説明

現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置、画像形成方法

【課題】逆帯電トナー粒子の回収不良の発生を抑える。
【解決手段】トナー担持体134Yの表面上のトナー層の厚みを規制部材136Yで規制してトナー薄層を得た後、トナー薄層中に含まれる逆帯電トナー粒子を逆帯電トナー回収ニップで逆帯電トナー回収部材138Yの表面に回収する。そして、回収処理後のトナー薄層を感光体11Yとトナー担持体134との当接による現像ニップで現像に寄与させる。かかる構成において、逆帯電トナー回収部材138Yの回転によってその表面が逆帯電トナー回収ニップを通過する時間である回収部材ニップ通過時間T1[s]を、0.02[s]よりも大きくした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、FAXなどの一成分現像剤を用いる現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置、画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式の画像形成装置においては、カラー機とモノクロ機との種別にかかわらず、小型化や低コスト化のニーズが高まっている。このため、画像形成装置に用いられる現像装置に対しても小型化や低コスト化が要求されている。電子写真の現像方式は、二成分現像方式と一成分現像方式とに大別される。二成分現像方式は、現像剤として、トナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤を用いる方式である。磁性キャリアとトナーとを混合したり、攪拌したりする構成や、現像に伴ってトナー濃度を低下させた二成分現像剤のトナー濃度を適量のトナー補給によって回復させるトナー濃度制御が必要になることから、現像装置の小型化は困難である。これに対し、一成分現像方式は、現像装置の構造が二成分現像方式に比べて単純であることから、小型化や低コスト化には有利である。このため、近年、小型化や低コスト化に特化した機種では、二成分現像方式よりも一成分現像方式を採用することが多くなってきている。
【0003】
一成分現像方式の現像装置では、感光体等の潜像担持体に担持される潜像に転移させるためのトナーを担持する現像ローラ等のトナー担持体と、これに当接する現像ブレードやトナー供給ローラ等との間でトナーを摩擦することで、トナーの帯電を促すのが一般的である。摩擦により、トナー中の殆どのトナー粒子は正規の極性に帯電するが、他のトナー粒子と強く摩擦する等の理由によって正規の極性とは逆極性に帯電してしまうトナー粒子が僅かに発生してしまう。逆極性に帯電した逆帯電トナー粒子は、潜像担持体の非画像部に転移してチリ状の地汚れと呼ばれる現像を引き起こして、画像品質を低下させてしまう。
【0004】
そこで、特許文献1、特許文献2に記載の現像装置においては、トナー担持体に担持されるトナーから逆帯電トナー粒子を回収するための逆帯電トナー回収部材を設けている。逆帯電トナー回収部材は、回転駆動されるトナー担持体の表面の移動方向において、トナー担持体と現像ブレードとが当接するブレード当接位置よりも下流側、且つトナー担持体と潜像担持体とが対向する現像位置よりも上流側で、自らの表面をトナー担持体の表面に当接させるように配設されている。逆帯電トナー回収部材も回転駆動によって自らの表面を無端移動させている。そして、トナー担持体の表面移動に伴ってブレード当接位置を通過してトナー粒子の摩擦帯電が促された後、現像位置に進入する前のトナーに含まれる逆帯電トナー粒子を、自らの無端移動する表面に静電気的に転移させて回収する。この回収により、現像位置に進入する前のトナーにおける逆帯電トナー粒子の数を減らすことで、地汚れの発生を抑えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者らが試作した試験機では、逆帯電トナー回収部材を設けていても、地汚れの発生を十分に抑えることができないケースが発生した。そこで、その原因について鋭意研究を行ったところ、次のようなことがわかってきた。即ち、回転駆動される逆帯電トナー回収部材の表面が逆帯電トナー回収ニップ内でトナー中の逆帯電トナー粒子を捕捉するためには、ある程度の時間を要することがわかった。逆帯電トナー回収部材の表面が比較的短時間のうちに逆帯電トナー回収ニップを通過すると、トナーから逆帯電トナー粒子を殆ど捕捉しなくなることから、多量の逆帯電トナー粒子を現像位置に進入させてしまうのである。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次のような現像装置、画像形成装置、及び画像形成方法を提供することである。即ち、逆帯電トナー粒子の回収不良の発生を抑えることができる現像装置等である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、自らの無端移動する表面に担持したトナーを潜像担持体に担持される潜像に付着させて前記潜像を現像するトナー担持体と、前記トナー担持体の無端移動に伴って、トナーの供給を受けるトナー供給位置を通過した後、前記潜像担持体に対向する現像位置に進入する前の前記表面に対して自らの無端移動する表面を当接させて逆帯電トナー回収ニップを形成しながら、前記逆帯電トナー回収ニップで前記トナー担持体の表面上のトナーに含まれる逆帯電トナー粒子を自らの表面に転移させて回収する逆帯電トナー回収部材とを有する現像装置において、前記逆帯電トナー回収部材の表面が無端移動に伴って前記逆帯電トナー回収ニップを通過する時間である回収部材ニップ通過時間T1[s]を、0.02[s]よりも大きくしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明においては、回収部材ニップ通過時間T1[s]を、0.02[s]よりも大きくすることで、後述の実験で本発明者らが明らかにしたように、逆帯電トナー粒子の回収不良の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態に係る複写機を示す概略構成図。
【図2】変形例に係る画像形成装置のプリンタ部を示す構成図。
【図3】実施形態に係る複写機におけるY用の作像ユニットを拡大して示す拡大構成図。
【図4】実施形態に係る複写機の第2変形例におけるY用の作像ユニットを拡大して示す拡大構成図。
【図5】回収部材ニップ通過時間T1と逆帯電トナー回収ニップ通過後のトナーにおける逆帯電トナーの比率との関係を示すグラフ。
【図6】プリント枚数と逆帯電トナーの比率と実験番号との関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式の複写機の一実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、あくまでも本発明を適用した画像形成装置の一例であり、本発明の適用範囲は実施形態のものに限定されるものではない。
【0011】
図1は、実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。同図において、複写機1は、周知の技術によって原稿の画像を読み取るスキャナー部4と、スキャナー部4の原稿読取位置にシート状の原稿を自動で搬送する原稿自動搬送装置(ADF)5と、プリンタ部3と、給紙部2とを備えている。
【0012】
プリンタ部3は、スキャナー部4から出力されるデジタル信号からなる画像情報を画像処理部によって電気的に処理した結果に基づいて、画像を記録部材6上に形成するものである。スキャナー部4は、原稿載置台の上に置かれた原稿の画像読取面を、照射ランプから発した光によって走査する。そして、この走査によって得られた反射光を、ミラーやレンズを介してカラーCCDで受光することで、原稿の画像を読み取る。これによって得られた画像読取データに対して必要な処理を施したものを、デジタル信号からなる画像情報としてプリンタ部3に送る。
【0013】
プリンタ部3は、水平方向に並ぶように配設された、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のトナー像を作像するための作像ユニット10C、10M、10Yと、黒のトナー像を作像するための作像ユニット10Kとを有している。また、これら4つの作像ユニットの下方には、無端状の中間転写ベルト21や2次転写ローラ23などからなる転写ユニット20を有している。
【0014】
転写ユニット20は、中間転写ベルト21のループ内側に配設された複数のローラによって張架している中間転写ベルト21を、少なくとも何れか1つのローラの回転駆動によって図中時計回り方向に無端移動させる。そして、中間転写ベルト21のおもて面をC,M,Y,K用の作像ユニット10C,M,Y,Kにおけるそれぞれの感光体に当接させてC,M,Y,K用の1次転写ニップを形成している。
【0015】
なお、実施形態に係る複写機は、後述するC,M,Y,K用の感光体の表面上で作像したC,M,Y,Kトナー像を、中間転写ベルト21を介してシート状の記録部材Pに転写するものであるが、かかる構成に代えて、次のような構成にも本発明の適用が可能である。即ち、図2に示されるように、C,M,Y,K用の感光体11C,M,Y,Kの表面上で作像したC,M,Y,Kトナー像を記録部材Pに直接転写する構成である。図2に示される第1変形例に係る画像形成装置は、無端状の紙搬送ベルト24と、感光体11C,M,Y,Kとの当接によってC,M,Y,K用の転写ニップを形成している。そして、紙搬送ベルト24の表面に吸着させた記録部材Pをベルトの無端移動に伴ってC,M,Y,K用の1次転写ニップに順次通す過程で、感光体11C,M,Y,K上のC,M,Y,Kトナー像を記録部材Pに重ね合わせて転写する。そして、この重ね合わせの転写によって得られたフルカラートナー像を、定着装置31によって記録部材Pに定着させる。
【0016】
C,M,Y,K用の作像ユニット10C,M,Y,Kは、使用するトナーの色が異なっている点で互いに相違しているが、それらの機械的な構成は互いに同じである。以下、Y用の作像ユニット10Yを例にして、作像ユニットの構成について説明するが、特筆しない限り、C,M,K用の作像ユニット10C,M,Kの構成は、Y用の作像ユニット10Yの構成と同じである。
【0017】
図3は、実施形態に係る複写機1におけるY用の作像ユニット10Yを拡大して示す拡大構成図である。作像ユニット10Yは、ドラム上の感光体11Y、現像装置13Y、帯電装置12Yなどを1つのユニットとして共通の保持体で保持して複写機1本体に対して一体的に着脱されるものである。
【0018】
作像ユニット10Yは、作像動作を開始すると、潜像担持体としてのドラム状の感光体11Yを図中反時計回り方向に回転駆動する。そして、帯電装置12Yにより、感光体11Yの表面をYトナーの正規帯電極性と同じ負極性に一様に帯電させる。帯電装置12Yとしては、感光体11Yの表面に当接又は近接させた回転可能な帯電部材を具備するものを用いている、この帯電部材に対し、図示しない高圧電源から出力したDC(直流)電圧、あるいはDC電圧にAC(交流)電圧を重畳した重畳電圧からなる帯電バイアスを印加して、帯電部材と感光体11Yとの間で放電を生じせしめることで、感光体11Yの表面を一様に負極性に帯電させる。かかる構成の帯電装置12Yに代えて、スコロトロン帯電器からなる帯電装置を用いてもよい。
【0019】
帯電装置12Yによって一様に帯電せしめられた感光体11Yの表面に対しては、光書込装置30による光走査が行われる。この光走査によって露光された感光体11Y表面箇所は、電位を減衰させることでY用の静電潜像を担持するようになる。なお、光書込装置30は、レーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナ、あるいは、LEDアレイによって光走査を行うものである。
【0020】
感光体11Yの表面に形成されたY用の静電潜像は、Yトナーを用いる現像装置13Yによって現像されてYトナー像になる。このようにして、感光体11Yの表面上でYトナー像が作像される。なお、図1において、C,M,K用の作像ユニット10C,M,Kにおいても、Y用の作像ユニット10Yと同様のプロセスにより、感光体10C,M,Kの表面上でC,M,Kトナー像が作像される。4色のうち、中間転写ベルト21に対するトナー像の1次転写が初めに行われるC用の作像ユニット10Cにおいて、トナー像の作像が初めに開始される。その後、所定の時間差ずつシフトしたタイミングで、M,Y,K用の作像ユニット10M,Y,Kにてトナー像の作像が順次開始される。
【0021】
C,M,Y,K用の現像装置13C,M,Y,Kは、それぞれ磁性キャリアを含まず且つトナー粒子を主成分とする一成分現像剤としてのトナーによって静電潜像を現像するものである。C,M,Y,Kトナーは、それぞれ所定の色を呈するために後述する着色剤を含んでいる。なお、Kトナー用の着色剤として、マグネタイトを用いることが可能であるが、定着性や、高画質化の観点からすると、カーボンブラックを用いることが好ましい。
【0022】
トナー粒子の母材を構成する樹脂成分としては、ポリエステル樹脂、スチレン/クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/塩化ビニル共重合体、スチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/メタクリル酸エステル共重合体、スチレン/α-クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン/酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂などを例示することができる。これらの樹脂の何れか1つを単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0023】
樹脂に添加する着色剤としては、例えばカーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6Cレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料等の染顔料など、従来から公知のものを例示することができる。それらを単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。これらの着色剤の使用量は、樹脂成分に対して、通常1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%である。
【0024】
トナーの材料の1つとして、必要に応じて帯電制御剤を添加してもよい。帯電制御剤としては、ニグロシン染料、金属錯塩型染料、第四級アンモニウム塩など、従来から公知のものを例示することができる。これらの帯電制御剤の使用量は、トナー樹脂成分に対し、0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。
【0025】
トナー粒子には、必要に応じて外添剤を添加してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウムなど、従来から公知のものを例示することができる。1種類の外添剤を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。これらの外添剤の使用量は、トナー重量に対し、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。外添剤を使用することにより、トナーの帯電の立ち上がりが未混合時と比較して格段によくなり、さらに流動性も上がることから、画質の向上につながる。
【0026】
トナーの製法は、粉砕法と重合法とに大別される。粉砕法では、結着樹脂、着色剤、ワックス等の原料を混合し、熱をかけながら剪断力をかけ樹脂中に着色剤、ワックス等を分散させた混練物を圧延冷却し板状にしたものを粉砕してから所望の粒径分布になるように分級し、最後に外添剤を混合してトナーを得る。これに対し、重合法では、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させながらトナー母体粒子を形成する。かかる重合法としては、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等を例示することができる。本発明に係る現像装置にセットするトナーは、何れの製法で製造されたトナーであってもよい。なお、現像装置13C,M,Y,Kの具体的な構成については、後述する。
【0027】
感光体11C,M,Y,Kと中間転写ベルト21のおもて面とが当接するC,M,Y,K用の1次転写ニップの下方では、C,M,Y,K用の1次転写ローラ14C,M,Y,Kが中間転写ベルト21の裏面に当接してベルトを感光体11C,M,Y,Kに押し当てている。それら1次転写ローラ12C,M,Y,Kには、トナーの正規帯電極性とは逆極性(本例ではプラス)の1次転写バイアス(例えば+400〜+2500V)がそれぞれ印加される。C,M,Y,K用の1次転写ニップでは、1次転写バイアスの印加によって形成される1次転写電界やニップ圧の作用により、感光体11C,M,Y,K上のC,M,Y,Kトナー像が中間転写ベルト21のおもて面に重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト21のおもて面には4色重ね合わせトナー像が形成される。
【0028】
回転駆動に伴ってC,M,Y,K用の1次転写ニップを通過した後の感光体11C,M,Y,Kの表面は、図示しない光除電ユニットとの対向位置を通過する際に残留電荷が除電される。その後、帯電装置(例えば12C)によって再び一様に帯電せしめられて、次の作像に備える。なお、帯電装置(例えば12C)として、帯電部材たる帯電ブラシローラに対して重畳電圧からなる帯電バイアスを印加するものを用いる場合には、1次転写ニップ通過後の感光体の表面に対して転写残トナーのクリーニング処理を施す専用のクリーニング装置を設けない、いわゆるクリーナーレス方式を採用してもよい。クリーナーレス方式は、感光体の表面上の転写残トナーを帯電ブラシローラのブラシ内に一時的に捕捉した後、適切なタイミングでバイアスを切り替えてブラシ内のトナーを感光体表面に戻した後、現像装置(例えば13C)内に回収する方式である。
【0029】
クリーナーレス方式を採用しない場合には、1次転写ニップを通過した後、帯電装置による帯電処理が施される前の感光体表面から転写残トナーを除去するクリーニング手段を、各色の作像ユニット10C,M,Y,Kに設けることが望ましい。かかるクリーニング手段としては、従来から公知のものを用いることが可能である。例えば、次のような構成のものである。即ち、自らの表面を感光体との対向位置で感光体表面移動方向とはカウンター方向に移動させるように回転駆動されるクリーニングブラシローラにより、感光体表面上の転写残トナーを掻き取る構成である。また、片持ち支持している金属板やゴム弾性体などからなるクリーニングブレードの自由端側を感光体表面に当接させて、感光体表面から転写残トナーを掻き落とす構成でもよい。クリーニング効果をより高めるために、前述したクリーニングブラシローラによってクリーニング処理を施した後の感光体表面を、更にクリーニングブレードによってクリーニングする構成を採用してもよい。
【0030】
クリーナーレス方式を採用しない場合には、各色の帯電装置として、感光体に接触させた非ブラシ形状の帯電部材(例えば弾性樹脂ローラ部を具備する帯電ローラ)に対して直流電圧(DC電圧)からなる帯電バイアスを印加して感光体表面を均一帯電させる方式採用してもよい。
【0031】
実施形態に係る複写機では、感光体回転方向において、光走査位置を通過した後、現像位置に進入する前の感光体の表面電位を非接触型の電位センサーによって検知し、検知結果に応じて帯電バイアスや書込光強度などを調整することで、所定の感光体帯電電位および潜像電位が得られるようにしている。
【0032】
中間転写ベルト21の下方には、2次転写ローラ23が配設されている。この2次転写ローラ23は、4つの1次転写ニップのうち、最下流側のK用の1次転写ニップを通過した後、最上流側のC用の1次転写ニップに進入する前の中間転写ベルト21のおもて面に当接して2次転写ニップを形成している。2次転写ニップの上方では、中間転写ベルト21のループ内側に配設された2次転写対向ローラ211がベルト裏面に当接してベルトを2次転写ローラ23に押し当てている。図示しない2次転写電源は、2次転写対向ローラ211に印加するためのトナーと同極性の2次転写バイアス、あるいは、2次転写ローラ23に印加するためのトナーとは逆極性の2次転写バイアスを出力する。2次転写対向ローラ211と2次転写ローラ23とのうち、2次転写バイアスが印加されない方は接地されている。これにより、2次転写対向ローラ211と2次転写ローラ23との間には、中間転写ベルト21上のトナーを2次転写対向ローラ211側から2次転写ローラ23側に静電移動させる2次転写電界が形成される。
【0033】
給紙部2の給紙カセット40内には、シート状の記録部材6が複数枚重ねられたシート束の状態で収容されている。プリントジョブが開始されると、ピックアップローラ42が所定のタイミングで回転駆動して、シート束における一番上の記録部材6を給紙路に向けて送り出す。送り出された記録部材6は、給紙路内に配設された複数の搬送ローラ対43を経由した後、給紙路の末端付近に配設されたレジストローラ対44のレジストニップに至る。レジストローラ対44は、レジストニップに記録部材6を挟み込むとローラ対の駆動を一時的に中止して、記録部材6を2次転写ニップ直前で待機させる。そして、記録部材6を2次転写ニップ内で中間転写ベルト21上の4色重ね合わせトナー像に密着させるタイミングで、ローラ対の駆動を再開して記録部材6を2次転写ニップに向けて送り出す。
【0034】
2次転写ニップに挟み込まれた記録部材6には、2次転写電界やニップ圧の作用により、中間転写ベルト21上の4色重ね合わせトナー像が2次転写される。これにより、フルカラートナー像が形成された記録部材6は、2次転写ニップを出た後、無端状の紙搬送ベルト24によって定着装置31に送られる。そして、ハロゲンランプ等の発熱源を具備する定着ローラと、加圧ローラとの当接による定着ニップに挟み込まれて加熱及び加圧されることで、フルカラートナー像が表面に定着せしめられる。このようにしてフルカラートナー像が定着された記録部材6は、排紙ローラ対47の排紙ニップを経由した後、機外に排出されて排紙トレイ48上にスタックされる。
【0035】
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト21の表面に付着している転写残トナーや紙粉等の異物は、中間転写ベルトクリーニング装置22の図示しないクリーニングブラシローラやクリーニングブレードにより除去された後、図示しない廃トナー収容部に搬送される。
【0036】
転写ユニット20は、中間転写ベルト21内に配設された複数のローラのうちのいくつかを必要に応じて移動させて中間転写ベルト21の張架姿勢を変化させることで、中間転写ベルト21を感光体11C,M,Y,Kに対して接離させる接離機構を具備している。プリントジョブの開始時には、それまで感光体11C,M,Y,Kから離間させていた中間転写ベルト21を接離機構によってそれら感光体に接触させて、C,M,Y,K用の1次転写ニップを形成する。また、プリントジョブの終了時には、接離機構により、中間転写ベルト21を感光体11C,M,Y,Kから離間させる。
【0037】
図3において、現像装置13Yは、トナー収容室131Y、トナー撹拌部材135Y、規制部材136Y、トナー供給回収部材137Y、トナー担持体134Y、逆帯電トナー回収部材138Y、付勢バネ136Yなどを具備している。トナー担持体134Yは、ローラ状の芯金と、これの表面に被覆された導電性ゴム層と、これの表面に被覆された表面層とを具備しており、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される。表面層は、自らに摺擦するYトナー粒子を正規帯電極性であるマイナス極性に摩擦帯電させ易い材料からなる。加えて、表面粗さRaが0.2〜2.0[μm]程度に調整されていることで、必要量のYトナーを表面に保持することができる。また、導電性ゴム層は、感光体11Yに対して良好に密着するように、JIS−Aで65度以下の硬度になっている。加えて、芯金に印加された、トナーとは逆極性の現像バイアスVbを自らの表面側まで導くように、体積固有抵抗が10〜1011[Ω・cm]に調整されている。かかる構成のトナー担持体134Yは、自らと感光体11Yとが対向している現像位置において、自らの表面を感光体11Yに接触させるか、あるいは微小間隙を介して対向させている。そして、自らの表面に担持しているYトナーを、現像バイアスVbの作用により、現像位置で感光体11Yの表面上の静電潜像に転移させることで、静電潜像を現像してYトナー像を得る。
【0038】
トナー収容室131Yは、図示しないYトナーを収容している。トナー収容室131Y内に収容されるYトナーのうち、トナー収容室131Yにおける重力方向の下部に収容されているYトナーは、トナー撹拌部材135Yの回転に伴って撹拌されることで、凝集が抑えられる。
【0039】
トナー撹拌部材135Yの下方で図中時計回り方向に回転駆動するトナー供給回収部材137Yは、自らの上に載っているYトナーを自らの表面に付着させながら、付着させたトナーを自らの回転駆動に伴って、自らとトナー担持体134Yとの当接による供給回収ニップに向けて搬送する。この供給回収ニップでは、図中時計回り方向に回転駆動するトナー担持体134Yの表面が、トナー供給回収部材137Yの表面とは逆方向に移動する。以下、トナー供給回収部材137Yの表面がトナー供給回収部材137Yの回転駆動に伴って供給回収ニップに進入し始める位置を、供給回収ニップ入口という。また、トナー供給回収部材137Yの表面がトナー供給回収部材137Yの回転駆動に伴って供給回収ニップから出る位置を、供給回収ニップ出口という。
【0040】
トナー供給回収部材137Yは、金属からなる導電性のシャフトと、これの周面に被覆された発泡材料からなるローラ部とを有している。そして、ローラ部の表面に存在する無数の空孔(セル)内にYトナーを捕捉する。Yトナーを空孔内に捕捉することで、供給回収ニップ内でYトナーに過剰の圧力をかけてしまうことを回避している。ローラ部は、次の条件下で10〜1014[Ω]の電気抵抗を発揮するようになっている。即ち、導電性のシャフトとローラ部表面との間に100[V]の直流電圧をかけた条件である。
【0041】
現像位置を通過したトナー担持体134Yの表面に付着しているYトナーは、供給回収ニップ出口においてトナー供給回収部材137Yによってトナー担持体134Yの表面から掻き取られたり、トナー供給回収部材137Yの表面に回収されたりする。その後、供給回収ニップ内に進入したトナー担持体134Y表面には、トナー供給回収部材137Yによって新たなYトナーが供給される。かかるYトナーの供給を可能にするために、トナー供給回収部材137Yの導電性のシャフトには、図示しない電源により、現像バイアスVbに対してトナーの帯電極性側(本例ではマイナス極性側)に所定量だけシフトさせた値の供給バイアスが印加されている。
【0042】
JIS記号でSUS304CSPやSUS301CSPのステンレス鋼や、リン青銅等などの金属製の板バネからなる板状部材からなる規制部材136Yは、現像装置13Yのケーシングによって片持ち支持されている。そして、その自由端側を、トナー担持体136Yの周方向における全域のうち、供給回収ニップを通過した後、現像位置に進入する前の領域に対して10〜100[N/m]の線圧で当接させている。回転駆動に伴って供給回収ニップを通過したトナー担持体134Yの表面は、トナー担持体134Yと規制部材136Yとの当接部を通過することで、トナー担持体134Y表面上における層厚が規制される。この際、トナー担持体134Yの表面に担持されているYトナー中のYトナー粒子は、トナー担持体134表面や規制部材136Yの表面との摺擦によって摩擦帯電が促される。なお、規制部材136Yに対しては、現像バイアスVbよりもトナーの帯電極性側(本例ではマイナス極性側)に所定量だけシフトさせた値の規制バイアスを印加してもよい。また、層厚の規制量を抑えたい場合には、規制バイアスとして、現像バイアスVbよりもトナーとは逆極性側(本例ではプラス極性側)に所定量だけシフトさせた値のものを採用してもよい。
【0043】
規制部材136Yとの当接部を通過した後のトナー担持体134Yの表面に担持されるYトナー中における殆どのトナー粒子は、正規極性であるマイナス極性に帯電している。但し、Yトナー中には、正規極性とは逆のプラス極性に帯電してしまった逆帯電トナー粒子が僅かに含まれている。この逆帯電トナー粒子がトナー担持体134Yの回転に伴って現像位置に進入すると、感光体11Yの非画像部に転移して地汚れを引き起こすことがある。かかる地汚れは、摩擦帯電性の低いトナー粒子を多く含むトナーや、経時劣化によって摩擦帯電性の低いトナーの比率を増加させてしまったトナーを使用すると、特に発生し易くなることが一般的に知られている。
【0044】
トナー担持体134Yの周方向における全域のうち、規制部材136Yとの当接部を通過した後、現像位置に進入する前の領域には、図中反時計回り方向に回転駆動される逆帯電トナー回収部材138Yが当接して逆帯電トナー回収ニップを形成している。この逆帯電トナー回収部材138Yには、図示しない回収電源から出力されるトナーの帯電極性と同極性であって且つ現像バイアスVbに対して同極性側に所定量だけシフトした値の回収バイアスVrが印加されている。規制部材136Yによって薄層化されたトナー薄層中に含まれる逆帯電トナー粒子は、逆帯電トナー回収ニップで逆帯電トナー回収部材138Yの表面に転移する。これにより、トナー薄層から逆帯電トナー粒子が回収される。このようにして逆帯電トナー粒子を回収した後のトナー薄層を、トナー担持体134Yの回転に伴って現像位置に供給することで、地汚れの発生を抑えることができる。
【0045】
逆帯電トナー回収部材138Yとしては、規制部材136Yによって薄層化されたトナー薄層を極力乱さないような安定した逆帯電トナー回収ニップを形成する狙いから、剛体ローラからなるものを用いることが好ましい。また、トナー担持体134Yと逆帯電トナー回収部材138Yとの間における電流のリークを防止して両者間での電位差を一定に保つために、逆帯電トナー回収部材138Yの表面を絶縁層でコートすることが好ましい。このような条件を満たす逆帯電トナー回収部材138Yの一例としては、JIS記号でSUMで表される快削鋼からなる金属シャフト表面に数十〜数千[μm]の薄い絶縁性樹脂層をコートしたものを例示することができる。逆帯電トナー回収部材138Yの表面粗さについては、感光体11Yへに対して均一な厚みのトナー薄層を供するために、規制部材136Yやトナー担持体134Yの表面粗さと同等以下にすることが望ましい。
【0046】
トナー担持体134Yは、所定の線速[mm/s]で表面移動するように図中時計回り方向に回転駆動される。また、逆帯電トナー回収部材138Yは、逆帯電トナー回収ニップで自らの表面をトナー担持体134Yの表面と同じ方向移動させるように、図中反時計回り方向に回転駆動される。トナー担持体134Yの表面に担持されているトナー薄層は、トナー担持体134Yの線速と同じ速度で逆帯電トナー回収ニップを通過する。以下、トナー担持体134Yの回転に伴って、トナー担持体134Y表面上のトナー薄層が逆帯電トナー回収ニップに進入し始める位置を、逆帯電トナー回収ニップ入口という。また、トナー担持体134Y表面上のトナー薄層が逆帯電トナー回収ニップから出る位置を、逆帯電トナー回収ニップ出口という。
【0047】
ところで、従来、現像位置に進入する前のトナー薄層のトナー粒子に対して放電による電荷を付与することで、トナー薄層中に含まれる逆帯電トナー粒子の割合を低減する構成を採用した画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献3、4、5、6等に記載のもの)。かかる構成においては、トナー薄層の電位を電荷の付与によってチャージアップさせることから、チャージアップさせない場合に比べて、現像バイアスVbの値を大きくする必要があるため、より多くのエネルギーを消費してしまうという欠点がある。実施形態に係る複写機においても、回収バイアスVrの絶対値を大きくし過ぎると、逆帯電トナー回収ニップ入口や逆帯電トナー回収ニップ出口の近傍におけるトナー担持体134Yと逆帯電トナー回収部材138Yとの間の微小ギャップで放電を発生させて、トナー薄層をチャージアップさせてしまう。
【0048】
そこで、実施形態に係る複写機においては、放電によるトナー薄層のチャージアップを引き起こさない程度に絶対値を小さくした直流電圧を、回収バイアスVrとして出力するように、図示しない回収電源を構成している。かかる回収バイアスVrとして、トナー担持体134Yや逆帯電トナー回収部材138Yとして既に述べた電気抵抗条件のものを用いる条件下において、−450〜−650[V]を例示することができる。感光体11Yの一様帯電電位である地肌部電位Vdは、−500[V]程度である。また、現像バイアスVbは、−250[V]程度である。なお、上述した微小ギャップでの放電によるトナー薄層のチャージアップを引き起こしているか否かについては、逆帯電トナー回収ニップに進入する直前のトナー薄層の表面電位と、逆帯電トナー回収ニップから出た直後のトナー薄層の表面電位とをそれぞれ表面電位計で測定した結果の差に基づいて、把握することが可能である。
【0049】
トナー担持体134Yの回転駆動に伴って現像位置を通過したトナー薄層が現像装置13Y内にと戻る位置では、図示しないトナーシール部材がトナー担持体134Yに当接して、ケーシング内からのトナーの漏洩を防止している。このトナーシール部材は、トナー担持体134Y上のトナー薄層を除電する役割も担っている。
【0050】
次に、本発明者らが行った実験について説明する。
本発明者らは、図1に示した複写機と同様の構成を備える試験機として、株式会社リコー社製のIPSiO SP C310を改造したものを用意した。この試験機には、C,M,Y,Kトナーとしてそれぞれ、正規帯電極性がマイナス極性であるものをセットした。この試験機の作像ユニット10C,M,Y,Kは、それぞれ帯電装置よりも感光体回転方向上流側で感光体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段を有している。また、帯電装置として、感光体に当接させながら帯電バイアスを印加している帯電ローラによって感光体の表面を一様に帯電させるものを有している。各色の帯電装置の帯電ローラには、帯電バイアとして、−1100[V]の直流電圧を印加した。そして、感光体11C,M,Y,Kをそれぞれ−500[V]の地肌部電位Vdで一様帯電させた。また、感光体11C,M,Y,Kに対する走査光のエネルギー強度については、静電潜像の電位を−50[V]にする値に調整した。規制部材(例えば136Y)としては、SUS304CSP製の金属ブレードからなるものを用いた。
【0051】
試験機の各種パラメータを次のように設定した。
・帯電バイアス:−1100[V]
・現像バイアスVb:−250[V]
・回収バイアスVr:−550[V](Vbに対してマイナス側に300Vオフセット)
・規制バイアス:−350[V](Vbに対してマイナス側に100Vオフセット)
・地肌部電位Vd:−500[V]
・静電潜像電位:−50[V]
なお、帯電バイアスは、上述したように、帯電装置(例えば12Y)の帯電ローラに印加されるバイアスである。また、現像バイアスVbは、現像装置のトナー担持体(例えば134Y)に印加されるバイアスである。また、回収バイアスVrは、逆帯電トナー回収部材(例えば138Y)に印加されるバイアスである。また、規制バイアスは、規制部材(例えば136Y)に印加されるバイアスである。
【0052】
かかる条件のもと、トナー担持体(例えば134Y)の線速Vdev[mm/s]と、逆帯電トナー回収部材(例えば138Y)の線速V1[mm/s]と、逆帯電トナー回収ニップ幅D1[mm]との組み合わせとして、実験番号1〜7の7通りの組み合わせを採用した。そして、それぞれの組み合わせにて、テストプリントを実施した。テストプリントにおいては、印字率5[%]のチャート画像を4000枚の記録部材Pに連続印刷した後、4000枚目の出力画像における画像周囲の非画像部の画像濃度を反射濃度計で測定した。非画像部であるから、本来であれば画像濃度は極めて低い値になるが、地汚れが発生していると値が比較的高くなる。非画像部の画像濃度が0.07以下である場合には、地汚れのレベルを「○(良好=殆ど無し)」と評価した。また、画像濃度が0.07〜0.09である場合には、地汚れの度合いを「△(実用上問題なし)」と評価した。また、画像濃度が0.09以上である場合には、地汚れの度合いを「×(実用上問題あり)」と評価した。なお、逆帯電トナー回収ニップ幅D1[mm]は、逆帯電トナー回収ニップの逆帯電トナー回収部材表面移動方向の長さである。
【0053】
実験番号1〜7のテストプリントにおいては、それぞれ、4000枚の記録部材Pにチャート画像を出力した後、トナー担持体の周方向における全域のうち、逆帯電トナー回収ニップに進入する直前の領域におけるトナー担持量(トナー搬送量)を測定した。また、同領域における全トナー量に対する逆帯電トナー量の比率を測定した。また、トナー担持体の周方向における全域のうち、逆帯電トナー回収ニップを通過した直後の領域における全トナー量に対する逆帯電トナー量の比率を測定した。
【0054】
テストプリントの結果を表1、図5に示す。なお、表1や図5における回収部材ニップ通過時間T1[s]は、逆帯電トナー回収部材の表面が逆帯電トナー回収ニップを通過する時間であり、逆帯電トナー回収ニップ幅D1[mm]を逆帯電トナー回収部材の線速V1[mm/s]で除算することによって求められたものである(T1=D1/V1)。また、図5のグラフは、トナー担持体の周方向における全域のうち、逆帯電トナー回収ニップを通過した直後の領域における全トナー量に対する逆帯電トナー量の比率を縦軸にとり、且つ回収部材ニップ通過時間T1[s]を横軸にとったものである。
【表1】

【0055】
図5から明らかなように、回収部材ニップ通過時間T1[s]が0.020[s]未満である場合には、回収部材ニップ通過時間T1[s]の値が大きくなるほど、逆帯電トナーの比率[%]が低くなる。ところが、回収部材ニップ通過時間T1[s]が0.020[s]以上になると、回収部材ニップ通過時間T1[s]の増加に伴う逆帯電トナーの比率[%]の低下が頭打ちになり、回収部材ニップ通過時間T1[s]の値にかかわらず、逆帯電トナーの比率が一定の値になる(約4.0%)。これは、回収部材ニップ通過時間T1[s]を0.02[s]未満に設定すると、逆帯電トナー回収部材の逆帯電トナー粒子回収能力を十分に引き出すことができない一方で、回収部材ニップ通過時間T1[s]を0.02[s]以上に設定すれば、逆帯電トナー粒子回収能力を十分に引き出すことができることを意味している。
【0056】
また、表1からわかるように、回収部材ニップ通過時間T1[s]を比較的小さな値に設定した実験番号5〜7では、画像周囲の非画像部における地汚れのレベルが、実用上問題となるレベルになってしまう(レベル=「×」)。これに対し、回収部材ニップ通過時間T1[s]を比較的大きな値に設定した実験番号1〜4では、画像周囲の非画像部に地汚れが殆ど発生していない(レベル=「○」)。先に図5を用いて説明したように、回収部材ニップ通過時間T1の値が比較的小さな帯域にある場合、回収部材ニップ通過時間T1が長くなるほど、地汚れの原因となる逆帯電トナー粒子の比率が低下する。地汚れのレベルが良好であった実験番号1〜4において、回収部材ニップ通過時間T1を最も短くしたのは実験番号1であり、その値は0.022[s]である。このT1=0.022[s]という値は、図5からわかるように、回収部材ニップ通過時間T1の増加に伴う逆帯電トナーの比率の低下が頭打ちになるときの数値である。つまり、回収部材ニップ通過時間T1を0.02[s]以上に設定することで、逆帯電トナー回収部材による逆帯電トナー粒子の回収能力を最大限に引き出して、地汚れを殆ど発生させなくすることができるのである。
【0057】
図3において、規制部材138Yは、上述のように、トナー担持体134Y上のトナーの層を薄層化させたり、トナー粒子の摩擦帯電を助長したりする役割を担っている。規制部材138Yとの接触位置を通過したトナー薄層は、トナー担持体134Yの回転に伴って、逆帯電トナー回収部材138Yとトナー担持体134Yとの当接による逆帯電トナー回収ニップに進入するが、このときにも、トナー薄層の更なる薄層化が起こる場合もあり得る。しかしながら、かかる薄層化が起こると、層厚の規制によって逆帯電トナー回収ニップへの進入を阻まれたトナーが逆帯電トナー回収ニップの上流側に堆積して、トナー飛散やトナー塊形成などといった不具合を引き起こすおそれが高まる。また、現像位置においても、トナー担持体134Yと感光体11Yとを当接させている場合には、同様にして、現像位置よりも上流側に堆積したトナーによってトナー飛散やトナー塊形成を引き起こすおそれがある。
【0058】
トナー層の薄層化の度合いと、ニップ圧とは相関関係にあり、ニップ圧が高まるほど、薄層化の度合いが高まる。このため、本発明者らは、例えば第1ニップと、これよりも下流側にある第2ニップとの2つが存在する場合、第2ニップのニップ圧を第1ニップのニップ圧よりも低くすれば、第1ニップで薄層化したトナー薄層の層厚を第2ニップで更に薄層化してしまうという現象を起こし難くなるかもしれないと考えた。
【0059】
そこで、本発明者らは、実験番号8〜10のテストプリントを実施した。これらのテストプリントでは、各種のパラメータを次のように設定した。
・トナー担持体の線速Vdev:168[mm/s]
・逆帯電トナー回収部材の線速V1:60[mm/s]
・逆帯電トナー回収ニップ幅D1[mm]:1.5[mm]
・回収部材ニップ通過時間T1=0.025[s]
・現像バイアスVb:−250[V]
・回収バイアスVr=−550[V]
【0060】
トナー担持体と規制部材との当接圧力である第1圧力P1[kPa]と、トナー担持体と逆帯電トナー回収部材との当接圧力である第2圧力P2[kPa]と、トナー担持体と感光体との当接圧力である第3圧力P3[kPa]との大小関係については、表2に示されるように、実験番号8、9、10で互いに異ならせた。なお、上述した実験番号1〜7においては、何れも第1圧力P1>第2圧力P2>第3圧力P3という条件のもとでテストプリントを行っている。第1圧力P1、第2圧力P2、第3圧力P3の値は、それぞれ表2に示される実験番号8と同じである。
【表2】

【0061】
表2に示されるように、実験番号8、9、10における第1圧力P1は、それぞれ130[kPa]という同じ値に一律に設定されている。また、第3圧力P3、それぞれ121[kPa]という同じ値に一律に設定されている。これは次に説明する理由による。即ち、トナー担持体と規制部材との当接部は、トナー担持体の表面上のトナー層厚を適切な厚みに規制しつつ、トナーを適切な値に摩擦帯電させるという役割を担っている。かかる役割を適切に果たすには、トナー担持体と規制部材との当接圧力がごく限られた帯域になる。にもかかわらず、当接圧力の値をその帯域から外してしまうと、適切な厚みのトナー薄層を得ることができなくなったり、トナーの過剰帯電や帯電不足を引き起こしたりする。このため、第1圧力P1については、130[kPa]という値に固定せざるを得ないのである。また、適切な厚みに規制されたトナー薄層に対して適切な現像能力を発揮させるためには、トナー担持体と感光体との当接による現像ニップの圧力である第3圧力P3を、そのトナー薄層の厚みや嵩に見合った値に設定する必要がある。そして、トナー薄層の厚みや嵩は、ごく限られた値に固定せざるを得ない第1圧力P1に依存するため、第3圧力P3も必然的に、第1圧力P1に見合った121[kPa]という値に固定せざるを得ないのである。
【0062】
そこで、実験番号8〜10においては、表2に示されるように、第1圧力P1や第3圧力P3をそれぞれ固定値とし、第2圧力P2だけを互いに異ならせることで、3つの圧力の大小関係を互いに異ならせている。
【0063】
トナー担持体の表面上のトナーは、トナー担持体の回転に伴って、規制部材による規制位置、逆帯電トナー回収ニップ、現像ニップを順に通過する。この過程において、規制位置で第1圧力P1を受けながら層厚が規制され、逆帯電トナー回収ニップで第2圧力P2を受けながら逆帯電トナー粒子が回収された後に、現像ニップで第3圧力P3を受けながら現像に寄与する。
【0064】
図6は、実験8〜10におけるプリント枚数と逆帯電トナーの比率と実験番号との関係を示すグラフである。第1圧力P1>第2圧力P2>第3圧力P3という条件に設定した実験番号8では、図示のように、1〜5000枚のプリントにおいて、逆帯電トナーの比率を4[%]に留めることができている。
【0065】
一方、第2圧力P2>第1圧力P1>第3圧力P3という条件に設定した実験番号9では、1〜2000枚のプリントにおいて、逆帯電トナーの比率を4[%]に留めることができているにもかかわらず、5000枚目のプリントでは、逆帯電トナーの比率を5[%]まで上昇させてしまっている。これは次に説明する理由による。即ち、トナー層を薄層化させるための規制位置における第1圧力P1よりも、逆帯電トナー回収ニップにおける第2圧力P2を高くしていることで、逆帯電トナー回収ニップにおいてトナー薄層の更なる薄層化を促してしまう。これにより、逆帯電トナー回収ニップへの進入を阻まれたトナーが、逆帯電トナー回収ニップ入口付近にトナーを徐々に蓄積していく。累積プリント枚数が5000枚近くになると、逆帯電トナー回収ニップ入口付近に多量に蓄積したトナーの一部がある程度の塊となって逆帯電トナー回収ニップに進入するようになる。すると、その塊に含まれる多量の逆帯電トナー粒子を回収しきれずに、逆帯電トナー回収ニップから多くの逆帯電トナー粒子を排出してしまうことから、逆帯電トナー粒子の比率が高まってしまうのである。
【0066】
また、第1圧力P1>第3圧力P3>第2圧力P2という条件に設定した実験番号10では、1枚目のプリントから、逆帯電トナーの比率が5[%]という高い値を示している。これは次に説明する理由による。即ち、規制位置で第1圧力P1を受けながら適切な厚みに規制され且つ適切な値に摩擦帯電したトナー薄層に対して、逆帯電トナー回収ニップで逆帯電トナー粒子の回収処理を適切に施すためには、そのトナー薄層の層厚や嵩に見合った適切な第2圧力P2を逆帯電トナー回収ニップでトナー薄層に付与する必要がある。そして、トナー薄層の層厚や嵩は、第1圧力P1に依存するために、第2圧力P2の適正値も、第1圧力P1に依存する。具体的には、適正値は第1圧力P1よりも少しだけ低い値になる。一方、上述したように、規制位置でトナー層厚を適切な厚みに規制しつつトナーを適切な値に摩擦帯電させ、且つ現像ニップでトナー薄層に対して適切な現像能力を発揮させるためには、第1圧力P1や第3圧力P3をそれぞれごく限られた値に設定する必要がある。そして、かかる設定では、第1圧力P1と第3圧力P3との大小関係が必然的に第1圧力P1>第3圧力P3という関係になる。このような関係のもとで、更に、実験番号10のように第2圧力P2<第3圧力P3という関係を具備させると、第2圧力P2を第1圧力P1よりもかなり低い値にして適正値から大きく外してしまう。すると、第2圧力P2の不足によって逆帯電トナー粒子の回収不良を引き起こしてしまうため、1枚目のプリントから逆帯電トナーの比率を5[%]という高い値にしてしまうのである。
【0067】
よって、第1圧力P1と第2圧力P2と第3圧力とについては、第1圧力P1>第2圧力P2>第3圧力P3という関係を具備させることが望ましい。
【0068】
次に、実施形態に係る複写機の特徴的な構成について説明する。
実施形態に係る複写機においては、作像ユニット10C,M,Y,Kの現像装置13C,M,Y,Kを、それぞれ次のようなものを用いている。即ち、回収部材ニップ通過時間T1[s](=D1/V1)を、0.02[s]よりも大きくしたものである。かかる構成では、実験番号1〜7のテストプリントの結果から明らかなように、逆帯電トナー回収部材による逆帯電トナー粒子の回収能力を最大限に引き出して、地汚れを殆ど発生させなくすることができる。
【0069】
また、実施形態に係る複写機では、現像装置13C,M,Y,Kを次のように構成している。即ち、規制部材(例えば136Y)とトナー担持体(例えば134Y)との当接圧力である第1圧力P1を、逆帯電トナー回収部材(例えば138Y)とトナー担持体との当接圧力である第2圧力P2よりも大きくしている。更に、潜像担持体たる感光体(例えば11Y)と、トナー担持体との当接圧力である第3圧力P2を第2圧力P2よりも小さくしている。つまり、第1圧力P1>第2圧力P2>第3圧力P3という条件を具備させている。かかる構成では、実験番号8〜10のテストプリントの結果から明らかなように、トナー担持体上のトナー層を規制位置で適切な厚みに規制つつ適切な値に摩擦帯電させ、且つ、逆帯電トナー回収ニップにて、トナー薄層から逆帯電トナー粒子を長期間に渡って良好に回収することができる。
【0070】
本複写機には、各色の作像ユニット10C,M,Y,Kについてそれぞれ、逆帯電トナー回収部材をトナー担持体とは別に独立して駆動する回収駆動手段としての回収駆動装置を設けている。この回収駆動装置は、複写機本体に配設された回収駆動モータや、各色の作像ユニット10C,M,Y,Kにそれぞれ配設されて、回収駆動モータからの駆動力を逆帯電回収部材に伝達する駆動伝達系などから構成されている。かかる構成では、逆帯電トナー回収部材を、トナー担持体との連れ回りによらず、独自の駆動系によって回転駆動させることで、トナー担持体の回転速度(表面移動速度)とは別に、逆帯電トナー回収部材の回転速度(表面移動速度)を任意に設定することが可能である。よって、トナー担持体の回転速度にかかわらず、回収部材ニップ通過時間T1を自由に設定して最適な値にすることができる。
【0071】
また、本複写機においては、逆帯電トナー回収部材をトナー担持体に向けて付勢してトナー担持体に当接せしめる付勢手段としての付勢バネ(例えば136Y)を、各色の現像装置13C,M,Y,Kにそれぞれ設けている。かかる構成では、付勢バネとして適切な付勢能力(バネ定数)のものを用いることで、第2圧力P2を容易に適正値に調整することができる。なお、かかる構成に加えて、逆帯電トナー回収部材とトナー担持体とのうち、何れか一方として弾性変形可能なものを用いることで、逆帯電トナー回収ニップにおける同一方の弾性変形によって逆帯電トナー回収ニップ幅D1の拡大化を図ることができる。
【0072】
また、本複写機においては、トナー担持体の表面の無端移動方向における全域のうち、トナー供給位置である供給回収ニップを通過した後、逆帯電トナー回収ニップに進入する前の領域に当接してトナー担持体表面上のトナーの層厚を規制する規制部材を、各色の現像装置13C,M,Y,Kにそれぞれ設けている。かかる構成では、既に説明したように、トナー担持体の表面上のトナー層の層厚を適切な値に規制しつつトナーを適切な値に摩擦帯電させて、優れた現像能力を発揮させることができる。
【0073】
また、本複写機においては、各色の現像装置13C,M,Y,Kにおいてそれぞれ、逆帯電トナー回収部材の表面粗さRa1の値を、前記規制部材における前記トナー担持体との当接面の表面粗さRa2の値以下にしている。かかる構成では、逆帯電トナー回収ニップにおいて、逆帯電トナー回収部材との圧接によってトナー薄層の表面粗さを、規制部材による規制位置を通過した直後のトナー薄層の表面粗さと同等以下にする。これにより、逆帯電トナー回収ニップでトナー薄層の表面性を低下させてしまうことを回避することで、トナー薄層の表面性の悪さに起因する現像濃度ムラの発生を回避することができる。
【0074】
図4は、実施形態に係る複写機の第2変形例におけるY用の作像ユニット10Yを拡大して示す拡大構成図である。同図において、現像装置13Yは、逆帯電トナー回収部材138Yの表面の移動方向における全域のうち、逆帯電トナー回収ニップを通過した後、逆帯電トナー回収ニップに再進入する前の領域に対して逆帯電トナー粒子のクリーニング処理を施す逆帯電トナークリーニング手段としてのクリーニングパッド139Yを有している。クリーニングパッド139Yは、スポンジ等の弾性部材からなり、前記領域に対して所定の圧力で当接するように、図示しない保持部材に保持されている。そして、逆帯電トナー回収部材138Yの表面に付着している逆帯電トナー粒子をその表面から掻き落とす。このようにして、逆帯電トナー回収部材138Yに対して逆帯電トナー粒子のクリーニング処理を施すことで、逆帯電トナー回収部材138Yの表面上での逆帯電トナー粒子の蓄積を回避する。これにより、逆帯電トナー回収部材138Yからトナー担持体134Yへの逆帯電トナー粒子の逆転移の発生を抑えることができる。
【符号の説明】
【0075】
1:複写機
2:給紙部
3:プリンタ部
4:スキャナー部
5:原稿自動搬送装置(ADF)
P:記録部材
10C,M,Y,K:作像ユニット(プロセスカートリッジ)
11C,M,Y,K:感光体(潜像担持体)
12Y:帯電装置
13C,M,Y,K:現像装置
131Y:トナー収容室
134Y:トナー剤担持体
135Y:トナー攪拌部材
136Y:規制部材
137Y:トナー供給回収部材
138Y:逆帯電トナー回収部材
139Y:クリーニングパッド(逆帯電トナークリーニング手段)
14C,M,Y,K:1次転写ローラ
20:転写ユニット
21:中間転写ベルト
22:中間転写ベルトクリーニング装置
23:2次転写ローラ
24:紙搬送ベルト
30:光書込装置
31:定着装置
40:給紙カセット
42:ピックアップローラ
43:搬送ローラ対
44:レジストローラ対
47:排出ローラ対
48:排紙トレイ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0076】
【特許文献1】特開平8−254894号公報
【特許文献2】特開2003−316148号公報
【特許文献3】特開2000−315014号公報
【特許文献4】特開2001−34046号公報
【特許文献5】特開2002―23432号公報
【特許文献6】特開2005−300942号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自らの無端移動する表面に担持したトナーを潜像担持体に担持される潜像に付着させて前記潜像を現像するトナー担持体と、前記トナー担持体の無端移動に伴って、トナーの供給を受けるトナー供給位置を通過した後、前記潜像担持体に対向する現像位置に進入する前の前記表面に対して自らの無端移動する表面を当接させて逆帯電トナー回収ニップを形成しながら、前記逆帯電トナー回収ニップで前記トナー担持体の表面上のトナーに含まれる逆帯電トナー粒子を自らの表面に転移させて回収する逆帯電トナー回収部材とを有する現像装置において、
前記逆帯電トナー回収部材の表面が無端移動に伴って前記逆帯電トナー回収ニップを通過する時間である回収部材ニップ通過時間T1[s]を、0.02[s]よりも大きくしたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
少なくとも、潜像担持体と、現像手段とを共通の保持体で保持して画像形成装置本体に対して一体的に着脱されるプロセスカートリッジにおいて、
前記現像手段として、請求項1の現像装置を用いたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項3】
プロセスカートリッジを用いて画像を形成する画像形成装置において、
前記プロセスカートリッジとして、請求項2のプロセスカートリッジを用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
潜像を担持する潜像担持体と、
前記潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置において、
前記現像手段として、請求項1の現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3又は4の画像形成装置において、
前記トナー担持体の表面の無端移動方向における全域のうち、前記トナー供給位置を通過した後、前記逆帯電トナー回収ニップに進入する前の領域に当接して前記表面上のトナーの層厚を規制する規制部材を前記現像装置に設けるとともに、
前記規制部材と前記表面との当接圧力である第1圧力を、前記逆帯電トナー回収部材と前記表面との当接圧力である第2圧力よりも大きくし、且つ前記表面を前記潜像担持体に非接触で対向させるか、あるいは前記潜像担持体と前記表面との当接圧力である第3圧力を前記第2圧力よりも小さくするという条件を具備させたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項3、4又は5の画像形成装置において、
前記逆帯電トナー回収部材を、前記トナー担持体とは別に独立して駆動する回収駆動手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項3乃至6の何れかの画像形成装置において、
前記逆帯電トナー回収部材を前記トナー担持体に向けて付勢して前記トナー担持体に当接せしめる付勢手段を前記現像装置に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項3乃至7の何れかの画像形成装置において、
前記トナー担持体の表面の無端移動方向における全域のうち、前記トナー供給位置を通過した後、前記逆帯電トナー回収ニップに進入する前の領域に当接して前記表面上のトナーの層厚を規制する規制部材を設けるとともに、
前記逆帯電トナー回収部材の表面粗さRa1の値を、前記規制部材における前記トナー担持体との当接面の表面粗さRa2の値以下にしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項3乃至8の何れかの画像形成装置において、
前記逆帯電トナー回収部材の表面の無端移動方向における全域のうち、前記回収ニップを通過した後、前記逆帯電トナー回収ニップに再進入する前の領域に対して逆帯電トナー粒子のクリーニング処理を施す逆帯電トナークリーニング手段を前記現像装置に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
潜像担持体の表面に潜像を形成する工程と、該潜像担持体上の潜像を現像する現像工程とを実施して画像を形成する画像形成方法において、
前記現像工程にて、請求項1の現像装置を用いて現像を行うことを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−181496(P2012−181496A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231052(P2011−231052)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】