説明

無線通信装置、無線通信システム及びそれらの制御方法

【課題】非接触転送を行う無線通信において、非接触転送の特徴である簡易性を損なうことなく、セキュリティ性を併せ持つ無線通信を提供する。
【解決手段】RFID通信を行う第1の無線通信部と、データ転送を行う第2の無線通信部とを有する無線通信装置は、第1の無線通信部による通信を用いて認証情報を提供することにより認証処理を行い、当該認証処理の結果を検出する。そして、認証処理による認証の成功が検出された場合には第2の無線通信部を用いたデータ転送を許可し、認証の失敗が検出された場合には、第2の無線通信部のための電源供給を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばいわゆる非接触通信により信号の送受信を行う機能を備えた無線通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年RFID(Radio Frequency-Identification:電波方式認識)回路を内蔵した非接触ICカード(以下、RFIDカード)は、簡易に機器間のアクセスが可能であることの利点を活かし、電車の乗車券として普及している。
【0003】
また「TransferJET」と呼ばれる非接触転送技術が存在する。この転送技術は電源供給を必要とし、通信距離が最大3cmと短いながらもデータ転送速度が560Mbpsと高速である。「TransferJET」はノートPCや携帯電話、デジタルカメラ、プリンタ等に搭載することで機器間における高速通信が可能となり、ますますユーザの使い勝手が向上すると思われる。
【0004】
これらの非接触転送技術においては簡易にデータ転送ができることの反面、そのセキュリティ管理が気にかかるところである。そこで特許文献1においては以下のような認証技術が提案されている。近距離無線通信機能を備えた認証端末と、所定範囲に存在する認証端末を検知する検知機能を備える携帯端末があるとする。携帯端末は、本人未確認の状態においては、キー入力等の第1の開始条件が成立した場合に、近傍の認証端末を探索し個人認証を行う。前記個人認証に成功した場合に本人確認済み状態に遷移して携帯端末の操作を可能にする。
【特許文献1】特開2006−221452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしこれらの方法には以下のような課題が存在する。
【0006】
例えば今後、非接触転送技術を具備するノートPC、デジタルカメラ、プリンタ等の登場が予測される。ここで仮にノートPCを主にデータの取り込み機器、デジタルカメラをデータの転送機器とし、デジタルカメラ内の画像データをノートPCへデータ転送する処理を実行する場合を想定してみる。これらの機器においては非接触転送技術によるインタフェースを具備しているので、ノートPCにデジタルカメラをかざすだけ、またはノートPCにデジタルカメラを乗せるだけで容易にデータ転送を実行することが可能になる。つまりキー入力、パスワード確認等のユーザによる実行意思を確認するフェーズが省略される。従って誰でも簡単かつ短時間でデジタルカメラ内の画像データを取得できるという反面、画像データを取り扱う上でセキュリティ上の課題が生じる。
【0007】
仮に上記デジタルカメラを悪意の第3者が一瞬でも操作可能な状態になる、または悪意の第三者の前で一瞬でも目を離すなどしてしまうと、上記手順で容易にデジタルカメラのデータを盗難されてしまうということが考えられる。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、非接触転送を行う無線通信において、非接触転送の特徴である簡易性を損なうことなく、セキュリティ性を併せ持つ無線通信を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の一態様による無線通信装置は以下の構成を備える。即ち、
RFIDを用いて認証情報を提供する第1の無線通信手段と、
データ転送を行うための第2の無線通信手段と、
前記第1の無線通信手段により提供した認証情報に基づく認証処理の成否を判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記認証処理による認証が成功したと判定された場合には前記第2の無線通信手段を用いたデータ転送を実行し、前記認証が失敗したと判定された場合には、前記第2の無線通信手段への電源供給を停止する制御手段とを備える。
【0010】
また、上記の目的を達成するため本発明の他の態様による無線通信装置の制御方法は、
RFIDを用いて認証情報を提供する第1の無線通信手段と、データ転送を行うための第2の無線通信手段とを備えた無線通信装置の制御方法であって、
前記第1の無線通信手段により提供した認証情報に基づく認証処理の成否を判定する判定工程と、
前記判定工程により、前記認証処理による認証が成功したと判定された場合には前記第2の無線通信手段を用いたデータ転送を実行し、前記認証が失敗したと判定された場合には、前記第2の無線通信手段への電源供給を停止する制御工程とを備える。
【0011】
さらに、上記目的を達成するための本発明の他の態様による無線通信システムは、
第1の無線通信装置から第2の無線通信装置へデータを無線により転送する無線通信システムであって、
前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間で、RFIDを用いて認証情報の通信を行う第1の無線通信手段と、
前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間で、データ転送を行う第2の無線通信手段と、
前記第1の無線通信手段を用いた前記認証情報の通信により、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間の認証処理を行う認証処理手段と、
前記認証処理手段による認証に成功したと判定された場合には前記第2の無線通信手段を用いたデータ転送を実行する転送手段と、
前記認証処理手段による認証に失敗したと判定された場合には、前記第1の無線通信装置において前記第2の無線通信手段への電源供給を停止する制御手段とを備える。
【0012】
さらに、上記目的を達成するための本発明の他の態様による無線通信システムの制御方法は、
第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間で、RFIDを用いて認証情報の通信を行う第1の無線通信手段と、
前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間で、データ転送を行う第2の無線通信手段とを備え、
前記第1の無線通信装置から前記第2の無線通信装置へデータを無線により転送する無線通信システムの制御方法であって、
前記第1の無線通信手段を用いた前記認証情報の通信により、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間の認証処理を行う認証処理工程と、
前記認証処理工程による認証に成功したと判定された場合には前記第2の無線通信手段を用いたデータ転送を実行する転送工程と、
前記認証処理工程による認証に失敗したと判定された場合には、前記第1の無線通信装置において前記第2の無線通信手段への電源供給を停止する制御工程とを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、非接触転送を行う無線通信において、非接触転送の特徴である簡易性を損なうことなく、セキュリティ性を併せ持つ無線通信を提供することが可能となる。従って、本発明の無線通信システムによれば、非接触転送機能を有する機器が盗難にあっても、容易に該機器からデータを盗られない、また利用させないことを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を説明する。
【0015】
本実施形態の特徴点並びに目的は、以下の通りである。すなわち本発明の無線端末は認証用の第1の無線通信手段として「RFID」機能を具備する。さらにはデータ通信用の第2の無線通信手段として、RFIDとは異なる電源供給を必要とする近接非接触通信機能(以後:無線データ通信機能)を具備する。この無線端末においてデータ転送の簡易性を保ったまま、取り扱うデータにおけるセキュリティ維持を提供することである。
【0016】
本発明の説明に用いる無線システムは、「RFID」機能、「無線データ通信」機能を具備したデジタルスチルカメラ(以後DSC)と、同様の機能を具備したノートPCで構成される。そして、このDSCをノートPCにかざすだけで、当該DSCとノートPCとの間でセキュリティを考慮したデータ(本実施形態では画像データ)の転送を実現することである。
【0017】
図1は、本実施形態の無線端末におけるシステムの構成例を示す図である。
【0018】
101は認証用の無線通信を実現する「RFID」機能部、電源供給することでデータ転送用の無線通信を実現する「無線データ通信」機能部を具備したデジタルカメラ(以後DSC)である。このDSC101におけるRFID機能部は主にタグやラベル状に加工されたアンテナ付ICチップから成り、チップに情報を記憶させる「RFIDタグ」として機能する。
【0019】
PC102は同様に認証用の無線通信を実現する「RFID」機能部、データ転送用の無線通信を実現する「無線データ通信」機能部を具備したノートPC(以後PC)である。このPC102におけるRFID機能部は主にRFIDタグに情報を書き込み及び読み出したりする「リーダ/ライタ」として機能する。
【0020】
103はDSC101をかざすことでRFIDリーダ/ライタ部及び無線データ通信部を介して認証またはデータ送受を実現する近接非接触通信機能用インタフェースである。なお、近接非接触通信機能用インタフェースは別体で用意し、PC102とUSB等のインターフェースを介して接続するようにしてもよい。
【0021】
まずDSC101の構成について説明する。図2は、本実施形態におけるDSC101の機能構成例を示すブロック図である。
【0022】
無線データ通信機能部201は電源部204より電源を供給されることで上述したデータ転送用の無線通信を実現するブロックであり、他の無線通信機器との間で無線信号の送受信を行う。
【0023】
RFIDタグ部202も上記の通り認証用の無線通信を実現するために用いられる。例えばPC102のRFIDリーダ/ライタ機能部302(図3により後述する)によって、認証情報を書き込むことができる。本実施形態の無線システムは、このRFIDに書き込まれた情報をPC102のRFIDリーダ/ライタ機能部302で確認することで認証処理を実現する。
【0024】
認証結果処理機能部203はRFIDタグ部202より通知される認証結果に応じて、適した処理を施す。またはロック状態となったDSC101のロック解除のための条件判定を行う。これらの具体的な処理に関しては後述する。
【0025】
電源部204はDSC機能部207、無線データ通信機能部201、CPU206等、電源供給を必要とする各ブロックに駆動電源を供給する。
【0026】
ロック機能部205は認証結果処理機能部203の指示に応じて無線データ通信機能部201への電源供給を停止し、またDSC機能部207の操作をロックする。
CPU206は以上の動作を指示及び制御するためのブロックである。
DSC機能部207は実際に画像を撮像するなどDSCとしての機能を処理するブロックである。
【0027】
次にPC102の構成について説明する。図3は本実施形態におけるPC102の機能構成例を示すブロック図である。
【0028】
無線データ通信機能部301は電源部306より電源を供給されることで上記したデータ転送用の無線通信を実現するブロックであり、他の無線通信機器との間で無線信号の送受信を行う。
RFIDリーダ/ライタ機能部302は、上記したように認証処理に用いられる。
【0029】
ディスプレイ機能部303はPC102において各種表示を行うディスプレイである。メモリ304は、PC102のCPU(不図示)が各種処理を実行するための制御プログラムや、各種データを記憶する。
PC制御部305は、CPU(不図示)を具備し、各ブロックの動作を制御する。
電源部306は、PC102内の各ブロックに電源を供給する。
キーボード/マウス処理部307はキーボードの入力制御、ポインティングデバイス(本例ではマウス)の動作制御を行う。
【0030】
以上、図1の無線システムを構成する各機器について説明した。図1のシステムにおいてはDSC101に保存されている静止画データ及び動画データを、DSC101をPC102にかざすだけで、データをPC102に取り込むという使用方法が考えられる。またはDSC101に保存されている静止画データ及び動画データを、DSC101をPC102にかざすだけでPC102のディスプレイ機能部303に出力する、といった使用方法も考えられる。ユーザが意図したDSC101からPC102へデータ転送が行われる場合には問題はない。しかしながら、ユーザが意図しない機器間でのデータ伝送、例えばPC102が悪意の第3者が用意したPCである場合のデータ転送は阻止されなければならない。以下にその具体的な方法を図4乃至図6のフローチャート図を用いて説明する。図4は、DSC101における無線データ転送処理を説明するフローチャートである。また、図5はDSC101におけるロック状態の解除処理を説明するフローチャートである。更に、図6はPC102における無線データ転送処理を説明するフローチャートである。
【0031】
ユーザは図1に示すようにDSC101をPC102の近接非接触通信機能用インタフェース103上に乗せる、または通信可能な距離まで近づけるようにしてかざす。この操作によりRFIDタグ部202とRFIDリーダ/ライタ機能部302との間でRFIDによる通信が行われる(ステップS401)。PC102では、RFIDリーダ/ライタ機能部302がRFIDタグ部202から読み取った認証情報に基づいて認証処理を行う(ステップS421、S422)。こうして、DSC101とPC102との間の認証処理が行われる。そして、PC102は、認証に成功した場合にのみ、無線データ通信機能部301と無線データ通信機能部201を用いたデータの通信を開始する(ステップS423、S424)。従って、DSC101において、CPU206は、RFIDタグ部202による通信が実行された後、所定時間内に無線データ通信機能部201によるデータの通信が開始されたか否かで認証の成否を判定することができる(ステップS402)。データの通信の開始は、PC102からデータ通信の要求を受信することにより判断することができる。なお、無線データ通信機能部201を介してPC102から認証の成否を示す情報を受け取って、認証処理の成否を判定するようにしてもよい。
【0032】
上記した通り、DSC101のRFIDタグ部202には、PC102のRFIDリーダ/ライタ機能部302によって何かしらの認証情報が書き込まれている必要性がある。そして、例えば、DSC101のRFIDタグ部202に書き込み済みの認証情報をPC102のRFIDリーダ/ライタ機能部302で照合し、認証情報の合致を確認することで認証処理を成功とする。本実施形態においてはDSC101と、ユーザが意図しないPC102、つまり認証処理が成功しないようなPC102とのデータ転送処理について説明する。従ってDSC101のRFIDタグ部202には、PC102のRFIDリーダ/ライタ機能部302による認証処理が成功しないような認証情報が書き込まれている、または何も認証情報が書き込まれていないとする。
【0033】
認証処理に成功したと判定された場合は、認証結果処理機能部203は、DSC101の無線データ通信機能部201とPC102の無線データ通信機能部301によるデータ転送処理を開始する(ステップS403、ステップS404)。一方、認証処理に失敗した場合は、処理はステップS403からステップS405へ進む。なお、認証処理の失敗の判定においてはユーザが誤って操作した場合を考慮して1回だけで判定するのでなく、予め決められた規定の回数だけ連続して認証に失敗したことをもって認証処理の失敗と判断するようにしてもよい。認証処理の失敗の結果を受けた認証結果処理機能部203は、ロック機能部205を介して電源部204から無線データ通信機能部201への電源供給を停止する(ステップS405)。
【0034】
近年のDSCは本体におけるメイン電源をオフにしていても電源部204より一部のブロックには電源が供給されている。従って機器によっては本体におけるメイン電源をオフにしていても、無線データ通信機能部201には電源が供給されているためPC等に対してデータ転送が可能な場合もある。そこで、上記ステップS405の処理の目的には、これらのデータ転送も阻止することも含まれる。
【0035】
さらに認証結果処理機能部203はロック機能部205を介して、当該DSC101の本体への操作を拒否するべく動作をロックする(ステップS406)。例えば、当該ロック状態を解除するための操作以外のDSC101に対する操作を拒否するようにする。この処理によりUSBケーブルなどを用いた他のデータ転送機能の禁止、またDSC101内の画像データの消去などを防ぐことができる。
【0036】
以上の処理によって、ユーザが意図しない、近接非接触通信機能によるデータ転送を防ぐことが可能となる。
【0037】
次に、不正なPCとの認証処理或いはユーザの誤操作によって、ロック機能部205によってDSC101の操作がロックされてしまった場合の解除方法について述べる。ロック状態のDSC101はユーザからのあらゆる操作に対して、ロックを解除するための処理を要求することになる。例えば、再生ボタン、撮影ボタンのいずれが操作された場合でも、DSC機能部207におけるDSCのディスプレイ等へ、ロックを解除するための認証データ(例えばパスワード)の入力を促す表示を行う(ステップS501)。英数字を入力するためのユーザインターフェースとしては、例えば、ジョグダイヤル、ソフトキーボードなど、周知の技術を採用することができる。DSC101はユーザによって入力されたパスワードと、予め設定済みのパスワードを認証結果処理機能部203にて比較する(ステップS502)。この比較の結果、パスワードが合致すればロック機能部205を介して無線データ通信機能への電源供給の停止を解除し(ステップS503)、さらには本体の操作ロック状態を解除する(ステップS504)。
【0038】
以上のようにDSC101は、RFIDタグを用いてPC102との間で認証処理を実施する。そして、DSC101は、認証処理が成功した場合は通常のデータ転送を行うが、認証処理が失敗した場合は本体電源からの無線データ通信機能への電源供給を停止する。さらに、DSC101は、ユーザによる当該DSC101への各種操作(ロック状態を解除するためのパスワード入力以外の操作)をロックする。
【0039】
これらの機能により、近接非接触通信機能を具備した機器において、セキュリティ性を保ちつつ、容易なデータ転送を提供することができる。
【0040】
以上、実施形態を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0041】
尚、本発明は、ソフトウェアのプログラムをシステム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによって前述した実施形態の機能が達成される場合を含む。この場合、供給されるプログラムは実施形態で図に示したフローチャートに対応したコンピュータプログラムである。
【0042】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0043】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0044】
コンピュータプログラムを供給するためのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としては以下が挙げられる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などである。
【0045】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることが挙げられる。この場合、ダウンロードされるプログラムは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルであってもよい。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0046】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布するという形態をとることもできる。この場合、所定の条件をクリアしたユーザに、インターネットを介してホームページから暗号を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用して暗号化されたプログラムを実行し、プログラムをコンピュータにインストールさせるようにもできる。
【0047】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどとの協働で実施形態の機能が実現されてもよい。この場合、OSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【0048】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれて前述の実施形態の機能の一部或いは全てが実現されてもよい。この場合、機能拡張ボードや機能拡張ユニットにプログラムが書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行なう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施形態による無線通信システムの構成例を示す図である。
【図2】実施形態におけるDSCの機能構成例を示すブロック図である。
【図3】実施形態におけるPCの機能構成例を示すブロック図である。
【図4】実施形態のDSC101による無線データ転送の処理を示すフローチャートである。
【図5】実施形態のDSC101による、ロック解除処理を示すフローチャートである。
【図6】実施形態のPC102による、無線データ転送の処理を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDを用いて認証情報を提供する第1の無線通信手段と、
データ転送を行うための第2の無線通信手段と、
前記第1の無線通信手段により提供した認証情報に基づく認証処理の成否を判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記認証処理による認証が成功したと判定された場合には前記第2の無線通信手段を用いたデータ転送を実行し、前記認証が失敗したと判定された場合には、前記第2の無線通信手段への電源供給を停止する制御手段とを備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記認証処理に失敗した場合に、前記無線通信装置を、当該無線通信装置への操作を拒否するロック状態とするロック手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記認証処理が予め決められた回数だけ連続して失敗した場合に、前記認証に失敗したと判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記ロック状態において、当該ロック状態を解除するための認証データの入力を受け付ける手段を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項5】
RFIDを用いて認証情報を提供する第1の無線通信手段と、データ転送を行うための第2の無線通信手段とを備えた無線通信装置の制御方法であって、
前記第1の無線通信手段により提供した認証情報に基づく認証処理の成否を判定する判定工程と、
前記判定工程により、前記認証処理による認証が成功したと判定された場合には前記第2の無線通信手段を用いたデータ転送を実行し、前記認証が失敗したと判定された場合には、前記第2の無線通信手段への電源供給を停止する制御工程とを備えることを特徴とする無線通信装置の制御方法。
【請求項6】
前記認証処理に失敗した場合に、前記無線通信装置を、当該無線通信装置への操作を拒否するロック状態とするロック工程を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の無線通信装置の制御方法。
【請求項7】
第1の無線通信装置から第2の無線通信装置へデータを無線により転送する無線通信システムであって、
前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間で、RFIDを用いて認証情報の通信を行う第1の無線通信手段と、
前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間で、データ転送を行う第2の無線通信手段と、
前記第1の無線通信手段を用いた前記認証情報の通信により、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間の認証処理を行う認証処理手段と、
前記認証処理手段による認証に成功したと判定された場合には前記第2の無線通信手段を用いたデータ転送を実行する転送手段と、
前記認証処理手段による認証に失敗したと判定された場合には、前記第1の無線通信装置において前記第2の無線通信手段への電源供給を停止する制御手段とを備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項8】
第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間で、RFIDを用いて認証情報の通信を行う第1の無線通信手段と、
前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間で、データ転送を行う第2の無線通信手段とを備え、
前記第1の無線通信装置から前記第2の無線通信装置へデータを無線により転送する無線通信システムの制御方法であって、
前記第1の無線通信手段を用いた前記認証情報の通信により、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間の認証処理を行う認証処理工程と、
前記認証処理工程による認証に成功したと判定された場合には前記第2の無線通信手段を用いたデータ転送を実行する転送工程と、
前記認証処理工程による認証に失敗したと判定された場合には、前記第1の無線通信装置において前記第2の無線通信手段への電源供給を停止する制御工程とを備えることを特徴とする無線通信システムの制御方法。
【請求項9】
請求項5、6,8のいずれか1項に記載の制御方法をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【請求項10】
請求項5、6,8のいずれか1項に記載の制御方法をコンピュータに実行させるための制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−253383(P2009−253383A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95435(P2008−95435)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】