牽引式農作業機
【課題】機体フレームを作業時には最低地上高さにし、移動時には最高地上高さにして安全な移動を可能とする。
【解決手段】両側に車輪3を有する機体フレーム4の上部に作業機構部5が設けられ、地表面Gから機体フレーム4までの地上高が低く且つ機体長が長く設計された牽引式農作業機1において、上記機体フレーム4と車輪3の間に、作業時には最低地上高Haとし、圃場への出入りを含む移動時には上記機体フレーム4の地上高を高くするための高さ調整機構17を設けている。
【解決手段】両側に車輪3を有する機体フレーム4の上部に作業機構部5が設けられ、地表面Gから機体フレーム4までの地上高が低く且つ機体長が長く設計された牽引式農作業機1において、上記機体フレーム4と車輪3の間に、作業時には最低地上高Haとし、圃場への出入りを含む移動時には上記機体フレーム4の地上高を高くするための高さ調整機構17を設けている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタ牽引式農作業機において特に地上高が低く機体長が長い農作業機を安全に圃場から出し入れするための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、農業法人や委託作業業者(コントラクター)などの増加に伴い、農作業の効率化が更に望まれるようになってきている。例えば、集団利用により極力作業を短時間で済ませたいとか、作業面積をより多くしたいとか、或いは作業機の1日の稼働時間を少しでも多くしたいとかいう要望がある。
【0003】
また、個人農家においては、例えばロールベーラによる牧草ロールの梱包作業後にラッピングマシンによる包装作業を行うため、作業の終了が深夜に及ぶことも希ではない。また、2人作業の場合においては、男性(夫)がロールベーラを担当し、女性(妻)がラップマシンを担当することが一般的であり、女性の労働負荷が大きいと言える。上記要望に応える作業機として具現化したのが、梱包包装複合作業機(ロールベーリングラップマシン)である(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3122337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記梱包包装複合作業機のように圃場より刈り取られ倒伏した牧草を拾い上げ梱包し、且つ、ラップフィルムにより包装を行った後、ラップフィルムが受傷しないように出来るだけ低い位置から圃場へ降ろすことが基本性能として望まれる作業機においては、概ね地上高が低く抑えられている。
【0006】
また、複合作業機は、2機種以上の作業機を1機種に統合していることから、機体長が長くなる傾向がある。以上のことから、トラクタにより牽引しながら農道等と牧草地のような圃場とを出入する場合、特に段差がある場合、作業機の機体底部が路面又は圃場へ接触し、土壌を抉るか、接触部分を破損するおそれがある。また、作業機の車輪が浮き、完全につかえ、トラクタでも進むことも戻ることも出来なくなるおそれがある。なお、牽引式農作業機の一つである肥料散布機としては、ホッパー及び散布機構と車輪との間に昇降機構を設け、散布時には充分な散布幅が得られるようにホッパー及び散布機構を比較的高い位置に保持し、肥料充填持にはホッパーの位置を下げてホッパーへの肥料充填を容易に行えるようにしたものが提案されている(実用新案登録第2574377号公報参照)が、本発明とは目的を異にするものである。
【0007】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、作業時には最低地上高さにし、移動時には最高地上高さにして安全な移動を可能とする牽引式農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のうち、請求項1に係る発明は、両側に車輪を有する機体フレームの上部に作業機構部が設けられ、地表面から機体フレームまでの地上高が低く且つ機体長が長く設計された牽引式農作業機において、上記機体フレームと車輪の間に、作業時には最低地上高とし、圃場への出入りを含む移動時には上記機体フレームの地上高を高くするための高さ調整機構を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の牽引式農作業機において、上記高さ調整機構が、上記機体フレームの両側部に一端が垂直に揺動可能に軸支され、他端に上記車輪が回転可能に軸支された揺動フレームと、上記機体フレームの両側部に立設された立設フレームと上記揺動フレームの他端との間に介設され、収縮動作により機体フレームを作業時の高さにし、伸張動作により上記揺動フレームを移動時の高さにするアクチュエータとを備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1記載の牽引式農作業機において、上記アクチュエータが、牽引車側に設けられた操作部による油圧回路の切換えにより伸張又は収縮されることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3記載の牽引式農作業機において、上記機体フレームの両側に配置された左右の上記アクチュエータが、左右に傾斜した傾斜地を農作業機が移動する際に、一方を収縮させ、他方を伸張させて上記機体フレームを水平に保持するようにする制御装置を備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項2又は3記載の牽引式農作業機において、上記アクチュエータが、軟弱地での農作業機の作業中に上記車輪が沈降するときに、上記車体フレームの地上高を高くするべく手動又は自動で操作されるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項1記載の牽引式農作業機において、上記機体フレームの上部には、上記作業機構部として、牧草等の農業収穫物を拾い集めてロール状に梱包したロールベールを形成すると共に該ロールベールを農作業機の進行方向後方に排出するロールベーラ部と、該ロールベーラ部から排出されたロールベールにラップフィルムを巻回して包装するラップマシン部とが進行方向前後に配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高さ調整機構により農作業機の機体フレームを作業時には最低地上高さにし、移動時には機体フレームの地上高を最低地上高よりも高くすることができるため、圃場の出入りの際に段差があったとしても、機体底部が路面又は圃場に接触するのを防止でき、土壌を抉ったり、接触部分を破損したりするおそれがなく、安全且つ容易に移動することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基いて詳述する。図1,図2は本発明の実施の形態である農作業機の好ましくない移動例を示す側面図、図3,図4は同農作業機の好ましい移動例を示す側面図である。また、図5は同農作業機の高さ調整機構の最低地上高調整時の側面図、図6は同高さ調整機構の最高地上高調整時の側面図、図7は同高さ調整機構の平面図、図8は同高さ調整機構の後方正面図である。
【0016】
これらの図において、1は牽引式農作業機であり、2は該農作業機を牽引する牽引車であるトラクタである。この農作業機1は、両側に車輪3を有する機体フレーム4を備え、この機体フレーム4の上部には、作業機構部5として、牧草等の農業収穫物を拾い集めてロール状に梱包したロールベールを形成すると共に該ロールベールを農作業機1の進行方向後方に排出するロールベーラ部6と、該ロールベーラ部6から排出されたロールベールにラップフィルムを巻回して包装するラップマシン部7とが進行方向前後に配設されている。
【0017】
上記車輪3を有する機体フレーム4が農作業機1の台車を構成している。ロールベーラ部6はトラクタ2のPTO軸にユニバーサルジョイントを介して連結され、トラクタからの動力で駆動されるようになっている(図示省略)。ロールベーラ部6はベール成形室8を有し、このベール成形室8は前部の固定フレーム8aと後部の開閉フレーム8bとを有している。上記固定フレーム8aから前方にドローバー10が延出して設けられ、このドローバー10の先端部がトラクタ2の後部に突出された連結部11に連結されるようになっている。上記固定フレーム8aの前側下部には牧草等の農業収穫物を掻き集めてベール成形室8内に送り込むためのピックアップ機構12が設けられている。
【0018】
ラップマシン部7は、ロールベール部6から排出されるロールベールを受けて載置する載置台13を有し、この載置台13にはロールベールを水平軸回りに回転駆動する回転機構14が設けられている。載置台13の回転機構14は、例えばトラクタ2から供給される油圧により回転駆動されるようになっている。ラップマシン部7には支持フレーム15を介してフィルム繰り出し装置16が設けられている。なお、ロールベール部6及びラップマシン部7としては、公知のものが用いられる(例えば実用新案登録第3122337号公報参照)。
【0019】
この農作業機1は、ラップフィルムにより包装されたロールベールをラップフィルムが受傷しないように出来るだけ低い位置から圃場へ降ろすため、地表面Gから機体フレーム4までの地上高が低く設計されており、且つ、機体フレーム4上に二つの作業機構部5であるロールベーラ部6とラップマシン部7を配置しているため、機体長が長く設計されている。
【0020】
上記機体フレーム4と車輪3の間には、作業時には最低地上高Haとし、圃場への出入りを含む移動時には上記地上高を最低地上高Haよりも高く(例えば最高地上高Hb)するためのリフト機構である高さ調整機構17が設けられている。この高さ調整機構17は、図5〜図8に示すように、上記機体フレーム4の両側部に一端が垂直に揺動可能に軸支され、他端に上記車輪3が回転可能に軸支された揺動フレーム(車軸フレームともいう)18と、上記機体フレーム4の両側部に立設された立設フレーム(チャンネル)20と上記揺動フレーム18の他端との間に介設され、収縮動作により機体フレーム4を作業時の高さ(最低地上高)Haにし、伸張動作により上記揺動フレーム18を移動時の高さ(最高地上高)Hbにするアクチュエータ21とを備えている。
【0021】
上記機体フレーム4は、左右一対の縦フレーム4a,4aと、これら両縦フレーム4a,4aを所定の間隔を隔てて結合する複数の横フレーム4bとからなっている。機体フレーム4の両側部すなわち縦フレーム4aの外側面には支軸22が突設され、該支軸22には揺動フレーム18の一端が垂直揺動可能すなわち支軸回りに回動可能に支持されている。揺動フレーム18の一端には支軸22に回動可能に嵌合される円筒状の軸受23が揺動フレーム18と直交する状態で取付けられている。
【0022】
上記支軸22には、揺動フレーム18の軸受23が嵌合され、更にその外側にカラー24が嵌合されてピン25で固定されており、これにより揺動フレーム18が支軸22を支点に垂直面上を揺動可能(回動可能)に取付けられている。上記揺動フレーム18の他端には車輪3を回転可能に支持する車軸26が揺動フレーム18と直交する状態で取付けられている。各車輪3は機体フレーム4である縦フレーム4aと干渉しないように揺動フレーム18の外側に配置されている。
【0023】
上記立設フレーム20は、機体フレーム4である各縦フレーム4a上に起立した状態で設けられている。立設フレーム20の上端部には上記アクチュエータ21の一端を支持する上部ブラケット27が設けられ、上記支軸22より進行方向後方に略水平に延出された上記揺動フレーム18の自由端側の上面部には上記アクチュエータ21の他端を支持する下部ブラケット28が設けられている。上部ブラケット27にはアクチュエータ21の基端部がピン30を介して揺動可能(回動可能)に軸支され、下部ブラケット28にはアクチュエータ21の先端部がピン31を介して揺動可能に軸支されている。
【0024】
上記アクチュエータ21は、例えば油圧シリンダからなっており、トラクタ2側に設けられた図示しない操作部による油圧回路の切換えにより伸張又は収縮されるようになっている。なお、アクチュエータ21としては、電動式であってもよく、例えば電動式シリンダからなっていてもよい。
【0025】
上記アクチュエータ21は、農作業機1の作業時には図5に示すように収縮状態にあって、揺動フレーム18を本機フレーム4と略平行な略水平状態に保持しており、機体フレーム4を地表面Gから車輪3を介して最低地上高Haに保持している。そして、アクチュエータ21は、圃場の出入りを含む移動時には図6に示すように伸張状態に駆動操作され、揺動フレーム18の自由端側を本機フレーム4よりも斜め下方へ押し下げた状態に保持し、機体フレーム4を地表面Gから車輪3を介して最高地上高Hbに保持するように構成されている。
【0026】
次に、以上の構成からなる牽引式農作業機の作動を説明する。この農作業機1は、作業時には機体フレーム4が最低地上高Haに保持されているため、刈り取られて圃場の地表面に倒伏している牧草をロールベーラ部6のピックアップ機構12により容易に掻き集めてベール成形室8内に円滑に送り込むことができると共に、ベール成形室8にてロール状に成形梱包し、ラッピングマシン部7に排出されてラップフィルムを巻き付けて包装されたロールベールを地表面に放出する際にラップフィルムの受傷を抑制することができる。
【0027】
しかしながら、上記農作業機1が上記機体フレーム4を最低地上高Haに保持したままで図1又は図2に示すように段差Dのある圃場へ出入りする場合には、その段差Dに農作業機1の機体底部32が接触し、土壌を抉るか、接触部分を破損するおそれがある。そこで、上記圃場への出入を含む農作業機1の移動時には、図6、図3又は図4に示すように上記アクチュエータ21を伸張作動させて揺動フレーム18を支軸22を支点に下方に回動させ、これによる車輪3が地表面Gを押す反力により機体フレーム4を最高地上高Hbに保持すればよい。これにより農作業機1の機体底部32が高く保持されるため、上記段差Dへの接触を回避することができ、土壌を抉ったり、接触部分を損傷したりする不具合を未然に防止することができると共に、農作業機1の円滑な移動を確保することができる。
【0028】
このように上記牽引式農作業機1によれば、上記機体フレーム4と車輪3の間に、作業時には最低地上高Haとし、圃場への出入りを含む移動時には上記車体フレーム4の地上高を最低地上高Haよりも高く(例えば最高地上高Hb)するための高さ調整機構17を設けているため、圃場の出入りの際に段差Dがあったとしても、機体底部32が段差Dにおける路面又は圃場に接触するのを防止でき、土壌を抉ったり、接触部分を破損したりするおそれがなく、安全且つ容易に移動することができる。
【0029】
この場合、上記高さ調整機構17が、上記機体フレーム4の両側部に一端が垂直に揺動可能に軸支され、他端に上記車輪3が回転可能に軸支された揺動フレーム18と、上記機体フレーム4の両側部に立設された立設フレーム20と上記揺動フレーム18の他端との間に介設され、収縮動作により機体フレーム4を作業時の高さHaにし、伸張動作により上記揺動フレーム18を移動時の高さHbにするアクチュエータ21とを備えているため、簡単な構成で高さ調整を確実に行うことができ、構造の簡素化及び製造コストの低減が図れる。また、上記アクチュエータ21を、トラクタ側に設けられた操作部による油圧回路の切換えにより伸張又は収縮することができるため、構造の簡素化及び操作性の向上が図れる。
【0030】
図9は傾斜地の等高線走行時に農作業機の姿勢を水平に調整した状態を示す後方正面図である。図9の実施形態において、図8の実施形態と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。図9の実施形態においては、上記機体フレーム4の両側に配置された左右の上記アクチュエータ21,21が、左右に傾斜した傾斜地GTを農作業機1が移動(等高線走行)する際に、一方(高地側のアクチュエータ21)を収縮させ、他方(低地側のアクチュエータ21)を伸張させて上記機体フレーム4を水平に保持すべく制御されるようになっている。この場合、例えば農作業機1の車体フレーム4には該車体フレーム4の左右方向の傾斜角度を検出する傾斜センサ35が設けられ、該傾斜センサ35からの出力信号に基いて制御装置36が車体フレーム4を左右水平に保持すべく左右のアクチュエータ21,21の伸張収縮量を制御するように構成されていることが好ましい。
【0031】
図10は軟弱地での作業中の農作業機の好ましくない移動例を示す側面図、図11は同農作業機の好ましい移動例を示す側面図である。図10ないし図11の実施形態において、前記実施形態と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。例えば、刈り取り後の水田において倒伏した稲藁を回収するために本農作業機を使用する場合、水田は軟弱地であるため、図10に示すようにトラクタ及び農作業機1の車輪3が沈降し、農作業機1の機体底部32が地表面Gに接触したり、或いはピックアップ機構12がその高さ調整を行っても地表面Gに接触して拾い上げ作業が困難となったりすることが考えられる。
【0032】
そこで、図11に示すように軟弱地での農作業機1の作業中に上記車輪3が沈降するときに、上記高さ調整機構17のアクチュエータ21が、上記車体フレーム4の地上高を高くするべく手動又は自動で操作されるように構成されている。アクチュエータを手動で操作する場合、例えばトラクタ側に設けられた操作部による油圧回路の切換えによりアクチュエータ21を伸張するように操作すればよい。この場合、アクチュエータ21の伸張長さを必ずしも最大長にする必要はなく、車輪3の沈降量や車体フレーム4の地上高を考慮して伸張途中で油圧をバルブ等によりロックするようにしてもよい。
【0033】
上記アクチュエータ21を自動で操作(制御)する場合、例えば農作業機1の車体フレーム4又は機体底部32に地表面Gからの高さを測定するセンサが設けられ、該センサからの出力信号に基いて制御装置が車体フレーム4を地表面Gから所定の高さに保持すべくアクチュエータ21の伸張長さを制御するように構成されていることが好ましい(図示省略)。
【0034】
以上、本発明の実施の形態により詳述してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態である農作業機の好ましくない移動例を示す側面図である。
【図2】同農作業機の好ましくない移動例を示す側面図である。
【図3】同農作業機の好ましい移動例を示す側面図である。
【図4】同農作業機の好ましい移動例を示す側面図である。
【図5】同農作業機の車高調整機構の最低地上高調整時の側面図である。
【図6】同車高調整機構の最高地上高調整時の側面図である。
【図7】同車高調整機構の平面図である。
【図8】同車高調整機構の後方正面図である。
【図9】傾斜地の等高線走行時に農作業機の姿勢を水平に調整した状態を示す後方正面図である。
【図10】軟弱地での作業中の農作業機の好ましくない移動例を示す側面図である。
【図11】同農作業機の好ましい移動例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 農作業機
2 トラクタ(牽引車)
3 車輪
4 機体フレーム
5 作業機構部
6 ロールベール部
7 ラップマシン部
17 高さ調整機構
18 揺動フレーム
20 立設フレーム
21 アクチュエータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタ牽引式農作業機において特に地上高が低く機体長が長い農作業機を安全に圃場から出し入れするための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、農業法人や委託作業業者(コントラクター)などの増加に伴い、農作業の効率化が更に望まれるようになってきている。例えば、集団利用により極力作業を短時間で済ませたいとか、作業面積をより多くしたいとか、或いは作業機の1日の稼働時間を少しでも多くしたいとかいう要望がある。
【0003】
また、個人農家においては、例えばロールベーラによる牧草ロールの梱包作業後にラッピングマシンによる包装作業を行うため、作業の終了が深夜に及ぶことも希ではない。また、2人作業の場合においては、男性(夫)がロールベーラを担当し、女性(妻)がラップマシンを担当することが一般的であり、女性の労働負荷が大きいと言える。上記要望に応える作業機として具現化したのが、梱包包装複合作業機(ロールベーリングラップマシン)である(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3122337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記梱包包装複合作業機のように圃場より刈り取られ倒伏した牧草を拾い上げ梱包し、且つ、ラップフィルムにより包装を行った後、ラップフィルムが受傷しないように出来るだけ低い位置から圃場へ降ろすことが基本性能として望まれる作業機においては、概ね地上高が低く抑えられている。
【0006】
また、複合作業機は、2機種以上の作業機を1機種に統合していることから、機体長が長くなる傾向がある。以上のことから、トラクタにより牽引しながら農道等と牧草地のような圃場とを出入する場合、特に段差がある場合、作業機の機体底部が路面又は圃場へ接触し、土壌を抉るか、接触部分を破損するおそれがある。また、作業機の車輪が浮き、完全につかえ、トラクタでも進むことも戻ることも出来なくなるおそれがある。なお、牽引式農作業機の一つである肥料散布機としては、ホッパー及び散布機構と車輪との間に昇降機構を設け、散布時には充分な散布幅が得られるようにホッパー及び散布機構を比較的高い位置に保持し、肥料充填持にはホッパーの位置を下げてホッパーへの肥料充填を容易に行えるようにしたものが提案されている(実用新案登録第2574377号公報参照)が、本発明とは目的を異にするものである。
【0007】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、作業時には最低地上高さにし、移動時には最高地上高さにして安全な移動を可能とする牽引式農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のうち、請求項1に係る発明は、両側に車輪を有する機体フレームの上部に作業機構部が設けられ、地表面から機体フレームまでの地上高が低く且つ機体長が長く設計された牽引式農作業機において、上記機体フレームと車輪の間に、作業時には最低地上高とし、圃場への出入りを含む移動時には上記機体フレームの地上高を高くするための高さ調整機構を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の牽引式農作業機において、上記高さ調整機構が、上記機体フレームの両側部に一端が垂直に揺動可能に軸支され、他端に上記車輪が回転可能に軸支された揺動フレームと、上記機体フレームの両側部に立設された立設フレームと上記揺動フレームの他端との間に介設され、収縮動作により機体フレームを作業時の高さにし、伸張動作により上記揺動フレームを移動時の高さにするアクチュエータとを備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1記載の牽引式農作業機において、上記アクチュエータが、牽引車側に設けられた操作部による油圧回路の切換えにより伸張又は収縮されることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3記載の牽引式農作業機において、上記機体フレームの両側に配置された左右の上記アクチュエータが、左右に傾斜した傾斜地を農作業機が移動する際に、一方を収縮させ、他方を伸張させて上記機体フレームを水平に保持するようにする制御装置を備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項2又は3記載の牽引式農作業機において、上記アクチュエータが、軟弱地での農作業機の作業中に上記車輪が沈降するときに、上記車体フレームの地上高を高くするべく手動又は自動で操作されるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項1記載の牽引式農作業機において、上記機体フレームの上部には、上記作業機構部として、牧草等の農業収穫物を拾い集めてロール状に梱包したロールベールを形成すると共に該ロールベールを農作業機の進行方向後方に排出するロールベーラ部と、該ロールベーラ部から排出されたロールベールにラップフィルムを巻回して包装するラップマシン部とが進行方向前後に配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高さ調整機構により農作業機の機体フレームを作業時には最低地上高さにし、移動時には機体フレームの地上高を最低地上高よりも高くすることができるため、圃場の出入りの際に段差があったとしても、機体底部が路面又は圃場に接触するのを防止でき、土壌を抉ったり、接触部分を破損したりするおそれがなく、安全且つ容易に移動することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基いて詳述する。図1,図2は本発明の実施の形態である農作業機の好ましくない移動例を示す側面図、図3,図4は同農作業機の好ましい移動例を示す側面図である。また、図5は同農作業機の高さ調整機構の最低地上高調整時の側面図、図6は同高さ調整機構の最高地上高調整時の側面図、図7は同高さ調整機構の平面図、図8は同高さ調整機構の後方正面図である。
【0016】
これらの図において、1は牽引式農作業機であり、2は該農作業機を牽引する牽引車であるトラクタである。この農作業機1は、両側に車輪3を有する機体フレーム4を備え、この機体フレーム4の上部には、作業機構部5として、牧草等の農業収穫物を拾い集めてロール状に梱包したロールベールを形成すると共に該ロールベールを農作業機1の進行方向後方に排出するロールベーラ部6と、該ロールベーラ部6から排出されたロールベールにラップフィルムを巻回して包装するラップマシン部7とが進行方向前後に配設されている。
【0017】
上記車輪3を有する機体フレーム4が農作業機1の台車を構成している。ロールベーラ部6はトラクタ2のPTO軸にユニバーサルジョイントを介して連結され、トラクタからの動力で駆動されるようになっている(図示省略)。ロールベーラ部6はベール成形室8を有し、このベール成形室8は前部の固定フレーム8aと後部の開閉フレーム8bとを有している。上記固定フレーム8aから前方にドローバー10が延出して設けられ、このドローバー10の先端部がトラクタ2の後部に突出された連結部11に連結されるようになっている。上記固定フレーム8aの前側下部には牧草等の農業収穫物を掻き集めてベール成形室8内に送り込むためのピックアップ機構12が設けられている。
【0018】
ラップマシン部7は、ロールベール部6から排出されるロールベールを受けて載置する載置台13を有し、この載置台13にはロールベールを水平軸回りに回転駆動する回転機構14が設けられている。載置台13の回転機構14は、例えばトラクタ2から供給される油圧により回転駆動されるようになっている。ラップマシン部7には支持フレーム15を介してフィルム繰り出し装置16が設けられている。なお、ロールベール部6及びラップマシン部7としては、公知のものが用いられる(例えば実用新案登録第3122337号公報参照)。
【0019】
この農作業機1は、ラップフィルムにより包装されたロールベールをラップフィルムが受傷しないように出来るだけ低い位置から圃場へ降ろすため、地表面Gから機体フレーム4までの地上高が低く設計されており、且つ、機体フレーム4上に二つの作業機構部5であるロールベーラ部6とラップマシン部7を配置しているため、機体長が長く設計されている。
【0020】
上記機体フレーム4と車輪3の間には、作業時には最低地上高Haとし、圃場への出入りを含む移動時には上記地上高を最低地上高Haよりも高く(例えば最高地上高Hb)するためのリフト機構である高さ調整機構17が設けられている。この高さ調整機構17は、図5〜図8に示すように、上記機体フレーム4の両側部に一端が垂直に揺動可能に軸支され、他端に上記車輪3が回転可能に軸支された揺動フレーム(車軸フレームともいう)18と、上記機体フレーム4の両側部に立設された立設フレーム(チャンネル)20と上記揺動フレーム18の他端との間に介設され、収縮動作により機体フレーム4を作業時の高さ(最低地上高)Haにし、伸張動作により上記揺動フレーム18を移動時の高さ(最高地上高)Hbにするアクチュエータ21とを備えている。
【0021】
上記機体フレーム4は、左右一対の縦フレーム4a,4aと、これら両縦フレーム4a,4aを所定の間隔を隔てて結合する複数の横フレーム4bとからなっている。機体フレーム4の両側部すなわち縦フレーム4aの外側面には支軸22が突設され、該支軸22には揺動フレーム18の一端が垂直揺動可能すなわち支軸回りに回動可能に支持されている。揺動フレーム18の一端には支軸22に回動可能に嵌合される円筒状の軸受23が揺動フレーム18と直交する状態で取付けられている。
【0022】
上記支軸22には、揺動フレーム18の軸受23が嵌合され、更にその外側にカラー24が嵌合されてピン25で固定されており、これにより揺動フレーム18が支軸22を支点に垂直面上を揺動可能(回動可能)に取付けられている。上記揺動フレーム18の他端には車輪3を回転可能に支持する車軸26が揺動フレーム18と直交する状態で取付けられている。各車輪3は機体フレーム4である縦フレーム4aと干渉しないように揺動フレーム18の外側に配置されている。
【0023】
上記立設フレーム20は、機体フレーム4である各縦フレーム4a上に起立した状態で設けられている。立設フレーム20の上端部には上記アクチュエータ21の一端を支持する上部ブラケット27が設けられ、上記支軸22より進行方向後方に略水平に延出された上記揺動フレーム18の自由端側の上面部には上記アクチュエータ21の他端を支持する下部ブラケット28が設けられている。上部ブラケット27にはアクチュエータ21の基端部がピン30を介して揺動可能(回動可能)に軸支され、下部ブラケット28にはアクチュエータ21の先端部がピン31を介して揺動可能に軸支されている。
【0024】
上記アクチュエータ21は、例えば油圧シリンダからなっており、トラクタ2側に設けられた図示しない操作部による油圧回路の切換えにより伸張又は収縮されるようになっている。なお、アクチュエータ21としては、電動式であってもよく、例えば電動式シリンダからなっていてもよい。
【0025】
上記アクチュエータ21は、農作業機1の作業時には図5に示すように収縮状態にあって、揺動フレーム18を本機フレーム4と略平行な略水平状態に保持しており、機体フレーム4を地表面Gから車輪3を介して最低地上高Haに保持している。そして、アクチュエータ21は、圃場の出入りを含む移動時には図6に示すように伸張状態に駆動操作され、揺動フレーム18の自由端側を本機フレーム4よりも斜め下方へ押し下げた状態に保持し、機体フレーム4を地表面Gから車輪3を介して最高地上高Hbに保持するように構成されている。
【0026】
次に、以上の構成からなる牽引式農作業機の作動を説明する。この農作業機1は、作業時には機体フレーム4が最低地上高Haに保持されているため、刈り取られて圃場の地表面に倒伏している牧草をロールベーラ部6のピックアップ機構12により容易に掻き集めてベール成形室8内に円滑に送り込むことができると共に、ベール成形室8にてロール状に成形梱包し、ラッピングマシン部7に排出されてラップフィルムを巻き付けて包装されたロールベールを地表面に放出する際にラップフィルムの受傷を抑制することができる。
【0027】
しかしながら、上記農作業機1が上記機体フレーム4を最低地上高Haに保持したままで図1又は図2に示すように段差Dのある圃場へ出入りする場合には、その段差Dに農作業機1の機体底部32が接触し、土壌を抉るか、接触部分を破損するおそれがある。そこで、上記圃場への出入を含む農作業機1の移動時には、図6、図3又は図4に示すように上記アクチュエータ21を伸張作動させて揺動フレーム18を支軸22を支点に下方に回動させ、これによる車輪3が地表面Gを押す反力により機体フレーム4を最高地上高Hbに保持すればよい。これにより農作業機1の機体底部32が高く保持されるため、上記段差Dへの接触を回避することができ、土壌を抉ったり、接触部分を損傷したりする不具合を未然に防止することができると共に、農作業機1の円滑な移動を確保することができる。
【0028】
このように上記牽引式農作業機1によれば、上記機体フレーム4と車輪3の間に、作業時には最低地上高Haとし、圃場への出入りを含む移動時には上記車体フレーム4の地上高を最低地上高Haよりも高く(例えば最高地上高Hb)するための高さ調整機構17を設けているため、圃場の出入りの際に段差Dがあったとしても、機体底部32が段差Dにおける路面又は圃場に接触するのを防止でき、土壌を抉ったり、接触部分を破損したりするおそれがなく、安全且つ容易に移動することができる。
【0029】
この場合、上記高さ調整機構17が、上記機体フレーム4の両側部に一端が垂直に揺動可能に軸支され、他端に上記車輪3が回転可能に軸支された揺動フレーム18と、上記機体フレーム4の両側部に立設された立設フレーム20と上記揺動フレーム18の他端との間に介設され、収縮動作により機体フレーム4を作業時の高さHaにし、伸張動作により上記揺動フレーム18を移動時の高さHbにするアクチュエータ21とを備えているため、簡単な構成で高さ調整を確実に行うことができ、構造の簡素化及び製造コストの低減が図れる。また、上記アクチュエータ21を、トラクタ側に設けられた操作部による油圧回路の切換えにより伸張又は収縮することができるため、構造の簡素化及び操作性の向上が図れる。
【0030】
図9は傾斜地の等高線走行時に農作業機の姿勢を水平に調整した状態を示す後方正面図である。図9の実施形態において、図8の実施形態と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。図9の実施形態においては、上記機体フレーム4の両側に配置された左右の上記アクチュエータ21,21が、左右に傾斜した傾斜地GTを農作業機1が移動(等高線走行)する際に、一方(高地側のアクチュエータ21)を収縮させ、他方(低地側のアクチュエータ21)を伸張させて上記機体フレーム4を水平に保持すべく制御されるようになっている。この場合、例えば農作業機1の車体フレーム4には該車体フレーム4の左右方向の傾斜角度を検出する傾斜センサ35が設けられ、該傾斜センサ35からの出力信号に基いて制御装置36が車体フレーム4を左右水平に保持すべく左右のアクチュエータ21,21の伸張収縮量を制御するように構成されていることが好ましい。
【0031】
図10は軟弱地での作業中の農作業機の好ましくない移動例を示す側面図、図11は同農作業機の好ましい移動例を示す側面図である。図10ないし図11の実施形態において、前記実施形態と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。例えば、刈り取り後の水田において倒伏した稲藁を回収するために本農作業機を使用する場合、水田は軟弱地であるため、図10に示すようにトラクタ及び農作業機1の車輪3が沈降し、農作業機1の機体底部32が地表面Gに接触したり、或いはピックアップ機構12がその高さ調整を行っても地表面Gに接触して拾い上げ作業が困難となったりすることが考えられる。
【0032】
そこで、図11に示すように軟弱地での農作業機1の作業中に上記車輪3が沈降するときに、上記高さ調整機構17のアクチュエータ21が、上記車体フレーム4の地上高を高くするべく手動又は自動で操作されるように構成されている。アクチュエータを手動で操作する場合、例えばトラクタ側に設けられた操作部による油圧回路の切換えによりアクチュエータ21を伸張するように操作すればよい。この場合、アクチュエータ21の伸張長さを必ずしも最大長にする必要はなく、車輪3の沈降量や車体フレーム4の地上高を考慮して伸張途中で油圧をバルブ等によりロックするようにしてもよい。
【0033】
上記アクチュエータ21を自動で操作(制御)する場合、例えば農作業機1の車体フレーム4又は機体底部32に地表面Gからの高さを測定するセンサが設けられ、該センサからの出力信号に基いて制御装置が車体フレーム4を地表面Gから所定の高さに保持すべくアクチュエータ21の伸張長さを制御するように構成されていることが好ましい(図示省略)。
【0034】
以上、本発明の実施の形態により詳述してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態である農作業機の好ましくない移動例を示す側面図である。
【図2】同農作業機の好ましくない移動例を示す側面図である。
【図3】同農作業機の好ましい移動例を示す側面図である。
【図4】同農作業機の好ましい移動例を示す側面図である。
【図5】同農作業機の車高調整機構の最低地上高調整時の側面図である。
【図6】同車高調整機構の最高地上高調整時の側面図である。
【図7】同車高調整機構の平面図である。
【図8】同車高調整機構の後方正面図である。
【図9】傾斜地の等高線走行時に農作業機の姿勢を水平に調整した状態を示す後方正面図である。
【図10】軟弱地での作業中の農作業機の好ましくない移動例を示す側面図である。
【図11】同農作業機の好ましい移動例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 農作業機
2 トラクタ(牽引車)
3 車輪
4 機体フレーム
5 作業機構部
6 ロールベール部
7 ラップマシン部
17 高さ調整機構
18 揺動フレーム
20 立設フレーム
21 アクチュエータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側に車輪を有する機体フレームの上部に作業機構部が設けられ、地表面から機体フレームまでの地上高が低く且つ機体長が長く設計された牽引式農作業機において、上記機体フレームと車輪の間に、作業時には最低地上高とし、圃場への出入りを含む移動時には上記機体フレームの地上高を高くするための高さ調整機構を設けたことを特徴とする牽引式農作業機。
【請求項2】
上記高さ調整機構が、上記機体フレームの両側部に一端が垂直に揺動可能に軸支され、他端に上記車輪が回転可能に軸支された揺動フレームと、上記機体フレームの両側部に立設された立設フレームと上記揺動フレームの他端との間に介設され、収縮動作により機体フレームを作業時の高さにし、伸張動作により上記揺動フレームを移動時の高さにするアクチュエータとを備えていることを特徴とする請求項1記載の牽引式農作業機。
【請求項3】
上記アクチュエータが、牽引車側に設けられた操作部による油圧回路の切換えにより伸張又は収縮されることを特徴とする請求項2記載の牽引式農作業機。
【請求項4】
上記機体フレームの両側に配置された左右の上記アクチュエータが、左右に傾斜した傾斜地を農作業機が移動する際に、一方を収縮させ、他方を伸張させて上記機体フレームを水平に保持するように制御する制御装置を備えていることを特徴とする請求項2又は3記載の牽引式農作業機。
【請求項5】
上記アクチュエータが、軟弱地での農作業機の作業中に上記車輪が沈降するときに、上記車体フレームの地上高を高くするべく手動又は自動で操作されるように構成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の牽引式農作業機。
【請求項6】
上記機体フレームの上部には、上記作業機構部として、牧草等の農業収穫物を拾い集めてロール状に梱包したロールベールを形成すると共に該ロールベールを農作業機の進行方向後方に排出するロールベーラ部と、該ロールベーラ部から排出されたロールベールにラップフィルムを巻回して包装するラップマシン部とが進行方向前後に配設されていることを特徴とする請求項1記載の牽引式農作業機。
【請求項1】
両側に車輪を有する機体フレームの上部に作業機構部が設けられ、地表面から機体フレームまでの地上高が低く且つ機体長が長く設計された牽引式農作業機において、上記機体フレームと車輪の間に、作業時には最低地上高とし、圃場への出入りを含む移動時には上記機体フレームの地上高を高くするための高さ調整機構を設けたことを特徴とする牽引式農作業機。
【請求項2】
上記高さ調整機構が、上記機体フレームの両側部に一端が垂直に揺動可能に軸支され、他端に上記車輪が回転可能に軸支された揺動フレームと、上記機体フレームの両側部に立設された立設フレームと上記揺動フレームの他端との間に介設され、収縮動作により機体フレームを作業時の高さにし、伸張動作により上記揺動フレームを移動時の高さにするアクチュエータとを備えていることを特徴とする請求項1記載の牽引式農作業機。
【請求項3】
上記アクチュエータが、牽引車側に設けられた操作部による油圧回路の切換えにより伸張又は収縮されることを特徴とする請求項2記載の牽引式農作業機。
【請求項4】
上記機体フレームの両側に配置された左右の上記アクチュエータが、左右に傾斜した傾斜地を農作業機が移動する際に、一方を収縮させ、他方を伸張させて上記機体フレームを水平に保持するように制御する制御装置を備えていることを特徴とする請求項2又は3記載の牽引式農作業機。
【請求項5】
上記アクチュエータが、軟弱地での農作業機の作業中に上記車輪が沈降するときに、上記車体フレームの地上高を高くするべく手動又は自動で操作されるように構成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の牽引式農作業機。
【請求項6】
上記機体フレームの上部には、上記作業機構部として、牧草等の農業収穫物を拾い集めてロール状に梱包したロールベールを形成すると共に該ロールベールを農作業機の進行方向後方に排出するロールベーラ部と、該ロールベーラ部から排出されたロールベールにラップフィルムを巻回して包装するラップマシン部とが進行方向前後に配設されていることを特徴とする請求項1記載の牽引式農作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−67(P2009−67A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−165205(P2007−165205)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(000107653)株式会社IHIスター (36)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(000107653)株式会社IHIスター (36)
【Fターム(参考)】
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