説明

熱昇華型画像形成装置及びそれを用いた熱昇華型プリンタ

【課題】プリント時間の短縮と低コスト化が可能な熱昇華型画像形成装置及びそれを用いた熱昇華型プリンタを提供すること。
【解決手段】固定プリントヘッドに対して接触又は離間することが可能なプラテンが持ち上げられて固定プリントヘッドに接触し、プリントのための押圧をもたらすように弾性部品が連携して用いられ、プラテンは、用紙送り/反転モードで低く倒れ、下方に押圧して用紙ピックアッププレートを用紙を取り出すように駆動する。これらの動作は、ウォームシャフト、ウォームギア、及び少なくとも1つのギアを経由してセンサと共にステッパモータによって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に熱昇華型画像形成装置及びそれを用いた熱昇華型プリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
熱昇華型画像形成技術は、写真プリントに広く用いられており、次の原理によって動作する。
リボン上の乾燥固形インク、即ちリボン上に薄く塗布された調色剤とポリマーの混合物はイエロー、シアン、及びマジェンタに分けられ、リボンの大きさはプリントされる写真用紙よりわずかに大きい。
プリントする際、写真用紙とリボンが同時にプラテンを通過して一緒にプリントヘッド下で加熱される。
プリントヘッド上にある直径が40μm未満の単結晶シリコンからなる熱発生ドットアレイが電力を供給されてリボン上に塗布された乾燥固形インクを溶かす。
加熱している間に、ポリマー分子がおよそ華氏320度(摂氏160度)で分離される。
プリントヘッドが通過してしまうと温度が下がり、インクが気体状態から固体状態へと変化し、その結果、インクがポリマー内に組み込まれ、さらにポリマー分子が一斉に重合される。
1色がプリントされると次の色をプリントするために自動的にプリントが繰り返される。
そうして、リボンが昇華されて写真用紙上に何百もの色の混合物を生成し、それによって最適な写真効果を達成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記プリントプロセスは、用紙ピックアップと、リボンスプールに伴う用紙送り/反転と、プリントとを含む3つの手順を有する。
プリントする際は、一度に1色のみが用紙にプリントされ、用紙に3色を転写した後は保護層が付加されなければならない。
そのため、リボンスプールに伴う用紙送り/反転手順及びプリント手順は4回繰り返されなければならない。プリント手順では、染料を用紙に均一に転写するためにプラテンとプリントヘッドとの間に押圧が必要とされる。
【0004】
従来の熱昇華型プリンタでは、プリントのための押圧供給、用紙ピックアップ、及び用紙送り/反転などの動作を実現するため、これらの動作を切り替えるのに一般にカムなどの機構が必要とされていたため、製造コスト及びプリントするための時間を増大していた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、プリントするための時間を節約することが可能な低コストの熱昇華型画像形成装置及びそれを用いた熱昇華型プリンタを対象とする。
【0006】
本発明は、熱昇華型画像形成装置であって、固定プリントヘッドと、前記プリントヘッドに対して接触又は離間することが可能で、ロールシャフトを有するプラテンと、前記ロールシャフトに平行して装着され、ある一定の角度範囲内で回転することが可能で、2つの端部からその中央に向かって弾性部品である第1のシャフトブッシュ及び第2のシャフトブッシュを順次取り付けられた前記プラテンの回転シャフトとを含む熱昇華型画像形成装置を提供する。前記第2のシャフトブッシュは、前記回転シャフトにしっかりと接合される。前記弾性部品の2つの端部は、それぞれ前記第1のシャフトブッシュ及び前記第2のシャフトブッシュに接合される。前記第1のシャフトブッシュは、第1の接合孔と第2の接合孔とを有する。前記回転シャフトの一方の端部は、前記第1の接合孔に嵌合され、前記プラテンの前記ロールシャフトの一方の端部は、前記第2の接合孔に嵌合される。前記プラテンが前記プリントヘッドから離間する際、前記第1のシャフトブッシュが前記回転シャフトの回転に伴って上下に揺動して前記プラテンを上下に移動するように駆動する。前記プラテンが前記プリントヘッドに接触する際、前記回転シャフトが前記第1のシャフトブッシュに対して相対的に回転して前記弾性部品を変形させてねじれを生じる。
【0007】
好適には、前記第2のシャフトブッシュ及び前記回転シャフトは、D字型のスロット結合部によってしっかりと接合される。前記弾性部品は、ねじりバネを含む。
【0008】
熱昇華型画像形成装置が前記プラテンの前記回転シャフト近傍の端部に配設される場合、前記プラテンの前記回転シャフトの位相を初期化するためにフレーム上にセンサが配設される。位置決めブロックが配設され且つ前記回転シャフトにしっかりと接合されて前記センサと連携して動作する。前記センサは、信号を送信するための第1の端部と、信号を受信するための第2の端部とを有する。前記位置決めブロックは、前記回転シャフトと共に前記センサの前記第1の端部と前記第2の端部との間の位置まで回転して前記センサの信号の伝達を遮る。
【0009】
さらに、熱昇華型画像形成装置は、前記プラテンの前記回転シャフトをある一定の角度範囲内で回転するように駆動し且つ正確に制御するためのステッパモータ駆動システムをさらに含む。
【0010】
熱昇華型画像形成装置は、前記プラテンの前記回転シャフトを回転するように駆動するためのウォームシャフトとウォームギアとを有する伝動システムをさらに含む。前記ウォームギアは、前記プラテンの前記回転シャフトを回転するように駆動するためのギアに係合される。前記伝動システムは、前記ウォームギアと同軸である第1のギアと、前記第1のギアに係合される第2のギアとをさらに含む。前記ステッパモータ駆動システムの動力は、前記第2のギアを経由して前記プラテンの前記回転シャフトに伝達される。
【0011】
本発明は、前記熱昇華型画像形成装置を用いた熱昇華型プリンタをさらに提供する。前記プリンタは、用紙ピックアップユニットと、プリントユニットと、用紙を収納するための用紙カセットとを含む。前記用紙ピックアップユニットは、少なくとも1つの用紙ピックアップローラと用紙リフトプレートとを含む。前記用紙リフトプレートは、前記少なくとも1つの用紙ピックアップローラ近傍の第1の端部と前記プリントユニット近傍の第2の端部とを有する。前記第2の端部は支点を有し、前記用紙リフトプレートは、前記支点を中心にある一定の角度範囲内で回転する。前記プリントユニットは、熱昇華型画像形成装置である。前記プラテンが前記プリントヘッドに接触する際、前記回転シャフトが前記第1のシャフトブッシュに対して相対的に回転し、前記弾性部品を変形させてねじれを生じる。前記プラテンが前記プリントヘッドから離間する際、前記第1のシャフトブッシュが前記回転シャフトの回転に伴って上下に揺動して前記プラテンを低倒位置(即ち、第1の位置)又は押圧位置(即ち、第2の位置)まで上下に移動するように駆動する。前記プラテンが前記押圧位置に移動する際、前記プラテン近傍の前記用紙リフトプレートの前記第2の端部の一部分が押圧されるので、前記用紙リフトプレートが前記支点を中心に回転して前記用紙リフトプレートを上方に傾斜せしめ、その結果、前記用紙カセット内の用紙が持ち上げられて前記用紙ピックアップローラに接触し、それによって用紙をピックアップし始める。
【0012】
詳しくは、前記用紙カセットは、ベースと、用紙トレイと、カバーとを含む。前記ベースは、空洞部を有する底部を含む。前記用紙リフトプレートの前記第1の端部は、前記空洞部内に深く嵌合される。前記用紙トレイは、前記底部上に配設され、可動端部と、向かい合う固定端部とを含む。前記可動端部は、前記空洞部上で覆われる。前記用紙リフトプレートの前記第1の端部が上方に傾斜する際、前記用紙トレイの前記可動端部が持ち上げられる。
【0013】
好適には、前記用紙リフトプレートの前記第1の端部及び第2の端部は、シャフトによって接合される。前記シャフトは、ねじりバネを取り付けられ、前記ねじりバネの2つの端部は、それぞれ前記用紙リフトプレートの前記第1の端部及び前記第2の端部にしっかりと接合される。
【0014】
さらに、プリンタは、転送ユニットをさらに含む。前記プラテンが低倒位置に移動する際、前記転送ユニットは、用紙送り/反転動作を行なう。
【発明の効果】
【0015】
従来技術に比べ、本発明の熱昇華型プリンタでは、プラテンは、用紙送り/反転手順とプリント手順とを切り替える際にわずかな範囲で上下に移動する必要があるのみである。
切り替えは、1画像物をプリントし終わるのに8回行われる必要があり、そのため、本発明はプリンタのプリントのための時間が有効に短縮され得る。
さらに、用紙ピックアップ、用紙送り/反転、及びプリントの過程で、前記プラテンの前記回転シャフトを駆動する前記ステッパモータへの電力供給を停止するのに前記ウォームシャフト及び前記ウォームギアの自動ロック機能が役立ち、それによって電力消費及びコストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1を参照すると、熱昇華型画像形成装置1は、固定プリントヘッド20と、プリントヘッド20に対して接触又は離間するプラテン30と、ある一定の角度範囲内で回転する前記プラテンの回転シャフト40とを含んでいる。
回転シャフト40は、2つの端部からその中央に向かって、第1のシャフトブッシュ41、42、ねじりバネ43、44、及び第2のシャフトブッシュ45、46によって順次スリーブされている。
第2のシャフトブッシュ45、46がD字型のスロット結合部によって回転シャフト40に接合されているため、回転シャフト40は、第2のシャフトブッシュ45、46に対して相対的に回転することができない。
ねじりバネ43、44は、回転シャフト40によってスリーブされている。
ねじりバネ43は、一方の端部で第2のシャフトブッシュ45に、他方の端部で第1のシャフトブッシュ41に接合されている。
同様に、ねじりバネ44は、一方の端部で第2のシャフトブッシュ46に、他方の端部で第1のシャフトブッシュ42に接合されている。
第1のシャフトブッシュ41は、第1の接合孔411と第2の接合孔412とを含んでいる。回転シャフト40の一方の端部は、第1の接合孔411内でスリーブされ、プラテン30のロールシャフト31の一方の端部は、第2の接合孔412内でスリーブされている。
同様に、第1のシャフトブッシュ42は、第1の接合孔421と第2の接合孔422とを含んでいる。
回転シャフト40の他方の端部は、第1の接合孔421内でスリーブされ、プラテン30のロールシャフト31の他方の端部は、第2の接合孔422内でスリーブされている。
回転シャフト40が回転する際、第1のシャフトブッシュ41、42は、回転シャフト40の回転に伴って上下に揺動して、プラテン30を上下に移動するように駆動し、それによってプラテン30にプリントヘッド20に対して接触又は離間せしめる。
第1のシャフトブッシュ41、42は、回転シャフト40と共通旋回シャフト接合部内にあるため、回転シャフト40は、ある一定の付勢を受けて第1のシャフトブッシュ41、42に対して相対的に回転してもよい。
つまり、図2に示すように、前記プラテンの回転シャフト40は、反時計回りに回転する。
第1のシャフトブッシュ41、42は、上方に揺動してプラテン30を上方に移動するように駆動し、プリントヘッド20に接触する。
プラテン30がプリントヘッド20に接触した後も、前記プラテンの回転シャフト40は、反時計方向に回転し続ける。
プラテン30は、プリントヘッド20によって遮られているため、それ以上上方に移動することができず、第1のシャフトブッシュ41、42は回転を停止する。
このとき、回転シャフト40の継続した回転が第2のシャフトブッシュ45、46を継続して回転するように駆動するため、ねじりバネ43、44を変形させて反時計方向にねじれを生じ、第1のシャフトブッシュ41、42が上方に揺動しやすくなり、それによってプラテン30に上方プリント押圧をもたらす。
【0017】
前記プラテンの回転シャフト40は、駆動システム及び伝動システム(図1及び図2に示さず)によって作動されている。
前記駆動システム及び前記伝動システムについては、図3を参照して、熱昇華型画像形成装置1を用いた熱昇華型プリンタ100の実施形態において詳細に説明する。
【0018】
図3を参照すると、熱昇華型画像形成装置1を用いた熱昇華型プリンタ100は、フレーム10を含んでいる。
プリントヘッド20は、フレーム10上にしっかりと装着されている。
前記プラテンの回転シャフト40は、フレーム10上に装着され、ある一定の角度範囲内で回転可能である。
前記プラテンの回転シャフト40を回転するように駆動するための動力は、ステッパモータ60から生じ、前記ウォームシャフト70、ウォームシャフト70に係合されているウォームギア71、前記ウォームギア71と同軸である第1のギア72、及び前記第1のギア72に係合されている第2のギア73を逐次経由して回転シャフト40に伝達されている。
回転シャフト40及び第2のギア73は、D字型のスロットによって組み合わされている。
ステッパモータ60は、ウォームシャフト70の回転方向及び回転回数などのパラメータを正確に制御している。
そのため、回転シャフト40は、ある一定の角度範囲内で反時計又は時計方向に正確に回転している。
第1のシャフトブッシュ41、42は、プラテン30が回転シャフト40の回転に伴って上下に移動するように、回転シャフト40及びプラテン30を接合し、それによってプラテン30にプリントヘッド20に対して接触又は離間せしめている。
【0019】
図4から図7を参照すると、用紙リフトプレート80がフレーム10の底部に装着されている。
まず図4を参照すると、用紙リフトプレート80は、第1の端部81と第2の端部82とを含んでいる。
第1の端部81及び第2の端部82は、シャフト83によってヒンジ状に接合されている。
詳しくは、シャフト83に接合された第1の端部81の一方の端部が延伸して上方に延伸する折曲部811を形成している。折曲部811は、それぞれにシャフト孔813が形成された2つの側壁812を有している。
第1の端部81は、シャフト孔813によってシャフト83上でスリーブされている。同様に、第2の端部82及びシャフト83の接合部も第2の端部82から第1の端部81近傍の第1の部分に沿って延伸して上方に延伸する少なくとも1つの折曲部831を形成している。
折曲部831もまた、シャフト孔832を備えて形成されている。
第2の端部82は、シャフト孔832によってシャフト83上でスリーブされている。
第1の端部81は、第2の端部82の内側側面上でスリーブされている。
具体的には、シャフト83は、その上でスリーブされたねじりバネ84をさらに有している。
ねじりバネ84は、2つの端部を有しており、図5に示すように、一端部841は、用紙リフトプレート80の第1の端部81の折曲部811の側壁812の外側側面で係合され、他端部842は、用紙リフトプレート80の第2の端部82の底部の下側で係合されている。
さらに、第2の端部82は、第1の端部81からプラテン30近傍の第2の部分に進む方向に延伸している。
第2の端部82の前記第2の部分の幅は、プラテン30の長さより大きくなるように拡張されている。
第2の端部82の前記第2の部分の幅方向に沿った2つの端部は、垂直に延伸してそれぞれ側壁821、822を形成している。
側壁821、822は、プラテン30のロールシャフト31に接触していてもよく、用紙リフトプレート80及びフレーム10が接合される枢着部825、826をそれぞれ有している。
枢着部825、826は、同一水平レベル上に配置され、2つの点が1線を画定するという原理に従って架空の軸を形成している。
用紙リフトプレート80は、枢着部825、826によって形成された前記架空の軸を中心に回転する。
つまり、プラテン30が下方に移動する際、プラテン30のロールシャフト31が側壁821、822を下方に押圧してプラテン近傍の用紙リフトプレート80上の枢着部825、826の一側面にある部分を押圧する。
そのため、プラテンから離れた用紙リフトプレート80上の枢着部825、826の他側面、即ち、用紙カセット近傍の部分がてこの原理により上方に傾斜し、それによって用紙カセット内の用紙を持ち上げる。
好適には、プラテン30近傍の側壁821、822の一端部は、一対の嵌合スロット823、824を有している。
プラテン30が下方に移動する際、ロールシャフト31が嵌合スロット823、824内にちょうど落ち、用紙リフトプレート80を枢着部825、826によって形成される前記架空の軸を中心に回転するように押圧する。
詳しくは、枢着部825、826は、図4に示すような係合スロット構造であってもよい。
より詳しくは、図7に示すように、用紙リフトプレート80及びフレーム10は、ブッシング86及びフレーム10にしっかりと接合されたリベット861によって接合されている。
用紙リフトプレート80は、前記係合スロット構造を経由して前記フレームからブッシング86へと延伸するリベット861に係合されている。
用紙リフトプレート80は、リベット861を中心に回転することができる。明らかに、リベット861は、フレーム10上を延伸するシャフトに取って代えることもできる。
枢着部825、826の一方は、用紙リフトプレート80がフレーム10に接合され、且つ支点としてフレーム10と共に回転し得る限り、円孔構造を有することができる。
【0020】
次に、図6に示すように、熱昇華型プリンタは、用紙カセット200を含んでいる。
用紙カセット200は、ベースプレート210と、用紙トレイ220と、カバー230とを含んでいる。
ベースプレート210は、空洞部212を備えた底部211を含んでいる。用紙トレイ220は、底部211上に配設され、可動端部221と可動端部221に対して相対的に位置付けされた固定端部222とを含んでいる。
可動端部221は、空洞部212上に位置付けられている。用紙リフトプレート80の第1の端部81は、空洞部212内に深く嵌合されている。
用紙リフトプレート80の第1の端部81が上方に傾斜する際、用紙トレイ220の可動端部221が持ち上げられる。
用紙リフトプレートの第2の端部82を下方に移動するように付勢するための前記プラテンの前記回転シャフトによってもたらされる付勢は、用紙がピックアップされる度に同じであり、付勢のアームもまた同じである。
そのため、さまざまな枚数の用紙が用紙トレイ220上に置かれる場合、用紙の全重量が異なるため、上方に傾斜する用紙リフトプレート80の第1の端部81は、さまざまな抵抗を受ける。
ある一定の用紙ピックアップ押圧(即ち、第1の端部81に上方に傾斜せしめて用紙ピックアップローラ51上に用紙を押圧するための付勢)をもたらすため、本発明は、第1の端部81及び第2の端部82に分割される用紙リフトプレート80と、第1の端部81と第2の端部82との間に配設されるねじりバネ84とを採用して、用紙カセット内において1枚目の用紙の安定した用紙ピックアップ押圧を最後の用紙まで確保している。
【0021】
図3を参照すると、フレーム10は、用紙リフトプレート80の第1の端部81の上方に配設された用紙ピックアップロールシャフト50をさらに有している。
用紙ピックアップロールシャフト50は、用紙ピックアップローラ51、52を有している。用紙ピックアップローラ51、52は、その上方に対応して一対の用紙排出ローラ57、58を有している。
【0022】
さらに、熱昇華型プリンタは、転送ユニットをさらに含んでいる。
前記転送ユニットは、一対の転送ローラと伝動システムとを含んでいる。
前記一対の転送ローラは、用紙ピックアップローラと、プリントプロセスとリボンスプールプロセスとの間で切り替える際に用紙を供給し、用紙を送り/反転し、さらに用紙を正確に配置するための用紙押圧ローラとを含んでいる。
詳しくは、前記一対の転送ローラの前記用紙ピックアップローラは、針状の突起部(spur)を有しており、前記用紙押圧ローラによってしっかりと押圧された後、前記突起部の一部分が用紙の背面上にあるゴム層内に突入し、用紙が往復でプリントされる際に同じ位置にあるのを確保している。
図8及び図3に示すように、用紙をピックアップする際は、ウォームシャフト70が矢印が示す時計方向に回転し、回転シャフト40も時計方向に回転する。
第1のシャフトブッシュ41、42が下方に揺動するため、プラテン30は下方に移動する。
ロールシャフト31は、嵌合スロット823、824内に組み込まれ、プラテン30近傍の用紙リフトプレート80上の枢着部825、826の一側面にある部分を下方に移動するように押圧するため、用紙リフトプレート80が枢着部825、826を支点として回転、即ち、前記プラテンから離れた枢着部825、826の他端部にある部分及び第1の端部81がてこの原理により上方に傾斜する。
そのため、用紙カセット内の用紙が持ち上げられて用紙ピックアップローラ51、52に接触する。
用紙ピックアップの間、ステッパモータ60への電力供給は停止することができる。
前記ウォームシャフト及び前記ウォームギアが自動ロック機能を有しているため、ステッパモータ60が動作を停止すると、ウォームシャフト70、ウォームギア71、第1のギア72、第2のギア73、及び前記プラテンの回転シャフト40などの部分は、静止状態にあり、回転し続けることも他の付勢を受けて反対方向に回転することもない。
【0023】
用紙がピックアップされた後、ウォームシャフト70は反時計方向に回転し、回転シャフト40も反時計方向に回転する。
第1のシャフトブッシュ41、42は、上方に揺動してプラテン30を前記低倒位置まで持ち上げる。
このとき、用紙リフトプレート80は、図9に示すように前記低倒位置まで戻され、用紙が前記転送ユニットによってプリント領域に転送される。
用紙を転送する際も、ステッパモータ60への電力供給は停止することができる。
【0024】
用紙がプリント待機位置に送られる際、図10に示すように、ウォームシャフト70は引き続き反時計方向に回転し、回転シャフト40も反時計方向に回転し、第1のシャフトブッシュ41、42は、継続して上方に揺動してプラテン30にプリントヘッド20に接触せしめている。
このとき、前記プラテンの回転シャフト40は、反時計方向に回転し続けている。
プラテン30は、プリントヘッド20によって遮ぎられているため、上方に移動することができず、そのため、第1のシャフトブッシュ41、42は回転を停止している。
回転シャフト40の継続的な回転は、第2のシャフトブッシュ45、46を継続して回転するように駆動するため、前記第1のシャフトブッシュ及び前記第2のシャフトブッシュに接合されたねじりバネ43、44を変形させて反時計回りのねじれを生じる。
そのため、第1のシャフトブッシュ41、42は、上方に揺動しやすくなり、それによってプラテン30に上方プリント押圧をもたらす。
前記プリント押圧が充分になると、ステッパモータ60への電力供給が停止される。ウォームシャフト70の前記自動ロック機能により、ウォームシャフト70、ウォームギア71、第1のギア72、第2のギア73、及び前記プラテンの回転シャフト40などの部分が動かなくなり、ねじりバネ43、44は、安定したねじれを保持し、それによって安定したプリント押圧をもたらす。
【0025】
プリントする際、用紙全体に対してプリントされるべき1画像から1色がまず用紙上にプリントされる。
つまり、用紙全体がプリント待機位置から開始して、続いて主プリント領域を通過する。
次に、ステッパモータ60が作動され、ウォームシャフト70が回転方向を変えるように、即ち、時計方向に回転するように制御されるため、回転シャフト40も時計方向に回転するようになされる。
次に、ねじりバネ43、44のねじれが開放され、第1のシャフトブッシュ41、42が下方に揺動するようになされるため、プラテン30は、プリントヘッド20から離間し、下方に移動して、図9に示すような低倒位置に戻る。
次に、用紙が反転、即ち、1色でプリントされた用紙が前記プリント待機位置に返送される。
用紙が反転される際、ステッパモータ60は電力を供給されない。
用紙が前記プリント待機位置に返送された後、ステッパモータ60が再び作動され、プラテン30はプリント位置に戻されて別の色をプリントし始める。
前記プロセスは3又は4回繰り返される。
全画像がプリントされた後、前記装置から用紙が完全に排出され、プラテン30は、図8に示すような最下位置に下げられてプリントされるべき次の用紙をピックアップする。
【0026】
本実施形態によれば、用紙送り/反転とプリント状態との間で切り替える過程で、前記プラテンの回転シャフト40は、35度だけ回転する必要があるのみである点に特に留意されたい。
プリントする際、前記切り替え動作が8回行われる必要があり、そのため、本発明に係る装置は、プリントのための時間を有効に短縮することができる。
さらに、用紙送り/反転及びプリントの過程で、前記ウォームシャフト及び前記ウォームギアの前記自動ロック機能がステッパモータ60への電力供給を停止するのに充分に活用されてエネルギーを節約することができる。
【0027】
図3を参照すると、前記プラテンの回転シャフト40の位相を初期化するために、センサ90が回転シャフト40近傍の一端部でフレーム10上に配設され、センサ90と連動するために配設された位置決めブロック91が回転シャフト40にしっかりと接合されていることが図示されている。
センサ90は、信号送信機と信号受信機とを有している。
熱昇華型プリンタが作動されると、センサ90は、信号を送信し始める。
前記プリンタが作動された際に前記信号が受信されなければ、ステッパモータ60は、前記プラテンの回転シャフト40を時計方向に回転するように制御し、回転シャフト40上にしっかりと装着された位置決めブロック91は、センサ90が信号を受信するまで前記プラテンの回転シャフト40の回転に伴って回転した後、初期位置まである角度だけ反時計方向に回転する。
これに対して、前記プリンタが作動された際に前記信号が受信されれば、回転シャフト40は、前記信号が受信されなくなる位置まで反時計方向に回転した後、初期位置まで同じ角度だけ時計方向に回転する。
【0028】
従来技術に比べ、本発明の熱昇華型プリンタでは、前記プラテンは、用紙送り/反転とプリント手順との間で切り替える際にわずかな範囲で上下に移動する必要があるのみである。
切り替えは、1画像物をプリントし終わるのに8回行われる必要があり、そのため、前記プリンタのプリントのための時間が有効に短縮され得る。さらに、用紙ピックアップ、用紙送り/反転、及びプリントの過程で、前記プラテンの前記回転シャフトを駆動する前記ステッパモータへの電力供給を停止するのに前記ウォームシャフト及び前記ウォームギアの前記自動ロック機能が役立ち、それによって電力消費及びコストを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に係る熱昇華型画像形成装置を示す分解図である(熱昇華型画像形成装置のプラテンの回転シャフトを作動させるための駆動システム及び伝動システムは図示せず)。
【図2】本発明の実施形態に係る熱昇華型画像形成装置を示す斜視図である(熱昇華型画像形成装置のプラテンの回転シャフトを駆動するための駆動システム及び伝動システムは図示せず)。
【図3】本発明の実施形態に係る熱昇華型プリンタを示す斜視図である。
【図4】図3の用紙リフトプレートを示す3次元斜視図である。
【図5】第1の端部が取り外された用紙リフトプレートを示す3次元斜視図である。
【図6】用紙カセットと連携した用紙リフトプレートを示す3次元概略図である。
【図7】図6の用紙リフトプレートとフレームの接合部を示す部分拡大図である。
【図8】本発明の実施形態に係る前記熱昇華型プリンタが用紙をピックアップする際の概略側面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る前記熱昇華型プリンタが用紙送り/反転をする際の概略側面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る前記熱昇華型プリンタがプリントをする際の概略側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
固定プリントヘッドと、
前記プリントヘッドに対して接触又は離間することが可能で、ロールシャフトを有するプラテンと、
前記ロールシャフトに平行して装着され、ある一定の角度範囲内で回転することが可能で、2つの端部からその中央に向かって弾性部品である、第1のシャフトブッシュ及び第2のシャフトブッシュを順次スリーブされた前記プラテンの回転シャフトであって、前記第2のシャフトブッシュは、前記回転シャフトにしっかりと接合され、前記弾性部品の2つの端部は、それぞれ前記第1のシャフトブッシュ及び前記第2のシャフトブッシュに接合され、前記第1のシャフトブッシュは、第1の接合孔と第2の接合孔とを有し、前記回転シャフトの一方の端部は、前記第1の接合孔に嵌合され、前記プラテンの前記ロールシャフトの一方の端部は、前記第2の接合孔に嵌合された、回転シャフトと
を備え、
前記プラテンが前記プリントヘッドから離間する際、前記第1のシャフトブッシュが前記回転シャフトの回転に伴って上下に揺動して前記プラテンを上下に移動するように駆動し、前記プラテンが前記プリントヘッドに接触する際、前記回転シャフトが前記第1のシャフトブッシュに対して相対的に回転して前記弾性部品を変形させてねじれを生じる、
画像形成装置。
【請求項2】
前記第2のシャフトブッシュ及び前記回転シャフトは、D字型のスロット結合部によってしっかりと接合される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記プラテンの回転シャフトの回転をある一定の角度範囲内で駆動し且つ正確に制御するためのステッパモータ駆動システムをさらに備えた、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プラテンの回転シャフトを回転するように駆動するための伝動システムであって、前記伝動システムは、ウォームシャフトとウォームギアとを備え、前記ウォームシャフトは、前記ウォームギアに係合される、伝動システムをさらに備えた、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記伝動システムは、前記ウォームギアと同軸である第1のギアと、前記第1のギアに係合される第2のギアとをさらに備え、前記ステッパモータ駆動システムの動力は、前記第2のギアを経由して前記プラテンの回転シャフトに伝達される、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
用紙ピックアップユニットと、プリントユニットと、用紙を収納するための用紙カセットとを備えた熱昇華型プリンタであって、
前記用紙ピックアップユニットは、少なくとも1つの用紙ピックアップローラと用紙リフトプレートとを備え、前記用紙リフトプレートは、前記少なくとも1つの用紙ピックアップローラ近傍の第1の端部と前記プリントユニット近傍の第2の端部とを有し、前記第2の端部は、少なくとも1つの枢着部を有し、また前記用紙リフトプレートは、支点としての前記枢着部によってある一定の角度範囲内で回転し、
前記プリントユニットは、固定プリントヘッドと、前記固定プリントヘッドに対して接触又は離間することが可能なプラテンと、ある一定の角度範囲内で回転して前記プラテンを前記プリントヘッドに対して接触又は離間するように駆動することが可能な前記プラテンの回転シャフトとを備え、
前記プラテンは、前記プリントヘッドから離間する際、第1の位置又は第2の位置にあり、前記第1の位置にある前記プラテンと前記プリントヘッドとの間の間隔は、前記第2の位置にある前記プラテンと前記プリントヘッドとの間の間隔よりも小さく、また前記プラテンは、前記第2の位置にあるときには前記用紙リフトプレートの前前記第2の端部を押圧するので、前記用紙リフトプレートが前記支点を中心に回転して前記第1の端部を上方に傾斜せしめ、その結果、前記用紙カセット内の用紙が持ち上げられて前記用紙ピックアップローラに接触する、
熱昇華型プリンタ。
【請求項7】
前記プラテンの前記回転シャフトをある一定の角度範囲内で回転するように駆動し且つ制御するためのステッパモータ駆動システムをさらに備えた、請求項6に記載の熱昇華型プリンタ。
【請求項8】
前記プラテンの回転シャフトを回転するように駆動するための伝動システムであって、前記伝動システムは、ウォームシャフトとウォームギアとを備え、前記ウォームシャフトは、前記ウォームギアに係合される、伝動システムをさらに備えた、請求項7に記載の熱昇華型プリンタ。
【請求項9】
前記伝動システムは、前記ウォームギアと同軸である第1のギアと、前記第1のギアに係合される第2のギアとをさらに備え、前記ステッパモータ駆動システムの動力は、前記第2のギアを経由して前記プラテンの前記回転シャフトに伝達される、請求項8に記載の熱昇華型プリンタ。
【請求項10】
転送ユニットであって、前記プラテンが前記第1の位置に移動する際、前記転送ユニットは、用紙送り/排出動作を行い、前記プラテンが前記第2の位置に移動する際、前記プラテン近傍の前記用紙リフトプレートの前記第2の端部の一部分が押圧される、請求項6に記載の熱昇華型プリンタ。
【請求項11】
前記用紙リフトプレートの前記第1の端部は、折曲部と、前記折曲部上に形成されたシャフト孔とを備え、前記用紙リフトプレートの前記第2の端部は、折曲部と、前記折曲部上に形成されたシャフト孔とを備え、前記第1の端部及び前記第2の端部は、前記シャフト孔内に挿入されたシャフトによって接合され、前記シャフトは、ねじりバネによってスリーブされ、前記ねじりバネの2つの端部は、それぞれ前記用紙リフトプレートの前記第1の端部及び前記第2の端部に接合される、請求項6に記載の熱昇華型プリンタ。
【請求項12】
前記用紙カセットは、空洞部が前記用紙リフトプレートの近くに形成された底部を有するベースプレートと、
前記底部上に配設され、可動端部と、向かい合う固定端部とを備えた用紙トレイと、
カバーと
を備え、
前記用紙リフトプレートの前記第1の端部は、前記空洞部内に嵌合され、前記可動端部は、前記空洞部上に配置されており、前記用紙リフトプレートの前記第1の端部が上方に傾斜する際、それに応じて前記用紙トレイの前記可動端部が持ち上げられる、請求項6に記載の熱昇華型プリンタ。
【請求項13】
前記第2のシャフトブッシュ及び前記回転シャフトは、D字型のスロット結合部によってしっかりと接合される、請求項6に記載の熱昇華型プリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−119856(P2009−119856A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−245666(P2008−245666)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(503419697)光寶科技股▲分▼有限公司 (42)
【出願人】(508107788)旭麗電子(廣州)有限公司 (21)
【Fターム(参考)】