熱交換ユニットおよび冷蔵庫
【課題】スパイラルフィンチューブ型熱交換器5を搭載した熱交換ユニット1において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の形状安定および筐体との連結構造の効率化を図ることにより、熱交換ユニット1およびそれを搭載した冷蔵庫のコストパフォーマンス向上を図る。
【解決手段】熱交換ユニット1において、筒形状に立体巻き加工してなるスパイラルフィンチューブ型熱交換器5の筒形状立体巻き部分が形成する空間部を、スペーサー6で充填し、前記スペーサー6を筐体8と連結することにより、低コストで熱交換ユニット1及びそれを搭載した冷蔵庫を提供することができる。
【解決手段】熱交換ユニット1において、筒形状に立体巻き加工してなるスパイラルフィンチューブ型熱交換器5の筒形状立体巻き部分が形成する空間部を、スペーサー6で充填し、前記スペーサー6を筐体8と連結することにより、低コストで熱交換ユニット1及びそれを搭載した冷蔵庫を提供することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝熱管と伝熱管の外周に螺旋状に巻き付けたフィンとからなるスパイラルフィンチューブ型熱交換器とファンとを備えた熱交換ユニット、及び前述の熱交換ユニットを搭載した冷蔵庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に冷蔵庫においては、食品等の収容物の収納が不可能な無効スペースは極力小さく、収納が可能な庫内の有効スペースが大きいことが望まれ、すべてが収納可能なスペースであることが理想である。収容可能スペースという観点では、機械室は無効なスペースの最たるものであり、機械室の省スペース化、最適配置設計が有効スペースを創出するに際して課題として挙げられる。冷蔵庫の機械室内に設置される部品の中で、特に熱交換器の大きさや形状は、機械室形状を左右する主要因の一つであり、形状設計自由度の高い熱交換器が求められている。また、機械室の吸い込み口近辺は、ほこりがたまりやすく、ほこりにより熱交換器のフィンの目詰まりが発生し、熱交換能力が低下するという問題もあり、耐ほこり性に優れた熱交換器が求められている。また近年、地球温暖化など環境問題との絡みから、冷蔵庫などに使用する冷媒として、地球温暖化係数の低いイソブタンやプロパンなどの可燃性冷媒を使用するケースが増えてきており、冷媒漏れにより発火の危険性のある可燃性冷媒においても安全を確保できる、冷媒漏れに対する信頼性の高い熱交換器が求められている。
【0003】
スパイラルフィンチューブ型熱交換器は、伝熱管と伝熱管の外周に螺旋状に巻き付けたフィンとから構成されたスパイラルフィンチューブを、平面状、立体状、筒形状等、種種の形状に成形して構成することで、形状を比較的自由に設定できることから、他の形態の熱交換器に比べて形状設計自由度の向上を図ることができる。また、伝熱管と伝熱管の外周に螺旋状に巻き付けたフィンとから構成されていることで、フィンの形状が略円形であることからほこりが付着しにくく、耐ほこり性に優れている。また、伝熱管の接続部が出入り口部のみであることから、冷媒漏れに対する信頼性も高い。
【0004】
以上のことから、設計自由度、耐ほこり性に優れ、信頼性の高いスパイラルフィンチューブ型熱交換器を備えた熱交換ユニットが多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図12は、特許文献1に記載された従来の熱交換ユニットの平面図である。
【0006】
図13は、特許文献1に記載された従来の熱交換ユニットに搭載されるスパイラルフィンチューブ型熱交換器の曲げ加工を示す正面図および部分断面図である。
【0007】
図12に示すように、熱交換ユニット1は伝熱管2と、伝熱管2の外周に螺旋状に巻き付けたフィン3とから構成されるスパイラルフィンチューブ4と、前記スパイラルフィンチューブ4を蛇行状に屈曲、あるいは湾曲するように曲げ加工されて平面、または立体形状に成形されているスパイラルフィンチューブ型熱交換器5、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の形状の変形を防止する変形防止用固定具9、熱交換に必要な空気をスパイラルフィンチューブ型熱交換器5に流入させるファン7、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5、ファン7を配置している機械室外郭を形成する筐体8と、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器5と筐体8と連結固定する連結用固定具10とから構成されている。ファン7により、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5に空気が流入され、フィン2を介して、空気と伝熱管3内を流動する冷媒を強制的に熱交換させるものである。
【0008】
図13に示すように、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の曲げ加工は、所定のピッチを形成するように、曲げ加工治具11にスパイラルフィンチューブ4を沿わせるようにして行う。所定の曲げピッチP1、P2は曲げ治具の内周径φA、φBにより決定されるため、曲げピッチと曲げ加工治具は一品一様となり、種種の曲げピッチに対応するためには、種種の曲げ加工治具11が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3646033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の熱交換ユニット1は、前述のように構造であるため、熱交換ユニット1の製造過程での、変形防止用固定具9を組付ける前のスパイラルフィンチューブ型熱交換器5単体の状態において、あらかじめ曲げ加工によって、平面、または立体に形成した形状が、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力負荷により変形してしまうという課題を有している。
【0011】
変形が生じると、その後の工程で変形修正工程が必要になりロスに繋がる上に、場合によっては、伝熱管2にも応力が負荷され冷媒漏れに対する信頼性低下という事態を誘発する可能性もある。
【0012】
また、単体では形状が安定しないスパイラルフィンチューブ型熱交換器5の変形を防止する変形防止用固定具9、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5と筐体8とを連結固定する連結用固定具10等の補助部材が必要となり、部品点数が増える、熱交換ユニット1組立工数が増えることから、熱交換ユニット1の製造コストが増えるという課題を有している。
【0013】
また、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5を曲げ加工によって、所定の形状に加工する際に、曲げ加工治具11を要するため、種種の曲げ形状に対応するためには、多種の曲げ加工治具11を必要とし多大な治具費が発生する、治具費削減のために曲げ加工治具11の仕様を限定すると、形状が制限され、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の強みである形状設計自由度を十分に生かすことができない。
【0014】
本発明は上記課題を解決するもので、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の取り扱い時の形状変形防止、変形防止用固定具9や連結用固定具10の削減、曲げ加工治具11の削減を可能にする構造の提供により、熱交換ユニット1製造コストの削減を図ることができ、低コストで熱交換ユニット1、または熱交換ユニット1を搭載した冷蔵庫を提供できるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記従来の課題を解決するために、
本発明の請求項1に記載の熱交換ユニットは、伝熱管の外周面に伝熱用のフィンを螺旋状に巻き着けたスパイラルフィンチューブを筒形状に立体巻き形成してなる、スパイラルフィンチューブ型熱交換器と、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒形状立体巻き部分が形成する空間を充填し、かつ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の内周部に密着固定されている筒形状のスペーサーと、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器に強制的に気流を提供するファンと、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器、ファンを配置している機械室外郭を形成する筐体とから構成され、前記スペーサーと筐体が連結さ
れているものである。
【0016】
上記の構成において、筒形状のスパイラルフィンチューブ型熱交換器が形成する空間はスペーサーにより充填されていて、かつスペーサーは筒形状のスパイラルフィンチューブ型熱交換器の内周部分に密着しているため、この状態において、筒形状に立体巻き形成された形状はスペーサーにより固定されている。そのため、熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。
【0017】
また、上記構成において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器はスペーサーに密着固定され、かつ、スペーサーは筐体と連結されていることから、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の変形防止用固定具や、スパイラルフィンチューブ型熱交換器と筐体を固定するための連結用固定具を、別部材として設けることなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の形状を確保しかつ筐体に固定される。
【0018】
また、上記構成において、スペーサーの形状をスパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒形状立体巻き加工形状と略相似形とし、筒状立体巻き形状形成加工工程において、スペーサーにスパイラルフィンチューブを巻き付けながらスパイラルフィンチューブ型熱交換器を形成することにより、スペーサーが曲げ加工治具の役割を果たすため、曲げ加工治具が不要となる。
【0019】
また、上記構成においては、スペーサーの形状設定次第でスパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒状立体巻き形状を自由に設定することができるためスパイラルフィンチューブ形熱交換器の形状自由度が向上する。
【0020】
また、本発明の請求項2に記載の熱交換ユニットは、請求項1に記載の熱交換ユニットにおいて、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒状立体巻き形状の、軸垂直方向投影形状は略円形(真円を含む)としたものである。
【0021】
上記の構成において、筒状立体巻き形状の、軸垂直方向投影形状を略円形とすることでスペーサーの形状を簡素化することができる。また、筒形状立体曲げ形状形成工程の標準化を図ることも可能となり、加工工程を容易にすることができる。
【0022】
また、本発明の請求項3に記載の熱交換ユニットは、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ファンが発生する気流通過経路を遮断する位置に介在するスペーサーの部位に空間部を設けている。
【0023】
上記の構成において、ファンが発生する気流通過経路を遮断する位置に介在するスペーサーの部位を空間部とすることで、スペーサーがスパイラルフィンチューブ型熱交換器を通過する気流を遮ることなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の熱交換部にムラなく気流を提供することが可能となり、熱交換を促進することができる。
【0024】
また、本発明の請求項4に記載の熱交換ユニットは、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記スペーサーの筒形状の軸垂直方向断面積は、軸方向中央部から先端部の片端、または両端にかけて、漸次的に大きくしたものである。
【0025】
上記の構成において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の内周部に密着固定されている筒形状のスペーサーは、軸方向中央部から先端部にかけて、漸次的に断面積を大きくしているため、スペーサー外周に密着しているスパイラルフィンチューブ型熱交換器は筒形状の軸方向中央部側に寄せられる状態となり、別部材として固定具を要することなく、
スパイラルフィンチューブ型熱交換器をスペーサーに確実に密着固定することができる。これによって、熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。
【0026】
また、本発明の請求項5に記載の熱交換ユニットは、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記スペーサーの筒形状軸方向端部近傍の軸垂直方向断面積を、軸方向中央部より大きくしたものである。
【0027】
上記の構成において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の内周部に密着固定されている筒形状のスペーサーは、筒形状軸方向端部の軸垂直方向断面積を、軸方向中央部より大きくし、筒形状軸方向端部の断面積を大きくした箇所に狭設された軸方向中央部にスパイラルフィンチューブ型熱交換器を巻き付けて密着させることで、軸方向端部がストッパーの役割を果たし、別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器をスペーサーに確実に密着固定することができる。これによって、熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。
【0028】
また、本発明の請求項6に記載の熱交換ユニットは、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記スペーサーの外周部に、らせん状に溝を配置したものである。
【0029】
上記の構成において、スペーサーの溝に沿い、かつ溝凹部に接触するが如くスパイラルフィンチューブを筒形状に立体巻き加工することにより、らせん溝がストッパーの役割を果たし別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器をスペーサーに確実に密着固定することができる。これによって、熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。
【0030】
また、本発明の請求項7に記載の熱交換ユニットは、請求項6に記載の発明において、前記溝の形状を、フィン外周が形成する形状と略相似形としたものである。
【0031】
上記の構成において、溝形状とフィン外周が形成する形状が略相似形であるため、溝とスパイラルフィンチューブ型熱交換器の勘合を良好にすることができ、溝がストッパーの役割を果たし別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器をスペーサーに確実に密着固定することができる。これによって熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、溝形状とフィン外周が形成する形状が略相似形であり、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。
【0032】
また、フィン外周と溝の凹部が沿うように接触しているため、スパイラルフィンチューブをスペーサーに巻き付けて筒状立体形状を形成する際や取り扱い時に外力が負荷された場合においても、フィン折れ曲がり等の変形を緩和することができる。
【0033】
また、本発明の請求項8に記載の熱交換ユニットは、前記スペーサーと筐体を、一体成型にて構成したものである。
【0034】
上記の構成において、前記スペーサーと筐体はあらかじめ一体成型としているため、別部材として連結用固定具を要することなく、スペーサーを介して、スパイラルフィンチューブ型熱交換器と筐体を連結することができる。
【0035】
また、本発明の請求項9に記載の冷蔵庫は、請求項1〜8に記載の熱交換ユニットを搭載したものであるため、前述の作用を、冷蔵庫に対しても享受させることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の熱交換ユニットは前記のような作用を有することにより、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の成型形状安定化、固定具等の補助部品点数削減、熱交換ユニット組立工数の削減、熱交換効率向上を図ることができ、熱交換ユニットの製造コスト低減に繋がる。また、前記熱交換ユニットを搭載することで、低コストで冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態1における熱交換ユニットの斜視図
【図2】本発明の実施の形態1における別の実施形態における熱交換ユニットの斜視図
【図3】同実施の形態1における、スパイラルフィンチューブの正面図
【図4】同実施の形態1における、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒形状立体巻き加工工程を示す斜視図
【図5】同実施の形態1における、スペーサーの形状例を示す正面図および平面図
【図6】同実施の形態1における、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒状立体巻き形状の例を示す正面図及び平面図
【図7】同実施の形態1における、スペーサーと筐体の連結構造の例を示す正面図
【図8】同実施の形態1における、スペーサーと筐体の別の実施形態における斜視図
【図9】本発明の実施の形態2における、スペーサーの正面図及び平面図
【図10】同実施の形態3における、スペーサーの三面図(部分断面図含む)
【図11】本発明の実施の形態3における、スペーサーを搭載した熱交換ユニットの斜視図
【図12】従来例における熱交換ユニットの斜視図
【図13】従来例にスパイラルフィンチューブ型熱交換器の曲げ加工工程を示す正面図および部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0038】
請求項1に記載の発明は、伝熱管の外周面に伝熱用のフィンを螺旋状に巻き付けたスパイラルフィンチューブを筒形状に立体巻き形成してなる、スパイラルフィンチューブ型熱交換器と、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒形状立体巻き部分が形成する空間を充填し、かつ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の内周部と密着している筒形状のスペーサーと、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器に強制的に気流を提供するファンと、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器、ファンを配置している機械室外郭を形成する筐体とから構成され、前記スペーサーと筐体を連結しているものである。
【0039】
上記構成において、筒形状のスパイラルフィンチューブ型熱交換器が形成する空間はスペーサーにより充填されていて、かつスペーサーは筒形状のスパイラルフィンチューブ型熱交換器の内周部分に密着しているため、この状態において、筒形状に立体巻き形成された形状はスペーサーにより固定されている。そのため、熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。これにより、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の変形を防止できるために別部品として変形防止用固定具を設ける必要が無く、部品点数の削減を図り、部材コストの低減に繋がる。また、立体巻き加工形状がスペーサーによって変形しないように抑制されているため、熱交換ユニットの製造工程において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状変形を修正するロス工程を削減することができ、熱交換ユニットの製造コスト低減に繋がる。
【0040】
また、上記構成において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器はスペーサーに密着固定され、かつ、スペーサーと筐体を連結していることから、スパイラルフィンチューブ型熱交換器と筐体を固定するための連結用固定具を、別部材として設けることなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器は筐体に固定される。これにより、連結用固定具の削減を図ることができ、部材コストの低減に繋がる。
【0041】
また、上記構成において、スペーサーの形状をスパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒形状立体巻き加工と略相似形とし、スパイラルフィンチューブを筒形状立体巻き加工工程において、スペーサーにスパイラルフィンチューブを巻き付けながらスパイラルフィンチューブ型熱交換器を形成することにより、スペーサーが曲げ加工治具の役割を果たすため、曲げ加工治具が不要となる。これにより、曲げ加工治具を廃止することができ、製造コストの低減に繋がる。また、スペーサーの筒形状設定次第で、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の形状を自由に設定することができるため、熱交換ユニットの最適設計に寄与することができる。
【0042】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換ユニットにおいて、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒状立体巻き形状の、軸垂直方向投影形状は略円形(真円を含む)としたものである。
【0043】
上記の構成において、筒状立体巻き形状の、軸垂直方向投影形状は略円形とすることでスペーサーの形状を簡素化することができるため部材コストの低減を図ることができる。また、筒形状立体巻き加工工程の単純化を図ることも可能となり、加工工程を容易にすることができ、加工コストの低減を図ることができる。
【0044】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ファンが発生する気流通過経路を遮断する位置に介在するスペーサーの部位に空間部を設けている。
【0045】
上記の構成において、ファンが発生する気流通過経路を遮断する位置に介在するスペーサーの部位を空間部とすることで、スペーサーがスパイラルフィンチューブ型熱交換器を通過する気流を遮ることなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の熱交換部にムラなく気流を提供することが可能となり、熱交換を促進し、熱交換効率の向上を図ることができる。これにより、スパイラルフィンチューブ型熱交換器への材料投入量を削減することができ、コスト低減を図ることができる。
【0046】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記スペーサーの筒形状の軸垂直方向断面積は、軸方向中央部から先端部の片端、または両端にかけて、漸次的に大きくしたものである。
【0047】
上記の構成において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の内周部に密着固定されている筒形状のスペーサーは、軸方向中央部から先端部にかけて、漸次的に断面積を大きくしているため、スペーサー外周に密着しているスパイラルフィンチューブ型熱交換器は筒形状の軸方向中央部側に寄せられる状態となり、別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器をスペーサーに確実に密着固定することができる。これによって、熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器とスペーサーが分離してしまうことを防止し、かつスパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。
【0048】
これにより、形状変形防止具の削減による部材コスト低減を図ることができる。また、筒形状立体巻き加工形状の安定化、スペーサーとスパイラルフィンチューブ型熱交換器の分離防止を図ることができ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の取り扱い作業性向上による製造工程の効率化を図ることができる。
【0049】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記スペーサーの筒形状軸方向端部近傍の軸垂直方向断面積を、軸方向中央部より大きくしたものである。
【0050】
上記の構成において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の内周部に密着固定されている筒形状のスペーサーは、筒形状軸方向端部の軸垂直方向断面積を、軸方向中央部より大きくし、筒形状軸方向端部の断面積を大きくした箇所に狭設された軸方向中央部にスパイラルフィンチューブ型熱交換器を密着させることで、軸方向端部がストッパーの役割を果たし、別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器をスペーサーに確実に密着固定することができる。これによって、熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。
【0051】
これにより、変形防止用固定具の削減による部材コスト低減を図ることができる。また、筒形状立体巻き加工形状の安定化、スペーサーとスパイラルフィンチューブ型熱交換器の分離防止を図ることができ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の取り扱い作業性向上による製造工程の効率化を図ることができ、製造コストの低減に繋がる。
【0052】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記スペーサーの外周部に、らせん状に溝を配置したものである。
【0053】
上記の構成において、らせん状に配置された溝に沿い、かつ溝凹部に接触するが如くスパイラルフィンチューブを筒形状に立体巻き加工することにより、溝がストッパーの役割を果たし別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器をスペーサーに確実に密着固定することができる。これによって、熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。
【0054】
これにより、形状変形防止具の削減による部材コスト低減を図ることができる。また、筒形状立体巻き加工形状の安定化、スペーサーとスパイラルフィンチューブ型熱交換器の分離防止を図ることができ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の取り扱い作業性向上による製造工程の効率化を図ることができ、製造コストの低減に繋がる。
【0055】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記溝の形状を、フィン外周が形成する形状と略相似形としたものである。
【0056】
上記の構成において、溝形状とフィン外周が形成する形状が略相似形であるため、溝とスパイラルフィンチューブ型熱交換器の勘合をさらに良好にすることができ、溝がストッパーの役割を果たし別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器をスペーサーに確実に密着固定することができる。これによって、熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。
【0057】
これにより、形状変形防止具の削減による部材コスト低減を図ることができる。また、筒形状立体巻き加工形状の安定化、スペーサーとスパイラルフィンチューブ型熱交換器の
分離防止を図ることができ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の取り扱い作業性向上による製造工程の効率化を図ることができる。
【0058】
請求項8に記載の発明は、前記スペーサーと筐体を、一体成型にて構成したものである。
【0059】
上記の構成において、前記スペーサーと筐体はあらかじめ一体成型としているため、別部材として連結用固定具を要することなく、スペーサーを介して、スパイラルフィンチューブ型熱交換器と筐体を連結することができる。
【0060】
これにより、連結用固定具の削減による部材コスト低減を図ることができ、部材コスト低減を図ることができる。
【0061】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8に記載の熱交換ユニットを搭載した冷蔵庫である。これにより、前述の作用による熱交換ユニットを搭載しているため、冷蔵庫としての製造コスト低減を図ることができる。また、請求項3に記載の発明による前述の作用により、熱交換ユニットの熱交換効率向上を図ることができるため、冷蔵庫としての消費電力削減等の省エネに寄与することができる。また、請求項4〜7に記載の発明による前述の作用により、スパイラルフィンチューブ型熱交換器は筐体と連結されたスペーサーに強固に密着固定されているため、冷蔵庫運転時において発生する振動が負荷された場合においても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器が単体で共振することなく、騒音防止、振動負荷によるフィンの弛み等の品質劣化を防止することができる。
【0062】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0063】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における熱交換ユニットの斜視図である。
図2は、同実施の形態1における、別の実施形態における熱交換ユニットの斜視図である。図3は同実施の形態1における、スパイラルフィンチューブの正面図である。図4は、同実施の形態1における、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒形状立体巻き加工工程を示す斜視図である。図5は、同実施の形態1における、スペーサーの形状例を示す正面図および平面図である。図5は同実施の形態1における、スペーサーの斜視図である。図6は、同実施の形態1における、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒状立体巻き形状の例を示す正面図及び平面図である。図7は、同実施の形態1における、スペーサーと筐体の連結構造の一例を示す正面図である。図8は、同実施の形態1における、スペーサーおよび筐体の別の実施形態を示す斜視図である。
【0064】
図1において、熱交換ユニット1は、伝熱管3の外周面に伝熱用のフィン2を螺旋状に巻き付けたスパイラルフィンチューブ4を筒形状に立体巻き加工してなる、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5と、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の筒形状立体巻き部分が形成する空間を充填し、かつ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の内周部と密着している筒形状のスペーサー6と、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器5に強制的に気流を提供するファン7と、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5、ファン7を配置している機械室外郭を形成する筐体8とから構成され、前記スペーサー6と筐体8が連結されている。
【0065】
以上のように、構成された熱交換ユニット1において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5は、筐体8に連結されたスペーサー6と密着し、ファン7により強制的に発生する気流が提供されることにより、空気と管内流体との熱交換を促進するものである。
【0066】
図2は、図1において、ファン7に対するスパイラルフィンチューブ型熱交換器5の相対的位置関係を変えたものの一例である。
【0067】
本発明において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5とファン7の位置関係は、熱交換ユニット1を構成するその他の部材、また熱交換ユニット1が搭載される冷蔵庫を含む設計事情、熱交換の効率化等、様々な要素を考慮し、総合的に最適化を図るべきであり、図1、図2に限られるものではない。
【0068】
図3において、筒形状に立体巻き形状のスパイラルフィンチューブ型熱交換器5の構成要素であるスパイラルフィンチューブ4は、伝熱管3の外周面に伝熱用のフィン2を螺旋状に巻き付けることにより構成されている。スパイラルフィンチューブ型熱交換器5としての、熱交換性能、コストパフォーマンス、耐食性、相手型配管との接続工法を考慮した場合、フィン2はアルミニウム系材料、伝熱管3は銅系材料で構成する仕様が汎用性があり一般的であるが、例えば、フィン2および伝熱管3とも鉄系材料で構成する、または、アルミニウム系材料で構成する等、構成材料選択肢は限定されるものではない。
【0069】
図4において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5は、スパイラルフィンチューブ4をスペーサー6に巻き付けるが如く立体巻き加工を行うことにより構成される。このような構成とすることで、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5が完成する時点で、スペーサー6が筒形状立体巻き部分が形成する空間を充填し、かつ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の内周部に密着固定されているため、この状態において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の、筒形状に立体巻き形成された形状は、スペーサー6により固定されている。そのため、熱交換ユニット1の製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力がスパイラルフィンチューブ型熱交換器5に負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の立体巻き加工形状は確保される。これにより、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の変形を防止するために別部品として変形防止用固定具を設ける必要が無いため、部品点数の削減を図り、部材コストの低減に繋がる。また、立体巻き加工形状がスペーサーによって変形しないように抑制されているため、熱交換ユニットの製造工程において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状変形を修正するロス工程を削減することができ、熱交換ユニットの製造コスト低減に繋がる。
【0070】
また、上記の構成において、図5に示すようにスペーサー6の形状を例えば(A)、(B)、(C)、(D)のように設定することにより、図6の(A)、(B)、(C)、(D)に示すようにスパイラルフィンチューブ型熱交換器5の筒状立体巻き形状を設定することができ、熱交換ユニット1を構成するその他の部材との緩衝、ファン7が発生する気流通過経路との位置関係、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5を配置するスペース、また熱交換ユニット1が搭載される冷蔵庫を含む設計事情等様々な要素を考慮し、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の形状の最適化を図ることができる。
【0071】
図7に示すように、スペーサー6と筐体8の連結構造を、例えば(A)の如く差込式勘合タイプ、(B)の如くネジ式勘合タイプというように、別部材として連結用固定具を要することなく連結可能な方式とすることで、別部材の材料コストを削減することができる。
【0072】
図8に示すように、スペーサー6と筐体8をあらかじめ一体成型で構成することも可能である。この場合、図8のスペーサー6部分に、図4に示す工程の如く、スパイラルフィンチューブ4を巻き付けてスパイラルフィンチューブ型熱交換器5を形成すれば良い。
スペーサー6と筐体8はあらかじめ一体化されていることから連結する工程が不要であり
、図7に示す構成に比べて、製造コストの低減を図ることができる。
【0073】
上記により、本実施の形態における熱交換ユニット1は、製造コスト、部材コストの低減、かつ設計自由度の向上を図ることができるものである。
【0074】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2における、スペーサーの正面図及び平面図である。
【0075】
本実施の形態と実施の形態1との、相違点は、スペーサーの形状であり、その他の構成および作用については、実施の形態1によるものし、説明を省略する。
【0076】
以下図面に従い、スペーサー形状による作用を説明する。
【0077】
図9(A)、(B)は、スペーサー6の筒形状の軸垂直方向断面積を、軸方向中央部から先端部の片端、または両端にかけて、漸次的に大きくしたものである。これにより、スペーサー6外周に密着しているスパイラルフィンチューブ型熱交換器5は、自動的に筒形状の軸方向中央部側に寄せられる状態となり、別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5をスペーサー6に確実に密着固定することができる。
【0078】
図9(C)は、スペーサー6の軸方向端部の軸垂直方向断面積を、軸方向中央部より大きくしたものである。筒形状軸方向端部の断面積を大きくした箇所に狭設された軸方向中央部にスパイラルフィンチューブ型熱交換器5の筒形状内周部分を密着させることで、軸方向端部がストッパーの役割を果たし、別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5をスペーサー6に確実に密着固定することができる。
【0079】
図9(D)は、スペーサー6の外周部に、フィン2外周が形成する形状と略相似形の凹部を有した溝6aをらせん状に配置したものである。スペーサー6の溝に沿い、かつ溝6a凹部にフィン2が接触するが如くスパイラルフィンチューブ4を筒形状に立体巻き加工し、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5を形成することにより、らせん溝がストッパーの役割を果たし別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5をスペーサー6に確実に密着固定することができる。
【0080】
スペーサー6の形状を上記の例のように形成することにより、熱交換ユニット1製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5とスペーサー6が分離してしまうことを防止し、かつスパイラルフィンチューブ型熱交換器5の立体巻き加工形状は確保される。これにより、形状変形防止具の削減による部材コスト低減を図ることができる。また、筒形状立体巻き加工形状の安定化、スペーサー6とスパイラルフィンチューブ型熱交換器5の分離防止を図ることができ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の取り扱い作業性向上による製造工程の効率化を図ることができる。
【0081】
また、本実施の形態における熱交換ユニットを搭載した冷蔵庫では、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5は筐体8と連結されたスペーサー6に強固に密着固定されているため、冷蔵庫運転時において発生する振動が負荷された場合においても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5が単体で共振することなく、騒音防止、振動負荷によるフィン2と伝熱管3の弛み等の品質劣化を防止することができる。
【0082】
(実施の形態3)
図10は本発明の実施の形態3における、スペーサーの三面図(部分断面図含む)であ
る。図11は、本発明の実施の形態3における、スペーサーを搭載した熱交換ユニットの斜視図である。
【0083】
本実施の形態と実施の形態1、2との相違点は、スペーサーの形状であり、その他の構成、作用については、実施の形態1、2によるものとし、説明を省略する。
【0084】
図10において、スペーサー6には、空間部6bを設けている。
【0085】
図11に示すように、空間部6bを、ファン7が発生する気流の通過経路に配置することにより、スペーサー6によって気流通過が遮断されることなく、ファン7が発生する気流を有効に熱交換に生かすことができる。これによって、熱交換効率の向上を図ることができ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5のフィン2、伝熱管3への材料投入を削減することができ、コストダウンを図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上のように、本発明によれば、別部材を要することなくスパイラルフィンチューブ型熱交換器の形状安定化及び筐体との連結固定を図ることにより、熱交換ユニット1の製造コストを低減することができ、家庭用冷蔵庫をはじめ、業務用冷蔵庫、自動販売機等、その他、冷凍冷蔵システムを具備する広い産業分野に適用できるものである。
【符号の説明】
【0087】
1 熱交換ユニット
2 フィン
3 伝熱管
4 スパイラルフィンチューブ
5 スパイラルフィンチューブ型熱交換器
6 スペーサー
6a 溝
6a 空間部
7 ファン
8 筐体
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝熱管と伝熱管の外周に螺旋状に巻き付けたフィンとからなるスパイラルフィンチューブ型熱交換器とファンとを備えた熱交換ユニット、及び前述の熱交換ユニットを搭載した冷蔵庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に冷蔵庫においては、食品等の収容物の収納が不可能な無効スペースは極力小さく、収納が可能な庫内の有効スペースが大きいことが望まれ、すべてが収納可能なスペースであることが理想である。収容可能スペースという観点では、機械室は無効なスペースの最たるものであり、機械室の省スペース化、最適配置設計が有効スペースを創出するに際して課題として挙げられる。冷蔵庫の機械室内に設置される部品の中で、特に熱交換器の大きさや形状は、機械室形状を左右する主要因の一つであり、形状設計自由度の高い熱交換器が求められている。また、機械室の吸い込み口近辺は、ほこりがたまりやすく、ほこりにより熱交換器のフィンの目詰まりが発生し、熱交換能力が低下するという問題もあり、耐ほこり性に優れた熱交換器が求められている。また近年、地球温暖化など環境問題との絡みから、冷蔵庫などに使用する冷媒として、地球温暖化係数の低いイソブタンやプロパンなどの可燃性冷媒を使用するケースが増えてきており、冷媒漏れにより発火の危険性のある可燃性冷媒においても安全を確保できる、冷媒漏れに対する信頼性の高い熱交換器が求められている。
【0003】
スパイラルフィンチューブ型熱交換器は、伝熱管と伝熱管の外周に螺旋状に巻き付けたフィンとから構成されたスパイラルフィンチューブを、平面状、立体状、筒形状等、種種の形状に成形して構成することで、形状を比較的自由に設定できることから、他の形態の熱交換器に比べて形状設計自由度の向上を図ることができる。また、伝熱管と伝熱管の外周に螺旋状に巻き付けたフィンとから構成されていることで、フィンの形状が略円形であることからほこりが付着しにくく、耐ほこり性に優れている。また、伝熱管の接続部が出入り口部のみであることから、冷媒漏れに対する信頼性も高い。
【0004】
以上のことから、設計自由度、耐ほこり性に優れ、信頼性の高いスパイラルフィンチューブ型熱交換器を備えた熱交換ユニットが多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図12は、特許文献1に記載された従来の熱交換ユニットの平面図である。
【0006】
図13は、特許文献1に記載された従来の熱交換ユニットに搭載されるスパイラルフィンチューブ型熱交換器の曲げ加工を示す正面図および部分断面図である。
【0007】
図12に示すように、熱交換ユニット1は伝熱管2と、伝熱管2の外周に螺旋状に巻き付けたフィン3とから構成されるスパイラルフィンチューブ4と、前記スパイラルフィンチューブ4を蛇行状に屈曲、あるいは湾曲するように曲げ加工されて平面、または立体形状に成形されているスパイラルフィンチューブ型熱交換器5、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の形状の変形を防止する変形防止用固定具9、熱交換に必要な空気をスパイラルフィンチューブ型熱交換器5に流入させるファン7、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5、ファン7を配置している機械室外郭を形成する筐体8と、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器5と筐体8と連結固定する連結用固定具10とから構成されている。ファン7により、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5に空気が流入され、フィン2を介して、空気と伝熱管3内を流動する冷媒を強制的に熱交換させるものである。
【0008】
図13に示すように、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の曲げ加工は、所定のピッチを形成するように、曲げ加工治具11にスパイラルフィンチューブ4を沿わせるようにして行う。所定の曲げピッチP1、P2は曲げ治具の内周径φA、φBにより決定されるため、曲げピッチと曲げ加工治具は一品一様となり、種種の曲げピッチに対応するためには、種種の曲げ加工治具11が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3646033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の熱交換ユニット1は、前述のように構造であるため、熱交換ユニット1の製造過程での、変形防止用固定具9を組付ける前のスパイラルフィンチューブ型熱交換器5単体の状態において、あらかじめ曲げ加工によって、平面、または立体に形成した形状が、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力負荷により変形してしまうという課題を有している。
【0011】
変形が生じると、その後の工程で変形修正工程が必要になりロスに繋がる上に、場合によっては、伝熱管2にも応力が負荷され冷媒漏れに対する信頼性低下という事態を誘発する可能性もある。
【0012】
また、単体では形状が安定しないスパイラルフィンチューブ型熱交換器5の変形を防止する変形防止用固定具9、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5と筐体8とを連結固定する連結用固定具10等の補助部材が必要となり、部品点数が増える、熱交換ユニット1組立工数が増えることから、熱交換ユニット1の製造コストが増えるという課題を有している。
【0013】
また、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5を曲げ加工によって、所定の形状に加工する際に、曲げ加工治具11を要するため、種種の曲げ形状に対応するためには、多種の曲げ加工治具11を必要とし多大な治具費が発生する、治具費削減のために曲げ加工治具11の仕様を限定すると、形状が制限され、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の強みである形状設計自由度を十分に生かすことができない。
【0014】
本発明は上記課題を解決するもので、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の取り扱い時の形状変形防止、変形防止用固定具9や連結用固定具10の削減、曲げ加工治具11の削減を可能にする構造の提供により、熱交換ユニット1製造コストの削減を図ることができ、低コストで熱交換ユニット1、または熱交換ユニット1を搭載した冷蔵庫を提供できるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記従来の課題を解決するために、
本発明の請求項1に記載の熱交換ユニットは、伝熱管の外周面に伝熱用のフィンを螺旋状に巻き着けたスパイラルフィンチューブを筒形状に立体巻き形成してなる、スパイラルフィンチューブ型熱交換器と、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒形状立体巻き部分が形成する空間を充填し、かつ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の内周部に密着固定されている筒形状のスペーサーと、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器に強制的に気流を提供するファンと、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器、ファンを配置している機械室外郭を形成する筐体とから構成され、前記スペーサーと筐体が連結さ
れているものである。
【0016】
上記の構成において、筒形状のスパイラルフィンチューブ型熱交換器が形成する空間はスペーサーにより充填されていて、かつスペーサーは筒形状のスパイラルフィンチューブ型熱交換器の内周部分に密着しているため、この状態において、筒形状に立体巻き形成された形状はスペーサーにより固定されている。そのため、熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。
【0017】
また、上記構成において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器はスペーサーに密着固定され、かつ、スペーサーは筐体と連結されていることから、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の変形防止用固定具や、スパイラルフィンチューブ型熱交換器と筐体を固定するための連結用固定具を、別部材として設けることなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の形状を確保しかつ筐体に固定される。
【0018】
また、上記構成において、スペーサーの形状をスパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒形状立体巻き加工形状と略相似形とし、筒状立体巻き形状形成加工工程において、スペーサーにスパイラルフィンチューブを巻き付けながらスパイラルフィンチューブ型熱交換器を形成することにより、スペーサーが曲げ加工治具の役割を果たすため、曲げ加工治具が不要となる。
【0019】
また、上記構成においては、スペーサーの形状設定次第でスパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒状立体巻き形状を自由に設定することができるためスパイラルフィンチューブ形熱交換器の形状自由度が向上する。
【0020】
また、本発明の請求項2に記載の熱交換ユニットは、請求項1に記載の熱交換ユニットにおいて、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒状立体巻き形状の、軸垂直方向投影形状は略円形(真円を含む)としたものである。
【0021】
上記の構成において、筒状立体巻き形状の、軸垂直方向投影形状を略円形とすることでスペーサーの形状を簡素化することができる。また、筒形状立体曲げ形状形成工程の標準化を図ることも可能となり、加工工程を容易にすることができる。
【0022】
また、本発明の請求項3に記載の熱交換ユニットは、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ファンが発生する気流通過経路を遮断する位置に介在するスペーサーの部位に空間部を設けている。
【0023】
上記の構成において、ファンが発生する気流通過経路を遮断する位置に介在するスペーサーの部位を空間部とすることで、スペーサーがスパイラルフィンチューブ型熱交換器を通過する気流を遮ることなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の熱交換部にムラなく気流を提供することが可能となり、熱交換を促進することができる。
【0024】
また、本発明の請求項4に記載の熱交換ユニットは、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記スペーサーの筒形状の軸垂直方向断面積は、軸方向中央部から先端部の片端、または両端にかけて、漸次的に大きくしたものである。
【0025】
上記の構成において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の内周部に密着固定されている筒形状のスペーサーは、軸方向中央部から先端部にかけて、漸次的に断面積を大きくしているため、スペーサー外周に密着しているスパイラルフィンチューブ型熱交換器は筒形状の軸方向中央部側に寄せられる状態となり、別部材として固定具を要することなく、
スパイラルフィンチューブ型熱交換器をスペーサーに確実に密着固定することができる。これによって、熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。
【0026】
また、本発明の請求項5に記載の熱交換ユニットは、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記スペーサーの筒形状軸方向端部近傍の軸垂直方向断面積を、軸方向中央部より大きくしたものである。
【0027】
上記の構成において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の内周部に密着固定されている筒形状のスペーサーは、筒形状軸方向端部の軸垂直方向断面積を、軸方向中央部より大きくし、筒形状軸方向端部の断面積を大きくした箇所に狭設された軸方向中央部にスパイラルフィンチューブ型熱交換器を巻き付けて密着させることで、軸方向端部がストッパーの役割を果たし、別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器をスペーサーに確実に密着固定することができる。これによって、熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。
【0028】
また、本発明の請求項6に記載の熱交換ユニットは、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記スペーサーの外周部に、らせん状に溝を配置したものである。
【0029】
上記の構成において、スペーサーの溝に沿い、かつ溝凹部に接触するが如くスパイラルフィンチューブを筒形状に立体巻き加工することにより、らせん溝がストッパーの役割を果たし別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器をスペーサーに確実に密着固定することができる。これによって、熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。
【0030】
また、本発明の請求項7に記載の熱交換ユニットは、請求項6に記載の発明において、前記溝の形状を、フィン外周が形成する形状と略相似形としたものである。
【0031】
上記の構成において、溝形状とフィン外周が形成する形状が略相似形であるため、溝とスパイラルフィンチューブ型熱交換器の勘合を良好にすることができ、溝がストッパーの役割を果たし別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器をスペーサーに確実に密着固定することができる。これによって熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、溝形状とフィン外周が形成する形状が略相似形であり、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。
【0032】
また、フィン外周と溝の凹部が沿うように接触しているため、スパイラルフィンチューブをスペーサーに巻き付けて筒状立体形状を形成する際や取り扱い時に外力が負荷された場合においても、フィン折れ曲がり等の変形を緩和することができる。
【0033】
また、本発明の請求項8に記載の熱交換ユニットは、前記スペーサーと筐体を、一体成型にて構成したものである。
【0034】
上記の構成において、前記スペーサーと筐体はあらかじめ一体成型としているため、別部材として連結用固定具を要することなく、スペーサーを介して、スパイラルフィンチューブ型熱交換器と筐体を連結することができる。
【0035】
また、本発明の請求項9に記載の冷蔵庫は、請求項1〜8に記載の熱交換ユニットを搭載したものであるため、前述の作用を、冷蔵庫に対しても享受させることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の熱交換ユニットは前記のような作用を有することにより、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の成型形状安定化、固定具等の補助部品点数削減、熱交換ユニット組立工数の削減、熱交換効率向上を図ることができ、熱交換ユニットの製造コスト低減に繋がる。また、前記熱交換ユニットを搭載することで、低コストで冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態1における熱交換ユニットの斜視図
【図2】本発明の実施の形態1における別の実施形態における熱交換ユニットの斜視図
【図3】同実施の形態1における、スパイラルフィンチューブの正面図
【図4】同実施の形態1における、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒形状立体巻き加工工程を示す斜視図
【図5】同実施の形態1における、スペーサーの形状例を示す正面図および平面図
【図6】同実施の形態1における、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒状立体巻き形状の例を示す正面図及び平面図
【図7】同実施の形態1における、スペーサーと筐体の連結構造の例を示す正面図
【図8】同実施の形態1における、スペーサーと筐体の別の実施形態における斜視図
【図9】本発明の実施の形態2における、スペーサーの正面図及び平面図
【図10】同実施の形態3における、スペーサーの三面図(部分断面図含む)
【図11】本発明の実施の形態3における、スペーサーを搭載した熱交換ユニットの斜視図
【図12】従来例における熱交換ユニットの斜視図
【図13】従来例にスパイラルフィンチューブ型熱交換器の曲げ加工工程を示す正面図および部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0038】
請求項1に記載の発明は、伝熱管の外周面に伝熱用のフィンを螺旋状に巻き付けたスパイラルフィンチューブを筒形状に立体巻き形成してなる、スパイラルフィンチューブ型熱交換器と、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒形状立体巻き部分が形成する空間を充填し、かつ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の内周部と密着している筒形状のスペーサーと、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器に強制的に気流を提供するファンと、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器、ファンを配置している機械室外郭を形成する筐体とから構成され、前記スペーサーと筐体を連結しているものである。
【0039】
上記構成において、筒形状のスパイラルフィンチューブ型熱交換器が形成する空間はスペーサーにより充填されていて、かつスペーサーは筒形状のスパイラルフィンチューブ型熱交換器の内周部分に密着しているため、この状態において、筒形状に立体巻き形成された形状はスペーサーにより固定されている。そのため、熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。これにより、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の変形を防止できるために別部品として変形防止用固定具を設ける必要が無く、部品点数の削減を図り、部材コストの低減に繋がる。また、立体巻き加工形状がスペーサーによって変形しないように抑制されているため、熱交換ユニットの製造工程において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状変形を修正するロス工程を削減することができ、熱交換ユニットの製造コスト低減に繋がる。
【0040】
また、上記構成において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器はスペーサーに密着固定され、かつ、スペーサーと筐体を連結していることから、スパイラルフィンチューブ型熱交換器と筐体を固定するための連結用固定具を、別部材として設けることなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器は筐体に固定される。これにより、連結用固定具の削減を図ることができ、部材コストの低減に繋がる。
【0041】
また、上記構成において、スペーサーの形状をスパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒形状立体巻き加工と略相似形とし、スパイラルフィンチューブを筒形状立体巻き加工工程において、スペーサーにスパイラルフィンチューブを巻き付けながらスパイラルフィンチューブ型熱交換器を形成することにより、スペーサーが曲げ加工治具の役割を果たすため、曲げ加工治具が不要となる。これにより、曲げ加工治具を廃止することができ、製造コストの低減に繋がる。また、スペーサーの筒形状設定次第で、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の形状を自由に設定することができるため、熱交換ユニットの最適設計に寄与することができる。
【0042】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱交換ユニットにおいて、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒状立体巻き形状の、軸垂直方向投影形状は略円形(真円を含む)としたものである。
【0043】
上記の構成において、筒状立体巻き形状の、軸垂直方向投影形状は略円形とすることでスペーサーの形状を簡素化することができるため部材コストの低減を図ることができる。また、筒形状立体巻き加工工程の単純化を図ることも可能となり、加工工程を容易にすることができ、加工コストの低減を図ることができる。
【0044】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ファンが発生する気流通過経路を遮断する位置に介在するスペーサーの部位に空間部を設けている。
【0045】
上記の構成において、ファンが発生する気流通過経路を遮断する位置に介在するスペーサーの部位を空間部とすることで、スペーサーがスパイラルフィンチューブ型熱交換器を通過する気流を遮ることなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の熱交換部にムラなく気流を提供することが可能となり、熱交換を促進し、熱交換効率の向上を図ることができる。これにより、スパイラルフィンチューブ型熱交換器への材料投入量を削減することができ、コスト低減を図ることができる。
【0046】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記スペーサーの筒形状の軸垂直方向断面積は、軸方向中央部から先端部の片端、または両端にかけて、漸次的に大きくしたものである。
【0047】
上記の構成において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の内周部に密着固定されている筒形状のスペーサーは、軸方向中央部から先端部にかけて、漸次的に断面積を大きくしているため、スペーサー外周に密着しているスパイラルフィンチューブ型熱交換器は筒形状の軸方向中央部側に寄せられる状態となり、別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器をスペーサーに確実に密着固定することができる。これによって、熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器とスペーサーが分離してしまうことを防止し、かつスパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。
【0048】
これにより、形状変形防止具の削減による部材コスト低減を図ることができる。また、筒形状立体巻き加工形状の安定化、スペーサーとスパイラルフィンチューブ型熱交換器の分離防止を図ることができ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の取り扱い作業性向上による製造工程の効率化を図ることができる。
【0049】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記スペーサーの筒形状軸方向端部近傍の軸垂直方向断面積を、軸方向中央部より大きくしたものである。
【0050】
上記の構成において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の内周部に密着固定されている筒形状のスペーサーは、筒形状軸方向端部の軸垂直方向断面積を、軸方向中央部より大きくし、筒形状軸方向端部の断面積を大きくした箇所に狭設された軸方向中央部にスパイラルフィンチューブ型熱交換器を密着させることで、軸方向端部がストッパーの役割を果たし、別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器をスペーサーに確実に密着固定することができる。これによって、熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。
【0051】
これにより、変形防止用固定具の削減による部材コスト低減を図ることができる。また、筒形状立体巻き加工形状の安定化、スペーサーとスパイラルフィンチューブ型熱交換器の分離防止を図ることができ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の取り扱い作業性向上による製造工程の効率化を図ることができ、製造コストの低減に繋がる。
【0052】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記スペーサーの外周部に、らせん状に溝を配置したものである。
【0053】
上記の構成において、らせん状に配置された溝に沿い、かつ溝凹部に接触するが如くスパイラルフィンチューブを筒形状に立体巻き加工することにより、溝がストッパーの役割を果たし別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器をスペーサーに確実に密着固定することができる。これによって、熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。
【0054】
これにより、形状変形防止具の削減による部材コスト低減を図ることができる。また、筒形状立体巻き加工形状の安定化、スペーサーとスパイラルフィンチューブ型熱交換器の分離防止を図ることができ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の取り扱い作業性向上による製造工程の効率化を図ることができ、製造コストの低減に繋がる。
【0055】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記溝の形状を、フィン外周が形成する形状と略相似形としたものである。
【0056】
上記の構成において、溝形状とフィン外周が形成する形状が略相似形であるため、溝とスパイラルフィンチューブ型熱交換器の勘合をさらに良好にすることができ、溝がストッパーの役割を果たし別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器をスペーサーに確実に密着固定することができる。これによって、熱交換ユニット製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状は確保される。
【0057】
これにより、形状変形防止具の削減による部材コスト低減を図ることができる。また、筒形状立体巻き加工形状の安定化、スペーサーとスパイラルフィンチューブ型熱交換器の
分離防止を図ることができ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の取り扱い作業性向上による製造工程の効率化を図ることができる。
【0058】
請求項8に記載の発明は、前記スペーサーと筐体を、一体成型にて構成したものである。
【0059】
上記の構成において、前記スペーサーと筐体はあらかじめ一体成型としているため、別部材として連結用固定具を要することなく、スペーサーを介して、スパイラルフィンチューブ型熱交換器と筐体を連結することができる。
【0060】
これにより、連結用固定具の削減による部材コスト低減を図ることができ、部材コスト低減を図ることができる。
【0061】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8に記載の熱交換ユニットを搭載した冷蔵庫である。これにより、前述の作用による熱交換ユニットを搭載しているため、冷蔵庫としての製造コスト低減を図ることができる。また、請求項3に記載の発明による前述の作用により、熱交換ユニットの熱交換効率向上を図ることができるため、冷蔵庫としての消費電力削減等の省エネに寄与することができる。また、請求項4〜7に記載の発明による前述の作用により、スパイラルフィンチューブ型熱交換器は筐体と連結されたスペーサーに強固に密着固定されているため、冷蔵庫運転時において発生する振動が負荷された場合においても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器が単体で共振することなく、騒音防止、振動負荷によるフィンの弛み等の品質劣化を防止することができる。
【0062】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0063】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における熱交換ユニットの斜視図である。
図2は、同実施の形態1における、別の実施形態における熱交換ユニットの斜視図である。図3は同実施の形態1における、スパイラルフィンチューブの正面図である。図4は、同実施の形態1における、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒形状立体巻き加工工程を示す斜視図である。図5は、同実施の形態1における、スペーサーの形状例を示す正面図および平面図である。図5は同実施の形態1における、スペーサーの斜視図である。図6は、同実施の形態1における、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒状立体巻き形状の例を示す正面図及び平面図である。図7は、同実施の形態1における、スペーサーと筐体の連結構造の一例を示す正面図である。図8は、同実施の形態1における、スペーサーおよび筐体の別の実施形態を示す斜視図である。
【0064】
図1において、熱交換ユニット1は、伝熱管3の外周面に伝熱用のフィン2を螺旋状に巻き付けたスパイラルフィンチューブ4を筒形状に立体巻き加工してなる、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5と、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の筒形状立体巻き部分が形成する空間を充填し、かつ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の内周部と密着している筒形状のスペーサー6と、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器5に強制的に気流を提供するファン7と、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5、ファン7を配置している機械室外郭を形成する筐体8とから構成され、前記スペーサー6と筐体8が連結されている。
【0065】
以上のように、構成された熱交換ユニット1において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5は、筐体8に連結されたスペーサー6と密着し、ファン7により強制的に発生する気流が提供されることにより、空気と管内流体との熱交換を促進するものである。
【0066】
図2は、図1において、ファン7に対するスパイラルフィンチューブ型熱交換器5の相対的位置関係を変えたものの一例である。
【0067】
本発明において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5とファン7の位置関係は、熱交換ユニット1を構成するその他の部材、また熱交換ユニット1が搭載される冷蔵庫を含む設計事情、熱交換の効率化等、様々な要素を考慮し、総合的に最適化を図るべきであり、図1、図2に限られるものではない。
【0068】
図3において、筒形状に立体巻き形状のスパイラルフィンチューブ型熱交換器5の構成要素であるスパイラルフィンチューブ4は、伝熱管3の外周面に伝熱用のフィン2を螺旋状に巻き付けることにより構成されている。スパイラルフィンチューブ型熱交換器5としての、熱交換性能、コストパフォーマンス、耐食性、相手型配管との接続工法を考慮した場合、フィン2はアルミニウム系材料、伝熱管3は銅系材料で構成する仕様が汎用性があり一般的であるが、例えば、フィン2および伝熱管3とも鉄系材料で構成する、または、アルミニウム系材料で構成する等、構成材料選択肢は限定されるものではない。
【0069】
図4において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5は、スパイラルフィンチューブ4をスペーサー6に巻き付けるが如く立体巻き加工を行うことにより構成される。このような構成とすることで、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5が完成する時点で、スペーサー6が筒形状立体巻き部分が形成する空間を充填し、かつ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の内周部に密着固定されているため、この状態において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の、筒形状に立体巻き形成された形状は、スペーサー6により固定されている。そのため、熱交換ユニット1の製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力がスパイラルフィンチューブ型熱交換器5に負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の立体巻き加工形状は確保される。これにより、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の変形を防止するために別部品として変形防止用固定具を設ける必要が無いため、部品点数の削減を図り、部材コストの低減に繋がる。また、立体巻き加工形状がスペーサーによって変形しないように抑制されているため、熱交換ユニットの製造工程において、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の立体巻き加工形状変形を修正するロス工程を削減することができ、熱交換ユニットの製造コスト低減に繋がる。
【0070】
また、上記の構成において、図5に示すようにスペーサー6の形状を例えば(A)、(B)、(C)、(D)のように設定することにより、図6の(A)、(B)、(C)、(D)に示すようにスパイラルフィンチューブ型熱交換器5の筒状立体巻き形状を設定することができ、熱交換ユニット1を構成するその他の部材との緩衝、ファン7が発生する気流通過経路との位置関係、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5を配置するスペース、また熱交換ユニット1が搭載される冷蔵庫を含む設計事情等様々な要素を考慮し、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の形状の最適化を図ることができる。
【0071】
図7に示すように、スペーサー6と筐体8の連結構造を、例えば(A)の如く差込式勘合タイプ、(B)の如くネジ式勘合タイプというように、別部材として連結用固定具を要することなく連結可能な方式とすることで、別部材の材料コストを削減することができる。
【0072】
図8に示すように、スペーサー6と筐体8をあらかじめ一体成型で構成することも可能である。この場合、図8のスペーサー6部分に、図4に示す工程の如く、スパイラルフィンチューブ4を巻き付けてスパイラルフィンチューブ型熱交換器5を形成すれば良い。
スペーサー6と筐体8はあらかじめ一体化されていることから連結する工程が不要であり
、図7に示す構成に比べて、製造コストの低減を図ることができる。
【0073】
上記により、本実施の形態における熱交換ユニット1は、製造コスト、部材コストの低減、かつ設計自由度の向上を図ることができるものである。
【0074】
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2における、スペーサーの正面図及び平面図である。
【0075】
本実施の形態と実施の形態1との、相違点は、スペーサーの形状であり、その他の構成および作用については、実施の形態1によるものし、説明を省略する。
【0076】
以下図面に従い、スペーサー形状による作用を説明する。
【0077】
図9(A)、(B)は、スペーサー6の筒形状の軸垂直方向断面積を、軸方向中央部から先端部の片端、または両端にかけて、漸次的に大きくしたものである。これにより、スペーサー6外周に密着しているスパイラルフィンチューブ型熱交換器5は、自動的に筒形状の軸方向中央部側に寄せられる状態となり、別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5をスペーサー6に確実に密着固定することができる。
【0078】
図9(C)は、スペーサー6の軸方向端部の軸垂直方向断面積を、軸方向中央部より大きくしたものである。筒形状軸方向端部の断面積を大きくした箇所に狭設された軸方向中央部にスパイラルフィンチューブ型熱交換器5の筒形状内周部分を密着させることで、軸方向端部がストッパーの役割を果たし、別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5をスペーサー6に確実に密着固定することができる。
【0079】
図9(D)は、スペーサー6の外周部に、フィン2外周が形成する形状と略相似形の凹部を有した溝6aをらせん状に配置したものである。スペーサー6の溝に沿い、かつ溝6a凹部にフィン2が接触するが如くスパイラルフィンチューブ4を筒形状に立体巻き加工し、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5を形成することにより、らせん溝がストッパーの役割を果たし別部材として固定具を要することなく、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5をスペーサー6に確実に密着固定することができる。
【0080】
スペーサー6の形状を上記の例のように形成することにより、熱交換ユニット1製造過程において、輸送時、梱包積載時の衝撃、その他取り扱い時の外力が負荷されたとしても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5とスペーサー6が分離してしまうことを防止し、かつスパイラルフィンチューブ型熱交換器5の立体巻き加工形状は確保される。これにより、形状変形防止具の削減による部材コスト低減を図ることができる。また、筒形状立体巻き加工形状の安定化、スペーサー6とスパイラルフィンチューブ型熱交換器5の分離防止を図ることができ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5の取り扱い作業性向上による製造工程の効率化を図ることができる。
【0081】
また、本実施の形態における熱交換ユニットを搭載した冷蔵庫では、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5は筐体8と連結されたスペーサー6に強固に密着固定されているため、冷蔵庫運転時において発生する振動が負荷された場合においても、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5が単体で共振することなく、騒音防止、振動負荷によるフィン2と伝熱管3の弛み等の品質劣化を防止することができる。
【0082】
(実施の形態3)
図10は本発明の実施の形態3における、スペーサーの三面図(部分断面図含む)であ
る。図11は、本発明の実施の形態3における、スペーサーを搭載した熱交換ユニットの斜視図である。
【0083】
本実施の形態と実施の形態1、2との相違点は、スペーサーの形状であり、その他の構成、作用については、実施の形態1、2によるものとし、説明を省略する。
【0084】
図10において、スペーサー6には、空間部6bを設けている。
【0085】
図11に示すように、空間部6bを、ファン7が発生する気流の通過経路に配置することにより、スペーサー6によって気流通過が遮断されることなく、ファン7が発生する気流を有効に熱交換に生かすことができる。これによって、熱交換効率の向上を図ることができ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器5のフィン2、伝熱管3への材料投入を削減することができ、コストダウンを図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上のように、本発明によれば、別部材を要することなくスパイラルフィンチューブ型熱交換器の形状安定化及び筐体との連結固定を図ることにより、熱交換ユニット1の製造コストを低減することができ、家庭用冷蔵庫をはじめ、業務用冷蔵庫、自動販売機等、その他、冷凍冷蔵システムを具備する広い産業分野に適用できるものである。
【符号の説明】
【0087】
1 熱交換ユニット
2 フィン
3 伝熱管
4 スパイラルフィンチューブ
5 スパイラルフィンチューブ型熱交換器
6 スペーサー
6a 溝
6a 空間部
7 ファン
8 筐体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝熱管の外周面に伝熱用のフィンを螺旋状に巻き付けたスパイラルフィンチューブを筒形状に立体巻き形成してなる、スパイラルフィンチューブ型熱交換器と、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒形状立体巻き部分が形成する空間を充填し、かつ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の内周部と密着している筒形状のスペーサーと、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器に強制的に気流を提供するファンと、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器、ファンを配置している機械室外郭を形成する筐体とから構成され、前記スペーサーと筐体を連結したことを特徴とする熱交換ユニット。
【請求項2】
前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒状立体巻き形状の、軸垂直方向投影形状は略円形(真円を含む)である、請求項1に記載の熱交換ユニット。
【請求項3】
前記ファンが発生する気流通過経路を遮断する位置に介在するスペーサーの部位に空間部を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱交換ユニット。
【請求項4】
前記スペーサーの筒形状の軸垂直方向断面積は、軸方向中央部から先端部の片端、または両端にかけて、漸次的に大きくしたことを特徴とする請求項1から請求項3に記載の熱交換ユニット。
【請求項5】
前記スペーサーの筒形状軸方向端部の軸垂直方向断面積を、軸方向中央部より大きくしたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱交換ユニット。
【請求項6】
前記スペーサーの外周部に、螺旋状に溝を配置したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の熱交換ユニット。
【請求項7】
前記溝の形状を、フィン外周が形成する形状と略相似形としたことを特徴とする、請求項6に記載の熱交換ユニット。
【請求項8】
前記スペーサーと筐体を、一体成型にて連結したことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の熱交換ユニット。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の熱交換ユニットを備えた冷蔵庫。
【請求項1】
伝熱管の外周面に伝熱用のフィンを螺旋状に巻き付けたスパイラルフィンチューブを筒形状に立体巻き形成してなる、スパイラルフィンチューブ型熱交換器と、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒形状立体巻き部分が形成する空間を充填し、かつ、スパイラルフィンチューブ型熱交換器の内周部と密着している筒形状のスペーサーと、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器に強制的に気流を提供するファンと、前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器、ファンを配置している機械室外郭を形成する筐体とから構成され、前記スペーサーと筐体を連結したことを特徴とする熱交換ユニット。
【請求項2】
前記スパイラルフィンチューブ型熱交換器の筒状立体巻き形状の、軸垂直方向投影形状は略円形(真円を含む)である、請求項1に記載の熱交換ユニット。
【請求項3】
前記ファンが発生する気流通過経路を遮断する位置に介在するスペーサーの部位に空間部を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱交換ユニット。
【請求項4】
前記スペーサーの筒形状の軸垂直方向断面積は、軸方向中央部から先端部の片端、または両端にかけて、漸次的に大きくしたことを特徴とする請求項1から請求項3に記載の熱交換ユニット。
【請求項5】
前記スペーサーの筒形状軸方向端部の軸垂直方向断面積を、軸方向中央部より大きくしたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱交換ユニット。
【請求項6】
前記スペーサーの外周部に、螺旋状に溝を配置したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の熱交換ユニット。
【請求項7】
前記溝の形状を、フィン外周が形成する形状と略相似形としたことを特徴とする、請求項6に記載の熱交換ユニット。
【請求項8】
前記スペーサーと筐体を、一体成型にて連結したことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の熱交換ユニット。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の熱交換ユニットを備えた冷蔵庫。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−163694(P2011−163694A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28482(P2010−28482)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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