説明

無線式データキャリア書込読取システム

【課題】 従来のシステムでは無線データキャリア毎に電波透過型プレートと反射板を取り付ける必要がありコスト向上に繋がった。また装置の薄型化が難しく、シート状搬送物への適用が不可能であった。
【解決手段】アンテナ3から放射された電力供給用電波21は、反射板6で反射される。反射波22は電波21と干渉して定在波23が発生する。定在波の腹と節の位置は常に反射板6からの距離によって決定される。また、各腹の位置で強度が最大となる。すなわち最初に現れる電波の一番強まる位置は「反射板6からλ/4離れた位置」であり、その後λ/2間隔で電波の強まる位置が現れる。無線式データキャリア1がこの電波が強まった腹の位置に来た場合、高い動作電力が得られるため書込み及び読取り動作が最も安定する。無線式データキャリア1が常に定在波23の腹の位置30を通過するよう調整することにより、安定した読取り及び書込みが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非接触でデータキャリアへデータの書込み及び読取りを行う無線式データキャリアシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線式データキャリアの一般的な利用法としては、読取り対象物としての無線式データキャリアから発射される電波を読取器で受信してデータを解読し、無線式データキャリアが取り付けられた物品の管理や追跡、検品、仕分等の業務を行ういわゆるRFIDシステム(Radio−Frequency−IDentification−system)という形で実用化されている。また無線式データキャリアへのデータの書込みも、書込器から無線式データキャリアに対して電波を発信することにより非接触で行われる。
【0003】
上述した無線式データキャリアには電池を有する電池タイプと、電池を有さず読取器や書込器のアンテナから電波を介して供給される電力により動作する無電池タイプとがある。この無電池タイプの無線式データキャリアは、アンテナから電波を介して供給される電力を利用して、無線式データキャリアに書込まれているデータにて変調した電波、つまり応答波を発生させる。続いて読取器が応答波を受信し無線式データキャリア内のデータを読取る。従って、アンテナから送られて来る無線式データキャリアの動作用の電波が弱い状態では、無線式データキャリアが得る電力が弱くなり、それに伴い応答波も微弱となってしまうため、読取りが不可能となる場合がある。
【0004】
特に物品搬送システム等、コンベヤにより自動的に搬送される物品に付された無線式データキャリアを読取るような場合は、アンテナから送られる電波がコンベヤを構成する金属によって反射されて干渉が発生することがあり、その結果アンテナから送られる電波が弱められる場所が発生して読取りが不可能となる場合がある。具体的には、ベルトコンベヤの構成要素の一つで、ベルト自身を保持することを目的としてベルトの下部に設置される金属板から反射される電波の干渉が、アンテナから送られる電波の弱められる場所が数多く発生する現象の原因となっている。
【0005】
他にもローラコンベヤの場合は金属製のローラからの反射電波、物品搬送用として金属のベルトを使用した金属ベルトコンベヤの場合は金属ベルト面からの反射電波による干渉が、アンテナから送られる電波が弱められる場所を数多く発生させ読取り不可能となる障害を引き起こす要因となる。また無線式データキャリアへの書込みも、アンテナから送られてくる電波が弱くなる場所や状態では、その信頼性が著しく劣化する。
【0006】
ここで上述した電波の強弱が発生する状況について図17を使用して説明する。
図17(図2)における無線式データキャリア書込読取システムでは、コンベヤ4の上部に書込読取器2とアンテナ3を設置し、コンベヤ4にて搬送される物品5の上面に取り付けられた無線式データキャリア1に対するデータの読取りや書込みを行うため、アンテナ3から無線式データキャリア1に向けて、無線式データキャリア1の動作電力供給用電波21を下方に放射している状態を示している。物品5はコンベヤ4の上流側である図17の左手側から、コンベヤ4の下流側である右手方向に向けて逐次搬送される。
【0007】
このような場合、一般的なコンベヤでは物品を搬送する手段としてベルト、ローラ、金属ベルト等が使用されるが、ベルトコンベヤを例にとるとベルトはその下に設けられている金属板に保持されており、金属板の上面を滑る構造となっている。コンベヤ動作時の発生騒音を低減するために、滑り抵抗の小さい材料からなるシート等を金属板の滑り面に貼り付けることもあるが、いずれにしても殆どの場合、通常のベルトコンベヤではベルトの近傍にベルトを保持する目的で大きな金属板が取り付けられている。図17(図2)の例で示せば、「ベルト」は電波を透過する透過型搬送部7に対応し、「金属板」は電波を反射する金属等からなる反射型保持部18に対応する。
【0008】
以上より、アンテナ3から放射された動作電力供給用電波21は、反射型保持部18により反射され反射波22が発生し、動作電力供給用電波21と干渉し合うこととなる。これによって動作電力供給用電波22の強度が変化する現象が起こり、動作電力供給用電波22の弱まった位置では無線式データキャリア1に対する安定した読取り/書込みができなくなる。
【0009】
そこで無線式データキャリア1に反射型保持部18と同様な働きをする電波の反射板を設けて、ベルトコンベヤ等からの不要な反射波22を遮断すると同時に動作電力供給用電波21を積極的に反射させ、電波の強い位置を安定的に作り出し、電波の強い位置に無線式データキャリア1を設けることで安定した読取り及び書込みを行う方法が考えられた。この方法は周知技術であり、無線式データキャリアを取り付けたプレートの裏面に反射板を取り付けた実施の形態が、特開2002−230507公報「データキャリアシステム」や特開2003−198422公報「コンテナ用RFIDタグの交信距離延長方法」等によって開示されている。
【0010】
【特許文献1】特開2002−230507公報
【特許文献2】特開2003−198422公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
但し、上述した特開2002−230507では、図20(図5)に示すとおり無線式データキャリア毎に電波が透過する材料で形成された透過型プレート33と反射板6を取り付ける必要があるため、無線式データキャリアのコストアップは不可避であった。またこの実施形態においては無線式データキャリア1と反射板6の間隔は10mm程度と記載されているが、この値では透過型プレート33と反射板6を含めた無線式データキャリア全体での薄型化は困難であり、例えば封筒等の薄いシート状搬送物への適用が不可能となるという問題点があった。さらには特開2003−198422についても、図21(図6)に示すとおりコンテナ34毎に反射板6を取り付ける方式であり、コストアップが避けられない点では大差ないという問題点があった。
【0012】
そこで本発明の目的は、このような問題点の要因となる無線式データキャリアそのものへのプレートと反射板の取付け自体を廃すことで、コスト低減及び薄型化を実現する無線式データキャリア書込読取システムを提供することにある。
【0013】
また本発明の別の目的は、コンテナ毎への反射板の取付けをなくすことで、さらにコスト低減を図った無線式データキャリア書込読取システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記問題点を解決するため、本発明の第一構成では、物品を移動させる搬送部を備えたコンベヤと、無線式データキャリアと、前記物品に取り付けられた前記無線式データキャリアへのデータの書込み及び該無線式データキャリアからのデータの読込みを行う書込読取器と、前記書込読取器に接続されたアンテナにより構成される無線式データキャリア書込読取システムにおいて、前記コンベヤの上部に前記アンテナを設置し、前記コンベヤは載置した前記物品を保持移動させる、電波を透過する材料によって形成された電波透過型搬送部を有し、間を前記物品に取り付けられた前記無線式データキャリアが移動するよう前記アンテナと対向する位置でかつ該無線式データキャリアとの距離が使用電波の波長の(2n+1)/4倍(nは正の整数)となる位置に設置される電波反射部とを備えたことを特徴とする無線式データキャリア書込読取システムを構成したことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の第二構成では、第一構成に加えて前記電波反射部の設置位置を調整する電波反射部設置位置設定部を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の第三構成では、第一構成あるいは第二構成に加えて更に、前記透過型搬送部と前記反射部の間隙に電波透過材料からなるスペーサを設け、前記電波透過材料の比誘電率に対応させ前記透過型移動部と前記反射部の設置距離を短縮させたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の第四構成では、前記コンベヤの上部に前記アンテナを設置し、前記コンベヤは載置された物品を保持移動させる、電波を透過する材料によって形成された電波透過型搬送部と、間を前記物品に取り付けられた無線式データキャリアが移動するよう前記アンテナと対向する位置に設置された第一電波反射部と、前記第一電波反射部の設置位置を基準位置とし、該基準位置から使用電波の波長の(2n+1)/4倍(nは正の整数)の長さ分だけ遠い位置または近い位置で、かつ間を前記物品に取り付けられた無線式データキャリアが移動するよう前記アンテナと対向する位置に設置された第二電波反射部によって構成され、
さらに前記アンテナは、該アンテナの送信する電波が前記第一電波反射部及び第二電波反射部の双方に到達し得る位置に設置されていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の第五構成では、第四構成に加え更に、前記アンテナの設置位置を前記コンベヤの一方の側部としたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の第六構成では、第五構成に加えて更に、前記コンベヤの他方の側部かつ間を前記物品に取り付けられた無線式データキャリアが移動するよう前記アンテナと対向する位置に前記第一電波反射部並びに第二電波反射部を夫々設置したことを特徴とするステム。
【0020】
また、本発明の第七構成では、第四構成乃至第六構成に加えて更に、前記透過型搬送部と前記第一電波反射部若しくは第二電波反射部板との間隙に電波透過材料からなるスペーサを設け、前記電波透過材料の比誘電率に対応させ前記搬送部と前記第第一電波反射部間若しくは第二電波反射部間の設置距離を短縮させることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の第八構成では、前記コンベヤの上部に第一及び第二のアンテナを設置し、前記コンベヤは載置した物品を保持移動させる、電波を透過する材料によって形成された電波透過型搬送部を備え、間を前記物品に取り付けられた無線式データキャリアが移動するよう前記第一のアンテナと対向した位置に設置された第一電波反射部と、前記第一電波反射部の設置位置を基準位置とし、該基準位置から使用電波の波長の(2n+1)/4倍(nは正の整数)の長さ分だけ遠い位置または近い位置かつ間を前記物品に取り付けられた無線式データキャリアが移動するよう前記第二のアンテナと対向して設置された第二の電波反射部とによって構成されたことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の第九構成では、第八構成に加えて更に、前記第一及び第二のアンテナの設置位置を前記コンベヤの一方の側部としたことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の第十構成では、第八構成に加えて更に、前記透過型搬送部と前記第二電波反射部の間隙に電波透過材料からなるスペーサを設け、前記電波透過材料の比誘電率に対応させ前記搬送部と前記第二電波反射部間の設置距離を短縮したことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の第十一構成では、第十構成に加えて更に、前記第二のアンテナの設置位置を前記コンベヤの一方の側部としたことを特徴とする。
【0025】
また、本発明の第十二構成では、前記コンベヤの上部に設置されるアンテナと、載置した物品を保持移動させる、電波を透過する材料によって形成された電波透過型搬送部を備え、間を前記物品に取り付けられた無線式データキャリアが移動するよう前記アンテナと対向する位置かつ該無線式データキャリアとの距離が使用電波の波長の(2n+1)/4倍(nは正の整数)となる位置に設置される電波反射部とによって構成されたことを特徴とする。
【0026】
また、本発明の第十三構成では、十二構成に加えて更に、前記透過型搬送部と前記電波反射部の間隙を電波透過材料にて充填し、前記電波透過材料の比誘電率に対応させ前記電波反射部の設置距離を短縮したことを特徴とする。
【0027】
また、本発明の第十四構成では、コンベヤの上部に設置されるアンテナと、載置した物品を保持移動させる、電波を透過する材料によって形成された電波透過型搬送部と、前記透過型搬送部を保持する電波反射材料からなる反射型保持部を備えた第一及び第二のコンベヤにおいて、物品が前記第一及び第二のコンベヤ同士の接続端を乗り移って搬送され、前記アンテナからの距離において、前記第一のコンベヤの電波透過型搬送部の設置位置を基準とし、前記無線式データキャリア使用電波の波長の(2n+1)/4倍(nは正の整数)の長さだけ遠い位置または近い位置に前記第二コンベヤの透過搬送部を配置し、前記アンテナが前記第一コンベヤと前記第二コンベヤの接続端の上部かつ送信電波が前記第一及び第二のコンベヤの双方に到達し得る位置に設置したことを特徴とする。
【0028】
また、本発明の第十五構成では、前記コンベヤ上に載置された物品を移動させる、電波を反射させる材料からなる反射型搬送部を備えた第一及び第二のコンベヤにおいて、物品が第一のコンベヤと第二コンベヤ同士の接続端を乗り移って搬送され、前記第一のコンベヤの上部に設置された前記アンテナからの距離において、該第一のコンベヤの反射搬送部に対して使用電波の波長の(2n+1)/4倍(nは正の整数)の長さ分遠い位置または近い位置に前記第二のコンベヤの反射型搬送部を設置し、前記第一のコンベヤと前記第二のコンベヤの接続端上部における電波が両コンベヤの双方に到達可能な位置に前記アンテナを設置することを特徴とする。
【0029】
また、本発明の第十六構成では、コンベヤ上に載置された物品を移動させる、電波を透過させる材料からなる透過型搬送部と、前記コンベヤの上部に設置されたアンテナと、前記アンテナからの電波を反射する任意幅内に並べられた複数の電波反射部を備えてなり、前記任意幅を有する電波反射部の複数の反射部分と前記アンテナとの距離が前記無線式データキャリア使用電波の波長の1/4倍以上の範囲内において一定のピッチを保ったユニークな値をとり、かつ該ユニークな値が前記任意幅の範囲内においてランダムに配されるよう、前記透過型搬送部に対し前記任意幅を有する電波反射部の反射部分を設置することを特徴とする。
【0030】
また、本発明の第十七構成例では、第十六構成例においてさらに、前記ユニークな値が前記任意幅の範囲内において降順もしくは昇順で段階的に配されるよう、前記透過型搬送部に対し前記任意幅を有する電波反射部の反射部分を設置することを特徴とする。
最後に、本発明の第十八構成は、第十六構成あるいは第十七構成例に加えて更に、前記透過型搬送部と前記電波反射部間の間隙に電波透過材料からなるスペーサを設け、前記電波透過材料の比誘電率に対応させ前記透過型搬送部と前記反射部の設置距離を短縮したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、無線式データキャリアそのものへのプレートと反射板の取付けをなくすことにより、コスト低減及び薄型化を実現した無線式データキャリア書込読取システムを提供することができる。
【0032】
またコンテナ毎への反射板の取付けをなくすことによって、さらにコスト低減を図った無線式データキャリア書込読取システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1から図16は本発明の実施形態を示す構成図である。
【0034】
図1に示す実施形態は、コンベヤ4上で搬送移動される物品5に貼付された無線式データキャリア1と、電波の送受信により無線式データキャリア1へのデータの書込み及び読取りを行う書込読取器2と、この書込読取器2に接続されたアンテナ3と、コンベヤ4と、電波を反射する材料で構成されコンベヤの下部に設置された反射板6と、コンベヤ4上の物品5の移動搬送移動させる、電波を透過する材料で構成された透過型搬送部7によって構成されている。
【0035】
続いて図1を用いて本発明の第一の実施形態の動作について詳細に説明する。まずアンテナ3から放射された無線式データキャリア1に対する動作電力供給用電波21は、反射板6からの反射波22と衝突し干渉する。この干渉状態を示した図が図18(図3)である。図18における反射板6は、図1に示す通常のコンベヤで使用される反射板6と同等に、電波を反射する材料で構成された一般的な金属板である。アンテナ3から放射された動作電力供給用電波21は、反射板6に衝突して反射される。反射板6による反射波22は動作電力供給用電波21と干渉するが、この際供給用電波21とその反射波22は「互いに波長、振幅の等しい正弦波が互いに逆向きに進んで干渉する」という条件を満たすため、この動作電力供給用電波21よりも振幅が大きく、腹の位置30に「波の腹」と、節の位置31に「波の節」を持つ定在波23が発生する。
【0036】
定在波23の腹の位置30と節の位置31は、反射板6とアンテナ3間の距離に依らず、常に反射板6からの距離によって決定される。すなわち動作電力供給用電波21は定在波23となり、反射板6から測定して次式で導かれる
λ(2n+1)/4 (ただしnは正の整数)
各腹の位置30の位置で強度が最大となる。ここでλは動作電力供給用電波21の波長を示す。つまり、最初に現れる電波の一番強まる位置は「反射板6からλ/4の距離にある位置」であり、その後はλ/2間隔で電波の強まる位置が現れる。従って無線式データキャリア1がこの電波が強まった腹の位置に来た場合は、高い動作電力が得られるため書込み及び読取り動作が最も安定した状態となる。
【0037】
また、反射板6から測定して次式で導かれる
n(λ/2) (ただしnは正の整数)
各節31の位置では定在波23の強度が一番弱くなるため、この位置に無線式データキャリア1が来た際には最も書込み読取り動作が最も不安定な状態となる。従って無線式データキャリア1に対して安定した書込み読取り動作を行うには、前記λを使用して表わすと、アンテナ3に対面した反射板6から次式で表される、
λ(2n+1)/ (ただしnは正の整数)
の付近を通過するように、ベルトコンベヤ上の無線式データキャリア1を移動させればよいことになる。以上から図1で示される構成では、無線式データキャリア1と反射板6の間隔が次式で表される距離、
λ(2n+1)/4 (ただしnは正の整数)
となるよう反射板6が設けられている。こうすることで無線式データキャリア1は常に定在波23の腹の位置30を通過し、安定した読取り及び書込みが可能となる。読取りや書込みを行わせる物品の高さは、一般的にロット単位や製品単位では同一であってもロットや製品が異なれば変わってくるため、図1に示す実施の形態では物品の高さに合わせて反射板の取付け高さの調整を可能とする反射板取付高設定部も備えられている。
【0038】
図2に示される第二の実施形態においては、透過型搬送部7と反射板6の間隙に比誘電率αの電波を透過するスペーサ10を介挿している。これによって「比誘電率αの平方根の逆数」を倍率として透過型搬送部7と反射板6間の設置距離を短縮することが可能となり、コンベヤの厚みを薄くすることができる。これは「誘電体中における電波の波長は、誘電体の比誘電率αの平方根の逆数に比例する」という関係が成立することに基づいている。従って比誘電率が高いほど波長λが短くなり、コンベヤの厚みを薄くすることができる。スペーサ10として使用できる一般的な素材の比誘電率の具体値は、例えばポリスチレン系のABS樹脂では2.5であり、ポリ塩化ビニール(PVC)ならば3.5程度である。ここで動作電力供給用電波21として900MHzの電波を使用するとすればその波長は33.3cmとなり、λ/4は8.3cmとなるが、ABS樹脂を充填することによって、
8.3/√2.5=5.3(cm)
程度まで透過型搬送部と反射板間の設置距離を短縮することが可能である。またポリ塩化ビニール(PVC)の場合も同様に、
8.3/√3.5=4.4(cm)
程度まで透過型搬送部と反射板間の設置距離を短縮することができる。
【0039】
また近年、無線LANやノンストップ自動料金支払いシステム(ETC:Electronic−Toll−Collection−system)等の無線システムが実用化され急速に広まっているが、これらのシステムで使用するアンテナの小型化のために10程度の高い比誘電率の素材が研究、開発されている。これは電波の進路に誘電体を充填させて波長を短縮することで、アンテナを小型化することが可能なためである。これらの素材を使用することによって、
8.3/√10=2.6(cm)
程度まで透過型搬送部と反射板間の設置距離を短縮することができ、非常に薄いコンベヤの実現が可能となる。
【0040】
図1及び図2に示す実施形態は、封筒や同1物品等の物品5の厚みが一定の場合の実施の形態であるが、物品5の厚みが様々に変化する場合は無線式データキャリア1を定在波23の腹の位置30に常に合わせて通過させることは大変困難であり、安定した読取り及び書込みが困難となる。このように物品5の厚さが変化する場合に対応した実施の形態について、図3以降の図を用いて説明する。
【0041】
図3に示す実施の形態においては、コンベヤ上の物品を保持し移動させる搬送部において電波が透過する材料からなる透過型搬送部7と、アンテナ3からの電波を反射するアンテナ3と並行した第一反射板11と、第一反射板11に対してλ(2n+1)/4(ただしnは正の整数)の長さだけ遠い位置にアンテナ3からの電波を反射するアンテナ3と並行設置される第二反射板12を設け、コンベヤ4上部の位置においてアンテナ3からの電波が第一反射板11と第二反射板12の双方に到達する位置にアンテナ3を設置している。アンテナ3は面全体で電波の放射、受信を行うタイプのアンテナである。ここで前述の実施形態の場合と同様に、反射板11による反射波8bは動作電力供給用電波8aと干渉し合うことで、動作電力供給用電波8aよりも振幅が大きく、各腹の位置30に示す「波の腹」と、各節の位置31に示す「波の節」を持つ定在波23が発生する。
【0042】
従って無線式データキャリア1の位置が定在波23の各節の位置31になるような物品の高さであった場合は、動作電力供給用電波8aが弱まる位置となるため安定した書込み及び読取りは不可能となる。そこで、アンテナ3のコンベヤの下流側から放射される動作電力供給用電波9aを反射する第二反射板12を第一反射板11に対して無線式データキャリア1が使用する電波の波長λの2n+1/4(ただしnは正の整数)の長さだけ遠い位置に設けている。ここで動作電力供給用電波9aにおいても第2反射板12からの反射波9bと干渉し節と腹を持った定在波23が発生する。従って節の位置31に無線式データキャリア1がある場合には書込み及び読取りは不可能となる。しかしながら図4に示すように、第1反射板11と第2反射板12のアンテナ3に対する設置距離を無線式データキャリア1が使用する電波の波長の2n+1/4(nは正の整数)の長さだけ遠い位置に設けているために、反射波8bによる定在波23の強度が最小となる透過型搬送部7上の高さでは反射波9bの干渉によって発生する定在波の強度は腹となり最大となる。すなわち反射波8bによる定在波23と反射波9bによる定在波の位相をλ(2n+1)/4 (nは正の整数)だけずらすことによって、節の部分を他方の腹の部分で補完することが可能となる。
【0043】
また図4はn=1の状態を記しており、反射板11による定在波23と反射板12による定在波23の腹と節が互いに補完していることを示している。つまり動作電力供給用電波8a側で読み取れない高さを持つ物品の無線式データキャリア1は動作電力供給用電波9a側で読取り、動作電力供給用電波9a側で読取れない高さの物品の無線式データキャリア1は動作電力供給用電波8a側で読取ることが可能となる。その結果、無線式データキャリア1がコンベヤ4のどの位置に載置されている場合でも安定した読取りが可能となる。
【0044】
また動作電力供給用電波8aによる定在波23と動作電力供給用電波9aによる定在波の腹と節の補完関係は、図4に示す透過型搬送部7の設置位置に依存しないため、アンテナ3に対する透過型搬送部7の設置位置は任意に決定できる。ただし透過型搬送部7及び第一反射板11、第二反射板12は一般的にコンベヤの内部に含まれる構成となるため、コンベヤ自体の厚みを薄くする点において透過型搬送部7は第一反射板11に直接に接する位置に設置することが望ましい。
【0045】
ここで、本実施の形態は単一の電波の発生源に接続された単一のアンテナにも拘わらず、複数の定在波を発生させることが可能であり、さらに複数の定在波間の位相差の自由な制御を、安価な反射板のみの設置で可能とした点が大きな特長となっている。つまり、単一のアンテナ及び単一の書込読込器と一般の金属板である安価な反射板のみによって実現できることから大幅なコストダウンが可能であり、既設のコンベヤにおいても反射板の設置のみで無線式データキャリアに対する高い読取率や確実な書込が可能なコンベヤへ容易に改造することができる。
【0046】
また無線式データキャリアは無線式データキャリアに対する読取方向、書込方向が定められている場合があるが、これに対応して、横方向からの読取り及び書込みを行う場合に図3に示した実施形態を応用して実現する第四の実施形態について図4に示す。この第四の実施形態は、コンベヤ4を挟んでその片側に書込読取器2及びアンテナ3を、他方の側に上述の距離差を設けた第一反射板11及び第二反射板12を設置して構成されている。この結果、一方の定在波の節の部分を他方の波の腹で補完することが可能となり、第三の実施形態と同様に無線式データキャリアがコンベヤ4上のどの部分に載置されている場合でも読取りが可能となることは言うまでもない。
【0047】
また、第三の実施の形態において図2と同様にスペーサ10を設けることで透過型搬送部7と反射板12との設置距離を短縮した第五の実施形態について図5に示す。
【0048】
図6は第五の実施形態の書込読取器2とアンテナ3と、第一反射板11及び第二反射板12並びにスペーサ10とを、コンベヤ4を挟むように横設置した第六の実施の形態を示す。
【0049】
図7は第三の実施形態を二基の書込読取器と二基のアンテナにより構成した第七の実施形態を示している。動作自体については第三の実施の形態と全くと同様であるため説明を割愛する。
【0050】
図8は第七の実施形態を横設置型にした第八の実施形態を示す。
【0051】
図9は第二の実施形態と同様に、第七の実施形態においてスペーサ10を設置したことにより、透過型搬送部7と反射板12間の設置距離短縮を実現した第九の実施形態であり、図10は第九の実施形態を横設置した第十の実施形態である。
【0052】
また図11は電波を反射する金属等からなるスチールベルトコンベヤを上流側コンベヤに使用した場合を示す第十一の実施形態であり、図3に示される第三の実施形態における第一反射板11による電波の反射作用を、反射型搬送部17により実現している点が特徴である。動作自体については第三の実施の形態と同様であるため説明を割愛する。
【0053】
さらに図12は、第二の実施形態と同様に第十一の実施形態に更にスペーサ10を追加して設けることにより、透過型搬送部7と反射板6間の設置距離短縮を実現したことを特徴とする第十二の実施形態である。図13は電波を透過する透過型搬送部7を備えたコンベヤ2基を使用して実現する第十三の実施形態を示している。動作自体は第七の実施形態と同様であり説明は割愛する。
【0054】
図14は電波を反射するスチールベルト等の反射型搬送部17を備えたコンベヤ2基を使用した第十四の実施形態を示す。第七の実施形態における反射板11と反射板12の動作を反射型搬送部17にて行わせている点が特徴である。動作自体は、やはり第七の実施の形態と同様であるため説明は割愛する。
【0055】
図15は反射板6を斜めに設置した実施形態である。第一〜第十四までの各実施形態では、2枚の反射板をλ(2n+1)/4(nは正の整数)の固定した距離だけ離して設置する形態であるが、図15に示した第十五の実施形態では、反射板を斜めに設置することで定在波の位相のズレを連続的に変化させている。
【0056】
以下、この位相のズレの連続的変化につき図面を参照して説明する。まず図15において物品5が透過型搬送部7により図の左側から右側方向に移動し、反射板6の上流側端19の真上に無線式データキャリア1が到達した時点で第1動作電力供給用電波8aによる定在波23の位相が無線式データキャリア1の位置で節となる。この際、定在波23が弱まるため無線式データキャリア1の書込みや読取りが困難となるのは上述してきたとおりである。
【0057】
しかし本実施の形態では反射板6が斜めに設置されているため、物品5が右方向に進むに従い反射板6と無線式データキャリア1間の距離が連続的に変化する。これによって無線式データキャリア1に入射する定在波23の位相も連続的に変化し、物品5が右方向に進むに従い無線式データキャリア1は定在波23の腹と節の状態中を交互に通り過ぎることになる。すなわち反射板6の上流側端19の真上に無線式データキャリア1が到達した時点では定在波23の節の状態に遷移したとしても、物品5が右方向に進むに従って無線式データキャリア1は定在波23の腹と節の状態を交互に遷移することとなり、無線式データキャリア1の書込み及び読取りが可能となる。
【0058】
上流側端19と下流側端20での定在波22のズレはλ/4が必要であり、これは上流側端19で節の状態であった場合、下流側端20で腹の状態にするためにはλ/4のズレが必要であることは明白で、反射板6の上流側端19と下流側端20でのズレはλ/4以上必要となる。しかし、このズレを大きくすると無線式データキャリア1に入射する定在波23の腹と節の状態が短時間で変化するため、無線式データキャリア1の読取りや書込みが終了しない間に定在波23が弱くなってしまう障害が発生したり、反射波8b、9bの反射方向がずれて定在波23の強度が低下したりするためλ/2程度を中心値としてカットアンドトライにとって決定する。以上のことから第十五の実施の形態については、物品の搬送速度が遅い場合に適用するのが望ましい実施の形態である。ただし、λ/4以上のズレを必要とするのは何も上流側端19と下流側端20の間に限ったことではない。例えば上流側端19における無線データキャリア1との距離をl1、下流側端20における無線データキャリア1との距離をln、反射板6の幅方向にこれをn分割した場合、このl1〜lnが昇順あるいは降順で並んでいれば第十五の実施の形態に示すごとく位相が連続的に変化することとなるが、このl1〜lnの並び方をランダムに配置し不連続で変化させても、物品の搬送速度が充分に遅い場合であれば、最終的に腹の部分を反射板6の幅内で検出することが可能なことについては言うまでもない。これを第十六の実施形態とする。
【0059】
図16は第十五の実施の形態において第二の実施の形態と同様にスペーサ10を設けることで、透過型搬送部17と反射板6間の設置距離を短縮した第十七の実施形態である。
【0060】
本発明においては、反射板の設置を「固定した位置に行う」ことを前提とする実施形態での説明が中心であるが、反射板の位置調整機構を設ける実施形態も可能なことは言うまでもない。また透過型搬送部からなるコンベヤと反射型搬送部からなるコンベヤの組み合わせにおいて、どちらを上流側に設置するか、または下流側に設置するかは任意であり、どの組み合わせにおいても本発明は実施可能である。
【0061】
また本実施形態ではスペーサを第2反射板の上部に設ける実施形態を記しているが、第1反射板の上部及び双方に設ける実施も可能である。また本実施形態では自動的に搬送が行われる自動式コンベヤにて実施の形態を記しているが、手動またはモータ等の駆動部がないコンベヤにおいても実施可能である。また本実施の形態ではコンベヤ等の物品を面で受け止めて搬送する実施の形態を記しているが物品の端のみを受け止めたり、固定したり、吊り下げたりして物品を搬送する方式においても本発明で実施可能である。また本実施の形態では2基の書込読取器、アンテナ、コンベヤの組み合わせまでの実施形態を期しているが、更に3基、4基・・・の組み合わせを行うことにより、定在波の重なりを更に密とすることで高性能化を実現することも本発明で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の無線式データキャリア書込読取システムの第一実施形態(アンテナ上側1基、電波反射部下側1枚、スペーサなし)を示す構成図である。
【図2】本発明の無線式データキャリア書込読取システムの第二実施形態(アンテナ上側1基、電波反射部下側1枚、スペーサあり)を示す構成図である。
【図3】本発明の無線式データキャリア書込読取システムの第三実施形態(アンテナ上側1基、電波反射部下側2枚、スペーサなし)を示す構成図である。
【図4】本発明の無線式データキャリア書込読取システムの第四実施形態(アンテナ横側1基、電波反射部横側2枚、スペーサなし)を示す構成図である。
【図5】本発明の無線式データキャリア書込読取システムの第五実施形態(アンテナ上側1基、電波反射部下側2枚、スペーサあり)を示す構成図である。
【図6】本発明の無線式データキャリア書込読取システムの第六実施形態(アンテナ横側設置、電波反射部横側2枚設置、スペーサあり)を示す構成図である。
【図7】本発明の無線式データキャリア書込読取システムの第七実施形態(アンテナ上側2基設置、電波反射部下側2枚設置、スペーサなし)を示す構成図である。
【図8】本発明の無線式データキャリア書込読取システムの第八実施形態(アンテナ横側2基、電波反射部横側2枚、スペーサなし)を示す構成図である。
【図9】本発明の無線式データキャリア書込読取システムの第九実施形態(アンテナ上側2基、電波反射部下側2枚、スペーサあり)を示す構成図である。
【図10】本発明の無線式データキャリア書込読取システムの第十実施形態(アンテナ横側2基、電波反射部横側2枚、スペーサあり)を示す構成図である。
【図11】本発明の無線式データキャリア書込読取システムの第十一実施形態(アンテナ上側1基、電波反射部下側1枚、反射型搬送部1基、スペーサなし)を示す構成図である。
【図12】本発明の無線式データキャリア書込読取システムの第十二実施形態(アンテナ上側1基、電波反射部下側1枚、反射型搬送部1基、スペーサあり)を示す構成図である。
【図13】本発明の無線式データキャリア書込読取システムの第十三実施形態(アンテナ上側2基、反射型保持部2基、スペーサなし)を示す構成図である。
【図14】本発明の無線式データキャリア書込読取システムの第十四実施形態(アンテナ上側2基、反射型搬送部2基、スペーサなし)を示す構成図である。
【図15】本発明の無線式データキャリア書込読取システムの第十五実施形態(アンテナ上側1基、電波反射板斜め設置、スペーサなし)を示す構成図である。
【図16】本発明の無線式データキャリア書込読取システムの第十六実施形態(アンテナ上側1基、電波反射板斜め設置、スペーサあり)を示す構成図である。
【図17】コンベヤにて搬送される物品上の無線式データキャリアを書込/読取処理する無線式データキャリア書込読取システムの基本例を示す図である。
【図18】反射板における電波の反射状態を示す説明図である。
【図19】2枚の反射板における電波の反射状態を示す説明図である。
【図20】従来の技術の一例(特開2002−230507公報)を示す図である。
【図21】従来の技術の他の例(特開2003−198422公報)示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1 無線式データキャリア
2 書込読取器
3 アンテナ
4 コンベヤ
5 物品
6 反射板
7 透過型搬送部
8a 第一動作電力供給用電波
8b 第一反射波
9a 第二動作電力供給用電波
9b 第二反射波
10 スペーサ
11 第一反射板
12 第二反射板
13 第一書込読取器
14 第一アンテナ
15 第二書込読取器
16 第二アンテナ
17 反射型搬送部
18 反射型保持部
19 上流側端
20 下流側端
21 動作電力供給用電波
22 反射波
23 定在波
24 反射板取付高さ設定部
30 定在波の腹の位置
31 定在波の節の位置
33 非金属製プレート
34 非金属製コンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を移動させる搬送部を備えたコンベヤと、無線式データキャリアと、前記物品に取り付けられた前記無線式データキャリアへのデータの書込み及び該無線式データキャリアからのデータの読込みを行う書込読取器と、前記書込読取器に接続されたアンテナにより構成される無線式データキャリア書込読取システムにおいて、
前記コンベヤの上部に前記アンテナを設置し、前記コンベヤは載置した前記物品を保持移動させる、電波を透過する材料によって形成された電波透過型搬送部を有し、間を前記物品に取り付けられた前記無線式データキャリアが移動するよう前記アンテナと対向する位置でかつ該無線式データキャリアとの距離が使用電波の波長の(2n+1)/4倍(nは正の整数)となる位置に設置される電波反射部とを備えたことを特徴とする無線式データキャリア書込読取システム。
【請求項2】
前記電波反射部の設置位置を調整する電波反射部設置位置設定部を備えることを特徴とする請求項1記載の無線式データキャリア書込読取システム。
【請求項3】
前記透過型搬送部と前記反射部の間隙に電波透過材料からなるスペーサを設け、前記電波透過材料の比誘電率に対応させ前記透過型移動部と前記反射部の設置距離を短縮させることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の無線式データキャリア書込読取システム。
【請求項4】
前記コンベヤの上部に前記アンテナを設置し、前記コンベヤは載置された物品を保持移動させる、電波を透過する材料によって形成された電波透過型搬送部と、間を前記物品に取り付けられた無線式データキャリアが移動するよう前記アンテナと対向する位置に設置された第一電波反射部と、前記第一電波反射部の設置位置を基準位置とし、該基準位置から使用電波の波長の(2n+1)/4倍(nは正の整数)の長さ分だけ遠い位置または近い位置で、かつ間を前記物品に取り付けられた無線式データキャリアが移動するよう前記アンテナと対向する位置に設置された第二電波反射部によって構成され、
さらに前記アンテナは、該アンテナの送信する電波が前記第一電波反射部及び第二電波反射部の双方に到達し得る位置に設置されていることを特徴とする無線式データキャリア書込読取システム。
【請求項5】
前記アンテナの設置位置を前記コンベヤの一方の側部としたことを特徴とする請求項4記載の無線式データキャリア書込読取システム。
【請求項6】
前記コンベヤの他方の側部かつ間を前記物品に取り付けられた無線式データキャリアが移動するよう前記アンテナと対向する位置に前記第一電波反射部並びに第二電波反射部を夫々設置したことを特徴とする請求項5記載の無線式データキャリア書込読取システム。
【請求項7】
前記透過型搬送部と前記第一電波反射部若しくは第二電波反射部板との間隙に電波透過材料からなるスペーサを設け、前記電波透過材料の比誘電率に対応させ前記搬送部と前記第第一電波反射部間若しくは第二電波反射部間の設置距離を短縮させることを特徴とする請求項4乃至請求項6記載の無線式データキャリア書込読取システム。
【請求項8】
前記コンベヤの上部に第一及び第二のアンテナを設置し、前記コンベヤは載置した物品を保持移動させる、電波を透過する材料によって形成された電波透過型搬送部を備え、間を前記物品に取り付けられた無線式データキャリアが移動するよう前記第一のアンテナと対向した位置に設置された第一電波反射部と、前記第一電波反射部の設置位置を基準位置とし、該基準位置から使用電波の波長の(2n+1)/4倍(nは正の整数)の長さ分だけ遠い位置または近い位置かつ間を前記物品に取り付けられた無線式データキャリアが移動するよう前記第二のアンテナと対向して設置された第二の電波反射部とによって構成されたことを特徴とする無線式データキャリア書込読取システム。
【請求項9】
前記第一及び第二のアンテナの設置位置を前記コンベヤの一方の側部としたことを特徴とする請求項8記載の無線式データキャリア書込読取システム。
【請求項10】
前記透過型搬送部と前記第二電波反射部の間隙に電波透過材料からなるスペーサを設け、前記電波透過材料の比誘電率に対応させ前記搬送部と前記第二電波反射部間の設置距離を短縮したことを特徴とする請求項8記載の無線式データキャリア書込読取システム。
【請求項11】
前記第二のアンテナの設置位置を前記コンベヤの一方の側部としたことを特徴とする請求項10記載の無線式データキャリア書込読取システム。
【請求項12】
前記コンベヤの上部に設置されるアンテナと、載置した物品を保持移動させる、電波を透過する材料によって形成された電波透過型搬送部を備え、間を前記物品に取り付けられた無線式データキャリアが移動するよう前記アンテナと対向する位置かつ該無線式データキャリアとの距離が使用電波の波長の(2n+1)/4倍(nは正の整数)となる位置に設置される電波反射部とによって構成されたことを特徴とする無線式データキャリア書込読取システム。
【請求項13】
前記コンベヤの上部に設置されるアンテナと、電波反射材料により構成され前記アンテナと並行して設置された反射型搬送部と、前記コンベヤの上部に設置された前記アンテナとの距離が、前記反射型搬送部の設置位置を基準位置として使用電波の波長の(2n+1)/4倍(nは正の整数)の長さだけ遠い位置または近い位置に設けられた電波反射部と、前記電波反射部の上部に前記アンテナからの電波を透過する透過型搬送部とを設け、さらに前記コンベヤ上部の位置において送出する電波が前記反射型搬送部と前記反射板の双方に到達可能な位置に前記アンテナを設置することを特徴とする無線式データキャリア書込読取システム。
【請求項14】
前記透過型搬送部と前記電波反射部の間隙を電波透過材料にて充填し、前記電波透過材料の比誘電率に対応させ前記電波反射部の設置距離を短縮したことを特徴とする請求項12に示す無線式データキャリア書込読取システム。
【請求項15】
コンベヤの上部に設置されるアンテナと、載置した物品を保持移動させる、電波を透過する材料によって形成された電波透過型搬送部と、前記透過型搬送部を保持する電波反射材料からなる反射型保持部を備えた第一及び第二のコンベヤにおいて、物品が前記第一及び第二のコンベヤ同士の接続端を乗り移って搬送され、前記アンテナからの距離において、前記第一のコンベヤの電波透過型搬送部の設置位置を基準とし、前記無線式データキャリア使用電波の波長の(2n+1)/4倍(nは正の整数)の長さだけ遠い位置または近い位置に前記第二コンベヤの透過搬送部を配置し、前記アンテナが前記第一コンベヤと前記第二コンベヤの接続端の上部かつ送信電波が前記第一及び第二のコンベヤの双方に到達し得る位置に設置したことを特徴とする無線式データキャリア書込読取システム。
【請求項16】
コンベヤ上に載置された物品を移動させる、電波を透過させる材料からなる透過型搬送部と、前記コンベヤの上部に設置されたアンテナと、前記アンテナからの電波を反射する任意幅内に並べられた複数の電波反射部を備えてなり、前記任意幅を有する電波反射部の複数の反射部分と前記アンテナとの距離が前記無線式データキャリア使用電波の波長の1/4倍以上の範囲内において一定のピッチを保ったユニークな値をとり、かつ該ユニークな値が前記任意幅の範囲内においてランダムに配されるよう、前記透過型搬送部に対し前記任意幅を有する電波反射部の反射部分を設置することを特徴とする無線式データキャリア書込読取システム。
【請求項17】
前記ユニークな値が前記任意幅の範囲内において降順もしくは昇順で段階的に配されるよう、前記透過型搬送部に対し前記任意幅を有する電波反射部の反射部分を設置することを特徴とする請求項16記載の無線式データキャリア書込読取システム。
【請求項18】
前記透過型搬送部と前記電波反射部間の間隙に電波透過材料からなるスペーサを設け、前記電波透過材料の比誘電率に対応させ前記透過型搬送部と前記反射部の設置距離を短縮したことを特徴とする請求項16あるいは請求項17記載の無線式データキャリア書込読取システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−238261(P2006−238261A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−52513(P2005−52513)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(303013763)NECエンジニアリング株式会社 (651)
【Fターム(参考)】