説明

現像装置及びそれを備えた画像形成装置

【課題】現像剤を現像ローラ上から確実に剥ぎ取り、現像ローラ上で現像剤層の乱れがなく、良好な画像が得られ、また、現像容器内でトナーが均一に搬送される現像装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像装置14は、現像ローラ27内の固定磁石体25の対向する磁極とともに形成する磁界によって、現像ローラ27上のトナー量を規制した現像剤層領域Hを形成する規制部材35と、現像ローラ回転方向に対して規制部材35の上流側で現像ローラ27上の現像に供されないトナーを剥ぎ取る磁界発生部材50とを備える。磁界発生部材50は、現像剤層領域Hの長手方向の両端部側に対向する磁界発生端部52m、52nと、この各磁界発生端部52m、52nに長手方向で挟まれた磁界発生中央部52pとを有し、磁界発生端部52m、52nの磁力は磁界発生中央部52pの磁力より大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いる現像装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においては、感光体上に形成した潜像を、現像装置により現像してトナー像として可視化することを行っている。このような現像装置の一つとして、小型で低コストである磁性一成分現像剤を用いた現像装置が実用化されている。この現像装置は、トナー担持体たる現像スリーブの内部に複数の磁極を有する固定磁石体を設け、更に現像スリーブ上のトナー量を規制する規制部材を設けて、規制部材と現像スリーブとの間で所定量のトナー薄層を現像スリーブ上に担持させている。
【0003】
上記のような現像装置において、現像スリーブ上のトナー薄層を均一なものにするために、特許文献1には下記のような現像装置が開示されている。
【0004】
特許文献1の現像装置において、規制部材は、現像スリーブと所定の間隔を隔てて設けられ、磁性材料からなる板状のブレードと磁石とを有する。この磁石の現像スリーブへの対向側の磁極は、現像スリーブ内の固定磁石体の対向磁極と同極性からなり、現像スリーブ回転方向に対してブレードの上流側に取り付けられている。そして磁石の磁力によって、ブレードの先端部は磁石と逆極性に磁化される。このような構成において、帯電されたトナーが現像スリーブに付着した状態で搬送され、規制部材のブレード先端部によって層厚を規制されて薄くなる。ここでは、ブレード先端部と現像スリーブ間には、固定磁石体と磁石によって磁界が形成されており、更に、ブレード先端部と磁石間にも磁界が形成されているから、これらの磁界によって、トナーはほぼ均一な状態でブレード先端部と現像スリーブとの間を通って、現像スリーブ上にトナー薄層が形成されることになる。
【0005】
しかしながら、上述の先行技術では、規制部材の磁石及び現像スリーブ内の固定磁石体は、それらの長手方向において端部側の磁力が中央部側に比べると小さくなりがちであり、これによって、規制部材と現像スリーブ間では長手方向の中央部側に比べて端部側で磁界が低下するおそれがある。端部側で磁界が低下すると、端部側のトナー規制力が低下する。現像スリーブ上のトナー帯電量は、現像スリーブの回転とともに上昇し、トナー帯電量が上昇すると、トナーが現像スリーブに強く付着するとともにトナー間で強く吸着することになる。これによって、繰り返し現像を行なうと、トナーが規制部材と現像スリーブ間を通過する時に、長手方向の中央部側では所定のトナー層厚になっていても、端部側ではトナー規制力が弱いためトナー層厚が大きくなり、トナー層の乱れが発生しやすくなる。このようなトナーの層乱れが顕著に現れて、トナー層厚の偏りがある状態で感光体にトナーが供給されると、感光体上で良好なトナー像が形成されないという問題があった。
【0006】
そこで、上記のトナーの層乱れを解消するために、特許文献2では、磁石からなる磁界発生部材が設けられ、磁界発生部材は、規制部材よりも現像スリーブの回転方向上流側で、現像スリーブ内の固定磁石体の磁極間部に対向する位置に設けられ、この位置でトナーの磁気ブラシを形成するようになっている。この構成において、現像後にも現像スリーブ上に残存するトナーは、磁気ブラシによって現像スリーブ上から剥ぎ取られる。そして再度、現像スリーブ上にトナーが担持され、担持されたトナーは規制部材側に搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−167426号公報(段落[0040]〜[0046]、第3図)
【特許文献2】特開平9−34267号公報(段落[0028]、[0033]〜[0035]、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の特許文献2において、端部側の大きな層厚のトナー層を現像スリーブ上から十分に剥ぎ取るためには、磁界発生部材の磁力を大きくするか、または磁界発生部材と現像スリーブ表面との隙間を小さくする必要がある。このように、磁力を強くするか、または隙間を小さくすると、端部側のトナーを現像スリーブ上から剥ぎ取ることができるが、中央部側ではトナー層厚が比較的に小さく、トナー層厚が長手方向に偏っているので、トナーが磁界発生部材と現像スリーブとの隙間を通過する時に、トナーがストレスを受けて劣化し、またはトナーが凝集して現像スリーブ表面を傷つけ、更に縦筋の異常画像が発生するという問題があった。
【0009】
また、トナー撹拌方式において、螺旋状羽根からなる2つの撹拌部材の回転によりトナーを2つの搬送路内で循環搬送して、撹拌されたトナーが現像ローラに供給されるものがある。このような方式では、撹拌部材と現像ローラとの間に、特許文献2に示すような磁界発生部材が配設されることになると、2つの搬送路内で循環しているトナーにも、磁界発生部材の磁力が作用する。即ち、各搬送路内を搬送されるトナーには、トナーの移動方向と直交する方向に磁力が作用し、一方の搬送路から他方の搬送路に搬送されるトナーには、トナーの移動方向と平行な方向に磁力が作用する。
【0010】
従って、トナーが他方の搬送路に搬送されるときに、特に磁界発生部材から遠ざかる方向にトナーが搬送されるときには、磁界発生部材によって、トナーには搬送方向と逆向きの磁力が作用するので、トナーの流れが悪くなる。このようにトナーの流れの悪い搬送路内では、トナーが滞留することになり、滞留したトナーが現像容器の端部から外部に漏れ出るおそれがある。また、トナーの流れの悪いと、現像容器内でトナーが均一に搬送されず、トナーセンサがトナー量を正確に検知できなくなり、このトナー量の誤検知によって、補給されるトナーに過不足が生じるという問題があった。
【0011】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、現像剤を現像ローラ上から確実に剥ぎ取り、現像ローラ上で現像剤層の乱れがなく、良好な画像が得られ、また、現像容器内でトナーが均一に搬送される現像装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明は、像担持体に対向した現像領域に現像剤を供給し、周方向に複数の磁極を有する固定磁石体を内蔵する現像ローラと、前記固定磁石体の対向する磁極とともに形成する磁界によって、前記現像ローラ上の現像剤の量を規制した現像剤層領域を形成する規制部材と、現像ローラ回転方向に対して前記規制部材の上流側で前記現像ローラ上の現像に供されない現像剤を剥ぎ取る磁界発生部材とを備える現像装置において、前記磁界発生部材は、前記現像剤層領域の長手方向の両端部側に対向する磁界発生端部と、前記各磁界発生端部に長手方向で挟まれた磁界発生中央部とを有し、前記磁界発生端部の磁力は前記磁界発生中央部の磁力より大きいことを特徴としている。
【0013】
この構成によれば、現像剤層領域の現像剤の層厚が長手方向の中央部側に対して端部側で大きくなって、現像後の現像ローラ表面に現像剤が残存しても、中央部側と端部側の現像剤は磁界発生部材の夫々の磁界によって剥ぎ取られる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明では、前記磁界発生部材は、前記現像ローラの表面に対向する磁性体と、前記現像ローラの表面に対向する対向磁極を有し現像ローラ回転方向に対面して前記磁性体に取り付けられる磁石とを備え、前記磁石の対向磁極は対向する固定磁石体の磁極と同極性であり、前記磁石の磁界発生端部側の磁力は前記磁石の磁界発生中央部側の磁力より大きいことを特徴としている。
【0015】
この構成によれば、磁性体の先端部は、磁石の対向磁極と異極性の磁極に磁化され、磁性体の先端部と磁石の対向磁極との間を通過する磁力線が形成される。また、磁性体の先端部の磁化された磁極は、固定磁石体の磁極とも異極性となり、磁性体の先端部と固定磁石体との間を通過する磁力線が形成される。このように、磁性体の先端部と現像ローラの表面では、磁力線による2つの磁路が形成され、磁力線の密度が大きくなる。この磁力線に対応した磁界は、現像剤層領域の中央部側では比較的に小さく、現像剤層領域の端部側では比較的に大きくなり、夫々の磁界によって現像後の現像ローラ表面に残存する現像剤は剥ぎ取られる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明では、前記磁界発生部材は、前記現像ローラの表面に対向する磁性体と、前記現像ローラの表面に対向する対向磁極を有し現像ローラ回転方向に対面して前記磁性体に取り付けられる磁石とを備え、前記磁性体は前記現像剤層領域の長手方向の両端部まで延在し、前記磁石は前記現像剤層領域の長手方向の両端部側に対向して配設され、前記各磁石の対向磁極は対向する固定磁石体の磁極と同極性であることを特徴としている。
【0017】
この構成によれば、現像剤層領域の端部側では、磁性体の先端部は、磁石の対向磁極と異極性の磁極に磁化され、磁性体の先端部と磁石の対向磁極との間を通過する磁力線が形成される。また、磁性体の先端部の磁化された磁極は、固定磁石体の磁極とも異極性となり、磁性体の先端部と固定磁石体との間を通過する磁力線が形成される。これらの磁力線による2つの磁路に対応した磁界が磁性体の先端部と現像ローラの表面に形成される。一方、現像剤層領域の中央部側では、磁性体の先端部は、固定磁石体の磁極と異極性の磁極に磁化され、磁性体の先端部と固定磁石体の磁極との磁界が磁性体の先端部と現像ローラの表面に形成される。このように、現像剤層領域の端部側と中央部側との磁界は、中央部側では比較的に小さく、端部側では比較的に大きくなり、夫々の磁界によって現像後の現像ローラ表面に残存する現像剤は剥ぎ取られる。
【0018】
また、請求項4に記載の発明では、前記磁性体は、前記現像ローラに対向する先端部と、該先端部と反対側の反対面部とを有し、現像ローラ周方向における前記先端部の幅は前記反対面部より小さいことを特徴としている。
【0019】
この構成によれば、現像ローラ周方向において、磁性体の反対面部の長さが先端部の長さよりも現像ローラ周方向に大きいので、磁性体の反対面部と磁石との間を通過する多数の磁力線が形成される。
【0020】
また、請求項5に記載の発明では、前記規制部材は、前記現像剤層領域の長手方向の両端部側に対向する端部規制部と、前記各端部規制部に長手方向で挟まれた中央規制部とを有し、前記端部規制部の磁力は前記中央規制部の磁力より大きく、前記磁界発生部材の磁界発生端部は、前記規制部材の端部規制部と、前記端部規制部と前記中央規制部の境界とに対向する現像剤層領域に対向するように形成されていることを特徴としている。
【0021】
この構成によれば、規制部材によって現像剤層を形成するときに、端部規制部の磁力が中央規制部の磁力より大きいと、現像剤層領域の端部側の現像剤層厚とその中央部側の現像剤層厚に差が生じるため、現像剤層領域の端部側と中央部側との境界に現像剤層の段差が生じる。しかし、現像後、現像ローラ表面に残存する現像剤を剥ぎ取る時に、磁界発生部材の磁界発生端部が現像剤層領域上で規制部材の端部規制部と中央規制部の境界とを含むように設けられているので、磁界発生部材は現像剤層の段差を解消するように剥ぎ取る。
【0022】
また、請求項6に記載の発明では、前記現像ローラに対向し現像剤を供給する第1撹拌部材と、前記第1撹拌部材とともに現像剤を撹拌、搬送する第2撹拌部材と、前記第1撹拌部材によって現像剤が搬送される第1搬送路と、前記第1搬送路に並列して配設され、前記第2撹拌部材によって現像剤が搬送される第2搬送路と、前記第1搬送路から前記第2搬送路に現像剤を通す第1連通部と、前記第2搬送路から第1搬送路に現像剤を通す第2連通部とを備え、前記磁界発生部材は、前記現像ローラと前記第1撹拌部材との間に配設され、前記第1連通部は前記磁界発生部材と対向しない位置に配設されることを特徴としている。
【0023】
この構成によれば、第1撹拌部材によって、現像剤は撹拌されながら第1搬送路内を現像剤搬送方向の上流側から下流側に搬送される。次に、現像剤が第1搬送路から第1連通部を介して第2搬送路に移動するときに、磁界発生部材の磁力の影響を大きく受けることなく、現像剤は搬送される。
【0024】
また、請求項7に記載の発明では、前記第1撹拌部材は、回転軸及び該回転軸の周囲に形成された螺旋状の羽根から構成されており、前記磁界発生部材の磁界発生端部に対向する螺旋状の羽根は、現像剤の搬送力が大きくなるように形成されていることを特徴としている。
【0025】
この構成によれば、第1撹拌部材によって第1搬送路内を搬送される現像剤は、磁界発生端部の磁力を受けるが、磁界発生端部の磁界発生端部に対向する螺旋状の羽根は、現像剤の搬送力が大きくなるように形成されているので、第1搬送路内の現像剤は略同じ速度で搬送される。
【0026】
また、請求項8に記載の発明では、上記の構成の現像装置が搭載された画像形成装置である。
【発明の効果】
【0027】
請求項1に記載の発明によれば、現像剤層領域の現像剤の層厚が長手方向の中央部側に対して端部側で大きくなって、現像後の現像ローラ表面に現像剤が残存しても、中央部側と端部側の現像剤は磁界発生部材の夫々の磁界によって確実に剥ぎ取られ、現像ローラ上で現像剤層の乱れがなく、良好な画像が得られる。
【0028】
また、請求項2に記載の発明によれば、磁性体の先端部は、磁石の対向磁極と異極性の磁極に磁化され、磁性体の先端部と磁石の対向磁極との間を通過する磁力線が形成される。また、磁性体の先端部の磁化された磁極は、固定磁石体の磁極とも異極性となり、磁性体の先端部と固定磁石体との間を通過する磁力線が形成される。このように、磁性体の先端部と現像ローラの表面では、磁力線による2つの磁路が形成され、磁力線の密度が大きくなる。この磁力線に対応した磁界は、現像剤層領域の中央部側では比較的に小さく、現像剤層領域の端部側では比較的に大きくなり、夫々の磁界によって現像後の現像ローラ表面に残存する現像剤は剥ぎ取られる。従って、現像剤層領域の現像剤の層厚が長手方向の中央部側に対して端部側で大きくなって、現像後の現像ローラ表面に現像剤が残存しても、現像剤は確実に剥ぎ取られ、現像ローラ上で現像剤層の乱れがなく、良好な画像が得られる。
【0029】
また、請求項3に記載の発明によれば、現像剤層領域の端部側では、磁性体の先端部は、磁石の対向磁極と異極性の磁極に磁化され、磁性体の先端部と磁石の対向磁極との間を通過する磁力線が形成される。また、磁性体の先端部の磁化された磁極は、固定磁石体の磁極とも異極性となり、磁性体の先端部と固定磁石体との間を通過する磁力線が形成される。これらの磁力線による2つの磁路に対応した磁界が磁性体の先端部と現像ローラの表面に形成される。一方、現像剤層領域の中央部側では、磁性体の先端部は、固定磁石体の磁極と異極性の磁極に磁化され、磁性体の先端部と固定磁石体の磁極との磁界が磁性体の先端部と現像ローラの表面に形成される。このように、現像剤層領域の端部側と中央部側との磁界は、中央部側では比較的に小さく、端部側では比較的に大きくなり、夫々の磁界によって現像後の現像ローラ表面に残存する現像剤は剥ぎ取られる。従って、現像剤層領域の現像剤の層厚が長手方向の中央部側に対して端部側で大きくなって、現像後の現像ローラ表面に現像剤が残存しても、現像剤は確実に剥ぎ取られ、現像ローラ上で現像剤層の乱れがなく、良好な画像が得られる。
【0030】
また、請求項4に記載の発明によれば、現像ローラ周方向において、磁性体の反対面部の長さが先端部の長さよりも現像ローラ周方向に大きいので、磁性体の反対面部と磁石との間を通過する多数の磁力線が形成される。従って、磁性体の磁力が強くなり、磁性体の先端部で効率よく磁界を発生させることができ、現像ローラの表面に付着した現像剤が確実に剥ぎ取られる。
【0031】
また、請求項5に記載の発明によれば、規制部材によって現像剤層を形成するときに、端部規制部の磁力が中央規制部の磁力より大きいと、現像剤層領域の端部側の現像剤層厚とその中央部側の現像剤層厚に差が生じるため、現像剤層領域の端部側と中央部側との境界に現像剤層の段差が生じる。しかし、現像後、現像ローラ表面に残存する現像剤を剥ぎ取る時に、磁界発生部材の磁界発生端部が現像剤層領域上で規制部材の端部規制部と中央規制部の境界とを含むように設けられているので、現像剤層の段差が解消されるように剥ぎ取られる。従って、現像ローラ上で現像剤層の乱れがなく、良好な画像が得られる。
【0032】
また、請求項6に記載の発明によれば、第1撹拌部材によって、現像剤は撹拌されながら第1搬送路内を現像剤搬送方向の上流側から下流側に搬送される。次に、現像剤が第1搬送路から第1連通部を介して第2搬送路に移動するときに、磁界発生部材の磁力の影響を大きく受けることなく、現像剤は搬送される。従って、磁界発生部材によって現像剤が現像ローラ上から剥ぎ取られるとともに、現像剤は搬送路内を均一に循環して、現像ローラに現像剤が供給されるので、濃度低下やゴースト現象等の異常画像が発生するおそれがない。
【0033】
また、請求項7に記載の発明によれば、第1撹拌部材によって第1搬送路内を搬送される現像剤は、磁界発生端部の磁力を受けるが、磁界発生端部の磁界発生端部に対向する螺旋状の羽根は、現像剤の搬送力が大きくなるように形成されているので、第1搬送路内の現像剤は略同じ速度で搬送される。従って、現像剤は搬送路内を均一に循環して、現像ローラに現像剤が供給されるので、濃度低下やゴースト現象等の異常画像が発生するおそれがない。
【0034】
また、請求項8に記載の発明によれば、現像剤を現像ローラ上から確実に剥ぎ取り、現像ローラ上で現像剤層の乱れがなく、良好な画像が得られ、また、現像容器内でトナーが均一に搬送される現像装置を備える画像形成装置にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1実施形態に係る現像装置が搭載された画像形成装置の概略構成を示す図
【図2】第1実施形態に係る現像装置の概略構成を示す側面断面図
【図3】第1実施形態に係る現像装置の要部構成を示す側面断面図
【図4】第1実施形態に係る現像装置の磁界発生部材周辺の断面拡大図
【図5】第1実施形態に係る現像装置の磁界発生部材及び規制部材と現像ローラとの配置を示す平面図
【図6】本発明の第2実施形態に係る現像装置の磁界発生部材及び規制部材と現像ローラとの配置を示す平面図
【図7】本発明の第3実施形態に係る現像装置の磁界発生部材及び規制部材と現像ローラとの配置を示す平面図
【図8】本発明の第4実施形態に係る現像装置の磁界発生部材と撹拌部との配置を示す平面断面図
【図9】本発明の第5実施形態に係る現像装置の磁界発生部材と撹拌部との配置を示す平面断面図
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
【0037】
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。画像形成装置1は、その下部に配設された給紙部2と、この給紙部2の側方に配設された用紙搬送部3と、この用紙搬送部3の上方に配設された画像形成部4と、この画像形成部4よりも排出側に配設された定着部5と、画像形成部4及び定着部5の上方に配設された画像読取部6とを備えている。
【0038】
給紙部2は、用紙9を収容する複数の給紙カセット7を備えており、給紙ローラ8の回転動作により、複数の給紙カセット7のうち選択された給紙カセット7から用紙9を1枚ずつ確実に用紙搬送部3に送り出す。
【0039】
用紙搬送部3に送られた用紙9は、用紙供給経路10を経由して画像形成部4に向けて搬送される。この画像形成部4は、電子写真プロセスによって、用紙9にトナー像を形成するものであり、図1の矢印方向に回転可能に軸支された感光体11と、この感光体11の周囲にその回転方向に沿って、帯電部12、露光部13、現像装置14、転写部15、クリーニング部16、及び除電部17を備えている。
【0040】
帯電部12は、高電圧を印加される帯電ワイヤを備えており、この帯電ワイヤからのコロナ放電によって感光体11表面に所定電位を与えると、感光体11表面が一様に帯電させられる。そして、画像読取部6によって読み取られた原稿の画像データに基づく光が、露光部13により感光体11に照射されると、感光体11の表面電位が選択的に減衰され、感光体11表面に静電潜像が形成される。次いで、現像装置14が感光体11表面の静電潜像を現像し、感光体11表面にトナー像が形成される。このトナー像が転写部15によって感光体11と転写部15との間に供給された用紙9に転写される。
【0041】
トナー像が転写された用紙9は、画像形成部4の用紙搬送方向の下流側に配置された定着部5に向けて搬送される。定着部5では、加熱部材18及び加圧ローラ19によって、用紙9が加熱加圧され、用紙9上にトナー像が溶融定着される。次いで、トナー像が定着された用紙9は、排出ローラ対20によって排出トレイ21上に排出される。転写部15による転写後、感光体11表面に残留しているトナーは、クリーニング部16により除去され、また感光体11表面の残留電荷は、除電部17により除去される。そして、感光体11は帯電部12によって再び帯電され、以下同様にして画像形成が行われることになる。
【0042】
次に、現像装置について図2に基づいて説明する。図2は画像形成装置1に用いられる現像装置とその周辺装置の概略構成を示す側面断面図である。
【0043】
現像装置14は、磁性一成分現像剤を収容する現像容器22と、この現像剤(以下、「トナー」と記すことがある)を撹拌する撹拌部材43、44と、現像ローラ27、及び規制部材35とを備えている。そしてトナータンク31は現像装置14にトナーを供給する。
【0044】
撹拌部材43、44は、現像容器22内に回転可能に配設され、トナーを撹拌、循環させて、現像ローラ27に供給する。
【0045】
現像ローラ27は、固定磁石体25と現像スリーブ26とを備える。現像スリーブ26は、円筒状の非磁性材からなり、撹拌部材44に隣接する位置で現像容器22に回転可能に支持される。固定磁石体25は、現像スリーブ26内に固設される永久磁石からなり、現像スリーブ26に向けて磁界を発生する。また、現像ローラ27は、現像容器22の開口から露出し、像担持体である感光体11に一定の間隔を隔てて対向している。この対向する領域は、現像スリーブ26上に担持されているトナーを感光体11に向けて供給するための現像領域Dとなっている。更に、現像スリーブ26には、トナーを感光体11に供給するために、直流に交流を重畳した現像バイアス29が印加される。
【0046】
規制部材35は、現像スリーブ26表面に担持されるトナーを所定の層厚に規制するものであり、現像スリーブ26の略上方で現像スリーブ26表面との間に所定間隔を隔てて、現像容器22に取り付けられる。
【0047】
現像スリーブ26内の固定磁石体25の磁力により、撹拌部材44から供給されたトナーが現像スリーブ26表面に担持される。担持されたトナーは、規制部材35により所定の層厚に規制され、現像スリーブ26の回転(図2の矢印方向の回転)により、現像領域Dに向けて搬送される。現像スリーブ26に現像バイアス29が印加されることにより、現像領域Dにおいて現像スリーブ26と感光体11との間に電位差が発生し、現像スリーブ26上のトナーは感光体11に供給され、感光体11上の静電潜像はトナー像に現像される。
【0048】
次に、現像装置14の構成を図3〜図5に基づいて詳しく説明する。図3は現像装置の要部構成を断面して示す側面断面図であり、図4は磁界発生部材周辺の断面拡大図であり、図5は磁界発生部材及び規制部材と現像ローラとの配置を示す平面図である。
【0049】
図3に示すように、現像容器22は、その容器内壁部に、トナーを収容する現像剤収容部22aと、トナーを収容するとともにトナーを感光体11に供給する現像剤供給部22pと、現像容器22の下方で現像剤収容部22aと現像剤供給部22pとの間に介在する隣接部22mとを有し、樹脂で形成される。
【0050】
現像剤収容部22aには搬送路22c、22dが形成され、2つの撹拌部材43、44が仕切り部22bを挟んで搬送路22c、22d内に配設されている。撹拌部材43、44は、現像剤収容部22aに回転可能に支持される支軸と、支軸の軸方向に螺旋状に形成される羽根とを備える。トナータンク31(図2参照)から搬送路22cに供給されたトナーが撹拌部材43の回転によって撹拌され、撹拌されたトナーが仕切り部22bの両端部に設けられた開口を介して、搬送路22dへ搬送される。更に、搬送路22d内では撹拌部材44の回転によってトナーが撹拌されながら、搬送路22c、22d内を循環する。そして、撹拌されたトナーは搬送路22dから現像スリーブ26に供給される。
【0051】
現像剤供給部22pには、現像スリーブ26が回転可能に配設される。現像スリーブ26はアルミニウム等の非磁性材料で円筒状に形成され、その表面粗さRzが10mμ以下に仕上げられる。現像スリーブ26内には、固定磁石体25が現像剤供給部22pに固定支持される。固定磁石体25は、S極とN極が周方向に交互に配列され、現像スリーブ26表面に向けて磁界を発生させる。
【0052】
固定磁石体25の規制部材35に対向する位置には、磁極S1が配置されている。また、現像領域Dに対向する位置には磁極N2が配置され、更に、現像後の残存トナーが搬送されるトナー循環領域Tには磁極S2が配置され、更に、隣接部22mに対向する位置には磁極N1が配置されている。
【0053】
規制部材35は、ステンレス鋼等の磁性材料の板材で構成される規制ブレード36と、永久磁石であるプレート磁石37とからなる。
【0054】
規制ブレード36は、現像スリーブ26の略上方で現像スリーブ26表面との間に所定間隔を隔てて、現像容器22に取り付けられる。規制ブレード36の先端部はエッジ状をなして現像スリーブ26表面に対向している。
【0055】
プレート磁石37は、規制ブレード36の現像ローラ回転方向上流側に取り付けられている。プレート磁石37の現像スリーブ26との対向側端は、規制ブレード36の先端部よりも現像スリーブ26から離れており、現像スリーブ26内の固定磁石体25の磁極S1と同じS極であり、その反対側端はN極となっている。
【0056】
このような構成によって、プレート磁石37の磁力によって、規制ブレード36の先端部はプレート磁石37の対向側端と逆極性(N極)に磁化される。従って、規制ブレード36の先端部と現像スリーブ26間には、固定磁石体25の磁極N1とプレート磁石37によって磁界が形成され、更に、規制ブレード36先端部とプレート磁石37間にも磁界が形成される。これらの磁界によって、トナーはほぼ均一な状態で規制ブレード36先端部と現像スリーブ26間を通って、現像スリーブ26上にトナー薄層が形成される。そして、図5に示すように、現像スリーブ26の長手方向には、固定磁石体25及び規制部材35の幅(長手方向の長さ)に対応した現像剤層領域Hでトナー層が形成されることになる。
【0057】
図3に示すように、隣接部22mは、磁界発生部材50を取り付ける面となる取り付け部22nを有する。
【0058】
磁界発生部材50が取り付け部22nに取り付けられると、磁界発生部材50は現像スリーブ26に一定の間隔を隔てて対向する。磁界発生部材50は、現像スリーブ26を介して固定磁石体25の磁極N1と対向し、固定磁石体25の磁極N1との間で磁界を発生させる。
【0059】
次に、図4を用いて磁界発生部材を詳しく説明する。磁界発生部材50は、磁石51と磁性体52からなる。
【0060】
磁石51は、永久磁石であり、現像スリーブ26表面に一定の間隔を隔てて対向する。また、磁石51は、現像スリーブ26を介して固定磁石体25の磁極N1(N極)と対向する対向磁極51aと、現像スリーブ26の反対側に位置する反対磁極51bとを有する。対向磁極51aは固定磁石体25の磁極N1と同極性(N極)であり、反対磁極51bはS極となる。更に、磁石51は、断面矩形の直方体形状をなし、現像ローラ回転方向の上流側に位置する対面部51cを有する。
【0061】
磁性体52は、ステンレス鋼板等の磁性材料からなり、磁石51の対面部51cに接着剤で固着されている。また、磁性体52は先端部52aと反対面部52bとを有する。先端部52aは、磁石51の対向磁極51aと略同じ間隔を隔てて現像スリーブ26表面に対向している。この間隔は現像スリーブ26と規制部材35(図3参照)との間隔より小さく設定されている。反対面部52bは、現像スリーブ26の略法線方向で先端部52aと反対側に位置し、磁石51の反対磁極51bの端面と同じ平面高さで形成されている。尚、この実施形態では、磁性体52は現像ローラ回転方向に対して磁石51の上流側に取り付けられることになるが、これに限らず、磁性体52は現像ローラ回転方向に対して磁石51の下流側に取り付けられてもよい。
【0062】
この構成よって、磁性体52の先端部52aはS極に磁化され、また、反対面部52bはN極に磁化される。従って、磁性体52は磁石51との間で磁力線による磁路を形成し、更に、磁性体52は固定磁石体25との間で磁力線による磁路を形成することになる。
【0063】
つまり、磁性体52の反対面部52bはN極に磁化されているので、磁性体52の反対面部52bと磁石51の反対磁極(S極)51bとの間を通過する磁力線が形成されるとともに、磁性体52の反対面部52bと、固定磁石体25の磁極N1に隣接する磁極(S極)との間を通過する磁力線が形成される。
【0064】
また、磁性体52の反対面部52bは、現像ローラ周方向において、その幅が磁性体52の先端部52aの幅より大きく設定されている。これによって、磁性体52の反対面部52bと磁石51の反対磁極(S極)51bとの間で、多数の磁力線が形成され、また、反対面部52bと固定磁石体25の磁極(S極)との間で、多数の磁力線が形成される。
【0065】
更に、磁性体52の先端部52aはS極に磁化され、また比較的に小さい幅であるので、先端部52aと磁石51の対向磁極(N極)51aとの間を通過する磁力線が集中して形成されるとともに、先端部52aと固定磁石体25の磁極N1との間を通過する磁力線が集中して形成される。このように、磁性体52の先端部52aと現像スリーブ26表面との間の狭い領域に、磁力線による2つの磁路が形成されて、磁力線の密度が大きくなる。この磁力線に対応した磁界が磁性体52の先端部52aと現像ローラ27の表面に発生する。
【0066】
更に、図5に示すように、磁界発生部材50は、現像スリーブ26上の現像剤層領域Hの長手方向に磁力の大きさが異なる。つまり、磁石51は磁石端部51m、51nと磁石中央部51pが形成されている。磁石端部51m、51nは現像剤層領域Hの長手方向の端部側に配置され、磁石端部51m、51nの対向磁極51aの磁力は、比較的に大きく設定されている。一方、磁石中央部51pは現像剤層領域Hの長手方向の中央部側に配置され、磁石中央部51pの対向磁極51aの磁力は、磁石端部51m、51nに比べて小さく設定されている。
【0067】
磁性体52の磁界発生端部52m、52nは磁石端部51m、51nに対面し、磁界発生中央部52pは磁石中央部51pに対面する。従って、磁界発生端部52m、52nの先端部52a(図4参照)の磁力は、磁界発生中央部52pの先端部52aの磁力に比べて大きくなる。
【0068】
この磁界発生部材50と固定磁石体25の磁極N1とで形成される、現像剤層領域Hの長手方向の端部側と中央部側の異なる大きさの磁界によって、現像剤層領域Hのトナーは現像スリーブ26表面から剥ぎ取られることになる。
【0069】
現像スリーブ26の周りには、図3の矢印方向(現像スリーブ26の回転方向)に沿って、順に、規制部材35、現像領域D、トナー循環領域T、及び磁界発生部材50が配置されることになる。
【0070】
通常、現像ローラ27内の固定磁石体25は、端部側の磁力が中央部側に比べると小さくなり、また、規制部材35のプレート磁石37は、端部側の磁力が中央部側に比べると小さくなっていて、端部側ではトナー帯電量が上昇して、トナーが現像スリーブ26表面に強く付着する。そして、繰り返し現像を行なうと、トナーが規制部材35と現像スリーブ26間を通過する時に、長手方向の中央部側では所定のトナー層厚になっていても、端部側でトナー層厚が大きくなり、トナーの層乱れが発生する。
【0071】
しかし、本実施形態では、現像後に現像スリーブ26上に残存した現像剤層領域Hの両端部側のトナーは、磁界発生部材50の磁界発生端部52m、52nと固定磁石体25の磁極N1とで形成される比較的に大きな磁界によって、現像スリーブ26表面から剥ぎ取られる。一方、現像剤層領域Hの中央部側の残存トナーは、磁界発生部材50の磁界発生中央部52pと固定磁石体25の磁極N1とで形成される比較的に小さい磁界によって、現像スリーブ26表面から剥ぎ取られる。そして、現像スリーブ26上にトナー層の乱れのない状態で、現像スリーブ26上にトナーが担持され、担持されたトナーは規制部材35により所定の層厚に規制され、現像スリーブ26表面に均一に付着したトナーが感光体11に供給される。
【0072】
(第2実施形態)
次に、図6を用いて磁界発生部材の変形例を説明する。図6は磁界発生部材及び規制部材と現像ローラとの配置を示す平面図である。第2実施形態では、第1実施形態における磁界発生部材50の磁石51が異なる。以降、第1実施形態と同じ部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
磁界発生部材50の磁性体52は、第1実施形態と同様に、ステンレス鋼板等の磁性材料からなり、現像剤層領域Hの長手方向の両端部まで延在し、現像スリーブ26表面に一定の間隔を隔てて対向する。
【0074】
磁石51は、永久磁石であり、現像スリーブ26表面に一定の間隔を隔てて、固定磁石体25(図3参照)の磁極N1と同極性で対向する。また、磁石51は現像剤層領域Hの両端部側にのみ配設される。つまり、各磁石51は、第1実施形態の磁石端部51m、51nに相当する範囲で配設されている。更に、磁石51は、現像ローラ回転方向に対して磁性体52の下流側面に接着剤によって固着されている。尚、磁石51は現像ローラ回転方向に対して磁性体52の上流側面に取り付けられてもよい。
【0075】
従って、現像剤層領域Hの端部側では、第1実施形態と同様に、磁性体52の磁界発生端部52m、52nの先端部52a(図4参照)は、磁石51によって磁化され、磁界発生端部52m、52nの先端部52aと磁石51の対向磁極51a(図4参照)との間を通過する磁力線が形成される。また、磁界発生端部52m、52nの先端部52aと固定磁石体25との間を通過する磁力線が形成される。この磁力線に対応した磁界が磁界発生端部52m、52nの先端部52aと現像スリーブ26の表面に形成される。
【0076】
一方、現像剤層領域Hの中央部側では、磁性体52の磁界発生中央部52pの先端部52a(図4参照)は、固定磁石体25の磁極N1(図4参照)と異極性の磁極に磁化され、磁界発生中央部52pの先端部52aと固定磁石体25の磁極N1との間を通過する磁力線が形成される。この磁力線に対応した磁界が磁界発生中央部52pの先端部52aと現像スリーブ26の表面に形成される。
【0077】
このように、現像剤層領域Hの端部側と中央部側との磁界は、中央部側では比較的に小さく、端部側では比較的に大きくなり、夫々の磁界によって現像後の現像スリーブ26表面に残存する現像剤は剥ぎ取られる。そして、現像スリーブ26上にトナー層の乱れのない状態で、現像スリーブ26上にトナーが担持され、担持されたトナーは規制部材35により所定の層厚に規制され、現像スリーブ26表面に均一に付着したトナーが感光体11に供給される。
【0078】
(第3実施形態)
図7は第3実施形態に係る磁界発生部材及び規制部材と現像ローラとの配置を示す平面図である。第3実施形態は、端部側の磁力を大きくした規制部材35に対応させて磁界発生部材50を構成したものである。第1及び第2実施形態と同じ部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】
前述のように、現像ローラ27内の固定磁石体25や規制部材35のプレート磁石37は、長手方向の端部側の磁力が中央部側に比べると小さくなり、トナー層乱れが発生し易いが、これを防ぐために、図7に示すように、プレート磁石37の端部側に形成されるプレート磁石端部37m、37nの磁力は、その中央部側に形成されるプレート磁石中央部37pより大きく設定されている。
【0080】
しかし、プレート磁石端部37m、37nとプレート磁石中央部37pの磁力を設定するときに、プレート磁石端部37m、37nの磁力が大きくなりすぎると、規制ブレード36の端部規制部36m、36nの磁力も、中央規制部36pの磁力より大きくなりすぎて、現像剤層領域Hの端部側のトナー層とその中央部側のトナー層に段差が生じることになる。
【0081】
そこで、本実施形態の磁界発生部材50は、第1実施形態と同様に磁性部材52と磁石51からなるが、磁性体52の磁界発生端部52m、52nの長手方向の距離Eはプレート磁石37の端部規制部36m、36nの長手方向の距離Fよりより長く設定されている。尚、距離E、Fはともに現像剤層領域Hの端部を基準とした長さである。
【0082】
このように距離E、Fを設定することにより、現像剤層領域H上において、規制部材35の端部規制部36m、36nと中央規制部36pの境界は、磁性体52の磁界発生端部52m、52nの範囲に含まれる。そして、磁性体52の磁界発生端部52m、52nの先端部52a(図4参照)の磁力は、磁界発生中央部52pの先端部52aの磁力に比べて大きい。これによって、現像後、現像スリーブ26表面に残存するトナーを剥ぎ取る時に、磁界発生部材50は、その境界部分で発生するトナー層の段差を解消するように剥ぎ取る。
【0083】
尚、トナー層の段差解消には、第2実施形態(図6参照)の磁界発生部材を適用することができる。この場合には、2つの磁石51を磁性部材52の磁界発生端部52m、52nに対向する範囲に取り付けて、現像剤層領域H上で、磁界発生端部52m、52nが規制部材35の端部規制部36m、36nと中央規制部36pの境界を含むように構成することなる。
【0084】
(第4実施形態)
図8は第4実施形態に係る磁界発生部材と撹拌部との配置を示す平面断面図である。第4実施形態は、磁界発生部材50に対して撹拌部材等の撹拌部を適切に配設したものである。
【0085】
現像容器22には、前述のように、第1搬送路22dと、第2搬送路22cと、仕切り部22bと、第1連通部22f、及び第2連通部22eが形成されている。そして、第1搬送路22d及び第2搬送路22cは、現像ローラ27に略水平方向に並列するように配置されている。
【0086】
仕切り部22bは、現像容器22の長手方向に延びて第1搬送路22dと第2搬送路22cを並列させるように仕切っている。仕切り部22bの長手方向の両端部側には、第1連通部22fと第2連通部22eが設けられており、トナーは、第2搬送路22cと、第2連通部22eと、第1搬送路22d、及び第1連通部22f内を循環することが可能である。
【0087】
第1搬送路22d内には第1撹拌部材44が配設され、第2搬送路22c内には第2撹拌部材43が配設されている。
【0088】
第1撹拌部材44は、回転軸44bと、回転軸44bに一体に設けられ、回転軸44bの軸方向に一定のピッチで螺旋状に形成される第1螺旋羽根44aとを有する。また、第1螺旋羽根44aは、第1搬送路22dの長手方向の両端部側まで延び、第1及び第2連通部22f、22eにも対向して設けられ、且つ、現像ローラ27に対向して設けられている。回転軸44bは現像容器22に回転可能に軸支されている。
【0089】
第2撹拌部材43は、回転軸43bと、回転軸43bに一体に設けられ、回転軸43bの軸方向に第1螺旋羽根44aと同じピッチで第1螺旋羽根44aとは逆方向を向く羽根で螺旋状に形成される第2螺旋羽根43aとを有する。また、第2螺旋羽根43aは、第2搬送路22cの長手方向の両端部側まで延び、第1及び第2連通部22f、22eにも対向して設けられている。回転軸43bは、回転軸44bと平行に配置され、現像容器22に回転可能に軸支されている。
【0090】
図示しないモータ等の駆動源によって、回転軸43bが回転すると、第2螺旋羽根43aが回転し、第2螺旋羽根43aは第2搬送路22c内のトナーを矢印P方向に搬送する。更に、回転軸43bと連動する回転軸44bが回転すると、第1螺旋羽根44aが回転し、第1螺旋羽根44aは第1搬送路22d内のトナーを矢印Q方向に搬送し、トナーは、第2搬送路22cから、第2連通部22e、第1搬送路22d、及び第1連通部22fと循環しながら撹拌される。そして、撹拌されたトナーが現像ローラ27に供給される。
【0091】
磁界発生部材50は、現像ローラ27と第1撹拌部材44との間で、現像ローラ27に対向し、且つ、第1撹拌部材44にも対向して配設されている。
【0092】
前述のように、磁界発生部材50は、現像ローラ27上に付着したトナーを剥ぎ取るが、磁界発生部材50の周りに磁界を発生させるために、撹拌部はその磁界の影響を受けることになる。
【0093】
そこで、本実施形態では、第1連通部22fは磁界発生部材50に対向しない位置に配設されている。つまり、第1搬送路22dは、トナー搬送方向の下流側(図8の右側)を磁界発生部材50の対向する部分より更に延在させている。そして、第2搬送路22cも上流側(図8の右側)を第1搬送路22dと同じように延在させ、第1連通部22fは、第1搬送路22dの下流端部側と第2搬送路22cの上流端部側をトナー搬送方向P、Qと直交する方向に連通させている。
【0094】
第1搬送路22d内を搬送されてきたトナーが第1連通部22fを搬送されるときに、第1連通部22fは磁界発生部材50、特に比較的に磁力の大きい磁界発生端部52nから離間しているので、トナーの移動方向と逆向きの磁力がトナーに作用してトナーの移動を抑えることがなく、トナーは第1連通部22fで円滑に搬送されることになる。
【0095】
(第5実施形態)
次に、撹拌部でトナーを円滑に搬送させる別の実施形態を説明する。図9は磁界発生部材と撹拌部との配置を示す平面断面図である。第5実施形態では、第1及び第2搬送路22d、22cと第1及び第2連通部22f、22eは第4実施形態と同様の構成を備え、第1撹拌部材44が第4実施形態と異なる構成である。
【0096】
第1撹拌部材44は、螺旋状に形成される第1螺旋羽根44aによって、第1搬送路22d内のトナーを矢印Q方向に搬送する。磁界発生部材50の磁力がトナーの搬送方向Qと直交する方向でトナーに作用する。磁界発生部材50の磁界発生中央部52pでは比較的に小さい磁力が作用し、磁界発生端部52nでは比較的に大きい磁力が作用する。磁界発生端部52nに対向する第1搬送路22d内では、磁界の影響によって、磁界発生中央部52pに対向する第1搬送路22d内よりもトナーの移動速度が遅くなる。
【0097】
そこで、第1螺旋羽根44aの羽根外径は、磁界発生部材50の磁界発生端部52nに対向する部位において、他の部位に比べて大きく設定されている。第1螺旋羽根44aの羽根外径を大きくすると、トナーの搬送力が大きくなる。このようにトナーの搬送力を大きくすることによって、磁界発生端部52nに対向する第1搬送路22d内では、磁界発生端部52nの磁力に抗してトナーが磁界発生中央部52pに対向する第1搬送路22d内と略同じ速度で搬送され、第1搬送路22d内で円滑に搬送される。尚、磁界発生部材50の磁界発生端部52mに対向する部位でも、第1螺旋羽根44aの羽根外径を大きく設定してもよい。また、第1螺旋羽根44aの羽根ピッチを大きくすることによっても、トナーの搬送力は大きくなる。
【0098】
上記実施形態によれば、現像装置14は、感光体11に対向した現像領域Dにトナーを供給し、周方向に複数の磁極を有する固定磁石体25を内蔵する現像ローラ27と、固定磁石体25の対向する磁極S1とともに形成する磁界によって、現像ローラ27上のトナー量を規制した現像剤層領域Hを形成する規制部材35と、現像ローラ回転方向に対して規制部材35の上流側で現像ローラ27上の現像に供されないトナーを剥ぎ取る磁界発生部材50とを備える。磁界発生部材50は、現像剤層領域Hの長手方向の両端部側に対向する磁界発生端部52m、52nと、この各磁界発生端部52m、52nに長手方向で挟まれた磁界発生中央部52pとを有し、磁界発生端部52m、52nの磁力は磁界発生中央部52pの磁力より大きい。
【0099】
この構成によると、現像剤層領域Hのトナー層厚が長手方向の中央部側に対して端部側で大きくなって、現像後の現像ローラ27表面にトナーが残存しても、中央部側と端部側のトナーは磁界発生部材50の夫々の磁界によって確実に剥ぎ取られ、現像ローラ27上でトナー層の乱れがなく、良好な画像が得られる。
【0100】
また、上記実施形態によれば、磁界発生部材50は、現像剤層領域Hの長手方向に延在し現像ローラ27の表面に対向する磁性体52と、現像ローラ27の表面に対向する対向磁極51aを有し現像ローラ回転方向に対面して磁性体52に取り付けられる磁石51とを備え、磁石51の対向磁極51aは対向する固定磁石体25の磁極N1と同極性であり、磁石51の磁石端部51m、51nの磁力は磁石51の磁石中央部51pの磁力より大きい。
【0101】
これによって、磁性体52の先端部52aは、磁石51の対向磁極51aと異極性の磁極に磁化され、磁性体52の先端部52aと磁石51の対向磁極51aとの間を通過する磁力線が形成される。また、磁性体52の先端部52aの磁化された磁極は、固定磁石体25の磁極N1とも異極性となり、磁性体52の先端部52aと固定磁石体25との間を通過する磁力線が形成される。このように、磁性体52の先端部52aと現像ローラ27の表面では、磁力線による2つの磁路が形成され、磁力線の密度が大きくなる。この磁力線に対応した磁界は、現像剤層領域Hの中央部側では比較的に小さく、現像剤層領域Hの端部側では比較的に大きくなり、夫々の磁界によって現像後の現像ローラ27表面に残存するトナーは剥ぎ取られる。従って、現像剤層領域Hのトナー層厚が長手方向の中央部側に対して端部側で大きくなって、現像後の現像ローラ27表面にトナーが残存しても、トナーは確実に剥ぎ取られ、現像ローラ27上でトナー層の乱れがなく、良好な画像が得られる。
【0102】
また、上記実施形態によれば、磁界発生部材50は、現像剤層領域Hの長手方向に延在し現像ローラ27の表面に対向する磁性体52と、現像ローラ27の表面に対向する対向磁極51aを有し現像ローラ回転方向に対面して磁性体52に取り付けられる磁石51とを備え、磁性体52は現像剤層領域Hの長手方向の両端部まで延在し、磁石51は現像剤層領域Hの長手方向の両端部側に対向して配設され、磁石51の対向磁極51aは対向する固定磁石体25の磁極N1と同極性である。
【0103】
これによって、現像剤層領域Hの端部側では、磁性体52の先端部52aは、磁石51の対向磁極51aと異極性の磁極に磁化され、磁性体52の先端部52aと磁石51の対向磁極51aとの間を通過する磁力線が形成される。また、磁性体52の先端部52aの磁化された磁極は、固定磁石体25の磁極N1とも異極性となり、磁性体52の先端部52aと固定磁石体25との間を通過する磁力線が形成される。これらの磁力線による2つの磁路に対応した磁界が磁性体52の先端部52aと現像ローラ27の表面に形成される。一方、現像剤層領域Hの中央部側では、磁性体52の先端部52aは、固定磁石体25の磁極N1と異極性の磁極に磁化され、磁性体52の先端部52aと固定磁石体25の磁極N1との磁界が磁性体52の先端部52aと現像ローラ27の表面に形成される。このように、現像剤層領域Hの端部側と中央部側との磁界は、中央部側では比較的に小さく、端部側では比較的に大きくなり、夫々の磁界によって現像後の現像ローラ27表面に残存するトナーは剥ぎ取られる。従って、現像剤層領域Hのトナー層厚が長手方向の中央部側に対して端部側で大きくなって、現像後の現像ローラ27表面にトナーが残存しても、トナーは確実に剥ぎ取られ、現像ローラ27上でトナー層の乱れがなく、良好な画像が得られる。
【0104】
また、上記実施形態によれば、規制部材35は、現像剤層領域Hの長手方向の両端部側に対向する端部規制部36m、36nと、各端部規制部36m、36nに長手方向で挟まれた中央規制部36pとを有し、端部規制部36m、36nの磁力は中央規制部36pの磁力より大きく、磁界発生部材50の磁界発生端部52m、52nは、規制部材35の端部規制部36m、36nと、端部規制部36m、36nと中央規制部36pの境界とに対向する現像剤層領域Hに対向するように形成されている。
【0105】
これによって、規制部材35によって現像剤層Hを形成するときに、端部規制部36m、36nの磁力が中央規制部36pの磁力より大きいと、現像剤層領域Hの端部側のトナー層厚とその中央部側のトナー層に段差が生じる。しかし、現像後、現像ローラ27表面に残存するトナーを剥ぎ取る時に、磁界発生部材50の磁界発生端部52m、52nが現像剤層領域H上で規制部材35の端部規制部36m、36nと中央規制部36pの境界とを含むように設けられているので、磁界発生部材50はトナー層の段差を解消するように剥ぎ取る。従って、現像ローラ27上でトナー層の乱れがなく、良好な画像が得られる。
【0106】
また、上記実施形態によれば、磁性体52は、現像ローラ27に対向する先端部52aと、該先端部52aと反対側の反対面部52bとを有し、現像ローラ周方向における先端部52aの幅は反対面部52bより小さい。これによって、磁性体52の反対面部52bの長さが大きいので、磁性体52の反対面部52bと磁石51との間を通過する多数の磁力線が形成される。従って、磁性体52の磁力が強くなり、磁性体52の先端部52aで効率よく磁界を発生させることができ、現像ローラ27の表面に付着したトナーが確実に剥ぎ取られる。
【0107】
また、上記実施形態によれば、現像装置14は、現像ローラ27に対向しトナーを供給する第1撹拌部材44と、第1撹拌部材44とともにトナーを撹拌、搬送する第2撹拌部材43と、第1撹拌部材44によってトナーが搬送される第1搬送路22dと、第1搬送路22dに並列して配設され、第2撹拌部材43によってトナーが搬送される第2搬送路22cと、第1搬送路22dから第2搬送路22cにトナーを通す第1連通部22fと、第2搬送路22cから第1搬送路22dにトナーを通す第2連通部22eとを備える。磁界発生部材50は、現像ローラ27と第1撹拌部材44との間に配設され、第1連通部22fは磁界発生部材50と対向しない位置に配設される。
【0108】
これによって、第1撹拌部材44によって、トナーは撹拌されながら第1搬送路22d内をトナー搬送方向の上流側から下流側に搬送される。次に、トナーが第1搬送路22dから第1連通部22fを介して第2搬送路22cに移動するときに、磁界発生部材50の磁力の影響を大きく受けることなく、トナーは搬送される。従って、磁界発生部材50によってトナーが現像ローラ27上から剥ぎ取られるとともに、トナーは第1及び第2搬送路22d、22c内を均一に循環して、現像ローラ27にトナーが供給されるので、濃度低下やゴースト現象等の異常画像が発生するおそれがない。
【0109】
また、上記実施形態によれば、第1撹拌部材44は螺旋状の羽根によってトナーを搬送し、磁界発生部材50の磁界発生端部52nに対向する螺旋状の羽根は、トナーの搬送力が大きくなるように形成されている。
【0110】
これによって、第1撹拌部材44によって第1搬送路22d内を搬送されるトナーは、磁界発生端部52nの磁力を受けるが、磁界発生端部52nに対向する螺旋状の羽根は、トナーの搬送力が大きくなるように形成されているので、第1搬送路22d内のトナーは略同じ速度で搬送される。従って、トナーは第1及び第2搬送路22d、22c内を均一に循環して、現像ローラ27にトナーが供給されるので、濃度低下やゴースト現象等の異常画像が発生するおそれがない。
【0111】
尚、磁界発生部材50の磁界発生端部52m、52nの磁力は磁界発生中央部52pの磁力より大きい構成であれば、上記実施形態に限らず、磁界発生部材50が磁石51のみからなり、磁石51の対向磁極51aが現像ローラ27の固定磁石体25の磁極に対して異極性である構成にしてもよい。また、磁界発生部材50が磁石51のみからなり、磁石51の対向磁極51aが現像ローラ27の固定磁石体25の磁極に対して同極性である構成にしてもよい。更に、磁界発生部材50の磁石51を固定磁石体25の磁極Nと磁極Sとの間に配置し、磁石51の磁力を比較的に強くしておき、この磁石51の磁力によって、磁気ブラシが形成される構成にしてもよい。これらの磁界によって、現像ローラ27表面に付着したトナーを剥ぎ取るようにしても上記実施形態と同様の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置に用いる現像装置及びそれを備えた画像形成装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0113】
1 画像形成装置
11 感光体(像担持体)
14 現像装置
22 現像容器
22a 現像剤収容部
22b 仕切り部
22c 第2搬送路
22d 第1搬送路
22e 第2連通部
22f 第1連通部
22p 現像剤供給部
25 固定磁石体
26 現像スリーブ
27 現像ローラ
35 規制部材
36 規制ブレード
36m、36n 端部規制部
36p 中央規制部
37 プレート磁石
37m、37n プレート磁石端部
37p プレート磁石中央部
43 第2撹拌部材
43a 第2螺旋羽根
44 第1撹拌部材
44a 第1螺旋羽根
50 磁界発生部材
51 磁石
51a 対向磁極
51b 反対磁極
51c 対面部
51m、51n 磁石端部
51p 磁石中央部
52 磁性体
52a 先端部
52b 反対面部
52m、52n 磁界発生端部
52p 磁界発生中央部
D 現像領域
H 現像剤層領域
T トナー循環領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に対向した現像領域に現像剤を供給し、周方向に複数の磁極を有する固定磁石体を内蔵する現像ローラと、前記固定磁石体の対向する磁極とともに形成する磁界によって、前記現像ローラ上の現像剤の量を規制した現像剤層領域を形成する規制部材と、現像ローラ回転方向に対して前記規制部材の上流側で前記現像ローラ上の現像に供されない現像剤を剥ぎ取る磁界発生部材とを備える現像装置において、
前記磁界発生部材は、前記現像剤層領域の長手方向の両端部側に対向する磁界発生端部と、前記各磁界発生端部に長手方向で挟まれた磁界発生中央部とを有し、前記磁界発生端部の磁力は前記磁界発生中央部の磁力より大きいことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記磁界発生部材は、前記現像ローラの表面に対向する磁性体と、前記現像ローラの表面に対向する対向磁極を有し現像ローラ回転方向に対面して前記磁性体に取り付けられる磁石とを備え、前記磁石の対向磁極は対向する固定磁石体の磁極と同極性であり、前記磁石の磁界発生端部側の磁力は前記磁石の磁界発生中央部側の磁力より大きいことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記磁界発生部材は、前記現像ローラの表面に対向する磁性体と、前記現像ローラの表面に対向する対向磁極を有し現像ローラ回転方向に対面して前記磁性体に取り付けられる磁石とを備え、前記磁性体は前記現像剤層領域の長手方向の両端部まで延在し、前記磁石は前記現像剤層領域の長手方向の両端部側に対向して配設され、前記各磁石の対向磁極は対向する固定磁石体の磁極と同極性であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項4】
前記磁性体は、前記現像ローラに対向する先端部と、該先端部と反対側の反対面部とを有し、現像ローラ周方向における前記先端部の幅は前記反対面部より小さいことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記規制部材は、前記現像剤層領域の長手方向の両端部側に対向する端部規制部と、前記各端部規制部に長手方向で挟まれた中央規制部とを有し、前記端部規制部の磁力は前記中央規制部の磁力より大きく、
前記磁界発生部材の磁界発生端部は、前記規制部材の端部規制部と、前記端部規制部と前記中央規制部の境界とに対向する現像剤層領域に対向するように形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の現像装置。
【請求項6】
前記現像ローラに対向し現像剤を供給する第1撹拌部材と、前記第1撹拌部材とともに現像剤を撹拌、搬送する第2撹拌部材と、前記第1撹拌部材によって現像剤が搬送される第1搬送路と、前記第1搬送路に並列して配設され、前記第2撹拌部材によって現像剤が搬送される第2搬送路と、前記第1搬送路から前記第2搬送路に現像剤を通す第1連通部と、前記第2搬送路から第1搬送路に現像剤を通す第2連通部とを備え、
前記磁界発生部材は、前記現像ローラと前記第1撹拌部材との間に配設され、前記第1連通部は前記磁界発生部材と対向しない位置に配設されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の現像装置。
【請求項7】
前記第1撹拌部材は、回転軸及び該回転軸の周囲に形成された螺旋状の羽根から構成されており、前記磁界発生部材の磁界発生端部に対向する螺旋状の羽根は、現像剤の搬送力が大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項6に記載の現像装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の現像装置が搭載された画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−150122(P2011−150122A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10891(P2010−10891)
【出願日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】