説明

熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた多孔フィルムならびに積層体

【課題】成形時に問題となるメヤニの発生を解決するための組成物、それを用いて作られた、軽量で、通気性、柔軟性、強度、耐水性等に優れたフィルム、さらにそのフィルムの不織布との積層体を提供することを目的とする。
【解決手段】熱可塑性樹脂、有機充填剤、無機充填剤を含む組成物であり、熱可塑性樹脂に有機充填剤を10重量%以上添加することを特徴とする組成物を用いる。有機充填剤と無機充填剤はプリブレンドされて用いられ、平均粒子径、添加量の比が制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業服用途に好適な、軽量で、通気性、柔軟性等に優れ、作業服材料として使用したときに着心地がよく、また使い捨て用途に使用した場合に、焼却処分によって灰分をほとんど生じない積層体中の多孔フィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂を用いる不織布は、柔軟性、通気性、耐水性等に優れるところから、一般工業用、自動車材料、建材、衛生材料、包装材料、医療用など各方面で使用されている。これら使用分野によっては、さらに種々の特性が求められており、不織布原料である熱可塑性重合体の種類、不織布の製法、不織布の後加工、複合化などを適宜選択することによって、その解決が図られてきている。しかしながら従来の不織布製品では、市場からの多様な要請には充分応えるまでには至っていない。
【0003】
例えば従来、不織布を衣料材料へ適用する例は数多くあるが、化学工場、食品工場、機械工場などで使用される作業服については種々の特性が求められているところから、一般的な衣料材料をそのまま適用することはできない。すなわち作業時の蒸れを防止するために高度の通気性が求められる一方で、充分な強度を有し、かつ作業性の観点から軽量で伸びが大きいことが要求される。また水、油、有機溶剤等の液体を取扱うところから、液体の染み込みをできるだけ防止するために、充分な耐水度を有することが求められている。
【0004】
このような要請を満たすものとして、熱可塑性重合体の不織布と、熱可塑性重合体に炭酸カルシウムのような無機充填剤を配合した重合体組成物のフイルムを1軸又は2軸に延伸して製造される多孔フイルムとを積層させた積層体を作業服材料とすることが考えられる。しかしながら上記積層体は、無機充填剤を相当量配合した多孔フイルムを構成材料とするため、その粒度分布の広さからメルトラインのフィルター詰まり等による製膜時の欠陥という問題が生じる。特開平7−278330号公報(特許文献1)では、有機質の架橋高分子からなる有機質微粒子を用いる方法が述べられている。しかし、このような方法では、粒度分布が広いことによるメルトラインのフィルター詰まり等を原因とする製膜時の欠陥は解消されるものの、有機質微粒子の浮き出し(以下、「メヤニ」と記載する。)によるフィルム物性の低下及び成形性の低下といった問題が発生する。
【0005】
ここで述べるメヤニとは、有機質微粒子が成形時にフィルムまたはシート内部からその表面に浮きだし、それが成形装置のリップ口や成形物表面に付着する現象である。
この点について、たとえば、特開平9−104766号公報(特許文献2)では、滑剤を用いメヤニを解消する方法が述べられている。しかしながら、本発明のように有機充填剤を10%以上添加する系では、滑剤を用いてもメヤニの解消について殆ど効果がみられない。
【特許文献1】特開平7−278330号公報
【特許文献2】特開平9−104766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明の目的は、上記メヤニ問題を解決するための組成物を提供し、それを用いて作られた、軽量で、通気性、柔軟性、強度、耐水性等に優れたフィルムを提供し、さらにそのフィルムの不織布との積層体を提供することを目的とする。このようにして得られた積層体は医療現場でのメディカル用防護服、消防活動等の救助用防護服、原発関係等の作業用の防護服等として用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一般的に有機充填剤を用いた系では、メヤニが多く発生し、フィルム外観低下等の様々な問題を引き起こしている。IR分析より、この発生したメヤニは、有機充填剤であることがわかった。このように、メヤニの発生機構として、成形中に樹脂中の有機充填剤が表面に浮き出しメヤニとなる機構が考えられる。そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、有機充填剤に無機充填剤を添加すると、同無機充填剤が有機充填剤表面に付着し、表面の凹凸が生じるため、有機充填剤の浮き出しが抑えられ、メヤニを抑制できることを突き止め本発明を行った。
【0008】
すなわち本発明は、熱可塑性樹脂、有機充填剤、無機充填剤を含む組成物であり、熱可塑性樹脂に有機充填剤を10%以上添加することを特徴とする組成物を提供する。
【0009】
本発明の熱可塑性樹脂としてポリオレフィンを用いることは好ましい態様の1つである。
【0010】
また、本発明の有機充填剤として架橋高分子を用いることは好ましい態様の1つである。
【0011】
さらに、本発明の、有機充填剤と無機充填剤をあらかじめプリブレンドすることは、本発明の好ましい態様の1つである。
【0012】
本発明の組成物は、平均孔径0.01〜20μm、空孔率10〜80%、目付2〜80g/mの多孔フィルムを提供する。
【0013】
また、本発明は、多孔フィルムと、ポリオレフィン不織布とからなる積層体を提供する。
【0014】
本発明に用いられる有機充填剤及び無機充填剤の平均粒子径比率が、1<(有機充填剤の粒径/無機充填剤の粒径)<5000として用いることは本発明の好ましい態様の1つである。
【0015】
また、本発明に用いられる有機充填剤及び無機充填剤の添加量の重量比率が、10<(有機充填剤の添加量/無機充填剤の添加量)<5000として用いることは本発明の好ましい態様の1つである。
【発明の効果】
【0016】
本願の組成物は、上記メヤニ問題を解決し、軽量で、通気性、柔軟性、強度、耐水性等に優れた及びそれを構成材料とする積層体を提供することにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(熱可塑性樹脂)
本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等が用いられるが、ポリオレフィンを用いることが最も好ましい。
【0018】
本発明のポリオレフィンとは、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィンホモ重合体及びそれらの共重合体を主成分とするものである。例えば、低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン(エチレン・α−オレフィン共重合体)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリ4-メチル-1-ペンテン、ポリブテン、エチレン・酢酸ビニル共重合体及びこれらの混合物が挙げられる。また、フィルムの成形性、延伸性等を考慮すると、ポリオレフィン樹脂のメルトフローレートは、0.5〜10g/10分程度であることが好ましい。
【0019】
(有機充填剤)
本発明においては、フィルムの空洞形成用に、有機充填剤が用いられる。本発明に用いられる有機充填剤は、耐熱性、耐溶剤性に良好で、空洞を形成した場合にフィルム内に均一な空洞が形成するものが好ましく用いられる。
【0020】
本発明の架橋高分子としては、(メタ)アクリル系モノマーおよび/またはスチレン系(共)重合体であって、架橋成分として、それらのモノマーを含む重合体を挙げることができる。これらの架橋高分子からなる微粒子は耐熱性および耐溶剤性が良好で且つ空洞形成性の優れたものであり、微細な空洞が均一に分散して形成された高品質の空洞含有ポリオレフィン系樹脂フィルムを与える。
【0021】
本発明に用いられる、微粒子を構成する高分子ならびにその架橋成分となるモノマーとして、より具体的には、(メタ)アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸またはそのエステル誘導体を挙げることができ、これらのモノマーは単独で使用してもよく或は2種以上を併用することもできる。また、少量であれば(メタ)アクリル酸の金属塩、アミド誘導体、ヒドロキシエチルエステル、ジメチルアミノエステル等の誘導体を併用しても構わない。
【0022】
スチレン系モノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレンまたはその誘導体が挙げられる。また全モノマー成分中の含有率が20重量%程度以下であれば、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル等の共重合性ビニル系モノマーを配合することも有効である。これらモノマー成分の架橋法としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル等の多官能性モノマーを高分子微粒子製造時に共重合させるか、高分子生成後に添加して架橋させる等の方法が例示されるが、これらの製法には一切制限されない。
【0023】
本発明に用いられる有機充填剤は、通常、0.1〜10μm、好ましくは0.5〜8μm、特に好ましくは1〜6μmのものが用いられる。また、有機充填剤は、適当な架橋剤により架橋されていることが好ましい。
【0024】
(無機充填剤)
本発明に用いられる無機充填剤として、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリカ、タルク等があげられ、これらのうち、シリカが特に好ましい。本発明に用いられる無機充填剤は、通常、1〜30nm、好ましくは3〜20nm、特に好ましくは5〜20nmのものが用いられる。
【0025】
(プリブレンド)
本発明で用いられる有機充填剤と無機充填剤は、樹脂に添加する以前にそれぞれの充填剤を混合(プリブレンド)して用いられる。有機充填剤と無機充填剤をそれぞれ樹脂に添加しても、有機充填剤に均一に付着しないため十分な硬化が得られにくい。発明者らは特定の作用機構に拘泥されているわけではないが、有機充填剤と無機充填剤をプリブレンドすることにより、両充填剤の樹脂中での分散性が向上するためであると考えられる。
【0026】
充填剤のプリブレンドは、公知のブレンド方法が用いられる。両充填剤の添加量は、用いる有機充填剤の粒径や量によって無機充填剤の粒径や量が制御される。
【0027】
すなわち、本発明で用いられる有機充填剤の添加量は、無機充填剤の1重量部に対して、重量比で、通常、有機充填剤10〜5000重量部、好ましくは50〜300重量部で用いられる。このように有機充填剤の添加量と無機充填剤の添加剤量の比率は、この範囲にあるときに均一な分散が得られる。10より小さい場合は、無機充填剤が過剰となり過剰となった無機充填剤が凝集等を起こしメヤニの原因になるなどで成形性が低下する傾向にある。また、5000を超える場合は有機充填剤に十分量の無機充填剤が付着しないため十分な分散性が得られないなどにより十分な効果が得られない場合がある。
【0028】
また、有機充填剤と無機充填剤の平均粒子径の比率も密接な関係がある。本は詰めにおいては、有機充填剤の平均粒子径を無機充填剤の平均粒子径で割ったものが1より小さい場合は、無機充填剤が大きすぎ有機充填剤のうまく付着しないことがあり、5000を超える場合は、無機充填剤が小さすぎ有機充填剤にうまく付着しないために無機充填剤の凝集のため成形性が低下することがある。したがって、本発明においては、有機充填剤の無機充填剤に対する平均粒子径の比率は、通常、1〜5000、好ましくは100〜1000が用いられる。
【0029】
(多孔フィルム)
本発明の多孔性フィルムは、上記で述べたようにあらかじめ有機充填剤と無機充填剤をプリブレンドした後、これらをポリオレフィン系樹脂と混合される。必要に応じて他の添加剤とを混合した後、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型等の混合機を用いて混合し、その後、通常の一軸あるいは二軸スクリュー押出機、タンデム型混練押出機によって混練し、ペレット化する。次いで、そのペレットをポリオレフィン樹脂の融点以上、分解温度未満の温度において、Tダイ等が装着された押出成形機、円形ダイが装着されたインフレーション成形機等の公知の成形機を用いて溶融、製膜する。場合によっては、ペレット化せず、直接成形機で製膜することもできる。製膜されたフィルムは、公知のロール法、テンター法、ギアストレッチ法などの延伸法により、延伸する。
【0030】
かかる方法により得られた多孔フィルムは、JIS K 3832法で測定した平均孔径は、通常0.01〜20μmであり、好ましくは0.1〜10μmである。平均孔径が0.01μmより小さい場合は、透湿度が低下し着用時に不快感を感じる場合があり、平均孔径が20μmを超える場合は、フィルム強度、保温効果、防塵効果が低下する場合がある。
【0031】
本発明の多孔フィルムの空孔率と、多孔フィルムの密度をD1、多孔フィルムを圧縮等により孔をなくした場合の密度をD2とし、(1−D1/D2)×100により算出したものであり、空孔率が10%より小さい場合、上記のような透湿度低下による不快感を生じ、80%を超える場合は、フィルム強度、保温効果、防塵効果が低下する場合がある。
【0032】
本発明の多孔フィルムの目付とは、JIS L 1085法で測定したものであり、目付が2g/m2より小さい場合は、フィルム強度の低下、目付が80g/m2を超える場合は、荷重が重くなることによる不快感を生じる。
【0033】
(積層体)
本発明の積層体は次の方法で製造される。積層体を製造する方法として、エンボスロールを用いて熱エンボスする方法、超音波により融着する方法、ウォータージェットを用いて繊維を交絡する方法、ホットエアースルーにより繊維を融着する方法、ニードルパンチを用いて繊維を交絡する方法等が挙げられる。これらの内、摩擦堅牢度に優れる点でエンボスロールを用いて熱エンボスする方法が好ましい。通常、エンボスロールのエンボスパターン形成領域の長さは0.3〜20mm程度、エンボスパターンの間隔(エンボスパターン非形成領域の長さ)は50〜300mm程度が好ましい。また、上記エンボスロールを用いて、不織布シートに対し加熱、加圧処理を施し、波状凹凸をなくす処理の温度及び圧力は、不織布の樹脂組成、目付、加工速度等に応じて適宜選択される。通常、温度及び圧力条件は、80〜150℃程度において、10000000〜50000000Pa程度の押圧を掛けることが好ましい。
【実施例】
【0034】
以下実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0035】
実施例及び比較例で用いた物性評価は、次の方法に従って実施した。
・ 粒子径
サンプルの断面状態をSEM観察し、撮影された粒子を5個無作為抽出し、長径を記録した。同5個の長径値の平均値を用いた。
・ 粒子径比率
有機充填剤の平均粒子径を無機充填剤の平均粒子径で割ったものである。
3)添加量比率
有機充填剤の添加量(重量)を無機充填剤の添加量(重量)で割ったものである。
4)リップ口メヤニ状態
リップ口を掃除しメヤニを完全に除去した後、リップ口にメヤニがつくまでの時間を目視判定した。
・ 個数
製膜フィルム(1600mm幅×2100m巻き)をリワインドし0.46mm以上の穴をスリッターマシンKCを用いカウントし合計個数を採用した。
・ 面観察
得られたサンプルの断面状態をSEM観察(5kV、50000倍)した。
【0036】
(実施例1)
有機充填剤として架橋PMMA、無機充填剤として微粒シリカを選定した。同有機充填剤及び無機充填剤の粒子径比率が、1000となる組み合わせを選定し、また、同有機充填剤及び無機充填剤の添加量比率が100となるようにした。同原料をクーラーミキサー(500L)で1分間プリブレンドし、同系にプロピレン・エチレンランダム共重合体(融点140℃、メルトフローレート2〜3g/10分)、低密度ポリエチレン(融点110℃、メルトフローレート3g/10分)、ステアリン酸カルシウム、IRGANOX1010、サンドスタブP−EPQ、エマルゲン105/メタノール混合液(重量比:1/1)を添加した。添加量はそれぞれ、61、3、0.5、0.1、0.1、1.0%である。ここでいう添加量とは、最終原料中の各成分の重量比である。このようにして混合した原料を上記クーラーミキサーで撹拌した。
【0037】
撹拌した原料を65mmφ・二軸押出機にて180℃でペレット化し、ペレット化後100℃×8hr乾燥した。
【0038】
上記原料をホッパー(1)より125mmφ一軸押出機(2)に供給して200℃で加熱溶解させ2010mm幅のダイス(3)よりフィルム状で押し出した。押し出されたフィルムは90℃のキャスターロール(5)で鏡面転写された後50℃の延伸ロール部(6)で4.0倍に縦方向に延伸し、耳部をカットした後、1600mm幅の状態で巻取り部(7)2100mの巻き長さとした。
【0039】
同サンプルの断面状態をSEM観察すると、無機充填剤の微粒子が付着し有機充填剤の表面の凹凸が増していることが判る。(図−1参照)
上記押出成形でダイスリップ口(4)のメヤニ状態を観察し、また製品の穴検査を行った。その結果、5hrの成形でリップ口のメヤニは観察されず、また、穴検査による穴個数は、2個であった。
【0040】
(実施例2)
同有機充填剤及び無機充填剤の粒子径比率が300である以外は、実施例1と同様に製膜を行った。その結果、5hrの成形でリップ口(4)のメヤニは観察されず、また、穴検査による穴個数は、1個であった。
【0041】
(比較例1)
微粒シリカを用いなかった以外は、実施例1と同様に製膜を行った。同サンプルの断面状態をSEM観察すると、無機充填剤が付着していないため有機充填剤の表面の凹凸が殆どないことが判る。(図−2参照)その結果、1hrの成形でリップ口(4)のメヤニが観察され、また、穴検査による穴個数は、56個であった。
【0042】
(比較例2)
同有機充填剤及び無機充填剤の添加量比率が1である以外は、実施例1と同様に製膜を行った。その結果、1.5hrの成形でリップ口(4)のメヤニが観察され、また、穴検査による穴個数は、35個であった。
【0043】
【表1】



【産業上の利用可能性】
【0044】
このようにして得られた組成物は、焼却しても灰分が極めて少ない。この組成物により製造された多孔フィルムは、不織布と積層され、医療現場でのメディカル用防護服、消防活動等の救助用防護服、原発関係等の作業用の防護服等に用いられる素材として用いられる。また、本願の組成物を用いれば、成形時においてメヤニが発生しないので、長期間の安定運転も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例の架橋PMMAに微粒シリカを添加した系の架橋PMMAの表面図である。黒丸内が微粒シリカである。
【図2】比較例の架橋PMMAに微粒シリカを添加しない系の架橋PMMAの表面図である。
【図3】本発明の多孔フィルムの製造フローである。
【符号の説明】
【0046】

・ ホッパー
・ 125mm一軸押出機
・ ダイス
・ ダイスリップ口
・ キャスターロール
・ 延伸部
・ 巻取り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂、有機充填剤、無機充填剤を含む組成物であり、熱可塑性樹脂に有機充填剤を10重量%以上添加することを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記熱可塑性樹脂がポリオレフィンである請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記有機充填剤が架橋高分子である請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記有機充填剤と無機充填剤をあらかじめプリブレンドする請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記請求項1記載の組成物を用い、平均孔径0.01〜20μm、空孔率10〜80%、目付2〜80g/mの多孔フィルム。
【請求項6】
前記請求項5記載の多孔フィルムと、ポリオレフィン不織布とからなる積層体。
【請求項7】
前記有機充填剤及び無機充填剤の平均粒子径の比率が、1<(有機充填剤の粒径/無機充填剤の粒径)<5000である請求項1記載の組成物。
【請求項8】
上記有機充填剤及び無機充填剤の添加量の重量比率が、10<(有機充填剤の添加量/無機充填剤の添加量)<5000である請求項1記載の組成物。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−117816(P2006−117816A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−307708(P2004−307708)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】