説明

無線基地局、ユーザ端末及び周波数帯域共用方法

【課題】周波数帯域を共用するMCSとCRSとの通信エリアが重複する場合、MCS端末の実装負荷を増大させずに、MCS端末がCRS基地局から被る干渉を低減する。
【解決手段】CRS基地局(21)は、同期確立信号を送信する送信部と、前記同期確立信号に応じたランダムアクセス信号を受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記ランダムアクセス信号がMCS端末(12)から送信されたか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記ランダムアクセス信号がMCS端末(12)から送信されたと判定された場合、MCS端末(12)に対する干渉低減処理を行う干渉低減処理部と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間的に通信エリアが少なくとも一部重複する無線通信システム間で少なくとも一部の周波数帯帯域を共用する無線基地局、ユーザ端末及び周波数帯域共用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、既存の無線通信システムであるMCS(Macro Cell System)の通信エリア内に、MCSとは異なる無線通信システムであるCRS(Cognitive Radio System)の通信エリアを重畳的に配置したシステム構成が検討されている。このように複数の無線通信システムの通信エリアが重複するシステム構成においては、当該複数の無線通信システム間で少なくとも一部の周波数帯域を共用することによって、周波数帯域の利用効率を高めることが検討されている。
【0003】
周波数帯域を共用する複数の無線通信システムの通信エリアが重複する場合、第1の無線通信システム(例えば、MCS)のユーザ端末が、第2の無線通信システム(例えば、CRS)の無線基地局の近くに位置すると、当該無線基地局からの干渉を大きく被る。そこで、第1の無線通信システム(例えば、MCS)のユーザ端末が、第2の無線通信システム(例えば、CRS)の無線基地局からの報知信号(例えば、ビジートーン)の検出結果に基づいて、当該無線基地局に対して干渉低減処理を要求することも検討されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-004002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、周波数帯域を共用する複数の無線通信システムの通信エリアが重複する場合、上述のように、第1の無線通信システム(例えば、MCS)のユーザ端末が、第2の無線通信システム(例えば、CRS)の無線基地局からの報知信号を検出可能とし当該無線基地局に対して干渉低減処理を要求可能にしようとすると、当該第1の無線通信システムのユーザ端末の実装負荷が増大するという問題点があった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、周波数帯域を共用する複数の無線通信システムの通信エリアが重複する場合、第1の無線通信システムのユーザ端末の実装負荷を大きく増大させずに、当該第1の無線通信システムのユーザ端末が第2の無線通信システムの無線基地局から被る干渉を低減可能な無線基地局、ユーザ端末及び周波数帯域共用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1側面に係る無線基地局は、第1無線通信システムとの間で少なくとも一部の周波数帯域を共用する第2無線通信システムの無線基地局であって、同期確立信号を送信する送信部と、前記同期確立信号に応じたランダムアクセス信号を受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記ランダムアクセス信号が前記第1無線通信システムのユーザ端末から送信されたか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記ランダムアクセス信号が前記第1無線通信システムのユーザ端末から送信されたと判定された場合、該ユーザ端末に対する干渉低減処理を行う干渉低減処理部と、を具備する。
【0008】
この構成によれば、第1の無線通信システムのユーザ端末は、第2の無線通信システムの無線基地局にランダムアクセス信号を送信することによって、当該無線基地局に対して干渉の低減処理を要求できるので、第1の無線通信システムのユーザ端末の実装負荷を大きく増大させずに、当該ユーザ端末が第2の無線通信システムの無線基地局から被る干渉を低減できる。
【0009】
本発明の第2側面に係るユーザ端末は、第2無線通信システムとの間で少なくとも一部の周波数帯域を共用する第1無線通信システムのユーザ端末であって、同期確立信号を受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記同期確立信号が前記第2無線通信システムの無線基地局から報知されたか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記同期確立信号が前記第2無線通信システムの無線基地局から報知されたと判定された場合、該無線基地局に対して干渉低減処理を要求するために、該無線基地局に対してランダムアクセス信号を送信する送信部と、を具備する。
【0010】
本発明の第3側面に係る周波数帯域共用方法は、第1無線通信システムと第2無線通信システムの間で少なくとも一部の周波数帯域を共用するための周波数帯域共用方法であって、前記第1無線通信システムのユーザ端末が、同期確立信号を受信する工程と、前記第1無線通信システムのユーザ端末が、受信した前記同期確立信号が前記第2無線通信システムの無線基地局から報知されたか否かを判定する工程と、前記第1無線通信システムのユーザ端末が、受信した前記同期確立信号が前記第2無線通信システムの無線基地局から報知されたと判定する場合、該無線基地局に対して干渉低減処理を要求するために、該無線基地局に対してランダムアクセス信号を送信する工程と、前記第2無線通信システムの無線基地局が、ランダムアクセス信号を受信する工程と、前記第2無線通信システムの無線基地局が、受信した前記ランダムアクセス信号が前記第1無線通信システムのユーザ端末から送信されたか否かを判定する工程と、前記第2無線通信システムの無線基地局が、受信した前記ランダムアクセス信号が前記第1無線通信システムのユーザ端末から送信されたと判定する場合、該ユーザ端末に対する干渉低減処理を行う工程と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、周波数帯域を共用する複数の無線通信システムの通信エリアが重複する場合、第1の無線通信システムのユーザ端末の実装負荷を大きく増大させずに、当該第1の無線通信システムのユーザ端末が第2の無線通信システムの無線基地局から被る干渉を低減可能な無線基地局、ユーザ端末及び周波数帯域共用方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】周波数帯域を共用する複数の無線通信システムの通信エリアが重複する場合のシステム構成を説明するための図である。
【図2】本発明に係る周波数帯域共用方法を示すシーケンス図である。
【図3】本実施の形態に係るMCS端末の機能構成図である。
【図4】本実施の形態に係る同期確立信号の送信頻度を説明するための図である。
【図5】本実施の形態に係るランダムアクセス信号の無線リソースの割り当て例を示す図である。
【図6】本実施の形態に係るRACHシーケンスIDと干渉抑制量との関連付け例を示す図である。
【図7】本実施の形態に係るCRS基地局の機能構成図である。
【図8】本実施の形態に係るS−SS IDによる指定内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、周波数帯域を共用する複数の無線通信システムの通信エリアが重複する場合のシステム構成を説明するための図である。なお、図1に示すシステム構成は、あくまで例示であって、この構成に限定されるものではない。本発明は、同一周波数帯域を共用する複数の無線通信エリアが重畳的に配置される構成であれば適用できる。
【0014】
また、以下において、MCS(Macro Cell System)10とCRS(Cognitive Radio System)20とが周波数帯域を共用する例を説明するが、周波数帯域を共用する複数の無線通信システムは、これらに限定されない。少なくとも一部の周波数帯域を共用する複数の無線通信システムであれば、どのようなシステムの組み合わせであってもよい。
【0015】
図1においては、既存システムであるMCS10とCRS20との通信エリアが重複し、周波数帯域を共用する場合を示している。MCS10の無線基地局(以下、MCS基地局という)11は、自セル内に位置するユーザ端末(以下、MCS端末という)12に対する信号を送信する。また、CRS20の無線基地局(以下、CRS基地局という)21も、自セル内に位置するユーザ端末(以下、CRS端末)22に対する信号を送信する。なお、MCS基地局11、MCS端末12、CRS基地局21、CRS端末22の数は、図1に示す数に限られるものではない。
【0016】
図1に示すように、MCS端末12が、CRS基地局21の近傍に位置する場合、MCS基地局11からの所望信号だけでなく、CRS基地局21からの干渉信号を受信する。そこで、MCS端末12は、CRS基地局21からの干渉報知信号を検出し、当該干渉報知信号の検出結果に基づいて干渉抑制要求信号をCRS基地局21に送信する。CRS基地局21は、MCS端末12からの干渉抑制要求信号に応じて干渉低減処理(例えば、送信電力の低減や、送信停止、MIMO適用など)を行う。
【0017】
以上のように、図1においては、MCS端末12とCRS基地局21との間で、上述の干渉報知信号や干渉抑制要求信号などの干渉制御信号が送受信される。ここで、これらの干渉制御信号を新たな形式で定義する場合、既存システムであるMCS10側においては、新たな形式の制御信号の検出構成などを追加する必要がある。このため、MCS端末12における実装負荷が増大してしまう。
【0018】
そこで、本発明に係る周波数帯域共用方法においては、既存システムであるMCS10の信号形式を用いて干渉制御信号を定義する。このように、MCS10の制御信号形式を用いて干渉制御信号を定義することにより、MCS端末12における実装負荷を大きく増加させずに、MCS端末12がCRS基地局21から被る干渉を低減させることができる。ここで、MCS10は、様々な制御信号を送信するが、干渉制御信号として使用するためには、受信された信号により送信した基地局を特定できる必要があることから、MCS10の同期確立信号の信号形式とする事が好ましい。
【0019】
図2は、本発明に係る周波数帯域共用方法を示すシーケンス図である。図2においては、MCS端末12が、MCS基地局11との通信開始処理(ステップST101及びST102)の後に、干渉制御処理(ステップST105〜ST113)を行うが、これに限られるものではない。例えば、MCS基地局11とMCS端末12との間の通信開始処理は、干渉制御処理と並行して行われてもよいし、省略されてもよい。CRS基地局21とCRS端末22との間の通信開始処理(ステップST103及びST104)についても同様である。
【0020】
図2に示すように、MCS基地局11は、同期確立信号を報知する(ステップST101)。ここで、同期確立信号とは、MCS端末12が、MCS基地局11を識別し、下りリンクにおける同期を確立するための信号である。
【0021】
MCS端末12は、MCS基地局11から報知された同期確立信号を検出し、MCS基地局11との間で通信開始処理を行う(ステップST102)。具体的には、MCS端末12は、MCS基地局11に対してランダムアクセス信号を送信する。MCS基地局11は、当該ランダムアクセス信号に応じたランダムアクセス応答信号をMCS端末12に送信する。MCS端末12は、当該ランダムアクセス応答信号によって指定された上りリンク共有チャネル(PUSCH)を介して、MCS端末12の識別情報等をMCS基地局11に送信する。以上の通信開始処理を経て、MCS端末12とMCS基地局11とのデータ通信が開始される。
【0022】
CRS基地局21は、同期確立信号を報知する(ステップST103)。CRS端末22は、CRS基地局21から報知された同期確立信号を検出し、CRS基地局21との間で上述の通信開始処理を行う(ステップST104)。
【0023】
ステップST103で報知される同期確立信号は、CRS端末22だけでなく、CRS基地局21付近に位置するMCS端末12にも受信される(ステップST105)。当該同期確立信号は、CRS端末22との間では、CRS基地局21との同期を確立する信号として用いられたが、MCS端末12との間では、MCS端末12がCRS基地局21からの干渉の影響を把握するための干渉報知信号として用いられる。後述するように、CRS基地局21は、当該同期確立信号を、MCS基地局11から報知される同期確立信号とは異なる送信頻度又は異なる信号系列で報知する。なお、同期確立信号は、例えば、同期チャネル(SCH)で報知される。
【0024】
MCS端末12は、受信した同期確立信号がCRS基地局21から報知されたか否かを判定する(ステップST106)。後述するように、MCS端末12は、受信した同期確立信号の受信頻度又は信号系列に基づいて、CRS基地局21から報知されたか否かを判定する。
【0025】
MCS端末12は、受信した同期確立信号がCRS基地局21から報知されたと判定された場合、CRS基地局21に対して、ランダムアクセス信号を送信する(ステップST107)。当該ランダムアクセス信号は、上述の通信開始処理(ステップST102)においてCRS基地局21に対して送信されたランダムアクセス信号のようにCRS基地局21との通信開始のための信号として用いられるのではない。当該ランダムアクセス信号は、CRS基地局21に対する干渉の抑制を要求する干渉抑制要求信号として用いられる。後述するように、MCS端末12は、当該ランダムアクセス信号を、CRS端末22から送信されるランダムアクセス信号とは異なる無線リソース又は異なる信号系列で送信する。なお、ランダムアクセス信号は、例えば、ランダムアクセスチャネル(RACH)で送信される。
【0026】
CRS基地局21は、受信したランダムアクセス信号がMCS端末12から送信されたか否かを判定する(ステップST108)。後述するように、CRS基地局21は、当該ランダムアクセス信号が受信された無線リソース又は当該ランダムアクセス信号の信号系列に基づいて、MCS端末12から送信されたか否かを判定する。
【0027】
CRS基地局21は、受信したランダムアクセス信号がMCS端末12から送信されたと判定された場合、MCS端末12に対する干渉低減処理(例えば、送信電力制御、送信停止など)を行う(ステップST109)。後述するように、CRS基地局21は、受信したランダムアクセス信号の受信電力又は信号系列に基づいて、当該干渉低減処理を行う。
【0028】
また、CRS基地局21は、MCS端末12に対する干渉低減処理として、MIMOを適用してもよい。MIMOを適用する場合、CRS基地局21は、MCS端末に対して、ランダムアクセス応答信号を送信する(ステップST110)。当該ランダムアクセス応答信号は、上述の通信開始処理(ステップST102)においてMCS基地局11から送信されたランダムアクセス応答信号のようにMCS端末12との通信開始のために用いられるものではない。当該ランダムアクセス応答信号は、MCS端末12にチャネル情報を要求するチャネル状態要求信号として用いられるものである。なお、ランダムアクセス応答信号は、例えば、下りリンク共有チャネル(PDSCH)で送信される。
【0029】
MCS端末12は、受信したランダムアクセス応答信号がCRS基地局21から報知されたか否かを判定する(ステップST111)。後述するように、MCS端末12は、受信したランダムアクセス応答信号に含まれるランダムアクセス信号の信号系列の識別情報に基づいて、CRS基地局21から自端末に対して送信されたか否かを判定する。
【0030】
MCS端末12は、受信したランダムアクセス応答信号がCRS基地局21から自端末に対して報知されたと判定された場合、CRS基地局21からの参照信号に基づいてチャネル状態を推定する(ステップST112)。チャネル状態としては、チャネル推定値そのものを指す。
【0031】
MCS端末12は、推定したチャネル状態を含むチャネル状態フィードバック信号をCRS基地局21に送信する(ステップST113)。チャネル情報要求フィードバック信号は、例えば、上りリンク共有チャネル(PUSCH)で送信される。また、当該チャネル情報要求フィードバック信号は、PUSCHで送信される既定の信号形式を用いることができる。
【0032】
CRS基地局21は、MCS端末12からのチャネル状態フィードバック信号に基づいて、MIMO技術を適用する(ステップST114)。
【0033】
なお、図2においては、MCS端末12が、CRS基地局21からのランダムアクセス応答信号(チャネル状態要求信号)に応じて、自らチャネル状態を推定し、CRS基地局21に報告する例を説明したが、これに限られない。例えば、MCS端末12が、CRS基地局21からのランダムアクセス応答信号(チャネル状態要求信号)に応じて、CRS基地局21に対して参照信号を送信し、CRS基地局21が、当該MCS端末12からの参照信号に基づいてチャネル状態を推定してもよい。
【0034】
以上のように、本発明に係る周波数帯域共用方法においては、MCS端末12がCRS基地局21から被る干渉を制御する干渉報知信号、干渉抑制要求信号、チャネル状態要求信号などの干渉制御信号として、それぞれ、同期確立信号、ランダムアクセス信号、ランダムアクセス応答信号などのMCS10の既存の信号形式を用いる。したがって、MCS端末12における実装負荷を大きく増加させずに、MCS端末12がCRS基地局21から被る干渉を低減させることができる。
【0035】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。具体的には、上述の本発明に係る周波数帯域共用方法を実施するためのMCS端末及びCRS基地局の機能構成について説明する。
【0036】
なお、MCS端末12及びCRS基地局21は、それぞれ、アンテナ、RF回路、通信インターフェース、プロセッサ、メモリ、送受信回路などを含むハードウェアを有しており、メモリには、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールが記憶されている。後述する機能構成は、上述のハードウェアによって実現されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実現されてもよいし、両者の組み合わせによって実現されてもよい。
【0037】
図3は、本発明の実施の形態に係るMCS端末の機能構成図である。図3に示すように、MCS端末12は、ベースバンド(BB)信号処理部101、データ信号検出部102、同期確立信号検出部103、同期確立信号判定部104、干渉抑制要求信号制御部105、MCS通信制御部106、ランダムアクセス信号生成部107、多重部108、RF信号生成部109、データ信号生成部110、ランダムアクセス応答信号検出部111、ランダムアクセス応答信号判定部112、チャネル状態推定部113、チャネル状態フィードバック信号制御部114、チャネル状態フィードバック信号生成部115、を具備する。
【0038】
BB信号処理部101は、アンテナを介して受信した無線周波数信号をベースバンド信号に変換し、復調して、データ信号と制御信号とに分離する。BB信号処理部101は、分離されたデータ信号をデータ信号検出部102に出力し、分離された制御信号を同期確立信号検出部103及びランダムアクセス応答信号検出部111に出力する。なお、アンテナ、BB信号処理部101、後述の同期確立信号検出部103及びランダムアクセス応答信号検出部により受信部が構成される。
【0039】
同期確立信号検出部103は、BB信号処理部101から入力された制御信号から同期確立信号を検出する。ここで、同期確立信号とは、MCS端末12が所望のセルを検出できるように、MCS基地局11又はCRS基地局21から報知される信号である。同期確立信号は、例えば、同期チャネル(SCH)を介して送信される。同期確立信号検出部103は、検出された同期確立信号を同期確立信号判定部104に出力する。
【0040】
同期確立信号判定部104は、同期確立信号検出部103で検出された同期確立信号がCRS基地局21から報知されたか否かを判定する。具体的には、同期確立信号判定部104は、以下の第1又は第2の同期確立信号判定方法で、同期確立信号がCRS基地局21から報知されたか否かを判定する。
【0041】
第1の同期確立信号判定方法では、同期確立信号判定部104は、同期確立信号検出部103で検出された同期確立信号のピーク検出頻度に基づいて、当該同期確立信号がCRS基地局21から報知されたか否かを判定する。この場合、図4に示すように、CRS基地局21からの同期確立信号は、MCS基地局11から報知される同期確立信号とは異なる送信頻度で報知される。このため、同期確立信号検出部103における同期確立信号の相関検出のピーク検出頻度も、MCS基地局11とCRS基地局21とで異なることとなる。
【0042】
例えば、図4においては、MCS基地局11からの同期確立信号の送信頻度は、1フレーム当たり2回である。一方、CRS基地局21からの同期確立信号の送信頻度は1フレーム当たり1回である。すなわち、図4の場合、CRS基地局21からの同期確立信号の送信頻度は、MCS基地局11からの同期確立信号の送信頻度よりも少ない。したがって、図4の場合、同期確立信号判定部104は、同期確立信号検出部103における同期確立信号のピーク検出頻度が他の同期確立信号のピーク検出頻度よりも少ない場合に、当該同期確立信号がCRS基地局21から報知されたと判定する。
【0043】
第2の同期確立信号判定方法では、同期確立信号判定部104は、同期確立信号検出部103で検出された同期確立信号の信号系列に基づいて、当該同期確立信号がCRS基地局21から報知されたか否かを判定する。この場合、CRS基地局21からの同期確立信号は、MCS基地局11から報知される同期確立信号とは異なる信号系列で報知される。なお、CRS基地局21からの同期確立信号に用いられる信号系列は、予めMCS端末12に設定されていてもよいし、MCS基地局11から通知されてもよい。
【0044】
同期確立信号判定部104は、以上の第1又は第2の同期確立信号判定方法により、同期確立信号検出部103によって検出された同期確立信号がCRS基地局21から報知されたと判定された場合、当該同期確立信号を干渉抑制要求信号制御部105に出力する。一方、同期確立信号判定部104は、検出された同期確立信号がMCS基地局11から報知されたと判定された場合、当該同期確立信号をMCS通信制御部106に出力する。なお、同期確立信号判定部104は、判定部を構成する。
【0045】
干渉抑制要求信号制御部105は、同期確立信号判定部104によって同期確立信号がCRS基地局21から報知されたと判定された場合、CRS基地局21に対して干渉低減処理を要求するための制御処理を行う。具体的には、干渉抑制要求信号制御部105は、以下の第1又は第2の干渉抑制要求信号送信方法により、干渉抑制要求信号としてのランダムアクセス信号が送信されるように、ランダムアクセス信号生成部107を制御する。
【0046】
第1の干渉抑制要求信号送信方法では、干渉抑制要求信号制御部105は、干渉抑制要求信号としてのランダムアクセス信号を、CRS端末22から送信されるランダムアクセス信号とは異なる無線リソースに割り当てるように、ランダムアクセス信号生成部107に指示する。この場合、図5Bに示すように、ランダムアクセス信号用の無線リソースが、MCS10用とCRS20用とで別々に確保されている。このため、干渉抑制要求信号制御部105は、MCS10用に確保された無線リソースに干渉抑制要求信号としてのランダムアクセス信号を割り当てるように、ランダムアクセス信号生成部107に指示する。なお、MCS10用の無線リソースは、予めMCS端末12に設定されていてもよいし、MCS基地局11から通知されてもよい。
【0047】
第2の干渉抑制要求信号送信方法では、干渉抑制要求信号制御部105は、干渉抑制要求信号としてのランダムアクセス信号を、CRS端末22から送信されるランダムアクセス信号とは異なる信号系列で生成するように、ランダムアクセス信号生成部107に指示する。この場合、ランダムアクセス信号の信号系列群(以下、RACHシーケンス群という)が、MCS10用とCRS20用とで別々に割り当てられている。なお、MCS10用のRACHシーケンス群は、予めMCS端末12に設定されていてもよいし、MCS基地局11から通知されてもよい。
【0048】
第2の干渉抑制要求信号送信方法では、干渉抑制要求信号制御部105は、MCS10用のRACHシーケンス群の中からランダムに選択された信号系列で、干渉抑制要求信号としてのランダムアクセス信号を生成するように、ランダムアクセス信号生成部107に指示してもよい。この場合、干渉抑制要求信号制御部105は、当該ランダムアクセス信号を一定の送信電力で送信するようにランダムアクセス信号生成部107に指示する。CRS基地局21において当該ランダムアクセス信号の受信電力に基づいて干渉抑制量を推定可能とするためである。
【0049】
また、第2の干渉抑制要求信号送信方法では、干渉抑制要求信号制御部105は、MCS10用のRACHシーケンス群の中から選択された所望の干渉抑制量に対応する信号系列で、干渉抑制要求信号としてのランダムアクセス信号を生成するように、ランダムアクセス信号生成部107に指示してもよい。この場合、図6に示すように、RACHシーケンスIDと干渉抑制量とが関連付けられてMCS端末12に記憶されている。ここで、RACHシーケンスIDは、ランダムアクセス信号の信号系列の識別情報である。上述のMCS10用のRACHシーケンス群の信号系列は、RACHシーケンスIDによって識別される。
【0050】
図6に示すように、RACHシーケンスIDと干渉抑制量とが関連づけられる場合、干渉抑制要求信号制御部105は、CRS基地局21から送信された信号に基づいて干渉抑制量を算出し、算出した干渉抑制量に対応するRACHシーケンスIDを取得する。干渉抑制要求信号制御部105は、取得したRACHシーケンスIDに対応する信号系列で、干渉抑制要求信号としてのランダムアクセス信号を生成させる。
【0051】
なお、図6に示す干渉抑制量は、CRS専用帯域又はMCS専用帯域のいずれに対するものであってもよい。CRS専用帯域に対する干渉抑制量の場合、干渉抑制要求信号制御部105は、CRS基地局21からCRS専用帯域で報知される同期確立信号に基づいて干渉抑制量を算出できる。当該干渉抑制量は、例えば、以下の式(1)により算出される。
(干渉抑制量)=
(同期確立信号の受信電力)−(MCS端末における許容干渉電力)
… 式(1)
【0052】
一方、MCS専用帯域に対する干渉抑制量の場合、干渉抑制要求信号制御部105は、MCS10とCRS20との共用帯域で報知される信号に基づいて干渉抑制量を算出できる。
【0053】
なお、上述のようなRACHシーケンスIDと干渉抑制量との関連付けは、予めMCS端末12に設定されていてもよいし、MCS基地局11から通知されてもよい。また、図6は、一例にすぎず、これに限られない。干渉抑制量は、図6のように相対値で表わされても良いし、絶対値で表わされても良い。また、RACHシーケンスIDには、CRS基地局21からの送信電力を増加させるために、マイナス値の干渉抑制量が関連付けられていてもよい。
【0054】
以上のように、第2の干渉抑制要求信号送信方法では、干渉抑制要求信号制御部105は、MCS10用のRACHシーケンス群の中から、ランダムに信号系列を選択してもよいし、干渉抑制量に応じた信号系列を選択してもよい。この信号系列の選択方法は、CRS基地局21から報知された同期確立信号によって指定されてもよい。後述するように、CRS基地局21は、セカンダリ同期信号(Secondary-SS)の識別情報を用いて、上述の信号系列の選択方法や、ランダムアクセス信号(干渉抑制要求信号)を送信すべきMCS端末12を指定する(図8参照)。干渉抑制要求信号制御部105は、当該セカンダリ同期信号によって指定された選択方法で、MCS10用のRACHシーケンス群の中から信号系列を選択する。
【0055】
また、第2の干渉抑制要求信号送信方法では、上記MCS10用のRACHシーケンス群の中に、MIMOをサポートすることを示す信号系列と、MIMOをサポートしないことを示す信号系列とが設けられてもよい。干渉抑制要求信号制御部105は、自端末がMIMOをサポートしない場合、MIMOをサポートしないことを示す信号系列を選択する。一方、干渉抑制要求信号制御部105は、自端末がMIMOをサポートする場合、MIMOをサポートすることを示す信号系列を選択する。このように、ランダムアクセス信号の信号系列を用いてMCS端末12がMIMOをサポートするか否かを通知することにより、CRS基地局21は、MCS端末12に対して適切な干渉低減処理を行うことができる。
【0056】
また、第2の干渉抑制要求信号送信方法では、上記MCS10用のRACHシーケンス群の中に、MIMOによる干渉抑制効果が低下していることを示す信号系列が設けられてもよい。例えば、干渉抑制要求信号制御部105は、MIMOによる干渉低減処理が行なわれていても、チャネル状態が所定の閾値よりも低下している場合、MIMOによる干渉抑制効果が低下していることを示す信号系列を選択する。このように、ランダムアクセス信号の信号系列を用いてMCS端末12がMIMOによる干渉抑制効果を通知することにより、CRS基地局21は、MIMOの適応制御を行うことができる。
【0057】
以上のようなランダムアクセス信号は、CRS基地局21において、所定数のフレームに渡り有効であるものとされてもよい。かかる場合、干渉抑制要求信号制御部105は、所定数のフレームに1回の送信頻度で上記ランダムアクセス信号を送信するように制御してもよい。
【0058】
MCS通信制御部106は、同期確立信号判定部104によって同期確立信号がCRS基地局21から報知されていないと判定された場合、MCS基地局11との通信を行うための制御処理を行う。具体的には、MCS通信制御部106は、MCS基地局11との通信を開始するためのランダムアクセス信号を生成するように、ランダムアクセス信号生成部107に指示する。
【0059】
ランダムアクセス信号生成部107は、干渉抑制要求信号制御部105又はMCS通信制御部106からの指示に基づいて、ランダムアクセス信号を生成する。生成されたランダムアクセス信号は、多重部108を介して、RF信号生成部109に出力される。
【0060】
多重部108は、データ信号生成部110から入力されたデータ信号を多重して、RF信号生成部109に出力する。RF信号生成部109は、多重部108から入力された送信シンボルを変調し、RF信号を生成する。また、RF信号生成部109は、生成したRF信号を、アンテナ(不図示)を介して送信する。なお、RF信号生成部109とアンテナにより送信部が構成される。
【0061】
ランダムアクセス応答信号検出部111は、BB信号処理部101から入力された制御信号からランダムアクセス応答信号を検出する。ここで、ランダムアクセス応答信号とは、MCS端末12からのランダムアクセス信号に対する応答信号である。ランダムアクセス応答信号は、例えば、下りリンク共有チャネル(PDSCH)を介して送信される。ランダムアクセス応答信号検出部111は、検出されたランダムアクセス応答信号をランダムアクセス応答信号判定部112に出力する。
【0062】
ランダムアクセス応答信号判定部112は、ランダムアクセス応答信号検出部111で検出されたランダムアクセス応答信号に含まれるRACHシーケンスIDに基づいて、当該ランダムアクセス応答信号がCRS基地局21から自端末に対して送信されたか否かを判定する。
【0063】
具体的には、ランダムアクセス応答信号判定部112は、ランダムアクセス応答信号に含まれるRACHシーケンスIDが、CRS基地局21に対して送信したランダムアクセス信号(干渉抑制要求信号)のRACHシーケンスIDが合致する場合、CRS基地局21から自端末に送信されたと判定する。
【0064】
チャネル状態推定部113は、ランダムアクセス応答信号判定部112によってランダムアクセス信号がCRS基地局21から自端末に送信されたと判定された場合、CRS基地局21からの参照信号からチャネル状態を推定する。チャネル状態推定部113は、推定したチャネル状態を示すチャネル状態情報をチャネル状態フィードバック信号制御部114に出力する。なお、チャネル状態推定部113によって推定部が構成される。
【0065】
チャネル状態フィードバック信号制御部114は、チャネル状態フィードバック信号の送信制御を行う。具体的には、チャネル状態フィードバック信号制御部114は、チャネル状態推定部113から入力されたチャネル状態情報を含むチャネル状態フィードバック信号を生成するように、チャネル状態フィードバック信号生成部115に指示する。
【0066】
また、チャネル状態フィードバック信号制御部114は、CRS基地局21からのランダムアクセス応答信号(チャネル状態要求信号)の上りリソース割り当てフィールドで指定された上りリソースに、当該チャネル状態フィードバック信号を割り当てるように、チャネル状態フィードバック信号生成部115に指示する。
【0067】
チャネル状態フィードバック信号生成部115は、チャネル状態フィードバック信号制御部114又はMCS通信制御部106の指示によって、チャネル状態フィードバック信号を生成する。生成されたチャネル状態フィードバック信号は、多重部108においてデータ信号と多重されて、RF信号生成部109に出力される。
【0068】
図7は、本発明の実施の形態に係るCRS基地局の機能構成図である。図7に示すように、CRS基地局21は、同期確立信号制御部201、同期確立信号生成部202、多重部203、データ信号生成部204、RF信号生成部205、BB信号処理部206、データ信号検出部207、ランダムアクセス信号検出部208、ランダムアクセス信号判定部209、干渉低減処理部210、CRS通信制御部211、チャネル状態要求信号制御部212、ランダムアクセス応答信号生成部213、チャネル状態フィードバック信号検出部214、MIMO処理部215を具備する。
【0069】
同期確立信号制御部201は、同期確立信号の送信制御を行う。具体的には、同期確立信号制御部201は、MCS基地局11から報知される同期確立信号とは異なる送信頻度で同期確立信号が報知されるように、同期確立信号生成部202を制御する。MCS端末12において、上述の第1の同期確立信号判定方法により、CRS基地局21から報知された同期確立信号を識別可能とするためである。
【0070】
また、同期確立信号制御部201は、MCS基地局11から報知される同期確立信号とは異なる信号系列で同期確立信号が報知されるように、同期確立信号生成部202を制御してもよい。MCS端末12において、上述の第2の同期確立信号判定方法により、CRS基地局21から報知された同期確立信号を識別可能とするためである。
【0071】
また、同期確立信号制御部201は、セカンダリ同期信号の識別情報(以下、S−SS IDという)を用いて、MCS10におけるランダムアクセス信号の信号系列の選択方法や、ランダムアクセス信号(干渉抑制要求信号)を送信すべきMCS端末12を指定してもよい。図8は、S−SS IDによる指定内容の一例を示す図である。なお、図8に示す内容は例示にすぎず、これに限られるものではない。
【0072】
図8に示すように、S−SS ID「00001」は、任意のMCS端末12に対して、干渉抑制量に応じた信号系列を選択するよう指定する。S−SS ID「00002」は、前回の干渉抑制量が第1の閾値以上のMCS端末12に対して、ランダムに信号系列を選択するよう指定する。S−SS ID「00003」は、前回の干渉抑制量が第2の閾値(例えば、第2の閾値>第1の閾値)以上のMCS端末12に対して、ランダムに信号系列を選択するよう指定する。S−SS ID「00004」は、前回の干渉抑制量が第3の閾値(例えば、第3の閾値>第2の閾値)以上のMCS端末12に対して、ランダムに信号系列を選択するよう指定する。
【0073】
同期確立信号制御部201は、図8を参照し、所望の指定内容に対応するS−SS IDを有する同期確立信号を生成するように、同期確立信号生成部202に指示する。このように、S−SS IDを用いて信号系列の選択方法を指定することにより、複数のMCS端末12が同じ信号系列を用いてランダムアクセス信号を送信してしまうのを防止できる。また、干渉抑制量が多い(すなわち、被干渉量が多い)一部のMCS端末12がランダムアクセス信号(干渉抑制要求信号)を送信可能となるので、より効率的に干渉低減処理を行うことができる。特に、後述するMIMOを適用する場合、干渉低減効果は、以下の式(2)の範囲内に制限される。したがって、ランダムアクセス信号(干渉抑制要求信号)を送信するMCS端末12を一部に制限することが有効である。
(CBS基地局のアンテナ数)<
(干渉抑制対象のMCS端末のアンテナ数の合計)+1
… 式(2)
【0074】
同期確立信号生成部202は、同期確立信号制御部201からの指示に従って、同期確立信号を生成する。生成された同期確立信号は、多重部203を介して、RF信号生成部205に出力される。
【0075】
多重部203は、データ信号生成部204から入力されたデータ信号を多重して、RF信号生成部205に出力する。RF信号生成部205は、多重部203から入力された送信シンボルを変調し、RF信号を生成する。また、RF信号生成部205は、生成したRF信号を、アンテナ(不図示)を介して送信する。なお、RF信号生成部205とアンテナにより送信部が構成される。
【0076】
BB信号処理部206は、アンテナを介して受信した無線周波数信号をベースバンド信号に変換し、復調して、データ信号と制御信号とに分離する。BB信号処理部206は、分離されたデータ信号をデータ信号検出部207に出力し、分離された制御信号をランダムアクセス信号検出部208に出力する。なお、BB信号処理部206、アンテナ、後述のランダムアクセス信号検出部208及びチャネル状態フィードバック信号検出部214により受信部が構成される。
【0077】
ランダムアクセス信号検出部208は、BB信号処理部206から入力された制御信号からランダムアクセス信号を検出する。ここで、ランダムアクセス信号とは、同期確立信号に応じてMCS端末12又はCRS端末22から送信される信号である。ランダムアクセス信号は、ランダムアクセスチャネル(RACH)を介して送信される。ランダムアクセス信号としては、例えば、ランダムアクセスプリアンブルが用いられてもよい。ランダムアクセス信号検出部208は、検出したランダムアクセス信号をランダムアクセス信号判定部209に出力する。
【0078】
ランダムアクセス信号判定部209は、ランダムアクセス信号検出部208で検出されたランダムアクセス信号がMCS端末12から送信されたか否かを判定する。具体的には、ランダムアクセス信号判定部209は、以下の第1又は第2のランダムアクセス信号判定方法で、ランダムアクセス信号がMCS端末12から送信されたか否かを判定する。
【0079】
第1のランダムアクセス信号判定方法では、ランダムアクセス信号判定部209は、ランダムアクセス信号が検出された無線リソースに基づいて、当該ランダムアクセス信号がMCS端末12から送信されたか否かを判定する。この場合、上述の第1の干渉抑制要求信号送信方法によりランダムアクセス信号が送信される場合に(図5B参照)、MCS端末12から送信されたランダムアクセス信号を識別可能である。
【0080】
第2のランダムアクセス信号判定方法では、ランダムアクセス信号判定部209は、ランダムアクセス信号の信号系列に基づいて、当該ランダムアクセス信号がMCS端末12から送信されたか否かを判定する。この場合、上述の第2の干渉抑制要求信号送信方法によりランダムアクセス信号が送信される場合に(図6参照)、MCS端末12から送信されたランダムアクセス信号を識別可能である。
【0081】
ランダムアクセス信号判定部209は、以上の第1又は第2のランダムアクセス信号判定方法により、ランダムアクセス信号検出部208によって検出されたランダムアクセス信号がMCS端末12から送信されたと判定された場合、当該ランダムアクセス信号を干渉低減処理部210に出力する。一方、また、ランダムアクセス信号判定部209は、検出されたランダムアクセス信号がMCS端末12から送信されていないと判定された場合、当該ランダムアクセス信号をCRS通信制御部211に出力する。
【0082】
また、ランダムアクセス信号判定部209は、検出されたランダムアクセス信号がMCS端末12から送信されたと判定された場合、MIMOによる干渉低減処理を行うために、当該ランダムアクセス信号をチャネル状態要求信号制御部212に出力してもよい。
【0083】
干渉低減処理部210は、ランダムアクセス信号判定部209から入力されたランダムアクセス信号に基づいて、MCS端末12に対する干渉低減処理(例えば、送信電力制御や送信停止など)を行う。具体的には、干渉低減処理部210、以下の第1又は第2の送信電力制御方法により、干渉低減処理を行う。
【0084】
第1の送信電力制御方法では、干渉低減処理部210は、MCS端末12からのランダムアクセス信号の受信電力に基づいて干渉抑制量を算出し、算出した干渉抑制量に応じて送信電力を低減させる。なお、この方法は、上述の第1の干渉抑制要求信号送信方法のように、MCS端末12から一定の送信電力でランダムアクセス信号が送信される場合に適用可能である。
【0085】
具体的には、干渉低減処理部210は、例えば、以下の式(3)により、干渉抑制要求信号の受信電力から、アンテナ利得を含む伝搬減衰量を推定する。以下、推定された伝搬減衰量を推定伝搬減衰量という。
(推定伝搬減衰量)=(伝搬損失)−(CRS基地局のアンテナ利得)−(MCS端末のアンテナ利得)=(MCS端末の送信電力)−(干渉抑制要求信号の受信電力)
… 式(3)
【0086】
ここで、MCS端末12で受信される干渉電力は、以下の式(4)により算出される。
(MCS端末で受信される干渉電力)=(CRS基地局の送信電力)+(CRS端末のアンテナ利得)−(伝搬損失)+(MCS端末のアンテナ利得)
… 式(4)
【0087】
MCS端末12で受信される干渉電力は、MCS端末12の許容干渉電力以下となる必要がある。このため、CRS基地局21で許容される送信電力は、以下の式(5)により算出される。
(CRS基地局の許容送信電力)<
(MCS端末の許容干渉電力)−(CRS基地局アンテナ利得)
+(伝搬損失量)−(MCS端末のアンテナ利得)
=(MCS端末の許容干渉電力)−(推定伝搬損失量)
… 式(5)
【0088】
干渉低減処理部210は、式(5)で算出されたCRS基地局21の許容送信電力を満たすように送信電力を制御する。すなわち、干渉低減処理部210は、算出された許容送信電力と現在の送信電力の差分を干渉抑制量とし、当該干渉抑制量だけ送信電力を低減させる。
【0089】
なお、MCS端末12の許容干渉電力は、雑音電力に対して規定のマージンを加味したものであってもよい。また、MCS端末12の許容干渉電力は、所定受信品質を満たすための基準値に規定のマージンを加味したものであってもよい。
【0090】
また、CRS基地局21の許容送信電力についてもマージンを設けることが好ましい。FDD使用時には、一般的に、送受信方向が同一の場合においても、送信アンテナ利得と受信アンテナ利得が異なることや、伝搬路の周波数特性が異なるためである。
【0091】
第2の送信電力制御方法では、干渉低減処理部210は、MCS端末12からのランダムアクセス信号の信号系列に対応する干渉抑制量に応じて送信電力を低減させる。なお、この方法は、上述の第2の干渉抑制要求信号送信方法のように、MCS端末12から干渉抑制量に対応する信号系列のランダムアクセス信号が送信される場合に適用可能である。
【0092】
CRS通信制御部211は、ランダムアクセス信号判定部209によってランダムアクセス信号がCRS端末22から送信されたと判定された場合、CRS端末22との通信を行うための制御処理を行う。具体的には、CRS通信制御部211は、CRS端末22との通信を開始するためのランダムアクセス応答信号を生成するように、ランダムアクセス応答信号生成部213に指示する。
【0093】
チャネル状態要求信号制御部212は、ランダムアクセス信号判定部209によってランダムアクセス信号がMCS端末12から送信されたと判定された場合、MCS端末12に対してチャネル状態を要求するための制御処理を行う。具体的には、チャネル状態要求信号制御部212は、チャネル状態要求信号としてのランダムアクセス応答信号が送信されるように、ランダムアクセス応答信号生成部213を制御する。
【0094】
また、チャネル状態要求信号制御部212は、MCS端末12から送信されたランダムアクセス信号の信号系列の識別情報(RACHシーケンスID)を含むランダムアクセス応答信号を生成するように、ランダムアクセス応答信号生成部213に指示する。ランダムアクセス応答信号に含まれるRACHシーケンスIDにより、MCS端末12は、ランダムアクセス信号(干渉抑制要求信号)に応じた自端末に対する応答信号であることを検出できる。
【0095】
また、チャネル状態要求信号制御部212は、当該ランダムアクセス応答信号に含まれる上りリソース割り当てフィールドを用いて、MCS端末12がチャネル状態を通知するための無線リソースを指定してもよい。上りリソース割り当てフィールドとしては、例えば、上りスケジューリンググラントが挙げられる。
【0096】
また、チャネル状態要求信号制御部212は、当該ランダムアクセス応答信号の上りリソース割り当てフィールドを用いて、適用される変調方式や符号化率などの情報を指定してもよい。
【0097】
また、チャネル状態要求信号制御部212は、当該ランダムアクセス応答信号に再送フィールドを設け、当該再送フィールドを用いて再送であるか否かを指定してもよい。チャネル状態要求信号制御部212は、所定期間内にMCS端末12からチャネル状態が通知されない場合、ランダムアクセス応答信号(チャネル状態要求信号)を再送する。
【0098】
ランダムアクセス応答信号生成部213は、CRS通信制御部211又はチャネル状態要求信号制御部212からの指示に従って、ランダムアクセス応答信号を生成する。生成されたランダムアクセス応答信号は、多重部203を介して、RF信号生成部205に出力される。
【0099】
チャネル状態フィードバック信号検出部214は、BB信号処理部206から入力された制御信号からチャネル状態フィードバック信号を検出する。チャネル状態フィードバック信号には、MCS端末12におけるチャネル状態情報が含まれる。当該チャネル状態フィードバック信号は、上述のランダムアクセス応答信号の上りリソース割り当てフィールドで指定された上りリソースで送信される。また、当該チャネル状態フィードバック信号は、例えば、上りリンク共有チャネル(PUSCH)で送信される。チャネル状態フィードバック信号検出部214は、検出したチャネル状態情報をMIMO処理部215に出力する。
【0100】
MIMO処理部215は、MIMO適用時の送信電力決定など、MIMO適用に係る制御処理を行う。具体的には、MIMO処理部215は、チャネル状態フィードバック信号検出部214から入力されたチャネル状態情報に基づいて、MIMO適用時の送信電力を決定する。
【0101】
また、MIMO処理部215は、MCS端末12で算出された所要干渉抑制量に基づいて、MIMO適用時の送信電力を決定してもよい。なお、MIMO処理部215は、MCS端末12において干渉抑制量を算出できるように、規定の送信電力を用いて生成されるビームパターンで、干渉抑制量を算出するため、ビームを形成した状態で信号を送信させてもよい。なお、MCS端末12における干渉抑制量の算出方法は、上述の通りである。
【0102】
以上のように、本発明の実施の形態においては、MCS端末12がCRS基地局21から被る干渉を制御する干渉報知信号、干渉抑制要求信号、チャネル状態要求信号などの干渉制御信号として、それぞれ、同期確立信号、ランダムアクセス信号、ランダムアクセス応答信号などのMCS10の信号を用いる。したがって、MCS端末12における実装負荷を大きく増加させずに、MCS端末12がCRS基地局21から被る干渉を低減させることができる。
【0103】
なお、本発明の実施の形態において、CRS基地局21は、MCS基地局11と同じ上り帯域を利用するように構成されてもよい。MCS端末12がCRS基地局21に対してランダムアクセス信号を送信するためには、MCS端末12は、CRS基地局21の上り帯域情報(例えば、周波数、帯域幅など)を取得する必要がある。このような上り帯域情報は、通常、CRS基地局21からの報知情報(例えば、LTEにおいてはSIB type2)に含まれる。しかしながら、MCS端末12がCRS基地局21からの報知情報を取得しようとすると、MCS10とCRS20とではシステム構成が異なるため、MCS端末12の負荷が増加する。そこで、CRS基地局21がMCS基地局11と同じ上り帯域を利用すれば、MCS端末12は、CRS基地局21からの報知情報を受信せずとも、MCS基地局11からの報知情報に基づいて上り帯域情報を取得可能となる。
【0104】
同様に、本発明の実施の形態において、CRS基地局21は、MCS基地局11と同じRACHの構成情報(例えば、RACH用のリソース割り当て情報や、シーケンスの生成パラメータなど)を利用するように構成されてもよい。上述のように、MCS端末12は、MCS基地局11からの報知情報に基づいて、RACHの構成情報を取得できるからである。或いは、CRS基地局21は、RACHの構成情報を固定の値とし、予めMCS端末12に設定しておいてもよい。
【0105】
また、本発明の実施の形態において、RACHの構成情報のうち、各基地局により固有の値を使用するパラメータについては、MCS基地局11と同じ値を用いることによって、MCS端末12の負荷がより増大する恐れもあり得る。このため、MCS端末11とCRS基地局12との間で別途信号形式を定義し、CRS基地局12からMCS端末12に報知するように構成されてもよい。
【0106】
また、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、図3及び図7に示すMCS端末12及びCRS基地局21の構成においては、本発明に係る干渉低減処理の全ての構成が示されている。したがって、一部の構成が省略されてもよく、一部の構成を組み合わせることも可能である。また、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、処理部や処理手順については適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0107】
10…MCS、20…CRS、11…MCS基地局、12…MCS端末、21…CRS基地局、22…CRS端末、101…BB信号処理部、102…データ信号検出部、103…同期確立信号検出部、104…同期確立信号判定部、105…干渉抑制要求信号制御部、106…MCS通信制御部、107…ランダムアクセス信号生成部、108…多重部、109…RF信号生成部、110…データ信号生成部、111…ランダムアクセス応答信号検出部、112…ランダムアクセス応答信号判定部、113…チャネル状態推定部、114…チャネル状態フィードバック信号制御部、115…チャネル状態フィードバック信号生成部、201…同期確立信号制御部、202…同期確立信号生成部、203…多重部、204…データ信号生成部、205…RF信号生成部、206…BB信号処理部、207…データ信号検出部、208…ランダムアクセス信号検出部、209…ランダムアクセス信号判定部、210…干渉低減処理部、211…CRS通信制御部、212…チャネル状態要求信号制御部、213…ランダムアクセス応答信号生成部、214…チャネル状態フィードバック信号検出部、215…MIMO処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1無線通信システムとの間で少なくとも一部の周波数帯域を共用する第2無線通信システムの無線基地局であって、
同期確立信号を送信する送信部と、
前記同期確立信号に応じたランダムアクセス信号を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記ランダムアクセス信号が前記第1無線通信システムのユーザ端末から送信されたか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記ランダムアクセス信号が前記第1無線通信システムのユーザ端末から送信されたと判定された場合、該ユーザ端末に対する干渉低減処理を行う干渉低減処理部と、
を具備することを特徴とする無線基地局。
【請求項2】
前記送信部は、前記同期確立信号を、前記第1無線通信システムの無線基地局から報知される同期確立信号とは異なる送信頻度で報知することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項3】
前記送信部は、前記同期確立信号を、前記第1無線通信システムの無線基地局から報知される同期確立信号とは異なる信号系列で報知することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項4】
前記判定部は、前記受信部によって前記ランダムアクセス信号が受信された無線リソースに基づいて、該ランダムアクセス信号が前記第1無線通信システムのユーザ端末から送信されたか否かを判定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項5】
前記判定部は、前記受信部によって受信された前記ランダムアクセス信号の信号系列に基づいて、該ランダムアクセス信号が前記第1無線通信システムのユーザ端末から送信されたか否かを判定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項6】
前記干渉低減処理部は、前記受信部によって受信された前記ランダムアクセス信号の受信電力に基づいて干渉抑制量を算出し、算出した干渉抑制量に応じて自局からの送信電力を低減させることを特徴とする請求項5に記載の無線基地局。
【請求項7】
前記干渉低減処理部は、前記受信部によって受信された前記ランダムアクセス信号の信号系列に対応する干渉抑制量に応じて自局からの送信電力を低減させることを特徴とする請求項5に記載の無線基地局。
【請求項8】
前記送信部は、前記判定部によって前記ランダムアクセス信号が前記第1無線通信システムのユーザ端末から送信されたと判定された場合、該ユーザ端末に対してチャネル状態のフィードバックを要求するために、該ユーザ端末に対して、前記ランダムアクセス信号の信号系列の識別情報を含むランダムアクセス応答信号を送信することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の無線基地局。
【請求項9】
第2無線通信システムとの間で少なくとも一部の周波数帯域を共用する第1無線通信システムのユーザ端末であって、
同期確立信号を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記同期確立信号が前記第2無線通信システムの無線基地局から報知されたか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記同期確立信号が前記第2無線通信システムの無線基地局から報知されたと判定された場合、該無線基地局に対して干渉低減処理を要求するために、該無線基地局に対してランダムアクセス信号を送信する送信部と、
を具備することを特徴とするユーザ端末。
【請求項10】
前記判定部は、前記受信部によって受信された前記同期確立信号のピーク検出頻度に基づいて、該同期確立信号が前記第2無線通信システムの無線基地局から報知されたか否かを判定することを特徴とする請求項9に記載のユーザ端末。
【請求項11】
前記判定部は、前記受信部によって受信された前記同期確立信号の信号系列に基づいて、該同期確立信号が前記第2無線通信システムの無線基地局から報知されたか否かを判定することを特徴とする請求項9に記載のユーザ端末。
【請求項12】
前記送信部は、前記ランダムアクセス信号を、前記第2無線通信システムのユーザ端末から送信されるランダムアクセス信号とは異なる無線リソースで送信することを特徴とする請求項9から請求項11のいずれかに記載のユーザ端末。
【請求項13】
前記送信部は、前記ランダムアクセス信号を、前記第2無線通信システムのユーザ端末から送信されるランダムアクセス信号とは異なる信号系列で送信することを特徴とする請求項9から請求項11のいずれかに記載のユーザ端末。
【請求項14】
前記送信部は、前記ランダムアクセス信号を、前記一方の無線通信システムに割り当てられた信号系列群の中からランダムに選択された信号系列で送信することを特徴とする請求項13に記載のユーザ端末。
【請求項15】
前記送信部は、前記ランダムアクセス信号を、前記一方の無線通信システムに割り当てられた信号系列群の中から選択された所望の干渉抑制量に対応する信号系列で送信することを特徴とする請求項13に記載のユーザ端末。
【請求項16】
チャネル状態を推定する推定部を更に具備し、
前記受信部は、ランダムアクセス信号に応じたランダムアクセス応答信号を受信し、
前記判定部は、前記受信部によって受信された前記ランダムアクセス応答信号に含まれる前記ランダムアクセス信号の信号系列の識別情報に基づいて、該ランダムアクセス応答信号が前記第2無線通信システムの無線基地局から自端末に送信されたか否かを判定し、
前記推定部は、前記判定部によって前記ランダムアクセス応答信号が前記第2無線通信システムの無線基地局から自端末に送信されたと判定された場合、該無線基地局からの参照信号に基づいてチャネル状態を推定し、
前記送信部は、推定された前記チャネル状態を前記無線基地局に送信することを特徴とする請求項9から請求項15のいずれかに記載のユーザ端末。
【請求項17】
第1無線通信システムと第2無線通信システムの間で少なくとも一部の周波数帯域を共用するための周波数帯域共用方法であって、
前記第1無線通信システムのユーザ端末が、同期確立信号を受信する工程と、
前記第1無線通信システムのユーザ端末が、受信した前記同期確立信号が前記第2無線通信システムの無線基地局から報知されたか否かを判定する工程と、
前記第1無線通信システムのユーザ端末が、受信した前記同期確立信号が前記第2無線通信システムの無線基地局から報知されたと判定する場合、該無線基地局に対して干渉低減処理を要求するために、該無線基地局に対してランダムアクセス信号を送信する工程と、
前記第2無線通信システムの無線基地局が、ランダムアクセス信号を受信する工程と、
前記第2無線通信システムの無線基地局が、受信した前記ランダムアクセス信号が前記第1無線通信システムのユーザ端末から送信されたか否かを判定する工程と、
前記第2無線通信システムの無線基地局が、受信した前記ランダムアクセス信号が前記第1無線通信システムのユーザ端末から送信されたと判定する場合、該ユーザ端末に対する干渉低減処理を行う工程と、を有することを特徴とする周波数帯域共用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−175517(P2012−175517A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37068(P2011−37068)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、総務省、「同一周波数帯における複数無線システム間無線リソース制御技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】