説明

燐酸過剰血による病気を治療する薬物及びその製造方法

【解決課題】本発明は、燐酸過剰血による病気を治療する薬物及びその製造方法に関する。
【解決手段】本発明の薬物は、ポリスチロールスルホン酸ランタンを有効成分とし、それに各種の補助薬剤を添加した薬剤であって、胃腸内の薬物の投与を通して、消化器官において燐酸塩を溶解できない結合物に変換して、消化器官を通して排泄し、燐酸過剰血による病気を治療する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬品に関連し、特に燐酸過剰血による病気を治療する薬物及びその製造方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
燐酸過剰血による病気は腎臓の機能の衰弱、甲状腺の機能の低下及びいくつかの疾病の合併症を発症し、それはカルシウムと燐の新陳代謝の深刻な不調を引き起こす。現在、燐酸過剰血による病気には通常透析や、アルミニウム塩、カルシウム塩、炭酸のランタン水化物などを内服する方法などを通して治療されている。しかし、透析治療は人体への影響が大きく、その上燐酸塩の濃度を下げる効果もあまり認められない。アルミニウム塩、カルシウム塩を内服する場合は患者の腎臓、皮膚、内臓、脳と骨に影響を与えるので、臨床的には通常用量を制限している。炭酸のランタン水化物を内服する場合は炭酸のランタン水化物は胃液のpH値とほぼ同じ溶液に溶解して飲食に入っている燐酸塩を取り除くことが可能であるが、腸液等のpH値の大きい溶液に溶解しにくいので、炭酸ランタンを内服するだけでは十分に腸の中の燐酸塩を取り除くことができない。その他、米国の特許は患者の体内の燐酸基イオンを取り除くアミンの重合体が開示されている。それは胃腸内の燐酸塩を取り除くことができるが、その合成のコストが高いため、その製造のコストもそれに応じて高くなり、患者には比較的に重い経済負担を与える問題点がある。そのため、当該分野における技術者等は数年来、胃腸における各種のpH環境において薬物の効果が発揮できる薬物を提供するために、その製造コストを低くして、患者の経済的負担を減らすことに努力している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、燐酸過剰血による病気を治療する薬物及びその製造方法を提供することを目的とする。当該薬物はポリスチロールスルホン酸ランタンを有効成分とし、それに各種の補助薬剤を添加した薬剤であって、胃腸内の薬物の投与を通して、消化器において燐酸塩を不溶性の結合物に変換して、消化器を通して排泄し、燐酸過剰血による病気の治療目的を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記の目的を実現するために、燐酸過剰血による病気を治療するための有効な成分であるポリスチロールスルホン酸ランタンと各種の補助薬剤を添加した薬物を提供する。
【0005】
ポリスチロールスルホン酸ランタンの構造通式は以下の通り:
【0006】
【化1】



式中 nは整数である。
【0007】
上記のポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンの量は14−22%である。より好ましくは、上記のポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンの量は16−22%である。
【0008】
上記の燐酸過剰血による病気を治療する薬物は、その成分であるポリスチロールスルホン酸ランタンが胃腸内における薬物の投与を通じて燐酸過剰血による病気を治療する。
【0009】
上記の薬物の形態は散薬、カプセル、錠剤、乾懸濁剤、懸濁剤あるいは粒剤を例示することができる。
【0010】
上記の燐酸過剰血による病気を治療するための薬物の製造方法として、ポリスチロールスルフォン酸塩を取り、塩酸の酸化で処理してポリスチロールスルホン酸を得てから水溶性のランタン塩液に浸させ、あるいは洗浄して、pH値が中性になるまで水で洗浄して、未反応の余分なランタンイオンをきれいに洗浄して、ポリスチロールスルホン酸ランタンを取り出す。これを乾燥させて粉状に粉砕する。ポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンの量は14−22%である。ランタンの量が14−22%である粉状のポリスチロールスルホン酸ランタンを薬物の有効成分とし、規定量の補助薬剤と一緒に規定の製造方法によって胃腸器官用の薬剤を得る。上記のポリスチロールスルフォン酸塩を塩酸の酸化で処理してポリスチロールスルホン酸を得てから水溶性のランタン塩溶液に溶解させ、洗浄する場合の温度は0℃−60℃で行い、放置あるいは洗浄する時間は5−30時間の条件下で行われた。上記の方法で得られたポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンの量は14−22%である。
【0011】
上記の方法で得られたポリスチロールスルホン酸ランタンと補助薬剤で製造した薬剤は散薬、粒剤、カプセル、乾懸濁剤、懸濁剤あるいは錠剤である。上記の方法で使われた水溶性のランタン塩溶液は硝酸ランタン溶液、塩化ランタン溶液、硫酸ランタン溶液あるいは酢酸ランタン溶液などが挙げられる。
【0012】
研究者等は研究の経過中において、ポリスチロールスルホン酸ランタンが人体の胃、小腸、大腸などを含む消化器において燐酸塩を取り除くために有効であるということを発見した。消化器内の燐酸塩を減らすとともにポリスチロールスルホン酸ランタンのランタンイオンも消化液への放出量を減らし、故に消化器内における燐酸塩が増加し、ポリスチロールスルホン酸ランタンのランタンイオンが消化液への放出量も増え、そのためポリスチロールスルホン酸ランタンが臨床的に良好な意義を有するものと推察できる。
【0013】
いっそうの研究はポリスチロールスルホン酸ランタンが人体の胃、小腸及び大腸から燐酸塩を取り除く作用を有することを証明するために、次の実験をおこなった。
【0014】
基礎液体1:14g のNa2HPO4、8.5gの塩化ナトリウムを1000ミリリットルの蒸留水に溶解して、塩酸を使ってpH 値が3になるまで調整して、濾過して、燐酸塩の含有量を測定する。
【0015】
基礎液体2:14g のNa2HPO4、8.5gの塩化ナトリウムを1000ミリリットルの蒸留水に溶解して、塩酸を使ってpH 値が6.8になるまで調整して、濾過して、燐酸塩の含有量を測定する。
【0016】
基礎液体3:14g のNa2HPO4、8.5gの塩化ナトリウムを1000ミリリットルの蒸留水に溶解して、塩酸を使ってpH 値が7.8になるまで調整して、濾過して、燐酸塩の含有量を測定する。
【0017】
基礎液体1、基礎液体2、基礎液体3にそれぞれ定量のポリスチロールスルホン酸ランタンを入れ、ランタンと燐酸塩とのムーア割合は3:1とし、温度は37℃で攪拌し、所定の時間ごとに液体を取り、燐酸塩の量を測定し、除去された燐酸塩のパーセンテージを計算する。結果は以下の表に示す通り:

【0018】
この表からポリスチロールスルホン酸ランタンが人体の胃、小腸、大腸のpH値と近い溶液から燐酸塩を除去する効果がほぼ同じであることが分かる。
【0019】
さらに、本薬物の安全性を証明するために、ポリスチロールスルホン酸ランタンのランタンは消化器内の燐酸塩の減少によってポリスチロールスルホン酸ランタンのランタンイオンの放出量も減らす効果があること証明するために、次の実験を行った。
【0020】
ポリスチロールスルホン酸ランタンに、それぞれ一定量の燐酸塩を入れ、ランタンと燐酸塩とのムーア割合を1:0.2、1:0.1、1:0.05、1:0とし、それらを 塩化ナトリウムの濃度が0.85%で、pH値が6.8である溶液に、温度が37℃において、10分間攪拌して、溶液に入っているランタンの量を測定し、遊離していないポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンの含有量を計算して、それぞれ19%、43%、68%、91%となる。溶液中の燐酸塩を減らすに従って、ランタンは溶液中への放出量も減ることがこの実験から伺える。
【0021】
本薬物は炭酸ランタンと比較して燐酸塩を除去するのに差があることを証明するために、特に炭酸ランタンを人体の小腸、大腸のpH値に近い溶液で燐酸塩を除去する効果について次の通り実験を行った。
【0022】
0.5グラムの炭酸ランタンを2組に分けて取り、それぞれpH値を6.8と7.8とし、塩化ナトリウムの濃度が0.85%である100ミリリットルの溶液に入れて、それぞれに適量のNa2HPO4を入れ、温度は37℃で攪拌し、それぞれ10分、30分、40分、60分毎に濾過した液体を採取して、燐酸塩の量を測定し、除去された燐酸塩のパーセンテージを計算する。結果は以下の表に示す通りである。
【0023】

【0024】
以上の結果から炭酸ランタンが人体の小腸のpH値と近い溶液において除去された燐酸塩の量は少なく、大腸のpH値と近い溶液においては、ほとんど燐酸塩を取り除くことができないことが分かった。
【0025】
本発明で述べた製造方法で得られたポリスチロールスルホン酸ランタンのランタンの量は水溶性のランタン塩が定量の条件で、ポリスチロールのスルフォン酸塩は水溶性のランタン塩との反応した温度と時間に関係があり、時間が長ければ得られたポリスチロールスルホン酸ランタンの中のランタンも多くなり、これに反して短ければ少なくなり;温度は高ければ、得られたポリスチロールスルホン酸ランタンの中のランタンもそれに応じて多くなり、これに反しては低ければ少なくなる。以下の表に示した試験データがこの結果を証明している。
【0026】
実験1、2、3、4のポリスチロールスルフォン酸塩は硝酸のランタンとの重量比が1:2であり、本発明で述べた製造方法によって、異なった条件で得られたポリスチロールスルホン酸ランタンが得られる。
【0027】

【0028】
実験1、2、3、4のポリスチロールスルフォン酸塩は硝酸のランタンとの重量比が1:2であり、本発明で述べた製造方法によって、異なった条件で得られたポリスチロールスルホン酸ランタンが得られる。

【0029】
上記の表では0−60℃程度の温度でいずれでも良いが、温度が低ければ反応時間もそれに応じて長くなり、工業化の生産においては、普通30−50℃を採用するのが望ましい。
【0030】
本発明の薬物の効果実験は次の通り:
ポリスチロールスルホン酸ランタンが慢性腎臓の衰弱 (いわゆるCRF)高燐酸血症を治療できる作用があること証明するために、次の通り実験を行った。
【0031】
実験で用いた薬物:ポリスチロールスルホン酸ランタン、実験で用いた動物:Wistar系(雄)ラット、体重は180-220gで、全部で30匹、無作為にグループ分けした。(1)は10匹の正常参照グループ、引き続き飼料を食べさせ、2週間後毎日2ml/200gの量で水道水を胃に注入した;(2)10匹の偽薬グループ、0.2%腺プリンを2ml/200gの量で胃に注入した;(3)10匹の治療グループ、腺プリンを2週間にわたって胃に注入してから、毎日ポリスチロールスルホン酸ランタンを200mg/kgの量で胃に注入した。以上の動物は全部6週間にわたって物を胃に入れ、第6週目にラットから血を採取して、それぞれ血中の燐(P)を測定した。結果は以下の表に示す通り:

【0032】
偽薬グループと正常なグループとの3、6週間目比(P<0.05); 治療グループと偽薬グループとの3、6週間目比(P<0.05)。
【0033】
結論:ポリスチロールスルホン酸ランタンは高燐酸血症にかかっているラットの血中の燐を減らすことができる。
【0034】
上記のすべての試験結果は、ポリスチロールスルホン酸ランタンは胃、小腸、大腸内の燐酸塩を除去することができ、消化器内の燐酸塩を不溶性の結合物に形成させ、消化器に従って排泄して、それによって燐酸過剰血による病気を治療できることを証明している。さらに、ポリスチロールスルホン酸ランタンが人体内の燐酸塩の減少によってポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンイオンの放出量も減らし、ポリスチロールスルホン酸ランタンは人体内のポリスチロールスルホン酸を放出し、この物質は人体に吸収されないため、人体への副作用はきわめて低い。いかなるランタンを使わず血液に入っている燐酸塩と結び付けることができる実験に関して、すでに中国の特許96193918.4ファイルの中で公にして、いっそうポリスチロールスルホン酸ランタンは人体に対して毒性がないことを証明した。
【0035】
本発明はポリスチロールスルホン酸ランタンと各種の補助薬剤を使って本発明で述べた製造方法によって作った散薬、粒剤、カプセル、乾懸濁剤、懸濁剤あるいは錠剤の価格は比較的低くて、患者の胃腸における燐酸塩を取り除くことにおいては効果がほぼ同じ状況では、アミン重合体の製造コストより低くて収入の少ない患者には適用している。特に長期間に薬を飲まなければならない患者の経済的負担を軽減することができ、それによっていっそう多くの患者に副作用が低くく、しかも胃腸の中の燐酸塩を取り除くことができる薬物を服用することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明は燐酸過剰血による病気を治療する薬物に関して、薬物の有効な成分となるポリスチロールスルホン酸ランタンと各種の補助薬剤を添加して製造した胃腸器用の薬剤であり、ポリスチロールスルホン酸ランタンの構造式は以下の通り:
【0037】
【化2】



式中 nは整数である。
【0038】
その中でポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンの量は普通14−22%であり、勿論、14%より低いことも可能であり、14%より低い場合は用量を増やさなければならない。本発明の最も望ましいポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンの量は16−22%である。本発明における薬物の形状は散薬、粒剤、カプセル、乾懸濁剤、懸濁剤あるいは錠剤であり、ランタンの量を16%、17%、18%、19%、20%、21%あるいは22%のいずれかの量を含むポリスチロールスルホン酸ランタンの粉状物と補助薬剤にパルスイートを入れ、均等に混合することで散薬が得られる。また、特に補助薬剤を添加しなくても散薬を得ることができ、腸詰めに用いることもできる。あるいは規定量の補助薬剤にハイドロキシプロピルメチルセルロースを添加して、均等的に混合することで乾懸濁剤を得ることができる。あるいは規定量の補助薬剤にメチルセルロースと水を加えて、均等に混合することで懸濁剤を得ることができる。さらに、規定量の補助薬剤とカプセルの補助薬剤あるいは錠剤の補助薬剤を通常の製造方法によってカプセルあるいは錠剤を製造することができる。本発明で述べた補助薬剤は医薬の分野で使われた薬物のいずれでも良くて、特に、限定されるものではない。
【0039】
本発明で述べたポリスチロールスルホン酸ランタンを含有する薬物は、薬物の胃腸投与を通じて、燐酸過剰血による病気によって引き起こしたいずれの病状をも治療することができる。本発明で実施された試験はポリスチロールスルホン酸ランタンが薬物の胃腸投与を通じて燐酸過剰血による病気に対していずれの薬物をも応用することが証明される。成人が服用する場合は薬物の日用量はポリスチロールスルホン酸ランタンの重量として3−10gにするのが適当で、児童あるいは特殊な体質の患者には医師の指示に従って服用することが望ましい。
【0040】
上記の燐酸過剰血による病気を治療できる薬物を製造する方法として、ポリスチロールスルフォン酸塩を取り、塩酸の酸化で処理してポリスチロールスルホン酸を得てから水溶性のランタン塩溶液に浸させ、あるいは洗浄して、pH値が中性になるまで水で洗い、置換していない余分なランタンイオンをきれいに洗い、ポリスチロールスルホン酸ランタンを取り出し、乾燥させ、粉状に粉砕して、ポリスチロールスルホン酸ランタン中でランタンの量は14−22%で、ランタンの重量を14−22%にする粉状のポリスチロールスルホン酸ランタンを薬用の有効な成分とし、規定量の補助薬剤と一緒に規定の製造方法によって薬剤を製造する。例えば、ポリスチロールスルフォン酸塩はポリスチロールスルホン酸ナトリウムあるいはポリスチロールスルホン酸カルシウム、ポリスチロールスルホン酸カリウム、ポリスチロールスルホン酸マグネシウムなどの塩基類を例示することができ、製造のコストを考慮する場合、ポリスチロールスルホン酸ナトリウムあるいはポリスチロールスルホン酸カルシウムを使用するのが好ましい。水溶性のランタン塩溶液は硝酸ランタン溶液、塩化ランタン溶液、硫酸ランタン溶液あるいは酢酸ランタン溶液などが挙げられる。上記のポリスチロールスルフォン酸塩は塩酸の酸化処理で、ポリスチロールスルホン酸を得てから水溶性のランタン液体に溶けて液体に浸す、あるいは洗浄する。温度は0℃−60℃で、20℃−50℃が最適とし、放置するあるいは洗浄する時間は4−35時間で、8−20時間が最適であり、無論放置するあるいは洗浄する時間は水溶性のランタン液体の濃度と関係があり、その濃度の濃さによって放置するあるいは洗浄する時間を調整することができる。すなわち、反応を完全に達成できるまで精製薬物を製造するために、ポリスチロールスルフォン酸塩を液体に浸して水で洗浄してからアルコール液体に浸してポリスチロールスルフォン酸塩に入っている不純物を取り除く。勿論、この工程はポリスチロールスルホン酸のランタンを得てから行うこともできるが、生産に不利なことをもたらす恐れがある。上記の水溶性のランタン液体の濃度においては必要によって変えることができ、濃度の濃さによって放置するか、あるいは洗浄する時間を調整することもできる。上記の方法で得られたポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンの重量は14−22%にすることができ、16%−22%が最適である。上記の製造方法で使用する水は蒸留水を用いることが望ましい。
【0041】
本発明で述べたポリスチロールスルホン酸塩基類の正式名称はポリスチロールスルホン酸塩基類の陽イオン交換樹脂である。
次に具体的な例を挙げて製造方法を説明する:
1、ポリスチロールスルホン酸ナトリウムを100グラム取り、塩酸の酸化で処理してポリスチロールスルホン酸を得てから、400ミリリットルの濃度が50%の硝酸ランタン溶液に浸漬して、温度を50℃にしたまま8時間放置して、pH値が中性になるまで水で洗浄し、置換していない余分なランタンイオンをきれいに洗浄して、ポリスチロールスルホン酸ランタンを取り出し、乾燥させ、粉状に粉砕する。得られたポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンの重量は16%である。ポリスチロールスルホン酸ランタンの粉状物を使い、補助薬剤と一緒に規定の使用量及び規定の処方によって薬剤を製造する。
【0042】
2、ポリスチロールスルホン酸カルシウムを100グラム取り、塩酸の酸化で処理してポリスチロールスルホン酸を得てから、500ミリリットルの濃度が40%である硝酸ランタン溶液に浸漬して、温度を20℃にしたまま20時間放置し、pH値は中性になるまで水で洗浄し、置換していない余分なランタンイオンをきれいに洗いきり、ポリスチロールスルホン酸ランタンを取り出して、乾燥させ、粉状に粉砕して、得られたポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンの重量は14%である。ポリスチロールスルホン酸ランタンの粉状物を使い、補助薬剤と一緒に通常の使用量及び通常の処方によって薬剤を製造する。
【0043】
3、ポリスチロールスルホン酸ナトリウムを100グラム取り、塩酸の酸化で処理してポリスチロールスルホン酸を得てから、湿法で柱を詰め、柱の温度を60℃に維持して、400ミリリットルの濃度が50%である塩化ランタン溶液に4時間洗い落とし、2回あるいは3回洗い落とすこともでき、pH値は中性になるまで水で洗い、置換していない余分なランタンイオンをきれいに洗いきり、ポリスチロールスルホン酸ランタンを取り出し、乾燥させ粉砕して、ポリスチロールスルホン酸ランタンの粉状物を取り出し、ポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンの重量は19%である。ポリスチロールスルホン酸ランタンの粉状物を使い、補助薬剤と一緒に通常の使用量及び通常の処方によって薬剤を製造する。
【0044】
4、ポリスチロールスルホン酸ナトリウムを100グラム取り、蒸留水で液体に浸してから液体が清浄な状態になるまで洗い、アルコール液体に浸して不純物を取り除き、塩酸の酸化で処理してポリスチロールスルホン酸を得てから、400ミリリットルの濃度が50%である硝酸ランタン溶液に浸漬して、温度を30℃にしたまま8時間放置して、蒸留水でpH値が中性になるまで洗い、置換していない余分なランタンイオンをきれいに洗い、ポリスチロールスルホン酸ランタンを取り出し、乾燥させてから粉砕して、ポリスチロールスルホン酸ランタンの粉状物を取り出す。ランタンの重さは16%であり、1%のパルスイートを入れ、均等的に混じることで散薬ができ、あるいはまばらシロップを粘着剤として粒子を作り、粒剤ができ、あるいは2.5%のハイドロキシプロピルメチルセルロースを入れ、均等に混合することで乾懸濁剤が得られ、あるいは乾懸濁剤に水をかけて懸濁剤が得られる。また、規定量を通常の方法に従ってカプセルあるいは錠剤を得ることができる。
【0045】
5、ポリスチロールスルホン酸ナトリウムを100グラム取り、蒸留水で液体に浸して、蒸留水で液体が清浄な状態になるまで洗い、アルコール液体に浸して不純物を取り除き、塩酸の酸化処理でポリスチロールスルホン酸を処理してから、湿法で柱を詰め、柱の温度を50℃に維持して、400ミリリットルの濃度が50%である塩化ランタン溶液で洗浄し、1回、2回あるいは3回洗い落とすことができ、毎回洗い落とす時間を16時間とすることができ、洗浄してから蒸留水でpH値は中性になるまで洗い、置換していない余分なランタンイオンをきれいに洗い、ポリスチロールスルホン酸ランタンを取り出し、乾燥させてから粉砕する。得られた粉状物のポリスチロールスルホン酸ランタンのランタンの重量は22%で、それには5%の澱粉のりを入れ、乾燥させると錠剤が得られる。
【0046】
6、ポリスチロールスルホン酸カルシウムを100グラム取り、蒸留水で液体に浸して、蒸留水で液体が清浄な状態になるまで洗い、アルコール溶液に浸して不純物を取り除き、塩酸の酸化処理でポリスチロールスルホン酸を処理してから、500ミリリットルの濃度が40%である硫酸ランタン溶液に浸漬し、温度を20℃にしたまま8時間放置して、蒸留水でpH値が中性になるまで洗い、置換していない余分なランタンイオンをきれいに洗い、ポリスチロールスルホン酸ランタンを取り出して、80℃以下の温度で乾燥させ粉砕して、得られたポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンの重量は14%で、このポリスチロールスルホン酸ランタンの粉状物を使い、更に補助薬剤と一緒に通常の使用量及び通常の処方によって薬剤を製造した。
【0047】
7、ポリスチロールスルホン酸マグネシウムを100グラム取り、蒸留水で液体に浸して、蒸留水で液体が清浄な状態になるまで洗浄し、アルコール溶液に8時間以上浸漬して不純物を除去し、塩酸の酸化処理でポリスチロールスルホン酸を処理してから、600ミリリットルの濃度が30%である硫酸ランタン溶液に3回分け浸漬して、温度を35℃に保温したまま8時間放置して、前2回は蒸留水でpH値が中性になるまで洗浄し、最後に蒸留水で置換していない余分なランタンイオンをきれいに洗い、ポリスチロールスルホン酸ランタンを取り出して、乾燥させ粉砕した。得られたポリスチロールスルホン酸ランタンの粉状物でポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンの重量は18%で、このポリスチロールスルホン酸ランタンの粉状物を使い、更に補助薬剤と一緒に規定の使用量及び規定の処方によって薬剤を製造した。
【0048】
8、ポリスチロールスルホン酸カリウムを100グラム取り、蒸留水で液体に浸して、蒸留水で液体が清浄な状態になるまで洗浄し、アルコール溶液に8時間以上浸して不純物を状去し、塩酸の酸化処理でポリスチロールスルホン酸を処理してから、400ミリリットルの濃度が50%の硫酸ランタンを2回に分けて溶液に浸して、温度を20℃に保温したまま16時間放置して、一回目はpH値が中性になるまで洗浄し、二回目は蒸留水で置換していない余分なランタンイオンをきれいに洗い、ポリスチロールスルホン酸ランタンを取り出して、乾燥させ粉砕した。得られたポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンの重量は20%で、このポリスチロールスルホン酸ランタンの粉状物を使い、補助薬剤と一緒に規定の使用量及び規定の処方によって薬剤を製造した。
【0049】
本発明の述べたポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンの重量は14−22%で、ポリスチロールスルホン酸ランタンの重量を100と単位する。
【0050】
本研究ではランタンの重量のさらなる記述は以下の通り:ポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンの重量はポリスチロールスルホン酸母体の重さに占めるパーセンテージであり、母体にはランタンの重量が入っていないとする。例1:前で述べたポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンの重量は14−22%で、そのさらなる記述は以下の通り:ポリスチロールのスルホン酸ランタン中のランタンの重量はポリスチロールスルホン酸の母体の14−22%を占めている。順次に類推して、本発明におけるあらゆるポリスチロールスルホン酸ランタン中のランタンの重量の記載が全部上記の例1のように述べることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燐酸過剰血による病気を治療するための有効成分となるポリスチロ
―ルスルホン酸ランタンと各種の補助薬剤を含むことを特徴とする製剤。
ポリスチロールスルホン酸ランタン構造式は以下の通り:
【化1】


式中 nは整数である。
【請求項2】
ポリスチロールスルホン酸ランタンの中でランタンの量は14−22%であることを特徴とする請求項1に記載の燐酸過剰血による病気を治療するための薬剤。
【請求項3】
ポリスチロールスルホン酸ランタンの中でランタンの量は16−22%であることを特徴とする請求項2に記載の燐酸過剰血による病気を治療するための薬剤。
【請求項4】
ポリスチロールスルホン酸ランタンは胃腸内における薬物の投与を通して燐酸過剰血による病気を治療する薬物の応用を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燐酸過剰血による病気を治療するための薬剤。
【請求項5】
薬剤の形状が散薬、カプセル、錠剤、乾懸濁剤、懸濁剤あるいは粒剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燐酸過剰血による病気を治療するための薬剤。
【請求項6】
ポリスチロールスルフォン酸塩を取り、塩酸の酸化で処理してポリスチロールスルホン酸を得てから水溶性のランタン塩液体に溶けて液体に浸させあるいは洗い落とさせ、PH値は中性になるまで水で洗い、交換していない余分なランタンイオンをきれいに洗いきり、ポリスチロールスルホン酸ランタンを取り出して、乾燥させ粉状に粉砕して、ポリスチロールスルホン酸ランタンの中でランタンの量は14−22%で、ランタンの量を14−22%とする粉状のポリスチロールスルホン酸ランタンが薬用の有効成分とし、補助薬剤と一緒に常規の使用量及び常規の処方によって薬剤を製造することを特徴とする請求項1〜2に記載の燐酸過剰血による病気を治療するための薬剤の製造方法。
【請求項7】
ポリスチロールスルフォン酸塩を塩酸の酸化で処理してポリスチロールスルホン酸を得てから水溶は性のランタン塩溶液に溶けて液体に浸すあるいは洗い落とすことは0℃−60℃の温度で、放置するあるいは洗い落とす時間は5−30時間の下で行われたことを特徴とする請求項6に記載の燐酸過剰血による病気を治療するための薬剤の製造方法。
【請求項8】
ポリスチロールスルホン酸ランタンと補助薬剤によって製造した薬剤が散薬、粒剤、カプセル、乾懸濁剤、懸濁剤あるいは錠剤であることを特徴とする請求項6〜7に記載した燐酸過剰血による病気を治療するための薬剤の製造方法。
【請求項9】
水溶性のランタン塩溶液は硝酸ランタン溶液、塩化ランタンの溶液、硫酸ランタン溶液あるいは酢酸ランタンの溶液であることを特徴とする請求項6〜7に記載の燐酸過剰血による病気を治療するための薬剤の製造方法。

【公表番号】特表2009−526086(P2009−526086A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554575(P2008−554575)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【国際出願番号】PCT/CN2006/001463
【国際公開番号】WO2007/109929
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(508244441)
【出願人】(508244452)
【出願人】(508244463)
【Fターム(参考)】