説明

無線通信装置、無線通信方法、およびプログラム

【課題】無線通信装置、無線通信方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】無線通信装置であって、
ネットワーク上のコミュニティに属する前記無線通信装置のユーザを含む複数のユーザに配布された認証情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記認証情報に基づいて周囲の無線通信装置を認証する認証部と、前記認証部による前記周囲の無線通信装置の認証が成功した場合に前記周囲の無線通信装置と通信グループを形成する制御部と、を備える、無線通信装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置、無線通信方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11に代表される無線LAN(Local Area Network)システムは、機器の自由度が高い等の利点から、有線ネットワークに代わり普及しつつある。このIEEE802.11で規定される無線LANシステムは、親機として動作するアクセスポイント、および子機として動作する複数のステーションからなる無線通信装置のグループで構成され、1のアクセスポイントは複数のステーションが接続される。
【0003】
また、Wi−Fi Allianceで策定中のWi−Fiダイレクトでは、複数の無線通信装置がグループオーナー(親機)またはクライアント(子機)のいずれとしての役割を担うかを決定して通信グループを形成することが提案されている。ここで、親機は簡易的なアクセスポイントとして動作し、1または2以上の子機を接続する機能を有する。
【0004】
また、特許文献1には、複数の無線通信装置のユーザが簡易な操作を行うことにより複数の無線通信装置が通信グループを形成するための方法が開示されている。具体的には、特許文献1には、各ユーザが同一のキーワードを無線通信装置に入力し、同一のキーワードが入力された複数の無線通信装置が通信グループを形成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−247052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の方法では、第三者であってもキーワードさえ知っていれば通信グループに参加できてしまう。このため、従来の方法では、参加者が制限されるべきクローズドな通信グループを形成するためには不向きであるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ネットワーク上のコミュニティに属する複数ユーザの無線通信装置からなる通信グループを簡易に形成することが可能な、新規かつ改良された無線通信装置、無線通信方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、無線通信装置であって、ネットワーク上のコミュニティに属する前記無線通信装置のユーザを含む複数のユーザに配布された認証情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記認証情報に基づいて周囲の無線通信装置を認証する認証部と、前記認証部による前記周囲の無線通信装置の認証が成功した場合に前記周囲の無線通信装置と通信グループを形成する制御部と、を備える無線通信装置が提供される。
【0009】
前記無線通信装置は、前記無線通信装置のユーザが属する前記コミュニティに対応するコミュニティ情報を送信する送信部と、周囲の無線通信装置から前記周囲の無線通信装置のユーザの前記コミュニティ情報を受信する受信部と、を備え、前記認証部は、前記無線通信装置のユーザが属する前記コミュニティと前記周囲の無線通信装置のユーザが属する前記コミュニティが一致する場合に前記認証を行なってもよい。
【0010】
前記送信部は、前記無線通信装置のユーザが前記コミュニティの主催者であるか否かを示す情報をさらに送信し、前記制御部は、さらに、前記無線通信装置のユーザまたは前記周囲の無線通信装置のユーザのいずれかが前記コミュニティの主催者である場合に前記周囲の無線通信装置と通信グループを形成してもよい。
【0011】
前記制御部は、前記無線通信装置のユーザおよび前記周囲の無線通信装置のユーザの双方が前記コミュニティの主催者でない場合、前記コミュニティの主催者情報を前記周囲の無線通信装置に前記送信部から送信させてもよい。
【0012】
前記無線通信装置のユーザが前記コミュニティの主催者である場合、前記無線通信装置は、前記周囲の無線通信装置と、前記無線通信装置が優先的に前記通信グループのグループオーナーとして動作できるようネゴシエーションを行ってもよい。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、無線通信装置により実行される無線通信方法であって、ネットワーク上のコミュニティに属する前記無線通信装置のユーザを含む複数のユーザに配布された共通の認証情報を記憶媒体に記憶するステップと、前記認証情報に基づいて周囲の無線通信装置を認証するステップと、前記周囲の無線通信装置の認証が成功した場合に前記周囲の無線通信装置と通信グループを形成するステップと、を含む無線通信方法が提供される。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、無線通信装置であって、ネットワーク上のコミュニティに属する前記無線通信装置のユーザを含む複数のユーザに配布された共通の認証情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記認証情報に基づいて周囲の無線通信装置を認証する認証部と、前記認証部による前記周囲の無線通信装置の認証が成功した場合に前記周囲の無線通信装置と通信グループを形成する制御部と、を備える無線通信装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、ネットワーク上のコミュニティに属する複数ユーザの無線通信装置からなる通信グループを簡易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態による通信システムの構成を示した説明図である。
【図2】無線通信装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図3】無線通信装置の構成を示した機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態による無線通信システムの動作概要を示したシーケンス図である。
【図5】無線通信装置による第1の動作例を示したシーケンス図である。
【図6】Community Information Query Requestの構成例を示した説明図である。
【図7】Community Information Query Responseの構成例を示した説明図である。
【図8】Service Level Authentication Query Requestの構成例を示した説明図である。
【図9】Service Level Authentication Query Responseの構成例を示した説明図である。
【図10】無線通信装置による第2の動作例を示したシーケンス図である。
【図11】無線通信装置による第3の動作例を示したシーケンス図である。
【図12】無線通信装置による第4の動作例を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて無線通信装置20A、20Bおよび20Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、無線通信装置20A、20Bおよび20Cを特に区別する必要が無い場合には、単に無線通信装置20と称する。
【0019】
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.通信システムの構成
2.無線通信装置の構成
3.無線通信システムの動作
4.無線通信装置の動作
5.まとめ
【0020】
<通信システムの構成)
まず、図1を参照し、本発明の実施形態による通信システム1の構成を説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態による通信システム1の構成を示した説明図である。図1に示したように、本発明の実施形態による通信システム1は、コミュニティサーバ10と、ネットワーク12と、無線通信装置20A〜20Eと、を備える。
【0022】
ネットワーク12は、ネットワーク12に接続されている装置から送信される情報の有線、または無線の伝送路である。例えば、ネットワーク12は、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などを含んでもよい。また、ネットワーク12は、IP−VPN(Internet Protocol−Virtual Private Network)などの専用回線網を含んでもよい。
【0023】
コミュニティサーバ10および無線通信装置20はこのネットワーク12を介して通信することができる。なお、図1においては記載を省略しているが、実際には、より多数のコミュニティサーバ10および無線通信装置20がネットワーク12に接続されることが想定される。
【0024】
コミュニティサーバ10は、関心や興味を共有する複数ユーザからなるコミュニティのためのWebサイトを管理する。コミュニティに属するユーザは、無線通信装置20などの通信装置を利用して上記Webサイトにアクセスすることにより、他ユーザとの情報交換や、情報収集などを行うことできる。
【0025】
なお、コミュニティサーバ10において管理される各コミュニティに属する各ユーザは、主催者またはメンバーなどの役割を有する。例えば、主催者は、コミュニティの立上人または管理人などコミュニティを主体的に運営する者であり、メンバーは、主催者による運営の下でコミュニティにおいて活動する者である。
【0026】
また、図1には、コミュニティサーバ10が管理するコミュニティの一例として折り紙同好会およびファイトクラブを示しているが、コミュニティサーバ10が管理するコミュニティの種類および数は特に限定されない。
【0027】
無線通信装置20は、コミュニティサーバ10が管理するコミュニティのWebサイトにネットワーク12を介してアクセスし、情報交換や、情報収集などを行うことできる。ここで、各無線通信装置20は、各無線通信装置20を所有するユーザが属するコミュニティのWebサイトにアクセスすることができる。
【0028】
例えば、図1に示したように、無線通信装置20A〜20Dのユーザは「折り紙同好会」に属し、無線通信装置20C〜20Eのユーザは「ファイトクラブ」に属する。この場合、無線通信装置20Aおよび20Bは「折り紙同好会」のWebサイトにアクセスでき、無線通信装置20Eは「ファイトクラブ」のWebサイトにアクセスできる。また、複数のコミュニティに属する無線通信装置20Cおよび20Dは、「ファイトクラブ」および「折り紙同好会」の双方のWebサイトにアクセスすることができる。
【0029】
なお、図1においてはコミュニティサーバ10と通信する通信装置の一例として携帯電話を示しているが、通信装置はかかる例に限定されない。例えば、通信装置は、PC(Personal Computer)、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、PDA(Personal Digital Assistants)、家庭用ゲーム機器、家電機器などの情報処理装置であってもよい。また、通信装置は、PHS(Personal Handyphone System)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、携帯用ゲーム機器などの情報処理装置であってもよい。
【0030】
また、各無線通信装置20は、周囲の無線通信装置20と接続して無線通信する機能を有する。例えば、各無線通信装置20は、Wi−Fi Allianceで策定中のWi−Fiダイレクトに従って周囲の無線通信装置20と通信グループを形成し、通信グループを形成する周囲の無線通信装置20と無線通信することができる。
【0031】
ここで、同一コミュニティに属するユーザが実世界において集まった場合に、各ユーザの無線通信装置20からなる通信グループを簡易に形成できれば、各ユーザが無線通信装置20を利用して他ユーザとデータ通信することができるので便利である。
【0032】
この点に関し、各ユーザが同一のキーワードを無線通信装置20に入力し、同一のキーワードが入力された複数の無線通信装置20で通信グループを形成することが提案されている。しかし、この方法では、第三者であってもキーワードさえ知っていれば通信グループに参加できてしまう。したがって、この方法は、同一コミュニティに属するユーザなどに参加者が制限されるべきクローズドな通信グループを形成するためには不向きであるという問題があった。
【0033】
そこで、上記事情に鑑みて本発明の実施形態を創作するに至った。本発明の実施形態によれば、ネットワーク12上のコミュニティに属する複数ユーザの無線通信装置20からなる通信グループを簡易に形成することが可能である。以下、このような本発明の実施形態にかかる無線通信装置20について詳細に説明する。
【0034】
<2.無線通信装置の構成>
図2は、無線通信装置20のハードウェア構成を示したブロック図である。無線通信装置20は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、ホストバス204と、を備える。また、無線通信装置20は、ブリッジ205と、外部バス206と、インタフェース207と、入力装置208と、出力装置210と、ストレージ装置(HDD)211と、ドライブ212と、通信装置215とを備える。
【0035】
CPU201は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って無線通信装置20内の動作全般を制御する。また、CPU201は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM202は、CPU201が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM203は、CPU201の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス204により相互に接続されている。
【0036】
ホストバス204は、ブリッジ205を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス206に接続されている。なお、必ずしもホストバス204、ブリッジ205および外部バス206を分離構成する必要はなく、一のバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0037】
入力装置208は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU201に出力する入力制御回路などから構成されている。無線通信装置20のユーザは、該入力装置208を操作することにより、無線通信装置20に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0038】
出力装置210は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびランプなどの表示装置を含む。さらに、出力装置210は、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置を含む。出力装置210は、例えば、再生されたコンテンツを出力する。具体的には、表示装置は再生された映像データ等の各種情報をテキストまたはイメージで表示する。一方、音声出力装置は、再生された音声データ等を音声に変換して出力する。
【0039】
ストレージ装置211は、本実施形態にかかる無線通信装置20の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置211は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置211は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置211は、ハードディスクを駆動し、CPU201が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0040】
ドライブ212は、記憶媒体用リーダライタであり、無線通信装置20に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ212は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体24に記録されている情報を読み出して、RAM203に出力する。また、ドライブ212は、リムーバブル記憶媒体24に情報を書き込むこともできる。
【0041】
通信装置215は、例えば、ネットワーク12に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。この通信装置215は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置であっても、LTE(Long Term Evolution)対応通信装置であっても、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
【0042】
以上、図2を参照して無線通信装置20のハードウェア構成を説明した。続いて、無線通信装置20が有する機能を説明する。
【0043】
図3は、無線通信装置20の構成を示した機能ブロック図である。図3に示したように、無線通信装置20は、通信部216と、記憶部220と、制御部224と、認証部228と、を備える。
【0044】
通信部216は、コミュニティサーバ10や他の無線通信装置20Bとのインタフェースである。この通信部216は、例えば後述のCommunitiy Information Query RequestやCommunitiy Information Query Responseなどのコミュニティ情報を送受信する送信部および受信部として機能する。
【0045】
記憶部220は、あるコミュニティに属する無線通信装置20のユーザを含む複数ユーザに認証情報として配布された共通鍵を記憶する記憶媒体である。例えば、無線通信装置20のユーザが折り紙同好会に属する場合、無線通信装置20のユーザには折り紙同好会用の共通鍵が配布され、記憶部220は折り紙同好会用の共通鍵を記憶する。
【0046】
なお、共通鍵の配布方法は特に限定されない。例えば、コミュニティサーバ10が各コミュニティに属するユーザに共通鍵を送信してもよいし、コミュニティのWebサイト上に共通鍵を配置しておき、各ユーザがコミュニティのWebサイトから共通鍵を取得してもよい。また、この共通鍵は、コミュニティサーバ10により生成されたものであってもよいし、コミュニティに属するユーザのユーザ装置により生成されたものであってもよい。
【0047】
また、共通鍵は無線通信装置20と異なる情報処理装置に配布されてもよく、この場合、情報処理装置から無線通信装置20に共通鍵を移動させることにより記憶部220に共通鍵を記憶させることができる。さらに、各ユーザに配布される認証情報は共通鍵に限定されず、各ユーザに配布される認証情報は各ユーザに固有の個別鍵であってもよい。
【0048】
また、記憶部220は、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ディスク、およびMO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。不揮発性メモリとしては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)があげられる。また、磁気ディスクとしては、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどがあげられる。また、光ディスクとしては、CD(Compact Disc)、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))などがあげられる。
【0049】
制御部224は、無線通信装置20による動作全般を制御する。例えば、制御部224は、利用周波数の決定、ビーコン(グループオーナーとして動作する場合)またはビーコンの受信応答(クライアントとして動作する場合)などの制御メッセージの作成や送信命令、制御メッセージの解釈などを行う。また、制御部224は、グループオーナーまたはクライアントのいずれとして動作するかを決定するための他の無線通信装置20Bなどとの役割交渉や、通信グループを形成するための暗号化設定などを行う。
【0050】
また、制御部224は、無線通信装置20のユーザが属するコミュニティと、他の無線通信装置20Bのユーザの属するコミュニティとが一致し、かつ、一方が当該コミュニティの主催者であり、他方が当該コミュニティのメンバーであるか否かを判断する。
【0051】
上記の条件が満たされる場合、認証部228による認証処理が行われる。一方、双方のユーザが同一コミュニティのメンバーであることにより上記の条件が満たされず、無線通信装置20が当該コミュニティの主催者情報(例えば、主催者装置のMACアドレス)を有する場合、制御部224は、通信部216から主催者情報を送信させる。
【0052】
認証部228は、記憶部220に記憶されているコミュニティの共通鍵を用い、他の無線通信装置20Bなどとの相互認証を行う。本発明の実施形態による無線通信装置20は、認証部228により他の無線通信装置20と相互認証された場合には当該他の無線通信装置20と通信グループを形成し、相互認証されなかった場合には当該他の無線通信装置20と通信グループを形成しない。
【0053】
これにより、同一の共通鍵を有する無線通信装置20、すなわち、同一コミュニティに属するユーザの無線通信装置20が、クローズドな通信グループを簡易に形成することができる。以下、このような無線通信装置20および無線通信システム1の具体的な動作例を詳細に説明する。
【0054】
<3.無線通信システムの動作>
図4は、本発明の実施形態による無線通信システム1の動作概要を示したシーケンス図である。図4に示したように、コミュニティサーバ10は、各無線通信装置20に、各無線通信装置20のユーザが属するコミュニティ用の共通鍵を配布する。
【0055】
具体的には、コミュニティサーバ10は、折り紙同好会に属するユーザの無線通信装置20Aおよび20Bには折り紙同好会用の共通鍵を送信する(S304、S308)。また、コミュニティサーバ10は、折り紙同好会およびファイトクラブに属するユーザの無線通信装置20Cには折り紙同好会用の共通鍵およびファイトクラブ用の共通鍵を送信する(S312)。同様に、コミュニティサーバ10は、ファイトクラブに属するユーザの無線通信装置20Eにはファイトクラブ用の共通鍵を送信する(S316)。
【0056】
その後、折り紙同好会に属するユーザの無線通信装置20A〜20Cが実世界において近接すると、無線通信装置20A〜20Cは、折り紙同好会用の共通鍵に基づく相互認証(または片方向の認証)を行い、通信グループを形成することができる(S320)。同様に、ファイトクラブに属するユーザの無線通信装置20Dおよび20Eが実世界において近接すると、無線通信装置20Dおよび20Eは、ファイトクラブ用の共通鍵に基づく相互認証(または片方向の認証)を行い、通信グループを形成することができる(S324)。
【0057】
<4.無線通信装置の動作>
以上、図4を参照して無線通信システム1の動作概要を説明した。続いて、図4〜図12を参照し、通信グループを形成するための各無線通信装置20による詳細な動作を説明する。
【0058】
(第1の動作例)
図5は、無線通信装置20による第1の動作例を示したシーケンス図である。第1の動作例においては、無線通信装置20Aのユーザが折り紙同好会のメンバーであり、無線通信装置20Cのユーザが折り紙同好会の主催者であり、無線通信装置20Aおよび20Cが折り紙同好会用の共通鍵を共有しているものとする。
【0059】
図5に示したように、まず、無線通信装置20Aおよび20Cは、通信グループにおいて担う役割の交渉を行う。この役割交渉は、例えば、各無線通信装置20がグループオーナーとして動作する優先度を示す情報を交換することにより行われる。第1の動作例においては無線通信装置20Cのユーザが折り紙同好会の主催者であり、無線通信装置20Cがグループオーナーとして動作することが望まれるので、無線通信装置20Cは、高い優先度(図5に示した例では「2」)を示す情報を送信する(S402)。一方、無線通信装置20Aのユーザは折り紙同好会のメンバーであるので、無線通信装置20Aは、低い優先度(図5に示した例では「1」)を示す情報を送信する(S404)。
【0060】
これにより、無線通信装置20Aおよび20Cは、無線通信装置20Cの方が優先度が高いことを認識できるので、無線通信装置20Aがクライアントとして動作することを決定し、無線通信装置20Cがグループオーナーとして動作することを決定する(S406)。
【0061】
その後、無線通信装置20Aは、無線通信装置20Aのユーザが属するコミュニティである折り紙同好会、およびロール情報(メンバー)を示すCommunity Information Query Requestを送信する(S408)。そして、無線通信装置20Cは、無線通信装置20Cのユーザが属するコミュニティである折り紙同好会、およびロール情報(主催者)を示すCommunity Information Query Responseを送信する(S410)。
【0062】
ここで、図6および図7を参照し、Community Information Query Request、およびCommunity Information Query Responseの構成例を説明する。
【0063】
図6は、Community Information Query Requestの構成例を示した説明図である。図6に示したように、Community Information Query Requestとして、IEEE802.11uに規定されるInitial Request Action Frameを利用することができる。
【0064】
より詳細には、Community Information Query Requestは、Query Request中の、Vendor Specific Content中の、Query Data中の、Request Valueにコミュニティ情報およびロール情報が記載される。
【0065】
図7は、Community Information Query Responseの構成例を示した説明図である。図7に示したように、Community Information Query Responseとして、IEEE802.11uに規定されるInitial Response Action Frameを利用することができる。
【0066】
より詳細には、Community Information Query Responseは、Query Response中の、Vendor Specific Content中の、Response Data中の、Response Valueにコミュニティ情報およびロール情報が記載される。
【0067】
上記のCommunity Information Query RequestおよびResponseの送受信により、無線通信装置20Aおよび20Cは、他方のユーザが属するコミュニティおよびロール情報を知ることができる。
【0068】
そして、各無線通信装置20は、他方の無線通信装置20と共通するコミュニティがあり、かつ、自装置または他方の無線通信装置20のユーザの一方が主催者で、他方がメンバーである場合には、後続の認証処理を行う。一方、各無線通信装置20は、上記の条件のいずれかが満たされない場合、後続の認証処理を行わない。図5に示した第1の動作例においては、無線通信装置20Aおよび20Cのコミュニティが共通し、無線通信装置20Aのユーザがメンバーで、無線通信装置20Cのユーザが主催者であるので、無線通信装置20Aおよび20Cは後続の認証処理を行う。
【0069】
具体的には、無線通信装置20Cの認証部228が、記憶部220に記憶されている折り紙同好会用の共通鍵に基づいて暗号化情報を生成し、通信部216が、暗号化情報を含む認証要求としてService Level Authentication Query Requestを送信する(S412)。例えば、認証部228は、無線通信装置20CのMACアドレスと現在時刻からなる文字列を、折り紙同好会用の共通鍵を利用してAES−256により暗号化してもよい。かかる構成により、同一コミュニティに属さないユーザの無線通信装置がスヌーピングにより認証を試みても、MACアドレスまたは時間情報が相違するので、同一コミュニティに属さないユーザの無線通信装置の認証が成功してしまう場合を防止することが可能である。
【0070】
無線通信装置20Aは、無線通信装置20CからService Level Authentication Query Requestを受信すると、認証部228は、記憶部220に記憶されている折り紙同好会用の共通鍵を利用して暗号化情報の認証を行う。例えば、無線通信装置20Aの認証部228は、折り紙同好会用の共通鍵を利用して暗号化情報を復号し、通信相手である無線通信装置20CのMACアドレス、および現在時刻と同等の時刻(例えば、現在時刻から一分以内の時刻)が得られた場合に認証成功とする。そして、無線通信装置20Aは、認証応答として、認証結果を示すService Level Authentication Query Responseを送信する(S414)。
【0071】
ここで、図8および図9を参照し、Service Level Authentication Query RequestおよびService Level Authentication Query Responseの構成例を説明する。
【0072】
図8は、Service Level Authentication Query Requestの構成例を示した説明図である。図8に示したように、Service Level Authentication Query Requestとして、IEEE802.11uに規定されるInitial Request Action Frameを利用することができる。
【0073】
具体的には、Service Level Authentication Query Requestは、Query Request中の、Vendor Specific Content中の、Query Data中の、Query Valueに暗号化情報が記載される。
【0074】
図9は、Service Level Authentication Query Responseの構成例を示した説明図である。図9に示したように、Service Level Authentication Query Responseとして、IEEE802.11uに規定されるInitial Response Action Frameを利用することができる。
【0075】
具体的には、Service Level Authentication Query Responseは、Query Response中の、Vendor Specific Content中の、Response Data中の、Response Valueに認証結果(成功または失敗)が記載される。
【0076】
S414の後、無線通信装置20Aの認証部228が暗号化情報を生成し、通信部216が暗号化情報を含むService Level Authentication Query Requestを送信する(S416)。そして、無線通信装置20Cの認証部228が暗号化情報の認証を行うと、無線通信装置20Cの通信部216が認証結果を示すService Level Authentication Query Responseを送信する(S418)。
【0077】
上記のService Level Authentication Query RequestおよびResponseの送受信により無線通信装置20Aおよび20Cの相互認証が成功すると、無線通信装置20Aおよび20Cは、通信グループを形成するための処理を行う(S420)。例えば、無線通信装置20Aおよび20Cは、WPS sequenceや4way handshakeなどの通信路の暗号設定を行い、データ通信を開始する(S422)。
【0078】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、ネットワーク上の同一のコミュニティに属するユーザの無線通信装置20が、簡易にクローズドな通信グループを形成することが可能である。さらに、主催者であるユーザの無線通信装置20が優先的にグループオーナーとして動作することができる。なお、上記では無線通信装置20Aおよび無線通信装置20Cが相互認証する例を説明したが、認証処理の形態はかかる例に限定されず、無線通信装置20Aまたは無線通信装置20Cの一方が片方向の認証を行うのみであってもよい。一例として、認証処理の形態は、主催者側である無線通信装置20Cがメンバー側である無線通信装置20Aを認証するのみであってもよい(すなわち、図5におけるS412およびS414に示した処理は省略してもよい。)。これは、以下に説明する第2の動作例および第3の動作例においても同様である。
【0079】
(第2の動作例)
次に、図10を参照し、無線通信装置20の第2の動作例を説明する。
【0080】
図10は、無線通信装置20による第2の動作例を示したシーケンス図である。第2の動作例においては、無線通信装置20Dのユーザが折り紙同好会およびファイトクラブのメンバーであり、無線通信装置20Cのユーザが折り紙同好会およびファイトクラブの主催者であり、無線通信装置20Aおよび20Cが折り紙同好会用の共通鍵およびファイトクラブ用の共有鍵を共有しているものとする。
【0081】
図10に示したように、まず、無線通信装置20Cおよび20Dは、通信グループにおいて担う役割の交渉を行う。第2の動作例においては無線通信装置20Cのユーザが折り紙同好会およびファイトクラブの主催者であり、無線通信装置20Cがグループオーナーとして動作することが望まれるので、無線通信装置20Cは、高い優先度(図10に示した例では「2」)を示す情報を送信する(S502)。一方、無線通信装置20Dのユーザは折り紙同好会およびファイトクラブのメンバーであるので、無線通信装置20Dは、低い優先度(図10に示した例では「1」)を示す情報を送信する(S504)。
【0082】
これにより、無線通信装置20Cおよび20Dは、無線通信装置20Cの方が優先度の高いことを認識できるので、無線通信装置20Dがクライアントとして動作することを決定し、無線通信装置20Cがグループオーナーとして動作することを決定する(S506)。
【0083】
その後、無線通信装置20Dは、無線通信装置20Dのユーザのコミュニティ情報(折り紙同好会メンバー、ファイトクラブメンバー)を示すCommunity Information Query Requestを送信する(S508)。そして、無線通信装置20Cは、無線通信装置20Cのユーザのコミュニティ情報(折り紙同好会主催者、ファイトクラブ主催者)を示すCommunity Information Query Responseを送信する(S510)。
【0084】
図10に示した第2の動作例においては、無線通信装置20間でコミュニティが共通し、一方が当該コミュニティのメンバーであり、他方が当該コミュニティの主催者である、という条件を折り紙同好会およびファイトクラブの双方が満たしている。このため、無線通信装置20Dは、例えば選択画面を介するユーザ操作に基づいて一方のコミュニティ(例えば、折り紙同好会)を選択する(S511)。
【0085】
その後、無線通信装置20Dの認証部228が、記憶部220に記憶されている折り紙同好会用の共通鍵に基づいて暗号化情報を生成し、通信部216が、暗号化情報を含むService Level Authentication Query Requestを送信する(S512)。
【0086】
無線通信装置20Cは、無線通信装置20DからService Level Authentication Query Requestを受信すると、認証部228は、記憶部220に記憶されている折り紙同好会用の共通鍵を利用して暗号化情報の認証を行う。そして、無線通信装置20Cは、認証応答として、認証結果を示すService Level Authentication Query Responseを送信する(S514)。
【0087】
さらに、無線通信装置20Cの認証部228が暗号化情報を生成し、通信部216が暗号化情報を含むService Level Authentication Query Requestを送信する(S516)。そして、無線通信装置20Dの認証部228が暗号化情報の認証を行うと、無線通信装置20Dの通信部216が認証結果を示すService Level Authentication Query Responseを送信する(S518)。
【0088】
上記のService Level Authentication Query RequestおよびResponseの送受信により無線通信装置20Cおよび20Dの相互認証が成功すると、無線通信装置20Cおよび20Dは、通信グループを形成するための処理を行う(S520)。例えば、無線通信装置20Cおよび20Dは、WPS sequenceや4way handshakeなどの通信路の暗号設定を行い、データ通信を開始する(S522)。
【0089】
以上説明したように、2の無線通信装置20が複数のコミュニティに属し、各コミュニティ用の共有鍵を有する場合、一方のコミュニティを選択して通信グループを形成することができる。
【0090】
(第3の動作例)
次に、図11を参照し、無線通信装置20の第3の動作例を説明する。
【0091】
図11は、無線通信装置20による第3の動作例を示したシーケンス図である。第3の動作例においては、無線通信装置20Dのユーザが、折り紙同好会のメンバーであり、かつ、ファイトクラブの主催者であり、無線通信装置20Cのユーザが、折り紙同好会の主催者であり、かつ、ファイトクラブのメンバーであるものとする。
【0092】
第3の動作例のように、無線通信装置20Cおよび20Dが異なるコミュニティの主催者である場合、無線通信装置20Cおよび20Dは、グループオーナーとして動作する優先度をランダムに選択してもよいし、事前に大小関係が設定されていてもよい。その結果例えば無線通信装置20Dがクライアントとして動作することを決定し、無線通信装置20Cがグループオーナーとして動作することを決定する(S602、S606)。
【0093】
その後、無線通信装置20Dは、無線通信装置20Dのユーザのコミュニティ情報(折り紙同好会メンバー、ファイトクラブ主催者)を示すCommunity Information Query Requestを送信する(S608)。そして、無線通信装置20Cは、無線通信装置20Cのユーザのコミュニティ情報(折り紙同好会主催者、ファイトクラブメンバー)を示すCommunity Information Query Responseを送信する(S610)。
【0094】
なお、クライアントとして動作することを決定した無線通信装置20Dは、無線通信装置20Dのユーザがメンバーである折り紙同好会のコミュニティ情報のみを送信してもよい。同様に、グループオーナーとして動作することを決定した無線通信装置20Cは、無線通信装置20Cのユーザが主催者である折り紙同好会のコミュニティ情報のみを送信してもよい。
【0095】
その後、無線通信装置20Dの認証部228が、記憶部220に記憶されている折り紙同好会用の共通鍵に基づいて暗号化情報を生成し、通信部216が、暗号化情報を含むService Level Authentication Query Requestを送信する(S612)。
【0096】
無線通信装置20Cは、無線通信装置20DからService Level Authentication Query Requestを受信すると、認証部228は、記憶部220に記憶されている折り紙同好会用の共通鍵を利用して暗号化情報の認証を行う。そして、無線通信装置20Cは、認証応答として、認証結果を示すService Level Authentication Query Responseを送信する(S614)。
【0097】
さらに、無線通信装置20Cの認証部228が暗号化情報を生成し、通信部216が暗号化情報を含むService Level Authentication Query Requestを送信する(S616)。そして、無線通信装置20Dの認証部228が暗号化情報の認証を行うと、無線通信装置20Dの通信部216が認証結果を示すService Level Authentication Query Responseを送信する(S618)。
【0098】
上記のService Level Authentication Query RequestおよびResponseの送受信により無線通信装置20Cおよび20Dの相互認証が成功すると、無線通信装置20Cおよび20Dは、通信グループを形成するための処理を行う(S620)。例えば、無線通信装置20Cおよび20Dは、WPS sequenceや4way handshakeなどの通信路の暗号設定を行い、データ通信を開始する(S622)。
【0099】
(第4の動作例)
次に、図12を参照し、無線通信装置20の第4の動作例を説明する。
【0100】
図12は、無線通信装置20による第4の動作例を示したシーケンス図である。第4の動作例においては、無線通信装置20Aのユーザが折り紙同好会のメンバーであり、無線通信装置20Bのユーザが折り紙同好会のメンバーであるものとする。
【0101】
まず、図12に示したように、無線通信装置20Aと無線通信装置20Bが役割交渉を行い(S702)、例えば無線通信装置20Aがクライアントとして動作することを決定し、無線通信装置20Bがグループオーナーとして動作することを決定する(S706)。
【0102】
その後、無線通信装置20Aは、無線通信装置20Aのユーザのコミュニティ情報(折り紙同好会メンバー)を示すCommunity Information Query Requestを送信する(S708)。
【0103】
これにより、無線通信装置20Bは、無線通信装置20Aのユーザが共通の折り紙同好会のメンバーであることを把握できるが、無線通信装置20Aのユーザおよび無線通信装置20Bユーザの双方がコミュニティにおけるメンバーである。そこで、無線通信装置20Bは、無線通信装置20Aと通信グループを形成するのでなく、折り紙同好会の主催者情報(例えば、主催者の無線通信装置20のMACアドレス)を有する場合、当該主催者情報を含むCommunity Information Query Responseを送信する(S710)。これにより、無線通信装置20Bは、無線通信装置20Aに、折り紙同好会の主催者との通信グループの形成を促すことが可能である。
【0104】
<5.まとめ>
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、ネットワーク上の同一のコミュニティに属するユーザの無線通信装置20が、事前に配布された共通鍵を利用して簡易にクローズドな通信グループを形成することが可能である。さらに、コミュニティにおける主催者であるユーザの無線通信装置20が優先的にグループオーナーとして動作することができる。
【0105】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0106】
例えば、本明細書の無線通信システム1または無線通信装置20の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。すなわち、無線通信システム1または無線通信装置20の処理における各ステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0107】
一例として、上記の実施形態ではコミュニティ情報や暗号化情報の送受信の前に役割交渉が行われる例を説明したが、役割交渉は、コミュニティ情報または暗号化情報の送受信の後に行われてもよい。または、コミュニティ情報の交換を役割交渉としても利用してもよい。具体的には、一方がメンバーであり他方が主催者である場合には、メンバーである方がクライアントとして動作することを決定し、主催者である方がグループオーナーとして動作することを決定してもよい。
【0108】
また、無線通信装置20に内蔵されるCPU201、ROM202およびRAM203などのハードウェアを、上述した無線通信装置20の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0109】
10 コミュニティサーバ
12 ネットワーク
20 無線通信装置
216 通信部
220 記憶部
224 制御部
228 認証部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置であって、
ネットワーク上のコミュニティに属する前記無線通信装置のユーザを含む複数のユーザに配布された認証情報を記憶する記憶部と;
前記記憶部に記憶された前記認証情報に基づいて周囲の無線通信装置を認証する認証部と;
前記認証部による前記周囲の無線通信装置の認証が成功した場合に前記周囲の無線通信装置と通信グループを形成する制御部と;
を備える、無線通信装置。
【請求項2】
前記無線通信装置は、
前記無線通信装置のユーザが属する前記コミュニティに対応するコミュニティ情報を送信する送信部と;
周囲の無線通信装置から前記周囲の無線通信装置のユーザの前記コミュニティ情報を受信する受信部と;
を備え、
前記認証部は、前記無線通信装置のユーザが属する前記コミュニティと前記周囲の無線通信装置のユーザが属する前記コミュニティが一致する場合に前記認証を行う、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記送信部は、前記無線通信装置のユーザが前記コミュニティの主催者であるか否かを示す情報をさらに送信し、
前記制御部は、さらに、前記無線通信装置のユーザまたは前記周囲の無線通信装置のユーザのいずれかが前記コミュニティの主催者である場合に前記周囲の無線通信装置と通信グループを形成する、請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記無線通信装置のユーザおよび前記周囲の無線通信装置のユーザの双方が前記コミュニティの主催者でない場合、前記コミュニティの主催者情報を前記周囲の無線通信装置に前記送信部から送信させる、請求項3に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記無線通信装置のユーザが前記コミュニティの主催者である場合、前記無線通信装置は、前記周囲の無線通信装置と、前記無線通信装置が優先的に前記通信グループのグループオーナーとして動作できるようネゴシエーションを行う、請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
無線通信装置により実行される無線通信方法であって、
ネットワーク上のコミュニティに属する前記無線通信装置のユーザを含む複数のユーザに配布された認証情報を記憶媒体に記憶するステップと;
前記認証情報に基づいて周囲の無線通信装置と認証するステップと;
前記周囲の無線通信装置の認証が成功した場合に前記周囲の無線通信装置と通信グループを形成するステップと;
を含む、無線通信方法。
【請求項7】
コンピュータを、
無線通信装置であって、
ネットワーク上のコミュニティに属する前記無線通信装置のユーザを含む複数のユーザに配布された認証情報を記憶する記憶部と;
前記記憶部に記憶された前記認証情報に基づいて周囲の無線通信装置を認証する認証部と;
前記認証部による前記周囲の無線通信装置の認証が成功した場合に前記周囲の無線通信装置と通信グループを形成する制御部と;
を備える無線通信装置として機能させるための、プログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−166194(P2011−166194A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22972(P2010−22972)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】