説明

燃料電池式電源装置、燃料電池式電源装置の制御方法、燃料電池式電源装置の制御プログラム

【課題】いかなる場所においてもモバイル機器等の電子装置への充電等の電力供給が行なえ、かつ電子装置を携帯する人への精神的な癒しや安らぎを与えることができる燃料電池式電源技術を提供する。
【解決手段】充電器1の小動物を模した形状の充電器本体1aをクランプ足12を介して携帯電話2のディスプレイ筐体2bに固定し、内蔵した燃料電池3に燃料供給口4からグルコースを燃料として発電させ、得られた電力を接続ケーブル13、接続コネクタ14を介して携帯電話2に充電する。燃料電池3の動作状態に応じて、制御装置11が充電器本体1aに設けられた人工眼球10を変化させることで、燃料不足(空腹)、燃料満タン(満腹)、排水要(排泄要求)等の表情を作り、携帯電話2の所有者に燃料電池3の動作状態を小動物の表情として認識させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池式電源技術に関し、所望の携帯型の電子装置や電子機器等に対して、直接的あるいは充電器として間接的に電力を供給する燃料電池式電源装置等に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル用途の電子機器の充電器として、燃料電池による携帯電話用の充電器が特許文献1(特開2004−194434号公報)に開示されている。
この特許文献1では携帯電話に充電を行なう燃料電池として、燃料容器を小型・軽量化ができる直接型メタノール燃料電池を利用している。ここで直接型メタノール燃料電池は、小型・軽量化を期待できるが、その出力特性が温度に対して敏感であるため、特許文献1では燃料電池充電器を携帯電話に取り付ける際に、燃料電池と携帯電話の筐体間に空気流路を設けて構成している。
【0003】
その理由は前述したように直接型メタノール燃料電池の出力特性は温度依存性が高く、特許文献1に記載されるように摂氏70℃±5℃に維持することが出力特性を安定して得るうえで重要となることから、使用される環境・外気温度などを想定して空気流路を設計することで空冷により安定した発電能力を維持する構成となっている。つまり燃料電池の発電部を70℃±5℃に維持するための空冷による放熱作用を得るための空気流路が設けられた構造となっている。
【0004】
また同様に燃料電池による携帯電話用の充電器が特許文献2(特開2007−88804号公報)に開示されている。
この特許文献2では携帯電話を使用する際には燃料電池が動作状態(いわゆる発電状態)となり、使用しない非動作時には発電が停止する構成となっている。具体的には、携帯電話の表示筐体と操作部や燃料電池部を備えたグリップ筐体を重ねて折りたたむことができる、いわゆる折りたたみ式の携帯電話機の構造において、表示筐体とグリップ筐体を互いの一端が連結した状態となる動作(使用)時では燃料電池が動作し、非動作(停止)時である表示筐体とグリップ筐体を重ねた状態では燃料電池が停止する構成となっている。特に動作時は燃料電池の発電によって生成される水分が、表示筐体に設けられた排気口より放出される構造となっている。
【0005】
また、上述の充電器とは別の観点から、燃料電池を動力源としたロボットがあり、具体的には特許文献3(特許第3818897号公報)に開示されている。
この特許文献3では従来の2次電池に置き換えてメタノールを燃料とした燃料電池を動力源とし、燃料電池により生成された水の排水を所定の位置にて実施する機能を有する脚式移動ロボットが開示されている。
【0006】
この特許文献3に開示された脚式移動ロボットは、燃料電池で生成される水をロボット内に貯蔵し、貯蔵された水を水供給が必要な対象に供給する構成となっている。すなわち、供給する際には水供給が必要な対象を検知し、脚式移動によって対象まで移動し排水を行うロボットとなっている。燃料電池で生成される排水の具体的な供給対象としては植木鉢があげられており、脚式による自律移動によって植物に近づき、燃料電池で生成された水を排泄動作のようにして供給する構成となっている。
【0007】
携帯電話への充電器である上述の特許文献1では、燃料電池本体を携帯電話に装着して、携帯電話に内蔵する2次電池に充電を行なうことができる充電器となっている。
しかしながら上述の特許文献1の技術では燃料電池に直接型メタノール燃料電池を利用するため、出力特性を得るために機器の温度管理が重要な構成となっている。このため機器を利用する環境や外気温度を想定し、燃料電池と携帯電話の筐体の間に空気による放熱を行なうための空気流路を設ける必要があり、せっかく燃料電池を小型化できても放熱を行なうための空気流路を設けることで大きな容積となってしまう。
【0008】
また空気流路により空気の対流で冷却するには、携帯電話の使用環境や外気温度が重要であるが、季節や場所を通して環境や外気温度が変化することは容易に想像でき、該変化の中で発電部を70℃±5℃に維持することは非常に困難であるといえる。日本国内だけで考えても、冬と夏では外気温度の変化は直接型メタノール燃料電池が求める±5℃よりも大きい、つまり動作環境の許容温度範囲である10℃を超えてしまうため、空気流路による対流での放熱では両環境において発電部の温度を維持することは難しいことは容易に想像がつく。さらに発電部で維持すべき温度も70℃前後と、外気温度や携帯する人の体温と比べると非常に高いため、この発電部と外部の大きな温度差を維持することも困難であるといえる。
【0009】
さらに、高温の発電部から外部への熱的な影響を防止すべく、発電部からの放熱を行ないながらも利用者に対して断熱を行なう必要があり、このような熱的な特性の観点からだけでも携帯機器の発電機としては適していないといえる。
【0010】
さらに特許文献1にも記載されているように、燃料電池で反応後に生成される水は、高熱であることに伴って、排気口より蒸気として排出される。このためカバンや衣類のポケットに入れて持ち歩くと蒸気によりカバンや衣類が湿ってしまうという問題もある。特に蒸気による電子機器への損傷が大きな問題といえる。
【0011】
上述の特許文献3では燃料電池の原理から、発電を行なう際に生成される水の処理方法として、ロボットが有する脚式移動といった手段と組み合わせ、自律した行動によって自主的に燃料供給と排水行動を行なうことで解決を図っている。特に脚式移動による手段と組み合わせることで、ロボットにエンターテイメント性を与えると共に、植木鉢に給水するといった機能を与えている。
【0012】
しかしながら、この特許文献3の技術ではロボットという機能を活用し、特に燃料補給や生成水の排水を行なう行動およびその判断から、自ら脚式移動を行い実施することを通して自律した動物のような行動により実現することが重要で発明のポイントとなっている。このため燃料電池で発電された電気エネルギーはロボット自体の活動のためにのみ費やされ2次利用は想定されておらず、ロボットのエンターテイメント性を高め付加価値を高めている。このため2次電池を廃止して燃料電池のみによる動力を基本としており、燃料電池の出力安定性を確保するために発電で生じた水は燃料源であるメタノールとは分離して貯水タンクに蓄えることが必要である。
【0013】
さらに特許文献1や特許文献3の技術では燃料源にメタノールを利用しているが、メタノールは劇物でありながら揮発性の高い燃料であり慎重な取り扱いを必要とする。特に子供や老人がペットロボットに実際のペットと同様に餌を与える感覚で燃料を扱わせる場合には、取り扱いに関して十分な配慮が必要になる、という技術的課題がある。
【0014】
このため特許文献3に記載されるように、メタノールを燃料とすることは自動的にロボットが燃料補給を行なうために移動するような複雑なシステムを構築することが不可欠となる。
【0015】
また、特許文献3の場合、上記観点から燃料補給を含め自律した脚式移動ロボットであることから、自ら移動して燃料を補給するとともに、自ら植木鉢に移動して排水を行なうことで、ロボットとして世話がかからず利用者への利便性とを兼ね備え、エンターテイメント性を高め世話がかからないことを利点としている。
【0016】
しかし、特許文献3の観点とは逆に、世話が掛かることが長所となる場合もある。この一見逆説的な効用に関して、以下に説明する。
現代の社会活動の中では、日常業務の多忙さや周囲との協調あるいは競争といった生活の中で精神的な「ストレス」、あるいは自信喪失に伴う「引きこもり」、「うつ病」といった精神的な病が多くなってきている。重症とはならなくとも、現代社会の中で生活する多くの人の中には、その予備軍とされる人は多く存在するといわれ、いわゆるストレス社会の中での生活で精神的な病が蔓延している。
【0017】
このような精神的な病あるいは予備軍とも称される人に対して、動物を使った心理療法であるアニマルセラピーが有効な手段として注目を浴びている。アニマルセラピーとは、動物と触れ合うことで内在するストレスを軽減させたり、患者自身に自信を持たせたりすることで精神的な健康を回復させる治療方法の一つである。
【0018】
人は古くから犬や猫を家族のように愛玩動物(ペット)として飼う習慣があり、ペットを通して自らのストレス緩和や精神的な回復を図っている。これは動物を通しての「スキンシップ」や「世話をする」といった行為によって得られているといわれる。特に最近では高齢者医療(高齢者福祉)や難病の患者は、動物あるいはアニマルセラピー用ロボットとのスキンシップや世話を行なうといった行為を通して、情緒面での作用から症状が回復するといった報告もされている。動物やアニマルセラピー用ロボットとのスキンシップや世話といった行為が、精神面での健康回復に有意義な手段であると注目されている。特に世話を行なう行為が、自身の存在意義、自分が頼られる存在であることを実感させ、前述したような自信喪失に対する有効な治療法となることが注目されている。
【0019】
このような観点から見ると、特許文献3の技術は、ペットとしてのロボット機能は高いレベルであるが、逆に燃料の補給から排水といった活動を自律して行なうことから、「手間(世話)が掛からない」といった面で都合が良く便利であるが、前述したようなセラピー機能としては物足りないこととなる。同時に燃料源としてもメタノールを利用することから、燃料は揮発性が高い劇物で、慎重な取り扱いを必要とし、ペットに餌をあげるような行為すら前述した観点から高度の注意が必要となる。
【0020】
このため、燃料としてメタノールを利用し、エンターテイメント性を確保するためには、特許文献3のように、脚式移動による自律式のロボットであることと、脚式移動に伴う自らの燃料補給・排水といった一連の動作を行なうことが重要である。この行為が自然界の動物のような動作と結びつき高いエンターテイメント性と安全性を発現している。
【0021】
この特許文献3のような機構や機能は複雑なシステムであり常時携帯して持ち歩くといった観点とは概念そのものが乖離しており、帰宅後あるいは外出時に自宅で利用することが前提となる。
【特許文献1】特開2004−194434号公報
【特許文献2】特開2007−88804号公報
【特許文献3】特許第3818897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は、いかなる場所においてもモバイル機器等の電子装置への充電等の電力供給が行なえ、かつ電子装置を携帯する人への精神的な癒しや安らぎを与えることができる燃料電池式電源技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の第1の観点は、燃料電池を用いて所望の電子装置に電力を供給する燃料電池式電源装置であって、
前記電子装置に取り付けられ、小動物のような形態を有する本体部と、
前記電子装置の所有者に対して、前記本体部が前記小動物であるかのように連想させるとともに前記本体部の動作状況を伝えるイメージ伝達機構部と、
前記電力を発生する燃料電池部と、
前記燃料電池部の動作状況を計測するセンサー部と、
前記燃料電池部の前記動作状況に応じて前記イメージ伝達機構部を制御する制御部と、
前記燃料電池部で発電した電力を前記電子装置に供給するための接続手段と、
前記燃料電池へ燃料を供給するための供給部と、
前記燃料電池で生成された廃液を排出するための排水部と、
を具備する燃料電池式電源装置を提供する。
【0024】
本発明の第2の観点は、電子装置に電力を供給する燃料電池式電源装置の制御方法であって、
電力を発生する燃料電池の動作状況を検出するステップと、
前記動作状況を疑似小動物の動作に変換して前記電子装置の所有者に提示するステップと、
を含む燃料電池式電源装置の制御方法を提供する。
【0025】
本発明の第3の観点は、電子装置に電力を供給する燃料電池式電源装置の制御プログラムであって、
電力を発生する燃料電池の動作状況を検出するステップと、
前記動作状況を疑似小動物の動作に変換して前記電子装置の所有者に提示するステップと、
をコンピュータに実行させる燃料電池式電源装置の制御プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、いかなる場所においてもモバイル機器等の電子装置への充電等の電力供給が行なえ、かつ電子装置を携帯する人への精神的な癒しや安らぎを与えることができる燃料電池式電源技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
以下の説明では、最初に、本発明の各態様につき、作用の一例を概括的に述べ、その後に、図面を参照してより具体的に説明する。
【0028】
なお、以下では、燃料電池式電源装置の一例として充電器に適用した場合を例に採って説明する。
本発明の実施の形態では、現代社会の抱える問題点に注目し燃料電池の特性を利用した技術の例示を行なう。
【0029】
すなわち、本発明の各実施の形態では、たとえば、燃料電池により常に携帯する携帯(モバイル)機器へ電力を直接的に、あるいは間接的に(充電器として)供給する燃料電池式電源装置でありながら、常に携帯するペットとしてのセラピー機能を付加した今までにない燃料電池式電源技術を例示する。
【0030】
特にセラピー機能を有するロボットは前述したように多くの研究が進められているが、本発明の各実施の形態ではもう少し日常生活に密着した姿での活用、特に医療行為が必要となる患者ではなく、健常者における日ごろのストレスから開放を手助けしてくれるような「癒し」効果を想定し、その中に燃料電池の特性と実用性を加味することで今までにない新規な燃料電池式電源技術を例示する。
【0031】
具体的には、ユビキタス社会においてモバイル機器を常に携帯する多忙な生活者に対して、機器への充電機能に加え、日常生活からくるストレスに対して携帯することで精神的に開放してくれるようなセラピー機能を持たせた今までにない新しい商品である携帯式の燃料電池式電源技術を例示する。
【0032】
本発明の1の態様は、燃料電池を用いて携帯電話やデジタルカメラなどのモバイル機器が有する2次電池を充電する燃料電池式充電器であって、モバイル機器に取り付け小動物のような形態を有する本体部と、本体部が小動物であるかのように連想させ小動物のようなイメージを所有者に伝達するイメージ伝達機構部と、本体内部で発電をつかさどる燃料電池部と、燃料電池の発電状況を計測するセンサー部と、前記燃料電池部の動作およびその動作状況に応じて前記イメージ伝達機構部を制御する制御部と、前記燃料電池部で発電した電気をモバイル機器に供給するための接続ケーブル部と、燃料電池へ燃料を供給するための供給部と、燃料電池で生成された廃液を排水するための排水部を具備する燃料電池式電源装置である。
【0033】
この第1の態様では、モバイル機器に搭載された2次電池に電力を供給する充電器であって、電力源として発電を行なう燃料電池を搭載し、かつ小動物をイメージし愛玩動物であるペットを飼育する感覚で利用できるような機能を有している。
【0034】
充電器本体は携帯電話などのモバイル機器に取り付けることができるようになっている。取り付け方の詳細は後述の実施の形態で例示するが、モバイル機器専用の器具を介して取り付けたり、モバイル機器の本体を挟み込むように汎用的な形態で取り付けることができる。さらに接続ケーブルを介してモバイル機器と接続し、モバイル機器への電力供給による2次電池への充電が可能となっている。
【0035】
供給する電力は、充電器本体の内部に搭載される燃料電池で発電される。燃料電池であるため発電のための燃料供給と生成物の排出が必要であり、本第1の態様では小動物を模した本体に設けた口を燃料の供給口とし、同様に排出部を小動物の排泄口に模している。ここで燃料供給は小動物の口に模した供給口より補給を行なうため、あたかも動物に餌を与える感覚を使用者に与えることになる。
【0036】
また発電で利用された燃料は廃液を生成するため、これは同じく排泄口を模した排出部より排水することで小動物の排尿処理を行なうような感覚で実施することになる。
ここで燃料の供給、排出を実施するにあたっては、燃料電池に設けたセンサーと充電器本体が有するペット機能による作用が重要となる。充電器に内蔵される制御部では、燃料電池の発電状況をモニターするセンサーからの信号を受け取り、常に燃料電池の発電状況を計測および観察(モニタリング)し、あらかじめ設計されたプログラムに従ってイメージ伝達機構を制御することになる。
【0037】
つまり充電器全体が小動物を模していることから、燃料電池の活動状況に基づき、本体が有するイメージ伝達機構を介して感情表現を所有者に対して行なうことを特徴としている。
【0038】
具体的には燃料濃度が充分に高く発電と充電が効率的に実施されているときは、イメージ伝達機構において小動物を模した本体の「機嫌が良い」ことを所有者に伝えるため、例えば「笑顔」などで表現し、逆に効率が下がっている状態では「不機嫌」な表情を示すことで所有者に発電・充電状況の伝達を行なう。
【0039】
また燃料を投入した直後は小動物が餌を食べた直後と同じ状況であり、「満腹感」があるような表情を形成し、逆に燃料の濃度低下が生じ発電効率が下がってきたような場合には、「空腹感」をアピールするといったことが考えられる。
【0040】
同様に「空腹感」である燃料濃度が下がった状態では、燃料を新たに補給する必要があるため希薄となった燃料(廃液)を排水する必要があり、このときもイメージ伝達機構部により排尿の催促を行なうといった動作を発現することで、所有者に排尿処理の世話を要請することができる。
【0041】
もちろん燃料電池によるモバイル機器への充電とあわせて、上述した小動物のようなイメージ伝達機構や制御部の動作エネルギー(電力)に関しても、燃料電池の発電からまかなう構成となっている。また本体が有するペット機能としても、前述した燃料電池の発電状況に基づく反応やイメージ伝達に関しては、ほんの一例に過ぎず詳細は実施の形態で示すが、従来のような電池の発電状況を数値や計器のような表現で伝えるのではなく、あくまで動物としてのコミュニケーションを介して行なうこととしている。
【0042】
本発明の2の態様は、前記第1の態様に記載の燃料電池式電源装置において、本体内部に有する燃料電池が、グルコースを燃料とした燃料電池であることを特徴とする燃料電池式電源装置を提供する。
【0043】
上述の第1の態様で述べたように、本態様の充電器は本体内部に設けた燃料電池により発電が行なわれるが、本態様ではユビキタス社会を想定したモバイル機器の充電器として利用することから、あらゆる場面での利用、携帯性を考慮することが重要であると同時に、ペット機能として燃料を餌のように補給することから、燃料源の安全性や入手が容易であることは重要な要項となる。
【0044】
そこで本第2の態様では生命活動のエネルギー源と同じグルコースを燃料とした燃料電池を用いている。グルコースつまりブドウ糖は、生命活動エネルギーの根源であり、食料、生物など多様な中に存在し最も安全なエネルギー源といえ、まさに動物が食物を摂取することと同じ機能であり、最適といえる。
【0045】
本発明の3の態様は、前記第1の態様に記載の燃料電池式電源装置において、小動物のようなイメージを所有者に伝達するイメージ伝達機構部が、小動物の目玉のような動作をする機構で構成された燃料電池式電源装置を提供する。
【0046】
この第3の態様では、燃料電池の発電およびモバイル機器への充電の状況を所有者に伝えるためのイメージ伝達機構として、機械的に動作する目玉のような機構としている。燃料電池の発電状況やモバイル機器への充電状況を所有者に伝達し、かつ小動物のような感覚や情緒的な機能として、充電器に表情を与え、かつ生命感を得るために機械式の目玉による動作でイメージ伝達を行なう。実際に眼球のような構造をした機械的な機構を動作させることで、機器の状態をイメージ伝達できると共に、仮想の表示ではなく実体が動作することで生命感を所有者に与えるのに有効である。具体的な構造などは後述の各実施の形態において例示する。
【0047】
本発明の4の態様は、前記第1の態様の燃料電池式電源装置において、小動物のようなイメージを所有者に伝達するイメージ伝達機構部が、小動物の表情を表示する液晶ディスプレイや有機ELディスプレイである燃料電池式電源装置を提供する。
【0048】
この第4の態様によれば、イメージ伝達機構として液晶ディスプレイや有機ELディスプレイを利用すれば、非常に多様な感情表現が行なえ、所有者に対してより多くの意思伝達を行なうことができる。多様な感情表現が行なえれば、所有者もその対応やコミュニケーションを通して有効なセラピー機能を発揮することができる。
【0049】
本発明の5の態様は、前記第1の態様の燃料電池式電源装置において、電気を供給する接続ケーブルにモバイル機器が有する表示部を制御するための信号ケーブルを設けた燃料電池式電源装置を提供する。
【0050】
この第5の態様によれば、接続ケーブ内に充電のための電力ケーブルと別に、モバイル機器が有する表示部を制御するための通信ケーブルを備えることで、本態様の充電器が有する制御装置から通信ケーブルを介してモバイル機器の表示部を制御し、充電器本体に加えモバイル機器本体が備える表示部を通して感情表現を行なうことができ、より多様なコミュニケーションを図ることができる。
【0051】
本発明の6の態様は、前記第1の態様の燃料電池式電源装置において、小動物を連想させる充電器本体の素材が、毛皮,皮革,人工皮革,木材,軟質なゴム材を利用して構成される燃料電池式電源装置を提供する。
【0052】
この第6の態様によれば、無機質なモバイル機器に取り付けて利用する充電器において、本体の材質に関しては毛皮や皮革、人工皮革、木材、軟質ゴムなどを利用することで、所有者が手に触れた際に生命感や温もりを与えることができる。燃料電池による充電器であると共にペット的な機能を発現する上で、本体素材が有する自然な温もりとか生命感を与えることが、無機質なモバイル機器に対して癒しの効果を発揮することができる。
【0053】
(実施の形態1)
本発明の第1実施の形態である燃料電池式電源装置の一例を、図1Aおよび図1Bおよび図2Aおよび図2Bを用いて説明する。
【0054】
本実施の形態では、燃料電池式電源装置の一例として、携帯電話機用の燃料電池式セラピー機能付きの充電器の例を示す。
図1Aは折りたたみ式の携帯電話機に本実施の形態の充電器を取り付けた状態の一例を示す側断面図である。図1Bは携帯電話機に本実施の形態の充電器を取り付けた状態の正面図である。
【0055】
なお、図1Aでは、充電器の部分につき内部を断面図として示し、携帯電話の内部構成は省略している。
また、図2Aおよび図2Bは、本実施の形態の充電器の機能の一部である人口的に形成した眼球部をモデル図として示す正面図および側面図である。
【0056】
本実施の形態の充電器1が装着される携帯電話2は、グリップ筐体2aおよびディスプレイ筐体2bがヒンジ部2cを介して折り畳み可能な構成となっている。
所有者によって把持されるグリップ筐体2aには、情報入力のためのキーパッド2eと、外部との間における電力や情報の授受を行うための外部インタフェース2dが設けられている。
【0057】
また、ディスプレイ筐体2bには、情報表示が可能なディスプレイ2fが設けられている。
本実施の形態の充電器1の充電器本体1a(本体部)の外観は小動物を連想させる形態を有している。この充電器本体1aは、携帯電話2のディスプレイ筐体2bを挟持して取り付けるため小動物の足に見せかけた複数のクランプ足12を有し、さらに充電器本体1aの内部には発電をつかさどる燃料電池3(燃料電池部)を搭載している。
【0058】
本実施の形態の充電器1に備えられた燃料電池3は、液体状のグルコース(ブドウ糖)を燃料とする燃料電池3である。燃料電池3には燃料となるグルコースを供給する燃料供給口4(供給部)と、燃料電池3で発電を行なった後に排出される反応水を排水するための排水口5(排水部)が接続されている。
【0059】
燃料供給口4には供給したグルコース燃料が漏れ出さないような開閉バルブ17が設けられ、同様に排水口5にもグルコースの漏れ出しを防止するため、排水口5を開閉できる排水口カバー6と排水口5と密着して漏れを防止するゴムパッキン16が取り付けられている。排水口カバー6は、ヒンジ6aを支点として充電器本体1aに揺動可能に支持され、排水口5に密着または離間することで開閉動作を行う構造となっている。
【0060】
さらに燃料電池3には燃料電池3の電圧を計測し信号を発信する電圧計7(センサー部)と、発電の電力量を把握するための電流計8(センサー部)が接続されている。さらに、これらの電圧計7および電流計8等の計測器は本実施の形態の充電器1を制御する制御装置11(制御部)に配線7aおよび配線8aを介して、それぞれ接続されている。
【0061】
この制御装置11は、たとえばマイクロコンピュータからなり、図示しないプログラムを実行することで、後述のような制御を実現する。なお、制御装置11は、制御論理を備えたハードウェア回路で実現することもできる。
【0062】
燃料電池3からは発電した電気を携帯電話2に供給するための配線3aが施され、接続ケーブル13(接続手段)を介し、携帯電話2が有する充電のための接続部である外部インタフェース2dに接続コネクタ14を介して接続できるようになっている。
【0063】
また燃料電池3からは接続ケーブル13への電力供給のための配線3aとは別に、配線3bが充電器1に設けた眼球のような動作を行なう人工眼球10(イメージ伝達機構部)、および音声やメロディー、擬音、鳴き声などを発するスピーカー9(イメージ伝達機構部)、さらには制御装置11に接続されている。
【0064】
さらに人工眼球10とスピーカー9は、これらを制御する制御装置11に配線11aおよび配線11bを介して接続されている。
ここで本実施の形態の充電器1に備えられた人工眼球10は、機械的に動作する機構を有した眼球であり、その構造例を図2Aおよび図2Bに示す。
【0065】
図2Aおよび図2Bは本実施の形態で利用する人工眼球10のモデル図であり、図2Aは人工眼球10を正面から見た図を、図2Bは人工眼球10を側面から見た図を示す。
人工眼球10は、一対の眼球19の各々を左右回転21させるための左右回転用モーター22に、アーム24と眼球19の上下回転20を行なうための上下回転用モーター23を介して基台25に取り付けた構成となっている。左右回転用モーター22と上下回転用モーター23は、制御装置11に配線11aを介して接続されている。また、個々の眼球19には塗装などにより眼球19と区別してまぶた26が設けられ、前面には眼球19を覆うようにアクリル樹脂でできたカバー27が基台25に取り付けられている。
【0066】
これにより、制御装置11からの指令によって、一対の眼球19の各々が、独立に、上下および左右方向に回動可能になっている。
以下、本実施の形態の作用の一例について説明する。
【0067】
本実施の形態の充電器1はモバイル機器を活用する多忙な所有者に対して、モバイル機器を充電するためのコンセントがないような環境下においても燃料電池3を利用してモバイル機器へ電気を充電する充電器1であると同時に、常にモバイル機器と一緒に携帯することに対して所有する楽しみや喜び、精神的な癒しや和みを提供するために小動物を連想させる形態を充電器本体1aに備え、その外観とあわせて機能面で燃料電池3の特性を活用することを特徴としている。
【0068】
本実施の形態の充電器1に関して、利用するイメージに沿って作用を以下に説明する。
まず本実施の形態の充電器1の本体は図1Aおよび図1Bで示すように携帯電話2に取り付けて利用する。このため動物の足に見せかけたクランプ足12で携帯電話2のディスプレイ筐体2bを挟持して取り付け、充電器1で発電した電力を携帯電話2に充電するために、接続ケーブル13とその先端に取り付けられた接続コネクタ14を介して携帯電話2のグリップ筐体2aに設けられた外部インタフェース2dと接続する。
【0069】
このときクランプ足12は携帯電話2のディスプレイ筐体2bを挟持したり、携帯電話2が元々有する充電用の図示しないクレードルなどとの既存の接続部を介して取り付けることができる。同様に接続コネクタ14も既存の携帯電話2が有している充電用のコネクタ(外部インタフェース2d)に接続できるものとなっている。
【0070】
この状態で発電を行なうために、外部より燃料供給口4から燃料を補給する。本実施の形態はモバイル機器への充電器1であるため、燃料としては最も取り扱いの容易なグルコースを利用した燃料電池3を採用している。
【0071】
ここで燃料であるグルコースとはブドウ糖のことであり、自然界に最も多く存在する有機化合物である。グルコースは食品や植物、生命体内に多く含まれ非常に安全な物質であるとともに、生物が生命活動するための3大栄養素の1つとなる重要なエネルギー源として知られている。
【0072】
モバイル機器は常にユーザーに携帯して利用されることから、ユビキタス社会においてはその燃料の入手の容易性や取り扱いの簡便性は非常に重要な要素となる。
その中でグルコースは全く無害な物質であり、メタノール燃料が抱えるような有害物質(劇物)としての各種の規制の対象とならない。もちろん発火性や揮発性もないため、非常に取り扱いが容易で豊富なエネルギー源といえる。このため燃料を入手することも容易となり、安全であるためどこででも販売が可能である。メタノールが抱える航空機などへの持ち込みやコンビニエンスストアや自動販売機での販売等における規制に関してもなんら問題とならない。
【0073】
極端な場合、既に販売されている糖類を含んだ飲料、果実ジュースにはグルコースが含まれているため、本実施の形態の充電器1の場合、これらを燃料として利用することも燃料電池3の電極設計しだいでは可能であり、考えられる最も豊富で、取り扱いや入手が容易な燃料源といえる。
【0074】
このグルコースを燃料として燃料供給口4から補給することになるが、本実施の形態の充電器1が有するもう1つの機能として、所有者に「癒し」や「安らぎ」など情緒的な価値を与えるための愛玩動物のようなペット的な機能を持たせていることである。
【0075】
この情緒的な価値を与えるための仕掛けの1つとして、本実施の形態の充電器1では、図1Aに示すようにグルコース燃料を注入した哺乳瓶のような燃料カートリッジ15を介して燃料補給することも想定できる。ペットや乳幼児にミルクを与えるような感覚でグルコース燃料を充電器1に補給することにより、小動物の「世話をする」感覚を所有者に与えるものである。グルコースは前述したように食料と同じであり、取り扱いの容易な物質であることから、燃料カートリッジ15自体は特別なものである必要もなく、あくまでペット機能の1つの仕掛けとして哺乳瓶のような形態を採用することで、「世話をする」感覚を所有者に与えるものである。
【0076】
人はペットの世話をすることで精神的な安らぎを得ることができると言われており、動物を通して精神的な活力を生み出すアニマルセラピーが重要な医療行為として認識されてきている。
【0077】
本実施の形態の充電器1において、上述のように、哺乳瓶を模した燃料カートリッジ15を使用する、という仕掛けも、その1つのセラピー的な役割をイメージした形態としてあらわしている。
【0078】
ここで燃料供給口4から供給されたグルコースが漏れ出さないように、燃料供給口4には上述のように開閉式の開閉バルブ17が設けてある。この開閉バルブ17は供給した液体のグルコースが漏れ出さなければよいため、バネ圧などで開閉するような既存のボール式弁のような簡便なもので構わない。グルコース燃料自体は高圧に加圧する必要性もなく、液体として大気圧下で供給できる安全物質であるため、あくまで液体が漏れ出し電子機器への損傷を与えないように既存のゴムパッキンのような機能を有して入ればよい。
【0079】
本実施の形態の充電器1の燃料電池3による充電機能とペット機能の発現に対して燃料をグルコースに限定するものではないが、前述したことからグルコースを燃料とすることが最も好ましいといえる。
【0080】
燃料供給口4から補給されたグルコース燃料は、燃料電池3に供給され分解反応等により発電を行なう。ここでグルコース(C12)を利用した発電は式(1)の反応で表され、生命体が行なう「呼吸活動」と同様にグルコースが酸化分解されて得られるエネルギーである。具体的にはグルコースが分解される過程での24電子反応で表され、熱力学でのギブスエネルギーΔG=−2,872kJ/molとなる。ここでギブスエネルギーΔGは、ΔG=−nFE(n:電子数、F:ファラデー定数、E:起電力)で現されるため、理論起電力は1.24Voltとなり自然界で最大の起電力といわれる。
【0081】
12 + 6O → 6CO + 24H +24e …(1)
式(1)では生物の呼吸活動と同じように、グルコース(C12)が6つの酸素(O)と反応し完全に分解されることを示す。その反応過程で生じる電子(e)を電気エネルギーとして取り出すことが本発明のグルコースを燃料とした燃料電池として知られている。
【0082】
ただし式(1)で示す反応ではグルコースが完全に分解される理想的な結果を示しており、現実には式(1)にたどり着くまでには12段階の反応を経由することとなり、現時点ではここまで完全分解できる電池は開発されていない。しかしながら前述した12段階の途中の過程であっても電池として充分な能力を発揮することが期待できる。現時点では12段階の反応で最初の第1段階の反応である2電子反応に関して電池が開発されてきており、その第1段階の反応を式(2)で示す。
12 +1/2O → C10 + 2H +2e …(2)
この式(2)で示すように、第1段階の反応においてもグルコースが有する水素との反応によりグルコノラクトン(C10)を生成する2電子反応による電気エネルギーを得ることができる。この段階でのギブスエネルギーはΔG=−230kJ/molとなり、理論起電力は1.18Voltを得られることになる。
【0083】
式(2)で示すグルコノラクトン生成反応に関しては、すでに燃料電池の電極として微生物や酵素、あるいは金属によるナノ構造を利用したものが開発されており、本実施の形態の充電器1における燃料電池3にはこれらの電極を利用し、式(2)の反応であっても利用できるものである。
【0084】
また、本実施の形態の充電器1は携帯電話2を直接動作させるのではなく、携帯電話2が元々内部に有する2次電池に対して充電を行う充電器1であるため、出力電流に大きな電流を必要とはしない。
【0085】
このため現状の式(2)反応の燃料電池であっても、電池の電極面積を大きくすることで充分な電流を得ることが可能であり利用できる。同様に電圧に関しては電極を積層し直列接続すれば充分に高い電圧が得られ、式(1)までの反応が達成できていなくとも利用は可能である。
【0086】
ここで上述した反応に基づき、グルコースを供給された燃料電池3は発電を開始する。発電される電力は接続ケーブル13および接続コネクタ14、外部インタフェース2dを介して携帯電話2が有する図示しない2次電池へ供給される。このとき充電量は燃料電池3に接続された制御装置11によって制御される。
【0087】
燃料電池3で得られた電力を携帯電話2に補給すること自体は、電力こそ燃料電池3で得ているが充電作用そのものは既存の商用電力のコンセントなどからの充電と同じことであり、制御装置11では既存の充電制御の機能で行なう。
【0088】
ただしコンセントからの充電と異なり、燃料電池3から供給される電気を利用した充電であるため、燃料電池3の発電状況は既存の商用電力のコンセントに比べて不安定な状態にあるといえる。特に燃料となるグルコースを供給した直後と、供給後グルコースが消費されたような状態では、燃料の濃度が低下するために燃料電池3の発電能力も低下する。
【0089】
このため燃料電池3に接続されている電圧計7や電流計8により常に燃料電池3の発電状況が計測およびモニタリング(監視)され、その計測結果が、配線7aおよび配線8aを介して制御装置11に送られている。制御装置11では、電圧計7および電流計8における計測結果の信号に基づき、あらかじめ設定された制御プログラムに従って充電器1の全体の制御を行なう。
【0090】
次に充電器1の制御として、燃料電池3で得た電力は携帯電話2への充電とは別に、配線3bを介して充電器1に設けた人工眼球10やスピーカー9にも供給され、制御装置11からの配線11aおよび配線11bを介して伝達される命令に従い、スピーカー9や人工眼球10が動作する構造となっている。
【0091】
ここで、充電器本体1aに設けられた人工眼球10やスピーカー9は、充電器1が前述したようなセラピー機能を発揮するために小動物を模していることに起因し、充電器1を小動物のように感じさせる役割を担うとともに、所有者とのコミュニケーションツールとして働くものである。
【0092】
通常の充電器は動作状態をLEDランプの点灯やランプの色の変化などで利用者にその動作状態を無感情に機械的に伝えるが、本実施の形態の充電器1ではそれらの機能を前述した人工眼球10の動作やスピーカー9からの音信号にて行なうものである。
【0093】
ここで人工眼球10とは、充電器1を小動物に模すために動物の表情を構成する眼球の役目をするが、あくまで所有者への情報伝達手段であり、必ずしも視覚の能力を要求するものではない。基本的には眼球の動作の仕方や眼球の向く方向等により、携帯電話2の所有者に充電器1の動作状況の情報を伝達することを目的としている。そのため眼球を模した球体を有し、その球体を電磁コイルや小型モーターなどで駆動、回動させる機構を有することで、眼球の運動を行なうことができる構造となっている。
【0094】
本実施の形態の充電器1に備えられた人工眼球10の具体的な該機構と機能に関して図2Aおよび図2Bを参照して以下に説明する。
人工眼球10は人工的に作られた義眼のような模型の一対の眼球19と、それを動作させる機構部によって構成されている。個々の眼球19は制御装置11からの命令に従い、上下回転20を行なう上下回転用モーター23の動作により上下に回動させることができる。また同様に左右回転21に対しては、左右回転用モーター22によって、眼球19と上下回転用モーター23を支えるアーム24を左右に回転させることができ、これにより眼球19も左右に回動することができる。
【0095】
左右回転用モーター22、上下回転用モーター23は配線11aを介して制御装置11に接続されており、制御装置11からの命令に従ってそれぞれ独立して動作させることが可能であり、両方の眼球19を上下左右方向に自在に動作させることができる。また眼球19の上部にはまぶた26が取り付けてあり、まぶた26の最も簡易的な手段としては、眼球19を塗装した形態を有する。これにより上下回転用モーター23で眼球19を下方向に回動させることで、まぶた26が正面に来るため、あたかも目を閉じているような状態を容易に得ることができる。
【0096】
図2Aおよび図2Bの人工眼球10は、実際に模型である眼球19を動作させて所有者とのコミュニケーションを図る機能であるため、眼球19の機械的な動作や機構を保護するためにもアクリル製のカバー27がその前方に設けてあり、眼球19が外部の物体等に直接触れて破損するようなことを防いでいる。
【0097】
燃料電池3の発電状況に応じて、制御装置11からは、配線11aおよび配線11bを介して人工眼球10やスピーカー9への動作指示命令が出される。
例えば燃料電池3の発電能力が低下してきたような場合は、電圧計7の電圧が低下したり、電流計8の電流値が低下してくるため、この信号を受けることで制御装置11からは、人工眼球10に対して「空腹感」で「目が回りそうな」感覚を所有者に伝えるために、左右の眼球19を回転させ、スピーカー9からは空腹に伴い「おなかが鳴る」といったような擬音を発することで、その状況を伝えることができる。
【0098】
これを受けて所有者は燃料の補給が必要であることを察し、燃料カートリッジ15によって「食事」を与えるかのように燃料補給を行なうことができる。
燃料が補給されれば「満腹感」となるため、これに応じた反応を人工眼球10やスピーカー9より発して、所有者に意思伝達を行なうものである。
【0099】
また充電状況などをモニタリングする際にも、充電が不十分な状態ではまぶた26が閉じ気味になって眠そうな表情によって伝え、逆に充電が満たされているときにはまぶた26が全開して活発な表情を呈するなど、人工眼球10による表情形成とスピーカー9からの音声もしくは擬音、鳴き声などを通して所有者に状況伝達を行なうものである。
【0100】
前述したような人工眼球10の状態別の動作手法は、単なる一例であり、多様な伝達方法が考えられる。伝達方法が多岐に渡るほうが、所有者にはより自然な生命体として受け入れられ、同時に多様な世話を施す必要性が生じてくる。
【0101】
これにより所有者は従来のような機械的な操作や情報伝達に対する対処ではなく、充電器1が発する様子や表情から状況を判断し、その状況を解消するための「世話」を通して「癒し」の効果や「和み」を与え、ペットを携帯しているような感覚を与えることで、多忙な生活の中での精神的な安らぎとなるべくセラピー効果を発揮するものである。
【0102】
セラピー効果を発揮するためには、前述したような人工眼球10の多様な対応方法や表現方法を盛り込むことが必要であり、前記した内容はほんの一例に過ぎないことは言うまでもない。
【0103】
また充電器1は燃料電池3であるため、前述した式(1)のようにグルコースが完全に分解されれば、それは二酸化炭素(6CO)と発生した水素(24H)が酸化された水が生成物として残る。また式(2)で示した第1段階の反応であれば、グルコノラクトン(C10)を含有した水溶液が生成され、これが反応物として燃料電池3内に残ることになる。
【0104】
これらの反応物の燃料電池3内における残存量の増大につれて、燃料となるグルコースが少なくなるため、燃料電池3の効率を低下させる。このため反応が進行し、グルコースの濃度が低下した場合は燃料電池3内より排出(排水)する必要がある。
【0105】
この反応物の排出の点に関しても燃料電池3の発電能力を電圧計7や電流計8にて監視することで、その排水を制御装置11が促すことになる。グルコースの濃度を検出する手段を利用しても同じであるが、結果的には燃料電池3から出力される電流や電圧の変化を観察することになるため、電圧計7や電流計8での燃料電池3のモニタリングが有効となる。
【0106】
ここで前述してきたことと同様に、本実施の形態の充電器1はペット的な機能を有しているため、この排水処理(反応物の排出処理)に関しても人工眼球10の動作やスピーカー9からの音声、擬音信号によって所有者に意思伝達され、これを受けた所有者は、充電器1の底部にある排水口カバー6を開放し、あたかもペットに排尿を行なわせるかのような仕掛けで排水口5より排水を行なうものである。
【0107】
この点もペットの「世話をする」といった観点が組み入れられ、あえて所有者に手動での作業を行なわせる形態となっている。グルコースが完全に分解された式(1)での排出物は水であるため、排水にあたって環境への影響など何ら問題はない。またグルコースが分解される第1段階の反応である式(2)においても、排出されるものはグルコノラクトンを含有する溶液であり、グルコノラクトンは食品添加物にも認可され、医薬、化粧品などでも用いられている安全性の高いカルボン酸であり廃液の処理も問題とならない。
【0108】
例え屋外にてグルコノラクトンを含有する溶液を排水したとしても自然界が求めるエネルギー源であり、微生物などに容易に分解され水と二酸化炭素となるため環境保全上の問題とならない。廃液に関しても供給する燃料源と同様に大気圧での使用であり安全な物質であるため、排水口カバー6のゴムパッキン16等の密閉構造に関しては、既存のゴムパッキンと同様に液体が漏れ出さない構造であれば問題なく、特別な機構を必要とはしないことは明らかである。
【0109】
また前述した状況の表現方法はほんの一例に過ぎず、これらの観点で人工眼球10の動作とスピーカー9による多様な組み合わせを発現することは容易に考えられ、その発現手段が多いほど充電器1に対する愛玩動物的な感覚が得られるため、前述した内容は一例に過ぎないことは明らかである。発現手段に関しては人工眼球10とスピーカー9による作用であるが、その発現する内容や状況に関しては制御装置11にプログラム化されるものであり、前記したように多様な場面が想定され、これにより所有者に対して燃料電池3を活用しながらペット機能的な役割を有することを特徴とした充電器1である。
【0110】
また本実施の形態の充電器1は前述したように、所有者が常にペットを携帯する感覚を得るために、本体の素材に関してもエンジニアリングプラスチックのような無機質な材質ではなく、例えば木材、毛皮、皮革あるいは人工皮革といった自然で温もりを感じられるような素材が好ましい。特にグルコースを燃料とした燃料電池であるため、発電時の反応温度は低く体温以下となるため、これらの自然素材であっても問題とならない。
【0111】
本実施の形態1の充電器1は、各種の規制を受けることのない、取り扱いの容易なグルコースを燃料として、いかなる場所でも携帯電話2等のモバイル機器への充電が行なえるとともに、機械的に動作する人工眼球10によるコミュニケーションや、燃料電池3の燃料補給、排水処理作業などを通して、所有者に対してあたかもペットを携帯する感覚による安らぎや癒しの効果を与える。
【0112】
(実施の形態2)
図3Aおよび図3Bに本発明の第2実施の形態である充電器を示す。本実施の形態2の充電器は、所有者とのコミュニケーションツールとして動作する人工眼球の表示に関して、液晶や有機エレクトロルミネッセンス(以降、有機ELと記す)を利用したディスプレイを用いている点が、上述の実施の形態1と異なっている。したがって、上述の実施の形態1と共通する部分に関しては同一符号を付して説明を省略する。
【0113】
本実施の形態2の充電器1は前述の実施の形態1と同様に、充電器本体1aが小動物を連想させる形態を有し、携帯電話2に取り付けられて、充電器本体1aの内部に有する燃料電池3で携帯電話2を充電するとともに、充電器1の動作状況の伝達と所有者とのコミュニケーションを図るための眼球の役目を果たす眼球ディスプレイ28(イメージ伝達機構部)(ディスプレイ素子)を搭載している。眼球ディスプレイ28は液晶や有機ELを利用した表示装置であり、充電器1の表情を表す眼球表示を行なう。
【0114】
このような眼球ディスプレイ28による表示では、表示要素の追加はソフトウェア的に簡易に実現できるので、たとえば眼球やまぶたの他に、眉等の要素を追加して表情をより豊かにし、より複雑かつ多用な感情表現を実現してもよい。
【0115】
本実施の形態の充電器1の作用を説明する。
上述の実施の形態1と同様に、眼球ディスプレイ28は充電器1がセラピー機能を発揮するために小動物を模していることに呼応して、充電器1を小動物のように感じさせる役割を担うとともに、所有者とのコミュニケーションツールとして働くものである。
【0116】
ただし本実施の形態2の充電器1においては、液晶や有機ELディスプレイを利用していても、既存のLEDランプの点灯やランプの色の変化などで利用者にその動作状態を伝える機構とは異なり、眼球ディスプレイ28に小動物を模して動物の眼球を表示させ、あたかもそこに生きている眼球があるような表示機能として利用している。
【0117】
従って既存の表示とは異なり、上述の実施の形態1では機械的機構で得た人工眼球10と同様な小動物の感情表現や動作を、眼球ディスプレイ28上に表現して実現するものである。眼球ディスプレイ28の制御に関しては、充電器1の内部に設けられた制御装置11が行ない、表示作用そのものは既存のディスプレイと同様な画像処理技術にて実施することができる。
【0118】
眼球ディスプレイ28を構成する表示素子としては、消費電力の少ない液晶ディスプレイや有機ELディスプレイや表示状態を無電力で維持できる電子ペーパーなどが好ましく、両素子であれば多様な眼球表現が低電力で容易に行なえ、所有者とのコミュニケーションツールとして多様な情報交換を実現できる。
【0119】
この実施の形態2の充電器1は取り扱いが容易で各種の制約のないグルコースを燃料として、いかなる場所でも携帯電話2等のモバイル機器への充電が行なえるとともに、多様なコミュニケーション表現を行なうことができ、燃料電池3の燃料の補給処理や排水処理などの作業を通して所有者に対してあたかもペットを携帯する感覚による安らぎや癒しの効果を与えることができる。
【0120】
また、柔軟な情報表示が可能な眼球ディスプレイ28を用いて、小動物の、より多様で複雑な感情表現を実現することで、所有者とより高度なコミュニケーションを達成することができる。
【0121】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3である充電器の構成例を図4Aおよび図4Bに示す。本実施の形態3の充電器は、所有者とのコミュニケーションにおいて、装着対象の携帯電話等のモバイル機器が有する表示装置を利用する点が、上述の実施の形態1および実施の形態2と異なっている。
【0122】
本実施の形態3においても、上述の実施の形態1および実施の形態2までと共通する機構に関しては、同一符号を付して説明を省略する。
図4Aおよび図4Bに例示されるように、燃料電池3より携帯電話2に電力を充電する接続ケーブル13において、電力供給用の配線3aとは別に、携帯電話2と充電器1が搭載する制御装置11との間を接続する通信ケーブル29を備えている。
【0123】
なお、この実施の形態3では、コミュニケーションツールとして上述の実施の形態2と同様に眼球ディスプレイ28を備えた例を例示しているが、上述の実施の形態1に例示した人工眼球10を用いても良いことは言うまでもない。
【0124】
以下、本実施の形態3の充電器1の作用を説明する。
通信ケーブル29は、携帯電話2が有するディスプレイ2f等の表示装置との信号をやり取りするために設けられている。
【0125】
この実施の形態3の場合、充電器1の稼動状況などに応じて、眼球ディスプレイ28(あるいは人工眼球10)によって所有者とコミュニケーションをはかると共に、通信ケーブル29を介して携帯電話2のディスプレイ2fを制御して言語や鳴き声や画像等の表示などを行なうものである。
【0126】
充電器1の制御装置11からは、所有者への状況伝達として人工眼球10や眼球ディスプレイ28を制御して行なうが、これと同様に制御装置11から携帯電話2の本体に通信ケーブル29を介して信号を送ることで、携帯電話2が有する液晶などの表示部であるディスプレイ2fに、文字、メッセージ、絵などを送信して、より高度なコミュニケーション(小動物の複雑かつ多様な感情表現)を行なうものである。
【0127】
また、充電器1の装着対象の機器が携帯電話2であれば、ディスプレイ2fへの情報表示だけではなく、携帯電話2に備えられた着信を知らせる振動モータや通話用の送受話機能を作動させることで、音や振動を発することもできるため、これらの機能であっても有効である。
【0128】
このように、本実施の形態3の充電器1では、充電器1が有する機能に加え、装着対象のモバイル機器が有する表示機能や発音機能、振動発生機能といった仕組みを利用して、より高度で多様なコミュニケーションを図るものである。
【0129】
本実施の形態3の充電器1によれば、充電器1は取り扱いや入手の容易なグルコースを燃料として、いかなる場所でも携帯電話2等のモバイル機器への充電が行なえるとともに、携帯電話2等のモバイル機器の情報表示や音声機能、振動機能といったユーザーコミュニケーション機能を効果的に利用することで、充電器本体1aが模擬する小動物とユーザーとの間で、多様なコミュニケーション表現を行なうことができ、燃料電池3の燃料補給処理や、排水処理作業などを通して所有者に対してあたかもペットを携帯する感覚による安らぎや癒しの効果を与えることができる。
【0130】
(実施の形態4)
図5Aおよび図5Bは本発明の実施の形態4である充電器の構成例を示す。本実施の形態4では、モバイル機器として携帯電話以外の任意の機器への充電器の適用例を示すものであり、構成や機能に関しては前述した実施の形態までと同じである点に関しては、同一の番号を付して説明を省略する。
【0131】
すなわち、図5Aではモバイル機器として携帯型の音楽プレーヤー30に本実施の形態の充電器1を取り付けた例である。
音楽プレーヤー30は、音楽プレーヤー本体30a、ディスプレイ30b、操作キー30c、外部インタフェース30dを備えている。
【0132】
ディスプレイ30bは、曲名等を表示する液晶ディスプレイ等からなる。
操作キー30cは、選曲等の操作を行うために用いられる。
本実施の形態の充電器1は、クランプ足12によって音楽プレーヤー本体30aを挟持することで、音楽プレーヤー30に装着される。また、接続ケーブル13は、接続コネクタ14を介して、音楽プレーヤー30の外部インタフェース30dに接続されている。
【0133】
これにより、充電器1から音楽プレーヤー30に対して充電を行うとともに、眼球ディスプレイ28によって、充電器本体1aが模擬する小動物とユーザーとの間のコミュニケーション機能を実現する。
【0134】
この場合、音楽プレーヤー30のディスプレイ30bを併用して充電器1が情報表示を行うことで、小動物の多様な感情表現を実現し得ることは、上述の実施の形態3と同様である。
【0135】
図5Bはデジタルカメラに本実施の形態の充電器を取り付けた例を示す。
デジタルカメラ31は、カメラ本体31a、レンズ31b、フラッシュライト31c、レリーズ31d、三脚固定用ネジ32を備えている。
【0136】
レンズ31bは、画像撮影を行うための光学系である。フラッシュライト31cは、撮影時の補助照明を行う。レリーズ31d、差通い時のシャッタ動作を制御するボタンである。
【0137】
このデジタルカメラ31の場合は三脚を固定するネジを有するため、三脚固定用ネジ32を介して充電器1の充電器本体1aを固定することができる。
また、充電器1の接続ケーブル13および接続コネクタ14は、デジタルカメラ31の図示しない外部接続インタフェースに接続され、充電器1からデジタルカメラ31への充電や情報入力を行う。
【0138】
このように、本実施の形態4によれば、携帯電話2に限らず、携帯型の音楽プレーヤー30や、デジタルカメラ31等の多様なモバイル機器に充電器1を装着して用いることが可能となる。
【0139】
以上のように本実施の形態の充電器1は、各種のモバイル機器への充電を行なう燃料電池を備えた燃料電池式電源装置であり、携帯電話に限ったものではなく、上述した音楽プレーヤー30、デジタルカメラ31等の機器に加え、さらに、携帯型のゲーム機やノートパソコンなどに関しても同様に利用することが可能であることは言うまでもない。
【0140】
またユビキタス社会でのユビキタス電源としての機能に加え、常にモバイル機器を常備する多忙な人へのひと時の癒しや安らぎを与えるようなセラピー機能を持ち合わせた新規かつ有用な燃料電池式の充電器を提供できる。
【0141】
(実施の形態5)
この実施の形態5では、図6のフローチャートを参照して、上述の実施の形態1〜実施の形態4の各々における制御装置11による、燃料電池3の動作状態の基づく人工眼球10や眼球ディスプレイ28の制御方法の一例を示す。
【0142】
この図6のフローチャートに例示される制御は、たとえば、マイクロコンピュータからなる制御装置11が、制御装置11に備えられた図示しない制御プログラムを実行することによって実現される。
【0143】
なお、以下の説明では、簡単のため、たとえば、電圧計7および電流計8によって計測される燃料電池3の出力Pを二つの閾値A10および閾値A20(A10>A20)に基づいて、大/中/小の3段階で識別し、出力Pが「大」の場合(出力P>A10)には、燃料電池3の状態が良好と判断し、出力Pが中の場合(A10≧出力P≧A20)には、燃料電池3の状態が普通と判断し、出力Pが小の場合(A20>出力P)には、燃料電池3の状態が不良と判断するものとする。
【0144】
また、燃料電池3の出力Pが「大」の場合には、さらに、この「大」の出力範囲の値さらなる閾値A11(>A10)による判別から、燃料が満タンか否かを判別する。出力P>A11の場合に満タンと判別する。
【0145】
同様に、燃料電池3の出力が「小」の場合には、さらに、この「小」の出力範囲の値のさらなる閾値A21(<A20)、閾値A22(<A21)による判別から、燃料不足および排水の要否を判別するものとする。
【0146】
すなわち、A21>出力P≧A22の場合に燃料不足と判別し、A22>出力Pの場合に排水が必要と判別する。
まず、制御装置11は、所定の周期の計測タイミングになると(ステップ101)、電圧計7および電流計8の少なくとも一方から計測値を取り込み(ステップ102)、最初に燃料電池3の状態が良か否かを判別する(ステップ103)。
【0147】
そして、燃料電池3の状態が良と判定された場合には、人工眼球10や眼球ディスプレイ28を制御して、機嫌のいい顔を表示する(ステップ108)。
さらに、燃料電池3の出力が「大」の出力範囲の値を所定の閾値で判別して、燃料が充分か否かを判別し(ステップ109)、燃料が充分な場合(満タン)には、人工眼球10や眼球ディスプレイ28を操作して満腹の表情を表現させ(ステップ110)、ステップ101に戻る。
【0148】
一方、ステップ103で燃料電池3の状態が良でない、と判別された場合には、さらに、燃料電池3の状態が普通か否かを判別し(ステップ104)、状態が普通の場合には、人工眼球10または眼球ディスプレイ28を操作して普通の顔を表示させ(ステップ111)、ステップ101に戻る。
【0149】
さらに、ステップ104で燃料電池3の状態が普通でない(すなわち不良=出力「小」)と判定された場合には、制御装置11は人工眼球10または眼球ディスプレイ28等を操作して不機嫌な表情を表示する(ステップ105)。
【0150】
さらに、出力「小」の範囲の出力を所望の閾値で判別することで燃料不足か否かを判別し(ステップ106)、燃料不足の場合には、人工眼球10または眼球ディスプレイ28を操作して「空腹」の表情を実現する(ステップ112)。
【0151】
さらに、出力「小」の範囲の出力を所望の閾値で判別することで排水の要否を判別し(ステップ107)、排水が必要な場合には、人工眼球10または眼球ディスプレイ28等を操作して「排泄要求」の表情を実現し(ステップ113)、その後、ステップ101に戻る。
【0152】
なお、上述の閾値A11、閾値A10、閾値A20、閾値A21、閾値A22と、燃料電池3の動作状態との関係の設定例は、説明を分かりやすくするために単純化した一例であり、種々変更することが可能であることは言うまでもない。
【0153】
たとえば、燃料電池3の動作状態を知るパラメータとして、燃料の残量や排水の蓄積量自体を直接的に検出する方法でもよいことは言うまでもない。
以上説明したように、本発明の各実施の形態によれば、たとえば、燃料を自動的に供給するための複雑なシステム等を必要とすることなく、いかなる場所においてもモバイル機器への充電が行なえ、かつ機器を携帯する人への精神的な癒しや安らぎを与えることができる。
【0154】
すなわち、本発明の各実施の形態の燃料電池式電源装置としての充電器によれば、たとえば、燃料電池を利用した電子機器への充電器等として利用する場合に、電子機器への充電器の課題である生成水を効果的に利用し、かつ本来の充電機能だけではなく、所有者に、常に所有および携帯して世話を行なうことで精神的な安らぎや癒し、所有する喜びを与え、愛玩動物的なセラピー機能を付加した今までにない新たな充電器を実現することができる。
【0155】
(実施の形態6)
図7は、本発明の燃料電池式電源装置の実施の形態6である充電器1の構成を示す略断面図であり、図8は、その作用の一例を示すフローチャートである。
【0156】
この実施の形態6では、小動物を模した充電器1が外界の状況に応じて、作用な表情等の動作を、装着対象である携帯電話2の所有者に提示する機能を具備した例について説明する。
【0157】
すなわち、本実施の形態6の充電器1は、外界センサー40と、この外界センサー40の出力をデジタル化して制御装置11に入力するA/D変換器50を備えている点が、上述の実施の形態1と異なっており、他は同様である。
【0158】
この外界センサー40は、たとえば、触覚センサー41、温度センサー42、加速度センサー43、視覚センサー44、聴覚センサー45の少なくとも一つを備えている。簡単のため以下の説明では、外界センサー40として、触覚センサー41〜聴覚センサー45のいずれか一つを備えた場合を例示するがこれらの幾つか、または全てを具備してもよいことは言うまでもない。
【0159】
制御装置11には、さらに、外界センサー40からA/D変換器50を介して入力される触覚、温度、加速度、視覚(映像、画像)、聴覚(音)等の外界情報に基づいて、後述の図8のフローチャートに例示される制御論理により、小動物の表情(顔)を構成する眼球19の動きや、スピーカー9による小動物の鳴き声等を携帯電話2の所有者に提示する機能を備えている。
【0160】
(1)外界センサー40として触覚センサー41を搭載した時の例を以下に示す。
この場合、触覚センサー41は、充電器1が装着された携帯電話2を操作する所有者(ユーザー)の充電器1に対する接触等を検知する。
【0161】
触覚センサー41から圧力等のセンサー信号を検出すると、充電器1の小動物が、目を覚ます、楽しい、痛い、眠い、等の表情(顔)を表示する。
触覚センサー41としては、たとえば、安価なシルク印刷等で容易に製造することができる既存の静電容量式が好ましい。
【0162】
すなわち、触覚センサー41の具体例としては、たとえば、互いに向き合うシートにカーボンを印刷で形成し、互いのカーボンが接触しないように隙間(対向方向でもシートに対して水平方向でも良い)を形成するようなパターンで構成する。これにより対向するカーボンがコンデンサの役割をする。そのため指などで押さえつけて(掴んで)接触すると、互いのカーボン間の隙間が変化し、いわゆる静電容量(コンデンサに蓄えられる電気の量)が変化し、この静電容量の変化を触覚信号(触覚変化ΔS1)として触覚センサー41から取り出して制御装置11に入力することができる。
【0163】
(2)外界センサー40として温度センサー42を実装する場合。
この温度センサー42は、外界の状況として、充電器1が装着される携帯電話2のユーザーの体温や環境温度を検知する。
【0164】
温度センサー42の構成としては、たとえば、安価なサーミスタ(温度変化に対して電気抵抗変化の大きな材料)が好ましい。
温度センサー42の具体例としては、金属酸化物を混合して焼結した材料を利用する。温度上昇に応じて電気抵抗が下がる既存のNTC(negative temperature coefficient)サーミスタが良い。NTCサーミスタはニッケル、マンガン、コバルト、鉄などの酸化物を混合し焼結させて製造することができ、安価に作れる。環境の温度変化(温度変化ΔS2)を電気抵抗値の変化として検出できる。
【0165】
そのほかに温度上昇に応じて電気抵抗が上がるPTC(positive temperature coefficient)サーミスタ(ヒューズに使われる)を用いてもよい。その他、チタン酸バリウムを利用したセラミックPTC、低融点のポリマーに導電性の粉末であるカーボンやニッケルを混合したポリマーPTCなどもあり、いずれも温度変化(温度変化ΔS2)を電気抵抗の変化に置き換えられるため、利用できる。
【0166】
また、温度センサー42として、ユーザーの体温や人間の通常の生活環境の温度を測定範囲に含む熱電対を用いてもよい。たとえば、JIS規格では、種類の記号T(+脚が銅、−脚が銅およびニッケルを主とした合金で構成され、測定温度範囲が、−200℃から300℃)、種類の記号E(+脚がニッケルおよびクロム主とした合金、−脚が銅およびニッケルを主とした合金で構成され、測定温度範囲が、−200℃から700℃)、で特定される熱電対を用いることができる。
【0167】
(3)外界センサー40として加速度センサー43を搭載する例。
この加速度センサー43は、充電器1への衝撃や向きを検知する。
この加速度センサー43の具体例としては、小型化のために既存のMEMS(MEMS = Micro Electro Mechanical Systems 、半導体プロセスで製作する微細機械構造品)によるセンサーが考えられる。
【0168】
この場合の加速度センサー43の具体的な構造例としては、MEMS技術により微細な可動部と非可動部を、互いの部材間に隙間がある状態で形成すると、どちらもシリコンで作られているので、可動部の変位によって容量が変化するコンデンサを構成する。
【0169】
そのため加速度(衝撃)がかかると可動部が僅かに動作することで非可動部との隙間が変化し、いわゆる静電容量(コンデンサに蓄えられる電気の量)が変化し、この静電容量の変化を加速度変化ΔS3を示す信号として取り出すことができる。加速度センサー43は、直交する3軸の各々の加速度変化を検出するように3次元で配置することが望ましい。MEMSならば、3次元の各方向の加速度変化を検出する加速度センサー43を小型一体化して構成することが容易となる。
【0170】
(4)外界センサー40として視覚センサー44を搭載する場合。
この視覚センサー44は、たとえば、充電器1が装着される携帯電話2のユーザーの顔を認識する。
【0171】
視覚センサー44としては、実際の目と同様にユーザーの顔までを認識できるカメラタイプのものから、光の明暗のみを感知できる単純な光センサーや、超音波を利用して物体の距離のみを把握するセンサーでもよい。
【0172】
特に本実施の形態6の充電器1は携帯電話2に対する充電機能を有するため、充電器1自体の消費電力を抑制し、簡便、安価な機構で視覚センサー44を実現する上では、後者の光センサーや超音波センサーが好ましい。しかし技術の進展ともにカメラでの消費電力低減や制御システムの簡素化が図られれば、視覚センサー44として前者のカメラが利用できればより好ましいことは明らかである。
【0173】
視覚センサー44の具体的な構造例を示すと以下のようになる。前者ではデジタルカメラで代表されるように、レンズによる光学系を通して画像をCCDやCMOSなどの電荷変換素子でデジタル画像として取り込み利用する。画像をそのまま得られるので、ユーザーの顔や周辺環境を認識する高度な使い方が期待できる。
【0174】
後者は光の明暗や距離がわかるため、ユーザーが本機器に向かって使っているかどうかを判断することができ、ユーザーが利用中は機器の正面が暗部となり判断することができる。光センサーとしては市販のフォトダイオードやフォトトランジスタが利用できる。
【0175】
(5)外界センサー40として聴覚センサー45を搭載する場合。
この場合、聴覚センサー45は、充電器1が装着される携帯電話2のユーザーの声を認識する。
【0176】
この聴覚センサー45としては、音の圧力である音圧(聴覚変化ΔS5)を検出するマイクなどを利用する。ユーザーの声を認識し、声に反応するといった動作を実現することができる。
【0177】
(6)外界センサー40としてその他のセンサーを搭載する場合。
外界センサー40としては、上述した触覚センサー41〜聴覚センサー45の他に、たとえば、特に図示しないが、人間の五感と同様に嗅覚や味覚に相当する外界情報を検出する嗅覚センサーや味覚センサーを具備することもできる。
【0178】
嗅覚に関してはカンチレバーを利用して空気中の微量の有機物を検出するセンサーなどが開発されており、これらの機構を外界センサー40として実装することにより、ペットの犬が飼い主を判断するような機能を持たせることもできる。
【0179】
味覚に関しては、上述の各本実施の形態に例示されたグルコースタイプの燃料電池3の電極をそのまま利用することができ、充電器1を構成するペットとしての小動物の口内(燃料供給口4)に設けることで、グルコース燃料を投入したことを検出し、それを契機として小動物の顔に食べる喜びや満腹感を表現させることができる。
【0180】
また、グルコース燃料を用いる燃料電池3が充電器1(小動物)の内部にあるため、外部からの燃料の投入(給餌)は、燃料電池3自体の発電反応で判断ができるため、味覚センサーは必ずしも必要ではないが、装備されればより生命感のある機能を発現することができる。
【0181】
以下、本実施の形態6の作用の一例について、図8のフローチャートを参照して説明する。
まず、外界の状態Sに変化がない間は、小動物としての充電器1が人工眼球10を閉じたスリープ状態にある(ステップ201、ステップ202)。
【0182】
ここで、外界の状態Sの変化とは、一例として、以下のとおりである。
外界センサー40が触覚センサー41の場合、触覚センサー41で検出される状態Sの変化とは触覚、すなわち静電容量変化である。
【0183】
外界センサー40が温度センサー42の場合、状態Sの変化とは、温度センサー42で検出される温度、すなわち電気抵抗変化である。
外界センサー40が加速度センサー43の場合、状態Sの変化とは、加速度センサー43で検出される加速度、すなわち、静電容量変化である。
【0184】
外界センサー40が視覚センサー44の場合、状態Sとは、視覚センサー44で検出される視覚、すなわち、明暗変化、画像変化である。
外界センサー40が聴覚センサー45の場合、状態Sの変化とは、聴覚センサー45で検出される聴覚、すなわち音圧(静電容量)変化である。
【0185】
そして、ステップ202で外界センサー40によって状態Sの変化が検出されると、たとえば、人工眼球10を開いて目を覚ます(ステップ203)。
そして、状態Sの状態変化ΔS0をモニターする(ステップ204)。この場合、外界センサー40が、触覚センサー41、温度センサー42、加速度センサー43、視覚センサー44、聴覚センサー45の各々の場合、状態変化ΔS0は、それぞれ、触覚変化ΔS1、温度変化ΔS2、加速度変化ΔS3、視覚変化ΔS4、聴覚変化ΔS5に該当する。簡単のため、以下では、これらを状態変化ΔS0で総称する。
【0186】
そして、状態変化ΔS0が上限規定値TBを超過した場合(状態変化ΔS0>上限規定値TB)、すなわち、外界に大きな変化が検出された場合には、顔FAを表示してステップ204に戻る(ステップ210)。
【0187】
ここで、顔FAとは、触覚変化ΔS1の場合は「痛い」、温度変化ΔS2の場合は「暑い」、加速度変化ΔS3の場合は「怖い、驚き」、視覚変化ΔS4の場合は「不在認識(視界からユーザーが消えた場合など)」、聴覚変化ΔS5の場合は「驚き(騒音がうるさい)」、等の表情を意味する。
【0188】
一方、ステップ205で、状態変化ΔS0≦上限規定値TBの場合には、さらに、状態変化ΔS0<下限規定値TSか否かを判別し(ステップ206)、この条件が成立する場合には、顔FBを表示する(ステップ211)。
【0189】
ここで、この顔FBとは、状態変化ΔS0が触覚変化ΔS1の場合は「眠い」、状態変化ΔS0が温度変化ΔS2の場合は「寒い」、状態変化ΔS0が加速度変化ΔS3の場合は「つまらない、眠い(速度的な刺激が不足)」、状態変化ΔS0が視覚変化ΔS4の場合は「ユーザーの存在認識(視野からユーザーが消失しない)」、状態変化ΔS0が聴覚変化ΔS5の場合は「安静、眠い(静粛な環境)」、等を意味する。
【0190】
そして、このように顔FBを表示した後、状態変化ΔS0の絶対値の大小を判別し(ステップ212)、この絶対値が所定の閾値値TAよりも小さい場合(|ΔS0|≦TA)には、上述のステップ210に戻る。
【0191】
また、この状態変化ΔS0の絶対値が所定の閾値値TAを超過する場合には(|ΔS0|>TA)、「楽しい顔」を表示する(ステップ208)。
上述のステップ206で条件が不成立の場合には、状態変化ΔS0の絶対値が所定の閾値値TAよりも小さいか否かを判別し(ステップ207)、|ΔS0|≦TAの場合には、上述のステップ211に分岐する。
【0192】
また、ステップ207で|ΔS0|>TAと判定された場合には、「楽しい顔」を表示する(ステップ208)。
そして、上述の他の実施の形態で述べた燃料電池3の状態に応じた小動物としての充電器1の顔の表情を制御する処理(上述のステップ101からステップ113)を実行し(ステップ209)、ステップ204に戻る。
【0193】
このように、本実施の形態6によれば、携帯電話2に装着された充電器1としての小動物が、燃料電池3の状態のみならず、充電器1の設置環境の外界の変化に呼応して、人工眼球10等を利用した多様な表情を演出するので、より一層、実際の小動物の自然な仕種に近くなり、携帯電話2のユーザーに対する小動物としての充電器1の癒し効果は、一層大きくなる。
【0194】
この結果、充電器1を備えた携帯電話2等の被装着機器の操作性および利便性も向上する。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0195】
【図1A】本発明の燃料電池式電源装置の実施の形態1である充電器を折りたたみ式の携帯電話機に取り付けた状態の一例を示す側断面図である。
【図1B】本発明の燃料電池式電源装置の実施の形態1である充電器を折りたたみ式の携帯電話機に取り付けた状態の正面図である。
【図2A】本発明の燃料電池式電源装置の実施の形態1である充電器に備えられた人工眼球の構成例を示す正面図である。
【図2B】本発明の燃料電池式電源装置の実施の形態1である充電器に備えられた人工眼球の構成例を示す側面図である。
【図3A】本発明の燃料電池式電源装置の実施の形態2である充電器の構成例を示す側断面図である。
【図3B】本発明の燃料電池式電源装置の実施の形態2である充電器の構成例を示す正面図である。
【図4A】本発明の燃料電池式電源装置の実施の形態3である充電器の構成例を示す側断面図である。
【図4B】本発明の燃料電池式電源装置の実施の形態3である充電器の構成例を示す正面図である。
【図5A】本発明の燃料電池式電源装置の実施の形態4である充電器の音楽プレーヤーに対する取り付け例を示す正面図である。
【図5B】本発明の燃料電池式電源装置の実施の形態4である充電器のデジタルカメラに対する取り付け例を示す正面図である。
【図6】本発明の燃料電池式電源装置の各実施の形態の充電器の作用の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の燃料電池式電源装置の実施の形態6である充電器1の構成を示す略断面図である。
【図8】その作用の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0196】
1 充電器
1a 充電器本体
2 携帯電話
2a グリップ筐体
2b ディスプレイ筐体
2c ヒンジ部
2d 外部インタフェース
2e キーパッド
2f ディスプレイ
3 燃料電池
3a 配線
3b 配線
4 燃料供給口
5 排水口
6 排水口カバー
6a ヒンジ
7 電圧計
7a 配線
8 電流計
8a 配線
9 スピーカー
10 人工眼球
11 制御装置
11a 配線
11b 配線
12 クランプ足
13 接続ケーブル
14 接続コネクタ
15 燃料カートリッジ
16 ゴムパッキン
17 開閉バルブ
19 眼球
20 上下回転
21 左右回転
22 左右回転用モーター
23 上下回転用モーター
24 アーム
25 基台
26 まぶた
27 カバー
28 眼球ディスプレイ
29 通信ケーブル
30 音楽プレーヤー
30a 音楽プレーヤー本体
30b ディスプレイ
30c 操作キー
30d 外部インタフェース
31 デジタルカメラ
31a カメラ本体
31b レンズ
31c フラッシュライト
31d レリーズ
32 三脚固定用ネジ
40 外界センサー
41 触覚センサー
42 温度センサー
43 加速度センサー
44 視覚センサー
45 聴覚センサー
50 A/D変換器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池を用いて所望の電子装置に電力を供給する燃料電池式電源装置であって、
前記電子装置に取り付けられ、小動物のような形態を有する本体部と、
前記電子装置の所有者に対して、前記本体部が前記小動物であるかのように連想させるとともに前記本体部の動作状況を伝えるイメージ伝達機構部と、
前記電力を発生する燃料電池部と、
前記燃料電池部の動作状況を計測するセンサー部と、
前記燃料電池部の前記動作状況に応じて前記イメージ伝達機構部を制御する制御部と、
前記燃料電池部で発電した電力を前記電子装置に供給するための接続手段と、
前記燃料電池へ燃料を供給するための供給部と、
前記燃料電池で生成された廃液を排出するための排水部と、
を具備することを特徴とする燃料電池式電源装置。
【請求項2】
請求項1記載の燃料電池式電源装置において、
前記本体部内に有する前記燃料電池が、グルコースを前記燃料とした燃料電池であることを特徴とする燃料電池式電源装置。
【請求項3】
請求項1記載の燃料電池式電源装置において、
前記小動物のようなイメージを前記所有者に伝達する前記イメージ伝達機構部が、前記小動物の目玉のような動作をする機構で構成されることを特徴とする燃料電池式電源装置。
【請求項4】
請求項1記載の燃料電池式電源装置において、
前記小動物のようなイメージを前記所有者に伝達する前記イメージ伝達機構部が、前記小動物の表情を表示するディスプレイ素子であることを特徴とする燃料電池式電源装置。
【請求項5】
請求項1記載の燃料電池式電源装置において、
前記接続ケーブルに、前記前制御部から、前記電子装置が有する表示部を制御するための信号ケーブルを備えたことを特徴とする燃料電池式電源装置。
【請求項6】
請求項1記載の燃料電池式電源装置において、
前記小動物を連想させる前記本体部の素材が、毛皮,皮革,人工皮革,木材,軟質なゴム材を利用して構成されることを特徴とする燃料電池式電源装置。
【請求項7】
請求項1記載の燃料電池式電源装置において、
前記電子装置は、携帯型電子装置であり、前記燃料電池式電源装置は、前記携帯型電子装置に充電するための充電器として機能することを特徴とする燃料電池式電源装置。
【請求項8】
電子装置に電力を供給する燃料電池式電源装置の制御方法であって、
電力を発生する燃料電池の動作状況を検出するステップと、
前記動作状況を疑似小動物の動作に変換して前記電子装置の所有者に提示するステップと、
を含むことを特徴とする燃料電池式電源装置の制御方法。
【請求項9】
請求項8記載の燃料電池式電源装置の制御方法において、
前記疑似小動物の前記動作は、当該疑似小動物の表情および鳴き声の少なくとも一方からなることを特徴とする燃料電池式電源装置の制御方法。
【請求項10】
電子装置に電力を供給する燃料電池式電源装置の制御プログラムであって、
電力を発生する燃料電池の動作状況を検出するステップと、
前記動作状況を疑似小動物の動作に変換して前記電子装置の所有者に提示するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする燃料電池式電源装置の制御プログラム。
【請求項11】
請求項10記載の燃料電池式電源装置の制御プログラムにおいて、
前記疑似小動物の前記動作は、当該疑似小動物の表情および鳴き声の少なくとも一方からなることを特徴とする燃料電池式電源装置の制御プログラム。
【請求項12】
請求項1記載の燃料電池式電源装置において、
さらに、前記燃料電池式電源装置の設置環境の状態を検出する外界センサーを備え、
制御部は、前記外界センサーからの入力に応じて前記イメージ伝達機構部を制御する機能をさらに備えたことを特徴とする燃料電池式電源装置。
【請求項13】
請求項12記載の燃料電池式電源装置において、
前記外界センサーは、触覚センサー、温度センサー、加速度センサー、視覚センサー、聴覚センサー、の少なくとも一つからなることを特徴とする燃料電池式電源装置。
【請求項14】
請求項8記載の燃料電池式電源装置の制御方法において、
前記燃料電池式電源装置の外界の状況を検出するステップと、
前記外界の状況を前記小動物の動作に変換して前記電子装置の所有者に提示するステップと、
をさらに含むことを特徴とする燃料電池式電源装置の制御方法。
【請求項15】
請求項14記載の燃料電池式電源装置の制御方法において、
前記外界の状況は、触覚情報、温度情報、加速度情報、視覚情報、聴覚情報の少なくとも一つを含むことを特徴とする燃料電池式電源装置の制御方法。
【請求項16】
請求項10記載の燃料電池式電源装置の制御プログラムにおいて、
前記燃料電池式電源装置の外界の状況を検出するステップと、
前記外界の状況を前記小動物の動作に変換して前記電子装置の所有者に提示するステップと、
をさらに前記コンピュータに実行させることを特徴とする燃料電池式電源装置の制御プログラム。
【請求項17】
請求項16記載の燃料電池式電源装置の制御プログラムにおいて、
前記外界の状況は、触覚情報、温度情報、加速度情報、視覚情報、聴覚情報の少なくとも一つを含むことを特徴とする燃料電池式電源装置の制御プログラム。

【図6】
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【図8】
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【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−43699(P2009−43699A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−290428(P2007−290428)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】