説明

物品の荷揃え方法

【課題】 少ない人数と分岐レーンでもって物品を効率的に同一出荷先の所定数の物品を1単位として荷揃えできるようにする。
【解決手段】 供給コンベヤ10の片側に24の分岐レーン11を設け、同分岐レーンから払い出される物品2をパレット積み付けステーション15へ送る搬出コンベヤ14を設け、分岐レーン11を固定的割り付けの固定分岐レーン群Kの分岐レーン11と,未割り付けの状態であれば出荷先を自由に割り付け可能とする自由分岐レーン群Fの分岐レーン11とに分け、固定分岐レーン群Kの分岐レーン11が満杯となって貯えられなくなると、その時点で自由分岐レーン群Fの未割り付けの分岐レーン11がその出荷先に割り付けられて物品2を貯えるようにし、同一出荷先に割り付けられた両群の各分岐レーン11に1出荷パレットに積み付けられる数だけ貯えられると、両群の分岐レーン11に貯えた物品2を搬出コンベヤ14へ払い出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倉庫・工場で保管・生産された物品又はそこから供給されてくる物品(複数の商品を梱包したダンボール,複数の商品を収容したケース,単品商品,部品,未加工品,半加工品)を、同一出荷先(出荷される店舗,会社,搬送センター,他の倉庫,保管所,流通倉庫,工場,加工現場,処理場,搬送機器,搬送車等)の所定数の物品を単位として供給コンベヤ,分岐レーン,搬出コンベヤを用いて荷揃えする荷揃え方法に関する。主に配送センター,工場,物流用立体自動倉庫,加工工場において有用な物流技術である。同出荷先の所定数の物品の単位とは、物品の搬送具(出荷パレット,出荷コンテナ,出荷用かご車等)の単位,組立製品の部品数,一回バッチ処理の物品の加工数,その他要求量等の単位である。
【背景技術】
【0002】
従来の出荷先単位に物品を荷揃えする装置・方法は、物品を供給する供給コンベヤの片側又は両側に出荷先と一対一に割り付けられた分岐レーンを設け、物品を供給コンベヤから分岐レーンへ移載する移載装置を設けて、供給コンベヤで供給される物品を物品毎に所定の移載装置を作動させて、その出荷先の分岐レーンに移載する。そして分岐レーンの先端に作業者を配置し、分岐レーンへ送られてくる同一出荷先の所定数の物品を手作業で搬送具に積み付けして荷揃えしていた。積み付けられた搬送具は、フォークリフト車・コンベヤ等で運送の為の仮置ステーションに一時置かれて、適時トラック・車両で出荷されるようにするものである。即ち、従来の装置・方法は供給コンベヤと複数の分岐レーンをソーターとして使用して荷揃えしていた。
又、荷揃え作業は、一日を適当な時間区間で区切り、その区切りで一日複数回のバッチでもって荷揃えをしていた。
更に詳しく説明すると、一日を適当な時間区間で区切り(これをバッチと呼ぶ)、バッチ単位で物品のアイテム(商品の品種,寸法,数量,重さ等が違う品目)毎の各出荷先(店舗)の注文数の総数を計算する。保管場所からアイテム毎にパレットで供給コンベヤの投入口まで運び、一つのアイテムAに対してそのバッチ内で、対象店舗分の注文数の総数を投入口からソーターに投入して荷揃えするものである。
【0003】
従来の出荷先に対する分岐レーンの割り付け方法は、分岐レーンと店舗を一対一に対応させて、各店舗のアイテムAの注文数だけ各店舗に対応したソーターの分岐レーンに物品を分配し、仕分ける。同様にBアイテム、Cアイテムと順次同様の仕分けを全てのアイテムに対して行う。各分岐レーンにはその出荷先(店舗)へ出荷する種々のアイテムの物品が貯っていく。一方各分岐レーンの先端では、作業員が分岐レーンの物品を人手で出荷パレット等に移して、フォークリフト等で出荷トラックの所又は保管場所まで運ぶ。
作業員を分岐レーンに一人ずつ人員を配置するか、一人で複数レーン持たせるかは、物量規模に応じて適切な人数及び人員配置を決める。
【0004】
例えば1バッチに32店舗を仕分けるとすれば、分岐レーンの数は32以上必要となる。4分岐を一人で受け持つとすれば8人の人員が必要になる。
この荷揃え装置での仕分け方法の欠点は、一人で4分岐を受け持った場合、4分岐間の横移動が発生し、無駄な時間と労力を使うことになる。また8人でパレットに積み付け作業を行う場合、各店舗の注文数のばらつきにより、作業負荷もばらつく。即ち、忙しいレーンと暇なレーンが出来る。したがって、どうしても必要以上に余裕を持って人員を配置することになり、労働コストの上昇を招く。
また、フォークリフトでトラックの一時仮置場所迄持っていく場合でも32レーンの各レーンで発生する積み付け完了したパレットを見つけるのも、広範囲になればなるほど困難になり、動作範囲も広いので必要なフォークリフトの台数及び人員も増える。
各分岐レーンの前でパレットまたは篭車に積み付けるので、積み付け面積が分散し、多くのスペースが必要となる。また積み付けるための空パレットの供給も分散している分大変となるという種々の問題があった。
【0005】
これとは別に、本出願人は新しい物品の荷揃え方法を開発した。この方法は、供給コンベヤラインに支流ラインを複数設け、支流ラインと物品のアイテムとを一対一に対応させ、供給コンベヤラインから供給される物品をそのアイテムに対応した支流ラインに移載して一時貯え、同支流ラインの先端から切り出される物品を合流させて一つの単位として搬出する合流ラインを設け、出荷先の荷揃えする物品を支流ラインから所定タイミングで切り出し、合流ライン上で同一出荷先の物品が連続した1単位を形成するように切り出し、合流ラインの下流位置で搬送具に積み付けて出荷する荷揃え方法である。この荷揃え方法は特開平10−297744号公報として公知である。
この荷揃え方法は、効率的で連続した荷揃えができるが、物品のアイテムが多品種となると多くの支流ラインを必要として広い敷地面積を必要とするという問題があった。
【特許文献1】特開平10−297744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、少ない人数と分岐レーンで効率的に同一出荷先の所定数の物品を1単位として物品を荷揃えできる荷揃え方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 供給コンベヤの片側又は両側に複数の分岐レーンを設け、物品を供給コンベヤの上流から流し、供給コンベヤから供給されてくる同一出荷先の物品を出荷先に割り付けられた分岐レーンに移載して貯え、分岐レーンに貯えられた同一出荷先の物品が一つの単位を形成する所定数だけ貯まったとき、分岐レーンに貯えた物品を搬出コンベヤに払い出し、同搬出コンベヤの下流で同一出荷先の所定数の物品を1単位として荷揃えする物品の荷揃え方法であって、
使用できる分岐レーンが未割り付けの状態であれば出荷先を固定することなく割り付け可能とし、
供給コンベヤからの物品の供給の順番に従って、供給されてくる物品の出荷先が割り付けられていないときはその時点で割り付け可能な分岐レーンを選んでその出荷先に割り付けし、物品の出荷先が割り付けられているときはその割り付けに従い、しかも分岐レーンに1単位の所定数の物品が貯えられるとその出荷先に割り付けられた分岐レーンの割り付けを解消し、その分岐レーンに対して前と同じ又は別の出荷先を割り付け可能とし、出荷先の分岐レーン割り付けが物品の供給に応じて変動するようにした物品の荷揃え方法
2) 一つの単位を形成する所定数が、出荷パレットに積み付けられる物品の数とする前記1)記載の物品の荷揃え方法
3) 一つの分岐レーンで同一出荷先の1単位の所定数の物品を貯えることができない場合は、同一出荷先に対して複数の分岐レーンを割り付けし、この複数の分岐レーンで所定数の物品を貯えたときにその複数の分岐レーンに貯えた物品を所定のタイミングで搬出コンベヤ上で合流するように搬出コンベヤに払い出して1単位の同一出荷先の物品を形成するようにする前記1)又は2)記載の物品の荷揃え方法
4) 前記1)〜3)いずれか記載の物品の荷揃え方法において、コンピュータソフトで供給コンベヤと複数の分岐レーンと搬出コンベヤとからなる荷揃え装置の仮想モデルを作って物品を供給コンベヤから流すことのシュミレート計算を行って、仮想モデルのシュミレート計算で分岐レーンの割り付けを確定し、供給する物品毎に移載する分岐レーンと払い出しタイミングを予め決定し、その後実際の物品の供給と移載と払い出しを行うようにした、物品の荷揃え方法
にある。
【発明の効果】
【0008】
以上の様に、本発明によれば、荷揃えを供給コンベヤ,移載装置,分岐レーン,搬出コンベヤを用いて所要数の単位で荷揃えでき、荷揃え作業の作業者の人数,分岐レーンを少なくできるものとした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の「出荷先」としては、物品を出荷する店舗・会社・配送センター・倉庫・保管所・遠隔の工場・遠隔の作業現場等の外部の場所・遠隔の場所の場合と、同じ工場内・同じ建物・同じ会社内の別の加工処理場・組立作業場・検査場・別の仕分け設備・車両出庫場等の近い場所の場合がある。
本発明の荷揃えされた同一出荷先の所定数の物品は、上記出荷先に応じて、搬送具(出荷パレット・出荷コンテナ・出荷用かご車等)を使用して、積載・収容されて車両出荷場所へ移送されて外部へ出荷される場合と、所定数の物品をそのままの状態で、又は搬送具に積載・収容させた状態で、コンベヤ・搬送車によって同じ敷地・工場・建物の別の場所へ移送される場合とがある。
【0010】
本発明の「同一出荷先の所定数の物品を1単位として」の「単位」,「所定数」とは、同一出荷先の物品を搬送具(出荷パレット,出荷コンテナ,出荷用かご車等)を使用して荷揃えする場合はその搬送具に積載・収容できる数,後の処理の為に同一の搬送具に積載・収容させる予定の物品の数,又は同一出荷先の最後に貯えられる物品までの払い出されていない分岐レーンに貯えられる数等である。又搬送具を使用しない場合は、組立構成部品の物品の数、同じ加工機で処理する物品の数、同じ検査場で検査処理する物品の数等が所定数であり、一つの単位とするものである。
【0011】
:割り付けのタイプについて
出荷先の分岐レーンの割り付け方法としては、3つのタイプの方法がある。その一つのタイプの方法は各出荷先に対して一つ又は複数の異なる分岐レーンを固定的に割り付ける静的割り付け方法である。第2のタイプの方法は、本願発明の方法であって、割り付けた分岐レーンに荷揃えの単位の所定数の物品を貯えると、その貯えた物品を搬出コンベヤに払い出すとともにその分岐レーンの出荷先の割り付けを解消してその分岐レーンに対して前と同じ又は別の出荷先を新たに割り付け可能とし、同じ出荷先の分岐レーンの割り付けが時間とともに変動できるようにする動的割り付け方法である。第3のタイプの方法は、上記の第1のタイプの静的割り付け方法と第2のタイプの動的割り付け方法との中間的なハイブリッドの方法であって、各出荷先に対して固定分岐レーン群の分岐レーンを固定的に割り付け、この固定分岐レーン群の分岐レーンが所定数の物品を貯えられなくなると、自由分岐レーン群の割り付け可能な分岐レーンをその出荷先の分岐レーンとして割り付けして物品を自由分岐レーン群の分岐レーンにも貯えるようにする方法である。同じ出荷先に割り付けられた固定分岐レーン群の分岐レーンと自由分岐レーン群の分岐レーンとに所定数の物品を貯える。両分岐レーンに物品を所定数貯えると所要のタイミングで搬出コンベヤに払い出すとともに、所定数貯えた時点で自由分岐レーン群のその分岐レーンの出荷先割り付けを解消し、その分岐レーンに前と同じ出荷先又は別の出荷先に割り付け可能とする。
【0012】
この第3のハイブリッド方法において、固定分岐レーン群の分岐レーンの数を零にすれば第2の動的割り付け方法となり、又自由分岐レーン群の分岐レーンの数を零とすれば第1の静的割り付け方法となる。固定分岐レーン群の全ての分岐レーンが長くて所定数の物品を貯えることができるときは、第1の静的割り付け方法と同じ動作状態となる。逆に、固定分岐レーン群の全ての分岐レーンが所定数の物品を貯えることが出来ないときは第2の動的割り付け方法と近い動作状態となる。
【0013】
第1及び第3のタイプの割り付け方法は、少なくとも出荷先の数以上の分岐レーンの数を必要とするため多くの出荷先の荷揃えには適さない場合がある。第2の動的割り付け方法は、分岐レーンの効率的な使用を可能とし、分岐レーンの数が少なくても多くの出荷先に対して荷揃えできることとなる。第3のタイプの割り付け方法でも自由分岐レーン群についてはかなり効率的に分岐レーンが活用できるので分岐レーンを少なくできる。
【0014】
:「分岐レーンが所定数の物品を貯えられないとき」について
本発明で、一つの分岐レーンで同一出荷先の所定数の物品を貯えられないときとしては、分岐レーンが短くて所定数の物品を貯えられない場合、又は所定数が多くて又は物品の長さが長くて分岐レーンのストック量を越える場合とがある。これらの場合での対応として、本発明の第1の静的割り付け方法では、同一出荷先に別の分岐レーンを固定的に割り付けして複数の固定的な分岐レーンで所定数の物品を貯える。第2の動的割り付け方法では、その時点で未割り付けの分岐レーンを選んでその出荷先の別の分岐レーンを割り付けして、複数の分岐レーンで所定数の物品を貯える。第2の方法では分岐レーンの割り付けは固定的でなく、その時点で自由に選択されるので割り付け分岐レーンは変動できるものとなる。
第3のハイブリッドの方法では、固定分岐レーン群の分岐レーンが所定数の物品を貯えられないと、その時点で自由分岐レーン群の分岐レーンのどれか未割り付けの分岐レーンが選択されて割り付けられる。自由群の分岐レーンの割り付けは変動できるものである。しかもこの第3の方法でも自由群の分岐レーン及び固定分岐レーン群の分岐レーンに複数割り付け可能である。
【0015】
:割り付けの決定の時点の計算
本発明における出荷先の分岐レーンの割り付けを決定する時点は、物品の実際の供給する前に割り付けを決定して確定する場合と、物品の実際の供給する時点又はその直前でリアルタイムで決定する場合がある。後者の方法は物品の流れ、貯まり具合等をリアルに計測しなければならず種々の装置を必要とする。従って前者の割り付けを前に決定する方法が物品の移載・流れが確実となるので実用的である。実際の供給する前に割り付けを決定する方法としては、第1の静的割り付け方法及び第3のハイブリッドの固定群の分岐レーンの割り付けは、単に出荷先と分岐レーンの固定的な対応が決めるだけであるので簡単に行える。この固定的割り付けも仮想上の物品の供給の順番に応じて逐次決定していくように計算・シュミレートでもって行うこともできる。第2の動的割り付け方法の分岐レーンの割り付け及び第3のハイブリッド方法の自由群の分岐レーンの割り付けは、物品の供給の順番に応じて分岐レーンの貯まり具合、割り付け状態をみて、所定数の物品を分岐レーンが貯えられなくなった時点で決定するようにするのが実用的な方法である。この場合、所定数の物品が貯えられた時点の時間に(時間をかけずに)その時点での分岐レーンの未割り付け状態から決定してもよいし、その時点の後で次の同一出荷先の物品の移載に間に合う時までの時間の間での分岐レーンの未割り付け状態から決定してもよい。
【0016】
本発明の分岐レーンの割り付け方法は、あらかじめ、コンピュータソフトで荷揃え装置の仮想モデルを作り、そのバッチ処理に荷揃えする物品を所要の順番で供給コンベヤから流すシュミレート計算を行ない、出荷先の分岐レーンの好ましい具体的な割り付けを行ない、仮想モデルで流して荷揃えさせて円滑にいくことを確認して出荷先の分岐レーン割り付けを確定し、供給する物品毎に移載する分岐レーンを決定した上で物品を実際に供給コンベヤで供給させ、決定した分岐レーンで移載装置を作動させて目標の分岐レーンへ貯えられるようにする方法が、確実な荷揃えを可能とする。
前記のように、本発明の分岐レーンの割り付け方法はこれ以外の計算方法で決定することもできる。又は物品の位置、物品のID、分岐レーンの物品の貯え状態等を確認する装置を設けてリアルタイムで物品を供給しながらこれらの状態を計測して適宜具体的な分岐レーンの割り付けを決定させて移載・貯えも行うこともできる。
【0017】
物品の供給コンベヤ上の位置,分岐レーン上の位置,搬出コンベヤ上の位置は、コンベヤの送り量(ローラコンベヤの回転量)で計測されて、その送り量でもって移載装置の作動が制御され、又搬出コンベヤ上での移載位置、払い出しタイミングが搬出コンベヤの送り量で決められるようにするのが一般的制御である。
【実施例1】
【0018】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。本実施例の形態の特徴を要約すると次の通りとなる。
本発明は、実施例中の自由レーン群において実施された例である。又は実施例の固定レーンの数を零とした状態と考えてもよい。
本実施例の割り付け方法は、使用できる分岐レーンを固定分岐レーン群と自由分岐レーン群とに分け、固定分岐レーン群の出荷先に固定的に割り付けられた分岐レーンが同一出荷先の所定数の物品を貯えることができないときに、自由分岐レーン群の未割り付けの分岐レーンを選んでこれに同一出荷先の物品を貯えるように割り付けする、前記第3のハイブリッドの割り付け方法を採用した。固定分岐レーン群は12レーン、又自由分岐レーン群には12の分岐レーン設けている。
又本実施例の出荷先は店舗・配送センター等の外部へ出荷するための荷揃えであり、荷揃えされた所定数の物品を搬出コンベヤの下流位置に設けた積み付けステーションで出荷パレットの搬送具に積み付けて出荷させるものである。本実施例の「同一出荷先の所定数」は出荷パレットに積み付けられる数とする例である。
本実施例における物品の供給は、一日を2−3回に分けた物品(商品)のバッチ的出荷のための荷揃えであり、一回のバッチ毎にアイテムの物品の寸法が長いアイテムの順番でそのバッチで出荷する出荷総数の個数を供給コンベヤから流すものである。本実施例の分岐レーンの割り付けは上記物品の供給に従ってコンピュータを用いてシュミレート計算して実際の物品の供給する前に分岐レーンの割り付けを確定し、各物品毎に移載する分岐レーン番号を予め決定して供給コンベヤから流す例である。
【0019】
図1は、実施例の荷揃え装置の斜視図である。
図2は、実施例の荷揃え装置の平面配置図である。
図3は、実施例の分岐レーンへの物品の供給を示す説明図である。
図4は、実施例の分岐レーンの割り付けの制御装置の処理フロー図である。
【0020】
:実施例の構成説明
図中、1は実施例の物品の荷揃え方法を行う荷揃え装置、2は荷揃えする物品であって、同一品種の商品を複数個箱詰めされた商品カートン詰めの物品である。10〜20Aは荷揃え装置1の構成部分であって、10はローラコンベヤを用いた供給コンベヤ、11は同供給コンベヤに直角に配置され、払い出し方向に従って低くなるように傾斜したグラビティコンベヤを用いた24の分岐レーンであって、分岐レーン名B1〜B24を有する。12は供給コンベヤ10上に搬送される物品2を分岐レーン11へ直角にしかも物品の中心振り分けるように移載する直角変換装置を用いた移載装置、13は分岐レーンの下流先端部に設け物品の貯えと払い出しを制御する可動ストッパ、14は搬出コンベヤ、15は同搬出コンベヤの下流位置に設けたパレット積み付けステーション、16は出荷先別の積み付け出荷パレットの仮置ステーション、17は物品2を供給コンベヤ10へ送り出す投入コンベヤ、18は物品2を同投入コンベヤまで送り出す搬送コンベヤ、19は供給コンベヤ10の開始個所に設けた物品検出センサーで、物品の送り基準時とセンサーで物品の個別の長さを実測して物品の中心位置を計算するためのものである。20は移載装置12,供給コンベヤ10,可動ストッパ13,搬出コンベヤ14を制御する制御装置、20Aは各出荷先の物品の出荷要求から各物品のアイテムの供給総個数・出荷先の数等を決定し、本荷揃え装置1で物品の供給をシュミレート計算し、出荷先に分岐レーンを割り付けを行い、物品のID,出荷先・移載する分岐レーン等を記憶し、制御装置20と連係して作動するコンピュータ、21はトラック、22は作業者、23は出荷パレットである。
【0021】
本実施例の荷揃えする物品2は商品を複数個梱包して商品カートン詰めの物品であり、物品のアイテムは梱包される商品の品種(品目・寸法)と商品の梱包個数によって区別されていて、物品の外形寸法の大きい順でI1,I2,I3・・・I51の51個以上のアイテムがある。本実施例で使用する搬送具は出荷パレット23であり、物品2を40個程積み付けることができ、出荷パレット23に積み付けられる数は物品2のアイテムとその個数の組み合わせで決まるもので、コンピュータ20Aでその物品のアイテムと個数とで積み付けられる数を予め計算される。この積み付けられる数が本発明の所定数となり、一出荷パレットが1単位となる。
本実施例の分岐レーン11(B1〜B24)は、物品2を20個程貯えることができる。分岐レーン11は出荷先(店舗)のE1〜E12と一対一に割り付けられる12の分岐レーン11(B1〜B12)からなる固定分岐レーン群Kと同固定分岐レーン群Kの分岐レーン11(B1〜B12)が1出荷パレット23の積み付けられる数(所定数)の物品を貯えることができないときに割り付けられる12の分岐レーン11(B13〜B24)からなる自由分岐レーン群Fとからなり、合計24の分岐レーン11(B1〜B24)が供給コンベヤ10の片側に一定ピッチをもって、同供給コンベヤに直角に配設されている。この自由分岐レーン群Fの分岐レーン11(B13〜B24)は空になったとき任意の出荷先に割り付けられるものである。
移載装置12は物品2の中心振り分けるように物品を直角に移載とする直角転換装置が使用されている。供給コンベヤ10,搬出コンベヤ14ともローラコンベヤを使用され、コンベヤ上の物品2の位置はコンベヤの送り量(回転数値)の値でもって表現され、物品検出センサー19とによって実測されて、コンピュータ20Aのソフト・メモリ上で物品の物品番号、アイテム、出荷先(店舗先)の情報とともに、移載される分岐レーンの番号,物品のコンベヤ,分岐レーン上の位置が記憶される。
移載装置12の作動命令、可動ストッパ13の出没の制御は、制御装置20とコンピュータ20Aとでなされている。
【0022】
:実施例の荷揃え例
以下、本実施例の物品の荷揃え方法を用いた一つの荷揃え例について説明する。
本例は、一回のバッチ処理で各出荷先E1〜E12に対し、下記表1に示すようにアイテムI1〜I51の物品2をその出荷個数(割当個数)荷揃えして出荷する例である。その各出荷先に対する物品2の総個数は出荷先E6,E10,E11を除いて34〜102個であり、1出荷パレット23に積み付けられる物品2の数(即ち同一出荷先の所定数)は40個程であるので、出荷先E2,E3,E4,E5,E7,E8,E9に対しては、複数の出荷パレット23を用いて荷揃えするようになる。又、分岐レーン11が貯えられる貯数限度は20個(程)であるので、分岐レーン11の1レーンのみではこれら出荷先の所定数の物品2の全てを貯えることができず、自由分岐レーン群Fから別の分岐レーンが割り付けられる。
【0023】
【表1】

【0024】
各出荷先E1〜E12に対する固定分岐レーン群Kの分岐レーン11(B1〜B12)の割り付けは出荷先E1には分岐レーンB1を、出荷先E2には分岐レーンB2を、出荷先E3には分岐レーンB3を、同様にE4にはB4を、E5にはB5を、E6にはB6を、E7にはB7を、E8にはB8を、E9にはB9を、E10にはB10を、E11にはB11を、E12にはB12を、このバッチ処理の荷揃えの間、固定的に割り付けている。
【0025】
本例では、物品2はアイテムI1,I2・・・I51の順で表1に示す各出荷先に出荷する個数の総個数だけ供給コンベヤ10の上流にある投入コンベヤ17から投入する。投入コンベヤ17の物品2は供給コンベヤ10に移載されて搬送される。供給コンベヤ10上の物品2は上流にある物品検出センサー19でその前端と後端が物品2の搬送によって感知される。通過した物品2の前端感知と後端感知の感知時の供給コンベヤ10の送り量の各値の差分・平均値として、それぞれ物品2の長さと中心位置が供給コンベヤの送り量(ローラコンベヤの回転)の値によって計算され、その値はコンピュータ20Aのメモリに記憶される。
物品2はこの供給コンベヤ10の送り量に基づいて分岐レーン11への移載のタイミングが決定される。
【0026】
本例では、供給コンベヤ10の上流から、アイテムI1の物品2を1個、アイテムI2の物品2を30個、アイテムI3の物品2を44個、アイテムI4の物品2を7個、アイテムI5の物品2を1個、アイテムI6の物品2を1個・・・アイテム順に総個数をまとめて流す(表1参照)。
【0027】
このように表1の物品2を、そのアイテムIi(i=1〜51)の順に供給コンベヤ10から流すと物品検出センサー19の位置を基準にしてその物品2の記憶された出荷先に固定的に割り付けられた分岐レーン11(B1〜B12)までの送り量から計算され、供給コンベヤ10がその送り量になった時に割り付けられた分岐レーン11の移載装置12に作動命令を、コンピュータ20Aからの情報に基づいて制御装置20が発生させ、その物品2をその出荷先に割り付けた固定分岐レーン群Kの所定の分岐レーン11(B1〜B12)へ移載して貯える。
【0028】
アイテムI1の物品2は、1個出荷先E9の分岐レーン11(B9)に移載され、貯えられる。アイテム2の物品2は、出荷先(分岐レーン)のE2(B2)に5個,E3(B3)に2個,E4(B4)に5個,E7(B7)に8個,E9(B9)に8個,E12(B12)に2個の総30個分配して貯えられる。同様にアイテム3の物品2は、出荷先(分岐レーン)のE1(B1)に5個,E2(B2)に5個,E3(B3)に5個,E4(B4)に3個,E7(B7)に12個,E8(B8)に4個,E9(B9)に10個の総44個を分配して貯えられる。アイテムI3の物品2が12個出荷先E7の分岐レーン11(B7)に貯えられると、20個貯えられ、この分岐レーンB7が満杯となるので(所定数の数40個の物品2を貯えられないので)、コンピュータ20Aは自由分岐レーン群Fの中の未割り付けの分岐レーン11(B13〜B24)の中の上流側にある分岐レーン11(B13)をその出荷先E7の分岐レーン11として決定し、この出荷先E7の次のアイテムI4,I7,I8・・・の物品2を分岐レーン11(B13)の方へ貯えていく。
同様にアイテムI4の物品出荷先E9の分岐レーンB9に貯えると、この分岐レーンB9が満杯となるので、この時点で自由分岐レーン群Fの未割り付けの分岐レーン11(B14〜B24)のうち、上流側の分岐レーン11(B14)を選択してこれに出荷先E9の後続の物品2を貯えるようにする。
【0029】
同様にアイテムI5,I6,I7・・・の物品2を供給していく。
アイテムI8の物品2を供給すると、分岐レーン(出荷先)のB2(E2),B4(E4)が満杯となり、自由分岐レーン群Fの分岐レーン(出荷先)のB15(E2),B16(E4)がこれら出荷先E2,E4の分岐レーンとして割り付けられ、この出荷先E2,E4の物品2はこの後は分岐レーン11(B15,B16)の方へ移載されて貯えられる。アイテムI8の物品を供給すると、出荷先E9の固定分岐レーン群Kの分岐レーン11(B9)と自由分岐レーン群Fの分岐レーン11(B14)が貯える物品2が合わせて40個を超えることとなり、一出荷パレットの積み付けられる数(即ち、同一出荷先の所定数)に達するので、可動ストッパ13を作動させて払い出す。払い出すタイミングは分岐レーン11(B14)の貯えた物品2が分岐レーン11(B9)に貯えた物品2の後に間隔少なく搬出コンベヤ14上で1単位を形成するように送るタイミングで払い出される。そのタイミングはコンピュータ20Aと制御装置20とによって計算され、制御される。このように搬出コンベヤ14上では物品2の寸法が大きい物品2が先に流れるように分岐レーン11(B9)に貯えた物品2の後に間隔をあけずに分岐レーン11(B14)で貯えた物品2を流し、この出荷先E9の一出荷パレット分の物品2を合流させて1単位として下流へ送る。下流の積み付けステーションで、同一出荷先E9の一出荷パレット分の物品2が1単位で流されてくれば、そのステーションで作業者22によって出荷パレット23上に大きい順番のアイテムで流れてくる1単位の物品2を大きい順に積み付けする。物品2を積み付けられた出荷パレット23はリフト車等で仮置ステーション16へ移動され、一時仮置され、所定時に出荷パレット23とともに物品2はトラック21で出荷先E9へ運送される。
【0030】
物品2を払い出した出荷先E9の分岐レーン11(B9,B14)は空となり、自由分岐レーン群Fの分岐レーン11(B14)の方の割り付けは解消され、同じ又は別の出荷先に割り付け可能となる。
一方、固定分岐レーン群Kの分岐レーン11(B9)の出荷先E9の割り付けは解消されず、次の出荷先E9の物品2はこの分岐レーン11(B9)の方へまず貯えられる。本例では、分岐レーン11(B9)には払い出しと同時に次の出荷パレット23に積み付けられるアイテムI8の物品2の一部が貯えられる。
同様に、アイテムI12の物品2の供給で出荷先E7の分岐レーン11(B7,B13)が所定数貯えられて、払い出される。払い出されて自由分岐レーン群Fの分岐レーン11(B13)の割り付けは解消され、未割り付けの状態となる。一方固定分岐レーン群Kの分岐レーン11(B7)の割り付けはそのままであり、次の出荷パレットに積み付けられる物品2としてアイテム12の物品2の一部が貯えられる。アイテム15の物品2の供給で分岐レーン(出荷先)B8(E8),B9(E9)とが満杯となり、各出荷先E8,E9の分岐レーンが自由分岐レーン群Fの分岐レーン11(B13,B14)が割り付けられる。これらの出荷先E8,E9に対してその後の物品2はこの分岐レーン11(B13,B14)に貯えられることとなる。
【0031】
このように、出荷先の分岐レーンの割り付けと物品の貯えの状態と、満杯,払い出しの時点を下記表2に示している。
【0032】
【表2】

【0033】
この表2から分かるように、固定分岐レーン群Kの分岐レーン11(B1〜B12)は一つの出荷先の物品2しか貯えないが、自由分岐レーン群Fの分岐レーン11(B13〜B24)は、一つの分岐レーンに別の出荷先が時間差をもって割り付けられる。例えば分岐レーン11(B13)に割り付けられる出荷先は、E7,E8,E2である。分岐レーン11(B14)の割り付け出荷先は、E9,E9,E12である。
【0034】
これらの出荷先割り付け及び各物品毎の移載する分岐レーン11の決定は、コンピュータ20Aによって実際の物品2を供給する前に荷揃え装置1のモデルでもってそのバッチ処理分の物品2の供給をシュミレートして計算して割り付けを確定させ、その後に物品2の実際の供給を行う。このコンピュータ20Aの分岐レーンの割り付けのフローを図4に示している。
【0035】
以上の様に、本実施例によれば自由群Fの分岐レーン11(B13〜B19)は、複数の出荷先に時間差をもって割り付け可能となるため、分岐レーンの使用効率が高いものである。この例では、分岐レーン11(B20〜B24)は不要にでき、少ない分岐レーン,短い分岐レーンを効率的に使えるものとなっている。
この例で、固定分岐レーン群Kの分岐レーン11のレーン数を0とすると第2の動的割り付け方法となるが、これでは更に分岐レーンの使用効率を可能とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、ダンボール・ケース等に詰められた種々の物品を出荷先の店舗・会社等に荷揃えする配送センターの他に、工場内の組立製品の部品を荷揃えして所定の部門へ配送するのに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施例の荷揃え装置の斜視図である。
【図2】実施例の荷揃え装置の平面配置図である。
【図3】実施例の分岐レーンへの物品の供給を示す説明図である。
【図4】実施例の分岐レーンの割り付けの制御装置の処理フロー図である。
【符号の説明】
【0038】
1 荷揃え装置
2 物品
10 供給コンベヤ
11 分岐レーン
12 移載装置
13 可動ストッパ
14 搬出コンベヤ
15 パレット積み付けステーション
16 仮置ステーション
17 投入コンベヤ
18 搬送コンベヤ
19 物品検出センサー
20 制御装置
20A コンピュータ
21 トラック
22 作業者
23 出荷パレット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給コンベヤの片側又は両側に複数の分岐レーンを設け、物品を供給コンベヤの上流から流し、供給コンベヤから供給されてくる同一出荷先の物品を出荷先に割り付けられた分岐レーンに移載して貯え、分岐レーンに貯えられた同一出荷先の物品が一つの単位を形成する所定数だけ貯まったとき、分岐レーンに貯えた物品を搬出コンベヤに払い出し、同搬出コンベヤの下流で同一出荷先の所定数の物品を1単位として荷揃えする物品の荷揃え方法であって、
使用できる分岐レーンが未割り付けの状態であれば出荷先を固定することなく割り付け可能とし、
供給コンベヤからの物品の供給の順番に従って、供給されてくる物品の出荷先が割り付けられていないときはその時点で割り付け可能な分岐レーンを選んでその出荷先に割り付けし、物品の出荷先が割り付けられているときはその割り付けに従い、しかも分岐レーンに1単位の所定数の物品が貯えられるとその出荷先に割り付けられた分岐レーンの割り付けを解消し、その分岐レーンに対して前と同じ又は別の出荷先を割り付け可能とし、出荷先の分岐レーン割り付けが物品の供給に応じて変動するようにした物品の荷揃え方法。
【請求項2】
一つの単位を形成する所定数が、出荷パレットに積み付けられる物品の数とする請求項1記載の物品の荷揃え方法。
【請求項3】
一つの分岐レーンで同一出荷先の1単位の所定数の物品を貯えることができない場合は、同一出荷先に対して複数の分岐レーンを割り付けし、この複数の分岐レーンで所定数の物品を貯えたときにその複数の分岐レーンに貯えた物品を所定のタイミングで搬出コンベヤ上で合流するように搬出コンベヤに払い出して1単位の同一出荷先の物品を形成するようにする請求項1又は2記載の物品の荷揃え方法。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか記載の物品の荷揃え方法において、コンピュータソフトで供給コンベヤと複数の分岐レーンと搬出コンベヤとからなる荷揃え装置の仮想モデルを作って物品を供給コンベヤから流すことのシュミレート計算を行って、仮想モデルのシュミレート計算で分岐レーンの割り付けを確定し、供給する物品毎に移載する分岐レーンと払い出しタイミングを予め決定し、その後実際の物品の供給と移載と払い出しを行うようにした、物品の荷揃え方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−156128(P2008−156128A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−33977(P2008−33977)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【分割の表示】特願2003−40620(P2003−40620)の分割
【原出願日】平成15年2月19日(2003.2.19)
【出願人】(000196705)西部電機株式会社 (80)
【Fターム(参考)】