説明

無線通信システムおよび無線通信方法

【課題】移動体が基地局の見通し線の内側に復帰した場合に、速やかに通信を開始できるとともに、装置の小型化および低コスト化を図ること。
【解決手段】地上に設置された基地局3と、機体300に搭載された移動局2との間のデータ通信を実現させる無線通信方法であって、移動局2は、自己の位置情報を取得して、取得した該位置情報を、周回衛星群200を介して基地局3へ送信するとともに、予め登録されている基地局3の位置情報に基づいて基地局3との間でデータを送受信するための指向性アンテナ16の指向制御を行い、基地局3は、移動局2から送信された移動局2の位置情報を、周回衛星群200を介して受信し、受信した移動局2の位置情報に基づいて、移動局2との間でデータの送受信を行うための指向性アンテナ26の指向制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機等の移動体と基地局との無線通信に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、航空機等のように上空を高速で移動するような移動体に搭載された移動局と、地上に設置された基地局との間において、大容量のデータを伝送する場合、利得を確保するために指向性アンテナが一般的に用いられている。指向性アンテナでは、アンテナのビーム方向を常に目標に追従してアンテナの回転角および仰角を制御する自動追尾を行う必要がある。この場合、移動局におけるアンテナ追尾は、位置が既知である基地局に向けて常に指向させれば良いため容易に行えるが、基地局におけるアンテナ追尾は移動局が絶えず移動しているためリアルタイムで位置情報を得る必要がある。
そこで、例えば、特許文献1には、移動体にGPS(全地球測位システム)衛星による側距システムを搭載し、このシステムにより自己の位置情報を得、この位置情報を基地局へ送信する手法が提案されている。
【0003】
しかしながら、上述の手法では、移動体が基地局の見通し線(見通し線とは、移動体と基地局間においてデータ通信が直接的に可能である領域の境界をいい、例えば、LOS:Line Of Sightと呼ばれる。)の内側を飛行している場合には、基地局と移動局間との通信が可能であるため、基地局では移動局から受信した位置情報に基づいてアンテナ追尾を実施することが可能となる。しかしながら、見通し線を外れて移動体が飛行している場合には、基地局と移動局間でのデータ通信が遮断されてしまうため、移動局の位置情報が取得できず、アンテナ追尾が不可能となるという問題があった。これにより、移動体が見通し線を外れて飛行してしまった場合には、通信回線の再接続が不可能となり、データ通信に大きな支障をもたらすこととなる。
【0004】
そこで、近年、移動体が基地局の見通し線を外れて飛行している期間においては、今までの移動体の位置履歴データに基づいて移動体の位置を推定し、この推定位置に基づいてアンテナ追尾を実施するという技術が提案されている(特許文献2参照)。この特許文献2に開示されている技術によれば、移動体が基地局の見通し線の外を飛行している場合でも、移動体の大体の位置を把握することができるので、上述のように、移動体の位置を見失い、通信の再開が不可能となるという事象を回避することができる。
更に、特許文献2に開示されている発明では、移動体が基地局の見通し線の外側を長時間にわたって飛行している場合、位置の累積誤差が大きくなり、精度の高いアンテナ追尾を行うことが困難となることから、このような場合に備えて、移動体との通信回線が遮断された場合には、基地局においてアンテナを常時上下左右に小刻みに振り、受信電力の強い方向を計測しながら追尾を行うという移動体の捜索制御を実施している。
【特許文献1】特開平5−215835号公報
【特許文献2】特許第3142503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献2に開示されている発明では、上記捜索制御を実施するためのシステムを搭載する必要があることから、装置が大型化するとともに、コストが高いという問題があった。更に、基地局の見通し線の外側から内側に移動体が復帰した場合には、常に、移動体の捜索制御を行った後に、回線接続のための処理を開始するため、移動局と基地局との間でデータ通信を再開するまでに時間がかかるという問題があった。
【0006】
また、上述した特許文献1や特許文献2に開示されている通信手法のほか、静止衛星を介して移動局と基地局との間でのデータ通信を行うことも考えられる。しかしながら、静止衛星を使用したデータ通信では、伝送資源が乏しいことから、データ容量を増加させることは困難を極める。また、アンテナを大型化することにより、データ容量を増加させることも可能ではあるが、飛行機やヘリコプターなどのように、空気抵抗の影響が重視される移動体においては、アンテナの大きさに制限があり、機体への搭載は難しいという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、移動体が基地局の見通し線の内側に復帰した場合に、速やかに通信を開始できるとともに、装置の小型化および低コスト化を図ることのできる無線通信システムおよび無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、機体に搭載されるとともに、地上に設置された基地局との間でデータ通信を行う移動局であって、自己の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段により取得した位置情報を、周回衛星を介して前記基地局へ送信する第1のアンテナと、前記基地局との間でデータの送受信を行うための第2のアンテナと、
予め設置位置が登録されている前記基地局に向けて、前記第2のアンテナを指向させる移動局用のアンテナ指向手段とを具備する移動局を提供する。
【0009】
このような構成によれば、位置情報取得手段により取得された移動局の経度、緯度、高度等の位置情報は、第1のアンテナから地上に設けられている基地局宛に送信される。この位置情報は、地球の略全域を通信領域としてカバーしている周回衛星を介して基地局へ送られる。この周回衛星は、地球の自転にかかわらず地球の周りを絶えず回っている衛星であり、地球の回りに複数存在している。これら周回衛星においては、互いにデータを送受可能なデータリンク網が構築されている。従って、この周回衛星間のデータリンク網を介することにより、移動局は、上述のLOSを考慮することなく、地球上のどこにいても、基地局に対して位置情報を送信することが可能となる。これにより、基地局は、周回衛星を介して定期的に移動局の位置情報を取得することが可能となるので、移動局から通知された精度の高い位置情報に基づいて大容量のデータ通信用のアンテナを移動局に指向させることが可能となる。
上記位置情報取得手段は、例えば、GPS衛星から情報を取得し、自己の経度、緯度を検出するGPS装置および自己の高度を検出する高度検出手段を備えている。
【0010】
本発明は、機体に搭載された移動局との間でデータ通信を行う基地局であって、前記移動局から送信された前記移動局の位置情報を、周回衛星を介して受信する第3のアンテナと、前記移動局との間でデータの送受信を行うための第4のアンテナと、前記第3のアンテナによって受信された前記移動局の位置情報に基づいて、前記第4のアンテナを前記移動局に指向させる基地局用のアンテナ指向手段とを具備する基地局を提供する。
【0011】
このような構成によれば、周回衛星を介して情報を送受するための第3のアンテナにより、移動局から送られてきた移動局の位置情報が周回衛星を介して受信され、この位置情報がアンテナ指向手段へ転送される。基地局用のアンテナ指向手段は、移動局の位置情報を取得すると、この位置情報に基づいて、移動局とのデータ通信を行うための第4のアンテナを移動局に対して指向させる。このように、本発明によれば、移動体の実際の位置情報を定期的に取得することが可能となるので、第4のアンテナを高い精度で、常に指向させることが可能となる。
【0012】
本発明は、地上に設置された基地局と、機体に搭載された移動局とを備え、前記基地局と前記移動局との間のデータ通信を実現させる無線通信システムであって、前記移動局は、自己の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段により取得した位置情報を、周回衛星を介して前記基地局へ送信する第1のアンテナと、前記基地局との間でデータの送受信を行うための第2のアンテナと、予め設置位置が登録されている前記基地局に向けて、前記第2のアンテナを指向させる移動局用のアンテナ指向手段とを有し、前記基地局は、前記移動局から送信された前記移動局の位置情報を、周回衛星を介して受信する第3のアンテナと、前記移動局との間でデータの送受信を行うための第4のアンテナと、前記第3のアンテナによって受信された前記移動局の位置情報に基づいて、前記第4のアンテナを前記移動局に指向させる基地局用のアンテナ指向手段とを有する無線通信システムを提供する。
【0013】
本発明は、地上に設置された基地局と、機体に搭載された移動局との間のデータ通信を実現させる無線通信方法であって、前記移動局は、自己の位置情報を取得して、取得した該位置情報を、周回衛星を介して前記基地局へ送信するとともに、予め登録されている前記基地局の位置情報に基づいて前記基地局との間でデータを送受信するための第2のアンテナの指向制御を行い、基地局は、前記移動局から送信された前記移動局の位置情報を、周回衛星を介して受信し、受信した前記移動局の位置情報に基づいて、前記移動局との間でデータの送受信を行うための第4のアンテナの指向制御を行う無線通信方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、移動体が見通し線の外部から内部に復帰した場合に、速やかに通信を開始できるとともに、装置の小型化および低コスト化を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明に係る無線通信システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る無線通信システムの概略構成を示したブロック図である。
図1に示すように、無線通信システム1は、ヘリコプター、飛行機等の機体300に搭載された移動局2と、地上に設置された基地局3とを備えている。
移動局2は、自己の位置情報を取得する位置情報取得部4、周回衛星群200との間でデータ通信を実現させるための周回衛星用通信部5、基地局3との間で大容量のデータ通信を行うための基地局用通信部6、および上記各部から取得したデータを処理する信号処理部7を備えている。
【0016】
位置情報取得部4は、例えば、GPS衛星群100からの信号を受信し、自己の経度、緯度、および高度情報を検出するGPS測位装置である。GPS測位装置は、例えば、GPS衛星群100との間で情報を送受信するためのGPSアンテナ10、GPSアンテナ10を介してGPS衛星群100からのデータを受信するGPS受信装置11、GPS受信装置11にて受信された情報に基づいて自己の経度、緯度、高度等の位置情報を検出し、検出した位置情報を信号処理部7に転送する慣性基準装置12を備えている。
【0017】
信号処理部7は、位置情報取得部4にて取得された位置情報に各種信号処理を施すことにより、周回衛星用通信部5に好適なデータ構成し、このデータを周回衛星用通信部5へ出力する他、周回衛星用通信部5にて受信されたデータを入力情報として受け付け、このデータに所定の処理を施して図示しない機体の制御部等へ出力する。更に、信号処理部7は、基地局用通信部6を介して送信するデータを作成して基地局用通信部6に出力するとともに、基地局用通信部6により受信されたデータを解析し、処理後のデータを機体300の制御部等へ出力する。
【0018】
周回衛星用通信部5は、例えば、周回衛星送受信部13、および周回衛星用アンテナ(第1のアンテナ)14を備えている。周回衛星送受信部13は、信号処理部7から転送された送信データに対して符号化等の各種信号処理を施して周回衛星用アンテナ14に出力するとともに、周回衛星用アンテナ14を介して受信された信号に復号化等の各種信号処理を施して、信号処理部7へ出力する。
【0019】
基地局用通信部6は、例えば、送受信部15および指向性アンテナ(第2のアンテナ)16を備えている。指向性アンテナ16は、例えば、パラボラアンテナであり、回旋台17によりその回転角および仰角が所望の角度に調節される構造となっている。また、基地局用通信部6は、予め登録されている基地局3の位置情報に基づいて、指向性アンテナ16のビームが常に基地局3を向くように回旋台17を制御する指向制御装置(移動局用のアンテナ指向手段)18を備えている。
【0020】
基地局3は、周回衛星群200との間でデータ通信を実現させるための周回衛星用通信部20、移動局2との間で大容量のデータ通信を行うための移動局用通信部21、および上記各部から取得したデータを処理する信号処理部22を備えている。
周回衛星用通信部20は、例えば、周回衛星送受信部23、および周回衛星用アンテナ(第3のアンテナ)24を備えている。周回衛星送受信部23は、周回衛星用アンテナ24を介して受信された位置情報に復号化等の各種信号処理を施して、信号処理部22へ出力するとともに、信号処理部22から転送された送信データに対して符号化等の各種信号処理を施して周回衛星用アンテナ24に出力する。
信号処理部22は、周回衛星用通信部20にて受信されたデータを入力情報として受け付け、このデータに所定の処理を施して後述の指向制御装置(基地局用のアンテナ指向手段)28に出力する。更に、信号処理部22は、移動局用通信部21を介して送信するデータを作成して移動局用通信部21に出力するとともに、移動局用通信部21により受信されたデータを解析し、処理後のデータを基地局内の制御部等へ出力する。
【0021】
移動局用通信部21は、例えば、送受信部25および指向性アンテナ(第4のアンテナ)26を備えている。指向性アンテナ26は、例えば、パラボラアンテナであり、回旋台27によりその回転角および仰角が所望の角度に調節される構造となっている。また、移動局用通信部21は、周回衛星用通信部20にて受信された移動局の位置情報に基づいて、指向性アンテナ26のビームが常に移動局2を向くように回旋台27を制御する指向制御装置28を備えている。指向制御装置28は、例えば、周回衛星通信部20により受信された移動局2の位置情報に基づいて、指向性アンテナ26を移動局2に指向させるべく、その回転角および仰角を演算し、この演算結果に基づいて回旋台27を調節することにより指向性アンテナ26を移動局2に指向させる。
【0022】
次に、上述したような構成を備える無線通信システム1における作用を説明する。
まずは、機体300が基地局3の見通し線内を飛行しており、移動局2と基地局3とで指向性アンテナ17,26を介した回線が確立されている場合において図2を参照して説明する。
【0023】
まず、移動局2で基地局3に送信するデータが発生した場合、このデータは移動局2内の信号処理部7にて各種信号処理が施され、データ通信に好適なデータ形式に変更された後、送受信部15へ転送される。送受信部15は、信号処理部7から受け付けた送信データを指向性アンテナ16を介して基地局3に送信する(ステップSA1)。この送信データは、既に確立されている通信回線を介して、基地局3の指向性アンテナ26にて受信されて送受信部25に転送される。送受信部25は、受信した信号を復号等し、処理後の信号を信号処理部22に出力する。これにより、移動局2からのデータが解析され、図示しない基地局3内の制御部へ出力される。
【0024】
一方、上述したデータの送信処理等が行われている間、移動局2の位置情報取得部4では、一定周期でGPS衛星群100からの信号を受信し、慣性基準装置12がこの信号に基づいて、自己の経度、緯度、高度を検出し、この位置情報を信号処理部7に出力する。この位置情報は、信号処理部7により各種信号処理が施され、周回衛星用送受信部13、周回衛星用アンテナ14を介して周回衛星群200に送信される。周回衛星群200に送信された位置情報は、周回衛星群200内において構築されているネットワークを経由して、基地局3が備える周回衛星用アンテナ24にて受信され(ステップSA2)、周回衛星送受信部23に転送される。周回衛星送受信部23では、受信した信号に各種処理を実施し、信号処理部22へ転送する。信号処理部22では、位置情報を指向制御装置28に出力する。指向制御装置28では、位置情報に基づいて、移動局2の移動情報等を算出し、この算出結果に基づいて旋回台27の回転角および仰角を制御する(ステップSA3)。これにより、指向性アンテナ26のビーム方向を常に移動体2に自動追尾させることが可能となる(ステップSA4)。
なお、移動局2では、自己の位置情報と予め登録されている基地局3との関係に基づいて指向制御装置18が回旋台17を制御することにより、指向性アンテナ16のビーム方向を常に基地局2に自動追尾させることが可能となる。
また、この状態において、基地局3にて送信データが発生した場合には、この送信データが指向性アンテナ26を介して移動局2へ向けて送信される。これにより、送信データは、移動局2における指向性アンテナ16にて受信され、送受信部15、信号処理部7において同様の処理を経て、機体300内の制御部に出力されることとなる(ステップSA5)。
【0025】
以上説明したように、移動局2および基地局3において、指向性アンテナ16,26を常に互いに指向させることが可能となるので、機体300が基地局3の見通し線の内側を移動している期間においては、双方向で大容量データの通信を好適な環境で実現させることが可能となる。
【0026】
次に、機体300が基地局3の見通し線の外側を飛行しているために、指向性アンテナ16,26間での通信回線が遮断されている場合について図3を参照して説明する。
この場合、指向性アンテナ16,26を介した双方向の大容量データ通信が不可能となる。この間でも、上述と同様に、移動局2からは定期的に位置情報が検出され(ステップSB1)、この位置情報が周回衛星群200を介して基地局3へ送信されることとなる(ステップSB2)。基地局3では、移動局2から定期的に送信されてくる移動局2の位置情報に基づいて機体300の移動量等を算出し、この算出結果に基づいて指向制御装置28が旋回台27を制御することにより(ステップSB3)、指向性アンテナ26のビーム方向を常に移動局2へ指向させる(ステップSB4)。
続いて、基地局3の見通し線の外側を飛行していた機体300が飛行軌道を変えることにより、再び見通し線の内側に復帰すると、基地局3の送受信部25は、指向性アンテナ26を介した通信回線の再接続処理を開始する(ステップSB5)。これにより、基地局3と移動局2間のデータ通信回線が接続されると、指向性アンテナ16、26を介した双方向の大容量データの通信が実現される(ステップSB6,SB7)。
【0027】
以上説明してきたように、本実施形態に係る無線通信システム1によれば、機体300が基地局2の見通し線の外側を飛行している場合でも、基地局3は、機体300の正確な位置情報を周回衛星群200を介して取得することができるので、指向性アンテナ26を常に機体300に搭載された移動局2に対して指向させることが可能となる。
これにより、機体300が基地局3の見通し線の外側から内側に復帰した場合には、従来のように、機体300の捜索処理を行う必要がなくなるため、速やかにデータ通信回線の再接続を行い、データ通信を再開させることが可能となるとともに、機体捜索を行うための機構が不要となるので、装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
【0028】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線通信システムの全体概略構成を模式的に示したブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る無線通信システムにおいて、機体が基地局の見通し線内を飛行している場合における通信の手順の一例を示したフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係る無線通信システムにおいて、機体が基地局の見通し線外を飛行している場合、および、機体が基地局の見通し線外から見通し線内に復帰した場合における通信の手順の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0030】
1 無線通信システム
2 移動局
3 基地局
4 位置情報取得部
5 周回衛星用通信部
6 基地局用通信部
7 信号処理部
14,24 周回衛星用アンテナ
16,26 指向性アンテナ
18,28 指向制御装置
17,27 回旋台
20 周回衛星用通信部
21 移動局用通信部
22 信号処理部
100 GPS衛星群
200 周回衛星群
300 機体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体に搭載されるとともに、地上に設置された基地局との間でデータ通信を行う移動局であって、
自己の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段により取得した位置情報を、周回衛星を介して前記基地局へ送信する第1のアンテナと、
前記基地局との間でデータの送受信を行うための第2のアンテナと、
予め設置位置が登録されている前記基地局に向けて、前記第2のアンテナを指向させる移動局用のアンテナ指向手段と
を具備する移動局。
【請求項2】
機体に搭載された移動局との間でデータ通信を行う基地局であって、
前記移動局から送信された前記移動局の位置情報を、周回衛星を介して受信する第3のアンテナと、
前記移動局との間でデータの送受信を行うための第4のアンテナと、
前記第3のアンテナによって受信された前記移動局の位置情報に基づいて、前記第4のアンテナを前記移動局に指向させる基地局用のアンテナ指向手段と
を具備する基地局。
【請求項3】
地上に設置された基地局と、機体に搭載された移動局とを備え、前記基地局と前記移動局との間のデータ通信を実現させる無線通信システムであって、
前記移動局は、
自己の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段により取得した位置情報を、周回衛星を介して前記基地局へ送信する第1のアンテナと、
前記基地局との間でデータの送受信を行うための第2のアンテナと、
予め設置位置が登録されている前記基地局に向けて、前記第2のアンテナを指向させる移動局用のアンテナ指向手段と
を有し、
前記基地局は、
前記移動局から送信された前記移動局の位置情報を、周回衛星を介して受信する第3のアンテナと、
前記移動局との間でデータの送受信を行うための第4のアンテナと、
前記第3のアンテナによって受信された前記移動局の位置情報に基づいて、前記第4のアンテナを前記移動局に指向させる基地局用のアンテナ指向手段と
を有する無線通信システム。
【請求項4】
地上に設置された基地局と、機体に搭載された移動局との間のデータ通信を実現させる無線通信方法であって、
前記移動局は、自己の位置情報を取得して、取得した該位置情報を、周回衛星を介して前記基地局へ送信するとともに、予め登録されている前記基地局の位置情報に基づいて前記基地局との間でデータを送受信するための第2のアンテナの指向制御を行い、
基地局は、前記移動局から送信された前記移動局の位置情報を、周回衛星を介して受信し、受信した前記移動局の位置情報に基づいて、前記移動局との間でデータの送受信を行うための第4のアンテナの指向制御を行う無線通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−281651(P2007−281651A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−102830(P2006−102830)
【出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】