説明

無線通信における動的な移動局設定用の方法

【課題】移動無線通信装置においてネットワーク放送チャネルの基地局情報に基づき装置を設定するための方法を提供する。
【解決手段】移動無線通信装置における方法。この方法は、複数の基地局からネットワーク放送チャネル上で基地局情報を受信するステップと、設定情報に関する基地局を再選択することなく、前記基地局に関する前記設定情報によって前記移動無線通信装置を設定するステップと、ページング要求を受信することに応じて前記基地局のアイデンティティを発信するステップと、前記基地局の前記アイデンティティを送信後、前記設定情報を有するセットアップメッセージを受信するステップとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に無線通信に関し、より詳細には、ネットワーク放送情報に基づいて移動無線通信装置の設定を動的に変更するための、無線通信装置、ネットワークインフラストラクチャ、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信電話機利用の地球規模の広がりによって、可聴の呼出音および会話に起因する環境騒音レベルの増大が引起こされている。これらは多くの場所、例えば、図書館、教室、礼拝所、職場、テレビ撮影所、劇場およびコンサートホール、法廷および他の行政機関の建物等では、しばしば散漫的であり、次第に歓迎されないものとなっている。
【0003】
環境騒音または潜在的なラジオ周波数干渉の懸念のために、料理店、行政機関の建物、商用航空機、病院、および他の地域を含む多くの環境で、セルラー電話機の使用は禁止または制限されている。しかしながら、これらの制限の遵守は一般に自発的なものである。通常は、ユーザセットアップメニューを通じて、または特定のユーザプロファイルを選択することによって、ユーザは手動で電話機を使用不能にするか、呼出音量を減少するか、または音が鳴る代わりに振動するように電話機を設定しなければならない。
【0004】
カナダ政府は最近「無線通信法(Radio Communications Act)」、通達番号ディージーティーピー(DGTP)−002−02、を発布し、公衆安全および法執行目的を越える、ニッチ市場および位置特定用途向けの無線電話機妨害装置の認可拡大案に対する、産業界および一般の意見を求めている。
【0005】
例えば、ブルートゥース発信機からセルラー電話機上のブルートゥース可用マイクロチップへ制御信号を発信することによって、セルラー電話機で音が鳴る機能を使用不能にする、情報処理ビーコンの使用を含む幾つかの無線妨害技術が周知である。
【0006】
「その詳細設定を変更可能な電話機、および着呼電話機の設定を変更可能な電話機(Telephone Whose Setting Details Can Be Changed, And Telephone Capable of Changing Settings Of Called Telephone)」と題する特許文献1には、別のセルラー電話機または地上線電話から、例えば鳴る音量および呼出モード等、セルラー電話機の設定を遠隔から制御することが開示されている。
【特許文献1】米国特許第6,351,639号明細書
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】基地局を設定する移動無線通信装置を有する典型的な通信ネットワークのブロック図。
【図2】移動無線通信装置の設定用の典型的なプロセスの流れ図。
【図3】ネットワークと移動無線通信装置との間の典型的な通信プロトコルの進行図。
【図4】符号化された移動無線通信装置設定情報を含む典型的な呼セットアップメッセージの符号図。
【図5】本発明の典型的な実施による移動無線通信装置呼出モード設定を制御するための典型的なユーザインターフェースウェブサイトの画面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の種々の態様、要件、および利点は、以下に説明される添付の図面を伴う、続く発明の詳細な説明を入念に考慮することによって、当業者にはより完全に明らかになるであろう。
【0011】
図1では、基地局の発信機と通信する基地局制御装置を有する基地局システム(BSS)110を一般に有する、典型的なジーエスエム(GSM)ネットワーク100が示される。1つの基地局である、基地局112のみが図示されている。典型的なBSSは、移動交換局およびビジタロケーションレジスタ(MSC/VLR)114、およびサービングジーピーアールエスサポートノード(SGSN)116に接続されている。SGSN116はゲートウェイジーピーアールエスサポートノード(GGSN)118、およびホームロケーションレジスタ(HLR)120に接続されている。図1に図示されるように、MSC/VLR114はSGSN116、およびHLR120に接続されており、HLR120はまたGGSN118に接続されている。
【0012】
典型的なネットワークの実施態様は、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(Global System for Mobile Communication)(GSM)およびユニバーサル移動通信システム(Universal Mobile Telecommunications System)(UMTS)の機構に基づいているが、当業者には明らかなように、本発明はまた他のネットワーク、例えば、ティーディエムエー(TDMA)およびダブリュ−シーディーエムエー(W−CDMA)無線通信ネットワーク等にも適用される。
【0013】
図2では、移動無線通信装置、即ち移動局(MS)は、通信ネットワーク放送チャネル上で基地局から発信される基地局情報210を受信する。ブロック220にて、MSは受信された情報に基づいて、基地局情報を発信する基地局のアイデンティティを決定する。
【0014】
典型的なGSM通信ネットワークでは、基地局は放送制御チャネル(BCCH)上で、一連の周波数補正バーストおよび同期チャネル情報を発信する。GSMシステムでは、移動無線通信装置は同期バースト情報を復号化することによって、独自の基地局アイデンティティ符号を決定する(BSIC)。TDMAネットワークはまた、基地局アイデンティティが入手され得る、同期および周波数補正情報を発信する。W−CDMA通信ネットワークでは、基地局のセルダウンリンクスクランブル符号を決定することによって、MSは基地局を識別する。
【0015】
MSは、MSがモニタすべき隣接する基地局または他の信号源を識別する、隣接セル割当情報を受信する。通常、隣接セル割当情報は、MSがその時点で接続保留されている(camped)セルの基地局、即ちネットワークとの通信がアクティブに使用されてはいないが、移動局に発呼が向けられた場合にはそれを通じてページング信号が送信される「サービングセル」と同期されているセルの基地局から発信される。異なる通信プロトコルは隣接セル割当情報を異なって識別し、提供される情報の構造は多様である。一般にMSは、隣接セル割当情報に含まれない基地局からのネットワーク放送情報を無視する。
【0016】
本発明のある実施態様では、基地局から送信されるネットワーク放送情報に基づいて、MSがリージョンに進入する時にMSは設定される。幾つかの実施態様では、MSがそのリージョンを退出する時にMSの設定は以前の設定に復帰するが、しかしながらまた、以前の設定と異なる設定であるとしてもよい。リージョンには1以上の基地局セルが含まれ得る。好適な実施態様では、以下でより完全に説明されるように、MSが接続保留されてはいないがMSの受信圏内にある基地局によって、ネットワーク放送メッセージが発信されるセルの、そのサブリージョンにMSが進入した時に、MSは設定される。サブリージョンにはセルのエリアよりも狭いエリアが含まれるが、しかしながら、例えばサブリージョンがセルの境界上にある場合のように、サブリージョンは1より多くのセルのエリアにわたるものであってもよい。幾つかの実施では、例えばMSが別の基地局に接続保留している、または接続保留されている間に、ある基地局の基地局識別に関するMS設定情報または命令に基づいて、その基地局を再選択することなく、MSは設定される。
【0017】
ある実施態様では、隣接セル割当リスト上の基地局に対して基地局アイデンティティが獲得され得る基地局情報をMSが受信する時に、リージョンまたはサブリージョンへの進入が生じる。基地局情報をモニタするために充分なだけの出力を持つ基地局情報をMSがもはや受信しない時に、リージョンまたはサブリージョンからの離脱が生じる。隣接セル割当情報へ基地局を追加、または隣接セル割当情報から基地局を除去した際に、物理的に移動することなく、MSはまた、リージョンに進入、またはリージョンから離脱すると見なされ得る。隣接セル割当情報へ追加、または隣接セル割当情報から除去される時に、MSが基地局信号の範囲内にあると仮定すると、このことによって、MSが基地局発信のモニタを開始する、または停止することが促される。
【0018】
図2中、ブロック230では、例えばMS設定情報に関する基地局アイデンティティのリストと、モニタされる基地局のアイデンティティとの比較によって等、MS設定情報がMSによってモニタされる基地局と関連しているか否かで決定がなされる。図2中、ブロック240では、隣接セル割当情報に含まれる基地局に関する設定情報によって、MSが設定される。設定情報を有するMSによってモニタされる基地局と関連するため、および設定情報をMSに通信するための典型的な方式は、以下で更に説明される。
【0019】
ある用途では、MSが特定のリージョンに進入する時にMSの呼出モード設定は設定され、MSがそのリージョンを離脱する時に、MSは再設定される。ある詳細な実施態様では、例えば、呼出モードは可聴呼出から振動呼出へ変更される。別の詳細な実施態様では、特定のリージョンにMSが進入または退出する時に、可聴音量は変更される。他の実施態様では、リージョンに進入、またはそこから離脱した際に、移動無線通信装置は使用不能にされ得る。より一般には、基地局に関連し、移動局によって相互に識別されサポートされる指定された設定に従って、MSは任意の方法で設定されてよく、その実施例は更に以下で説明される。典型的なMS設定には、MS操作モード設定、MSアプリケーションソフトウェアの操作および設定、MSでの情報の表示または再生、例えば視覚広告および発信呼に関するサービスプロバイダチャイムの使用等、が含まれる。
【0020】
図1において、ある実施態様では、少なくともMSが補助基地局のアイデンティティを決定するために充分なだけのネットワーク放送情報を発信する補助基地局(ABS)130を、セルラー通信ネットワークは有し、幾つかの実施態様では、MSが補助基地局に接続保留することを可能にするために充分なだけの情報を有さない。好適には、補助基地局は同期前情報(pre-synchronization information )をネットワーク放送チャネル上で発信する。例えば同期前情報を受信する移動局によって等、これによって補助基地局の独自のアイデンティティが決定され得る。
【0021】
好適には、補助基地局は独自のアイデンティティ、例えば、GSMの基地局識別符号(Base Station Identity Code)(BSIC)を有する。典型的なGSM通信ネットワークでは、同期前情報には、周波数補正チャネル(Frequency Correction Channel)(FCCH)および同期チャネル(Synchronization Channel )(SCH)が含まれる。これらは、基地局識別符号(BSIC)が符号化される共通制御チャネル(Common Control Channel)(CCCH)のタイムスロット0および1に対応する。
【0022】
ある実施態様では、以下に説明されるように、移動局が補助基地局をモニタすることが好適な際にネットワークによって送信される隣接セル割当リストには、補助基地局のための情報が含まれる。GSM通信システムでは、割当情報は放送制御チャネル(Broadcast Control Channel )割当リスト(別名、ビーエー−リスト(BA-list ))として周知である。
【0023】
ある補助基地局からの基地局情報をMSが受信および識別する時、その補助基地局と関連して、また多くの実施においてはその補助基地局を再選択することなく、MSは移動無線通信装置設定情報によって設定される。移動無線通信装置設定情報は、設定情報または設定命令とも称する。幾つかの実施態様では、補助基地局の独自のアイデンティティは設定情報と関連している。MSが補助基地局に接続保留すること、または補助基地局を再選択することは一般に不必要であり、好適な実施態様では望ましくないことから、MSは通常、異なる基地局に接続保留している、または接続保留されている間に、補助基地局に関する設定情報によって再設定される。
【0024】
MSが受信範囲内にあり、設定情報と関連する補助基地局によって発信されるネットワーク放送情報をモニタしている条件では、設定情報と関連する補助基地局が隣接セルリスト上にある時に、MSは再設定される。設定情報を指定する補助基地局が隣接セルリストから除去された時、またはMSが補助基地局の発信範囲を越えて移動した時、例えば、MSが補助基地局をモニタするには補助基地局信号強度が低すぎる時に、MSは再設定される。
【0025】
好適には補助基地局は高価でなく、寸法的に小さい。多くの用途では補助基地局は比較的低い出力を有し、受信可能範囲は制限されているが、他の実施態様では、広範なエリアに渡り発信するための高い出力を有してもよい。幾つかの実施態様では、以下で更に説明されるように、例えばネットワークから、またはユーザまたは第三者によって、補助基地局発信出力は調節可能である。幾つかの実施態様では、例えばネットワークから、またはユーザまたは第三者によって、補助基地局はまた出力の入切を行われ得るが、他の実施態様では補助基地局は常に発信している。
【0026】
隣接セル割当リスト上の補助基地局の編入は、上述のように、補助基地局によって発信されるネットワーク放送情報をMSがモニタすることを促す。従って少なくとも幾つかの実施では、遠隔出力レベル制御または入切制御用に何か他の受信機が配置され得るが、補助基地局はネットワーク受信機を必要としない。
【0027】
補助基地局の指定された範囲内で、建物所有者が任意のMSの設定を制御することを可能にするために、補助基地局は建物および他のエリアに配置され得る。好適には、補助基地局によって発信されるネットワーク放送周波数は、通信ネットワーク操作者によって認可され、割当てられる。以下で更に説明されるように、MS操作を制御することが好適な場所であること次第で、顧客の命令に従って、好適には補助基地局はセルラー操作者によって組込および操作される。従って、補助基地局放送周波数を操作する権利を法律上誰が有するかについて、大抵の国の場合には問題にならない。
【0028】
幾つかの実施態様では、独自の補助基地局アイデンティティ情報に関するMS設定情報はMS上に記憶される。この情報は、サービスプロバイダによって提供されるネットワーク等からダウンロードされてもよい。操作中、MSが再設定されるべきか否かを決定するために、MS上に記憶された基地局情報と、モニタされる基地局のアイデンティティとを相互に参照する。従って、MSはモニタされる基地局、例えば補助基地局、のアイデンティティに関連する、MS上に記憶された任意の設定情報に従い設定される。それと関連する設定情報を持つ1より多くの基地局をMSがモニタする実施では、MS上に記憶された優先度情報は、コンフリクトの生じる優先度を有する設定情報を決定するために用いられ得る。
【0029】
別の代替の実施態様では、設定情報または命令は、ネットワークによってMSへ提供される。この実施態様では、MSは少なくとも、MS設定情報と関連しているとして認識されている、モニタされる基地局のアイデンティティをネットワークへ通信し、ネットワークはMSに任意の対応する設定情報を発信する。MSは自身の上に、任意の補助基地局を含む、ネットワークにおいてMS設定情報が関連する基地局アイデンティティのリストを記憶することができ、従ってMSは、設定情報が関連しているそれらの基地局アイデンティティのみを発信することが可能である。この実施態様では、MS設定情報はネットワークから生じ、そのためMS上の各補助基地局の設定情報を記憶する必要は取除かれている。
【0030】
図3に示されるように、典型的なGSM通信ネットワークでは、ステップ310にて、ネットワークはMSへのページング要求を送信する。MSの着信呼では、MSはランダムアクセスチャネル(R andom Access Channel )(RACH)上で送信されるチャネル要
求320で応答する。専用の制御チャネル(第2層)接続330が確立され、MS認証340は、呼のセットアップ350に先立って生じる。
【0031】
GSM通信ネットワークの実装に適する、ある典型的な実施態様では、セットアップメッセージ352中で、MS設定情報がネットワークからMSへ発信される。設定情報をネットワークから要求し得る基地局アイデンティティは、MSチャネル要求を用いて、または呼のセットアップに先立つ何か他の通信の間に、ネットワークへ送信され得る。これに代えて、何か他のメッセージまたは通信を経由して、ネットワークが設定情報を発信してもよい。
【0032】
図3にはまた、呼確認360、割当370、呼出380、接続および肯定応答390、およびデータ交換392を含む、呼のセットアップ後に生じるネットワークとMS間との他の通信も図示されている。
【0033】
図4には、典型的な呼セットアップメッセージの8ビット部分400が図示されているが、特定のMS設定用にビットを指定することによって、このメッセージが符号化されてもよい。テーブル410には、異なるビットの組合せで設定され得る幾つかのMS呼出モードが図示されており、このビットの組合せは、対応する呼出パターンの命令としてMSによって認識される。これより多いまたは少ないビットを用いる他の方式もまた実施され得る。他の実施態様では、ビットは呼出モード以外の設定にも対応し得る。典型的な実施態様によると、セットアップメッセージ中の符号化された設定情報を解釈または復号化するため、および符号化された設定をMS上で実施するためのソフトウェアをMSは含む。
【0034】
ある実施態様では、ユーザアクセス可能なMS設定制御サーバは、例えばユーザアクセス可能なウェブサイト経由で、指定されたエリアのMSの活動を通じてMS設定制御を確立することを、ユーザまたはMS設定制御加入者に可能にさせるための、基地局サブシステムに接続されている。例えば、博物館管理者、司書、劇場管理者、教会職員、病院管理者、航空会社職員等のユーザは、1以上の補助基地局の発信範囲内である局所エリアにおいて、MSの操作を制御することを所望している。図1の典型的なGSM通信ネットワークの実装においては、例えば、エーシー(AC)エイチティティピー(HTTP)サーバ140および制御サポートゲートウェイ(CSG)142は、MSC/VLR114および制御センター(CC)150によって、BSS110に接続されている。一般にユーザは、インターネットまたは何か他のネットワークを通じて、またはダイヤルアップアクセスによってサーバ140にアクセスする。
【0035】
図5には、例えば、氏名、住所、パスコードなどを含む、ユーザ認証用の複数のフィールド510を有する、典型的な呼出制御ウェブサイト500が示される。データフィールド520は、呼出機能が制御される日付、またはその間の一連の日付をユーザが指定することを可能にし、フィールド530は、例えば、午後7時と10時との間の劇場公演予定の間等、対応する時間をユーザが指定することを可能にする。例えば、病院、および常にMSを使用不能にすることが好適である他の環境等では、ユーザインターフェースは異なっていてもよい。これに代えて、この情報はネットワーク操作者に手動で提供されてもよい。より長い期間を通じて予定されてもよい。
【0036】
ある実施態様ではネットワークは、例えばユーザによって指定された制御時間の間に、隣接セル割当リスト上に自身の独自のアイデンティティを編入することによって、補助基地局を使用可能にし、その時間の間、移動局は補助基地局をモニタするように命令する。図1では、ACHTTPサーバによってユーザ102から受信された情報は、制御システムゲートウェイ(Control System Gateway)(CSG)142経由でMSC/VLR114へ通信される。補助基地局情報が隣接セル情報と対応することを含めるために、MSC/VLR114はBSS110へ制御要求を送達する。
【0037】
幾つかの実施態様では、本サービスのユーザは、MS設定が制御される範囲を選択または制御し得る。複数の補助基地局を使用可能にすることによって、および/または補助基地局の発信出力を変更することによって、この範囲が制御されてもよい。図5では、ユーザインターフェースは範囲選択入力540を有しており、MSの制御される範囲をユーザが指定することを可能にしている。典型的な入力は補助基地局からの半径距離範囲に基づいているが、他の実施態様では、例えば、制御が望まれる建物または部屋または階を識別することによる等、何か他の指示に基づいてもよい。
【0038】
図1では、例えばBSS110等のネットワークによって、または第三者144によって、または建物管理者などのユーザによって直接的に、補助基地局130は制御され得る。ユーザは、建物が出力消費を減少するために閉鎖される期間の間、1以上の基地局による発信を使用不能にすることを所望し得る。他の実施態様では、補助基地局は常に発信し、従って補助基地局がネットワークまたはサーバに接続されている必要はない。補助基地局の発信出力はまた、それらのエンティティのうちの任意の1つによって制御され得る。
【0039】
例えばGPS、三角測量法等、他の位置特定方式では、時々MSを位置特定することが不能である建物内部でMSを位置特定するためにも、補助基地局はまた有益である。詳細には、補助基地局の独自のアイデンティティをMSから受信した時に、ネットワークはMSを位置特定することが可能である。本方式によって、独自のアイデンティティを有する低コストの補助基地局は、例えば1以上の各階から等、職場の建物の随所で位置特定されることができる。
【0040】
本発明およびその最良と思われる態様は、発明者らによる本発明の占有を設定し、かつ当業者らに本発明の実施および利用が可能であるように説明されているが、本明細書で開示された典型的な実施態様には多くの均等が在ること、かつ典型的な実施態様によってではなく付随する特許請求の範囲によって制限されるべき本発明の範囲および精神から逸脱することなく無数の修正および変更がなされ得ることは理解および認識されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動無線通信装置における方法において、
複数の基地局からネットワーク放送チャネル上で基地局情報を受信するステップと、
設定情報に関する基地局を再選択することなく、前記基地局に関する前記設定情報によって前記移動無線通信装置を設定するステップと、
ページング要求を受信することに応じて前記基地局のアイデンティティを発信するステップと、
前記基地局の前記アイデンティティを送信後、前記設定情報を有するセットアップメッセージを受信するステップとを備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
別の基地局に接続保留している間に、前記基地局に関する前記設定情報によって前記移動無線通信装置を設定するステップを備える方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
隣接セル割当情報を受信するステップと、
前記設定情報に関する前記基地局が前記隣接セル割当情報の一部である場合にのみ、前記設定情報に関する前記基地局に関する前記設定情報によって、前記移動無線通信装置を設定するステップとを備える方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、前記設定情報に関する前記基地局がもはや前記隣接セル割当情報の一部でない時に、前記移動無線通信装置を再設定するステップを備える方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記基地局のうちの少なくとも1つは補助基地局であることと、
隣接セル割当情報を受信するステップと、
前記補助基地局のアイデンティティを決定するステップと、
前記補助基地局の前記アイデンティティが前記隣接セル割当情報の一部である場合にのみ、前記補助基地局に関する設定情報によって、前記移動無線通信装置を設定するステップとを備える方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記移動無線通信装置上に記憶される、前記基地局のアイデンティティに関する設定情報によって、前記移動無線通信装置を設定するステップを備える方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記移動無線通信装置の呼出モードを設定することによって前記移動無線通信装置を設定するステップを備える方法。
【請求項8】
移動無線通信装置における方法であって、
隣接セル割当情報を受信するステップと、
前記隣接セル割当情報の一部として識別される基地局に関する設定情報に関する基地局が前記隣接セル割当情報の一部として識別されるときにのみ、同設定情報に関する基地局を再選択することなく、同設定情報によって前記移動無線通信装置を設定するステップとを備える方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、前記設定情報に関する前記基地局がもはや前記隣接セル割当情報の一部でない時に、前記移動無線通信装置を再設定するステップを備える方法。
【請求項10】
移動無線通信装置における方法であって、
隣接する基地局を識別する隣接セル割当情報を受信するステップと、
設定情報に関する識別された基地局を再選択することなく、識別された基地局に関する設定情報によって前記移動無線通信装置を設定するステップとを備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−260985(P2009−260985A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149499(P2009−149499)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【分割の表示】特願2004−510143(P2004−510143)の分割
【原出願日】平成15年4月17日(2003.4.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】