説明

燃料補給システム、指令センタ、燃料補給方法、及び燃料補給プログラム

【課題】カーナビによる経路情報などを取得し、新燃料方式の車に対しても、効率良く燃料補給する。
【解決手段】各車2は、残量センサ24と、位置センサ25と、速度センサ26と、車両情報部28と、カーナビ22とを有し、各燃料補給車3は、位置センサ33を有し、指令センタ1は、前記燃料補給車3から位置情報を受信する手段11と、前記車2から燃料の残量情報、位置情報、速度情報、燃料種別情報、及び目的地に至るまでの経路情報を受信する手段11と、該受信した情報に基づいて、前記燃料残量が一定値以下の車に対して燃料補給を行う対象燃料補給車及び該対象燃料補給車が向かうべき目標位置を決定する燃料補給車目標位置決定アルゴリズムを実行する手段12と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の燃料補給、特に、電気自動車、燃料電池車などの新燃料方式の車に対する効率的な燃料補給システム、指令センタ、燃料補給方法、及び燃料補給プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、全国約8000万台の車が登録されており、これらの車は、全国約5万箇所の燃料補給所(ガソリンスタンド)により燃料補給されることで、走行可能となっている。また、電気自動車については、充電スタンドの設置や、使用済みのバッテリーを充電したバッテリーと交換するバッテリー交換ステーションなどの設置も検討されている。
【0003】
これに対して、ガソリン等の燃料供給の利便性向上のために、車両に搭載されたナビゲーション装置(以下、「カーナビ」という)を有する車両に対して、ガソリンスタンドの位置を示し、車両を誘導することが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
さらに、給油車を移動させ対象車両に直接、燃料補給を実施することで、効率的な燃料補給を実現するシステムが提案されている(例えば、特許文献3参照)。同システムでは、残量センサにより、燃料残量が一定値以下となったことを検出した対象車両の、時々刻々の、位置や速度から、給油車が向かうべき方向を特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−272983号公報
【特許文献2】特開平9−297034号公報
【特許文献3】特開2005−216238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来、給油車を移動させ対象車両に直接、燃料補給を実施する場合、カーナビで設定した経路情報などが利用されていないため、車の進行経路を予測することが困難であった。
【0007】
さらに、バッテリー交換等を行う形などでの、新たな燃料供給方法では、バッテリーは、車種別に異なることがあり、これを考慮しないと、充電済みバッテリーがあっても、対象車両に適合するバッテリーがなく、交換が実現できない場合があった。また、充電時間等の処理時間が必要となる場合があった。
【0008】
本発明の目的は、上記問題を解決するため、カーナビによる経路情報などを取り込み、車の進行経路を予測し、さらに、電気自動車、燃料電池車などの新燃料方式の車に対しても、効率良く燃料補給することができる燃料補給システム、指令センタ、燃料補給方法、及び燃料補給プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係る燃料補給システムは、燃料供給効率化のために、カーナビで設定したルート情報を用いて、給油車の行先決定を高度化する。すなわち、本発明に係る燃料補給システムは、通信網を介して接続された指令センタと、1台以上の車と、1台以上の燃料補給車とを備える燃料補給システムであって、各車は、当該車の走行用燃料タンク内の燃料の残量を検知する残量センサと、当該車の位置を検知する車位置センサと、当該車の速度を検知する速度センサと、当該車の燃料種別情報を特定する車両情報部と、当該車の目的地への走行経路案内を行なうナビゲーション装置とを有し、各燃料補給車は、当該燃料補給車の位置を検知する燃料補給車位置センサを有し、指令センタは、前記1台以上の燃料補給車から前記燃料補給車位置センサによって取得した位置情報を受信する手段と、前記1台以上の車のうち燃料残量が一定値以下の車から前記残量センサによって取得した燃料の残量情報、前記車位置センサによって取得した位置情報、前記速度センサによって取得した速度情報、前記車両情報部によって取得した燃料種別情報、及び前記ナビゲーション装置によって取得した目的地に至るまでの経路情報を受信する手段と、該受信した情報に基づいて、前記燃料残量が一定値以下の車に対して燃料補給を行う対象燃料補給車及び該対象燃料補給車が向かうべき目標位置を決定する燃料補給車目標位置決定アルゴリズムを実行する手段と、前記対象燃料補給車に前記目標位置に移動するように指示する手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る燃料補給システムにおいて、前記燃料補給車目標位置決定アルゴリズムは、前記経路上の地点を1つ以上選択し、前記地点ごとに、前記燃料残量が一定値以下の車が前記地点を通過する通過予定時刻を計算し、前記地点ごとに、前記燃料補給車が前記地点に到着する到着予定時刻を計算し、前記地点ごとに、当該地点と、前記通過予定時刻よりも早い前記到着予定時刻とを記憶し、前記記憶された到着予定時刻の中で最も早い到着予定時刻を与える燃料補給車を前記対象燃料補給車と決定し、該燃料補給車が到着する地点を前記目標位置と決定するか、又は、前記通過予定時刻よりも早い前記到着予定時刻を与える燃料補給車のうち、該燃料補給車が到着する地点が最も前記車の現在地に近い地点であるものを前記対象燃料補給車と決定し、該地点を前記目標位置と決定することを特徴とする。
【0011】
さらに、上述の課題を解決するために、新燃料方式の車に対しては、車種別燃料を考慮して、燃料補給スケジューリングを高度化する。すなわち、本発明に係る燃料補給システムは、通信網を介して接続された指令センタと、1台以上の車と、1つ以上の燃料補給センタとを備える燃料供給システムであって、各車は、当該車の走行用燃料タンク内の燃料の残量を検知する残量センサと、当該車の位置を検知する車位置センサと、当該車の速度を検知する速度センサと、当該車の燃料種別情報を特定する車両情報部と、当該車の目的地への走行経路案内を行なうナビゲーション装置とを有し、各燃料補給センタは、当該燃料補給センタ内の燃料の残量を検知する補給燃料残量センサを有し、指令センタは、前記1つ以上の燃料補給センタから前記補給燃料残量センサによって取得した燃料残量情報を受信する手段と、前記1台以上の車のうち燃料残量が一定値以下の車から前記残量センサによって取得した燃料の残量情報、前記車位置センサによって取得した位置情報、前記速度センサによって取得した速度情報、前記車両情報部によって取得した燃料種別情報、及び前記ナビゲーション装置によって取得した目的地に至るまでの経路情報を受信する手段と、該受信した情報に基づいて、前記燃料残量が一定値以下の車が向かうべき対象燃料補給センタを決定する燃料補給センタ決定アルゴリズムを実行する手段と、前記燃料残量が一定値以下の車に前記対象燃料補給センタに移動するように指示する手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る燃料補給システムにおいて、前記燃料補給センタ決定アルゴリズムは、前記燃料補給センタから前記燃料残量が一定値以下の車が向かう候補となる燃料補給センタを1つ以上選択し、前記選択した燃料補給センタごとに、前記燃料残量が一定値以下の車が該燃料補給センタに到着する到着予定時刻を計算し、前記選択した燃料補給センタごとに、該燃料補給センタの直接燃料補給可能な状態に処理された処理済燃料の残量が必要量を上回っているか否かを判定し、必要量を上回っている場合には前記到着予定時刻を記憶し、必要量を上回っていない場合には前記到着予定時刻に直接燃料補給可能な状態に処理するのに要する時間又は該燃料補給センタが外部から燃料を補給するのに要する時間を加えた時刻を記憶し、前記記憶された時刻の中で最も早い時刻を与える燃料補給センタを前記対象燃料補給センタと決定することを特徴とする。
【0013】
さらに、上述の課題を解決するために、本発明に係る指令センタは、通信網を介して接続された1台以上の車に燃料補給を行うように、通信網を介して接続された1台以上の燃料補給車から選定された燃料補給車に指示を与える指令センタであって、前記1台以上の燃料補給車から前記燃料補給車の位置情報を受信する手段と、前記1台以上の車のうち燃料残量が一定値以下の車から該車の燃料の残量情報、位置情報、速度情報、燃料種別情報、及び目的地に至るまでの経路情報を受信する手段と、該受信した情報に基づいて、前記燃料残量が一定値以下の車に対して燃料補給を行う対象燃料補給車及び該対象燃料補給車が向かうべき目標位置を決定する燃料補給車目標位置決定アルゴリズムを実行する手段と、前記対象燃料補給車に前記目標位置に移動するように指示する手段と、を有し、前記燃料補給車目標位置決定アルゴリズムは、前記経路上の地点を1つ以上選択し、前記地点ごとに、前記燃料残量が一定値以下の車が前記地点を通過する通過予定時刻を計算し、前記地点ごとに、前記燃料補給車が前記地点に到着する到着予定時刻を計算し、前記地点ごとに、当該地点と、前記通過予定時刻よりも早い前記到着予定時刻とを記憶し、前記記憶された到着予定時刻の中で最も早い到着予定時刻を与える燃料補給車を前記対象燃料補給車と決定し、該燃料補給車が到着する地点を前記目標位置と決定するか、又は、前記通過予定時刻よりも早い前記到着予定時刻を与える燃料補給車のうち、該燃料補給車が到着する地点が最も前記車の現在地に近い地点であるものを前記対象燃料補給車と決定し、該地点を前記目標位置と決定することを特徴とする。
【0014】
さらに、上述の課題を解決するために、本発明に係る指令センタは、通信網を介して接続された1台以上の車に対し、燃料補給を行うために通信網を介して接続された1つ以上の燃料補給センタから選定された燃料補給センタに向かうように指示を与える指令センタであって、前記1つ以上の燃料補給センタから該燃料補給センタの燃料の残量情報を受信する手段と、前記1台以上の車のうち燃料残量が一定値以下の車から該車の燃料の残量情報、位置情報、速度情報、燃料種別情報、及び目的地に至るまでの経路情報を受信する手段と、該受信した情報に基づいて、前記燃料残量が一定値以下の車が向かうべき前記燃料補給センタを決定する燃料補給センタ決定アルゴリズムを実行する手段と、前記燃料残量が一定値以下の車に前記対象燃料補給センタに移動するように指示する手段と、を有し、前記燃料補給センタ決定アルゴリズムは、前記燃料補給センタから前記燃料残量が一定値以下の車が向かう候補となる燃料補給センタを1つ以上選択し、前記選択した燃料補給センタごとに、前記車が該燃料補給センタに到着する到着予定時刻を計算し、前記選択した燃料補給センタごとに、該燃料補給センタの直接燃料補給可能な状態に処理された処理済燃料の残量が必要量を上回っているか否かを判定し、必要量を上回っている場合には前記到着予定時刻を記憶し、必要量を上回っていない場合には前記到着予定時刻に直接燃料補給可能な状態に処理するのに要する時間又は該燃料補給センタが外部から燃料を補給するのに要する時間を加えた時刻を記憶し、前記記憶された時刻の中で最も早い時刻を与える燃料補給センタを前記対象燃料補給センタと決定することを特徴とする。
【0015】
さらに、上述の課題を解決するために、本発明に係る燃料補給方法は、1台以上の車に燃料補給を行うように、1台以上の燃料補給車から選定された燃料補給車に指示を与える燃料補給方法であって、(a)前記1台以上の燃料補給車から該燃料補給車の位置情報を取得するステップと、(b)前記1台以上の車のうち燃料残量が一定値以下の車から該車の燃料の残量情報、位置情報、速度情報、燃料種別情報、及び目的地に至るまでの経路情報を取得するステップと、(c)該取得した情報に基づいて、前記燃料残量が一定値以下の車に対して燃料補給を行う対象燃料補給車及び該対象燃料補給車が向かうべき目標位置を決定するするステップと、(d)前記対象燃料補給車に前記目標位置に移動するように指示するステップと、を含み前記ステップ(c)は、前記経路上の地点を1つ以上選択し、前記地点ごとに、前記燃料残量が一定値以下の車が前記地点を通過する通過予定時刻を計算し、前記地点ごとに、前記燃料補給車が前記地点に到着する到着予定時刻を計算し、前記地点ごとに、当該地点と、前記通過予定時刻よりも早い前記到着予定時刻とを記憶し、前記記憶された到着予定時刻の中で最も早い到着予定時刻を与える燃料補給車を前記対象燃料補給車と決定し、該燃料補給車が到着する地点を前記目標位置と決定するか、又は、前記通過予定時刻よりも早い前記到着予定時刻を与える燃料補給車のうち、該燃料補給車が到着する地点が最も前記車の現在地に近い地点であるものを前記対象燃料補給車と決定し、該地点を前記目標位置と決定することを特徴とする。
【0016】
さらに、上述の課題を解決するために、本発明に係る燃料補給方法は、1台以上の車に対し、燃料補給を行うために1つ以上の燃料補給センタから選定された燃料補給センタに向かうように指示を与える燃料補給方法であって、(a)前記1つ以上の燃料補給センタから前記燃料補給センタの燃料の残量情報を取得するステップと、(b)前記1台以上の車のうち燃料残量が一定値以下の車から該車の燃料の残量情報、位置情報、速度情報、燃料種別情報、及び目的地に至るまでの経路情報を取得するステップと、(c)該取得した情報に基づいて、前記燃料残量が一定値以下の車が向かうべき対象燃料補給センタを決定するステップと、(d)前記燃料残量が一定値以下の車に前記対象燃料補給センタに移動するように指示するステップと、を含み、前記ステップ(c)は、前記燃料補給センタから前記燃料残量が一定値以下の車が向かう候補となる燃料補給センタを1つ以上選択し、前記選択した燃料補給センタごとに、前記車が該燃料補給センタに到着する到着予定時刻を計算し、前記選択した燃料補給センタごとに、該燃料補給センタの直接燃料補給可能な状態に処理された処理済燃料の残量が必要量を上回っているか否かを判定し、必要量を上回っている場合には前記到着予定時刻を記憶し、必要量を上回っていない場合には前記到着予定時刻に直接燃料補給可能な状態に処理するのに要する時間又は該燃料補給センタが外部から燃料を補給するのに要する時間を加えた時刻を記憶し、前記記憶された時刻の中で最も早い時刻を与える燃料補給センタを前記対象燃料補給センタと決定することを特徴とする。
【0017】
さらに、上述の課題を解決するために、本発明は、通信網を介して接続された1台以上の車に燃料補給を行うように、通信網を介して接続された1台以上の燃料補給車から決定された燃料補給車に指示を与える指令センタのコンピュータに、(a)前記1台以上の燃料補給車から該燃料補給車の位置情報を受信するステップと、(b)前記1台以上の車のうち燃料残量が一定値以下の車から該車の燃料の残量情報、位置情報、速度情報、燃料種別情報、及び目的地に至るまでの経路情報を受信するステップと、(c)該受信した情報に基づいて、前記燃料残量が一定値以下の車に対して燃料補給を行う対象燃料補給車及び該燃料補給車が向かうべき目標位置を決定するステップと(d)前記対象燃料補給車に前記目標位置に移動するように指示するステップと、を実行させるためのプログラムであって、前記ステップ(c)は、前記経路上の地点を1つ以上選択し、前記地点ごとに、前記燃料残量が一定値以下の車が前記地点を通過する通過予定時刻を計算し、前記地点ごとに、前記燃料補給車が前記地点に到着する到着予定時刻を計算し、前記地点ごとに、当該地点と、前記通過予定時刻よりも早い前記到着予定時刻とを記憶し、前記記憶された到着予定時刻の中で最も早い到着予定時刻を与える燃料補給車を前記対象燃料補給車と決定し、該燃料補給車が到着する地点を前記目標位置と決定するか、又は、前記通過予定時刻よりも早い前記到着予定時刻を与える燃料補給車のうち、該燃料補給車が到着する地点が最も前記車の現在地に近い地点であるものを前記対象燃料補給車と決定し、該地点を前記目標位置と決定する、プログラムとしても特徴付けられる。
【0018】
さらに、上述の課題を解決するために、本発明は、通信網を介して接続された1台以上の車に対し、燃料補給を行うために通信網を介して接続された1つ以上の燃料補給センタから決定された燃料補給センタに向かうように指示を与える指令センタのコンピュータに、(a)前記1つ以上の燃料補給センタから該燃料補給センタの燃料の残量情報を受信するステップと、(b)前記1台以上の車のうち燃料残量が一定値以下の車から該車の燃料の残量情報、位置情報、速度情報、燃料種別情報、及び目的地に至るまでの経路情報を受信するステップと、(c)該受信した情報に基づいて、前記燃料残量が一定値以下の車が向かうべき対象燃料補給センタを決定するステップと、(d)前記燃料残量が一定値以下の車に前記対象燃料補給センタに移動するように指示するステップと、を実行させるためのプログラムであって、前記ステップ(c)は、前記燃料補給センタから前記燃料残量が一定値以下の車が向かう候補となる燃料補給センタを1つ以上選択し、前記選択した燃料補給センタごとに、前記車が該燃料補給センタに到着する到着予定時刻を計算し、前記選択した燃料補給センタごとに、該燃料補給センタの直接燃料補給可能な状態に処理された処理済燃料の残量が必要量を上回っているか否かを判定し、必要量を上回っている場合には前記到着予定時刻を記憶し、必要量を上回っていない場合には前記到着予定時刻に直接燃料補給可能な状態に処理するのに要する時間又は該燃料補給センタが外部から燃料を補給するのに要する時間を加えた時刻を記憶し、前記記憶された時刻の中で最も早い時刻を与える燃料補給センタを前記対象燃料補給センタと決定する、プログラムとしても特徴付けられる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、カーナビによる経路情報などを取り込み、車の走行経路を予測し、効率よく燃料補給することができるようになる。また、電気自動車、燃料電池車などの新燃料方式の車に対しても、効率良く燃料補給することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による実施例1における燃料補給システムの構成図である。
【図2】本発明による実施例2における燃料補給システムの構成図である。
【図3】本発明による車情報送信の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明による燃料補給車目標位置決定アルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明による燃料補給センタ決定アルゴリズムの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明による実施例1における燃料補給システム、指令センタ、及び燃料補給方法について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
図1を参照して、本発明による燃料補給システムの構成について説明する。図1は、本発明の実施例1における燃料補給システムの構成図である。本システムは、指令センタ1と、車2と、燃料補給車3と、通信網4と、燃料補給基地5とを備える。システム内には多数の車2と複数の燃料補給車3が存在するが、図1では便宜上1台ずつのみ示している。指令センタ1は、通信網4を介して車2及び燃料補給車3の情報を得て、燃料補給車3への指示などを行う。通信網4は、指令センタ1、車2、及び燃料補給車3を接続する、携帯電話網などのネットワークである。燃料補給基地5は、燃料補給車3に燃料を供給する基地である。燃料補給車3は車2に燃料補給する車である。
【0023】
指令センタ1は、通信機11と、コンピュータ12とを有する。通信機11、並びに後述する通信機21及び通信機31は、通信網4を介して、指令センタ1と車2と燃料補給車3との間でお互いに情報を送受信する。また、通信機21は車2を特定できる通信機ID等の情報を、通信機31は燃料補給車3を特定できる通信機ID等のID情報をそれぞれ有し、情報送信時には当該ID情報を用いる。コンピュータ12は、燃料補給車3の走行方向を後述するアルゴリズムにより決定する。
【0024】
車2は、通信機21と、カーナビ22と、燃料補給灯23と、残量センサ24と、位置センサ25と、速度センサ26と、燃料補給車接近表示部27と、車両情報部28とを有する。カーナビ22は、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)を利用して、運転者に対して、現在位置や目的地への走行経路案内を行なう。燃料補給灯23は、燃料補給対象の車であることを示すための表示灯である。残量センサ24は、車2の走行用燃料タンク内の燃料の残量を検知するためのセンサである。位置センサ25は、車2の位置を検知するためのセンサであり、例えばGPSが用いられる。速度センサ26は、車2の方向別速度を検知するためのセンサである。燃料補給車接近表示部27は、運転者に燃料補給車3が接近していることを通知する。車両情報部28は、バッテリー種別等の燃料種別情報を特定する。
【0025】
燃料補給車3は、通信機31と、残量センサ32と、位置センサ33とを有する。残量センサ32は、燃料補給車3の補給用燃料タンク内の燃料の残量を検知するためのセンサである。位置センサ33は、燃料補給車3の位置を検知するためのセンサであり、例えばGPSが用いられる。
【0026】
燃料補給基地5は、燃料倉庫51を有する。燃料倉庫51は、補給タンクなどを有し、燃料補給車3は、補給用燃料が不足した場合、燃料倉庫51から燃料を補給する。
【0027】
次に、図3を参照して、車2が車情報を指令センタ1に送信する方法について説明する。図3は、車情報送信方法の一例を示すフローチャートである。
【0028】
ステップS301では、車2は、予め定められた一定時間が経過したか否かを判定する。一定時間が経過していないと判定した場合には、処理をステップS301に戻し、一定時間が経過していると判定した場合には、処理をステップS302に進める。
【0029】
ステップS302では、車2は、残量センサ24により燃料の残量を検知する。
【0030】
ステップS303では、車2は、燃料の残量が予め定められた一定値以下になっていると判定した場合には、処理をステップS301に戻し、一定値以下になっていないと判定した場合には、処理をステップS304に進める。
【0031】
ステップS304では、車2は、燃料の残量が一定値以下になっている間、通信機21により、一定時間ごとに指令センタ1に車情報を送信する。車情報とは、残量センサ24によって取得する燃料の残量、位置センサ25によって取得する緯度経度などの位置情報、速度センサ26によって取得する車2の方向別速度情報、車両情報部28によって取得するバッテリー種別等の燃料種別情報、及びカーナビ22に入力された目的地(行先)や目的地に応じてカーナビ22が提示した目的地に至るまでの経路情報である。
【0032】
燃料補給車3は、通信機31により、一定時間ごとに、指令センタ1に燃料補給車情報を送信する。燃料補給車情報とは、残量センサ32によって取得する燃料種別ごとの補給用燃料の残量、位置センサ33によって取得する緯度経度などの位置情報である。
【0033】
次に、図4を参照して、コンピュータ12による燃料補給車目標位置決定アルゴリズムについて説明する。図4は、本発明による燃料補給車目標位置決定アルゴリズムの一例を示すフローチャートである。車情報及び燃料補給車情報を取得した指令センタ1は、コンピュータ12により、燃料補給車目標位置決定アルゴリズムを動作させる。
【0034】
ステップS401では、車情報及び燃料補給車情報を受信したか否かを判定する。受信した場合には処理をステップS402に進める。
【0035】
ステップS402では、iに初期値1を代入する。ここで、iは1からmの自然数であり(i=1,2,・・・,m)、車情報に含まれる経路情報によって特定される経路から選択した経路上の地点を表し、現在地点に近い方から順に、地点1,2・・・,mとする。
【0036】
ステップS403では、車2の経路上の地点iの通過予定時刻t(i)を計算する。
【0037】
ステップS404では、jに初期値1を代入する。jは1からMの自然数であり(j=1,2,・・・,M)、地点iへ派遣する候補の燃料補給車3がM台存在する場合に、各々を識別する番号である。ここで、地点iへ派遣する候補の燃料補給車3を燃料補給車3(i(j))と表す。
【0038】
ステップS405では、燃料補給車3(i(j))が地点iに到着する予定時刻t(i,j)を計算する。燃料補給車3(i(j))が現在時点で車2の燃料種別を供給可能な状態である場合は、燃料補給車3(i(j))の現在位置から直接、地点iに向かうとものして到着予定時刻t(i,j)を計算し、車2の燃料種別を供給可能でない場合は、燃料補給基地5に寄った後、地点iに向かうとものして到着予定時刻t(i,j)を計算する。
【0039】
ステップS406では、jの値を1インクリメントする。
【0040】
ステップS407では、jの値がMを超えているか否かを判定する。超えていない場合には処理をステップS405に戻し、超えている場合には処理をステップS408に進める。
【0041】
ステップS408では、通過時刻t(i)より早く、かつ、到着予定時刻t(i,j)が最も早くなるjの値lを特定し、燃料補給車3(i(l))のID情報n(i)及び到着予定時刻t(i)を決定する。通過時刻t(i)前に到着する燃料補給車3(i(j))がない場合は、n(i)=0,t(i)=無限大である。
【0042】
ステップS409では、iの値を1インクリメントする。
【0043】
ステップS410では、jの値がmを超えているか否かを判定する。超えていない場合には処理をステップS403に戻し、超えている場合には処理をステップS411に進める。
【0044】
ステップS411では、到着予定時刻t(i)が最も早くなるiの値kを特定し、ID情報n(k)を有する燃料補給車3(k(l))を、車2に燃料補給する対象燃料補給車と決定する。ここで、対象燃料補給車とは、実際に燃料補給をするために移動する燃料補給車のことをいう。この場合、対象燃料補給車3(k(l))は、車2の通過時刻前に地点kに到着する、経路から最も近い燃料補給車である。
【0045】
また、ステップS411では、n(i)>0を満たすものの中でiの最小値kを特定し、ID情報n(k)を有する燃料補給車3(k(l))を、車2に燃料補給する対象燃料補給車と決定する。この場合、対象燃料補給車3(k(l))は、車2の通過時刻前に最も現在地に近い地点kに到着する燃料補給車である。
【0046】
ステップS412では、通信機11により、ステップS411で決定した燃料補給車3に対して地点kに向かい、そこで待つよう指示する。車2は燃料切れ位置において停止することから、目的地までに燃料切れとなる場合は、必ず、燃料補給車3が割り当てられる。目的地までに、燃料切れとならない場合は、各地点で通過予定時刻までに到着可能な燃料補給車3がない(各地点iで、n(i)=0となる)可能性もある。
【0047】
指令センタ1は、通信機11により、上記アルゴリズムにより決定した目標位置、方向情報を、燃料補給車3に通知する。この情報は、時々刻々更新され、燃料補給車3に継続的に通知される。そして、指令センタ1は、燃料補給車3が燃料補給の対象である車2に近づくと、通信機11により、車2に対して燃料補給車接近表示部27の点滅指示を行い、運転者に燃料補給のための停車を促す。また、燃料補給灯23の点滅指示を行い、燃料補給車3の運転者に対して、車2が燃料補給対象の車であることを目視できるようにする。
【0048】
本実施例は、指令センタ1が全体の情報を集め、計算を実施し、燃料補給車3に指示を出す集中制御構成である。なお、これに対して、各燃料補給車3がコンピュータを備え、指令センタの機能を各燃料補給車3に分散させた分散制御構成とすることもできる。これは、特許文献3の実施例2と上記を組み合わせることで実施可能である。
【0049】
実施例1の燃料補給システムによれば、カーナビが提示した目的地までの経路上の地点に、燃料補給車を待機させておくことができるので、燃料補給所まで移動する手間を省いて効率良く燃料供給でき、運転者に対して親切なサービスを提供することができるようになる。
【0050】
次に、本発明による実施例2における燃料補給システム、指令センタ、及び燃料補給方法について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例2】
【0051】
実施例1の燃料補給システムでは、燃料補給車3が移動し、燃料補給対象の車2に燃料補給するが、実施例2の燃料補給システムでは、燃料補給車3は移動せず、固定の燃料補給場所である燃料補給センタにて燃料を補給する。実施例2の燃料補給システムは、実施例1の燃料補給システムと比較して、燃料補給車3を備えず、燃料補給センタ及び燃料補給センタ用補給車を備える点が相違する。また、車は、実施例1と比較して、燃料補給灯23及び燃料補給車接近表示部27を有しない点が相違する。
【0052】
図2は、本発明の実施例2における燃料補給システムの構成図である。図1と同じ部分については、同じ参照符号を付して説明を省略する。本システムは、指令センタ1と、車2と、通信網4と、燃料補給基地5と、燃料補給センタ6と、燃料補給センタ補給車7とを備える。
【0053】
燃料補給センタ6は、通信機61と、残量センサ62とを有する。通信機61は、通信網4を介して、指令センタ1と情報を送受信する。また、通信機61は、燃料補給センタ6を特定できる通信機ID等の情報を有する。残量センサ62は、燃料補給センタ6の燃料の残量を検知するためのセンサである。燃料補給センタ6は、固定設備であって、随時、燃料種別ごとの燃料残量を残量センサ62により計測し、通信機61によって燃料残量を指令センタ1に通知する。
【0054】
燃料補給センタ補給車7は、通信機71を有する。通信機71は、通信網4を介して、指令センタ1と情報を送受信する。
【0055】
燃料補給センタ6の燃料が不足した場合は、指令センタ1は、通信機71によって燃料補給センタ補給車7に、補給指示(燃料補給センタ名、補給燃料種別、補給量)を発する。この指示を受けた燃料補給センタ用補給車7は、燃料補給基地5にて、不足燃料を指示された量補給し、指示された燃料補給センタ6に向かう。そして燃料補給センタ6にて、不足燃料を補充する。
【0056】
車2は、実施例1の図3で示したように、走行用燃料タンク残量があらかじめ定められた一定値以下になっている間は一定時間ごとに、指令センタ1に車情報を送信する。燃料補給車3は、一定時間ごとに、指令センタ1に燃料補給車情報を送信する。
【0057】
車情報及び燃料補給車情報を取得した指令センタ1は、コンピュータ12により、当該情報に基づく燃料補給センタ決定アルゴリズムを動作させる。
【0058】
図5は、本発明による燃料補給センタ決定アルゴリズムの一例を示すフローチャートである。ステップS501では、車情報及び燃料補給車情報を受信したか否かを判定する。受信した場合には処理をステップS502に進める。
【0059】
ステップS502では、iに初期値1を代入する。iは1からMの自然数であり(i=1,2,・・・,M)、車2が向かう候補となる燃料補給センタ6がM台存在する場合に、各々を識別する番号である。ここで、各燃料補給センタ6を燃料補給センタ6(i)と表す。
【0060】
ステップS503では、車2の経路上で、燃料補給センタ6(i)へ向かう際の最寄り点を特定し、車2が該最寄り点を経由して燃料補給センタ6(i)へ到着する予定時刻T(i)を計算する。
【0061】
ステップS504では、燃料補給センタ6(i)に現在ある一次処理済み燃料在庫から予約済み燃料量を引いた値が、受信した車情報に含まれる必要燃料種別の必要燃料量を上回るか否かを判定する。ここで、一次処理とは、燃料を直接補給可能な状態にするために燃料補給センタ6内で行う処理の総称のことである。例えば、燃料電池の場合は充電処理のことをいう。また、燃料として水素等の危険物質を使う場合には燃料を別の物質の形で貯蔵することが想定されるが、この場合は当該別の物質を燃料に変換する処理のことをいう。また、燃料補給センタ6のなかで、奥のほうに収納されている燃料を取り出すのに時間を要する場合には、取り出す作業も一次処理に含まれる。必要燃料量を上回らない場合には処理をステップS505に進め、必要燃料量を上回る場合には処理をステップS506に進める。
【0062】
ステップS505では、一次処理を実施すれば必要燃料量を上回る場合か否かを判定する。上回らない場合には処理をステップS508に進め、上回る場合には処理をステップS507に進める。
【0063】
ステップS506では、燃料補給予定時刻s(i)を到着予定時刻T(i)とし、フラグJ(i)=0とする。
【0064】
ステップS507では、燃料補給予定時刻s(i)を一次処理時間と到着予定時刻T(i)の大きい方とし、フラグJ(i)=1とする。
【0065】
ステップS508では、燃料補給予定時刻s(i)を一次処理時間+燃料補給センタ用補給車7による補給(燃料補給基地5にて燃料を確保し、燃料補給センタ6まで送り届ける)に要する時間と到着予定時刻T(i)の大きい方とし、フラグJ(i)=2とする。
【0066】
ステップS509では、iの値を1インクリメントする。
【0067】
ステップS510では、iの値がMを超えているか否かを判定する。超えていない場合には処理をステップS503に戻し、超えている場合には処理をステップS511に進める。
【0068】
ステップS511では、s(i)が最も早くなるiの値kを特定し、車2に燃料補給する燃料補給センタ6を、燃料補給センタ6(k)に決定する。
【0069】
ステップS512では、燃料補給センタ6(k)に予約する。そして、車2の必要燃料種別と必要燃料量を、車2の番号とともに、燃料補給センタ6の予約量として、記憶する。
【0070】
ステップS513では、フラグJ(k)の値が0より大きいか否かを判定する。大きくない場合(すなわち、J(k)=0の場合)には処理をステップS517に進め、大きい場合(すなわち、J(k)=1又は2の場合)には処理をステップS517に進める。
【0071】
ステップS514では、燃料補給センタ6(k)に対して、必要燃料種別の一次処理をするように指示する。
【0072】
ステップS515では、フラグJ(k)の値が2であるか否かを判定する。J(k)の値が2でない場合(すなわち、J(k)=1の場合)には処理をステップS517に進め、J(k)の値が2である場合には処理をステップS516に進める。
【0073】
ステップS516では、燃料補給センタ用補給車7に対して、燃料補給センタ名と、補給燃料種別と、補給量とを通知し、補給するように指示する。
【0074】
ステップS517では、車2に対して、カーナビ22のディスプレイ上に、燃料補給センタ6(k)の位置及び名称と、燃料補給センタ6(k)に至るまでの経路と、燃料補給指示とを表示するように指示する。
【0075】
なお、車2の位置がカーナビ22で指示された経路からずれた場合などは、上記アルゴリズムが再度実行される。その際には、車2により予約された燃料はキャンセルされ、計算結果により、再度、必要に応じて予約される。また、予定された燃料補給センタ6以外で車2が燃料を補給した場合も、車2により予約された燃料はキャンセルされる。
【0076】
実施例2の燃料補給システムによれば、車種別の燃料の種類も考慮に入れ、燃料補給スケジューリングを高度化し、最短時間で燃料を補給することができるようになる。
【0077】
ここで、指令センタ1のコンピュータ12に、CPUによって所定のプログラムを実行させることにより、上述した機能を実現させることができる。更に、プログラムを、記憶部(メモリ)の所定の領域に格納することができる。そのような記憶部は、コンピュータ内部のRAMなどで構成させることができ、或いは又、外部記憶装置(例えば、ハードディスク)で構成させることもできる。また、そのようなプログラムは、コンピュータ12で利用されるOS上のソフトウェア(ROM又は外部記憶装置に格納される)の一部で構成させることができる。
【0078】
さらに、コンピュータ12を、本発明の各構成要素としての手段として機能させるためのプログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体に記録することができる。
【0079】
上述の各実施例は、個々に代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができ、更に、各実施例を組み合わせて別の実施例を実現することができることは当業者に明らかである。従って、本発明は、上述の実施例によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、実施例1の燃料補給車3について、実施例2のように燃料補給車3に現在ある一次処理済み燃料が必要燃料種別の必要燃料量を上回るか否かを判定し、必要燃料量を上回らない場合には、燃料補給基地5から補給するようにし、その時間を考慮して地点iに到着する予定時刻を計算するようにすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
このように、本発明によれば、カーナビで設定した経路情報を用いて車両に燃料を補給する任意の用途に有用である。
【符号の説明】
【0081】
1 指令センタ
11 通信機
12 コンピュータ
2 車
21 通信機
22 カーナビ
23 燃料補給灯
24 残量センサ
25 位置センサ
26 速度センサ
27 燃料補給車接近表示部
28 車両情報部
3 燃料補給車
31 通信機
32 残量センサ
33 位置センサ
4 通信網
5 燃料補給基地
51 燃料倉庫
6 燃料補給センタ
61 通信機
62 残量センサ
7 燃料補給センタ用補給車
71 通信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網を介して接続された指令センタと、1台以上の車と、1台以上の燃料補給車とを備える燃料補給システムであって、
各車は、当該車の走行用燃料タンク内の燃料の残量を検知する残量センサと、当該車の位置を検知する車位置センサと、当該車の速度を検知する速度センサと、当該車の燃料種別情報を特定する車両情報部と、当該車の目的地への走行経路案内を行なうナビゲーション装置とを有し、
各燃料補給車は、当該燃料補給車の位置を検知する燃料補給車位置センサを有し、
指令センタは、
前記1台以上の燃料補給車から前記燃料補給車位置センサによって取得した位置情報を受信する手段と、
前記1台以上の車のうち燃料残量が一定値以下の車から前記残量センサによって取得した燃料の残量情報、前記車位置センサによって取得した位置情報、前記速度センサによって取得した速度情報、前記車両情報部によって取得した燃料種別情報、及び前記ナビゲーション装置によって取得した目的地に至るまでの経路情報を受信する手段と、
該受信した情報に基づいて、前記燃料残量が一定値以下の車に対して燃料補給を行う対象燃料補給車及び該対象燃料補給車が向かうべき目標位置を決定する燃料補給車目標位置決定アルゴリズムを実行する手段と、
前記対象燃料補給車に前記目標位置に移動するように指示する手段と、を有することを特徴とする燃料補給システム。
【請求項2】
前記燃料補給車目標位置決定アルゴリズムは、
前記経路上の地点を1つ以上選択し、
前記地点ごとに、前記燃料残量が一定値以下の車が前記地点を通過する通過予定時刻を計算し、
前記地点ごとに、前記燃料補給車が前記地点に到着する到着予定時刻を計算し、
前記地点ごとに、当該地点と、前記通過予定時刻よりも早い前記到着予定時刻とを記憶し、
前記記憶された到着予定時刻の中で最も早い到着予定時刻を与える燃料補給車を前記対象燃料補給車と決定し、該燃料補給車が到着する地点を前記目標位置と決定するか、又は、前記通過予定時刻よりも早い前記到着予定時刻を与える燃料補給車のうち、該燃料補給車が到着する地点が最も前記車の現在地に近い地点であるものを前記対象燃料補給車と決定し、該地点を前記目標位置と決定することを特徴とする、請求項1に記載の燃料補給システム。
【請求項3】
通信網を介して接続された指令センタと、1台以上の車と、1つ以上の燃料補給センタとを備える燃料供給システムであって、
各車は、当該車の走行用燃料タンク内の燃料の残量を検知する残量センサと、当該車の位置を検知する車位置センサと、当該車の速度を検知する速度センサと、当該車の燃料種別情報を特定する車両情報部と、当該車の目的地への走行経路案内を行なうナビゲーション装置とを有し、
各燃料補給センタは、当該燃料補給センタ内の燃料の残量を検知する補給燃料残量センサを有し、
指令センタは、
前記1つ以上の燃料補給センタから前記補給燃料残量センサによって取得した燃料残量情報を受信する手段と、
前記1台以上の車のうち燃料残量が一定値以下の車から前記残量センサによって取得した燃料の残量情報、前記車位置センサによって取得した位置情報、前記速度センサによって取得した速度情報、前記車両情報部によって取得した燃料種別情報、及び前記ナビゲーション装置によって取得した目的地に至るまでの経路情報を受信する手段と、
該受信した情報に基づいて、前記燃料残量が一定値以下の車が向かうべき対象燃料補給センタを決定する燃料補給センタ決定アルゴリズムを実行する手段と、
前記燃料残量が一定値以下の車に前記対象燃料補給センタに移動するように指示する手段と、を有することを特徴とする燃料補給システム。
【請求項4】
前記燃料補給センタ決定アルゴリズムは、
前記燃料補給センタから前記燃料残量が一定値以下の車が向かう候補となる燃料補給センタを1つ以上選択し、
前記選択した燃料補給センタごとに、前記燃料残量が一定値以下の車が該燃料補給センタに到着する到着予定時刻を計算し、
前記選択した燃料補給センタごとに、該燃料補給センタの直接燃料補給可能な状態に処理された処理済燃料の残量が必要量を上回っているか否かを判定し、必要量を上回っている場合には前記到着予定時刻を記憶し、必要量を上回っていない場合には前記到着予定時刻に直接燃料補給可能な状態に処理するのに要する時間又は該燃料補給センタが外部から燃料を補給するのに要する時間を加えた時刻を記憶し、
前記記憶された時刻の中で最も早い時刻を与える燃料補給センタを前記対象燃料補給センタと決定することを特徴とする、請求項3に記載の燃料補給システム。
【請求項5】
通信網を介して接続された1台以上の車に燃料補給を行うように、通信網を介して接続された1台以上の燃料補給車から選定された燃料補給車に指示を与える指令センタであって、
前記1台以上の燃料補給車から前記燃料補給車の位置情報を受信する手段と、
前記1台以上の車のうち燃料残量が一定値以下の車から該車の燃料の残量情報、位置情報、速度情報、燃料種別情報、及び目的地に至るまでの経路情報を受信する手段と、
該受信した情報に基づいて、前記燃料残量が一定値以下の車に対して燃料補給を行う対象燃料補給車及び該対象燃料補給車が向かうべき目標位置を決定する燃料補給車目標位置決定アルゴリズムを実行する手段と、
前記対象燃料補給車に前記目標位置に移動するように指示する手段と、を有し、
前記燃料補給車目標位置決定アルゴリズムは、
前記経路上の地点を1つ以上選択し、
前記地点ごとに、前記燃料残量が一定値以下の車が前記地点を通過する通過予定時刻を計算し、
前記地点ごとに、前記燃料補給車が前記地点に到着する到着予定時刻を計算し、
前記地点ごとに、当該地点と、前記通過予定時刻よりも早い前記到着予定時刻とを記憶し、
前記記憶された到着予定時刻の中で最も早い到着予定時刻を与える燃料補給車を前記対象燃料補給車と決定し、該燃料補給車が到着する地点を前記目標位置と決定するか、又は、前記通過予定時刻よりも早い前記到着予定時刻を与える燃料補給車のうち、該燃料補給車が到着する地点が最も前記車の現在地に近い地点であるものを前記対象燃料補給車と決定し、該地点を前記目標位置と決定することを特徴とする指令センタ。
【請求項6】
通信網を介して接続された1台以上の車に対し、燃料補給を行うために通信網を介して接続された1つ以上の燃料補給センタから選定された燃料補給センタに向かうように指示を与える指令センタであって、
前記1つ以上の燃料補給センタから該燃料補給センタの燃料の残量情報を受信する手段と、
前記1台以上の車のうち燃料残量が一定値以下の車から該車の燃料の残量情報、位置情報、速度情報、燃料種別情報、及び目的地に至るまでの経路情報を受信する手段と、
該受信した情報に基づいて、前記燃料残量が一定値以下の車が向かうべき前記燃料補給センタを決定する燃料補給センタ決定アルゴリズムを実行する手段と、
前記燃料残量が一定値以下の車に前記対象燃料補給センタに移動するように指示する手段と、を有し、
前記燃料補給センタ決定アルゴリズムは、
前記燃料補給センタから前記燃料残量が一定値以下の車が向かう候補となる燃料補給センタを1つ以上選択し、
前記選択した燃料補給センタごとに、前記車が該燃料補給センタに到着する到着予定時刻を計算し、
前記選択した燃料補給センタごとに、該燃料補給センタの直接燃料補給可能な状態に処理された処理済燃料の残量が必要量を上回っているか否かを判定し、必要量を上回っている場合には前記到着予定時刻を記憶し、必要量を上回っていない場合には前記到着予定時刻に直接燃料補給可能な状態に処理するのに要する時間又は該燃料補給センタが外部から燃料を補給するのに要する時間を加えた時刻を記憶し、
前記記憶された時刻の中で最も早い時刻を与える燃料補給センタを前記対象燃料補給センタと決定することを特徴とする指令センタ。
【請求項7】
1台以上の車に燃料補給を行うように、1台以上の燃料補給車から選定された燃料補給車に指示を与える燃料補給方法であって、
(a)前記1台以上の燃料補給車から該燃料補給車の位置情報を取得するステップと、
(b)前記1台以上の車のうち燃料残量が一定値以下の車から該車の燃料の残量情報、位置情報、速度情報、燃料種別情報、及び目的地に至るまでの経路情報を取得するステップと、
(c)該取得した情報に基づいて、前記燃料残量が一定値以下の車に対して燃料補給を行う対象燃料補給車及び該対象燃料補給車が向かうべき目標位置を決定するするステップと、
(d)前記対象燃料補給車に前記目標位置に移動するように指示するステップと、を含み
前記ステップ(c)は、
前記経路上の地点を1つ以上選択し、
前記地点ごとに、前記燃料残量が一定値以下の車が前記地点を通過する通過予定時刻を計算し、
前記地点ごとに、前記燃料補給車が前記地点に到着する到着予定時刻を計算し、
前記地点ごとに、当該地点と、前記通過予定時刻よりも早い前記到着予定時刻とを記憶し、
前記記憶された到着予定時刻の中で最も早い到着予定時刻を与える燃料補給車を前記対象燃料補給車と決定し、該燃料補給車が到着する地点を前記目標位置と決定するか、又は、前記通過予定時刻よりも早い前記到着予定時刻を与える燃料補給車のうち、該燃料補給車が到着する地点が最も前記車の現在地に近い地点であるものを前記対象燃料補給車と決定し、該地点を前記目標位置と決定することを特徴とする燃料補給方法。
【請求項8】
1台以上の車に対し、燃料補給を行うために1つ以上の燃料補給センタから選定された燃料補給センタに向かうように指示を与える燃料補給方法であって、
(a)前記1つ以上の燃料補給センタから前記燃料補給センタの燃料の残量情報を取得するステップと、
(b)前記1台以上の車のうち燃料残量が一定値以下の車から該車の燃料の残量情報、位置情報、速度情報、燃料種別情報、及び目的地に至るまでの経路情報を取得するステップと、
(c)該取得した情報に基づいて、前記燃料残量が一定値以下の車が向かうべき対象燃料補給センタを決定するステップと、
(d)前記燃料残量が一定値以下の車に前記対象燃料補給センタに移動するように指示するステップと、を含み、
前記ステップ(c)は、
前記燃料補給センタから前記燃料残量が一定値以下の車が向かう候補となる燃料補給センタを1つ以上選択し、
前記選択した燃料補給センタごとに、前記車が該燃料補給センタに到着する到着予定時刻を計算し、
前記選択した燃料補給センタごとに、該燃料補給センタの直接燃料補給可能な状態に処理された処理済燃料の残量が必要量を上回っているか否かを判定し、必要量を上回っている場合には前記到着予定時刻を記憶し、必要量を上回っていない場合には前記到着予定時刻に直接燃料補給可能な状態に処理するのに要する時間又は該燃料補給センタが外部から燃料を補給するのに要する時間を加えた時刻を記憶し、
前記記憶された時刻の中で最も早い時刻を与える燃料補給センタを前記対象燃料補給センタと決定することを特徴とする燃料補給方法。
【請求項9】
通信網を介して接続された1台以上の車に燃料補給を行うように、通信網を介して接続された1台以上の燃料補給車から決定された燃料補給車に指示を与える指令センタのコンピュータに、
(a)前記1台以上の燃料補給車から該燃料補給車の位置情報を受信するステップと、
(b)前記1台以上の車のうち燃料残量が一定値以下の車から該車の燃料の残量情報、位置情報、速度情報、燃料種別情報、及び目的地に至るまでの経路情報を受信するステップと、
(c)該受信した情報に基づいて、前記燃料残量が一定値以下の車に対して燃料補給を行う対象燃料補給車及び該燃料補給車が向かうべき目標位置を決定するステップと
(d)前記対象燃料補給車に前記目標位置に移動するように指示するステップと、を実行させるためのプログラムであって、
前記ステップ(c)は、
前記経路上の地点を1つ以上選択し、
前記地点ごとに、前記燃料残量が一定値以下の車が前記地点を通過する通過予定時刻を計算し、
前記地点ごとに、前記燃料補給車が前記地点に到着する到着予定時刻を計算し、
前記地点ごとに、当該地点と、前記通過予定時刻よりも早い前記到着予定時刻とを記憶し、
前記記憶された到着予定時刻の中で最も早い到着予定時刻を与える燃料補給車を前記対象燃料補給車と決定し、該燃料補給車が到着する地点を前記目標位置と決定するか、又は、前記通過予定時刻よりも早い前記到着予定時刻を与える燃料補給車のうち、該燃料補給車が到着する地点が最も前記車の現在地に近い地点であるものを前記対象燃料補給車と決定し、該地点を前記目標位置と決定する、プログラム。
【請求項10】
通信網を介して接続された1台以上の車に対し、燃料補給を行うために通信網を介して接続された1つ以上の燃料補給センタから決定された燃料補給センタに向かうように指示を与える指令センタのコンピュータに、
(a)前記1つ以上の燃料補給センタから該燃料補給センタの燃料の残量情報を受信するステップと、
(b)前記1台以上の車のうち燃料残量が一定値以下の車から該車の燃料の残量情報、位置情報、速度情報、燃料種別情報、及び目的地に至るまでの経路情報を受信するステップと、
(c)該受信した情報に基づいて、前記燃料残量が一定値以下の車が向かうべき対象燃料補給センタを決定するステップと、
(d)前記燃料残量が一定値以下の車に前記対象燃料補給センタに移動するように指示するステップと、を実行させるためのプログラムであって、
前記ステップ(c)は、
前記燃料補給センタから前記燃料残量が一定値以下の車が向かう候補となる燃料補給センタを1つ以上選択し、
前記選択した燃料補給センタごとに、前記車が該燃料補給センタに到着する到着予定時刻を計算し、
前記選択した燃料補給センタごとに、該燃料補給センタの直接燃料補給可能な状態に処理された処理済燃料の残量が必要量を上回っているか否かを判定し、必要量を上回っている場合には前記到着予定時刻を記憶し、必要量を上回っていない場合には前記到着予定時刻に直接燃料補給可能な状態に処理するのに要する時間又は該燃料補給センタが外部から燃料を補給するのに要する時間を加えた時刻を記憶し、
前記記憶された時刻の中で最も早い時刻を与える燃料補給センタを前記対象燃料補給センタと決定する、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−22972(P2011−22972A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170005(P2009−170005)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】