説明

現像装置及びこれを備えた画像形成装置

【課題】現像ロールとの接触圧を変化させることなく、輸送時及び運転時における現像剤の漏出を防止する。
【解決手段】現像剤漏出防止手段180は、その先端が現像剤保持体172の軸方向全域に渡って現像剤保持体172の表面に接触するように配置され、現像剤の逆流を防止する可撓性の逆流防止部材181と、その先端が現像剤保持体172の表面と接触しないように、逆流防止部材181の上流側に積層配置され、逆流防止部材181のめくれを防止する板状のめくれ防止部材183とを有し、逆流防止部材181とめくれ防止部材183とは、その基端側が一体に接合されて現像筐体171に取り付けられているのに対し、その先端側は、逆流防止部材181が変位可能なように、めくれ防止部材183と分離されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式などを利用した複写機やプリンター等の画像形成装置では、感光ドラム等の像保持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置が使用されている。このような現像装置としては、例えば、感光ドラムに対向して現像用開口が開設された現像ハウジング内に、磁性を有するキャリアと樹脂を主体としたトナーとからなる二成分現像剤を収容し、この現像ハウジングの現像用開口に面して現像剤保持体(例えば、現像ロール)を配設すると共に、この現像ロールの背面側に現像ハウジング内部の二成分現像剤を供給可能に収容する現像剤収容部を設けた現像装置が広く採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、特許文献1には、現像剤収容部内の現像剤の漏出を防止する吹き出し防止シートを設けた現像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−275965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的とするところは、現像ロールとの接触圧を変化させることなく、輸送時及び運転時における現像剤の漏出を防止することができる現像装置及びこれを備えた画像形成装置を簡易な構成で提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の現像装置は、予め定められた現像領域にて像保持体と対向配置され、その表面に現像剤を保持する現像剤保持体と、前記現像剤保持体に供給する現像剤を収容すると共に、前記現像剤保持体を回転可能に保持収容する現像筐体と、前記現像領域の下流側に配設され、現像剤の漏出を防止する現像剤漏出防止手段とを備え、前記現像剤漏出防止手段は、その先端が前記現像剤保持体の軸方向全域に渡って当該現像剤保持体の表面に接触するように配置され、現像剤の逆流を防止する可撓性の逆流防止部材と、その先端が現像剤保持体の表面と接触しないように、前記逆流防止部材の上流側に積層配置され、前記逆流防止部材のめくれを防止する板状のめくれ防止部材とを有し、前記逆流防止部材とめくれ防止部材とは、その基端側が一体に接合されて現像筐体に取り付けられているのに対し、その先端側は、前記逆流防止部材が変位可能なように、前記めくれ防止部材と分離されていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の現像装置は、請求項1に記載の構成において、前記逆流防止部材は、前記現像剤保持体の軸方向全域に渡って配設されているのに対し、前記めくれ防止部材は、前記現像剤保持体の少なくとも軸方向両端部領域に配設されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の現像装置は、請求項1又は2に記載の構成において、前記めくれ防止部材は、軸方全域に渡って配設されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載の現像装置は、請求項1ないし3のいずれかに記載の構成において、前記めくれ防止部材は、前記逆流防止部材よりも硬い部材で形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項5に記載の現像装置は、請求項1ないし4のいずれかに記載の構成において、前記めくれ防止部材は、逆流防止部材よりも厚さが厚いことを特徴とするものである。
【0011】
請求項6に記載の現像装置は、予め定められた現像領域にて像保持体と対向配置され、その表面に現像剤を保持する現像剤保持体と、前記現像剤保持体に供給する現像剤を収容すると共に、前記現像剤保持体を回転可能に保持収容する現像筐体と、前記現像領域の下流側に配設され、現像剤の漏出を防止する現像剤漏出防止手段とを備え、前記現像剤漏出防止手段は、前記現像剤保持体上に現像剤が保持される軸方向領域において、現像剤保持体の表面と接触する逆流防止部材と、現像剤保持体上に現像剤が保持されない軸方向両端部領域にて、現像剤保持体の表面と接触するめくれ防止部材とを有し、前記逆流防止部材とめくれ防止部材とは、可撓性を有する同一の部材にて一体に形成されていると共に、前記めくれ防止部材の周方向の長さは、前記逆流防止部材の周方向の長さよりも長く設定されていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項7に記載の現像装置は、請求項6に記載の構成において、前記めくれ防止部材の先端が、180〜270°の中心角領域に対応する現像剤保持体の周面上に存在するように、前記めくれ防止部材の周方向の長さが設定されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項8に記載の画像形成装置は、請求項1ないし7のいずれかに記載の現像装置を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、現像剤保持体への現像剤逆流防止部材の適切な接触圧を保持しつつ、輸送等の際の現像剤逆流防止部材のめくれを防止して、輸送時や運転時における現像剤の漏洩を簡易な構成で確実に防止することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、輸送時に偏り易い現像装置の軸方向端部における現像剤の逆流漏出を効果的に防止することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、不測の要因に対しても、現像剤の漏洩を軸方向全域に渡って安定して防止することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、可撓性の逆流防止部材のめくれを安定して防止することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、可撓性の逆流防止部材のめくれを安定して防止することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、めくれ防止部材と現像剤保持体との接触面積を増大させて、現像剤保持体への現像剤逆流防止部材の適切な接触圧を保持しつつ、輸送時等における現像剤逆流防止部材のめくれ防止して、輸送時や運転時における現像剤の逆流を簡易な構成で確実に防止することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、逆流防止部材と現像剤保持体との接触を安定して維持することができる。
【0021】
請求項8に記載の画像形成装置は、上記いずれかの現像装置を画像形成装置に好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施の形態に係る画像形成装置の一実施の形態を示す概略構成図である。
【図2】本実施の形態に係る現像装置の構成を説明するための模式的側断面図である。
【図3】本実施の形態に係る現像装置の構成を説明するための模式的平断面図である。
【図4】輸送時等における現像剤の流れ及び実施の形態1に係る現像剤漏出防止手段を装着した状態を示す模式図である。
【図5】実施の形態1に係る現像剤漏出防止手段の構成を説明するための模式図である。
【図6】実施の形態1に係る現像剤漏出防止手段の変形例の構成を説明するための模式図である。
【図7】実施の形態2に係る現像剤漏出防止手段の構成を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0024】
まず、本発明が適用可能な画像形成装置の構成について図1を参照して説明する。ここで、図1は、本発明が適用可能な画像形成装置の一例としてのタンデム型のデジタルカラー複写機を示す構成図である。なお、このタンデム型のカラー電子写真複写機は、画像読取装置を備えているが、かかる画像読取装置を備えずに、不図示のパーソナルコンピュータ等から出力される画像データに基づいて画像を形成するカラープリンターやファクシミリ等であってもよい。
【0025】
図1において、符号1は本発明が適用可能な画像形成装置の一例としてのタンデム型のデジタルカラー複写機の本体を示すものであり、本体1の上部に、原稿2を一枚ずつ分離した状態で自動的に搬送する自動原稿搬送装置3と、当該自動原稿搬送装置3によって搬送される原稿2の画像を読み取る原稿読取装置4が配置されている。この原稿読取装置4は、プラテンガラス5上に載置された原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像を、フルレートミラー7及びハーフレートミラー8,9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光して、この画像読取素子11によって原稿2の色材反射光像を予め定められたドット密度(例えば、16ドット/mm)で読み取るようになっている。
【0026】
上記原稿読取装置4によって読み取られた原稿2の色材反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の原稿反射率データとして画像処理部12に送られ、この画像処理部12では、原稿2の反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の画像処理が施される。また、画像処理部12は、パーソナルコンピュータ等から送られてくる画像データに対しても、予め定められた画像処理を行なうようになっている。
【0027】
そして、上記の如く画像処理部12で予め定められた画像処理が施された画像データは、同じく画像処理部12によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)(各8ビット)の4色の原稿再現色材階調データに変換され、次に述べるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kの露光装置14に送られ、この露光装置14では、各色の原稿再現色材階調データに応じてレーザ光LBによる画像露光が行われる。
【0028】
また、本実施の形態に係る画像形成装置では、各色の異なるトナー像を形成する複数の画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kを並列的に配置すると共に、この複数の画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kの上部に渡って、当該複数の画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kで形成された各色のトナー像が転写されるベルト状の中間転写体25を配置し、さらに複数の画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kの下方に、各画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kの像保持体15Y,15M,15C,15Kに画像の書き込みを行う露光装置14を配置している。
【0029】
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応する4つの画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kは、複数の張架ロールにより張架された無端状の中間転写ベルト25の進行方向に沿って水平方向に一定の間隔をおいて並列的に配置されており、それぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色のトナー像が予め定められたタイミングで順次形成されるように構成されている。なお、これらの各画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kは、全て同様に構成されているため、以下、各構成機器の符号は総称表記(例えば、感光ドラム15)とする。
【0030】
各画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kは、大別して、予め定められた速度(例えば、200mm/sec)で矢印方向に回転駆動される像保持体としての感光ドラム15と、この感光ドラム15の表面を一様に帯電する帯電手段としての帯電装置16と、当該感光ドラム15の表面に各色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する露光手段としての露光装置14と、感光ドラム15上に形成された静電潜像を各色のトナーで現像する現像手段としての現像装置17と、感光ドラム15の表面を清掃するクリーニング手段としてのドラムクリーニング装置18等とから構成されている。なお、本実施の形態において、感光ドラム15とその周辺に配置される各構成機器は、一体的にユニット化されており本体1から個別に交換可能に構成されている。
【0031】
上記感光ドラム15は、導電性の金属製円筒体の表面(外周面)に、有機光導電体等からなる電荷発生層、電荷輸送層といった機能層(感光層)が積層された構成を有しており、不図示の駆動手段によって矢印方向(本例では、図1において反時計回り方向)に回転駆動されるようになっている。
【0032】
また、上記帯電装置16は、例えば、芯金の表面に合成樹脂やゴム等からなり電気抵抗を調整した導電層を被覆した帯電ロールとして形成されており、この帯電ロール16の芯金には、不図示の帯電バイアス電源が接続されており、予め定められた帯電バイアスが印加されるようになっている。
【0033】
上記露光装置14は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kに共通して設けられ、図示しない4つの半導体レーザを各色の原稿再現色材階調データに応じて変調して、これらの半導体レーザからレーザ光LB−Y,LB−M,LB−C,LB−Kを階調データに応じて出射するように構成されている。上記半導体レーザから出射されたレーザ光LB−Y,LB−M,LB−C,LB−Kは、図示しないf−θレンズを介して回転多面鏡19に照射され、この回転多面鏡19によって偏向走査される。そして、上記回転多面鏡19によって偏向走査されたレーザ光LB−Y,LB−M,LB−C,LB−Kは、図示しない複数枚の反射ミラーを介して各感光ドラム15Y,15M,15C,15Kの表面を主走査方向に沿って走査露光するように構成されている。なお、上記露光装置14としては、画像形成ユニット毎に個別に設けられたLED発光素子アレイなどから構成されるものを用いてもよい。
【0034】
上記画像処理部12からは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kに共通して設けられた露光装置14に、各色の画像データが順次出力され、この露光装置14から画像データに応じて出射されたレーザ光LB−Y,LB−M,LB−C,LB−Kは、対応する感光ドラム15の表面に走査露光され、静電潜像が形成される。上記感光ドラム15上に形成された静電潜像は、現像装置17によって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0035】
上記各画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kの感光ドラム15上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、各画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kの上方に渡って配置された転写ユニット22の中間転写ベルト(ベルト状の中間転写体)25上に、4つの一次転写ロール26Y,26M,26C,26Kによって順次多重に一次転写される。これらの一次転写ロール26Y,26M,26C,26Kは、各画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kの感光ドラム15に対応した中間転写ベルト25の裏面側に配設されている。各一次転写ロール26Y,26M,26C,26Kは、所望の体積抵抗値に調整されており、これらの一次転写ロール26Y,26M,26C,26Kには、不図示の転写バイアス電源が接続されており、トナー極性とは逆極性(本例では正極性)の転写バイアスが予め定められたタイミングで印加されるようになっている。
【0036】
また、上記中間転写ベルト25は、ドライブロール27と、テンションロール24と、バックアップロール28との間に一定の張力で掛け回されており、図示しない定速性に優れた専用の駆動モーターによって回転駆動されるドライブロール27により、矢印方向に予め定められた速度で循環駆動されるようになっている。上記中間転写ベルト25としては、例えば、可撓性を有するPET等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものが用いられる。
【0037】
上記中間転写ベルト25上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、当該中間転写ベルト25の側面に配置されたバックアップロール28に圧接する二次転写ロール29によって、圧接力及び静電吸引力により記録媒体としての記録用紙P上に二次転写され、これら各色のトナー像が転写された記録用紙Pは、上方に位置する定着装置31へと搬送される。
【0038】
上記二次転写ロール29は、バックアップロール28の側方に圧接しており、下方から上方に搬送される記録用紙P上に、各色のトナー像を二次転写するようになっている。この二次転写ロール29としては、例えば、ステンレス等の金属からなる芯金の外周に、導電剤を添加したゴム材料等の導電性弾性体からなる弾性体層を予め定められた厚さに被覆したものが用いられる。そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙Pは、定着装置31によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、排出ロール32によって本体1の上部に設けられた排出トレイ33上に排出される。
【0039】
上記記録用紙Pは、装置本体1の内部に配設された給紙装置34から、予め定められたサイズのものが、ナジャーロール35及び用紙分離搬送用のフィードロール36により、1枚ずつ分離された状態で用紙搬送路37に設けられたレジストロール38まで一旦搬送され停止される。上記給紙装置34から供給された記録用紙Pは、予め定められたタイミングで回転するレジストロール38によって中間転写ベルト25の二次転写位置へ送出される。
【0040】
なお、本実施の形態に係るデジタルカラー画像形成装置において、フルカラー等の両面コピーをとる場合には、片面に画像が定着された記録用紙Pを、排出ロール32によって排出トレイ33上にそのまま排出せずに、図示しない切替ゲートによって搬送方向を切り替え、用紙搬送用のローラ対39を介して両面用搬送ユニット40へと搬送する。そして、この両面用搬送ユニット40では、搬送径路41に沿って設けられた不図示の搬送用ローラ対により、記録用紙Pの表裏が反転された状態で、再度レジストロール38へと搬送され、今度は、当該記録用紙Pの裏面に画像が転写・定着された後、排出トレイ33上に排出される。なお、図中,44Y,44M,44C,44Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像装置17Y,17M,17C,17Kに対応する各色のトナーを供給するトナーカートリッジをそれぞれ示している。
【0041】
上記イエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色の4つの画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kは、全てが同様に構成されており、これらの4つの画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kでは、上述したように、それぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色のトナー像が予め定められたタイミングで順次形成されるように構成されている。上記各色の画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kは、上述したように、感光ドラム15を備えており、これらの感光ドラム15の表面は、一次帯電用の帯電ロール16によって一様に帯電される。その後、上記感光ドラム15の表面は、露光装置14から画像データに応じて出射される画像形成用のレーザ光LBが走査露光されて、各色に対応した静電潜像が形成される。上記感光ドラム15上に走査露光されるレーザ光LBは、当該感光ドラム15の直下よりやや右側寄りの斜め下方から、予め定められた傾斜角度で露光されるように設定されている。上記感光ドラム15上に形成された静電潜像は、各画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kの現像装置17の現像ロール172によってそれぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の各色のトナーにより現像されて可視トナー像となり、これらの可視トナー像は、一次転写ロール26の帯電によって中間転写ベルト25上に順次多重に転写される。
【0042】
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光ドラム15の表面は、ドラムクリーニング装置18によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記ドラムクリーニング装置18は、クリーニングブレード42を備えており、このクリーニングブレード42によって、感光ドラム15上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。また、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト25の表面は、ベルトクリーニング装置43によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記ベルトクリーニング装置43は、クリーニングブラシ43a及びクリーニングブレード43bを備えており、これらのクリーニングブラシ43a及びブレード42によって、中間転写ベルト25上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。
【0043】
また、本実施の形態において、中間転写ベルト25の上方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像装置17に、予め定められた色の現像剤(主としてトナー若しくはキャリアを含んだトナー)を供給するトナーカートリッジ50Y,50M,50C,50Kが配設されている。
【0044】
次に、本実施の形態に係る現像装置17の構成について、図2及び図3を参照して説明する。ここで、図2は、本実施の形態に係る現像装置の構成を示す模式的側断面図であり、図3は模式的平断面図である。
【0045】
本実施の形態に係る現像装置17は、いわゆる二成分現像方式を採用したものであって、図2及び図3に示すように、感光ドラム15に向かって開口する現像ハウジング(現像筐体)171を有し、この現像ハウジング171の開口に面して現像剤保持体としての現像ロール172を配設し、現像ハウジング171のうち、現像ロール172に隣接した部位には二成分現像剤が収容される第一現像剤収容部173aと、この第一現像剤収容部173aと仕切壁Wを介して隣接すると共に、その軸方向両端部において、第一現像剤収容部173aと連通している第二現像剤収容部173bとを備えている。
【0046】
本実施の形態に係る第一現像剤収容部173a及び第二現像剤収容部173bのそれぞれは、二成分現像剤が収容されるスペースを有し、第一現像剤収容部173aには、二成分現像剤を予め定められた軸方向(例えば、図3中、右側から左側)に搬送するスパイラル状の第一現像剤撹拌搬送部材176aが配設されている。一方、第二現像剤収容部173bには、二成分現像剤を上記第一現像剤撹拌搬送部材176aとは反対方向(例えば、図3中、左側から右側)に搬送するスパイラル状の第二現像剤撹拌搬送部材176bが配設されている。そして、仕切壁Wの軸方向(長手方向)両端部に開設された連通口C1,C2を介して、第一現像剤収容部173aと第二現像剤収容部173bとを循環する現像剤循環路を形成し、一対のスパイラル状の第一現像剤撹拌搬送部材176a及び第二現像剤撹拌搬送部材176bにより、現像剤循環路内の二成分現像剤を撹拌混合しながら循環搬送するようになっている。
【0047】
ここで、上記第一現像剤撹拌搬送部材176a及び第二現像剤撹拌搬送部材176bのそれぞれは共に、回転軸と一体に形成された螺旋状(スパイラル状)の搬送羽根を有して回転自在に形成された、いわゆるオーガーであり、現像ロール172側の第一現像剤撹拌搬送部材176aはトナーの撹拌混合機能に加えて現像ロール172への現像剤供給機能を担ったサプライオーガーである。一方、第二現像剤撹拌搬送部材176bは既存の二成分現像剤に補給されたトナーを撹拌混合することを主眼としたアドミックスオーガーである。なお、本実施の形態では、現像ロール172寄りの第一現像剤撹拌搬送部材(サプライオーガー)176aが現像ロール172への現像剤供給機能を兼用しているが、サプライオーガー176aとは別に現像剤供給部材(ロールやパドル等)を付加してもよい。
【0048】
また、第二現像剤収容部173bに隣接した部位には、不図示のディスペンスオーガーが配設されており、現像作用により現像剤収容部173a,173b内のトナー濃度が予め定められた範囲よりも低下した場合には、例えば第二現像剤収容部173bの底部に設けられた不図示のトナー濃度センサーの検出結果に基づき、上記ディスペンスオーガーを介してトナーカートリッジ50から第二現像剤収容部173b内にトナーが供給されるようになっている。また、本実施の形態において、二成分現像剤は、トナーと磁性キャリアからなる現像剤であり、トナーは、例えば非磁性トナーを用いるが、磁性キャリアと帯電特性が異なるものであれば、磁性トナーを用いても差し支えない。
【0049】
本実施の形態において、現像ロール172は、現像時に予め定められた方向(本例では、図2において反時計回り方向)に回転する現像スリーブ172sと、この現像スリーブ172sの内部に固設されたマグネットロール172mとを備えている。
【0050】
ここで、現像スリーブ172sは、予め定められた方向に回転すると共に、現像ハウジング171の開口部であって、感光ドラム15と対向している領域(以下、現像領域と称する)において、感光ドラム15と予め定められた間隙にて対向するように配置されている。
【0051】
また、磁界発生手段としてのマグネットロール172mは、複数の磁石部材を周方向に配置してロール状に形成したものであり、現像領域Rに対応して配置された現像磁極S1と、現像ロール172の回転方向に沿って、現像磁極S1の下流側に、例えば、予め定められた角度間隔で配置された搬送磁極N1やピックオフ磁極S2を備えると共に、現像磁極S1の上流側に、予め定められた角度間隔で配置されたトリミング磁極N2やピックアップ磁極S3を備えている。そして、このように内部に各磁極が配置されたマグネットロール172mにより、現像ロール172には、各磁極のそれぞれの磁力に対応して予め定められた磁束密度分布が生じるようになっている。
【0052】
また、本実施の形態では、現像ロール172内のピックアップ磁極S3とトリミング磁極N2の間の下方近傍には、現像ロール172と対向するように層厚規制部材174が配設されている。この層厚規制部材174は、現像ロール172の軸方向に沿って延在する円筒状の部材であり、現像ロール172上の二成分現像剤の量を規制するように、予め定められた間隙(以下、トリマーギャップとも称し、本例では、例えば、0.3〜0.5mm)で現像ロール172と近接配置されている。なお、マグネットロール172m内の各々の磁極の配置や数は適宜選定して差し支えない。
【0053】
そして、現像ロール172が予め定められた方向(本例では、反時計回り方向)へ回転する現像時においては、第一現像剤収容部173aにおける二成分現像剤は、サプライオーガー176aにより撹拌搬送され、現像ロール172内のピックアップ磁極S3によって捕獲される。この後、捕獲された二成分現像剤は、ピックアップ磁極S3の磁気吸引力と現像ロール172表面との摩擦力により、現像ロール172(現像スリーブ172s)の回転方向に搬送されて、層厚規制部材174の近傍に到達すると、トリミング磁極N2により穂立ちを形成する。この二成分現像剤の穂立ちは、層厚規制部材174にて規制されることにより、予め定められた層厚の現像剤層として現像ロール172上に形成されて現像領域Rに搬送される。さらに、現像領域Rに搬送された二成分現像剤の現像剤層は、現像磁極S1の磁気吸引力により、磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを形成する二成分現像剤中のトナーは、感光ドラム15と現像ロール172との間に形成される現像電界によって、感光ドラム15上の静電潜像を可視像化する。一方、現像領域Rを通過した余剰のトナーは、現像ロール172の回転に沿って移動し、ピックオフ磁極S2の磁力により、再び、第一現像剤収容部173aに還流される。また、このような現像動作における二成分現像剤の消費に応じて、第二現像剤収容部173bから第一現像剤収容部173aへ適宜新たな二成分現像剤が供給され現像装置17の連続動作が可能なようになっている。
【0054】
ところで、一般に、このように構成した現像装置17では、出荷時に現像装置17の開口部や現像ロール172を覆うカバーを取り付けたり、当該開口部等を熱可塑性のフィルム部材でヒートシールして遮蔽し、輸送時の振動等によって現像装置17の開口部から現像剤が漏れ出す(吹き出す)ことを防止していた。このため、使用開始時に、かかるカバー等を取り外して、当該現像装置17を使用可能な状態とする必要が生じ、作業性を損なうといった問題が生じていた。これに対して、現像剤の吹き出しを防止する部材や、運転時における現像剤の漏洩の要因となる吹き出し防止部材のめくれ(反転)を防止する部材等を別体で設けた場合には、構成が複雑となると共に、部材間の隙間から現像剤の漏洩やトナークラウドが発生し易くなったり、接触圧が不安定となるといった問題が生じていた。
【0055】
ここで、本発明者らが輸送時における現像剤の流れを検証する物流試験を行ったところ、現像装置17を縦に配置(現像ロール172が垂直となるように配置)した姿勢での現像ロール172の軸方向端部での漏洩が著しいことが判明した。特に、図4に模式的に示すように、現像ロール172の回転方向に沿って現像領域Rの下流側において現像剤G1が逆流する傾向が見られ、かかる領域での現像剤G1の漏洩が著しいことが本発明者らの研究により判明した。一方、現像領域Rの上流側では、現像剤の流れがG2に示すようになり、現像領域R上流側からの漏洩は認められなかった。これは、現像領域Rの上流側には、現像ロール172の表面と近接配置された層厚規制部材174や現像剤を保持する磁極(マグネットロール172m)が存在するため、かかる層厚規制部材174等により、現像剤G2の流れが妨げられるためであると考えられる。
【0056】
そこで、本実施の形態に係る現像装置17では、次のような現像剤漏出防止手段を設けることにより、輸送時における二成分現像剤の漏洩の防止を可能とすると共に、当該部材を取り外すことなく現像装置17の使用を可能として、使用開始時における作業性の向上及び運転時における現像剤の逆流防止を可能としている。
【0057】
以下に、本実施の形態に係る現像剤漏出防止手段の各種構成を実施の形態として図面を参照しつつ説明する。
【0058】
<実施の形態1>
本実施の形態に係る現像剤漏出防止手段180は、図4及び図5に示すように、現像ロール172の表面と接触する可撓性の逆流防止部材181と、現像剤の逆流に伴う当該逆流防止部材181のめくれ(反転)を防止する、剛性の高い板状のめくれ防止部材183とを備え、これらの部材を貼り合わせた積層構造を有している。
【0059】
具体的には、上記逆流防止部材181は、可撓性を有する非磁性体(例えば、ポリウレタン等の樹脂)にて、現像ロール172の軸方向の長さと略同等の長さを有する略長方形のフィルム状の部材として形成されている。
【0060】
一方、上記めくれ防止部材183は、相対的に剛性の高い非磁性体(例えば、PET等の樹脂)にて、逆流防止部材181と同等の長さを有し、その幅(軸方向と直交する方向の長さ)W1が逆流防止部材181の幅W2よりも短い略長方形の板状の部材として形成されている。
【0061】
さらに、上記逆流防止部材181とめくれ防止部材183とは、それぞれの幅方向一端部(基端部)181e、183e側を揃えて、幅方向W0の領域までが互いに接着されている(貼り合わされている)。すなわち、逆流防止部材181とめくれ防止部材183とは、基端部181e、183e側から幅方向W0までの略長方形の領域(以下、接着領域180cと称する)までが互いに接着されているが、この接着領域180cを超えた先端側の領域では、逆流防止部材181がめくれ防止部材183に対して変位可能なように、逆流防止部材181とめくれ防止部材183とが互いに接着されずに重ね合わされている。
【0062】
そして、図4に最も良く示されるように、取付状態において、逆流防止部材181の先端部181tが、現像領域Rの下流側にて、現像ロール172の回転方向下流側に向かって撓み、現像ロール172に保持された現像剤の表面に倣うように変形して当該表面と軽く接触するように、基端部181e側の接着領域180cが現像ハウジング171の下流側開口端部に設けられた取付面171sに貼り付けられている。具体的には、逆流防止部材181により通常運転時の現像剤の流れを妨げることなく、かつ、逆流防止部材181との摺擦による現像剤の付着を抑制するような一定の接触圧にて、現像剤の表面と接触するように、取付面171sに取り付けられている。
【0063】
このような可撓性を有するフィルム状の逆流防止部材181を剛性の高いめくれ防止部材183と一体に取付面171sにて支持して軸方向全域に渡って配設することにより、当該逆流防止部材181と現像ロール172との接触圧を安定して一定に確保することができる。
【0064】
一方、接着領域180cを介して逆流防止部材181と一体に形成された板状のめくれ防止部材183は、現像剤漏出防止手段180を取付面171sに取り付けた際に、その先端部183tが現像領域Rの下流側開口端に伸び、かつ、現像ロール172の表面と接触しないように、その幅W1の長さが設定されている。具体的には、通常(定常)運転時において、当該領域に対応する現像ロール172表面に保持される現像剤の層厚の2倍程度の離隔距離にて先端183tが現像ロール172の表面に近接するように、その幅W1を設定することが好ましい。従って、各部材等の幅方向の長さは、W0<W1<W2となるように設定されている。なお、逆流防止部材181のめくれを防止するという観点からは、めくれ防止部材183の幅方向の長さW1は、フィルム状の逆流防止部材181の長さW2の1/2以上であることが好ましい。
【0065】
すなわち、本実施の形態では、現像剤漏出防止手段180を現像ハウジング171の取付面171sに取り付けた際に、可撓性の逆流防止部材181の上流側に板状のめくれ防止部材183が接着領域180cにて一体に接着(接合)されているのに対し、接着領域180cを超えた先端部領域では、逆流防止部材181の先端とめくれ防止部材183の先端とが分離し、かかる先端部間に隙間Sが形成されることとなる。これにより、当該隙間S(又は、空間Sに入り込んだ現像剤)が緩衝体の役割を果たし、逆流防止部材181のめくれ防止部材183先端部183tでの折れ曲がり等を未然に回避して、逆流防止部材181のめくれ(反対方向への折れ曲がり)を簡易な構成で効果的に防止することができる。
【0066】
また、逆流防止部材181に対するめくれ防止部材183の相対的な剛性を確保するという観点からは、めくれ防止部材183の厚さは、逆流防止部材181の厚さよりも厚いことが好ましく、厚さによりめくれ防止部材183の相対的な剛性を確保する場合には、逆流防止部材181とめくれ防止部材183とを同一の材質(例えば、ポリウレタン)にて形成してもよい。
【0067】
なお、上述した実施の形態では、めくれ防止部材183を逆流防止部材181と同様に、現像ロール172の軸方向全域に渡って延在するように設けたが、輸送時において顕著な漏洩が確認された軸方向端部領域の現像剤の漏れを防止するという観点からは、上記めくれ防止部材183は、図6に模式的に示す変形例のように、少なくとも軸方向両端部領域(例えば、軸長をLとしたとき、好ましくは、各端部から略1/4L〜1/3Lまでの領域)に設ければ差し支えない。
【0068】
ただし、現像ロール172の両端支持構造に伴い、撓みが集中し易い中央部や不測の要因(例えば、現像ロール172を上下逆にひっくり返したりした場合等)に対しても安定して現像剤の漏洩流出を防止するという観点からは、図5に例示したように、めくれ防止部材183を軸方向全域に渡って設けることが好ましい。
【0069】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2に係る現像剤漏出防止手段の構成について図7を参照して説明する。本実施の形態に係る現像剤漏出防止手段180Aは、先の実施の形態に係る現像剤漏出防止手段180が逆流防止部材181とめくれ防止部材183とを一体に貼り合わせた積層構造を採用したのに際し、逆流防止部材181とめくれ防止部材183とを可撓性を有する同一の部材にて平面状に形成したものであり、先の実施の形態と同様な機能を有する部材には、同様な符号を付し、その説明は省略する。
【0070】
図7に模式的に示すように、本実施の形態に係る現像剤漏出防止手段180Aは、ポリウレタン等の可撓性樹脂を門状(逆凹字状)に形成したものである。
【0071】
具体的には、軸方向両端部をめくれ防止部材185hとして形成すると共に、これらめくれ防止部材185hに挟まれた領域を逆流防止部材185として形成し、かつ、めくれ防止部材185hの幅(周方向の長さ)W3を逆流防止部材185の幅W4よりも長く設定している。さらに、逆流防止部材185の軸方向の形成領域は、現像ロール172内のマグネットロール172mの軸方向の存在領域に対応させている。
【0072】
そして、先の実施の形態と同様に、現像剤漏出防止手段180Aの基端部185e領域を現像ハウジング171の取付面171sに取り付ける(貼り付ける)ことにより、逆流防止部材185が、マグネットロール172mの形成領域にて現像ロール172の表面(現像スリーブ172sの表面)に接触するのに対し、めくれ防止部材185hは、マグネットロール172mの存在しない軸方向領域にて、現像ロール172の表面(現像スリーブ172sの表面)に接触するようになっている。
【0073】
すなわち、本実施の形態に係る現像剤漏出防止手段180Aは、現像ロール172の表面に現像剤が保持されていない軸方向領域(マグネットロール172mが軸方向に存在しない領域)に、幅(周方向の長さ)が長いめくれ防止部材185hを設け、このめくれ防止部材185hにより現像ロール172の表面との接触長(接触面積)を増大させ、これにより、現像ロール172の表面に現像剤が保持されている軸方向領域(マグネットロール172mが軸方向に存在する領域)にて、逆流防止部材185と現像ロール172表面とを一定の接触圧にて安定して接触させるようになっている。
【0074】
なお、作業性の向上を図ると共に、めくれ防止部材185hの重力による剥離を回避して逆流防止部材185と現像ロール172との接触を安定して確保するという観点からは、めくれ防止部材185hの先端185tが、現像ロール172の中心から見た中心角領域(現像ロール172の中心から水平方向右側を0°としたときの回転角領域)において、180〜270°に対応する現像ロール172の周面領域に存在するように、めくれ防止部材185hの幅W3の長さが設定されていることが好ましい。
【0075】
このように構成した本実施の形態に係る現像剤漏出防止手段180Aでは、単一の可撓性部材の形状により現像剤漏出防止手段180Aを形成することができるので、現像剤の逆流に伴う輸送時や運転時の現像剤の漏出防止といった機能をより簡易な構成で安価に実現することができる。
【0076】
なお、本発明の技術的範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨に逸脱しない範囲において多様な変更もしくは改良を加え得るものである。例えば、上述した実施の形態では、二成分方式の現像装置を例示したが、一成分方式の現像装置にも適用可能であり、また、画像形成装置の一例としてのタンデム型のデジタルカラー複写機を例示したが、当然に、モノクロまたは白黒の複写機やプリンター等に適用しても良い。
【符号の説明】
【0077】
1:画像形成装置本体、13Y,13M,13C,13K:画像形成ユニット、14:露光装置、15Y,15M,15C,15K:感光ドラム、16Y,16M,16C,16K:帯電装置、17Y,17M,17C,17K:現像装置、18Y,18M,18C,18K:ドラムクリーニング装置、25:中間転写ベルト、26Y,26M,26C,26K:一次転写ロール、27:ドライブロール、28:バックアップロール、29:二次転写ロール、31:定着装置、34:給紙装置、40:両面用搬送ユニット、43:ベルトクリーニング装置、50Y,50M,50C,50K:トナーカートリッジ、171:現像ハウジング、171s:取付面、172:現像ロール、172m:マグネットロール、172s:現像スリーブ、173a,173b:現像剤収容部、174:層厚規制部材、176a:サプライオーガー、176b:アドミックスオーガー、180,180A:現像剤漏出防止手段、180c:接着領域、181:逆流防止部材、181e:基端部、181t:先端部、183:めくれ防止部材、183t:先端部、185:逆流防止部材、185e:基端部、185h:めくれ防止部材、185t:先端部、G1,G2:現像剤、P:記録用紙、R:現像領域、S:隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた現像領域にて像保持体と対向配置され、その表面に現像剤を保持する現像剤保持体と、
前記現像剤保持体に供給する現像剤を収容すると共に、前記現像剤保持体を回転可能に保持収容する現像筐体と、
前記現像領域の下流側に配設され、現像剤の漏出を防止する現像剤漏出防止手段と
を備え、
前記現像剤漏出防止手段は、その先端が前記現像剤保持体の軸方向全域に渡って当該現像剤保持体の表面に接触するように配置され、現像剤の逆流を防止する可撓性の逆流防止部材と、その先端が現像剤保持体の表面と接触しないように、前記逆流防止部材の上流側に積層配置され、前記逆流防止部材のめくれを防止する板状のめくれ防止部材とを有し、
前記逆流防止部材とめくれ防止部材とは、その基端側が一体に接合されて現像筐体に取り付けられているのに対し、その先端側は、前記逆流防止部材が変位可能なように、前記めくれ防止部材と分離されていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記逆流防止部材は、前記現像剤保持体の軸方向全域に渡って配設されているのに対し、前記めくれ防止部材は、前記現像剤保持体の少なくとも軸方向両端部領域に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記めくれ防止部材は、軸方全域に渡って配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記めくれ防止部材は、前記逆流防止部材よりも硬い部材で形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の現像装置。
【請求項5】
前記めくれ防止部材は、逆流防止部材よりも厚さが厚いことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の現像装置。
【請求項6】
予め定められた現像領域にて像保持体と対向配置され、その表面に現像剤を保持する現像剤保持体と、
前記現像剤保持体に供給する現像剤を収容すると共に、前記現像剤保持体を回転可能に保持収容する現像筐体と、
前記現像領域の下流側に配設され、現像剤の漏出を防止する現像剤漏出防止手段と
を備え、
前記現像剤漏出防止手段は、前記現像剤保持体上に現像剤が保持される軸方向領域において、現像剤保持体の表面と接触する逆流防止部材と、現像剤保持体上に現像剤が保持されない軸方向両端部領域にて、現像剤保持体の表面と接触するめくれ防止部材とを有し、前記逆流防止部材とめくれ防止部材とは、可撓性を有する同一の部材にて一体に形成されていると共に、前記めくれ防止部材の周方向の長さは、前記逆流防止部材の周方向の長さよりも長く設定されていることを特徴とする現像装置。
【請求項7】
前記めくれ防止部材の先端が、180〜270°の中心角領域に対応する現像剤保持体の周面上に存在するように、前記めくれ防止部材の周方向の長さが設定されていることを特徴とする請求項6に記載の現像装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−118314(P2012−118314A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268178(P2010−268178)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】