説明

無線機

【課題】1以上の通信方式および1以上の周波数チャネルの受信信号を同時に処理して復調することができ、且つ回路規模を大きくしないで済ませることができる無線機を提供する。
【解決手段】ディジタルベースバンド部30は、特性可変なΔΣA/Dコンバータ20から出力されたディジタル信号(digital-o)を入力して各通信方式および各周波数チャネルに分離し、各通信方式および各周波数チャネルに応じた復調を行う。ディジタルベースバンド部30の制御部34は、受信しようとする所望の通信方式および周波数チャネルに適した通過周波数および周波数帯域幅等を決定し、当該決定に基づき、ノイズシェープフィルタ22が通過させる通過周波数および周波数帯域幅等を制御すると同時に、所望の通信方式および周波数チャネルに応じたフィルタ31a等と復調器32a等とを指定し、所望の通信方式および周波数チャネルに応じた出力を得る制御を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1以上の通信方式及び1以上の周波数チャネルのアナログ信号を入力して、各通信方式及び各周波数チャネルに応じた復調を行う無線機に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の通信方式の受信信号をA/D(Analog to Digital)変換する場合、A/Dコンバータを通信方式毎に設けると回路規模が非常に大きくなってしまうことになる。このため、従来種々の考案がなされてきた。例えば、特許文献1に記載されているように、W−CDMA方式およびGSM方式の2つの方式に対応するため、ΔΣ(デルタシグマ)A/Dコンバータ内に2つのフィルタを設け、切り替えて動作させることにより、2つの方式に適したダイナミックレンジを実現している。
【0003】
【特許文献1】特開2006−60673号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1ではΔΣA/Dコンバータ内に2つのフィルタを設けることにより、複数の通信方式の受信信号をA/D変換している。しかし、この方法では3つ以上の通信方式の受信信号をA/D変換する場合、ΔΣA/Dコンバータ内に3つ以上のフィルタを設けていくことになってしまうため、結果、回路規模が非常に大きくなってしまうという問題があった。さらに、通信方式は同じであっても複数の通信チャネルの受信には対応できないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決するためになされたものであり、1以上の通信方式および1以上の周波数チャネルの受信信号を同時に処理して復調することができ、且つ回路規模を大きくしないで済ませることができる無線機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の無線機は、1以上の通信方式及び1以上の周波数チャネルのアナログ信号を入力して、各通信方式及び各周波数チャネルに応じた復調を行う無線機であって、受信した1以上の通信方式及び1以上の周波数チャネルを含む周波数帯域の無線信号をアナログ信号として出力する広帯域無線フロントエンドと、前記広帯域無線フロントエンドに接続され、該広帯域無線フロントエンドから出力されたアナログ信号を入力して量子化し、ディジタル信号として出力するΔΣA/Dコンバータであって、外部から特性可変なフィルタを有するものと、前記ΔΣA/Dコンバータに接続され、該ΔΣA/Dコンバータから出力されたディジタル信号を入力して、各周波数チャネルに応じたフィルタ群により各通信方式及び各周波数チャネルに分離し、各通信方式及び各周波数チャネルに応じて該フィルタ群のフィルタ及び前記ΔΣA/Dコンバータの外部から特性可変なフィルタの特性を指定することにより各通信方式及び各周波数チャネルに応じた復調を行うディジタルベースバンド部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
ここで、この発明の無線機において、前記ΔΣA/Dコンバータの外部から特性可変なフィルタはアナログドメインのノイズシェープフィルタとすることができる。
ここで、この発明の無線機において、前記フィルタ群の各フィルタは各周波数チャネルに対応する1つのピークを有するバンドパスフィルタであり、前記ノイズシェープフィルタは各周波数チャネルに対応する複数のピークを有するバンドパスフィルタとすることができる。
【0008】
ここで、この発明の無線機において、前記ディジタルベースバンド部は、復調後の各通信方式及び各通信チャネルの品質を監視し、品質が所定の品質基準より不十分な通信方式及び通信チャネルがある場合、品質が所定の品質基準より十分な通信方式及び通信チャネルに対応する前記ノイズシェープフィルタのピークを低くし、品質が所定の品質基準より不十分な通信方式及び通信チャネルに対応するノイズシェープフィルタのピークを高くする制御を行なう監視手段をさらに備えることができる。
【0009】
ここで、この発明の無線機において、前記ΔΣA/Dコンバータの外部から特性可変なフィルタはディジタルドメインのバンドカットフィルタとすることができる。
【0010】
ここで、この発明の無線機において、前記フィルタ群の各フィルタは各周波数チャネルに対応する1つのピークを有するバンドパスフィルタであり、前記バンドカットフィルタは各周波数チャネルに対応する複数のノッチを有するものとすることができる。
【0011】
ここで、この発明の無線機において、前記ディジタルベースバンド部としてソフトウェア無線機を用いることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の無線機によれば、アンテナに接続した広帯域RFフロントエンドと、広帯域RFフロントエンドに接続した特性可変なΔΣA/Dコンバータと、ΔΣA/Dコンバータに接続したディジタルベースバンド部とを備えている。広帯域RFフロントエンドは、アンテナで受信した1以上の通信方式および1以上の周波数チャネルを含む周波数帯域の無線信号をアナログ信号(analog-i)として出力する。特性可変なΔΣA/Dコンバータは、広帯域RFフロントエンドから出力されたアナログ信号(analog-i)を入力して量子化し、ディジタル信号(digital-o)として出力する。ディジタルベースバンド部は、ΔΣA/Dコンバータから出力されたディジタル信号(digital-o)を入力して各通信方式および各周波数チャネルに分離し、各通信方式および各周波数チャネルに応じた復調を行う。ディジタルベースバンド部の制御部は、受信しようとする所望の通信方式および周波数チャネルに適した通過周波数および周波数帯域幅等を決定し、当該決定に基づき、ノイズシェープフィルタが通過させる通過周波数および周波数帯域幅等を制御すると同時に、所望の通信方式および周波数チャネルに応じたフィルタと復調器とを指定し、所望の通信方式および周波数チャネルに応じた出力を得る制御を行なう。すなわち、制御部はノイズシェープフィルタとフィルタ群の各フィルタとを連動させる制御を行なう。この結果、広帯域RFフロントエンドが出力したアナログ信号(analog-i)から所望の複数の周波数帯域について量子化雑音を低減したディジタル信号(digital-o)がディジタルベースバンド部に入力され、各通信方式および各周波数チャネルについて良好な受信性能を得ることができる。従って、1以上の通信方式および1以上の周波数チャネルの受信信号を同時に処理して復調することができ、且つディジタルベースバンド部としてソフトウェア無線機を用いることにより、回路規模を大きくしないで済ませることができる無線機を提供することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、各実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1における無線機1のブロック図を示す。図1において、符号10はアンテナ、12はアンテナ10に接続した広帯域無線(RF)フロントエンド、20は広帯域RFフロントエンド12に接続した外部から特性可変なフィルタを有するΔΣA/Dコンバータ、すなわち特性可変なΔΣA/Dコンバータ、30はΔΣA/Dコンバータ20に接続したディジタルベースバンド部である。無線機1の機能の概要は、1以上の通信方式および1以上の周波数チャネルのアナログ信号を入力して、各通信方式および各周波数チャネルに応じた復調を行うというものである。以下、無線機1の各構成要素に従って説明していく。
【0015】
広帯域RFフロントエンド12は、アンテナ10で受信した1以上の通信方式および1以上の周波数チャネルを含む周波数帯域の無線信号をアナログ信号(analog-i)として出力する。広帯域RFフロントエンド12の構成としては、低雑音増幅回路(Low Noise
Amplification : LNA)および特性可変なΔΣA/Dコンバータ20のための帯域制限フィルタ(不図示)からなる周波数変換を伴わない構成とするか、あるいはダウンコンバータを含む周波数変換を伴う構成としてもよい。
【0016】
ΔΣA/Dコンバータ20の外部から特性可変なフィルタはアナログドメインのノイズシェープフィルタとすることができる。すなわち、特性可変なΔΣA/Dコンバータ20は、広帯域RFフロントエンド12から出力されたアナログ信号(analog-i)を入力して量子化し、ディジタル信号(digital-o)として出力する。図1に示されるように、特性可変なΔΣA/Dコンバータ20は、アナログ信号(analog-i)と帰還信号fとの差分をとる加算回路21と、アナログドメインに位置し加算回路21の出力のノイズシェーピングを行う外部から特性可変なノイズシェープフィルタ22と、ノイズシェープフィルタ22の出力の量子化を行う量子化器23と、量子化器23の出力(digital-o)をD/A(Digital
to Analog)変換して上記帰還信号fを出力するD/Aコンバータ(DAC)24とから構成されている。ノイズシェープフィルタ22は、後述するように外部(ディジタルベースバンド部30)から特性可変なチューナブルフィルタであり、1つ以上のピークを有するバンドパスフィルタである。以上の構成により、特性可変なΔΣA/Dコンバータ20は、特性可変なΔΣA/Dコンバータ20の出力に含まれる量子化誤差をピーク以外の周波数帯に集中させ、ピーク部分の量子化誤差を減らすというノイズシェーピング機能を有している。すなわち、量子化雑音の周波数特性に着目し、ピーク部分の量子化雑音をピーク以外の周波数側に移動させる機能を有している。
【0017】
ディジタルベースバンド部30は、特性可変なΔΣA/Dコンバータ20から出力されたディジタル信号(digital-o)を入力して各通信方式および各周波数チャネルに分離し、各通信方式および各周波数チャネルに応じた復調を行う。図1に示されるように、ディジタルベースバンド部30は、各周波数チャネルに対応する1つのピークを有するバンドパスフィルタ31a、31b、...、31nからなるフィルタ群と、これらのフィルタ群の各フィルタに各々接続された復調器DEMOD32a、32b、...、32nからなる復調器群とを備えている。図1ではフィルタ群のフィルタ31a等の数および復調器群の復調器32a等の数はn個と表示されているが、これはあくまでも例示的な数であって、n個に限定されるわけではない。入力したディジタル信号(digital-o)はフィルタ群により各通信方式および各周波数チャネルに分離され、その後、各通信方式に応じた復調器群により復調されて、通信方式Aのチャネルa(Ch−a)の出力、通信方式Aのチャネルb(Ch−b)の出力、...、通信方式Mのチャネルn(Ch−n)の出力を得ることができる。すなわち、複数の通信方式(A、...、M)に対応するだけではなく、同じ通信方式Aであっても複数の周波数チャネル(Ch−a、Ch−b等)の受信に対応可能である。加えて、図1に示される並列構成により、1以上の通信方式A等および1以上の周波数チャネルを同時に処理可能な機能を有している。
【0018】
図1に示されるように、ディジタルベースバンド部30は、受信する通信方式および周波数チャネルに応じてフィルタ群のフィルタ31a等およびノイズシェープフィルタ22の特性を指定する制御部(Control)34を備えている。上述したように、フィルタ群のフィルタ31a等は各周波数チャネルに対応する1つのピークを有するバンドパスフィルタである。ノイズシェープフィルタ22は特性可変なチューナブルフィルタであり、1つ以上のピーク、すなわちフィルタ群の各周波数に対応する複数のピークを有するバンドパスフィルタである。言い換えれば、ノイズシェープフィルタ22の複数のピークはフィルタ群の各フィルタ31a等のピーク周波数と対応している。制御部34は、受信しようとする所望の通信方式および周波数チャネルに適した通過周波数および周波数帯域幅等を決定する。制御部34は、当該決定に基づく通過周波数および周波数帯域幅等を有する周波数/帯域幅制御信号(f/b−c)をノイズシェープフィルタ22へ送り、ノイズシェープフィルタ22が通過させる通過周波数および周波数帯域幅等を制御する。同時に制御部34は、上記周波数/帯域幅制御信号(f/b−c)をフィルタ群および復調器群へ送り、所望の通信方式および周波数チャネルに応じたフィルタ31a等と復調器32a等とを指定し、所望の通信方式および周波数チャネルに応じた出力を得る制御を行なう。すなわち、制御部34はノイズシェープフィルタ22とフィルタ群の各フィルタ31a等とを連動させる制御を行なう。以上の構成により、広帯域RFフロントエンド12が出力したアナログ信号(analog-i)から所望の複数の周波数帯域について量子化雑音を低減したディジタル信号(digital-o)がディジタルベースバンド部30に入力され、各通信方式および各周波数チャネルについて良好な受信性能を得ることができる。
【0019】
上述したディジタルベースバンド部30としてはソフトウェア無線機を用いることが好適である。この場合、ソフトウェア無線機は各通信方式および各周波数チャネルに対応した上記処理をソフトウェアにより用意しておき、ソフトウェア無線機のCPUが、入力したディジタル信号(digital-o)に応じて各ソフトウェアを実行すればよい。上記ソフトウェア部分は、ソフトウェアの書換えにより回路構成を変更可能な装置であるFPGA(Field Programmable Gate Array)で作成することが可能である。
【0020】
ディジタルベースバンド部30の他の機能として、復調後の各通信方式および各通信チャネルの品質を監視し、品質が所定の品質基準より不十分な通信方式および通信チャネルがある場合、品質が所定の品質基準より十分な通信方式および通信チャネルに対応するノイズシェープフィルタ22のピークを低くし、品質が所定の品質基準より不十分な通信方式および通信チャネルに対応するノイズシェープフィルタ22のピークを高くする制御を行なう監視部(監視手段。不図示)を追加することも可能である。この結果、異なる通信方式および通信チャネル間の量子化雑音の重み付け制御を行なうことが可能となる。
【0021】
以上より、本発明の実施例1によれば、無線機1はアンテナ10に接続した広帯域RFフロントエンド12と、広帯域RFフロントエンド12に接続した特性可変なΔΣA/Dコンバータ20と、特性可変なΔΣA/Dコンバータ20に接続したディジタルベースバンド部30とを備えている。広帯域RFフロントエンド12は、アンテナ10で受信した1以上の通信方式および1以上の周波数チャネルを含む周波数帯域の無線信号をアナログ信号(analog-i)として出力する。特性可変なΔΣA/Dコンバータ20は、広帯域RFフロントエンド12から出力されたアナログ信号(analog-i)を入力して量子化し、ディジタル信号として出力する。ディジタルベースバンド部30は、特性可変なΔΣA/Dコンバータ20から出力されたディジタル信号(digital-o)を入力して各通信方式および各周波数チャネルに分離し、各通信方式および各周波数チャネルに応じた復調を行う。ディジタルベースバンド部30の制御部34は、受信しようとする所望の通信方式および周波数チャネルに適した通過周波数および周波数帯域幅等を決定し、当該決定に基づき、ノイズシェープフィルタ22が通過させる通過周波数および周波数帯域幅等を制御すると同時に、所望の通信方式および周波数チャネルに応じたフィルタ31a等と復調器32a等とを指定し、所望の通信方式および周波数チャネルに応じた出力を得る制御を行なう。すなわち、制御部34はノイズシェープフィルタ22とフィルタ群の各フィルタ31a等とを連動させる制御を行なう。以上の構成により、広帯域RFフロントエンド12が出力したアナログ信号(analog-i)から所望の複数の周波数帯域について量子化雑音を低減したディジタル信号(digital-o)がディジタルベースバンド部30に入力され、各通信方式および各周波数チャネルについて良好な受信性能を得ることができる。この結果、1以上の通信方式および1以上の周波数チャネルの受信信号を同時に処理して復調することができ、且つディジタルベースバンド部30としてソフトウェア無線機を用いることにより、回路規模を大きくしないで済ませることができる無線機を提供することができる。
【実施例2】
【0022】
図2は、本発明の実施例2における特性可変なΔΣA/Dコンバータ20’のブロック図を示す。図2で図1と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため説明は省略する。図2に示される外部から特性可変なΔΣA/Dコンバータ20’が図1に示される外部から特性可変なΔΣA/Dコンバータ20と異なる点は、アナログドメインのノイズシェープフィルタ22に替えてディジタルドメインに外部(ディジタルベースバンド部30)から特性可変なバンドカットフィルタ25を設けた点にある。この場合、フィルタ群の各フィルタ31a等は実施例1と同様に各周波数チャネルに対応する1つのピークを有するバンドパスフィルタであり、バンドカットフィルタ25は各周波数チャネルに対応する複数のノッチを有している。つまり、バンドカットフィルタ25はフィルタ群の各フィルタ31a等のピークと同じ周波数にノッチを有している。この結果、ΔΣA/Dコンバータ20’はΔΣA/Dコンバータ20と同じ機能を有することになる。さらに、ディジタルフィルタ(ディジタルドメインのバンドカットフィルタ25)としたことにより、ディジタルベースバンド部30からの周波数特性(周波数に対する量子化雑音の特性)を容易に制御することが可能となる。
【0023】
以上より、本発明の実施例2によれば、アナログドメインのノイズシェープフィルタ22に替えてディジタルドメインに外部(ディジタルベースバンド部30)から特性可変なバンドカットフィルタ25を設ける。バンドカットフィルタ25はフィルタ群の各フィルタ31a等のピークと同じ周波数にノッチを有している。つまり、特性可変なΔΣA/Dコンバータ20’は特性可変なΔΣA/Dコンバータ20と同じ機能を有することになる。ディジタルフィルタとしたことにより、実施例1の効果に加えて、ディジタルベースバンド部30からの周波数特性(周波数に対する量子化雑音の特性)を容易に制御することが可能となり、1以上の通信方式および1以上の周波数チャネルの受信信号を同時に処理して復調することができる無線機1を容易に実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の活用例として、コストおよび装置の設置スペース等に制限がある自動車等における同時受信への適用が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例1における無線機1のブロック図である。
【図2】本発明の実施例2における特性可変なΔΣA/Dコンバータ20’のブロック図である。
【符号の説明】
【0026】
1 無線機、 10 アンテナ、 12 広帯域RFフロントエンド、 20、20’ ΔΣA/Dコンバータ、 21 加算器、 22 ノイズシェープフィルタ、 23 量子化器、 24 DAC、 25 バンドカットフィルタ、 30 ディジタルベースバンド部、 31a、31b、31n バンドパスフィルタ、 32a、32b、32n 復調器、 34 制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の通信方式及び1以上の周波数チャネルのアナログ信号を入力して、各通信方式及び各周波数チャネルに応じた復調を行う無線機であって、
受信した1以上の通信方式及び1以上の周波数チャネルを含む周波数帯域の無線信号をアナログ信号として出力する広帯域無線フロントエンドと、
前記広帯域無線フロントエンドに接続され、該広帯域無線フロントエンドから出力されたアナログ信号を入力して量子化し、ディジタル信号として出力するΔΣA/Dコンバータであって、外部から特性可変なフィルタを有するものと、
前記ΔΣA/Dコンバータに接続され、該ΔΣA/Dコンバータから出力されたディジタル信号を入力して、各周波数チャネルに応じたフィルタ群により各通信方式及び各周波数チャネルに分離し、各通信方式及び各周波数チャネルに応じて該フィルタ群のフィルタ及び前記ΔΣA/Dコンバータの外部から特性可変なフィルタの特性を指定することにより各通信方式及び各周波数チャネルに応じた復調を行うディジタルベースバンド部とを備えたことを特徴とする無線機。
【請求項2】
請求項1記載の無線機において、前記ΔΣA/Dコンバータの外部から特性可変なフィルタはアナログドメインのノイズシェープフィルタであることを特徴とする無線機。
【請求項3】
請求項2記載の無線機において、前記フィルタ群の各フィルタは各周波数チャネルに対応する1つのピークを有するバンドパスフィルタであり、前記ノイズシェープフィルタは各周波数チャネルに対応する複数のピークを有するバンドパスフィルタであることを特徴とする無線機。
【請求項4】
請求項3記載の無線機において、前記ディジタルベースバンド部は、復調後の各通信方式及び各通信チャネルの品質を監視し、品質が所定の品質基準より不十分な通信方式及び通信チャネルがある場合、品質が所定の品質基準より十分な通信方式及び通信チャネルに対応する前記ノイズシェープフィルタのピークを低くし、品質が所定の品質基準より不十分な通信方式及び通信チャネルに対応するノイズシェープフィルタのピークを高くする制御を行なう監視手段をさらに備えたことを特徴とする無線機。
【請求項5】
請求項1記載の無線機において、前記ΔΣA/Dコンバータの外部から特性可変なフィルタはディジタルドメインのバンドカットフィルタであることを特徴とする無線機。
【請求項6】
請求項5記載の無線機において、前記フィルタ群の各フィルタは各周波数チャネルに対応する1つのピークを有するバンドパスフィルタであり、前記バンドカットフィルタは各周波数チャネルに対応する複数のノッチを有することを特徴とする無線機。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の無線機において、前記ディジタルベースバンド部としてソフトウェア無線機を用いることを特徴とする無線機。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−252490(P2008−252490A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−90747(P2007−90747)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(502087460)株式会社トヨタIT開発センター (232)
【Fターム(参考)】