燃料タンク内の液体のレベル及び組成を検知するためのシステム及び方法
液体検知システム(10)において、RF信号は直列共振回路に適用される。共振回路のコイル(65)は、燃料空間への電磁波の放射をもたらすように、プラスチックタンクに近接して配置される。燃料は、燃料それ自体の電気的特性における変化、及び/又はタンク内の燃料体積に比例する態様で直列共振回路に対し電気的負荷として作用する。燃料の負荷効果は、共振回路のQ及び/又は共振周波数を変化させうる。燃料の負荷効果は、共振回路の抵抗にわたる電圧のような、励起された共振回路に関連する1以上の電気パラメータにおける変化を監視することにより測定される。この電圧における変化はコントローラにより分析され、その結果は燃料の組成及び/又はレベルを示す値を出力するために用いられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料タンク及び他の容器に貯蔵される液体のレベル及び電気的特性を検知するシステム及び方法に関する。より適切には、本発明は液体容器に電磁波を伝えることによる液体レベル及び特性の検知に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の運転者は、燃料タンクに残った燃料の量における正確な情報を提供する燃料計を頼りにする。自動車燃料タンクにおける燃料残量の測定において最も慣用されている技術は、タンクの内部に機械的なフロート及びレバーを置くことである。燃料レベルがタンク内で変化するとき、フロートはレバーを旋回させる。変化する燃料レベルに応じてレバーが旋回するとき、電気信号が比例して生成および/または変えられる。この電気信号の変化は、タンク外部の車両データバス又は燃料計に送信される。そのような電気機械燃料測定システムは、特に正確ではなく、言うまでもなくタンクの中に機械装置の取付を要求する。内蔵燃料レベル測定装置の修理、交換または調整は問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くの車両、特にフレキシブル燃料車両におけるエンジン制御システムは、燃料タンク内にある燃料の形式および/または組成を知る要求を有する。従来の燃料組成センサは複雑、効果であり、燃料レベル測定の能力がない。
【0004】
本発明は、タンクの外部又は内部に取り付けられ得る機械装置を用いてタンク内部の液体レベルおよび特性を測定するための信頼性の高い、安価な、そして正確なシステムおよび方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による液体レベル検知システムおよび方法の一実施形態において、定周波の略正弦波の無線周波数(RF)信号が生成され、そして直列共振型インダクタンス、キャパシタンス、抵抗(LCR)回路に接続される。共振回路のコイル(インダクタ)は、燃料空間への電磁波の放射をもたらすように、プラスチックタンクに近接し、又は内部に配置される。その結果、タンク内の液体燃料は、タンク内に残留する燃料の量に比例する態様で直列共振回路に対し電気的負荷として作用する。燃料の負荷効果は、回路の共振周波数のシフトおよび/または共振回路のインダクタンスQの変化を生じる。燃料の負荷効果は、励起された共振回路に関連する1以上の電気パラメータにおける変化を監視することにより測定される。例えば、直列共振回路の抵抗に印加される電圧が監視される。この電圧における変化はシステムコントローラにより検知されて分析され、その結果は燃料レベルを示す信号を出力するために用いられる。この出力はデジタル又はアナログの電気信号形式である。
【0006】
本発明による一実施形態において、直列LCR回路の抵抗部材は、別個の抵抗よりもむしろインダクタの内部抵抗により与えられる。本実施形態において、共振回路における電圧変化の測定は、インダクタ又はその一部にわたり行われる。
【0007】
システムコイルの位置及び方向、および/または接地面及び他のRF指向装置の使用に応じて、容器全体の液体の体積、又は容器の一部のみにおける液体の体積を、測定された電気パラメータが表すことができる。
【0008】
本システム及び方法は、油脂タンク及び水タンクを含む他の容器における液体レベルを検知及び測定でき、本明細書において用いられる実施形態に限定されない。本システムは、科学、民生、工業、及び医療分野といった幅広い分野において用いられることが可能である。
【0009】
好ましくは、本システムが最適なシステム動作周波数を自動的に決定することを可能にする自動調整ハードウェア及びソフトウェアを本システムは有する。本システムの一実施形態において、最適なシステム動作周波数は、直列LCR回路の発信周波数より高い、又は低い周波数となるように選択される。この共振周波数を超える動作周波数の選択は、液体体積の変化に応じた電圧低下における大きな変化を考慮している。好ましくは、システムは、より低くかつより高い値の間の周波数で操作するように調整される。
【0010】
一実施形態において、周囲温度のような動作状況における変化に独立して、測定された電気パラメータがタンク内の液体レベルの正確な表示を提供するように、自動補償が提供される。他の実施形態において、システムは液体自体の電気的特性における変化を測定し、その変化に応じて調整されうる。
【0011】
システムは、車両の燃料計又は中央コントローラにシステムから補償された測定値の外部送信を容易にする物理又は無線データインターフェース(物理又は無線データ接続部)を有する。一部の実施形態において、システムは、中央コントローラにおいて実行される未加工データを補償しながら、中央コントローラに接続される受信機に未加工データを送信してもよい。中央コントローラからの要求による、あるいは診断装置のような外部装置からの要求による変化に応じて、データが周期的に送信されてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明による液体測定システム10のブロック図が図2に示される。マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の論理デバイスであるコントローラ30は、RFジェネレータ35、アナログ−デジタルコンバータ(ADC)40、及びパルス幅変調器(PWM)又はデジタル−アナログコンバータ(DAC)45を有する。コントローラ30は、RF生成器35を制御するため、ADC40からデータを受信し処理するため、及びPWM/DAC45に外部のシステム10へデータを送信させるために機能する内蔵ファームウェア/ソフトウェアをさらに有する。コントローラ30内のファームウェア/ソフトウェアは、後述する自動調整及び補償アルゴリズムを実行するモジュールを更に有する。
【0013】
図2をさらに参照すると、共振キャパシタ60、共振インダクタ又はコイル65、及び抵抗70を有する直列共振回路にRF信号を効率的につなげるために適合する回路および/またはRFアンプを有するアンテナドライバ55に、RF生成器35の出力が送信される。抵抗70の1つの端子はシステム接地と電気的に接続される。抵抗70の他の端子はADC40のアナログ入力と電気的に接続される。このように、本発明の一側面に応じて、抵抗70を通過する電圧の変化は、ADC40によりデジタル信号に変換され、そのようなデジタル信号はコントローラ30によりさらに処理される。このように、コントローラ30は、共振回路の電気パラメータにおける変化を表す信号を、車両の燃料計に直接あるいは車両データバスを通じて提供される液体レベル信号に変換する。
【0014】
図2に示される実施形態では、その中で共振インダクタ65が燃料タンク15にRFエネルギーを導く放射部材として機能するアンテナ回路として、直列共振回路が説明される。他の実施形態において、分割式放射部材(図示しない)が共振回路に取り付けられてもよい。また、図2に示される実施形態において、直列共振回路LCRの抵抗部材Rは別個の抵抗70として図示される。しかしながら、抵抗部材Rは、分割式の別個の部材としてよりもむしろ共振インダクタ又はコイル65の内部抵抗として提供されうる。そのような実施形態では、共振インダクタ65又はその一部に渡って電圧変化が測定される。
【0015】
本発明の範囲は任意の適切な電気回路トポロジーに限定されないが、図3は、図2におけるブロック図形式で示されるシステム19による一実施形態の概略図である。図4は、後述する試験において用いられるような、システムの他の実施形態の概略図である。
【0016】
好ましくは、システム10の電気部材は、PCB85の外部に対し最適なRFエネルギー結合を提供するためPCB85上に形状、方向、及び位置を有するコイル65とともに、図7に示されるような、単一のプリント回路基板(PCB)85のようなシステム基板に取り付けられる。プリント基板85は、粘着性の背部を有し又は有さない、剛体又は可撓体でありうる。図6は、図1に示されるような車両20の後部に通常取り付けられる、車両のプラスチック燃料タンク15の一実施形態を示す。燃料タンク15は、1以上の燃料ライン25を介して車両のエンジン及び排気システムと流体が流れるように接続される。
【0017】
図9(a)−(c)にもっとも良く示されるように、PCB85は、タンク15全体、あるいはタンク15のわずか一部のどちらにおいても所望の液体レベルの変化を検出する位置で、燃料タンク15の外部壁面に取り付けられる。
【0018】
システム10の一部の実施形態において、接地面構造75は、図5及び8に示されるように、コイル65からタンク15内部にRFエネルギーを集中させ、そして導くように、コイル65に近接し、かつその裏側に置かれる。図8(a)の実施形態において、接地面75は、コイル65から約2mm離間するが、例えば図5に示されるように他の実施形態では異なる距離が用いられても良い。ヒートシールド14が燃料タンク15(図6参照)と共に用いられるとき、追加のコスト削減手段として、ヒートシールドが接地面構造75として任意に用いられても良い。
【0019】
コイル65は、車両に燃料タンク15を固定するストラップ(図示しない)に取り付けられ、あるいは組み込まれうる。これは、直付けコイル65又はPCB85に対応するため従来の燃料タンクを修正する費用を回避する。さらに、タンク取り付けストラップが車両に接地されるとき、ストラップそれ自体は接地面構造75として機能し、さらにコストを削減する。
【0020】
図8(b)に示されるように、さらにシステム10の他の実施形態において、直列共振LCR回路、又は少なくともコイル65が、燃料タンク15の内部に取り付けられてもよい。接地面75が用いられる場合、それはタンク15の内部、すなわちコイル65とタンク壁との間に設けられてもよい。
【0021】
PCB85及び燃料タンク設置の他の実施形態が図10(a)、図10(b)に示される。本実施形態において、PCB85は、ヒートシンクとしても機能する取り付けプレート17に取り付けられる。取り付けプレート17は、その後燃料タンク15の壁に取り付けられる。PCB85は、燃料レベル信号を送信するためにシステム10を車両電気システム及び車両データバスと電気的に接続するコネクタ16をさらに有する。燃料レベル信号は物理的(配線による)接続又は無線接続を用いて送信されうる。
【0022】
図示のようにタンク15に近接し又は内部にPCB85及びコイル65が設けられるとき、タンク15内の液体は、キャパシタ60、コイル65、及び抵抗70により形成される直列抵抗回路に電気的負荷をかける。従って、コントローラ30がRF生成器35を起動するとき、定周波の略正弦波のRF信号によりコイル65が励起される。コイル65に近接する燃料により生じる負荷は、共振回路のQを減少し、および/またはその共振周波数を変更する。どちらの場合においても、抵抗70にわたって(又はコイル65の内部抵抗にわたって)測定される電圧は、コイル65のインピーダンスに対応する変化に従い、燃料レベルの変化に比例する値により変化する。PWM/DAC45から出力される対応するデータが燃料計又は車両中央コントローラ(図示しない)に送信されうるように、この電圧変化は、ADC40でデジタル信号に変換され、コントローラ30により処理される。
【0023】
システム10の他の実施形態は、タンク内の燃料レベルの変化により生じる共振回路の負荷における変化を表すパラメータを測定する他の手段と共に、並列共振回路を用いうる。
【0024】
好ましくは、RF生成器35の動作周波数は、直列共振LCR回路の共振周波数をわずかに上回るように、調整される。図11に示されるように、システム動作周波数は、周波数応答曲線の相対的に急勾配部分における液体レベル検知ウィンドウを定義するように選択され、これにより液体レベルの変化に最大感度をもたらす。プリント回路基板85及びコイル65が燃料タンク15に設けられるとき、直列共振回路は、部材許容誤差、つまりタンク寸法、コイル寸法、トラック幅等における許容誤差に従いタンク毎に変化する種々の共振周波数を有する。これらの変化を補償するため、自動調整手段が好ましくは用いられる。そのような手段の一実施形態において、コントローラ30は、全動作温度幅(−40から+80℃)を通じて線形の傾きでシステムが動作するように、1回目の電源投入の後(又は要求により)直列共振回路の共振周波数(fc)を検知し、そしてRF生成器35の動作周波数を周波数(f1)に調整する調整モジュールを有する。
【0025】
図17におけるフローチャートを参照すると、コントローラ30は、0から255までのステップでRF生成器35の周波数fを変化させる。ここで、0は最低周波数(6.34MHz)に対応し、255は最高周波数(9.66MHz)に対応する。しかしながら、本システムの使用は、これらの周波数に限定されない。一実施形態において、最低周波数は7.4MHzであり、最高周波数は8.3MHzである。各周波数に対して、コントローラ30はADC40からデータをサンプリングし、V、すなわち抵抗70にわたる電圧を読み込む。コントローラ30は、直列共振回路の共振周波数を発見するために(周波数を低から高に又は高から低に走査して)動作周波数fを変化させる。コントローラ30はその後、周波数応答曲線の略線形部分におけるある点に周波数f1を調整及び固定する。フルから空タンクまでの変化は、図11に示されるように、略線形領域(f1からf2)の内にある。システム10の基準動作周波数が一旦選択されると、それは、車両にシステム10が残存する限り固定されたままである。
【0026】
自動車の電気部材及びシステムは、好ましくは広範囲の周囲温度に渡って適切に動作する。温度における変化はシステム出力誤差を生じさせる。これは、図12(a)においてグラフ化され、図12(b)において線形化されたADC40からの未加工システムデータと共に示される。温度による影響を補償するために、システム出力は、空及びフルタンクでの全動作温度域(−40から+80℃)にわたり特性化される。図15は、全温度域を通じて温度の作用によるシステム電圧出力を示す。近似式として、グラフは、各セクションが以下の等式に従う線形となるセクションに分割される。
If t<tl: V=a0T+b0
If tl<t<tref: V=a1T+b1
If tref<t<t2: V=cst
If t2<t<t3: V=a2T+b2
If t>t3: V=a3T+b3
【0027】
システム10の一実施形態は、図4に示されるように、図1に示されるものに類似する試験車両に取り付けられる。システムコイル65は、以下のように巻回され、構成される。
巻数=35
物理的サイズ=50x50mm、螺旋状
線幅=0.15mm
線間距離=0.4mm(中心間)
直列共振回路は以下の部材値を有する。
L=68uH
R=33Ω
C=10pF
【0028】
図8(a)、図8(b)に示されるように、接地面は50x50mmとなるように構成され、コイル65から数センチ離れて設けられる。燃料タンク15は、w=950mm、l=670mm、h=210mm、約80リッターの燃料容量という寸法を有する。なお、直列共振LCR回路が、別個の抵抗によるよりもむしろコイルの内部抵抗により提供されるのであれば、実際の抵抗値は、20オーム又はそれよりも低い単位で低くなると思われる。
【0029】
第1の試験において、システム出力に対する温度の影響は以下のように測定される。異なる温度での(ADC40における)燃料レベル信号を得るために、車両は10分間運転され、その後20分間停止される。この試験は異なる3つの燃料レベル(フル、3/4、及び空)で反復される。試験結果は、図12(a)のグラフに示される。図示するように、ADC40の出力対温度は、全ての液体レベルで特定のパターン(特定の線の周囲で周期的に振動する)に従って変化する。それゆえ、図12(b)に示されるように、温度を補償するために、第1の近似として、単純な線形化アルゴリズムが実行される。
【0030】
温度補償アルゴリズムがシステムコントローラ30にプログラムされた後、車両は、空のタンクで冷却状態(外気温=−7℃)から開始されて20分間運転される。温度、燃料レベル、及び温度補償燃料レベル信号は、図13において示されるグラフに表示されるように記録される。補償燃料レベルADC40出力は、温度及び測定された燃料レベルが変化したとき、安定して約65カウント(空タンクに一致する)のままである。このように、温度補償アルゴリズムは、燃料計が常に正確な空レベルを示すように、温度に従って変化を補償する。
【0031】
さらなる試験において、車両は、定期的な間隔(約48.3kmごと)で停止しながら、フルタンクで出発し370.1kmを運転される。温度、燃料レベル、温度補償燃料レベル信号が記録される。結果は図14(a)−(c)に示される。ADC40からの補償燃料レベル信号の示度は、温度及び測定された燃料レベルが上昇及び下降するとき、115から90まで線形に変化する。これは、燃料計が常に実際のレベルを示すように温度補償モジュールが温度に従って変化を補償するということを実証する。
【0032】
本発明によるシステム10は、タンク15内に置かれた異なる液体に付随する電気的特性の変化を検出するために用いられ得る。例えば、ガソリンで走行する車両のタンクにディーゼル燃料が入れられたとき(逆もまた同様)、この間違いはシステムの起動で検出される。直列共振LCR回路の一部にわたって電圧測定が行われるとき、液体の電気的特性の変化に応じてタンク内の液体燃料の種類又は組成を測定することが可能である。図18の試験構成を用いるとき、図19は、燃料タンクに入れられたときの以下の表に示される種々の燃料形式に応じたシステム出力分析結果を示す。
【表1】
【0033】
従って、本発明によるシステム10は、正確な燃料レベルの測定前又は測定に加えて燃料種類検出を含む燃料補償センサとして用いられてもよい。様々な燃料組成(例えばE85、E10、E20)を用いて動作するフレキシブル燃料車両において、必要なエンジン制御調整がなされうるように、エンジン制御システムにはタンク内の燃料組成が好ましくは電気的に通知される。例えば、特定の燃料組成の電気的特性に応じた記憶された出力特性と実際のシステム出力を比較することにより、本発明によるシステムは、参照としてここに援用される米国特許第6,927,583号明細書に記述されるような従来の燃料組成センサといった追加コストなく、機能性を(燃料レベル測定と共に)提供する。
【0034】
図18及び19の例に図示されるようなシステム出力特性は、容器内の液体の種類に応じて液体レベル示度を補償するために用いられてもよい。
【0035】
好ましくは、RF生成器35は、必要に応じFCC/ETSIの規制及び要件の範囲内のRF出力レベルを提供する。
【0036】
このように、新規かつ有用な燃料タンク内の液体のレベル及び組成を検知するためのシステム及び方法である本願発明の適切な実施形態が説明されたが、その論及は、請求項において公にされるものを除き、本発明の範囲を限定するように解釈されることを意図するものでない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】透視して示される燃料システム部材を有する自動車の斜視図である。
【図2】本発明による液体検知システムの一実施形態のブロック図である。
【図3】本発明による液体検知システムの一実施形態の電気回路図である。
【図4】本発明による液体検知システムの第2実施形態の電気回路図である。
【図4A】本発明による液体検知システムの第2実施形態の電気回路図である。
【図4B】本発明による液体検知システムの第2実施形態の電気回路図である。
【図4C】本発明による液体検知システムの第2実施形態の電気回路図である。
【図4D】本発明による液体検知システムの第2実施形態の電気回路図である。
【図4E】本発明による液体検知システムの第2実施形態の電気回路図である。
【図4F】本発明による液体検知システムの第2実施形態の電気回路図である。
【図4G】本発明による液体検知システムの第2実施形態の電気回路図である。
【図5】接地面要素に関するアンテナコイルの位置を更に示す、本発明において用いられるアンテナコイルの拡大側面図である。
【図6】本発明によるシステムを用いて燃料レベルが測定される車両燃料タンクの平面図である。
【図7】システムの電子部品が取り付けられ、接続されるプリント回路基板(システム基板)の一実施形態の平面図である。
【図8(a)】本発明の一実施形態において用いられる、液体タンク、外部アンテナコイル、及び接地面の物理的関係を概略的に図示した側面図である。
【図8(b)】本発明の一実施形態において用いられる、液体タンク、内部アンテナコイル、及び接地面の物理的関係を概略的に図示した側面図である。
【図9(a)】燃料タンクへのシステム基板の取付を図9(c)の9(a)線方向から示した図である。
【図9(b)】燃料タンクへのシステム基板の取付を図9(c)の9(b)線方向から示した図である。
【図9(c)】図6の燃料タンクに関する第1の位置へのシステム基板の取付を示した図である。
【図10(a)】本発明によるシステム基板の他の実施形態の斜視図である。
【図10(b)】燃料タンクに取り付けられた図10(a)のシステム基板の斜視図である。
【図11】最初の周波数調整後の、システムの直列共振出力回路の周波数特性を示した図である。
【図12(a)】温度補償前のシステム燃料レベル表示における温度の影響を示したグラフである。
【図12(b)】システム燃料レベル表示における温度の影響の線形化を示したグラフである。
【図13】図12(b)に対応する線形化温度補償アルゴリズムを用いた、温度補償するときとしないときの、システム燃料レベル表示における温度の影響を示したグラフである。
【図14(a)】図12(b)に対応する線形化温度補償アルゴリズムを用いた、温度補償するときとしないときの、燃料の満タンから1/4タンクまでの運転試験の間のシステム燃料レベル表示における温度の影響を示したグラフである。
【図14(b)】図12(b)に対応する線形化温度補償アルゴリズムを用いた、温度補償するときとしないときの、燃料の満タンから3/8タンクまでの運転試験の間のシステム燃料レベル表示における温度の影響を示したグラフである。
【図14(c)】図12(b)に対応する線形化温度補償アルゴリズムを用いた、温度補償するときとしないときの、燃料の3/8タンクから空タンクまでの運転試験の間のシステム燃料レベル表示における温度の影響を示したグラフである。
【図15】周囲温度が動作温度域全体にわたって変化するときのシステム応答を示したグラフである。
【図16】本発明の一実施形態において用いられる、温度補償アルゴリズムに関連するステップを図示したフローチャートである。
【図17】システム初期化におけるRF信号生成の自動調整に関連するステップを図示したフローチャートである。
【図18】車両燃料タンク内に異なる燃料タイプを用いることにより生じるシステム燃料レベル信号出力への影響を測定するために用いられる試験構成のブロック図である。
【図19】車両燃料タンク内に異なる燃料形式を用いることにより生じるシステム燃料レベル出力への影響を示したグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料タンク及び他の容器に貯蔵される液体のレベル及び電気的特性を検知するシステム及び方法に関する。より適切には、本発明は液体容器に電磁波を伝えることによる液体レベル及び特性の検知に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の運転者は、燃料タンクに残った燃料の量における正確な情報を提供する燃料計を頼りにする。自動車燃料タンクにおける燃料残量の測定において最も慣用されている技術は、タンクの内部に機械的なフロート及びレバーを置くことである。燃料レベルがタンク内で変化するとき、フロートはレバーを旋回させる。変化する燃料レベルに応じてレバーが旋回するとき、電気信号が比例して生成および/または変えられる。この電気信号の変化は、タンク外部の車両データバス又は燃料計に送信される。そのような電気機械燃料測定システムは、特に正確ではなく、言うまでもなくタンクの中に機械装置の取付を要求する。内蔵燃料レベル測定装置の修理、交換または調整は問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くの車両、特にフレキシブル燃料車両におけるエンジン制御システムは、燃料タンク内にある燃料の形式および/または組成を知る要求を有する。従来の燃料組成センサは複雑、効果であり、燃料レベル測定の能力がない。
【0004】
本発明は、タンクの外部又は内部に取り付けられ得る機械装置を用いてタンク内部の液体レベルおよび特性を測定するための信頼性の高い、安価な、そして正確なシステムおよび方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による液体レベル検知システムおよび方法の一実施形態において、定周波の略正弦波の無線周波数(RF)信号が生成され、そして直列共振型インダクタンス、キャパシタンス、抵抗(LCR)回路に接続される。共振回路のコイル(インダクタ)は、燃料空間への電磁波の放射をもたらすように、プラスチックタンクに近接し、又は内部に配置される。その結果、タンク内の液体燃料は、タンク内に残留する燃料の量に比例する態様で直列共振回路に対し電気的負荷として作用する。燃料の負荷効果は、回路の共振周波数のシフトおよび/または共振回路のインダクタンスQの変化を生じる。燃料の負荷効果は、励起された共振回路に関連する1以上の電気パラメータにおける変化を監視することにより測定される。例えば、直列共振回路の抵抗に印加される電圧が監視される。この電圧における変化はシステムコントローラにより検知されて分析され、その結果は燃料レベルを示す信号を出力するために用いられる。この出力はデジタル又はアナログの電気信号形式である。
【0006】
本発明による一実施形態において、直列LCR回路の抵抗部材は、別個の抵抗よりもむしろインダクタの内部抵抗により与えられる。本実施形態において、共振回路における電圧変化の測定は、インダクタ又はその一部にわたり行われる。
【0007】
システムコイルの位置及び方向、および/または接地面及び他のRF指向装置の使用に応じて、容器全体の液体の体積、又は容器の一部のみにおける液体の体積を、測定された電気パラメータが表すことができる。
【0008】
本システム及び方法は、油脂タンク及び水タンクを含む他の容器における液体レベルを検知及び測定でき、本明細書において用いられる実施形態に限定されない。本システムは、科学、民生、工業、及び医療分野といった幅広い分野において用いられることが可能である。
【0009】
好ましくは、本システムが最適なシステム動作周波数を自動的に決定することを可能にする自動調整ハードウェア及びソフトウェアを本システムは有する。本システムの一実施形態において、最適なシステム動作周波数は、直列LCR回路の発信周波数より高い、又は低い周波数となるように選択される。この共振周波数を超える動作周波数の選択は、液体体積の変化に応じた電圧低下における大きな変化を考慮している。好ましくは、システムは、より低くかつより高い値の間の周波数で操作するように調整される。
【0010】
一実施形態において、周囲温度のような動作状況における変化に独立して、測定された電気パラメータがタンク内の液体レベルの正確な表示を提供するように、自動補償が提供される。他の実施形態において、システムは液体自体の電気的特性における変化を測定し、その変化に応じて調整されうる。
【0011】
システムは、車両の燃料計又は中央コントローラにシステムから補償された測定値の外部送信を容易にする物理又は無線データインターフェース(物理又は無線データ接続部)を有する。一部の実施形態において、システムは、中央コントローラにおいて実行される未加工データを補償しながら、中央コントローラに接続される受信機に未加工データを送信してもよい。中央コントローラからの要求による、あるいは診断装置のような外部装置からの要求による変化に応じて、データが周期的に送信されてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明による液体測定システム10のブロック図が図2に示される。マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の論理デバイスであるコントローラ30は、RFジェネレータ35、アナログ−デジタルコンバータ(ADC)40、及びパルス幅変調器(PWM)又はデジタル−アナログコンバータ(DAC)45を有する。コントローラ30は、RF生成器35を制御するため、ADC40からデータを受信し処理するため、及びPWM/DAC45に外部のシステム10へデータを送信させるために機能する内蔵ファームウェア/ソフトウェアをさらに有する。コントローラ30内のファームウェア/ソフトウェアは、後述する自動調整及び補償アルゴリズムを実行するモジュールを更に有する。
【0013】
図2をさらに参照すると、共振キャパシタ60、共振インダクタ又はコイル65、及び抵抗70を有する直列共振回路にRF信号を効率的につなげるために適合する回路および/またはRFアンプを有するアンテナドライバ55に、RF生成器35の出力が送信される。抵抗70の1つの端子はシステム接地と電気的に接続される。抵抗70の他の端子はADC40のアナログ入力と電気的に接続される。このように、本発明の一側面に応じて、抵抗70を通過する電圧の変化は、ADC40によりデジタル信号に変換され、そのようなデジタル信号はコントローラ30によりさらに処理される。このように、コントローラ30は、共振回路の電気パラメータにおける変化を表す信号を、車両の燃料計に直接あるいは車両データバスを通じて提供される液体レベル信号に変換する。
【0014】
図2に示される実施形態では、その中で共振インダクタ65が燃料タンク15にRFエネルギーを導く放射部材として機能するアンテナ回路として、直列共振回路が説明される。他の実施形態において、分割式放射部材(図示しない)が共振回路に取り付けられてもよい。また、図2に示される実施形態において、直列共振回路LCRの抵抗部材Rは別個の抵抗70として図示される。しかしながら、抵抗部材Rは、分割式の別個の部材としてよりもむしろ共振インダクタ又はコイル65の内部抵抗として提供されうる。そのような実施形態では、共振インダクタ65又はその一部に渡って電圧変化が測定される。
【0015】
本発明の範囲は任意の適切な電気回路トポロジーに限定されないが、図3は、図2におけるブロック図形式で示されるシステム19による一実施形態の概略図である。図4は、後述する試験において用いられるような、システムの他の実施形態の概略図である。
【0016】
好ましくは、システム10の電気部材は、PCB85の外部に対し最適なRFエネルギー結合を提供するためPCB85上に形状、方向、及び位置を有するコイル65とともに、図7に示されるような、単一のプリント回路基板(PCB)85のようなシステム基板に取り付けられる。プリント基板85は、粘着性の背部を有し又は有さない、剛体又は可撓体でありうる。図6は、図1に示されるような車両20の後部に通常取り付けられる、車両のプラスチック燃料タンク15の一実施形態を示す。燃料タンク15は、1以上の燃料ライン25を介して車両のエンジン及び排気システムと流体が流れるように接続される。
【0017】
図9(a)−(c)にもっとも良く示されるように、PCB85は、タンク15全体、あるいはタンク15のわずか一部のどちらにおいても所望の液体レベルの変化を検出する位置で、燃料タンク15の外部壁面に取り付けられる。
【0018】
システム10の一部の実施形態において、接地面構造75は、図5及び8に示されるように、コイル65からタンク15内部にRFエネルギーを集中させ、そして導くように、コイル65に近接し、かつその裏側に置かれる。図8(a)の実施形態において、接地面75は、コイル65から約2mm離間するが、例えば図5に示されるように他の実施形態では異なる距離が用いられても良い。ヒートシールド14が燃料タンク15(図6参照)と共に用いられるとき、追加のコスト削減手段として、ヒートシールドが接地面構造75として任意に用いられても良い。
【0019】
コイル65は、車両に燃料タンク15を固定するストラップ(図示しない)に取り付けられ、あるいは組み込まれうる。これは、直付けコイル65又はPCB85に対応するため従来の燃料タンクを修正する費用を回避する。さらに、タンク取り付けストラップが車両に接地されるとき、ストラップそれ自体は接地面構造75として機能し、さらにコストを削減する。
【0020】
図8(b)に示されるように、さらにシステム10の他の実施形態において、直列共振LCR回路、又は少なくともコイル65が、燃料タンク15の内部に取り付けられてもよい。接地面75が用いられる場合、それはタンク15の内部、すなわちコイル65とタンク壁との間に設けられてもよい。
【0021】
PCB85及び燃料タンク設置の他の実施形態が図10(a)、図10(b)に示される。本実施形態において、PCB85は、ヒートシンクとしても機能する取り付けプレート17に取り付けられる。取り付けプレート17は、その後燃料タンク15の壁に取り付けられる。PCB85は、燃料レベル信号を送信するためにシステム10を車両電気システム及び車両データバスと電気的に接続するコネクタ16をさらに有する。燃料レベル信号は物理的(配線による)接続又は無線接続を用いて送信されうる。
【0022】
図示のようにタンク15に近接し又は内部にPCB85及びコイル65が設けられるとき、タンク15内の液体は、キャパシタ60、コイル65、及び抵抗70により形成される直列抵抗回路に電気的負荷をかける。従って、コントローラ30がRF生成器35を起動するとき、定周波の略正弦波のRF信号によりコイル65が励起される。コイル65に近接する燃料により生じる負荷は、共振回路のQを減少し、および/またはその共振周波数を変更する。どちらの場合においても、抵抗70にわたって(又はコイル65の内部抵抗にわたって)測定される電圧は、コイル65のインピーダンスに対応する変化に従い、燃料レベルの変化に比例する値により変化する。PWM/DAC45から出力される対応するデータが燃料計又は車両中央コントローラ(図示しない)に送信されうるように、この電圧変化は、ADC40でデジタル信号に変換され、コントローラ30により処理される。
【0023】
システム10の他の実施形態は、タンク内の燃料レベルの変化により生じる共振回路の負荷における変化を表すパラメータを測定する他の手段と共に、並列共振回路を用いうる。
【0024】
好ましくは、RF生成器35の動作周波数は、直列共振LCR回路の共振周波数をわずかに上回るように、調整される。図11に示されるように、システム動作周波数は、周波数応答曲線の相対的に急勾配部分における液体レベル検知ウィンドウを定義するように選択され、これにより液体レベルの変化に最大感度をもたらす。プリント回路基板85及びコイル65が燃料タンク15に設けられるとき、直列共振回路は、部材許容誤差、つまりタンク寸法、コイル寸法、トラック幅等における許容誤差に従いタンク毎に変化する種々の共振周波数を有する。これらの変化を補償するため、自動調整手段が好ましくは用いられる。そのような手段の一実施形態において、コントローラ30は、全動作温度幅(−40から+80℃)を通じて線形の傾きでシステムが動作するように、1回目の電源投入の後(又は要求により)直列共振回路の共振周波数(fc)を検知し、そしてRF生成器35の動作周波数を周波数(f1)に調整する調整モジュールを有する。
【0025】
図17におけるフローチャートを参照すると、コントローラ30は、0から255までのステップでRF生成器35の周波数fを変化させる。ここで、0は最低周波数(6.34MHz)に対応し、255は最高周波数(9.66MHz)に対応する。しかしながら、本システムの使用は、これらの周波数に限定されない。一実施形態において、最低周波数は7.4MHzであり、最高周波数は8.3MHzである。各周波数に対して、コントローラ30はADC40からデータをサンプリングし、V、すなわち抵抗70にわたる電圧を読み込む。コントローラ30は、直列共振回路の共振周波数を発見するために(周波数を低から高に又は高から低に走査して)動作周波数fを変化させる。コントローラ30はその後、周波数応答曲線の略線形部分におけるある点に周波数f1を調整及び固定する。フルから空タンクまでの変化は、図11に示されるように、略線形領域(f1からf2)の内にある。システム10の基準動作周波数が一旦選択されると、それは、車両にシステム10が残存する限り固定されたままである。
【0026】
自動車の電気部材及びシステムは、好ましくは広範囲の周囲温度に渡って適切に動作する。温度における変化はシステム出力誤差を生じさせる。これは、図12(a)においてグラフ化され、図12(b)において線形化されたADC40からの未加工システムデータと共に示される。温度による影響を補償するために、システム出力は、空及びフルタンクでの全動作温度域(−40から+80℃)にわたり特性化される。図15は、全温度域を通じて温度の作用によるシステム電圧出力を示す。近似式として、グラフは、各セクションが以下の等式に従う線形となるセクションに分割される。
If t<tl: V=a0T+b0
If tl<t<tref: V=a1T+b1
If tref<t<t2: V=cst
If t2<t<t3: V=a2T+b2
If t>t3: V=a3T+b3
【0027】
システム10の一実施形態は、図4に示されるように、図1に示されるものに類似する試験車両に取り付けられる。システムコイル65は、以下のように巻回され、構成される。
巻数=35
物理的サイズ=50x50mm、螺旋状
線幅=0.15mm
線間距離=0.4mm(中心間)
直列共振回路は以下の部材値を有する。
L=68uH
R=33Ω
C=10pF
【0028】
図8(a)、図8(b)に示されるように、接地面は50x50mmとなるように構成され、コイル65から数センチ離れて設けられる。燃料タンク15は、w=950mm、l=670mm、h=210mm、約80リッターの燃料容量という寸法を有する。なお、直列共振LCR回路が、別個の抵抗によるよりもむしろコイルの内部抵抗により提供されるのであれば、実際の抵抗値は、20オーム又はそれよりも低い単位で低くなると思われる。
【0029】
第1の試験において、システム出力に対する温度の影響は以下のように測定される。異なる温度での(ADC40における)燃料レベル信号を得るために、車両は10分間運転され、その後20分間停止される。この試験は異なる3つの燃料レベル(フル、3/4、及び空)で反復される。試験結果は、図12(a)のグラフに示される。図示するように、ADC40の出力対温度は、全ての液体レベルで特定のパターン(特定の線の周囲で周期的に振動する)に従って変化する。それゆえ、図12(b)に示されるように、温度を補償するために、第1の近似として、単純な線形化アルゴリズムが実行される。
【0030】
温度補償アルゴリズムがシステムコントローラ30にプログラムされた後、車両は、空のタンクで冷却状態(外気温=−7℃)から開始されて20分間運転される。温度、燃料レベル、及び温度補償燃料レベル信号は、図13において示されるグラフに表示されるように記録される。補償燃料レベルADC40出力は、温度及び測定された燃料レベルが変化したとき、安定して約65カウント(空タンクに一致する)のままである。このように、温度補償アルゴリズムは、燃料計が常に正確な空レベルを示すように、温度に従って変化を補償する。
【0031】
さらなる試験において、車両は、定期的な間隔(約48.3kmごと)で停止しながら、フルタンクで出発し370.1kmを運転される。温度、燃料レベル、温度補償燃料レベル信号が記録される。結果は図14(a)−(c)に示される。ADC40からの補償燃料レベル信号の示度は、温度及び測定された燃料レベルが上昇及び下降するとき、115から90まで線形に変化する。これは、燃料計が常に実際のレベルを示すように温度補償モジュールが温度に従って変化を補償するということを実証する。
【0032】
本発明によるシステム10は、タンク15内に置かれた異なる液体に付随する電気的特性の変化を検出するために用いられ得る。例えば、ガソリンで走行する車両のタンクにディーゼル燃料が入れられたとき(逆もまた同様)、この間違いはシステムの起動で検出される。直列共振LCR回路の一部にわたって電圧測定が行われるとき、液体の電気的特性の変化に応じてタンク内の液体燃料の種類又は組成を測定することが可能である。図18の試験構成を用いるとき、図19は、燃料タンクに入れられたときの以下の表に示される種々の燃料形式に応じたシステム出力分析結果を示す。
【表1】
【0033】
従って、本発明によるシステム10は、正確な燃料レベルの測定前又は測定に加えて燃料種類検出を含む燃料補償センサとして用いられてもよい。様々な燃料組成(例えばE85、E10、E20)を用いて動作するフレキシブル燃料車両において、必要なエンジン制御調整がなされうるように、エンジン制御システムにはタンク内の燃料組成が好ましくは電気的に通知される。例えば、特定の燃料組成の電気的特性に応じた記憶された出力特性と実際のシステム出力を比較することにより、本発明によるシステムは、参照としてここに援用される米国特許第6,927,583号明細書に記述されるような従来の燃料組成センサといった追加コストなく、機能性を(燃料レベル測定と共に)提供する。
【0034】
図18及び19の例に図示されるようなシステム出力特性は、容器内の液体の種類に応じて液体レベル示度を補償するために用いられてもよい。
【0035】
好ましくは、RF生成器35は、必要に応じFCC/ETSIの規制及び要件の範囲内のRF出力レベルを提供する。
【0036】
このように、新規かつ有用な燃料タンク内の液体のレベル及び組成を検知するためのシステム及び方法である本願発明の適切な実施形態が説明されたが、その論及は、請求項において公にされるものを除き、本発明の範囲を限定するように解釈されることを意図するものでない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】透視して示される燃料システム部材を有する自動車の斜視図である。
【図2】本発明による液体検知システムの一実施形態のブロック図である。
【図3】本発明による液体検知システムの一実施形態の電気回路図である。
【図4】本発明による液体検知システムの第2実施形態の電気回路図である。
【図4A】本発明による液体検知システムの第2実施形態の電気回路図である。
【図4B】本発明による液体検知システムの第2実施形態の電気回路図である。
【図4C】本発明による液体検知システムの第2実施形態の電気回路図である。
【図4D】本発明による液体検知システムの第2実施形態の電気回路図である。
【図4E】本発明による液体検知システムの第2実施形態の電気回路図である。
【図4F】本発明による液体検知システムの第2実施形態の電気回路図である。
【図4G】本発明による液体検知システムの第2実施形態の電気回路図である。
【図5】接地面要素に関するアンテナコイルの位置を更に示す、本発明において用いられるアンテナコイルの拡大側面図である。
【図6】本発明によるシステムを用いて燃料レベルが測定される車両燃料タンクの平面図である。
【図7】システムの電子部品が取り付けられ、接続されるプリント回路基板(システム基板)の一実施形態の平面図である。
【図8(a)】本発明の一実施形態において用いられる、液体タンク、外部アンテナコイル、及び接地面の物理的関係を概略的に図示した側面図である。
【図8(b)】本発明の一実施形態において用いられる、液体タンク、内部アンテナコイル、及び接地面の物理的関係を概略的に図示した側面図である。
【図9(a)】燃料タンクへのシステム基板の取付を図9(c)の9(a)線方向から示した図である。
【図9(b)】燃料タンクへのシステム基板の取付を図9(c)の9(b)線方向から示した図である。
【図9(c)】図6の燃料タンクに関する第1の位置へのシステム基板の取付を示した図である。
【図10(a)】本発明によるシステム基板の他の実施形態の斜視図である。
【図10(b)】燃料タンクに取り付けられた図10(a)のシステム基板の斜視図である。
【図11】最初の周波数調整後の、システムの直列共振出力回路の周波数特性を示した図である。
【図12(a)】温度補償前のシステム燃料レベル表示における温度の影響を示したグラフである。
【図12(b)】システム燃料レベル表示における温度の影響の線形化を示したグラフである。
【図13】図12(b)に対応する線形化温度補償アルゴリズムを用いた、温度補償するときとしないときの、システム燃料レベル表示における温度の影響を示したグラフである。
【図14(a)】図12(b)に対応する線形化温度補償アルゴリズムを用いた、温度補償するときとしないときの、燃料の満タンから1/4タンクまでの運転試験の間のシステム燃料レベル表示における温度の影響を示したグラフである。
【図14(b)】図12(b)に対応する線形化温度補償アルゴリズムを用いた、温度補償するときとしないときの、燃料の満タンから3/8タンクまでの運転試験の間のシステム燃料レベル表示における温度の影響を示したグラフである。
【図14(c)】図12(b)に対応する線形化温度補償アルゴリズムを用いた、温度補償するときとしないときの、燃料の3/8タンクから空タンクまでの運転試験の間のシステム燃料レベル表示における温度の影響を示したグラフである。
【図15】周囲温度が動作温度域全体にわたって変化するときのシステム応答を示したグラフである。
【図16】本発明の一実施形態において用いられる、温度補償アルゴリズムに関連するステップを図示したフローチャートである。
【図17】システム初期化におけるRF信号生成の自動調整に関連するステップを図示したフローチャートである。
【図18】車両燃料タンク内に異なる燃料タイプを用いることにより生じるシステム燃料レベル信号出力への影響を測定するために用いられる試験構成のブロック図である。
【図19】車両燃料タンク内に異なる燃料形式を用いることにより生じるシステム燃料レベル出力への影響を示したグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ある動作周波数でRF信号を生成するステップと、
(b)共振周波数を有し、かつ容器内の液体に近接して設けられるインダクタを有する共振回路に前記RF信号をつなぐステップと、
(c)前記インダクタに近接する液体の少なくとも1つの特性における変化により生じる、前記共振回路に付随する電気的パラメータにおける変化を測定するステップと
を備える容器内の液体の特性を検知する方法。
【請求項2】
前記容器内の液体の少なくとも1つの特性は体積であり、前記電気的パラメータにおける前記測定された変化は、前記容器内の液体の体積における変化の関数である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記容器全体における液体の体積が測定される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記容器の一部における液体の体積が測定される請求項2に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(c)の後、前記測定された変化を、前記容器内の液体の体積を表す値に変換するステップをさらに備える請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記容器内の液体の少なくとも1つの特性は電気的特性であり、前記電気的パラメータにおける前記測定された変化は、前記容器内の液体の前記電気的特性における変化の関数である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記液体は燃料であり、前記容器は燃料タンクであり、電気的特性における前記変化は燃料組成の関数である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(c)は前記共振回路における電圧の変化を測定するステップを備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(c)は前記共振回路における前記共振周波数の変化を測定するステップを備える請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(a)の前に、前記容器の物理的及び/又は電気的特性を補償するため前記RF信号の前記動作周波数を調整するステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記動作周波数は自動的に調整される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記動作周波数を調整する前記ステップは、前記共振回路の前記共振周波数に近似する周波数応答曲線の略線形部上に液体体積検知ウィンドウが定義されるように前記RF信号の前記動作周波数を調整するステップを備える請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記動作周波数を調整する前記ステップは、
第1の周波数と第2の周波数との間の範囲を前記RF信号の前記動作周波数が走査するステップと、
前記RF信号の前記周波数が走査されたとき前記共振回路のパラメータを測定するステップと
を備える請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の周波数は約7.4MHzであり、前記第2の周波数は約8.3MHzである請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ステップ(b)の前に前記RF信号を増幅するステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ステップ(c)の後に前記測定された変化を外部装置に送信するステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項17】
(a)動作周波数でRF信号を生成するステップと、
(b)タンク内の燃料に近接するインダクタを有する共振回路に前記RF信号をつなぐステップと、
(c)前記共振回路の可変電気的パラメータの値における変化を測定するステップと、
(d)前記測定された変化を燃料体積に変換するステップと
を備える燃料タンク内の燃料体積を測定する方法。
【請求項18】
複数の燃料タンクの間の偏差を解消するため、ステップ(a)の前に前記RF信号の前記動作周波数を調整するステップをさらに備える請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(d)は、
周囲温度に対し前記測定された変化を補償するステップと、
補償された値を用いて前記タンク内の前記燃料体積を算出するステップと
をさらに備える請求項17に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(d)の後に、変換された値を送信するステップをさらに備える請求項17に記載の方法。
【請求項21】
物理的接続部を介して前記変換された値が送信される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
無線接続部を介して前記変換された値が送信される請求項20に記載の方法。
【請求項23】
ステップ(d)の前に、値における前記測定された変化を送信するステップをさらに備える請求項17に記載の方法。
【請求項24】
RF生成器及びアナログ−デジタルコンバータ(ADC)を有するコントローラと、
出力端子と前記RF生成器に接続される入力端子とを有するアンテナドライバと、
前記容器内の前記液体に近接して設けられるインダクタを有し、前記アンテナドライバに接続される共振回路と
を備える容器内の液体体積を測定するための装置。
【請求項25】
前記コントローラ、アンテナドライバ、及び共振回路はプリント基板に取り付けられる請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記装置は前記容器の外部に取り付けられる請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記共振回路の前記インダクタは前記容器の内部に取り付けられる請求項24に記載の装置。
【請求項28】
前記インダクタが接地面及び前記容器との間に設けられ、かつ前記インダクタからのRFエネルギーが前記容器の特定部位に向けられるように、前記インダクタに近接して設けられる前記接地面をさらに備える請求項24に記載の装置。
【請求項29】
前記共振回路の前記インダクタは前記容器の内部に設けられ、前記インダクタと前記容器との間に設けられる接地面をさらに備える請求項24に記載の装置。
【請求項30】
自動車に取り付けられた非鉄燃料タンク内の燃料レベルを計測するシステムであって、
車両データバスと、
ある動作周波数でRF信号を生成するように機能するRF生成器と、
RF生成器に電気的に接続されるアンテナ回路であって、前記燃料タンクに近接して取り付けられた放射部材と共振周波数を中心とする周波数応答曲線を有する共振回路とを備えるアンテナ回路と、
動作可能なように前記RF生成器及び前記アンテナ回路に接続されるコントローラであって、前記RF生成器の前記動作周波数を前記共振回路の前記共振周波数に近接させ、かつ前記燃料タンク内の前記燃料レベルの変化により生じる前記共振回路に付随する電気的パラメータの変化を測定するように機能するコントローラとを備えるシステム。
【請求項31】
前記コントローラは前記電気的パラメータにおいて前記測定された変化を送信するように更に機能する請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記コントローラは、前記電気的パラメータにおいて前記測定された変化を燃料レベル信号に変換し、前記燃料レベル信号を前記車両データバスに送信するように、更に機能する請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
前記共振回路は直列共振回路であり、
前記コントローラは、前記RF生成器の前記動作周波数が、前記共振周波数を超える周波数応答曲線の略線形部上となるように動作可能な調整モジュールをさらに備える請求項30に記載のシステム。
【請求項34】
前記コントローラは、周囲温度における変化に対して前記燃料レベル信号を調節するように機能する補償モジュールを更に備える請求項30に記載のシステム。
【請求項35】
前記コントローラは、前記タンク内の前記燃料の電気的特性における変化に対して前記燃料レベル信号を調節するように機能する補償モジュールを更に備える請求項30に記載のシステム。
【請求項36】
前記放射部材が前記接地面と前記燃料タンクとの間に設けられるように、前記放射部材に近接して前記車両に取り付けられる接地面をさらに備え、前記放射部材から前記燃料タンクの選択された領域へRFエネルギーを導くため前記接地面及び放射部材が電気的に協働する請求項30に記載のシステム。
【請求項37】
前記放射部材は、前記燃料タンク内に設けられ、前記インダクタと前記タンクとの間に設けられる接地面をさらに備える請求項30に記載のシステム。
【請求項38】
(a)動作周波数でRF信号を生成するステップと、
(b)タンク内の燃料に近接して設けられるインダクタを包含し且つ共振周波数を有する共振回路に、RF信号をつなぐステップと、
(c)前記共振回路に付随する電気的パラメータにおける変化を測定するステップとを備え、前記電気的パラメータの変化は、前記容器内の前記燃料の特性における変化により生じる
燃料タンク内の燃料の特性を検知する方法。
【請求項39】
前記容器内の前記燃料の特性は燃料組成であり、前記方法は、従来の燃料組成物に付随する記憶された分析結果と電気的パラメータの前記測定された変化とを比較するステップをさらに備える請求項38に記載の方法。
【請求項40】
車両燃料タンク内の燃料特性の測定に用いられるシステムであって、
ある動作周波数でRF信号を生成するように機能するRF生成器と、
前記RF生成器に電気的に接続されるアンテナ回路であって、前記タンク内の前記燃料に近接して取り付けられる放射部材と共振周波数を中心とする周波数応答曲線を有する共振回路とを備えるアンテナ回路と、
前記RF生成器及び前記アンテナ回路に動作可能なように接続されるコントローラであって、前記RF生成器の前記動作周波数を前記共振回路の前記共振周波数に近接させ、前記タンク内の前記燃料レベルの変化により生じる前記共振回路に付随する電気的パラメータの変化を測定するコントローラと
を備えるシステム。
【請求項41】
前記共振回路は直列共振回路であり、
前記コントローラは、前記RF生成器の前記動作周波数が、前記共振周波数を超える周波数応答曲線の略線形部上となるように動作可能な調整モジュールをさらに備える請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記燃料の前記特性は燃料体積を含む請求項40に記載のシステム。
【請求項43】
前記燃料の前記特性は燃料組成を含む請求項40に記載のシステム。
【請求項1】
(a)ある動作周波数でRF信号を生成するステップと、
(b)共振周波数を有し、かつ容器内の液体に近接して設けられるインダクタを有する共振回路に前記RF信号をつなぐステップと、
(c)前記インダクタに近接する液体の少なくとも1つの特性における変化により生じる、前記共振回路に付随する電気的パラメータにおける変化を測定するステップと
を備える容器内の液体の特性を検知する方法。
【請求項2】
前記容器内の液体の少なくとも1つの特性は体積であり、前記電気的パラメータにおける前記測定された変化は、前記容器内の液体の体積における変化の関数である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記容器全体における液体の体積が測定される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記容器の一部における液体の体積が測定される請求項2に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(c)の後、前記測定された変化を、前記容器内の液体の体積を表す値に変換するステップをさらに備える請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記容器内の液体の少なくとも1つの特性は電気的特性であり、前記電気的パラメータにおける前記測定された変化は、前記容器内の液体の前記電気的特性における変化の関数である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記液体は燃料であり、前記容器は燃料タンクであり、電気的特性における前記変化は燃料組成の関数である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(c)は前記共振回路における電圧の変化を測定するステップを備える請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(c)は前記共振回路における前記共振周波数の変化を測定するステップを備える請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(a)の前に、前記容器の物理的及び/又は電気的特性を補償するため前記RF信号の前記動作周波数を調整するステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記動作周波数は自動的に調整される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記動作周波数を調整する前記ステップは、前記共振回路の前記共振周波数に近似する周波数応答曲線の略線形部上に液体体積検知ウィンドウが定義されるように前記RF信号の前記動作周波数を調整するステップを備える請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記動作周波数を調整する前記ステップは、
第1の周波数と第2の周波数との間の範囲を前記RF信号の前記動作周波数が走査するステップと、
前記RF信号の前記周波数が走査されたとき前記共振回路のパラメータを測定するステップと
を備える請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の周波数は約7.4MHzであり、前記第2の周波数は約8.3MHzである請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ステップ(b)の前に前記RF信号を増幅するステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ステップ(c)の後に前記測定された変化を外部装置に送信するステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項17】
(a)動作周波数でRF信号を生成するステップと、
(b)タンク内の燃料に近接するインダクタを有する共振回路に前記RF信号をつなぐステップと、
(c)前記共振回路の可変電気的パラメータの値における変化を測定するステップと、
(d)前記測定された変化を燃料体積に変換するステップと
を備える燃料タンク内の燃料体積を測定する方法。
【請求項18】
複数の燃料タンクの間の偏差を解消するため、ステップ(a)の前に前記RF信号の前記動作周波数を調整するステップをさらに備える請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(d)は、
周囲温度に対し前記測定された変化を補償するステップと、
補償された値を用いて前記タンク内の前記燃料体積を算出するステップと
をさらに備える請求項17に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(d)の後に、変換された値を送信するステップをさらに備える請求項17に記載の方法。
【請求項21】
物理的接続部を介して前記変換された値が送信される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
無線接続部を介して前記変換された値が送信される請求項20に記載の方法。
【請求項23】
ステップ(d)の前に、値における前記測定された変化を送信するステップをさらに備える請求項17に記載の方法。
【請求項24】
RF生成器及びアナログ−デジタルコンバータ(ADC)を有するコントローラと、
出力端子と前記RF生成器に接続される入力端子とを有するアンテナドライバと、
前記容器内の前記液体に近接して設けられるインダクタを有し、前記アンテナドライバに接続される共振回路と
を備える容器内の液体体積を測定するための装置。
【請求項25】
前記コントローラ、アンテナドライバ、及び共振回路はプリント基板に取り付けられる請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記装置は前記容器の外部に取り付けられる請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記共振回路の前記インダクタは前記容器の内部に取り付けられる請求項24に記載の装置。
【請求項28】
前記インダクタが接地面及び前記容器との間に設けられ、かつ前記インダクタからのRFエネルギーが前記容器の特定部位に向けられるように、前記インダクタに近接して設けられる前記接地面をさらに備える請求項24に記載の装置。
【請求項29】
前記共振回路の前記インダクタは前記容器の内部に設けられ、前記インダクタと前記容器との間に設けられる接地面をさらに備える請求項24に記載の装置。
【請求項30】
自動車に取り付けられた非鉄燃料タンク内の燃料レベルを計測するシステムであって、
車両データバスと、
ある動作周波数でRF信号を生成するように機能するRF生成器と、
RF生成器に電気的に接続されるアンテナ回路であって、前記燃料タンクに近接して取り付けられた放射部材と共振周波数を中心とする周波数応答曲線を有する共振回路とを備えるアンテナ回路と、
動作可能なように前記RF生成器及び前記アンテナ回路に接続されるコントローラであって、前記RF生成器の前記動作周波数を前記共振回路の前記共振周波数に近接させ、かつ前記燃料タンク内の前記燃料レベルの変化により生じる前記共振回路に付随する電気的パラメータの変化を測定するように機能するコントローラとを備えるシステム。
【請求項31】
前記コントローラは前記電気的パラメータにおいて前記測定された変化を送信するように更に機能する請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記コントローラは、前記電気的パラメータにおいて前記測定された変化を燃料レベル信号に変換し、前記燃料レベル信号を前記車両データバスに送信するように、更に機能する請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
前記共振回路は直列共振回路であり、
前記コントローラは、前記RF生成器の前記動作周波数が、前記共振周波数を超える周波数応答曲線の略線形部上となるように動作可能な調整モジュールをさらに備える請求項30に記載のシステム。
【請求項34】
前記コントローラは、周囲温度における変化に対して前記燃料レベル信号を調節するように機能する補償モジュールを更に備える請求項30に記載のシステム。
【請求項35】
前記コントローラは、前記タンク内の前記燃料の電気的特性における変化に対して前記燃料レベル信号を調節するように機能する補償モジュールを更に備える請求項30に記載のシステム。
【請求項36】
前記放射部材が前記接地面と前記燃料タンクとの間に設けられるように、前記放射部材に近接して前記車両に取り付けられる接地面をさらに備え、前記放射部材から前記燃料タンクの選択された領域へRFエネルギーを導くため前記接地面及び放射部材が電気的に協働する請求項30に記載のシステム。
【請求項37】
前記放射部材は、前記燃料タンク内に設けられ、前記インダクタと前記タンクとの間に設けられる接地面をさらに備える請求項30に記載のシステム。
【請求項38】
(a)動作周波数でRF信号を生成するステップと、
(b)タンク内の燃料に近接して設けられるインダクタを包含し且つ共振周波数を有する共振回路に、RF信号をつなぐステップと、
(c)前記共振回路に付随する電気的パラメータにおける変化を測定するステップとを備え、前記電気的パラメータの変化は、前記容器内の前記燃料の特性における変化により生じる
燃料タンク内の燃料の特性を検知する方法。
【請求項39】
前記容器内の前記燃料の特性は燃料組成であり、前記方法は、従来の燃料組成物に付随する記憶された分析結果と電気的パラメータの前記測定された変化とを比較するステップをさらに備える請求項38に記載の方法。
【請求項40】
車両燃料タンク内の燃料特性の測定に用いられるシステムであって、
ある動作周波数でRF信号を生成するように機能するRF生成器と、
前記RF生成器に電気的に接続されるアンテナ回路であって、前記タンク内の前記燃料に近接して取り付けられる放射部材と共振周波数を中心とする周波数応答曲線を有する共振回路とを備えるアンテナ回路と、
前記RF生成器及び前記アンテナ回路に動作可能なように接続されるコントローラであって、前記RF生成器の前記動作周波数を前記共振回路の前記共振周波数に近接させ、前記タンク内の前記燃料レベルの変化により生じる前記共振回路に付随する電気的パラメータの変化を測定するコントローラと
を備えるシステム。
【請求項41】
前記共振回路は直列共振回路であり、
前記コントローラは、前記RF生成器の前記動作周波数が、前記共振周波数を超える周波数応答曲線の略線形部上となるように動作可能な調整モジュールをさらに備える請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記燃料の前記特性は燃料体積を含む請求項40に記載のシステム。
【請求項43】
前記燃料の前記特性は燃料組成を含む請求項40に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図9(c)】
【図10(a)】
【図10(b)】
【図11】
【図12(a)】
【図12(b)】
【図13】
【図14(a)】
【図14(b)】
【図14(c)】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図9(c)】
【図10(a)】
【図10(b)】
【図11】
【図12(a)】
【図12(b)】
【図13】
【図14(a)】
【図14(b)】
【図14(c)】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2008−545119(P2008−545119A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511309(P2008−511309)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/018039
【国際公開番号】WO2006/122173
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(506249336)シュレイダー ブリッジポート インターナショナル インコーポレイテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】SCHRADER BRIDGEPORT INTERNATIONAL, INC.
【住所又は居所原語表記】205 Frazier Road, Altavista,VA 24517, U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/018039
【国際公開番号】WO2006/122173
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(506249336)シュレイダー ブリッジポート インターナショナル インコーポレイテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】SCHRADER BRIDGEPORT INTERNATIONAL, INC.
【住所又は居所原語表記】205 Frazier Road, Altavista,VA 24517, U.S.A.
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]