現像装置、及び画像形成装置
【課題】非磁性1成分現像剤を使用した場合に、現像剤担持体に対する適切な現像剤除去補助部材を用いて現像を適切に行い得る現像装置、及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像装置は、非磁性1成分トナーからなる現像剤Tを収容する現像剤容器11、感光体ドラム1への現像を行う現像ロール12、現像ロール12に現像剤Tを供給する現像剤供給ロール13、現像剤量を規制する現像剤規制ブレード14を備える。現像ロール12の回転方向における現像剤供給ロール13の上流側に、基材15a上の接着剤15bに静電植毛された導電性ブラシ毛15cを有するシール用静電植毛ブラシ15を備える。シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cの繊維の抵抗値が1012 (Ω/cm・F)未満であり、接着剤15bは導電性を有している。導電性ブラシ毛15cには、現像ロール12と同電位、又は現像剤電荷を中和する方向に電圧が印加されている。
【解決手段】現像装置は、非磁性1成分トナーからなる現像剤Tを収容する現像剤容器11、感光体ドラム1への現像を行う現像ロール12、現像ロール12に現像剤Tを供給する現像剤供給ロール13、現像剤量を規制する現像剤規制ブレード14を備える。現像ロール12の回転方向における現像剤供給ロール13の上流側に、基材15a上の接着剤15bに静電植毛された導電性ブラシ毛15cを有するシール用静電植毛ブラシ15を備える。シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cの繊維の抵抗値が1012 (Ω/cm・F)未満であり、接着剤15bは導電性を有している。導電性ブラシ毛15cには、現像ロール12と同電位、又は現像剤電荷を中和する方向に電圧が印加されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体上の静電潜像を1成分非磁性トナーを用いて現像するプリンタ、複写機、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置における現像装置、及び画像形成装置に関するものであり、特に、現像剤担持体の残存トナー処理用の静電植毛ブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンター、複写機、ファクシミリ等の電子写真方式を採用する画像形成装置の現像装置として、例えば、特許文献1に開示された現像装置がある。
【0003】
この特許文献1に開示された現像装置100は、図16に示すように、ケーシング101内に、トナー102を表面に担持して感光体111に該トナー102を供給する現像ローラ103と、この現像ローラ103上にトナー102を供給するトナー供給ローラ104と、現像ローラ103に当接して現像ローラ103上に供給されたトナー102の帯電を行ない、トナー102の均一薄層を形成するトナー規制ブレード105とを有している。
【0004】
ここで、1成分現像剤を用いる従来の現像装置、特に非磁性1成分現像装置においては、現像ローラ103上にトナー層の薄膜を均一に形成することが困難なこと、帯電の不安定により画像の乱れが生じること、及び現像ローラ103の感光体111への現像後に残る残存するトナー102の除去不足によりカブリ等が発生すること等の問題点を有している。
【0005】
この問題を解決するために、上記現像装置100では、現像ローラ103の回転方向におけるトナー供給ローラ104の上流側に、現像ローラ103に摺接する弾性部材106を設けている。これにより、現像後の現像ローラ103上に存在する残存トナー層を全て除去するのではなく、むしろ均一化することにより、トナー規制ブレード105による帯電後に安定したトナー荷電薄層を形成し、カブリ等のない高品質の画像が得られるとしている。また、この弾性部材106の材料としては、発泡シリコンゴム等のゴム、若しくは発泡ポリウレタン等のそれ自体弾性を有する材料、又はポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維等を植毛した植毛パッド等を挙げている。
【0006】
一方、類似の技術として、特許文献2に開示された現像装置がある。この特許文献2に開示された現像装置200では、図17に示すように、弾性体層201と磁極ピッチが微細な磁界発生層202とを有する現像ローラ203をドラム状の感光体211に押圧接触させて、感光体211上の静電潜像を現像ローラ203上に保持させた1成分磁性トナーによって現像する構成の下、現像ローラ203と感光体211との接触部204よりも回転方向下流側位置の現像容器205の開口部206内で現像ローラ203表面に対してトレーリング方向に密閉的に接触する逆流防止部材として例えば、ブラシ部材207を備えて、現像ローラ203表面に生ずる不均一な電荷をブラシ部材207の摺接により掻き混ぜて均一化させると共に、トナー飛散を防止するシール機能を持たせている。
【0007】
また、この特許文献2に開示された現像装置200では、ブラシ部材207に導電性を持たせると共に、バイアス電源208によってバイアス電圧が印加されている。このバイアス電圧は現像ローラ203及び現像ブレード209と同じ電圧である。これにより、現像ローラ203の表面の電荷は接触部204よりも下流側において導電性を有するブラシ部材207を通して除電される。したがって、ブラシ部材207によって電荷のムラが掻き混ぜられ分散されて均一化されながら、現像ローラ203表面の電荷が除電される上に、現像ローラ203上のトナーに不均一な電荷が注入されることがない。この結果、不均一な電荷の蓄積がなくなり、現像ローラ203表面における電荷のムラに起因する悪影響の防止効果が向上するとしている。
【特許文献1】特開昭63−155069号公報(昭和63年6月28日公開)
【特許文献2】特開平9−50188号公報(平成9年2月18日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の現像装置100では、現像後の現像ローラ103上に存在する残存トナー層を全て除去するのではなく、均一化するだけであり、剥離性能において改善の余地がある。
【0009】
一方、上記特許文献2に開示された従来の現像装置200では、ブラシ部材207の材料に関する開示がない。したがって、除電効果及び撹乱効果において改善の余地がある。
【0010】
また、特許文献2に開示されたトナーは磁性一成分トナーであり、磁性1成分トナーの場合には、現像ローラ203の残存トナーは、現像ローラ203内部の交番磁界により現像ローラ203表面への吸着性が強く、剥離性能は望めないことから、現像ローラ203表面に付着した残存トナーの除電性能が先ず主要な目的とされ、この除電性能を向上させるために撹乱効果が要求される。すなわち、現像ローラ203表面に付着した残存トナーの除電が不十分であると、新たな交番磁界にて新たに供給される現像ローラ203表面のトナーにバイアスの電位差による不均一な電荷の注入が生じるので、異常画像が発生する可能性がある。
【0011】
これに対して、非磁性1成分トナーを使用する場合には、現像ローラに対して現像剤供給ローラにて新たなトナーを供給するので、現像剤供給ローラにて現像剤を供給する前にできるだけ現像ローラの残存トナーを剥離しておくのが好ましい。また、現像剤供給ローラにて、現像ローラの回転上流側の残存トナーを最終的に剥離することになるが、現像剤供給ローラでの残存トナーの剥離を容易なものにしておく必要がある。
【0012】
したがって、磁性1成分トナーを使用した場合の現像ローラの残トナー処理用ブラシと、非磁性1成分トナーを使用した場合の現像ローラの残トナー処理用ブラシとでは、必然的に機能が異なっており、同一の構造では、適切な現像を行うことができないという問題点を有している。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、非磁性1成分現像剤を使用した場合に、現像剤担持体に対する適切な現像剤除去補助部材を用いて現像を適切に行い得る現像装置、及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の現像装置は、上記課題を解決するために、非磁性1成分トナーからなる現像剤を収容する現像剤容器と、静電潜像担持体への現像を行う現像剤担持体と、上記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材と、上記現像剤担持体上の現像剤の量を規制する現像剤量規制部材とを備えた現像装置において、上記現像剤担持体の回転方向における上記現像剤供給部材の上流側に、基材上の接着剤に静電植毛された導電性ブラシ毛を有する現像剤除去補助部材を備え、上記現像剤除去補助部材における導電性ブラシ毛の繊維の抵抗値が1012 (Ω/cm・フィラメント)未満であり、かつ上記接着剤は導電性を有していると共に、上記導電性ブラシ毛には、上記現像剤担持体と同電位、又は現像剤電荷を中和する方向に電圧が印加されていることを特徴としている。
【0015】
従来、現像剤担持体上における現像後の残存トナーの掻き取り性が不足し、カブリ等の画像劣化の原因となっていた。
【0016】
そこで、本発明では、現像装置は、非磁性1成分トナーからなる現像剤を使用しており、現像剤担持体の回転方向における現像剤供給部材の上流側に、基材上の接着剤に静電植毛された導電性ブラシ毛を有する現像剤除去補助部材を備えている。そして、現像剤除去補助部材における導電性ブラシ毛の繊維の抵抗値は1012 (Ω/cm・フィラメント)未満であり、かつ接着剤は導電性を有している。また、導電性ブラシ毛には、上記現像剤担持体と同電位、又は現像剤電荷を中和する方向に電圧が印加されている。
【0017】
このため、導電性ブラシ毛を現像後の現像剤担持体における残存トナーに対して、現像剤電荷を中和する方向に電圧を印加しながら接触させることにより、残存トナーの除電及び撹乱を行うので、現像剤供給部材での残存トナーを除去し易い状態にする。したがって、現像剤供給部材において、残存トナーを確実に掻き取ることができるので、現像剤供給部材での新たな現像剤の供給において、電荷の残った残存トナーが残っているということがない。
【0018】
この結果、現像剤担持体上における現像後の残存トナーの掻き取り性が不足し、カブリ等の画像劣化の原因となることがない。
【0019】
すなわち、磁性1成分トナーの場合には、交番磁界により残存トナーに対して吸着力が作用しているので、残存トナーを完全に除去することはできない。このため、磁性1成分トナーの場合には、例えば特許文献2のように、現像剤除去補助部材の機能は、残存トナーの分散化及び不均一な電荷の均一化に止まっていた。
【0020】
しかし、非磁性1成分トナーの場合には、交番磁界により残存トナーに対して吸着力が作用するということがないので、現像剤除去補助部材を適切に構成することにより、残存トナーを完全に除去することが可能である。
【0021】
この点、本発明では、導電性ブラシ毛に現像剤電荷を中和する方向に電圧を印加するに際して、導電性ブラシ毛の繊維の抵抗値を1012 (Ω/cm・フィラメント)未満とし、かつ接着剤は導電性を有している。したがって、残存トナーの除電及び剥離を効率的に行う構成となっている。
【0022】
この結果、非磁性1成分現像剤を使用した場合に、現像剤担持体に対する適切な現像剤除去補助部材を用いて現像を適切に行い得る現像装置を提供することができる。
【0023】
本発明の現像装置では、前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛の繊度は、2デシテックス(T)以上であることが好ましい。
【0024】
これにより、導電性ブラシ毛の繊度を2デシテックス(T)以上の太さにすることにより、残存トナーの撹乱及び剥離を効率的に行うことができる。
【0025】
また、本発明の現像装置では、前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛の繊維は、前記非磁性1成分トナーに対して帯電系列が、同じ材質、又は同じ材質よりもトナー極性方向において上位に位置する材質からなっていることが好ましい。つまり、非磁性1成分トナーに対して帯電系列が、同じ材質、又はマイナス帯電の場合は同じ材質よりもマイナス側若しくはプラス帯電の場合は同じ材質よりもプラス側に位置する材質からなっていることが好ましい。
【0026】
これにより、前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛の繊維を、非磁性1成分トナーが除電される方向に帯電し易い材質としているので、残存トナーの除電を効率的に行うことができる。
【0027】
また、本発明の現像装置では、前記非磁性1成分トナーは、ポリエステルからなっていると共に、前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛の繊維は、ポリエステル又はアクリルからなっていることが好ましい。
【0028】
これにより、非磁性1成分トナーが、ポリエステルからなっている場合に、現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛の繊維を、ポリエステル又はアクリルとすることにより、確実に、非磁性1成分トナーが除電される方向に帯電し易い材質とすることができる。
【0029】
また、本発明の現像装置では、前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛は、非導電層からなるコア部と導電層からなる外層部とを備えた2層構造となっていることが好ましい。
【0030】
これにより、全体が導電層からなる導電性ブラシ毛よりも残存トナーの除電を効率的に行うことができる。
【0031】
また、本発明の現像装置では、前記現像剤除去補助部材と現像剤担持体との接触ニップ幅は、1.5mmを超える値であることが好ましい。
【0032】
これにより、残存トナーの除電及び撹乱を効率的に行うことができる。
【0033】
また、本発明の現像装置では、前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛は、複数の植毛を所定長さの筋状の束にして形成した筋状植毛束が基材に接着剤を介して複数設けられていると共に、上記基材における複数の筋状植毛束は、規則的な配列パターンを有して配されていることが好ましい。
【0034】
これにより、従来の点状の植毛群からなる静電植毛ブラシとは異なり、線状の植毛群で残存トナーに接触するので、残存トナーへの接触能力、現像剤の搬送能力及び攪拌能力が、従来の点状の植毛群に比べて大きい。したがって、残存トナーの除電及び撹乱を効率良く行うことができる。
【0035】
また、本発明の現像装置では、前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛は、第1方向を向いた第1方向筋状植毛束と、該第1方向とは異なる第2方向を向いた第2方向筋状植毛束とを組み合わせて対にした一対筋状植毛束が、正方格子配列又は千鳥格子配列に配された規則的な配列パターンを有しているとすることができる。
【0036】
これにより、連続的な一対筋状植毛束の繰り返しにより、残存トナーの除電及び撹乱を効率良く行うことができる。
【0037】
また、本発明の現像装置では、前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛は、前記基材における複数の筋状植毛束は、第1方向を向いた第1方向筋状植毛束と、該第1方向とは異なる第2方向を向いた第2方向筋状植毛束とが、各行毎に、かつ千鳥格子配列に配された規則的な配列パターンを有しているとすることができる。
【0038】
これにより、残存トナーの接触性及び通過性が優れているので、残存トナーの除電及び撹乱を効率良く行うことができる。
【0039】
また、本発明の現像装置では、前記現像剤除去補助部材は、前記基材が平板にてなるバー型ブラシからなっているとすることができる。すなわち、現像剤除去補助部材は、平板へ植毛するものとなっており、その平板はフィルム及び弾性体を含み、かつ現像剤容器に直接植毛することを含む。
【0040】
これにより、現像装置の内部における狭い部分においても容易に設置することができる。
【0041】
また、本発明の現像装置では、前記現像剤除去補助部材は、前記基材が円柱形状にてなるロール型ブラシからなっているとすることができる。
【0042】
これにより、バー型ブラシのように導電性ブラシ毛が現像剤担持体に常に接触しているということがないので、導電性ブラシ毛の寿命を延ばすことができる。
【0043】
本発明の画像形成装置は、上記課題を解決するために、上記記載の現像装置を備えていることを特徴としている。
【0044】
上記の発明によれば、非磁性1成分現像剤を使用した場合に、現像剤担持体に対する適切な現像剤除去補助部材を用いて現像を適切に行い得る現像装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明の静電植毛ブラシは、以上のように、現像剤担持体の回転方向における現像剤供給部材の上流側に、基材上の接着剤に静電植毛された導電性ブラシ毛を有する現像剤除去補助部材を備え、上記現像剤除去補助部材における導電性ブラシ毛の繊維の抵抗値が1012 (Ω/cm・F)未満であり、かつ上記接着剤は導電性を有していると共に、上記導電性ブラシ毛には、上記現像剤担持体と同電位、又は現像剤電荷を中和する方向に電圧が印加されているものである。
【0046】
また、本発明の画像形成装置は、以上のように、上記記載の現像装置を備えているものである。
【0047】
それゆえ、非磁性1成分現像剤を使用した場合に、現像剤担持体に対する適切な現像剤除去補助部材を用いて現像を適切に行い得る現像装置、及び画像形成装置を提供するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
本発明の一実施形態について図1ないし図15に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0049】
図2は、本実施の形態の現像装置を備えた画像形成装置における画像形成部の構造を模式的に示す正面図である。
【0050】
尚、画像形成装置は、画像形成装置が備えるスキャナにて読み込まれたデータや、画像形成装置に接続された外部機器(例えば、パーソナルコンピュータ等の画像処理装置)からのデータを画像として出力するものである。
【0051】
図2に示すように、画像形成部30は、感光体ドラム1と、帯電ブラシ2と、露光装置3と、現像装置10と、転写ブラシ4と、搬送ベルト5と、クリーニング装置20と、図示しない除電手段とを備えており、感光体ドラム1の周囲に、回転方向に沿って、帯電ブラシ2、露光装置3、現像装置10、転写ブラシ4及び搬送ベルト5、クリーニング装置20、及び除電手段をこの順序で配置した構成となっている。
【0052】
感光体ドラム1は、画像形成装置における本発明の静電潜像担持体となるものであり、円柱形状を有している。
【0053】
帯電ブラシ2は、感光体ドラム1と物理的に接触して、感光体ドラム1の表面を一様に所定の電位まで帯電させるためのものである。帯電ブラシ2は、感光体ドラム1と互いの回転軸を平行にして隣接対向して設置されている。
【0054】
露光装置3は、帯電ブラシ2によって帯電された感光体ドラム1の表面を、例えばパーソナルコンピュータ等の画像処理装置からのデータに基づき、レーザ光等により露光して、感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成させるためのものである。露光装置3として、例えば半導体レーザや発光ダイオードを用いることができる。
【0055】
現像装置10は、感光体ドラム1の表面に現像剤を供給し、感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像を現像剤像として顕像化するつまり現像するためのものである。この現像装置10については、後で詳述する。
【0056】
搬送ベルト5は、感光体ドラム1の表面に現像剤像が形成された後に、PPC(Plain Paper Copy)用紙等の記録媒体6を感光体ドラム1に運搬するためのものである。
【0057】
転写ブラシ4は、感光体ドラム1の表面の現像剤像を、記録媒体6に転写するためのものである。転写ブラシ4は、板金に、板金と接する面を底面とした見かけ上直方体のブラシ体を貼り付けた固定型ブラシである。転写ブラシ4は、例えば、パイル織り生地からなり、板金の上にブラシ毛を板金の面方向に垂直な方向に起毛したものである。転写ブラシ4は、板金の面方向と記録媒体6の面方向とを平行にして、搬送ベルト5を間に挟んで感光体ドラム1と隣接対向するように設置されている。
【0058】
クリーニング装置20は、クリーニングブラシ21と、固体潤滑剤供給装置22と、クリーニングブレード23とを備えており、感光体ドラム1の表面に残留した現像剤や紙粉等を除去するためのものである。
【0059】
クリーニングブラシ21は、感光体ドラム1と物理的に接触して、感光体ドラム1の表面に残留した現像剤や紙粉等を除去するためのものである。また、クリーニングブラシ21は、例えば、固体潤滑剤塗布ブラシとしての機能を兼ねており、固体潤滑剤供給装置22から供給される固体潤滑剤を、感光体ドラム1の表面に塗布するためのものである。クリーニングブラシ21は、円柱形状の基材にブラシ毛を起毛したロール型ブラシであり、感光体ドラム1の回転軸方向と円柱形状の基材の軸方向とを互いに平行にして、感光体ドラム1に隣接対向するように設置されている。
【0060】
クリーニングブレード23は、感光体ドラム1の表面に残留した現像剤や紙粉等を物理的に掻き落とすためのものである。クリーニングブレード23は、感光体ドラム1の回転方向に沿って、クリーニングブラシ21の後側に備えられ、感光体ドラム1の表面に残留した現像剤や紙粉等を均一に除去するために、感光体ドラム1の法線方向に対して鋭角に摺接している。
【0061】
固体潤滑剤供給装置22は、クリーニングブラシ21及びクリーニングブレード23によるクリーニング効率を高くするためのものである。固体潤滑剤供給装置22は、固体潤滑剤を、クリーニングブラシ21を介して、感光体ドラム1の表面に塗布する。また、固体潤滑剤供給装置22は、クリーニングブラシ21に固体潤滑剤が均一に塗布されるように、クリーニングブラシ21のシャフトの軸方向に広がった略四角柱の形状を有している。固体潤滑剤供給装置22は、クリーニングブラシ21の表面全体に固体潤滑剤が行き渡るように、クリーニングブラシ21と隣接対向して設置されている。使用する固体潤滑剤としては、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
【0062】
除電手段は、感光体ドラム1の表面を除電するためのものである。除電手段としては、例えば除電ブラシ等が挙げられる。
【0063】
上記構成の画像形成装置において、画像を形成する動作を、図2に基づいて説明すると、以下の通りである。
【0064】
感光体ドラム1の表面は、帯電ブラシ2と接触することにより、均一に帯電する。表面が帯電された感光体ドラム1は、露光装置3によって、データに基づき露光され、感光体ドラム1の表面に静電潜像が形成される。そして、現像装置10の現像ロール12により、感光体ドラム1の表面に現像剤が供給され、感光体ドラム1の表面の静電潜像が、現像されて顕像化される。続いて、搬送ベルト5によって記録媒体6が感光体ドラム1へ運搬され、転写ブラシ4によって、感光体ドラム1の表面の現像剤像が、記録媒体6に転写される。転写後の感光体ドラム1は、固体潤滑剤が表面に塗布されたクリーニングブラシ21によって、表面に固体潤滑剤が塗布され、残留した現像剤や紙粉等が、クリーニングブラシ21及びクリーニングブレード23によって除去される。最後に図示しない除電手段により、感光体ドラム1の表面が除電される。このようなサイクルで画像形成は行われる。
【0065】
次に、本実施の形態の特徴である現像装置10の詳細について、図1に基づいて以下に説明する。
【0066】
まず、本実施の形態の現像装置10では、例えば、非磁性1成分トナーからなる現像剤が使用されており、いわゆる非磁性1成分現像方式を採用している。この現像方式は、磁性1成分トナーに対して透明性の高い非磁性1成分トナーが使用できるのでフルカラーの現像に適していると共に、現像ロール12に磁石を用いない点で画像形成装置の小型軽量化に対して非常に有利である。特に、近年開発が盛んになっている小型のパーソナル用複写機、プリンタ、及び普通紙ファックス、並びにフルカラー複写機、フルカラープリンタに対してはこの現像方法を用いる例が多くなってきている。
【0067】
図1に示すように、現像装置10は、現像剤容器11内に、現像剤担持体としての現像ロール12と現像剤供給部材としての現像剤供給ロール13と現像剤規制ブレード14等とを備えており、感光体ドラム1の表面に現像剤Tを供給し、感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像を現像剤像として顕像化するつまり現像する。
【0068】
上記現像ロール12は、感光体ドラム1と物理的に接触して、現像剤供給ロール13から供給される現像剤を感光体ドラム1の表面に供給するためのものである。現像ロール12は、円柱形状を有しており、感光体ドラム1と互いの回転軸を平行にして隣接対向するように設置されている。
【0069】
上記現像剤供給ロール13は、現像ロール12と物理的に接触して、現像ロール12に現像剤を供給するためのものであり、現像剤を保持すると共に、現像剤を現像ロール12の表面に供給する。現像剤供給ロール13は、例えば、円柱形状の基材にブラシ毛を起毛したロール型ブラシからなっている。現像剤供給ロール13は、現像ロール12の回転軸方向と円柱形状の基材の軸方向とを互いに平行にして、現像ロール12に隣接対向するように設置されている。
【0070】
上記現像剤規制ブレード14は、現像ロール12に当接して現像ロール12上に供給された現像剤Tの帯電を行ない、現像剤Tの均一薄層を形成する。
【0071】
また、上記シール用静電植毛ブラシ15は、現像ロール12の回転方向における現像剤供給ロール13の上流側に設けられている。
【0072】
上記構成の現像装置10では、送り羽根16によって現像ロール12近傍に送り込まれた現像剤Tは、現像剤供給ロール13で現像ロール12に塗布され、現像剤規制ブレード14で薄層化された後に、感光体ドラム1との接触部分で感光体ドラム1の潜像の現像に用いられる。そして、現像残りの現像剤Tは再度現像装置10内に戻り、シール用静電植毛ブラシ15にて現像剤Tの除電及び撹乱が行われた後、現像剤供給ロール13によって現像ロール12から剥離されて現像装置10内の現像剤Tと混合される。
【0073】
ところで、上記の現像装置10においては、図1に示す現像剤容器11と現像ロール12との間の開口部11a・11bや、図3に示す現像ロール12の両端部の現像ロール端部開口部11cから、現像剤が漏れるおそれがある。
【0074】
そこで、本実施の形態では、これら開口部11a・11b及び現像ロール端部開口部11cにシール用静電植毛ブラシ15を設けて、これら開口部11a・11b及び現像ロール端部開口部11cから現像剤Tが漏れるのを防止している。
【0075】
ここで、本実施の形態の特徴である現像剤シール用静電植毛ブラシ15について詳述する。
【0076】
本実施の形態のシール用静電植毛ブラシ15は、図1に示すように、例えば金属プレートからなる平板上の基材15a上の接着剤15bに静電植毛された導電性ブラシ毛15cからなっている。ただし、本発明では、基材15aは、必ずしも金属プレートからなる平板に限らず、板、シート又はフィルム等の平面部材であってもよい。また、シール用静電植毛ブラシ15は、例えば、芯材となるアルミ管等の基材15aに接着剤15bを塗布し、この接着剤15bに導電性ブラシ毛15cを静電植毛したものでもよい。したがって、静電植毛ブラシは、基材が平板にてなるバー型ブラシに限らず、基材が円柱形状にてなるロール型ブラシであってもよい。
【0077】
ところで、従来、現像ロール12上における現像後の残存トナーの掻き取り性が不足し、カブリ等の画像劣化の原因となっていた。
【0078】
そこで、本実施の形態では、現像装置10は、非磁性1成分トナーからなる現像剤Tを使用しており、現像ロール12の回転方向における現像剤供給ロール13の上流側に、基材15a上の接着剤15bに静電植毛された導電性ブラシ毛15cを有するシール用静電植毛ブラシ15を備えている。そして、シール用静電植毛ブラシ15における導電性ブラシ毛15cの繊維の抵抗値は1012 (Ω/cm・フィラメント)未満であり、かつ接着剤15bは導電性を有している。また、導電性ブラシ毛15cには、現像ロール12と同電位、又は現像剤電荷を中和する方向に電圧が印加されている。
【0079】
このため、導電性ブラシ毛15cを現像後の現像ロール12における残存トナーに対して、現像ロール12と同電位、又は現像剤電荷を中和する方向に電圧を印加しながら接触させることにより、残存トナーの除電及び撹乱を行うので、現像剤供給ロール13での残存トナーを除去し易い状態にする。したがって、現像剤供給ロール13において、残存トナーを確実に掻き取ることができるので、現像剤供給ロール13での新たな現像剤Tの供給において、電荷の残った残存トナーが残っているということがない。
【0080】
この結果、現像剤担持体上における現像後の残存トナーの掻き取り性が不足し、カブリ等の画像劣化の原因となることがない。
【0081】
すなわち、磁性1成分トナーの場合には、交番磁界により残存トナーに対して吸着力が作用しているので、残存トナーを完全に除去することはできない。このため、磁性1成分トナーの場合には、例えば特許文献2のように、現像剤除去補助部材の機能は、残存トナーの分散化及び不均一な電荷の均一化に止まっていた。
【0082】
しかし、非磁性1成分トナーの場合には、交番磁界により残存トナーに対して吸着力が作用するということがないので、シール用静電植毛ブラシ15を適切に構成することにより、残存トナーを完全に除去することが可能である。
【0083】
この点、本実施の形態では、バイアス電源17にて導電性ブラシ毛15cに現像剤電荷を中和する方向に電圧を印加するに際して、導電性ブラシ毛15cの繊維の抵抗値を1012 (Ω/cm・フィラメント)未満とし、かつ接着剤15bは導電性を有している。したがって、残存トナーの除電及び剥離を効率的に行う構成となっている。
【0084】
この結果、非磁性1成分トナーを使用した場合に、現像ロール12に対する適切なシール用静電植毛ブラシ15を用いて現像を適切に行い得る現像装置10を提供することができるものとなっている。
【0085】
ここで、本実施の形態において、導電性ブラシ毛15cに現像ロール12と同電位、又は現像剤電荷を中和する方向に電圧を印加するとしたのは、後述する実施例7に示すように、現像剤電荷を中和する方向に電圧が印加されていなければ、除電性能及び剥離性能は、却って悪化することが分かったためである。
【0086】
また、本実施の形態において、導電性ブラシ毛15cの繊維の抵抗値を1012 (Ω/cm・フィラメント)未満としたのは、後述する実施例3に示すように、導電性ブラシ毛15cの抵抗値としては、1012 (Ω/cm・フィラメント)未満が除電効果及び剥離性が優れていることが分かったためである。
【0087】
さらに、本実施の形態において、接着剤15bが導電性を有しているのは、後述する実施例4に示すように、接着剤15bが導電性である方が、非導電性であることに比べて、除電効果及び剥離性が優れていることが分かったためである。
【0088】
このように、本実施の形態では、表1に示すように、後述する実施例1〜実施例7に示す各種の検証実験により、シール用静電植毛ブラシ15について、残存トナーの除電性及び剥離性が向上することがわかった。
【0089】
【表1】
【0090】
その結果、本実施の形態の現像装置10では、さらに、以下の構成を有している。
【0091】
まず、本実施の形態の現像装置10においては、後述する実施例5に示すように、シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cの繊度は、2デシテックス(T)以上であることが好ましい。ここで、デシテックス(T)とは、「長さ10,000mの繊維(糸)の重さがNグラムであるとき、その繊維(糸)はNデシテックス(T)である」と定義される。
【0092】
このように、導電性ブラシ毛15cの繊度を2デシテックス(T)以上の太さにすることにより、残存トナーの撹乱及び剥離を効率的に行うことができる。
【0093】
尚、導電性ブラシ毛15cの繊度は、詳細には、2〜30デシテックス(T)が好ましく、2〜6デシテックス(T)がより好ましい。
【0094】
また、本実施の形態の現像装置10では、シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cの繊維は、非磁性1成分トナーに対して帯電系列が、同じ材質、又は同じ材質よりもトナー極性方向において上位に位置する材質からなっていることが好ましい。つまり、非磁性1成分トナーに対して帯電系列が、同じ材質、又はマイナス帯電の場合は同じ材質よりもマイナス側若しくはプラス帯電の場合は同じ材質よりもプラス側に位置する材質からなっていることが好ましい。この構成は、後述する実施例1により検証できたものである。
【0095】
ここで、帯電系列は、図3のように示される。本実施の形態では、非磁性1成分トナーとして、マイナス帯電のポリエステルのものを使用している。したがって、シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cの繊維は、図3に示す帯電系列に基づいて、帯電系列が同じ材質であるポリエステル、又はマイナス帯電においてポリエステルよりもマイナス側に位置する材質であるアクリル、ポリエチレン、セルドイド、セロファン、塩化ビニール、テフロン(登録商標)からなっていることが好ましい。
【0096】
これにより、前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛の繊維を、非磁性1成分トナーが除電される方向に帯電し易い材質としているので、残存トナーの除電を効率的に行うことができる。
【0097】
尚、実施例1においては、シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cの繊維を、ポリエステル又はアクリルとすることにより、確実に、非磁性1成分トナーが除電される方向に帯電し易い材質とすることができた。
【0098】
また、本実施の形態の現像装置10においては、シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cは、図4に示すように、非導電層からなるコア部と導電層からなる外層部とを備えた2層構造となったいわゆる芯鞘型、全体が導電層からなるいわゆる全分散型の導電性ブラシ毛15cとが使用できる。
【0099】
しかしながら、実施例2に示すように、形態シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cは、図4に示すように、非導電層からなるコア部と導電層からなる外層部とを備えた2層構造となったいわゆる芯鞘型であることが好ましい。
【0100】
これにより、全体が導電層からなるいわゆる全分散型の導電性ブラシ毛15cよりも残存トナーの除電を効率的に行うことができる。すなわち、芯鞘型の場合には、電圧印加時の電荷注入効率が良く、除電し易いためである。
【0101】
ここで、芯鞘型において、外層部を導電層にする方法は特に限定されないが、例えば、外層部に導電性材料を練り込む方法等が挙げられる。導電性材料としては、カーボン、ニッケル等の金属、酸化錫等の金属酸化物の粉が用いることできる。また、導電性ブラシ毛15cの断面形状は、円形又は楕円形であってもよいし、多角形の角が丸くなった形状であってもよい。尚、ブラシ毛の断面形状コーナーの丸み(アール)があることが好ましい。
【0102】
また、本実施の形態の現像装置10では、後述する実施例6に示すように、シール用静電植毛ブラシ15と現像ロール12との接触ニップ幅は、1.5mmを超える値であることが好ましい。尚、接触ニップ幅は、2.0mm以上がより好ましい。これにより、残存トナーの除電及び撹乱を効率的に行うことができる。
【0103】
また、本実施の形態の現像装置10では、シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cは、例えば、図5に示すように、複数の植毛を所定長さの筋状の束にして形成した筋状植毛束が基材15aに接着剤15bを介して複数設けられていると共に、基材15aにおける複数の筋状植毛束は、規則的な配列パターンを有して配されていることが好ましい。
【0104】
これにより、従来の点状の植毛群からなる静電植毛ブラシとは異なり、線状の植毛群で残存トナーに接触するので、残存トナーへの接触能力、現像剤の搬送能力及び攪拌能力が、従来の点状の植毛群に比べて大きい。したがって、残存トナーの除電及び撹乱を効率良く行うことができる。
【0105】
また、本実施の形態の現像装置10では、図5に示すように、シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cは、第1方向を向いた第1方向筋状植毛束B1と、該第1方向とは異なる第2方向を向いた第2方向筋状植毛束B2とを組み合わせて対にした一対筋状植毛束が、正方格子配列又は千鳥格子配列に配された規則的な配列パターンを有しているとすることができる。
【0106】
これにより、連続的な一対筋状植毛束の繰り返しにより、残存トナーの除電及び撹乱を効率良く行うことができる。
【0107】
また、本実施の形態の現像装置10では、図6に示すように、シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cは、基材15aにおける複数の筋状植毛束は、第1方向を向いた第1方向筋状植毛束B1と、該第1方向とは異なる第2方向を向いた第2方向筋状植毛束B2とが、各行毎に、かつ千鳥格子配列に配された規則的な配列パターンを有しているとすることができる。
【0108】
これにより、残存トナーの接触性及び通過性が優れているので、残存トナーの除電及び撹乱を効率良く行うことができる。
【0109】
また、本実施の形態の現像装置10では、シール用静電植毛ブラシ15は、基材15aが平板にてなるバー型ブラシからなっているとすることができる。これにより、図1に示すように、現像装置10の内部における狭い部分においても容易に設置することができる。
【0110】
また、本実施の形態の現像装置10では、シール用静電植毛ブラシ15は、基材15aが円柱形状にてなるロール型ブラシからなっているとすることができる。すなわち、シール用静電植毛ブラシ15は、平板へ植毛するものとなっており、その平板はフィルム及び弾性体を含み、かつ現像剤容器11に直接植毛することを含む。弾性体とは、スポンジ、ゴム等である。
【0111】
これにより、バー型ブラシのように導電性ブラシ毛15cが現像ロール12に常に接触しているということがないので、導電性ブラシ毛15cの寿命を延ばすことができる。
【実施例】
【0112】
本実施の形態のシール用静電植毛ブラシ15における除電効果と剥離効果を確認するために、以下のパラメータについて各種の実験を行った。
(1)導電性ブラシ毛15cの材質
(2)導電性ブラシ毛15cの形状(繊維構造)
(3)導電性ブラシ毛15cの抵抗値
(4)接着剤15bの導電性
(5)導電性ブラシ毛15cの繊度
(6)導電性ブラシ毛15cの現像ロール12への接触ニップ幅
(7)シール用静電植毛ブラシ15への印加電圧
これらのパラメータを評価するに際しての実験方法については以下のようにして行った。
【0113】
まず、除電効果については、図7に示すように、現像ロール12に作成したトナー薄層を導電性ブラシ毛15cの各種形態である目的部材に通過させ、通過前後のトナー帯電量の差により評価した。この場合、通過前後のトナー帯電量の差異が大きいということは、除電効果が大きいということになる。
【0114】
次に、剥離効果については、図8(a)に示すように、目的部材を使用した際に、白地印字後(現像後の残存トナーが多く、現像剤供給ロール13が現像剤Tの剥離及び供給の双方を行う必要が有る状態)と、図8(b)に示すように、ベタ印字後(現像後の残存トナーが無く、現像剤供給ロール13が現像剤Tの供給のみを行う状態)とでの現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差により評価した。この場合、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異が小さいということは、剥離効果が大きいということになる。
【0115】
また、評価条件は、表2に示すように、使用トナーとして非磁性1成分トナーであるポリエステル系/負帯電トナーを使用し、印加電圧は、現像ロール12が−280V、現像剤供給ロール13が−350V、目的部材が−200V(印加バイアス評価時を除く)とした。
【0116】
【表2】
【0117】
また、パラメータ条件としては、表3に示す各種のパラメータにおけるパラメータ条件を標準状態をとし、各種のパラメータについて種類を変えて行った。したがって、ある特定のパラメータについて種類を変えて行うときには、他の種類のパラメータについては、表3に示す標準状態の各種のパラメータ条件を使用した。
【0118】
【表3】
【0119】
〔実施例1〕
最初に、導電性ブラシ毛15cの材料として、どういうものが最適であるかについて検討した。すなわち、前記図3に示す帯電系列に基づいて、現像剤Tに対してどのような材料の導電性ブラシ毛15cを選択すると、除電性及び剥離性が向上するかを調査した。
【0120】
本実施例では、非磁性1成分トナーは、ポリエステル系の負帯電トナーを使用している。これに対して、実験では、導電性ブラシ毛15cの材料として、ナイロン、ポリエステル、アクリルを選んで、検討を行った。
【0121】
このときの、評価仕様は、表4に示すとおりである。
【0122】
【表4】
【0123】
その結果、除電効果については、図9(a)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、0(μC/g)であるのに対して、ナイロンの場合は−4(μC/g)、ポリエステルの場合は−6(μC/g)、アクリルの場合は−8(μC/g)となり、アクリルが最も良いことが分かった。
【0124】
また、剥離効果については、図9(b)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、0.35(mg/cm2)であるのに対して、ナイロンの場合は0.25(mg/cm2)、ポリエステルの場合は0.17(mg/cm2)、アクリルの場合は0.1(mg/cm2)となり、アクリルが最も良いことが分かった。
【0125】
この結果、導電性ブラシ毛15cの材料としては、ポリエステルからなる非磁性1成分トナーに対して帯電系列が、同じ材質、又は同じ材質よりもトナー極性方向において上位に位置する材質からなっていることが、除電効果及び剥離性が優れていることが分かった。
【0126】
具体的には、導電性ブラシ毛15cの材料としては、マイナス帯電においては、ポリエステルが好ましく、アクリルがより好ましいことが分かった。
〔実施例2〕
次に、導電性ブラシ毛15cの繊維構造の影響について検討した。すなわち、前記図4に示すように、繊維構造として、全分散型又は芯鞘型のいずれが除電性及び剥離性が優れているかを調査した。
【0127】
このときの、評価仕様は、表5に示すとおりである。
【0128】
【表5】
【0129】
その結果、除電効果については、図10(a)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、0(μC/g)であるのに対して、全分散型の場合は−6(μC/g)、芯鞘型の場合は−8(μC/g)となり、芯鞘型が最も良いことが分かった。
【0130】
また、剥離効果については、図10(b)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、0.35(mg/cm2)であるのに対して、全分散型の場合は0.17(mg/cm2)、芯鞘型の場合は0.10(mg/cm2)となり、芯鞘型の方が良いことが分かった。
【0131】
この結果、導電性ブラシ毛15cの繊維構造としては、全分散型に比べて芯鞘型の方が、除電効果及び剥離性が優れていることが分かった。
〔実施例3〕
次に、導電性ブラシ毛15cの抵抗値の影響について検討した。すなわち、導電性ブラシ毛15cの抵抗値について、どの程度のものが除電性及び剥離性が優れているかを調査した。
【0132】
このときの、評価仕様は、表6に示すとおりである。すなわち、導電性ブラシ毛15cの抵抗値の影響調査として、導電性ブラシ毛15cの繊維抵抗値を、無限大(絶縁)、1012 (Ω/cm・F)、1010 (Ω/cm・F)、108 (Ω/cm・F)、106 (Ω/cm・F)のように変化させて実験を行った。尚、この抵抗値は、1フィラメント(F)の導電性ブラシ毛15cにおける1cm当りの抵抗値を示している。
【0133】
【表6】
【0134】
その結果、除電効果については、図11(a)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、導電性ブラシ毛15cの抵抗値に関わらず0(μC/g)である。これに対して、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、抵抗値が無限大から1012 (Ω/cm・F)までは、0〜−2(μC/g)程度であるのに対して、1012 (Ω/cm・F)未満から106 (Ω/cm・F)までは、−2〜−11(μC/g)と急激に増加していることが分かる。
【0135】
また、剥離効果については、図11(b)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、0.35(mg/cm2)である。これに対して、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、抵抗値が無限大から1012 (Ω/cm・F)までは、0.33(mg/cm2)以下であるのに対して、1012 (Ω/cm・F)未満から106 (Ω/cm・F)までは、0.33〜0.07(mg/cm2)と急激に増加していることが分かる。
【0136】
この結果、導電性ブラシ毛15cの抵抗値としては、1012 (Ω/cm・F)未満が除電効果及び剥離性が優れていることが分かった。尚、実験では、抵抗値として、106 (Ω/cm・F)までしか測定していないが、これよりも小さい場合には、除電効果及び剥離性が優れていることは図から類推して、或いは理論的に考えても明らかである。
〔実施例4〕
次に、接着剤15bの導電性の影響について検討した。すなわち、接着剤15bの導電性について、導電性又は非導電性のいずれの方が除電性及び剥離性に優れているかを調査した。尚、接着剤15bの導電性については、接着剤15bにカーボンを混入して、抵抗値が略0(Ω)となる導電性を付与した。
【0137】
このときの、評価仕様は、表7に示すとおりである。
【0138】
【表7】
【0139】
その結果、除電効果については、図12(a)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、0(μC/g)である。これに対して、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、接着剤15bが絶縁性の場合には−6(μC/g)であるのに対して、接着剤15bが導電性の場合には−12(μC/g)であることが分かる。
【0140】
また、剥離効果については、図12(b)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、0.35(mg/cm2)である。これに対して、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、接着剤15bが絶縁性の場合には0.17(mg/cm2)であるのに対して、接着剤15bが導電性の場合には0.03(mg/cm2)であることが分かる。
【0141】
この結果、接着剤15bが導電性・非導電性については、接着剤15bが導電性である方が、除電効果及び剥離性が優れていることが分かった。
〔実施例5〕
次に、導電性ブラシ毛15cの繊度の影響について検討した。すなわち、導電性ブラシ毛15cの繊度について、どの程度のものが剥離性に優れているかを調査した。
【0142】
このときの、評価仕様は、表8に示すとおりである。
【0143】
【表8】
【0144】
その結果、剥離効果について、図13に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、0.35(mg/cm2)である。これに対して、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、繊度が0.5デシテックス(T)から2デシテックス(T)までは、0.32以下から0.18(mg/cm2)を越える値までであり変化量が大きいのに対して、繊度が2〜6デシテックス(T)では、0.18〜0.16(mg/cm2)と略一定値を保っていることが分かる。
【0145】
この結果、導電性ブラシ毛15cの繊度としては、2デシテックス(T)以上が剥離性に優れていることが分かった。尚、実験では、繊度として、6デシテックス(T)までしか測定していないが、30デシテックス(T)までは、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、略一定値を保持することが確認できている。したがって、導電性ブラシ毛15cの繊度の影響については、繊度が2〜30デシテックス(T)が好ましく、2〜6デシテックス(T)がより好ましく、剥離性に優れているといえる。
〔実施例6〕
次に、導電性ブラシ毛15cの接触ニップ幅の影響について検討した。すなわち、導電性ブラシ毛15cの接触ニップ幅について、どの程度のものが除電性及び剥離性に優れているかを調査した。
【0146】
このときの、評価仕様は、表9に示すとおりである。
【0147】
【表9】
【0148】
その結果、導電性ブラシ毛15cの接触ニップ幅については、図14(a)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、0(μC/g)である。これに対して、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、接触ニップ幅が0.5〜1.5mmまでは、−1〜−3(μC/g)程度であるのに対して、接触ニップ幅が1.5〜2.5mmでは、−2〜−8(μC/g)と急激に増加していることが分かる。
【0149】
また、剥離効果については、図14(b)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、0.35(mg/cm2)である。これに対して、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、接触ニップ幅が0.5〜1.5mmまでは、0.33〜0.30(mg/cm2)であるのに対して、接触ニップ幅が1.5〜2.5mmでは、0.3〜0.12(mg/cm2)と急激に増加していることが分かる。
【0150】
この結果、導電性ブラシ毛15cの接触ニップ幅としては、接触ニップ幅1.5mmを越えていることが除電効果及び剥離性に優れていることが分かった。尚、実験では、接触ニップ幅として2.5mmまでしか測定していないが、これよりも大きい場合には、除電効果及び剥離性が優れていることは図から類推して、或いは理論的に考えても明らかである。
〔実施例7〕
次に、導電性ブラシ毛15cの印加電圧の影響について検討した。すなわち、導電性ブラシ毛15cの印加電圧について、どの程度のものが除電性及び剥離性に優れているかを調査した。
【0151】
このときの、評価仕様は、表10に示すとおりである。尚、前述したように、現像ロール12の印加電圧は、−280Vとなっている。
【0152】
【表10】
【0153】
その結果、導電性ブラシ毛15cの印加電圧については、図15(a)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、0(μC/g)である。これに対して、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、導電性ブラシ毛15cの印加電圧が−100〜−280Vまでは、−9〜0(μC/g)であるのに対して、導電性ブラシ毛15cの印加電圧が−280〜−400Vでは、0〜+6(μC/g)とリファレンスよりも悪くなっていることが分かる。
【0154】
また、剥離効果については、図15(b)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、0.35(mg/cm2)である。これに対して、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、導電性ブラシ毛15cの印加電圧が−100〜−280Vまでは、0.13〜0.35(mg/cm2)であるのに対して、導電性ブラシ毛15cの印加電圧が−280〜−400Vでは、0.35〜0.47(mg/cm2)とリファレンスよりも悪くなっていることが分かる。
【0155】
この結果、導電性ブラシ毛15cの印加電圧としては、現像ロール12と同電位(=−280V)、又はトナー電荷を中和する方向に電圧が印加されていなければ、つまり本実施の形態では、印加電圧が−100から〜−280Vが印加されていなければ、印加電圧除電性能及び剥離性能は、却って悪化することが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本発明の現像装置、及び画像形成装置は、感光体上の静電潜像を1成分非磁性トナーを用いて現像するプリンタ、複写機、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置における現像装置、及び画像形成装置に適用できる。特に、現像剤担持体の残存トナー処理用の静電植毛ブラシに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明における現像装置の実施の一形態を示すものであり、現像装置の構成を示す断面図である。
【図2】上記現像装置を備えた画像形成装置の画像形成部を示す全体構成図である。
【図3】上記現像装置に適用される非磁性1成分トナーに対する帯電系列を示す図である。
【図4】上記現像装置における現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛についての、2種類の繊維構造を示す断面図である。
【図5】上記現像装置におけるロール型ブラシからなる現像剤除去補助部材を示す斜視図である。
【図6】上記現像剤除去補助部材における第1方向筋状植毛束と第2方向筋状植毛束とを、各行毎に、かつ千鳥格子配列に配した規則的な配列パターンを示す図である。
【図7】上記現像剤除去補助部材における実験条件を示す断面図である。
【図8】(a)(b)は、上記現像剤除去補助部材における実験条件の具体的評価方法を示す断面図である。
【図9】(a)は上記現像剤除去補助部材におけるパイル材料と除電効果との関係を示すグラフであり、(b)は上記現像剤除去補助部材におけるパイル材料と現像剤供給ロールでの剥離性との関係を示すグラフである。
【図10】(a)は上記現像剤除去補助部材における繊維構造と除電効果との関係を示すグラフであり、(b)は上記現像剤除去補助部材における繊維構造と現像剤供給ロールでの剥離性との関係を示すグラフである。
【図11】(a)は上記現像剤除去補助部材における導電性ブラシ毛の抵抗値と除電効果との関係を示すグラフであり、(b)は上記現像剤除去補助部材における導電性ブラシ毛の抵抗値と現像剤供給ロールでの剥離性との関係を示すグラフである。
【図12】(a)は上記現像剤除去補助部材における接着剤種類と除電効果との関係を示すグラフであり、(b)は上記現像剤除去補助部材における接着剤種類と現像剤供給ロールでの剥離性との関係を示すグラフである。
【図13】上記現像剤除去補助部材における導電性ブラシ毛の繊度と剥離性との関係を示すグラフである。
【図14】(a)は上記現像剤除去補助部材における接触ニップ幅と除電効果との関係を示すグラフであり、(b)は上記現像剤除去補助部材における接触ニップ幅と現像剤供給ロールでの剥離性との関係を示すグラフである。
【図15】(a)は上記現像剤除去補助部材における印加バイアスと除電効果との関係を示すグラフであり、(b)は上記現像剤除去補助部材における印加バイアスと現像剤供給ロールでの剥離性との関係を示すグラフである。
【図16】従来の現像装置の構成を示す断面図である。
【図17】従来の他の現像装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0158】
1 感光体ドラム(静電潜像担持体)
10 現像装置
11 現像剤容器
12 現像ロール(現像剤担持体)
13 現像剤供給ロール
14 現像剤規制ブレード
15 現像剤除去補助部材
15a 基材
15b 接着剤
15c 導電性ブラシ毛
16 送り羽根
17 バイアス電源
30 画像形成部
B1 第1方向筋状植毛束
B2 第2方向筋状植毛束
T 現像剤
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体上の静電潜像を1成分非磁性トナーを用いて現像するプリンタ、複写機、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置における現像装置、及び画像形成装置に関するものであり、特に、現像剤担持体の残存トナー処理用の静電植毛ブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンター、複写機、ファクシミリ等の電子写真方式を採用する画像形成装置の現像装置として、例えば、特許文献1に開示された現像装置がある。
【0003】
この特許文献1に開示された現像装置100は、図16に示すように、ケーシング101内に、トナー102を表面に担持して感光体111に該トナー102を供給する現像ローラ103と、この現像ローラ103上にトナー102を供給するトナー供給ローラ104と、現像ローラ103に当接して現像ローラ103上に供給されたトナー102の帯電を行ない、トナー102の均一薄層を形成するトナー規制ブレード105とを有している。
【0004】
ここで、1成分現像剤を用いる従来の現像装置、特に非磁性1成分現像装置においては、現像ローラ103上にトナー層の薄膜を均一に形成することが困難なこと、帯電の不安定により画像の乱れが生じること、及び現像ローラ103の感光体111への現像後に残る残存するトナー102の除去不足によりカブリ等が発生すること等の問題点を有している。
【0005】
この問題を解決するために、上記現像装置100では、現像ローラ103の回転方向におけるトナー供給ローラ104の上流側に、現像ローラ103に摺接する弾性部材106を設けている。これにより、現像後の現像ローラ103上に存在する残存トナー層を全て除去するのではなく、むしろ均一化することにより、トナー規制ブレード105による帯電後に安定したトナー荷電薄層を形成し、カブリ等のない高品質の画像が得られるとしている。また、この弾性部材106の材料としては、発泡シリコンゴム等のゴム、若しくは発泡ポリウレタン等のそれ自体弾性を有する材料、又はポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維等を植毛した植毛パッド等を挙げている。
【0006】
一方、類似の技術として、特許文献2に開示された現像装置がある。この特許文献2に開示された現像装置200では、図17に示すように、弾性体層201と磁極ピッチが微細な磁界発生層202とを有する現像ローラ203をドラム状の感光体211に押圧接触させて、感光体211上の静電潜像を現像ローラ203上に保持させた1成分磁性トナーによって現像する構成の下、現像ローラ203と感光体211との接触部204よりも回転方向下流側位置の現像容器205の開口部206内で現像ローラ203表面に対してトレーリング方向に密閉的に接触する逆流防止部材として例えば、ブラシ部材207を備えて、現像ローラ203表面に生ずる不均一な電荷をブラシ部材207の摺接により掻き混ぜて均一化させると共に、トナー飛散を防止するシール機能を持たせている。
【0007】
また、この特許文献2に開示された現像装置200では、ブラシ部材207に導電性を持たせると共に、バイアス電源208によってバイアス電圧が印加されている。このバイアス電圧は現像ローラ203及び現像ブレード209と同じ電圧である。これにより、現像ローラ203の表面の電荷は接触部204よりも下流側において導電性を有するブラシ部材207を通して除電される。したがって、ブラシ部材207によって電荷のムラが掻き混ぜられ分散されて均一化されながら、現像ローラ203表面の電荷が除電される上に、現像ローラ203上のトナーに不均一な電荷が注入されることがない。この結果、不均一な電荷の蓄積がなくなり、現像ローラ203表面における電荷のムラに起因する悪影響の防止効果が向上するとしている。
【特許文献1】特開昭63−155069号公報(昭和63年6月28日公開)
【特許文献2】特開平9−50188号公報(平成9年2月18日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の現像装置100では、現像後の現像ローラ103上に存在する残存トナー層を全て除去するのではなく、均一化するだけであり、剥離性能において改善の余地がある。
【0009】
一方、上記特許文献2に開示された従来の現像装置200では、ブラシ部材207の材料に関する開示がない。したがって、除電効果及び撹乱効果において改善の余地がある。
【0010】
また、特許文献2に開示されたトナーは磁性一成分トナーであり、磁性1成分トナーの場合には、現像ローラ203の残存トナーは、現像ローラ203内部の交番磁界により現像ローラ203表面への吸着性が強く、剥離性能は望めないことから、現像ローラ203表面に付着した残存トナーの除電性能が先ず主要な目的とされ、この除電性能を向上させるために撹乱効果が要求される。すなわち、現像ローラ203表面に付着した残存トナーの除電が不十分であると、新たな交番磁界にて新たに供給される現像ローラ203表面のトナーにバイアスの電位差による不均一な電荷の注入が生じるので、異常画像が発生する可能性がある。
【0011】
これに対して、非磁性1成分トナーを使用する場合には、現像ローラに対して現像剤供給ローラにて新たなトナーを供給するので、現像剤供給ローラにて現像剤を供給する前にできるだけ現像ローラの残存トナーを剥離しておくのが好ましい。また、現像剤供給ローラにて、現像ローラの回転上流側の残存トナーを最終的に剥離することになるが、現像剤供給ローラでの残存トナーの剥離を容易なものにしておく必要がある。
【0012】
したがって、磁性1成分トナーを使用した場合の現像ローラの残トナー処理用ブラシと、非磁性1成分トナーを使用した場合の現像ローラの残トナー処理用ブラシとでは、必然的に機能が異なっており、同一の構造では、適切な現像を行うことができないという問題点を有している。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、非磁性1成分現像剤を使用した場合に、現像剤担持体に対する適切な現像剤除去補助部材を用いて現像を適切に行い得る現像装置、及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の現像装置は、上記課題を解決するために、非磁性1成分トナーからなる現像剤を収容する現像剤容器と、静電潜像担持体への現像を行う現像剤担持体と、上記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材と、上記現像剤担持体上の現像剤の量を規制する現像剤量規制部材とを備えた現像装置において、上記現像剤担持体の回転方向における上記現像剤供給部材の上流側に、基材上の接着剤に静電植毛された導電性ブラシ毛を有する現像剤除去補助部材を備え、上記現像剤除去補助部材における導電性ブラシ毛の繊維の抵抗値が1012 (Ω/cm・フィラメント)未満であり、かつ上記接着剤は導電性を有していると共に、上記導電性ブラシ毛には、上記現像剤担持体と同電位、又は現像剤電荷を中和する方向に電圧が印加されていることを特徴としている。
【0015】
従来、現像剤担持体上における現像後の残存トナーの掻き取り性が不足し、カブリ等の画像劣化の原因となっていた。
【0016】
そこで、本発明では、現像装置は、非磁性1成分トナーからなる現像剤を使用しており、現像剤担持体の回転方向における現像剤供給部材の上流側に、基材上の接着剤に静電植毛された導電性ブラシ毛を有する現像剤除去補助部材を備えている。そして、現像剤除去補助部材における導電性ブラシ毛の繊維の抵抗値は1012 (Ω/cm・フィラメント)未満であり、かつ接着剤は導電性を有している。また、導電性ブラシ毛には、上記現像剤担持体と同電位、又は現像剤電荷を中和する方向に電圧が印加されている。
【0017】
このため、導電性ブラシ毛を現像後の現像剤担持体における残存トナーに対して、現像剤電荷を中和する方向に電圧を印加しながら接触させることにより、残存トナーの除電及び撹乱を行うので、現像剤供給部材での残存トナーを除去し易い状態にする。したがって、現像剤供給部材において、残存トナーを確実に掻き取ることができるので、現像剤供給部材での新たな現像剤の供給において、電荷の残った残存トナーが残っているということがない。
【0018】
この結果、現像剤担持体上における現像後の残存トナーの掻き取り性が不足し、カブリ等の画像劣化の原因となることがない。
【0019】
すなわち、磁性1成分トナーの場合には、交番磁界により残存トナーに対して吸着力が作用しているので、残存トナーを完全に除去することはできない。このため、磁性1成分トナーの場合には、例えば特許文献2のように、現像剤除去補助部材の機能は、残存トナーの分散化及び不均一な電荷の均一化に止まっていた。
【0020】
しかし、非磁性1成分トナーの場合には、交番磁界により残存トナーに対して吸着力が作用するということがないので、現像剤除去補助部材を適切に構成することにより、残存トナーを完全に除去することが可能である。
【0021】
この点、本発明では、導電性ブラシ毛に現像剤電荷を中和する方向に電圧を印加するに際して、導電性ブラシ毛の繊維の抵抗値を1012 (Ω/cm・フィラメント)未満とし、かつ接着剤は導電性を有している。したがって、残存トナーの除電及び剥離を効率的に行う構成となっている。
【0022】
この結果、非磁性1成分現像剤を使用した場合に、現像剤担持体に対する適切な現像剤除去補助部材を用いて現像を適切に行い得る現像装置を提供することができる。
【0023】
本発明の現像装置では、前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛の繊度は、2デシテックス(T)以上であることが好ましい。
【0024】
これにより、導電性ブラシ毛の繊度を2デシテックス(T)以上の太さにすることにより、残存トナーの撹乱及び剥離を効率的に行うことができる。
【0025】
また、本発明の現像装置では、前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛の繊維は、前記非磁性1成分トナーに対して帯電系列が、同じ材質、又は同じ材質よりもトナー極性方向において上位に位置する材質からなっていることが好ましい。つまり、非磁性1成分トナーに対して帯電系列が、同じ材質、又はマイナス帯電の場合は同じ材質よりもマイナス側若しくはプラス帯電の場合は同じ材質よりもプラス側に位置する材質からなっていることが好ましい。
【0026】
これにより、前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛の繊維を、非磁性1成分トナーが除電される方向に帯電し易い材質としているので、残存トナーの除電を効率的に行うことができる。
【0027】
また、本発明の現像装置では、前記非磁性1成分トナーは、ポリエステルからなっていると共に、前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛の繊維は、ポリエステル又はアクリルからなっていることが好ましい。
【0028】
これにより、非磁性1成分トナーが、ポリエステルからなっている場合に、現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛の繊維を、ポリエステル又はアクリルとすることにより、確実に、非磁性1成分トナーが除電される方向に帯電し易い材質とすることができる。
【0029】
また、本発明の現像装置では、前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛は、非導電層からなるコア部と導電層からなる外層部とを備えた2層構造となっていることが好ましい。
【0030】
これにより、全体が導電層からなる導電性ブラシ毛よりも残存トナーの除電を効率的に行うことができる。
【0031】
また、本発明の現像装置では、前記現像剤除去補助部材と現像剤担持体との接触ニップ幅は、1.5mmを超える値であることが好ましい。
【0032】
これにより、残存トナーの除電及び撹乱を効率的に行うことができる。
【0033】
また、本発明の現像装置では、前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛は、複数の植毛を所定長さの筋状の束にして形成した筋状植毛束が基材に接着剤を介して複数設けられていると共に、上記基材における複数の筋状植毛束は、規則的な配列パターンを有して配されていることが好ましい。
【0034】
これにより、従来の点状の植毛群からなる静電植毛ブラシとは異なり、線状の植毛群で残存トナーに接触するので、残存トナーへの接触能力、現像剤の搬送能力及び攪拌能力が、従来の点状の植毛群に比べて大きい。したがって、残存トナーの除電及び撹乱を効率良く行うことができる。
【0035】
また、本発明の現像装置では、前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛は、第1方向を向いた第1方向筋状植毛束と、該第1方向とは異なる第2方向を向いた第2方向筋状植毛束とを組み合わせて対にした一対筋状植毛束が、正方格子配列又は千鳥格子配列に配された規則的な配列パターンを有しているとすることができる。
【0036】
これにより、連続的な一対筋状植毛束の繰り返しにより、残存トナーの除電及び撹乱を効率良く行うことができる。
【0037】
また、本発明の現像装置では、前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛は、前記基材における複数の筋状植毛束は、第1方向を向いた第1方向筋状植毛束と、該第1方向とは異なる第2方向を向いた第2方向筋状植毛束とが、各行毎に、かつ千鳥格子配列に配された規則的な配列パターンを有しているとすることができる。
【0038】
これにより、残存トナーの接触性及び通過性が優れているので、残存トナーの除電及び撹乱を効率良く行うことができる。
【0039】
また、本発明の現像装置では、前記現像剤除去補助部材は、前記基材が平板にてなるバー型ブラシからなっているとすることができる。すなわち、現像剤除去補助部材は、平板へ植毛するものとなっており、その平板はフィルム及び弾性体を含み、かつ現像剤容器に直接植毛することを含む。
【0040】
これにより、現像装置の内部における狭い部分においても容易に設置することができる。
【0041】
また、本発明の現像装置では、前記現像剤除去補助部材は、前記基材が円柱形状にてなるロール型ブラシからなっているとすることができる。
【0042】
これにより、バー型ブラシのように導電性ブラシ毛が現像剤担持体に常に接触しているということがないので、導電性ブラシ毛の寿命を延ばすことができる。
【0043】
本発明の画像形成装置は、上記課題を解決するために、上記記載の現像装置を備えていることを特徴としている。
【0044】
上記の発明によれば、非磁性1成分現像剤を使用した場合に、現像剤担持体に対する適切な現像剤除去補助部材を用いて現像を適切に行い得る現像装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明の静電植毛ブラシは、以上のように、現像剤担持体の回転方向における現像剤供給部材の上流側に、基材上の接着剤に静電植毛された導電性ブラシ毛を有する現像剤除去補助部材を備え、上記現像剤除去補助部材における導電性ブラシ毛の繊維の抵抗値が1012 (Ω/cm・F)未満であり、かつ上記接着剤は導電性を有していると共に、上記導電性ブラシ毛には、上記現像剤担持体と同電位、又は現像剤電荷を中和する方向に電圧が印加されているものである。
【0046】
また、本発明の画像形成装置は、以上のように、上記記載の現像装置を備えているものである。
【0047】
それゆえ、非磁性1成分現像剤を使用した場合に、現像剤担持体に対する適切な現像剤除去補助部材を用いて現像を適切に行い得る現像装置、及び画像形成装置を提供するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
本発明の一実施形態について図1ないし図15に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0049】
図2は、本実施の形態の現像装置を備えた画像形成装置における画像形成部の構造を模式的に示す正面図である。
【0050】
尚、画像形成装置は、画像形成装置が備えるスキャナにて読み込まれたデータや、画像形成装置に接続された外部機器(例えば、パーソナルコンピュータ等の画像処理装置)からのデータを画像として出力するものである。
【0051】
図2に示すように、画像形成部30は、感光体ドラム1と、帯電ブラシ2と、露光装置3と、現像装置10と、転写ブラシ4と、搬送ベルト5と、クリーニング装置20と、図示しない除電手段とを備えており、感光体ドラム1の周囲に、回転方向に沿って、帯電ブラシ2、露光装置3、現像装置10、転写ブラシ4及び搬送ベルト5、クリーニング装置20、及び除電手段をこの順序で配置した構成となっている。
【0052】
感光体ドラム1は、画像形成装置における本発明の静電潜像担持体となるものであり、円柱形状を有している。
【0053】
帯電ブラシ2は、感光体ドラム1と物理的に接触して、感光体ドラム1の表面を一様に所定の電位まで帯電させるためのものである。帯電ブラシ2は、感光体ドラム1と互いの回転軸を平行にして隣接対向して設置されている。
【0054】
露光装置3は、帯電ブラシ2によって帯電された感光体ドラム1の表面を、例えばパーソナルコンピュータ等の画像処理装置からのデータに基づき、レーザ光等により露光して、感光体ドラム1の表面に静電潜像を形成させるためのものである。露光装置3として、例えば半導体レーザや発光ダイオードを用いることができる。
【0055】
現像装置10は、感光体ドラム1の表面に現像剤を供給し、感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像を現像剤像として顕像化するつまり現像するためのものである。この現像装置10については、後で詳述する。
【0056】
搬送ベルト5は、感光体ドラム1の表面に現像剤像が形成された後に、PPC(Plain Paper Copy)用紙等の記録媒体6を感光体ドラム1に運搬するためのものである。
【0057】
転写ブラシ4は、感光体ドラム1の表面の現像剤像を、記録媒体6に転写するためのものである。転写ブラシ4は、板金に、板金と接する面を底面とした見かけ上直方体のブラシ体を貼り付けた固定型ブラシである。転写ブラシ4は、例えば、パイル織り生地からなり、板金の上にブラシ毛を板金の面方向に垂直な方向に起毛したものである。転写ブラシ4は、板金の面方向と記録媒体6の面方向とを平行にして、搬送ベルト5を間に挟んで感光体ドラム1と隣接対向するように設置されている。
【0058】
クリーニング装置20は、クリーニングブラシ21と、固体潤滑剤供給装置22と、クリーニングブレード23とを備えており、感光体ドラム1の表面に残留した現像剤や紙粉等を除去するためのものである。
【0059】
クリーニングブラシ21は、感光体ドラム1と物理的に接触して、感光体ドラム1の表面に残留した現像剤や紙粉等を除去するためのものである。また、クリーニングブラシ21は、例えば、固体潤滑剤塗布ブラシとしての機能を兼ねており、固体潤滑剤供給装置22から供給される固体潤滑剤を、感光体ドラム1の表面に塗布するためのものである。クリーニングブラシ21は、円柱形状の基材にブラシ毛を起毛したロール型ブラシであり、感光体ドラム1の回転軸方向と円柱形状の基材の軸方向とを互いに平行にして、感光体ドラム1に隣接対向するように設置されている。
【0060】
クリーニングブレード23は、感光体ドラム1の表面に残留した現像剤や紙粉等を物理的に掻き落とすためのものである。クリーニングブレード23は、感光体ドラム1の回転方向に沿って、クリーニングブラシ21の後側に備えられ、感光体ドラム1の表面に残留した現像剤や紙粉等を均一に除去するために、感光体ドラム1の法線方向に対して鋭角に摺接している。
【0061】
固体潤滑剤供給装置22は、クリーニングブラシ21及びクリーニングブレード23によるクリーニング効率を高くするためのものである。固体潤滑剤供給装置22は、固体潤滑剤を、クリーニングブラシ21を介して、感光体ドラム1の表面に塗布する。また、固体潤滑剤供給装置22は、クリーニングブラシ21に固体潤滑剤が均一に塗布されるように、クリーニングブラシ21のシャフトの軸方向に広がった略四角柱の形状を有している。固体潤滑剤供給装置22は、クリーニングブラシ21の表面全体に固体潤滑剤が行き渡るように、クリーニングブラシ21と隣接対向して設置されている。使用する固体潤滑剤としては、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
【0062】
除電手段は、感光体ドラム1の表面を除電するためのものである。除電手段としては、例えば除電ブラシ等が挙げられる。
【0063】
上記構成の画像形成装置において、画像を形成する動作を、図2に基づいて説明すると、以下の通りである。
【0064】
感光体ドラム1の表面は、帯電ブラシ2と接触することにより、均一に帯電する。表面が帯電された感光体ドラム1は、露光装置3によって、データに基づき露光され、感光体ドラム1の表面に静電潜像が形成される。そして、現像装置10の現像ロール12により、感光体ドラム1の表面に現像剤が供給され、感光体ドラム1の表面の静電潜像が、現像されて顕像化される。続いて、搬送ベルト5によって記録媒体6が感光体ドラム1へ運搬され、転写ブラシ4によって、感光体ドラム1の表面の現像剤像が、記録媒体6に転写される。転写後の感光体ドラム1は、固体潤滑剤が表面に塗布されたクリーニングブラシ21によって、表面に固体潤滑剤が塗布され、残留した現像剤や紙粉等が、クリーニングブラシ21及びクリーニングブレード23によって除去される。最後に図示しない除電手段により、感光体ドラム1の表面が除電される。このようなサイクルで画像形成は行われる。
【0065】
次に、本実施の形態の特徴である現像装置10の詳細について、図1に基づいて以下に説明する。
【0066】
まず、本実施の形態の現像装置10では、例えば、非磁性1成分トナーからなる現像剤が使用されており、いわゆる非磁性1成分現像方式を採用している。この現像方式は、磁性1成分トナーに対して透明性の高い非磁性1成分トナーが使用できるのでフルカラーの現像に適していると共に、現像ロール12に磁石を用いない点で画像形成装置の小型軽量化に対して非常に有利である。特に、近年開発が盛んになっている小型のパーソナル用複写機、プリンタ、及び普通紙ファックス、並びにフルカラー複写機、フルカラープリンタに対してはこの現像方法を用いる例が多くなってきている。
【0067】
図1に示すように、現像装置10は、現像剤容器11内に、現像剤担持体としての現像ロール12と現像剤供給部材としての現像剤供給ロール13と現像剤規制ブレード14等とを備えており、感光体ドラム1の表面に現像剤Tを供給し、感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像を現像剤像として顕像化するつまり現像する。
【0068】
上記現像ロール12は、感光体ドラム1と物理的に接触して、現像剤供給ロール13から供給される現像剤を感光体ドラム1の表面に供給するためのものである。現像ロール12は、円柱形状を有しており、感光体ドラム1と互いの回転軸を平行にして隣接対向するように設置されている。
【0069】
上記現像剤供給ロール13は、現像ロール12と物理的に接触して、現像ロール12に現像剤を供給するためのものであり、現像剤を保持すると共に、現像剤を現像ロール12の表面に供給する。現像剤供給ロール13は、例えば、円柱形状の基材にブラシ毛を起毛したロール型ブラシからなっている。現像剤供給ロール13は、現像ロール12の回転軸方向と円柱形状の基材の軸方向とを互いに平行にして、現像ロール12に隣接対向するように設置されている。
【0070】
上記現像剤規制ブレード14は、現像ロール12に当接して現像ロール12上に供給された現像剤Tの帯電を行ない、現像剤Tの均一薄層を形成する。
【0071】
また、上記シール用静電植毛ブラシ15は、現像ロール12の回転方向における現像剤供給ロール13の上流側に設けられている。
【0072】
上記構成の現像装置10では、送り羽根16によって現像ロール12近傍に送り込まれた現像剤Tは、現像剤供給ロール13で現像ロール12に塗布され、現像剤規制ブレード14で薄層化された後に、感光体ドラム1との接触部分で感光体ドラム1の潜像の現像に用いられる。そして、現像残りの現像剤Tは再度現像装置10内に戻り、シール用静電植毛ブラシ15にて現像剤Tの除電及び撹乱が行われた後、現像剤供給ロール13によって現像ロール12から剥離されて現像装置10内の現像剤Tと混合される。
【0073】
ところで、上記の現像装置10においては、図1に示す現像剤容器11と現像ロール12との間の開口部11a・11bや、図3に示す現像ロール12の両端部の現像ロール端部開口部11cから、現像剤が漏れるおそれがある。
【0074】
そこで、本実施の形態では、これら開口部11a・11b及び現像ロール端部開口部11cにシール用静電植毛ブラシ15を設けて、これら開口部11a・11b及び現像ロール端部開口部11cから現像剤Tが漏れるのを防止している。
【0075】
ここで、本実施の形態の特徴である現像剤シール用静電植毛ブラシ15について詳述する。
【0076】
本実施の形態のシール用静電植毛ブラシ15は、図1に示すように、例えば金属プレートからなる平板上の基材15a上の接着剤15bに静電植毛された導電性ブラシ毛15cからなっている。ただし、本発明では、基材15aは、必ずしも金属プレートからなる平板に限らず、板、シート又はフィルム等の平面部材であってもよい。また、シール用静電植毛ブラシ15は、例えば、芯材となるアルミ管等の基材15aに接着剤15bを塗布し、この接着剤15bに導電性ブラシ毛15cを静電植毛したものでもよい。したがって、静電植毛ブラシは、基材が平板にてなるバー型ブラシに限らず、基材が円柱形状にてなるロール型ブラシであってもよい。
【0077】
ところで、従来、現像ロール12上における現像後の残存トナーの掻き取り性が不足し、カブリ等の画像劣化の原因となっていた。
【0078】
そこで、本実施の形態では、現像装置10は、非磁性1成分トナーからなる現像剤Tを使用しており、現像ロール12の回転方向における現像剤供給ロール13の上流側に、基材15a上の接着剤15bに静電植毛された導電性ブラシ毛15cを有するシール用静電植毛ブラシ15を備えている。そして、シール用静電植毛ブラシ15における導電性ブラシ毛15cの繊維の抵抗値は1012 (Ω/cm・フィラメント)未満であり、かつ接着剤15bは導電性を有している。また、導電性ブラシ毛15cには、現像ロール12と同電位、又は現像剤電荷を中和する方向に電圧が印加されている。
【0079】
このため、導電性ブラシ毛15cを現像後の現像ロール12における残存トナーに対して、現像ロール12と同電位、又は現像剤電荷を中和する方向に電圧を印加しながら接触させることにより、残存トナーの除電及び撹乱を行うので、現像剤供給ロール13での残存トナーを除去し易い状態にする。したがって、現像剤供給ロール13において、残存トナーを確実に掻き取ることができるので、現像剤供給ロール13での新たな現像剤Tの供給において、電荷の残った残存トナーが残っているということがない。
【0080】
この結果、現像剤担持体上における現像後の残存トナーの掻き取り性が不足し、カブリ等の画像劣化の原因となることがない。
【0081】
すなわち、磁性1成分トナーの場合には、交番磁界により残存トナーに対して吸着力が作用しているので、残存トナーを完全に除去することはできない。このため、磁性1成分トナーの場合には、例えば特許文献2のように、現像剤除去補助部材の機能は、残存トナーの分散化及び不均一な電荷の均一化に止まっていた。
【0082】
しかし、非磁性1成分トナーの場合には、交番磁界により残存トナーに対して吸着力が作用するということがないので、シール用静電植毛ブラシ15を適切に構成することにより、残存トナーを完全に除去することが可能である。
【0083】
この点、本実施の形態では、バイアス電源17にて導電性ブラシ毛15cに現像剤電荷を中和する方向に電圧を印加するに際して、導電性ブラシ毛15cの繊維の抵抗値を1012 (Ω/cm・フィラメント)未満とし、かつ接着剤15bは導電性を有している。したがって、残存トナーの除電及び剥離を効率的に行う構成となっている。
【0084】
この結果、非磁性1成分トナーを使用した場合に、現像ロール12に対する適切なシール用静電植毛ブラシ15を用いて現像を適切に行い得る現像装置10を提供することができるものとなっている。
【0085】
ここで、本実施の形態において、導電性ブラシ毛15cに現像ロール12と同電位、又は現像剤電荷を中和する方向に電圧を印加するとしたのは、後述する実施例7に示すように、現像剤電荷を中和する方向に電圧が印加されていなければ、除電性能及び剥離性能は、却って悪化することが分かったためである。
【0086】
また、本実施の形態において、導電性ブラシ毛15cの繊維の抵抗値を1012 (Ω/cm・フィラメント)未満としたのは、後述する実施例3に示すように、導電性ブラシ毛15cの抵抗値としては、1012 (Ω/cm・フィラメント)未満が除電効果及び剥離性が優れていることが分かったためである。
【0087】
さらに、本実施の形態において、接着剤15bが導電性を有しているのは、後述する実施例4に示すように、接着剤15bが導電性である方が、非導電性であることに比べて、除電効果及び剥離性が優れていることが分かったためである。
【0088】
このように、本実施の形態では、表1に示すように、後述する実施例1〜実施例7に示す各種の検証実験により、シール用静電植毛ブラシ15について、残存トナーの除電性及び剥離性が向上することがわかった。
【0089】
【表1】
【0090】
その結果、本実施の形態の現像装置10では、さらに、以下の構成を有している。
【0091】
まず、本実施の形態の現像装置10においては、後述する実施例5に示すように、シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cの繊度は、2デシテックス(T)以上であることが好ましい。ここで、デシテックス(T)とは、「長さ10,000mの繊維(糸)の重さがNグラムであるとき、その繊維(糸)はNデシテックス(T)である」と定義される。
【0092】
このように、導電性ブラシ毛15cの繊度を2デシテックス(T)以上の太さにすることにより、残存トナーの撹乱及び剥離を効率的に行うことができる。
【0093】
尚、導電性ブラシ毛15cの繊度は、詳細には、2〜30デシテックス(T)が好ましく、2〜6デシテックス(T)がより好ましい。
【0094】
また、本実施の形態の現像装置10では、シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cの繊維は、非磁性1成分トナーに対して帯電系列が、同じ材質、又は同じ材質よりもトナー極性方向において上位に位置する材質からなっていることが好ましい。つまり、非磁性1成分トナーに対して帯電系列が、同じ材質、又はマイナス帯電の場合は同じ材質よりもマイナス側若しくはプラス帯電の場合は同じ材質よりもプラス側に位置する材質からなっていることが好ましい。この構成は、後述する実施例1により検証できたものである。
【0095】
ここで、帯電系列は、図3のように示される。本実施の形態では、非磁性1成分トナーとして、マイナス帯電のポリエステルのものを使用している。したがって、シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cの繊維は、図3に示す帯電系列に基づいて、帯電系列が同じ材質であるポリエステル、又はマイナス帯電においてポリエステルよりもマイナス側に位置する材質であるアクリル、ポリエチレン、セルドイド、セロファン、塩化ビニール、テフロン(登録商標)からなっていることが好ましい。
【0096】
これにより、前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛の繊維を、非磁性1成分トナーが除電される方向に帯電し易い材質としているので、残存トナーの除電を効率的に行うことができる。
【0097】
尚、実施例1においては、シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cの繊維を、ポリエステル又はアクリルとすることにより、確実に、非磁性1成分トナーが除電される方向に帯電し易い材質とすることができた。
【0098】
また、本実施の形態の現像装置10においては、シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cは、図4に示すように、非導電層からなるコア部と導電層からなる外層部とを備えた2層構造となったいわゆる芯鞘型、全体が導電層からなるいわゆる全分散型の導電性ブラシ毛15cとが使用できる。
【0099】
しかしながら、実施例2に示すように、形態シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cは、図4に示すように、非導電層からなるコア部と導電層からなる外層部とを備えた2層構造となったいわゆる芯鞘型であることが好ましい。
【0100】
これにより、全体が導電層からなるいわゆる全分散型の導電性ブラシ毛15cよりも残存トナーの除電を効率的に行うことができる。すなわち、芯鞘型の場合には、電圧印加時の電荷注入効率が良く、除電し易いためである。
【0101】
ここで、芯鞘型において、外層部を導電層にする方法は特に限定されないが、例えば、外層部に導電性材料を練り込む方法等が挙げられる。導電性材料としては、カーボン、ニッケル等の金属、酸化錫等の金属酸化物の粉が用いることできる。また、導電性ブラシ毛15cの断面形状は、円形又は楕円形であってもよいし、多角形の角が丸くなった形状であってもよい。尚、ブラシ毛の断面形状コーナーの丸み(アール)があることが好ましい。
【0102】
また、本実施の形態の現像装置10では、後述する実施例6に示すように、シール用静電植毛ブラシ15と現像ロール12との接触ニップ幅は、1.5mmを超える値であることが好ましい。尚、接触ニップ幅は、2.0mm以上がより好ましい。これにより、残存トナーの除電及び撹乱を効率的に行うことができる。
【0103】
また、本実施の形態の現像装置10では、シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cは、例えば、図5に示すように、複数の植毛を所定長さの筋状の束にして形成した筋状植毛束が基材15aに接着剤15bを介して複数設けられていると共に、基材15aにおける複数の筋状植毛束は、規則的な配列パターンを有して配されていることが好ましい。
【0104】
これにより、従来の点状の植毛群からなる静電植毛ブラシとは異なり、線状の植毛群で残存トナーに接触するので、残存トナーへの接触能力、現像剤の搬送能力及び攪拌能力が、従来の点状の植毛群に比べて大きい。したがって、残存トナーの除電及び撹乱を効率良く行うことができる。
【0105】
また、本実施の形態の現像装置10では、図5に示すように、シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cは、第1方向を向いた第1方向筋状植毛束B1と、該第1方向とは異なる第2方向を向いた第2方向筋状植毛束B2とを組み合わせて対にした一対筋状植毛束が、正方格子配列又は千鳥格子配列に配された規則的な配列パターンを有しているとすることができる。
【0106】
これにより、連続的な一対筋状植毛束の繰り返しにより、残存トナーの除電及び撹乱を効率良く行うことができる。
【0107】
また、本実施の形態の現像装置10では、図6に示すように、シール用静電植毛ブラシ15の導電性ブラシ毛15cは、基材15aにおける複数の筋状植毛束は、第1方向を向いた第1方向筋状植毛束B1と、該第1方向とは異なる第2方向を向いた第2方向筋状植毛束B2とが、各行毎に、かつ千鳥格子配列に配された規則的な配列パターンを有しているとすることができる。
【0108】
これにより、残存トナーの接触性及び通過性が優れているので、残存トナーの除電及び撹乱を効率良く行うことができる。
【0109】
また、本実施の形態の現像装置10では、シール用静電植毛ブラシ15は、基材15aが平板にてなるバー型ブラシからなっているとすることができる。これにより、図1に示すように、現像装置10の内部における狭い部分においても容易に設置することができる。
【0110】
また、本実施の形態の現像装置10では、シール用静電植毛ブラシ15は、基材15aが円柱形状にてなるロール型ブラシからなっているとすることができる。すなわち、シール用静電植毛ブラシ15は、平板へ植毛するものとなっており、その平板はフィルム及び弾性体を含み、かつ現像剤容器11に直接植毛することを含む。弾性体とは、スポンジ、ゴム等である。
【0111】
これにより、バー型ブラシのように導電性ブラシ毛15cが現像ロール12に常に接触しているということがないので、導電性ブラシ毛15cの寿命を延ばすことができる。
【実施例】
【0112】
本実施の形態のシール用静電植毛ブラシ15における除電効果と剥離効果を確認するために、以下のパラメータについて各種の実験を行った。
(1)導電性ブラシ毛15cの材質
(2)導電性ブラシ毛15cの形状(繊維構造)
(3)導電性ブラシ毛15cの抵抗値
(4)接着剤15bの導電性
(5)導電性ブラシ毛15cの繊度
(6)導電性ブラシ毛15cの現像ロール12への接触ニップ幅
(7)シール用静電植毛ブラシ15への印加電圧
これらのパラメータを評価するに際しての実験方法については以下のようにして行った。
【0113】
まず、除電効果については、図7に示すように、現像ロール12に作成したトナー薄層を導電性ブラシ毛15cの各種形態である目的部材に通過させ、通過前後のトナー帯電量の差により評価した。この場合、通過前後のトナー帯電量の差異が大きいということは、除電効果が大きいということになる。
【0114】
次に、剥離効果については、図8(a)に示すように、目的部材を使用した際に、白地印字後(現像後の残存トナーが多く、現像剤供給ロール13が現像剤Tの剥離及び供給の双方を行う必要が有る状態)と、図8(b)に示すように、ベタ印字後(現像後の残存トナーが無く、現像剤供給ロール13が現像剤Tの供給のみを行う状態)とでの現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差により評価した。この場合、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異が小さいということは、剥離効果が大きいということになる。
【0115】
また、評価条件は、表2に示すように、使用トナーとして非磁性1成分トナーであるポリエステル系/負帯電トナーを使用し、印加電圧は、現像ロール12が−280V、現像剤供給ロール13が−350V、目的部材が−200V(印加バイアス評価時を除く)とした。
【0116】
【表2】
【0117】
また、パラメータ条件としては、表3に示す各種のパラメータにおけるパラメータ条件を標準状態をとし、各種のパラメータについて種類を変えて行った。したがって、ある特定のパラメータについて種類を変えて行うときには、他の種類のパラメータについては、表3に示す標準状態の各種のパラメータ条件を使用した。
【0118】
【表3】
【0119】
〔実施例1〕
最初に、導電性ブラシ毛15cの材料として、どういうものが最適であるかについて検討した。すなわち、前記図3に示す帯電系列に基づいて、現像剤Tに対してどのような材料の導電性ブラシ毛15cを選択すると、除電性及び剥離性が向上するかを調査した。
【0120】
本実施例では、非磁性1成分トナーは、ポリエステル系の負帯電トナーを使用している。これに対して、実験では、導電性ブラシ毛15cの材料として、ナイロン、ポリエステル、アクリルを選んで、検討を行った。
【0121】
このときの、評価仕様は、表4に示すとおりである。
【0122】
【表4】
【0123】
その結果、除電効果については、図9(a)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、0(μC/g)であるのに対して、ナイロンの場合は−4(μC/g)、ポリエステルの場合は−6(μC/g)、アクリルの場合は−8(μC/g)となり、アクリルが最も良いことが分かった。
【0124】
また、剥離効果については、図9(b)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、0.35(mg/cm2)であるのに対して、ナイロンの場合は0.25(mg/cm2)、ポリエステルの場合は0.17(mg/cm2)、アクリルの場合は0.1(mg/cm2)となり、アクリルが最も良いことが分かった。
【0125】
この結果、導電性ブラシ毛15cの材料としては、ポリエステルからなる非磁性1成分トナーに対して帯電系列が、同じ材質、又は同じ材質よりもトナー極性方向において上位に位置する材質からなっていることが、除電効果及び剥離性が優れていることが分かった。
【0126】
具体的には、導電性ブラシ毛15cの材料としては、マイナス帯電においては、ポリエステルが好ましく、アクリルがより好ましいことが分かった。
〔実施例2〕
次に、導電性ブラシ毛15cの繊維構造の影響について検討した。すなわち、前記図4に示すように、繊維構造として、全分散型又は芯鞘型のいずれが除電性及び剥離性が優れているかを調査した。
【0127】
このときの、評価仕様は、表5に示すとおりである。
【0128】
【表5】
【0129】
その結果、除電効果については、図10(a)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、0(μC/g)であるのに対して、全分散型の場合は−6(μC/g)、芯鞘型の場合は−8(μC/g)となり、芯鞘型が最も良いことが分かった。
【0130】
また、剥離効果については、図10(b)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、0.35(mg/cm2)であるのに対して、全分散型の場合は0.17(mg/cm2)、芯鞘型の場合は0.10(mg/cm2)となり、芯鞘型の方が良いことが分かった。
【0131】
この結果、導電性ブラシ毛15cの繊維構造としては、全分散型に比べて芯鞘型の方が、除電効果及び剥離性が優れていることが分かった。
〔実施例3〕
次に、導電性ブラシ毛15cの抵抗値の影響について検討した。すなわち、導電性ブラシ毛15cの抵抗値について、どの程度のものが除電性及び剥離性が優れているかを調査した。
【0132】
このときの、評価仕様は、表6に示すとおりである。すなわち、導電性ブラシ毛15cの抵抗値の影響調査として、導電性ブラシ毛15cの繊維抵抗値を、無限大(絶縁)、1012 (Ω/cm・F)、1010 (Ω/cm・F)、108 (Ω/cm・F)、106 (Ω/cm・F)のように変化させて実験を行った。尚、この抵抗値は、1フィラメント(F)の導電性ブラシ毛15cにおける1cm当りの抵抗値を示している。
【0133】
【表6】
【0134】
その結果、除電効果については、図11(a)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、導電性ブラシ毛15cの抵抗値に関わらず0(μC/g)である。これに対して、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、抵抗値が無限大から1012 (Ω/cm・F)までは、0〜−2(μC/g)程度であるのに対して、1012 (Ω/cm・F)未満から106 (Ω/cm・F)までは、−2〜−11(μC/g)と急激に増加していることが分かる。
【0135】
また、剥離効果については、図11(b)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、0.35(mg/cm2)である。これに対して、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、抵抗値が無限大から1012 (Ω/cm・F)までは、0.33(mg/cm2)以下であるのに対して、1012 (Ω/cm・F)未満から106 (Ω/cm・F)までは、0.33〜0.07(mg/cm2)と急激に増加していることが分かる。
【0136】
この結果、導電性ブラシ毛15cの抵抗値としては、1012 (Ω/cm・F)未満が除電効果及び剥離性が優れていることが分かった。尚、実験では、抵抗値として、106 (Ω/cm・F)までしか測定していないが、これよりも小さい場合には、除電効果及び剥離性が優れていることは図から類推して、或いは理論的に考えても明らかである。
〔実施例4〕
次に、接着剤15bの導電性の影響について検討した。すなわち、接着剤15bの導電性について、導電性又は非導電性のいずれの方が除電性及び剥離性に優れているかを調査した。尚、接着剤15bの導電性については、接着剤15bにカーボンを混入して、抵抗値が略0(Ω)となる導電性を付与した。
【0137】
このときの、評価仕様は、表7に示すとおりである。
【0138】
【表7】
【0139】
その結果、除電効果については、図12(a)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、0(μC/g)である。これに対して、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、接着剤15bが絶縁性の場合には−6(μC/g)であるのに対して、接着剤15bが導電性の場合には−12(μC/g)であることが分かる。
【0140】
また、剥離効果については、図12(b)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、0.35(mg/cm2)である。これに対して、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、接着剤15bが絶縁性の場合には0.17(mg/cm2)であるのに対して、接着剤15bが導電性の場合には0.03(mg/cm2)であることが分かる。
【0141】
この結果、接着剤15bが導電性・非導電性については、接着剤15bが導電性である方が、除電効果及び剥離性が優れていることが分かった。
〔実施例5〕
次に、導電性ブラシ毛15cの繊度の影響について検討した。すなわち、導電性ブラシ毛15cの繊度について、どの程度のものが剥離性に優れているかを調査した。
【0142】
このときの、評価仕様は、表8に示すとおりである。
【0143】
【表8】
【0144】
その結果、剥離効果について、図13に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、0.35(mg/cm2)である。これに対して、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、繊度が0.5デシテックス(T)から2デシテックス(T)までは、0.32以下から0.18(mg/cm2)を越える値までであり変化量が大きいのに対して、繊度が2〜6デシテックス(T)では、0.18〜0.16(mg/cm2)と略一定値を保っていることが分かる。
【0145】
この結果、導電性ブラシ毛15cの繊度としては、2デシテックス(T)以上が剥離性に優れていることが分かった。尚、実験では、繊度として、6デシテックス(T)までしか測定していないが、30デシテックス(T)までは、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、略一定値を保持することが確認できている。したがって、導電性ブラシ毛15cの繊度の影響については、繊度が2〜30デシテックス(T)が好ましく、2〜6デシテックス(T)がより好ましく、剥離性に優れているといえる。
〔実施例6〕
次に、導電性ブラシ毛15cの接触ニップ幅の影響について検討した。すなわち、導電性ブラシ毛15cの接触ニップ幅について、どの程度のものが除電性及び剥離性に優れているかを調査した。
【0146】
このときの、評価仕様は、表9に示すとおりである。
【0147】
【表9】
【0148】
その結果、導電性ブラシ毛15cの接触ニップ幅については、図14(a)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、0(μC/g)である。これに対して、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、接触ニップ幅が0.5〜1.5mmまでは、−1〜−3(μC/g)程度であるのに対して、接触ニップ幅が1.5〜2.5mmでは、−2〜−8(μC/g)と急激に増加していることが分かる。
【0149】
また、剥離効果については、図14(b)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、0.35(mg/cm2)である。これに対して、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、接触ニップ幅が0.5〜1.5mmまでは、0.33〜0.30(mg/cm2)であるのに対して、接触ニップ幅が1.5〜2.5mmでは、0.3〜0.12(mg/cm2)と急激に増加していることが分かる。
【0150】
この結果、導電性ブラシ毛15cの接触ニップ幅としては、接触ニップ幅1.5mmを越えていることが除電効果及び剥離性に優れていることが分かった。尚、実験では、接触ニップ幅として2.5mmまでしか測定していないが、これよりも大きい場合には、除電効果及び剥離性が優れていることは図から類推して、或いは理論的に考えても明らかである。
〔実施例7〕
次に、導電性ブラシ毛15cの印加電圧の影響について検討した。すなわち、導電性ブラシ毛15cの印加電圧について、どの程度のものが除電性及び剥離性に優れているかを調査した。
【0151】
このときの、評価仕様は、表10に示すとおりである。尚、前述したように、現像ロール12の印加電圧は、−280Vとなっている。
【0152】
【表10】
【0153】
その結果、導電性ブラシ毛15cの印加電圧については、図15(a)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、0(μC/g)である。これに対して、通過前後のトナー帯電量の差異ΔQ/m(μC/g)は、導電性ブラシ毛15cの印加電圧が−100〜−280Vまでは、−9〜0(μC/g)であるのに対して、導電性ブラシ毛15cの印加電圧が−280〜−400Vでは、0〜+6(μC/g)とリファレンスよりも悪くなっていることが分かる。
【0154】
また、剥離効果については、図15(b)に示すように、リファレンスとしての目的部材なしの場合には、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、0.35(mg/cm2)である。これに対して、現像ロール12上における現像剤Tの付着量の差異Δm/S(mg/cm2)は、導電性ブラシ毛15cの印加電圧が−100〜−280Vまでは、0.13〜0.35(mg/cm2)であるのに対して、導電性ブラシ毛15cの印加電圧が−280〜−400Vでは、0.35〜0.47(mg/cm2)とリファレンスよりも悪くなっていることが分かる。
【0155】
この結果、導電性ブラシ毛15cの印加電圧としては、現像ロール12と同電位(=−280V)、又はトナー電荷を中和する方向に電圧が印加されていなければ、つまり本実施の形態では、印加電圧が−100から〜−280Vが印加されていなければ、印加電圧除電性能及び剥離性能は、却って悪化することが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本発明の現像装置、及び画像形成装置は、感光体上の静電潜像を1成分非磁性トナーを用いて現像するプリンタ、複写機、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置における現像装置、及び画像形成装置に適用できる。特に、現像剤担持体の残存トナー処理用の静電植毛ブラシに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明における現像装置の実施の一形態を示すものであり、現像装置の構成を示す断面図である。
【図2】上記現像装置を備えた画像形成装置の画像形成部を示す全体構成図である。
【図3】上記現像装置に適用される非磁性1成分トナーに対する帯電系列を示す図である。
【図4】上記現像装置における現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛についての、2種類の繊維構造を示す断面図である。
【図5】上記現像装置におけるロール型ブラシからなる現像剤除去補助部材を示す斜視図である。
【図6】上記現像剤除去補助部材における第1方向筋状植毛束と第2方向筋状植毛束とを、各行毎に、かつ千鳥格子配列に配した規則的な配列パターンを示す図である。
【図7】上記現像剤除去補助部材における実験条件を示す断面図である。
【図8】(a)(b)は、上記現像剤除去補助部材における実験条件の具体的評価方法を示す断面図である。
【図9】(a)は上記現像剤除去補助部材におけるパイル材料と除電効果との関係を示すグラフであり、(b)は上記現像剤除去補助部材におけるパイル材料と現像剤供給ロールでの剥離性との関係を示すグラフである。
【図10】(a)は上記現像剤除去補助部材における繊維構造と除電効果との関係を示すグラフであり、(b)は上記現像剤除去補助部材における繊維構造と現像剤供給ロールでの剥離性との関係を示すグラフである。
【図11】(a)は上記現像剤除去補助部材における導電性ブラシ毛の抵抗値と除電効果との関係を示すグラフであり、(b)は上記現像剤除去補助部材における導電性ブラシ毛の抵抗値と現像剤供給ロールでの剥離性との関係を示すグラフである。
【図12】(a)は上記現像剤除去補助部材における接着剤種類と除電効果との関係を示すグラフであり、(b)は上記現像剤除去補助部材における接着剤種類と現像剤供給ロールでの剥離性との関係を示すグラフである。
【図13】上記現像剤除去補助部材における導電性ブラシ毛の繊度と剥離性との関係を示すグラフである。
【図14】(a)は上記現像剤除去補助部材における接触ニップ幅と除電効果との関係を示すグラフであり、(b)は上記現像剤除去補助部材における接触ニップ幅と現像剤供給ロールでの剥離性との関係を示すグラフである。
【図15】(a)は上記現像剤除去補助部材における印加バイアスと除電効果との関係を示すグラフであり、(b)は上記現像剤除去補助部材における印加バイアスと現像剤供給ロールでの剥離性との関係を示すグラフである。
【図16】従来の現像装置の構成を示す断面図である。
【図17】従来の他の現像装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0158】
1 感光体ドラム(静電潜像担持体)
10 現像装置
11 現像剤容器
12 現像ロール(現像剤担持体)
13 現像剤供給ロール
14 現像剤規制ブレード
15 現像剤除去補助部材
15a 基材
15b 接着剤
15c 導電性ブラシ毛
16 送り羽根
17 バイアス電源
30 画像形成部
B1 第1方向筋状植毛束
B2 第2方向筋状植毛束
T 現像剤
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性1成分トナーからなる現像剤を収容する現像剤容器と、静電潜像担持体への現像を行う現像剤担持体と、上記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材と、上記現像剤担持体上の現像剤の量を規制する現像剤量規制部材とを備えた現像装置において、
上記現像剤担持体の回転方向における上記現像剤供給部材の上流側に、基材上の接着剤に静電植毛された導電性ブラシ毛を有する現像剤除去補助部材を備え、
上記現像剤除去補助部材における導電性ブラシ毛の繊維の抵抗値が1012 (Ω/cm・フィラメント)未満であり、かつ上記接着剤は導電性を有していると共に、
上記導電性ブラシ毛には、上記現像剤担持体と同電位、又は現像剤電荷を中和する方向に電圧が印加されていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛の繊度は、2デシテックス(T)以上であることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛の繊維は、前記非磁性1成分トナーに対して帯電系列が、同じ材質、又は同じ材質よりもトナー極性方向において上位に位置する材質からなっていることを特徴とする請求項1又は2記載の現像装置。
【請求項4】
前記現像剤除去補助部材と現像剤担持体との接触ニップ幅は、1.5mmを超える値であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項5】
前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛は、
複数の植毛を所定長さの筋状の束にして形成した筋状植毛束が基材に接着剤を介して複数設けられていると共に、
上記基材における複数の筋状植毛束は、規則的な配列パターンを有して配されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項6】
前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛は、
第1方向を向いた第1方向筋状植毛束と、該第1方向とは異なる第2方向を向いた第2方向筋状植毛束とを組み合わせて対にした一対筋状植毛束が、正方格子配列又は千鳥格子配列に配された規則的な配列パターンを有していることを特徴とする請求項5記載の現像装置。
【請求項7】
前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛は、
前記基材における複数の筋状植毛束は、第1方向を向いた第1方向筋状植毛束と、該第1方向とは異なる第2方向を向いた第2方向筋状植毛束とが、各行毎に、かつ千鳥格子配列に配された規則的な配列パターンを有していることを特徴とする請求項5記載の現像装置。
【請求項8】
前記現像剤除去補助部材は、
前記基材が平板にてなるバー型ブラシからなっていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項9】
前記現像剤除去補助部材は、
前記基材が円柱形状にてなるロール型ブラシからなっていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の現像装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
非磁性1成分トナーからなる現像剤を収容する現像剤容器と、静電潜像担持体への現像を行う現像剤担持体と、上記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材と、上記現像剤担持体上の現像剤の量を規制する現像剤量規制部材とを備えた現像装置において、
上記現像剤担持体の回転方向における上記現像剤供給部材の上流側に、基材上の接着剤に静電植毛された導電性ブラシ毛を有する現像剤除去補助部材を備え、
上記現像剤除去補助部材における導電性ブラシ毛の繊維の抵抗値が1012 (Ω/cm・フィラメント)未満であり、かつ上記接着剤は導電性を有していると共に、
上記導電性ブラシ毛には、上記現像剤担持体と同電位、又は現像剤電荷を中和する方向に電圧が印加されていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛の繊度は、2デシテックス(T)以上であることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛の繊維は、前記非磁性1成分トナーに対して帯電系列が、同じ材質、又は同じ材質よりもトナー極性方向において上位に位置する材質からなっていることを特徴とする請求項1又は2記載の現像装置。
【請求項4】
前記現像剤除去補助部材と現像剤担持体との接触ニップ幅は、1.5mmを超える値であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項5】
前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛は、
複数の植毛を所定長さの筋状の束にして形成した筋状植毛束が基材に接着剤を介して複数設けられていると共に、
上記基材における複数の筋状植毛束は、規則的な配列パターンを有して配されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項6】
前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛は、
第1方向を向いた第1方向筋状植毛束と、該第1方向とは異なる第2方向を向いた第2方向筋状植毛束とを組み合わせて対にした一対筋状植毛束が、正方格子配列又は千鳥格子配列に配された規則的な配列パターンを有していることを特徴とする請求項5記載の現像装置。
【請求項7】
前記現像剤除去補助部材の導電性ブラシ毛は、
前記基材における複数の筋状植毛束は、第1方向を向いた第1方向筋状植毛束と、該第1方向とは異なる第2方向を向いた第2方向筋状植毛束とが、各行毎に、かつ千鳥格子配列に配された規則的な配列パターンを有していることを特徴とする請求項5記載の現像装置。
【請求項8】
前記現像剤除去補助部材は、
前記基材が平板にてなるバー型ブラシからなっていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項9】
前記現像剤除去補助部材は、
前記基材が円柱形状にてなるロール型ブラシからなっていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の現像装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−288715(P2009−288715A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143836(P2008−143836)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(390026147)東英産業株式会社 (38)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(390026147)東英産業株式会社 (38)
【Fターム(参考)】
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