説明

無線通信装置および無線通信方法

【課題】無線通信装置を放電灯の設置された室内で使用する場合、放電灯が点滅することにより受信信号の振幅や位相を急激に変化させるといった無線伝送路変動を引き起こす。この放電灯フェージングの影響で、通信データに誤りが発生しやすくなり通信品質が劣化するという問題があった。
【解決手段】本発明の無線通信装置は、放電灯による無線伝送路の変動が大きくなる期間を検出する伝送路変動期間検出部101と、検出した伝送路変動期間に基づいて送信信号の条件を設定する送信制御部102と、この条件に基づいて送信信号を生成して出力する送信部103と、送信信号を送出するアンテナ104を備える。以上の構成により本構成の無線通信装置は、伝送路変動期間では無線信号の送出を停止または伝送路環境の変化による誤りが発生しにくい無線信号を送出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線LANなどの無線通信装置とその無線通信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスや一般家庭においてローカルエリアネットワーク(以下「LAN」という。)の構築が普及している。なかでも配線が不要であり、情報端末の移動が自由に行える無線ローカルエリアネットワーク(以下「無線LAN」という。)によるLANの構築が増加してきている。
【0003】
現在普及が進む無線LANでは、無線LAN集中制御装置(以下「無線アクセスポイント」という。)が情報コンセントなどに有線で接続され、複数の無線LAN端末はこの無線アクセスポイントとの通信を無線で行う。
【0004】
しかしながら、屋内で使用する無線通信装置において、蛍光灯などの放電灯に起因する無線伝送路環境の急激な変化が発生するために通信データの誤りが発生しやすくなり、通信品質が劣化するという問題がある。
【0005】
無線伝送路において、放電が行われている期間は放電灯が反射物体となり、放電が行われていない期間は放電灯が透過物体となるために、この2つの期間の間で放電灯を経由した電波の振幅及び位相が変化する。これが放電灯によるフェージング(以下「放電灯フェージング」という。)である。
【0006】
なお、通信する全ての無線LAN端末との間に障害物がなく、電源配線も不要になるといった観点から、蛍光灯などの照明装置にアクセスポイントとなる無線通信装置を取り付けるといった方法が特許文献1に示されているが、こうした場合においては、この放電灯フェージングがより大きく影響する。
【0007】
この放電灯フェージングの影響を軽減する一例として、特許文献2に示される自動利得制御装置がある。これは、受信信号の放電灯フェージングによる受信電界強度の変動が、電源周波数に依存して周期性を持つ点に着目し、その周期の電界強度変動成分の情報を記憶しておき、これに基づいて自動利得制御を行うようにしたものである。
【0008】
【特許文献1】実開平6−31286号公報
【特許文献2】特開平8−23335号公報
【特許文献3】特開平8−186456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、放電灯フェージングの伝送路環境下では受信信号の振幅だけでなく位相も変化するために、自動利得制御だけでは通信誤りを十分に減らすことができない。またOFDM信号などの広帯域信号の伝送においては、帯域内の周波数通過特性が放電灯フェージングによって変化する。よって、放電灯フェージングの影響を自動利得制御のみを用いて軽減することは困難である。
【0010】
本発明は、前記の課題を解決するもので、放電灯のフェージングによる無線伝送路の急激な変化に対して、通信データの誤りを回避し安定したスループットを得ることができる無線通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記従来の課題を解決するために、本発明の無線通信装置は、放電灯による無線伝送路の変動が他の期間より大きくなる期間を検出する伝送路変動期間検出部と、検出した伝送路変動期間に基づいて送信信号を設定する送信制御部と、設定した送信信号を出力する送信部と、送信信号を送出するアンテナを有する。以上の構成により本発明の無線通信装置は、伝送路変動期間では無線信号の送出を停止または伝送路環境の変化による誤りが発生しにくい無線信号を送出する。
【発明の効果】
【0012】
本構成によって、受信側の無線端末におけるデータ誤りを回避することが可能になり、通信品質の劣化を防ぐことができる。さらにその結果、データの再送回数を減少させることができ、安定したスループットを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施の形態について説明する前に、本発明の基本概念を説明する。
図1は、商用電源の電圧信号Vmと、商用電源から供給され昇圧コイルで昇圧された昇圧信号Vaと、放電灯のオン・オフ状態を示す点灯信号Lと、伝送路変動期間Tv1,Tv2を示す。ここで、放電灯とは、商用電源から電力供給を受けて点灯する放電灯、蛍光灯等のランプ、その他、商用電源に同期して動作する電気器具を言う。
【0014】
昇圧信号Vaの位相は、昇圧コイル(例えば図2Bの変圧器301)により商用電源の電圧信号Vmの位相と比べ、遅れている。この遅れは、昇圧コイルの特性によるが、一例では、約(1/8)Tである。ここでTは、電圧信号Vmの1サイクル期間である。
【0015】
昇圧信号Vaの正方向の半周期について放電灯の変化について分析する。昇圧信号Vaが加えられた放電灯は、昇圧信号Vaのゼロクロス点を過ぎて第1の所定電圧Va1になると発光を開始し、第2の所定電圧Va2を超えると定格発光状態になる。その後、第2の所定電圧Va2以下になると、放電灯は、定格発光状態から発光が減少し、その後、第1の所定電圧Va1よりも低くなると発光は完全に停止する。昇圧信号Vaの負方向の半周期についても同様の変化を示す。
【0016】
従って、放電灯は、商用電源の周波数の2倍の周波数でオン・オフする。この例に基づき、商用電源の電圧信号Vmと放電灯のオン・オフを調べると次の関係が成り立つ。
放電灯が発光し始めるのは、電圧信号Vmのゼロクロス点から約(1/6)T位相が遅れた点である。放電灯は、発光し始めてから約(1/12)Tの期間を経過した後、定格発光状態に達する。この期間オフ状態から定格発光状態までの期間を増大期間という。定格発光状態が維持される期間はおよそ(1/4)Tである。この期間を放電期間という。放電期間の終点は、電圧信号Vmの次のゼロクロス点にほぼ一致する。次に、定格発光状態から発光が減少し、約(1/12)Tの期間でオフ状態になる。この定格発光状態からオフ状態までの期間を減少期間という。更に、オフ状態が続く期間は、約(1/12)Tである。この期間をオフ期間という。ここで示したオフ期間、増大期間、放電期間、減少期間の各長さは一例であり、放電灯の特性や、昇圧コイルの特性により異なる。しかし、一般の多くの放電灯については、商用電源のゼロクロス点から(1/4)Tまでの期間において、減少期間、オフ期間、増大期間が存在する。
【0017】
更に、ビットストリームをパケット化し、パケット送信する無線LANの伝送路に対する放電灯の影響は、減少期間、増大期間において、伝送路の状態が不安定になる。放電灯は、消灯状態では絶縁体として働き電波を透過し、点灯状態(放電期間)では損失の大きい誘電体として働き電波を反射および吸収する。したがって無線通信の伝送路に放電灯が存在した場合に、減少期間Tv1、増大期間Tv2において、放電灯を経由した電波の振幅と位相が変化し、その他の経路の電波と合成されフェージングが発生し、伝送路の急激な変動を引き起こす。点灯状態においても放電の強度が変化するため電波を反射および吸収する率は変化するが、放電灯内部の誘電率の絶対値は真空の誘電率よりはるかに大きいため、電波を反射および吸収する率の変化は小さい。よって、比較的長い放電期間において伝送路の変動は小さく、点灯状態から消灯状態になる減少期間Tv1と消灯状態から点灯状態になる増大期間Tv2において伝送路の変動が大きくなる。この変動が大きくなる期間Tv1,Tv2は商用電源の電圧変化と一定の時間関係にある。
【0018】
そこで、本発明では、少なくとも減少期間、増大期間を包含する期間を伝送路変動期間Tv1,Tv2とし、この期間に対応する信号Tv1,Tv2を生成し、かかる期間においては、送信を禁止するか、影響を受けにくい信号の送信のみを許可する。以下、Tv1,Tv2は、伝送路変動期間及びこの期間に対応する信号のいずれにも用いられる。すなわち、パケット送信を行う期間が、少なくとも伝送路変動期間Tv1,Tv2を含む場合は、パケット送信に対し制限を加える制限送信モードで送信し、パケット送信を行う期間が、伝送路変動期間Tv1,Tv2を含まない場合は、パケット送信に対し制限を加えない通常送信モードで送信する。
【0019】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
【0020】
図2Aは、本発明の実施の形態1における無線通信装置の構成を示すブロック図である。この実施の形態においては、伝送路変動期間は、商用電源のゼロクロス点から(1/12)Tまでの期間Tv1と、(1/6)Tから(1/12)Tまでの期間Tv2であると推定する。
【0021】
図2Aにおいて、無線通信装置は、伝送路変動期間検出部101aと、送信制御部102aと、送信部103と、アンテナ104を有する。伝送路変動期間検出部101aには商用電源測定部105があり、外部商用電源に接続されている。伝送路変動期間検出部101aは、図2Dに示すような、伝送路変動期間Tv1,Tv2を表した変動期間信号を出力する。送信制御部102aは、送信データであるビットストリームと変動期間信号とを受け、ビットストリームの変調、たとえばQAM変調を行い、パケットを生成し、生成したパケットが伝送路変動期間と重ならないように出力する。送信部103は、送信制御部102からのパケットを高周波の無線信号に乗せる。無線信号は、アンテナ104から発信される。
【0022】
図2Bは、図2Aにおける伝送路変動期間検出部101aのより具体的な例を示すブロック図である。図2Bにおいて伝送路変動期間検出部101aは、変圧器301、ゼロクロス点検出器302、カウンタ303、伝送路変動期間信号生成器304を有する。変圧器301は商用電源に接続されており、商用電源の電圧信号Vmから昇圧信号Vaを生成する。ゼロクロス点検出器302は、昇圧信号のゼロクロス点を検出する。ゼロクロス点検出器の代わりに、ピーク検出器を用いても良い。カウンタ303は、検出されたゼロクロス点でカウントがリセットされ、新たなカウントを開始する。伝送路変動期間信号生成器304は、カウント値に基づき、伝送路変動期間信号を生成する。この実施の形態においては、ゼロクロス点から(1/12)Tまでの期間と、(1/6)Tから(1/12)Tまでの期間において伝送路変動期間信号が生成されるよう、設定されている。伝送路変動期間信号は、送信制御部102aに出力される。
【0023】
ここで、ゼロクロス点検出器302が出力するゼロクロス点信号の周期Tは1/100秒(商用電源が50Hz交流の場合)または1/120秒(商用電源が60Hz交流の場合)となり、放電等による伝送路変動周期と同期する。
【0024】
また図2Cは、図2Aにおける送信制御部102aのより具体的な例を示すブロック図である。図2Cにおいて、送信制御部102aは、周期タイマー305と、送信データバッファ306と、送信フレーム生成部307と、変調器300とを有する。
【0025】
周期タイマー305は図1の伝送路変動期間検出部101からの伝送路変動期間信号を受け、伝送路変動がない時間において次に伝送路変動が発生するまでの時間を出力している。図2Dに示す期間Tv1,Tv2以外の期間を出力する。なお、設計により、手記タイマー305を省くことも可能である。
【0026】
送信データバッファ306は、送信されるビットストリームを受け、必要なタイミングで順次送り出される。送信フレーム生成器307は、送信データバッファ306からビットストリームを受け、送信フレームを生成すると共に、前記周期タイマー305からの信号を受け、伝送路変動がない時間内にデータ送信がなされるよう、送信フレームをパケット化する。変調器300は、パケット化されたデータを変調する。変調の例として、QAM変調、PSK変調がある。他の変調であっても良い。変調されたデータは、送信部103に送られる。
【0027】
図2Aの送信部103では、変調されたデータが無線用のキャリア信号に乗せられ、アンテナより送信される。これよりデータは、伝送路変動がない期間内にアンテナより送信されるため、通信データの誤りを回避することができる。
【0028】
実施の形態1においては、送信制御部102aは、パケット送信期間が少なくとも伝送路変動期間Tv1,Tv2と重なる場合は、送信を全く行わないという、制限送信モードを選択し、パケット送信期間が伝送路変動期間と重ならない場合は、通常の送信を行う、通常送信モードを選択する。
【0029】
なお前述の無線通信装置では、図2Dの203に示すように放電灯が点灯状態から消灯状態になる減少期間Tv1および消灯状態から点灯状態になる増大期間Tv2を伝送路変動期間として推定した。放電灯の放電期間はその消灯期間に比べて長いため、図3Aの期間Tv、又は図3Bの205に示すように放電灯の放電減少時点から定格発光状態の時点までを連続した伝送路変動期間として推定してもよい。これにより無線通信装置がパケットを送出するタイミングを大きく減らすことなく、送信信号の制御頻度を少なくすることができる。この場合の無線通信装置から出力される無線パケットは図3Bの206に示すように、期間Tvを避けたタイミングで送出される。
【0030】
以上のように、放電灯が点灯と消灯を繰り返すことに起因する急激な伝送路変化に対して、この変化するタイミングが商用電源周期と同期していることから、本構成の無線通信装置では商用電源の周期(ゼロクロス点又はピーク点)と位相を測定する。この測定値から本無線通信装置は伝送路変動期間を推定することができ、データパケットの送信タイミングとパケット長を制御して送信することにより、放電灯による伝送路変動のために発生する通信データの誤りを回避することができる。
(実施の形態2)
【0031】
図4Aは、本発明の実施の形態2における無線通信装置の構成を示すブロック図である。
図4Aにおいて、無線通信装置は伝送路変動期間検出部101bと、前記伝送路変動期間検出部101bが出力する伝送路変動期間の信号Tv1,Tv2を入力する送信制御部102aと、前記送信制御部102aが出力する送信信号を入力する送信部103と、前記送信部103と接続されたアンテナ104とを備える。また、前記伝送路変動期間検出部101bの内部には光電変換部106を備える。
【0032】
図5は、本発明の実施の形態2における無線通信装置の動作を示す信号波形であり、横軸は時間を表している。
図4Aと図5において、実施の形態1の図2Aと図2Dと同じ構成や波形については同じ符号を付して動作の詳細な説明を省略する。
【0033】
図5において、207は放電灯からの光を受けて、光電変換部106によって電気信号に変換したものを示している。この電気信号と放電灯の放電期間とは、放電灯が有する放電と発光との時間関係や、光電変換部106の遅延時間により決まる一定の時間関係にある。
【0034】
図4Bは、図4Aにおける伝送路変動期間検出部101bのより具体的な例を示すブロック図である。図4Bにおいて、実施の形態1の図2Bと同じ構成要素については同じ符号を付して動作の詳細な説明を省略する。
図4Bにはフォトダイオード308が内蔵されており、外部からの光入力に対してその強度に応じた電気信号を出力する。ターン・オン検出器309は、このフォトダイオード308からの電気信号が立ち上がる瞬間、すなわち、放電灯が発光を開始する瞬間を検出し、カウンタ303に出力する。ここでターン・オン検出器が出力するターン・オン信号周期は放電等による伝送路変動周期と同期する。以降、カウンタ303および伝送路変動期間信号生成器の動作は、前述の実施の形態1における図2Bの説明と同じである。例えば、ターン・オン検出時点から(1/12)Tまでの期間Tv2を増大期間、また、ターン・オン検出時点以後で(1/3)T経過した時点から(1/12)Tまでの期間Tv1を減少期間と設定し、制御を行う。
【0035】
したがって、本発明の実施の形態2における無線通信装置において、伝送路変動期間検出部101bは、この電気信号と一定の時間関係にある、伝送路変動期間が大きくなる時間を推定する。伝送路変動期間の信号Tv1,Tv2に基づく動作は実施の形態1と同じである。ここでこの光電変換デバイスの遅延時間が既知の場合、本発明の無線通信装置はより正確に伝送路変動期間の検出を行うことができる。
【0036】
なお本発明の実施の形態2における無線通信装置では、図5の203に示すように放電灯が点灯状態から消灯状態になる期間Tv1および消灯状態から点灯状態になる期間Tv2を伝送路変動期間として推定したが、前述の実施の形態1と同様に放電灯の放電減少時点から定格発光状態の時点までを連続した伝送路変動期間として推定してもよい。
【0037】
以上のように本構成の無線通信装置においては、光電変換部を使用して実際の放電灯の点灯期間と消灯期間を測定する。この測定値から本無線通信装置は伝送路変動期間を検出することができ、データパケットの送信タイミングとパケット長を制御して送信することにより、放電灯による伝送路変動のために発生する通信データの誤りを回避することができる。
(実施の形態3)
【0038】
図6Aは、本発明の実施の形態3における無線通信装置の構成を示すブロック図である。
図6Aにおいて、無線通信装置は伝送路変動期間検出部101cと、前記伝送路変動期間検出部101cが出力する伝送路変動期間の信号Tv1,Tv2を入力する送信制御部102aと、前記送信制御部102aが出力する送信信号を入力する送信部103と、前記送信部103と接続され送信時と受信時で入出力の信号を切り替える送受信切り替え部107と、前記送受信切り替え部107と接続されたアンテナ104と、前記送受信切り替え部に接続され受信した無線信号に基づいて受信データの誤り情報もしくは無線伝送路情報を前記伝送路変動期間検出部101cに出力する受信部108を備える。また、前記伝送路変動期間検出部101cの内部には周期信号発生部109を備える。
また図6Aにおいて、本無線通信装置は無線端末110との間で通信を行っているものとする。
【0039】
図7Cは、本発明の実施の形態3における無線通信装置の動作を示す信号波形であり、横軸は時間を表している。
図6Aと図7Cにおいて、実施の形態1の図2Aと図2Dと同じ構成や波形については同じ符号を付して動作の詳細な説明を省略する。
図7Cにおいて、208は伝送路変動期間検出部101c内部の周期信号発生部109から1/100秒または1/120秒ごとに出力される周期信号を示している。この周期は商用電源周期の1/2である。放電灯による伝送路変動はこの周期信号とほぼ一定の時間関係にあるが、周期信号発生部109が発生する周期と実際の商用電源周期との誤差により徐々にずれていく可能性がある。
【0040】
209は無線通信装置が受信したパケットを示している。受信したパケットには、放電灯フェージングによる急激な伝送路変化によりデータ誤りが発生するパケットが存在する。受信部108は受信したパケットにデータ誤りが発生したか否かを伝送路変動期間検出部101cに出力する。
【0041】
無線伝送路において2つの無線通信装置間で同じ周波数チャネルを使用して通信を行う場合、こちら側(アンテナ104がある側)の無線通信装置から相手側の無線端末110までの無線伝送路と、相手端末110からこちらの無線通信装置までの無線伝送路は同じと考えられる。したがって、同じタイミングにおける無線伝送路の変動も等しくなる。受信したパケットにデータ誤りが発生するタイミングを検出することで、放電灯の点灯と消灯を繰り返すタイミングが1/100秒または1/120秒の周期的であることとあわせて、こちらの無線通信装置から送出するパケットに対する伝送路変動期間を検出することができる。
【0042】
図6Bは、図6Aにおける伝送路変動期間検出部101cのより具体的な例を示すブロック図である。図6Bにおいて、実施の形態1の図2Bと同じ構成要素については同じ符号を付している。
図6Bには周期信号発生器310を内蔵しており、この周期信号発生器310は、1/100秒または1/120秒の間隔で周期信号を発生する。いっぽう、データ誤り検出器311は、図6Aの108に示す受信部の出力に接続されており、受信信号のデータ誤りを検出し、エラー信号を出力する。図6Bの312は、エラーレート分布検出器で、前記周期信号発生器310からの周期信号Psを基準に、エラーレートの分布を検出する。検出されたエラーレートの分布は、カウンタ303に出力される。
【0043】
図7Aを用いて、エラーレートの分布が検出される動作を説明する。
周期信号発生器310からの周期信号Psは、放電灯の点灯信号Lのオン・オフのエッジとは同期していないが、オン・オフの周期とほぼ同じである。また、送信部103から送信信号Ssが出力される。受信部108は、無線端末110から正しく受信されなかった場合のエラーを検出し、データ誤り検出器311は、エラー毎に出力されるエラー信号Esを出力する。エラーレート分布検出器312は、周期信号Psを基準にエラーを検出した位相θを求め、位相に対応してエラーの数をカウントし、エラーレート分布を求める。図7Bに求められたエラーレート分布が示されている。図7Aの例では、周期信号Psを基準に位相区間θ1からθ2と、位相区間θ3からθ4にエラーが集中していることが分かる。従って、エラーレート分布検出器312は、図7Bに示す分布図に応じた期間信号を出力する。位相区間θ1からθ2は、伝送路変動期間Tv1に相当し、位相区間θ3からθ4は、伝送路変動期間Tv2に相当する。カウンタ303は、周期信号Psでカウントがリセットされ、新たなカウントを開始し、変動期間Tv1,Tv2を出力する。伝送路変動期間信号生成器304は、カウント値に基づき、伝送路変動期間信号を生成する。
【0044】
エラーレート分布検出器312は、所定期間の分布、例えば1分間の分布を求めてからカウンタ303に出力するのが望ましい。これにより放電灯以外を原因とするデータ誤りをもとにして伝送路変動期間を誤って検出することが防げる。また、カウンタ303を省き、エラーレート分布検出器312の出力を周期信号発生器310に入力し、周期信号発生器310が発生する信号の周期を変化させてもよい。
【0045】
これより、本発明の実施の形態3における無線通信装置において伝送路変動期間検出部101cは、前記周期信号発生部109からの周期信号Psと前記受信部108からのデータ誤りパケットが発生するエラー信号Esから急激な伝送路変化が生じるタイミングを検出する。
【0046】
なお、前述の動作説明における受信したパケットのデータ誤りを示すエラー信号Esの替わりに、受信した無線信号に基づく無線伝送路情報を示すアクノーレッジ信号Ackを受信部108が出力し、伝送路変動期間検出部101cが、放電灯の放電周期における急激な伝送路変化が生じるタイミングを検出することもできる。
【0047】
したがって本構成の無線通信装置によれば、通信相手先端末からの受信パケット誤りに基づき急激な伝送路変化が生じるタイミングを検出し、この期間においてデータの送信を停止させることにより、通信データの誤りを回避することができる。また、本構成の無線通信装置では商用電源測定部や光電変換部を備える必要がなく、ハードウェア構成を簡略化できる。
【0048】
なお、データ送信に用いるパケットの長さを伝送路変動期間が始まるタイミングより所定の時間だけ短くしてもよい。相手の無線端末は通常こちらからの送信の直後に応答信号を送信してくるが、この応答信号のタイミングを伝送路変動期間前に位置させることができる。これにより応答信号をより確実に受信することができる。
(実施の形態4)
【0049】
図8Aは、本発明の実施の形態4における無線通信装置の構成を示すブロック図である。
図8Aにおいて、無線通信装置は伝送路変動期間検出部101dと、前記伝送路変動期間検出部101dが出力する伝送路変動期間の信号Tv1,Tv2を入力する送信制御部102aと、前記送信制御部102aが出力する送信信号を入力する送信部103と、前記送信部103と接続され送信時と受信時で入出力の信号を切り替える送受信切り替え部107と、前記送受信切り替え部107と接続されたアンテナ104と、前記送受信切り替え部に接続され受信した無線信号に基づいて受信データの誤り情報もしくは無線伝送路情報を前記伝送路変動期間検出部101dに出力する受信部108を備える。また、前記伝送路変動期間検出部101dの内部には商用電源測定部105があり外部商用電源に接続されている。
また図8Aにおいて、本無線通信装置は、無線端末110との間で通信を行っているものとする。
【0050】
図9は、本発明の実施の形態4における無線通信装置の動作を示す信号波形であり、横軸は時間を表している。
図8Aと図9において、実施の形態1の図2Aと図2Dと同じ構成や波形については同じ符号を付して動作の詳細な説明を省略する。
【0051】
図9において、201は商用電源の電圧を示している。前記商用電源測定部105が出力する商用電源の電圧値もしくは電流値から前記伝送路変動期間検出部101dは、放電灯による伝送路変動の正確な周期を検出する。
209は無線通信装置の受信部108が受信したパケットを示している。実施の形態3と同様に、受信部108は受信したパケットにデータ誤りが発生したか否かを伝送路変動期間検出部101dに出力する。本発明の実施の形態4における無線通信装置において伝送路変動期間検出部101dは、前記商用電源測定部105からの商用電源の電圧値もしくは電流値と前記受信部108からのデータ誤りパケットが発生するタイミングから急激な伝送路変化が生じるタイミングを検出する。
【0052】
図8Bは、図8Aにおける伝送路変動期間検出部101dのより具体的な例を示すブロック図である。図8Bにおいて、実施の形態1の図2Bおよび実施の形態3の図6Bと同じ構成要素については同じ符号を付して、動作の詳細な説明を省略する。
【0053】
図8Bにおいて変圧器301は商用電源に接続されており、商用電源の電圧レベルを後続のゼロクロス検出器302が入力可能な電圧レベルに変換した信号として出力する。ゼロクロス検出器302は、この商用電源の電圧レベル信号から電圧のゼロクロス点を検出し、カウンタ303に出力する。いっぽう、データ誤り検出器311は、図8Aに示す受信部108の出力に接続されており、受信信号のデータ誤りを検出すると信号を出力する。図8Bのエラーレート分布検出器312は、実施の形態3と同様に、図7Bに示す分布図に応じた期間信号を出力する。すなわち、エラーレート分布検出器312は、ゼロクロス点を基準にエラーを検出した位相θを求め、位相に対応してエラーの数をカウントし、エラーレート分布を求める。従って、エラーレート分布検出器312は、図7Bに示す分布図に応じた期間信号を出力する。だだし、実施の形態4の場合は、実施の形態3と異なり、位相区間を検出する基準点は、周期信号Psではなく、ゼロクロス点になる。カウンタ303は、ゼロクロス点でカウントがリセットされ、新たなカウントを開始し、変動期間Tv1,Tv2を出力する。伝送路変動期間信号生成器304は、カウント値に基づき、伝送路変動期間信号を生成する。
【0054】
したがって、本実施の形態においてはデータ誤りパケットが発生するタイミングを求める基準として商用電源測定部が検出した正確な周期を用いたため、そのタイミングとその基準とが徐々にずれていくことがない。よって、伝送路変動期間を簡単に正確に確定することができる。また、商用電源測定と受信データの測定とを併用したことにより、放電灯器具の個体差により商用電源の変化と伝送路変動期間との関係がばらついた場合にも正しく伝送路変動期間を検出することができる。伝送路変動期間Tv1,Tv2に基づく動作は実施の形態1と同じである。
【0055】
なお、前述の実施の形態3と同様に、前述の動作説明における受信したパケットのデータ誤りを示すエラー信号の替わりに、受信した無線信号に基づく無線伝送路情報を示すアクノーレッジ信号を受信部108が出力し、伝送路変動期間検出部101dが、放電灯の放電周期における急激な伝送路変化が生じるタイミングを検出することもできる。
【0056】
また、本実施の形態における無線通信装置の構成において伝送路変動期間検出部101の内部に商用電源測定部105を備えたが、前述の実施の形態2で示した光電変換部106を備えても同様の伝送路変動期間の検出を行うことができる。
【0057】
伝送路変動期間Tv1,Tv2に基づく動作は実施の形態1と同様である。
したがって本構成の無線通信装置によれば、受信パケットによる無線伝送路情報と、商用電源測定部あるいは光電変換部による無線伝送路の変動周期信号の両方を使用することにより、高精度な伝送路変動期間の検出が行える。急激な伝送路変化が生じるタイミングでデータの送信を停止させることにより、本構成の無線通信装置は通信データの誤りを回避することができる。
(実施の形態5)
【0058】
図10Aは、本発明の実施の形態5における無線通信装置の構成を示すブロック図である。図10Aにおいて、無線通信装置は伝送路変動期間検出部101eと、前記伝送路変動期間検出部101eが出力する伝送路変動期間の信号Tv1,Tv2を入力する送信制御部102aと、前記送信制御部102aが出力する送信信号を入力する送信部103と、前記送信部103と接続され送信時と受信時で入出力の信号を切り替える送受信切り替え部107と、前記送受信切り替え部107と接続されたアンテナ104と、前記送受信切り替え部に接続され前記伝送路変動期間検出部に送出したパケットが正常に伝送できたか否かの信号を出力する正常伝送確認部111を備える。また、前記伝送路変動期間検出部101eの内部には周期信号発生部109を備える。
【0059】
また図10Aにおいて、本無線通信装置は無線端末110との間で通信を行っており、前記無線端末110はパケットを受信するたびに、受信データ誤りがない場合には正常に受信できたことを示す無線パケット(アクノーレッジ信号Ack)をこちらの無線通信装置に対して送出する。また前記無線端末110が受信したデータに誤りが発生した場合や無線信号を受信できなかった場合には、正常に受信できなかったことを示すパケット(エラー信号)をこちらの無線通信装置に対して送出するかもしくは何も信号を送出しない。前記正常伝送確認部111は、この相手側の無線端末110からの無線パケットに基づいて正常に伝送できたか否かを検出する。
【0060】
図11は、本発明の実施の形態5における無線通信装置の動作を示す信号波形であり、横軸は時間を表している。
図10Aと図11において、実施の形態1の図2Aと図2Dと同じ構成や波形については同じ符号を付して動作の詳細な説明を省略する。
【0061】
図11において、201は商用電源の電圧を示している。前記商用電源測定部105が出力する商用電源の電圧値もしくは電流値から前記伝送路変動期間検出部101eは、放電灯による伝送路変動の正確な周期を検出する。
210は本無線通信装置が、伝送路変動期間に基づく送信制御を行う前に送出したパケットの送信タイミングを示している。相手側の無線端末110は、これらのパケットを受信した直後に通常は正常に受信できたことを示す無線パケット(アクノーレッジ信号Ack)を送出する。しかし、放電灯フェージングによる急激な伝送路変化によりデータ誤りが発生した場合には、受信できなかったことを示す無線パケットを送出するか、もしくは何もパケットを送出しない。前記正常伝送確認部111はこの相手端末110が送出するパケット(アクノーレッジ信号Ack)を受信し、その結果を前記伝送路変動期間検出部101eに出力する。211は、前記正常伝送確認部111が出力した信号を示している。
【0062】
図10Bは、図10Aにおける伝送路変動期間検出部101eのより具体的な例を示すブロック図である。図10Bにおいて、実施の形態1の図2Bおよび実施の形態3の図6Bと同じ構成要素については同じ符号を付して、動作の詳細な説明を省略する。
【0063】
図10Bにおいて変圧器301は商用電源に接続されており、商用電源の電圧レベルを後続のゼロクロス検出器302が入力可能な電圧レベルに変換した信号として出力する。ゼロクロス検出器302は、この商用電源の電圧レベル信号から電圧のゼロクロス点を検出し、カウンタ303に出力する。図10Aに示す正常伝送確認部111の出力に接続された正常伝送不可能期間検出器313は、送信部103aから送信される送信信号をモニタすると共に、受信信号の正常な受信(アクノーレッジ信号Ack)を検出する。送信信号に対しアクノーレッジ信号Ackを受けたものについては、エラーは無いと判断すると共に、送信信号に対しアクノーレッジ信号Ackを受けないものについてはエラーがあると判断し、エラー信号を出力する。図10Bのエラーレート分布検出器312は、実施の形態3と同様に、図7Bに示す分布図に応じた期間信号を出力する。すなわち、エラーレート分布検出器312は、ゼロクロス点を基準にエラーを検出した位相θを求め、位相に対応してエラーの数をカウントし、エラーレート分布を求める。従って、エラーレート分布検出器312は、図7Bに示す分布図に応じた期間信号を出力する。カウンタ303は、ゼロクロス点でカウントがリセットされ、新たなカウントを開始し、変動期間Tv1,Tv2を出力する。伝送路変動期間信号生成器304は、カウント値に基づき、伝送路変動期間信号を生成する。
【0064】
図11の波形212は、伝送路変動期間に基づく送信制御がなされた後のパケット送信タイミングを示している。
したがって本構成の無線通信装置によれば、自局が送信した無線パケットに対しての相手局からの応答パケットから無線伝送路の変動周期と伝送路変動期間の検出を行い、急激な伝送路変動が生じるタイミングでデータの送信を停止させることにより、本構成の無線通信装置は通信データの誤りを回避することができる。
(実施の形態6)
【0065】
図12Aは、本発明の実施の形態6における無線通信装置の構成を示すブロック図である。図12Aにおいて、無線通信装置は伝送路変動期間検出部101aと、前記伝送路変動期間検出部101aが出力する伝送路変動期間の信号Tv1,Tv2を入力する送信制御部102bと、前記送信制御部102bが出力する送信信号を入力する送信部103と、前記送信部103と接続されたアンテナ104とを備える。また、前記伝送路変動期間検出部101aの内部には、商用電源測定部105があり外部商用電源に接続されている。さらに、前記送信制御部102bの内部には、送信信号の変調レートを設定する送信レート制御部112と、シンボルレートや変調多値数、誤り訂正符号の符号化率などを変えて無線信号に変調するとともに、これら変調レートの情報を無線パケットに挿入するマルチレート変調器113を備える。
【0066】
図13は、本発明の実施の形態6における無線通信装置の動作を示す信号波形であり、横軸は時間を表している。
図12Aと図13において、実施の形態1の図2Aと図2Dと同じ構成や波形については同じ符号を付して動作の詳細な説明を省略する。
本実施の形態において、伝送路変動期間を検出する動作は実施の形態1と同様である。
【0067】
送信制御部102bは、伝送路変動期間検出部101aから出力される伝送路変動期間の信号Tv1,Tv2に基づき、送信レート制御部112で伝送路の変動が大きくなる期間を示す信号Tv1,Tv2中に送出する無線パケットついては、変調レートを低くし、信号Tv1,Tv2の期間中以外に送出する無線パケットについては、変調レートを高くする。マルチレート変調器113は送信レート制御部112からの送信信号に基づいた変調レートで無線パケットを生成し送出する。
【0068】
図12Bは、図12Aにおける送信制御部102のより具体的な例を示すブロック図である。図12Bにおいて、実施の形態1の図2Cと同じ構成要素については同じ符号を付して、動作の詳細な説明を省略する。
図12Bにおいて、周期タイマー305は図12Aの伝送路変動期間検出部101からの伝送路変動期間信号Tv1,Tv2を受け、伝送路変動がない時間において次に伝送路変動が発生するまでの時間を出力している。送信フレーム生成器314は、送信データバッファ306からデータを受信すると、前記周期タイマー305からの信号に基づいて次に送出するパケットが伝送路変動期間に送信されるかどうかを判断する。無線パケット送信期間の少なくとも一部が伝送路変動期間Tv1,Tv2と重なる場合には、低レートの変調を施す情報を送信フレームのヘッダーに付加する。逆に無線パケット送信期間が伝送路変動期間Tv1,Tv2に重ならない場合には、高レートの変調を施す情報を送信フレームのヘッダーに付加する。マルチレート変調器113は、低レートの変調を施す情報が付加された送信フレームについては、低レートの変調(例えばQPSK変調)を行い、高レートの変調を施す情報が付加された送信フレームについては、高レートの変調(例えば64QAM変調)を行う。
【0069】
図13において、213は本実施形態における無線通信装置の送出する無線パケットのレートと送信タイミングを示している。本構成の無線通信装置において、送出する無線パケットが伝送路変動期間Tv1,Tv2と重なる場合には、低レートの変調による無線パケットを送出し、伝送路変動期間Tv1,Tv2と重ならない場合には、高レートの変調による無線パケットを送出する。したがって本構成の無線通信装置によれば、少なくとも伝送路変動期間Tv1,Tv2において、無線パケットの変調レートを低くするので、フェージング耐性を強くした無線パケットを送信することができる。これにより、通信データの誤りを回避することができる。
【0070】
実施の形態6においては、送信制御部102bは、パケット送信期間が少なくとも伝送路変動期間Tv1,Tv2と重なる場合は、低レートのデータパケットを送信するという、制限送信モードを選択し、パケット送信期間が伝送路変動期間と重ならない場合は、高レートのデータパケットを送信するという、通常送信モードを選択する。
【0071】
なお本実施の形態における無線通信装置において、前述の実施の形態5で説明した正常伝送確認部111を備え、前記正常伝送確認部からの正常伝送確認信号を前記送信レート制御部112に入力することで、伝送路変動期間における最適な変調レートの選択が行える。これにより、可能な限り変調レートを高くすることができる。
(実施の形態7)
【0072】
図14Aは、本発明の実施の形態7における無線通信装置の構成を示すブロック図である。図14Aにおいて、無線通信装置は伝送路変動期間検出部101aと、前記伝送路変動期間検出部101aが出力する伝送路変動期間の信号Tv1,Tv2を入力する送信制御部102cと、前記送信制御部102cが出力する送信信号を入力する送信部103と、前記送信部103と接続されたアンテナ104とを備える。また、前記伝送路変動期間検出部101aの内部には、商用電源測定部105があり外部商用電源に接続されている。さらに、前記送信制御部102cの内部には、受信すべき端末を設定する送信先端末選択制御部114を備える。
【0073】
また図14Aにおいて、本無線通信装置は無線端末A115と無線端末B116の2つの無線端末と通信を行っている。本無線通信装置と無線端末A115との間の無線伝送路は放電灯フェージングによる伝送路の変動が大きく、本無線通信装置と無線端末B116との間の無線伝送路は放電灯フェージングによる伝送路の変動が小さいものとする。すなわち、本無線通信装置と無線端末A115との間には、放電灯が介在し、本無線通信装置と無線端末B116との間には、放電灯が介在していないことが、予め知られている。
【0074】
図15は、本発明の実施の形態7における無線通信装置の動作を示す信号波形であり、横軸は時間を表している。
図14Aと図15において、実施の形態1の図2Aと図2Dと同じ構成や波形については同じ符号を付して動作の詳細な説明を省略する。
【0075】
本実施の形態において、伝送路変動期間を検出する動作は実施の形態1と同様である。
送信制御部102cに設けた送信先端末選択制御部114は、伝送路変動期間検出部101aから出力される伝送路変動期間の検出結果を示す信号Tv1,Tv2に基づき、伝送路変動期間Tv1,Tv2に行う送信は、放電灯が介在しない無線端末B116との通信を選択し、伝送路変動期間Tv1,Tv2以外に行う送信は、放電灯が介在する無線端末A115または放電灯が介在しない無線端末B116との通信を選択する。送信部103は前記送信制御部102からの無線パケットを送出する。
【0076】
図14Bは、図14Aにおける送信制御部102のより具体的な例を示すブロック図である。図14Bにおいて、実施の形態1の図2Cと同じ構成要素については同じ符号を付して、動作の詳細な説明を省略する。
【0077】
図14Bにおいて、周期タイマー305は図14Aの伝送路変動期間検出部101aからの伝送路変動期間信号Tv1,Tv2を受け、伝送路変動がない時間において次に伝送路変動が発生するまでの時間を出力している。また本構成の無線通信装置における送信制御部102cは無線端末Aへの送信データバッファ315と無線端末Bへの送信データバッファ316の2つを備えている。送信フレーム生成器317は、送信先アドレス情報付加部329を有し、前記周期タイマー305からの信号に基づいて、アドレス付加の制御を行う。無線パケット送信期間の少なくとも一部が伝送路変動期間Tv1,Tv2に重なる場合には、無線端末Bへの送信データバッファ116からのデータを読み取り、無線端末Bのアドレス情報を送信フレームのヘッダーに付加する。逆に無線パケット送信期間が伝送路変動期間Tv1,Tv2に重ならない場合には、無線端末Aへの送信データバッファ315または無線端末Bへの送信データバッファ316からのデータを読み取り、それぞれに適合した端末のアドレス情報を送信フレームのヘッダーに付加する。アドレスが付加された送信フレームは、変調器330に送られ変調が行われ、続いて送信部103に送られる。
【0078】
図15において、214は本実施形態における無線通信装置の送出する受信すべき選択された端末の無線パケットと送信タイミングを示している。
したがって本構成の無線通信装置によれば、少なくとも伝送路変動期間Tv1,Tv2において、無線パケットの受信相手先を選択するので、放電灯フェージングの影響を避けることができる。よって、通信データの誤りを回避することができる。
【0079】
実施の形態7においては、送信制御部102cは、パケット送信期間が少なくとも伝送路変動期間Tv1,Tv2と重なる場合は、予め決められた特定の端末にデータパケットを送信するという、制限送信モードを選択し、パケット送信期間が伝送路変動期間と重ならない場合は、制限なく、いずれの端末についてもデータパケットを送信するという、通常送信モードを選択する。
(実施の形態8)
【0080】
図16Aは、本発明の実施の形態8における無線通信装置の構成を示すブロック図である。図16Aにおいて無線通信装置は伝送路変動期間検出部101aと、前記伝送路変動期間検出部101aが出力する伝送路変動期間の信号Tv1,Tv2を入力する送信制御部102dと、前記送信制御部102dが出力する送信信号を入力する送信部103と、前記送信部103と接続され送信時と受信時で入出力の信号を切り替える送受信切り替え部107と、前記送受信切り替え部107に接続されたアンテナ104と、前記送受信切り替え部に接続され受信した無線信号に基づいて、無線端末毎に受信データの誤り情報を分析する受信部108を備える。また、前記伝送路変動期間検出部101aの内部には商用電源測定部105があり外部商用電源に接続されている。さらに前記送信制御部102dの内部には送信信号の条件として送出する無線信号に対して受信すべき端末を設定する送信先端末選択制御部114を備える。
【0081】
図16Aにおいて、本無線通信装置は無線端末A115と無線端末B116の2つの無線端末と通信を行っている。
図17は、本発明の実施の形態7における無線通信装置の動作を示す信号波形であり、横軸は時間を表している。
図16Aと図17において、実施の形態1の図2Aと図2Dと同じ構成や波形については同じ符号を付して動作の詳細な説明を省略する。
本実施の形態において、伝送路変動期間を検出する動作は実施の形態1と同様である。
【0082】
図17において、215は無線通信装置が無線端末A115から受信したパケットを、216は無線通信装置が無線端末B116から受信したパケットを示している。無線端末Aから受信したパケットには、伝送路変動期間検出部101が検出した伝送路変動期間203においてデータ誤りが発生している。しかし、無線端末Bから受信したパケットには、誤りが発生していない。受信部108は、これら無線端末毎の受信パケットにおけるデータ誤り情報を送信制御部102dに出力する。
【0083】
図16Bは、図16Aにおける送信制御部102dのより具体的な例を示すブロック図である。図16Bにおいて、実施の形態1の図2Cおよび実施の形態7の図14Bと同じ構成要素については同じ符号を付して、動作の詳細な説明を省略する。
図16Bにおいて、周期タイマー305は図12Aの伝送路変動期間検出部101aからの伝送路変動期間信号Tv1,Tv2を受け、伝送路変動がない時間において次に伝送路変動が発生するまでの時間を出力している。無線端末通信品質検出器318は、端末Aからのエラーレート検出器331、端末Bからのエラーレート検出器332、エラーレート比較器333を有する。受信部108から出力される受信状態を示す信号にエラー信号が含まれており、エラー信号は、いずれの端末からのパケット信号にエラーが生じたかが分かるようになっている。エラーレート検出器331は、端末Aからのエラー信号を受け、エラーレートを生成する。エラーレート検出器332は、端末Bからのエラー信号を受け、エラーレートを生成する。エラーレートは、図7Bに示すエラーレート分布であっても良いし、単に、所定の単位時間内に発生したエラー信号をカウントするものであってもよい。エラーレート比較器333は、2つのエラーレート検出器331,332からのエラーレートを比較し、エラーが多い方の端末は、伝送路変動が大きいと判断し、エラーが少ない方の端末は、伝送路変動が小さいと判断する。この実施の形態では、無線端末Aから送信された無線パケットにエラーが多いとして説明する。
【0084】
送信フレーム生成器317は、前記周期タイマー305からの信号に基づいて次に送出するパケットが伝送路変動期間に送信されるかどうかを判断する。
無線パケット送信期間が伝送路変動期間Tv1,Tv2にかかる場合には、送信フレーム生成器317は、前記無線端末通信品質検出器318からの情報に基づき、エラーレートの少ない端末、この場合、端末B、を選択する。従って、端末Bへの送信データバッファ316からのデータを読み取り、送信先アドレス情報付加部329において、無線端末Bのアドレス情報を送信フレームのヘッダーに付加し、変調器330にフレームを出力する。
【0085】
逆に無線パケット送信期間が伝送路変動期間Tv1,Tv2にかからない場合には、送信フレーム生成器317は、端末Aもしくは端末Bいずれかの送信データバッファ315または316からのデータを読み取り、それぞれに適合した端末のアドレス情報を送信フレームのヘッダーに付加し、変調器330にフレームを出力する。
【0086】
図17において、214は本実施形態における無線通信装置の送出する受信すべき選択された端末の無線パケットと送信タイミングを示している。
したがって本構成の無線通信装置によれば、少なくとも伝送路変動期間Tv1,Tv2において、無線パケットの受信相手先を選択するので、放電灯フェージングの影響を避けることができる。よって、通信データの誤りを回避することができる。
【0087】
実施の形態8においては、送信制御部102dは、パケット送信期間が少なくとも伝送路変動期間Tv1,Tv2と重なる場合は、蓄積されたエラーレートから決められた特定の端末にデータパケットを送信するという、制限送信モードを選択し、パケット送信期間が伝送路変動期間と重ならない場合は、制限なく、いずれの端末についてもデータパケットを送信するという、通常送信モードを選択する。
(実施の形態9)
【0088】
図18Aは、本発明の実施の形態9における無線通信装置の構成を示すブロック図である。図18Aにおいて無線通信装置は伝送路変動期間検出部101aと、前記伝送路変動期間検出部101aが出力する伝送路変動期間の信号Tv1,Tv2を入力する送信制御部102eと、前記送信制御部102eが出力する送信信号を入力する送信部103と、前記送信部103と接続された複数のアンテナ104とを備える。また、前記伝送路変動期間検出部101aの内部には商用電源測定部105があり外部商用電源に接続されている。さらに前記送信制御部102eの内部には、送出する無線信号の空間多重数を制御する空間多重数制御部117と、空間多重数を変えることができる空間多重変調器118を備える。
【0089】
図19は、本発明の実施の形態9における無線通信装置の動作を示す信号波形であり、横軸は時間を表している。
図18Aと図19において、実施の形態1の図2Aと図2Dと同じ構成や波形については同じ符号を付して動作の詳細な説明を省略する。
本実施の形態において、伝送路変動期間を検出する動作は実施の形態1と同様である。
【0090】
MIMO無線通信などの空間多重による無線通信は、伝送レートを上げる手段として有用であるが、その反面フェージング対して敏感であり、伝送路に変動が発生した場合、大きく通信品質を劣化させてしまう。
送信制御部102eは、伝送路変動期間検出部101aから出力される伝送路変動期間の検出結果を示す信号に基づき、空間多重数制御部117で伝送路の変動が大きくなるタイミングに送出する無線パケットについて空間多重数を小さくもしくは多重しないように設定する。空間多重変調器118は、設定された空間多重数の情報に基づき、無線パケットを生成し送出する。
【0091】
図20は、本無線通信装置から送出する無線パケットを示し、受信ゲインコントロールや同期検出のためのヘッダー部分と、空間多重数を示した部分301と、データ部分とから構成される。図20の部分301は、空間多重変調器118により加えられ、無線端末に無線パケットの空間多重数情報を伝える。
【0092】
図18Bは、図18Aにおける送信制御部102eのより具体的な例を示すブロック図である。図18Bにおいて、実施の形態1の図2Cと同じ構成要素については同じ符号を付して、動作の詳細な説明を省略する。
図18Bにおいて、周期タイマー305は図12Aの伝送路変動期間検出部101aからの伝送路変動期間信号Tv1,Tv2を受け、伝送路変動がない時間において次に伝送路変動が発生するまでの時間を出力している。送信フレーム生成器319は、送信データバッファ306からデータを受信すると、前記周期タイマー305からの信号に基づいて次に送出するパケットが伝送路変動期間に送信されるかどうかを判断する。無線パケット送信期間が伝送路変動期間Tv1,Tv2にかかる場合には、少ない空間多重による変調を施す情報を送信フレームのヘッダーに付加する。逆に無線パケット送信期間が伝送路変動期間Tv1,Tv2にかからない場合には、可能な範囲で最大の空間多重数の変調を施す情報を送信フレームのヘッダーに付加する。
【0093】
図19において、217は本実施形態における無線通信装置の送出する無線パケットの空間多重のチャネル数と送信タイミングを示している。本構成の無線通信装置において、送出する無線パケットが伝送路変動期間Tv1,Tv2と重ならない場合には、N本(Nは正の整数)のアンテナ数を用いる空間多重を行い、無線パケットを生成する。送出する無線パケットが伝送路変動期間Tv1,Tv2と重なる場合には、M本(Mは正の整数)のアンテナ数を用いる空間多重を行い、無線パケットを生成する。ここで、N>Mであり、M>=1である。
【0094】
本構成の無線通信装置によれば、急激な伝送路変化が生じるタイミングで無線パケットを送信する場合、空間多重数を小さくしているので、フェージング耐性を強くすることができる。よって、通信データの誤りを回避することができる。
【0095】
実施の形態9においては、送信制御部102eは、パケット送信期間が少なくとも伝送路変動期間Tv1,Tv2と重なる場合は、空間多重数を少なく、もしくは多重しないようにしてデータパケットを送信するという、制限送信モードを選択し、パケット送信期間が伝送路変動期間と重ならない場合は、空間多重数を可能な範囲で制限なくデータパケットを送信するという、通常送信モードを選択する。
(実施の形態10)
【0096】
図21Aは、本発明の実施の形態10における無線通信装置の構成を示すブロック図である。
図21Aにおいて無線通信装置は伝送路変動期間検出部101aと、前記伝送路変動期間検出部101aが出力する伝送路変動期間の信号Tv1,Tv2を入力する送信制御部102fと、前記送信制御部102fが出力する送信信号を入力する送信部103と、前記送信部103と接続され送信時と受信時で入出力の信号を切り替える複数の送受信切り替え部107と、前記複数の送受信切り替え部107とそれぞれ接続された複数のアンテナ104と、複数の送受信切り替え部107に接続された受信部108を備える。
【0097】
この実施の形態においては、3本のアンテナA,B,Cが設けられており、それぞれのアンテナA,B,Cに対応して切り替え部107が設けられている。また、受信部108は、相手側の無線端末から送出した無線パケットを受信し、この信号に基づき相手側無線端末の受信状態情報を前記伝送路変動検出部101aと前記送信制御部102fに出力する。前記伝送路変動検出部101aの内部には商用電源測定部105を備える。
さらに前記送信制御部102fの内部には、送出する無線信号の空間多重数W(この実施の形態ではWは、1,2,3のいずれか)を制御する空間多重数制御部117と、空間多重変調器118を備える。空間多重変調器118は、空間多重数制御部117が出力する送信信号の空間多重数Wに応じて、無線信号に変調するとともに、空間多重数情報を無線パケットに挿入する。
【0098】
図21Aにおいて、更に、本無線通信装置と通信を行うマルチアンテナ無線端末122が示されている。マルチアンテナ無線端末122は、無線パケットを送出する送信部123と、送信部123と接続され送信時と受信時で入出力の信号を切り替える複数の送受信切り替え部107と、複数の送受信切り替え部107とそれぞれ接続された複数のアンテナ104と、複数の送受信切り替え部107に接続された受信状態検出部124を備える。
【0099】
この実施の形態においては、3本のアンテナD,E,Fが設けられており、それぞれのアンテナD,E,Fに対応して切り替え部107が設けられている。
受信状態検出部124は、ABC分離器130と、アンテナAからのエラーレート検出器131と、アンテナBからのエラーレート検出器131と、アンテナCからのエラーレート検出器131と、エラーレート比較器134を有する。
【0100】
図21Bは、図21Aにおける送信制御部102fのより具体的な例を示すブロック図である。図21Bにおいて、実施の形態1の図2Cと同じ構成要素については同じ符号を付して、動作の詳細な説明を省略する。
図21Bにおいて、送信制御部102fは、周期タイマー305、空間チャンネル通信品質検出部336、送信フレーム生成部326、送信データバッファ306、空間多重変調器118を有する。また、送信フレーム生成器326には空間多重数送信アンテナ情報付加部337が設けられている。
【0101】
次に、この実施の形態の動作について説明する。
まず、送信制御部102fにおいて空間多重数が3チャンネルである送信信号が作成され、送信部103を介し、アンテナA,B,Cからそれぞれ第1チャンネル、第2チャンネル、第3チャンネルの信号が送信される。
【0102】
つぎに、図24に示すように、マルチアンテナ無線端末122におけるアンテナDは、第1,第2,第3チャンネルの送信信号を受信し、アンテナEも、第1,第2,第3チャンネルの送信信号を受信し、アンテナFも、第1,第2,第3チャンネルの送信信号を受信する。ここでは、アンテナAからアンテナDに向けての伝送路パスにおいて放電灯フェージングによる伝送路変動が大きい場合を考える。
【0103】
受信状態検出部124において、ABC分離器130は、アンテナD,E,Fからの受信信号について、アンテナAからの受信信号と、アンテナBからの受信信号と、アンテナCからの受信信号とに分離する。アンテナAからの受信信号は、Aからのエラーレート検出器131に送られ、そこでアンテナAから送信された信号のエラーレートを検出する。また、アンテナBからの受信信号は、Bからのエラーレート検出器132に送られ、そこでアンテナBから送信された信号のエラーレートを検出する。アンテナCからの受信信号は、Cからのエラーレート検出器133に送られ、そこでアンテナCから送信された信号のエラーレートを検出する。
【0104】
エラーレート比較器134は、エラーレート検出器131,132,133からのエラーレートを相互比較し、アンテナA,B,Cの内いずれのアンテナからの受信信号のエラーレートが一番大きいかを特定する。替わりに、エラーレート比較器134は、エラーレート検出器131,132,133からのエラーレートを所定のエラーレートと比較し、所定のエラーレートよりも大きいエラーレートを有するアンテナを特定するようにしてもよい。ここでは、アンテナAからの受信信号のエラーレートが一番大きい、又は所定のエラーレートよりも大きい、との比較結果が得られたとする。この場合、エラーレート比較器134は、アンテナAを使用禁止アンテナとして特定する。すなわち、本無線通信装置のアンテナA,B,Cの内、アンテナAから送信された信号がフェージングの影響を受けやすいことを特定する。この「アンテナAを使用禁止アンテナとする」との情報は送信部123に送られ、この情報が図23に示す受信状態を示すパケット302に書き込まれる。図23において、無線パケット302は、受信ゲインコントロールや同期検出のためのヘッダー部分と、受信状態を示した部分とから構成され、無線端末から本無線通信装置へ送信される。この場合、マルチアンテナ無線端末122が送出する無線パケットは、空間多重して送信する必要はない。
【0105】
本無線通信装置では、受信されたパケットを、受信部108に送り、さらに送信制御部102fに送る。送信制御部102fにおいて、空間チャンネル通信品質検出部336は、受信したパケットから「アンテナAを使用禁止アンテナとする」の情報を読み、その情報を送信フレーム生成器326に送る。送信フレーム生成器326は、周期タイマー305からの信号に基づいて次に送出するパケットが伝送路変動期間Tv1,Tv2に送信されるかどうかを判断する。
【0106】
無線パケット送信期間が伝送路変動期間に重なる場合には、送信データバッファ306からのデータを読み取り、送信フレームを生成するが、使用が禁止されたアンテナ以外のアンテナを用いる構成とする。上述の場合は、空間多重数は、2チャンネルであり、アンテナB,Cを用いる送信フレームを生成する。空間多重数送信アンテナ情報付加部337において、送信フレームのヘッダーに空間多重数と送信アンテナ情報を付加する。空間多重変調器118では、2チャンネル多重の変調を行い、送信部103に出力し、アンテナB,Cから信号を送信する。このとき、空間多重変調器118は、図20に示すように、パケット301に空間多重数を示す信号を付加する。図25は、ここで説明した、無線パケットの送信期間が伝送路変動期間と重なる場合の空間チャネルの状態を示す。
【0107】
逆に無線パケット送信期間が伝送路変動期間に重ならない場合には、空間多重による送信アンテナの制限はなく、可能な範囲で最大の空間多重数の変調を施す情報を送信フレームのヘッダーに付加し、送信部103に出力する。
【0108】
図22は、本発明の実施の形態10における無線通信装置の動作を示す信号波形であり、横軸は時間を表している。図21Aと図22において、実施の形態1の図2Aと図2Dと同じ構成や波形については同じ符号を付して動作の詳細な説明を省略する。
図22において、209は本無線通信装置が受信した、相手側無線端末122の受信状態を示すパケットを示している。また、221は本実施形態における無線通信装置の送出する無線パケットの空間多重のチャネル数と送信タイミングを示している。すなわち、本構成の無線通信装置において、送出する無線パケットが伝送路変動期間と重なる場合には、空間多重のチャネル数を伝送路における放電灯フェージングの影響の小さなアンテナからのみ無線パケットを送出し、伝送路変動期間と重ならない場合には、無線通信装置のもつアンテナ数に等しいチャネル数の空間多重による無線パケットを送出する。
【0109】
なお、本実施の形態における無線通信装置の構成において伝送路変動期間検出部101aの内部に商用電源測定部105を備えたが、周期信号発生部109あるいは光電変換部106を備えても同様の伝送路変動期間の検出を行うことができる。
【0110】
本実施の形態における無線通信装置によれば、少なくとも伝送路変動期間Tv1,Tv2において、無線パケットの空間多重数を小さくしているので、フェージング耐性を強くすることができる。これにより、通信データの誤りを回避することができる。
【0111】
実施の形態10においては、送信制御部102fは、パケット送信期間が少なくとも伝送路変動期間Tv1,Tv2と重なる場合は、送信するアンテナ数を、可能な数より少ない数でデータパケットを送信するという、制限送信モードを選択し、パケット送信期間が伝送路変動期間と重ならない場合は、送信するアンテナ数を、可能な数でデータパケットを送信するという、通常送信モードを選択する。
(実施の形態11)
【0112】
図26Aは、本発明の実施の形態11における無線通信装置の構成を示すブロック図である。
図26Aにおいて無線通信装置は伝送路変動期間検出部101aと、前記伝送路変動期間検出部101aが出力する伝送路変動期間の信号Tv1,Tv2を入力する送信制御部102gと、前記送信制御部102gが出力する送信信号を入力する送信部103と、前記送信部103と接続され送信時と受信時で入出力の信号を切り替える複数の送受信切り替え部107と、前記複数の送受信切り替え部107とそれぞれ接続された複数のアンテナ104と、受信状態検出部121を備える。受信状態検出部121は、受信信号に基づいて空間多重の復調処理を行い、チャネル毎の受信データ誤り情報もしくは無線伝送路情報を生成する。生成した受信データ誤り情報もしくは無線伝送路情報は、前記伝送路変動検出部101と前記送信制御部102に出力される。また、前記伝送路変動期間検出部101aの内部には商用電源測定部105を備える。
【0113】
さらに前記送信制御部102gの内部には、送信モード制御部119と、マルチモード変調部120を備える。送信モード制御部119は、送出する無線信号を空間多重による信号にするか、送信ダイバーシチによる信号にするかの変調モード制御信号を生成する。マルチモード変調器120は、変調モード制御信号を受け、送信モードを空間多重モードか、送信ダイバーシチモードのいずれかに設定し、無線信号を変調するとともに、空間多重数情報を無線パケットに挿入する。
【0114】
また図26Aにおいて、本無線装置は同じく複数のアンテナ104を備えるマルチアンテナ無線端末122との間で通信を行っている。
【0115】
図26Cは、図26Aにおける受信状態検出部121のより具体的な例を示すブロック図である。図26Aに示す複数の送受信切り替え部107からの受信信号は、図26Cのチャネル行列検出器322とチャネル分離合成器323に接続されている。まず受信信号が入力されると、チャネル行列検出器322は、受信信号先頭部に付加されているトレーニング信号を使用してプリアンブル部分をチェックする。これにより、相手端末の複数アンテナと本無線通信装置の複数アンテナ間の各空間チャネル情報を示す空間伝送路行列を検出する。チャネル分離合成部323は、空間伝送路行列に基づき、続いて入力される受信信号のデータ部分について、複数のチャネル毎にデータを復調し出力する。データ誤り検出器324は、チャネル毎のデータについてデータ誤り検出を行う。その結果を図26Aの伝送路変動検出部101aに出力すると共に、行列再編成器339にも出力する。行列再編成器339は、チャネル行列検出器322の出力する空間伝送路行列を、前記データ誤り検出器324の誤り検出結果に基づき再編成し、再編成された空間伝送路行列を出力する。ここでは、アンテナDからアンテナAに向けての伝送路パスにおいて放電灯フェージングによる伝送路変動が大きい場合について説明する。
【0116】
図28は、このときの空間チャネルの状態を示す。図28において、A、B,Cは本無線通信装置のアンテナを示し、D、E、Fは相手側マルチアンテナ無線端末122のアンテナを示す。アンテナDからアンテナAに向けての伝送路パスにおいて放電灯フェージングによる伝送路変動が大きいので、本無線装置の受信状態検出部121のデータ誤り検出器324では、伝送路変動期間における受信パケットにおいてアンテナDから送出されたチャネル信号の品質が劣化したことを検出できる。またデータ誤り検出器324は、アンテナE、Fから送出されたチャネル信号は、伝送路変動期間においても通信に支障がないことを検出すると同時に、アンテナE,Fから本無線通信装置のアンテナA,B,Cへのそれぞれの伝送路情報も検出することができる。
【0117】
図26Bは、図26Aにおける送信制御部102のより具体的な例を示すブロック図である。図26Bにおいて、実施の形態1の図2Cと同じ構成要素については同じ符号を付して、動作の詳細な説明を省略する。
図26Bにおいて、周期タイマー305は図12Aの伝送路変動期間検出部101aからの伝送路変動期間信号Tv1,Tv2を受け、伝送路変動がない時間において次に伝送路変動が発生するまでの時間を出力している。また本構成の無線通信装置における送信制御部は図26Bの320に示す送信ダイバーシチ制御器を備えている。
【0118】
前記送信ダイバーシチ制御器320は、図26Cに示す行列再編成器339から出力される再編成された空間伝送路行列を受け、相手側無線端末のアンテナD,E,Fの内どのアンテナから送信された信号がフェージングの影響を受けやすいかを特定する。ここで、アンテナDからの信号がフェージングの影響を受けやすいと特定されたものとする。更に、送信ダイバーシチ制御器320は、特定したアンテナDを使用しない代わりに、空間多重通信が可能な送信ダイバーシチ係数を決定する。決定した送信ダイバーシチ係数は、送信フレーム生成器321に出力する。
【0119】
送信フレーム生成器321は、送信データバッファ306からデータを受信すると、周期タイマー305からの信号に基づいて次に送出するパケットが伝送路変動期間Tv1,Tv2に送信されるかどうかを判断する。
【0120】
無線パケット送信期間が伝送路変動期間に重なる場合には、前記送信ダイバーシチ制御器320からの送信ダイバーシチ係数に基づいて送信データバッファからのデータを読み取り、送信ダイバーシチよる無線信号の送信処理を行う。更に、ダイバーシチ情報付加部338により、送信フレームのヘッダーにダイバーシチ情報を付加する。付加された送信フレームは、送信部103に出力される。アンテナDからの信号がフェージングの影響を受けやすいと特定された場合の伝送路の構成が図29に示されている。図29において、伝送路変動期間には、再編成された空間伝送路行列に基づき、送信ダイバーシチによる変調を行い、アンテナA,B,Cから伝送路変動の小さいアンテナEとFに向けて、空間多重数2の無線パケットを送出する状態が示されている。すなわち、アンテナE,Fでの受信電力が大きくなるよう、または空間チャネルを分離するためアンテナE,Fの相関が小さくなるよう、無線パケットを送出する。
【0121】
逆に無線パケット送信期間が伝送路変動期間に重ならない場合には、送信ダイバーシチによる無線信号の送信は必ずしも必要ではないため、送信フレーム生成器321は、通常の空間多重による変調処理を行い、ダイバーシチ情報付加部338は、通常の空間多重による変調を施す情報を送信フレームのヘッダーに付加する。
【0122】
図27は、本発明の実施の形態11における無線通信装置の動作を示す信号波形であり、横軸は時間を表している。
図26Aと図27において、実施の形態1の図2Aと図2Dと同じ構成や波形については同じ符号を付して動作の詳細な説明を省略する。
【0123】
図27において、218は無線通信装置が受信したパケットを示している。受信したパケットには、放電灯フェージングによる急激な伝送路変化により空間チャネルの一部でデータ誤りが発生するパケットが存在する。受信状態検出部121は受信したパケットにデータ誤りが発生したか否かを伝送路変動期間検出部101に出力する。また、219は本実施形態における無線通信装置の送出する無線パケットの空間多重のチャネル数と送信タイミングを示している。本構成の無線通信装置において、送出する無線パケットが伝送路変動期間と重なる場合には、指向性を制御した送信ダイバーシチによる無線パケットを送出し、伝送路変動期間と重ならない場合には、空間多重による無線パケットを送出する。
【0124】
本実施の形態の無線通信装置によれば、伝送路変動期間Tv1,Tv2において、無線パケットを送信ダイバーシチによる指向性制御を行うので、フェージング耐性を強くすることができる。これにより通信データの誤りを回避することができる。
【0125】
実施の形態11においては、送信制御部102gは、パケット送信期間が少なくとも伝送路変動期間Tv1,Tv2と重なる場合は、送信ダイバーシチによる指向性制御でデータパケットを送信するという、制限送信モードを選択し、パケット送信期間が伝送路変動期間と重ならない場合は、空間多重数を可能な範囲で制限なくデータパケットを送信するという、通常送信モードを選択する。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明にかかる無線通信装置は、無線LAN装置等に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の基本概念を説明する信号の波形図
【図2A】本発明の実施の形態1における無線通信装置の構成図
【図2B】本発明の実施の形態1における図2Aの伝送路変動期間検出部の具体的構成図
【図2C】本発明の実施の形態1における図2Aの送信制御部の具体的構成図
【図2D】本発明の実施の形態1における無線通信装置における第1の内部信号図
【図3A】本発明の基本概念を説明する信号の波形図
【図3B】本発明の実施の形態1における無線通信装置における第2の内部信号図
【図4A】本発明の実施の形態2における無線通信装置の構成図
【図4B】本発明の実施の形態2における図4Aの伝送路変動期間検出部の具体的構成図
【図5】本発明の実施の形態2における無線通信装置における内部信号図
【図6A】本発明の実施の形態3における無線通信装置の構成図
【図6B】本発明の実施の形態3における図6Aの伝送路変動期間検出部の具体的構成図
【図7A】本発明の実施の形態3における無線通信装置における内部信号図
【図7B】本発明の実施の形態3における無線通信装置における内部信号図
【図7C】本発明の実施の形態3における無線通信装置における内部信号図
【図8A】本発明の実施の形態4における無線通信装置の構成図
【図8B】本発明の実施の形態4における図8Aの伝送路変動期間検出部の具体的構成図
【図9】本発明の実施の形態4における無線通信装置における内部信号図
【図10A】本発明の実施の形態5における無線通信装置の構成図
【図10B】本発明の実施の形態5における図10Aの伝送路変動期間検出部の具体的構成図
【図11】本発明の実施の形態5における無線通信装置における内部信号図
【図12A】本発明の実施の形態6における無線通信装置の構成図
【図12B】本発明の実施の形態6における図12Aの送信制御部の具体的構成図
【図13】本発明の実施の形態6における無線通信装置における内部信号図
【図14A】本発明の実施の形態7における無線通信装置の構成図
【図14B】本発明の実施の形態7における図14Aの送信制御部の具体的構成図
【図15】本発明の実施の形態7における無線通信装置における内部信号図
【図16A】本発明の実施の形態8における無線通信装置の構成図
【図16B】本発明の実施の形態8における図16Aの送信制御部の具体的構成図
【図17】本発明の実施の形態8における無線通信装置における内部信号図
【図18A】本発明の実施の形態9における無線通信装置の構成図
【図18B】本発明の実施の形態9における図18Aの送信制御部の具体的構成図
【図19】本発明の実施の形態9における無線通信装置における内部信号図
【図20】本発明の実施の形態9および実施の形態10、実施の形態11において本無線通信装置から相手側無線端末に向けて送出する無線パケットの構成図
【図21A】本発明の実施の形態10における無線通信装置の構成図
【図21B】本発明の実施の形態10における図21Aの送信制御部の具体的構成図
【図22】本発明の実施の形態10における無線通信装置における内部信号図
【図23】本発明の実施の形態10において相手側無線端末から本無線通信装置に向けて送出する無線パケットの構成図
【図24】本発明の実施の形態10における第1の空間チャネルの状態図
【図25】本発明の実施の形態10における第2の空間チャネルの状態図
【図26A】本発明の実施の形態11における無線通信装置の構成図
【図26B】本発明の実施の形態11における図26Aの送信制御部の具体的構成図
【図26C】本発明の実施の形態11における図26Aの受信状態検出部の具体的構成図
【図27】本発明の実施の形態11における無線通信装置における内部信号図
【図28】本発明の実施の形態11における第1の空間チャネルの状態図
【図29】本発明の実施の形態11における第2の空間チャネルの状態図
【符号の説明】
【0128】
101 伝送路変動検出部
102 送信制御部
103 送信部
104 アンテナまたはアンテナ
105 商用電源測定部
106 光電変換部
107 送受信切り替え部
108 受信部
109 周期信号発生部
110 無線端末
111 正常伝送確認部
112 送信レート制御部
113 マルチレート変調器
114 送信先端末選択制御部
115 無線端末A
116 無線端末B
117 空間多重数制御部
118 空間多重変調器
119 送信モード制御部
120 マルチモード変調器
121 受信状態検出部
122 マルチアンテナ無線端末
123 マルチアンテナ無線端末内部の送信部
124 マルチアンテナ無線端末内部の受信状態検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの端末と所定の変調レートでデータ通信を行い、前記端末との間の伝送路が所定の周期で周期的に変動する特性を検出し、通信制御を行う通信装置であって、
前記所定の周期の1周期内の複数のタイミングで、前記端末から送信されたパケットを受信し、前記受信したパケットの受信状態を通知する受信部と、
前記受信部から通知された前記複数のタイミングで受信したパケットの受信状態に基づいて、前記所定の周期内で前記端末から前記所定の変調レートで送信されたパケットを受信した場合にデータ誤りが発生する確率の高い区間を検出する検出部と、
以降の各前記所定の周期における前記検出部で検出された区間を、前記端末とのデータ通信の際に前記所定の変調レートよりも低い変調レートを用いる区間として設定する制御部と、を備えた通信装置。
【請求項2】
前記受信部は、前記受信したパケットにデータ誤りが含まれているか否かを判定し、データ誤りが含まれていると判定した場合にはエラー信号を出力し、
前記検出部は、前記受信部から出力されたエラー信号に基づいて前記所定の周期内でのエラーレートの分布を算出して、エラーの発生が集中している区間を検出する、請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記通信装置は、前記所定の周期毎に周期信号を出力する周期信号発生部をさらに備え、
前記受信部は、前記所定の周期の複数周期に亘って前記端末から送信された複数のパケットを受信し、
前記検出部は、前記周期信号発生部から周期信号が出力された時点を基準にエラーを検出した位相を求め、各位相において発生したエラーの数を前記所定の周期の複数周期に亘ってカウントすることによりエラーレートの分布を算出する請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
前記周期信号発生部は、商用交流電源の電圧もしくは電流を検出し、前記電圧もしくは電流に基づいて前記周期信号を出力する請求項3記載の通信装置。
【請求項5】
前記受信部は、前記端末から送信されたパケットを受信すると、受信信号に基づく伝送路情報を出力し、
前記検出部は、前記受信部から出力される各パケットを受信したタイミングにおける伝送路情報に基づいて、前記所定の周期内で前記端末から前記所定の変調レートで送信されたパケットを受信した場合にデータ誤りが発生する確率の高い区間を検出する、請求項1記載の通信装置。
【請求項6】
少なくとも一つの端末と所定の変調レートでデータ通信を行い、前記端末との間の伝送路が所定の周期で周期的に変動する特性を検出し、通信制御を行う通信方法であって、
前記所定の周期の1周期内の複数のタイミングで、前記端末から送信されたパケットを受信するステップと、
前記複数のタイミングで受信した各パケットの受信状態に基づいて、前記所定の周期内で前記端末から送信されたパケットを受信した場合にデータ誤りが発生する確率の高い区間を検出するステップと、
以降の各前記所定の周期における前記検出部で検出された区間を、前記端末とのデータ通信の際に前記所定の変調レートよりも低い変調レートを用いる区間として設定するステップと、を含む通信方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2009−50007(P2009−50007A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229711(P2008−229711)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【分割の表示】特願2006−512059(P2006−512059)の分割
【原出願日】平成17年4月1日(2005.4.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】