説明

現像装置、画像形成装置、及び、画像形成システム

【課題】トナーの剥ぎ取りが適切に行われる現像装置等を実現する。
【解決手段】規則的に配置された複数の凸部、を表面に有し、トナーを担持して該トナーで像担持体に担持された潜像を現像するトナー担持体と、多孔性の発泡材からなる表層部にて該トナー担持体の前記表面に接触して、前記潜像を現像した後の前記トナー担持体、から前記トナーを剥ぎ取る剥ぎ取り部材と、を有する現像装置であって、前記複数の凸部のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最大値が、前記表層部の孔の開口間の平均距離よりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置、画像形成装置、及び、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザビームプリンタ等の画像形成装置は既によく知られている。かかる画像形成装置は、例えば、潜像を担持するための像担持体の一例としての感光体と、規則的に配置された複数の凸部、を表面に有し、トナーを担持して当該トナーで感光体に担持された潜像を現像するトナー担持体、を備えた現像装置と、を有している。そして、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号等が送信されると、画像形成装置は、トナー担持体が感光体と対向する現像位置、に前記現像装置を位置決めし、感光体に担持された潜像がトナー担持体により現像され、トナー像が感光体上に形成される。そして、画像形成装置は、当該トナー像を媒体に転写して、最終的に媒体に画像を形成する。
【0003】
また、上記現像装置には、トナーを剥ぎ取るための剥ぎ取り部材が設けられている。当該剥ぎ取り部材は、例えば、多孔性の発泡材からなる表層部にて該トナー担持体の前記表面に接触して、前記潜像を現像した後の前記トナー担持体、からトナーを剥ぎ取るとともに、当該トナー担持体に新たにトナーを供給する。
【特許文献1】特開2006−259384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
剥ぎ取り部材が、多孔性の発泡材からなる表層部にてトナー担持体の表面に接触して、トナー担持体からトナーを剥ぎ取る際には、トナー担持体の表面に備えられた前記複数の凸部間に位置するトナー(すなわち、非凸部に位置するトナー)が、適切に剥ぎ取られない問題が生ずる場合がある。したがって、このような問題を解消するための適切な方策が要請されていた。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、トナーの剥ぎ取りが適切に行われる現像装置、画像形成装置、及び、画像形成システムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
主たる本発明は、規則的に配置された複数の凸部、を表面に有し、トナーを担持して該トナーで像担持体に担持された潜像を現像するトナー担持体と、多孔性の発泡材からなる表層部にて該トナー担持体の前記表面に接触して、前記潜像を現像した後の前記トナー担持体、から前記トナーを剥ぎ取る剥ぎ取り部材と、を有する現像装置であって、前記複数の凸部のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最大値が、前記表層部の孔の開口間の平均距離よりも大きいことを特徴とする現像装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
規則的に配置された複数の凸部、を表面に有し、トナーを担持して該トナーで像担持体に担持された潜像を現像するトナー担持体と、多孔性の発泡材からなる表層部にて該トナー担持体の前記表面に接触して、前記潜像を現像した後の前記トナー担持体、から前記トナーを剥ぎ取る剥ぎ取り部材と、を有する現像装置であって、前記複数の凸部のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最大値が、前記表層部の孔の開口間の平均距離よりも大きいことを特徴とする現像装置。
【0008】
かかる現像装置によれば、トナーの剥ぎ取りが適切に実行される。
また、前記複数の凸部のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最大値が、前記孔の開口間の平均距離と、前記孔の開口の平均開口幅と、の和よりも大きいこととしてもよい。
【0009】
かかる場合には、トナーの凝集が適切に回避され、非凸部からトナーが離れ易くなり、また、トナーの性能が悪化してしまうことが防止される。
また、前記トナー担持体は、規則的に配置された凹部と、規則的に配置された複数の非凹部であって、前記凸部と、該凸部と前記凹部とを繋ぐ側部と、を備え、各々の該非凹部の周囲が前記凹部に囲まれている複数の非凹部と、を前記表面に有し、前記複数の凸部のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最大値が、前記孔の開口間の平均距離の2倍と、前記孔の開口の平均開口幅と、の和よりも大きく、かつ、前記複数の非凹部のうちの互いに隣り合う非凹部間の距離、の最大値が、前記孔の開口間の平均距離の2倍と、前記孔の開口の平均開口幅と、の和よりも小さいこととしてもよい。
【0010】
かかる場合には、側部に担持されたトナーの剥ぎ取りが促進される。
また、前記トナー担持体は、規則的に配置された凹部と、規則的に配置された複数の非凹部であって、前記凸部と、該凸部と前記凹部とを繋ぐ側部と、を備え、各々の該非凹部の周囲が前記凹部に囲まれている複数の非凹部と、を前記表面に有し、前記表層部の孔の中には、開口の開口幅が前記非凹部の最大幅よりも大きく、かつ、開口の深さが前記凹部を基準とした前記非凹部の最大高さよりも大きい大孔、が複数含まれており、前記複数の凸部のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最大値が、前記大孔の開口間の平均距離よりも大きいこととしてもよい。
【0011】
かかる場合には、非凸部内の奥に位置するトナーの剥ぎ取りが促進される。
また、前記トナー担持体は、規則的に配置された凹部と、規則的に配置された複数の非凹部であって、前記凸部と、該凸部と前記凹部とを繋ぐ側部と、を備え、各々の該非凹部の周囲が前記凹部に囲まれている複数の非凹部と、を前記表面に有し、前記非凹部の最大幅が、前記孔の開口の平均開口幅よりも小さく、かつ、前記凹部を基準とした前記非凹部の最大高さが、前記孔の開口の平均深さよりも小さいこととしてもよい。
【0012】
かかる場合には、非凸部内の奥に位置するトナーの剥ぎ取りが促進される。
また、前記複数の凸部のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最小値が、前記孔の開口間の平均距離よりも大きいこととしてもよい。
【0013】
かかる場合には、トナーの剥ぎ取りがより適切に行われる。
また、潜像を担持するための像担持体と、規則的に配置された複数の凸部、を表面に有し、トナーを担持して該トナーで前記像担持体に担持された潜像を現像するトナー担持体と、多孔性の発泡材からなる表層部にて該トナー担持体の前記表面に接触して、前記潜像を現像した後の前記トナー担持体、から前記トナーを剥ぎ取る剥ぎ取り部材と、を有する現像装置と、を備える画像形成装置であって、前記複数の凸部のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最大値が、前記表層部の孔の開口間の平均距離よりも大きいことを特徴とする画像形成装置も実現可能である。
【0014】
かかる画像形成装置によれば、トナーの剥ぎ取りが適切に実行される。
また、コンピュータ、及び、このコンピュータに接続可能な画像形成装置であって、潜像を担持するための像担持体と、規則的に配置された複数の凸部、を表面に有し、トナーを担持して該トナーで前記像担持体に担持された潜像を現像するトナー担持体と、多孔性の発泡材からなる表層部にて該トナー担持体の前記表面に接触して、前記潜像を現像した後の前記トナー担持体、から前記トナーを剥ぎ取る剥ぎ取り部材と、を有する現像装置と、を備える画像形成装置であって、前記複数の凸部のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最大値が、前記表層部の孔の開口間の平均距離よりも大きい画像形成装置、を具備することを特徴とする画像形成システムも実現可能である。
【0015】
かかる画像形成システムによれば、トナーの剥ぎ取りが適切に実行される。
【0016】
===画像形成装置の全体構成例===
次に、図1を用いて、画像形成装置としてレーザビームプリンタ(以下、プリンタともいう)10を例にとって、その概要について説明する。図1は、プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図である。なお、図1には、矢印にて上下方向を示しており、例えば、給紙トレイ92は、プリンタ10の下部に配置されており、定着ユニット90は、プリンタ10の上部に配置されている。
【0017】
本実施の形態に係るプリンタ10は、図1に示すように、像担持体の一例としての感光体20の回転方向に沿って、帯電ユニット30、露光ユニット40、YMCK現像ユニット50、一次転写ユニット60、中間転写体70、クリーニングユニット75を有し、さらに、二次転写ユニット80、定着ユニット90、ユーザへの報知手段をなし液晶パネルでなる表示ユニット95、及び、これらのユニット等を制御しプリンタとしての動作を司る制御ユニット100を有している。
【0018】
感光体20は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有し、中心軸を中心に回転可能であり、本実施の形態においては、図1中の矢印で示すように時計回りに回転する。
【0019】
帯電ユニット30は、感光体20を帯電するための装置であり、露光ユニット40は、レーザを照射することによって帯電された感光体20上に潜像を形成する装置である。この露光ユニット40は、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有しており、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等の不図示のホストコンピュータから入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザを帯電された感光体20上に照射する。
【0020】
YMCK現像ユニット50は、感光体20上に形成された潜像を、現像装置に収容されたトナー、すなわち、ブラック現像装置51に収容されたブラック(K)トナー、マゼンタ現像装置52に収容されたマゼンタ(M)トナー、シアン現像装置53に収容されたシアン(C)トナー、及び、イエロー現像装置54に収容されたイエロー(Y)トナーを用いて現像するための装置である。
【0021】
このYMCK現像ユニット50は、前記4つの現像装置51、52、53、54が装着された状態で回転することにより、前記4つの現像装置51、52、53、54の位置を動かすことを可能としている。すなわち、このYMCK現像ユニット50は、前記4つの現像装置51、52、53、54を4つの保持部55a、55b、55c、55dにより保持しており、前記4つの現像装置51、52、53、54は、中心軸50aを中心として、それらの相対位置を維持したまま回転可能となっている。そして、1ページ分の画像形成が終了する毎に選択的に感光体20に対向し、それぞれの現像装置51、52、53、54に収容されたトナーにて、感光体20上に形成された潜像を順次現像する。なお、前述した4つの現像装置51,52,53,54の各々は、YMCK現像ユニット50の前記保持部に対して着脱可能となっている。また、各現像装置の詳細については後述する。
【0022】
一次転写ユニット60は、感光体20に形成された単色トナー像を中間転写体70に転写するための装置であり、4色のトナーが順次重ねて転写されると、中間転写体70にフルカラートナー像が形成される。
【0023】
この中間転写体70は、PETフィルムの表面に錫蒸着層を設けさらにその表層に半導電塗料を形成、積層したエンドレスのベルトであり、感光体20とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。
【0024】
二次転写ユニット80は、中間転写体70上に形成された単色トナー像やフルカラートナー像を紙、フィルム、布等の媒体に転写するための装置である。
【0025】
定着ユニット90は、媒体上に転写された単色トナー像やフルカラートナー像を媒体に融着させて永久像とするための装置である。
【0026】
クリーニングユニット75は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間に設けられ、感光体20の表面に当接されたゴム製のクリーニングブレード76を有し、一次転写ユニット60によって中間転写体70上にトナー像が転写された後に、感光体20上に残存するトナーをクリーニングブレード76により掻き落として除去するための装置である。
【0027】
制御ユニット100は、図2に示すようにメインコントローラ101と、ユニットコントローラ102とで構成され、メインコントローラ101には画像信号及び制御信号が入力され、この画像信号及び制御信号に基づく指令に応じてユニットコントローラ102が前記各ユニット等を制御して画像を形成する。
【0028】
次に、このように構成されたプリンタ10の動作について説明する。
まず、不図示のホストコンピュータからの画像信号及び制御信号がインターフェイス(I/F)112を介してプリンタ10のメインコントローラ101に入力されると、このメインコントローラ101からの指令に基づくユニットコントローラ102の制御により感光体20、及び、中間転写体70が回転する。感光体20は、回転しながら、帯電位置において帯電ユニット30により順次帯電される。
【0029】
感光体20の帯電された領域は、感光体20の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット40によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が該領域に形成される。また、YMCK現像ユニット50は、イエロー(Y)トナーを収容したイエロー現像装置54が、感光体20に対向した現像位置に位置している。
【0030】
感光体20上に形成された潜像は、感光体20の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像装置54によってイエロートナーで現像される。これにより、感光体20上にイエロートナー像が形成される。
【0031】
感光体20上に形成されたイエロートナー像は、感光体20の回転に伴って一次転写位置に至り、一次転写ユニット60によって、中間転写体70に転写される。この際、一次転写ユニット60には、トナーの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧が印加される。なお、この間、感光体20と中間転写体70とは接触しており、また、二次転写ユニット80は、中間転写体70から離間している。
【0032】
上記の処理が、第2色目、第3色目、及び、第4色目について、各々の現像装置毎に順次実行されることにより、各画像信号に対応した4色のトナー像が、中間転写体70に重なり合って転写される。これにより、中間転写体70上にはフルカラートナー像が形成される。
【0033】
中間転写体70上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写体70の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ユニット80によって媒体に転写される。なお、媒体は、給紙トレイ92から、給紙ローラ94、レジローラ96を介して二次転写ユニット80へ搬送される。また、転写動作を行う際、二次転写ユニット80は中間転写体70に押圧されるとともに二次転写電圧が印加される。
【0034】
媒体に転写されたフルカラートナー像は、定着ユニット90によって加熱加圧されて媒体に融着される。
【0035】
一方、感光体20は一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット75に支持されたクリーニングブレード76によって、その表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、クリーニングユニット75が備える残存トナー回収部に回収される。
【0036】
===制御ユニットの概要===
次に、制御ユニット100の構成について図2を参照しつつ説明する。制御ユニット100のメインコントローラ101は、インターフェイス112を介してホストコンピュータと電気的に接続され、このホストコンピュータから入力された画像信号を記憶するための画像メモリ113を備えている。ユニットコントローラ102は、装置本体の各ユニット(帯電ユニット30、露光ユニット40、YMCK現像ユニット50、一次転写ユニット60、クリーニングユニット75、二次転写ユニット80、定着ユニット90、表示ユニット95)と電気的に接続され、それらが備えるセンサからの信号を受信することによって、各ユニットの状態を検出しつつ、メインコントローラ101から入力される信号に基づいて、各ユニットを制御する。
【0037】
===現像装置の構成例===
次に、図3乃至図13を用いて、現像装置の構成例について説明する。図3は、現像装置の概念図である。図4は、現像装置の主要構成要素を示した断面図である。図5は、現像ローラ510の斜視模式図である。図6は、現像ローラ510の正面模式図である。図7は、凸部512、凹部515等の形状を示した模式図である。図8は、図7のA−A断面の断面形状を表したものである。図9は、トナー供給ローラ550の表層部550aを光学顕微鏡で撮ったものであり、当該表層部550aにおける孔552及び壁領域554が表された図である。図10は、規制ブレード560の斜視図である。図11は、ホルダー526の斜視図である。図12は、ホルダー526に、上シール520、現像ローラ510、規制ブレード560が組み付けられている様子を示した斜視図である。図13は、ホルダー526が、ハウジング540に取付けられている様子を示した斜視図である。なお、図4に示す断面図は、図3に示す長手方向に垂直な面で現像装置を切り取った断面を表したものである。また、図4においては、図1同様、矢印にて上下方向を示しており、例えば、現像ローラ510の中心軸は、感光体20の中心軸よりも下方にある。また、図4では、イエロー現像装置54が、感光体20と対向する現像位置に位置している状態にて示されている。また、図5乃至図8においては、図を分かりやすくするために、凸部512、凹部515等のスケールが実際のものと異なっている(例えば、図5及び図6においては、凸部512を実際のものよりも大きく、凹部515や非凸部を実際のものよりも小さく、表している)。
【0038】
YMCK現像ユニット50には、ブラック(K)トナーを収容したブラック現像装置51、マゼンタ(M)トナーを収容したマゼンタ現像装置52、シアン(C)トナーを収容したシアン現像装置53、及び、イエロー(Y)トナーを収容したイエロー現像装置54が設けられているが、各現像装置の構成は同様であるので、以下、イエロー現像装置54について説明する。
【0039】
イエロー現像装置54は、トナー担持体の一例としての現像ローラ510、上シール520、トナー収容体530、ハウジング540、剥ぎ取り部材の一例としてのトナー供給ローラ550、規制ブレード560、ホルダー526等を有している。
【0040】
現像ローラ510は、トナーTを担持して感光体20と対向する現像位置に回転することにより搬送し、該トナーT(現像ローラ510に担持されたトナーT)で感光体20に担持された潜像を現像する。この現像ローラ510は、アルミ合金、鉄合金等からなる部材である。
【0041】
現像ローラ510は、その中央部510aの表面に凹部515及び非凹部513を有しており、当該非凹部513は、側部514及び凸部512を備えている。そして、図5乃至図8に示すように、これらは、現像ローラ510の表面に規則的に配置されている。
【0042】
なお、本実施の形態においては、凹部515と非凹部513(側部514及び凸部512)は、いずれも、トナーTを担持するためのトナー担持部としての機能を発揮する。そして、現像ローラ510は、凸部512、側部514、及び、凹部515に担持されたトナーTで感光体20に担持された潜像を現像する。また、側部514と凹部515が、非凸部を構成する。
【0043】
凸部512は、中央部510aの中で最も高い部分であり、前記中央部510aの表面に複数設けられている。図7に示すように、凸部512は、正方形状の平坦な頂面となっている。凸部512は、正方形の二つの対角線の各々が、それぞれ現像ローラ510の回転軸方向及び周方向に沿うように、中央部510aの表面に形成されている。
【0044】
凸部512の最小幅L1は、正方形の一辺の長さ(図7参照)となり、約24μmであり、また、凸部512の最大幅L2は、正方形の対角線の長さ(図7参照)となり、約33.9μm(L1に2の平方根を乗じた値)である。また、複数の凸部512のうちの互いに隣り合う凸部512間の距離、の最小値L3は、約136μmであり、当該距離の最大値L4は、約192.3μm(L3に2の平方根を乗じた値)である(例えば、図7において記号M0で示された凸部512にとっては、記号M1〜M8で示された凸部512が隣り合う凸部512となり、M0とM2間、M0とM4間、M0とM6間、M0とM8間、の距離が、前記最小値L3となり、M0とM1間、M0とM3間、M0とM5間、M0とM7間、の距離が、前記最大値L4となる)。
【0045】
非凸部は、本実施の形態において、互いに巻き方向の異なる第一溝部516及び第二溝部518となっている。ここで、第一溝部516は、その長手方向が図6中記号Xで示された方向に沿った螺旋状の溝であり、第二溝部518は、その長手方向が図6中記号Yで示された方向に沿った螺旋状の溝である。なお、いずれの溝部についても、その長手方向と現像ローラ510の回転軸方向との成す鋭角は約45度となっている(図6参照)。
【0046】
側部514は、凸部512と凹部515とを繋ぐ斜面であり、図7に示すように、前述した正方形状の凸部512の各辺に対応して4つ設けられている。そして、図5乃至図7に示すように、凸部512及び4つの側部514(の組)は、前記非凹部513を構成し、現像ローラ510の中央部510aの表面に、規則的、かつ、網目状に、多数配置されている。当該側部514の傾斜角は、図8に示すように、約45度である。
【0047】
非凹部513も、図7に示すように、凸部512と同様、正方形状を有している。非凹部513の最小幅L5は、正方形の一辺の長さ(図7参照)となり、約40μmであり、また、非凹部513の最大幅L6は、正方形の対角線の長さ(図7参照)となり、約56.6μm(L5に2の平方根を乗じた値)である。また、複数の非凹部513のうちの互いに隣り合う非凹部513間の距離、の最小値L7は、約120μmであり、当該距離の最大値L8は、約169.7μm(L7に2の平方根を乗じた値)である(例えば、図7において記号M0で示された非凹部513にとっては、記号M1〜M8で示された非凹部513が隣り合う非凹部513となり、M0とM2間、M0とM4間、M0とM6間、M0とM8間、の距離が、前記最小値L7となり、M0とM1間、M0とM3間、M0とM5間、M0とM7間、の距離が、前記最大値L8となる)。さらに、前記最小幅L5と前記最小値L7の和(前記最小幅L1と前記最小値L3の和も同様)は、非凹部513や凸部512の最小ピッチとして定義され、その値は、約160μmである。また、前記最大幅L6と前記最大値L8の和(前記最大幅L2と前記最大値L4の和も同様)は、非凹部513や凸部512の最大ピッチとして定義され、その値は、約226.3μm(L5とL7の和に2の平方根を乗じた値)である。
【0048】
凹部515は、非凸部(すなわち、第一溝部516又は第二溝部518)の底部に相当し、中央部510aの中で最も低い部分である。この凹部515は、図5乃至図7に示すように、非凹部513の周囲を囲うように、規則的、かつ、網状に、形成されている。なお、図8に示すように、凸部512を基準とした凹部515の深さd(換言すれば、凹部515を基準とした非凹部513の最大高さ(凸部512の高さ))は、約8μmである。現像ローラ510には、当該深さdが現像ローラ510に備えられた全ての凹部515間で均一となるように、凸部512及び凹部515が形成されている。本実施の形態においては、トナーTは粒状(粒子状)をなし、トナーTの体積平均粒径は、約4.6μmであるため、トナーTの体積平均粒径の大きさは凹部515の深さdよりも小さくなっている。
さらに、上述した凸部512、側部514、及び、凹部515が備えられた中央部510a、の表面には、無電解Ni−Pメッキが施されている。
【0049】
また、現像ローラ510には、軸部510bが設けられており、当該軸部510bが後述するホルダー526の現像ローラ支持部526bによって軸受け576を介して支持されることにより(図12)、現像ローラ510が回転自在に支持される。図4に示すように、現像ローラ510は、感光体20の回転方向(図4において時計方向)と逆の方向(図4において反時計方向)に回転する。
【0050】
また、イエロー現像装置54が感光体20と対向している状態で、現像ローラ510と感光体20との間には空隙が存在する。すなわち、イエロー現像装置54は、現像ローラ510に担持されたトナーTが感光体20に接触していない非接触状態で、感光体20上に形成された潜像を現像する。
【0051】
ハウジング540は、一体成型された複数の樹脂製のハウジング部、すなわち、上ハウジング部542と下ハウジング部544、とを溶着して製造されたものであり、その内部に、トナーTを収容するためのトナー収容体530が形成されている。トナー収容体530は、内壁から内方へ(図4の上下方向)突出させたトナーTを仕切るための仕切り壁545により、二つのトナー収容部、すなわち、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bと、に分けられている。そして、第一トナー収容部530aと第二トナー収容部530bとは、上部が連通され、図4に示す状態で、仕切り壁545によりトナーTの移動が規制されている。また、図4に示すように、ハウジング540(すなわち、第一トナー収容部530a)は下部に開口572を有しており、現像ローラ510が、この開口572に臨ませて設けられている。
【0052】
トナー供給ローラ550は、前述した第一トナー収容部530aに設けられ、前記潜像を現像した後の現像ローラ510、から該現像ローラ510に残存しているトナーTを剥ぎ取り、前記第一トナー収容部530aに収容されたトナーTを現像ローラ510に供給する。このトナー供給ローラ550の表面(後述する表層部550a)は、弾性を有する多孔性の発泡材、例えば発泡ウレタンにて形成されている。そして、トナー供給ローラ550は、弾性変形された状態で現像ローラ510の表面に表層部550a(表層部550aの接触部分)にて接触している。
【0053】
トナー供給ローラ550は、第一トナー収容部530aに収容されたトナーTを、孔552(図9参照)に収容する。また、トナー供給ローラ550は、現像ローラ510の回転方向(図4において反時計方向)と逆の方向(図4において時計方向)に回転する。そして、トナー供給ローラ550は、回転することにより、孔552に収容したトナーを現像ローラ510に接触する接触位置へ搬送する。そして、当該接触位置において、トナーTがトナー供給ローラ550と現像ローラ510とにより摩擦帯電され、帯電されたトナーTが、現像ローラ510に付着し、該現像ローラ510に適切に担持されることとなる。このようにして、トナー供給ローラ550は、主に、孔552の作用により、トナーTを現像ローラ510へ供給する。
【0054】
また、トナー供給ローラ550は、トナーTを現像ローラ510に供給する機能だけでなく、前記潜像を現像した後の現像ローラ510、から該現像ローラ510に残存しているトナーTを剥ぎ取る機能も有している。具体的には、表層部550aのうちの、複数の孔552に囲まれた壁領域554(図9において、孔552以外の部分)、が現像ローラ510と接触することにより、現像ローラ510に残存しているトナーTが剥ぎ取られる。すなわち、現像ローラ510に残存したトナーTは、トナー供給ローラ550の壁領域554により主に剥ぎ取られる。
【0055】
ここで、表層部550aの孔552の開口の平均開口幅Eave、当該孔552の開口間の平均距離Dave、及び、孔552の開口の平均深さFave、の大きさについて、図9を用いて考察する。
【0056】
孔552の開口の平均開口幅Eave、及び、孔552の開口間の平均距離Daveとは、以下の方法により求められる値である。図9に示すように、電子顕微鏡で撮られた表層部550aの写真に、トナー供給ローラ550の軸方向に沿って直線を引き、開口幅E1〜E9、及び、開口間の距離D1〜D9を計測する。そして、9つの開口幅E1〜E9の平均値Eoと、9つの開口間の距離D1〜D9の平均値Doをそれぞれ算出する。さらに、これを、表層部550a上の位置を変えて撮られた合計12枚の写真(例えば、前記表層部550aの前記軸方向における一端部、中央部、及び、他端部の各々において、トナー供給ローラ550の周方向において90度ずつ位置をずらしながら4回写真を撮る)に対して合計12回行い、12個の平均値Eoと、12個の平均値Doを取得する。そして、12個の平均値Eoの平均を平均開口幅Eaveとし、12個の平均値Doの平均を開口間の平均距離Daveとする。
【0057】
そして、本実施の形態に係るトナー供給ローラ550においては、前記平均開口幅Eaveが約59μmとなっている。また、前記開口間の平均距離Daveが約64μmとなっている。
【0058】
また、孔552の開口の平均深さFaveについては、孔552の形状が略球形であることと孔552が表層部550aにランダムに設けられていることを考慮すると、当該平均深さFaveを前記平均開口幅Eaveの1/2の値とみなすことができる。したがって、本実施の形態に係るトナー供給ローラ550においては、平均深さFaveは約29.5μmとなる。
【0059】
なお、本実施の形態においては、図9に示されるように、前記直線を前記軸方向に沿って引いたが、これに限定されるものではない。例えば、前記周方向に沿って引いてもよいし、他の方向に沿って引いてもよい。孔552は表層部550aにランダムに設けられているため、前記直線をどの方向に引いても、前記平均開口幅Eave、前記開口間の平均距離Dave、及び、孔552の開口の平均深さFaveは、それぞれ、略一定の値となる。
【0060】
上シール520は、現像ローラ510にその回転軸方向に沿って当接して、現像位置を通過後に現像ローラ510上に残留しているトナーTのハウジング540内への移動を許容し、かつ、ハウジング540内のトナーTのハウジング540外への移動を規制する。この上シール520は、ポリエチレンフィルム等からなるシールである。上シール520は、後述するホルダー526の上シール支持部526aによって支持されており、また、その長手方向が現像ローラ510の回転軸方向に沿うように設けられている(図12)。
【0061】
また、上シール520の、現像ローラ510に当接する当接面520b、とは反対側の面(当該面を、反対面520cとも呼ぶ)と、前記上シール支持部526aとの間には、モルトプレーン等の弾性体からなる上シール付勢部材524が圧縮した状態で設けられている。この上シール付勢部材524は、その付勢力で上シール520を現像ローラ510側へ付勢することにより、上シール520を現像ローラ510に押しつけている。
【0062】
規制ブレード560は、現像ローラ510の軸方向一端部から他端部に亘って現像ローラ510に当接部562aにて当接して、現像ローラ510に担持されたトナーTの層厚を規制し、また、現像ローラ510に担持されたトナーTに電荷を付与する。この規制ブレード560は、図4及び図10に示すように、ゴム部562と、ゴム支持部564と、を有している。
【0063】
ゴム部562は、シリコンゴム、ウレタンゴム等からなり、現像ローラ510に当接している。
ゴム支持部564は、薄板564aと薄板支持部564bとから構成されており、その短手方向一端部564d(すなわち、薄板564a側の端部)でゴム部562を支持する。薄板564aは、リン青銅、ステンレス等からなり、バネ性を有している。薄板564aは、ゴム部562を支持しており、その付勢力によってゴム部562を現像ローラ510に押しつけている。薄板支持部564bは、ゴム支持部564の短手方向他端部564eに配置された金属製の板金であり、当該薄板支持部564bは、前記薄板564aの、ゴム部562を支持している側とは逆側の端、を支持した状態で、当該薄板564aに取り付けられている。
【0064】
そして、規制ブレード560は、薄板支持部564bの長手方向両端部564cが後述するホルダー526の規制ブレード支持部526cによって支持された状態で、当該規制ブレード支持部526cに取付けられている。
規制ブレード560の、薄板支持部564b側とは逆側の端、すなわち、先端560aは、現像ローラ510に接触しておらず、該先端560aから所定距離だけ離れた部分(すなわち、当接部562a)が、現像ローラ510に幅を持って接触している。すなわち、規制ブレード560は、現像ローラ510にエッジにて当接しておらず、腹当たりにて当接しており、規制ブレード560が有する平面が現像ローラ510に当接することにより、前記層厚を規制する。また、規制ブレード560は、その先端560aが現像ローラ510の回転方向の上流側に向くように配置されており、いわゆるカウンタ当接している。
【0065】
また、図12に示すように、規制ブレード560のゴム部562の長手方向外側には、端部シール574が設けられている。当該端部シール574は、不織布により形成されており、現像ローラ510の回転軸方向端部に、当該現像ローラ510の周面に沿って接触して、その周面とハウジング540との間からのトナーTの漏れを防止する機能を発揮する。
【0066】
ホルダー526は、現像ローラ510等の種々の部材を組み付けるための金属製の部材であり、図11に示すように、その長手方向(すなわち、現像ローラ510の回転軸方向)に沿った上シール支持部526aと、前記長手方向(前記回転軸方向)において上シール支持部526aの外側に設けられ、前記長手方向(前記回転軸方向)と交差する現像ローラ支持部526bと、当該現像ローラ支持部526bと交差し、前記上シール支持部526aの長手方向端部に対向する規制ブレード支持部526cと、を有している。
【0067】
そして、図12に示すように、上シール520は、その短手方向端部520a(図4)にて、上シール支持部526aによって支持されており、また、現像ローラ510は、その端にて、現像ローラ支持部526bにより支持されている。
【0068】
さらに、規制ブレード560は、その長手方向両端部564cにて、規制ブレード支持部526cにより、支持されている。規制ブレード560は、規制ブレード支持部526cにネジ止めされることにより、ホルダー526に固定されている。
【0069】
このように、上シール520と、現像ローラ510と、規制ブレード560と、が組付けられたホルダー526は、図13に示すように、ホルダー526とハウジング540との間からのトナーTの漏れを防止するためのハウジングシール546(図4)を介して、前述したハウジング540に取り付けられている。
【0070】
このように構成されたイエロー現像装置54において、トナー供給ローラ550がトナー収容体530に収容されているトナーTを現像ローラ510に供給する。かかる供給の際に、トナーTがトナー供給ローラ550と現像ローラ510とにより摩擦帯電され、帯電されたトナーTが、現像ローラ510に付着し、該現像ローラ510に適切に担持されることとなる。現像ローラ510に担持されたトナーTは、現像ローラ510の回転に伴って、規制ブレード560に至り、当該規制ブレード560により、トナーTの量が規制され、トナーTがさらに摩擦帯電される。現像ローラ510上のトナーTは、現像ローラ510のさらなる回転によって、感光体20に対向する現像位置に至り、該現像位置にて交番電界下で感光体20上に形成された潜像の現像に供される。現像ローラ510のさらなる回転によって現像位置を通過した現像ローラ510上のトナーTは、上シール520を通過して、上シール520によって掻き落とされることなく現像装置内に回収される。さらに、未だ現像ローラ510に残存しているトナーTは、前記トナー供給ローラ550によって剥ぎ取られうる。
【0071】
===現像ローラ510の凸部512等の大きさとトナー供給ローラ550の孔552等の大きさとの関係について===
発明が解決しようとする課題の項で説明したとおり、トナー供給ローラ550が、多孔性の発泡材からなる表層部550aにて現像ローラ510の表面に接触して、現像ローラ510からトナーを剥ぎ取る際には、現像ローラ510の表面に備えられた前記複数の凸部512間に位置するトナー、すなわち、非凸部(凹部515及び側部514)に位置するトナー、が適切に剥ぎ取られない問題が生ずる場合がある。したがって、このような問題を解消するための適切な方策が要請されていた。
【0072】
かかる事項に鑑み、本実施の形態においては、トナー剥ぎ取り性を向上させるために、現像ローラ510の凸部512等の大きさとトナー供給ローラ550の孔552等の大きさとが一定の関係になるように、現像装置の設計及び製造を行っている。
【0073】
以下では、本実施の形態に係る現像装置が満たす当該関係と、当該関係が満たされていることにより生ずるトナー剥ぎ取り性に係るメリット、について説明する。
先ず、本実施の形態に係る現像装置においては、複数の凸部512のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最大値L4が約192.3μm、表層部550aの孔552の開口間の平均距離Daveが約64μm、となっており、前者が後者よりも大きくなっている。すなわち、L4>Daveという関係式(以下、第一関係式とも呼ぶ)が満たされている。
【0074】
当該第一関係式が満たされていることにより、以下に説明するトナー剥ぎ取り性に係るメリットが生ずる。図14は、第一関係式が満たされていることにより生ずるトナー剥ぎ取り性に係るメリットについて説明するための説明図である。図14においては、上側に位置するトナー供給ローラ550が下側に位置する現像ローラ510に接触する様子が示されている。図14の左右方向が、現像ローラ510及びトナー供給ローラ550の(回転)軸方向である。また、図14の右図には、第一関係式が満たされているケース(すなわち、前記メリットが生ずるケース)が表されており、一方、図14の左図には、第一関係式が満たされていないケース(すなわち、前記メリットが生じないケース)を、比較のために表している。図14の左図から明らかなように、第一関係式が満たされていない場合には、孔552の開口間に位置する部分、すなわち、前記壁領域554が、非凸部(凹部515及び側部514)内に入り込み難く、したがって、非凸部に担持されたトナーTの剥ぎ取りが適切に行われない。これに対し、図14の右図に示すように、第一関係式が満たされる場合には、表層部550aが弾性変形して、壁領域554が非凸部(凹部515及び側部514)内に容易に入り込み、非凸部に担持されたトナーの剥ぎ取りが適切に行われる。
【0075】
そして、本実施の形態に係る現像装置においては、第一関係式が満たされているから、当該現像装置は、適切なトナー剥ぎ取り性を有することとなる。なお、現像装置が、適切なトナー剥ぎ取り性を有すると、トナー供給ローラ550のトナー供給機能及びトナー剥ぎ取り機能による現像ローラ510上のトナーの入れ換えが適切に行われるため、現像ローラ510上にトナーが長時間滞留することが適切に防止されることとなる。そして、このことにより、滞留したトナーにより現像が行われる問題が適切に解消されるため、現像性(能)も向上することとなる。
【0076】
また、本実施の形態に係る現像装置においては、複数の凸部512のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最大値L4が約192.3μm、表層部550aの孔552の開口間の平均距離Daveと孔552の開口の平均開口幅Eaveとの和が約123μm(=64μm+59μm)となっており、前者が後者よりも大きくなっている。すなわち、第一関係式に加えて、L4>Dave+Eaveという関係式(以下、第二関係式とも呼ぶ)も満たされている。
【0077】
第一関係式に加えて第二関係式が満たされていることにより、以下に説明するトナー剥ぎ取り性に係るメリットが生ずる。第一関係式が満たされているが第二関係式が満たされていない場合には、第一関係式が満たされているため壁領域554が非凸部(凹部515及び側部514)内に入り込むものの、第二関係式が満たされていないため(すなわち、L4に比べてDaveが十分に小さな値とはなっていないため)、壁領域554が、非凸部内に入ってトナーを剥ぎ取る際に、非凸部を密閉してしまい、トナーの逃げ場を失くしてしまう。そして、かかる状況においては、トナーが圧粉され凝集することにより、非凸部からトナーが離れ難くなり、また、トナーの性能も悪化してしまう。これに対し、第一関係式に加えて第二関係式が満たされる場合には、壁領域554が、非凸部内に入ってトナーを剥ぎ取る際に、平均開口幅分の十分な前記逃げ場が確保されるため、トナーの凝集が適切に回避され、非凸部からトナーが離れ易くなり、また、トナーの性能が悪化してしまうことも防止される。したがって、第二関係式が満たされている方がより望ましい。
【0078】
そして、本実施の形態に係る現像装置においては、第二関係式が満たされているから、当該現像装置は、このような第二関係式が満たされていることによる生ずるメリット、を享受することとなる。
【0079】
また、本実施の形態に係る現像装置においては、複数の凸部512のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最大値L4が約192.3μm、表層部550aの孔552の開口間の平均距離Daveの2倍と孔552の開口の平均開口幅Eaveとの和が約187μm(=64μm×2+59μm)となっており、前者が後者よりも大きくなっている。さらに、複数の非凹部513のうちの互いに隣り合う非凹部513間の距離、の最大値L8が、約169.7μmとなっており、表層部550aの孔552の開口間の平均距離Daveの2倍と孔552の開口の平均開口幅Eaveとの和よりも小さくなっている。すなわち、第一関係式に加えて、L4>Dave×2+Eave>L8という関係式(以下、第三関係式とも呼ぶ)も満たされている。
【0080】
第一関係式に加えて第三関係式が満たされていることにより、以下に説明するトナー剥ぎ取り性に係るメリットが生ずる。図15は、第一関係式に加えて第三関係式が満たされていることにより生ずるトナー剥ぎ取り性に係るメリットについて説明するための説明図である。図15においては、図14と同様、上側に位置するトナー供給ローラ550が下側に位置する現像ローラ510に接触する様子が示されている。また、図15には、第一関係式に加えて第三関係式が満たされているケース(すなわち、前記メリットが生ずるケース)が表されている。図15から明らかなように、第一関係式に加えて第三関係式が満たされているには、壁領域554の孔552との境界部分554aが非凸部のうちの側部514に適切に接触することにより、側部514に担持されたトナーの剥ぎ取りが促進されることとなる。したがって、第三関係式が満たされている方がより望ましい。
【0081】
そして、本実施の形態に係る現像装置においては、第三関係式が満たされているから、当該現像装置は、このような第三関係式が満たされていることによる生ずるメリット、を享受することとなる。
【0082】
また、本実施の形態に係る現像装置においては、非凹部513の最大幅L6が約56.6μm、表層部550aの孔552の開口の平均開口幅Eaveが約59μmとなっており、前者が後者よりも小さくなっている。さらに、凹部515を基準とした非凹部513の最大高さHが約8μm、孔552の開口の平均深さFaveが約29.5μmとなっており、前者が後者よりも小さくなっている。すなわち、第一関係式に加えて、L6<Eave、H<Faveという関係式(以下、第四関係式とも呼ぶ)も満たされている。
【0083】
第一関係式に加えて第四関係式が満たされていることにより、以下に説明するトナー剥ぎ取り性に係るメリットが生ずる。図16は、第一関係式に加えて第四関係式が満たされていることにより生ずるトナー剥ぎ取り性に係るメリットについて説明するための説明図である。図16においては、図14、図15と同様、上側に位置するトナー供給ローラ550が下側に位置する現像ローラ510に接触する様子が示されている。また、図16の右図には、第四関係式が満たされているケース(すなわち、前記メリットが生ずるケース)が表されており、一方、図16の左図には、第四関係式が満たされていないケース(すなわち、前記メリットが生じないケース)を、比較のために表している。図16の左図から明らかなように、第一関係式が満たされているが第四関係式が満たされていない場合には、第一関係式が満たされているため壁領域554が非凸部(凹部515及び側部514)内に入り込むものの、第四関係式が満たされていないため、非凹部513が表層部550aに接触し、この接触が、壁領域554が非凸部内の奥まで入ることを阻害する。これに対し、第一関係式に加えて第四関係式が満たされる場合には、図16の右図から明らかなように、非凹部513の表層部550aへの接触による前記阻害、が生じない状況となり得るため、壁領域554が非凸部内の奥まで入ることができる。したがって、非凸部内の奥に位置するトナーの剥ぎ取りが促進されることとなる。したがって、第四関係式が満たされている方がより望ましい。
【0084】
そして、本実施の形態に係る現像装置においては、第四関係式が満たされているから、当該現像装置は、このような第四関係式が満たされていることによる生ずるメリット、を享受することとなる。
【0085】
また、本実施の形態に係る現像装置においては、複数の凸部512のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最小値L3が約136μmとなっており、当該距離の最大値L4のみならず、当該距離の最小値L3も、表層部550aの孔552の開口間の平均距離Dave(約64μm)よりも大きくなっている。したがって、本実施の形態に係る現像装置においては、非凸部に担持されたトナーの剥ぎ取りがより適切に行われることとなる。
【0086】
===現像装置の製造方法===
次に、現像装置の製造方法について、図17A乃至図19を用いて説明する。図17A乃至図17Eは、現像ローラ510の製造工程における、現像ローラ510の変遷を示した模式図である。図18は、現像ローラ510の転造加工を説明するための説明図である。図19は、イエロー現像装置54の組み立て方法を説明するためのフローチャートである。なお、現像装置を製造する際には、前述したハウジング540、ホルダー526、現像ローラ510、トナー供給ローラ550、規制ブレード560等がそれぞれ製造された後に、これらの部材を用いて現像装置の組み立てが実施される。本項では、これらの部材の製造方法のうち現像ローラ510の製造方法について先ず説明し、その後、現像装置の組み立て方法について説明する。なお、以下では、ブラック現像装置51、マゼンタ現像装置52、シアン現像装置53、及び、イエロー現像装置54のうち、イエロー現像装置54を例に挙げて、説明する。
【0087】
<<<現像ローラ510の製造方法について>>>
ここでは、現像ローラ510の製造方法について、図17A乃至図18を用いて説明する。
先ず、図17Aに示すように、現像ローラ510の基材としてのパイプ材600を準備する。当該パイプ材600の肉厚は0.5〜3mmである。
【0088】
次に、図17Bに示すように、当該パイプ材600の長手方向両端部にフランジ圧入部602を作る。当該フランジ圧入部602は、切削加工により作られる。
次に、図17Cに示すように、当該フランジ圧入部602にフランジ604を圧入する。フランジ604のパイプ材600への固定を確実にするために、フランジ604の圧入後、フランジ604をパイプ材600へ接着又は溶接するようにしてもよい。
【0089】
次に、図17Dに示すように、フランジ604が圧入されたパイプ材600の表面にセンタレス研磨を施す。当該センタレス研磨は、当該表面の全面に亘って実施され、センタレス研磨後の当該表面の十点平均粗さRzは、1.0μm以下となる。
次に、図17Eに示すように、フランジ604が圧入されたパイプ材600に、転造加工を施す。本実施の形態においては、2つの丸ダイス650、652を用いた所謂スルーフィード転造(歩み転造、通し転造とも呼ばれている)加工が実施される。
【0090】
すなわち、図18に示すように、ワークとしての前記パイプ材600を挟むように配置された二つの丸ダイス650、652、を当該パイプ材600に所定の圧力(当該圧力の方向を、図18中記号Pで示す)で押し付けた状態で、当該二つの丸ダイス650、652を同方向(図18参照)に回転させる。スルーフィード転造においては、丸ダイス650、652が回転することにより、パイプ材600が丸ダイス650、652の回転方向とは逆方向(図18参照)に回転しながら、図18中記号Hで示した方向に移動する。丸ダイス650、652の表面には、溝680を形成するための凸部650a、652aが備えられており、当該凸部650a、652aがパイプ材600を変形させることにより、パイプ材600に溝680が形成される。
【0091】
そして、転造加工の終了後に、前記中央部510aの表面にメッキを施す。本実施の形態においては、当該メッキとして無電解Ni−Pメッキを用いるが、これに限定されるものではなく、例えば、硬質クロームメッキや電気メッキを用いてもよい。
【0092】
<<<イエロー現像装置54の組み立て方法について>>>
次に、イエロー現像装置54の組み立て方法について、図19を用いて説明する。
先ず、前述したハウジング540、ホルダー526、現像ローラ510、規制ブレード560等を準備する(ステップS2)。
【0093】
次に、規制ブレード560をホルダー526の規制ブレード支持部526cにネジ止めすることにより、規制ブレード560をホルダー526に固定する(ステップS4)。なお、前述した端部シール574については、当該ステップS4の前に、予め規制ブレード560に取り付けておく。
【0094】
次に、規制ブレード560が固定されたホルダー526に、現像ローラ510を取り付ける(ステップS6)。かかる際に、規制ブレード560が現像ローラ510の回転軸方向一端部から他端部に亘って当接するように、現像ローラ510をホルダー526に取り付ける。なお、前述した上シール520については、当該ステップS6の前に、予めホルダー526に取り付けておく。
【0095】
そして、現像ローラ510、規制ブレード560等が取り付けられたホルダー526を、ハウジングシール546を介して、ハウジング540に取り付ける(ステップS8)ことにより、イエロー現像装置54の組み立てが完了する。なお、前述したトナー供給ローラ550については、当該ステップS8の前に、予めハウジング540に取り付けておく。
【0096】
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る現像装置等を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0097】
上記実施の形態においては、画像形成装置として中間転写型のフルカラーレーザビームプリンタを例にとって説明したが、本発明は、中間転写型以外のフルカラーレーザビームプリンタ、モノクロレーザビームプリンタ、複写機、ファクシミリなど、各種の画像形成装置に適用可能である。
【0098】
また、感光体についても、円筒状の導電性基材の外周面に感光層を設けて構成した、所謂感光ローラに限られず、ベルト状の導電性基材の表面に感光層を設けて構成した、所謂感光ベルトであってもよい。
【0099】
また、前記表層部550aの孔552の中には、開口の開口幅が非凹部513の最大幅よりも大きく、かつ、開口の深さが凹部515を基準とした非凹部513の最大高さよりも大きい大孔、が複数含まれており、前記複数の凸部512のうちの互いに隣り合う凸部512間の距離、の最大値L4が、前記大孔の開口間の平均距離よりも大きいこととしてもよい。
【0100】
当該事項について、図9を再度参照して、詳しく説明する。図9に示したように、孔552の大きさには、ばらつきがあり、大きい孔552と小さい孔552とが存在している。ここで、開口の開口幅が非凹部513の最大幅L6よりも大きく、かつ、開口の深さが凹部515を基準とした非凹部513の最大高さHよりも大きい孔552を大孔と、それ以外の孔552を小孔とすると、前述した孔552の開口間の平均距離Daveと同様に、大孔の開口間の平均距離Dlaveが求められる。大孔の開口間の平均距離Dlaveは、大孔のみを孔552と見做して(換言すれば、小孔を孔552と見做さないで)、前述の方法を適用することにより、求めることができる。例えば、図9においては、9つの開口幅E1〜E9のうちの開口幅E1、E5、E7、E8が、大孔の開口幅に相当するため、大孔の開口間の距離は、Dl1=D2+E2+D3+E3+D4+E4+D5、Dl2=D6+E6+D7、Dl3=D8、・・・となる。そして、これらの大孔の開口間の距離から、前述した方法を用いて大孔の開口間の平均距離Dlaveを得ることができる。
【0101】
そして、複数の凸部512のうちの互いに隣り合う凸部512間の距離、の最大値L4が、大孔の開口間の平均距離Dlaveよりも大きい場合には、第四関係式が満たされていることにより生ずるトナー剥ぎ取り性に係る上述したメリットと同様のメリットが生ずる。すなわち、非凹部513の表層部550aへの接触による前述した阻害、が生じない状況となり得るため、壁領域554が非凸部内の奥まで入ることができ、非凸部内の奥に位置するトナーの剥ぎ取りが促進されることとなる。
【0102】
したがって、複数の凸部512のうちの互いに隣り合う凸部512間の距離、の最大値L4が、大孔の開口間の平均距離Dlaveよりも大きくなるように、現像装置の設計及び製造を行うのが望ましい。
【0103】
===画像形成システム等の構成===
次に、本発明に係る実施の形態の一例である画像形成システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0104】
図20は、画像形成システムの外観構成を示した説明図である。画像形成システム700は、コンピュータ702と、表示装置704と、プリンタ706と、入力装置708と、読取装置710とを備えている。コンピュータ702は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置704は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ706は、上記に説明されたプリンタが用いられている。入力装置708は、本実施形態ではキーボード708Aとマウス708Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置710は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置710AとCD−ROMドライブ装置710Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magneto Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
【0105】
図21は、図20に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。コンピュータ702が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ802と、ハードディスクドライブユニット804等の外部メモリがさらに設けられている。
【0106】
なお、以上の説明においては、プリンタ706が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710と接続されて画像形成システムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、画像形成システムが、コンピュータ702とプリンタ706から構成されても良く、画像形成システムが表示装置704、入力装置708及び読取装置710のいずれかを備えていなくても良い。
【0107】
また、例えば、プリンタ706が、コンピュータ702、表示装置704、入力装置708、及び、読取装置710のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ706が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
【0108】
このようにして実現された画像形成システムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】プリンタ10を構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】図1のプリンタ10の制御ユニットを示すブロック図である。
【図3】現像装置の概念図である。
【図4】現像装置の主要構成要素を示した断面図である。
【図5】現像ローラ510の斜視模式図である。
【図6】現像ローラ510の正面模式図である。
【図7】凸部512、凹部515等の形状を示した模式図である。
【図8】図7のA−A断面の断面形状を表した模式図である。
【図9】トナー供給ローラ550の表層部550aにおける孔552及び壁領域554が表された図である。
【図10】規制ブレード560の斜視図である。
【図11】ホルダー526の斜視図である。
【図12】ホルダー526に、上シール520、現像ローラ510、規制ブレード560が組み付けられている様子を示した斜視図である。
【図13】ホルダー526が、ハウジング540に取付けられている様子を示した斜視図である。
【図14】第一関係式が満たされていることにより生ずるトナー剥ぎ取り性に係るメリットについて説明するための説明図である。
【図15】第三関係式が満たされていることにより生ずるトナー剥ぎ取り性に係るメリットについて説明するための説明図である。
【図16】第四関係式が満たされていることにより生ずるトナー剥ぎ取り性に係るメリットについて説明するための説明図である。
【図17】図17A乃至図17Eは、現像ローラ510の製造工程における、現像ローラ510の変遷を示した模式図である。
【図18】現像ローラ510の転造加工を説明するための説明図である。
【図19】イエロー現像装置54の組み立て方法を説明するためのフローチャートである。
【図20】画像形成システムの外観構成を示した説明図である。
【図21】図20に示した画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0110】
10 レーザビームプリンタ、20 感光体、30 帯電ユニット、
40 露光ユニット、50 YMCK現像ユニット、50a 中心軸、
51 ブラック現像装置、52 マゼンタ現像装置、53 シアン現像装置、
54 イエロー現像装置、55a 保持部、55b 保持部、
55c 保持部、55d 保持部、60 一次転写ユニット、
70 中間転写体、75 クリーニングユニット、76 クリーニングブレード、
80 二次転写ユニット、90 定着ユニット、92 給紙トレイ、
94 給紙ローラ、95 表示ユニット、96 レジローラ、
100 制御ユニット、101 メインコントローラ、102 ユニットコントローラ、112 インターフェイス、113 画像メモリ、510 現像ローラ、
510a 中央部、510b 軸部、512 凸部、513 非凹部、
514 側部、515 凹部、516 第一溝部、518 第二溝部、
520 上シール、520a 短手方向端部、520b 当接面、520c 反対面、
524 上シール付勢部材、526 ホルダー、526a 上シール支持部、
526b 現像ローラ支持部、526c 規制ブレード支持部、530 トナー収容体、
530a 第一トナー収容部、530b 第二トナー収容部、540 ハウジング、
542 上ハウジング部、544 下ハウジング部、545 仕切り壁、
546 ハウジングシール、550 トナー供給ローラ、550a 表層部、
552 孔、554 壁領域、554a 境界部分、560 規制ブレード、
560a 先端、562 ゴム部、562a 当接部、564 ゴム支持部、
564a 薄板、564b 薄板支持部、564c 長手方向両端部、
564d 短手方向一端部、564e 短手方向他端部、572 開口、
574 端部シール、576 軸受け、600 パイプ材、602 フランジ圧入部、
604 フランジ、650 丸ダイス、650a 凸部、652 丸ダイス、
652a 凸部、680 溝、700 画像形成システム、702 コンピュータ、
704 表示装置、706 プリンタ、708 入力装置、708A キーボード、
708B マウス、710 読取装置、710A フレキシブルディスクドライブ装置、710B CD−ROMドライブ装置、802 内部メモリ、
804 ハードディスクドライブユニット、T トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
規則的に配置された複数の凸部、を表面に有し、トナーを担持して該トナーで像担持体に担持された潜像を現像するトナー担持体と、
多孔性の発泡材からなる表層部にて該トナー担持体の前記表面に接触して、前記潜像を現像した後の前記トナー担持体、から前記トナーを剥ぎ取る剥ぎ取り部材と、
を有する現像装置であって、
前記複数の凸部のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最大値が、
前記表層部の孔の開口間の平均距離よりも大きいことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の現像装置において、
前記複数の凸部のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最大値が、
前記孔の開口間の平均距離と、前記孔の開口の平均開口幅と、の和よりも大きいことを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の現像装置において、
前記トナー担持体は、
規則的に配置された凹部と、
規則的に配置された複数の非凹部であって、前記凸部と、該凸部と前記凹部とを繋ぐ側部と、を備え、各々の該非凹部の周囲が前記凹部に囲まれている複数の非凹部と、
を前記表面に有し、
前記複数の凸部のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最大値が、
前記孔の開口間の平均距離の2倍と、前記孔の開口の平均開口幅と、の和よりも大きく、かつ、
前記複数の非凹部のうちの互いに隣り合う非凹部間の距離、の最大値が、
前記孔の開口間の平均距離の2倍と、前記孔の開口の平均開口幅と、の和よりも小さいことを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の現像装置において、
前記トナー担持体は、
規則的に配置された凹部と、
規則的に配置された複数の非凹部であって、前記凸部と、該凸部と前記凹部とを繋ぐ側部と、を備え、各々の該非凹部の周囲が前記凹部に囲まれている複数の非凹部と、
を前記表面に有し、
前記表層部の孔の中には、
開口の開口幅が前記非凹部の最大幅よりも大きく、かつ、開口の深さが前記凹部を基準とした前記非凹部の最大高さよりも大きい大孔、が複数含まれており、
前記複数の凸部のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最大値が、
前記大孔の開口間の平均距離よりも大きいことを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の現像装置において、
前記トナー担持体は、
規則的に配置された凹部と、
規則的に配置された複数の非凹部であって、前記凸部と、該凸部と前記凹部とを繋ぐ側部と、を備え、各々の該非凹部の周囲が前記凹部に囲まれている複数の非凹部と、
を前記表面に有し、
前記非凹部の最大幅が、前記孔の開口の平均開口幅よりも小さく、かつ、前記凹部を基準とした前記非凹部の最大高さが、前記孔の開口の平均深さよりも小さいことを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の現像装置において、
前記複数の凸部のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最小値が、
前記孔の開口間の平均距離よりも大きいことを特徴とする現像装置。
【請求項7】
潜像を担持するための像担持体と、
規則的に配置された複数の凸部、を表面に有し、トナーを担持して該トナーで前記像担持体に担持された潜像を現像するトナー担持体と、多孔性の発泡材からなる表層部にて該トナー担持体の前記表面に接触して、前記潜像を現像した後の前記トナー担持体、から前記トナーを剥ぎ取る剥ぎ取り部材と、を有する現像装置と、
を備える画像形成装置であって、
前記複数の凸部のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最大値が、
前記表層部の孔の開口間の平均距離よりも大きいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
コンピュータ、及び、
このコンピュータに接続可能な画像形成装置であって、潜像を担持するための像担持体と、規則的に配置された複数の凸部、を表面に有し、トナーを担持して該トナーで前記像担持体に担持された潜像を現像するトナー担持体と、多孔性の発泡材からなる表層部にて該トナー担持体の前記表面に接触して、前記潜像を現像した後の前記トナー担持体、から前記トナーを剥ぎ取る剥ぎ取り部材と、を有する現像装置と、を備える画像形成装置であって、前記複数の凸部のうちの互いに隣り合う凸部間の距離、の最大値が、前記表層部の孔の開口間の平均距離よりも大きい画像形成装置、
を具備することを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−3290(P2009−3290A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−165605(P2007−165605)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】