説明

焼結鉱冷却機における排熱回収設備の制御方法

【課題】焼結鉱冷却機の冷却能力を変化させることなく、排熱回収設備に設置されるボイラーで発生する蒸気発生量を制御し、蒸気発生量が定格容量を超えるのを防止できる排熱回収設備の制御方法を提供する。
【解決手段】上面に供給された焼結鉱を給鉱部から排鉱部に向かって移動させるクーラーパン10と、クーラーパン10の下方に位置して冷却ガスを供給する送風ダクト11と、クーラーパン10の上方に位置して排気ガスを回収する排気フード12とを備えた焼結鉱冷却機1において、排気フード12で回収した排気ガスを、給水系統から供給された水と熱交換させて冷却ガスとして送風ダクト11に供給するとともに、蒸気を発生させるボイラー20が設置される排熱回収設備2を制御する方法であって、ボイラー20で発生させる蒸気の圧力を調整して蒸気発生量を排熱回収設備2の定格容量以下に制御することを特徴とする排熱回収設備の制御方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結鉱冷却機における排熱回収設備を制御する方法に関する。詳しくは、焼結鉱冷却機の冷却能力を変化させることなく、排熱回収設備に設置されるボイラーで発生させる蒸気の発生量を制御し、蒸気発生量が定格容量を超えるのを防止できる排熱回収設備の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
焼結鉱の製造に使用される焼結機からは高温の焼結ケーキが排出され、この焼結ケーキは焼結機の下流に配置されたクラッシャーにより破砕されて焼結鉱となる。このようにして得られた焼結鉱は高温であるので、焼結鉱を冷却するために焼結鉱冷却機(以下、単に「冷却機」とも記す)が用いられる。冷却機としては、上面に供給された焼結鉱を給鉱部から排鉱部に向かって移動させるクーラーパンと、クーラーパンの下方に位置して冷却ガスを供給する送風ダクトと、クーラーパンの上方に位置して排気ガスを回収する排気フードとを備えた冷却機を用いることができる。
【0003】
このような冷却機は、一般に省エネルギー対策として排熱回収設備を備え、排熱回収設備にはボイラーが設置される。排熱回収設備のボイラーでは、冷却機からの排気ガスを水との熱交換により降温させて冷却ガスとするとともに、蒸気を発生させる。このようにボイラーで降温された冷却ガスは、再度、冷却機に還流され、また、発生した蒸気は発電タービンに送られて発電に利用される。
【0004】
しかしながら、近年の鉄鋼需要に応じて焼結鉱の生産量が増大し、これに伴って冷却機の排気ガス量も増大している。このため、排熱回収設備のボイラーでは、蒸気の発生量が排熱回収設備の定格容量近傍まで増加する傾向にある。その結果、一時的に焼結鉱の生産量が増大した場合には、瞬間的に蒸気の発生量が定格容量を超過することも起こり得る。
【0005】
排熱回収設備の定格容量を超えてボイラーで蒸気を発生させることは、設備故障の原因となるとともに法令によっても規制されている。一方、ボイラーでの蒸気発生量が定格容量を大幅に下回ると、発電タービンでの発電量が著しく減少することから、蒸気発生量は可能な限り定格容量に近い値にするのが望ましく、例えば定格容量に対して90%以上、すなわち、定格容量近傍とするのが望ましい。したがって、排熱回収設備では、定格容量を超える蒸気の発生を防止しながら、定格容量近傍で蒸気発生量を安定的に制御する方法が必要とされていた。
【0006】
焼結鉱の製造において、ボイラーが設置された排熱回収設備を制御する方法に関し、例えば特許文献1および2に示されるように従来から種々の提案がなされている。特許文献1には、焼結鉱冷却機において、冷却ガスを循環させるために設置される送風機の回転数を制御する方法が開示されている。特許文献1に開示される送風機の回転数制御方法では、送風機をボイラーから送風ダクトまでの冷却ガスの経路中に配置し、この送風機の実回転数と電力コストとに基づく演算結果によって送風機を回転数制御する。このような特許文献1に記載の送風機の回転数制御方法によれば、排熱回収設備全体の回収利益を最大にした制御を行うことができるとしている。
【0007】
また、特許文献2には、焼結ケーキを製造する焼結機における排熱回収設備を制御する方法が開示されている。特許文献2に開示される排熱回収設備の制御方法は、焼結機の排気ガスの排熱を蒸気として回収するボイラー、および、焼結機の排気ガスとボイラーを通過した排気ガスとを除塵する電気集塵機から構成される排熱回収設備において、電気集塵機の入口の排ガス温度が一定範囲になるようにボイラーに供給する排気ガスの量を制御する。特許文献2では、ボイラーに供給する排気ガス量の調整は、流量調整ダンパを設けることにより行う。
【0008】
これにより、特許文献2に開示される排熱回収設備の制御方法は、電気集塵機の入口の排気ガス温度が一定範囲になり、電気集塵機内での発火あるいは結露が全く発生しなくなるとともに、電気集塵機の入口の排気ガス温度を管理値内に確保するのに必要な熱量以外の熱量をすべて回収できるとしている。
【0009】
排熱回収設備に設置されるボイラーの蒸気発生量が定格容量を超える際に、特許文献1に開示されるように冷却ガスを循環させる送風機の回転数を制御して低回転にすれば、ボイラーに供給される排気ガス量が減少することから、排気ガスを介してボイラーに投入される熱量を減少させることができる。また、特許文献2で開示されるように流量調整ダンパを操作してボイラーに供給される排気ガス量を減少させることによっても、排気ガスを介してボイラーに投入される熱量を減少させることができる。このようにボイラーに供給される排気ガス量を減少させ、排気ガスを介してボイラーに投入される熱量を減少させることにより、蒸気発生量を定格容量以下に制御することができる。
【0010】
しかしながら、送風機の回転数を制御して低回転にしたり、流量調整ダンパを操作したりしてボイラーに供給される排気ガス量を減少させると、それに伴って冷却機の冷却ガス量も減少する。このため、冷却機の冷却能力が低下して排鉱される焼結鉱が冷却不足となるので、高温の焼結鉱が冷却機から排鉱されて後続するベルトコンベア上に搬入され、その結果、ベルトコンベアの破損等の危険性が増加する。
【0011】
高温の焼結鉱によりベルトコンベアが破損等する問題を回避するため、ベルトコンベア上の高温の焼結鉱に水を散布して強制冷却する方法が考えられる。しかし、この方法では、散水によって急冷された焼結鉱で応力集中や内部応力の増大が生じることにより、亀裂やクラックが焼結鉱に発生する。その結果、焼結鉱の強度が低下し、焼結鉱の品質低下が問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開昭61−246329号公報
【特許文献2】特開昭64−68429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前述の通り、焼結鉱冷却機の排熱回収設備では、定格容量を超える蒸気の発生を防止しながら、蒸気発生量を定格容量近傍に安定して制御する方法が必要とされていた。しかし、従来から開示されている排熱回収設備の制御方法のように、送風機の回転数を調整したり流量調整ダンパを操作したりすると、ボイラーの蒸気発生量を定格容量以下に制御できるが、冷却機で冷却ガス量が減少して冷却能力が低下することから、高温の焼結鉱が冷却機から排鉱されて問題が生じる。
【0014】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、焼結鉱冷却機の冷却能力を変化させることなく、排熱回収設備に設置されるボイラーで発生する蒸気発生量を制御し、蒸気発生量が定格容量を超えるのを防止できる排熱回収設備の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者は、上記問題を解決するため、種々の試験を行い、鋭意検討を重ねた結果、下記(a)および(b)に示す知見を得た。
(a)焼結鉱冷却機における排熱回収設備で、冷却機への焼結鉱の給鉱量増加によりボイラーの蒸気発生量が定格容量を超える様相の場合に、ボイラーで発生させる蒸気の圧力を調整してボイラーの蒸気発生量を制御する。これにより、冷却機の冷却能力を変化させることなく、蒸気発生量を定格容量以下に制御できる。
【0016】
(b)ボイラーへの給水系統を、水を加熱してガスを除去する脱気器と、脱気された水を予熱する給水予熱機器と、脱気器に供給される水と脱気器から排出される水とを熱交換させる給水再冷却器とを備える給水系統とする。この給水系統の脱気器と給水予熱器との間に、給水再冷却器を経由する再冷却ラインと、脱気器から排出された水を直接給水予熱器に供給するバイパスラインとを設ける。このような給水系統を有する排熱回収設備で、冷却機への焼結鉱の給鉱量増加によりボイラーの蒸気発生量が定格容量を超える様相の場合に、バイパスラインを通過する水量を調整する。これにより、冷却機の冷却能力を変化させることなく、ボイラーの蒸気発生量を定格容量以下に制御できる。
【0017】
本発明は、上記の知見に基づいて完成したものであり、下記(1)および(2)の焼結鉱冷却機における排熱回収設備の制御方法を要旨としている。
【0018】
(1)上面に供給された焼結鉱を給鉱部から排鉱部に向かって移動させるクーラーパンと、前記クーラーパンの下方に位置して冷却ガスを供給する送風ダクトと、前記クーラーパンの上方に位置して排気ガスを回収する排気フードとを備えた焼結鉱冷却機において、
前記排気フードで回収した前記排気ガスを、給水系統から供給された水と熱交換させて冷却ガスとして前記送風ダクトに供給するとともに、蒸気を発生させるボイラーが設置される排熱回収設備を制御する方法であって、
前記ボイラーで発生させる蒸気の圧力を調整して蒸気発生量を前記排熱回収設備の定格容量以下に制御することを特徴とする焼結鉱冷却機における排熱回収設備の制御方法。
【0019】
(2)上面に供給された焼結鉱を給鉱部から排鉱部に向かって移動させるクーラーパンと、前記クーラーパンの下方に位置して冷却ガスを供給する送風ダクトと、前記クーラーパンの上方に位置して排気ガスを回収する排気フードとを備えた焼結鉱冷却機において、
前記排気フードで回収した前記排気ガスを、給水系統から供給された水と熱交換させて冷却ガスとして前記送風ダクトに供給するとともに、蒸気を発生させるボイラーが設置される排熱回収設備を制御する方法であって、
前記給水系統が、水を過熱してガスを除去する脱気器と、脱気された水を予熱する給水予熱機器と、前記脱気器に供給される水と前記脱気器から排出される水とを熱交換させる給水再冷却器とを備え、
前記脱気器と前記給水予熱器との間に、前記給水再冷却器を経由する再冷却ラインと、前記脱気器から排出された水を直接前記給水予熱器に供給するバイパスラインとを設け、
前記バイパスラインを通過する水量を調整することにより、前記ボイラーの蒸気発生量を前記排熱回収設備の定格容量以下に制御することを特徴とする焼結鉱冷却機における排熱回収設備の制御方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明の排熱回収設備の制御方法は、ボイラーで発生させる蒸気の圧力、または、再冷却ラインとバイパスラインとを設けた給水系統においてバイパスラインを通過する水量を調整する。これにより、本発明の排熱回収設備の制御方法は、冷却機への焼結鉱の給鉱量増加等によりボイラーの蒸気発生量が定格容量を超える様相の場合であっても、冷却機の冷却能力を変化させることなく、ボイラーの蒸気発生量を定格容量以下に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明が対象とする焼結鉱冷却機の排熱回収設備の概要を示す模式図である。
【図2】実施例の通常の操業状態における熱バランスを示す図である。
【図3】実施例の比較例1によって焼結鉱の生産量を変化させた状態における熱バランスを示す図である。
【図4】実施例の比較例2によって焼結鉱の生産量を変化させた状態における熱バランスを示す図である。
【図5】実施例の本発明例1によって焼結鉱の生産量を変化させた状態における熱バランスを示す図である。
【図6】実施例の本発明例2によって焼結鉱の生産量を変化させた状態における熱バランスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の排熱回収設備の制御方法について、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、本発明が対象とする焼結鉱冷却機の排熱回収設備の概要を示す模式図である。同図には、移動炉床上に形成した原料層に点火して焼結作用により焼結ケーキ6を製造する焼結機4と、焼結ケーキ6を破砕して焼結鉱7とするクラッシャー5と、高温の焼結鉱7を冷却する冷却機1と、冷却機1の高温の排気ガスから熱回収を行う排熱回収設備2と、排熱回収設備2に水を供給する給水系統3とを示す。また、同図には、矢印で示す方向に冷却ガスまたは排気ガスを供給する配管を実線の矢印で、矢印で示す方向に水を供給する配管を一点鎖線の矢印で、矢印で示す方向に蒸気を供給する配管を破線の矢印でそれぞれ示す。
【0024】
冷却機1は、上面に供給された焼結鉱7を給鉱部1aから排鉱部1bに向かって移動させるクーラーパン10と、クーラーパン10の下方に位置して冷却ガスを供給する送風ダクト11と、クーラーパン10の上方に位置して排気ガスを回収する排気フード12とを備える。
【0025】
排熱回収設備2にはボイラー20と、循環ファン25とが設置される。ボイラー20は、排気フード12で回収した高温の排気ガスを、給水系統3から供給された水と熱交換により降温させ、冷却ガスとして送風ダクト11に供給するとともに水から蒸気を発生させる。
【0026】
すなわち、冷却機1には高温の焼結鉱7が給鉱され、焼結鉱7が冷却機の給鉱部1aから排鉱部1bまでクーラーパン10上を移動する間(同図のハッチングを施した矢印参照)、送風ダクト11から焼結鉱7に冷却ガス(通常は空気)が下方から上向きに吹込まれる。これにより、高温の焼結鉱7は冷却されるとともに冷却ガスは加熱される。加熱された冷却ガスは、排気フード12によって排気ガスとして回収された後、配管によってボイラー20へ供給されて排熱回収され、その後、冷却ガスとして循環ファン25により送風ダクト11に送られて循環使用される。
【0027】
同図に示すボイラー20は蒸発器21と過熱器22とで構成され、このボイラー20には蒸気ドラム23が併設されている。給水系統3からボイラーに供給された水は、蒸気ドラム23に一旦貯留された後で蒸発器21に供給され、排気ガスとの熱交換により蒸気となる。発生した蒸気は、蒸気ドラム23に供給されて残存する水が分離され、蒸気のみが過熱器22に供給される。過熱器22に供給された蒸気は、排気ガスとの熱交換により二次過熱されて昇温し、高温の蒸気となる。このようにボイラー20で発生した蒸気は、発電タービン(図示せず)へ送られて発電に利用される。
【0028】
同図に示す排熱回収設備2では、ボイラー20(過熱器22)の出側に圧力調整弁24が設けられ、この圧力調整弁24を操作することによりボイラー20で発生させる蒸気の圧力を調整することが可能である。
【0029】
同図に示す給水系統3は、水を貯留する給水ピット30と、水を過熱してガスを除去する脱気器31と、脱気器31に供給される水と脱気器31から排出される水とを熱交換させる給水再冷却器33と、脱気された水を予熱する給水予熱器32とを備える。この給水系統3には、脱気器31と給水予熱器32との間に、給水再冷却器33を経由する再冷却ラインと、脱気器31から排出された水を、直接、給水予熱器32に供給するバイパスラインとが設けられる。
【0030】
このような給水系統3では、脱気器31に、給水ピット30の水が供給されるとともに、ボイラー20で発生した蒸気の一部が蒸気ドラム23を経由して供給される。これにより、給水ピット30から供給された水は、例えば130℃程度に過熱されて水中の溶存ガスが除去される。このようにして脱気された水は、給水予熱器32に供給されて過熱された後、ボイラー20に併設された蒸気ドラム23に供給される。
【0031】
この際、給水再冷却器33には、脱気器31で過熱された水が供給されるとともに、給水ピット30から常温の水が供給される。このため、給水再冷却器33では、熱交換により、脱気器31で過熱された水は降温し、例えば50℃程度にして給水予熱器32に供給されるとともに、給水ピット30からの水は昇温して脱気器31に供給される。
【0032】
また、脱気器31と給水再冷却器33の間にはバイパスラインが設けられており、脱気された水の一部は、給水再冷却器33で再冷却されることなく、直接給水予熱器32に供給できる構造となっている。該バイパスラインには水量調整弁34が設けられ、水量調整弁34を操作することにより、バイパスラインを通過する水量を調整することができる。
【0033】
同図に示す給水予熱器32には、脱気された水が再冷却ラインまたはバイパスラインを経由して供給されるとともに、冷却機1の排鉱部側に配置された排気フード12で回収された排気ガスが供給される。このように給水予熱器32に脱気された水と排気ガスの一部を供給し、熱交換により水を過熱すれば、冷却機1の排気ガスから熱量を回収しつつ水を予熱することができる。このように、排熱回収設備では、給水予熱器32を設けることにより、主としてボイラーで行われる排気ガスと水との熱交換を補助することができる。
【0034】
同図に示す給水系統3では、給水再冷却器33を設けている。この場合、脱気された水は給水再冷却器33での熱交換によって降温した後で給水予熱器32およびボイラー20に供給される。このため、給水予熱器32およびボイラー20における熱交換対象物、すなわち、冷却機の排気ガスと、給水予熱器32およびボイラー20に供給する水との温度差が大きくなる。これにより、給水予熱器32およびボイラー20で冷却機の排気ガスから熱量を効率よく回収することができる。また、給水再冷却器で給水ピットから供給される水を昇温して脱気器に供給することにより、脱気器で130℃程度に過熱するのに必要な蒸気の使用量も削減できる。
【0035】
ただし、給水系統に給水再冷却器が装備されてない排熱回収設備が存在する。冷却機の排気ガスの熱量に対してボイラーで回収可能な熱量が比較的大きい、すなわち、ボイラーの熱交換部の総面積が大きいと、冷却機の排気ガスの熱量をボイラーで十分に回収できる。このようなボイラーを用いる場合は、ボイラーで水と冷却機の排気ガスとの温度差を大きくする必要がないことから、給水再冷却器は必ずしも必要ではない。給水再冷却器を装備しない場合、脱気された水は直接給水予熱器32に供給され、冷却機の排気ガスと熱交換することにより排気ガスの熱量を回収しつつ過熱された後、ボイラーの蒸気ドラムに供給される。
【0036】
このような冷却機における排熱回収設備で、本発明の排熱回収設備の制御方法により、排熱回収設備の定格容量を超える蒸気の発生を防止しながら、定格容量近傍で蒸気発生量を安定的に制御する方法を以下に説明する。
【0037】
本発明の排熱回収設備の制御方法の一つの実施形態は、上面に供給された焼結鉱を給鉱部から排鉱部に向かって移動させるクーラーパン10と、クーラーパン10の下方に位置して冷却ガスを供給する送風ダクト11と、クーラーパン10の上方に位置して排気ガスを回収する排気フード12とを備えた焼結鉱冷却機1において、排気フード12で回収した排気ガスを、給水系統3から供給された水と熱交換させて冷却ガスとして送風ダクト11に供給するとともに、蒸気を発生させるボイラー20が設置される排熱回収設備2を制御する方法であって、ボイラー20で発生させる蒸気の圧力を調整して蒸気発生量を排熱回収設備の定格容量以下に制御することを特徴とする。この実施形態を以下では「第1の制御方法」とも呼ぶ。
【0038】
ボイラー20では、冷却機1からの排気ガスとの熱交換によって水の温度が上昇してその圧力によって定まる温度に到達すると、沸騰が始まり蒸気が発生する。この沸騰が始まる温度および圧力を、それぞれ飽和温度(沸点)および飽和圧力と言う。
【0039】
本発明の第1の制御方法では、ボイラー20で発生させる蒸気の圧力を調整することにより、ボイラーの飽和圧力を調整して飽和温度を変動させる。これにより、ボイラー20の蒸気発生量が増減するので、本発明の第1の制御方法により、冷却機に供給される冷却ガス量を減少させることなく、蒸気発生量を定格容量以下に制御することができる。例えば、冷却機1への焼結鉱の給鉱量やボイラー20の蒸気発生量、冷却機1の排気ガスの熱量に応じてボイラー20で発生させる蒸気の圧力を調整することにより、蒸気発生量を排熱回収設備の定格容量以下に制御することができる。
【0040】
前記図1に示す冷却機における排熱回収設備では、ボイラー20(過熱器22)の出側に設けた圧力調整弁24を操作することにより、ボイラー20で発生させる蒸気の圧力を調整できる。冷却機1への焼結鉱の給鉱量増加等により蒸気発生量が定格容量を超える様相の場合、圧力調整弁24を操作してボイラー20で発生させる蒸気の圧力を増加させる調整を行う。これにより、ボイラー20の飽和温度が上昇して蒸気を発生させるために必要な熱量が増加することから、ボイラー20の蒸気発生量を減少させることができ、冷却機に供給される冷却ガス量を減少させることなく、定格容量を超える蒸気の発生を防止できる。
【0041】
一方、冷却機1への焼結鉱の給鉱量減少等によりボイラーの蒸気発生量が定格容量を大幅に下回る様相の場合、圧力調整弁24を操作してボイラー20(過熱器22)で発生させる蒸気の圧力を減少させる調整を行う。これにより、ボイラー20の飽和温度が下降して蒸気を発生させるために必要な熱量が減少することから、ボイラー20の蒸気発生量を増加させることができ、冷却機に供給される冷却ガス量を減少させることなく、定格容量近傍で蒸気発生量を制御できる。
【0042】
ボイラー20(過熱器22)で発生させる蒸気の圧力は、設備仕様により定められた上限と、発生した蒸気を発電や各工場で使用することが可能な圧力の下限との範囲内で調整することが好ましい。
【0043】
本発明の排熱回収設備の制御方法のもう一つの実施形態は、上面に供給された焼結鉱を給鉱部から排鉱部に向かって移動させるクーラーパン10と、クーラーパンの下方に位置して冷却ガスを供給する送風ダクト11と、クーラーパン10の上方に位置して排気ガスを回収する排気フード12とを備えた焼結鉱冷却機1において、排気フード12で回収した排気ガスを、給水系統3から供給された水と熱交換させて冷却ガスとして送風ダクト11に供給するとともに、蒸気を発生させるボイラー20が設置される排熱回収設備2を制御する方法であって、給水系統3が、水を過熱してガスを除去する脱気器31と、脱気された水を予熱する給水予熱器32と、脱気器31に供給される水と脱気器31から排出される水とを熱交換させる給水再冷却器33とを備え、脱気器31と給水予熱器32との間に、給水再冷却器33を経由する再冷却ラインと、脱気器31から排出された水を直接給水予熱器32に供給するバイパスラインとを設け、バイパスラインを通過する水量を調整することにより、ボイラー20の蒸気発生量を排熱回収設備の定格容量以下に制御することを特徴とする。この実施形態を以下では「第2の制御方法」とも呼ぶ。
【0044】
給水予熱器32およびボイラー20には、再冷却ラインを通過した水およびバイパスラインを通過した水が供給される。本発明の第2の制御方法では、バイパスラインを通過する水量を調整することにより、給水予熱器32およびボイラー20に供給する水における再冷却ラインを通過した水とバイパスラインを通過した水との割合を変化させる。
【0045】
ここで、バイパスラインを通過した水は、脱気器で過熱されて130℃程度であり、再冷却ラインを通過した水は、給水再冷却器での熱交換により再冷却されて降温している。このため、バイパスラインを通過する水量を調整することにより、給水予熱器32およびボイラー20に供給する水の温度を変動させることができる。給水予熱器32およびボイラー20に供給する水の温度が変動すると、その変動に従ってボイラー20の蒸気発生量が増減する。
【0046】
このように本発明の第2の制御方法は、バイパスラインを通過する水量を調整することにより、冷却機に供給される冷却ガス量を減少させることなく、蒸気発生量を定格容量以下に制御することができる。例えば、冷却機1への焼結鉱の給鉱量やボイラー20の蒸気発生量、冷却機1の排気ガスの熱量に応じてバイパスラインを通過する水量を調整することにより、蒸気発生量を定格容量以下に制御することができる。
【0047】
前記図1に示す冷却機における排熱回収設備では、バイパスラインに設けた水量調整弁34を操作することにより、バイパスラインを通過する水量を調整できる。冷却機1への焼結鉱の給鉱量増加等により蒸気発生量が定格容量を超える様相の場合、水量調整弁34を操作してバイパスラインを通過する水量を減少させる調整を行う。これにより、給水予熱器32およびボイラー20に供給する水は、再冷却ラインを通過して再冷却された水の割合が増加するとともに、バイパスラインを通過して過熱された状態の水の割合が減少するので、給水予熱器32およびボイラー20に供給する水の温度が下降する。その結果、蒸気を発生させるために必要な熱量が増加することから、ボイラー20の蒸気発生量を減少させることができ、冷却機に供給される冷却ガス量を減少させることなく、定格容量を超える蒸気の発生を防止できる。
【0048】
一方、冷却機1への焼結鉱の給鉱量減少等によりボイラーの蒸気発生量が定格容量を大幅に下回る様相の場合、水量調整弁34を操作してバイパスラインを通過する水量を増加させる調整を行う。これにより、給水予熱器32およびボイラー20に供給する水は、再冷却ラインを通過して再冷却された水の割合が減少するとともに、バイパスラインを通過して過熱された状態の水の割合が増加するので、給水予熱器32およびボイラー20に供給する水の温度が上昇する。その結果、蒸気を発生させるために必要な熱量が減少するので、ボイラー20の蒸気発生量を増加させることができ、冷却機に供給される冷却ガス量を減少させることなく、定格容量近傍で蒸気発生量を制御できる。
【0049】
このように本発明の排熱回収設備の制御方法は、第1および第2の制御方法ともに、冷却機1に供給される冷却ガス量を減少させることなく、排気ガスを介してボイラー20に投入される熱量が同じ状態でボイラー20の蒸気発生量を制御できる。このため、本発明の排熱回収設備の制御方法は、冷却機1の冷却能力を変化させることなく、ボイラー20の蒸気発生量を制御できる。したがって、本発明の排熱回収設備の制御方法は、冷却機から排鉱された焼結鉱の冷却不足や散水によって強制冷却された焼結鉱の品質低下といった問題が生じない。
【実施例】
【0050】
本発明の排熱回収設備の制御方法による効果を検証するため、下記の試験を行った。
【0051】
[試験方法]
本試験では、前記図1に示した冷却機における排熱回収設備で、通常の操業状態から焼結鉱の生産量(冷却機への焼結鉱の給鉱量)を変化させ、変化後に平衡状態となった際の熱バランスを調査した。なお、本試験に用いた排熱回収設備の定格容量は34.0t/hであった。
【0052】
図2は、通常の操業状態における熱バランスを示す図である。同図では、熱バランスを説明する際に特に必要がない部分を省略した。同図に示すように、通常の操業状態(焼結鉱の生産量が270t/h)では、冷却機1から排鉱される焼結鉱の温度が70℃、冷却機の冷却ガス量が380,000Nm3/h、ボイラーで発生させる蒸気の圧力が0.7MPa、バイパスラインを通過する水量が17.0t/hであった。この状態でボイラー20の蒸気発生量は34.0t/hであり、定格容量と等しい値であった。このような通常の操業状態から、本試験では、焼結鉱の生産量を280t/hに変化させた。
【0053】
比較例1では、冷却機1から排鉱される焼結鉱の温度を70℃に維持するため、焼結鉱の生産量(冷却機への焼結鉱の給鉱量)に応じて冷却機の冷却ガス量を調整し、380,000Nm3/hから410,000Nm3/hに変化させた。また、比較例2では、排気ガスを介してボイラー20に投入される熱量を一定にしてボイラー20の蒸気発生量が定格容量を超えるのを防止するため、冷却機の冷却ガス量を380,000Nm3/hに維持し、焼結鉱の給鉱量に対する冷却ガス量を減少させた。
【0054】
本発明例1では、ボイラー20の蒸気発生量を定格容量近傍で制御するため、焼結鉱の生産量に応じて圧力調整弁24を操作し、ボイラーで発生させる蒸気の圧力を0.7MPaから0.9MPaに増加させた。また、本発明例2では、ボイラー20の蒸気発生量を定格容量近傍で制御するため、焼結鉱の生産量に応じて水量調整弁34を操作し、バイパスラインを通過する水量を17.0t/hから10.0t/hに減少させた。
【0055】
本発明例および比較例ともに、冷却機から排鉱される焼結鉱の温度が70℃を超えた場合は、排鉱された焼結鉱が搬入されるベルトコンベアが焼損するのを防止するため、排鉱された焼結鉱を散水により70℃以下に強制冷却した。
【0056】
[評価基準]
得られた焼結鉱を放冷して常温にし、この焼結鉱の冷間強度をJIS M 8712に規定された回転強度TI(+5mm)を用いて評価した。
【0057】
[試験結果]
図3〜6は、焼結鉱の生産量を変化させた状態における熱バランスを示す図であり、図3は比較例1、図4は比較例2、図5は本発明例1、図6は本発明例2の熱バランスをそれぞれ示す。図3〜6では、熱バランスを説明する際に特に必要がない部分を省略した。
【0058】
また、表1に通常の操業状態、比較例1および2並びに本発明例1および2の試験条件および試験結果をそれぞれ示す。表1に示す試験条件および試験結果は、ボイラーで発生させた蒸気について、発生量(t/h)、温度(℃)、圧力(MPa)およびその圧力おける飽和温度(℃)を示す。また、冷却機について、焼結鉱の生産量(t/h)、冷却ガス量(Nm3/h)および排気ガス量(Nm3/h)、並びに、冷却機の給鉱部および排鉱部での焼結鉱の温度(℃)を示す。
【0059】
ボイラーについて、供給された排気ガスの温度(℃)、排出した冷却ガスの温度(℃)、供給された水量(t/h)、再冷却ラインを通過した水量(t/h)、バイパスラインを通過した水量(t/h)、ボイラーに供給された水の温度(℃)および蒸気ドラムの圧力(MPa)を示す。さらに、冷却機から排鉱された焼結鉱について、散水による強制冷却の有無および冷間強度TI(%)を示す。
【0060】
【表1】

【0061】
図3〜6および表1より、比較例1では、焼結鉱の生産量に応じて冷却機の冷却ガス量を調整し、380,000Nm3/hから410,000Nm3/hに変化させた。その結果、冷却機から排鉱された焼結鉱の温度は70℃に維持されたが、排気ガスを介してボイラーに供給される熱量が増加したことから、ボイラーの蒸気発生量が36.0t/hとなって定格容量を超えた。
【0062】
比較例2では、排気ガスを介してボイラー20に投入される熱量を一定にすることによってボイラー20の蒸気発生量を定格容量以下に制御するため、冷却機の冷却ガス量を380,000Nm3/hに維持し、焼結鉱の給鉱量に対する冷却ガス量を減少させた。その結果、ボイラーの蒸気発生量が34.0t/hと定格容量以下となったが、冷却機から排鉱された焼結鉱の温度が70℃を超えて90℃となった。
【0063】
このため、冷却機から排鉱された焼結鉱に散水による強制冷却を施し、その結果、焼結鉱の冷却強度TIは76.5%となった。表1に示すように、通常の操業状態、比較例1、本発明例1および本発明例2では散水による強制冷却を施すことなく、その結果、焼結鉱の冷却強度TIは78%であることから、散水による強制冷却を実施すると焼結鉱の強度が低下することが確認された。
【0064】
本発明例1では、ボイラーで発生させる蒸気の圧力を0.7MPaから0.9MPaに増加させた。これにより、ボイラーの蒸気飽和温度が160℃から170℃に上昇し、ボイラーの蒸気発生量が34.0t/hとなり、定格容量を超えるのを防止できた。この際、冷却機の冷却能力を確保するため、比較例1と同様に、焼結鉱の生産量に応じて冷却機の冷却ガス量を調整し、380,000Nm3/hから410,000Nm3/hに変化させた。その結果、冷却機から排鉱される焼結鉱の温度を70℃に維持でき、散水による強制冷却は実施しなかった。
【0065】
ここで、本発明例1では、給水再冷却器や再冷却ラインおよびバイパスラインの水量についての条件を、通常の操業状態から変更していない。このため、給水再冷却器を装備していない排熱回収設備であっても、本発明の第1の制御方法を適用することにより、本発明例1と同様の効果を得ることができると考えられる。
【0066】
本発明例2では、バイパスラインを通過する水量を17.0t/hから10.0t/hに減少させ、それに伴い再冷却ラインを通過する水量が17.0t/hから24.0t/hに増加した。これにより、給水予熱器に供給する水の温度を90℃から70℃に降温させるとともに、ボイラーに供給する水の温度を110℃から90℃に降温させ、その結果、蒸気発生量を34.0t/hに維持できた。この際、冷却機の冷却能力を確保するため、比較例1と同様に、焼結鉱の生産量に応じて冷却機の冷却ガス量を調整し、380,000Nm3/hから410,000Nm3/hに変化させた。その結果、冷却機から排鉱される焼結鉱の温度を70℃に維持でき、散水による強制冷却は実施しなかった。
【0067】
すなわち、本発明例2では、バイパスラインを通過する水量を減少させることにより、給水再冷却器に供給する水量(再冷却ラインを通過する水量)を増加させ、給水予熱器およびボイラーに供給する水の温度を下降させる。その結果、焼結鉱の生産量が増加するのに伴って冷却機の排気ガスの熱量が増加するのに応じ、給水予熱器およびボイラーで回収される排気ガスの熱量を増加させ、ボイラーの蒸気発生量が定格容量を超えるのを防止できた。
【0068】
これらから、本発明の第1および第2の制御方法によって、焼結鉱冷却機の冷却能力を変化させることなく、排熱回収設備に設置されるボイラーで発生する蒸気発生量を制御し、蒸気発生量が定格容量を超えるのを防止できることが明らかになった。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の排熱回収設備の制御方法は、ボイラーで発生させる蒸気の圧力、または、再冷却ラインとバイパスラインとを設けた給水系統においてバイパスラインを通過する水量を調整する。これにより、本発明の排熱回収設備の制御方法は、冷却機への焼結鉱の給鉱量増加等によりボイラーの蒸気発生量が定格容量を超える様相の場合であっても、冷却機の冷却能力を変化させることなく、ボイラーの蒸気発生量を定格容量以下に制御することができる。
【0070】
したがって、本発明の排熱回収設備の制御方法を焼結鉱の製造に適用すれば、焼結鉱の生産量の変化に対応しつつ、蒸気発生量が定格容量を超えるのを防止できる。これにより、定格容量を超えて排熱回収設備が故障したり、高温の焼結鉱が冷却機から排鉱されて設備が焼損等したりするのを防止できるとともに、高品質の焼結鉱を製造できる。このような本発明の排熱回収設備の制御方法は、焼結鉱の製造に有用である。
【符号の説明】
【0071】
1:焼結鉱冷却機、 10:クーラーパン、 11:送風ダクト、
12:排気フード、 1a:給鉱部、 1b:排鉱部、 2:排熱回収設備、
20:ボイラー、 21:蒸発器、 22:過熱器、 23:蒸気ドラム、
24:圧力調整弁、 25:循環ファン、 3:給水系統、 30:給水ピット、
31:脱気器、 32:給水予熱器、 33:給水再冷却器、 34:水量調整弁、
4:焼結機、 5:クラッシャー、 6:焼結ケーキ、 7:焼結鉱、 8:蒸気

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に供給された焼結鉱を給鉱部から排鉱部に向かって移動させるクーラーパンと、前記クーラーパンの下方に位置して冷却ガスを供給する送風ダクトと、前記クーラーパンの上方に位置して排気ガスを回収する排気フードとを備えた焼結鉱冷却機において、
前記排気フードで回収した前記排気ガスを、給水系統から供給された水と熱交換させて冷却ガスとして前記送風ダクトに供給するとともに、蒸気を発生させるボイラーが設置される排熱回収設備を制御する方法であって、
前記ボイラーで発生させる蒸気の圧力を調整して蒸気発生量を前記排熱回収設備の定格容量以下に制御することを特徴とする焼結鉱冷却機における排熱回収設備の制御方法。
【請求項2】
上面に供給された焼結鉱を給鉱部から排鉱部に向かって移動させるクーラーパンと、前記クーラーパンの下方に位置して冷却ガスを供給する送風ダクトと、前記クーラーパンの上方に位置して排気ガスを回収する排気フードとを備えた焼結鉱冷却機において、
前記排気フードで回収した前記排気ガスを、給水系統から供給された水と熱交換させて冷却ガスとして前記送風ダクトに供給するとともに、蒸気を発生させるボイラーが設置される排熱回収設備を制御する方法であって、
前記給水系統が、水を過熱してガスを除去する脱気器と、脱気された水を予熱する給水予熱機器と、前記脱気器に供給される水と前記脱気器から排出される水とを熱交換させる給水再冷却器とを備え、
前記脱気器と前記給水予熱器との間に、前記給水再冷却器を経由する再冷却ラインと、前記脱気器から排出された水を直接前記給水予熱器に供給するバイパスラインとを設け、
前記バイパスラインを通過する水量を調整することにより、前記ボイラーの蒸気発生量を前記排熱回収設備の定格容量以下に制御することを特徴とする焼結鉱冷却機における排熱回収設備の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−24522(P2013−24522A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161979(P2011−161979)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000006655)新日鐵住金株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】