説明

焼成用容器及び焼成用搬送台車

【課題】焼成炉の高温排ガスが保有する顕熱を効率的に回収して省エネルギー化が可能な焼成用容器及び焼成用搬送台車を提供する。
【解決手段】高温に保持される加熱室12と、加熱室12に連接して設けられ、被焼成物を収容して加熱室12からの熱で被焼成物の焼成を行う焼成室13とを有し、更に、焼成室13には、焼成室13からの放熱を抑制する輻射熱反射材からなる遮蔽部材20が取付けられている焼成用容器10において、輻射熱反射材は、耐熱性を有する非酸化物系の無機繊維21が交錯した基材22と、基材22を形成している無機繊維21を覆う保護層23とを有し、保護層23は耐熱及び耐食性を備えた酸化物、複合酸化物、又は酸化物及び複合酸化物からなる混合酸化物のいずれかにより形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省エネルギー、CO削減などの環境低負荷化に多大に寄与する焼成用容器及び焼成用搬送台車に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の化石燃料枯渇や地球温暖化防止のため、あらゆる工業製品の生産工程には、省エネルギー技術、COガス削減に関わる技術が取り込まれている。とりわけ、各種工業製品の中で、金属やセラミックスで構成されている部品のほとんどは、数百〜2000℃の温度領域で製造されている。例えば、金属材料や金属部材の熱処理、浸炭焼き入れ、調質、焼鈍、焼き入れ、焼結、ろう付けは、200〜1200℃の温度範囲で、炭素製品の炭化や黒鉛化処理には1200〜3000℃の温度範囲で、ファインセラミックスの焼成や焼結は700〜2300℃の温度範囲でそれぞれ行われている。そして、これらの殆どのプロセスには、ガスあるいは液体燃料の燃焼炎を熱源として用いる燃焼加熱炉、場合によっては電気炉が使用されている。なお、燃焼加熱炉、電気炉における加熱部や高温暴露部には、耐火性及び保温性を有する煉瓦、アルミナやカーボン等の耐火物が用いられ、熱量の損失が出来るだけ少なくなるように設計されている。ところが、ガス燃焼加熱炉や雰囲気制御加熱炉における最も顕著な熱損失は、高温排ガスによる熱損失である。従って、これらの加熱炉の省エネルギー化を図るためには、高温の排ガスが保有する顕熱(エンタルピー)をいかに多く回収するかが鍵になる。高温排ガスの顕熱を炉内で回収できれば、燃料や電力の節約に直結する省エネルギー化が可能である。
【0003】
その具体的な回収方法として、高温排ガスの流路に熱輻射効率が高く通気性の良い物質、例えば、耐熱性の無機繊維で形成された不織布を貼れば、排ガス顕熱の一部が不織布に伝達され、輻射熱として炉内に放射させて顕熱を回収する等の手段が提案されている。これらの技術に用いられる無機繊維は、ポリカルボシランを前駆体として有機−無機変換プロセスにより作製される炭化ケイ素系連続繊維で、この炭化ケイ素系連続繊維で形成された不織布は、元来、ほぼ理想的な黒体放射を発する機能性を有している。また、熱伝導率が3W/m・K以下であり、比熱が小さいことから断熱性に優れている。更に、不織布という形態のため、急速加熱や急速冷却してもバルク材のように熱衝撃で割れる心配もなく、俯形性にも優れる。このため、ガス燃焼加熱炉の内張あるいは排気口に取付けて、燃焼ガスが不織布を通過する際の顕熱を輻射で炉内へ反射させる熱レフレクター効果と、断熱の熱フィルター効果により、20%以上の燃料節約が可能になるとされている(例えば、特許文献1、2、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−210782号公報
【特許文献2】特開2008−45150号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】鈴木謙爾、他3名「Si−C−(M)−O系繊維不織布マットによるガス燃焼加熱炉の省エネルギー化ならびに高性能化」、工業加熱、(社)日本工業炉協会出版、2007年7月、第44巻、第4号、p.17−25
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、炭化ケイ素系連続繊維で形成された不織布が1300℃の空気中で長時間加熱されると、不織布を形成している炭化ケイ素系連続繊維が序々に酸化し、表面に酸化ケイ素(SiO)が生成するという問題がある。また、この不織布を高温の燃焼ガス中に長時間曝すと、燃焼ガス中の水蒸気により炭化ケイ素系連続繊維の表面に水酸化物が生成し、この水酸化物は蒸気圧が低いため容易に蒸発することから、炭化ケイ素系連続繊維(SiC)の減肉が進行し長期耐久性が不足するという問題が指摘されている。従って、炭化ケイ素系連続繊維で形成された不織布を、数千時間の連続運転が基本となるガス燃焼加熱炉や雰囲気制御加熱炉で使用する熱フィルターあるいは熱レフレクターとして適用するためには、炭化ケイ素系連続繊維自体に、少なくも数千時間の耐久性が要求される。
【0007】
一方、各種の焼結金属やセラミックスの部品、鋳鍛造金属材料、鋳鍛造部材、鋳鍛造部品等の熱処理(焼成、溶体化、焼入れ、焼鈍し、ろう付け等)に用いられる高温炉には、被加熱物を連続的に熱処理するための搬送システムが設けられている。そして、搬送システムとしては、1)高温暴露面が耐火煉瓦等の耐火物でライニングされた鉄鋼製の台車に被加熱物を載せて高温炉内に敷設されたレール上を移動させるプッシャー式、2)耐火物製の皿や容器に被加熱部を載せて高温炉内に配設された耐熱性のローラー上を滑らせるローラー式、3)高温炉の長手方向の両側にそれぞれ配置された駆動輪と従動輪により、高温炉の入側と出側の間で耐熱性の金属製メッシュバンドを周回移動させ、この金属製メッシュバンド上に被加熱物を載置し搬送しながら被加熱物を加熱するメッシュベルト式の三つの方式がある。ここで、被加熱物は所定の温度に保持された高温炉内を通過する際に所望の熱処理が施されていくが、例えば燃焼炎により、所望の熱処理が施されるように高温炉内に所定の温度分布を形成するためには数十m以上もの長い炉長が必要とされ、高温炉内に所定の温度分布を維持するために多量の燃料を投入しなければならないという問題がある。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、焼成炉の高温排ガスが保有する顕熱を効率的に回収して省エネルギー化が可能な焼成用容器及び焼成用搬送台車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的に沿う第1の発明に係る焼成用容器は、高温に保持される加熱室と、該加熱室に連接して設けられ、被焼成物を収容して該加熱室からの熱で該被焼成物の焼成を行う焼成室とを有し、更に、該焼成室には、該焼成室からの放熱を抑制する輻射熱反射材からなる遮蔽部材が取付けられている焼成用容器において、
前記輻射熱反射材は、耐熱性を有する非酸化物系の無機繊維が交錯した基材と、該基材を形成している該無機繊維を覆う保護層とを有し、該保護層は耐熱及び耐食性を備えた酸化物、複合酸化物、又は該酸化物及び該複合酸化物からなる混合酸化物のいずれかにより形成されている。
【0010】
第1の発明に係る焼成用容器において、前記基材は、前記無機繊維の平織り、朱子織り、綾織り、多軸織り、又は三次元織りのいずれかの方法で作製された織物及び前記無機繊維で成形された不織物のいずれか1で形成されていることが好ましい。
【0011】
第1の発明に係る焼成用容器において、Ti,Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Nb、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、Re、及びOsを第1群、Y、Yb、Er、Ho、及びDyを第2群、Y、Yb、Er、Ho、Dy、Gd、Sm、Nd、及びLuを第3群として、前記酸化物は前記第1群から選択される1又は2以上の金属元素の酸化により形成され、前記複合酸化物は、前記第2群から選択される1又は2以上の金属元素をQE、前記第3群から選択される1又は2以上の金属元素をREとして、一般式QESi、QESiO、REAl12、及びREAlOから選択される1又は2以上であり、前記酸化物及び前記複合酸化物のそれぞれの熱膨張係数の値は、前記無機繊維の熱膨張係数の値の±10%の範囲内にあることが好ましい。
【0012】
第1の発明に係る焼成用容器において、Zr、Al、及びTiの金属群から選択される1又は2以上の金属元素をM、その炭化物をMCとして、前記無機繊維は、(1)Si、C、O、及びMを含有する非晶質物質、(2)β−SiC、MC、及びβ−SiCとMCの固溶体で粒子径が700nm以下の結晶質微粒子と、該結晶質微粒子間に存在するSi及びMの酸化物非晶質微粒子との集合体、又は(3)前記非晶質物質と前記集合体の混合物のいずれか1で構成され、前記無機繊維の元素比率は、Siが30〜70質量%、Cが20〜40質量%、Oが0.01〜20質量%、及びMが0.1〜30質量%とすることができる。
【0013】
第1の発明に係る焼成用容器において、前記無機繊維は、(1)Si、C、及びOを含有する非晶質物質、(2)粒子径が800nm以下であるβ−SiCの結晶質微粒子と、該結晶質微粒子間に存在するSiの酸化物非晶質微粒子との集合体、又は(3)前記非晶質物質と前記集合体の混合物のいずれか1で構成され、前記無機繊維の元素比率は、Siが40〜70質量%、Cが20〜60質量%、及びOが0.01〜20質量%とすることもできる。
【0014】
前記目的に沿う第2の発明に係る焼成用搬送台車は、第1の発明に係る焼成用容器の底部下面に、耐熱性の車輪を取付けている。
【発明の効果】
【0015】
第1の発明に係る焼成用容器及び第2の発明に係る焼成用搬送台車においては、被焼成物を収容する焼成室に、焼成室からの放熱を抑制する輻射熱反射材からなる遮蔽部材が設けられ、輻射熱反射材は、耐熱性を有する非酸化物系の無機繊維が交錯した基材と、基材を形成している無機繊維を覆う保護層とを有するので、腐食性の高温雰囲気(例えば、水蒸気やバナジウムを含んだ燃焼ガス)においても無機繊維の腐食抵抗を向上させて、遮蔽部材の長寿命化を図ることができる。これにより、遮蔽部材で焼成室の高温雰囲気が保有する顕熱を効率的に回収することができ、焼成室を高温雰囲気に維持するのに必要な燃料や電力の節約に直結する省エネルギー化が可能である。
また、遮蔽部材により焼成室からの放熱が抑制されることから、焼成室内の温度の均一性が向上し、得られる焼成物の品質を均一化することができる。
【0016】
第1の発明に係る焼成用容器において、基材が、無機繊維の平織り、朱子織り、綾織り、多軸織り、又は三次元織りのいずれかの方法で作製された織物及び無機繊維で成形された不織物のいずれか1で形成されている場合、基材が軽量化して遮蔽部材の重量を小さくでき、焼成室に遮蔽部材を設けても、焼成室を高温雰囲気に維持するのに必要な熱負荷(燃料又は電力の使用量)の増加を抑制できる。また、基材が俯形性に優れるため、焼成室の形状に合わせて最適な形状の遮蔽部材を形成することができる。更に、燃焼室内を急速加熱及び急速冷却しても基材が破損することがなく、遮蔽部材の損傷を防止できる。
【0017】
第1の発明に係る焼成用容器において、酸化物、複合酸化物の組成を選択することで、遮蔽部材が曝される高温雰囲気の性状(温度範囲、腐食性の有無)に合わせて最適な保護層を形成できる。そして、酸化物及び複合酸化物のそれぞれの熱膨張係数の値を無機繊維の熱膨張係数の値の±10%の範囲内にすることで、無機繊維に対して保護層を安定して存在させる(保護層の脱落を防止する)ことができる。
【0018】
第1の発明に係る焼成用容器において、無機繊維がSi−C−M−O(MはZr、Al、及びTiの金属群から選択される1又は2以上の金属元素)系の場合、無機繊維がSi−C−O系の場合、無機繊維にほぼ理想的な黒体放射機能性を持たせることができ、顕熱の効率的な回収が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る焼成用容器の側面図である。
【図2】(A)は同焼成用容器に設けられた遮蔽部材の部分平面図、(B)は(A)のP−P矢視断面図である。
【図3】遮蔽部材の基材を形成する無機繊維に保護層となる堆積層を形成する電気泳動装置の説明図である。
【図4】(A)は分散溶液中の無機繊維の説明図、(B)は無機繊維に形成された堆積層の説明図、(C)無機繊維に形成された保護層の説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る焼成用搬送台車の側面図である。
【図6】(A)、(B)、(C)は実施例1の焼成用搬送台車の側面図、背面図、斜視図である。
【図7】(A)、(B)、(C)は実施例2の焼成用容器の側面図、背面図、斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る焼成用容器10は、例えば、焼成炉11に設けられた加熱手段の一例であるバーナで燃料を燃焼させて発生させた燃焼炎が導入されて高温(例えば、700〜2300℃、又は、800〜1500℃)に保持される加熱室13と、加熱室13に連接して設けられ、被焼成物(図示せず)を収容して加熱室13からの熱で被焼成物の焼成を行う焼成室12とを有し、更に、焼成室12には、焼成室12からの放熱を抑制するために、輻射熱反射材からなる遮蔽部材20が取付けられている。
なお、焼成用容器10は、焼成炉11の入口から装入され、焼成炉11の底部に配設された耐熱性のローラ15上を滑りながら焼成炉11の出口に向けて移動し、焼成用容器10が入口から出口に移動する間に被焼成物の予熱、焼成、冷却が順次行われる。
【0021】
ここで、加熱室12は、例えば、耐熱性の底板16と、底板16の四隅にそれぞれ配置された柱状で耐熱性のベース部材17とを有している。これによって、加熱室12に導入された燃焼炎は加熱室12を自由に通過することができ、加熱室12内が高温に保持される。また、焼成室13は、例えば、各ベース部材17の上面に立設して設けられた耐熱性の柱部材18と、各柱部材18の上端部で支持された耐熱性の梁部材19と、各柱部材18に支持され、被焼成物を載置する図示しない耐熱性の載置台とを有している。そして、遮蔽部材20は、柱部材18及び梁部材19を用いて、焼成室13の側部、上部にそれぞれ取付けられている。
なお、図1では、焼成用容器10の下部に加熱室12を、加熱室12の上方に焼成室13を設けた場合について説明したが、焼成炉の構造により、加熱室と焼成室の位置関係は変化する。例えば、長尺の被焼成物を焼成室に立設して焼成する場合、加熱室は、焼成室の外側に焼成室の長手方向に沿って配置される。そして、加熱室と焼成室の位置関係が変化すると、遮蔽部材の設置部位も変化する。
【0022】
図2(A)、(B)に示すように、遮蔽部材20を構成する輻射熱反射材は、耐熱性を有する非酸化物系の無機繊維21が交錯した基材22と、基材22を形成している無機繊維21を覆う保護層23とを有し、保護層23は耐熱及び耐食性を備えた酸化物、複合酸化物、又は酸化物及び複合酸化物からなる混合酸化物のいずれかにより形成されている。ここで、基材22を形成している無機繊維21が保護層23で覆われているため、無機繊維21同士の接触が抑制されている。また、基材22は、例えば、無機繊維21の平織物(平織りで作製された織物)を、遮蔽部材20の寸法に合わせて裁断して形成されている。なお、朱子織り、綾織り、多軸織り、又は三次元織りのいずれかの方法で作製された織物、又は無機繊維21で成形された不織物を、遮蔽部材20の寸法に合わせて裁断して形成してもよい。
【0023】
無機繊維21には、例えば、炭化ケイ素系(Si−C−M−O系)連続繊維が使用できる。ここで、炭化ケイ素系(Si−C−M−O系)連続繊維は、Zr、Al、及びTiの金属群から選択される1又は2以上の組合せからなる金属元素をM、その炭化物をMCとして、(1)Si、C、O、及びMを含有する非晶質物質、(2)β−SiC、MC、及びβ−SiCとMCの固溶体で粒子径が700nm以下の結晶質微粒子と、結晶質微粒子間に存在するSi及びMの酸化物非晶質微粒子との集合体、又は(3)(1)の非晶質物質と(2)の集合体との混合物のいずれか1で構成され、その元素比率は、Siが30〜70質量%、Cが20〜40質量%、Oが0.01〜20質量%、及びMが0.1〜30質量%となっている。
【0024】
また、無機繊維21には、例えば、炭化ケイ素系(Si−C−O系)連続繊維を使用してもよい。ここで、炭化ケイ素系(Si−C−O系)連続繊維は、(1)Si、C、及びOを含有する非晶質物質、(2)粒子径が800nm以下であるβ−SiCの結晶質微粒子と、結晶質微粒子間に存在するSiの酸化物非晶質微粒子との集合体、又は(3)(1)の非晶質物質と(2)の集合体の混合物のいずれか1で構成され、その元素比率は、Siが40〜70質量%、Cが20〜60質量%、及びOが0.01〜20質量%となっている。
【0025】
酸化物は、第1遷移元素であるTi、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、第2遷移元素であるY、Zr、Nb、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、第3遷移元素であるLa、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、Re、及びOsから構成される第1群から選択される1又は2以上の金属元素の酸化により形成される。また、複合酸化物は、Y、Yb、Er、Ho、及びDyから構成される第2群から選択される1又は2以上の金属元素をQEとし、Y、Yb、Er、Ho、Dy、Gd、Sm、Nd、及びLuから構成される第3群から選択される1又は2以上の金属元素をREとして、一般式QESi、QESiO、REAl12、及びREAlOのいずれか1又は2以上である。
【0026】
そして、保護層23を形成する酸化物及び複合酸化物の熱膨張係数の値は、無機繊維21の熱膨張係数の値の±10%の範囲内である。これによって、遮蔽部材20の温度が変動して無機繊維21の温度が変動しても、無機繊維21と保護層23の界面における熱膨張歪の差を小さくでき、無機繊維21に対して保護層23を安定して存在させる(保護層23の脱落を防止する)ことができる。なお、保護層23の厚さは、0.2μm以上10μm以下であることが好ましい。これによって、遮蔽部材20の温度が変動した際に、保護層23に発生する厚み方向の温度差を小さくして保護層23の熱変形を均一に近づけることができ、保護層23の破損を防止できる。
【0027】
次に、基材22を形成している無機繊維21の表面に保護層23をする方法について説明する。
保護層23は、図3、図4(A)、(B)、(C)に示すように、基材22を、酸化物、複合酸化物、又は混合酸化物のいずれか1の粉末24が分散している分散溶液25中に浸漬して基材22の表面上に電気泳動により粉末24の堆積層26を形成し、形成された堆積層26を熱処理することにより形成される。ここで、分散溶液25は、粉末24を、有機溶媒(例えばアセトン)と水との混合溶媒中に分散(懸濁)させて作製され、混合溶媒には、粉末24の分散性を向上させる分散剤及び形成された堆積層26に強度を賦与するバインダーがそれぞれ所定量だけ添加されている。以下、順次説明する。
【0028】
図3に示すように、基材22の外表面上に粉末24の堆積層26を形成する電気泳動装置27は、分散溶液25を貯留する分散溶液槽28と、分散溶液槽28の上端部に掛止される取付け部29、30を備え、基材22を収容して分散溶液槽28内の分散溶液25中に保持する基材保持部材31と、分散溶液25中に浸漬され、分散溶液25中の基材22の両側に隙間を設けてそれぞれ配置された対向電極32、33とを有している。また、電気泳動装置27は、取付け部29、30の一方(図3では取付け部29)と電源ケーブル34を介して陰極側が、対向電極32、33と電源ケーブル35を介して陽極側がそれぞれ接続する直流電源(図示せず)を有している。更に、分散溶液槽28内には、図示しない撹拌機構が設けられ、分散溶液槽28内の分散溶液25は常時撹拌されて、粉末24の沈降が防止されている。
【0029】
ここで、図4(A)、(B)に示すように、分散溶液25中の粉末24は正に帯電しているので、例えば、分散溶液槽28の分散溶液25中に浸漬された基材22を、対向電極32、33(分散溶液槽28の分散溶液25)に対して、例えば50〜200Vの負電位に保持することにより、負電位に保たれた基材22を形成している無機繊維21の表面に正に帯電した粉末24を付着させて堆積層26を形成することができる。ここで、堆積層26の厚みは、分散溶液25中の粉末24の濃度、基材22(無機繊維21)に印加する電圧、及び浸漬時間により変化するので、堆積層26の厚みに応じて分散溶液25中の粉末24の濃度、基材22に印加する電圧、及び浸漬時間をそれぞれ調整する。
【0030】
無機繊維21の表面に粉末24の堆積層26が所定の厚み形成されると、基材22を分散溶液槽28の分散溶液25中から取出し、堆積層26の乾燥(有機溶剤と水の除去)を行った後、炉内が非酸化性雰囲気(例えばアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気)に保持された図示しない焼結炉に装入して熱処理を行う。そして、焼結炉内では、堆積層26を形成している粉末24が加熱されて焼結する。その結果、図4(C)に示すように、無機繊維21の表面には粉末24の焼結により形成される焼結層からなる保護層23が形成され、基材22を形成している無機繊維21が保護層23で覆われた状態の遮蔽部材20となる。なお、熱処理の温度は、堆積層26を形成している粉末24の組成及び粒子径を考慮して決定する。
【0031】
続いて、第1の実施の形態に係る焼成用容器10の作用について説明する。
第1の実施の形態に係る焼成用容器10においては、被焼成物を収容する焼成室13に、輻射熱反射材で構成され、焼成室13からの放熱を抑制する遮蔽部材20が設けられているので、遮蔽部材20で焼成室13内の高温雰囲気が保有する顕熱を効率的に回収することができ、遮蔽部材20を介して回収した顕熱で被焼成物の加熱を行うことができる。これにより、これにより、遮蔽部材20で焼成室13の高温雰囲気が保有する顕熱を効率的に回収することができ、焼成室13を高温雰囲気に維持するのに必要な燃料や電力の節約に直結する省エネルギー化が可能である。また、遮蔽部材20により焼成室13からの放熱が抑制されることから、焼成室13内の温度の均一性が向上し、得られる焼成物の品質を均一化することができる。
【0032】
ここで、基材22を構成する無機繊維21として、炭化ケイ素系(Si−C−M−O系)連続繊維を使用すると、基材22にほぼ理想的な黒体放射機能性を持たせることができ、顕熱のより効率的な回収が可能になる。更に、基材22を形成している無機繊維21が保護層23で覆われているので、腐食性の高温雰囲気(例えば、水蒸気やバナジウムを含んだ燃焼ガス)における無機繊維21の腐食抵抗を向上させて、無機繊維21の有する高温域での優れた機械的特性(例えば、強度、弾性率等)を維持することができ、遮蔽部材20の信頼性、長寿命化を図ることができる。
【0033】
また、基材22を、無機繊維21の平織物で形成することで遮蔽部材20が軽量化されることから、焼成室13に遮蔽部材20を設けても焼成室13内の温度を上げる際の負荷(エネルギー使用量や加熱時間)の増加を抑制できる。更に、基材22が、無機繊維21の平織物で形成されているので、基材22に優れた俯形性を付与することができ、焼成室13の形状に合わせて最適な形状の遮蔽部材20を形成することができると共に、燃焼室13内を急速加熱、急速冷却しても、基材22が破損することがなく、遮蔽部材20の損傷を防止できる。
【0034】
保護層23を耐熱及び耐食性を備えた酸化物、複合酸化物、又は酸化物及び複合酸化物からなる混合酸化物のいずれかにより形成するので、酸化物、複合酸化物の組成を選択することで、保護層23の耐熱性、耐食性、及び熱膨張係数を調整することができ、酸化物及び複合酸化物の熱膨張係数の値を無機繊維21の熱膨張係数の値の±10%の範囲内にすることで、無機繊維21に対して保護層23を安定して存在させる(保護層23の脱落を防止する)ことができる。
【0035】
図5に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る焼成用搬送台車36は、第1の実施の形態に係る焼成用容器10の底板16の下面の前後両側に、耐熱性の車輪37を取付けたことが特徴となっている。
このため、焼成用容器10と同一の構成部材には同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。また、焼成用搬送台車36が焼成炉内に敷設されたレール38上を移動することを除くと、焼成用搬送台車36の作用は焼成用容器10の作用と同一なので、詳細な説明は省略する。
【実施例】
【0036】
(実施例1)
Si−C−Zr−O系の炭化ケイ素系連続繊維を使用した不織布(フェルト)から、幅500×長さ500×厚さ5mmの基材を形成して、複合酸化物の一つであるZrSiOの平均粒子径1μm以下の微粉末を120Vで5分間の条件で電気泳動法によりSi−C−Zr−O系の連続繊維の表面に付着させて堆積層を形成させた。ここで、電気泳動させる懸濁液は、アセトン200部、水10部、ZrSiO微粉末1部、更に分散剤とバインダーとしてポリビニルブチラールを少量添加して、超音波分散して調整した。堆積層が形成された基材を懸濁液から取出し乾燥させた後、1500℃のアルゴン雰囲気中で3時間焼結を行って保護層を形成した。この処理条件で厚さ5μmのZrSiOの保護層がSi−C−Zr−O系の連続繊維の表面に形成されている遮蔽部材が得られた。
【0037】
このZrSiOの保護層を備えた遮蔽部材の耐久性を調べるため、空気中の1300℃で1000時間の熱処理を行い、その前後の重量変化を調べた。また、比較例として、ZrSiOの保護層が形成されていない遮蔽部材についても同様の試験評価を行った。その結果、ZrSiOの保護層が形成されていない遮蔽部材の重量変化は8.5%の増加率を示した。一方のZrSiOの保護層が形成された遮蔽部材では、0.1%の減少率を示した。ZrSiOの保護層が存在しない炭化ケイ素系連続繊維の表面は酸化して酸化ケイ素(SiO)が生成しており、時間の経過とともに成長するため炭化ケイ素系連続繊維自身のSiCが減肉して細ってしまうのに対し、ZrSiOの保護層が存在する炭化ケイ素系連続繊維は極めて優れた熱安定性を示した。
【0038】
次に、瓦を焼成するプッシャー炉(焼成炉)において、図6(A)〜(C)に示すように焼成用搬送台車(幅1000mm×長さ2000mm)において、この台車(焼成室及び加熱室)を構成する4隅に立設された長さ1000mmのアルミナ製の支柱と支柱の上端部で支持された梁を用いて、厚さ5μmのZrSiOの保護層がSi−C−Zr−O系の連続繊維の表面に形成されている遮蔽部材を取付けた。更に、図示しない瓦の載置台上に遮蔽部材を敷き、その上に瓦を崩れないように積み上げた。そして、図6(A)〜(C)に示すように、支柱の対角コーナー部及び台車の中心部に熱電対を設置して温度を測定し、焼成用搬送台車内の温度分布を測定した。なお、焼成用搬送台車の前後左右を図6(C)のように決めて、焼成用搬送台車の前側右上コーナー部を1、前側左下コーナー部を2、後側右上コーナー部を3、後側左下コーナー部を4、中心部(対角線の交わった点)を5としている。
【0039】
ここで、焼成用搬送台車を移動させる焼成炉の長さは30mで、中央部の10mの領域(焼成ゾーン)の側面には2m間隔でガスバーナーが設置され、瓦の焼成に必要な温度である1200℃付近に保持されている。焼成用搬送台車が焼成炉内の焼成ゾーン内を通過する際に測定した温度を表1に示した。また、比較例として、遮蔽部材を使用していない状態の焼成用搬送台車を焼成炉に装入し、焼成用搬送台車が焼成炉内の焼成ゾーン内を通過する際に測定した温度を表1に合わせて示す。
【0040】
【表1】

【0041】
遮蔽部材を使用することで、焼成用搬送台車の焼成室の均熱性が大幅に改善され、焼成室内全域に瓦を積み上げてもむら無く焼成することができることが確認できた。更に、焼成室の温度分布が改善されたことにより、燃料として用いた天然ガスの消費量が15%削減された。
【0042】
(実施例2)
Si−C−O系の炭化ケイ素系連続繊維を使用した平織物から、幅500×長さ5000×厚さ1mmの基材を形成して、複合酸化物の一つであるYSiOの平均粒子径1μm以下の微粉末を100Vで5分間の条件で電気泳動法によりSi−C−O系の連続繊維の表面に付着させて堆積層を形成させた。電気泳動させる懸濁液は、アセトン200部、水10部、YSiO微粉末1部、更に分散剤とバインダーとしてポリビニルブチラールを少量添加して、超音波分散して調整した。堆積層が形成された基材を懸濁液から取出し乾燥させた後、1500℃のアルゴン雰囲気中で3時間焼結を行って保護層を形成した。この処理条件で厚さ5μmのYSiOの保護層がSi−C−O系の連続繊維の表面に形成されている遮蔽部材が得られた。
【0043】
このYSiOの保護層を備えた遮蔽部材の耐久性を調べるため、空気中の1300℃で1000時間の熱処理を行い、その前後の重量変化を調べた。また、比較例として、YSiOの保護層が形成されていない遮蔽部材についても同様の試験評価を行った。その結果、YSiOの保護層が形成されていない遮蔽部材の重量変化は8.5%の増加率を示した。一方のYSiOの保護層が形成された遮蔽部材では、0.1%の減少率を示した。YSiOの保護層が存在しない炭化ケイ素系連続繊維の表面は酸化して酸化ケイ素(SiO)が生成しており、時間の経過とともに成長するため炭化ケイ素系連続繊維自身のSiCが減肉して細ってしまうのに対し、YSiOの保護層が存在する炭化ケイ素系連続繊維は極めて優れた熱安定性を示した。
【0044】
次に、誘電体等のセラミックスの小物部品を焼成するベルト炉(焼成炉)において、図7(A)〜(C)に示すように焼成用容器(幅300mm×長さ300mm×高さ100mm)の4隅に立設されたアルミナ製の支柱と支柱の上端部で支持された梁を用いて、厚さ5μmのYSiOの保護層がSi−C−O系の連続繊維の表面に形成されている遮蔽部材を取付けた。更に、図示しない小物部品の載置台上に遮蔽部材を敷き、その上に小物部品を崩れないように積み上げた。そして、図7(A)〜(C)に示すように、支柱の対角コーナー部及び焼成用容器の中心部に熱電対を設置して温度を測定し、焼成用容器内の温度分布を測定した。焼成時の炉内設定温度が1050℃の場合、表2に示すように、焼成用容器内の温度は±10℃の範囲に納まるほど良好な均熱性を示した。なお、焼成用容器の前後左右を図7(C)のように決めて、焼成用容器の前側右上コーナー部を1、前側左下コーナー部を2、後側右上コーナー部を3、後側左下コーナー部を4、中心部(対角線の交わった点)を5としている。
また、比較例として、遮蔽部材を使用していない状態の焼成用容器を焼成炉に装入し、焼成用容器内の温度を測定した結果を表2に合わせて示す。遮蔽部材を使用しない場合、焼成用容器内の温度は±45℃の温度分布を示した。
【0045】
【表2】

【0046】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、焼成室に、焼成室内の被焼成物から発生するガスを焼成室の外部に逃がす開放排気部を形成してもよい。これによって、焼成室内の被焼成物から発生するガスを焼成室の外部に効果的に逃がすことができ、焼成室内の雰囲気を清浄に保つことができ、焼成物の品質を向上させることができる。
また、焼成炉内に焼成用容器又は焼成用搬送台車を静置して焼成する場合、焼成室に被焼成物を加熱する加熱手段、例えばヒータを設置する構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0047】
10:焼成用容器、11:焼成炉、12:加熱室、13:焼成室、15:ローラ、16:底板、17:ベース部材、18:柱部材、19:梁部材、20:遮蔽部材、21:無機繊維、22:基材、23:保護層、24:粉末、25:分散溶液、26:堆積層、27:電気泳動装置、28:分散溶液槽、29、30:取付け部、31:基材保持部材、32、33:対向電極、34、35:電源ケーブル、36:焼成用搬送台車、37:車輪、38:レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温に保持される加熱室と、該加熱室に連接して設けられ、被焼成物を収容して該加熱室からの熱で該被焼成物の焼成を行う焼成室とを有し、更に、該焼成室には、該焼成室からの放熱を抑制する輻射熱反射材からなる遮蔽部材が取付けられている焼成用容器において、
前記輻射熱反射材は、耐熱性を有する非酸化物系の無機繊維が交錯した基材と、該基材を形成している該無機繊維を覆う保護層とを有し、該保護層は耐熱及び耐食性を備えた酸化物、複合酸化物、又は該酸化物及び該複合酸化物からなる混合酸化物のいずれかにより形成されていることを特徴とする焼成用容器。
【請求項2】
請求項1記載の焼成用容器において、前記基材は、前記無機繊維の平織り、朱子織り、綾織り、多軸織り、又は三次元織りのいずれかの方法で作製された織物及び前記無機繊維で成形された不織物のいずれか1で形成されていることを特徴とする焼成用容器。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか1項に記載の焼成用容器において、Ti,Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Nb、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、Re、及びOsを第1群、Y、Yb、Er、Ho、及びDyを第2群、Y、Yb、Er、Ho、Dy、Gd、Sm、Nd、及びLuを第3群として、前記酸化物は前記第1群から選択される1又は2以上の金属元素の酸化により形成され、前記複合酸化物は、前記第2群から選択される1又は2以上の金属元素をQE、前記第3群から選択される1又は2以上の金属元素をREとして、一般式QESi、QESiO、REAl12、及びREAlOから選択される1又は2以上であり、前記酸化物及び前記複合酸化物のそれぞれの熱膨張係数の値は、前記無機繊維の熱膨張係数の値の±10%の範囲内にあることを特徴とする焼成用容器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼成用容器において、Zr、Al、及びTiの金属群から選択される1又は2以上の金属元素をM、その炭化物をMCとして、前記無機繊維は、(1)Si、C、O、及びMを含有する非晶質物質、(2)β−SiC、MC、及びβ−SiCとMCの固溶体で粒子径が700nm以下の結晶質微粒子と、該結晶質微粒子間に存在するSi及びMの酸化物非晶質微粒子との集合体、又は(3)前記非晶質物質と前記集合体の混合物のいずれか1で構成され、前記無機繊維の元素比率は、Siが30〜70質量%、Cが20〜40質量%、Oが0.01〜20質量%、及びMが0.1〜30質量%であることを特徴とする焼成用容器。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の焼成用容器において、前記無機繊維は、(1)Si、C、及びOを含有する非晶質物質、(2)粒子径が800nm以下であるβ−SiCの結晶質微粒子と、該結晶質微粒子間に存在するSiの酸化物非晶質微粒子との集合体、又は(3)前記非晶質物質と前記集合体の混合物のいずれか1で構成され、前記無機繊維の元素比率は、Siが40〜70質量%、Cが20〜60質量%、及びOが0.01〜20質量%であることを特徴とする焼成用容器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載された焼成用容器の底部下面に、耐熱性の車輪を取付けたことを特徴とする焼成用搬送台車。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−286153(P2010−286153A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−139458(P2009−139458)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(594081397)株式会社超高温材料研究所 (15)
【出願人】(500105137)株式会社ミウラ (2)
【Fターム(参考)】