説明

物体位置認識システムおよび方法

【課題】 リーダアンテナ51などの構成を簡単にすることができるとともに、電子タグ23の物体情報を正確に素早く読み取ることができる物体位置認識システムを提供する。
【解決手段】 アンテナ形成対象部材14に配置されることができかつ複数個の電子タグ付き位置認識対象物体11が行列状に配されることができる物体配置用ラック12を備え、アンテナ形成対称部材14に配設されているリーダアンテナ51が行方向にほぼ沿って配されている複数個の位置認識対象物体11の物体情報を各行ごとに読み取ることができる行方向読み取り用のアンテナ状態と、リーダアンテナ51が列方向にほぼ沿って配されている複数個の位置認識対象物体11の物体情報を各列ごとに読み取ることができる列方向読み取り用のアンテナ状態とが得られるように、アンテナ形成対象部材14に対する物体配置用ラック12の相対的な配置を変更し得るように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子タグ付き位置認識対象物体が行列状に配されることができる物体配置用ラックと、上記電子タグ付き位置認識対象物体の電子タグに記憶されている物体情報を読み取るためのリーダアンテナとを備えている物体位置認識システムに関するとともに、このような物体位置認識システムを用いた物体位置認識方法にも関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子タグ(換言すれば、ICタグ)が貼付された物品などの物体の位置認識システム(以下、「物体位置認識システム」という。)として、例えば、つぎの(1)項〜(4)項に記載のものが知られている。
(1)特許文献1に開示されているように、リーダアンテナを静止物体の個数だけマトリックス状に敷設した電子タグ付き物体の位置認識システム、
(2)特許文献2に開示されているように、マトリックス状に敷設したリーダアンテナによって電子タグ付き移動物体の位置を認識するようにしたシステム、
(3)特許文献3に開示されているように、長手状のリーダアンテナを各行ごとおよび各列ごとにそれぞれ敷設し、これら複数個の長手状リーダアンテナによって各物体に貼付の電子タグの情報を各行ごとおよび各列ごとに読み取るようにした電子タグ付き物体の位置認識システム、および
(4)特許文献4に開示されているように、リーダアンテナを各行ごとまたは各列ごとにそれぞれ敷設するとともに、これら複数個のリーダアンテナを列方向または行方向に移動させる駆動手段を設け、これら複数個のリーダアンテナによって複数個の物体をスキャンするようにした電子タグ付き物体の位置認識システム。
【特許文献1】特開2002−356227号公報
【特許文献2】特開2002−58648号公報
【特許文献3】特開平7−20237号公報
【特許文献4】特開2005−351641号公報
【0003】
換言すれば、行列状に配置された検体入り容器などの物体の位置認識システムとして、例えば、上記特許文献1〜4にそれぞれ記載されているように、つぎの(ア)項〜(ウ)項に記載したものが知られている。
(ア)上記(1)項および(2)項にそれぞれ記載した特許文献1および2の場合のように、行数×列数の個数である複数個のリーダアンテナを順次切り替えて、各物体に貼付の電子タグの情報をこれら複数個のリーダアンテナによって順次読み取るようにした電子タグ付き物体の位置認識システム、
(イ)上記(3)項に記載した特許文献3の場合のように、行数+列数の個数である複数個の長手状リーダアンテナを順次切り替えて、各物体に貼付の電子タグの情報をこれら複数個の長手状リーダアンテナによって順次読み取るようにした電子タグ付き物体の位置認識システム、および
(ウ)上記(4)項に記載した特許文献4に開示されているように、行数または列数の個数である複数個のリーダアンテナを列方向または行方向に駆動して、各物体に貼付の電子タグの情報をこれら複数個のリーダアンテナによって順次読み取るようにした電子タグ付き物体の位置認識システム。
【特許文献1】特開2002−356227号公報
【特許文献2】特開2002−58648号公報
【特許文献3】特開平7−20237号公報
【特許文献4】特開2005−351641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1〜4にそれぞれ開示されている従来技術には、つぎの(A)項〜(E)項に記載するような問題点があった。これらの問題点が生じる理由は、これらの(A)項〜(E)項のそれぞれの記載のつぎに順次記載する(a)項〜(e)項に記載のとおりである。
(A)上記(ア)項にそれぞれ記載した特許文献1および2の場合には、複数個の電子タグ付き物体の個数と同じ数量である複数個のリーダアンテナが必要であり、また、複数個全部の電子タグ付き物体の位置認識を行うための通信時間が長くなる。
(a)複数個の電子タグ付き物体の個数と同じ数量である複数個のリーダアンテナが必要であるから、物体位置認識システムが巨大化してしまう。また、位置認識すべき電子タグ付き物体の個数が多くなると、複数個のリーダアンテナの個数が多くなるから、これら複数個のリーダアンテナが複数個全部の物体の電子タグの情報を順次読み取るのに必要な通信時間が長くなる。
(B)上記(イ)項に記載した特許文献3の場合には、電子タグ付き物体を正確に位置管理することができないことがある。
(b)複数個のリーダアンテナが行列状に互いに重なるように配置されているから、或る行のためのリーダアンテナに給電したときに、この或る行のためのリーダアンテナと交差する列方向のためのリーダアンテナにも、誘導電流が発生する。このために、上記或る行とは別の行のためのリーダアンテナがこの別の行にある物体の電子タグとも交信するから、電子タグ付き物体を正確に位置管理することができないことがある。
(C)上記(イ)項に記載した特許文献3の場合には、電子タグ付き物体の個数が多くなると、行列数が多くなるから、物体位置認識システムが巨大化してしまう。
(c)行数+列数の個数である複数個のリーダアンテナが必要であるから、電子タグ付き物体の個数が多くなると、行数+列数が多くなり、このために、物体位置認識システムが巨大化してしまう。例えば、凍結保存用(例えば、液体窒素による保存用)のバイアルなどのように検体入りバイアルをラックに収容して、このラック内の多数個の電子タグ付きバイアルの位置情報を検索するようにしたシステムの場合には、個々のバイアル自体の寸法が小さく、また、ラック内に収容されるバイアルの個数が多い。具体的には、9行×9列=81個のバイアルがわずか10cm四方の大きさのラックに収容されることがある。このような物体位置情報検索システムの場合には、リーダアンテナを含む読み取り機が、検体入りバイアルおよびラックのそれぞれのサイズに対して、極端に巨大化してしまう。
(D)上記(ウ)項に記載した特許文献4の場合には、複数個の電子タグ付き物体の位置管理を行うときに、複数個のリーダアンテナの駆動速度を低速にすることが必要である。このために、凍結保存用のバイアルが検体入りである場合には、複数個のリーダアンテナによる複数個のバイアルのスキャンを短時間に行うことができないから、バイアルの凍結が多少とも解除されることによって、検体に損傷を与える可能性が生じる。
(d)リーダアンテナによってバイアルの電子タグの情報を読み取る際に、リーダアンテナを各列で静止状態にしなければ、検体入りバイアルが互いに隣接する2つの列にそれぞれ存在する場合には、各列に存在するリーダアンテナによって各列に存在する検体入りバイアルの電子タグの検体情報を正確に読み取ることはできない。例えば、リーダアンテナが上記2つの列のうちの一方の列において静止した状態にあれば、各リーダアンテナがこの列に存在する検体入りバイアルの電子タグの検体情報を正確に読み取ることができる。しかし、リーダアンテナが検体入りバイアルの電子タグの検体情報を移動しながら読み取るときには、列間のピッチが短い凍結保存用バイアルなどの場合には、リーダアンテナが一方の列と他方の列との間で他方の列の検体入りバイアルの電子タグの検体情報を誤って読み取ってしまうことがあるから、どの列の検体入りバイアルの電子タグの検体情報を読み取ったのかを正確には判断することができない。このために、リーダアンテナが、各列上で静止してから検体入りバイアルの電子タグの検体情報を読み取った後に、つぎの列に移動してこのつぎの列の検体入りバイアルについての検体情報を読み取る必要があるから、リーダアンテナの駆動を間欠的(換言すれば、全体として低速)に行わなければならない。したがって、総ての列の検体入りバイアルについての検体情報の総てを読み取るのに必要な時間が長くなるから、凍結保存用バイアルの凍結が多少とも解除される。
(E)上記(ウ)項に記載した特許文献4の場合には、リーダアンテナを駆動するアンテナ駆動装置が必要であるから、リーダアンテナ自体やアンテナ駆動装置が悪影響を受け易く、また、物体位置認識システムが巨大化し易い。
(e)凍結保存用バイアルを収容する凍結保存用ラックの場合には、このラックを載置する載置台自体の表面温度が低下する。このために、リーダアンテナやアンテナ駆動装置の機械系部分も冷やされてしまって、アンテナ駆動装置の内部に結露が生じ易いから、アンテナ駆動装置の機械系部分が悪影響を受け易い。また、アンテナ駆動装置が必須であるから、物体位置認識システムが巨大化する。
【特許文献1】特開2002−356227号公報
【特許文献2】特開2002−58648号公報
【特許文献3】特開平7−20237号公報
【特許文献4】特開2005−351641号公報
【0005】
本発明は、上記(A)項〜(E)項に記載した従来技術の問題点に着目して、このような問題点を解決するために発明されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、その第1の観点においては、複数個の電子タグ付き位置認識対象物体がほぼ行方向およびほぼ列方向にそれぞれ沿って行列状に配されることができる物体配置用ラックと、上記電子タグ付き位置認識対象物体の電子タグに記憶されている物体情報を読み取るためのリーダアンテナが配設されかつ上記物体配置用ラックがラック支持部材などを介して間接的にまたは直接的に配置されることができるアンテナ形成対象部材とを備え、上記リーダアンテナが複数行の上記行方向にほぼ沿ってそれぞれ配されている複数個の上記電子タグ付き位置認識対象物体のそれぞれの上記電子タグに記憶されている物体情報を各行ごとにそれぞれ読み取ることができる行方向読み取り用のアンテナ状態と、上記リーダアンテナが複数列の上記列方向にほぼ沿ってそれぞれ配されている複数個の上記電子タグ付き位置認識対象物体のそれぞれの上記電子タグに記憶されている物体情報を各列ごとにそれぞれ読み取ることができる列方向読み取り用のアンテナ状態とがそれぞれ得られるように、上記アンテナ形成対象部材に対する上記物体配置用ラックの相対的な配置を変更し得るように構成されていることを特徴とする物体位置認識システムに係るものである。
【0007】
また、本発明は、その第2の観点においては、複数個の電子タグ付き位置認識対象物体がほぼ行方向およびほぼ列方向にそれぞれ沿って行列状に配されることができる物体配置用ラックと、上記電子タグ付き位置認識対象物体の電子タグに記憶されている物体情報を読み取るためのリーダアンテナが配設されかつ上記物体配置用ラックがラック支持部材などを介して間接的にまたは直接的に配置されているアンテナ形成対象部材とを用意し、ついで、上記リーダアンテナが複数行の上記行方向または複数列の上記列方向にほぼ沿ってそれぞれ配されている複数個の上記電子タグ付き位置認識対象物体のそれぞれの上記電子タグに記憶されている物体情報をそれぞれ読み取ることができる上記行方向または上記列方向の読み取り用のアンテナ状態において、上記行方向における各行ごとまたは上記列方向における各列ごとに上記物体情報を上記リーダアンテナによってそれぞれ読み取り、ついで、上記リーダアンテナのアンテナ状態が上記行方向または上記列方向の読み取り用のアンテナ状態から上記列方向または上記行方向の読み取り用のアンテナ状態に変更されるように、上記アンテナ形状対象部材に対する上記物体配置用ラックの相対的な配置を変更し、ついで、上記リーダアンテナが複数列の上記列方向または複数行の上記行方向にほぼ沿ってそれぞれ配されている複数個の上記電子タグ付き位置認識対象物体のそれぞれの上記電子タグに記憶されている物体情報をそれぞれ読み取ることができる上記列方向または上記行方向の読み取り用のアンテナ状態において、上記列方向における各列ごとまたは上記行方向における各行ごとに上記物体情報を上記リーダアンテナによってそれぞれ読み取り、上記各行ごとに読み取られた上記物体情報と、上記各列ごとに読み取られた上記物体情報とから、上記電子タグ付き位置認識対象物体のうちの特定の物体が存在する位置を認識するようにしたことを特徴とする物体位置認識方法に係るものである。
【0008】
さらに、本発明の上記第1および第2の観点の第1の態様においては、上記行方向における各行ごとおよび上記列方向における各列ごとのうちの少なくとも一方に対応して配設されている行認識および/または列認識のための複数個のマーカ用電子タグが用いられるのが好ましい。この場合、上記物体配置用ラックが配置されることができるラック支持部材がさらに用いられ、上記複数個のマーカ用電子タグが上記ラック支持部材に配置されることができるように構成されることができる。そして、上記複数個のマーカ用電子タグが、上記行認識のための複数個のマーカ用電子タグと、上記列認識のための複数個のマーカ用電子タグとを備えているのがさらに好ましい。この場合にも、上記物体配置用ラックが配置されることができるラック支持部材がさらに用いられ、上記行認識のための複数個のマーカ用電子タグと、上記列認識のための複数個のマーカ用電子タグとが、上記ラック支持部材に配置されることができるように構成されることができる。
【0009】
さらに、本発明の上記第1および第2の観点の第2の態様においては、上記リーダアンテナが、複数個の長手状ループアンテナ部分を備え、これら複数個の長手状ループアンテナ部分のそれぞれが、上記行方向読み取り用のアンテナ状態においては、上記複数行の上記行方向にほぼ沿ってそれぞれ配されている上記複数個の電子タグ付き位置認識対象物体のそれぞれの上記電子タグに各行ごとにそれぞれほぼ対向し得るとともに、上記列方向読み取り用のアンテナ状態においては、上記複数列の上記列方向にほぼ沿ってそれぞれ配されている上記複数個の電子タグ付き位置認識対象物体のそれぞれの上記電子タグに各列ごとにそれぞれほぼ対向し得るように構成されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1および5に係る発明によれば、共通のリーダアンテナが行方向読み取り用アンテナ状態と列方向読み取り用アンテナ状態との両方の状態になり得るから、リーダアンテナの構成を比較的簡単にすることができ、例えば、リーダアンテナを構成しているアンテナ部分の個数を少なくすることも可能である。
【0011】
また、電子タグ付き位置認識対象物体の電子タグに記憶されている物体情報をリーダアンテナでもって読み取る際には、リーダアンテナおよび電子タグ付き位置認識対象物体(ひいては、その電子タグ)をそれぞれ静止状態にすることができるから、上記読み取りを正確にかつ素早く行うことができる。
【0012】
また、リーダアンテナまたは電子タグ付き位置認識対象物体を移動させるための機械的な駆動装置を特に必要としないから、物体位置認識システム全体の構成をさらに簡単にすることができる。
【0013】
また、請求項2および3に係る発明によれば、行認識および列認識のためのマーカ用電子タグに記憶されている情報を各行ごとおよび各列ごとの物体情報と一緒に得ることができるから、行列状に配されている電子タグ付き位置認識対象物体のうちの特定の物体が存在する位置を比較的正確にかつ比較的簡単に認識することができる。
【0014】
また、請求項3に係る発明によれば、共通のラック支持部材を多数個の物体配置用ラックに順次使用することができるから、物体位置認識システムの構成を一層簡単化することができる。
【0015】
また、請求項4に係る発明によれば、リーダアンテナを構成している複数個の長手状ループアンテナ部分が平面的に見たときにも行方向読み取り用と列方向読み取り用とで特に重なり合うことがないから、複数個の長手状ループアンテナ部分同士が電磁結合するのを防止することができ、このために、電子タグ付き位置認識対象物体の電子タグおよびマーカ用電子タグに記憶されている情報を読み取る精度を向上させることができる。
【0016】
さらに、請求項5に係る発明によれば、行列状に配されている複数個の電子タグ付き位置認識対象物体のうちの特定の物体が存在する位置を短時間に認識することができ、このために、電子タグ付き位置認識対象物体についての位置認識情報を必要に応じて短時間に表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
つぎに、本発明による物体位置認識システムの一実施例を、「1、物体位置認識システムの概略的な構成」、「2、電子タグ付き位置認識対象物体の構成」、「3、バイアル収容用ラックの構成」、「4、ラック固定台の構成」、「5、載置台の構成」、「6、物体位置認識システムの動作」および「7、バイアル収容空間の行数および列数の変形例」に項分けして、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
1、物体位置認識システムの概略的な構成
図1に示す物体位置認識システムは、
(1)複数個の電子タグ付き位置認識対象物体としての電子タグ付きバイアル11、
(2)これら複数個の電子タグ付きバイアル11がそれぞれ収容される物体配置用または物体収容用のラックとしてのバイアル収容用ラック12、
(3)このバイアル収容用ラック12が着脱自在に取り付け固定されるラック支持部材としてのラック固定台13、
(4)このラック固定台13が着脱自在に載置されるアンテナ形成対象部材としての載置台14、
をそれぞれ備えていてよい。
【0019】
バイアル収容用ラック12には、図3に示すように、このラック12の内部に配設されているマトリックス状の仕切り板部15によって、その縦方向および横方向の長さが電子タグ付きバイアル11の直径とそれぞれほぼ同長であってよくかつそれらの上面がそれぞれ開口している複数個のバイアル収容空間16が碁盤の目状にそれぞれ形成されている。そして、これら複数個のバイアル収容空間16には、図2に示す複数個の電子タグ付きバイアル11が取り出し自在に1個ずつ収容されることができる。また、ラック固定台13は、図4に示すように、バイアル収容用ラック12の外形とほぼ同形でその上面が開口しているラック収容空間17を備えている。そして、このラック収容空間17には、その上方からバイアル収容用ラック12が挿入されて収容されることができる。この場合、バイアル収容用ラック12をラック固定台13にロックするためのロック手段(図示せず)が、必要に応じて設けられることができる。さらに、ラック固定台13は、図5に示す載置台14上に位置決めされた状態で載置されることができる。この場合、ラック固定台13を載置台14にロックするためのロック手段(図示せず)が、必要に応じて設けられることができる。
【0020】
2、電子タグ付き位置認識対象物体の構成
図示の実施例においては、図1に示す物体位置認識システムによってその存在位置が認識されるための位置認識対象物体として、図1および図2に示すように、複数個の凍結保存用(例えば、液体窒素による検体の保存用)の電子タグ付きバイアル11が用いられている。これら複数個の電子タグ付きバイアル11は、図11Aに示すように、それぞれガラス製、合成樹脂製などであってよい容器本体21および蓋部材22を備えていてよい。そして、容器本体21内には、凍結保存用の任意の検体が収納されていてよい。さらに、蓋部材22は、容器本体21の口部にねじ込みによって着脱自在に取り付けられていてもよく、また、上方から下方に向かって摺動させることによって着脱自在に取り付けられていてもよい。
【0021】
容器本体21の底部には、図11Aに示すように、電子タグ23が配設されることができる。具体的には、容器本体21の外側底面には、この容器本体21の外側底面の外周囲を下方に向かって突出させることによって、この外周囲により囲まれている凹部24が形成されている。そして、この凹部24には、図11Bに示す偏平形状の電子タグ23がほぼ水平な状態で収容されている。また、電子タグ23は、必要に応じて、接着剤、粘着剤、充填材などの封止材料25によって凹部24に封止されている。さらに、電子タグ23は、アンテナ26とこのアンテナ26に電気的に接続されているICチップ27とのみから実質的に構成された完成品としての電気部品であってよい。
【0022】
アンテナ26は、図11Bに示すように、被覆導線31をほぼ円環状にかつ一層のほぼ水平な形状になるように例えば13ターン(すなわち、13回巻き)したアンテナ線であってよく、図示の実施例においては、その使用周波数は13.56MHzに設定されている。そして、図示の実施例においては、ほぼ円環状のアンテナ26の内径は約5.5mmで、外径は約8.5mmであってよい。また、アンテナ26は、互いに隣り合う被覆導線31の被覆層同士が互いに溶着されたものであってよい。さらに、アンテナ26の被覆導線31の両端部31a、31bは、ほぼ円環状のアンテナ26のほぼ中心位置まで延びている。そして、これらの両端部31a、31bには、アンテナ26の中心開口32よりも十分に小さいICチップ27の一対のパッド電極(図示せず)が電気的および機械的に接続されていて、ICチップ27がこれらの両端部31a、31b上にしっかりと取付けられている。
【0023】
3、バイアル収容用ラック
バイアル収容用ラック12の仕切り板部15は、図3に示すように、このラック12の横方向(換言すれば、行方向)に延在していて、このラック12の内部空間の縦方向をほぼ等間隔に仕切っている複数枚(図示の実施例においては、8枚)の縦方向仕切り板部15aと、このラック12の縦方向(換言すれば、列方向)に延在していて、このラック12の内部空間の横方向をほぼ等間隔に仕切っている複数枚(図示の実施例においては、8枚)の横方向仕切り板部15bとから構成されている。したがって、図示の実施例においては、バイアル収容用ラック12の内部には、9行×9列=81個のバイアル収容空間16がそれぞれ形成されている。なお、図示の実施例においては、上記列方向は、上記行方向に対して、ほぼ90°を成している。
【0024】
図3に示すバイアル収容用ラック12の81個のバイアル収容空間16については、図示の実施例においては、上記9行を図6Aにおける上方から下方に向かって第1の行〜第9の行とそれぞれ称し、上記9列を図6Aにおける左方から右方に向かってA列〜I列と称している。したがって、第1の行〜第9の行のうちのいずれか1つの行と、A列〜I列のうちのいずれか1つの列とをそれぞれ特定することによって、81個のバイアル収容空間16のうちのいずれか1個のバイアル収容空間16(ひいては、この収容空間16に収容されている電子タグ付きバイアル11およびこの電子タグ付きバイアル11に取り付けられている電子タグ23)を特定することができる。
【0025】
図3に示すバイアル収容用ラック12の81個のバイアル収容空間16には、図1および図6Aに示すように、81個の電子タグ付きバイアル11をそれぞれ1個ずつ収容することができる。この場合、各電子タグ付きバイアル11が、1個ずつそれらの上方から各バイアル収容空間16に挿入されて、図6Bに示すように、バイアル収容用ラック12の底板部33上に載置されればよい。そして、バイアル収容用ラック12には、必要に応じて、左右一対の把手部などの把手を設けることができる。この場合、例えば、左右一対の把手部のそれぞれが、斜め上方外側に向かって突出しかつほぼ水平方向に長手状に延在している突起部によって構成されることができる。
【0026】
4、ラック固定台の構成
ラック固定台13は、図4に示すように、ほぼ長方形状(図示の実施例においては、ほぼ正方形状)などのほぼ口字形状であってよい外周枠部35と、この外周枠部35に囲まれている底板部36とを備えている。そして、外周枠部35には、必要に応じて、左右一対の把手部37a、37bなどの把手を設けることができる。なお、図示の実施例においては、左右一対の把手部37a、37bのそれぞれは、ほぼ水平方向に長手状に延在するように外周枠部35の左右一対の外側面にそれぞれ形成された左右一対の凹部によって構成されている。さらに、ラック固定台13のラック収容空間17は、図4および図12Aに示すように、外周枠部35および底板部36により包囲されることによって構成されていて、その上面が開口している。そして、このラック収容空間17の形状は、図14Aおよび図14Bに示すように、バイアル収容用ラック12のほぼ下半部分の外形(換言すれば、外周囲の形状)とほぼ一致している(換言すれば、ほぼ同形である)。
【0027】
ラック固定台13の底面の第1の縁部および第2の縁部のそれぞれには、図6A、図6B、図12Aおよび図12Bに示すように、9個のマーカ用電子タグがほぼ一列にかつほぼ等間隔に配設されている。具体的には、第1の行〜第9の行のためのマーカ用電子タグ41a〜41iが、ラック固定台13の外周枠部35の第1の構成部分(図6Aおよび図12Aにおいては、左側の構成部分)35aの底面に配設されている。また、A列〜I列のためのマーカ用電子タグ42a〜42iが、ラック固定台13の外周枠部35の第2の構成部分(図6Aおよび図12Aにおいては、上側の構成部分)35bの底面に配設されている。なお、第1の構成部分35aはほぼ列方向に延在するとともに、第2の構成部分35bはほぼ行方向に延在している。このために、図示の実施例においては、第2の構成部分35bは、第1の構成部分35aに対して、ほぼ90°を成している。したがって、マーカ用電子タグ41a〜41i、42a〜42iは、全体として、倒立したほぼL字状に配置されている。
【0028】
図1に示す物体位置認識システムを平面的に見たときには、第1〜第9の行のための9個のマーカ用電子タグ41a〜41iの列は、図6Aに示すように、A列に配されている9個の電子タグ23の列に対して、B列に配されている9個の電子タグ23の列とは反対側にかつこのB列に配されている9個の電子タグ23の列とはほぼ線対称に配置されている。また、A列〜I列のための9個のマーカ用電子タグ42a〜42iの列は、図6Aに示すように、第1の行に配されている9個の電子タグ23の行に対して、第2の行に配されている9個の電子タグ23の行とは反対側にかつこの第2の行に配されている9個の電子タグ23の行とはほぼ線対称に配置されている。
【0029】
ラック固定台13の外周枠部35の第1の構成部分35aの底面には、図6Aに示すマーカ用電子タグ41a〜41iにそれぞれ対応させて、9個の凹部43が設けられている。そして、これら9個の凹部43には、図6Bに示すように、マーカ用電子タグ41a〜41iがほぼ水平な状態で収容されている。また、外周枠部35の第2の構成部分35bの底面には、図6Aに示すマーカ用電子タグ42a〜42iにそれぞれ対応させて、9個の凹部44が設けられている。そして、これら9個の凹部44には、図12Bに示すように、マーカ用電子タグ42a〜42iがほぼ水平な状態で収容されている。なお、電子タグ41a〜41i、42a〜42iは、必要に応じて、接着剤、粘着剤、充填材などの封止材料45によって凹部43、44に封止されている。さらに、電子タグ41a〜41i、42a〜42iは、図11Bに示す電子タグ23と実質的に同一の構成のものであってよい。
【0030】
5、載置台
載置台14は、図5に示すように、上側の板部45および下側の板部46をそれぞれ備えることができる。そして、これらの上側板部45および下側板部46のそれぞれは、ほぼ長方形状(図示の実施例においては、ほぼ正方形状)、ほぼ円形状などの任意の形状であってよい。また、上側板部45の上面には、ラック固定台13をほぼ水平な方向において位置決めすることができる位置決め手段(換言すれば、ストッパー)が設けられている。具体的には、上記位置決め手段は、上側板部45の四隅にそれぞれ配設されている4個のコーナ部47a〜47dであってよい。そして、これら4個のコーナ部47a〜47dのそれぞれは、ほぼL字状の部材から構成されることができる。また、これら4個のコーナ部47a〜47dは、上側板部45の上面に載置されるラック固定台13の四隅をほぼ水平な方向においてそれぞれ位置規制することができる。
【0031】
載置台14の底部をそれぞれ構成している上側板部45と下側板部46との間には、図13Aおよび図13Bに示すように、リーダアンテナ51が配設されている。なお、リーダアンテナ51は、図13Aに示すように、それぞれ長手状ループアンテナ部分としての第1〜第9のループアンテナ52a〜52iから構成されている。そして、これら第1〜第9のループアンテナ52a〜52iのそれぞれは、図15Aに示すように、ほぼ一方の方向(図示の実施例においては、ほぼ横方向)にそれぞれ延在している一対の長手状パターン部53a、53bと、これら一対の長手状パターン部53a、53bのそれぞれの一端部(図示の実施例においては、左側の端部)を連結している連結パターン部54と、これら一対の長手状パターン部53a、53bのそれぞれの他端部に連設されている一対の端子部55a、55bとから構成されている。また、第1〜第9のループアンテナ52a〜52iのそれぞれは、図6Aおよび図15Aに示すように、図1に示す物体位置認識システムを平面的に見たときには、第1〜第9の行における9個のマーカ用電子タグ41a〜41iのうちの1個のマーカ用電子タグ(図示の実施例においては、第1の行の電子タグ41a)および第1〜第9の行における81個の電子タグ23のうちの9個の電子タグ(図示の実施例においては、第1の行における9個の電子タグ23)とそれぞれ重なり合うか、あるいは、重なり合わないまでも上下方向においてほぼ対向するように、構成されている。
【0032】
この場合、図13Aおよび図15Aに示す第1〜第9のループアンテナ52a〜52iのそれぞれの長手状ループ部分59(換言すれば、一対の長手状パターン部53a、53bと、連結パターン部54と、一対の端子部55a、55bのうちの連結パターン部54とはほぼ平行に延在している一対の部分とから成るアンテナ本体部分)が、図6Aに示すように、バイアル収容用ラック12の列方向に延在する仮想の中心線に対して、ほぼ対称的な形状に構成されている。したがって、ラック固定台13が、載置台14に対して図6Aに示す場合とは相対的に左右逆に載置された場合(換言すれば、図6Aに示す場合とはほぼ180°回転させた状態に載置された場合)でも、第1〜第9のループアンテナ52a〜52iの長手状ループ部分59が、上述のように、マーカ用電子タグ41a〜41iとそれぞれほぼ対向することができる。このことは、後述の「(2)ラック固定台の90°回転」の項に記載するように、ラック固定台13を図7Aに示すように載置台14に対して相対的にほぼ90°回転させた後においても、長手状ループアンテナ部分59とマーカ用電子タグ42a〜42iとの相対的な位置関係について当てはまる。なお、リーダアンテナ51は、図13Aに示すように、第1〜第9のループアンテナ52a〜52iのみから構成されている。換言すれば、リーダアンテナ51は、行方向および列方向のうちの一方の方向にほぼ沿ってそれぞれ延在している第1〜第9(換言すれば、複数個)のループアンテナ52a〜52iのみから構成されていて、他方の方向にほぼ沿って延在している長手状ループアンテナ部分は存在していない。
【0033】
図15Bには、図15Aに示すループアンテナ52aの第1の変形例としてのループアンテナ52aが示されている。そして、この図15Bに示すループアンテナ52aは、リーダアンテナ51の第1〜第9のループアンテナ52a〜52iのうちの全部または任意の個数のループアンテナとして用いられることができる。また、この図15Bに示すループアンテナ52aにおいては、第1の長手状パターン部53aが、第2の長手状パターン部53bの側とは反対側にほぼ円弧状に湾曲(換言すれば、屈曲)しかつほぼ等間隔で間欠的に配されている11個の屈曲パターン部56を備えている。また、第2の長手状パターン部53bも、第1の長手状パターン部53aの側とは反対側にほぼ円弧状に湾曲(換言すれば、屈曲)しかつほぼ等間隔で間欠的に配されている11個の屈曲パターン部57を備えている。
【0034】
図15Bに示すループアンテナ52aにおいては、第1の長手状パターン部53aの11個の屈曲パターン部56のうちの連結パターン部54の側の1個の屈曲パターン部56と、第2の長手状パターン部53bの11個の屈曲パターン部57のうちの連結パターン部54の側の1個の屈曲パターン部57とは、円弧状の連結パターン部54によって連結されている。そして、図1に示す物体位置認識システムを平面的に見たときには、上記1個の屈曲パターン部56、上記1個の屈曲パターン部57および連結パターン部54によって、図15Bに示すように、マーカ用電子タグ41a(換言すれば、そのアンテナ26)をほぼ取り囲んでいるか、あるいは、これと上下方向においてほぼ対向しているほぼ円形状などのほぼループ形状のパターン部分が形成されている。同様に、上記11個の屈曲パターン部56のうちの端子部55aの側の1個の屈曲パターン部56と、上記11個の屈曲パターン部57のうちの端子部55bの側の1個の屈曲パターン部57とは、互いに隣接していて、全体としてほぼ円形状などのほぼループ形状のパターン部分を形成している。そして、マーカ用電子タグ41i、42aのための予備のパターン部分を構成している。同様に、残り9個の屈曲パターン部56および残り9個の屈曲パターン部57によって、図15Bに示すように、第1の行に配されている9個の電子タグ23(換言すれば、それらのアンテナ26)をそれぞれほぼ取り囲んでいるか、あるいは、これらと上下方向においてそれぞれほぼ対向している9個のほぼ円形状などのほぼループ形状のパターン部分が形成されている。
【0035】
図15Cには、図15Aに示すループアンテナ52aの第2の変形例としてのループアンテナ52aが示されている。そして、この図15Cに示すループアンテナ52aも、リーダアンテナ51の第1〜第9のループアンテナ52a〜52iのうちの全部または任意の個数のループアンテナとして用いられることができる。また、この図15Cに示すループアンテナ52aにおいては、第2の長手状パターン部53bが、第1の長手状パターン部53aの側とは反対側にほぼ台形状に突出(換言すれば、屈曲)しかつほぼ等間隔で間欠的に配されている6個の突出パターン部58を備えている。
【0036】
図15Cに示すループアンテナ52aにおいては、第2の長手状パターン部53bの6個の突出パターン部58のうちの連結パターン部54の側の1個の突出パターン部58と、第1の長手状パターン部53aのうちのこれと対向するパターン部分と、連結パターン部54とによって、ほぼ四角形状(図示の実施例においては、ほぼ台形状)などのほぼループ形状の第1の凸形パターン部分が形成されている。同様に、上記6個の突出パターン部58のうちの端子部55bの側の1個の突出パターン部58と、第1の長手状パターン部53aのうちのこれと対向するパターン部分とによって、ほぼ四角形状(図示の実施例においては、ほぼ等脚台形状)などのほぼループ形状の第6の凸形パターン部分が形成されている。同様に、第2の長手状パターン部53bの残り4個の突出パターン部58と、第1の長手状パターン部53aのうちのこれらとそれぞれ対向する4ヶ所のパターン部分とによって、連結パターン部54の側から一対の端子部55a、55bの側に向かって順次、ほぼ四角形状(図示の実施例においては、ほぼ等脚台形状)などのほぼループ形状の第2〜第5の凸形パターン部分が形成されている。さらに、上記第1〜第6の凸形パターン部分の間には、その短い一辺(換言すれば、上底)が欠如しているほぼ四角形状(図示の実施例においては、ほぼ等脚台形状)などのほぼループ形状の第1〜第5の凹形パターン部分が形成されている。
【0037】
図1に示す物体位置認識システムを平面的に見たときには、上記第1の凸形パターン部分は、図15Cに示すように、マーカ用電子タグ41a(換言すれば、そのアンテナ26)をほぼ取り囲んでいるか、あるいは、これと上下方向においてほぼ対向している。そして、上記第2〜第5の凸形パターン部分および上記第1〜第5の凹形パターン部分も、図15Cに示すように、9個の電子タグ23(換言すれば、そのアンテナ26)をそれぞれほぼ取り囲んでいるか、あるいは、これらと上下方向においてそれぞれほぼ対向している。また、上記第6の凸形パターン部分は、図15Cに示すように、マーカ用電子タグ41i、42aのための予備のパターン部分を構成している。
【0038】
5、物体位置認識システムの動作
つぎに、物体位置認識システムの動作を、「(1)行の確定」、「(2)ラック固定台の90°回転」、「(3)列の確定」および「(4)行列(位置)の確定」に項分けして、図面を参照しつつ説明する。
【0039】
(1)行の確定
図16には、図1に示す物体位置認識システムのフローチャートが示されている。そして、物体位置認識システムを動作状態にするために、電源スイッチ(図示せず)がまず操作される。ついで、必要な場合には、その存在位置を認識したい(換言すれば、所望の)1個または複数個の電子タグ付きバイアル11の電子タグ23に記憶されている既知のバイアル情報(換言すれば、物体情報または検体情報)が、物体位置認識システムのデータベースなどから読み出される。ついで、動作電流としての交流電流が図6Aおよび図13Aに示すリーダアンテナ51の第1〜第9のループアンテナ52a〜52iに順次にまたは同時に供給される。このために、第1〜第9の行のためのマーカ用電子タグ41a〜41iにそれぞれ記憶されている行認識用の情報と、第1〜第9の行にそれぞれ配されている81個の電子タグ付きバイアル11のそれぞれの電子タグ23に記憶されている固有のバイアル情報とが、第1〜第9のループアンテナ52a〜52iによって、各行ごとにそれぞれ読み取られる(ステップ61)。
【0040】
ついで、上述の既知のバイアル情報が第1〜第9の行から得られる読み取りバイアル情報と比較されることによって、所望の電子タグ付きバイアル11がバイアル収容用ラック12のバイアル収容空間16に収容されていれば、これら所望の電子タグ付きバイアル11が第1〜第9行のうちのどの行に存在しているのかが認識されて確定される(ステップ62)。例えば、このステップ62において、図8に示す81個の電子タグ付きバイアルのうちのバイアル(ア)、(イ)、(ウ)および(エ)は、第1、第3、第5および第7の行にそれぞれ存在していることが認識されて確定される。
【0041】
(2)ラック固定台の90°回転
ついで、図6Aに示すラック固定台13が、図7Aに示すように、載置台14に対してほぼ90°回転されることによって、ラック固定台13に支持されているバイアル収容用ラック12(ひいては、81個の電子タグ付きバイアル11)の行方向と列方向とが互いに入れ替えられる(ステップ63)。なお、この入れ替えは、ラック固定台13の一対の把手部37a、37bに手を掛けてラック固定台13ごとを載置台14から持ち上げ、この持ち上げたラック固定台13を載置台14に対して相対的にほぼ90°回転させてから、載置台14の上面に再び載置することによって、行うことができる。
【0042】
図6Aおよび図8に示すラック固定台13(ひいては、バイアル収容用ラック12および電子タグ付きバイアル11)が上述のように90°回転されると、図7Aおよび図9に示すように、バイアル収容用ラック12の行方向と列方向とが互いに入れ替えられる。これとともに、列方向に延在している一方の組のマーカ用電子タグ41a〜41iと、行方向に延在している他方の組のマーカ用電子タグ42a〜42iとの列方向と行方向とが、図7Aおよび図9に示すように、互いに入れ替えられる。このように一方の組のマーカ用電子タグ41a〜41iおよび他方の組のマーカ用電子タグ42a〜42iがそれぞれ設けられている場合には、
(a)リーダアンテナ51に対する電子タグ付きバイアル11の電子タグ23の回転方向(換言すれば、上述のような90°回転の有無)の管理、
(b)電子タグ付きバイアル11がバイアル収容用ラック12のバイアル収容空間16に存在しないのか、あるいは、リーダアンテナ51が故障しているのかの判断、
をきわめて容易に行うことができる。
【0043】
しかし、上記(a)項および(b)項に記載の利点を多少とも犠牲にすることができるのであれば、マーカ用電子タグ41a〜41iとマーカ用電子タグ42a〜42iとの列方向と行方向とが互いに入れ替えられる必要は必ずしもなく、バイアル収容用ラック12の行方向と列方向とが互いに入れ替えられたことが、手動などによってパソコンなどの制御部(図示せず)に制御信号として入力されるようにしてもよい。この場合には、上述のようにラック固定台13ごとをほぼ90°回転させないで、バイアル収容用ラック12をほぼ90°回転させればよい。また、この場合には、図6Aに示す他方の組のマーカ用電子タグ42a〜42iは、省略されることが可能である。さらに、動作電流としての交流電流が図13に示す第1〜第9のループアンテナ52a〜52iに順次に供給されるようにして、これら第1〜第9のループアンテナ52a〜52iから時系列で9個の読み取りバイアル情報がそれぞれ得られるようにすることなどによって、これら9個の読み取りバイアル情報のそれぞれが、9行のうちのどの行(換言すれば、9列のうちのどの列)の情報であるのかを判断することができる。そして、この場合には、他方の組のマーカ用電子タグ42a〜42iが省略されることができるのみではなく、一方の組のマーカ用電子タグ41a〜41iも省略されることができる。
【0044】
バイアル収容用ラック12が載置台14に対して絶対的にほぼ90°回転する必要は、必ずしもなく、相対的にほぼ90°回転すればよい。例えば、載置台14の下側板部46が上側板部47に対して少なくともほぼ90°回転し得るように構成するとともに、リーダアンテナ51の第1〜第9のループアンテナ52a〜52iが下側板部46の上面、厚み方向における中間部分などに図13Aに示すように形成されていてもよい。この場合には、物体位置認識システムにおいては、バイアル収容用ラック12が載置台14に対して相対的にほぼ90°回転する前には、第1〜第9のループアンテナ52a〜52iは、図6Aに示すように、ほぼ行方向にそれぞれ延在している。そして、バイアル収容用ラック12が載置台14に対して相対的にほぼ90°回転した後には、第1〜第9のループアンテナ52a〜52iは、図10に示すように、ほぼ列方向にそれぞれ延在するようになる。
【0045】
(3)列の確定
ついで、動作電流としての交流電流が図7Aおよび図13Aに示すリーダアンテナ51の第1〜第9のループアンテナ52a〜52iに順次にまたは同時に供給される。このために、I列〜A列のためのマーカ用電子タグ42a〜42iにそれぞれ記憶されている列認識用の情報と、I列〜A列にそれぞれ配されている81個の電子タグ付きバイアル11のそれぞれの電子タグ23に記憶されている固有のバイアル情報とが、第1〜第9のループアンテナ52a〜52iによって、各列ごとにそれぞれ読み取られる(ステップ64)。
【0046】
ついで、上述の既知のバイアル情報がI列〜A列から得られる読み取りバイアル情報と比較されることによって、所望の電子タグ付きバイアル11がバイアル収容用ラック12のバイアル収容空間16に収容されていれば、これら所望の電子タグ付きバイアル11がI列〜A列のうちのどの列に存在しているのかが認識されて確定される(ステップ65)。例えば、このステップ65において、図9に示す81個の電子タグ付きバイアル11のうちのバイアル(ア)、(イ)、(ウ)および(エ)は、B列、E列、C列およびG列にそれぞれ存在していることが認識されて確定される。
【0047】
(4)行列(位置)の確定
上記(1)項および上記(3)項に記載した結果から、図8および図9に示すように、81個の電子タグ付きバイアル11のうちのバイアル(ア)は、第2の行でB列に存在し、バイアル(イ)は、第3の行でE列に存在し、バイアル(ウ)は、第5の行でC列に存在し、バイアル(エ)は、第7の行でG列に存在することを認識して確定することができる。換言すれば、上記(1)項および(3)項に記載した結果から、所望の電子タグ付きバイアル(ア)〜(エ)が存在する位置を認識して確定することができる(ステップ66)。したがって、この確定結果は、上述のパソコンなどの制御部の画面などに図8などに示すようにして表示されることができる。
【0048】
7、バイアル収容空間の行数および列数の変形例
図示の実施例においては、物体位置認識システムのバイアル収容用ラック12のバイアル収容空間16の行数を9行にするとともに列数も9列にしたから、バイアル収容空間16の個数は81個になっている。しかし、バイアル収容空間16の行数および列数のそれぞれは、必ずしも9個である必要はなく、行数と列数とが互いに同数である必要も特にない。例えば、図6Aおよび図6Bに示す物体位置認識システムにおいて、ここでの説明を簡単にするために、バイアル収容用ラック12のバイアル収容空間16の行数を8行にするとともに、列数を9列のままにしてもよい。この場合、バイアル収容用ラック12は、第9の行がなくなるから、図6Aに示す状態においては、平面的に見たときに多少横長のほぼ長方形になる。また、ラック固定台13も、図6Aに示す状態においては、バイアル収容用ラック12に対応させて、平面的に見たときに多少横長のほぼ長方形になっていてよいから、一方の組の9番目のマーカ用電子タグ41iは、省略されていてよい。
【0049】
一方、図6Aに示す載置台14は、ラック固定台13を図6Aに示す第1の状態(換言すれば、行方向読み取り用のアンテナ状態)と、この第1の状態からほぼ90°回転させた図7Aに示す第2の状態(換言すれば、列方向読み取り用のアンテナ状態)との両方の状態において、その上面にラック固定台13を載置させる必要があるから、図5Aに示す形状のままであってよい。換言すれば、リーダアンテナ51の長手状ループアンテナ部分52a〜52iの個数は、バイアル収容用ラック12のバイアル収容空間16の行数と列数とのうちのいずれか大きい方の数だけは、少なくとも必要である。なお、バイアル収容用ラック12およびラック固定台13は、第9の行に相当する部分をそれぞれデッドスペースにすれば、これらの外形を上述のように横長に変える必要は、特にない。また、バイアル収容用ラック12およびラック固定台13を上述のように横長に変えた場合には、基準になる角部(例えば、コーナ部47a)を図5に示す載置台13の載置面(すなわち、4個のコーナ部47a〜47dによって囲まれる上面部)に設けることができる。この場合、ラック固定台13(ひいては、バイアル収容用ラック12)のこれと対応する角部を上記基準用角部に当接させるようにすればよい。
【0050】
以上において、本発明の実施例について説明したが、本発明は、既述の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に基づいて、各種の変更および修正が可能である。
【0051】
例えば、既述の実施例においては、物体位置認識システムによってその存在位置が認識される物体として、凍結保存用の電子タグ付きバイアル11が用いられている。しかし、位置認識対象物体は、各種の検体、その他の物質が収容されている電子タグ付き試験管などの他の電子タグ付き容器であってもよく、また、電子タグ付き容器以外の各種の電子タグ付き物体(例えば、もっとサイズの大きい各種の物品)であってもよい。
【0052】
また、既述の実施例においては、電子タグ付きバイアル11の容器本体21の底部に電子タグ23を配設するようにした。しかし、この電子タグ23は、電子タグ付きバイアル11の容器本体21の底部に配設される必要は必ずしもなく、例えば、電子タグ付きバイアル11の蓋部材22(例えば、その内側面)に同様にして配設されていてもよい。このように構成すれば、電子タグ付きバイアル11の容器本体21は一般的には使い捨てされるが、蓋部材22(ひいては、電子タグ23)は一般的には使い捨てされないで再利用されることができるから、経済的効果が大きい。この場合、既述の実施例においては載置台14の底部に配設されているリーダアンテナ51が、蓋部材22の近傍(例えば、蓋部材22の上側近傍)に配設されているのが好ましい。このような構成は、具体的には、バイアル収容用ラック12のための蓋体(図示せず)を設け、バイアル収容用ラック12の上面に被せられている上記蓋体をバイアル収容用ラック12から持ち上げ、この持ち上げた蓋体をバイアル収容用ラック12に対して相対的に90°回転させてから、バイアル収容用ラック12の上面に再び被せるようにしたものであってよい。
【0053】
また、既述の実施例においては、バイアル収容用ラック12(換言すれば、その内部空間)の列方向は、このラック12(換言すれば、その内部空間)の行方向に対して、ほぼ90°を成している。しかし、この角度は、ほぼ90°である必要は必ずしもなく、ほぼ90°よりも多少または或る程度小さくてもよい。
【0054】
また、既述の実施例においては、第1〜第9の行のためのマーカ用電子タグ41a〜41iを各行に1個ずつ配設するとともに、A列〜I列のためのマーカ用電子タグ42a〜42iを各列に1個ずつ配設した。しかし、マーカ用電子タグ41a〜41i、42a〜42iは、各行および各列にそれぞれ1個ずつである必要は必ずしもなく、例えば2個ずつであってもよい。この場合、図12Aに示すラック固定台13において、外周枠部35の第1の構成部分35aと対向している第3の構成部分35cにマーカ用電子タグ41a〜41iとはほぼ対称的になるように9個のマーカ用電子タグを新たに配設するとともに、第2の構成部分35bと対向している第4の構成部分35dにマーカ用電子タグ42a〜42iとはほぼ対称的に9個のマーカ用電子タグを新たに配設すればよい。このように構成すれば、各行および各列の認識をさらに正確に行うことができる。ただし、この場合には、新たに配設した9個ずつのマーカ用電子タグにも第1〜第9のループアンテナ52a〜52iがそれぞれほぼ対向し得るように、これら第1〜第9のループアンテナ52a〜52iの第1および第2の長手状パターン部53a、53bを一対の端子部55a、55bの側に或る程度延長させるのが好ましい。
【0055】
また、既述の実施例においては、バイアル収容用ラック12がラック固定台13を介して載置台14に間接的に配置されるように構成されている。しかし、バイアル収容用ラック12が載置台14に直接に配置されていてもよい。この場合、マーカ用電子タグ41a〜41i、42a〜42iは、バイアル収容用ラック12の底部付近の対応する箇所にそれぞれ直接に配設されることができる。
【0056】
さらに、既述の実施例におけるリーダアンテナ51が、ライタアンテナを兼用し得るように、リーダライタアンテナであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施例における物体位置認識システムの斜視図である。(実施例1)
【図2】図1に示す物体位置認識システムのうちの複数個の凍結保存用バイアルのみを示す斜視図である。(実施例1)
【図3】図1に示す物体位置認識システムのうちのバイアル収容用ラックのみを示す斜視図である。(実施例1)
【図4】図1に示す物体位置認識システムのうちのラック固定台のみを示す斜視図である。(実施例1)
【図5】図1に示す物体位置認識システムのうちの載置台のみを示す斜視図である。(実施例1)
【図6A】図1に示す物体位置認識システムの平面図である。(実施例1)
【図6B】図6AのA−A線断面図である。(実施例1)
【図7A】図6Aに示す物体位置認識システムの、載置台以外を90°回転させた状態における平面図である。(実施例1)
【図7B】図7AのB−B線断面図である。(実施例1)
【図8】図6Aに示す物体位置認識システムの、特定のバイアルの存在位置を明確にした状態における平面図である。(実施例1)
【図9】図7Aに示す物体位置認識システムの、特定のバイアルの存在位置を明確にした状態における平面図である。(実施例1)
【図10】図1に示す物体位置認識システムの一変形例における物体位置認識システムの、図9に対応する平面図である。(実施例2)
【図11A】図2に示す電子タグ付きバイアルの正面図である。(実施例1)
【図11B】図11Aに示す電子タグの平面図である。(実施例1)
【図12A】図4に示すラック固定台の平面図である。(実施例1)
【図12B】図12AのC−C線断面図である。(実施例1)
【図13A】図5に示す載置台の平面図である。(実施例1)
【図13B】図13Aに示す載置台の正面図である。(実施例1)
【図14A】図6Aに示す物体位置認識システムの、載置台を省略した状態における平面図である。(実施例1)
【図14B】図14AのD−D線断面図である。(実施例1)
【図15A】図13Aに示すリーダアンテナのうちの1個のループアンテナのみの平面図である。(実施例1)
【図15B】図15Aに示すループアンテナの第1の変形例の平面図である。(実施例3)
【図15C】図15Aに示すループアンテナの第2の変形例の平面図である。(実施例4)
【図16】図1に示す物体位置認識システムのフローチャートである。(実施例1)
【符号の説明】
【0058】
11 電子タグ付きバイアル(電子タグ付き位置認識対象物体)
12 バイアル収容用ラック(物体配置用ラック)
13 ラック固定台(ラック支持部材)
14 載置台(アンテナ形成対象部材)
23 電子タグ
41a〜41i マーカ用電子タグ
42a〜42i マーカ用電子タグ
51 リーダアンテナ
52a〜52i ループアンテナ(長手状ループアンテナ部分)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の電子タグ付き位置認識対象物体がほぼ行方向およびほぼ列方向にそれぞれ沿って行列状に配されることができる物体配置用ラックと、
上記電子タグ付き位置認識対象物体の電子タグに記憶されている物体情報を読み取るためのリーダアンテナが配設されかつ上記物体配置用ラックが配置されることができるアンテナ形成対象部材とを備え、
上記リーダアンテナが複数行の上記行方向にほぼ沿ってそれぞれ配されている複数個の上記電子タグ付き位置認識対象物体のそれぞれの上記電子タグに記憶されている物体情報を各行ごとにそれぞれ読み取ることができる行方向読み取り用のアンテナ状態と、上記リーダアンテナが複数列の上記列方向にほぼ沿ってそれぞれ配されている複数個の上記電子タグ付き位置認識対象物体のそれぞれの上記電子タグに記憶されている物体情報を各列ごとにそれぞれ読み取ることができる列方向読み取り用のアンテナ状態とがそれぞれ得られるように、上記アンテナ形成対象部材に対する上記物体配置用ラックの相対的な配置を変更し得るように構成されていることを特徴とする物体位置認識システム。
【請求項2】
上記行方向における各行ごとに対応して配設されている行認識のための複数個のマーカ用電子タグと、上記列方向における各列ごとに対応して配設されている列認識のための複数個のマーカ用電子タグとをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の物体位置認識システム。
【請求項3】
上記物体配置用ラックが配置されることができるラック支持部材をさらに備え、
上記行認識のための複数個のマーカ用電子タグおよび上記列認識のための複数個のマーカ用電子タグが上記ラック支持部材に配置されることができるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の物体位置認識システム。
【請求項4】
上記リーダアンテナが、複数個の長手状ループアンテナ部分を備え、
これら複数個の長手状ループアンテナ部分のそれぞれが、上記行方向読み取り用のアンテナ状態においては、上記複数行の上記行方向にほぼ沿ってそれぞれ配されている上記複数個の電子タグ付き位置認識対象物体のそれぞれの上記電子タグに各行ごとにそれぞれほぼ対向し得るとともに、上記列方向読み取り用のアンテナ状態においては、上記複数列の上記列方向にほぼ沿ってそれぞれ配されている上記複数個の電子タグ付き位置認識対象物体のそれぞれの上記電子タグに各列ごとにそれぞれほぼ対向し得るように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の物体位置認識システム。
【請求項5】
複数個の電子タグ付き位置認識対象物体がほぼ行方向およびほぼ列方向にそれぞれ沿って行列状に配されることができる物体配置用ラックと、
上記電子タグ付き位置認識対象物体の電子タグに記憶されている物体情報を読み取るためのリーダアンテナが配設されかつ上記物体配置用ラックが配置されているアンテナ形成対象部材とを用意し、
ついで、上記リーダアンテナが複数行の上記行方向または複数列の上記列方向にほぼ沿ってそれぞれ配されている複数個の上記電子タグ付き位置認識対象物体のそれぞれの上記電子タグに記憶されている物体情報をそれぞれ読み取ることができる上記行方向または上記列方向の読み取り用のアンテナ状態において、上記行方向における各行ごとまたは上記列方向における各列ごとに上記物体情報を上記リーダアンテナによってそれぞれ読み取り、
ついで、上記リーダアンテナのアンテナ状態が上記行方向または上記列方向の読み取り用のアンテナ状態から上記列方向または上記行方向の読み取り用のアンテナ状態に変更されるように、上記アンテナ形状対象部材に対する上記物体配置用ラックの相対的な配置を変更し、
ついで、上記リーダアンテナが複数列の上記列方向または複数行の上記行方向にほぼ沿ってそれぞれ配されている複数個の上記電子タグ付き位置認識対象物体のそれぞれの上記電子タグに記憶されている物体情報をそれぞれ読み取ることができる上記列方向または上記行方向の読み取り用のアンテナ状態において、上記列方向における各列ごとまたは上記行方向における各行ごとに上記物体情報を上記リーダアンテナによってそれぞれ読み取り、
上記各行ごとに読み取られた上記物体情報と、上記各列ごとに読み取られた上記物体情報とから、上記電子タグ付き位置認識対象物体のうちの特定の物体が存在する位置を認識するようにしたことを特徴とする物体位置認識方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図15A】
image rotate

【図15B】
image rotate

【図15C】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2009−208892(P2009−208892A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53292(P2008−53292)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000004008)日本板硝子株式会社 (853)
【Fターム(参考)】