションソフトウェア)も規制の観点から100パーセント公正であるように設計される。例えば、ライセンスを与える前に、ゲーム管轄区域では、使用されているソフトウェアが、いずれかの法律に違反しているライセンス希望者によって使用さたことがなく、かつ、違法な目的のためにそのソフトウェアを使用した他者、または不法な活動に従事している他者に、ライセンス供与されたことも、その他の方法で配布または頒布されたこともない、という点で、汚染されていないということを要求する場合がある。したがって、ゲームソフトウェアは、この観点から、公正であり、汚染されていないということが好ましい。
【0067】
本明細書に記載したシステムおよび方法は、さらに、例えば、(生の、またはほとんど生の)スポーツビデオ、および音声解説などの、「リッチメディア」コンテンツの配布および/またはアクセスのために使用されてもよい。そのようなものは、しばしば、特定の管轄区域内でのみ配布される可能性がある。したがって、本明細書で説明した発明の態様、特に、ジオフェンシングなどの、位置検証の態様から、配布は恩恵を受ける可能性がある。
【0068】
本明細書に記載したゲームシステムおよび方法は、特に、パリミューチュアル賭け、スポーツくじ、ならびに、ニュースおよびその他のコンテンツの頒布を可能にしてもよい。本発明は、さらに、カジノまたはその他のゲームプロバイダが、ショー、バー、およびレストランなどの、付随的なサービスを宣伝することを可能にする。本発明は、さらに、そのようなサービスに関連した、遠隔予約および購入を可能にする。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態によれば、コンビニエンスゲームシステムは、システムにアクセスしているユーザへの、リアルタイムの賭け率の伝達を提供する。
【0070】
他の実施形態では、1つの取引における結果が、第2の取引のためのオプションの、ユーザへの提示を引き起こしてもよい。例えば、ユーザが、ブラックジャックのプレイで所定の額の金を勝ち取った場合、そのユーザには、カジノの店において小売品目を購入するための、またはクラブにおける特定のサービスの予約を行うための、オプションが提示されてもよい。別の例として、ユーザが、ショーのチケットを購入するためにシステムを使用した場合、そのユーザには、ショーから一定の近さにあるいくつかのレストランのうちの1つにおける予約を行うことが提案されてもよい。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態では、ソフトチェックおよび/またはハードチェックが実行されない限り、ゲーム装置へのアクセスは制限されてもよい。例えば、ソフトチェックプロセスにおいては、ユーザは、正しいユーザ名と、関連するパスワードとを入力するように要求され、一方、ハードチェック機構においては、ユーザは、ゲーム装置に対してユーザの身元を明らかにする、カードなどの、物理的トークンを使用してもよい。
【0072】
図9は、本発明によるハードチェック機構の一部として、ゲーム装置910と組み合わせて使用される、機器920を示す。機器920は、(クレジットカードなどの)磁気ストリップを有するカード、RFIDトランスポンダを含むキー、限定された距離までの信号の発信(limited−distance signal emitted)またはその他のトランスポンダ、マイクロプロセッサまたはその他の回路または「チップ」を有するスマートカード、(RFID信号送信器などの信号送信器を含むか、あるいは、磁気的に符号化された信号、バーコードまたはその他の光学的に読み取り可能な識別子を有する基板、またはそれらの任意の組み合わせを含む)ブレスレットまたはリストバンドのうちの、任意のものを含んでもよい。
【0073】
例えば、本発明のいくつかの実施形態では、機器920は、マグネット、あるいは、(クレジットカードなどの)磁気ストリップを有するカード、あるいは、マイクロプロセッサまたはその他の回路または「チップ」を有するスマートカードであってもよく、そして、図10に示すような、ゲーム装置1000の部分である、カードリーダー1010によって読み取られてもよい。あるいは、そのようなカードは、非接触型装置(例えば、カードによって送信された信号を受信して解釈する、信号読み取り装置)によって読み取られてもよい。
【0074】
機器920は、したがって、ゲーム通信装置によって検出可能な信号を、信号が検出された場合にゲーム装置へのアクセスが提供されるように、生成することが可能である。ゲーム装置へのアクセスは、信号が最初に検出された後、所定の時間間隔にわたって提供されてもよく、または、信号が継続して検出されている限り提供されてもよい。機器920によって生成される信号は、それに加えて、または代替として、機器上に記憶された識別情報を伝達してもよい。そのような情報は、トランスポンダまたは任意のその他の好適な発信器を介して伝達されてもよい。ゲーム装置へのアクセスは、識別情報が、ゲーム通信装置を操作することが許可されているユーザと関連付けられた場合に提供されてもよい。そのような識別情報は、機器920上に記憶されてもよい。
【0075】
その上、機器920によって生成される信号は、それに加えて、または代替として、許可されているユーザに関連付けられた特性を伝達してもよい。それらの特性は、ユーザによって賭けられる平均量、ユーザは大量、中量、または少量のいずれの賭けをする人であるか、ユーザの賭けの成績、ユーザは、機器をユーザに配布した組織と提携したクラブのメンバーであるかどうか、を含んでもよい。ユーザの特性は、機器920および/または装置910上に記憶されて、さらなる賭けおよび取引にユーザが従事するにつれて更新されてもよく、それにより、装置のためのさらに別の層のセキュリティの提供を可能にしてもよい。例えば、最初のソフトおよびハードチェックが成功した後でも、更新された情報が、許容できる特性の所定の範囲内に入らない場合、または、進行中の賭けの要求に、所定の許容範囲内で実質的に一致しない場合、ユーザは、その後、装置910へのアクセスを拒否されてもよい。代替として、またはそれに加えて、一定数の偏差の発生(装置910によって伝達されてもよく、または、装置910によって伝達される更新された特性に基づいて単に計算されてもよい)は、セキュリティセンターにおいて発生する警報信号を作動させてもよい。この信号は、ユーザの監視の増加をもたらしてもよく、あるいは、この信号により、セキュリティまたはギャンブル施設の要因がユーザに対して行動を起こさせてもよい。
【0076】
あるいは、機器920によって生成される信号は、特定のクラスの装置(例えば、賭けられることが許可される金額についての、比較的高い上限(存在する場合)に関連付けられたゲーム装置)と互換性があってもよい。機器が提供される前に、ユーザは、識別情報(例えば、ユーザID)を提供することを要求されてもよい。この情報を受け取ったら、ギャンブル施設などの、プロバイダは、そのユーザに関連付けられた特性と、提供された情報とを含む、ユーザ記録またはプロファイルを検索してもよい。ユーザは、次に、検索された特性に対応する機器を提供されてもよい。賭けに関連する、そのような検証プロセスの例は、以下で述べる。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態では、機器920はいかなる信号も生成しない。代わりに、機器920は、テープ、メモリ、ディスクなどの、記憶装置または記憶媒体であってもよく、そして、ギャンブル装置910は、コンパクトディスクまたはその他のディスクなどの、情報を抽出することが可能な読み取り装置、またはテープリーダー、あるいは、そのような記憶機構上に記憶された情報を抽出することが可能な任意のその他のカードリーダーまたは装置を有してもよい。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態では、機器920は、さらに、その他の機能を果たしてもよい。無線ゲーム装置へのアクセスを確保することに加えて、またはその代替として、機器920は、ゲームステーションまたはその他のインタフェースと通信するために、本明細書に記載したのと同じ機構を使用してもよい。例えば、機器920は、特定の非移動ゲーム装置、カジノまたはホテル内の一定の区域、特定のナイトクラブまたはレストラン、特定の部屋またはスイートルームなどへの、ユーザアクセスを許可する情報に関連付けられていてもよく、あるいは、例えば「コンプカード(comp card)」などの、ユーザまたはプレーヤーの追跡カードとして働いてもよい。
【0079】
本発明の他の実施形態では、機器920は、図11に示すブレスレット1100などの、ブレスレットまたはリストバンドであってもよい。ブレスレット1100は、ゴム、プラスチック、金属、またはその任意の組み合わせなどの、多くのタイプの材料で作られていてもよい。ブレスレット1100は、使い捨てのために、または何度も使用するために適合されてもよい。ゲーム装置のユーザの例えば腕に、ブレスレットが付けられるか、または装着されてもよいように、ブレスレットの端は、ポイント1111において接続可能であってもよい。例えば、ブレスレット1100は、付着性のあるもの(adhesive)を一方の端に有し、ユーザの腕の周囲でブレスレットがループに形成された場合に、その端がもう一方の端に付着することを可能にしてもよい。
【0080】
ブレスレットは、(例えば、一連の英数字を表す信号などの、固有の識別子を表す信号を発信することによって)ユーザを識別する信号を発信する、チップ、送信器、またはトランスポンダを含んでもよい。そのような実施形態では、ブレスレットは、ゲーム装置のユーザによって装着された場合、ゲーム装置によって受信される信号を発信してもよく、信号は、次に、許可されたユーザ(例えば、ブレスレットによって送信された固有の識別子に関連付けられたユーザ)によって無線ゲーム装置が使用されているということを、ゲーム装置に知らせる。
【0081】
ブレスレットは、ユーザによって装着されている期間にわたってのみ動作してもよい。例えば、ブレスレットまたはゲーム装置は、ブレスレットが、その端が相互に付着された、ループ位置にあるかどうかの検出を可能にする装置を含んでもよい。これは、ブレスレットがユーザによって装着された後で、(ブレスレットの端がもはや相互に接触していないため)ブレスレットがユーザによって取り外されたかどうかを、判定することが望ましい場合に有利である。本発明のいくつかの実施形態では、非常に低いアンペア数の電流が、ブレスレット内の送信器またはバッテリを通して、ブレスレットを通過させられてもよい。したがって、ブレスレットがユーザによって装着されている場合、ブレスレットの端は電気的に接続されて、閉回路が形成され、それにより、回路を通して流れる電流が発生する。そのような電流は、ゲーム装置によって検出されてもよい。他の実施形態では、回路の磁場がゲーム装置によって検出されてもよい。回路が遮断されているか、またはその他の方法で切られている場合は、ユーザがブレスレットを取り外した可能性があることを示しており、その後、ハードチェックは失敗してもよく、ユーザは別の方法でハードチェックに合格しなければならない(例えば、別のブレスレットを取得することによって)。ブレスレットは、取り外し次第、永続的に無効にされてもよく、または無効にされなくてもよい。
【0082】
ブレスレットは、ユーザの特性に関連付けられた、視覚的な、またはその他の、標識(indicator)またはしるし(indicia)を有してもよい。したがって、さまざまなユーザが、さまざまな色、寸法、サイズ、スタイルなどを有するブレスレットを、それらのユーザのゲーム、またはその他の特性に基づいて配られてもよい。例えば、ユーザ識別情報の検証、および/またはユーザ記録の検索が行われたら、大量の賭けまたは取引を行うユーザには、より少量の賭けまたは取引を行うユーザに与えられるブレスレットとは異なる色を有するブレスレットが与えられてもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、ゲーム装置は、装置へのアクセスがブレスレットを介して提供された場合(すなわち、ハードチェックが成功した場合)、または単に装置がブレスレットから一定の距離以内にある場合に、認識できる視覚、音声、および/またはその他の信号を提供するように構成されてもよい。例えば、アクセスが提供された場合、ゲーム装置上のLEDがオンにされてもよい。別の例として、装置がブレスレットを検出することが可能である場合、および/または、ユーザが装置上の探知機ボタン(locator button)を作動させた場合に、装置は、点滅光、電子ブザー音を発生してもよく、かつ/または、振動してもよい。そのようなボタンの作動は、装置をロック解除するために取られる一連のステップの部分であってもよい。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態では、無線ゲーム装置がユーザに提供されることが登録される際に、ゲーム装置は、1つ以上の特定のブレスレットを認識するようにプログラムされてもよい。そのような実施形態では、ゲーム装置は、特定のブレスレットの一意の識別子に一致するように、または対応するように、選択または決定されてもよい。例えば、一意の識別子は、無線ゲーム装置によって記憶されるか、無線ゲーム装置内に符号化されるか、または無線ゲーム装置内にプログラムされてもよい。
【0085】
本発明の他の実施形態では、固有の識別子、および/またはユーザ特性は、無線ゲーム装置がユーザに提供されることが登録される際に、ブレスレット内に符号化されてもよい。それらの実施形態では、ブレスレットの識別子は、無線ゲーム装置に一致するように、または対応するように、あるいは、その他の方法で無線ゲーム装置によって認識されるように、設定される。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態では、ハードチェック機器(例えば、上述のブレスレット)に関連付けられた識別子は、無線ゲーム装置がアクセスできる、サーバまたはその他の装置上に記憶される。他の実施形態では、無線ゲーム装置は、そのような識別子を記憶しない。機器から無線ゲーム装置に伝達された情報は、検査され、所定の条件と比較され、または局所的に(すなわち、無線ゲーム装置において、例えばその装置自体によって)照合され、あるいは、例えば、ユーザを認証して装置に伝達することが可能なサーバによって、遠隔で照合されてもよい。例えば、そのような情報は、図1のネットワーク16を通して伝送されてもよく、そして、コンピュータ18によって処理されてもよい。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態では、特定の機器(例えば、ブレスレット)に関連付けられた識別子は、ユーザの1つ以上のアカウントが認識され、アクセスされることを可能にする。例えば、ユーザの「コンプポイント(comp points)」を記憶または管理するアカウントが、無線ゲーム装置によって特定できてもよく、そして、無線ゲーム装置からアクセス可能であってもよい。したがって、ユーザは、無線ゲーム装置を使用して賭けをしてもよく、そしてさらに、自分のコンポポイントを操作させてもよい(例えば、無線ゲーム装置の使用に従って追加させてもよい)。
【0088】
無線ゲーム装置は、使用されるハードチェックの形態(例えば、磁気ストライプを有するコンプカードではなく、ブレスレットから)を決定するようにプログラムされてもよい。例えば、入力の方法が、そのような決定を提供してもよい(例えば、図10に示すような統合カードリーダーを介して受信された識別子は、カードを介してハードチェックが実行されることを示し、一方、RFIDトランスポンダを介して受信された識別子は、図11に示すようなブレスレットを介してハードチェックが実行されることを示す)。代替として、またはそれに加えて、ハードチェックの形態は、識別子の中に符号化されてもよい。例えば、数字「1」で始まる識別子は、ハードチェックがカードを介することを示してもよく、一方、数字「2」で始まる識別子は、ハードチェックがブレスレットを介することを示してもよい。
【0089】
本開示を、特定の実施形態および一般的に関連する方法に関して説明したが、それらの実施形態および方法の変形および交換は、当業者にとって明白であろう。したがって、例示的な実施形態の上記の説明は、本開示を定義または制限するものではない。その他の変更、置換、および変形も、本開示の精神および範囲を逸脱することなく可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の特定の実施形態によるコンビニエンスゲームシステムを示す。
【図2】本発明の特定の実施形態による、無線ネットワークを有するコンビニエンスゲームシステムを示す。
【図3】本発明の特定の実施形態による、さまざまなゲーム活動を示すコンビニエンスゲームシステムのブロック図である。
【図4】本発明の特定の実施形態による、カバレージエリアを示すコンビニエンスゲームシステムを示す。
【図5】本発明の特定の実施形態による、三角測量位置特定を示す、無線ネットワークを有するコンビニエンスゲームシステムを示す。
【図6】本発明の特定の実施形態によるコンビニエンスゲーム方法のステップを示すフローチャートである。
【図7】本発明の特定の実施形態による、通信経路を示すコンビニエンスゲームシステムを示す。
【図8】本発明の特定の実施形態による、船をベースとしたコンビニエンスゲームシステムを示す。
【図9】本発明の特定の実施形態に従って使用するための、コンビニエンスゲーム装置および機器を示す。
【図10】本発明の特定の実施形態による、コンビニエンスゲーム装置および機器を示す。
【図11】本発明の特定の実施形態による、別のコンビニエンスゲーム装置を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報を記憶するための媒体と、
前記識別情報をゲーム装置に伝達するための発信器であって、前記識別情報が、前記ゲーム装置を操作することを許可されているユーザと関連付けられた場合に、前記ゲーム装置へのアクセスが提供される、発信器とを具備する、機器。
【請求項2】
前記媒体は、前記ユーザに関連付けられた特性をさらに記憶する、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
ゲーム装置によって検出可能な信号を生成する機器であって、前記信号が検出された場合に、前記ゲーム装置へのアクセスが提供される、機器。
【請求項4】
前記ゲーム装置へのアクセスは、前記信号が検出された後、所定の期間にわたって提供される、請求項3に記載の機器。
【請求項5】
前記機器は磁気カードを具備する、請求項3に記載の機器。
【請求項6】
前記機器はRFIDトランスポンダを具備する、請求項3に記載の機器。
【請求項7】
前記機器はチップを具備する、請求項3に記載の機器。
【請求項8】
前記機器は、光学的に読み取り可能な識別子を有する基板を具備する、請求項3に記載の機器。
【請求項9】
前記機器はブレスレットである、請求項3に記載の機器。
【請求項10】
前記機器は、前記機器のユーザの特性に関連付けられた標識を含む、請求項3に記載の機器。
【請求項11】
前記標識は視覚的標識である、請求項10に記載の機器。
【請求項12】
装置であって、
機器から受信した信号を検出するように、そして、
前記信号が検出されている限り、前記装置へのアクセスを提供するように動作可能な、装置。
【請求項13】
カードリーダーを具備する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
電流検出器を具備する、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
磁場検出器を具備する、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記装置は、無線ゲーム装置である、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記装置は、ゲームステーションである、請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記装置は、パスワード検証プロセスが正常に実行された場合に、前記装置へのアクセスを提供するように、さらに動作可能な、請求項12に記載の装置。
【請求項19】
通信装置であって、
機器からの情報を読み取るための手段と、
前記情報が所定の条件に一致する場合に、前記通信装置へのアクセスを提供するための手段とを具備する、通信装置。
【請求項20】
前記通信装置はPDAである、請求項19に記載の通信装置。
【請求項21】
前記通信装置は無線電話機である、請求項19に記載の通信装置。
【請求項22】
前記通信装置はハンドヘルド装置である、請求項19に記載の通信装置。
【請求項23】
前記装置は無線移動局である、請求項19に記載の通信装置。
【請求項24】
前記装置はゲームステーションである、請求項19に記載の通信装置。
【請求項25】
サーバと、
通信ネットワークによって前記サーバに結合された、請求項19に記載の通信装置とを具備する、システム。
【請求項26】
通信装置へのアクセスを制御するための方法であって、前記方法は、
識別情報を含む信号を機器から受信することと、
前記識別情報が、前記通信装置を操作することを許可されているユーザと関連付けられた場合に、前記通信装置へのアクセスを提供することとを含む、方法。
【請求項27】
機器からの信号を検出することと、
前記信号が検出されている限り、ゲーム装置へのアクセスを提供することとを含む、方法。
【請求項28】
前記信号とともに識別情報を受信することと、
前記識別情報が、前記通信装置を操作することを許可されているユーザと関連付けられた場合に、前記ゲーム装置へのアクセスを提供することとをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ソフトチェックプロセスが正常に実行された場合に、前記ゲーム装置へのアクセスを提供することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記識別情報をサーバに伝達することと、
アクセス許可に関連する指示を、前記サーバから受信することとをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
ユーザに関連付けられた識別情報を受け取ることと、
前記受け取った情報に関連付けられた特性を検索することと、
前記検索された特性に対応する機器を、前記ユーザに提供することであって、前記機器はゲーム装置へのアクセスを提供するように構成されている、こととを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2009−534127(P2009−534127A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506743(P2009−506743)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/066873
【国際公開番号】WO2007/121469
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(506361856)シーエフピーエイチ, エル.エル.シー. (75)
【Fターム(参考)】