説明

特に、回転機械用振動センサー

【課題】振動センサーによる監視方法における広範な使用を制限する要因は、センサーアッセンブリー、信号処理装置の価格、および、各機械についてそのような構成を必要とすることである。
【解決手段】このセンサーは、振動の影響下で第1の共鳴振動数を有する第1の圧電素子5と、第1の共鳴振動数と異なる第2の共鳴振動数を有する第2の圧電素子6と含み、各素子5、6は、それ自体の電圧計9、10に接続される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
回転機械、特にポンプの信頼性を確実にするためにサービス、および、営繕部は、設備の運転期間以外に必要な調整を予定するように所謂、予知保全方法を用いる。
【0002】
予測測定の原理は、その機械の摩耗パラメータの変化と「経験」曲線との比較にある。
【0003】
上述のパラメータの変化を追跡するためにセンサーがその製造中にそのポンプに恒久的に設置される。
【0004】
顧客先でそのポンプの初期動作中、測定により、そのポンプの摩耗について有意義な以前に形成された初期パラメータの状態が記録可能とされる。
【0005】
構成部品の悪化について最も有意義で前兆となったそれらのパラメータを同様な製品の耐用年数全期間にわたり、観測することにより、監視されるパラメータの選択は、実験的に決定される。
【0006】
振動を監視することにより、
回転質量の釣り合いおよび平衡における変化
スライドベアリングの潤滑および摩耗
ボールベアリングまたはローラベアリングの潤滑および摩耗
モータの磁気作用
歯車および液圧システムの摩耗
キャビテーション下の動作
ベアリングの調整不良など、ある期間にわたってポンプの様々な能動部品の挙動が、評価可能とされることがわかった。
【0007】
明確な特定の周波数、すなわち、20Hzから16000Hzまでの間の周波数帯が、各監視された事象に一致している。
【0008】
振動の測定には、特に困難さはなく、市販の振動センサーは、使いやすく経済的である。
【0009】
現在使用される技術において、振動センサーは、圧電性結晶で作られており、20Hzから16000Hzまでの間のすべての振動ならびに対応する振幅を電圧の形で記録する。
【0010】
関連するコンピュータは、周波数スペクトルの各バンドを抽出し、フーリエ級数による演算により、基本周波数ならびにそれらの高調波をFFT曲線の形で選択する。
【0011】
収集された振動における数学的処理が、帯域別に周波数を分割し、各振幅を観測することができるようにするために必要である。
【0012】
【特許文献1】米国特許第5191796号(コラム8、36行乃至48行)
【特許文献2】独国特許出願第19612013号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
この監視方法における広範な使用を制限する要因は、センサーアッセンブリー、信号処理装置の価格、および、各機械についてそのような構成を必要とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、この問題点をセンサーによって改善する。振動の影響下で第1の共鳴振動数を有する第1の圧電素子と、第1の共鳴振動数とは異なる第2の共鳴振動数を有する第2の圧電素子とを含むセンサーにおいて、各素子は、それ自体の電圧計に接続されるか、または、その二つの素子が、単一の電圧計に接続される同一のマルチプレクサーに接続されることを特徴とする。
【0015】
振動の影響下、第1の共鳴振動数で、回転機械の第1の部分の摩耗の特性、電圧計により測定し易い電圧は、第1の圧電素子の端子に生じる。
【0016】
この第1の共鳴振動数で、第2の圧電素子は、共振しない。実際的に、電圧がその端子に生じない。第2の共鳴振動数で、その回転機械の第2の部分の摩耗の状態の特性、逆の状態が見られる。
【0017】
従って、その機械に恒久的に結合しているコンピュータ、または、その摩耗の監視が連続しなくなる短所、また、いつも移動しコンピュータに接続しなければならない不便がある代替的にその回転機械に間欠的に結合しているコンピュータにより完全に供給できる。
【0018】
各圧電素子は、それ自体の電圧計に接続可能とされ、有利な実施例に従い、その二つの圧電素子は、単一の電圧計に接続される共通のマルチプレクサーに接続される。したがって、より少数の構成部品が、特に、二つの圧電素子ばかりでなく、多数のそのような素子がある通常の場合、センサーを形成するために必要である。30個の圧電素子が、好ましくは、用いられ、共鳴振動数が、20Hzから16KHzまで1オクターブの1/3だけ継続して異なる。換言すれば、第1の共鳴振動数は、第2の共鳴振動数と1オクターブの1/3だけ異なる。また、第3の共鳴振動数は、1オクターブの1/3だけ第2の共鳴振動数と異なる。
【0019】
非常に設置を容易にする実施例によれば、すべての圧電素子は、同一の半導体のブランチに組み込まれる。好ましくは、また、マルチプレクサーがある場合、マルチプレクサーが、このブランチに組み込まれる。
【0020】
また、本発明は、回転機械に関し、特に、ポンプばかりでなく、タービン、ファンまたは、固定部を有し、本発明に従うセンサーにおける圧電素子がその固定部に固定されることとなる他の装置に関する。
【0021】
特許文献1および特許文献2は、ある期間にわたって継続して得られる電気信号を分離するのではなく、信号を収集し重ね合わせる(例えば、その米国の特許文献1、コラム8、36行乃至48行参照、センサーの出力レベルが実質的に一定であることが述べられている)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、モータ(2)により駆動され、軸受(3)に支えられる軸(1)を含むポンプを示す。軸(1)により、液圧ホイールが回転する。
【0023】
30個の圧電素子のうち2個だけ示され、即ち、第1の圧電素子(5)および第2の圧電素子(6)が、軸受(3)に固定されている。
【0024】
第1の圧電素子(5)は、機械的振動にさらされる場合、第2の圧電素子(6)の共鳴振動数とは異なる共鳴振動数を有している。この周波数差を得るためにその二つの圧電素子が、異なるように設計され、特に、異なる寸法を有する。
【0025】
圧電素子(5、6)の端子は、マルチプレクサー(7)に接続され、そしてまた、電圧計(8)に接続される。
【0026】
その電圧計は、圧電素子(5)の端子、および、圧電素子(6)の端子、並びに、以下の28個の他の素子の端子に発生する電圧を連続してある期間にわたって表示する。
【0027】
電圧が、素子(5)または素子(6)のうちの一方に対応してある時点で電圧計(8)にある場合、30個の圧電素子の1つの共鳴周波数に対応するポンプの一部の使用程度がそこから推定され得る。
【0028】
図2において、圧電素子(5、6)の端子は、マルチプレクサーを介在させることなく、直接的に各電圧計(9、10)に接続されている。
【0029】
この場合、圧電素子(5、6)は、その同一の半導体のTブランチにあり、複数の電圧計は、独立しているのに対し、図1の実施例において、電圧計は、その半導体のTブランチから独立したままであるが、しかし、マルチプレクサー(7)もまたそのTブランチに組み込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】もっぱら例示として与えられる添付図面において、本発明に従う回転機械の好ましい具体例を示す線図である。
【図2】他の具体例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動の影響下で第1の共鳴振動数を有する第1の圧電素子(5)と、該第1の共鳴振動数とは異なる第2の共鳴振動数を有する第2の圧電素子(6)とを含むセンサーにおいて、
各素子は、それ自体の電圧計(9、10)に接続されるか、または、その二つの素子が、単一の電圧計(8)に接続される同一のマルチプレクサー(7)に接続されることを特徴とするセンサー。
【請求項2】
前記第1の共鳴振動数は、1オクターブの1/3だけ前記第2の共鳴振動数と異なることを特徴とする請求項1記載のセンサー。
【請求項3】
30個の圧電素子を有し、継続して1オクターブの1/3だけ異なる共鳴振動数を有することを特徴とする請求項2記載のセンサー。
【請求項4】
すべての圧電素子が、同一の半導体のブランチに組み込まれることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載のセンサー。
【請求項5】
前記マルチプレクサーは、前記ブランチに組み込まれることを特徴とする請求項1および請求項4に記載のセンサー。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5記載のセンサーの前記圧電素子が、固定部に固定されることを特徴とする固定部を有する回転機械。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−139284(P2008−139284A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−262284(P2007−262284)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(597106035)
【Fターム(参考)】