説明

物品仕分け装置及び仕分け物品管理システム

【課題】仕分け位置への物品輸送効率を向上させ、検品や出荷時の仕分け作業を効率的、且つ低コストで行うことのできる物品仕分け装置及び仕分け物品管理システムを提供する。
【解決手段】コンベア3による揚送に先立ち、秤量装置13を用いたマット枚数管理を行う。検品作業者が仕分け物品のダストコントロール製品Pを送出コンベア上に載せて、ロードセルによる秤量を行う。このとき、ダストコントロール製品Pに対する個体識別符号の読み取りが読取装置により行われる。ついで、ロードセルによる秤量値からマット枚数判別が誤差率を考慮した許容範囲内で1枚単位毎に行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイズ、形態、重量等が異なる多品種からなる仕分け物品を、複数の仕分け位置に区画された仕分けステーションに搬送して仕分け作業を自動化する物品仕分け装置及び仕分け物品管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の重量物として、例えばレンタルマットやレンタルカーペット等のダストコントロール製品がある。レンタル用ダストコントロール製品のクリーニング再生処理工場においては、クリーニング処理の前に、支店、代理店あるいは顧客から回収して汚れた状態にあるダストコントロール製品を品種別に仕分ける必要がある。この仕分け検品作業は重量物で且つ汚れた物品を取り扱うため、搬送コンベアを用いたり、また、例えば、特許文献1に開示されているように、自走式物品キャリアを用いたりして、複数の仕分け位置に区画された仕分けステーションに搬送して仕分け作業の省力化ないし自動化を行っている。
【0003】
図13は従来の自走式物品キャリアによる物品仕分け装置の立体構成を示す。図14は図13の物品仕分け装置の平面構成を示す。搬送コンベアや物品キャリア等の物品搬送手段を仕分けステーションに対して平面配置すると、物品搬送手段からの移し替え用にハンドリング装置が必要になるため、図13の物品仕分け装置の場合、仕分け物品をコンベア103により揚送して物品キャリア102に投入して、物品キャリア102を所定の仕分けステーションまで移動させて投入物品を各回収ボックス台車101に投下して移し替える立体配置構成を備える。
【0004】
回収ボックス台車101を縦列状に並べた仕分けステーションにおいて、各回収ボックス台車101の位置が仕分け位置の1区画に対応する。この仕分けステーションの上方に軌道レール100を閉ループ状に敷設している。物品キャリア102は軌道レール100に沿って走行自在に配備されている。物品キャリア102には、軌道レール100の投入位置に配設されたコンベア103により仕分け物品が投入される。物品キャリア102は物品投入時に記憶したソート先の仕分け位置まで走行し、底部から搬送物品を回収ボックス台車101に投下して移し替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−18132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記物品仕分け装置によれば、物品投入から仕分け位置への搬送、集積、回収までの工程を自動化することができる。物品キャリアの有効利用の観点からいえば、投入物品が同一の場合には複数個分、投入して輸送するようにするのが好ましいが、複数個分の同時輸送処理を行うとき、仕分け位置での集積個数(回収個数)の管理が必要になる。
しかしながら、仕分け検品作業においては検品した品名記録の他に、1つの物品キャリアへの複数個分の投入を行うとなると、投入個数の記録作業も加わり、また、個数確認に手間も要して、検品作業者の負担が大きくなってしまう。従って、検品作業の負担軽減を優先するとなると、1個ずつ物品キャリアに投入して輸送することになってしまうため、物品キャリアの輸送効率が向上せず、キャリア駆動のための消費電力も多くなって、検品作業コストの低減が困難となっていた。
【0007】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、仕分け位置への物品輸送効率を向上させ、検品や出荷時の仕分け作業を効率的、且つ低コストで行うことのできる物品仕分け装置及びそれを用いた仕分け物品管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の形態は、物品種別に応じて区画された複数の仕分け位置からなる仕分けステーションに、仕分け物品を搬送路を通じて搬送して、前記仕分け位置毎に前記仕分け物品を集積して回収する仕分け装置において、前記搬送路に投入される前記仕分け物品の重量を計量する計量装置と、前記計量装置の計量値を基準値と比較して物品個数を判別する判別手段と、前記物品個数を物品種別毎に計数する計数手段と、前記仕分け位置に集積させ、回収した前記仕分け物品の回収個数として、前記計数手段の計数値を累積した累積値を記憶する記憶手段とを有する物品仕分け装置である。
【0009】
本発明の第2の形態は、第1の形態において、前記搬送路を閉ループ状に敷設した軌道レールにより構成し、物品キャリアを前記軌道レールに沿って走行自在に配備して、前記仕分け物品を前記仕分け位置に搬送し、前記閉ループにおいて複数台の物品キャリアを循環走行させ、夫々の物品キャリアによる仕分け物品の集積・回収を繰り返し可能にした物品仕分け装置である。
【0010】
本発明の第3の形態は、第2の形態において、前記物品キャリアは、収容物品を下方に放出させる物品放出機構を備えた物品収容部と、前記搬送路の物品投入位置にて複数個の仕分け物品が前記物品収容部に順々に投入されたとき、ソート先の仕分け位置を記憶すると共に、物品投入数を前記累積値として記憶し、前記ソート先まで移動し、前記物品放出機構の駆動により投入物品を下方に放出するソート処理手段とを有する物品仕分け装置である。
【0011】
本発明の第4の形態は、第3の形態において、前記仕分け物品には個体識別符号を書き込んだIDチップを取り付け、前記物品投入位置には、前記IDチップの個体識別符号を読み取る読取手段と、物品投入を行った物品キャリアに対して前記読取手段により読み取った個体識別符号に基づくソート先の情報を発信する発信装置とを配置した物品仕分け装置である。
【0012】
本発明の第5の形態は、第3又は第4のいずれかの形態において、前記計量装置は前記物品投入位置近傍に配置された秤量装置からなる物品仕分け装置である。
【0013】
本発明の第6の形態は、第1〜第5のいずれかの形態において、前記仕分け物品は、種々の品種からなるカーペット、マット、払拭体等のダストコントロール製品である物品仕分け装置である。
【0014】
本発明の第7の形態は、第1〜第6のいずれかの形態に係る物品仕分け装置と、前記仕分け物品を供給する供給元に設けられ、少なくとも前記仕分け物品の種別及び供給個数を含む物品供給データを記憶、管理する供給元管理装置がデータ送受信可能に接続された仕分け物品管理システムであって、前記物品仕分け装置は、前記供給元管理装置から受信した物品供給データを記憶する物品供給データ記憶手段と、前記物品供給データの供給個数と前記累積値を比較して照合する照合手段と、前記照合結果を前記供給元管理装置に送信する送信手段とを有する仕分け物品管理システムである。
【0015】
本発明の第8の形態は、第7の形態において、前記仕分け物品は、種々の品種からなるカーペット、マット、払拭体等のダストコントロール製品であり、前記供給元から供給された使用済みの前記ダストコントロール製品を再生処理する再生処理場に前記物品仕分け装置が設置され、前記再生処理場に移送された使用済みの前記ダストコントロール製品の検品時及び/又は再生処理後の前記ダストコントロール製品の出荷時に前記照合を行う仕分け物品管理システムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1の形態によれば、前記搬送路に投入される前記仕分け物品の重量を計量し、前記判別手段により前記計量装置の計量値を基準値と比較して物品個数を判別して、前記物品個数を物品種別毎に計し、前記仕分け位置に集積させ、回収した前記仕分け物品の回収個数として、前記計数手段の計数値を累積した累積値を記憶するので、前記仕分け物品の重量判別に基づく投入個数の管理を自動処理でき、投入個数の記録作業や個数確認の手間を要さずに検品・出荷作業者の負担を軽減して、例えば、図10に示した物品キャリアに複数個投入して同時輸送することにより、物品キャリアの1台当たりの輸送効率を向上させ、しかもキャリア駆動のための消費電力も削減でき、検品や出荷の作業コストの低減を実現することができる。
【0017】
本発明の第2の形態によれば、物品キャリアを前記軌道レールに沿って走行自在に配備して、前記仕分け物品を前記仕分け位置に搬送し、前記閉ループにおいて複数台の物品キャリアを循環走行させ、夫々の物品キャリアによる仕分け物品の集積・回収を繰り返し可能にしたので、複数物品を搭載した前記物品キャリアの循環走行により高効率に前記仕分け物品の搬送を行って、物品投入工程から仕分け・回収工程までの効率的稼働と自動化を実現することができる。
【0018】
前記仕分け物品の前記搬送路への投入手段には、無端ベルトコンベアやローラコンベア等の搬送装置を使用することができる。前記仕分けステーションへの仕分け物品の搬送には、レール軌道自走式物品キャリアや搬送ベルト等を使用することができる。
【0019】
本発明の第3の形態によれば、前記ソート処理手段により、複数個の仕分け物品が前記物品収容部に投入されたとき、ソート先の仕分け位置を記憶すると共に、物品投入数を前記累積値として記憶して、前記ソート先まで移動し、収容物品を前記ソート先の前記物品収容体に向け放出するので、前記物品キャリアによる前記仕分け物品の複数同時輸送を行って、前記物品キャリアの1台当たりの輸送効率を向上させ、しかもキャリア駆動のための消費電力も削減でき、検品や出荷の作業コストの低減を実現することができる。
【0020】
本発明の第4の形態によれば、前記仕分け物品には個体識別符号を書き込んだIDチップを取り付け、前記物品投入位置には、前記IDチップの個体識別符号を読み取る読取手段と、物品投入を行った物品キャリアに対して前記読取手段により読み取った個体識別符号に基づくソート先の情報を発信する発信装置とを配置したので、前記物品キャリアに対する複数物品投入からソート処理までの工程を自動化でき、ソート先情報につき仕分け作業者による入力や記録作業を省いて、省力化と作業能率の向上を図ることができる。
【0021】
本発明の第5の形態によれば、前記物品投入位置近傍に配置された前記秤量装置により、投入物品の自動秤量を行うことができるので、投入物品数の自動判定及び記憶処理により、前記仕分け物品の複数同時輸送による仕分け処理を円滑に実行することができる。前記秤量装置には、歪みゲージ式ロードセルの他、圧電式・容量式・電磁式等の計量測定器を使用することができる。
【0022】
本発明の第6の形態によれば、前記仕分け物品は、種々の品種からなるカーペット、マット、払拭体等のダストコントロール製品であるので、比較的重量物であるダストコントロール製品の仕分け・搬出作業を人手を要さずに能率的且つ安全に行うことができる。
【0023】
本発明の第7の形態によれば、第1〜第6の請求項1〜6に記載の物品仕分け装置と、前記仕分け物品を供給する供給元に設けられ、少なくとも前記仕分け物品の種別及び供給個数を含む物品供給データを記憶、管理する供給元管理装置とを、例えば通信回線網を介し、あるいは専用LANを介してデータ送受信可能に接続された仕分け物品管理システムを構成して、前記物品仕分け装置において、前記供給元管理装置から受信した物品供給データを記憶し、前記照合手段により
前記物品供給データの供給個数と前記累積値を比較した照合結果を前記供給元管理装置に送信するので、例えば、前記仕分け物品の種別毎の供給個数と前記回収個数との照合により、前記供給元から送られてきた前記仕分け物品の検品作業を効率的に自動化でき、殊に、検品データのマニュアル記録作業と比べて格段に照合精度・能率の向上を図ることができる。
【0024】
本発明の第8の形態によれば、例えば、前記ダストコントロール製品を扱う支店や代理店と、使用済みの前記ダストコントロール製品を再生処理する再生処理場との間において、前記再生処理場に移送された使用済みの前記ダストコントロール製品の検品時及び/又は再生処理後の前記ダストコントロール製品の出荷時に前記照合を行うことができるので、前記仕分け物品に関する物流管理を高精度且つ円滑に行える仕分け物品管理システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態である、ダストコントロール製品の仕分け物品管理スステムの概略構成図である。
【図2】前記仕分け物品管理スステムに使用する2層式物品仕分け装置の平面レイアウト図である。
【図3】前記2層式物品仕分け装置の上下段軌道閉ループを側面視した状態を示す側面図である。
【図4】前記2層式物品仕分け装置に用いる物品キャリア及びストックボックスの正面図である。
【図5】前記2層式物品仕分け装置における通信制御システムを示すブロック図である。
【図6】前記2層式物品仕分け装置の秤量装置13の概略構成図である。
【図7】前記2層式物品仕分け装置におけるマット枚数管理処理手順を示すフローチャートである。
【図8】前記2層式物品仕分け装置の上キャリアにおける自走処理手順を示すフローチャートである。
【図9】前記2層式物品仕分け装置の下キャリアにおける自走処理手順を示すフローチャートである。
【図10】前記2層式物品仕分け装置におけるソート物品回収処理手順を示すフローチャートである。
【図11】前記2層式物品仕分け装置における上下キャリアの移動制御を説明するための図である。
【図12】本発明の別の本実施形態に係る1層式仕分け装置の平面レイアウト図である。
【図13】自走式物品キャリアを用いた、従来の仕分け装置の側面図である。
【図14】図13の仕分け装置の平面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の一実施形態に係る物品仕分け装置及びそれを用いた仕分け物品管理システムを図面を参照して以下に説明する。
図1はマットやカーペット等のダストコントロール製品の仕分け物品管理システムの概略構成を示す。本実施形態においては各種回収マット製品を扱う例を示している。
使用済みのダストコントロール製品を再生処理して再利用する再生処理場のホストコンピュータ200は、通信回線網201を介して、ダストコントロール製品を扱う支店や代理店の端末管理コンピュータ202a〜202nと接続され、データ通信可能にネットワークを形成している。ホストコンピュータ200には物品仕分け装置のデータ管理用仕分制御装置50が接続されている。
【0027】
端末管理コンピュータ202a〜202nにおいては、顧客から回収したダストコントロール製品を再生処理場に戻すとき、送付伝票データファイルが作成され、ホストコンピュータ200に送信可能に格納される。送付伝票データファイルは店コード別に作成された、送付製品の品種コード及び個数を含むデータ構成を有する。送付伝票データファイルは、仕分制御装置50に取り込まれて、検品日時及び検品個数が入力可能になっている。送付伝票データファイルを使用することにより仕分け物品管理システムにおけペーパーレス化を実現している。
【0028】
本実施形態においては、軌道閉ループを2層状に構成した2層式物品仕分け装置を使用している。
図2は本実施形態に係る物品仕分け装置の平面レイアウトを示す。図3は上下段軌道閉ループを側面視した状態を示す。
【0029】
本実施形態に係る仕分け装置は、代理店等から回収したダストコントロール製品P(マット)を仕分けるための仕分けステーションを共通化して多層状に敷設した、上段側の軌道レール2及び下段側の軌道レール32を備える。上段側の軌道レール2及び下段側の軌道レール32は夫々、異なる投入位置を備え、且つ長円形の上段軌道閉ループと下段軌道閉ループを構成している。上段側の軌道レール2及び下段側の軌道レール32には夫々、走行・停止可能な自走駆動装置を搭載した自走式物品キャリアである上キャリア1、下キャリア31がモノレールに沿って走行自在に配備されている。上段側の軌道レール2及び下段側の軌道レール32の夫々において、10台前後の上キャリア1、下キャリア31が配備されている。
【0030】
軌道レール2及び軌道レール32の直線部分の下方には、仕分け用のマットを一旦、停留してストックするストックボックス(物品収容体)20を7台、縦列状に並べ、更にその下方に搬出コンベア21を配置した仕分けステーションSSが配設されている。ストックボックス20の位置が仕分け位置の1区画に対応して決められている。ストックボックス20はダストコントロール製品Pの品種数もしくは洗浄カテゴリーグループ数に応じて20〜50個収容することができる。
【0031】
軌道レール2及び軌道レール32のコーナー部近くには、ダストコントロール製品Pの仕分け物品を上キャリア1、下キャリア31に投入するための投入位置が設定されている。この物品投入経路は、各軌道レールに対して傾斜配置され、上段側2及び下段側の軌道レール32の投入位置に夫々、基準床面位置から仕分け物品を揚送するコンベア3、33が配設されている。コンベア3、33の各終端は短尺水平搬送ベルト3A、33Aからなる。下側のコンベア33が軌道レール32内側に臨めるように、軌道レール2は長手方向に軌道レール32より少し短縮されている。上段軌道閉ループと下段軌道閉ループの夫々は、複数台の物品キャリアを、前記投入位置を起点として共通仕分けステーションに移動させ、再び投入位置に戻る循環走行可能な2層式軌道閉ループを形成している。
【0032】
図4は物品キャリア1、31、ストックボックス20及び搬出コンベア21の配置を示す。各ストックボックス20は物品キャリア1、31の直下に高架支柱49に横フレーム46を介して固定配置されている。ストックボックス20は上部開放型のボックス形状を有し、底部には開閉底板22、23が設けられている。搬出コンベア21の搬送面は縦列に並んだストックボックス20の底部に沿って、各ストックボックス20に対し共通に配設され、コンベア終端は、本実施形態の仕分け装置の設置エリアAの外に延出している。搬出コンベア21は駆動軸受44に軸支された駆動軸を駆動モータ43により回転させて、設置エリアAの外に向けて、載置マットを搬出させる。搬出コンベア21により搬出されたマットはコンベア終端で回収される。また、搬出コンベア21の終端に別の搬送コンベアを連結し、他の工程に運搬するようにしてもよい。
【0033】
物品キャリア1、31は、バケット状の物品収容部からなり、物品収容部の底部は駆動モータからなる底部開閉機構5により外側に観音開き状に開閉自在にされた底板4、34からなる。2点鎖線に示すように、底板4の開放状態において物品キャリア1、31の収容物品が下方のストックボックス20に放出される。物品キャリア1、31は外側支持部6a、7aを介して自走駆動支持部6b、7bに連結されている。軌道レール2、32は、夫々、上側の案内用軌道レール2A、32Aと、下側の駆動用軌道レール2B、32Bからなる。自走駆動支持部6bの上部側には軌道レール2Aに案内される、一対のフリーローラ8が回動自在に設けられている。自走駆動支持部7bの上部側には軌道レール32Aに案内される、一対のフリーローラ38が回動自在に設けられている。自走駆動支持部6b、7bの下部側には軌道レール2B、32B上に駆動ローラ11、41が回動自在に載置されている。駆動ローラ11、41が脱輪しないように、下部側にも軌道レール2B、32Bに案内される、一対のフリーローラ9,39が回動自在に設けられている。駆動ローラ11、41は夫々、駆動モータ10、40の駆動軸に取着され、モータ駆動される。
【0034】
図2に示すように、仕分けステーションSSは上段軌道閉ループ及び下段軌道閉ループの内周側に配置されている。図4に示した駆動機構によって、物品キャリア1、31は、上段軌道閉ループ及び下段軌道閉ループの軌道レール2、32の内側に片持ち支持されている。従って、両持ち支持構造に比べて軌道レールをモノレールで構成して軌道閉ループの構成を簡素化でき、2層式軌道閉ループの仕分け装置の低コスト化を実現することができる。
【0035】
ストックボックス20の底側は、観音開き状に開閉する開閉底板22、23が船底状に閉塞された状態で、下向きに突出した底部を形成する。ストックボックス20の一側面の両端に、開閉底板24、25の夫々の端部に一体的に取着した揺動部材24、25の各揺動中心24A、25Aが配置され、揺動部材24、25は揺動中心24A、25Aを中心に回動自在に設けられている。揺動部材24、25の自由端には駆動ワイヤ27の両端が係着されており、駆動ワイヤ27の中央はソレノイド26の駆動端に引っ掛けられている。ソレノイド26の駆動端は鉛直方向に進退自在に配置されている。ソレノイド26の駆動端を前進させて延ばすことにより、揺動部材24、25は引き上げられて船底状に底部を閉塞する。ソレノイド26の駆動端を後退させて収縮させると、揺動部材24、25は下向きに回動して底部を開放する。開放時には開閉底板22、23は鉛直方向に垂下される。
【0036】
搬出コンベア21の搬送面両側には、横フレーム46の支持枠47に固定された遮蔽板45が搬送方向に沿って配置されている。遮蔽板45の高さは、ソレノイド26の開放動作により鉛直方向に垂下された閉底板22、23の端部が重合する位置に設定されている。なお、図3においては手前側の遮蔽板45を取り外した状態で図示している。
【0037】
底部開放により垂下された開閉底板22、23が遮蔽板45と共同して、ストックボックス20の下方と搬出コンベア21の搬送面上方の間に形成されるマット積載空間の側面を遮蔽する。従って、開閉底板22、23の板面積が小さくても遮蔽板45と共にマット積載空間の側面を遮蔽できるため、ストックボックス20の収容量を低減することなく、許容量の大きいマット積載空間を形成でき、仕分け物品搬送効率を向上させることができる。
【0038】
しかも、開閉底板22、23の開成により前記マット積載空間が形成されるので、前記マット積載空間をストックボックス20の許容収容枚数のマットをコンベア搬送面に載置可能な空間に設定することが可能になる。
【0039】
搬出コンベア21は各ストックボックス20に対し共通に配置されており、夫々のストックボックス20から投下された収容マットが載置されるので、ストックボックス20を列状に密集配置しても、開閉底板22、23の遮蔽作用により、コンベア搬送面に投下されたマットがコンベア上より脱落したりすることなく正常に載置され、仕分け済みマットの搬出作業を安定且つ円滑に行え、また、多様な仕分け品種に対応でき、しかも搬出コンベア21の共用化により構成の簡単化とコストダウンを実現することができる。
【0040】
開閉底板22、23は船底状に各ストックボックス20の底部を閉塞して、仕分けマットを収容し、開放時には鉛直方向に垂下されて搬出コンベア21の搬送面の側方を遮蔽するので、収容マットは、開閉底板22、23の開放動作により底部中央部から下方に放出され、しかも鉛直方向に垂下した開閉底板の内面により搬送面からの脱落を防止することができ、仕分け済みマットの搬出作業を安定且つ円滑に行うことができる。
【0041】
図5は本実施形態に係る物品仕分け装置における通信制御システムを示す。ダストコントロール製品には、個体識別符号や品種等のデータを書き込んだIDチップ51が例えばマット材に埋設するなどして取着されている。IDチップとしてRFIDタグを使用することができる。コンベア3、33の近傍には、IDチップ51の記憶データを読み取る読取装置57を含む仕分制御装置50が設置されている。仕分制御装置50は、マイクロプロセッサ及びワークメモリからなり、ダストコントロール製品から読み取った個体識別符号に基づくソート先の情報を発信する発信装置を備え、該発信装置は各物品キャリア1、31と非接触で通信可能に構成されている。
【0042】
コンベア3、33の始端には物品重量を秤量するロードセル式デジタル秤量装置13が近接配置されている。図6は秤量装置13の概略構成を示す。秤量装置13はロードセル65からなり、ロードセル65上には小型送出コンベア66、コンベア駆動部67及びIDチップの読取装置57が配設されている。読取装置57の通信用アンテナ68は送出コンベア66の搬送面下方に配置されている。アンテナ68を介して、ダストコントロール製品PのIDチップから読取装置57により個体識別符号が読み出される。秤量装置13による計量値は、読み出した個体識別符号に対応する重量データとして記憶され、仕分制御装置50に送信される。この重量データはマット個数(枚数)の自動判定に使用される。
【0043】
図7は仕分制御装置50によるマット枚数管理処理手順を示す。
コンベア3、33による揚送に先立ち、秤量装置13を用いたマット枚数管理が行われる。図6に示すように、作業者が仕分け物品たるダストコントロール製品Pを送出コンベア66上に載せると、ロードセル65による秤量が行われる。このとき、ダストコントロール製品Pに対する個体識別符号の読み取りが読取装置57により行われる(ステップS31)。ついで、ロードセル65による秤量値からマット枚数判別が行われる(ステップS32、S33)。
【0044】
仕分制御装置50には枚数判別プログラムが内蔵されており、仕分け物品の重量値/1枚当たりの基準重量値の誤差率が例えば±15%の許容範囲内で枚数判定が実施される。計量値が当該許容範囲内にある場合には、1枚カウントされ、個体識別符号毎に累計記憶されていく(ステップS34、S35)。回収マットの重量は繊維の痩せや塵埃の付着量、あるいは水分含有量等によってばらつきが生ずるので、回収状況に応じて、誤差率の設定を所定の範囲で上限・下限共に任意設定することができる。同一の個体識別符号による連続計量の場合には、枚数カウントの更新が実行され、累積値が記憶され(ステップS36)、直前の個体識別符号による計量と異なる個体識別符号による計量の場合には、新たな個体識別符号による累積処理が実行される(ステップS37)。枚数判別後は、仕分制御装置50の揚送指示スイッチ(図示せず)を押下することにより、送出コンベア66が駆動され、送出コンベア66上の載置物品はコンベア3、33に送り出される。
【0045】
同一の個体識別符号による連続計量の場合には、順々に送出コンベア66によりコンベア3、33に送り出されて、コンベア3、33の上端で停止、待機している物品キャリアに向けて投入されていく。同一の個体識別符号による連続計量が終了した場合には、新たな物品キャリアが移動して、その物品キャリアへの物品投入が行われる。物品キャリアの切替毎に個体識別符号によるソート先及び枚数データからなるソートデータが更新される(ステップS38)。
【0046】
計量値が当該許容範囲内にない場合には、自動枚数判定が不能と判定し、マニュアル判定に移行する(ステップS34、S41)。検品作業者が目視で枚数を判別して、仕分制御装置50にテンキー(図示せず)で枚数データを入力する(ステップS42)。不良マット等のために枚数判別が不可能な場合にはエラー処理(図示しない)に移行する。
【0047】
仕分け物品の投入を完了したときなどにおいては、枚数照合を行うことができる(ステップS39)。照合指示スイッチ(図示せず)の押下により、個体識別符号別に記憶している累積枚数データと、当該個体識別符号の店コードにおける送付伝票データファイルの送付マット製品の品種コード及び個数データとの照合が実行される(ステップS40)。送付枚数と、仕分け時の累積枚数とが一致するときは、正常検品としてホストコンピュータ200に出力し、不一致の場合には検品異常と判断して、その旨を出力する(ステップS41)。照合結果は送付伝票データファイルに書き込まれて、ホストコンピュータ200にアップロード送信可能に記憶され、ファイル元の支店等の端末管理コンピュータ200a〜200nから閲覧、確認することができる。
【0048】
上記自動枚数判定処理によって、複数個の仕分けマット製品が物品キャリアの物品収容部に投入されたとき、ソート先の仕分け位置を記憶すると共に、物品投入数を前記累積値により管理して、物品キャリア1、31をソート先まで移動させ、収容物品をソート先に向け搬送することができる。従って、物品キャリア1、31による仕分けマット製品の複数同時輸送を行って、物品キャリアの1台当たりの輸送効率を向上させることができ、しかもキャリア駆動のための消費電力も削減でき、検品や出荷の作業コストの低減を実現することができる。
【0049】
本実施形態においては、各支店等と、使用済みのダストコントロール製品を再生処理する再生処理場との間において、再生処理場に移送された使用済みのダストコントロール製品の検品時、あるいは再生処理を施したダストコントロール製品の出荷時に前記照合を行うことができるので、仕分けマット製品に関する物流管理を高精度且つ円滑に行える仕分け物品管理システムを構築することができる。
【0050】
以下、2層式物品仕分け装置の詳細動作を説明する。
物品キャリア1、31の制御部52はマイクロプロセッサ53及びデータ記憶メモリ54を有し、マイクロプロセッサ53は底部開閉機構5及び駆動モータ10を含むキャリア駆動部55に駆動制御信号を出力する。データ記憶メモリ54はダストコントロール製品から読み取った個体識別符号に基づくソート先の情報、秤量装置13による枚数判別データ等を記憶する。制御部52は、軌道レール2、32で形成される設置エリアAの範囲を少なくとも通信可能領域として、他の物品キャリア56と送受信可能な通信手段を備える。後述の図11に示すように、この通信手段はフォトカプラからなる投受光センサにより構成されている。上キャリア1の投光センサUS及び下キャリア31の受光センサLSは夫々、物品収容部の外側面に設置されている。上キャリア1の投光センサUSから後述の進入禁止信号が下キャリア31の受光センサLSに光出力される。また、上キャリア1の物品収容部の底部には、下キャリア31の存在を検知するために反射型光学センサPS1、PS2が設置されている。なお、各ストックボックス20には仕分け位置情報を記憶したソート先用IDチップ(図示せず)が装着されている。このソート先用IDチップは制御部52と送受信可能であり、移動中のキャリアに台車の停留情報を送信する。
【0051】
物品キャリア1、31が夫々の軌道閉ループ内で自走して、前記投入位置にて仕分け物品が前記物品収容部に投入されたとき、ソート先の仕分け位置をデータ記憶メモリ54に記憶し、前記ソート先まで移動して停止した後、底部開閉機構5を駆動して投入物品を下方に放出するソート処理手段が制御部52により構成されている。
本実施形態においては、物品キャリアをソート先で一旦停止させてから物品を鉛直落下させて物品放出を行うが、一旦停止させずに走行しながら、あるいは減速制御しながら物品放出を行うようにしてもよい。走行放出の場合には、例えば、物品キャリアの前端がソート先に到達又は近接したとき底部開閉機構5を駆動して底部を開放し、放物線を描きながらソート先に向けて放出物品を放出させる。また、減速制御の場合には、例えば、物品キャリアの前端がソート先に到達する直前に走行速度を減速させると同時に底部を開放し、減速制御によって走行放出の場合よりも小さい放物線を描きながら放出物品をソート先に向けて放出させる。走行放出又は減速制御方式によれば、物品キャリアの停止に伴う走行時間ロスを解消することができる。
【0052】
図8は、マット製品の仕分け処理における、上キャリアの前記ソート処理手段のキャリア自走処理制御を示す。図9は、同マット製品の仕分け処理における、下キャリアの前記ソート処理手段のキャリア自走処理制御を示す。図10は上下キャリア相互の通信制御例を示すキャリア動作の模式図である。
上キャリア1、下キャリア31は、図2の矢印に示すように、夫々、上段側の軌道レール2、下段側の軌道レール32に沿って反時計回りに周回する。まず、空のキャリアが駆動モータ10の駆動により前進駆動を行って、マット投入位置に到達すると停止する(ステップS1〜S3、S20〜S22)。このキャリア停止は仕分制御装置50から出力された停止信号の受信により行われる。
【0053】
コンベア3、33を通じて仕分け対象のマットを受け入れた後、物品キャリアは前進走行を再開する(ステップS4、S5、S23、S24)。物品収容部にマット投入を受け入れたとき、投入マットの個体識別符号に基づくソート先の情報が仕分制御装置50から発信され、ソートデータとしてデータ記憶メモリ54に記憶される。ついで、物品キャリアは記憶したソート先のストックボックス20のいずれかを目指して自走していく。物品キャリアは自走しながら、所望のストックボックス20から仕分け位置停留情報を受信したとき、その位置で停止し、物品収容部の投入マットを放出してソート先のストックボックス20に移し替える(ステップS6、S26)。マット放出した後は、記憶データがクリアされ(ステップS9、S10、S27、S28)、物品キャリアは再び前進駆動されて軌道閉ループ内を循環走行して、マット投入・放出が繰り返し実行され、マット仕分けの連続且つ大量処理が実行される。
【0054】
上記のソート先移動行程において、図8及び図9の制御フローでは省略しているが、前記上段軌道閉ループ内及び前記下段軌道閉ループ内の物品キャリアが同一のソート先に同時に移動しても、上段軌道閉ループと下段軌道閉ループの物品キャリア同士が干渉し合わないように、上段軌道閉ループの物品キャリアがソート先で停止、待機し、下段軌道閉ループ側の物品放出の優先処理が実行される。この優先処理は両物品キャリア間の相互通信により確認される。優先処理の完了後、下段軌道閉ループ内の物品キャリアが移動すると、上段軌道閉ループの物品キャリアによる物品放出が行われる。従って、前記上段軌道閉ループ内及び前記下段軌道閉ループ内の物品キャリアが同一のソート先に同時に移動しても、物品キャリア同士が干渉し合わず、円滑にソート処理を実行することができる。
【0055】
なお、図3に示すように、下段軌道閉ループ内の下キャリア31Aが停止中に、それと同じソート先を記憶した上段軌道閉ループ内の上キャリア1Aが進行した場合には、そのソート先まで移動後下キャリア31Aの存在確認の信号出力を行う。下キャリア31Aの存在確認がされた場合は、上キャリア1Aはソート位置で停止する。上キャリア1Aは、下キャリア31Aがソート処理を終えて移動し、当該確認信号が解除されるまで待機し、解除後に物品放出の動作に移る。即ち、上キャリア1のマット放出に際しては、下キャリア31の存在確認が行われる。図11の(11A)に示すように、上キャリア1の物品収容部の底部に設けた反射型光学センサPS1、PS2により下キャリア31の存在を検知しないときは、正常放出が可能と判断して、破線で示すように底板4が下方に開かれてソート先のストックボックス20に向けて収容マットが投下される。図11の(11B)に示すように、反射型光学センサPS1、PS2のいずれかにより下キャリア31の存在を検知したときは、センサオフになるまで待機停止し(ステップS7)、センサオフにより正常放出が可能と判断してから、収容マットを投下する(ステップS7、S9)。反射型光学センサPS1、PS2は下キャリア31の進行方向の前後に分かれて設置され、停止中の下キャリア31の存在だけでなく、図11の(11B)に示すように、ソート先の上を通過する下キャリア31の存在も検知する。
【0056】
上段軌道閉ループ内の上キャリア1がソート先に移動してマット放出を行う場合には、下段軌道閉ループ内の下キャリア31の走行が上キャリア1による正常なマット放出を阻害しないように、制御部52は物品キャリア31向けに進入禁止信号を発信する(ステップS8)。つまり、図11の(11A)に示すように、上キャリア1が先にソート位置に到達している場合には、物品収容部の外側面に設置された投光センサUSから下キャリア31の受光センサLSに向けて進入禁止信号が光出力される。勿論、図11の(11B)に示すように、上キャリア1がソート位置に到達する前に、下キャリア31がソート位置に停止ないし通過中の場合には、下キャリア31の受光センサLSに進入禁止信号を送信しても受光できないため、上述のように、上キャリア1は待機停止状態になる。この進入禁止信号の送出タイミングはソート先に停止するとき、あるいはその停止直前に開始されるようにしてよい。上キャリア1がソート先に停止して、マット放出を行っているとき、当該ソート位置に接近してくる、下段軌道閉ループ内で移動中の下キャリア31は進入禁止信号を受けて一旦停止する(ステップS25、S29)。従って、上段軌道閉ループ内の上キャリア1がソート先で停止ないし停止直前まで接近している場合には、進入禁止信号を送信して、下段軌道閉ループ内の下キャリア31が当該ソート先に進入することを禁止するので、2層式物品仕分け装置において、下段軌道閉ループ内の物品キャリアが誤って進入することを防止して、安全且つ効率的に物品キャリアを流通走行させてソート処理を円滑に行うことができる。なお、マット放出を完了すると、記憶データがクリアされると共に、進入禁止信号の発信が解除されるので(ステップS10)、進入禁止信号を受けて停止中の下キャリア31は前進走行を再開できる(ステップS25)。
【0057】
上記実施形態においては、上下段軌道閉ループ内の物品キャリア1、31を円滑に流通走行させて、仕分け作業能率を約2倍に向上させることができる。しかも、軌道レール2、32は図1に示すように、重畳的に多層配置されているので、長手方向に大きい方の軌道レール32の設置エリアで床占有面積Aが確定され、単一軌道レールの使用時と同様の占有スペースで済み、大幅に処理能力をアップした仕分け装置を安価に実現することができる。
【0058】
仕分制御装置50の制御下における仕分け済みマットの回収処理を以下に説明する。図10は本実施形態におけるマット回収処理手順を示すフローチャートである。
仕分制御装置50は、仕分けマットの個体識別符号を読み取り(ステップS50)、更に秤量装置13による計量データ等を記憶し(ステップS51)、マット仕分け枚数を計数、記憶する(ステップS52)。ついで、個体識別符号に基づくソート先を決定して(ステップS53)、上述のようにマット投入時にソート先情報を物品キャリア1、31に与える(ステップS4、S53)。
【0059】
ソート先情報の発信に先立ち、ソート先のストックボックス20の収容可能状態を確認する(ステップS54)。ストックボックス20の収容可能状態は、既にストックボックス20別に、つまりソート先別に記憶している移送マット枚数を確認して行う。仕分けマットから読み取った個体識別符号に基づいたソート先にストックしているマット蓄積枚数が今回の移載により許容値に達するときは、ストックボックス20の収容マットの回収を優先処理する。収容マットの回収優先処理を行うときは、当該ソート先におけるマット投下が起きないように、物品キャリアに対する規制処理を行う(ステップS56)。この規制処理が行われた後は、当該ソート先における物品キャリアからの新たな移載は実行されない。
【0060】
物品キャリアに対する規制処理を開始した後(ステップS56)、当該ソート先のストックボックス20のソレノイド26に開放駆動信号を送信する(ステップS57)。ソレノイド26の駆動により、図4に示した揺動部材24、25の開動作によってストックボックス20の底部が開放される。ストックボックス20の開放により、収容マットは搬出ベルト21上に投下される。搬出ベルト21のベルト下側には重量検知センサ(図示せず)が配置されており、投下マットの重量を重量検知センサで検知したとき、投下完了信号を仕分制御装置50に送信する。投下完了信号の受信により開放処理の終了と判断して、当該ソート先のストックボックス20のソレノイド26に閉塞駆動信号を送信すると共に、物品キャリアに対する規制処理を解除する(ステップS56)。当該ソート先のマット回収処理を終えた後は、ソート先情報を物品キャリア1、31に与えて(ステップS4、S53)マット仕分け処理が継続される。なお、マット回収のタイミングはストックボックス20内で所定枚数以上に達したとき随時行うようにしてもよい。
【0061】
本発明は上記の2層式等の多層型仕分け装置に限らず、1層式仕分け装置においても適用することができる。
図12は本発明の別の本実施形態に係る1層式仕分け装置の平面レイアウト図である。図12は自走式物品キャリアによる仕分け装置の立体軌道構成において、軌道レール60を循環移動する物品キャリア61に仕分け物品をコンベア62により揚送して投入する。軌道閉ループを形成する軌道レール60の高架下には、上記実施形態と同様に、仕分け物品を一旦、停留してストックするストックボックス(物品収容体)63を縦列状に並べ、更にその下方に搬出コンベア64を配置した仕分けステーションが配設されている。ストックボックス63にはストックボックス20と同様に、底部に開閉底板を設け、収容物品の回収時に開閉底板を下方に向けて開放して、垂下された開閉底板により、搬出コンベア64の搬送面の側方を遮蔽し、ストックボックス63の収容物品を搬送面上に投下するようにする。1層式仕分け装置においても、上記2層式仕分け装置の自動枚数判定処理を実行することによって、複数個の仕分けマット製品が物品キャリアの物品収容部に投入されたとき、ソート先の仕分け位置を記憶すると共に、物品投入数をマット投入枚数の累積値により記憶して管理しながら、物品キャリアをソート先まで移動させ、収容物品をソート先に向け搬送することができる。勿論、1層式仕分け装置においては上記2層式仕分け装置より輸送効率は低下するものの、物品キャリアによる仕分けマット製品の複数同時輸送を行うことによって、物品キャリアの1台当たりの輸送効率を向上させ、有効利用を図ることができる。
【0062】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明によれば、仕分け物品を、例えば物品キャリアを用いて、仕分け位置へ向けて、複数個同時に輸送して輸送効率を向上させ、検品や出荷時の仕分け作業を効率的、且つ低コストで行うことのできる物品仕分け装置及びそれを用いた仕分け物品管理システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 上キャリア
1A 上キャリア
2 軌道レール
2A 軌道レール
2B 軌道レール
3 コンベア
4 底板
5 底部開閉機構
6a 外側支持部
6b 自走駆動支持部
7a 外側支持部
7b 自走駆動支持部
8 フリーローラ
9 フリーローラ
10 駆動モータ
11 駆動ローラ
12 駆動軸
13 秤量装置
14 計測装置
20 ストックボックス
21 搬出コンベア
22 開閉底板
23 開閉底板
24 揺動部材
24A 揺動中心
25 揺動部材
25A 揺動中心
26 ソレノイド
27 駆動ワイヤ
31 下キャリア
31A 下キャリア
32 軌道レール
32A 軌道レール
32B 軌道レール
33 コンベア
34 底板
38 フリーローラ
39 フリーローラ
40 駆動モータ
41 駆動ローラ
43 駆動モータ
44 駆動軸受
45 遮蔽板
46 横フレーム
47 支持枠
48 マット
49 高架支柱
50 仕分制御装置
51 IDチップ
52 制御部
53 マイクロプロセッサ
54 データ記憶メモリ
55 キャリア駆動部
56 他の物品キャリア
57 読取装置
60 軌道レール
61 物品キャリア
62 コンベア
63 ストックボックス
64 搬出コンベア
65 ロードセル
66 送出コンベア
67 駆動部
68 アンテナ
100 軌道レール
101 回収ボックス台車
102 物品キャリア
103 コンベア
A 設置エリア
P ダストコントロール製品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品種別に応じて区画された複数の仕分け位置からなる仕分けステーションに、仕分け物品を搬送路を通じて搬送して、前記仕分け位置毎に前記仕分け物品を集積して回収する仕分け装置において、前記搬送路に投入される前記仕分け物品の重量を計量する計量装置と、前記計量装置の計量値を基準値と比較して物品個数を判別する判別手段と、前記物品個数を物品種別毎に計数する計数手段と、前記仕分け位置に集積させ、回収した前記仕分け物品の回収個数として、前記計数手段の計数値を累積した累積値を記憶する記憶手段とを有することを特徴とする物品仕分け装置。
【請求項2】
前記搬送路を閉ループ状に敷設した軌道レールにより構成し、物品キャリアを前記軌道レールに沿って走行自在に配備して、前記仕分け物品を前記仕分け位置に搬送し、前記閉ループにおいて複数台の物品キャリアを循環走行させ、夫々の物品キャリアによる仕分け物品の集積・回収を繰り返し可能にした請求項1に記載の物品仕分け装置。
【請求項3】
前記物品キャリアは、収容物品を下方に放出させる物品放出機構を備えた物品収容部と、前記搬送路の物品投入位置にて複数個の仕分け物品が前記物品収容部に順々に投入されたとき、ソート先の仕分け位置を記憶すると共に、物品投入数を前記累積値により記憶して、前記ソート先まで移動し、前記物品放出機構の駆動により投入物品を下方に放出するソート処理手段とを有する請求項2に記載の物品仕分け装置。
【請求項4】
前記仕分け物品には個体識別符号を書き込んだIDチップを取り付け、前記物品投入位置には、前記IDチップの個体識別符号を読み取る読取手段と、物品投入を行った物品キャリアに対して前記読取手段により読み取った個体識別符号に基づくソート先の情報を発信する発信装置とを配置した請求項3に記載の物品仕分け装置。
【請求項5】
前記計量装置は前記物品投入位置近傍に配置された秤量装置からなる請求項3又は4に記載の物品仕分け装置。
【請求項6】
前記仕分け物品は、種々の品種からなるカーペット、マット、払拭体等のダストコントロール製品である請求項1〜5のいずれかに記載の物品仕分け装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の物品仕分け装置と、前記仕分け物品を供給する供給元に設けられ、少なくとも前記仕分け物品の種別及び供給個数を含む物品供給データを記憶、管理する供給元管理装置がデータ送受信可能に接続された仕分け物品管理システムであって、前記物品仕分け装置は、前記供給元管理装置から受信した物品供給データを記憶する物品供給データ記憶手段と、前記物品供給データの供給個数と前記累積値を比較して照合する照合手段と、前記照合結果を前記供給元管理装置に送信する送信手段とを有する仕分け物品管理システム。
【請求項8】
前記仕分け物品は、種々の品種からなるカーペット、マット、払拭体等のダストコントロール製品であり、前記供給元から供給された使用済みの前記ダストコントロール製品を再生処理する再生処理場に前記物品仕分け装置が設置され、前記再生処理場に移送された使用済みの前記ダストコントロール製品の検品時及び/又は再生処理後の前記ダストコントロール製品の出荷時に前記照合を行う請求項7に記載の仕分け物品管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−275107(P2010−275107A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132592(P2009−132592)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【出願人】(000133445)株式会社ダスキン (119)
【Fターム(参考)】