説明

物体流動速度計測方法とその装置、プログラム及び記録媒体

【課題】雑踏のような複数の移動物体が存在する状況下でも、精度良く移動物体を検出し、安定的且つ高速に移動物体の流動速度を計測する。
【解決手段】計測対象となる空間における任意の方向へ移動する物体の流動速度を計測する物体流動速度計測装置1において、前景検出部17は計測対象となる空間の時系列画像から前記物体を有する前景領域が検出された前景領域画像を生成する。射影部18は前記前景領域画像から前記物体の流動方向を検出するための解析空間に射影させる予め生成された射影テーブル15によって前記前景領域画像を前記解析空間へ射影する。射影解析部19は前記解析空間へ射影された画像データの時間的な変化に基づき前記物体の流動速度(流動速度データ20)を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雑踏のように多数の移動物体が存在する環境下において、撮像装置(例えば、カメラ等)で撮影された時系列画像から、画像中の移動物体の流動速度を計測する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動物体を含む静止画像や動画像(映像)から、移動物体を検出、追跡する技術が提案されている(非特許文献1)。しかしながら、それらの技術は画像(静止画像や動画像)から対象を特定し、対象の時間的な変化を追跡していくため、対象の時間的な形状変化や、雑踏のように多数の移動物体が存在する場合には追跡が困難であるという問題がある。また、上記技術は実空間上の移動物体の追跡を行うことを目的としているため移動物体の速度計測には適さない。
【0003】
さらに、それら手法を用いた場合であっても、実空間での対象の移動速度を推定するためには、一度実空間の座標へ変換した後、単位時間当たりの対象の移動量を推定するという複数の段階を経る必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】大澤達哉、ウ小軍、数藤恭子、若林佳織、新井啓之、小池秀樹,「MCMC法に基づく対象と環境に三次元モデルを用いた人物追跡」,電子情報通信学会論文誌 D Vol.J91−D No.8,2008年8月1日,pp.2137−2147
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述したような従来手法の問題点を鑑み、雑踏のような複数の移動物体が存在する状況下でも、精度良く移動物体を検出し、安定的且つ高速に移動物体の流動速度を計測することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の物体流動速度計測方法は、計測対象となる空間における任意の方向へ移動する物体の流動速度を計測する物体流動速度計測方法であって、前景領域検出手段が計測対象となる空間の時系列画像から前記物体を有する前景領域が検出された前景領域画像を生成するステップと、射影手段が前記前景領域画像から前記物体の流動方向を検出するための解析空間に射影させる予め生成された射影テーブルによって前記前景領域画像を前記解析空間へ射影するステップと、解析手段が前記解析空間へ射影された画像データの時間的な変化に基づき前記物体の流動速度を算出するステップを有する。
【0007】
また、本発明の物体流動速度計測装置は、計測対象となる空間における任意の方向へ移動する物体の流動速度を計測する物体流動速度計測装置であって、計測対象となる空間の時系列画像から前記物体を有する前景領域が検出された前景領域画像を生成する前景領域検出手段と、前記前景領域画像から前記物体の流動方向を検出するための解析空間に射影させる予め生成された射影テーブルによって前記前景領域画像を前記解析空間へ射影する射影手段と、前記解析空間へ射影された画像データの時間的な変化に基づき前記物体の流動速度を算出する解析手段とを備える。
【0008】
本発明は前記物体流動速度計測装置を構成する各手段としてコンピュータを機能させるプログラムまたはこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の態様とすることもできる。
【発明の効果】
【0009】
以上の発明によれば、雑踏のような複数の移動物体が存在する状況下でも、精度良く移動物体を検出し、安定的且つ高速に移動物体の流動速度を計測できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】発明に係る物体流動速度計測装置の概略構成図。
【図2】発明に係る物体流動速度計測の過程を説明したフローチャート。
【図3】カメラ校正手段の概要図。
【図4】流動方向指定手段の概要図。
【図5】実空間投票テーブル生成手段における仮想画像生成の概要図。
【図6】実空間投票テーブル生成手段における投票の概要図。
【図7】射影テーブル生成手段の概要図。
【図8】解析手段の概要図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこの実施形態によって限定されるものではない。
【0012】
図1に示された本発明の実施形態に係る物体流動速度装置1は、撮像装置によって得られた画像(静止画像または動画像)中の移動物体を検出し、この検出された移動物体の流動速度を計測する。
【0013】
物体流動速度計測装置1はカメラ校正部11と流動方向指定部12と実空間投票テーブル生成部13と射影テーブル生成部14と画像入力部16と前景検出部17と射影部18と射影解析部19とを備える。
【0014】
物体流動速度計測装置1に係る情報処理の過程は、図2に示されたように、計測対象となる空間における移動物体の流動速度の計測に供する射影テーブル15を予め生成する過程(S1〜S4)と、前記計測対象となる空間の時系列画像と前記予め生成された射影テーブル15とに基づき前記移動物体の流動速度を計測する過程(S5〜S9)とを有する。射影テーブル15を予め生成する過程(S1〜S4)に係る機能部は、カメラ校正部11、流動方向指定部12、実空間投票テーブル生成部13、射影テーブル生成部14である。前記流動速度を計測する過程(S5〜S9)に係る機能部は、画像入力部16、前景検出部17、射影部18、射影解析部19である。
【0015】
カメラ校正部11は、図3に例示したように、計測対象となる空間の時系列画像33と前記測定対象の実空間30における床面31との幾何的な対応付けを行う。時系列画像33に係る画像としては静止画像または動画像(映像)が挙げられる(後述の画像入力部16が取り込む時系列画像も同様)。
【0016】
流動方向指定部12は、図4に例示したように、時系列画像33に基づき、実空間30における移動物体の流動速度を計測したい当該物体の流動方向Dを指定する。
【0017】
実空間投票テーブル生成部13は、図5に例示されたカメラ校正部11による対応付けの結果(内部パラメータ,外部パラメータ)と前記移動物体の仮想的なモデル51とに基づき、図6に例示されたような時系列画像33の各画素における実空間30の離散座標系(実空間マップ34)への投票を行うための実空間投票テーブル(具体的には図7に例示された行列P)を生成する。
【0018】
射影テーブル生成部14は、図7に示されたように、流動方向指定部12によって時系列画像33において指定された流動方向Dと実空間投票テーブル生成部13によって生成された実空間投票テーブル(行列P)とに基づき、射影部18に供する射影テーブル15を生成する。射影テーブル15は、図8に例示されたように、前記時系列画像の前景領域画像(移動物体を有する前景領域が検出されたもの)81から直接的に前記物体の流動方向を検出するための解析空間83へ射影するための変換行列R(=QP(K×N次元))である。射影テーブル15は前記流動速度を計測する過程(S5〜S9)に供するために一時的に保存される。
【0019】
画像入力部16は、前記移動物体の流動速度の計測のために、計測対象となる空間の時系列画像を入力画像として取り込む。
【0020】
前景領域検出部17は前記入力画像から前記移動物体を有する前景領域が検出された前景領域画像を生成する。より具体的には、前景領域検出部17は、前記入力画像から前景領域を検出して、図8に例示されたような前景領域画像81を生成する。
【0021】
射影部18は、図8に示したように、予め生成された射影テーブル15を用いることにより、実空間マップ(実空間の離散座標系)82への変換を介さないで、前景領域画像81を前記移動物体の流動方向を検出するための解析空間83へ直接射影する。
【0022】
射影解析部19は解析空間83へ射影された画像データの時間的な変化に基づき流動速度20を算出する。具体的には前記画像データの時間的な変化に基づき得られる図8に例示された時空間画像84をハウ変換することによって得られた角度情報θを速度換算することによって流動速度20を算出している。
【0023】
本発明を実施するにあたり、ハードウェアとしては、カメラなどの撮像装置、本発明に示す画像処理を行う計算機、結果を表示するモニタなどの画像表示装置を用いて実現することができる。また、画像処理を行うハードウェアについては、汎用の計算機、処理ロジックを実装したボード、チップなど様々なものが考えられるが、ここではそれを限定しない。なお、本発明は、時間に紐付けられたなんらかの入力画像に対して移動物体の流動速度を計測するものであり、撮像装置や入力画像、表示装置については特に限定しない。
【0024】
すなわち、物体流動速度計測装置1に係る機能部11〜15,17〜19はコンピュータのハードウェアとプログラムの協働によって実現できる。機能部11〜15,17〜19としてコンピュータを機能させるプログラムは既知の記録媒体(例えば、CD−ROM、DVD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW、MO、HDD、Blu−ray Disk(登録商標)等)に格納してまたはネットワークを通じて提供できる。画像入力部16は時系列画像を生成する撮像装置からデータの受信が可能な既知のハードウェアインターフェースによって実現すればよい。射影テーブル15はコンピュータの内部メモリやハードディスク装置等の外部メモリに格納するようにすればよい。また、機能部11〜15,17〜19で生成された画像データや計測データは適宜に表示装置(ディスプレイ等)によって表示される。
【0025】
図2に示されたフローチャートを参照しながら物体流動速度計測装置1による物体流動速度計測の過程について説明する。
【0026】
先ず、S1〜S4(事前設定)を介して射影テーブル15が予め生成される。
【0027】
S1:カメラ校正部11は図3に示されたカメラ32による撮影によって得られた計測対象となる空間の時系列画像33の各画素と前記測定対象の実空間30における床面31との幾何的な対応付けを行う。
【0028】
より具体的には、図3に例示されたように、時系列画像33における画素(x,y)と実空間(X,Y,Z)(床面がXY平面)30との幾何学的な対応付けが行われる。対応付けの際には、事前に計測したカメラ32の設置位置、姿勢および角度を表す6つのパラメータ(Tx,Ty,Tz,θ,ω,Φ)の他、焦点距離やカメラ32の歪みなどから、撮影した画像33の各画素(x,y)を実空間30上の床面31の座標(X,Y)へ変換する変換行列を作成することにより実現する。尚、φ,ω,θはそれぞれカメラ座標系XYZにおけるX軸、Y軸、Z軸周りの回転角である。
【0029】
S2:流動方向指定部12が、流動速度を計測したい実空間30における移動物体の流動方向を時系列画像33に基づき指定する。
【0030】
具体的な流動方向の指定は図4に例示されたように観測画像(時系列画像33)中の流動方向Dの始点(×)、終点(◆)の2点を与えることで指定する。始点、終点の与え方は、画素(x,y)を数値指定する、あるいは画像中の位置を直接選択するなどの方法により与える。
【0031】
S3:実空間投票テーブル生成部13は、S1での対応付けの結果と前記移動物体の仮想的なモデルとに基づき、時系列画像33中の各画素に対する実空間の床面上の座標へ変換する際の実空間投票テーブルを作成する。
【0032】
実空間投票テーブルの作成の際には、実空間上の各位置対して仮想的な人物モデルを配置し、それぞれの位置に人物が存在した場合の画像が仮想的に生成される。具体的には図5に例示されたように床面上に楕円体からなる人物モデル51を想定した図形を密に生成し、これをS1で得たカメラ校正データ(内部パラメータ,外部パラメータ)を用いて解析することにより実空間投票テーブルを作成する。ここで、ある画素(x,y)に人物が存在した場合の実空間上の位置を実空間位置(X,Y)とすると、実空間位置(X,Y)に人物が存在した場合の人物一人当たりの画素数から、人物一人当たりの表面積比を算出する。この表面面積比を画素位置(x,y)に人物が存在した場合の実空間上の位置(X,Y)への投票値とする。画素(x,y)に人物が存在する場合は、画素(x,y)が人物の頭や手、足など様々な部位であることが考えられるため、実空間上の位置(X,Y)以外の位置に人物が存在する場合も考えられる。そのため、ここでは、考えられる全ての人物位置に対して、前述の手段にて投票値を算出する。また、各画素に対して、対応するモデルと画像枠内画素数とを予め記録したテーブルが作成される。以上の処理を全画素に対して行うことで、図6に例示した画像33枠におけるモデルa〜dの表面積比に基づく投票値を実空間マップ(離散座標系)34に投票するための実空間投票テーブルを作成する。この実空間投票テーブルは、図7の事例では、画像33中の全画素数をN画素とし、仮想人物モデルを配置した量子化された実空間マップ34上の位置数をM点とすると、N画素をそれぞれM点へ投票することとなるため、M×N次元の変換行列Pにより表すことができる。
【0033】
S4:射影テーブル生成部14は、図7に示したように、S2で指定された流動方向(画像33中の流動方向D)とS3で作成された実空間投票テーブル(M×N次元の変換行列P)とから、移動物体の流動速度を計測する過程(S5〜S9)に係る射影部18(S7)に供する射影テーブル15を生成する。
【0034】
実空間投票テーブルから解析空間への射影は、図7に示したように、実空間マップ34上のM点を射影する流動方向で量子化したK点へ射影するK×M次元の変換行列Qにより表すことができる。そのため、M×N次元の実空間投票テーブル(M×N次元の変換行列P)とK×M次元の射影行列QとからなるK×Nの変換行列R(=QP)を事前に算出する。この算出されたK×Nの変換行列Rを射影テーブル15としている。そして、この射影テーブル15により、後述の流動速度の計測過程(S5〜S9)では、実空間の離散座標系(実空間マップ34)への投票を行うことなく、画像空間(N画素)33から解析空間(K点)35へ直接に変換を行うことができる。尚、射影テーブル15は流動速度の計測(S5〜S9)のために物体流動速度計測装置1の記憶手段に保存される。
【0035】
以上の処理により、射影テーブル15が予め生成される。
【0036】
流動速度の計測(S5〜S9)のステップでは、撮像によって得た計測対象となる空間の時系列画像から、移動物体を有する前景領域を検出して、これに対してS1〜S4を介して予め作成しておいた射影テーブル15から流動方向を検出するための解析空間に変換を行い、この解析空間におけるデータの時間的変化から移動物体の流動速度を算出する。
【0037】
S5:画像入力部16はカメラ等の撮像装置により撮像された時系列画像や事前に撮像しておいた時系列画像を取り込む。画像の入力方法に関しては前述の通り限定はしない。
【0038】
S6:前景検出部17は、S5で入力された時系列画像から背景領域と前景領域を分離して、図8に例示されたような前景領域を検出した前景領域画像81を生成する。
【0039】
前景検出の手法についても、背景統計量を指定した手法や、フレーム間差分などから算出した画像中の動きベクトルを用いた手法が存在するが、本発明では前景検出手法については限定せず、それら既存の前景検出手法のうちいずれかの手法を用いて前景検出を行えばよい。
【0040】
S7:射影部18は、図8に示されたように、S6で得た前景領域画像81を、実空間マップ82への変換を介さずに、物体流動速度計測装置1の記憶手段から引き出した射影テーブル15(行列R=QP(K×N次元))によって解析空間83に直接射影する。
【0041】
S8:射影解析部19は解析空間83へ射影された画像データの時間的な変化に基づき前記物体の流動速度を算出する。これにより雑踏における物体の流動速度が算出される。
【0042】
流動速度の算出について具体的に説明する。実空間上に人物の存在する箇所は、解析空間83においても投票値が大きくなる。この性質を利用し、射影解析部19は図8に示したように解析空間83において局所的なピーク検出を行い、ピークの時間的な変化により流動量を算出する。図8に示された事例では、解析空間83の異次元データを時系列に並べて生成した2次元データ(流動方向と時間方向の2次元データ)であるピークの時空間画像84からハフ変換により主要な直線成分を検出し、それらの直線成分の角度情報から流動量を算出している。すなわち、θ−ρハフ変換で主要な直線成分を検出し、その最も頻度の高い角度情報θを検出し、この角度情報θから流動速度に換算している。この換算によって得られた流動速度データ20は図示省略の表示装置から出力される。
【0043】
S9:全ての時系列画像についてS5〜S8のステップが実行される。
【0044】
以上のように物体流動速度計測装置1は、雑踏のように多数の移動物体が存在する状況下においても、対象の特定や追跡を行わず、検出した前景領域そのものを投票することにより流動方向を算出するので、安定的に移動物体の流動速度を計測できる。
【0045】
また、事前設定(S1〜S4)によりカメラ校正や計測したい流動方向を指定することで、実空間上での位置を算出することなく、流動方向解析用の空間へ一括して射影し、雑踏における流動速度を算出することが可能となる。
【0046】
したがって、雑踏のような複数の移動物体が存在する状況下でも、精度良く移動物体を検出し、安定的且つ高速に移動物体の流動速度を計測できる。
【符号の説明】
【0047】
1…物体流動速度計測装置
11…カメラ校正部(校正手段)
12…流動方向指定部(流動方向指定手段)
13…実空間投票テーブル生成部(実空間投票テーブル生成手段)
14…射影テーブル生成部(射影テーブル生成手段)
15…射影テーブル
16…画像入力部
17…前景検出部(前景領域検出手段)
18…射影部(射影手段)
19…射影解析部(解析手段)
20…流動速度データ
81…前景領域画像
82…実空間マップ(離散座標系)
83…解析空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象となる空間における任意の方向へ移動する物体の流動速度を計測する物体流動速度計測方法であって、
前景領域検出手段が計測対象となる空間の時系列画像から前記物体を有する前景領域が検出された前景領域画像を生成するステップと、
射影手段が前記前景領域画像から前記物体の流動方向を検出するための解析空間に射影させる予め生成された射影テーブルによって前記前景領域画像を前記解析空間へ射影するステップと、
解析手段が前記解析空間へ射影された画像データの時間的な変化に基づき前記物体の流動速度を算出するステップと
を有すること
を特徴とする物体流動速度計測方法。
【請求項2】
校正手段が前記計測対象となる空間の時系列画像と前記計測対象の実空間における床面との幾何的な対応付けを行うステップと、
流動方向指定手段が前記時系列画像に基づき前記実空間における物体の流動速度が計測される前記物体の流動方向を指定するステップと、
実空間投票テーブル生成手段が前記対応付けの結果と仮想的な前記物体のモデルとに基づき前記時系列画像の各画素における前記実空間の離散座標系への投票を行うための投票テーブルを生成するステップと、
射影テーブル生成手段が前記指定された流動方向と前記生成された投票テーブルとに基づき前記射影手段に供する射影テーブルを生成するステップと
をさらに有すること
を特徴とする請求項1に記載の物体流動速度計測方法。
【請求項3】
前記投票テーブルは、前記時系列画像中の全画素数をN画素とし、前記モデルを配置した量子化された実空間の離散座標系上の位置数をM点とし、N画素をそれぞれM点へ投票するM×N次元の変換行列からなること
を特徴とする請求項2に記載の物体流動速度計測方法。
【請求項4】
前記射影テーブルは、
前記時系列画像中の全画素数をN画素とし、前記モデルを配置した量子化された実空間の離散座標系上の位置数をM点とし、N画素をそれぞれM点へ投票するM×N次元の変換行列と、
M点を前記流動方向で量子化したK点へ射影するK×M次元の変換行列と
からなるK×N次元の合成変換行列であること
を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の物体流動速度計測方法。
【請求項5】
計測対象となる空間における任意の方向へ移動する物体の流動速度を計測する物体流動速度計測装置であって、
計測対象となる空間の時系列画像から前記物体を有する前景領域が検出された前景領域画像を生成する前景領域検出手段と、
前記前景領域画像から前記物体の流動方向を検出するための解析空間に射影させる予め生成された射影テーブルによって前記前景領域画像を前記解析空間へ射影する射影手段と、
前記解析空間へ射影された画像データの時間的な変化に基づき前記物体の流動速度を算出する解析手段と
を備えること
を特徴とする物体流動速度計測装置。
【請求項6】
前記計測対象となる空間の時系列画像と前記計測対象の実空間における床面との幾何的な対応付けを行う校正手段と、
前記時系列画像に基づき前記実空間における前記物体の流動速度が計測される前記物体の流動方向を指定する流動方向指定手段と、
前記対応付けの結果と仮想的な前記物体のモデルとに基づき前記時系列画像の各画素における前記実空間の離散座標系への投票を行うための投票テーブルを生成する実空間投票テーブル生成手段と、
前記指定された流動方向と前記生成された投票テーブルとに基づき前記射影手段に供する射影テーブルを生成する射影テーブル生成手段と
をさらに備えること
を特徴とする請求項5に記載の物体流動速度計測装置。
【請求項7】
前記投票テーブルは、前記時系列画像中の全画素数をN画素とし、前記モデルを配置した量子化された実空間の離散座標系上の位置数をM点とし、N画素をそれぞれM点へ投票するM×N次元の変換行列からなること
を特徴とする請求項6に記載の物体流動速度計測装置。
【請求項8】
前記射影テーブルは、
前記時系列画像中の全画素数をN画素とし、前記モデルを配置した量子化された実空間の離散座標系上の位置数をM点とし、N画素をそれぞれM点へ投票するM×N次元の変換行列と、
M点を前記流動方向で量子化したK点へ射影するK×M次元の変換行列と
からなるK×N次元の合成変換行列であること
を特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の物体流動速度計測装置。
【請求項9】
請求項5から8のいずれか1項に記載の物体流動速度計測装置を構成する各手段としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−244192(P2010−244192A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90312(P2009−90312)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】