説明

物体を搬送するための装置

装置が、プラスチックの投与量Dを圧縮成形することにより得られる物体8を成形ユニット5の成形手段7から搬送するための搬送手段9と、当該搬送手段9を回転可能に支持する支持手段2と、を備える。搬送手段9と成形手段7との間の衝突及び/または損傷を避けるべく、装置が、支持手段2に接続され、少なくとも成形ユニット5に相対的に近い第一作動位置Aと第二作動位置Bとの間で搬送手段9を移動させるように構成された移動手段3と、を備える。第一作動位置Aにおいては、搬送手段9は、物体8を搬送するために成形手段7と相互に作用し、第二作動位置Bにおいては、搬送手段9は、成形手段7と相互に作用しないように成形ユニット5から間隔を空けている。第一作動位置Aから第二作動位置Bへの搬送手段9の移動は、第一作動位置Aにおける成形ユニット5の回転運動の接線成分と同じ方向を向いた少なくとも1つの成分を有している。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、特にプラスチックの投与量を圧縮成形することにより得られる物体−例えばカプセル−を成形ユニットから搬送すると共に、当該プラスチックの投与量を押出機から成形ユニットに搬送するための装置に関する。
【0002】
カプセルを得るためにプラスチックの投与量を圧縮成形するための機械が既知である。前記機械は、複数の型を支持する回転する成形カルーセルを備え、各々の型には、ダイとパンチとが設けられている。回転中に、各々のダイは、ペースト状態でのプラスチックの投与量を受容する。当該投与量は、外周の円弧に沿って成形カルーセルにより進行させられるダイが各々のパンチと協働することにより圧縮される。各投与量は、押出装置乃至プラスチックで加工する装置から連続的に押出されるプラスチックの一部を切断することにより得られる。
【0003】
一旦各カプセルが成形されると、ダイ及びパンチは、カプセルが搬送装置から取出され得るように、互いから離れる。
【0004】
既知の搬送装置は、成形カルーセルにより成形されたカプセルを取出して、当該成形カルーセル内で成形されるための(成形される予定の)プラスチックの投与物を投入する第一搬送カルーセルと、第一搬送カルーセルからカプセルを受容して、当該カプセルを例えばコンベアベルトのような排出装置上に搬送する第二搬送カルーセルと、を備えている。第一搬送カルーセル及び第二搬送カルーセルは、半円状のシートが周囲に設けられた円盤状の支持部をそれぞれ有している。各半円状のシートは、各々のカプセルを受容するのに適している。第一及び第二搬送カルーセルの側方に配置され、カプセルが成形カルーセルからコンベアベルトに進行させられる間にカプセルを案内するガイドが設けられている。コンベアベルトの上面は、第二搬送カルーセルにより運搬されるカプセルが進行する平面よりも低い高さで配置されている。これは、第二搬送カルーセルの回転がカプセルに及ぼす遠心作用の効果の下で、第二搬送カルーセルからコンベアベルトへのカプセルの搬送を促進するために必要不可欠である。
【0005】
特に、作動中に、一旦カプセルが成形されると、カプセルの内部のネジ状筋のようなアンダーカットのために各々のパンチにくっついた状態で残り、続いて、第一搬送カルーセルの各々の半円状のシート内に収容されるようにパンチから取出される。第一搬送カルーセルの回転中に、カプセルは、第一搬送カルーセルと第二搬送カルーセルとの交換位置に到達するまで、第二搬送カルーセルに近づく。交換位置において、カプセルは、第一搬送カルーセル及び第二搬送カルーセルと部分的に相互に作用する。カプセルは、第一搬送カルーセルにより与えられた遠心力の作用によって第一搬送カルーセルから分離して、第二搬送カルーセルの各々の半円状のシート内に位置決めされる。
【0006】
続いて、カプセルは、コンベアベルトに引き渡されるまで第二搬送カルーセルにより進行させられる。
【0007】
第一搬送カルーセルの半円状のシートは、環状の軌道に沿って進行する。当該環状の軌道は、取出領域において、成形カルーセルの型が沿って動く別の環状の軌道に実質的に接している。
【0008】
機械の作動中に問題がある場合、第一搬送カルーセルは、成形カルーセルから離れるように外周の円弧に沿って移動される。
【0009】
例えば、型が閉鎖位置で詰まらせられている、または開放工程中に十分な態様で互いに離れていない場合、第一搬送カルーセルが成形カルーセルから離れられていない場合、成形カルーセルから第一搬送カルーセルへのカプセルの搬送がなされる取出領域においてダイが第一搬送カルーセルに衝突してしまう。
【0010】
ある程度のスピードで回転するこれらの構成要素の間の衝突は、機械に甚大な損害を与え、損傷された部品を修復するべく機械の停止を引き起こすことは明らかである。そのような機械の停止は、その機械の生産性を著しく低下させるため、かなりの費用がかかる。
【0011】
このように、作動中にダイが結果として起こる被害を伴って第一搬送カルーセルに衝突することが防止されなければならない。
【0012】
既知の装置では、成形カルーセルで例えば前述されたもののうちの1つのような問題が検知される場合、第一搬送カルーセルが環状の軌道に沿って成形カルーセルから離れることが提供される。カプセルが成形カルーセルから取出される取出領域付近で型が移動するのに伴う接線成分と反対の接線成分を有する移動をしながら、第一搬送カルーセルが離れる。
【発明の概要】
【0013】
しかしながら、このような態様では、カプセル取出領域にまさに接近する型と第一搬送カルーセルとの距離が減少される。すなわち、第一搬送カルーセルがその型に近づき、機能不具合を探知する時間と機能不具合のある型が取出領域に到達する瞬間との間からなる時間間隔を短くさせている。このように、互いに反対の成分を有するそのような運動により、衝突を避けるために利用できる時間が減少されている。従って、型と第一搬送カルーセルとの間の衝突を避けることを成し遂げられない可能性がある。
【0014】
既知の装置の欠点は、成形カルーセルの機能不具合の場合に、成形カルーセルと搬送装置との間の好ましくない衝突を避けるために介入することが困難なことである。これは、そのような機械が制限された回転速度を有することを意味する。実際、取出領域において成形カルーセルの型と第一カルーセルのシートとの間の衝突を避けるべく、カルーセルの長い制動距離を提供して結果的に当該カルーセルの回転速度を低下させることが必要不可欠である。
【0015】
衝突した場合には、特に1人または複数人の作業者の介入が、機能不具合を引き起こした構成要素を再び作動可能にさせるために要求される、及び/または、損傷された構成要素を修復するために要求される場合に、機械の損傷された部品が甚大な被害も受け得り、それゆえに非常に長い機械停止が起こり得る。そのような機械停止は、既知の装置の生産性を著しく低下させる。
【0016】
別の欠点は、そのような装置は、高い維持及び管理費を要することである。実際、非常に長い復帰時間により、再び作動するために機械を整備しなければならない作業者に対する高い労務費と、取換えられる部品の費用と、がかかる。
【0017】
本発明の目的は、物体を搬送するための装置を改良することである。
【0018】
本発明の他の目的は、成形カルーセルの型と搬送装置との間の衝撃及び衝突のリスクを顕著に低下させ、物体、特にはカプセルを搬送することが可能な装置を得ることである。
【0019】
本発明によれば、請求項1に規定された装置が提供される。
【0020】
本発明は、それに制限されない例として実施の形態を示している添付の図面を参照してよりよく理解され補足され得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】成形ユニット及び搬送カルーセルの概略部分平面図である。
【図2】本発明による装置の部分側面図である。
【図3】第一作動位置における図2の装置の概略平面図である。
【図4】第二作動位置における図2の装置の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1を参照すると、物体8を得るためにプラスチックの投与量Dを圧縮成形するための成形装置に備えられた成形ユニット5が概略的に示されている。
【0023】
図1には、物体8を搬送して投与量Dを運搬するための搬送カルーセル9が更に示されている。特に、後により詳細に説明されるように、搬送カルーセル9は、成形された物体8を成形ユニット5から取出させることができると共に、投与量Dを成形ユニット5に運搬するために押出機(不図示)の開口から排出させることができる。
【0024】
投与量Dは、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリスチレン(PS)、ポリ乳酸(PLA)等の、種々のタイプのプラスチックからなり得る。
【0025】
成形ユニット5は、図1、3及び4内に矢印により示されている回転方向R2に従って、実質的に鉛直な第一回転軸Kのまわりを回転可能な成形カルーセル7を有している。成形カルーセル7は、図1に概略的に示されている複数の型17を支持しており、各々の型17は、ダイすなわち下型部(雌型部)と、パンチすなわち雄型部と、を備えている。各々のダイ8は、形状において実質的に円筒状である空洞を有している。空洞は、成形工程中に、予めダイの空洞に受容された投与量Dを圧縮成形するために、各々のパンチと相互に作用するのに適している。代替的に、ダイは例えば円錐形状を有する空洞のような円筒形状とは異なる形状を有する空洞を有してもよい。
【0026】
搬送カルーセル9は、圧縮成形された物体8を成形カルーセル7からコンベアベルト13に搬送するために配置されている。物体8は、コンベアベルト13に置かれ、機械の排出領域に運搬される。
【0027】
搬送カルーセル9は、図1内に矢印により示されている回転方向R1に従って、実質的に鉛直な第二回転軸Jのまわりを回転可能である。図示されている実施の形態では、回転方向R2は、別の回転方向R1と実質的に反対である。
【0028】
搬送カルーセル9は、ループ経路P1に沿って実質的に連続的な態様で可動な複数の搬送アーム12を支持している。
【0029】
ループ経路P1は、型17が沿って移動する循環経路P2より低い高さである。閉鎖ループ経路P1が循環経路P2に重ね合わされる部分T1、または、当該循環経路P2に接する部分T1、または、当該循環経路P2から最小距離にある部分T1を規定することが可能である。各搬送アーム12が部分T1に沿って移動させられる間にパンチの下方にあるように、搬送アーム12が型17と実質的に同じ速度で部分T1に沿って移動させられることが可能である。
【0030】
部分T1において各搬送アーム12が成形された物体8を搬送するべくそれぞれの型17付近に配置されるように、2つの連続する搬送アーム12との間の角度距離は、2つの連続する型17との間の角度距離と実質的に等しくなり得ることに留意されるべきである。
【0031】
各搬送アーム12は、自身の端部で把持要素16を支持する長尺状の本体部14を有している。把持要素16は、例えば半円状のシート要素であり、例えばU字状またはC字状のシート要素である。
【0032】
把持要素16は、圧縮成形された物体8を受容するために配置された実質的に凹形の壁を有している。
【0033】
図2を参照すると、プラスチックの投与量Dを圧縮成形するための成形機械に結合される装置1が、より詳細に示されている。
【0034】
装置1は、第二回転軸Jの周りを回転し、支持手段2によって回転可能に支持された搬送カルーセル9を備えている。特に、支持手段2は、支持要素18とスライド19とを有している。
【0035】
支持要素18は、円筒状のように任意に形成されて、搬送カルーセル9を回転可能に支持するべく、第二回転軸Jに沿って延び得る。支持要素18は、スライド19に取付けられており、スライド19は、実質的に水平であり、移動方向Cに沿って可動である。
【0036】
すなわち、スライド19が支持要素18を支持しており、支持要素18が今度は搬送カルーセル9を回転可能に支持している。そして、スライド19は、搬送カルーセル9が移動方向Cに沿って直線的に移動させられることを可能にする。図2に示されている実施の形態では、支持手段2は、片持ちの態様で搬送カルーセル9を支持している。
【0037】
スライド19は、実質的に移動方向Cに沿って任意に延びるガイド3に沿ってスライドすることができる。図示された実施の形態では、ガイド3は、互いに対して間隔を空けて配置された互いに平行な2つのガイドである。
【0038】
スライド19は、例えば空圧作動装置のようなアクチュエータ4により駆動される。アクチュエータ4は、シリンダ20を有しており、シリンダ20の内部では、例えば圧縮空気やオイルのような作動流体によって駆動されるステム(円棒)10が、スライドすることができる。図2に、第一開口21及び第二開口22が示されており、一方はシリンダ20内に規定された空室(空洞)に作動流体を導入するべく配置されており、他方は作動流体を空室から排出させるべく配置されている。第一開口及び第二開口は、空圧または油圧力循環路に連通されている。前記循環路内には、圧縮作動流体をシリンダ20に供給するべく配置された不図示のポンプが含まれている。
【0039】
ステム10は、ガイド3に沿ってスライド19をスライドさせるべく、当該スライド19に接合要素23を介して接続されている。
【0040】
装置1は、搬送カルーセル9を回転させるべく配置された、図2に示されているモータ11を更に備えている。図示されている実施の形態において、モータ11は、スライド19に接続されており、例えば第二回転軸Jに沿って延びる円筒状の本体として形成されている。モータ11は、ガイド3の反対側にある支持手段2の側方に配置されている。
【0041】
当該装置1を機械に接続するべく、当該装置1が結合される当該機械に固定されるように配置された接続構造24を、装置1が更に備えている。接続構造24は、搬送カルーセル9の反対側でスライド19に接続されている。開示された実施の形態において、搬送カルーセル9は、取出及び供給装置27を有している。取出及び供給装置27は、搬送カルーセル9の下部表面30から下方に突出する取出及び供給要素28を有している。取出及び供給要素28は、環状経路に沿って移動させられるC字状要素28を有してもよい。
【0042】
C字状要素28は、搬送カルーセル9の回転中に当該C字状要素28が進行する方向に面する凹部を有している。作動中に、押出口によって分配されるプラスチックは、C字状要素28により次々と受止められる。プラスチックは、押出口の外側へと流れ出る時に膨張し、各々のC字状要素28内に摩擦により詰められた状態で残る。それは、切断作業によって、投与量Dを生じさせる断片を分離する。
【0043】
搬送カルーセル9の上部はカプセル8を受容するのに対し、搬送カルーセル9の下部内に支持された投与量Dは、型17に供給するべく各々のC字状要素28から解放される。この目的に対して、取出及び供給装置27は、ピストン要素を有していてもよい。各ピストン要素は、C字状要素28から投与量Dを分離して、部分T1で型17の下部に当該投与量Dを挿入するべく、投与量Dを押出すのに適している。
【0044】
装置1は、成形ユニット5に結合されたセンサ6と協働するために配置されている。センサ6は、成形カルーセル7の付近に位置決めされ、成形カルーセル7の型17の故障及び/または機能不具合を検知するために配置されている。特に、センサ6は、開放工程中に型が塞がれているか、及び/または、ダイ及びそれに対応するパンチが、それに対応する物体8を圧縮成形後、互いに対して離れているか、を探知する。センサ6が上述された機能不具合の1つを検知した場合、不図示の制御及び管理ユニットに信号を送り、例えば制御及び管理ユニットが装置1のアクチュエータ4を駆動して搬送カルーセル9を移動方向Cに沿って成形カルーセル7から離れるように移動させる。成形された物体8が搬送カルーセル9により搬送される部分T1に機能不具合のある型17が到達する前に、この離間移動がなされることを確実にするべく、センサ6は、部分T1から適切な距離で位置決めされなければならない。
【0045】
作動中に、押出口から分配されるプラスチックは、取出及び供給要素28により次々と受け止められて膨張し、各々の取出及び供給要素28内に摩擦により詰められた状態で残る。それは、切断作業によって、投与量Dを生じさせる断片を分離する。
【0046】
次に、投与量Dは成形ユニット5内に受容される。成形ユニット5は、第一回転軸Kのまわりを回転し、複数の型17を支持する成形カルーセル7を有している。
【0047】
特に、利用の際には、成形カルーセル7の回転により、各プラスチックの投与量Dは、前記複数の型のそれぞれの型17内に受容される。
【0048】
続いて、型17が有するダイとそのそれぞれのパンチとの間の相互作用により、投与量Dから物体8が成形される。すなわち、成形工程中に、ダイとそのそれぞれのパンチとは、物体8例えばカプセルを圧縮成形するように協働する。
【0049】
型17が循環経路P2の少なくとも一部に沿って進行する間に成形工程が行われる。
【0050】
続いて、成形された物体8が部分T1で搬送カルーセル9に搬送され得るように、型17の開放工程が提供される。部分T1において、型17の循環経路P2は、ループ経路P1と一致し、当該ループ経路P1に沿って搬送カルーセル9に含まれる搬送アーム12が進行する。特に、各物体8は、搬送アーム12に含まれる長尺状の本体部14の端部に配置された各々の把持要素16に搬送され、続いてコンベアベルト13に置かれる。コンベアベルト13によって、成形された物体8は機械の排出領域に運搬される。搬送アーム12は、搬送カルーセル9の回転中に、ループ経路P1の一部に沿って進行した後、物体8をコンベアベルト13上に置く。
【0051】
図示された実施の形態では、成形カルーセル7は、搬送カルーセル9の別の回転方向R1とは実質的に反対の回転方向R2に従って回転する。
【0052】
通常、機械の作動中には、搬送カルーセル9が図3に示される第一作動位置Aに配置されるように装置1が配置される。
【0053】
本形態では、部分T1において、把持要素16は、それぞれのパンチの下に位置決めされる。また、成形された直後の物体8は、アンダーカットを介してそれぞれのパンチに連接されている。物体8は、パンチに対して軸方向に可動なリング乃至スリーブ要素のような不図示の抜取装置によりパンチから分離される。
【0054】
このように、把持要素16は、−搬送カルーセル9及び成形カルーセル7の回動中に−成形カルーセル7から圧縮成形された物体8を連続的に搬送することができる。
【0055】
この第一作動位置Aにおいて、ステム10は、伸長位置Eでシリンダ20の外側にほぼ完全に位置決めされる。
【0056】
成形カルーセル7の回転中に、型17が循環経路P2に沿ってセンサ6と対向する際に、センサ6が型17の可能性のある機能不具合を検知する。
【0057】
センサ6が機能不具合を検知した場合、アクチュエータ4が、第一作動位置Aから図4に示す第二作動位置Bに、スライド19とそれと共に搬送カルーセル9を移動させるように作動させられる。
【0058】
第二作動位置Bにおいて、搬送アーム12が型17と相互に作用しないように、搬送カルーセル9は、成形カルーセル7から間隔を空けて配置されている。
【0059】
この第二作動位置において、ステム10は、収縮位置Fでシリンダ20内に大部分が位置決めされる。続いて、作業者が機能不具合のある型17にある問題を解決するように介入した後、センサ6がもはやいかなる機能不具合も示さない場合、アクチュエータ4は、改めて、第二作動位置Bから第一作動位置Aに、スライド19とそれと共に搬送カルーセル9を移動させるように駆動される。搬送カルーセル9が第二作動位置Bにある間に、搬送カルーセル9を第一作動位置Aから第二作動位置Bに移動させることを引き起こした機能不具合のある型17は、部分T1に沿って進行する。これにより、成形カルーセル7と搬送カルーセル9との間の衝突を避けることができる。
【0060】
装置1により、当該装置1が結合される機械がより信頼性があり安全になる。
【0061】
実際、成形カルーセル7の型17と搬送カルーセル9の把持要素16との間の衝突を避けるように、装置1が配置されている。このため、実質的に直線状の移動方向Cに沿って成形カルーセル7から搬送カルーセル9が退避されることが可能である。
【0062】
これにより、物体8が搬送カルーセル9に搬送される部分T1に機能不具合のある型17が到達する前に、搬送カルーセル9を第一作動位置Aから第二作動位置Bに移動させることができる。特に、第一作動位置Aから第二作動位置Bへの搬送カルーセル9の運動の成分が、部分T1における成形カルーセル7の型17の運動の接線成分と実質的に一致しているので、これが可能である。
【0063】
第一作動位置Aから第二作動位置Bへの搬送カルーセル9の運動と一致した成形カルーセル7の運動成分により、機能不具合のある型17と把持要素16との間の衝突を避けるためにより有効な時間が得られ得る。すなわち、衝突を避けるために利用される制動時間が既知の装置の場合に比べて多い。
【0064】
これにより、装置1が結合された機械の効率を改善することができる。特に、成形カルーセル7及び搬送カルーセル9がより速い回転速度で回転することができて、機械生産性を向上させることができる。代わりに、型17の開放を遅らせることも可能である。これは、物体8が把持要素16と相互に作用する前に当該物体8の温度を低下させることにより、物体8が更に冷却されることを可能にする。このような態様で、成形された物体8の高い機械的構造特性が得られ得る。
【0065】
装置1によれば、機能不具合を起こした構成要素を再び有効な状態にさせるために、及び/または、損傷を受けた構成要素を修復するために必要不可欠であり、機械生産性を顕著に低下させる衝突及びその結果起こる長い機械停止が避けられ得る。更に、本発明による装置が結合された機械は、維持及び管理費を削減することができる。
【0066】
装置1によれば、型17と把持要素16との間の衝突の際に、被害が大きく制限されることに更に留意されるべきである。実際、成形カルーセルと第一搬送カルーセルとがカプセル取出領域付近における接線成分と反対に移動する既知の装置とは異なり、成形カルーセル7と搬送カルーセル9とが部分T1において接線成分の少なくとも1つが一致して移動されるという事実により、成形カルーセル7から搬送カルーセル9の取出しを促進させるためのエネルギーを利用することによって、衝突の際に発生されるエネルギーのかなりの部分を吸収することができる。すなわち、衝突の際に、搬送カルーセル9は、成形カルーセル7から離れるように加速させられる。
【0067】
このような態様で、衝突により及ぼされる構成要素への深刻な被害が避けられる。更に、搬送カルーセル9の運動成分の少なくとも1つが部分T1における成形カルーセル7の接線成分に一致することにより、取出領域付近における型17と把持要素16との間の起こり得る衝突により生成されるエネルギーを制限するように、取出領域におけるこれらの間の相対速度が低下させられる。
【0068】
不図示の他の形態において、成形カルーセル7が他の成形手段により置換えられ得る。
【0069】
不図示の別の形態において、搬送カルーセル9が他の搬送手段により置換えられ得る。
【0070】
不図示の別の形態において、ガイド3が他の移動手段により置換えられ得る。
【0071】
不図示の別の形態において、アクチュエータ4が他の作動手段により置換えられ得る。
【0072】
不図示の別の形態において、コンベアベルト13が他の運搬手段、特に可撓性の運搬手段により置換えられ得る。
【0073】
不図示の別の形態において、装置1が図2示された実施の形態に対して180°だけ回転される、すなわち、搬送カルーセル9が片持ちの態様で取付けられないように支持手段2により回転可能に支持される。換言すれば、支持手段2が搬送カルーセル9の下方に位置決めされる。
【0074】
不図示の別の形態において、搬送カルーセル9が、前述され図示された実施の形態におけるように複数のアーム12と1つの取出及び供給装置27とを有するが、複数のアーム12が取出及び供給装置27の回転速度とは異なる回転速度で回転する。
【0075】
不図示の別の形態において、ペースト状のプラスチックが分配手段から分配される。当該分配手段は、プラスチックが排出する開口が設けられたプラスチックの押出機を有する。前記開口から投与量Dが切断手段の作動により次々と形成される。この実施の形態において、プラスチックの押出機は、成形カルーセル7に対して搬送カルーセル9の反対側に配置され得る。
【0076】
不図示の別の形態において、装置1がアクチュエータ4を有していない。代わりに、装置1は、第一作動位置A内に搬送カルーセル9を保持するべく配置され、成形カルーセル7の型17と搬送カルーセル9の把持要素16との間の起こり得る衝突により生成されるエネルギーを吸収できる例えばばねのような弾性手段を備えていてもよい。この実施の形態において、衝突により引き起こされる被害を顕著に制限するあるいは除去するべく、衝突により生成されるエネルギーを吸収するのに適した更なる要素も設けられ得る。
【0077】
以上に開示された内容、及び/または、添付の図面に示された内容に対する変更及び/または付加が、更に可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックの投与量(D)を圧縮成形することにより得られる物体(8)を成形ユニット(5)の成形手段(7)から搬送するための搬送手段(9)と、
当該搬送手段(9)を回転可能に支持する支持手段(2)と、
当該支持手段(2)に接続され、少なくとも前記成形ユニット(5)に相対的に近い第一作動位置(A)と第二作動位置(B)との間で前記搬送手段(9)を移動させるように構成された移動手段(3)と、
を備え、
前記第一作動位置(A)においては、前記搬送手段(9)は、前記物体(8)を搬送するために前記成形手段(7)と相互に作用し、
前記第二作動位置(B)においては、前記搬送手段(9)は、前記成形手段(7)と相互に作用しないように前記成形ユニット(5)から間隔を空けていて、
前記第一作動位置(A)から前記第二作動位置(B)への前記搬送手段(9)の移動は、前記第一作動位置(A)における前記成形ユニット(5)の回転運動の接線成分と同じ方向を向いた少なくとも1つの成分を有している
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記搬送手段(9)は、実質的に直線状の移動方向(C)に沿って移動可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記成形ユニット(5)は、第一回転軸(K)のまわりを回転可能である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記搬送手段(9)は、当該搬送手段(9)の第二回転軸(J)のまわりに放射状に配置された複数のアーム(12)を有している
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記複数のアームの各アーム(12)には、当該アーム(12)の端部で当該アーム(12)により支持された把持要素(16)が設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記把持要素(16)は、前記圧縮成形された物体(8)を取るために配置されており、実質的に凹形の形状を有している
ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記移動手段は、実質的に前記移動方向(C)に沿って延びて前記支持手段(2)を摺動可能に支持するために配置されたガイド(3)を有している
ことを特徴とする請求項2、または請求項2に従属する請求項3乃至6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記支持手段(2)は、作動手段(4)によって前記ガイド(3)に沿って直線的に移動させられる
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記作動手段(4)は、空気圧シリンダ、油圧力シリンダ及び水圧シリンダを含むグループから選択される
ことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記成形ユニット(5)から取出される前記物体(8)を、前記搬送手段(9)から受取るために配置された運搬手段(13)を更に備える
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
物体(8)を成形するべく流動性を有する材料を圧縮成形するための成形ユニット(5)と、
請求項1乃至10のいずれかによる装置(1)と、
を備えたことを特徴とする機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−533461(P2012−533461A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521150(P2012−521150)
【出願日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053337
【国際公開番号】WO2011/010294
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(509238432)サチミ、コオペラティバ、メッカニーチ、イモラ、ソチエタ、コオペラティバ (14)
【氏名又は名称原語表記】SACMI COOPERATIVA MECCANICI IMOLA SOCIETA’ COOPERATIVA
【Fターム(参考)】