説明

現像装置、プロセスカートリッジおよび画像形成装置、ならびに現像装置の組立方法

【課題】現像剤担持体の長手方向に直交する方向における層厚規制部材の寸法を小さくしても、筐体と層厚規制部材との間からの現像剤の漏れを確実に防止できる現像装置、プロセスカートリッジ、および、そのような現像装置またはプロセスカートリッジを備える画像形成装置、ならびにそのような現像装置の組立方法を提供すること。
【解決手段】筐体36の開口部41において、開口部41の長手方向に延び、前後方向に幅を有する板状の上取付部47と、ブレードユニット40の曲がり防止部材58の延設部62との間に、この間をシールするためのアッパシール75を挟持させる。これにより、上取付部47と延設部62との間をシールすることができ、それらの間からのトナーの漏れを防止しつつ、現像カートリッジ26の小型化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置、プロセスカートリッジ、および現像装置またはプロセスカートリッジを備える画像形成装置、ならびに現像装置の組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンタなどの画像形成装置では、感光ドラムの表面に静電潜像が形成されて、その静電潜像に現像装置から現像剤が供給されることにより、感光ドラムの表面に現像剤像が担持される。そして、その現像剤像が用紙に転写されることによって、用紙への画像の形成が達成される。
現像装置は、感光ドラムに向けて開口した開口部を有する筐体と、この筐体内に収容されている現像剤を担持する現像ローラと、現像ローラに担持される現像剤の層厚を規制するためのブレードとを備えている。現像ローラは、筐体の開口部において、表面の一部が露出した状態で回転可能に支持されている。また、ブレードは、現像ローラの軸方向に沿って延びる薄板状に形成されており、その上端部が筐体に支持され、下端部が現像ローラの表面に圧接されている。そして、筐体内の現像剤は、現像ローラの表面上に供給され、現像ローラの回転に伴って、ブレードと現像ローラの表面との間を通過し、一定厚さの薄層となって現像ローラの表面上に担持される。現像ローラの表面に担持された現像剤は、感光ドラムの表面に接触するときに、感光ドラムの表面に形成されている静電潜像に供給される。
【0003】
このような現像装置では、筐体内の現像剤が、ブレードの裏面(現像ローラとの対向面と反対側の面)へ侵入し、その裏面からブレードの上端部に回り込み、そのブレードの上端部と筐体との間から漏れ出すことがある。そのため、従来の画像形成装置においては、ブレードの裏面に、ブレードの裏面からの回り込みによる現像剤の漏れを防止するためのブレード裏シール部材が設けられている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−75657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、近年、画像形成装置のコンパクト化を図るために、現像装置の高さ方向(上下方向)の寸法を小さくすることが要望されている。現像装置の高さ方向の寸法を小さくするためには、ブレードの高さ方向の寸法を小さくしなければならず、これに伴って、ブレード裏シール部材の高さ方向の寸法も小さくしなければならない。ところが、ブレード裏シール部材の高さ方向の寸法を小さくすると、ブレードの裏面における高さ方向のシール幅が狭くなって、シール性が低下し、ブレードの裏面からの回り込みによる現像剤の漏れが生じやすくなるという不具合がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、層厚規制部材の高さ方向(第1壁部と現像剤担持体との対方向)の寸法を小さくしても、筐体と層厚規制部材との間からの現像剤の漏れを確実に防止できる現像装置、プロセスカートリッジ、および、そのような現像装置またはプロセスカートリッジを備える画像形成装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、層厚規制部材の高さ方向(第1壁部と現像剤担持体との対方向)の寸法を小さくしても、筐体と層厚規制部材との間からの現像剤の漏れを確実に防止できる現像装置の組立方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、現像装置において、長手状の開口部と、前記開口部と連通し、現像剤を収容する収容部と、を有する筐体と、前記開口部の長手方向に沿う一端に設けられるとともに、該長手方向に沿って延び、かつ、前記開口部と前記収容部との連通方向に沿って延びる第1壁部と、前記開口部において前記開口部の長手方向に沿って配置され、前記筐体に回転可能に支持されて、現像剤を担持する現像剤担持体と、一端が前記第1壁部に対向配置され、該一端から前記現像剤担持体の表面に向かって延び、他端が前記現像剤担持体を押圧して、前記現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材と、前記第1壁部と前記層厚規制部材との間に挟持され、前記第1壁部と前記層厚規制部材との間をシールするための第1シール部材とを備えていることを特徴としている。
【0007】
このような構成によると、筐体に設けられた第1壁部と層厚規制部材との間に挟持される第1シール部材によって、筐体と層厚規制部材との間からの現像剤の漏れを防止することができる。
層厚規制部材は、筐体の開口部の長手方向に沿う一端に設けられた第1壁部と、その開口部に配置された現像剤担持体との間において、第1壁部側の一端から現像剤担持体に向けて延びている。すなわち、層厚規制部材は、第1壁部と現像剤担持体との間において、その第1壁部と現像剤担持体との対向方向に延びて配置されている。このように配置される層厚規制部材の一端と第1壁部との間に第1シール部材が挟持されるので、その第1壁部と現像剤担持体との対向方向において、現像装置の寸法を小さくするために、層厚規制部材の寸法(高さ方向の寸法)を小さくしても、第1シール部材の寸法の縮小を不要とすることができる。その結果、第1シール部材によるシール性を確保することができ、筐体と層厚規制部材との間からの現像剤の漏れを確実に防止しつつ、現像装置の小型化を図ることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1壁部は、前記層厚規制部材と対向し、その対向方向と直交する方向に幅を有する第1対向面を備え、前記層厚規制部材は、前記第1壁部と対向し、その対向方向と直交する方向に幅を有する第2対向面を備え、前記第1シール部材は、前記第1対向面と前記第2対向面との間に挟持されていることを特徴としている。
【0009】
このような構成によると、第1シール部材は、第1壁部と層厚規制部材との対向方向と直交する方向に幅を有する第1対向面および第2対向面の間に挟持されるので、幅を大きくとることができる。その結果、第1シール部材によるシール性の向上を図ることができ、筐体と層厚規制部材との間からの現像剤の漏れをより確実に防止することができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記層厚規制部材は、前記開口部の長手方向に延びる薄板状に形成され、前記現像剤担持体を押圧するブレードと、前記ブレードの一の面に沿って配置され、前記第1壁部側で、前記ブレードを支持する第1支持部材とを備え、前記第1支持部材は、前記ブレードに接触する接触部と、前記接触部における前記第1壁部と対向する端部から前記連通方向に延びる延設部とを有し、前記延設部に、前記第2対向面が形成されていることを特徴としている。
【0010】
このような構成によると、接触部と延設部とによって、第1支持部材に高い剛性を付与することができる。そのため、第1支持部材の接触部をブレードに接触させて、ブレードを第1支持部材によって支持することにより、ブレードの撓みやうねりなどの湾曲を防止することができる。その結果、ブレードによって現像剤担持体を均一な力で押圧することができ、現像剤担持体に均一な厚みを有する現像剤の薄層を担持させることができる。また、延設部に第2対向面が形成されているので、第1壁部の第1対向面との間で第1シール部材を挟持するための部材を別に設ける必要がなく、部品点数の削減を図ることができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明において、前記第1壁部は、前記筐体と一体的に形成されていることを特徴としている。
このような構成によると、部品点数を削減することができ、構成を簡素化することができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明において、前記連通方向と直交し、かつ、前記開口部の長手方向に沿って延びるように、前記筐体に設けられて、前記層厚規制部材に対向配置される第2壁部と、前記第2壁部と前記層厚規制部材との間に挟持され、前記第2壁部と前記層厚規制部材との間をシールするための第2シール部材とを備えていることを特徴としている。
【0012】
このような構成によると、筐体に設けられた第2壁部と層厚規制部材との間においても、第2シール部材によって現像剤の漏れを防止することができる。そのため、筐体と層厚規制部材との間からの現像剤の漏れを一層確実に防止することができる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記第1シール部材および前記第2シール部材は、一体的に形成されていることを特徴としている。
【0013】
このような構成によると、部品点数を削減することができ、第1シール部材および第2シール部材の取付けのための工程数を削減することができる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の発明において、前記層厚規制部材は、一方面が前記ブレードの前記第1支持部材の設けられた面と反対側の面に接触し、該一方面と反対側の他方面が前記第2壁部に接触し、かつ、前記第1壁部と間隔を隔てて配置される第2支持部材を備え、前記第2シール部材は、前記第1壁部と前記第2支持部材との間において、前記第2壁部と前記第1支持部材との間に挟持されていることを特徴としている。
【0014】
このような構成によると、ブレードの第1支持部材が設けられた面と反対側の面に配置される第2支持部材によって、ブレードをさらに補強することができ、ブレードの湾曲をより確実に防止することができる。そのため、ブレードによって現像剤担持体をより均一な力で押圧することができ、その結果、より均一な厚みを有する現像剤の薄層を現像剤担持体に担持させることができる。また、第2支持部材の他方面が第2壁部に接触し、第2シール部材が第1壁部と第2支持部材との間に配置されるので、第2支持部材と第2壁部との間に第2シール部材が噛み込むことがなく、第2支持部材と第2壁部との間に隙間が生じることを防止でき、確実なシールを確保することができる。
【0015】
また、請求項8に記載の発明は、請求項5ないし7のいずれかに記載の発明において、前記第2壁部は、前記筐体と一体的に形成されていることを特徴としている。
このような構成によると、部品点数を削減することができ、構成を簡素化することができる。
また、請求項9に記載の発明は、画像形成装置に対して着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、請求項1ないし8のいずれかに記載の現像装置を備えていることを特徴としている。
【0016】
このような構成によると、現像剤担持体の長手方向に直交する方向における層厚規制部材の寸法を小さくしても、筐体と層厚規制部材との間からの現像剤の漏れを確実に防止することができる現像装置を備えているので、現像装置の小型化を図ることができ、その現像装置の小型化に対応して、プロセスカートリッジの小型化を図ることができる。
また、請求項10に記載の発明は、画像形成装置において、請求項1ないし8のいずれかに記載の現像装置または請求項9に記載のプロセスカートリッジを備えていることを特徴としている。
【0017】
このような構成によると、現像剤担持体の長手方向に直交する方向における層厚規制部材の寸法を小さくしても、筐体と層厚規制部材との間からの現像剤の漏れを確実に防止することができる現像装置またはプロセスカートリッジを備えているので、プロセスカートリッジの小型化を図ることができ、プロセスカートリッジの小型化に対応して、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0018】
また、請求項11に記載の発明は、長手状の開口部、および前記開口部と連通し、現像剤を収容する収容部を有する筐体と、前記開口部において前記開口部の長手方向に沿って配置され、前記筐体に回転可能に支持されて、現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体を押圧して、前記現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材とを備える現像装置の組立方法であって、前記現像装置は、前記開口部の長手方向に沿う一端に設けられるとともに、該長手方向に沿って延び、かつ、前記開口部と前記収容部との連通方向に沿って延びる第1壁部と、前記第1壁部と前記層厚規制部材との間に挟持され、前記第1壁部と前記層厚規制部材との間をシールするための第1シール部材と、前記連通方向と直交し、かつ、前記開口部の長手方向に沿って延びるように、前記筐体に設けられて、前記層厚規制部材に対向配置される第2壁部と、前記第2壁部と前記層厚規制部材との間に挟持され、前記第2壁部と前記層厚規制部材との間をシールするための第2シール部材とを備え、前記層厚規制部材は、前記開口部の長手方向に延びる薄板状に形成され、一端が前記第1壁部に対向配置され、他端が前記現像剤担持体を押圧するブレードと、前記ブレードの一の面に沿って配置され、前記第1壁部側で前記ブレードを支持する第1支持部材と、一方面が前記ブレードの前記第1支持部材が設けられた面と反対側の面に接触し、該一方面と反対側の他方面が前記第2壁部に接触し、かつ、前記第1壁部と間隔を隔てて配置される第2支持部材とを備え、前記第1シール部材および前記第2シール部材を、それぞれ前記第1壁部および第2壁部に接触させて配置した後、前記層厚規制部材を、前記第1支持部材で前記第1シール部材を前記第1壁部に押し付け、かつ、前記第1支持部材で前記第2シール部材を前記第2壁部に押し付ける方向から、前記筐体に取り付けることを特徴としている。
【0019】
このような方法によれば、第1支持部材で第1シール部材を第1壁部に押し付け、かつ、第1支持部材で第2シール部材を第2壁部に押し付けるように、層厚規制部材を筐体に取り付けるので、第2支持部材の他方面を第2壁部に接触させると同時に、その第2支持部材と第1壁部との間に第2シール部材を配置させることができる。そのため、第2支持部材と第2壁部との間に第2シール部材が噛み込むことを防止できる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、層厚規制部材の高さ方向(第1壁部と現像剤担持体との対向方向)の寸法を小さくしても、第1シール部材によるシール性を確保することができ、筐体と層厚規制部材との間からの現像剤の漏れを確実に防止しつつ、現像装置の小型化を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、第1シール部材によるシール性の向上を図ることができ、筐体と層厚規制部材との間からの現像剤の漏れをより確実に防止することができる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、現像剤担持体に均一な厚みを有する現像剤の薄層を担持させることができる。また、部品点数の削減を図ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、部品点数を削減することができ、構成を簡素化することができる。
請求項5に記載の発明によれば、筐体と層厚規制部材との間からの現像剤の漏れを一層確実に防止することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、部品点数を削減することができ、第1シール部材および第2シール部材の取付けのための工程数を削減することができる。
請求項7に記載の発明によれば、より均一な厚みを有する現像剤の薄層を現像剤担持体に担持させることができる。また、第2支持部材と第2壁部との間に隙間が生じることを防止でき、確実なシールを確保することができる。
【0023】
請求項8に記載の発明によれば、部品点数を削減することができ、構成を簡素化することができる。
請求項9に記載の発明によれば、プロセスカートリッジの小型化を図ることができる。
請求項10に記載の発明によれば、画像形成装置の小型化を図ることができる。
請求項11に記載の発明によれば、第2支持部材と第2壁部との間に第2シール部材が噛み込むことを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。図1において、レーザプリンタ1は、本体ケーシング2内に、用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
本体ケーシング2の一方側側壁には、後述するプロセスカートリッジ18を着脱するための着脱口6が形成されており、その着脱口6を開閉するためのフロントカバー7が設けられている。このフロントカバー7は、その下端部に挿通された図示しないカバー軸に回動自在に支持されている。これによって、フロントカバー7をカバー軸を中心として閉じると、フロントカバー7によって着脱口6が閉鎖され、フロントカバー7をカバー軸を支点として開くと(傾倒させると)、着脱口6が開放され、この着脱口6から、プロセスカートリッジ18を本体ケーシング2に対して着脱させることができる。また、フロントカバー7には、操作キーやLED表示部を備える図示しない操作パネルが埋設されている。
【0025】
なお、以下では、このレーザプリンタ1において、フロントカバー7が設けられる側を「前側」とし、その反対側を「後側」とする。
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ8と、給紙トレイ8の前端部の上方に設けられる給紙ローラ9および給紙パッド10と、給紙ローラ9の後側に設けられるピックアップローラ11と、給紙ローラ9の前側下方において対向配置されるピンチローラ12と、給紙ローラ9の後側上方に設けられるレジストローラ13とを備えている。
【0026】
給紙トレイ8の内部には、用紙3を積層状に載置可能な用紙押圧板14が備えられている。この用紙押圧板14は、後端部において揺動可能に支持されることによって、前端部が上下方向に移動可能にされている。
また、給紙トレイ8の前端部には、用紙押圧板14の前端部を上方に持ち上げるためのレバー15が設けられている。このレバー15は、用紙押圧板14の前側から下側へ回り込むように断面略L字状に形成されており、その上端部が、給紙トレイ8の前端部に設けられたレバー軸16に取り付けられ、その後端部が、用紙押圧板14の下面の前端部に当接している。これによって、レバー軸16に図中時計回りの回転駆動力が入力されると、レバー15がレバー軸16を支点として回転し、レバー15の後端部が用紙押圧板14の前端部を持ち上げる。
【0027】
用紙押圧板14の前端部が持ち上げられると、用紙押圧板14上の最上位にある用紙3は、ピックアップローラ11に押圧され、そのピックアップローラ11の回転によって、給紙ローラ9と給紙パッド10との間に向けて搬送開始される。
一方、給紙トレイ8を本体ケーシング2から離脱させると、用紙押圧板14は、その自重によって、前端部が下方に移動し、給紙トレイ8の底面に沿った状態になる。この状態で、用紙押圧板14上に用紙3を積層状に載置することができる。
【0028】
ピックアップローラ11によって給紙ローラ9と給紙パッド10との間に向けて送り出された用紙3は、給紙ローラ9の回転によって、給紙ローラ9と給紙パッド10との間に挟まれたときに、確実に1枚ごとに捌かれて給紙される。給紙された用紙3は、給紙ローラ9とピンチローラ12との間を通り、レジストローラ13に搬送される。
レジストローラ13は、互いに対向する1対のローラから構成され、用紙3を、レジスト後に、画像形成部5の転写位置(後述する感光ドラム28と転写ローラ30との間のニップ位置であって、感光ドラム28上のトナー像を用紙3に転写する位置)に向けて搬送する。
【0029】
画像形成部5は、スキャナ部17、プロセスカートリッジ18、定着部19などを備えている。
スキャナ部17は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、図示しないレーザ光源、回転駆動されるポリゴンミラー20、fθレンズ21、反射鏡22、レンズ23および反射鏡24などを備えている。レーザ光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、鎖線で示すように、ポリゴンミラー20で偏向されて、fθレンズ21を通過した後、反射鏡22によって光路が折り返され、さらにレンズ23を通過した後、反射鏡24によってさらに光路が下方に屈曲されることにより、プロセスカートリッジ18の後述する感光ドラム28の表面上に高速走査にて照射される。
【0030】
プロセスカートリッジ18は、スキャナ部17の下方において、本体ケーシング2に対して着脱可能に装着されている。このプロセスカートリッジ18は、ドラムカートリッジ25と、ドラムカートリッジ25に対して着脱可能に装着される現像装置としての現像カートリッジ26とを備えている。
ドラムカートリッジ25は、それぞれ前後方向に延び、その前後方向に直交する方向(図1における紙面直交方向。以下、単に「幅方向」という。)において互いに対向配置された1対の側板27間において、前側に、現像カートリッジ26が装着され、その後側に、感光ドラム28、スコロトロン型帯電器29、転写ローラ30およびクリーニングブラシ31を備えている。
【0031】
感光ドラム28は、最表層がポリカーボネートなどからなる正帯電性の感光層により形成される円筒形状のドラム本体32と、このドラム本体32の軸心において、ドラム本体32の長手方向に沿って延びる金属製のドラム軸33とを備えている。ドラム軸33がドラムカートリッジ25の両側板27に回転不能に支持され、このドラム軸33に対してドラム本体32が回転可能に支持されることにより、感光ドラム28は、両側板27間において、ドラム軸33を中心に回転可能に設けられている。
【0032】
スコロトロン型帯電器29は、感光ドラム28の後側斜め上方において、感光ドラム28と接触しないように、間隔を隔てて対向配置されている。このスコロトロン型帯電器29は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光ドラム28の表面を一様に正極性に帯電させることができるように設けられている。
【0033】
転写ローラ30は、ドラムカートリッジ25の両側板27に回転自在に支持されており、感光ドラム28と上下方向において対向して接触し、感光ドラム28との間にニップを形成するように配置されている。この転写ローラ30は、金属製のローラ軸34を、導電性のゴム材料からなるローラ35で被覆することにより構成されている。転写ローラ30には、転写時に転写バイアスが印加される。
【0034】
クリーニングブラシ31は、感光ドラム28の後方において、ブラシの先端が感光ドラム28のドラム本体32の表面に接触する状態で配置されている。
現像カートリッジ26は、図2に示すように、筐体36と、この筐体36内に、収容部としてのトナー収容室37、供給ローラ38、現像剤担持体としての現像ローラ39および層厚規制部材としてのブレードユニット40とを備えている。
【0035】
筐体36は、後端部に長手状の開口部41を有するボックス状に形成されている。
具体的には、図2および図3に示すように、筐体36は、上下方向において互いに対向する上壁42および下壁43と、これらの上壁42と下壁43との間を幅方向両側から閉鎖するように設けられた1対の側壁44と、上壁42と下壁43との間を前側から閉鎖するように設けられた前壁79とを備えている。
【0036】
上壁42は、図2に示すように、前後方向途中であって、後側寄りの部分から下壁43に向けて延びる仕切板45を備えている。この仕切板45によって、筐体36の内部空間が仕切られ、その前側の内部空間がトナー収容室37として区画されている。また、上壁42の後端部には、ブレードユニット40を取り付けるためのブレード取付部材46が設けられており、このブレード取付部材46、下壁43および1対の側壁44によって、幅方向に延びる長手状の開口部41が区画されている。トナー収容部37と開口部41とが連通する方向を連通方向という。すなわち、本実施形態においては、連通方向と前後方向とが、一致している。
【0037】
ブレード取付部材46は、側断面L字状をなし、下壁43に対向し、幅方向に延び、前後方向に幅を有する板状の第1壁部としての上取付部47と、この上取付部47の前端部から下方に向かって屈曲し、幅方向に延び、背面視において格子状の凹部が形成されている第2壁部としての前取付部48とを一体的に備えている。このブレード取付部材46は、上壁42と別体に形成されて、上壁42に対して固定されていてもよいし、上壁42と一体的に形成されていてもよい。ブレード取付部材46が上壁42と一体的に形成されていれば、このレーザプリンタ1の部品点数を削減することができ、構成を簡素化することができる。
【0038】
下壁43の前端部は、前側斜め上方に延びて、前壁79に連続するように接続されている。また、下壁43の後側上面には、現像ローラ39の軸方向に沿って延びるフィルム配置部121が形成されている。このフィルム配置部121には、ポリエチレンテレフタレートを材質とし、現像ローラ39のローラ56の周面にその軸方向に沿って一様に摺擦するロアフィルム122が配置される。ロアフィルム122が、下壁43の上方で、現像ローラ39のローラ56の周面に、その軸方向に沿って一様に摺擦することで、下壁43と現像ローラ39との間からトナー漏れを防止することができる。さらにまた、前壁79には、上壁42との接続部分から前方に延び、さらに下方へ折り返されることによって、現像カートリッジ26をドラムカートリッジ25に対して着脱させるときに把持するための把持部49が設けられている。
【0039】
トナー収容室37内には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分のトナーが収容されている。このトナーとしては、重合性単量体、たとえば、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる重合トナーが使用されている。このような重合トナーは、球状をなし、流動性が極めて良好であり、高画質の画像形成を達成することができる。
【0040】
なお、このようなトナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合され、また、流動性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加されている。その粒子径は、約6〜10μm程度である。
また、トナー収容室37内には、このトナー収容室37内のトナーを撹拌するためのアジテータ50が設けられている。アジテータ50は、トナー収容室37の中心部において、幅方向に延びる回転軸51に支持されており、この回転軸51を支点として、アジテータ50が回転されることによって、トナー収容室37内のトナーは、撹拌され、仕切板45と下壁43との間の連通口52から後側に向けて放出される。
【0041】
供給ローラ38は、連通口52の後側斜め下方に配置されて、筐体36の1対の側壁44間に回転可能に支持されている。この供給ローラ38は、金属製のローラ軸53を、導電性の発泡材料からなるローラ54で被覆することにより構成されている。
現像ローラ39は、供給ローラ38の後側であって、開口部41において幅方向に沿って配置され、筐体36の1対の側壁44間に回転可能に支持されている。また、現像ローラ39は、その表面の一部が筐体36の開口部41から後方に突出して露出するように配置され、現像カートリッジ26がドラムカートリッジ25に装着された状態で、感光ドラム28と前後方向に対向して接触する。この現像ローラ39は、金属製のローラ軸55に、導電性のゴム材料からなるローラ56で被覆することにより構成されている。現像ローラ39のローラ56は、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムからなるローラ層の表面に、フッ素を含有するウレタンゴムまたはシリコーンゴムのコート層が被覆されている。また、現像ローラ39のローラ56は、供給ローラ38のローラ54と互いに圧縮されるように接触して配置されている。
【0042】
ブレードユニット40は、図4、図5、図6または図7に示すように、ブレードとしての板ばね部材57と、この板ばね部材57を支持するための第1支持部材としての曲がり防止部材58および第2支持部材としての補強板59とを備えている。後で詳述するように、このブレードユニット40は、板ばね部材57が曲がり防止部材58および補強板59によって挟持された状態で、ブレード取付部材46に対して、補強板59が前取付部48に対向して接触するように取り付けられている。
【0043】
板ばね部材57は、金属の薄い板ばね材からなり、現像ローラ39のローラ56の軸方向の幅とほぼ同じ幅を有する長方形状に形成されている。ブレードユニット40がブレード取付部材46に取り付けられた状態において、板ばね部材57の上端部は、曲がり防止部材58および補強板59によって挟持され、現像ローラ39の軸方向(長手方向)に延びるように配置される。また、板ばね部材57の下端部には、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面略矩形状の押圧部材60が下端縁に沿って設けられている。
【0044】
曲がり防止部材58は、側断面L字状をなし、板ばね部材57の長手方向に沿って延び、板ばね部材57の表面に接触して配置される。より具体的には、曲がり防止部材58は、板ばね部材57の表面に接触する長方形板状の接触部61と、ブレードユニット40がブレード取付部材46に取り付けられた状態において、接触部61の上端縁から後方に延びる延設部62と、延設部62の後端部から下方に延びる2つの把持部63とを一体的に備えている。これによって、曲がり防止部材58は、高剛性を有し、板ばね部材57を支持して、その板ばね部材57の撓みやうねりなどの湾曲を防止する。
【0045】
延設部62は、接触部61の上端縁の長手方向両端部から第1の幅で延びる端延設部64と、これらの両端延設部64の間に設けられ、接触部61の上端縁の長手方向中央部から第1の幅よりも大きな第2の幅で延びる中央延設部65とを備えている。言い換えれば、延設部62は、接触部61の上端縁の長手方向全域から後方に延びており、その長手方向両端部に切り欠き部66を有している。
【0046】
2つの把持部63は、それぞれ中央延設部65の長手方向両端部から、中央延設部65に対して斜め後方下向きに延び、背面視矩形状に形成されている。
補強板59は、細長い矩形状の金属板からなり、板ばね部材57の長手方向に沿って、板ばね部材57の裏面に接触して配置されている。この補強板59は、曲がり防止部材58の接触部61の幅(上下方向の幅)よりもやや幅狭に形成されており、曲がり防止部材58の接触部61との間に板ばね部材57を挟持状態で支持して、その板ばね部材57をさらに補強する。
【0047】
そして、このブレードユニット40は、板ばね部材57の表面において、その上端部に曲がり防止部材58の接触部61が接触して配置され、板ばね部材57の裏面において、接触部61と板ばね部材57を挟んで対向する位置に、補強板59が接触して配置されて、曲がり防止部材59および補強板59の長手方向両端部に形成される挿通孔(図示せず。)に、曲がり防止部材58側からねじ94をそれぞれ挿通し、補強板59の両端部に形成されるねじ溝孔80に、各ねじ94を螺着させることにより、組み立てられている。この組み立てにおいては、曲がり防止部材58の延設部62の長手方向両端部に切り欠き部66が形成されているので、曲がり防止部材58側からであっても、ねじ94を容易に挿通させることができる。
【0048】
なお、このようにして組み立てられたブレードユニット40では、接触部61の下端面と補強板59の下端面とが、上下方向においてほぼ面一に位置合わせされており、次に述べるように、ブレードユニット40がブレード取付部材46に対して取り付けられた状態では、補強板59の上端面と上取付部47の下面73との間に隙間が形成される。
こうして組み立てられたブレードユニット40は、図2に示すように、ブレード取付部材46に対して、曲がり防止部材58の延設部62が、後述するアッパシール75を介して上取付部47に対向し、補強板59が前取付部48に対向して接触するように取り付けられている。この取り付けにおいては、切り欠き部66から把持部63を把持して、ブレード取付部46に対して位置合わせすることができるので、ブレードユニット40をブレード取付部材46に対して容易に取り付けることができる。なお、この取り付けにおいては、曲がり防止部材58の接触部61、板ばね部材57および補強板59の長手方向両端部(各ねじ94が螺着される長手方向両端部よりも外側の両端部)において、それらの厚さ方向を貫通する取付孔81(図4および図5参照)に、ねじ(図示せず。)を挿通し、そのねじをブレード取付部材46に螺着させることにより、ブレードユニット40をブレード取付部材46に対して固定する。
【0049】
ブレードユニット40がブレード取付部材46に取り付けられた状態で、板ばね部材57の下端部は、現像ローラ39のローラ56に対して前側から対向し、押圧部材60が、板ばね部材57の弾性力によってローラ56に圧接される。
そして、図2において、アジテータ50の回転によって連通口52から筐体36の後側の内部空間に放出されるトナーは、供給ローラ38の回転によって、現像ローラ39のローラ56上に供給され、このとき、供給ローラ38のローラ54と現像ローラ39のローラ56との間で正に摩擦帯電される。現像ローラ39のローラ56上に供給されたトナーは、現像ローラ39の回転に伴って、ブレードユニット40の押圧部材60と現像ローラ39のローラ56との間に進入し、ここでさらに十分に摩擦帯電されて、一定厚さの薄層となって、現像ローラ39のローラ56上に担持される。
【0050】
一方、感光ドラム28の表面は、図1に示すように、スコロトロン型帯電器29により一様に正帯電された後、スキャナ部17からのレーザビームの高速走査により露光され、画像データに基づく静電潜像が形成される。
次いで、現像ローラ39の回転により、現像ローラ39上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光ドラム28に対向して接触する時に、感光ドラム28の表面上に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム28の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化され、これによって反転現像によりトナー像が形成される。
【0051】
その後、感光ドラム28と転写ローラ30とが、それらの間で用紙3を挟持して搬送するように回転駆動され、感光ドラム28と転写ローラ30との間を用紙3が搬送されることにより、感光ドラム28の表面に担持されているトナー像が用紙3上に転写される。
なお、転写後に、用紙3との接触によって感光ドラム28の表面に付着した紙粉は、その感光ドラム28の表面が、感光ドラム28の回転に伴って、導電性ブラシ31のブラシと対向した時に、そのブラシによって除去される。
【0052】
定着部19は、プロセスカートリッジ18の後側に設けられ、定着フレーム67と、この定着フレーム67内に、加熱ローラ68および押圧ローラ69とを備えている。
加熱ローラ68は、金属素管と、その金属素管内に加熱のためのハロゲンランプとを備え、図示しないモータからの動力の入力により回転駆動される。
押圧ローラ69は、加熱ローラ68の下方において、加熱ローラ68を押圧するように対向配置されている。この押圧ローラ69は、金属製のローラ軸を、ゴム材料からなるローラで被覆することにより構成されており、加熱ローラ68の回転駆動に従って従動される。
【0053】
定着部19では、用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ68と押圧ローラ69との間を通過する間に熱定着させる。トナーが定着した用紙3は、本体ケーシング2の上面に向かって上下方向に延びた排紙パス70に搬送される。排紙パス70に搬送された用紙3は、その上端に設けられる排紙ローラ71によって、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ72上に排紙される。
【0054】
そして、現像カートリッジ26では、図8に示すように、ブレード取付部材46の上取付部47の第1対向面としての下面73と、曲がり防止部材58の延設部62の第2対向面としての上面74との間に、この間をシールするための第1シール部材としてのアッパシール75が挟持されている。
アッパシール75は、ウレタンフォームなどのスポンジ材からなり、細長い矩形板状に形成されている。このアッパシール75は、長手方向の幅が曲がり防止部材58の延設部62の長手方向の幅と等しく設定され、前後方向の幅が端延設部64の第1の幅よりもやや小さい幅に設定されており、図9にハッチングを付して示すように、各端延設部64の前端縁に沿って、延設部62の長手方向全域にわたって配置され、両面テープなどによって貼着されている。また、アッパシール75は、ブレードユニット40がブレード取付部材46に取り付けられる以前の状態において、ブレードユニット40をブレード取付部材46に取り付けた際の上取付部47の下面73と延設部62の上面74との間の間隔よりも大きな厚みを有している。これにより、アッパシール75は、ブレードユニット40がブレード取付部材46に取り付けられたときに、上取付部47と延設部62との対向方向内側に圧縮されて、上取付部47および延設部62をそれぞれ弾性的に押圧し、延設部62の長手方向全域にわたって、上取付部47と延設部62との間を確実にシールすることができる。そのため、板ばね部材57の裏面へ侵入し、その裏面から板ばね部材57の上端部に回り込むトナーが、上取付部47と延設部62との間から漏れ出すことを防止することができる。
【0055】
また、上取付部47と延設部62との間にアッパシール75が挟持されるので、現像カートリッジ26の高さ方向(上下方向)の寸法を小さくするために、ブレードユニット40の高さ方向の寸法を小さくしても、アッパシール75における長手方向の幅を十分に確保することができる。そのため、アッパシール75による十分なシール性を確保することができ、上取付部47と延設部62との間からのトナーの漏れを確実に防止しつつ、現像カートリッジ26の小型化を図ることができる。
【0056】
さらに、上取付部47の下面73および延設部62の上面74は、前後方向に幅を有しているので、アッパシール75の前後方向の幅を大きく設定することができ、アッパシール75によるシール性の向上を図ることができ、上取付部47と延設部62との間からのトナー漏れをより確実に防止することができる。
曲がり防止部材58は、接触部61と延設部62とが屈曲状に連続することによって、曲がり防止部材58に比較的高い剛性を付与することができる。そのため、曲がり防止部材58の接触部61を板ばね部材57の裏面(後側の面)に接触させて、板ばね部材57を曲がり防止部材58によって支持することにより、板ばね部材57の撓みやうねりなどの湾曲を防止することができる。その結果、板ばね部材57の弾性力によって、押圧部材60を現像ローラ39のローラ56に均一な力で押圧させることができ、ローラ56の表面に均一な厚みを有するトナーの薄層を担持させることができる。また、延設部62の上面74はアッパシール75の挟持面を兼ねているので、ブレード取付部材46の上取付部47との間でアッパシール75を挟持するための部材を別に設ける必要がなく、部品点数の削減を図ることができる。
【0057】
さらに、プロセスカートリッジ18は、ブレードユニット40の高さ方向の寸法を小さくしても、トナーの漏れを確実に防止することができる現像カートリッジ26を備えているので、小型化を図ることができ、そのプロセスカートリッジ18の小型化に対応して、レーザプリンタ1の小型化を図ることができる。
図10は、現像カートリッジ26の他の実施形態を示す要部側断面図である。なお、上記した各部に対応する部分については、図10において同一の参照符号を付し、以下ではその説明を省略する。
【0058】
この現像カートリッジ26では、ブレード取付部材46の上取付部47と曲がり防止部材58の延設部62との間に挟持されるアッパシール76が、その上取付部47と延設部62との間から前取付部48と曲がり防止部材58の接触部61との間に回り込むように形成されている。
アッパシール76は、ウレタンフォームなどのスポンジ材からなり、図11に示すように、延設部62の上面74に配置される第1シール部材としてのシール上部77と、板ばね部材57の裏面側に配置される第2シール部材としてのシール前部78とを一体的に備えており、両面テープなどによって、シール上部77が上面74に、シール前部78が接触部61にそれぞれ貼着されている。
【0059】
シール上部77は、上記したアッパシール75と同様に、端延設部64の前端縁に沿って、延設部62の長手方向全域にわたって配置され、ブレードユニット40がブレード取付部材46に取り付けられる以前の状態において、ブレードユニット40をブレード取付部材46に取り付けた際の上取付部47と延設部62との間の間隔(図10参照)よりも大きな厚みを有している。
【0060】
シール前部78は、シール上部77から連続して、補強板59の上端面に接触する位置まで延びている。このシール前部78は、ブレードユニット40がブレード取付部材46に取り付けられる以前の状態において、ブレードユニット40をブレード取付部材46に取り付けた際の板ばね部材57と前取付部48との間の間隔、つまり補強板59の前後方向の厚みよりも大きな厚みを有している。
【0061】
そして、ブレードユニット40は、ブレード取付部材46に対して、曲がり防止部材58の延設部62によってシール上部77を上取付部47に押し付け、補強板59が前取付部48に対向して接触し、曲がり防止部材58の接触部61によってシール前部78を前取付部48に押し付けるように取り付けられる。これにより、シール上部77は、上取付部47と延設部62との対向方向に圧縮されて、上取付部47および延設部62をそれぞれ弾性的に押圧する。また、シール前部78は、前取付部48と曲がり防止部材58の接触部61との対向方向に圧縮されて、前取付部48および接触部61をそれぞれ弾性的に押圧する。そのため、シール上部77によって、上取付部47と延設部62との間を確実にシールすることができ、シール前部78によって、前取付部48と曲がり防止部材58の接触部61との間を確実にシールすることができる。その結果、筐体36内のトナーが、前取付部48と曲がり防止部材58の接触部61との間に侵入することを防止でき、上取付部47と延設部62との間からのトナーの漏れを一層確実に防止することができる。
【0062】
また、シール上部77とシール前部78とは一体的に形成されているので、これらを別体に形成した場合に比べて、部品点数を削減することができ、その取付けのための工程数を削減することができる。
さらに、補強板59が前取付部48に接触し、シール前部78が上取付部47の下面73と補強板59の上端面との間の隙間に配置されるので、補強板59と前取付部48との間にシール前部78が噛み込むことがなく、補強板59と前取付部48との間に隙間が生じることを防止でき、確実なシールを確保することができる。
【0063】
なお、この実施形態では、アッパシール76をブレードユニット40に貼着したが、アッパシール76を、図12に示すように、両面テープなどによってブレード取付部材46に貼着して、このアッパシール76が貼着されたブレード取付部材46に対して、ブレードユニット40を取り付けてもよい。
この場合、図13(a)に示すように、ブレード取付部材46にアッパシール76を貼着した後、ブレードユニット40を、アッパシール76の後側斜め下方から、前側斜め上方に向けて、曲がり防止部材58の延設部62によってシール上部77をブレード取付部材46の上取付部47に押し付け、かつ、曲がり防止部材58の接触部61によってシール前部78をブレード取付部材46の前取付部48に押し付けるように取り付ける。こうして取り付ければ、図13(b)に示すように、補強板59と前取付部48との間にシール前部78を噛み込ませることなく、補強板59を前取付部48に対して確実に接触させることができ、シール前部78を上取付部47の下面73と補強板59の上端面との間に確実に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。
【図2】図1に示す現像カートリッジの側断面図である。
【図3】図2に示す現像カートリッジの筐体の背面図である。
【図4】図2に示すブレードユニットの背面図である。
【図5】図2に示すブレードユニットの正面図である。
【図6】図2に示すブレードユニットの平面図である。
【図7】図2に示すブレードユニットの側面図である。
【図8】図2に示す現像カートリッジにおけるブレードユニットの近傍の構成を示す側断面図である。
【図9】図2に示すブレードユニットにおけるアッパシールの貼着位置を示す平面図である。
【図10】図2に示す現像カートリッジの他の実施形態を示す要部側断面図である。
【図11】図10に示すブレードユニットにアッパシールが貼着された状態を示す側面図である。
【図12】図10に示す現像カートリッジの筐体にアッパシールが貼着された状態を示す斜視図である。
【図13】図10に示す現像カートリッジの筐体に対するブレードユニットの取付方法を説明するための側断面図である。
【符号の説明】
【0065】
1 レーザプリンタ
18 プロセスカートリッジ
26 現像カートリッジ
36 筐体
37 トナー収容室
39 現像ローラ
40 ブレードユニット
41 開口部
47 上取付部
48 前取付部
57 板ばね部材
58 曲がり防止部材
59 補強板
62 延設部
73 下面
74 上面
75 アッパシール
76 アッパシール
77 シール上部
78 シール前部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手状の開口部と、前記開口部と連通し、現像剤を収容する収容部と、を有する筐体と、
前記開口部の長手方向に沿う一端に設けられるとともに、該長手方向に沿って延び、かつ、前記開口部と前記収容部との連通方向に沿って延びる第1壁部と、
前記開口部において前記開口部の長手方向に沿って配置され、前記筐体に回転可能に支持されて、現像剤を担持する現像剤担持体と、
一端が前記第1壁部に対向配置され、該一端から前記現像剤担持体の表面に向かって延び、他端が前記現像剤担持体を押圧して、前記現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材と、
前記第1壁部と前記層厚規制部材との間に挟持され、前記第1壁部と前記層厚規制部材との間をシールするための第1シール部材とを備えていることを特徴とする、現像装置。
【請求項2】
前記第1壁部は、前記層厚規制部材と対向し、その対向方向と直交する方向に幅を有する第1対向面を備え、
前記層厚規制部材は、前記第1壁部と対向し、その対向方向と直交する方向に幅を有する第2対向面を備え、
前記第1シール部材は、前記第1対向面と前記第2対向面との間に挟持されていることを特徴とする、請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記層厚規制部材は、前記開口部の長手方向に延びる薄板状に形成され、前記現像剤担持体を押圧するブレードと、前記ブレードの一の面に沿って配置され、前記第1壁部側で、前記ブレードを支持する第1支持部材とを備え、
前記第1支持部材は、前記ブレードに接触する接触部と、前記接触部における前記第1壁部と対向する端部から前記連通方向に延びる延設部とを有し、
前記延設部に、前記第2対向面が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記第1壁部は、前記筐体と一体的に形成されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の現像装置。
【請求項5】
前記連通方向と直交し、かつ、前記開口部の長手方向に沿って延びるように、前記筐体に設けられて、前記層厚規制部材に対向配置される第2壁部と、
前記第2壁部と前記層厚規制部材との間に挟持され、前記第2壁部と前記層厚規制部材との間をシールするための第2シール部材とを備えていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の現像装置。
【請求項6】
前記第1シール部材および前記第2シール部材は、一体的に形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の現像装置。
【請求項7】
前記層厚規制部材は、一方面が前記ブレードの前記第1支持部材の設けられた面と反対側の面に接触し、該一方面と反対側の他方面が前記第2壁部に接触し、かつ、前記第1壁部と間隔を隔てて配置される第2支持部材を備え、
前記第2シール部材は、前記第1壁部と前記第2支持部材との間において、前記第2壁部と前記第1支持部材との間に挟持されていることを特徴とする、請求項5または6に記載の現像装置。
【請求項8】
前記第2壁部は、前記筐体と一体的に形成されていることを特徴とする、請求項5ないし7のいずれかに記載の現像装置。
【請求項9】
画像形成装置に対して着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
請求項1ないし8のいずれかに記載の現像装置を備えていることを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項10】
請求項1ないし8のいずれかに記載の現像装置または請求項9に記載のプロセスカートリッジを備えていることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項11】
長手状の開口部、および前記開口部と連通し、現像剤を収容する収容部を有する筐体と、前記開口部において前記開口部の長手方向に沿って配置され、前記筐体に回転可能に支持されて、現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体を押圧して、前記現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材とを備える現像装置の組立方法であって、
前記現像装置は、前記開口部の長手方向に沿う一端に設けられるとともに、該長手方向に沿って延び、かつ、前記開口部と前記収容部との連通方向に沿って延びる第1壁部と、前記第1壁部と前記層厚規制部材との間に挟持され、前記第1壁部と前記層厚規制部材との間をシールするための第1シール部材と、前記連通方向と直交し、かつ、前記開口部の長手方向に沿って延びるように、前記筐体に設けられて、前記層厚規制部材に対向配置される第2壁部と、前記第2壁部と前記層厚規制部材との間に挟持され、前記第2壁部と前記層厚規制部材との間をシールするための第2シール部材とを備え、
前記層厚規制部材は、前記開口部の長手方向に延びる薄板状に形成され、一端が前記第1壁部に対向配置され、他端が前記現像剤担持体を押圧するブレードと、前記ブレードの一の面に沿って配置され、前記第1壁部側で前記ブレードを支持する第1支持部材と、一方面が前記ブレードの前記第1支持部材が設けられた面と反対側の面に接触し、該一方面と反対側の他方面が前記第2壁部に接触し、かつ、前記第1壁部と間隔を隔てて配置される第2支持部材とを備え、
前記第1シール部材および前記第2シール部材を、それぞれ前記第1壁部および第2壁部に接触させて配置した後、
前記層厚規制部材を、前記第1支持部材で前記第1シール部材を前記第1壁部に押し付け、かつ、前記第1支持部材で前記第2シール部材を前記第2壁部に押し付ける方向から、前記筐体に取り付けることを特徴とする、現像装置の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−39431(P2006−39431A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−222538(P2004−222538)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】