説明

無線通信システムでのアップリンク・スケジューリング・モードの管理

無線通信システムにおけるアップリンクでのスケジューリング・モード間の信頼性遷移方法に関する。スケジューリング・モード間の遷移は、可能な限りは、無線通信装置と基地局との間のシグナリングを用いて行われ、大半の場合には遅延の少ない遷移を提供する。有利なことに、無線通信装置とネットワーク制御要素との間での直接的なシグナリングが用いられ得る。さらに、この方法では、無線通信装置に用いられている現在のスケジューリング・モードに全ての基地局が対応することを保証するようにネットワーク制御要素が機能し得るので、無線通信装置がソフトハンドオフ状況で複数の基地局と通信する場合にも効率的に動作し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムでのアップリンク送信のスケジューリングに関する。特に、本発明は、無線通信システムでのアップリンク送信スケジューリング・モード間の遷移の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に、従来技術による従来のセルラ通信システムの原理を示す。地理的領域が複数のセル1、3、5、7に区分され、各セルは基地局9、11、13、15によってサービス提供される。基地局は、上位レイヤから受信したデータを基地局9、11、13、15に通信する固定ネットワークにより相互接続される。移動局は、その移動局が位置するセルの基地局により無線通信リンクを介してサービス提供される。図1の例では、移動局17は無線リンク19を介して基地局9によりサービス提供され、移動局21は無線リンク23を介して基地局11によりサービス提供され、以下同様である。
【0003】
移動局は、移動するにつれて、一定の基地局のカバレージから別の基地局のカバレージに、すなわち1つのセルから別のセルに移動し得る。例えば、移動局25は、最初は無線リンク27を介して基地局13によりサービス提供される。移動局25は、基地局15に向かって移動するにつれて、2つの基地局13,15のカバレージが重複する領域に入り、この重複領域内では無線リンク29を介して基地局15によりサポートされる。移動局25は、セル7の中にさらに移動するにつれて、基地局15により引き続きサポートされる。これは、セル間での移動局のハンドオーバ又はハンドオフとして知られている。
【0004】
セルラ通信システムは、通常全国にカバレージを広げ、数千さらには数百万もの移動局をサポートする数百さらには数千ものセルを含む。移動局から基地局への通信はアップリンクとして知られ、基地局から移動局への通信はダウンリンクとして知られる。
【0005】
基地局同士を相互接続する固定ネットワークは、データを任意の2つの基地局間でルーティングするように動作可能であり、それによってセル内の移動局が他の任意のセル内の移動局と通信可能とする。これに加えて、固定ネットワークは、公衆交換電話網(PSTN)等の外部ネットワークに相互接続するゲートウェイ機能も含み、それによって移動局が陸線電話及び陸線により接続された他の通信端末と通信可能とする。さらに、固定ネットワークは、データ・ルーティング機能、アドミッション制御機能、資源割り振り機能、加入者課金機能、移動局認証機能等を含め、従来のセルラ通信ネットワークを管理するために必要な機能の多くを含む。
【0006】
現在、最も遍在的な(ubiquitous)セルラ通信システムは、移動体通信用グローバルシステム(GSM)として知られている第2世代通信システムである。GSMは、周波数搬送波を8つの離散したタイムスロットに分割することによってユーザの分離を実現し、タイムスロットを個々にユーザに対して割り振ることが可能な、時分割多元アクセス(TDMA)として知られる技術を利用する。GSMのTDMA通信システムについてのさらなる説明は、非特許文献1に見出すことが可能である。
【0007】
現在、移動体ユーザに提供される通信サービスをさらに向上させるために、第3世代システムが開始されつつある。最も広く採用されている第3世代通信システムは、異なる拡散コード及びスクランブルコードを同じ搬送波周波数上の異なるユーザに割り振ることによってユーザの分離を実現する、符号分割多元アクセス(CDMA)に基づいている。送信は、割り振られたコードを使用して乗算することにより拡散され、それによって信号を広帯域幅にわたって拡散させる。受信器において、コードを使用して受信信号を逆拡散し、それによって元の信号を再現する。各基地局はパイロット信号及びブロードキャスト信号専用のコードを有する。この原理を利用した通信システムの一例は、ユニバーサルモバイル通信システム(UMTS)であり、これは現在配備されつつある。CDMAについて、特にUMTSの広帯域CDMA(WCDMA)モードについてのさらなる説明は、非特許文献2に見出すことが可能である。
【0008】
UMTS等のCDMAシステムの1つの特徴は、移動局(UMTS用語ではユーザ機器(UE)と呼ばれる)が、上述のように1つのセルから別のセルに移動しているときだけでなく、一定の時間にわたって複数の基地局(UMTS用語ではノードBと呼ばれる)と同時にシグナリング状態及びデータ・コンタクト状態になることが可能なことである。この状況はソフトハンドオーバ又はソフトハンドオフと呼ばれる。UEは、関連するノードBのリスト、すなわちアクティブセットのコンタクト状態の基地局のリストを保持する。したがって、ソフトハンドオーバ中では、UEはアクティブセットに2つ以上のノードBを有する。
【0009】
一般に、無線通信システムでのアップリンク送信は「自律スケジューリング」モードを使用してスケジューリングされるため、UEは、送信バッファにデータが存在するときはいつでも送信し得て、全てのUEが同時に送信することが可能である。通常、UEが使用可能なデータレート及びパワーはノードBにより制御される。データレート及びパワーは、ノードBにより複数の方法で、例えば、モトローラ(Motorola)によって同時係属中の出願(モトローラ整理番号CS22879RL)において説明されているように、ノードBにより課されるトランスポート・フォーマット・コンビネーション・セット(Transport Format Combination Set)の制限により、又はセルを通じたパーシステンス(Persistence)・パラメータのブロードキャストの使用により制御することが可能である。
【0010】
エンハンスト・アップリンク専用トランスポート・チャネルがUMTSでは提案されている。エンハンスト・アップリンクにおいて提案されている特徴は、ノードB制御のアップリンクのスケジューリングであり、それによってノードBは、干渉を許容可能なレベルに保ちながらアップリンクのスループットを最大にするようにしてアップリンク送信のタイミング及びパワーを制御する。詳細には、ノードBは、例えばアップリンク・チャネル状況、送信待ちデータ量、及びUEの利用可能な送信パワーを考慮して、UEのアップリンク送信をスケジューリングし得る。この種のスケジューリングは明示的ノードBスケジューリングと呼ばれ、これによりレイヤ1(L1)シグナリング、すなわちUEとノードBとの間のシグナリングがアップリンク及びダウンリンクの両方に使用されて、UE固有の時間間隔及びその送信のための最大の送信パワーが認められる。
【0011】
明示的スケジューリングは、自律スケジューリングよりも高次の制御権をノードBに提供し、それによってノードBが、セル間干渉及びセル内干渉の最小化、ひいてはアップリンク容量の最大化をよりよく行えるようにする。しかし、この利点は、自律スケジューリングと比較して明示的スケジューリングの場合には、L1アップリンク及びダウンリンクのシグナリングの要求が増大するという犠牲を払って提供される。したがって、UEが送信データを小量しか有していない場合には、明示的スケジューリングはL1シグナリングのオーバヘッドの増加を鑑みてアップリンク性能の最終的な向上をもたらさないため、自律スケジューリングを使用することが好ましい。
【0012】
これまでに、提案されているエンハンスト・アップリンク専用トランスポート・チャネルにおいて、自律モード及び明示モードの両方を使用することが示唆されているが、自律モードと明示モードとの間の遷移がユーザのソフトハンドオフの状態のみに基づいて行われている。したがって、ソフトハンドオフ中(すなわち、複数のノードBと通信中である)のUEは自律スケジューリングを使用し、一方ソフトハンドオフ中ではない(すなわち、単一のノードBのみと通信中である)UEは明示的スケジューリングを使用する。
【0013】
しかし、この提案には多くの欠点が存在する。特に、ソフトハンドオフ中の高データレートのユーザが自律スケジューリングを使用することになり、これは効率的ではなく、ソフトハンドオフ中ではない低データレートのユーザが明示モードを使用することになり、これはシグナリングのオーバヘッドを鑑みて効率的ではない。さらに、明示モードから自律モードへ、またその逆に自律モードから明示モードへの変更を、どのようにして信頼性に行うかについての詳細は提案されていない。
【0014】
さらに、UEが一定のレートしきい値までは自律的に送信し得て、レートしきい値を超える場合にはノードBにレートを要求し、ノードBによるそのレートで明示的にスケジューリングされる必要があることが提案されている。ここでも、自律モードと明示的スケジューリング・モードとの間の遷移をどのように切り替えるかについて言及されていない。
【0015】
別の提案は、自律スケジューリング及び明示的スケジューリングが同時に動作し得るというものである。UEのデータバッファ占有度及び利用可能なパワーが充分に高い場合、UEは要求を行い、ノードBは1度に1フレーム/サブフレームの明示的動作を認める。この手法の主要且つ重大な欠点は、いつUEがスケジューリングされる必要があるかをノードBが判定する能力を奪うことである。この柔軟性は、例えば、有意な性能の利点をもたらす、アップリンク・チャネル状況が良好である場合にノードBによるUEのスケジューリングを可能とする(すなわち、「アップフェード(upfade)」スケジューリングを行う)ために望ましい。
【非特許文献1】ミシェル・ムリー(Michel Mouly)及びマリー・ベルナデット・ポテ(Marie Bernadette Pautet)、「The GSM System for Mobile Communications」、ベイ・フォーリン・ランゲージ・ブックス(Bay Foreign Language Books)、1992年、ISBN:2950719007
【非特許文献2】ハリ・ホルマ(Harri Holma)、アンッティ・トスカーラ(Antti Toskala)、「WCDMA for UMTS」、ウィリー・アンド・サンズ(Wiley&Sons)、2001年、ISBN:0471486876
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、非ソフトハンドオーバ状況及びソフトハンドオーバ状況の両方に対して、自律スケジューリング・モードと明示的スケジューリング・モードとの間で遷移する方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、従来技術に生じる問題を可能な限り最小とする、又は軽減するものである。
本発明の一態様では、無線通信装置がアップリンク送信をスケジューリングする第1モードと、基地局がアップリンク送信をスケジューリングする第2モードとに動作可能な無線通信装置の動作方法において、無線通信装置が第1モードで動作している時、第2モードでの動作は必要であるか否かを判定する工程と、第2モードでの動作が必要である時、アップリンク送信のスケジューリングの要求をサービス提供中の1つ以上の基地局に対して送信する工程と、スケジューリング・メッセージが基地局から受信された時、第2モードに入る工程とからなる方法が提供される。
【0018】
本発明の第2の態様では、無線通信装置がアップリンク送信をスケジューリングする第1モードと、基地局がアップリンク送信をスケジューリングする第2モードとに動作可能な無線通信装置の動作方法において、無線通信装置が第1モードで動作している時、第2モードでの動作は必要であるか否かを判定する工程と、第2モードでの動作が必要である時、アップリンク送信のスケジューリングを要求するメッセージをサービス提供中の1つ以上の基地局に対して送信する工程と、スケジューリング・メッセージが基地局から受信されない時、第2モードの動作を要求するメッセージをネットワーク・コントローラに送信する工程とからなる方法が提供される。
【0019】
本発明の第3の態様では、無線通信装置がアップリンク送信をスケジューリングする第1モードと、基地局がアップリンク送信をスケジューリングする第2モードとに動作可能な無線通信装置の動作方法において、無線通信装置が第2モードで動作している時、第1モードでの動作は必要であるか否かを判定する工程と、第1モードでの動作が必要である時、第1モード通知メッセージをサービス提供中の1つ以上の基地局に対して送信する工程と、第1モードに遷移する工程とからなる方法が提供される。
【0020】
本発明の第4の態様では、無線通信装置がアップリンク送信をスケジューリングする第1モードと、基地局がアップリンク送信をスケジューリングする第2モードとに動作可能であり、かつ無線通信装置にサービス提供する基地局の動作方法において、基地局が第1モードで動作している時、第2モードの動作の要求を無線通信装置から受信する工程と、第2モードの動作の要求に応答してアップリンク送信をスケジューリングする工程と、スケジューリングされた時間に、有効なアップリンク送信が無線通信装置から受信された時、第2モードに遷移する工程とからなる方法が提供される。
【0021】
本発明の第5の態様では、無線通信装置がアップリンク送信をスケジューリングする第1モードと、基地局がアップリンク送信をスケジューリングする第2モードとに動作可能であり、かつ無線通信装置にサービス提供する基地局の動作方法において、基地局が第2モードで動作している時、第1モード通知メッセージが無線通信装置から受信されたか否かを判定する工程と、無線通信装置から第1モード通知メッセージを受信すると第1モードの動作に遷移する工程とからなる方法が提供される。
【0022】
本発明の第6の態様では、無線通信装置がアップリンク送信をスケジューリングする第1モードと、基地局がアップリンク送信をスケジューリングする第2モードとに動作可能であり、かつ無線通信装置にサービス提供する基地局の動作方法において、基地局が第2モードで動作している時、第1モードの動作への遷移を基地局に命令するメッセージがネットワーク・コントローラから受信されたか否かを判定する工程と、そのような命令が受信された時、第1モードに遷移する工程とからなる方法が提供される。
【0023】
本発明の第7の態様では、無線通信装置がアップリンク送信をスケジューリングする第1モードと、基地局がアップリンク送信をスケジューリングする第2モードとに動作可能な1つ以上の基地局および1つ以上の無線通信装置を含み、かつ使用時に1つ以上の基地局は1つ以上の無線通信装置に通信サービスを提供する無線通信システムにおける無線ネットワーク・コントローラの動作方法において、第2モードへの遷移を要求するメッセージの第1モードの無線通信装置からの受信を判定する工程と、メッセージの受信に応答して、第2モードへの遷移を無線通信装置に関連する全ての基地局に命令する工程とからなる方法が提供される。
【0024】
本発明の第8の態様では無線通信装置がアップリンク送信をスケジューリングする第1モードと、基地局がアップリンク送信をスケジューリングする第2モードとに動作可能な1つ以上の基地局および1つ以上の無線通信装置を含み、かつ使用時に1つ以上の基地局は1つ以上の無線通信装置に通信サービスを提供する無線通信システムにおける無線ネットワーク・コントローラの動作方法において、無線通信装置が第1モードまたは第2モードへ入ったことを示す同無線通信装置に関連する基地局からのメッセージの受信を判定する工程と、同無線通信装置に関連する任意の他の基地局に無線通信装置が第1モードまたは第2モードへ入ったことを教示する工程とからなる方法が提供される。
【0025】
本発明では、本発明の方法を実行するようにプロセッサを制御するためのプロセッサ実施可能命令を記憶するための記憶媒体も提供する。
さらに、本発明では、本発明の方法を実行するための無線通信装置も提供する。詳細には、上述のように、本発明では、本発明の方法を実行するための無線通信装置、基地局、及びネットワーク・コントローラを提供する。しかし、本発明による方法は、通信システムの異なる要素に分散されてもよい。
【0026】
本発明のよりよい理解のため、また本発明をどのように実用化し得るを示すために、例として添付の図面が参照される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明は、無線通信システムでのアップリンク送信のスケジューリングに関し、特に、無線通信システムでの無線通信装置から基地局へのアップリンク送信の自律スケジューリング・モードと明示的スケジューリング・モードとの間の遷移の管理に関する。
【0028】
本発明について3GPP仕様に準拠したWCDMAシステムを参照して説明するが、本発明はこのようなシステムに限定されず、他のCDMA無線通信システム及びTDMA無線通信システムでのアップリンク通信にも適用することが可能であることを理解されたい。したがって、以下の説明では、用語「UE」は任意の適した無線通信装置を指すものとし、用語「ノードB」は任意の送受信基地局を指すものとし、用語「RNC」は、基地局コントローラ等、任意の無線ネットワーク・コントローラを指すものとする。さらに、本明細書では3GPP仕様に準拠したWCDMAシステムに適した特定のチャネル上でUEとノードBとの間で送られるものとして説明する制御信号及びデータは、本発明の他の実施形態では、他の通信システムで利用可能な任意の適した制御チャネル及びデータチャネル上で送られてよい。
【0029】
図2a及び図2bに、アップリンクのデータ転送のために明示的スケジューリング・モードが確立される場合に無線通信装置(UE)と基地局(ノードB)との間で交換されるシグナリングを示し、これを本発明の以下の説明において例示の基準として用いる。
【0030】
図示する明示的スケジューリング・モードでは、UEは、例えば提案されているエンハンスト専用チャネル(E−DCH:enhanced dedicated channel)アップリンク・チャネル上でスケジューリング情報をノードBに送る。スケジューリング情報には、例えば、UEがアップリンク上で送る必要があるデータ量(バッファ占有度としても知られる)の示度、及びUEが利用可能なパワーすなわちパワーマージンについての情報が含まれる。
【0031】
ノードBはUEに1つ以上のアップリンク送信をスケジューリングすることによってスケジューリング情報に応答するとともに、スケジューリングされたアップリンク送信タイミングを、例えばダウンリンク専用チャネル又は高速共有制御チャネル(HS−SCCH)上でUEに送られるスケジューリング割当メッセージ(SAM)において、UEに通知する。SAMは通常、割り振られた送信時間と、また例えばUEがアップリンク送信に使用することが可能な最大パワーとをUEに通知する。
【0032】
スケジューリングされた時間に、UEはノードBにデータを第1の符号チャネル上で送るとともに、トランスポート・フォーマット及び資源インジケータ(TFRI)を別個の符号チャネル上で送る。示唆されているエンハンスト専用チャネルを使用してデータ及びTFRIを送ることが可能であると予想される。例えば、UEは示唆されているエンハンスト専用物理データチャネル(E−DPDCH)を使用してデータをノードBに送り、TFRIのデータには、示唆されているエンハンスト専用物理制御チャネル(E−DPCCH)を使用する。しかし、任意の適したアップリンク・チャネルを使用してよい。
【0033】
TFRIは、例えば、送られた実際のデータ量に関する情報と、ノードBが受信データを正しく解釈するために必要な符号化情報及び他の情報とを含む。通常、TFRIは、巡回冗長検査情報等の信頼性情報も含み、受信したTFRI情報の信頼性をノードBが評価することを可能とする。
【0034】
上記の工程は繰り返されるため、UEはスケジューリング情報を周期的にノードBに送り、ノードBは1つ以上のアップリンク送信をスケジューリングし、スケジューリングした送信タイミングをSAMによりUEに通知する。
【0035】
図2bにも、アップリンクのデータ転送のために確立された自律スケジューリング・モードによるシグナリングを示し、これは本発明の以下の説明の基準として用いられる。したがって、本発明の説明では、自律モードは、UEに割り振られた専用物理データチャネル(DPDCH)を介してのUEからノードBへのアップリンクのデータ転送からなり、そのレートは、関連する専用物理制御チャネル(DPCCH)上で搬送されるトランスポート・フォーマット・コンビネーション・インジケータ(TFCI)シグナリングによって示されるものと仮定する。しかし、本方法は例えば、データ転送がエンハンスト専用物理データチャネル(E−DPDCH)上で行われる自律スケジューリングの他の変形形態でも有効である。
【0036】
本発明について、これより図3〜図7を参照して説明する。
図3は、本発明の第1の態様による無線通信装置の動作方法を説明する流れ図である。
上述のように、本説明では、UEが自律モードで開始する(100)ものと仮定する。自律モードでは、UEがアップリンク上の送信のスケジューリングを担当する。
【0037】
自律モード(100)において、UEは明示的スケジューリングが必要であるか否かを判定する。この判定は、図示した実施形態でのように送るデータ量に基づいて行われてよい。しかし、スケジューリング・モードの判定は、アプリケーション状態、所望のサービス品質、ソフトハンドオーバ状態、又はバッファ占有度の上昇率等、他の考慮事項に基づいて行われてもよい。
【0038】
したがって、例示的な実施形態では、UEは、アップリンクで送信すべきデータ量を監視することにより、例えばUEのアップリンク送信バッファ内のバイト数をしきい値Xと比較する(105)ことにより、明示的スケジューリングが必要であるか否かを判定する。Xに適した値は、当業者が想到し得る任意の様式で決定されてよい。値Xは、静的であってもよく、又は例えば基地局から受信する更新に応答して、アクティブセットの全てのセルからの受信したパイロット情報又はパワー制御情報に基づいて、UEのSHO状態に基づいて、若しくはUEの現在のパワーマージンに基づいて、動的に可変であってもよい。Xに適した値は、0〜2000バイトの範囲であり得る。
【0039】
アップリンク上で送信すべきデータ量が所定の量を下回る場合(105−いいえ)、UEは自律モードのままである。
しかし、アップリンク上で送信すべきデータ量が所定の量を上回る場合(105−はい)、UEが明示的スケジューリング・モードに移ることが望ましい。まず、カウンタNtxが初期化され(110)、次いで明示的スケジューリングの要求が送信され、カウンタNtxが増される。図3では、明示的スケジューリングの要求の送信は、EXPLICIT_REQメッセージの送信(115)として表され、その後、UEが送る必要のあるデータ量及びUEが利用可能なパワーマージン等のスケジューリング情報が送信される(120)。
【0040】
しかし、明らかに、本発明の他の実施形態では、UEは異なるシグナリングを採用して明示的スケジューリングを要求してよい。例えば、明示的スケジューリングの要求と、スケジューリングの実行に必要な情報とが一緒に受信されるように、スケジューリング情報をEXPLICIT_REQメッセージの一部として含めてもよい。別法として、通常のスケジューリング情報メッセージからわずかに変更されたフォーマットで、単に初期スケジューリング情報メッセージを送ることも可能であり得て、いくつかの実施形態では、ノードBはこのようなメッセージの受信を明示的スケジューリングの暗黙的な要求として解釈する。
【0041】
EXPLICIT_REQメッセージ、スケジューリング情報、またはその両方は、通信システムに適切な任意の適したアップリンク・チャネル上で送信することが可能である。例示的な実施形態では、3GPP仕様に準拠したWCDMAシステムに提案されているエンハンスト専用チャネルE−DCH上でEXPLICIT_REQが送られるが、これは必須ではなく、EXPLICIT_REQは、例えばUEに割り振られた任意の専用チャネル又は任意の適したアップリンク・チャネルで送信されてもよい。EXPLICIT_REQメッセージは、好ましくは、それぞれのアップリンク・チャネル、例えばDCH上の任意の他の送信とも密接に一致しない、所定のビットパターンである。例示的な実施形態では、好ましくは、エンハンスト専用チャネル(E−DCH)又は専用物理チャネル(DCH)上でスケジューリング情報が送られるが、しかしここでも、任意の適したアップリンク・チャネルが使用されてよい。
【0042】
明示的スケジューリングの要求が送られると、UEは、UEのアクティブセットのノードBのうちの少なくとも1つからの有効なスケジューリング割当メッセージ(SAM)の受信を待機する(125)。当業者に明らかなように、UEがソフトハンドオーバ中の場合、明らかに、UEがアクティブセットに有するノードBは2つ以上である。対照的に、UEがソフトハンドオーバ中でない場合、UEがアクティブセットに有するノードBは1つのみである。本発明の例示的な実施形態では、好ましくは、ダウンリンク専用チャネル又は高速共有制御チャネル(HS−SCCH)上でSAMが受信されるが、任意の適したダウンリンク・チャネルが使用されてよい。
【0043】
UEのアクティブ・リスト上のノードBからの有効なSAMの受信(125−はい)は、暗黙的な肯定応答として機能するとともに、UEが送った明示的スケジューリング要求に対するノードBの承認として機能する。したがって、有効なSAMを受信すると、UEは明示的スケジューリング・モードに移る(130)。
【0044】
上に示したように、UEは、アクティブセットの任意のノードBから有効なSAMを受信すると、明示的スケジューリング・モードに移り、UEの所望のスケジューリング・モードへの高速遷移が保証される。上に示したように、UEがソフトハンドオーバ中である場合には、アクティブセットに2つ以上のノードBが存在し、したがって、アクティブセットの他のノードBのうちの1つ以上が、リンク品質の不良により明示的スケジューリングの要求を受信しない可能性がある。図7に関連して以下で説明するように、例示的な実施形態では、例えばUEとノードBとの間のリンク品質の不良によってUEからシグナリングを直接受信しなかった、アクティブセットの任意のノードBが、より上位のレベルのシグナリングを使用してRNCによって明示的スケジューリング・モードに遷移される。
【0045】
図2を参照して上で説明した明示的スケジューリング・モード(130)では、提案されているエンハンスト専用チャネル(E−DCH)又は既存の専用チャネル(DCH)で、スケジューリング情報、例えばUEが現在送る必要があるデータ量及びUEが利用可能なパワーマージンを、UEが周期的に送る。UEは、専用チャネル(DCH)又は高速共有制御チャネル(HS−SCCH)で1つ以上のアクティブ・リストのノードBからSAMを受信し、その後、SAMにおいて受信したパワー/タイミング情報を用いてアップリンク上でデータを送信する。図2と併せて上で説明したように、UEは、データを含む1つの符号チャネルを、ノードBにデータのフォーマットについての情報を提供するTFRIを含む符号チャネルと共に送信する。
【0046】
しかし、有効なSAMを受信しない場合(125−いいえ)、UEは一定の時間にわたって要求を繰り返す。この時間の適した期間は10ms程度であり得る。図示した実施形態では、工程110においてカウンタを初期化し、カウンタNtzをしきい値Nthreshと比較して、明示的スケジューリングの要求の試行が充分に行われたか否かを判定する(135)ことによって、このことが実現される。なお、当業者に明らかなように、一定の時間にわたる繰り返しは他の手段、例えばタイマによって実現されてもよい。
【0047】
明示的スケジューリングの要求の試行がまだ充分に行われていない場合(135−いいえ)、UEは明示的スケジューリング要求をさらに送信する(115,120)。しかし、明示的スケジューリングの要求の試行が充分に行われた場合(135−はい)、UEが単純に自律モードに戻ってもよい(図示せず)。しかし、例示的な実施形態に示すように、好ましくは、UEはL3 RNC/UEシグナリングを使用してRNCにメッセージを送り、L1レイヤ遷移失敗をRNCに通知する(140)。例えば、例示的なWCDMAシステムでは、UEに割り振られた専用物理データチャネル(DPDCH)上でこのようなRNC/UEシグナリングが搬送可能であるが、任意の適したアップリンク・チャネルが使用されてよいことは明らかであろう。
【0048】
UEは、RNCにL1遷移失敗を通知した後、図7を参照して以下で説明するように、RNCがL3 RNC/UEシグナリングを使用して、UEに明示的スケジューリングへの遷移を命令するメッセージを返したか否かを判定する(145)。RNCからのこのようなメッセージを受信した場合(145−はい)、UEは明示的スケジューリング・モードに移り(130)、図2に示すようにスケジューリング情報の送信を開始する。
【0049】
明らかに、状況によっては、ノードB又はRNCがUEに明示的スケジューリング・モードを強制することが可能なことが有利な場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、UEがスケジューリング・モードの遷移の失敗を最初にRNCに通知する(140)ことなく、UEに明示的なスケジューリングへの遷移を命令するメッセージをUEが受信(145)してもよい。
【0050】
UEが明示的スケジューリング・モードに移る(130)前にRNCからの確認を待機することが好ましいが、別法として、これは全ての実施形態において必ずしも必要なわけではない。例えば、UEは、明示的スケジューリング・モードの要求をRNCに通知(140)した後、直ちに明示的スケジューリング・モード(130)に移ることが可能である(図示せず)。
【0051】
別法として、L1シグナリングを使用して明示的スケジューリング・モードへの遷移の失敗をRNCに通知した(140)後、UEは、明示モードに入る(130)前に、アクティブセットの少なくとも1つのノードBから有効なSAMを受信する(125)までスケジューリング情報を再送信することが可能である(工程120)。この構成では、有効なSAMの受信は、RNC/UE L3シグナリングに応答して、ノードBが明示モードに入るようにRNCによって正しく命令されたことの暗黙的な肯定応答として機能する。
【0052】
UEからメッセージを受信したことを受けてのRNCの動作については、図7を参照してより詳細に説明する。
自律スケジューリング・モードと明示的スケジューリング・モードとの間での遷移におけるノードBの動作について、これより図4を参照して説明する。
【0053】
上で示したように、本説明では、ノードBは自律モードで開始する(200)ものと仮定する。自律モードでは、UEがアップリンクでの送信のスケジューリングを担当し、ノードBは単にデータ及び関連するTFCIシグナリングをUEから受信するだけである。
【0054】
自律モードでは、ノードBは、明示モードへの状態変更を命令するメッセージをRNCから受信したか否かを検査する(205)。このようなメッセージを受信すると(205−はい)、ノードBは、ノードBがUEのために明示的スケジューリング・モードに遷移していることをRNCに通知し(210)、次いで明示的スケジューリング・モードに入る(215)が、これについてはより詳細に後に述べる。なお、全ての実施形態において、RNCにより命令された明示的スケジューリング・モードへの遷移が実現したことをノードBがRNCに通知することが必ずしも必要であるわけではない。したがって、代替の実施形態(図示せず)では、ノードBは、RNCメッセージ205の受信に応答して明示的スケジューリング・モード215に直ちに遷移してよい。
【0055】
ノードBはまた、明示的スケジューリング要求をUEから受信したか否かを検査する。図示した実施形態では、ノードBはまず、EXPLICIT_REQメッセージをUEから受信したか否か(220)を検査し、次いでスケジューリング情報をUEから受信したか否か(225)を検査する。しかし、例えばスケジューリング情報がEXPLICIT_REQメッセージ内に含まれる、又は別様にフォーマットされたスケジューリング情報メッセージの受信が明示的スケジューリング要求として解釈されるなどの他の実施形態では、明らかに、工程220と工程225を必ずしも分ける必要はない。
【0056】
明示的スケジューリングの要求のメッセージを受信していない場合(220−いいえ、又は225−いいえ)、ノードBは自律モードのままである(200)。明示的スケジューリングの要求を受信すると(220−はい、225−はい)、ノードBはアップリンク送信をスケジューリングし、UEにSAMを送る(230)。
【0057】
図示した実施形態では、ノードBは次いで、別の明示的なスケジューリング要求又はEXPLICIT_REQメッセージをUEから受信したか否かを判定する(235)。別のEXPLICIT_REQメッセージをUEから受信している場合(235−はい)、ノードBは前に送られたSAMをUEが受信しなかったと推測して、UEから要求されたアップリンク送信を再びスケジューリングし、更新されたSAMをUEに送る(230)。
【0058】
別の場合(235−いいえ)、ノードBは、予想されるスケジュール・アップリンク送信時間間隔でTFRIがUEから有効に受信されたか否かを判定する(240)。これは、例えば、TFRIの有効なインジケータとして巡回冗長検査(CRC)が採用されている例示的な実施形態では、良好なCRCでTFRIが受信されたか否かを判定することによって実現されてよい。有効に受信されていない場合(240−いいえ)、ノードBは、明示的スケジューリング要求の検出が誤りであり明示的スケジューリング要求は行われていない、又はUEがSAMを受信しておらず明示的スケジューリング・モードにない、又はノードBがデータを正しく受信しないほどのアップリンクの干渉が存在すると推測することが可能である。いずれの場合でも、ノードBはUEに対する自律モードに戻る(100)。
【0059】
しかし、予想されるスケジュール・アップリンク送信時間でUEから良好なCRCで有効なTFRIを受信したとノードBが判定する(240−はい)場合、ノードBは、UEがSAMを受信してSAMに応答し、ノードBがデータを信頼性に受信するほどのアップリンク状況が存在すると推測することが可能である。UEは明示的スケジューリング・モードであり、明示的スケジューリング・モードは正しく動作していると、ノードBが推測することが可能であるため、ノードBはUEが明示的スケジューリング・モードに遷移していることをRNCに通知し(210)、次いで明示的スケジューリング・モードに入る(215)。これはまた、ノードBが現時点ではUEのアップリンク送信の無線資源の管理を担当することをRNCに示す。このメッセージの応答でのRNCの動作については、図7を参照して以下で説明する。
【0060】
図2を参照した上述の明示的スケジューリング・モードでは、ノードBはスケジューリング情報をUEから周期的に受信する。上で説明したように、スケジューリング情報には、例えば、UEが送る必要のあるデータ量と、UEのパワーマージンについての情報とが含まれる。ノードBは、UEから受信したスケジューリング情報と、UEからのアップリンク送信の干渉の可能性等、他の情報とに基づいて、UEのアップリンクの送信時間をスケジューリングし、スケジューリングされた送信時間をUEに通知するためにSAMをUEに送る。スケジューリングされた送信時間に、ノードBは送信されたデータを第1の符号チャネル上で受信するとともに、TFRIを第2のチャネル上で受信する。好ましくは、巡回冗長検査等の有効性検査が、受信されたTFRIに対しておこなわれ、良好な結果が得られる場合、例えばCRCに合格した場合、明示的スケジューリングは正しく動作しているとみなされる。
【0061】
明示的スケジューリング・モードから自律モードへのUEの遷移中のUEの動作について、図5を参照して説明する。
上で説明したように、明示的スケジューリング・モード(300)中、UEは、例えば、UEが送る必要のあるデータ量(バッファ占有度)及びUEのパワーマージンを含むスケジューリング情報を周期的に送信し、スケジューリングされたアップリンク送信時間をUEに通知するSAMを周期的に受信する。スケジューリングされたアップリンク送信時間に、例示的な実施形態では、送るデータの量及びパワーレベルをUEが判定し(SAMにおいてノードBにより課される限度内)、符号チャネルE−DCH上でデータを送る。さらに、例示的な実施形態では、UEは同時に、第2の符号チャネルE−DPCCH上で、送られたデータ量及びレートに関連する情報を含む付随するTFRIも送る。例示的な実施形態では、好ましくは、TFRIはまた、有効性検査、例えば巡回冗長検査も含む。
【0062】
明示的スケジューリング・モード(300)中、UEは、明示的スケジューリング条件が存在するか否かを監視する。例えば、図示した実施形態では、UEは、送られるデータ量を監視する(305)こと、例えばUEの出力バッファのデータ量がしきい値Yを上回るか否かを判定することにより、明示的スケジューリング条件が存在するか否かを監視する。しきい値Yは、自律モードからの遷移中に用いられるしきい値Xと同じ値であってもよく、異なる値であってもよい。
【0063】
305において、105におけるしきい値Xよりも低いしきい値Yを使用することにより、自律モードと明示的スケジューリング・モードとの間の遷移に一定の程度のヒステリシスが提供される。
【0064】
これに加えて、又はこれに代えて、自律モードと明示的スケジューリング・モードとの間の遷移でのヒステリシスは、図示した実施形態に示すようにタイマを使用することによって提供されてもよく、これについてはさらに後に述べる。
【0065】
自律モードと明示的スケジューリング・モードとの間の遷移でのヒステリシスにより、有利なことに、自律モードと明示的スケジューリング・モードとの間での急過ぎる切り替えが回避される。例えば、UEがソフトハンドオーバ中であり、したがってアクティブセットに2つ以上のノードBが存在する場合、アクティブセットの全てのノードBを新たな動作モードに確実に更新するには、一定の時間、通常は500ms程度が必要である。この更新は、後に述べるようにRNCを介して実現されてよい。したがって、自律モードと明示的スケジューリング・モードとの間の遷移でのヒステリシスにより、全てのノードBがUEとの同期を保つことが保証される。
【0066】
別法として、UEがバーストデータを送っている場合、ヒステリシスの提供は、ヒステリシスによって提供される平均化効果により特に有利である。したがって、UEは、その時間間隔中には、UEが送るべきデータ量が明示的スケジューリング・モードを必要とするのに充分でない場合であっても、明示的スケジューリング・モードのままである。別のバーストデータがUEの送信バッファに到着する場合、UEは正しく、アップリンク上で大量のデータを送信するのに最も効率的なモードである明示的スケジューリング・モードにある。ヒステリシスが存在しない場合、新たなバーストデータが到着したときにUEが自律モードに遷移して、再び明示的スケジューリング・モードに遷移する必要があり、これにはシグナリングのオーバヘッドが伴う。
【0067】
例示的な実施形態において説明したように、このヒステリシスは第1のタイマにより提供されてよい。しかし、アプリケーション状態、サービス品質(QoS)、またはその両方を用いて、明示的スケジューリング・モードが開始又は維持されてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、バッファ占有度の変化率又は上昇率が用いられてもよい。
【0068】
しきい値Xの初期値及びしきい値Yの初期値(使用される場合)並びにタイマの設定は、呼開始時に設定されてよい。
したがって、図示した実施形態では、送るべきデータ量が明示的スケジューリング・モードの使用が必要な量である(305−はい)場合、第1のタイマがリセットされ(310)、明示的スケジューリング・モードが継続される(300)。
【0069】
しかし、送るべきデータ量が、明示的スケジューリング・モードの継続が必要な量を下回る場合、UEは第1のタイマの期限が切れたか否かを判定する(315)。第1のタイマの期限が切れる(315−はい)まで、UEは、データ量が明示的スケジューリングの使用が必要な量であるか否かを検査する(305)。まだタイマの期限が切れていない時間中に、UEの送信バッファに明示的スケジューリングを必要とするのに充分なデータが追加された場合(315−いいえ、305−はい)、タイマはリセットされ(310)、UEは明示的スケジューリング・モードのままである(300)。しかし、明示的スケジューリングが必要なデータ量がない状態でタイマの期限が切れる場合(315−はい)、例示的な実施形態では、UEは例えばエンハンスト専用チャネル(E−DCH)上でAUTONOMOUS_INDメッセージを送信することによって、自律モードの通知メッセージをアクティブセットのノードBに送る(320)。
【0070】
自律モードの通知メッセージは、一定の時間、例えば10msの間繰り返されることによって、任意のノードBが自律モードの通知メッセージを受信する確率を向上させてよい。繰り返しは、タイマ、カウンタ、又は当業者が想到し得る他の任意の方法で実現されてよい。
【0071】
これに代えて、又はこれに加えて、システムは、ACKをUEに送ることによりノードBが自律モードの通知メッセージの受信を肯定応答するように構成することが可能である(図示せず)。したがって、UEは、少なくとも1つのノードBからACKを受信するまで自律モードの通知メッセージを送り続けてもよい。
【0072】
その後、UEは自律モードに入り(325)、上述のように自律モードで動作する。
図5aに、UEが明示モードを出て(300)自律モードに入る(325)必要があるか否かを判定するために第2のタイマを使用する、代替の実施形態を示す。図5aでは、まだ第2のタイマの期限が切れていない場合(317−いいえ)、UEは新たなスケジューリング割当を受信したか否かを検査する(318)。新たなSAMを受信した場合(318−はい)、タイマ2がリセットされ(319)、新たなSAMを受信していない場合、タイマはリセットされない(318−いいえ)。いずれの場合でも、UEは次いで、データ量は明示的スケジューリングの使用が必要な量であるか否かを検査し(305)、図5を参照して上に述べたように進行する。第2のタイマの期限が切れた場合(317−はい)、例示的な実施形態では、UEは例えばエンハンスト専用チャネル(E−DCH)上でAUTONOMOUS_INDメッセージを送ることによって、自律モードの通知メッセージをアクティブセットのノードBに送る(320)。
【0073】
ノードBの明示的スケジューリング・モードから自律モードへの遷移中のノードBの動作について、図6を参照して説明する。
ノードBは、ノードBがUEからスケジューリング情報を受信し、UEにアップリンク送信時間をスケジューリングし、SAMをUEに送信し、スケジューリングされた時間にUEからアップリンク送信を受信する明示的スケジューリング・モード(400)で開始する。
【0074】
明示的スケジューリング・モードにある間、ノードBは、ノードBに自律モードへの変更を命令するメッセージをRNCから受信するか否かを監視する(405)。ノードBは、RNCからこのようなメッセージを受信した場合(405−はい)、自律モードに遷移する(410)。
【0075】
このようなメッセージをノードBが受信しない場合(405−いいえ)、ノードBは、UEが依然として明示的スケジューリング・モードで動作しているか否かを判定する。ノードBは、例えば、エンハンスト専用チャネルE−DCH上でUEからのAUTONOMOUS_INDメッセージの受信を監視する(410)ことによって、これを実現する。
【0076】
好ましくは、ノードBはUEから受信するTFRIメッセージも監視する(415)。TFRIメッセージの監視は、第1に、TFRIメッセージに対して実行される品質検査、すなわち、例えば図示した実施形態における巡回冗長検査など、有効性検査として機能し、予期されない許容不可能な高レベルの干渉が示される場合がある。第2に、自律モードのUEはSAMに応答して予期される時間にデータ/TFRIメッセージを送信しないため、TFRIメッセージに対する検査は、UEが明示的スケジューリング・モードを出て自律モードに入ったことを暗黙的に示すものとして機能することが可能である。
【0077】
AUTONOMOUS_INDメッセージが受信されず(410−いいえ)、TFRIメッセージがUEから充分な品質で受信されている場合(415−はい)、明示的スケジューリングで全て順調であると仮定され、ノードBは明示的スケジューリング・モード(400)のままである。
【0078】
しかし、AUTONOMOUS_INDメッセージが受信される場合(410−はい)、又は図示した実施形態では、UEから受信されているTFRIメッセージの品質が不充分であると判定される場合(415−いいえ)、ノードBは、ノードBが自律モードに遷移中していることをRNCに通知する(420)。図示した実施形態に示すように、不充分な受信品質によって遷移が引き起こされた場合、好ましくは、ノードBは遷移の理由をRNCに通知する。その後、ノードBは自律モードに遷移する(410)。
【0079】
本発明の一実施形態における無線ネットワーク・コントローラ(RNC)の動作について、これより図7を参照して説明する。
先の説明から、RNCの役割は、好ましくは2通りに分けられることが理解されよう。第1に、UEが自律モードと明示的スケジューリング・モードとの間で遷移すべき場合、UE/RNCのL3通信経路によってフェイルセーフなルートが提供され、UEが明示的スケジューリングを必要とすることがアクティブセットのノードBに通知される。第2に、RNCは、UEのアクティブセットの全てのノードBの自律モード/明示的スケジューリング・モード遷移を調整して、関連するL1シグナリングをノードBがUEから受信するか否かに関わらず、アクティブセットの全てのノードBのモードが更新されることを保証する。
【0080】
RNCの動作は、UEが現在自律モードにあるか否かに依存する。UEが自律モードである場合(500−はい)、RNCは、UEが明示的スケジューリング・モードへの遷移を所望するか否か、及びUEのアクティブセットの任意の/全てのノードBが明示的スケジューリング・モードに対する更新を要求するか否かを判定する。
【0081】
したがって、UEが自律モードである場合(500−はい)、RNCは、L1通信においてUEがアクティブセットのノードBに対する明示的スケジューリング・モードの要求に成功しなかったことを示すメッセージをRNCがUEから受信するか否かを監視する(505)。好ましくは、これは、3GPP準拠システムのリリース6での専用制御チャネルDCCH上で搬送されるメッセージ等、UEからRNCへの直接的なL3メッセージである。このL3メッセージは、工程140を参照して上で述べた、UEにより送られるメッセージである。このようなL3メッセージをRNCが受信した場合(505−はい)、RNCは、まずアクティブセットの全てのノードBに明示的スケジューリング・モードに入るように命令し(工程510)、次いでUEに明示的スケジューリング・モードに入るように命令する(工程515)。
【0082】
工程510において送られたノードBに対するRNCの命令をノードBが受信することについては、図3の工程205を参照して上に述べた。上述のように、工程205において状態を変更する命令を受信した後、ノードBは、工程210において明示的スケジューリング・モードへの遷移をRNCに確認してもよい。このような構成では、RNCは、アクティブセットの全てのノードBから確認を受信したか否かを検査する追加工程(図7には示さず)を行い、アクティブセットの全てのノードBから明示的スケジューリング・モードへの遷移の確認を受信するまで、工程510を繰り返してもよい。しかし、明示的スケジューリング・モードへの遷移の確認がノードBによりRNCに提供されず、したがって例えば、「工程205−はい」でのRNCメッセージの受信が、工程215における明示的スケジューリング・モードの確立に直接繋がる実施形態が考えられる。
【0083】
RNCは、3GPP準拠システムのリリース6での専用制御チャネルDCCHチャネル上で搬送されるメッセージ等、L3シグナリングを使用してUEに対して明示的スケジューリング・モードに入るように命令する(515)。このメッセージは、図3の工程145においてUEが受信するメッセージに対応し、UEでの明示的スケジューリング・モードの確立に繋がる。図3を参照して上に示したように、このようなRNC/UE L3メッセージを送り(図7の工程515)受信する(図3の工程145)ことが、必ずしも必要なわけではない。
【0084】
UEと、UEのアクティブセットの全てのノードBとは、この時点では、明示的スケジューリング・モードにある。
UEが自律モードである間(500−はい)、RNCは、ノードBがUEに対して明示的スケジューリング・モードに入ったことを示すメッセージを、UEのアクティブセットの少なくとも1つのノードBからRNCが受信するか否かも監視する。
【0085】
上述のように、アクティブセットの少なくとも1つのノードBが明示的なスケジューリング要求メッセージを安全に受信したことによって明示的スケジューリング・モードが開始される場合、ノードBは、図4の工程210を参照して上で述べたメッセージを介して明示的スケジューリング・モードが確立されたことをRNCに通知する。
【0086】
UEが自律モードである場合(500−はい、520−はい)にこのようなメッセージを受信すると、RNCはアクティブセットの残りの全てのノードBに明示的スケジューリング・モードに入るように命令する(工程525)。これにより、アクティブセットの全てのノードBが、UEから直接L1シグナリングを受信したか否かに関わりなく、UEの明示的スケジューリング・モードへの遷移を認識することが保証される。
【0087】
工程525において送られたノードBへのRNCの命令を残りのノードBが受信することについては、図4の工程205を参照して上に述べた。上述のように、工程205における状態変更の命令の受信後、ノードBは、工程210において明示的スケジューリング・モードへの遷移をRNCに確認してもよく、又は図4の工程215において明示的スケジューリング・モードの状態に直接移ってもよい。
【0088】
このような構成では、RNCは、アクティブセットの全てのノードBから確認を受信したか否かを検査する追加工程(図7に示さず)を行い、アクティブセットの残りの全てのノードBから明示的スケジューリング・モードへの遷移の確認を受信するまで、工程525を繰り返してもよい。しかし、明示的スケジューリング・モードへの遷移の確認がノードBからRNCに提供されず、したがって例えば、「工程205−はい」でのRNCメッセージの受信が、工程215における明示的スケジューリング・モードの確立に直接繋がる実施形態が考えられる。
【0089】
図3及び図4の説明から、UEが明示的スケジューリング・モードに遷移したことの暗黙的な確認なしでは、工程520においてRNCがノードBから受信するRNCへのメッセージを、工程210においてノードBが送ることが不可能なのは明らかであるから、必ずしもUEに明示的スケジューリング・モードに入るようにRNCが命令する必要はなく、したがってRNCがさらに行動を取る必要もない。
【0090】
UEからのL3メッセージ及びノードBからの明示的スケジューリング・モードメッセージのいずれも受信されない場合(505−いいえ、520−いいえ)、RNCは何の行動も取らず、監視を再開する(500)。
【0091】
UEが明示的スケジューリング・モードである場合(500−いいえ)、RNCは、アクティブセットの少なくとも1つのノードBが、L1シグナリングにより自律モードに入ったことを示すか否かを判定する(530)。このメッセージは、ノードBがUEからのAUTONOMOUS_INDメッセージを検出したことに応答して、図3の工程420においてノードBがRNCに送るメッセージである。
【0092】
ノードBが自律モードに入ったことを示さない場合(530−いいえ)、何も行われない。しかし、少なくとも1つのノードBがL1シグナリングにより自律モードに入ったことを示す場合、すなわち説明した実施形態では、AUTONOMOUS_INDメッセージをUEから受信した結果を示す場合(530−はい)、RNCは、アクティブセットの残りの全てのノードBに、そのUEに対して自律モードに入るように命令する(535)。
【0093】
工程535において送られたRNCの命令を受信する際にノードBが取る行動については、図6の工程405を参照して上に述べた。したがって、残りの各ノードBもRNCの命令により自律モードに遷移し、結果としてUE及びUEのアクティブセットの全てのノードBが自律モードになる。
【0094】
これに加えて、又はこれに代えて、RNCは、UEのアクティブセットの任意のノードBから受信した上位レイヤのメッセージに応答し、上位レイヤシグナリングを介してUEと、UEのアクティブセットの全てのノードBとに自律スケジューリング・モード又は明示的スケジューリング・モードを強制してもよい。
【0095】
これに加えて、又はこれに代えて、明示モードと自律モードとの間の切り替えは、UEに残されたパワーマージン又はノードBのライズ・オーバ・サーマル(ROT;Rise over Thermal)に依存してもよい。有利なことに、UEのパワーマージンが一定のしきい値を下回る状況、ROTが一定のしきい値を上回る状況、またはその両方の状況で、UEが自律モードに切り替わる。
【0096】
なお、これに加えて、UEが自律モードにある間、又は可能性は低いがUEが明示的スケジューリング・モードにある間、3GPPのR99/R5/R6仕様による上位のレベルのシグナリングによって、UEをCELL_FACH状態に移すことが可能である(図示せず)。CELL_FACH状態では、通信はランダムアクセス手順によって開始され、自律スケジューリングも明示的スケジューリングも使用されない。
【0097】
一実施形態では(図示せず)、UEのアクティブセットの任意のノードBから明示的スケジューリングの要求の否定応答(NAK_ES)を受信するか否かをUEが判定してもよい。この状況は、例えば、存在する容量が不充分であるため、又は過度の干渉が存在するために、要求された明示的スケジューリングをノードBが提供することが不可能な場合に発生し得る。この状況では、UEは自律モードに戻る。
【0098】
こうして、本発明では、無線通信システムにおけるアップリンク上でのスケジューリング・モード間で信頼性に遷移する有利な方法を提供する。スケジューリング・モード間の遷移は、可能な限りは、無線通信装置と基地局との間のL1シグナリングを用いて行われ、大半の場合には遅延の少ない遷移を提供する。有利なことに、L1シグナリングに失敗した場合、無線通信装置とネットワーク制御要素との間で直接、L3シグナリングを採用し得る。さらに、この方法では、無線通信装置に採用されている現在のスケジューリング・モードに対応して全ての基地局が更新されることを保証するようにネットワーク制御要素が機能し得るので、無線通信装置がソフトハンドオフ状況で複数の基地局と通信する場合にも効率的に動作し得る。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】無線通信システムの一般的なシステム図。
【図2】(a)アップリンクのデータ転送の明示的スケジューリングの提案によるダウンリンク上のシグナリングを示す図、(b)アップリンクのデータ転送の明示的スケジューリング及び自律スケジューリングの提案によるアップリンク上のシグナリングを示す図。
【図3】本発明の第1の態様による無線通信装置の動作方法を説明する流れ図。
【図4】本発明の第2の態様による基地局の動作方法を示す流れ図。
【図5】本発明の第3の態様による無線通信装置の動作方法を示す流れ図。
【図5a】本発明の第3の態様による無線通信装置の動作方法の代替の実施形態を示す流れ図。
【図6】本発明の第4の態様による基地局の動作方法を示す流れ図。
【図7】本発明の第5の態様による無線ネットワーク・コントローラの動作方法を示す流れ図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置がアップリンク送信をスケジューリングする第1モードと、基地局がアップリンク送信をスケジューリングする第2モードとに動作可能な無線通信装置の動作方法において、無線通信装置が第1モードで動作している時、
第2モードでの動作は必要であるか否かを判定する第2モード必要性判定工程と、
第2モードでの動作が必要である時、アップリンク送信のスケジューリングの要求をサービス提供中の1つ以上の基地局に対して送信する要求送信工程と、
スケジューリング・メッセージが基地局から受信された時、第2モードに入る工程とからなる方法。
【請求項2】
スケジューリング・メッセージが基地局から受信されない時、第2モードの動作を要求するメッセージをネットワーク・コントローラに送信する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ネットワーク・コントローラからのメッセージに応答して第2モードの動作に入る工程を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第2モード必要性判定工程は送るべきデータ量を判定するデータ量判定工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第2モード必要性判定工程は無線通信装置のバッファ占有度を判定するバッファ占有度判定工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第2モード必要性判定工程は無線通信装置のバッファ占有度の変化率を判定するバッファ占有度変化率判定工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第2モード必要性判定工程は送るべきデータに関連するアプリケーション状態、サービス品質、またはその両者を判定する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第2モード必要性判定工程は無線通信装置のパワーマージンを判定するパワーマージン判定工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
要求送信工程はスケジューリング情報メッセージを送信する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
スケジューリング情報メッセージのフォーマットはアップリンク送信のスケジューリングの暗黙的な要求として機能する請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第2モードに入る工程は、スケジューリング・メッセージが無線通信装置に少なくともアップリンク送信の時間を割当てる時、第2モードに入る工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第2モードの動作の確立を拒否するメッセージが基地局から受信された時、第1モードに留まる工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
無線通信装置がアップリンク送信をスケジューリングする第1モードと、基地局がアップリンク送信をスケジューリングする第2モードとに動作可能な無線通信装置の動作方法において、無線通信装置が第1モードで動作している時、
第2モードでの動作は必要であるか否かを判定する第2モード必要性判定工程と、
第2モードでの動作が必要である時、アップリンク送信のスケジューリングを要求するメッセージをサービス提供中の1つ以上の基地局に対して送信する要求送信工程と、
スケジューリング・メッセージが基地局から受信されない時、第2モードの動作を要求するメッセージをネットワーク・コントローラに送信する工程とからなる方法。
【請求項14】
スケジューリング・メッセージが基地局から受信されない時、第2モードの動作を要求するメッセージをネットワーク・コントローラに送信する工程を含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第2モード必要性判定工程は送るべきデータ量を判定するデータ量判定工程を含む請求項13に記載の方法。
【請求項16】
第2モード必要性判定工程は送るべきデータに関連するアプリケーション状態、サービス品質、またはその両者を判定する工程を含む請求項13に記載の方法。
【請求項17】
第2モード必要性判定工程は無線通信装置のパワーマージンを判定するパワーマージン判定工程を含む請求項13に記載の方法。
【請求項18】
要求送信工程はスケジューリング情報メッセージを送信する工程を含む請求項13に記載の方法。
【請求項19】
スケジューリング情報メッセージのフォーマットはアップリンク送信のスケジューリングの暗黙的な要求として機能する請求項13に記載の方法。
【請求項20】
第2モードの動作の確立を拒否するメッセージが基地局から受信された時、第1モードに留まる工程を含む請求項13に記載の方法。
【請求項21】
ネットワーク・コントローラからのメッセージに応答して第2モードの動作に入る工程を含む請求項13に記載の方法。
【請求項22】
無線通信装置がアップリンク送信をスケジューリングする第1モードと、基地局がアップリンク送信をスケジューリングする第2モードとに動作可能な無線通信装置の動作方法において、無線通信装置が第2モードで動作している時、
第1モードでの動作は必要であるか否かを判定する第1モード必要性判定工程と、
第1モードでの動作が必要である時、第1モード通知メッセージをサービス提供中の1つ以上の基地局に対して送信する工程と、
第1モードに遷移する第1モード遷移工程とからなる方法。
【請求項23】
第1モード必要性判定工程は送るべきデータ量を判定するデータ量判定工程を含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
第1モード必要性判定工程は送るべきデータに関連するアプリケーション状態、サービス品質、またはその両者を判定する工程を含む請求項22に記載の方法。
【請求項25】
第1モード必要性判定工程は無線通信装置のパワーマージンを判定するパワーマージン判定工程を含む請求項22に記載の方法。
【請求項26】
第1モード遷移工程はヒステリシスを提供するように遅延される請求項22に記載の方法。
【請求項27】
無線通信装置がアップリンク送信をスケジューリングする第1モードと、基地局がアップリンク送信をスケジューリングする第2モードとに動作可能であり、かつ無線通信装置にサービス提供する基地局の動作方法において、基地局が第1モードで動作している時、
第2モードの動作の要求を無線通信装置から受信する要求受信工程と、
第2モードの動作の要求に応答してアップリンク送信をスケジューリングするスケジューリング工程と、
スケジューリングされた時間に、有効なアップリンク送信が無線通信装置から受信された時、第2モードに遷移する第2モード遷移工程とからなる方法。
【請求項28】
第2モードへの遷移をネットワーク・コントローラに通知する工程を含む請求項27に記載の方法。
【請求項29】
第2モードの動作への遷移を基地局に命令するメッセージがネットワーク・コントローラから受信されたか否かを判定する工程と、
受信したメッセージに応答して第2モードの動作に遷移する第2モード動作遷移工程を含む請求項27に記載の方法。
【請求項30】
無線通信装置がアップリンク送信をスケジューリングする第1モードと、基地局がアップリンク送信をスケジューリングする第2モードとに動作可能であり、かつ無線通信装置にサービス提供する基地局の動作方法において、基地局が第2モードで動作している時、
第1モード通知メッセージが無線通信装置から受信されたか否かを判定する工程と、
無線通信装置から第1モード通知メッセージを受信すると第1モードの動作に遷移する第1モード動作遷移工程とからなる方法。
【請求項31】
第1モード通知メッセージを受信すると第1モードへの遷移を無線ネットワーク・コントローラに通知する工程を含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
第1モードの動作への遷移を基地局に命令するメッセージが無線ネットワーク・コントローラから受信されたか否かを判定する工程と、
そのような命令が受信された時、第1モードの動作に遷移する第1モード動作遷移工程を含む請求項30に記載の方法。
【請求項33】
基地局によってスケジューリングされた有効な予期されるアップリンク送信が無線通信装置から受信されたか否かを判定する工程と、
有効な予期されるアップリンク送信が受信されていない時、第1モードに遷移する工程とを含む請求項30に記載の方法。
【請求項34】
有効な予期されるアップリンク送信を受信していないことによる第1モードへの遷移を無線ネットワーク・コントローラに通知する工程を含む請求項33に記載の方法。
【請求項35】
無線通信装置がアップリンク送信をスケジューリングする第1モードと、基地局がアップリンク送信をスケジューリングする第2モードとに動作可能であり、かつ無線通信装置にサービス提供する基地局の動作方法において、基地局が第2モードで動作している時、
第1モードの動作への遷移を基地局に命令するメッセージがネットワーク・コントローラから受信されたか否かを判定する工程と、
そのような命令が受信された時、第1モードに遷移する工程とからなる方法。
【請求項36】
無線通信装置がアップリンク送信をスケジューリングする第1モードと、基地局がアップリンク送信をスケジューリングする第2モードとに動作可能な1つ以上の基地局および1つ以上の無線通信装置を含み、かつ使用時に1つ以上の基地局は1つ以上の無線通信装置に通信サービスを提供する無線通信システムにおける無線ネットワーク・コントローラの動作方法において、
第2モードへの遷移を要求するメッセージの第1モードの無線通信装置からの受信を判定する工程と、
メッセージの受信に応答して、第2モードへの遷移を無線通信装置に関連する全ての基地局に命令する工程とからなる方法。
【請求項37】
第2モードへの遷移を無線通信装置に命令する工程を含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
無線通信装置がアップリンク送信をスケジューリングする第1モードと、基地局がアップリンク送信をスケジューリングする第2モードとに動作可能な1つ以上の基地局および1つ以上の無線通信装置を含み、かつ使用時に1つ以上の基地局は1つ以上の無線通信装置に通信サービスを提供する無線通信システムにおける無線ネットワーク・コントローラの動作方法において、
無線通信装置が第1モードまたは第2モードへ入ったことを示す同無線通信装置に関連する基地局からのメッセージの受信を判定する工程と、
同無線通信装置に関連する任意の他の基地局に無線通信装置が第1モードまたは第2モードへ入ったことを教示する工程とからなる方法。
【請求項39】
第2モードへの遷移を要求するメッセージの第1モードの無線通信装置からの受信を判定する工程と、
メッセージの受信に応答して、第2モードへの遷移を無線通信装置に関連する全ての基地局に命令する工程を含む請求項38に記載の方法。
【請求項40】
第2モードへの遷移を無線通信装置に命令する工程を含む請求項38に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−527127(P2007−527127A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505486(P2006−505486)
【出願日】平成16年3月24日(2004.3.24)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050357
【国際公開番号】WO2004/098222
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】