説明

現像装置およびその制御方法

【課題】ハイブリッド現像方式を有する現像装置において、搬送ローラと現像ローラとの間のギャップ変動による画像メモリやリークの発生を抑制することができ、安定して現像を行うことができるようにする。
【解決手段】トナーとキャリアを含む現像剤を搬送する搬送ローラ54と、搬送ローラに対向するとともに感光体12に対向する現像ローラ48a、48bと、搬送ローラ用電源120と現像ローラ用電源130、140とから構成され、搬送ローラに保持された現像剤中のトナーを現像ローラに移動させる電界形成手段と、現像ローラに保持されたトナーを感光体の静電潜像に移動させる電界形成手段とを備えた現像装置において、検出ブロック125によって検出される搬送ローラ用電源に流れる電流に基づいて、搬送ローラに保持された現像剤中のトナーを現像ローラに移動させる電界形成手段の作動を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ又はこれらの複合機等の電子写真方式の画像形成装置に使用される現像装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置に使用する現像装置において、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像方式として、現像剤の主成分としてトナーのみを用いる一成分現像方式と、現像剤の主成分としてトナーとキャリアを用いる二成分現像方式とが知られている。
【0003】
一成分現像方式では、一般に、現像ローラと現像ローラに押圧して設けられた規制板との間の規制部にトナーを通過させることでトナーを摩擦帯電するとともに所望厚みのトナー薄層を現像ローラ外周面に保持させることができるため、現像装置の構成簡略化、小型化、低コスト化の面で有利である。しかしながら、一成分現像方式では、規制部で受ける強いストレスによってトナーの劣化が促進され、トナーの帯電量が耐久とともに低下しやすく、また、規制板表面や現像ローラ表面がトナーや他の外添剤によって汚染されることでトナーへの電荷付与性が低下し、かぶり等の問題を引き起こすため、現像装置の寿命が比較的短くなる。
【0004】
また、一成分現像方式では、現像ローラと静電潜像担持体との間に形成される現像領域のギャップが経時的に変化して濃度ムラが発生する場合があるが、例えば特許文献1には、一成分現像方式において、現像領域のインピーダンスを測定するインピーダンス測定手段による測定値と現像領域を流れるリーク電流に基づいてリークを検知するリーク検知手段による検知結果とに基づいて現像バイアス電圧の直流電圧値や交流電圧値を制御することで濃度ムラを抑制することが開示されている。
【0005】
一方、二成分現像方式は、トナーをキャリアとの混合・攪拌による摩擦接触により帯電させるため、トナーが受けるストレスが小さく、トナー劣化の面で有利である。また、トナーへの電荷付与部材であるキャリアも、その表面積がトナー粒子に比べて大きいため、トナーや他の外添剤による汚染に対しても相対的に強く、現像剤の長寿命化に有利である。しかしながら、二成分現像方式においても、長期間の使用により、キャリアがトナーや他の外添剤によって次第に汚染され、トナーの帯電量が低下し、かぶり等の問題を引き起こし得る。
【0006】
前記一成分現像方式及び二成分現像方式におけるトナー帯電量の低下やかぶり等の問題を解消する現像方式として、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を摩擦接触によりトナー帯電した後、磁極体を内包した搬送ローラ上にこの現像剤を磁気ブラシ状態で保持させながらその回転によって現像ローラに対向する領域に搬送し、この領域に形成された電界の作用によって搬送ローラに保持されている現像剤からトナーだけを現像ローラに供給して現像ローラ上にトナー層を形成し、このトナー層を現像ローラの回転によって静電潜像担持体との対向する領域に搬送し、この領域に形成された電界の作用によって現像ローラに保持されたトナーを静電潜像担持体上に形成された静電潜像に飛翔させて現像する、所謂ハイブリッド現像方式が提案されている。
【0007】
前記ハイブリッド現像方式によれば、二成分現像剤の摩擦接触によってトナーの帯電が行われるため、トナーの劣化が抑制され、十分なトナー帯電量を確保でき、また、搬送ローラから現像ローラへのトナーの供給が電界によって行われるため、現像ローラに逆極性に帯電したトナーが供給されることがないので、静電潜像担持体上の非画像部へのトナー付着がなく、かぶりの発生が防止される。また、現像ローラにはトナーしか供給されないので、キャリアの静電潜像担持体ヘの付着も防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−78015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、前記ハイブリッド現像方式を有する現像装置において、搬送ローラと現像ローラとが対向する領域では、新しいトナーを搬送ローラから現像ローラに供給しつつ、現像後に現像ローラ上に残っているトナーを搬送ローラに回収するようにした場合、搬送ローラと現像ローラとの間に形成される対向領域のギャップに変動が生じると、画像メモリやリークが発生し得る。
【0010】
前記ハイブリッド現像方式を有する現像装置において、搬送ローラと現像ローラとの間に形成される対向領域のギャップが所定値よりも大きくなると、現像後に現像ローラ上に残留するトナーの搬送ローラへの回収が不十分となって画像メモリを引き起こす畏れがある。一方、搬送ローラと現像ローラとの間に形成される対向領域のギャップが所定値よりも小さくなると、搬送ローラと現像ローラとの間にリークが発生する畏れがある。
【0011】
そこで、この発明は、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いるハイブリッド現像方式を有する現像装置において、搬送ローラと現像ローラとの間におけるギャップに変動が生じた場合においても、搬送ローラと現像ローラとの間のギャップ変動による画像メモリやリークの発生を抑制することができ、安定して現像を行うことができるようにする、ことを基本的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を達成するため、本発明に係る現像装置は、回転駆動され、トナーとキャリアとを含む現像剤を外周面に保持しつつ搬送する現像剤搬送部材と、回転駆動され、前記現像剤搬送部材に対向するとともに静電潜像担持体に対向し、前記トナーを搬送するトナー搬送部材と、前記現像剤搬送部材に接続される現像剤搬送部材用電源と前記トナー搬送部材に接続されるトナー搬送部材用電源とから構成され、前記現像剤搬送部材と前記トナー搬送部材との間に所定の電界を形成し、前記現像剤搬送部材に保持された前記現像剤中のトナーを前記トナー搬送部材に移動させる電界形成手段と、前記トナー搬送部材に接続される前記トナー搬送部材用電源から構成され、前記トナー搬送部材と前記静電潜像担持体との間に所定の電界を形成し、前記トナー搬送部材に保持された前記トナーを前記静電潜像担持体の静電潜像に移動させる電界形成手段と、を備え、前記現像剤を用いて前記静電潜像担持体上の静電潜像を現像し、現像後に前記トナー搬送部材上に残留する前記トナーを前記現像剤搬送部材に回収させるようにした現像装置であって、前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流を検出する検出ブロックと、前記検出ブロックによって検出された前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流に基づいて、前記現像剤搬送部材と前記トナー搬送部材との間に所定の電界を形成する電界形成手段の作動を制御する電界制御手段と、を備えている、ことを特徴としたものである。
【0013】
また、本発明に係る別の現像装置は、回転駆動され、トナーとキャリアとを含む現像剤を外周面に保持しつつ搬送する現像剤搬送部材と、回転駆動され、第1の領域を介して前記現像剤搬送部材に対向するとともに第2の領域を介して静電潜像担持体に対向し、前記トナーを搬送する第1のトナー搬送部材と、回転駆動され、第3の領域を介して前記現像剤搬送部材に対向するとともに第4の領域を介して静電潜像担持体に対向し、前記トナーを搬送する第2のトナー搬送部材と、前記現像剤搬送部材に接続される現像剤搬送部材用電源と前記第1のトナー搬送部材に接続される第1のトナー搬送部材用電源とから構成され、前記現像剤搬送部材と前記第1のトナー搬送部材との間に第1の電界を形成し、前記現像剤搬送部材に保持された前記現像剤中のトナーを前記第1のトナー搬送部材に移動させる第1の電界形成手段と、前記第1のトナー搬送部材に接続される前記第1のトナー搬送部材用電源から構成され、前記第1のトナー搬送部材と前記静電潜像担持体との間に第2の電界を形成し、前記第1のトナー搬送部材に保持された前記トナーを前記静電潜像担持体の静電潜像に移動させる第2の電界形成手段と、前記現像剤搬送部材に接続される前記現像剤搬送部材用電源と前記第2のトナー搬送部材に接続される第2のトナー搬送部材用電源とから構成され、前記現像剤搬送部材と前記第2のトナー搬送部材との間に第3の電界を形成し、前記現像剤搬送部材に保持された前記現像剤中のトナーを前記第2のトナー搬送部材に移動させる第3の電界形成手段と、前記第2のトナー搬送部材に接続される前記第2のトナー搬送部材用電源から構成され、前記第2のトナー搬送部材と前記静電潜像担持体との間に第4の電界を形成し、前記第2のトナー搬送部材に保持された前記トナーを前記静電潜像担持体の静電潜像に移動させる第4の電界形成手段と、を備え、前記現像剤を用いて前記静電潜像担持体上の静電潜像を現像し、現像後に前記第1のトナー搬送部材及び前記第2のトナー搬送部材上にそれぞれ残留する前記トナーを前記現像剤搬送部材に回収させるようにした現像装置であって、前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流を検出する検出ブロックと、前記第1の電界形成手段及び前記第3の電界形成手段によって前記第1の領域及び前記第3の領域にそれぞれ所定の電界を形成した場合に前記検出ブロックによって検出される前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流と、前記第1の電界形成手段及び前記第3の電界形成手段によって前記第1の領域及び前記第3の領域にそれぞれ前記所定の電界とは異なる所定の電界を形成した場合に前記検出ブロックによって検出される前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流と、に基づいて、前記第1の電界形成手段及び前記第3の電界形成手段の作動をそれぞれ制御する電界制御手段と、を備えている、ことを特徴としたものである。
【0014】
更に、本発明に係る現像装置の制御方法は、回転駆動され、トナーとキャリアを含む現像剤を外周面に保持しつつ搬送する現像剤搬送部材と、回転駆動され、前記現像剤搬送部材に対向するとともに静電潜像担持体に対向し、前記トナーを搬送するトナー搬送部材と、前記現像剤搬送部材に接続される現像剤搬送部材用電源と前記トナー搬送部材に接続されるトナー搬送部材用電源とから構成され、前記現像剤搬送部材と前記トナー搬送部材との間に所定の電界を形成し、前記現像剤搬送部材に保持された前記現像剤中のトナーを前記トナー搬送部材に移動させる電界形成手段と、前記トナー搬送部材に接続される前記トナー搬送部材用電源から構成され、前記トナー搬送部材と前記静電潜像担持体との間に所定の電界を形成し、前記トナー搬送部材に保持された前記トナーを前記静電潜像担持体の静電潜像に移動させる電界形成手段と、を備え、前記現像剤を用いて前記静電潜像担持体上の静電潜像を現像し、現像後に前記トナー搬送部材上に残留する前記トナーを前記現像剤搬送部材に回収させるようにした現像装置の制御方法であって、前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流を検出し、検出された前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流に基づいて、前記現像剤搬送部材と前記トナー搬送部材との間に所定の電界を形成する電界形成手段の作動を制御する、ことを特徴としたものである。
【0015】
また更に、本発明に係る別の現像装置の制御方法は、回転駆動され、トナーとキャリアを含む現像剤を外周面に保持しつつ搬送する現像剤搬送部材と、回転駆動され、第1の領域を介して前記現像剤搬送部材に対向するとともに第2の領域を介して静電潜像担持体に対向し、前記トナーを搬送する第1のトナー搬送部材と、回転駆動され、第3の領域を介して前記現像剤搬送部材に対向するとともに第4の領域を介して静電潜像担持体に対向し、前記トナーを搬送する第2のトナー搬送部材と、前記現像剤搬送部材に接続される現像剤搬送部材用電源と前記第1のトナー搬送部材に接続される第1のトナー搬送部材用電源とから構成され、前記現像剤搬送部材と前記第1のトナー搬送部材との間に第1の電界を形成し、前記現像剤搬送部材に保持された前記現像剤中のトナーを前記第1のトナー搬送部材に移動させる第1の電界形成手段と、前記第1のトナー搬送部材に接続される前記第1のトナー搬送部材用電源から構成され、前記第1のトナー搬送部材と前記静電潜像担持体との間に第2の電界を形成し、前記第1のトナー搬送部材に保持された前記トナーを前記静電潜像担持体の静電潜像に移動させる第2の電界形成手段と、前記現像剤搬送部材に接続される前記現像剤搬送部材用電源と前記第2のトナー搬送部材に接続される第2のトナー搬送部材用電源とから構成され、前記現像剤搬送部材と前記第2のトナー搬送部材との間に第3の電界を形成し、前記現像剤搬送部材に保持された前記現像剤中のトナーを前記第2のトナー搬送部材に移動させる第3の電界形成手段と、前記第2のトナー搬送部材に接続される第2のトナー搬送部材用電源から構成され、前記第2のトナー搬送部材と前記静電潜像担持体との間に第4の電界を形成し、前記第2のトナー搬送部材に保持された前記トナーを前記静電潜像担持体の静電潜像に移動させる第4の電界形成手段と、を備え、前記現像剤を用いて前記静電潜像担持体上の静電潜像を現像し、現像後に前記第1のトナー搬送部材及び前記第2のトナー搬送部材上にそれぞれ残留する前記トナーを前記現像剤搬送部材に回収させるようにした現像装置の制御方法であって、前記第1の電界形成手段及び前記第3の電界形成手段によって前記第1の領域及び前記第3の領域にそれぞれ所定の電界を形成した場合に前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流と、前記第1の電界形成手段及び前記第3の電界形成手段によって前記第1の領域及び前記第3の領域にそれぞれ前記所定の電界とは異なる所定の電界を形成した場合に前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流と、を検出し、前記第1の領域及び前記第3の領域にそれぞれ所定の電界を形成した場合に検出される前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流と、前記第1の領域及び前記第3の領域にそれぞれ前記所定の電界とは異なる所定の電界を形成した場合に検出される前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流と、に基づいて、前記第1の電界形成手段及び前記第3の電界形成手段の作動をそれぞれ制御する、ことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る現像装置によれば、検出された現像剤搬送部材用電源に流れる電流に基づいて、現像剤搬送部材とトナー搬送部材との間に所定の電界を形成する電界形成手段の作動を制御することにより、現像剤搬送部材用電源に流れる電流から現像剤搬送部材とトナー搬送部材との間に形成される領域におけるギャップの変動を検出し、該ギャップの変動を検出すると、ギャップ変動に基づいて現像剤搬送部材とトナー搬送部材との間に所定の電界を形成する電界形成手段の作動を制御することができるので、現像剤搬送部材とトナー搬送部材との間に形成される領域のギャップ変動による画像メモリやリークの発生を抑制することができ、安定して現像を行うことができる。
【0017】
また、本発明に係る別の現像装置によれば、第1の領域及び第3の領域にそれぞれ所定の電界を形成した場合に検出される現像剤搬送部材用電源に流れる電流と、第1の領域及び第3の領域にそれぞれ前記所定の電界とは異なる所定の電界を形成した場合に検出される現像剤搬送部材用電源に流れる電流とに基づいて、第1の電界形成手段及び第3の電界形成手段の作動をそれぞれ制御することにより、現像剤搬送部材用電源に流れる電流から第1の領域及び第3の領域におけるそれぞれのギャップの変動を検出し、該ギャップの変動を検出すると、ギャップ変動に基づいて第1の電界形成手段及び第3の電界形成手段の作動をそれぞれ制御することができるので、第1の領域や第3の領域におけるギャップ変動による画像メモリやリークの発生を抑制することができ、安定して現像を行うことができる。
【0018】
更に、本発明に係る現像装置の制御方法によれば、本発明に係る現像装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0019】
また更に、本発明に係る別の現像装置の制御方法によれば、本発明に係る別の現像装置と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る現像装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】前記画像形成装置の電界形成装置を具体的に示す図である。
【図3】図2に示す電界形成装置から搬送ローラと現像ローラに供給されている電圧の関係を示す図である。
【図4】搬送ローラと現像ローラとで構成される回路の等価回路を示す図である。
【図5】検出ブロックによって第1の電源に流れる電流を検出する方法を説明するための説明図である。
【図6】検出ブロックのモニタ電圧の検出値を示すグラフである。
【図7】コンデンサの負荷容量とモニタ電圧の振幅との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下の説明では、「上」、「下」、「左」、「右」、およびそれらを含む他の用語、「時計回り方向」、「反時計回り方向」などの特定の方向を意味する用語を使用するが、それらの使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明は限定的に解釈されるべきものでない。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る現像装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す図である。画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、およびそれらの機能を複合的に備えた複合機のいずれであってもよい。画像形成装置1は、静電潜像を担持する静電潜像担持体としての感光体12を有する。感光体12は円筒体で構成されているが、本発明はそのような形態に限定されるものでなく、代わりに無端ベルト式の感光体も使用可能である。感光体12は、図示しないモータに駆動連結されており、モータの駆動に基づいて矢印14方向に回転するようにしてある。感光体12の周囲には、感光体12の回転方向に沿って、帯電ステーション16、露光ステーション18、現像ステーション20、転写ステーション22、およびクリーニングステーション24が配置されている。
【0023】
帯電ステーション16は、感光体12の外周面である感光体層を所定の電位に帯電する帯電装置26を備えている。帯電装置26は円筒形状のローラとして表されているが、これに代えて回転型又は固定型のブラシ式帯電装置やワイヤ放電式帯電装置など他の形態の帯電装置も使用できる。露光ステーション18は、感光体12の近傍又は感光体12から離れた場所に配置された露光装置28から出射された画像光30が、帯電された感光体12の外周面に向けて進行するための通路32を有する。露光ステーション18を通過した感光体12の外周面には、画像光が投射されて電位の減衰した部分とほぼ帯電電位を維持する部分からなる、静電潜像が形成される。本実施形態では、電位の減衰した部分が静電潜像画像部、ほぼ帯電電位を維持する部分が静電潜像非画像部である。現像ステーション20は、粉体現像剤を用いて静電潜像を可視像化して現像する現像装置34を有する。現像装置34の詳細は後に説明する。転写ステーション22は、感光体12の外周面に形成された可視像を記録媒体としての用紙38に転写する転写装置36を有する。転写装置36は円筒形状のローラとして表されているが、ワイヤ放電式転写装置など他の形態の転写装置も使用できる。クリーニングステーション24は、転写ステーション22で用紙38に転写されることなく感光体12の外周面に残留する未転写現像剤を感光体12の外周面から回収するクリーニング装置40を有する。クリーニング装置40は板状のブレードとして示されているが、代わりに回転型又は固定型のブラシ式クリーニング装置など他の形態のクリーニング装置も使用できる。
【0024】
このような構成を備えた画像形成装置1の画像形成時には、感光体12は前記モータの駆動に基づいて時計回り方向に回転する。このとき、帯電ステーション16を通過する感光体12の外周部分は、帯電装置26で所定の電位に帯電される。帯電された感光体12の外周部分は、露光ステーション18で画像光30が露光されて静電潜像が形成される。静電潜像は、感光体12の回転と共に現像ステーション20に搬送され、そこで現像装置34によって現像剤像として可視像化される。本実施形態では、現像ステーション20は、第1の現像ステーション20aと第2の現像ステーション20bとからなり、第1の現像ステーション20aと第2の現像ステーション20bとによって現像剤像として可視像化される。可視像化された現像剤像は、感光体12の回転と共に転写ステーション22に搬送され、そこで転写装置36により用紙38に転写される。現像剤像が転写された用紙38は図示しない定着ステーションに搬送され、そこで用紙38に現像剤像が固定される。転写ステーション22を通過した感光体12の外周部分はクリーニングステーション24に搬送され、そこで用紙38に転写されることなく感光体12の外周面に残存する現像剤が回収される。
【0025】
現像装置34は、第1の成分粒子である非磁性トナーと第2の成分粒子である磁性キャリアを含む2成分現像剤を収容したもので、以下に説明する種々の部材を収容するハウジング42を備えている。図面を簡略化することで発明の理解を容易にするため、ハウジング42の一部は削除してある。本実施形態で用いる現像剤は、相互の摩擦接触によりトナーが負極性、キャリアが正極性に帯電されるものとする。ただし、本発明に用いるトナー及びキャリアの帯電性は、そのような組み合わせに限定されるものでなく、相互の摩擦接触によりトナーが正極性、キャリアが負極性に帯電される組み合わせも考えられる。
【0026】
現像装置34のハウジング42は感光体12に向けて開放された開口部44を備えており、この開口部44の近傍に形成された空間46にトナー搬送部材である現像ローラ48a、48bが設けてあり、感光体12の回転方向において上流側に位置する第1の現像ローラ(第1のトナー搬送部材)48aと、感光体12の回転方向において下流側に位置する第2の現像ローラ(第2のトナー搬送部材)48bとが設けてある。第1の現像ローラ48aと第2の現像ローラ48bはともに、円筒状の部材であり、第1の現像ローラ48aは、感光体12と平行に且つ感光体12の外周面と所定の第1の現像ギャップ50aを介して回転可能に配置され、第2の現像ローラ48bもまた、感光体12と平行に且つ感光体12の外周面と所定の第2の現像ギャップ50bを介して回転可能に配置されている。
【0027】
現像ローラ48a、48bとしては、例えばアルミニウム等の金属からなる導電性ローラや導電性ローラの最表面層部である外周面にコーティングを施したものが用いられる。前記コーティングとしては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂コーティングや、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等のゴムコーティングが用いられるが、これらに限定されない。また、前記コーティングの内部または表面に導電剤が添加されてもよい。前記導電剤としては、電子導電剤またはイオン導電剤が使用可能である。前記電子導電剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック粒子や、金属粉、金属酸化物の微粒子等が例示されるが、これらに限定されない。また、前記イオン導電剤としては、四級アンモニウム塩等のカチオン性化合物、両性化合物、その他のイオン性高分子材料等が例示されるが、これらに限定されない。
【0028】
現像ローラ48a、48bの背後には、別の空間52が形成されている。空間52には、現像剤搬送部材である搬送ローラ54が、第1の現像ローラ48aと平行に且つ第1の現像ローラ48aの外周面と所定の第1の供給回収ギャップ56aを介して配置されるとともに、第2の現像ローラ48bと平行に且つ第2の現像ローラ48bの外周面と所定の第2の供給回収ギャップ56bを介して配置されている。搬送ローラ54は、回転不能に固定された磁石体58と、磁石体58の周囲を回転可能に支持された円筒スリーブ60を有する。スリーブ60の上方には、ハウジング42に固定され、スリーブ60の中心軸と平行に延びる規制板62が、所定の規制ギャップ64を介して対向配置されている。
【0029】
磁石体58は、スリーブ60の内面に対向し、搬送ローラ54の中心軸方向に延びる、複数の磁極を有する。本実施形態では、複数の磁極は、規制板62の近傍にあるスリーブ60の上部内周面部分に対向する磁極S1、第1の供給回収ギャップ56aの近傍にあるスリーブ60の左上側内周面部分に対向する磁極N1、スリーブ60の左側内周面部分に対向する磁極S2、第2の供給回収ギャップ56bの近傍にあるスリーブ60の左下側内周面部分に対向する磁極N2、スリーブ60の下部内周面部分に対向する磁極S3、スリーブ60の右側内周面部分に対向する、2つの隣接する同極性の磁極N3、N4を含む。
【0030】
搬送ローラ54の背後には、現像剤攪拌室66が形成されている。攪拌室66は、搬送ローラ54の近傍に形成された前室68と搬送ローラ54から離れた後室70を有する。前室68には図面の表面から裏面に向かって現像剤2を攪拌しながら搬送する前攪拌搬送部材である前スクリュー72が回転可能に配置され、後室70には図面の裏面から表面に向かって現像剤2を攪拌しながら搬送する後攪拌搬送部材である後スクリュー74が回転可能に配置されている。図示するように、前室68と後室70は、両者の間に設けた隔壁76で分離してもよい。この場合、前室68と後室70の両端近傍にある隔壁部分は除かれて連絡通路が形成されており、前室68の下流側端部に到達した現像剤が連絡通路を介して後室70へ送り込まれ、また後室70の下流側端部に到達した現像剤が連絡通路を介して前室68に送り込まれるようにしてある。
【0031】
後室70の上方にはトナー補給部98が設けられ、トナー補給部98は、トナー6を収容するための容器100を有する。容器100の底部には開口部102が形成されており、この開口部102に補給ローラ104が配置されている。補給ローラ104は図示しないモータに駆動連結されており、ハウジング42に収容されている現像剤2中のトナー6の比率(重量比)を測定する測定手段としての透磁率センサ(不図示)の出力に基づいてモータが駆動し、トナー6が後室70に落下補給するようにしてある。
【0032】
また、搬送ローラ54及び現像ローラ48a、48bはそれぞれ電界形成装置110に電気的に接続されている。電界形成装置110は、搬送ローラ54と第1の現像ローラ48aとが対向する領域である第1の供給回収領域88aのうち、主に搬送ローラ54の回転方向において上流側の領域である第1の供給領域90aで、搬送ローラ54に保持された現像剤2中のトナー6を第1の現像ローラ48aに移動させ、第1の供給回収領域88aのうち、主に搬送ローラ54の回転方向において下流側の領域である第1の回収領域92aで、現像後に第1の現像ローラ48a上に残留するトナー6を搬送ローラ54に回収させるように、搬送ローラ54と第1の現像ローラ48aとの間に所定の電界を形成するようになっている。
【0033】
電界形成装置110はまた、搬送ローラ54と第2の現像ローラ48bとが対向する領域である第2の供給回収領域88bのうち、主に搬送ローラ54の回転方向において上流側の領域である第2の供給領域90bで、搬送ローラ54に保持された現像剤2中のトナー6を第2の現像ローラ48bに移動させ、第2の供給回収領域88bのうち、主に搬送ローラ54の回転方向において下流側の領域である第2の回収領域92bで、現像後に第2の現像ローラ48b上に残留するトナー6を搬送ローラ54に回収させるように、搬送ローラ54と第2の現像ローラ48bとの間に所定の電界を形成するようになっている。
【0034】
図2は、前記画像形成装置1の電界形成装置110を具体的に示す図であり、図3は、図2に示す電界形成装置110から搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bに供給されている電圧の関係を示す図である。図2に示す電界形成装置110は、搬送ローラ54に接続された第1の電源(現像剤搬送部材用電源)120と、第1の現像ローラ48aに接続された第2の電源(第1のトナー搬送部材用電源)130と、第2の現像ローラ48bに接続された第3の電源(第2のトナー搬送部材用電源)140とを有する。
【0035】
第1の電源120は、搬送ローラ54とグランド116との間に直列に接続された第1の直流電源121および第1の交流電源122を有しており、第1の直流電源121は、トナー6の帯電極性と同一極性の第1の直流電圧VDC1(例えば、−270ボルト)を搬送ローラ54に印加し、第1の交流電源122は、搬送ローラ54とグランド116との間に第1の交流電圧VAC1(例えば、周波数が3kHz、振幅VP−Pが900ボルト、プラスデューティ比が40%、マイナスデューティ比が60%)を印加する。
【0036】
第2の電源130は、第1の現像ローラ48aとグランド116との間に直列に接続された第2の直流電源131および第2の交流電源132を有しており、第2の直流電源131は、トナー6の帯電極性と同一極性の第2の直流電圧VDC2(例えば、−300ボルト)を第1の現像ローラ48aに印加し、第2の交流電源132は、第1の現像ローラ48aとグランド116との間に第2の交流電圧VAC2(例えば、周波数が3kHz、振幅VP−Pが1,400ボルト、プラスデューティ比が60%、マイナスデューティ比が40%)を印加する。
【0037】
第3の電源140は、第2の現像ローラ48bとグランド116との間に直列に接続された第3の直流電源141および第3の交流電源142を有しており、第3の直流電源141は、トナー6の帯電極性と同一極性の第3の直流電圧VDC3(例えば、−300ボルト)を第2の現像ローラ48bに印加し、第3の交流電源142は、第2の現像ローラ48bとグランド116との間に第3の交流電圧VAC3(例えば、周波数が3kHz、振幅VP−Pが1,400ボルト、プラスデューティ比が60%、マイナスデューティ比が40%)を印加する。また、搬送ローラ54への印加電圧と現像ローラ48a、48bへの印加電圧とは位相がずれるように設定されている。図3では、分かり易くするために搬送ローラ54への印加電圧を現像ローラ48a、48bへの印加電圧から時間軸方向(横方向)に少しずらして描いてある。なお、第1の現像ローラ48aへの印加電圧と第2の現像ローラ48bへの印加電圧とを異なるようにしてもよい。
【0038】
第1の現像ローラ48aについて、図3に示すように、搬送ローラ54に第1の直流電圧VDC1:−270ボルトに第1の交流電圧VAC1を重畳した矩形波状の振動電圧VDC1+VAC1が印加され、第1の現像ローラ48aに第2の直流電圧VDC2:−300ボルトに第2の交流電圧VAC2を重畳した矩形波状の振動電圧VDC2+VAC2が印加される場合、搬送ローラ54と第1の現像ローラ48aとの間には振動電界(第1の電界)が形成される。この振動電界の作用を受けて、供給領域90aでは、負極性に帯電しているトナー6が搬送ローラ54から第1の現像ローラ48aに電気的に吸引される。このとき、正極性に帯電されているキャリアは、搬送ローラ54の内部の固定磁石体58の磁力によって搬送ローラ54に保持され、第1の現像ローラ48aに供給されることはない。
【0039】
また、現像領域96aでは、第1の現像ローラ48aに保持されている負極性トナーは、矩形波状の振動電圧VDC2+VAC2が印加された第1の現像ローラ48aと静電潜像画像部V(例えば、−80ボルト)との間に形成される振動電界(第2の電界)の作用を受けて、静電潜像画像部に付着する。ここで、第1の電源120と第2の電源130とが、第1の電界形成手段を構成し、第2の電源130が、第2の電界形成手段を構成する。
【0040】
第2の現像ローラ48bについても、搬送ローラ54に第1の直流電圧VDC1:−270ボルトに第1の交流電圧VAC1を重畳した矩形波状の振動電圧VDC1+VAC1が印加され、第2の現像ローラ48bに第3の直流電圧VDC3:−300ボルトに第3の交流電圧VAC3を重畳した矩形波状の振動電圧VDC3+VAC3が印加される場合、搬送ローラ54と第2の現像ローラ48bとの間には振動電界(第3の電界)が形成され、この振動電界の作用を受けて、供給領域90bでは、負極性に帯電しているトナー6が搬送ローラ54から第2の現像ローラ48bに電気的に吸引される。このとき、正極性に帯電されているキャリアは、搬送ローラ54の内部の固定磁石体58の磁力によって搬送ローラ54に保持され、第2の現像ローラ48bに供給されることはない。
【0041】
また、現像領域96bでは、第2の現像ローラ48bに保持されている負極性トナーは、矩形波状の振動電圧VDC3+VAC3が印加された第2の現像ローラ48bと静電潜像画像部V(例えば、−80ボルト)との間に形成される振動電界(第4の電界)の作用を受けて、静電潜像画像部に付着する。ここで、第1の電源120と第3の電源140とが、第3の電界形成手段を構成し、第3の電源140が、第4の電界形成手段を構成する。
【0042】
また、現像装置34には、搬送ローラ54に接続された第1の電源120に流れる電流を検出する第1の検出ブロック125が設けられている。検出ブロック125は、後述するように、第1の電源120内において第1の直流電源121と第1の交流電源122との間に直列に接続された抵抗と、該抵抗と第1の交流電源122との間の所定位置における電圧を検出するモニタ電圧と、を備え、該モニタ電圧によって検出される電圧から第1の電源120に流れる電流を検出することができるようになっている。
【0043】
検出ブロック125は、感光体12、現像ローラ48a、48b及び搬送ローラ54などの回転駆動、帯電装置26、露光装置28、現像装置34、転写装置36及び電界形成装置110の作動などの画像形成装置1に関係する構成を総合的に制御する制御ユニット21に接続されている。制御ユニット21は、検出ブロック125によって検出される第1の電源120に流れる電流に基づいて、第1の電源120、第2の電源130及び第3の電源140の作動を制御する電界制御手段としての電界制御部21aを備えている。制御ユニット21はまた、検出ブロック125によって検出される第1の電源120に流れる電流に基づいて、搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間に形成される領域における負荷容量を算出する負荷容量算出手段としての負荷容量算出部21bを備えており、電界制御部21aは、具体的には、負荷容量算出部21bによって算出された搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間に形成される領域における負荷容量に基づいて、第1の電源120、第2の電源130及び第3の電源140の作動を制御する。なお、制御ユニット21は、例えばマイクロコンピュータを主要部として構成されている。
【0044】
ここで、搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間に形成される領域における負荷容量について説明する。
図4は、搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとで構成される回路の等価回路を示す図であり、図4には、搬送ローラ54に第1の直流電圧VDC1に第1の交流電圧VAC1が重畳された振動電圧VDC1+VAC1が印加され、搬送ローラ54と第1の供給回収ギャップ56aを介して設けられた第1の現像ローラ48aに第2の直流電圧VDC2に第2の交流電圧VAC2が重畳された振動電圧VDC2+VAC2が印加され、搬送ローラ54と第2の供給回収ギャップ56bを介して設けられた第2の現像ローラ48bに第3の直流電圧VDC3に第3の交流電圧VAC3が重畳された振動電圧VDC3+VAC3が印加された場合が等価回路で表されている。
【0045】
搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとで構成される回路の等価回路は、第1の電源120と、第1の供給回収ギャップ56aを介して対向する搬送ローラ54と第1の現像ローラ48aとで構成される第1のコンデンサC1と、第2の電源130とが直列に接続されるとともに、第1の電源120と、第2の供給回収ギャップ56bを介して対向する搬送ローラ54と第2の現像ローラ48bとで構成される第2のコンデンサC2と、第3の電源140とが直列に接続される回路として表される。
【0046】
そして、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2における負荷容量Cはともに次式のように表すことができる。
C=ε×S/d
ここで、εは誘電率、Sは面積、本実施形態では第1のコンデンサC1については第1の供給回収領域88aにおける搬送ローラ54と第1の現像ローラ48aとの間の対向面積、第2のコンデンサC2については第2の供給回収領域88bにおける搬送ローラ54と第2の現像ローラ48bとの間の対向面積、dは厚み、本実施形態では第1のコンデンサC1については第1の供給回収領域88aにおける第1の供給回収ギャップ56a、第2のコンデンサC2については第2の供給回収領域88bにおける第2の供給回収ギャップ56bである。
【0047】
前式に示されるように、第1のコンデンサC1及び第2のコンデンサC2における負荷容量Cはそれぞれ、供給回収ギャップ56a、56bに応じて変化し、供給回収ギャップ56、56bが大きくなると小さくなり、供給回収ギャップ56a、56bが小さくなると大きくなるものである。
【0048】
従って、前述した搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間に形成される領域88a、88bにおける負荷容量とは、搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとで構成されるコンデンサC1、C2の負荷容量をいうものであり、該負荷容量は、搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間に形成される領域88a、88bにおけるギャップ56a、56bが大きくなると小さくなり、搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間に形成される領域88a、88bにおけるギャップ56a、56bが小さくなると大きくなるものである。
【0049】
次に、このようにして構成された現像装置34の動作について説明する。画像形成時、前記モータの駆動に基づいて、現像ローラ48a、48b及び搬送ローラ54はそれぞれ反時計回り方向に回転する。前スクリュー72は矢印82方向に回転し、後スクリュー74は矢印84方向に回転する。これにより、現像剤攪拌室66に収容されている現像剤2は、前室68と後室70を循環搬送されながら、攪拌される。その結果、現像剤2に含まれるトナー6とキャリアが摩擦接触し、互いに逆の極性に帯電される。本実施形態では、キャリアは正極性、トナーは負極性に帯電される。キャリア粒子は、トナー粒子に比べて大きく、正極性に帯電したキャリアの周囲に、負極性に帯電したトナーが、主として両者の電気的な吸引力に基づいて付着している。
【0050】
帯電された現像剤2は、前スクリュー72によって前室68を搬送される過程で搬送ローラ54に供給される。前スクリュー72から搬送ローラ54に供給された現像剤2は、磁極N4の近傍で、磁極N4の磁力によって、搬送ローラ54、具体的にはスリーブ60の外周面に保持される。スリーブ60に保持された現像剤2は、磁石体58によって形成された磁力線に沿って磁気ブラシを構成しており、スリーブ60の回転に基づいて反時計回り方向に搬送される。規制板62の対向領域である規制領域86で磁極S1に保持されている現像剤2は、規制板62により、規制ギャップ64を通過する量が所定量に規制される。規制ギャップ64を通過した現像剤2は、磁極N1が対向する、第1の現像ローラ48aと搬送ローラ54が対向する領域88aに搬送される。
【0051】
前述したように、供給回収領域88aのうち、主にスリーブ60の回転方向に関して上流側の領域90aでは、現像ローラ48aと搬送ローラ54との間に形成された電界の存在により、キャリアに付着しているトナー6が現像ローラ48aに電気的に供給され、搬送ローラ54から現像ローラ48aに移動する。
【0052】
供給領域90aで現像ローラ48aに保持されたトナー6は、現像ローラ48aの回転と共に反時計回り方向に搬送され、現像領域96aで、感光体12の外周面に形成されている静電潜像画像部に付着する。画像形成装置1では、感光体12の外周面は帯電装置26で負極性の所定の電位V(例えば、−600ボルト)が付与され、露光装置28で画像光30が投射された静電潜像画像部が所定の電位V(例えば、−80ボルト)まで減衰し、露光装置28で画像光30が投射されていない静電潜像非画像部はほぼ帯電電位Vを維持している。したがって、現像領域96aでは、感光体12と第1の現像ローラ48aとの間に形成されている電界の作用を受けて、負極性に帯電したトナー6が静電潜像画像部に付着し、この静電潜像をトナー像として可視像化する。
【0053】
一方、現像に供されることなく現像後に現像ローラ48a上に残留するトナー6は、現像ローラ48aの回転に従って反時計回り方向に搬送され、供給回収領域88aのうち、主にスリーブ60の回転方向に関して下流側の領域92aにおいて、磁極N1の磁力線に沿って形成されている磁気ブラシに掻き取られて搬送ローラ54に回収される。この搬送ローラ54に回収されたトナー6を含む現像剤2は、磁石体58の磁力に保持され、搬送ローラ54の回転と共に磁極S2の対向部を通過して、磁極N2が対向する、第2の現像ローラ48bと搬送ローラ54が対向する領域88bに搬送される。
【0054】
前述したように、供給回収領域88bについても、供給回収領域88bのうち、主にスリーブ60の回転方向に関して上流側の領域90bでは、現像ローラ48bと搬送ローラ54との間に形成された電界の存在により、キャリアに付着しているトナー6が現像ローラ48bに電気的に供給され、搬送ローラ54から現像ローラ48bに移動する。
【0055】
供給領域90bで現像ローラ48bに保持されたトナー6は、現像ローラ48bの回転と共に反時計回り方向に搬送され、現像領域96bで、感光体12の外周面に形成されている静電潜像画像部に付着する。画像形成装置1では、前述したように、感光体12の外周面は帯電装置26で負極性の所定の電位V(例えば、−600ボルト)が付与され、露光装置28で画像光30が投射された静電潜像画像部が所定の電位V(例えば、−80ボルト)まで減衰し、露光装置28で画像光30が投射されていない静電潜像非画像部はほぼ帯電電位Vを維持している。したがって、現像領域96bにおいても、感光体12と現像ローラ48bとの間に形成されている電界の作用を受けて、負極性に帯電したトナー6が静電潜像画像部に付着し、この静電潜像をトナー像として可視像化する。
【0056】
一方、現像に供されることなく現像後に現像ローラ48b上に残留するトナー6は、現像ローラ48bの回転に従って反時計回り方向に搬送され、供給回収領域88bのうち、主にスリーブ60の回転方向に関して下流側の領域92bにおいて、磁極N2の磁力線に沿って形成されている磁気ブラシに掻き取られて搬送ローラ54に回収され、この搬送ローラ54に回収されたトナー6を含む現像剤2は、磁石体58の磁力に保持され、搬送ローラ54の回転と共に磁極S3の対向部を通過して、磁極N3とN4の対向領域である放出領域94に到達すると、磁極N3とN4によって形成される反発磁界によって搬送ローラ54の外周面から前室68に放出され、前室68を搬送されている現像剤2に混合される。
【0057】
ここで、現像剤2を構成するトナー、キャリアおよび現像剤2に含まれる他の粒子の具体的な材料を説明する。
【0058】
トナーには、画像形成装置において従来から一般に使用されている公知のトナーを使用できる。トナー粒径は、例えば約3〜15μmである。バインダー樹脂中に着色剤を含有させたトナー、荷電制御剤や離型剤を含有するトナー、表面に添加剤を保持するトナーも使用できる。トナーは、例えば、粉砕法、乳化重合法、懸濁重合法等の公知の方法で製造できる。
【0059】
キャリアは、従来から一般に使用されている公知のキャリアを使用できる。バインダー型キャリアやコート型キャリアのいずれを用いてもよい。キャリア粒径は、限定的ではないが、約15〜100μmが好ましい。
【0060】
バインダー型キャリアは、磁性体微粒子をバインダー樹脂中に分散させたものであり、表面に正極性または負極性に帯電する微粒子又はコーティング層を有するものが使用できる。バインダー型キャリアの極性等の帯電特性は、バインダー樹脂の材質、帯電性微粒子、表面コーティング層の種類によって制御できる。
【0061】
バインダー型キャリアに用いられるバインダー樹脂としては、ポリスチレン系樹脂に代表されるビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が例示される。
【0062】
バインダー型キャリアの磁性体微粒子としては、マグネタイト、ガンマ酸化鉄等のスピネルフェライト、鉄以外の金属(Mn、Ni、Mg、Cu等)を一種または二種以上含有するスピネルフェライト、バリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト、表面に酸化鉄を有する鉄や合金の粒子を用いることができる。キャリアの形状は、粒状、球状、針状のいずれであってもよい。特に高磁化を要する場合には、鉄系の強磁性微粒子を用いることが好ましい。化学的な安定性を考慮すると、マグネタイト、ガンマ酸化鉄を含むスピネルフェライトやバリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライトの強磁性微粒子を用いることが好ましい。強磁性微粒子の種類及び含有量を適宜選択することにより、所望の磁化を有する磁性樹脂キャリアを得ることができる。磁性体微粒子は磁性樹脂キャリア中に50〜90重量%の量で添加することが適当である。
【0063】
バインダー型キャリアの表面コート材としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等が用いられる。これらの樹脂をキャリア表面にコートし硬化させてコート層を形成することにより、キャリアの電荷付与能力を向上できる。
【0064】
バインダー型キャリアの表面への帯電性微粒子あるいは導電性微粒子の固着は、例えば、磁性樹脂キャリアと微粒子とを均一混合し、磁性樹脂キャリアの表面にこれら微粒子を付着させた後、機械的・熱的な衝撃力を与えることにより微粒子を磁性樹脂キャリア中に打ち込むことで行われる。この場合、微粒子は、磁性樹脂キャリア中に完全に埋設されるのではなく、その一部が磁性樹脂キャリア表面から突出するように固定される。帯電性微粒子には、有機、無機の絶縁性材料が用いられる。具体的に、有機系の絶縁性材料としては、ポリスチレン、スチレン系共重合物、アクリル樹脂、各種アクリル共重合物、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂およびこれらの架橋物などの有機絶縁性微粒子がある。電荷付与能力および帯電極性は、帯電性微粒子の素材、重合触媒、表面処理等に調整できる。無機系の絶縁性材料としては、シリカ、二酸化チタン等の負極性に帯電する無機微粒子や、チタン酸ストロンチウム、アルミナ等の正極性に帯電する無機微粒子が用いられる。
【0065】
コート型キャリアは、磁性体からなるキャリアコア粒子を樹脂で被覆したキャリアであり、バインダー型キャリア同様に、キャリア表面に正極性または負極性に帯電する帯電性微粒子を固着することができる。コート型キャリアの極性等の帯電特性は、表面コーティング層の種類や帯電性微粒子の選択により調整できる。コーティング樹脂は、バインダー型キャリアのバインダー樹脂と同様の樹脂が使用可能である。
【0066】
トナーとキャリアの混合比は所望のトナー帯電量が得られるよう調整されれば良く、トナー比はトナーとキャリアとの合計量に対して3〜50重量%、好ましくは6〜30重量%が好ましい。
【0067】
トナーに使用されるバインダー樹脂は、限定的ではないが、例えば、スチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、ポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、またはそれらの樹脂を任意に混ぜ合わせたものである。バインダー樹脂は、軟化温度が約80〜160℃の範囲、ガラス転移点が約50〜75℃の範囲であることが好ましい。
【0068】
着色剤は、公知の材料、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、マグネタイト、ベンジンイエロー、パーマネントイエロー、ナフトールイエロー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ウルトラマリンブルー、ローズベンガル、レーキーレッド等を用いることができる。着色剤の添加量は、一般に、バインダー樹脂100重量部に対して、2〜20重量部であることが好ましい。
【0069】
荷電制御剤は、従来から荷電制御剤として知られている材料が使用できる。具体的に、正極性に帯電するトナーには、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂が荷電制御剤として使用できる。負極性に帯電するトナーには、Cr、Co、Al、Fe等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カーリックスアレン化合物が荷電制御剤として使用できる。荷電制御剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の割合で用いることが好ましい。
【0070】
離型剤は、従来から離型剤として使用されている公知のものを使用できる。離型剤の材料には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、カルナバワックス、サゾールワックス、又はそれらを適宜組み合わせた混合物が用いられる。離型剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の割合で用いることが好ましい。
【0071】
その他、現像剤の流動化を促進する流動化剤を添加してもよい。流動化剤には、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粒子が使用できる。特にシランカップリング剤、チタンカップリング剤、およびシリコンオイル等で疎水化した材料を用いるのが好ましい。流動化剤は、トナー100重量部に対して、0.1〜5重量部の割合で添加させることが好ましい。これら添加剤の個数平均一次粒径は9〜100nmであることが好ましい。
【0072】
このようにして構成されるハイブリッド現像方式を有する現像装置34においても、前述したように、搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間に形成される供給回収領域88a、88bの供給回収ギャップ56a、56bが変動した場合には供給回収領域88a、88bのギャップ変動による画像メモリやリークが生じ得るが、本実施形態に係る現像装置34では、第1の電源120に流れる電流を検出し、検出された第1の電源120に流れる電流に基づいて、搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間に所定の電界を形成する第1の電源120、第2の電源130及び第3の電源140の作動を制御することで、具体的には、検出された第1の電源120に流れる電流に基づいて、搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間に形成される領域88a、88bにおける負荷容量を算出し、算出された搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間に形成される領域88a、88bにおける負荷容量に基づいて、第1の電源120、第2の電源130及び第3の電源140の作動を制御することで、かかる問題を回避する。
【0073】
以下、本実施形態に係る現像装置34において、第1の電源120に流れる電流の検出方法、搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間に形成される領域88a、88bにおける負荷容量の算出方法並びに第1の電源120、第2の電源130及び第3の源源140の作動制御について説明する。
【0074】
画像形成装置1では、図2に示すように、感光体12がグランド116に接続され、現像装置34において、第1の直流電源121と第1の交流電源122とからなる第1の電源120を介して搬送ローラ54がグランド116に接続され、第2の直流電源131と第2の交流電源132とからなる第2の電源130を介して第1の現像ローラ48aがグランド116に接続され、第3の直流電源141と第3の交流電源142とからなる第3の電源140を介して第2の現像ローラ48bがグランド116に接続されている。
【0075】
そして、この搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとで構成される回路の等価回路は、図4に示すように、第1の電源120と、第1の供給回収ギャップ56aを介して対向する搬送ローラ54と第1の現像ローラ48aとで構成される第1のコンデンサC1と、第2の電源130とが直列に接続されるとともに、第1の電源120と、第2の供給回収ギャップ56bを介して対向する搬送ローラ54と第2の現像ローラ48bとで構成される第2のコンデンサC2と、第3の電源140とが直列に接続される回路として表される。
【0076】
先ず、第1の電源120に流れる電流の検出方法について説明する。
図5は、検出ブロックによって第1の電源に流れる電流を検出する方法を説明するための説明図であり、図5には、図4に示す第1の電源120、第1のコンデンサC1及び第2の電源130からなる回路が示されている。また、図6は、検出ブロックのモニタ電圧の検出値を示すグラフであり、図6には、第1の電源120に流れる電流を検出する検出ブロック125のモニタ電圧の検出値が示されている。
【0077】
図5に示すように、検出ブロック125は、第1の電源120内において第1の直流電源121と第1の交流電源122との間に直列に接続された抵抗Rと、該抵抗Rと第1の交流電源122との間の所定位置の電圧を検出するモニタ電圧125aとを備えており、該モニタ電圧125aによって測定される電圧から第1の電源120に流れる電流を検出することができるようになっている。
【0078】
具体的には、図5に示す回路において、モニタ電圧125aによって検出される電圧、すなわち位置P1において検出される電圧は、図6に示すように、位置P2における電圧VDC1を中心として振幅VP−Pを有する電圧波形として表され、モニタ電圧125aは、図5において実線矢印で示す方向に電流I1が流れる場合には位置P2における電圧VDC1よりも高い、[VDC1+(R×I1)]で表される電圧が検出され、図5において破線矢印で示す方向に電流I2が流れる場合には位置P2における電圧VDC1よりも低い、[VDC1−(R×I2)]で表される電圧が検出される。そして、第1の電源120に流れる電流は、モニタ電圧125aによって検出される電圧と抵抗Rとから検出することができる。このようにして、検出ブロック125は、モニタ電圧125aによって検出される電圧から第1の電源120に流れる電流を検出することができるようになっている。図5では、第1の電源120、第1のコンデンサC1及び第2の電源130からなる回路について説明しているが、図4に示す回路においても、検出ブロック125は、モニタ電圧125aによって検出される電圧から第1の電源120に流れる電流を検出することができるようになっている。
【0079】
次に、搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間に形成される領域88a、88bにおける負荷容量を算出する算出方法について説明する。
搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間に形成される領域88a、88bにおける負荷容量を算出するに際し、検出ブロック125によって検出される電流に基づいて、該電流と検出ブロック125の抵抗Rとから検出ブロック125の抵抗R前後における電圧を検出し、搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間に形成される領域である供給回収領域88a、88bにおける負荷容量と検出ブロック125の抵抗R前後における電圧の振幅との関係を調べた。
【0080】
本実施形態では、検出ブロック125の抵抗R前後における電圧の振幅は、モニタ電圧125aによって検出される電圧の振幅に等しいので、供給回収領域88a、88bにおける負荷容量と検出ブロック125のモニタ電圧125aによって検出される電圧の振幅との関係を調べた。
【0081】
具体的には、図5に示すように、第1の電源120と第2の電源130との間に所定の負荷容量を有する供給回収領域88aを模擬したコンデンサC1を接続し、コンデンサC1の両端に所定の電圧が形成されるように第1の電源120と第2の電源130にそれぞれ所定の電圧を印加して、コンデンサC1の負荷容量と検出ブロック125のモニタ電圧の振幅VP−Pとの関係を調べた。なお、供給回収領域88bを模擬したコンデンサC2の負荷容量と検出ブロック125のモニタ電圧の振幅VP−Pとの関係もまた、コンデンサC1の負荷容量と検出ブロック125のモニタ電圧の振幅VP−Pとの関係と同じである。
【0082】
コンデンサC1として負荷容量が50pF、100pF、200pFであるものを用い、それらについてそれぞれコンデンサC1の両端にかかる電圧の振幅VP−Pが1400V、1700V、2000V又は2300Vになるように第1の電源120と第2の電源130を作動させて調べた。
【0083】
コンデンサC1として負荷容量が50pF、100pF、200pFをそれぞれ用いたときに、コンデンサC1の両端にかかる電圧の振幅VP−Pが1400V、1700V、2000V、2300Vである場合に検出ブロック125のモニタ電圧125aによって検出された電圧の振幅VP−Pを以下の表1に示す。
【0084】
【表1】

【0085】
表1に示すように、コンデンサC1の両端にかかる電圧の振幅VP−Pが1400Vであり、コンデンサC1の負荷容量が50pFである場合、モニタ電圧の振幅VP−Pは15Vであった。コンデンサC1の両端にかかる電圧の振幅VP−Pが1400Vであり、コンデンサC1の負荷容量が100pF、200pFである場合には、モニタ電圧の振幅VP−Pはそれぞれ30V、60Vであった。
【0086】
また、コンデンサC1の両端にかかる電圧の振幅VP−Pが1700V、コンデンサC1の負荷容量が50pF、100pF、200pFである場合にはそれぞれ、モニタ電圧の振幅VP−Pは20V、40V、80Vであり、コンデンサC1の両端にかかる電圧の振幅VP−Pが2000V、コンデンサC1の負荷容量が50pF、100pF、200pFである場合にはそれぞれ、モニタ電圧の振幅VP−Pは25V、50V、100Vであり、コンデンサC1の両端にかかる電圧の振幅VP−Pが2300V、コンデンサC1の負荷容量が50pF、100pF、200pFである場合にはそれぞれ、モニタ電圧の振幅VP−Pは30V、60V、120Vであった。
【0087】
図7は、コンデンサC1の負荷容量とモニタ電圧の振幅VP−Pとの関係を示すグラフであり、コンデンサC1の両端にかかる電圧の振幅VP−Pが1400V、1700V、2000V、2300Vである場合に、コンデンサC1の負荷容量とモニタ電圧の振幅VP−Pとの関係を示している。図7では、コンデンサC1の負荷容量を横軸にとり、モニタ電圧の振幅VP−Pを縦軸にとって表している。なお、図7では、コンデンサC1の両端にかかる電圧の振幅VP−Pが1400V、1700V、2000V、2300Vをそれぞれ◇印、□印、△印、○印として表している。
【0088】
コンデンサC1の両端にかかる電圧の振幅VP−Pが1400Vである場合、コンデンサC1の負荷容量が50pF、100pF、200pFであるときにモニタ電圧の振幅VP−Pはそれぞれ15V、30V、60Vであり、コンデンサC1の負荷容量とモニタ電圧の振幅VP−Pが比例関係を有しており、図7において実線で示すグラフのように、コンデンサC1の負荷容量が大きくなるにつれてモニタ電圧の振幅VP−Pが大きくなり、コンデンサC1の負荷容量とモニタ電圧125aによって検出された電圧の振幅VP−Pとの関係が、以下の関係式(1):
(モニタ電圧の検出電圧の振幅)=(コンデンサの負荷容量)×0.3…(1)
で表されることが分かる。
【0089】
コンデンサC1の両端にかかる電圧の振幅VP−Pが1700V、2000、2300Vである場合においても、コンデンサC1の負荷容量とモニタ電圧の振幅VP−Pが比例関係を有しており、図7において破線、一点鎖線、二点鎖線でそれぞれ示すグラフのように、コンデンサC1の負荷容量が大きくなるにつれてモニタ電圧の振幅VP−Pが大きくなり、コンデンサC1の両端にかかる電圧の振幅VP−Pが1700Vである場合には、コンデンサC1の負荷容量とモニタ電圧125aによって検出された電圧の振幅VP−Pとの関係が、以下の関係式(2):
(モニタ電圧の検出電圧の振幅)=(コンデンサの負荷容量)×0.4…(2)
で表され、コンデンサC1の両端にかかる電圧の振幅VP−Pが2000Vである場合には、以下の関係式(3):
(モニタ電圧の検出電圧の振幅)=(コンデンサの負荷容量)×0.5…(3)
で表され、コンデンサC1の両端にかかる電圧の振幅VP−Pが2300Vである場合には、以下の関係式(4):
(モニタ電圧の検出電圧の振幅)=(コンデンサの負荷容量)×0.6…(4)
で表されることが分かる。
【0090】
これらの結果から、図4に示す等価回路で表される搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとで構成される回路について、コンデンサC1、C2における負荷容量とモニタ電圧の振幅VP−Pとの関係が、モニタ電圧の振幅VP−Pに応じて前記関係式(1)−(4)で表されることが分かる。コンデンサC1、C2は、供給回収領域88a、88bを模擬したものであり、供給回収領域88a、88bにおける負荷容量とモニタ電圧の振幅VP−Pとの関係は、供給回収領域88a、88bにかかる電圧の振幅VP−Pが1400V、1700V、2000、2300Vである場合にそれぞれ前記関係式(1)−(4)で表されることが分かる。
【0091】
したがって、現像装置34では、例えば非画像形成時に、供給回収領域88a、88bにそれぞれ該供給回収領域88a、88bにかかる電圧の振幅VP−Pがそれぞれ1400V、1700V、2000V、2300Vの何れかである所定の電界を形成するように搬送ローラ54及び現像ローラ48a、48bにそれぞれ所定の電圧を印加して、検出ブロック125によって第1の電源120に流れる電流を検出し、また、供給回収領域88a、88bにそれぞれ該供給回収領域88a、88bにかかる電圧の振幅VP−Pがそれぞれ1400V、1700V、2000V、2300Vの何れかである前記所定の電界とは異なる所定の電界を形成するように搬送ローラ54及び現像ローラ48a、48bにそれぞれ所定の電圧を印加して、検出ブロック125によって第1の電源120に流れる電流を検出し、検出ブロック125によって検出される第1の電源120に流れるそれぞれの電流に基づいて、検出ブロック125の抵抗R前後における電圧がそれぞれ検出され、供給回収領域88a、88bの両端にかかる電圧の振幅VP−Pに応じた供給回収領域88a、88bにおける負荷容量と検出ブロック125の抵抗R前後における電圧の振幅との関係、本実施形態では供給回収領域88a、88bの両端にかかる電圧の振幅VP−Pに応じた供給回収領域88a、88bにおける負荷容量とモニタ電圧の振幅VP−Pとの関係に基づいて、供給回収領域88a、88bにおける負荷容量をそれぞれ算出することができる。
【0092】
供給回収領域88a、88bにおける負荷容量の算出について具体的に説明する。
例えば非画像形成時に、供給回収領域88aの両端にかかる電圧の振幅VP−Pが1400V、供給回収領域88bの両端にかかる電圧の振幅VP−Pが2300Vになるように第1の電源120、第2の電源130及び第3の電源140の作動を制御し、このときに検出ブロック125によってモニタ電圧の振幅を検出する。そして、検出されたモニタ電圧の振幅VP−Pが60Vである場合、前記関係式(1)及び(4)に基づいて、以下の関係式(5):
60=(供給回収領域88aにおける負荷容量)×0.3+(供給回収領域88bにおける負荷容量)×0.6・・・(5)
が成り立つ。
【0093】
次に、供給回収領域88aの両端にかかる電圧の振幅VP−Pが1700V、供給回収領域88bの両端にかかる電圧の振幅VP−Pが2000Vになるように第1の電源120、第2の電源130及び第3の電源140の作動を制御し、このときに検出ブロック125によってモニタ電圧の電圧を検出する。そして、検出されたモニタ電圧の振幅VP−Pが70Vである場合、前記関係式(2)及び(3)に基づいて、以下の関係式(6):
70=(供給回収領域88aにおける負荷容量)×0.4+(供給回収領域88bにおける負荷容量)×0.5・・・(6)
が成り立つ。
【0094】
したがって、これら2つの関係式(5)及び(6)から、供給回収領域88aにおける負荷容量が133pFであり、供給回収領域88bにおける負荷容量が33pFであると算出される。ここで、前記関係式(5)及び(6)が成り立つのは、検出されるモニタ電圧はC1に流れた電流とC2に流れた電流との総和のモニタ電圧であるからである。
【0095】
このようにして、供給回収領域88a、88bの両端にかかる電圧の振幅VP−Pに応じた供給回収領域88a、88bにおける負荷容量とモニタ電圧の振幅VP−Pとの関係を予め算出しておくことで、供給回収領域88a及び88bにそれぞれ所定の電界を形成した場合に検出ブロック125によって検出される第1の電源120に流れる電流と、供給回収領域88a及び88bにそれぞれ前記所定の電界とは異なる所定の電界を形成した場合に検出ブロック125によって検出される第1の電源120に流れる電流とに基づいて、
検出ブロック125の抵抗R前後における電圧が検出され、検出される検出ブロック125の抵抗R前後における電圧の振幅VP−Pに基づいて、本実施形態では検出されるモニタ電圧の振幅に基づいて、供給回収領域88a、88bの両端にかかる電圧の振幅VP−Pに応じた供給回収領域88a、88bにおける負荷容量とモニタ電圧の振幅VP−Pとの関係から、供給回収領域88a及び88bにおける負荷容量をそれぞれ算出することができる。
【0096】
制御ユニット21には、供給回収領域88a、88bの両端にかかる電圧の振幅VP−Pに応じた供給回収領域88a、88bにおける負荷容量とモニタ電圧の振幅VP−Pとの関係が予め記憶されており、制御ユニット21は、例えば所定枚数毎などの非画像形成時に、電界制御部21aにおいて、供給回収領域88a及び88bにそれぞれ所定の電界を形成するように、そしてまた供給回収領域88a及び88bにそれぞれ前記所定の電界とは異なる所定の電界を形成するように第1の電源120、第2の電源130及び第3の電源140の作動を制御し、負荷容量算出部21bにおいて、供給回収領域88a及び88bにそれぞれ所定の電界を形成した場合に検出ブロック125のモニタ電圧125aによって検出された電圧の振幅VP−Pと、供給回収領域88a及び88bにそれぞれ前記所定の電界とは異なる所定の電界を形成した場合に検出ブロック125のモニタ電圧125aによって検出された電圧の振幅VP−Pとに基づいて、供給回収領域88a、88bにおける負荷容量をそれぞれ算出することができるようになっている。
【0097】
また、制御ユニット21は、画像形成時に、供給回収領域88a、88bにおける負荷容量がそれぞれ所定値になるように、電界制御部21aにおいて第1の電源120、第2の電源130及び第3の電源140の作動を制御しているが、例えば非画像形成時に、検出ブロック125のモニタ電圧125aによって検出された電圧の振幅VP−Pに基づいて供給回収領域88a、88bにおける負荷容量を算出し、電界制御部21aによって、供給回収領域88a、88bにおける負荷容量が所定値に対して予め設定された所定範囲内であるか否かを判定し、供給回収領域88a、88bにおける負荷容量が予め設定された所定範囲内にないと判定した場合には、第1の電源120、第2の電源130及び第3の電源140の作動をフィードバック制御することができるようになっている。
【0098】
制御ユニット21は、供給回収領域88a、88bにおける負荷容量が所定値に対して予め設定された所定範囲内にないと判定した場合に、供給回収領域88a、88bにおける負荷容量が所定値より大きいと判定すると、搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bの間に所定の電界を形成する供給回収領域88a、88bにかかる電圧の振幅VP−Pを小さくするように第1の電源120、第2の電源130及び第3の電源140の作動を制御する。これにより、現像装置34では、供給回収領域88a、88bにおける負荷容量が予め設定された所定値に対して所定範囲より上側に大きく供給回収領域88a、88bにおける供給回収ギャップ56a、56bが小さくなった場合に、搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bの間においてリークが発生することを抑制することができる。
【0099】
一方、制御ユニット21は、供給回収領域88a、88bにおける負荷容量が所定値に対して予め設定された所定範囲内にないと判定した場合に、供給回収領域88a、88bにおける負荷容量が所定値より小さいと判定すると、搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bの間に所定の電界を形成する供給回収領域88a、88bにかかる電圧の振幅VP−Pを大きくするように第1の電源120、第2の電源130及び第3の電源140の作動を制御する。これにより、現像装置34では、供給回収領域88a、88bにおける負荷容量が予め設定された所定値に対して所定範囲より下側に大きく供給回収領域88a、88bにおける供給回収ギャップ56a、56bが大きくなった場合に、搬送ローラ54から現像ローラ48a、48bに移動させるトナーの回収性を向上させることができ、画像メモリの発生を抑制することができる。
【0100】
このようにして、本実施形態に係る現像装置34では、供給回収領域88a、88bにおける負荷容量が予め設定された所定値に対して所定範囲内にない場合に、第1の電源120、第2の電源130及び第3の電源140の作動をフィードバック制御することにより、搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間に形成される供給回収領域88a、88bにおける供給回収ギャップ56a、56bに変動が生じた場合においても、搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間のギャップ変動による画像メモリやリークの発生を抑制することができ、安定して現像を行うことができる。
【0101】
以上のように、本実施形態においては、検出ブロック125によって検出された第1の電源120に流れる電流に基づいて、搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間に所定の電界を形成する第1の電源120、第2の電源130及び第3の電源140の作動を制御する。これにより、第1の電源120に流れる電流から搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間に形成される領域88a、88bにおけるギャップ56a、56bの変動を検出し、該ギャップ56a、56bの変動を検出すると、ギャップ変動に基づいて搬送ローラ54と現像ローラ48a、48bとの間に所定の電界を形成する第1の電源120、第2の電源130及び第3の電源140の作動を制御することができるので、ギャップ変動による画像メモリやリークの発生を抑制することができ、安定して現像を行うことができる。
【0102】
具体的には、供給回収領域88a及び88bにそれぞれ所定の電界を形成した場合に検出される第1の電源120に流れる電流と、供給回収領域88a及び88bにそれぞれ前記所定の電界とは異なる所定の電界を形成した場合に検出される第1の電源120に流れる電流とに基づいて、第1の電源120、第2の電源130及び第3の電源140の作動を制御することにより、第1の電源120に流れる電流から供給回収領域88a及び88bにおけるそれぞれのギャップ56a、56bの変動を検出し、該ギャップ56a、56bの変動を検出すると、ギャップ変動に基づいて第1の電源120、第2の電源130及び第3の電源140の作動を制御することができるので、供給回収領域88a及び88bにおけるギャップ変動による画像メモリやリークの発生を抑制することができ、安定して現像を行うことができる。
【0103】
本実施形態では、電源120から搬送ローラ54に直流電圧VDC1に交流電圧VAC1を重畳した振動電圧VDC1+VAC1を印加し、電源130、140から現像ローラ48a、48bに直流電圧VDC2、VDC3に交流電圧VAC2、VAC3を重畳した振動電圧VDC2+VAC2、VDC3+VAC3を印加するものを例示しているが、これに限定されるものでなく、供給回収領域88a、88bにおいて搬送ローラ54から現像ローラ48a、48bへトナー6を供給しつつ、現像後に現像ローラ48a、48b上に残っているトナー6を搬送ローラ54に回収することが可能であれば、電源120から搬送ローラ54に直流電圧及び振動電圧の何れを印加し、電源130、140から現像ローラ48a、48bに振動電圧を印加するようにしてもよい。搬送ローラ54に直流電圧及び振動電圧の何れを印加する場合においても、第1の電源120に流れる電流に基づいて、供給回収領域88a、88bにおける負荷容量を算出し、算出された供給回収領域88a、88bにおける負荷容量に基づいて電源120、130、140の作動を制御することで、供給回収領域88a、88bにおけるギャップ変動による画像メモリやリークの発生を抑制することができ、安定して現像を行うことができる。
【0104】
以上のように、本発明は、例示された実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0105】
1 画像形成装置
2 現像剤
6 トナー
12 感光体
21 制御ユニット
21a 電界制御部
21b 負荷容量算出部
34 現像装置
48a、48b 現像ローラ
50a、50b 現像ギャップ
54 搬送ローラ
56a、56b 供給回収ギャップ
88a、88b 供給回収領域
96a、96b 現像領域
110 電界形成装置
120 第1の電源
125 検出ブロック
130 第2の電源
140 第3の電源
C1 第1のコンデンサ
C2 第2のコンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動され、トナーとキャリアとを含む現像剤を外周面に保持しつつ搬送する現像剤搬送部材と、
回転駆動され、前記現像剤搬送部材に対向するとともに静電潜像担持体に対向し、前記トナーを搬送するトナー搬送部材と、
前記現像剤搬送部材に接続される現像剤搬送部材用電源と前記トナー搬送部材に接続されるトナー搬送部材用電源とから構成され、前記現像剤搬送部材と前記トナー搬送部材との間に所定の電界を形成し、前記現像剤搬送部材に保持された前記現像剤中のトナーを前記トナー搬送部材に移動させる電界形成手段と、
前記トナー搬送部材に接続される前記トナー搬送部材用電源から構成され、前記トナー搬送部材と前記静電潜像担持体との間に所定の電界を形成し、前記トナー搬送部材に保持された前記トナーを前記静電潜像担持体の静電潜像に移動させる電界形成手段と、を備え、前記現像剤を用いて前記静電潜像担持体上の静電潜像を現像し、現像後に前記トナー搬送部材上に残留する前記トナーを前記現像剤搬送部材に回収させるようにした現像装置であって、
前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流を検出する検出ブロックと、
前記検出ブロックによって検出された前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流に基づいて、前記現像剤搬送部材と前記トナー搬送部材との間に所定の電界を形成する電界形成手段の作動を制御する電界制御手段と、
を備えていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記検出ブロックによって検出された前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流に基づいて、前記現像剤搬送部材と前記トナー搬送部材との間に形成される領域における負荷容量を算出する負荷容量算出手段を備え、
前記電界制御手段は、前記負荷容量算出手段によって算出された前記現像剤搬送部材と前記トナー搬送部材との間に形成される領域における負荷容量に基づいて、前記現像剤搬送部材と前記トナー搬送部材との間に所定の電界を形成する電界形成手段の作動を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
回転駆動され、トナーとキャリアとを含む現像剤を外周面に保持しつつ搬送する現像剤搬送部材と、
回転駆動され、第1の領域を介して前記現像剤搬送部材に対向するとともに第2の領域を介して静電潜像担持体に対向し、前記トナーを搬送する第1のトナー搬送部材と、
回転駆動され、第3の領域を介して前記現像剤搬送部材に対向するとともに第4の領域を介して静電潜像担持体に対向し、前記トナーを搬送する第2のトナー搬送部材と、
前記現像剤搬送部材に接続される現像剤搬送部材用電源と前記第1のトナー搬送部材に接続される第1のトナー搬送部材用電源とから構成され、前記現像剤搬送部材と前記第1のトナー搬送部材との間に第1の電界を形成し、前記現像剤搬送部材に保持された前記現像剤中のトナーを前記第1のトナー搬送部材に移動させる第1の電界形成手段と、
前記第1のトナー搬送部材に接続される前記第1のトナー搬送部材用電源から構成され、前記第1のトナー搬送部材と前記静電潜像担持体との間に第2の電界を形成し、前記第1のトナー搬送部材に保持された前記トナーを前記静電潜像担持体の静電潜像に移動させる第2の電界形成手段と、
前記現像剤搬送部材に接続される前記現像剤搬送部材用電源と前記第2のトナー搬送部材に接続される第2のトナー搬送部材用電源とから構成され、前記現像剤搬送部材と前記第2のトナー搬送部材との間に第3の電界を形成し、前記現像剤搬送部材に保持された前記現像剤中のトナーを前記第2のトナー搬送部材に移動させる第3の電界形成手段と、
前記第2のトナー搬送部材に接続される前記第2のトナー搬送部材用電源から構成され、前記第2のトナー搬送部材と前記静電潜像担持体との間に第4の電界を形成し、前記第2のトナー搬送部材に保持された前記トナーを前記静電潜像担持体の静電潜像に移動させる第4の電界形成手段と、を備え、前記現像剤を用いて前記静電潜像担持体上の静電潜像を現像し、現像後に前記第1のトナー搬送部材及び前記第2のトナー搬送部材上にそれぞれ残留する前記トナーを前記現像剤搬送部材に回収させるようにした現像装置であって、
前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流を検出する検出ブロックと、
前記第1の電界形成手段及び前記第3の電界形成手段によって前記第1の領域及び前記第3の領域にそれぞれ所定の電界を形成した場合に前記検出ブロックによって検出される前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流と、前記第1の電界形成手段及び前記第3の電界形成手段によって前記第1の領域及び前記第3の領域にそれぞれ前記所定の電界とは異なる所定の電界を形成した場合に前記検出ブロックによって検出される前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流と、に基づいて、前記第1の電界形成手段及び前記第3の電界形成手段の作動をそれぞれ制御する電界制御手段と、
を備えていることを特徴とする現像装置。
【請求項4】
前記第1の領域及び前記第3の領域にそれぞれ所定の電界を形成した場合に前記検出ブロックによって検出される前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流と、前記第1の領域及び前記第3の領域にそれぞれ前記所定の電界とは異なる所定の電界を形成した場合に前記検出ブロックによって検出される前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流と、に基づいて、前記第1の領域及び前記第3の領域におけるそれぞれの負荷容量を算出する負荷容量算出手段を備え、
前記電界制御手段は、前記負荷容量算出手段によって算出された前記第1の領域及び前記第3の領域におけるそれぞれの負荷容量に基づいて、前記第1の電界形成手段及び前記第3の電界形成手段の作動をそれぞれ制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
回転駆動され、トナーとキャリアを含む現像剤を外周面に保持しつつ搬送する現像剤搬送部材と、回転駆動され、前記現像剤搬送部材に対向するとともに静電潜像担持体に対向し、前記トナーを搬送するトナー搬送部材と、前記現像剤搬送部材に接続される現像剤搬送部材用電源と前記トナー搬送部材に接続されるトナー搬送部材用電源とから構成され、前記現像剤搬送部材と前記トナー搬送部材との間に所定の電界を形成し、前記現像剤搬送部材に保持された前記現像剤中のトナーを前記トナー搬送部材に移動させる電界形成手段と、前記トナー搬送部材に接続される前記トナー搬送部材用電源から構成され、前記トナー搬送部材と前記静電潜像担持体との間に所定の電界を形成し、前記トナー搬送部材に保持された前記トナーを前記静電潜像担持体の静電潜像に移動させる電界形成手段と、を備え、前記現像剤を用いて前記静電潜像担持体上の静電潜像を現像し、現像後に前記トナー搬送部材上に残留する前記トナーを前記現像剤搬送部材に回収させるようにした現像装置の制御方法であって、
前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流を検出し、検出された前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流に基づいて、前記現像剤搬送部材と前記トナー搬送部材との間に所定の電界を形成する電界形成手段の作動を制御する、
ことを特徴とする現像装置の制御方法。
【請求項6】
検出された前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流に基づいて、前記現像剤搬送部材と前記トナー搬送部材との間に形成される領域における負荷容量を算出し、算出された前記現像剤搬送部材と前記トナー搬送部材との間に形成される領域における負荷容量に基づいて、前記現像剤搬送部材と前記トナー搬送部材との間に所定の電界を形成する電界形成手段の作動を制御する、
ことを特徴とする請求項5に記載の現像装置の制御方法。
【請求項7】
回転駆動され、トナーとキャリアを含む現像剤を外周面に保持しつつ搬送する現像剤搬送部材と、回転駆動され、第1の領域を介して前記現像剤搬送部材に対向するとともに第2の領域を介して静電潜像担持体に対向し、前記トナーを搬送する第1のトナー搬送部材と、回転駆動され、第3の領域を介して前記現像剤搬送部材に対向するとともに第4の領域を介して静電潜像担持体に対向し、前記トナーを搬送する第2のトナー搬送部材と、前記現像剤搬送部材に接続される現像剤搬送部材用電源と前記第1のトナー搬送部材に接続される第1のトナー搬送部材用電源とから構成され、前記現像剤搬送部材と前記第1のトナー搬送部材との間に第1の電界を形成し、前記現像剤搬送部材に保持された前記現像剤中のトナーを前記第1のトナー搬送部材に移動させる第1の電界形成手段と、前記第1のトナー搬送部材に接続される前記第1のトナー搬送部材用電源から構成され、前記第1のトナー搬送部材と前記静電潜像担持体との間に第2の電界を形成し、前記第1のトナー搬送部材に保持された前記トナーを前記静電潜像担持体の静電潜像に移動させる第2の電界形成手段と、前記現像剤搬送部材に接続される前記現像剤搬送部材用電源と前記第2のトナー搬送部材に接続される第2のトナー搬送部材用電源とから構成され、前記現像剤搬送部材と前記第2のトナー搬送部材との間に第3の電界を形成し、前記現像剤搬送部材に保持された前記現像剤中のトナーを前記第2のトナー搬送部材に移動させる第3の電界形成手段と、前記第2のトナー搬送部材に接続される第2のトナー搬送部材用電源から構成され、前記第2のトナー搬送部材と前記静電潜像担持体との間に第4の電界を形成し、前記第2のトナー搬送部材に保持された前記トナーを前記静電潜像担持体の静電潜像に移動させる第4の電界形成手段と、を備え、前記現像剤を用いて前記静電潜像担持体上の静電潜像を現像し、現像後に前記第1のトナー搬送部材及び前記第2のトナー搬送部材上にそれぞれ残留する前記トナーを前記現像剤搬送部材に回収させるようにした現像装置の制御方法であって、
前記第1の電界形成手段及び前記第3の電界形成手段によって前記第1の領域及び前記第3の領域にそれぞれ所定の電界を形成した場合に前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流と、前記第1の電界形成手段及び前記第3の電界形成手段によって前記第1の領域及び前記第3の領域にそれぞれ前記所定の電界とは異なる所定の電界を形成した場合に前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流と、を検出し、前記第1の領域及び前記第3の領域にそれぞれ所定の電界を形成した場合に検出される前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流と、前記第1の領域及び前記第3の領域にそれぞれ前記所定の電界とは異なる所定の電界を形成した場合に検出される前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流と、に基づいて、前記第1の電界形成手段及び前記第3の電界形成手段の作動をそれぞれ制御する、
ことを特徴とする現像装置の制御方法。
【請求項8】
前記第1の領域及び前記第3の領域にそれぞれ所定の電界を形成した場合に検出される前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流と、前記第1の領域及び前記第3の領域にそれぞれ前記所定の電界とは異なる所定の電界を形成した場合に検出される前記現像剤搬送部材用電源に流れる電流と、に基づいて、前記第1の領域及び前記第3の領域におけるそれぞれの負荷容量を算出し、算出された前記第1の領域及び前記第3の領域におけるそれぞれの負荷容量に基づいて、前記第1の電界形成手段及び前記第3の電界形成手段の作動をそれぞれ制御する、
ことを特徴とする請求項7に記載の現像装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−59163(P2011−59163A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205701(P2009−205701)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】