説明

無線中継装置及び無線中継方法

【課題】複数の通信方式に対応し、且つ効率良く無線通信信号を中継する無線中継装置が無い。
【解決手段】複数の通信方式を送受信し通信方式毎に適応した変復調を行なう変復調手段と、複数の通信方式毎に定まり変復調手段で受信する第1の無線通信信号に含まれる特徴信号を検出する検出手段とを備え、検出手段を用いて所定の時間毎に前記複数の通信方式に対応する周波数帯の無線通信信号を検出する第1のモードと、検出手段で前記第1の無線通信信号に含まれる特徴信号を検出した場合に、第1の無線通信信号を変復調手段を用いて第2の無線通信信号として中継する第2のモードとを繰返すこととした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信方式を対応し、無線通信信号を再生中継する無線中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連する技術の例としては、特許文献1及び特許文献2が挙げられる。
【0003】
特許文献1には、複数の周波数帯(チャンネル)を自動的に変更する無線局(無線機、無線端末)が記載されている。同じく、近隣の無線局の使用周波数の状況を取得し、当該取得した情報を用いて自らが使用する周波数帯を変更する無線局が記載されている。
【0004】
特許文献2には、複数の通信方式(例ではFDM、TDM、CDM)に対応した無線機(親機)が記載されている。また、特定の通信方式にのみ対応した無線通信中継機(子機)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−246226号公報
【特許文献2】特開2005−328325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2を始め関連技術は、全て無線LANのような通信環境の整った地域で使用される通信システムを前提としている。しかしながら、全ての無線通信は、通信環境が整った地域だけで使用されるとは限らない。例えば、砂漠や海上、山岳地域等では、上記のような無線通信システムを構築しようとしても、通信インフラ自体が整っていない為、構築できない。また、構築できたとしても、通信可能範囲など通信システムとして的確なシステムとは言い得ない。
【0007】
また、上記例示した地域など、通信インフラが無い場所では、様々な種類の通信方式の無線機を利用し、同一の通信方式の無線機間で無線通信を行なっている。同じく、無線中継装置も中継する無線機と同一の通信方式を用いている。
【0008】
換言すれば、無線機は無線中継装置を介しても同一通信方式の無線機のみとしか無線通信を行なえない。これは、既に多く存在する無線機を効率利用しているとは言い難い。また、無線機の使用者が、自らの通信方式や通信相手の通信方式等の情報を認識して通信を行なう必要があり、大変不便である。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、複数の通信方式に対応し、且つ効率良く無線通信信号を中継する無線中継装置を提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、複数の通信方式に対応し、受信した無線通信信号を別の通信方式の無線通信信号として送信する無線中継装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の無線中継装置は、複数の通信方式で送信された無線通信信号を受信し、当該無線通信信号を予め定められた通信方式で送信することによって、無線通信信号を中継する無線中継装置であって、複数の通信方式を送受信し、通信方式毎に適応した変復調を行なう変復調手段と、前記複数の通信方式毎に定まり、前記変復調手段で受信する第1の無線通信信号に含まれる特徴信号を検出する検出手段と、を備え、前記検出手段を用いて所定の時間毎に前記複数の通信方式に対応する周波数帯の無線通信信号を検出する第1のモードと、前記検出手段で前記第1の無線通信信号に含まれる特徴信号を検出した場合に、前記第1の通信信号を前記変復調手段を用いて第2の無線通信信号として中継する第2のモードとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、複数の通信方式に対応し、且つ効率良く無線通信信号を中継する無線中継装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の一形態の無線中継装置の概略を示すブロック図である。
【図2】メモリテーブルに記録される情報を可視的に示した例示図である。
【図3】無線中継装置の動作の要部を示すフローチャートである。
【図4】無線中継装置の中継例を示す概略図である。
【図5】メモリテーブルに記録された情報から中継例に使用される情報を抽出して可視的に示す図である。
【図6】無線中継装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】無線中継装置の効果を仮想的に示す図である。
【図8】電子回路を用いて示した無線中継装置1の概略を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1の実施の一形態を図1ないし図8に基づいて説明する。
【0015】
図1は、実施の一形態の無線中継装置1の概略を示すブロック図である。
無線中継装置1は、信号処理部100、変復調部110、120、コーデック130、入出力部140、検出部150、記憶部160、アンテナ180、190等で構成される。尚、各部はハードウェアのみで構成しても良いし、ハードウェアとソフトウェアとが連携して動作する様に構成しても良い。
【0016】
信号処理部100は、アンテナ180、190で受信する無線通信信号を再生中継する為、各部の制御及び信号処理を行う。また、記憶部160に格納されているメモリテーブル161等を参照する動作を行なう。本実施の一形態では、信号処理系の演算部を一まとめに記載するが、仕様によっては演算部を複数設け、分散処理を図っても良いし、一部の機能をロジック化しても良い。
【0017】
変復調部110、120は、夫々にアンテナ180、190が接続され、高周波の無線通信信号の変調及び復調を行なう。変復調部110、120は、主に帯域フィルタ、検波部、高周波送受信部等(全て図示せず)で構成される。検波部や高周波送受信部等は、一般的な技術の為、詳細の説明は省略する。
【0018】
コーデック130は、通信信号を符号化技術を用いて圧縮及び伸張を行う。通信信号を符号化することによって通信速度の向上、及び中継処理の低減を図る。本実施の一形態では、無線通信が音響信号であれば、PCM技術等によってデジタル信号に符号化し、また符号化されたデジタル信号を音響信号に復号化することに用いる。
【0019】
入出力部140は、外部接続端子や設定ボタン等であって、無線中継装置1の各種設定や、メモリテーブル161の書込み/書換え等に使用する。
【0020】
検出部150は、変復調部110、120が復調した無線通信信号を検波し、特徴信号の有無を検出する。検波は、予め定められた時間毎に行なわれ、特徴信号を検出するまで繰り返す。
【0021】
ここで、特徴信号とは、例示すればAGC(Automatic Gain Control)信号やスケルチ信号、同期信号が挙げられる。AM通信方式やFM通信方式などのアナログ通信方式では、受信した無線通信信号から再生に十分な信号を取り出すことが可能か判別する必要がある。判別は、AGC処理後のAGC信号を利用しても良いし、スケルチ処理後のスケルチ信号を利用しても良いし、AGCを行なう前段階のアナログ信号の利用も可能である。また、無線通信の情報(内容)がデジタル情報であれば、当該情報が取得可能であるか情報の再生を行い判別しても良い。換言すれば、検出部150を用いて、アンテナ180、190で受信した無線通信信号を解析し、無線通信信号に含まれるアナログ通信方式の特徴的な信号であるAGC信号やスケルチ信号等を検出(レベル判定)することで、アナログ通信方式の特徴信号を検出したことになる。
【0022】
デジタル通信方式(QAM、PSK等)では、無線通信信号はデジタル信号として復調される。復調されたデジタル信号には同期信号が含まれており、当該同期信号を取得することによって、同期が可能となる。即ち、デジタル信号を情報として取得可能となる。換言すれば、検出部150を用いて、アンテナ180、190で受信した無線通信信号に含まれるデジタル通信方式の特徴的な信号である同期信号を検出(同期の確立)することで、デジタル通信方式の特徴信号を検出したことになる。
【0023】
即ち、特徴信号とは、通信方式毎に定まっており、無線通信信号に確実に含まれる信号を指す。また、通信方式によっては、連続した信号(波形)ではなく特定のタイミング毎に送信する信号や、無線通信信号を解析して生成する信号を含む。
【0024】
記憶部160は、RAM、ROM、フラッシュメモリ等で構成され、各種ソフトェアや情報、設定等を記憶する。また、メモリバッファとして機能し、各種信号のタイミング調整にも使用される。本実施の一形態では、全ての各種設定等がメモリテーブル161に記録されていることとする。尚、必要に応じて、メモリテーブル161のパラメータを増加させることもできるし、テーブルの分割等も可能である。
【0025】
メモリテーブル161には、通信方式や使用周波数等の各種パラメータが記録される。メモリテーブル161に記録されている各種パラメータ等の情報は、信号処理部100によって読み出され、処理される。詳しくは、図2を用い詳説する。
【0026】
アンテナ180、190は一般的なアンテナである。尚、使用周波数帯域を網羅するアンテナであれば、特に限定は無い。
【0027】
図2は、メモリテーブル161に記録される情報を可視的に示した例示図である。
メモリテーブル161に記録されている各種パラメータ等の情報には、少なくとも、使用周波数帯域(チャンネルを含む)、使用通信方式の情報が含まれる。また、必要に応じて、スキャン時間、固体識別番号、通信可能時間帯、暗号/復号方式、送信出力電力等のパラメータが含まれる。
【0028】
メモリテーブル161には、図2で示す様に、変換一覧として中継パラメータ、受信パラメータ、その受信パラメータに対する送信パラメータが記録されている。信号処理部100は、当該パラメータの情報を取得し、無線通信信号の中継を行なう。即ち、受信パラメータに合致する無線通信を、変換一覧に従い、送信パラメータの条件で発信する。
【0029】
中継パラメータ欄には、スキャンモードでのスキャン順序や使用する受信パラメータ等の情報が変復調部と関連付けられて記録されている。換言すれば、どの変復調部でどの受信パラメータを使用するか記録されている。尚、使用する変復調部と受信パラメータとの組み合わせは任意である。また、中継パラメータの値に優先度を与え、スキャンする順序(順番)を定めても良い。
【0030】
受信パラメータと送信パラメータとに含まれる情報のいくつかを詳しく説明すると、固体識別欄は、各無線機が送信する無線通信信号中に含まれる識別番号等のユニーク番号を記録する欄である。受信した無線通信信号を復調した後、当該欄の情報を用いて、通信を発信した無線機を照合し、通信を中継するか否かを判別することが可能となる。また、中継先の周波数や変調波形を変更できる。
【0031】
通信可能時間帯欄は、予め受信すべき無線機から受信される周波数帯、通信方式に対応して受信時間帯を記録する欄である。当該欄の情報を用いて、各種パラメータを照合し、関連するグループの無線機からの通信信号であるか否かを判断することができ、周波数帯と通信方式が同一であっても関係しないグループの無線機からの受信信号を排除することができる。予め受信すべき無線機からの信号かの判断条件に個体識別欄の情報を併せて使用しても良い。また、当該欄の情報ごとに送信パラメータを登録すれば、時間帯毎に送信する通信方式及び周波数帯を変更できる。
【0032】
暗号/復号方式欄、暗号/復号鍵欄は、予め受信すべき無線機から受信される周波数帯、通信方式に対応して暗号方式及び暗号鍵を記録する欄である。当該暗号方式及び暗号鍵を照合し、復調した通信信号に掛けられている暗号を復号し、送信パラメータに従い周波数帯、通信方式を定め、送信する。また、送信する通信信号を暗号方式及び暗号鍵をかけて中継することも可能である。予め受信すべき無線機からの信号かの判断条件に個体識別欄の情報等を併せて使用すれば、更に効果的である。
【0033】
中継時間欄は、スキャンモードから中継モードに移行後に、再度スキャンモードに移行する時間を記録する欄である。当該欄を用いることによって、予め無線通信に必要な時間が決まっている通信等を効率よく中継できる。また、相手無線機からの応答に時間が掛かる場合や、通信信号が間歇的に送信される場合などに中継モードからスキャンモードに移行しない様に中継モードの時間を予め定めることも可能である。当該欄の情報が無い場合は、通信信号の検出ができなくなってから一定時間後にスキャンモードに移行すれば良い。
【0034】
スキャン時間欄は、中継パラメータに従い変復調部で受信し復調した無線通信信号から、検出部が通信方式及び周波数帯毎に無線通信信号の特徴信号の検出を試みる任意に定めた時間を記録する欄である。当該欄に記録される時間を変更することにより、検出される確率が変動する為、重要な通信等を送信する周波数帯等をスキャンする時間は、長めに定めるほうが良い。当該欄の情報が無い場合は、予め定められた時間で特徴信号の検出を試みれば良い。また、スキャンを試みる周波数帯及び通信方式毎に予め定められた時間を用いても良い。これは、通信方式等によって通信速度が異なる為、スキャンする時間が同一であると通信速度の遅い通信信号が検出されにくく成るためである。
【0035】
送信出力欄は、変復調部から発信する送信電力を定める欄である。当該欄の情報を用いることで、通信距離(中継距離)を設定でき、不要な出力の電波を送信しなくて済む。
【0036】
尚、図2に示したメモリテーブル161は可視的に例示したに過ぎず、どの様な形式で記憶部に記憶しても良い。即ち、信号処理部100が受信パラメータに対応する送信パラメータを取得できればそれで良く、形式に限定は無い。
【0037】
上記したことからも明らかな通り、無線中継装置1は、無線電波をアンテナ180、190から受信し、当該電波から無線通信信号を取得する変復調手段と、特徴信号を検出する検出手段を備える。これらの手段は、通常の技術を用いて実現できる。
【0038】
このような構成において、無線中継装置1は、複数台の無線機から送信される無線通信信号を中継できる。
【0039】
次に、無線中継装置1の動作モードについて説明する。無線中継装置1は、概ねスキャンモードと中継モードの2つの動作モードによって動作する。
【0040】
スキャンモード(第1のモード)とは、予め定めた時間毎に所定の周波数帯をスキャンし、メモリテーブルに記載されている通信方式の特徴信号が含まれているか検出するモードである。
【0041】
中継モード(第2のモード)とは、受信した無線通信信号を別の無線通信信号として送信するモードである。即ち、スキャンモードで特徴信号を検出した場合に、スキャンモードから本モードに移行し、無線通信信号を受信し、信号を再生し、予め定めた通信方式で送信する。
【0042】
図3は、無線中継装置1の動作の要部を示すフローチャートである。本フローチャートは、アンテナ180で受信する無線通信信号を検出し、検出できた無線通信信号をアンテナ190から送信する動作を示す。
尚、スキャンモードは、変復調部毎に実行可能である為、同時的に複数の処理が実行される。また、後述するように、半二重通信、全二重通信、パーティーライン等を行なう場合には、複数の変復調部を一組として運用すれば良い。
【0043】
無線中継装置1の信号処理部100は、記憶部160に記録されているメモリテーブル161の変換一覧を取得し、スキャンする周波数帯と通信方式を識別する。信号処理部100は、識別した周波数帯と通信方式と従い、アンテナ180から入力される無線通信信号を変復調部110、検出部150を用いて、スキャンする(ステップS10)。
ステップS10を詳しく説明すると、信号処理部100は、第1のスキャン周波数帯(メモリテーブルから取得)を選択し、無線通信電波を受信する(ステップS311)。
信号処理部100は、変復調部110を用いて、無線通信電波を第1のスキャン周波数帯の通信方式に従い復調する(ステップS312)。
信号処理部100は、検出部150を用いて、復調した無線通信信号に特徴信号が含まれているか検出し、含まれていた場合には中継モードに移行する。含まれていない場合には、スキャン時間の経過後に第2のスキャン周波数帯のスキャンに移行する(ステップS313)。
信号処理部100は、第2のスキャン周波数帯を選択し、無線通信電波を受信する(ステップS314)。
信号処理部100は、変復調部110を用いて、無線通信電波を第2のスキャン周波数帯の通信方式に従い復調する(ステップS315)。
信号処理部100は、検出部150を用いて、復調した無線通信信号に特徴信号が含まれているか検出し、含まれていた場合には中継モードに移行する。含まれていない場合には、スキャン時間の経過後に第3のスキャン周波数帯のスキャンに移行する(ステップS316)。
以降、第3、第4・・・の周波数帯を順次スキャンする(ステップS317〜31n)
周波数帯のスキャンの繰り返しは、中継パラメータに従い、変復調部に対応する周波数帯と通信方式の組み合わせの全てが終了するまで繰り返される。尚、複数の変復調部でスキャンを同時的に行なうことも可能であり、その場合には、ステップS10と同様の処理を並列的に行なえばそれで良い。また、中継パラメータを用いずとも、全ての通信方式と周波数帯域の組合せをスキャンする様にしても良い。
【0044】
信号処理部100は、スキャンモード(ステップS10)で受信した無線通信信号に特徴信号が含まれていた場合に中継モードに移行し、受信した無線通信信号を変復調部110を用いて復調し、復調した信号を必要に応じて解析や波形再生等の信号処理を行い、中継する受信した無線通信信号に対応する記憶部160に記憶された送信パラメータに基づいて変復調部120で変調し、アンテナ190から送信(発信)する(ステップS20)。
ステップS20を詳しく説明すると、信号処理部100は、中継モードに移行し必要に応じて中継する無線通信信号に対応する送信パラメータを取得する(ステップS321)。
信号処理部100は、変復調部110を用いて、中継する無線通信信号を通信方式に従い復調する(ステップS322)。
信号処理部100は、復調した信号を解析や波形再生等の信号処理を行う(ステップS323)。即ち、デジタル通信方式であれば、データとして取得し、アナログ通信方式であれば、PCM等によって符号化(標本化)する。
信号処理部100は、変復調部120を用いて、信号処理を行った通信信号を、送信パラメータに従い変調する(ステップS324)。
変復調部120で変調された通信信号は、アンテナ190から送信される(ステップS325)。
信号処理部100は、中継モードが終了するまでステップS322からS325までの動作を繰り返す(ステップS326)。
中継モードは、受信(中継)する無線通信信号が停波してから予め定められた時間が経過した場合にスキャンモードに移行する様にしても良いし、メモリテーブルの情報を用いてスキャンモードに移行する様にしても良い。また、中継モードで後述する双方向通信を成す場合には、両方の無線通信が停波してから予め定められた時間が経過した場合にスキャンモードに移行する様にしても良い。また、無線通信信号に中継モードを終了する信号を付加させれば、当該信号を用いてスキャンモードに移行しても良い。
【0045】
上記動作の要部の説明では、片方向の中継を示したが、双方向でも同様に動作させれば良い。即ち、変復調部110、120の両方を一組として運用し、無線通信電波をメモリテーブル161に従いスキャンし、特徴信号が検出できた場合に、中継モードに移行し、一方の変復調部を用いて、検出した無線通信信号を中継すると共に、同時的に、応答用回線として中継先の通信方式及び周波数帯域からの無線通信信号を、中継元の通信方式及び周波数帯域の無線通信信号に中継する様に動作させれば良い。また、応答用回線の確立には、メモリテーブルを新たに参照し、予め定められた設定を用いて確立しても良い。同じく、メモリテーブルに新たに応答回線用のパラメータ欄を設け、当該欄に応答回線をどの通信方式及び通信周波数等を用いるかを予め登録しておいても良い。
【0046】
次に、無線中継装置1を使用し、3台の通信方式が異なる無線機間の中から2台を選んで通信を中継する例を図4ないし図7を用いて説明する。
3台の無線機は、アナログ通信方式であるAM通信方式無線機200、FM通信方式無線機210、デジタル通信方式であるQAM通信方式無線機220であることとする。
【0047】
図4は、無線中継装置1の中継例を示す概略図である。無線中継装置1の通信可能領域内に3台の無線機は存在し、無線中継装置1も3台の無線機全ての通信可能領域に存在する。尚、各無線機間は通信可能領域に存在する必要は無い。また、各無線機間は通信方式が異なる為、直接通信できない。
【0048】
図5は、メモリテーブル161に記録された情報から中継例に使用される情報を抽出し、可視的に示した図である。尚、説明を明瞭にする為、中継パラメータ、通信方式、周波数帯域、チャンネル、スキャン時間、送信出力以外のパラメータは省略する。
【0049】
図6は、無線中継装置1の動作を示すタイミングチャートである。図のTR1及びTR2は、無線中継装置1の変復調部110、120が夫々受持つ送受信機能であって無線通信の送信及び受信の動作を行なう。
【0050】
図4及び図5の条件において、無線中継装置1は、TR1とTR2を用い、中継パラメータに従い順次周波数帯をスキャンする。図6では、TR1(変復調部110)でF11、F31、F51の周波数帯をスキャンし、同時的にTR2(変復調部120)でF12、F32、F42の周波数帯意をスキャンする。この動作は、図3のステップS10に該当する。即ち、メモリテーブル161に記載された中継パラメータに従い、周波数帯域、通信方式、スキャン時間等を設定し、無線通信信号をスキャンする。尚、各周波数帯をスキャンする時間は、受信パラメータのスキャン時間を用いるが、中継する無線通信の重要性や通信方式、使用周波数帯等を考慮した上で予めメモリテーブル161に記録する(本中継例ではt1、t2、t3)。また、各周波数帯をスキャンする時間は、受信パラメータを用いずとも、予め定められた固定時間でも良い。同じく、どの受信パラメータを使用し、どの変復調部にスキャンさせるかは任意であり、登録されたパラメータ全てを使用する必要は無い。運用上効率よくスキャンできればそれで良い。
【0051】
無線中継機1は、F11の無線周波数帯をAM通信方式でスキャン中(タイミングa)に、AM無線機200からF11の無線周波数帯域にAM通信方式で無線通信電波が送信された場合、当該無線通信電波から特徴信号を検出できるか検波(図3のS313に該当)し、検出できた場合は、中継モードに移行する(タイミングb)。
【0052】
無線中継装置1は、中継モードに移行(図3のS321に該当)し、メモリテーブル161の各種パラメータに従い、順次受信する無線通信信号を復調し、波形再生等の信号処理を行い、変調し、送信(発信)する。この動作は、図3のステップS20に該当する。
【0053】
図6の中継モードを説明すると、AM無線機200が送信するF11の無線周波数帯域の無線通信信号をTR1で受信し、メモリテーブル161(図5の1行目)に従いTR2でF12周波数帯域のFM通信方式で変調された無線通信信号として送信出力100%で送信する。FM無線機210は、F12周波数帯域のFM通信方式で変調された無線通信信号を受信する(タイミングc)。
【0054】
FM無線機210から応答通信がある場合には、受信するFM通信方式のF12に対応するパラメータ(図5の4行目)を用いて、応答通信信号をTR2で受信し、当該応答通信信号をAM通信方式のF11に変調し、送信する(タイミングd)。尚、前述の通りメモリテーブルのパラメータを用いずに、応答回線を確立しても良い。
【0055】
再度AM無線機200から応答通信がある場合等には、前述の動作を繰り返し、両無線機から送信された無線通信信号を夫々復調し、信号処理を行い、変調して送信する(タイミングe)。
【0056】
両方の無線通信が終了した場合など、予め定められた時間(T)が経過後、中継モードを終了し、スキャンモードに移行する(タイミングf)。
【0057】
は、予めn秒の様に固定値を定めても良いし、通信者間の応答時間の値を用いて算出した値でも良い。算出する値は、通信の応答時間等を考慮し、T及びTの値を計測し、当該計測した値を用いて、通信者間の応答に必要な時間を算出し、更にプラスn秒加えることで求めても良いし、他の方法でも良い。
【0058】
算出には、変復調部110、120で受信する通信電力を用いて行なうこともできるし、通信信号に含まれる情報を解析して、当該解析した内容を用いて行なうこともできる。ここで、通信信号に含まれる情報の解析とは、音声通信であれば、無音時間や一定値以上の音量レベルに無い時間を取得し、データ通信では、データが無い時間を取得すること等である。
【0059】
尚、メモリテーブルに中継時間のパラメータやTを定めるパラメータの記録があれば、記録されたパラメータ値を利用し、スキャンモードに移行する。
【0060】
図6ではAM無線機200とFM無線機210との無線中継の動作を示したが、デジタル無線機220との無線中継も同様である。この場合は、信号処理部100が記憶部160や各部を用い、タイミング調整等を行なう。尚、上記動作例は、F11のAM通信方式とF12のFM通信方式の半二重通信を記載したが、中継する無線機が送信と受信とを同時に行なえる無線機であれば、チャンネルや周波数帯を分けることにより、全二重通信を行なえる。例えば、TR2でF32のQAM通信方式を先に検出した場合には、無線中継装置1がメモリテーブル(図5の2行目、5行目)のパラメータを利用しAM無線機200とデジタル無線機220との間で全二重無線通信の無線中継を行なう。
【0061】
上記の様に無線中継装置1は、スキャンモードと中継モードを順次繰り返し動作することで、複数の通信方式で送信された無線通信信号を受信し、当該無線通信信号をメモリテーブルによって予め定められた通信方式で送信することができる。
【0062】
図7は、中継例で用いられる無線中継装置1の効果の一部を仮想的に示す図である。無線機は、通信方式が異なる為に自らが直接無線通信できない他の無線機と通信可能となる。尚、構成は図4と同様であり、中継例のメモリテーブルは図5を用いてある。
【0063】
このようにして、本発明の無線中継装置は、複数の通信方式に対応し、且つ効率良く無線通信信号を中継できる。同じく、複数の通信方式に対応し、受信した無線通信信号を別の通信方式の無線通信信号として送信することができる。
【0064】
更に、無線中継装置によって送信電力を調整可能な為、通信距離に適した通信電力が選定できる。
【0065】
更に、無線通信信号のスキャン時間を変更可能とすることで、重要度の高い通信の中継の漏れを防ぐことができる。
【0066】
更に、通信方式の中継先周波数等を選定することで、無線通信の制御ができる。
【0067】
更に、無線中継装置が、スキャンを行なう時には電波を送出さずに電波を検出可能な為、常時電波を発する必要が無く、低消費電力である。即ち、常時無線リンクを確立する通信システムより、省電力である。
【0068】
更に、変復調部や検出部の一部をソフトェア化することにより、通信方式毎に設ける同様な電子回路の削減が可能であり、小型の無線中継装置を実現できる。
【0069】
尚、上記実施の一形態の無線中継装置のハードウェア構成を図1の様に示したが、図1の例に関わらず別の構成でも良い。例えば、電子回路として構成例を示せば、図8の様になる。
【0070】
図8は、電子回路を用いて示した無線中継装置1の概略を示すブロック図である。
【0071】
信号制御部500は、コーデックや記憶部等を含み、通信全体の信号処理、変換、制御等を行う。受信部A510a、送信部A510bは、図1の変復調部110と同様の動作を行い、受信部B520a、送信部B520bも同様に変復調部120と同様の働きを成す。また、受信部A510a及び受信部B520bには、波形検出部が設けられており、図1の検出部と同様の働きを成す。即ち、信号制御部500は、登録されたメモリテーブルの情報に従い、各受信部及び送信部のマルチプレクサを操作し、受信部で検出した通信信号を必要に応じて信号処理し、送信部から送信する。
【0072】
上記実施の一形態や中継例では、無線通信信号を受信し、別の一つの通信方式に変換し、送信する例を記載したが、送信は一つの通信方式に限定する必要は無い。例えば、FM通信方式で受信した無線通信信号を、AM通信方式とQAM通信方式の両方に変換し中継しても良い。この場合は、メモリテーブルを変更し、必要に応じて変復調部を増せばそれで良い。
【0073】
また、実施の一形態では、受信した無線通信信号の信号処理を行ったが、信号処理を行わずとも、そのまま復調して送信しても良い(非再生中継)。
【0074】
同じく、タイミングチャートを用いた中継例では、各種無線機(200、210)の送信及び受信周波数帯が同一である無線中継について述べたが、無線機200及び無線機210の送受信周波数が異なる無線中継も可能である。この場合は、2種類の周波数帯もしくはチャンネルを利用し、無線中継を行なえばよい。
【0075】
即ち、本発明の無線中継装置1は、変複調部を複数備えることにより、片方向通信だけではなく、双方向通信が可能である。また、半二重通信だけでなく、全二重通信も可能である。更に、変調方式や使用周波数帯が異なる無線機間の三者間通信も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、インフラの整っていない広大な地域や場所などにおいて、容易、且つ、短時間に広範囲にわたる中継システムを構築できる。具体的な例としては、多数の組織が一同に作業を行なう広域災害等に車載中継装置等として設置し、複数の組織が有する様々な既存の無線機を無線中継装置に登録することで、通信方式の統一された複数の無線機を新たに準備することなく既存の無線機を有効利用できる。
【符号の説明】
【0077】
1 無線中継装置
100 信号処理部
110、120 変復調部(変復調手段)
130 コーデック
140 入出力部
150 検出部(検出手段)
160 記憶部
180、190 アンテナ
200 AM無線機(AM通信方式)
210 FM無線機(FM通信方式)
220 デジタル無線機(QAM通信方式)
500 信号制御部
510a 受信部(変復調手段、検出手段)
510b 送信部(変復調手段)
520a 受信部(変復調手段、検出手段)
520b 送信部(変復調手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信方式で送信された無線通信信号を受信し、当該無線通信信号を予め定められた通信方式で送信することによって、無線通信信号を中継する無線中継装置であって、
複数の通信方式を送受信し、通信方式毎に適応した変復調を行なう変復調手段と、
前記複数の通信方式毎に定まり、前記変復調手段で受信する第1の無線通信信号に含まれる特徴信号を検出する検出手段と、
を備え、
前記検出手段を用いて所定の時間毎に前記複数の通信方式に対応する周波数帯の無線通信信号を検出する第1のモードと、
前記検出手段で前記第1の無線通信信号に含まれる特徴信号を検出した場合に、前記第1の無線通信信号を前記変復調手段を用いて第2の無線通信信号として中継する第2のモードと
を有することを特徴とする無線中継装置。
【請求項2】
請求項1記載の無線中継装置であって、
前記特徴信号の検出は、アナログ通信方式の無線通信信号形成レベルが一定値以上であるか否かによって判別することを特徴とする無線中継装置。
【請求項3】
請求項1記載の無線中継装置であって、
前記特徴信号の検出は、デジタル通信方式の同期の可否によって判別することを特徴とする無線中継装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れかに記載の無線中継装置であって、
前記特徴信号は、AGC(Automatic Gain Control)信号、又はスケルチ信号、又は同期確立信号であることを特徴とする無線中継装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れかに記載の無線中継装置であって、
前記第1のモードで各周波数帯を検出する所定の時間は、記憶部に予め記録された設定値に基づいて定められることを特徴とする無線中継装置。
【請求項6】
請求項1ないし4の何れかに記載の無線中継装置であって、
前記第1のモードで各周波数帯を検出する所定の時間は、通信方式毎に定められることを特徴とする無線中継装置。
【請求項7】
請求項1ないし4の何れかに記載の無線中継装置であって、
前記第1のモードで各周波数帯を検出する所定の時間は、通信周波数毎に定められることを特徴とする無線中継装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れかに記載の無線中継装置であって、
前記第2のモードから前記第1のモードに移行するタイミングは、前記記憶部に記憶されている予め定められたタイミングを用いることを特徴とする無線中継装置。
【請求項9】
請求項1ないし7の何れかに記載の無線中継装置であって、
前記第2のモードから前記第1のモードに移行するタイミングは、中継する無線通信の送受信時間を取得し、当該取得した値を演算し算出する値を用いることによって定められることを特徴とする無線中継装置。
【請求項10】
請求項1ないし7の何れかに記載の無線中継装置であって、
前記第2のモードから前記第1のモードに移行するタイミングは、前記第2のモードで中継する無線通信が一定時間検出されないことを用いて定めることを特徴とする無線中継装置。
【請求項11】
請求項1ないし7の何れかに記載の無線中継装置であって、
前記第2のモードから前記第1のモードに移行するタイミングは、前記第2のモードで中継する無線通信信号の内容が一定時間検出されないことを用いて定めることを特徴とする無線中継装置。
【請求項12】
請求項1ないし11の何れかに記載の無線中継装置であって、
前記変復調手段を複数備え、
当該複数の変復調手段を用いて、無線通信信号を双方向に中継することを特徴とする無線中継装置。
【請求項13】
AM通信方式、FM通信方式、デジタル通信方式で送信された無線通信信号を受信し、当該無線通信信号を予め定められた通信方式で送信することによって、無線通信信号を中継する無線中継装置であって、
AM通信方式、FM通信方式、デジタル通信方式の通信を送受信し、通信方式毎に適応した変復調を行なう変復調手段と、
前記変復調手段で受信する無線通信信号に含まれる通信方式毎に定まり、他の通信方式に無い特徴を有する無線通信信号を検出する検出手段と、
を備え、
前記検出手段を用いて、記憶部に記録されているスキャン時間毎にスキャン対象である通信方式に対応する周波数帯を検出する第1のモードと、
前記検出手段で特徴的な信号を含む無線通信信号を検出した場合に、当該無線通信信号を前記変復調手段を用いて復調し、信号を再生し、別の無線通信信号として変調し、送信する第2のモードと
を有することを特徴とする無線中継装置。
【請求項14】
請求項13記載の無線中継装置であって、
前記第2のモードで別の無線通信信号として変調する通信方式は、記憶部に記録され、予め登録された変換一覧を示したテーブルに基づいて定められることを特徴とする無線中継装置。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の無線中継装置であって、
前記変復調手段を複数備え、
当該複数の変復調手段を用いて、無線通信信号を双方向に中継することを特徴とする無線中継装置。
【請求項16】
複数の通信方式で送信される無線通信信号を受信し、当該無線通信信号を予め定められる通信方式で送信する無線中継方法であって、
複数の通信方式を送受信し、通信方式毎に適応した変復調を行なう変復調手段と、
前記複数の通信方式毎に定まり、前記変復調手段で受信する第1の無線通信信号に含まれる特徴信号を検出する検出手段と、
前記変調手段及び前記検出手段を制御する信号処理手段と
を備える無線中継装置の前記信号処理手段が
前記検出手段を用いて所定の時間毎に前記複数の通信方式に対応する周波数帯の無線通信信号を検出する第1のモードと、
前記検出手段で前記第1の無線通信信号に含まれる特徴信号を検出した場合に、前記第1の無線通信信号を前記変復調手段を用いて第2の無線通信信号として中継する第2のモードと
を切り換えることにより実現されることを特徴とする無線中継方法。
【請求項17】
請求項16記載の無線中継方法であって、
前記無線中継装置が、前記特徴信号の検出をアナログ通信方式の無線通信信号形成レベルが一定値以上であるか否かによって判別することを特徴とする無線中継方法。
【請求項18】
請求項16記載の無線中継方法であって、
前記無線中継装置が、前記特徴信号の検出を、デジタル通信方式の同期の可否によって判別することを特徴とする無線中継方法。
【請求項19】
請求項16ないし18の何れかに記載の無線中継方法であって、
前記特徴信号が、AGC信号、又はスケルチ信号、又は同期確立信号であることを特徴とする無線中継方法。
【請求項20】
請求項16ないし19の何れかに記載の無線中継方法であって、
前記第1のモードで各周波数帯を検出する所定の時間を、記憶部に予め記録された設定値に基づいて定めることを特徴とする無線中継方法。
【請求項21】
請求項16ないし19の何れかに記載の無線中継方法であって、
前記第1のモードで各周波数帯を検出する所定の時間を、通信方式毎に定めることを特徴とする無線中継方法。
【請求項22】
請求項16ないし19の何れかに記載の無線中継方法であって、
前記第1のモードで各周波数帯を検出する所定の時間を、通信周波数毎に定めることを特徴とする無線中継方法。
【請求項23】
請求項16ないし22の何れかに記載の無線中継方法であって、
前記第2のモードから前記第1のモードに移行するタイミングを、前記記憶部に記憶されている予め定められた値を用いて定めることを特徴とする無線中継方法。
【請求項24】
請求項16ないし22の何れかに記載の無線中継方法であって、
前記第2のモードから前記第1のモードに移行するタイミングを、中継する無線通信の送受信時間を取得し、当該取得した値を演算し算出する値を用いることによって定めることを特徴とする無線中継方法。
【請求項25】
請求項16ないし22の何れかに記載の無線中継方法であって、
前記第2のモードから前記第1のモードに移行するタイミングを、前記第2のモードで中継する無線通信信号が一定時間検出されないことを用いて定めることを特徴とする無線中継方法。
【請求項26】
請求項16ないし22の何れかに記載の無線中継方法であって、
前記第2のモードから前記第1のモードに移行するタイミングを、前記第2のモードで中継する無線通信信号の内容が一定時間検出されないことを用いて定めることを特徴とする無線中継方法。
【請求項27】
請求項16ないし26の何れかに記載の無線中継方法であって、
前記変復調手段を複数備え、
前記第2のモードで、前記複数の変復調手段を用いて無線通信信号を双方向に中継することを特徴とする無線中継方法。
【請求項28】
AM通信方式、FM通信方式、デジタル通信方式で送信される無線通信信号を受信し、当該無線通信信号を予め定められた通信方式で送信する無線中継方法であって、
AM通信方式、FM通信方式、デジタル通信方式の通信を送受信し、通信方式毎に適応した変復調を行なう変復調手段と、
前記変復調手段で受信する無線通信信号に含まれる通信方式毎に定まり、他の通信方式に無い特徴を有する無線通信信号を検出する検出手段と、
前記変調手段及び前記検出手段を制御する信号処理手段と
を備える無線中継装置の前記信号処理手段が
前記検出手段を用いて記憶部に記録されているスキャン時間毎にAM通信方式、FM通信方式、デジタル通信方式の通信方式に対応する周波数帯を検出する第1のモードと、
前記検出手段で無線通信信号に含まれる特徴的な信号を検出した場合に、当該無線通信信号を前記変復調手段を用いて復調し、信号を再生し、別の無線通信信号として変調し、送信する第2のモードと
を切り換えることにより実現されることを特徴とする無線中継方法。
【請求項29】
請求項28記載の無線中継方法であって、
前記第2のモードで別の無線通信信号として変調する無線方式は、記憶部に記録され、予め記録された周波数変換を示したテーブルに基づいて定められることを特徴とする無線中継方法。
【請求項30】
請求項28又は29に記載の無線中継方法であって、
前記変復調手段を複数備え、
前記第2のモードで、前記複数の変復調手段を用いて無線通信信号を双方向に中継することを特徴とする無線中継方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−183132(P2010−183132A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22241(P2009−22241)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(390014306)防衛省技術研究本部長 (169)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】