説明

無線タグラベル、タグテープロール、無線タグ回路素子カートリッジ、タグラベル作成装置

【課題】しわの発生による印字内容の視認性低下を防止する。
【解決手段】無線タグラベルTを、無線タグ回路素子Toをそれぞれ配置したシート状のアンテナ基材101bと、所定の印字が施された印字領域Sを備えたカバーフィルム103と、アンテナ基材101bをカバーフィルム103に貼り合わせるための貼り合わせ用粘着層101aと、アンテナ基材101bを貼り付け対象に貼り付けるための貼り付け用粘着層101cと、その貼り付け側を覆う剥離材層101dの積層構造で構成し、アンテナ基材101bのラベル長手方向寸法を印字領域Sのラベル長手方向寸法以上とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を記憶する無線タグ回路素子を有する無線タグラベル、無線タグ回路素子を備えたタグテープロール、このタグテープロールを備えた無線タグ回路素子カートリッジ及びタグラベル作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報を記憶する無線タグ回路素子に対し非接触(コイルを用いる電磁結合方式、電磁誘導方式、あるいは電波方式等)で情報の送受信を行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。
【0003】
例えば、このような無線タグ回路素子に対し情報の送受信を行い無線タグラベルの作成を行うタグラベル作成装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この従来技術では、無線タグ回路素子(アンテナ部、ICチップ)をテープ長手方向に略等間隔に配置したタグテープ(帯状のテープ)が供給スプールに巻回されている。このタグテープは、供給スプールの径方向外側より順番に、当該タグテープを上記被印字テープ層に貼り合わせるための貼り合わせ用粘着材層(第2粘着層)、テープ基材層(基材)、作成されたタグラベルを貼り付け対象に貼り付けるための貼り付け用粘着材層、及びタグラベル貼り付け時に剥離される剥離材層から構成されており、上記無線タグ回路素子が上記テープ基材層と貼り付け用粘着材層との間に設けられている。
【0004】
このような構成であるタグテープが上記供給スプールから供給され、上記貼り合わせ用粘着材層を介して所望の印字が行われた被印字テープ層(ラミネートテープ)と接着されることにより、印字済みタグラベル用テープが形成される。そして、この印字済みタグラベル用テープに備えられた無線タグ回路素子に対し無線タグ情報の書き込みを行うとともに、上記印字済みタグラベル用テープを所望の長さに切断することにより、印字付きのタグラベルが連続的に生成される。このようにして生成されたタグラベルを使用する際には、上記剥離材層を剥がすことにより貼り付け用粘着材層を露出させ、その粘着力でラベル全体を貼り付け対象に貼り付けるようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−333651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術のようにタグテープを構成する場合、テープ状に長手方向に連続する被印字テープ層や貼り合わせ用粘着層に対し、無線タグ回路素子が不連続に(局所的に)存在することとなる。このため、積層構造のうち無線タグ回路素子を厚さ方向において挟むように位置する層が、当該無線タグ回路素子の端部付近でその厚みの有無による段差形状となり、この段差によって積層構造にしわが発生する可能性がある。このようなしわが発生すると、被印字テープ層の印字領域における印字内容が見にくくなり、視認性が低下する。
【0007】
本発明の目的は、しわの発生による印字内容の視認性低下を防止できる無線タグラベル、及びこれを作成するためのタグテープロール、無線タグ回路素子カートリッジ、タグラベル作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明は、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を配置したシート状のアンテナ基材と、所定の印字が施された印字領域を備えた被印字テープ層と、前記アンテナ基材を前記被印字テープ層に貼り合わせるための貼り合わせ用粘着層とを有し、前記アンテナ基材のラベル長手方向寸法を、前記印字領域のラベル長手方向寸法以上としたことを特徴とする。
【0009】
無線タグラベルを、シート状のアンテナ基材、貼り合わせ用粘着層、被印字テープ層を含む積層構造で構成する場合、テープ状に長手方向に連続する被印字テープ層や貼り合わせ用粘着層に対し、アンテナ基材は不連続に(局所的に)存在することとなる。このため、積層構造のうちアンテナ基材を厚さ方向において挟むように位置する層が、当該アンテナ基材の端部付近でその厚みの有無による段差形状となり、この段差によって積層構造にしわが発生する。
【0010】
本願第1発明では、アンテナ基材の長手方向寸法を印字領域以上とすることにより、アンテナ基材長手方向端部の位置を印字領域の外縁部と同じかそれよりも外側とすることができる。この結果、上記しわが発生する場所を印字領域の外縁部又はそれよりも外側とすることができるので、しわによって印字領域の印字内容が見にくくなるのを防止し、視認性を向上することができる。
【0011】
第2の発明は、上記第1発明において、前記アンテナ基材のラベル幅方向寸法を、前記印字領域のラベル幅方向寸法以上としたことを特徴とする。
【0012】
これにより、幅方向についても、アンテナ基材端部の位置を印字領域の外縁部と同じかそれよりも外側とすることができ、さらに確実に視認性を向上することができる。
【0013】
第3の発明は、上記第1又は第2発明において、複数の前記アンテナ基材をテープ長手方向に所定の間隔で配置したタグテープを、前記アンテナ基材の配置位置に関連づけられた所定の切断面で切断し形成されたことを特徴とする。
【0014】
タグ側アンテナを避けて切断したり、アンテナ基材を避けて切断したり、逆にアンテナ基材を含む位置で切断したり等によって、ユーザの使用態様、アンテナ基材の配置態様等に応じた適宜のタグラベル形状を実現し、かつ当該形状においてしわの発生による印字内容の見にくさを防止することができる。
【0015】
第4の発明は、上記第3発明において、前記タグテープを、前記アンテナ基材に備えられた前記無線タグ回路素子の前記タグ側アンテナを含まない前記所定の切断面で切断し形成されたことを特徴とする。
【0016】
タグ側アンテナを避けて切断することにより、アンテナ切断により無線タグ回路素子の通信機能が阻害されるのを防止し、通信信頼性を確保することができる。
【0017】
第5の発明は、上記第3又は第4発明において、
前記タグテープを、前記アンテナ基材を含まない前記所定の切断面で切断し形成されたことを特徴とする。
【0018】
切断面よりもラベル長手方向内側で、かつ、印字領域の外縁部又はそれよりも長手方向外側においてしわを発生させることで、しわによって印字領域の印字内容が見にくくなるのを防止し、視認性を向上することができる。
【0019】
第6の発明は、上記第3又は第4発明において、前記タグテープを、前記アンテナ基材を含む前記所定の切断面で切断し形成されたことを特徴とする。
【0020】
アンテナ基材のある位置で切断することにより、アンテナ基材の一方側端部位置はラベル端部位置と一致することとなる。この結果、当該端部ではしわの発生がなくなる。
【0021】
第7の発明は、上記第1乃至第6発明のいずれかにおいて、前記アンテナ基材は、長方形の平面形状を備えていることを特徴とする。
【0022】
外縁が直線的な形状となるので、印字領域の制御や切断制御における位置設定、言い換えればしわの発生の有無又は発生位置の制御を比較的簡素な態様で行うことができる。
【0023】
第8の発明は、上記第1乃至第7発明のいずれかにおいて、前記被印字テープ層は、前記貼り合わせ用粘着層側の表面に前記印字領域を備えていることを特徴とする。
【0024】
被印字テープ層の貼り合わせ用粘着層側(裏側)から鏡像印字により形成される印字領域において、印字内容が見にくくなるのを防止し、視認性を向上することができる。
【0025】
第9の発明は、上記第1乃至第7発明のいずれかにおいて、前記被印字テープ層は、前記貼り合わせ用粘着層と反対側の表面に前記印字領域を備えていることを特徴とする。
【0026】
被印字テープ層の貼り合わせ用粘着層と反対側(表側)から正像印字により形成される印字領域において、印字内容が見にくくなるのを防止し、視認性を向上することができる。
【0027】
第10の発明は、上記第1乃至第9発明のいずれかにおいて、前記アンテナ基材を貼り付け対象に貼り付けるための貼り付け用粘着層と、この貼り付け用粘着材層の前記貼り付け側を覆うとともに貼り付け時には剥離される剥離材層とを有することを特徴とする。
【0028】
これにより、ユーザが使用するときには、剥離材層を引き剥がして貼り付け用粘着層を露出させることで、簡単にラベルを貼り付け対象に貼り付けることができる。
【0029】
上記目的を達成するために、第11発明は、テープ長手方向に所定の間隔で配置され、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うアンテナとを備えた無線タグ回路素子をそれぞれ配置したシート状の複数のアンテナ基材と、これら複数のアンテナ基材を貼り付け対象に貼り付けるための貼り付け用粘着層と、この貼り付け用粘着材層の前記貼り付け側を覆うとともに貼り付け時には剥離される剥離材層と、前記複数の無線タグ回路素子に対応して設けられ所定の印字が施される複数の印字領域を備えた被印字テープ層に対し、前記複数のアンテナ基材を貼り合わせるための貼り合わせ用粘着層とを有し、各アンテナ基材のテープ長手方向寸法が、対応する前記印字領域のテープ長手方向寸法以上であるタグテープを、テープ長手方向と略直交する軸の周りに巻回して構成したことを特徴とする。
【0030】
タグテープロールに巻回した、シート状のアンテナ基材、貼り合わせ用粘着層等を含む積層構造のタグテープを用いて無線タグラベルを構成する場合、タグテープ内においては、テープ状に長手方向に連続する各層に対し、アンテナ基材は不連続に(局所的に)存在することとなる。このため、積層構造のうちアンテナ基材を厚さ方向において挟むように位置する層が、当該アンテナ基材の端部付近でその厚みの有無による段差形状となり、この段差によってテープ積層構造にしわが発生する。
【0031】
本願第11発明では、タグテープのアンテナ基材の長手方向寸法を対応する印字領域の当該長手方向寸法以上とすることにより、アンテナ基材長手方向端部の位置を印字領域の外縁部と同じかそれよりも外側とすることができる。この結果、上記しわが発生する場所を印字領域の外縁部又はそれよりも外側とすることができるので、タグテープより無線タグラベルを作成したとき、しわによって印字領域の印字内容が見にくくなるのを防止し、視認性を向上することができる。
【0032】
第12の発明は、上記第11発明において、前記被印字テープ層は、前記タグテープに備えられていることを特徴とする。
【0033】
これにより、貼り合わせ用粘着層を介し被印字テープ層が貼り合わされたタグテープを備えたタグテープロールの構成において、タグラベル作成時に被印字テープ層の印字領域に形成される印字内容が見にくくなるのを防止し、視認性を向上することができる。
【0034】
上記目的を達成するために、第13発明は、タグテープを巻回して構成したタグテープロールを備え、タグラベル作成装置に着脱可能に構成された無線タグ回路素子カートリッジであって、前記タグテープは、テープ長手方向に所定の間隔で配置され、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うアンテナとを備えた無線タグ回路素子をそれぞれ配置したシート状の複数のアンテナ基材と、これら複数のアンテナ基材を貼り付け対象に貼り付けるための貼り付け用粘着層と、この貼り付け用粘着材層の前記貼り付け側を覆うとともに貼り付け時には剥離される剥離材層と、前記複数の無線タグ回路素子に対応して設けられ所定の印字が施される複数の印字領域を備えた被印字テープ層に対し、前記複数のアンテナ基材を貼り合わせるための貼り合わせ用粘着層とを有し、各アンテナ基材のテープ長手方向寸法が、対応する前記印字領域のテープ長手方向寸法以上であることを特徴とする。
【0035】
無線タグ回路素子カートリッジに備えられたタグテープロールに巻回した、シート状のアンテナ基材、貼り合わせ用粘着層等を含む積層構造のタグテープを用いて無線タグラベルを構成する場合、タグテープロールのタグテープ内においては、テープ状に長手方向に連続する各層に対し、アンテナ基材は不連続に(局所的に)存在することとなる。このため、積層構造のうちアンテナ基材を厚さ方向において挟むように位置する層が、当該アンテナ基材の端部付近でその厚みの有無による段差形状となり、この段差によってテープ積層構造にしわが発生する。
【0036】
本願第13発明では、タグテープのアンテナ基材の長手方向寸法を対応する印字領域の当該長手方向寸法以上とすることにより、アンテナ基材長手方向端部の位置を印字領域の外縁部と同じかそれよりも外側とすることができる。この結果、上記しわが発生する場所を印字領域の外縁部又はそれよりも外側とすることができるので、無線タグ回路素子カートリッジのタグテープロールから繰り出したタグテープより無線タグラベルを作成したとき、しわによって印字領域の印字内容が見にくくなるのを防止し、視認性を向上することができる。
【0037】
第14の発明は、上記第13発明において、前記被印字テープ層を巻回して構成した被印字テープロールを有することを特徴とする。
【0038】
これにより、被印字テープロールからの被印字テープ層を、貼り合わせ用粘着層を介してタグテープに貼り合わせ無線タグラベルを作成するとき、被印字テープ層の印字領域に形成される印字内容が見にくくなるのを防止し、視認性を向上することができる。
【0039】
第15の発明は、上記第13発明において、前記被印字テープ層は、前記タグテープに備えられていることを特徴とする。
【0040】
これにより、貼り合わせ用粘着層を介し被印字テープ層が貼り合わされたタグテープをタグテープロールに巻回して用いる構成において、タグラベル作成時に被印字テープ層の印字領域に形成される印字内容が見にくくなるのを防止し、視認性を向上することができる。
【0041】
上記目的を達成するために、第16発明は、テープ長手方向に所定の間隔で配置され、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うアンテナとを備えた無線タグ回路素子をそれぞれ配置したシート状の複数のアンテナ基材と、これら複数のアンテナ基材を貼り付け対象に貼り付けるための貼り付け用粘着層と、この貼り付け用粘着材層の前記貼り付け側を覆うとともに貼り付け時には剥離される剥離材層と、被印字テープ層と、前記複数のアンテナ基材を前記被印字テープ層に貼り合わせるための貼り合わせ用粘着層とを有するタグテープを搬送する搬送手段と、前記無線タグ回路素子との間で、無線通信により情報の送受信を行う送受信手段と、前記搬送手段で搬送される前記タグテープの前記被印字テープ層に対し、所定の印字を行う印字手段と、前記タグテープにおける前記アンテナ基材の配置位置情報に基づき、各アンテナ基材に対応して、前記印字手段による前記被印字テープ層への印字領域の大きさを制御する印字制御手段とを有することを特徴とする。
【0042】
タグラベル作成装置による無線タグラベルの作成時には、タグテープが搬送手段で搬送され、タグテープの被印字層に対し印字手段で印字が行われ、タグテープのアンテナ基材に備えられる無線タグ回路素子に対し送受信手段により情報送受信が行われて、タグラベルが完成される。
【0043】
ここで、タグテープとして、シート状のアンテナ基材、貼り合わせ用粘着層、被印字テープ層を含む積層構造のものを用いて無線タグラベルを構成する場合、タグテープ内においては、テープ状に長手方向に連続する被印字テープ層や貼り合わせ用粘着層に対し、アンテナ基材は不連続に(局所的に)存在することとなる。このため、積層構造のうちアンテナ基材を厚さ方向において挟むように位置する層が、当該アンテナ基材の端部付近でその厚みの有無による段差形状となり、この段差によってテープ積層構造にしわが発生する。
【0044】
本願第16発明では、印字制御手段が、タグテープのアンテナ基材の配置位置情報に基づき印字手段の印字領域の大きさを制御することにより、アンテナ基材の長手方向寸法を印字領域以上とすることが可能になる。このようにすることで、アンテナ基材長手方向端部の位置を印字領域の外縁部と同じかそれよりも外側とすることができるので、上記しわが発生する場所を印字領域の外縁部又はそれよりも外側とすることができる。この結果、無線タグ回路素子カートリッジのタグテープロールから繰り出したタグテープより無線タグラベルを作成したとき、しわによって印字領域の印字内容が見にくくなるのを防止し、視認性を向上することができる。
【0045】
第17の発明は、上記第16発明において、前記印字制御手段は、前記印字領域が、平面視において、対応する前記アンテナ基材の外側へはみ出さないように、前記印字手段を制御することを特徴とする。
【0046】
これにより、少なくともアンテナ基材の大きさを印字領域より以上とすることができるので、アンテナ基材長手方向端部の位置を印字領域の外縁部と同じかそれよりも外側とし、しわが発生する場所を印字領域の外縁部又はそれよりも外側とすることができる。
【0047】
第18の発明は、上記第16又は第17発明において、前記タグテープを所定の長さに切断し無線タグラベルを形成する切断手段と、前記アンテナ基材の配置位置情報に基づく所定の切断面で前記タグテープを切断するように、前記切断手段を制御する切断制御手段とを有することを特徴とする。
【0048】
これにより、タグ側アンテナを避けて切断したり、アンテナ基材を避けて切断したり、逆にアンテナ基材を含む位置で切断したり等によって、ユーザの使用態様、アンテナ基材の配置態様等に応じた適宜のタグラベル形状を実現し、かつ当該形状においてしわの発生による印字内容の見にくさを防止することができる。
【0049】
第19の発明は、上記第18発明において、前記切断制御手段は、切断時の前記所定の長さの最小値が、前記無線タグ回路素子のテープ長手方向長さより大きくなるように、前記切断手段を制御することを特徴とする。
【0050】
これにより、切断制御手段がタグラベルの長さを種々設定したとしても、その長さは少なくとも無線タグ回路素子のテープ長手方向長さより大きくなるので、切断により無線タグ回路素子の通信機能が阻害されるのを確実に防止し、通信信頼性を確保することができる。
【発明の効果】
【0051】
本発明によれば、しわの発生による印字内容の視認性低下を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0053】
図1は、本発明の一実施形態に係る無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置を備えた無線タグラベル生成システムを示す構成図である。
【0054】
図1に示すこの無線タグ生成システムTSにおいて、タグラベル作成装置1は、有線あるいは無線による通信回線NWを介してルートサーバRS、複数の情報サーバIS、端末118a、及び汎用コンピュータ118bに接続されている。なお、端末118a及び汎用コンピュータ118bを総称して以下適宜、単に「PC118」と称する。
【0055】
図2は、上記タグラベル作成装置1の全体構造を表す斜視図である。
【0056】
図2において、タグラベル作成装置1は、上記PC118に接続されてPC118からの操作に基づき所望の印字つき無線タグラベルを作成するものであり、装置本体2と、この装置本体2の上面に開閉可能に設けられた開閉蓋3(カバー部材)とを有している。
【0057】
装置本体2は、手前側(図2中、左手前側)に位置し、装置本体2内で作成された無線タグラベルT(詳細は後述)を外部に排出するラベル排出口11を備えた側壁10と、この側壁10のうちラベル排出口11の下方に設けられ下端が回動可能に支持された側蓋12とを備えている。
【0058】
側蓋12は押部13を備えており、この押部13を上方より押し込むことで側蓋12が前方に開放されるようになっている。また、側壁10にはタグラベル作成装置1の電源のオン・オフを行う電源ボタン14が設けられている。この電源ボタン14の下方には、装置本体2内に配設された切断機構15(後述の図3参照)を使用者の手動操作で駆動するためのカッター駆動ボタン16が設けられ、このボタン16が押されることで印字済みタグラベル用テープ109(詳細は後述)を所望の長さにカットして無線タグラベルTを作成するようになっている。
【0059】
開閉蓋3は、装置本体2の図2中右奥側の端部にて回動可能に軸支され、バネ等の付勢部材を介して常時開放方向に付勢されている。そして、装置本体2の上面に開閉蓋3に隣接するように配置された開閉ボタン4が押されることにより、開閉蓋3と装置本体2とのロックが解除され、上記付勢部材の作用により開放される。なお、開閉蓋3の中央側部には、透明カバーで覆われた透視窓5が設けられている。
【0060】
なお、特に図示はしないが、装置本体2の所定の場所(例えば裏面側)にはタグラベル作成装置1の電源となる周知の電池130(バッテリ等その他の蓄電手段でもよい)を着脱可能に収納する収納部が設けられている。
【0061】
図3は、タグラベル作成装置1の内部の内部ユニット20の構造(但し後述するループアンテナLCは省略)を表す斜視図である。図3において、内部ユニット20は、概略的には、カートリッジ7(無線タグ回路素子カートリッジ)を収納するカートリッジホルダ6(カートリッジホルダ部)と、印字手段としての印字ヘッド(サーマルヘッド)23を備えた印字機構21と、切断手段としての切断機構15と、ハーフカットユニット35(後述の図8参照)と、生成された無線タグラベルT(後述の図18等参照)をラベル排出口11(図2参照)より排出するラベル排出機構22とを備えている。
【0062】
図4は、図3に示した内部ユニット20の構造を表す平面図であり、図5は、上記カートリッジ7の詳細構造を模式的に表す拡大平面図である。
【0063】
これら図4及び図5において、上記カートリッジホルダ6は、ラベル排出口11から排出される印字済みタグラベル用テープ109の幅方向の向きが、図の紙面に対し垂直方向となるようにカートリッジ7を収納する。
【0064】
カートリッジ7は、筐体7Aと、この筐体7A内に配置され帯状の基材テープ101(タグテープ)が巻回された第1ロール102(タグテープロール)と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明なカバーフィルム103(被印字テープ層)が巻回された第2ロール104と、インクリボン105(熱転写リボン、但し被印字テープが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール107と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、カートリッジ7のテープ排出部30の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ27と、搬送位置規制手段として機能するガイドローラ112とを有する。
【0065】
テープ送りローラ27は、圧着ローラとしても機能し、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済タグラベル用テープ109としつつ、矢印Aで示す方向にテープ送りを行う。
【0066】
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記基材テープ101を巻回している。基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図5中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図5中右側)よりその反対側(図5中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a(貼り合わせ用粘着層)と、略均一な厚さのシート状の断片に構成され、情報を記憶するIC回路部151と情報の送受信を行うアンテナ152とを備えた無線タグ回路素子Toを粘着層101a側の面に埋め込むようにそれぞれ配置した複数のアンテナ基材101bと、適宜の粘着材からなる粘着層101c(貼り付け用粘着層)と、剥離材層(剥離紙)101dとが、この順序で積層され構成されている。
【0067】
アンテナ152は、ループコイル形状に構成され、これに接続するようにIC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている。アンテナ152及びIC回路部151は、アンテナ基材101bの粘着層101aと面する側に略面一に位置されている。
【0068】
アンテナ基材101bの表側(図5中右側)には、後に上記粘着層101aによってカバーフィルム103が接着される。またアンテナ基材101bの裏側(図5中左側)には、上記粘着層101cによって上記剥離材層101dが接着されている。
【0069】
剥離材層101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。また、この剥離材層101dの表面(図中左側の面)には、各無線タグ回路素子Toに対応した所定の位置に位置検出用の識別子(センサマーク)PMが設けられている。この例ではセンサマークPMは、黒塗りのバーとされているが、レーザ加工等により基材テープ101を貫通する孔を穿孔する等でもよい。又はトムソン型での加工穴等でもよい。
【0070】
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール107及び上記リボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
【0071】
リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27は、それぞれカートリッジ7外に設けた例えばパルスモータである搬送用モータ119(図3及び後述の図15参照)の駆動力が図示しないギヤ機構を介しリボン巻取りローラ駆動軸106a及びテープ送りローラ駆動軸108に伝達されることによって連動して回転駆動される。
【0072】
一方、多数の発熱素子を備えた上記印字ヘッド23が、カートリッジホルダ6に立設されたヘッド取付部24に取り付けられて、テープ送りローラ27よりカバーフィルム103の搬送方向上流側に配置されている。
【0073】
また、カートリッジホルダ6のうちカートリッジ7の前方(図4中、下側)には、ローラホルダ25が支持軸29により回動可能に枢支され、切換機構により印字位置(当接位置、図4参照)とリリース位置(離反位置)とに切換可能とされている。このローラホルダ25には、プラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が回転可能に配設されており、ローラホルダ25が上記印字位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が上記印字ヘッド23及び上記テープ送りローラ27に対し圧接されるようになっている。
【0074】
上記構成において、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101は、テープ送りローラ27へと供給される。一方、第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されリボン供給側ロール107とリボン巻取りローラ106とにより駆動されるインクリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されて当該カバーフィルム103の裏面に当接させられる。
【0075】
そして、カートリッジ7が上記カートリッジホルダ6に装着されロールホルダ25が上記リリース位置から上記印字位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド23とプラテンローラ26との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103がテープ送りローラ27と圧着ローラ28との間に狭持される。そして、搬送用モータ119の駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27が矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸108と上記圧着ローラ28及びプラテンローラ26はギヤ機構(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸108の駆動に伴いテープ送りローラ27、圧着ローラ28、及びプラテンローラ26が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ27へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、印刷駆動回路120(後述の図15参照)により印字ヘッド23の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に、貼り合わせ対象となる基材テープ101上の無線タグ回路素子Toの記憶情報に対応したラベル印字R(後述の図18参照)が印刷される。そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及び圧着ローラ28により接着されて一体化されて印字済タグラベル用テープ109として形成され、テープ排出部30よりカートリッジ7外へと搬出される。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸106aの駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
【0076】
なお、カートリッジ7の上記筐体7Aの上面には、例えば、カートリッジ7内に内蔵されている上記基材テープ101のテープ幅、テープの色等を表示するテープ特定表示部8が設けられている。カートリッジ7をカートリッジホルダ6に装着して開閉蓋3を閉じると、前述の透視窓5とテープ特定表示部8とが相互に対向し、透視窓5の透明カバーを介してテープ特定表示部8を装置本体2の外部から視認できる。これにより、カートリッジホルダ6に装着されているカートリッジ7の種類等を装置本体2の外部から透視窓5を介して容易に視認できるようになっている。
【0077】
一方、前述したように、内部ユニット20には、上記切断機構15と、上記ラベル排出機構22とが備えられ、さらに、基材テープ101(貼り合わせ後は印字済みタグラベル用テープ、以下同様)に備えられた無線タグ回路素子Toに対し無線通信を介し情報読み取り又は書き込みを行うループアンテナLC(通信手段)が備えられている。そして、上述のように貼り合わされて生成された印字済みタグラベル用テープ109に対しループアンテナLCにより無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みが行われた後、自動的にあるいは上記カッター駆動ボタン16(図2参照)を操作することにより切断機構15によって印字済みタグラベル用テープ109が切断されて無線タグラベルTが生成される。この無線タグラベルTは、その後さらにラベル排出機構22によって側壁10(図2参照)に形成されたラベル排出口11から排出されるようになっている。
【0078】
上記切断機構15は、固定刃40と、この固定刃40とともにカット動作を行う可動刃41と、この可動刃41に連結されるカッターハスバギヤ42(図3参照)と、このカッターハスバギヤ42にギヤ列により連結されるカッターモータ43(図3参照)とを備えている。
【0079】
上記ラベル排出機構22は、装置本体2の側壁10に設けられたラベル排出口11の近傍に配設され、切断機構15において切断された後の印字済みタグラベル用テープ109(言い換えれば無線タグラベルT、以下同様)をラベル排出口11から強制的に排出するための排出手段としての機能を有する。すなわち、ラベル排出機構22は、駆動ローラ51(搬送手段)と、この駆動ローラ51に対して印字済みタグラベル用テープ109を挟んで対向する押圧ローラ52と、この押圧ローラ52を印字済みタグラベル用テープ109に対して押圧し、またはその押圧を解除するように作動される押圧作動機構部53(図3参照)と、この押圧作動機構部53の押圧解除動作に連動して、駆動ローラ51により印字済みタグラベル用テープ109を排出するように回転させるための排出駆動機構部54(図3参照)とを備えている。
【0080】
このとき、上記ラベル排出口11の内側には、印字済みタグラベル用テープ109をラベル排出口11へ案内するための第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64が設けられている(図4参照)。第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64はそれぞれ一体に形成され、上記固定刃40と可動刃41とでカットされた印字済みタグラベル用テープ109の排出位置において、互いに所定の間隔を隔てられるように配置されている。
【0081】
押圧作動機構部53は、ローラ支持ホルダ57と、ローラ支持ホルダ57に取り付けられ、先端部に押圧ローラ52を保持するローラ支持部58と、ローラ支持ホルダ57を回動可能に支持するホルダ支持部59と、切断機構15に連動して押圧作動機構部53を駆動するカム60と、付勢バネ61とから構成されている。
【0082】
ローラ支持部58は、この押圧ローラ52をその上下方向から挟み込むようにして回転自在に支持されている。そして、ローラ支持ホルダ57がカッターハスバギヤ42の回転により、カム60を通してホルダ支持軸59を中心に反時計回り(図3中、矢印71方向)に回動することで、押圧ローラ52は印字済みタグラベル用テープ109に対して押圧される。また再びカッターハスバギヤ42を回転させると、付勢バネ61によりホルダ支持軸59は先ほどと逆方向に回動し、押圧ローラ52は印字済みタグラベル用テープ109から離間される。
【0083】
排出駆動機構部54は、テープ排出モータ65とギヤ列66とからなり、押圧ローラ52によって印字済みタグラベル用テープ109が駆動ローラ51に押圧された後に、テープ排出モータ65を駆動させ、駆動ローラ51を印字済みタグラベル用テープ109の排出方向へ回転させることによって、印字済みタグラベル用テープ109が強制的に排出方向に排出される。
【0084】
なお、駆動ローラ51よりも搬送方向上流側(言い換えれば後述のハーフカッタ34とループアンテナLCとの間)には、上記基材テープ101の剥離材層101dに各無線タグ回路素子の位置に対応して設けた上記位置検出用のセンサマーク(識別子)PMを検出可能なマークセンサ127が設けられている。このマークセンサ127は、例えば、投光器及び受光器からなる反射型の公知の光電センサである。投光器と受光器との間に上記センサマークPMが存在するかどうかに応じて、受光器からの制御出力が反転させられるようになっている。なお、マークセンサ127に対向する第1案内壁56は表面が投光器の光を反射しない色であったり、受光器が反射光を受光しないよう傾斜を設ける等の構成となっている。
【0085】
図6は、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101に備えられる無線タグ回路素子Toの概念的構成を表す、図5中矢印D方向から見た概念図である。この図6において、基材テープ101には、前述のようにシート状に形成された複数個のアンテナ基材101bが設けられ、アンテナ基材101bに、ループコイル形状に構成され情報の送受信を行う上記ループアンテナ152とこれに接続され情報を記憶するIC回路部151とから構成された無線タグ回路素子Toが設けられている。また、剥離材層101dの裏側の表面には、前述したセンサマークマークPMがアンテナ基材101bの位置(言い換えれば無線タグ回路素子Toの位置)と対応づけて設けられており、各センサマークPMの搬送方向上流側には、基材テープ101を切断するための(詳細は後述)フルカット位置FCが設定されている。
【0086】
図7(a)はラベル排出機構22の要部詳細構造を表す部分抽出斜視図であり、図7(b)はマークセンサ127の概念的構成を表す図である。図7(a)において、上記第1案内壁55,56の上下方向途中部が切り欠かれ、一方の第1案内壁55には、上記駆動ローラ51が、切欠部から印字済みタグラベル用テープ109の排出位置に臨むようにして設けられている。なお、駆動ローラ51は、その上面に同心円状の溝により形成されたローラ切り欠き部51Aを有する。一方、他方の第1案内壁56には、押圧ローラ52が、切欠部から印字済みタグラベル用テープ109の排出位置に臨むようにして、押圧作動機構部53の上記ローラ支持部58に支持されている。
【0087】
ループアンテナLCは、上記押圧ローラ52をその径方向中心に位置させるようにしつつ当該押圧ローラ52の近傍に配置されており、磁気誘導(電磁誘導、磁気結合、その他電磁界を介して行われる非接触方式を含む)により上記印字済みタグラベル用テープ109に備えられる無線タグ回路素子Toへのアクセス(情報読み取り又は情報書き込み)を行うようになっている。
【0088】
また、駆動ローラ51よりも搬送方向上流側(言い換えれば後述のハーフカッタ34とループアンテナLCとの間)には、上記基材テープ101の剥離材層101dに各無線タグ回路素子の位置に対応して設けた適宜の識別マークPM(図6等参照)を検出可能な上記マークセンサ127が設けられている。このマークセンサ127は、図7(b)に示すように、例えば発光ダイオードからなる投光器127a及びフォトトランジスタからなる受光器127bから構成される反射型の公知の光電センサである。投光器127aと受光器127bとの間に上記識別マークPMが存在するかどうかに応じて、受光器127bからの制御出力が反転させられるようになっている。なお、マークセンサ127としては、上記反射型に限らず、透過型の光電センサを用いてもよい。
【0089】
図8は、図3に示した構造からラベル排出機構22を取り外した状態における内部ユニット20の外観を表す斜視図である。
【0090】
図8において、上記カッターハスバギヤ42には、突起状に形成されたボス50が設けられ、このボス50が上記可動刃41の長孔49に挿入されるように構成されている(後述の図11や図9も参照)。また、テープ排出方向に沿って固定刃40及び可動刃41の下流側には、固定刃40及び可動刃41と第1案内壁55,56(図4参照)との間に位置するように、ハーフカットユニット35が取り付けられている。
【0091】
ハーフカットユニット35は、固定刃40に合わせて配置される受け台38と、この受け台38と対向し可動刃41側に配置されるハーフカッタ34と、固定刃40と受け台38との間に固定刃40と合わせて配置される第1ガイド部36と、この第1ガイド部36と対向し可動刃41と合わせて配置される第2ガイド部37とから構成される(後述の図11も参照)。第1ガイド部36及び第2ガイド部37は一体に構成され、固定刃40の固定孔40Aに対応する位置に設けられたガイド固定部36Aにより固定刃40とともに側板44(図4参照)に取り付けられている。
【0092】
このとき、ハーフカッタ34を所定の回動支点(図示せず)を中心として回動させるために、ハーフカッタモータ129(図示省略。後述の図15参照)が設けられている。このハーフカッタモータ129を用いたハーフカッタ34の駆動機構は、詳細な図示を省略するが、例えば以下のように構成することができる。すなわち、例えばハーフカッタモータ129を正逆回転可能な電動モータで構成し、ギヤ列(図示せず)を介してピン(同)を備えたクランク部材(同)に接続し、ランク部材の上記ピンが係合するための長溝をハーフカッタ34に穿設しておく。そして、ハーフカッタモータ129の駆動力によりクランク部材を回動させたとき、クランク部材の上記ピンが長溝に沿って移動することにより、ハーフカッタ34を所定の方向(時計回り又は反時計回り)方向に回動させることができる。
【0093】
受け台38は、テープ排出部30より排出される印字済みタグラベル用テープ109に対向する端部がテープに平行になるように折曲され、受け面38Bを形成している。ここで、印字済みタグラベル用テープ109は、前述のように、カバーフィルム103と、粘着層101a、アンテナ基材101b、粘着層101c、剥離材層101dからなる4層構造の基材テープ101が貼り合わされることで5層構造となっている(後述の図19も参照)。そして、上記のようにしてハーフカッタモータ129の駆動力を用いて上記ハーフカッタ34を受け面38Bに押し付けることにより、ハーフカッタ34と受け面38Bとの間にある印字済みタグラベル用テープ109は、カバーフィルム103、粘着層101a、アンテナ基材101b、粘着層101cは切断されるが、剥離材層101dのみが切り残されてテープ幅方向に略沿ってハーフカット線HC(後述の図18等参照)が形成される。なお、ハーフカッタ34が受け面38Bに接当した後は、例えば前述の構成においてはギヤ列に介装された図示しない滑りクラッチにより、ハーフカッタモータ129に過負荷が生じないように構成することが好ましい。この受け面38Bは、第1案内部55、56とともに印字済みタグラベル用テープ109をラベル排出口11へ案内する役割も有する。
【0094】
印字済みタグラベル用テープ109の移動によりセンサマークPMの先端がマークセンサ127の位置に到達したとき、カバーフィルム103の無線タグ回路素子Toに対応する位置(基材テープ101の無線タグ回路素子To位置と貼りあわされることとなる位置)が、印字ヘッド23の位置に到達する。これに対応し、センサマークPMがマークセンサ127で検出されると、カバーフィルム103の裏面にラベル印字R(この例では「ABCD」の文字列を2列)の印刷が開始される。ラベル印字Rは、カバーフィルム103の表面側から見て正像印字となるよう、カバーフィルム103の裏面に鏡像印字で行われる。
【0095】
図9及び図10は、内部ユニット20より上記ハーフカッタ34を除去した、切断機構15の外観を表す斜視図である。
【0096】
これら図9及び図10において、切断機構15では、カッターモータ43(図3参照)によりカッターハスバギヤ42が回転した際に、可動刃41がボス50と長孔49により軸孔48を支点として揺動し、印字済みタグラベル用テープ109がカットされるようになっている。
【0097】
すなわちまず、カッターハスバギヤ42のボス50が内側(図9中、左側)に位置する場合においては可動刃41は固定刃40から離れて位置する(以下この状態を初期状態とする。図9参照)。そして、この初期状態においてカッターモータ43が駆動し、カッターハスバギヤ42が反時計回り(矢印70方向)に回転すると、ボス50が外側に移動するとともに、可動刃41は軸孔48を中心に反時計回り(矢印73方向)に回動し、内部ユニット20に固定された固定刃40とで印字済みタグラベル用テープ109を切断する(以下この状態を切断状態とする。図10参照)。
【0098】
このようにして印字済みタグラベル用テープ109を切断して無線タグラベルを生成した後には、次回搬送される印字済みタグラベル用テープ109を切断するために可動刃41を初期状態に戻す必要がある。従って、再びカッターモータ43を駆動し、カッターハスバギヤ42を反時計回り(矢印70方向)に回転させることで、再びボス50が内側に移動するとともに、可動刃41は時計回り(矢印74方向)に回動し、可動刃41を固定刃40から離間させる(図9参照)。そして、次回、カートリッジ7より印字され搬送される印字済みタグラベル用テープ109を切断可能な状態となる。
【0099】
なおこのとき、カッターハスバギヤ42の円筒外壁上にはカッターハスバギヤ用カム42Aが設けられ、カッターモータ43によりカッターハスバギヤ42が回転すると、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用によりカッターハスバギヤ42に隣接して設けられたマイクロスイッチ126がオフ状態からオン状態に切り替わる。それにより、印字済みタグラベル用テープ109の切断状態が検出されるようになっている。
【0100】
図11は、上記可動刃41及び固定刃40の詳細構造を上記ハーフカットユニット35ともに表す斜視図であり、図12はその部分拡大断面図である。これら図11及び図12において、固定刃40は、印字機構15内のカートリッジホルダ6の左側において起立状に設けられる側板44(図4参照)に固定孔40Aを通してネジ等により固定されている。
【0101】
可動刃41は、略V字状をなし、切断部分に設けられた刃部45と刃部45の反対に位置する柄部46と屈曲部47とから構成される。屈曲部47には上記軸孔48が設けられ、この屈曲部47を支点として可動刃41が回動できるように軸孔48にて側板44に支持されている。また、可動刃41の切断部分に設けられた刃部45の反対側の柄部46に上記長孔49が形成されている。刃部45は2段刃により形成されており、その刃面は刃部45の厚みを徐々に薄くする第1傾斜面45Aと第2傾斜面45Bの傾斜角度の異なる2つの傾斜面により構成されている。
【0102】
一方、前述のハーフカットユニット35の上記第1ガイド部36のうち、排出される印字済みタグラベル用テープ109に対向する端部36Bは、上記受け台38の端部に形成された受け面38Bに沿って突出され、且つ印字済みタグラベル用テープ109の排出方向へ折曲されている。従って、第1ガイド部36の端部36Bは、カートリッジ7より排出される印字済みタグラベル用テープ109に対する接面36Cにおいて印字済みタグラベル用テープ109排出方向に対して滑らかな曲面を有する。
【0103】
第1ガイド部36の端部36Bを突出させ接面36Cを曲面としたことにより、一定曲率以上にカールした印字済みタグラベル用テープ109の先端部は、先ず第1ガイド部36の接面36Cに当たる。その際に、印字済みタグラベル用テープ109の先端部が第1ガイド部の接面36C上の境界点75より印字済みタグラベル用テープ109の排出方向の下流側(図12中、下方向)に当たった場合には、印字済みタグラベル用テープ109の先端部はその曲面に沿って下流側へ移動することで、固定刃40と第1ガイド部36や受け台38の間に侵入することなく、ラベル排出口11方向へ導くようになっている。
【0104】
また、第1ガイド部36は、その印字済みタグラベル用テープ109の搬送経路にあたるガイド幅L1(図11参照)は装着される印字済みタグラベル用テープ109の最大幅(本実施形態では36mm)より大きくなるように形成されるとともに、内部面36Dが接面36Cに連続して形成されている。内部面36Dは、可動刃41の第1及び第2傾斜面45A,45B(詳細は後述)に対向して形成され、切断時において、可動刃41の第1及び第2傾斜面45A、45Bの一部が当接される(図12参照)。可動刃41は刃部が2段刃により形成されているので、可動刃41によって印字済みタグラベル用テープ109を切断した際に、第1ガイド部36の端部にあたる接面36C及び内部面36Dと可動刃41の第2傾斜面45Bとの間に間隙39が形成される(図12参照)ようになっている。
【0105】
図13は上記可動刃41の外観を示す正面図であり、図14は図13中A−A断面による横断面図である。
【0106】
これら図13及び図14において、本実施形態において第1傾斜面45Aは、刃部45の第1傾斜面45Aとは反対側の背面とのなす角度が50度となっている。
【0107】
図15は、本実施形態のタグラベル作成装置1の制御系を表す機能ブロック図である。図15において、このタグラベル作成装置1の制御基板(図示せず)上には、制御回路110が配置されている。
【0108】
制御回路110には、内部にタイマ111Aを備え各機器を制御するCPU111と、このCPU111にデータバス112を介して接続された入出力インタフェース113と、CGROM114と、ROM115,116と、RAM117とが設けられている。
【0109】
CGROM114は、例えば電池交換等の表示を行うための表示部であるLCD132に表示させるための表示用CG(キャラクタジェネレイタ)であり、多数のキャラクタの各々に関するドットパターンデータがコードデータに対応させて格納されている。
【0110】
ROM(ドットパターンデータメモリ)115には、アルファベット文字や記号等のキャラクタを印字するための多数のキャラクタ各々に関して、印字用ドットパターンデータが、書体(ゴシック系書体、明朝体書体等)毎に分類され、各書体毎に印字文字サイズ分、コードデータに対応させて格納されている。また、階調表現を含むグラフィック画像を印字するためのグラフィックパターンデータも記憶されている。
【0111】
なお、以上のCGROM114やROM115に記憶された表示用及び印字用ドットパターンデータは、上記通信回線NWを介してPC118側から読み出すことが可能であり、当該データを受信したPC118側で表示や印字を行うようにしてもよい。
【0112】
ROM116には、上記PC118から入力された文字や数字等のキャラクタのコードデータに対応させて、印字バッファのデータを読み出して上記印字ヘッド23、搬送用モータ119、テープ排出モータ65を駆動する印字駆動制御プログラム、各印字ドットの形成エネルギ量に対応するパルス数を決定するパルス数決定プログラム、印字終了した場合に印字済みタグラベル用テープ109を切断位置まで搬送用モータ119を駆動して搬送し、上記カッターモータ43を駆動して印字済みタグラベル用テープ109を切断する切断駆動制御プログラム、切断された印字済みタグラベル用テープ109(=無線タグラベルT)をテープ排出モータ65を駆動してラベル排出口11から強制的に排出するテープ排出プログラム、その他タグラベル作成装置1の制御上必要な各種のプログラムが格納されている。CPU111は、このようなROM116に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行う。
【0113】
RAM117には、テキストメモリ117A、印字バッファ117B、パラメータ記憶エリア117E等が設けられている。テキストメモリ117Aには、PC118から入力された文書データが格納される。印字バッファ117Bには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギ量である印加パルス数等がドットパターンデータとして格納され、印字ヘッド23はこの印字バッファ117Bに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。パラメータ記憶エリア117Eには、各種演算データが記憶される。
【0114】
入出力インタフェース113には、PC118と、タグラベル作成装置1へのカートリッジ7の装着を検出する機械式、光学式、磁気式等の公知センサからなるカートリッジ検出センサ134と、印字ヘッド23を駆動するための上記印刷駆動回路120と、搬送用モータ119を駆動するための搬送用モータ駆動回路121と、カッターモータ43を駆動するためのカッターモータ駆動回路122と、ハーフカッタモータ129を駆動するためのハーフカッタモータ駆動回路128と、テープ排出モータ65を駆動するためのテープ排出モータ駆動回路123と、上記ループアンテナLCを介して無線タグ回路素子Toにアクセスする(読取り/書込みを行う)ための搬送波を発生させるとともに、上記制御回路110から入力される制御信号に基づいて上記搬送波を変調する上記送信回路306と、無線タグ回路素子Toから上記ループアンテナLCを介して受信された応答信号の復調を行い、上記制御回路110に出力する上記受信回路307と、上記LCD132の表示制御を行う表示回路133と、識別マークPMを検出する上記マークセンサ127と、テープカットセンサ124とカットリリース検出センサ125とが各々接続されている。
【0115】
また、電池130には電源回路131が接続されている。この電源回路131は、上記電源ボタン14の状態にもとづき、電源が「入」の状態であれば電池130から電力供給を受けて所定の電圧に調整された電源を各回路(制御回路110等)に供給する。
【0116】
このような制御回路110を核とする制御系において、PC118を介して文字データ等が入力された場合、そのテキスト(文書データ)がテキストメモリ117Aに順次記憶されるとともに、印字ヘッド23が駆動回路120を介して駆動され、各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されて印字バッファ117Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行い、これと同期して搬送用モータ119が駆動回路121を介してテープの搬送制御を行う。また、送信回路306が制御回路110からの制御信号に基づき搬送波の変調制御を行うとともに、受信回路307は制御回路110からの制御信号に基づき復調した信号の処理を行う。
【0117】
また、テープカットセンサ124及びカットリリース検出センサ125は、カッターハスバギヤ42の円筒外壁上に設けられたカッターハスバギヤ用カム42Aとマイクロスイッチ126とから構成されている(図9、図10参照)。具体的には、カッターモータ43によりカッターハスバギヤ42が回転すると、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用によりマイクロスイッチ126がオフ状態からオン状態に切り替わり、可動刃45による印字済みタグラベル用テープ109の切断が完了したことを検出する。このことにより、テープカットセンサ124が構成される。また、更にカッターハスバギヤ42が回転すると、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用によりマイクロスイッチ126がオン状態からオフ状態に切り替わり、可動刃45がリリース位置に戻ったことを検出する。このことにより、カットリリース検出センサ125が構成される。
【0118】
図16は、上記送信回路306、受信回路307とループアンテナLCとの接続部分の回路構成を簡略的に表す回路図である。この図16において、送信回路306は装置側ループアンテナLCに接続され、また受信回路307は装置側ループアンテナLCと直列に接続されたコンデンサ310に接続されている。
【0119】
図17は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。この図17において、無線タグ回路素子Toは、タグラベル作成装置1側のループアンテナLCと磁気誘導により非接触で信号の送受信を行う上記ループアンテナ152と、このループアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
【0120】
IC回路部151は、ループアンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記ループアンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記ループアンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
【0121】
変復調部158は、ループアンテナ152により受信された上記タグラベル作成装置1のループアンテナLCからの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの応答信号に基づき、ループアンテナ152より受信された搬送波を変調反射する。
【0122】
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0123】
図18は、上述のような構成であるタグラベル作成装置1により形成された無線タグラベルTの一例を表す図であり、図18(a)は無線タグラベルTの一部透視上面図、図18(b)は図18(a)の寸法関係を表す説明図である。また図19は図18中IXXA−IXXA′断面による縦断面図である。この無線タグラベルTは、無線タグ回路素子Toの情報書き込み(又は読み取り)及び印字済タグラベル用テープ109をフルカット線FCの位置で切断して得られたものである。
【0124】
これら図18(a)、図18(b)、図19において、前述したように図5に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図19中上側)よりその反対側(図19中下側)へ向かって、カバーフィルム103と、貼り合せ用粘着層101aと、アンテナ基材101bと、貼り付け用粘着層101cと、剥離材層101dとがこの順で積層した5層で構成されている。そして、前述のようにアンテナ基材101bに設けられたループアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toが粘着層101a側に備えられているとともに、カバーフィルム103の裏面の印字領域Sに、無線タグ回路素子Toの記憶情報等に対応したラベル印字R(この例では無線タグラベルTの種類を示す「ABCD」の文字列が2列)が印刷されている。
【0125】
また、カバーフィルム103、粘着層101a、アンテナ基材101b、及び粘着層101cには、既に述べたように上記ハーフカッタ34によってテープ幅方向に沿ってハーフカット線HC(半切断部位。但しこの例では前ハーフカット線HC1及び後ハーフカット線HC2の2本。詳細は後述)が形成されている。カバーフィルム103のうち、これらハーフカット線HC1,HC2の間に挟まれた領域がラベル印字Rが印刷される印字領域Sとなっており、この例では、アンテナ基材101bの端部101bA,101bB間のラベル長手方向寸法Dが、印字領域Sの長手方向端部SA,SB間のラベル長手方向A以上(この例では特にD>A)となっている。印字領域Sよりハーフカット線HC1,HC2を挟んでテープ長手方向両側がそれぞれ前余白領域S1及び後余白領域S2となる。なお、上記識別マークPMは、各無線タグラベルTの上記前余白領域S1内に設けられている。
【0126】
このように無線タグラベルTを、シート状のアンテナ基材101b、貼り合わせ用粘着層101a、カバーフィルム103、貼り付け用粘着層101cなどの積層構造で構成する場合、テープ状に長手方向に連続するカバーフィルム103や貼り合わせ用粘着層101a等に対し、アンテナ基材101bは不連続に(局所的に)存在することとなる。このため、積層構造のうちアンテナ基材101bを厚さ方向において挟むように位置するそれら各層が、図19に示すように当該アンテナ基材101bの端部101bA,101bB付近でその厚みの有無による段差形状となるため、この段差によって積層構造にしわが発生する。
【0127】
本実施形態では、上記のように、無線タグラベルTのアンテナ基材101bのラベル長手方向寸法Dを印字領域Sのラベル長手方向寸法A以上としていることにより、アンテナ基材101bの長手方向端部101bA,101bBの位置を印字領域Sの長手方向端部SA,SBと同じかそれよりも外側とすることができる。特にこの例では、印字済タグラベル用テープ109をアンテナ基材101bを避けた位置のフルカット線FC(図18(a)参照)で切断して形成してあるので、無線タグラベルTのしわが発生する位置を、その切断面よりもラベル長手方向内側で、かつ印字領域Sの外縁部又はそれよりも長手方向外側にすることができる。
【0128】
この結果、上記のしわが発生する場所を印字領域Sの外縁部又はそれよりも外側とすることができるので、しわによって印字領域Sの印字Rの内容が見にくくなるのを防止し、視認性を向上することができる。
【0129】
またこのとき、無線タグラベルTは、アンテナ基材101bに備えられた無線タグ回路素子Toのアンテナ152を含まない位置のフルカット線FCで切断されて形成されているので、アンテナ152が切断されることで無線タグ回路素子Toの通信機能が阻害されるのを防止し、通信信頼性を確保することができる。
【0130】
なお、既に述べたようにセンサマークPMとして図18(a)に示すような黒塗りのマーキングを設けるのに代え、レーザ加工等により基材テープ101を略貫通する孔を孔設する等でもよい(この場合、カバーフィルム103は穿孔しない)。この場合、マークセンサ127を投光器及び受光器からなる反射型の公知の光電センサで構成した場合、投光器と受光器との間の位置に上記孔からなるセンサマークPMが来ると、投光器からの光がセンサマークPMの孔及び透明のカバーフィルム103を透過して反射しなくなって受光器で受光しなくなり、これによって受光器からの制御出力が反転させられる。
【0131】
図20は、上述したようなタグラベル作成装置1による無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報へのアクセス(読み取り又は書き込み)に際して、上記PC118(端末118a又は汎用コンピュータ118b)に表示される画面の一例を表す図である。
【0132】
図20において、この例では、タグラベルの種別(アクセス周波数及びテープ寸法)、無線タグ回路素子Toに対応して印刷されるラベル印字R(ここでは「ABCD」の文字列を2列)、その無線タグ回路素子Toに固有の識別情報(タグID)であるアクセス(読み取り又は書き込み)ID、上記情報サーバISに記憶された物品情報のアドレス、及び上記ルートサーバRSにおけるそれらの対応情報の格納先アドレス等が上記PC118に表示可能となっている。そして、そのPC118の操作によりタグタグラベル作成装置1が作動されて、カバーフィルム103に上記ラベル印字Rが印刷されると共に、IC回路部151に上記書き込みIDや物品情報等の情報が書き込まれる(又はIC回路部151に予め記憶された読み取りIDや物品情報等の情報が読みとられる)。
【0133】
なお、上記のような読み取り又は書き込みの際、生成された無線タグラベルTの無線タグ回路素子ToのタグIDとその無線タグラベルTのIC回路部151から読みとられた情報(又はIC回路部151に書き込まれた情報)との対応関係は、前述のルートサーバRSに記憶され、必要に応じて参照できるようになっている。
【0134】
上記のような基本構成のタグラベル作成装置1においては、貼り合わされて生成された印字済みタグラベル用テープ109に対しループアンテナLCにより無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みが行われた後、切断機構15によって印字済みタグラベル用テープ109が切断されて無線タグラベルTが生成される。図21は、上記制御回路110によって実行される上記タグラベル作成の制御手順を表すフローチャートである。
【0135】
この図21において、上記PC118を介しタグラベル作成装置1による所定の無線タグラベル作成操作が行われるとこのフローが開始される。まず、ステップS1で、上記PC118からの操作信号を(通信回線NW及び入出力インターフェース113を介して)入力し、この操作信号に基づき印刷データや無線タグ回路素子Toとの通信データ、前・後ハーフカット位置(HC1,HC2)やフルカット位置(FC)の設定等を行なう準備処理を実行する。準備処理のフローチャートを図22に、準備処理で行われる印字内容決定処理のフローチャートを図23に示す。
【0136】
図22において、ステップS101で、ラベル作成装置1へのカートリッジ7の装着をカートリッジ検出センサ134が検出して、制御回路110にカートリッジ検出信号が入力されると、ステップS102でCPU111がカートリッジの種類を判別し、ついでステップS103でカートリッジ識別情報に基づいてROM116から前切断位置HC1の位置を読み込んで(例えばROM116には予めカートリッジ種類とこれに対応する前切断位置HC1との相関が記憶保持されている)、前切断位置をRAM117に設定する。次にステップS104でカートリッジ識別情報に基づいて印字長さが最大印字長時の後切断位置HC2の位置をROM116から読み込み(例えばROM116には予めカートリッジ種類とこれに対応する後切断位置HC2との相関が記憶保持されている)、ステップS300の印字内容決定処理に進む。
【0137】
印字内容決定処理では、図23のフローチャートに示すように、ステップS301で、上記ステップS102で入力したカートリッジ識別情報に基づいて、制御回路110のROM116から最大印字領域サイズと最小印字領域サイズのデータを読み込み(例えばROM116には予めカートリッジ種類とこれに対応する最大・最小印字領域のサイズとの相関が記憶保持されている)、ステップS302でオペレータが操作入力した印字データを入力し、ステップS303でその入力した印字データを予め決まった所定の態様にて割り付ける。
【0138】
印字データの割付が終了したら図22のステップS106に進み、CPU111が、上記ステップS302でオペレータの操作により入力した印字データの印字長さに基づき後切断位置HC2を算出する。その後、ステップS107で上記の算出された後切断位置HC2の位置が、ステップS104で読み込まれた最大印字長さ時の後切断位置寸法以内に収まっているか否かを判定し、収まっていれば、ステップS108でその算出された後切断位置HC2を最終的に確定した後切断位置として設定し、準備処理を終了して図21のステップS2に進む。
【0139】
ステップS107で算出された後切断位置HC2が、前述のステップS104で読み込まれた最大印字長さ時の後切断位置寸法以内に収まっていないと判断された場合は、ステップS109に移り、表示部のLCD132にエラー表示をさせてから、ステップS300の印字内容決定処理に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0140】
なおこのとき、ステップS106以降(例えばステップS107の前、あるいはステップS108の前)において、ステップS106で算出した後切断位置が、無線タグ回路素子Toの後端位置よりもラベル後端側であるかどうかを判定し、判定が満たされないときはステップS109と同様にエラー表示等のエラー処理を行うようにしてもよい。このようにすれば、無線ラベルTの長さが種々設定されたとしても、その長さは少なくとも無線タグ回路素子Toのテープ長手方向長さより大きくなるので、切断により無線タグ回路素子Toの通信機能が阻害されるのを確実に防止し、通信信頼性を確保できる。
【0141】
図21に戻り、ステップS2では、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121に制御信号を出力し、搬送用モータ121の駆動力によってテープ送りローラ27及びリボン巻取りローラ106を回転駆動させる。さらに、テープ排出モータ駆動回路123を介してテープ排出モータ65に制御信号を出力し、駆動ローラ51を回転駆動させる。これらにより、第1ロール102から基材テープ101が繰り出されテープ送りローラ27へ供給されるとともに、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出され、これら基材テープ101とカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及びサブローラ109により接着されて一体化されて印字済タグラベル用テープ109として形成され、カートリッジ7外方向からさらにタグラベル作成装置1外方向へと搬送される。
【0142】
その後、ステップS3において、入出力インターフェース113を介し入力されたマーク検出センサ127の検出信号に基づき、基材テープ101の上記センサマークPMが検出されたかどうか(言い換えればカバーフィルム103が印字ヘッド23による印刷開始位置まで到達したかどうか)を判定する。センサマークPMが検出されるまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、検出されたら判定が満たされて次のステップS4に移る。
【0143】
ステップS4では、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、印字ヘッド23を通電して、カバーフィルム103のうち前述した印字領域S(=基材テープ101に所定ピッチで等間隔で配置された無線タグ回路素子Toの裏面にほぼ貼り合わせることとなる領域)に、ステップS1で生成した印刷データに対応した文字、記号、バーコード等のラベル印字Rの印刷を開始する。
【0144】
次のステップS5では、印字済タグラベル用テープ109が先のステップS1で設定した前ハーフカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えればハーフカット機構35のハーフカッタ34がステップS1で設定した前ハーフカット線HC1に正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定は、例えば、上記ステップS5において基材テープ101のセンサマークPMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。前ハーフカット位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS6に移る。
【0145】
ステップS6では、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121及びテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、搬送用モータ119及びテープ排出モータ65の駆動を停止して、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止する。これにより、カートリッジ7から繰り出された印字済タグラベル用テープ109が排出方向に移動する過程で、ステップS1で設定した前ハーフカット線HC1にハーフカット機構35のハーフカッタ34が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。またこのとき、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120にも制御信号を出力し、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(印刷中断)する。
【0146】
その後、ステップS7で、入出力インターフェース113を介しハーフカッタモータ駆動回路128に制御信号を出力してハーフカッタモータ129を駆動し、ハーフカッタ34を回動させて、印字済タグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、アンテナ基材101b、及び粘着層101cを切断して前ハーフカット線HC1を形成する前ハーフカット処理を行う。
【0147】
そして、ステップS8に移り、上記ステップS5と同様にしてテープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済タグラベル用テープ109の搬送を再開するとともに、ステップS4と同様にして印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。
【0148】
次のステップS200では、ラベル作成処理を行う。すなわち、無線タグ回路素子Toの通信開始位置(無線タグ回路素子ToがループアンテナLCに近づく位置)まで搬送したら、上記ステップS3において設定した通信条件に基づいて情報送受信を行い、その後印字を完了させ、さらに搬送して後ハーフカット位置で搬送を停止して後ハーフカット線HC2の形成を行う(後述の図24参照)。
【0149】
以上のようにしてステップS200が終了したら、ステップS10に移る。ステップS10では、印字済タグラベル用テープ109が前述したフルカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えれば切断機構15の可動刃41がステップS1で設定した切断位置、すなわちフルカット線FCに正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS3において基材テープ101のセンサマークPMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。フルカット位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS11に移る。
【0150】
ステップS11では、上記ステップS6と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止して印字済タグラベル用テープ109の搬送を停止する。これにより、ステップS1で設定した切断位置に切断機構15の可動刃41が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。
【0151】
その後、ステップS12でカッタモータ駆動回路122に制御信号を出力してカッターモータ43を駆動し、切断機構15の可動刃41を回動させて、印字済タグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、アンテナ基材101b、粘着層101c、及び剥離材層101dをすべてフルカット線FCで切断し、無線タグラベルTを印字済みタグラベル用テープ109から分断するフルカット処理を行う。この切断機構15による切断によって、無線タグ回路素子Toに無線タグ情報の読み書きが行われかつこれに対応する所定の印字が行われたラベル状の無線タグラベルTが、印字済みタグラベル用テープ109から生成される。
【0152】
その後、ステップS13に移り、入出力インターフェース31を介してテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、テープ排出モータ65の駆動を再開して、駆動ローラ51を回転させる。これにより、駆動ローラ51による搬送が再開されて上記ステップS12でラベル状に生成された無線タグラベルTがラベル排出口11へ向かって搬送され、ラベル排出口11からタグラベル作成装置1外へと排出し、このフローを終了する。
【0153】
図24は、上述したステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。図24に示すフローにおいて、まずステップS210で、印字済タグラベル用テープ109が前述したループアンテナLCとの通信開始位置まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定は、前述した図21のステップS5と同様、例えば、上記ステップS3において基材テープ101のセンサマークPMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。通信開始位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS220に移る。
【0154】
ステップS220では、アンテナLCと無線タグ回路素子Toとの間で、上記通信可能領域に対応して設定した通信条件に基づき、無線通信により情報の送受信を行い、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対し図21の上記ステップS1で作成した情報を書き込む(又はIC回路部に予め記憶されていた情報を読み取る)情報送受信処理を行う。
【0155】
その後、ステップS230に移り、上記ステップS230において情報送受信に成功したかどうかを判定する。具体的には、ステップS230において無線タグ回路素子Toに対し「Verify」信号が送信されこれに応じて無線タグ回路素子Toから受信した応答信号に基づき、所定の書き込んだ情報がIC回路部151に記憶されているかどうかを判定する。
【0156】
通信に失敗した場合、判定が満たされずにステップS240に移り、当該通信失敗をラベル上で操作者に報知するためのエラー処理(例えば、上記通信エラーに対応した別態様印字R′(例えば「NG」の文字)を印刷する等)を行い、このルーチンを終了する。
【0157】
一方、通信に成功した場合、判定が満たされ、当該無線タグ回路素子Toに対する通信は成功したとみなされてステップS250に移る。
【0158】
ステップS250では、印字済タグラベル用テープ109が前述した印刷終了位置(上記図21のステップS1で算出)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS3において基材テープ101のセンサマークPMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS260に移る。
【0159】
ステップS260では、上記図21のステップS6と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止する。これによって、印字領域Sに対するラベル印字Rの印刷が完了する。
【0160】
その後、ステップS270に移り、所定の後ハーフカット位置まで搬送した後にハーフカットユニット35のハーフカッタ34によって後ハーフカット線HC2の形成を行う後ハーフカット処理を行う。以上によりこのルーチンを終了する。
【0161】
なお、以上において、制御回路110が実行する図22の上記ステップS300の手順が、各請求項記載の、タグテープにおけるアンテナ基材の配置位置情報に基づき、各アンテナ基材に対応して、印字手段による被印字テープ層への印字領域の大きさを制御する印字制御手段を構成する。
【0162】
また、図22のステップS103、ステップS14、ステップS106、ステップS107、ステップS108の手順が、アンテナ基材の配置位置情報に基づく所定の切断面でタグテープを切断するように、切断手段を制御する切断制御手段を構成する。
【0163】
以上のように、本実施形態のラベル作成装置1においては、カートリッジホルダ6にカートリッジ7を装着してラベル作成が行われ、カバーフィルム103の印字領域Sに対し印字ヘッド23で所定のラベル印字Rが行われ、このカバーフィルム103と、アンテナ基材101bと、このアンテナ基材101bをカバーフィルム103に貼り合わせる貼り合わせ用粘着層101aとを含む積層構造の印字済みラベル用テープ109が搬送され、その搬送中にアンテナ基材101bに備えられる無線タグ回路素子Toに対し、ループアンテナLCから非接触で情報の送受信が行われ、情報の読み取り又は書き込みが実行されて、切断機構15でこの印字済みラベル用テープ109が所定長さに切断されて無線タグラベルTが作成される。
【0164】
本実施形態によれば、上述したように、無線タグラベルTのアンテナ基材101bの長手方向寸法をカバーフィルム103の印字領域Sの長手方向寸法以上としたので、アンテナ基材101bの長手方向端部101bA,101bBのところで発生するしわの位置を印字領域Sの外縁部又はそれよりも外側とすることができ、従ってしわによって印字領域Sの印字Rの内容が見にくくなるのを防止でき、視認性を向上することができる。
【0165】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0166】
(1)アンテナ基材を幅方向にも大きくした場合
図25は、この変形例に係る無線タグラベルを示す一部透視上面図であり、前述の図18(a)に相当する図である。
【0167】
図25において、この変形例では、無線タグラベルTに設けられたアンテナ基材101bの寸法を、カバーフィルム103の印字領域Sに対し、ラベル長手方向ばかりでなく幅方向にも大きくしたものである。
【0168】
この変形例では、アンテナ基材101bのラベル幅方向寸法を印字領域Sのラベル幅方向寸法以上とすることで、幅方向についても、アンテナ基材101b端部の位置を印字領域Sの外縁部と同じかそれよりも外側とすることができる。この結果、印字Rの内容の視認性をさらに確実に向上することができる。
【0169】
(2)アンテナ基材をラベル後端側にずらした場合
図26は、変形例に係る無線タグラベルを示す一部透視上面図であり、上記図18(a)や図25に相当する図である。
【0170】
図26において、本変形例では、アンテナ基材101bの長手方向寸法がカバーフィルム103の印字領域Sの長手方向寸法以上としてあるが、アンテナ基材101bに設けられている無線タグ回路素子Toに対し、当該アンテナ基材101bがタグラベル後端方向(印字済みラベル用テープ109の搬送方向下流側)に長めにずれて設置されている。そして、その搬送方向下流側にずれて配置されたアンテナ基材101bの後端部近傍で印字済みタグテープ109を切断することによってタグラベルTが形成されている。
【0171】
このとき、カバーフィルム103の印字領域Sは無線タグ回路素子Toを含む周辺領域とされており、前ハーフカット線HC1はアンテナ基材101bの前端部の長手方向外側位置にあり、後ハーフカット線HC2は印字領域Sの後端部の長手方向外側でかつアンテナ基材101bの存在する位置に形成されている。
【0172】
本変形例においても、無線タグラベルTのアンテナ基材101bのラベル長手方向寸法を印字領域Sの長手方向寸法以上としてあるので、上記実施形態と同様、しわが発生する場所を印字領域Sの外縁部と同じかそれよりも外側とすることができ、印字領域Sの印字Rの視認性を向上することができる。
【0173】
(3)後ハーフカット線HC2のない場合
図27は、この変形例に係る無線タグラベルを示す一部透視上面図であり、前述の図18(a)や図25等に相当する図である。
【0174】
図27において、この変形例では、例えば印字文字テキストの文字数が多い等により、カバーフィルム103の印字領域Sがアンテナ基材101bの後端部の手前まで延びており、この結果、後ハーフカット線HC2が省略されている。
【0175】
本変形例においても、上記実施形態と同様、無線タグラベルTのアンテナ基材101bのラベル長手方向寸法を印字領域Sの長手方向寸法以上としてあるので、しわが発生する場所を印字領域Sの外縁部と同じかそれよりも外側とすることができ、印字領域Sの印字Rの視認性を向上することができる。
【0176】
(4)アンテナ基材をフルカットする場合
図28は、この変形例に係る無線タグラベルを示す一部透視上面図であり、前述の図18(a)や図25等に相当する図である。
【0177】
図28において、この変形例では、印字済みタグテープ109をアンテナ基材101bの後端部の手前の位置にあるフルカット線FCで切断することによって無線タグラベルTが形成されている(言い換えればアンテナ基材101bがフルカット線FCよりも長手方向後端側へ延設されている)。
【0178】
この変形例では、アンテナ基材101bのある位置で切断し無線タグラベルTを生成することにより、1つの無線タグラベルTでみた場合、アンテナ基材101bの後端部位置はラベル端部位置(すなわちフルカット線FCの位置)と一致することになるため、その端部ではしわの発生をなくすことができるという効果がある。
【0179】
なお、この変形例の構造においても、上記図27と同様、カバーフィルム103の印字領域Sがアンテナ基材101bの後端部の手前まで延び、後ハーフカット線HC2を省略することもできる。そのような例を図29に示す。
【0180】
(5)貼り合わせを行わない場合
図30は、貼り合わせを行わないタグラベル作成装置の変形例に備えられるカートリッジ7′の詳細構造を表す平面図であり、前述の図5に相当する図である。図5等と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0181】
図30において、カートリッジ7′(無線タグ回路素子カートリッジ)は、感熱テープ101′(タグテープ)が巻回された第1ロール102′(タグテープロール)と、この感熱テープ101′をカートリッジ7′外部方向にテープ送りをするテープ送りローラ27′とを有している。
【0182】
第1ロール102′は、リール部材102a′の周りに、長手方向に複数の上記無線タグ回路素子Toが順次形成された帯状の透明な上記感熱テープ101′を巻回している。リール部材102a′は、カートリッジ7′の底面に立設されるボス95に回転可能に嵌挿されて収納されている。
【0183】
第1ロール102′に巻き回される感熱テープ101′はこの例では5層構造となっており(図30中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図30中左側)よりその反対側(図30中右側)へ向かって、表面に感熱記録層を持つPET(ポリエチレンテレフタラート)等から成るカバーフィルム101a′(被印字テープ層)と、適宜の粘着材からなる貼り合せ用粘着層101b′と、アンテナ基材101c′と、適宜の粘着材からなる貼り付け用粘着層101d′と、剥離材層(剥離紙)101e′とが、この順序で積層され構成されている。
【0184】
カバーフィルム101a′の裏側(図30中右側)には、上記粘着層101b′によって上記アンテナ基材101c′が接着されている。また、このアンテナ基材101c′の裏側には、上記粘着層101d′を介して剥離紙101e′が接着されている。アンテナ基材101c′には、貼り合せ用粘着層101b′の側の面に略面一となるように無線タグ回路素子Toが設けられている。無線タグ回路素子Toは、IC回路部151と該回路部に接続されたループアンテナ152とから構成されている。
【0185】
カートリッジ7′がカートリッジホルダ6に装着されローラホルダ25が離反位置から当接位置に移動されると、感熱テープ101′が印字ヘッド23とプラテンローラ26との間に狭持されるとともに、テープ送りローラ27′とサブローラ28′との間に狭持される。そして、テープ送りローラ27′、サブローラ28′、及びプラテンローラ26が同期して回転し、第1ロール102′から感熱テープ101′が繰り出される。
【0186】
この繰り出された感熱テープ101′は、カートリッジ底面に立設されたリールボス91に回転可能に嵌挿された略円筒状のリール92にガイドされつつ、開口部94より搬送方向下流側の印字ヘッド23へと供給される。印字ヘッド23は、その複数の発熱素子が前述の印刷駆動回路120(図15参照)により通電され、これにより感熱テープ101′のカバーフィルム101a′の表面にラベル印字Rが印刷され、印字済タグラベル用テープ109′として形成された後、排出口96からカートリッジ7′外へと搬出される。
【0187】
カートリッジ7′外へ搬出した後、前述のループアンテナLCを介したIC回路部151のアクセス(情報読み取り/書き込み)が行われる。その後、駆動ローラ51による搬送、切断機構15による切断等については上記実施形態と同様にして行えば足りるので説明を省略する。
【0188】
なお、ハーフカットユニット35については、図10等に記載されたいわゆるラミネートタイプに対応したものとは異なっている。すなわち、図10等に記載された構成は、受け台36が印字ヘッド23側にあり、ハーフカッタ34はプラテンローラ26側にある。これは、作成されたテープの剥離紙とは反対側の面からハーフカットを行うための構成である。しかしながら、本変形例のように感熱テープを用いる場合(後述するラミネートを行わないタイプでインクリボンを使用する場合も同様)は、剥離紙が上記ラミネートタイプとは反対側となる。したがって、剥離紙以外の部分をハーフカットするため、受け台36とハーフカッタ34との配置が逆になっている。すなわち、ハーフカッタ34が印字ヘッド23側にあり、受け台36がプラテンローラ26側にある。
【0189】
またこの例では、カートリッジ7′に関するカートリッジ種類情報等を装置側で自動検出可能とするために、カートリッジ7の外周側壁面93に当該カートリッジ7′に関する情報を予め記憶したカートリッジ用無線タグ回路素子Tcが配設されている。また、カートリッジホルダ6のうち上記無線タグ回路素子Tcに対向する側壁部6Aには、当該無線タグ回路素子Tcとの間で非接触の無線通信により信号の送受を行うアンテナATが設けられている。
【0190】
図31は、上記カートリッジ7′を備えたタグラベル作成装置1において感熱テープ101′を用いて形成された無線タグラベルTの縦断面図であり、前述の図19に相当する図である。
【0191】
図31において、カバーフィルム101a′の表面には、印字ヘッド23の発熱によって印字Rが設けられている。このとき、本変形例では、上記のように、無線タグラベルTのアンテナ基材101c′のラベル長手方向(図31中左右方向)寸法を印字領域Sのラベル長手方向寸法以上と(この例では大きく)していることにより、アンテナ基材101bの長手方向端部101cA′,101cB′の位置を印字領域Sの長手方向端部SA,SBと同じかそれよりも外側とすることができる。この結果、しわが発生する場所を印字領域Sの外縁部又はそれよりも外側とすることができるので、しわによって印字領域Sの印字Rの内容が見にくくなるのを防止し、視認性を向上することができる。
【0192】
なお、上記変形例の構成においては、タグテープとして感熱テープを用いることで特にインクリボン等を用いることなく印字ヘッド23の発熱のみによって印字を行ったが、これに限られず、上述の実施形態のように通常のインクリボンを用いて印字を行うようにしてもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0193】
(6)その他
以上説明した本発明の一実施形態においては、装置側のアンテナLCや無線タグ回路素子To側のアンテナ152としてループアンテナを用い、磁気誘導(電磁誘導、磁気結合、その他電磁界を介して行われる非接触方式を含む)により情報送受信を行ったが、これに限られず、たとえば上記2つのアンテナとしてダイポールアンテナやパッチアンテナ等を送受信手段として用い、電波通信により情報送受信を行うようにしてもよい。
【0194】
また、以上において、印字及び無線タグ回路素子Toへのアクセス(読み取り又は書き込み)の終了した印字済みタグラベル用テープ109,109′を切断機構15で切断してタグラベルTを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、切断機構15で切断しなくても、テープがラベル排出口11から排出されてきた後にラベル台紙(アクセス済みの無線タグ回路素子Toが備えられかつ対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がしてタグラベルTを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
【0195】
さらに、以上は、基材テープ101(又は感熱テープ101′)がロール102,102′を構成し、カートリッジ7,7′内にそのロールが配置されてテープ101,101′が繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、無線タグ回路素子Toが少なくとも一つ配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、このカートリッジをタグラベル作成装置側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行いタグラベルを作成するようにしてもよい。
【0196】
さらには上記ロールを直接タグラベル作成装置側に着脱可能に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをタグラベル作成装置外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送しタグラベル作成装置内へ供給する構成も考えられ、さらにはカートリッジ7,7′のようなタグラベル作成装置本体側に着脱可能なものにも限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型としてロール102,102′を設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
【0197】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0198】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1】本発明の一実施形態であるタグラベル作成装置を備えた無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
【図2】タグラベル作成装置の全体構造を表す斜視図である。
【図3】タグラベル作成装置の内部の内部ユニットの構造を表す斜視図である。
【図4】内部ユニットの構造を表す平面図である。
【図5】カートリッジの詳細構造を模式的に表す拡大平面図である。
【図6】第1ロールより繰り出された基材テープに備えられる無線タグ回路素子の概念的構成を表す図5中矢印D方向から見た概念図である。
【図7】ラベル排出機構の要部詳細構造を表す部分抽出斜視図である。
【図8】図3に示した構造からラベル排出機構を取り外した状態における内部ユニットの外観を表す斜視図である。
【図9】内部ユニットよりハーフカッタを除去した、切断機構の外観を表す斜視図である。
【図10】内部ユニットよりハーフカッタを除去した、切断機構の外観を表す斜視図である。
【図11】可動刃及び固定刃の詳細構造をハーフカットユニットともに表す斜視図である。
【図12】可動刃及び固定刃の詳細構造をハーフカットユニットともに表す部分拡大断面図である。
【図13】可動刃の外観を示す正面図である。
【図14】図13中A−A断面による横断面図である。
【図15】タグラベル作成装置の制御系を表す機能ブロック図である。
【図16】送信回路、受信回路とループアンテナとの接続部分の回路構成を簡略的に表す回路図である。
【図17】無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図18】タグラベル作成装置により形成された無線タグラベルの外観の一例を表す一部透視上面図及び寸法関係を表す説明図である。
【図19】図18中IXX−IXX′断面による縦断面図である。
【図20】タグラベル作成装置による無線タグ回路素子のIC回路部の無線タグ情報へのアクセスに際して、PCに表示される画面の一例を表す図である。
【図21】制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図22】ステップS1の詳細手順を表すフローチャートである。
【図23】ステップS300の詳細手順を表すフローチャートである。
【図24】ステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【図25】アンテナ基材を幅方向にも大きくした変形例に係る無線タグラベルを示す一部透視上面図である。
【図26】アンテナ基材をラベル後端側にずらした変形例に係る無線タグラベルを示す一部透視上面図である。
【図27】ハーフカット線HC2のない変形例に係る無線タグラベルを示す一部透視上面図である。
【図28】アンテナ基材をフルカットする変形例に係る無線タグラベルを示す一部透視上面図である。
【図29】アンテナ基材をフルカットする他の変形例に係る無線タグラベルを示す一部透視上面図である。
【図30】テープ貼り合わせを行わない変形例のカートリッジの詳細構造を表す平面図である。
【図31】テープ貼り合わせを行わない変形例における無線タグラベルを示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0200】
101 基材テープ(タグテープ)
101a 貼り合わせ用粘着層
101a′ カバーフィルム(被印字テープ層)
101b アンテナ基材
101b′ 貼り合わせ用粘着層
101c 貼り付け用粘着層
101c′ アンテナ基材
101d 剥離紙(剥離材層)
101d′ 貼り付け用粘着層
101e′ 剥離紙(剥離材層)
103 カバーフィルム(被印字テープ層)
109 印字済みタグラベル用テープ
109′ 印字済みタグラベル用テープ
151 IC回路部
152 ループアンテナ(アンテナ)
FC フルカット線
HC ハーフカット線
S 印字領域
T 無線タグラベル
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を配置したシート状のアンテナ基材と、
所定の印字が施された印字領域を備えた被印字テープ層と、
前記アンテナ基材を前記被印字テープ層に貼り合わせるための貼り合わせ用粘着層とを有し、
前記アンテナ基材のラベル長手方向寸法を、前記印字領域のラベル長手方向寸法以上としたことを特徴とする無線タグラベル。
【請求項2】
請求項1記載の無線タグラベルにおいて、
前記アンテナ基材のラベル幅方向寸法を、前記印字領域のラベル幅方向寸法以上としたことを特徴とする無線タグラベル。
【請求項3】
請求項1又は2記載の無線タグラベルにおいて、
複数の前記アンテナ基材をテープ長手方向に所定の間隔で配置したタグテープを、前記アンテナ基材の配置位置に関連づけられた所定の切断面で切断し形成されたことを特徴とする無線タグラベル。
【請求項4】
請求項3記載の無線タグラベルにおいて、
前記タグテープを、前記アンテナ基材に備えられた前記無線タグ回路素子の前記タグ側アンテナを含まない前記所定の切断面で切断し形成されたことを特徴とする無線タグラベル。
【請求項5】
請求項3又は4記載の無線タグラベルにおいて、
前記タグテープを、前記アンテナ基材を含まない前記所定の切断面で切断し形成されたことを特徴とする無線タグラベル。
【請求項6】
請求項3又は4記載の無線タグラベルにおいて、
前記タグテープを、前記アンテナ基材を含む前記所定の切断面で切断し形成されたことを特徴とする無線タグラベル。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項記載の無線タグラベルにおいて、
前記アンテナ基材は、長方形の平面形状を備えていることを特徴とする無線タグラベル。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項記載の無線タグラベルにおいて、
前記被印字テープ層は、前記貼り合わせ用粘着層側の表面に前記印字領域を備えていることを特徴とする無線タグラベル。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項記載の無線タグラベルにおいて、
前記被印字テープ層は、前記貼り合わせ用粘着層と反対側の表面に前記印字領域を備えていることを特徴とする無線タグラベル。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項記載の無線タグラベルにおいて、
前記アンテナ基材を貼り付け対象に貼り付けるための貼り付け用粘着層と、
この貼り付け用粘着材層の前記貼り付け側を覆うとともに貼り付け時には剥離される剥離材層と
を有することを特徴とする無線タグラベル。
【請求項11】
テープ長手方向に所定の間隔で配置され、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うアンテナとを備えた無線タグ回路素子をそれぞれ配置したシート状の複数のアンテナ基材と、
これら複数のアンテナ基材を貼り付け対象に貼り付けるための貼り付け用粘着層と、
この貼り付け用粘着材層の前記貼り付け側を覆うとともに貼り付け時には剥離される剥離材層と、
前記複数の無線タグ回路素子に対応して設けられ所定の印字が施される複数の印字領域を備えた被印字テープ層に対し、前記複数のアンテナ基材を貼り合わせるための貼り合わせ用粘着層とを有し、
各アンテナ基材のテープ長手方向寸法が、対応する前記印字領域のテープ長手方向寸法以上であるタグテープを、テープ長手方向と略直交する軸の周りに巻回して構成したことを特徴とするタグテープロール。
【請求項12】
請求項11記載のタグテープロールにおいて、
前記被印字テープ層は、前記タグテープに備えられていることを特徴とするタグテープロール。
【請求項13】
タグテープを巻回して構成したタグテープロールを備え、タグラベル作成装置に着脱可能に構成された無線タグ回路素子カートリッジであって、
前記タグテープは、
テープ長手方向に所定の間隔で配置され、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うアンテナとを備えた無線タグ回路素子をそれぞれ配置したシート状の複数のアンテナ基材と、
これら複数のアンテナ基材を貼り付け対象に貼り付けるための貼り付け用粘着層と、
この貼り付け用粘着材層の前記貼り付け側を覆うとともに貼り付け時には剥離される剥離材層と、
前記複数の無線タグ回路素子に対応して設けられ所定の印字が施される複数の印字領域を備えた被印字テープ層に対し、前記複数のアンテナ基材を貼り合わせるための貼り合わせ用粘着層とを有し、
各アンテナ基材のテープ長手方向寸法が、対応する前記印字領域のテープ長手方向寸法以上である
ことを特徴とする無線タグ回路素子カートリッジ。
【請求項14】
請求項13記載の無線タグ回路素子カートリッジにおいて、
前記被印字テープ層を巻回して構成した被印字テープロールを有することを特徴とする無線タグ回路素子カートリッジ。
【請求項15】
請求項13記載の無線タグ回路素子カートリッジにおいて、
前記被印字テープ層は、前記タグテープに備えられていることを特徴とする無線タグ回路素子カートリッジ。
【請求項16】
テープ長手方向に所定の間隔で配置され、情報を記憶するIC回路部と情報の送受信を行うアンテナとを備えた無線タグ回路素子をそれぞれ配置したシート状の複数のアンテナ基材と、これら複数のアンテナ基材を貼り付け対象に貼り付けるための貼り付け用粘着層と、この貼り付け用粘着材層の前記貼り付け側を覆うとともに貼り付け時には剥離される剥離材層と、被印字テープ層と、前記複数のアンテナ基材を前記被印字テープ層に貼り合わせるための貼り合わせ用粘着層とを有するタグテープを搬送する搬送手段と、
前記無線タグ回路素子との間で、無線通信により情報の送受信を行う送受信手段と、
前記搬送手段で搬送される前記タグテープの前記被印字テープ層に対し、所定の印字を行う印字手段と、
前記タグテープにおける前記アンテナ基材の配置位置情報に基づき、各アンテナ基材に対応して、前記印字手段による前記被印字テープ層への印字領域の大きさを制御する印字制御手段と
を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項17】
請求項16記載のタグラベル作成装置において、
前記印字制御手段は、
前記印字領域が、平面視において、対応する前記アンテナ基材の外側へはみ出さないように、前記印字手段を制御することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項18】
請求項16又は17記載のタグラベル作成装置において、
前記タグテープを所定の長さに切断し無線タグラベルを形成する切断手段と、
前記アンテナ基材の配置位置情報に基づく所定の切断面で前記タグテープを切断するように、前記切断手段を制御する切断制御手段と
を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項19】
請求項18記載のタグラベル作成装置において、
前記切断制御手段は、切断時の前記所定の長さの最小値が、前記無線タグ回路素子のテープ長手方向長さより大きくなるように、前記切断手段を制御することを特徴とするタグラベル作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2007−256857(P2007−256857A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−84213(P2006−84213)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】