説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】引き剥がし部材により現像ローラの表面から引き剥がされた現像剤に起因する画像不良などを抑制することができる現像装置を提供すること。
【解決手段】マグネット部17Bと、現像スリーブ17Aとを有する現像ローラ17と、現像剤層の層厚を規制して第1現像剤層を形成する層厚規制部材21と、第2現像剤を構成する現像剤を引き剥がすと共に引き剥がした現像剤の第1面223側から第2面224側への移動を規制する引き剥がし部材22と、引き剥がし部材22における第1面223側に形成され滞留する現像剤を収容する剥離現像剤収容部31と、引き剥がし部材22に形成され剥離現像剤収容部31に収容される現像剤を引き剥がし部材22の第2面224側に移動させることが可能に形成される開口状の戻し部221Aと、剥離現像剤収容部31の内部に収容される現像剤を戻し部221A側に搬送する搬送部材26と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及びこれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置に備えられる現像装置として、トナー(現像剤)によりトナー層(現像剤層)を形成する現像ローラを備え、現像ローラに形成されたトナー層のトナーを感光体ドラム(像担持体)に供給することにより感光体ドラムの表面に形成された静電潜像を現像する現像装置が知られている。
【0003】
ところで、現像装置において、現像ローラの表面に対向して配置され、現像ローラの表面に形成されるトナー層の層厚を規制する層厚規制部材と、現像ローラの表面に形成されるトナー層からトナーを引き剥がす引き剥がし部材と、を備えた現像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
層厚規制部材は、現像ローラが感光体ドラムにトナーを供給する前(現像前)に、現像ローラの表面に形成されるトナー層の厚さを規制する。また、層厚規制部材は、現像ローラに形成されるトナー層の厚さを規制する際に、トナー層のトナーを帯電させる。
【0004】
また、引き剥がし部材は、現像ローラが感光体ドラムにトナーを供給した後(現像後)に、感光体ドラムに供給されずに現像ローラの表面に残存したトナーを引き剥がす。引き剥がし部材は、例えば、磁石を有して構成され、現像ローラの上のトナーを磁力により引き剥がすことができる。
【0005】
引き剥がし部材を備える現像装置においては、現像ローラの表面に残存したトナーを引き剥がした後、現像ローラの表面に新たなトナーを供給することにより、現像ローラの表面に新たなトナー層を形成する。これにより、現像後の現像ローラの表面に帯電されたトナーが堆積することや、トナーが現像ローラの表面に強固に付着することが低減される。従って、現像ローラ上のトナー層が不均一になることが抑制されるため、画像不良を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−34267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載される画像形成装置においては、引き剥がし部材により引き剥がされたトナーは、現像ローラを収容するハウジングの内部に滞留して堆積する。これにより、現像ローラや引き剥がし部材とハウジングとの間にトナーが詰まるなどの問題が発生する可能性がある。
【0008】
トナーの詰まりが発生した部位においては、トナーが塊になりやすく、現像ローラの表面には、塊となったトナーが付着してしまう可能性があった。その結果、筋状の画像欠損などの画像不良が発生する可能性があった。
また、塊となったトナーは、現像ローラの表面に損傷等を及ぼす可能性があった。
また、引き剥がし部材により引き剥がされて滞留したトナーは、現像装置からあふれて画像形成装置本体の内部へ飛散する可能性があるため、画像不良を発生させる要因となる可能性があった。
【0009】
本発明は、現像ローラの表面に形成される現像剤層の現像剤を引き剥がす引き剥がし部材を備え、引き剥がし部材により現像ローラの表面から引き剥がされた現像剤に起因する画像不良などを抑制することができる現像装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記現像装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、像担持体に現像剤を供給する現像装置であって、1又は複数の磁極を有するマグネット部と、前記像担持体に対向して前記マグネット部の外周面を覆うように第1回転軸を中心に回転可能に配置され、前記像担持体に対向する対向位置より上流側に現像剤により形成される第1現像剤層と、前記対向位置より下流側に前記像担持体に供給されなかった現像剤により形成される第2現像剤層と、を表面に形成可能な現像スリーブとを有する現像ローラと、前記現像スリーブの表面に対向して配置され、前記現像スリーブの表面に形成される現像剤層の層厚を規制することにより前記現像スリーブの表面に前記第1現像剤層を形成すると共に、前記第1現像剤層を構成する現像剤を帯電させる層厚規制部材と、先端が前記現像スリーブにおける前記第2現像剤層に対向し前記第1回転軸方向に延びるように配置される板状の部材であって、前記現像スリーブの回転方向における上流側の第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有し、前記第2現像剤層を構成する現像剤を引き剥がすと共に該引き剥がした現像剤の前記第1面側から前記第2面側への移動を規制する引き剥がし部材と、前記引き剥がし部材における前記第1面側に形成され、前記引き剥がし部材により前記第2面側への移動が規制されて滞留する現像剤を収容する剥離現像剤収容部と、前記引き剥がし部材に形成され、前記剥離現像剤収容部に滞留して収容される現像剤を前記引き剥がし部材の前記第2面側に移動させることが可能に形成される開口状の戻し部と、前記剥離現像剤収容部に配置され、該剥離現像剤収容部の内部に滞留して収容される現像剤を前記戻し部側に搬送する搬送部材と、を備える現像装置に関する。
【0011】
また、前記搬送部材は、前記第1回転軸に平行な第2回転軸を中心に回転可能であると共に、前記剥離現像剤収容部に収容された現像剤を搬送して前記戻し部を介して押し出すことが可能であることが好ましい。
【0012】
また、前記戻し部は、前記引き剥がし部材における前記第1回転軸方向の端部側に形成されることが好ましい。
【0013】
また、前記引き剥がし部材における前記第2面側に前記第1回転軸と平行な第3回転軸を中心に回転可能に配置され、前記第3回転軸方向に延びるように配置される軸部と、前記軸部の外周面から前記第3回転軸方向に直交する方向に突出するように形成される突出部とを有する攪拌部材と、前記突出部における先端部に前記戻し部に対応する位置に配置され、前記攪拌部材が回転することにより前記引き剥がし部材の前記戻し部における前記第2面側に対向するように移動して、前記引き剥がし部材の前記戻し部の近傍に滞留する現像剤を引き寄せて移動させる磁界発生部と、を備えることが好ましい。
【0014】
また、記引き剥がし部材は、磁性部材であることが好ましい。
【0015】
また、前記現像剤は、磁性一成分現像剤であることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、前記現像装置と、表面に静電潜像が形成されると共に、前記現像装置の現像剤層から現像剤の供給を受けて前記静電潜像にトナー画像が形成される前記像担持体と、前記像担持体に形成されたトナー画像を直接的に又は間接的にシート状の被転写材に転写する転写部と、前記被転写材に転写されたトナー画像を定着させる定着部と、を備える画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、現像ローラの表面に形成される現像剤層の現像剤を引き剥がす引き剥がし部材を備え、引き剥がし部材により現像ローラの表面から引き剥がされた現像剤に起因する画像不良などを抑制することができる現像装置を提供することができる。
また、本発明は、前記現像装置を備える画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態のプリンタ1における各構成要素の配置を説明するための図である。
【図2】プリンタ1における現像装置16の全体構成を示す断面図である。
【図3】図2に示す現像装置16のA−A線断面図である。
【図4】図2に示す現像装置16のB−B線断面図である。
【図5】現像装置16における引き剥がし部材22及び搬送部材26の構成を示す平面図である。
【図6A】現像スリーブ17Aの表面からトナーが引き剥がされて剥離現像剤収容部31に滞留して収容される様子を説明する図である。
【図6B】剥離現像剤収容部31に滞留して収容されるトナーが搬送部材26により搬送される様子を説明する図である。
【図6C】搬送部材26に搬送されたトナーが開口221Aを介して押し出されると共に第1磁石28に引き寄せられる様子を説明する図である。
【図6D】図6Cに示す状態からトナーが第1磁石28に引き寄せられて第2攪拌部材19により搬送される様子を説明する図である。
【図6E】図6Dに示す状態からトナーが第2攪拌部材19により第1攪拌部材18側に搬送される様子を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1により、本実施形態における画像形成装置としてのプリンタ1における全体構造を説明する。図1は、本発明の一実施形態のプリンタ1における各構成要素の配置を説明するための図である。
【0020】
図1に示すように、画像形成装置としてのプリンタ1は、装置本体Mと、所定の画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
【0021】
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2と、帯電部10と、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4と、現像装置16と、トナーカートリッジ5と、トナー供給部6と、ドラムクリーニング部11と、除電器12と、転写ローラ8と、定着部9とを備える。
【0022】
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラ対80と、排紙部50とを備える。
【0023】
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2の表面に沿って順に、上流側から下流側に順に、帯電部10による帯電、レーザスキャナユニット4による露光、現像装置16による現像、転写ローラ8による転写、除電器12による除電、及びドラムクリーニング部11によるクリーニングが行われる。
【0024】
感光体ドラム2は、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2は、搬送路Lにおける用紙Tの搬送方向に対して直交する方向に延びる機軸を中心に、矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2の表面には、静電潜像が形成され得る。
【0025】
帯電部10は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。帯電部10は、感光体ドラム2の表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
【0026】
レーザスキャナユニット4は、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2の表面から離間して配置される。レーザスキャナユニット4は、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
【0027】
レーザスキャナユニット4は、PC(パーソナルコンピュータ)等の外部機器から入力された画像情報に基づいて、感光体ドラム2の表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4により走査露光されることで、感光体ドラム2の表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2の表面に静電潜像が形成される。
【0028】
現像装置16は、感光体ドラム2に対応して設けられ、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。現像装置16は、感光体ドラム2に形成された静電潜像に単色(通常はブラック)のトナーを付着させて、単色のトナー画像を感光体ドラム2の表面に形成する。現像装置16は、感光体ドラム2の表面に対向配置された現像ローラ17、トナー攪拌用の第1攪拌部材18及び第2攪拌部材19等を有して構成される。
現像装置16の詳細については後述する。
【0029】
トナーカートリッジ5は、現像装置16に対応して設けられており、現像装置16に対して供給されるトナーを収容する。
【0030】
トナー供給部6は、トナーカートリッジ5及び現像装置16に対応して設けられており、トナーカートリッジ5に収容されたトナーを現像装置16に対して供給する。トナー供給部6と現像装置16とは、不図示のトナー供給路により結ばれている。
【0031】
転写ローラ8は、感光体ドラム2の表面に現像されたトナー画像を用紙Tに転写させる。転写ローラ8には、不図示の転写バイアス印加部により、感光体ドラム2に形成されたトナー画像を用紙Tに転写させるための転写バイアスが印加される。転写ローラ8は、感光体ドラム2に対して当接した状態で回転可能に構成される。
【0032】
感光体ドラム2と転写ローラ8との間で、搬送路Lを搬送される用紙Tが挟み込まれる。挟み込まれた用紙Tは、感光体ドラム2の表面に押し当てられる。感光体ドラム2と転写ローラ8との間で、転写ニップNが形成される。転写ニップNにおいて、感光体ドラム2に現像されたトナー画像が用紙Tに転写される。
【0033】
除電器12は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。除電器12は、感光体ドラム2の表面に光を照射することにより、転写が行われた後の感光体ドラム2の表面を除電する(電荷を除去する)。
【0034】
ドラムクリーニング部11は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11は、感光体ドラム2の表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナー等を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
【0035】
定着部9は、用紙Tに転写されたトナー画像を構成するトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が転写された用紙Tを挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟み込まれた状態で用紙Tが搬送されることで、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧され、用紙Tに定着される。
【0036】
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する1個の給紙カセット52が配置される。給紙カセット52は、装置本体Mの右側(図1における右側)から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図1において右側の端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対63とからなる重送防止機構を備える。
【0037】
装置本体Mの右側(図1において右側)には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされる用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの前面の一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置される。給紙コロ66は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
【0038】
装置本体Mにおける上方側には、排紙部50が設けられる。排紙部50は、第3ローラ対53により用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。排紙部50の詳細については後述する。
【0039】
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から転写ニップNまでの第1搬送路L1と、転写ニップNから定着部9までの第2搬送路L2と、定着部9から排紙部50までの第3搬送路L3と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を下流側から上流側へ搬送する用紙を、表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻り搬送路Lbとを備える。
【0040】
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、戻り搬送路Lbが第3搬送路L3から分岐する分岐部で、第1ローラ対54a及び第2ローラ対54bを有する。第1ローラ対54aの一方のローラと第2ローラ対54bの一方のローラとは兼用される。
【0041】
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と転写ローラ8との間)には、用紙Tを検出するためのセンサと、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とタイミングを合わせるためのレジストローラ対80とが配置される。センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(搬送方向における上流側)に配置される。レジストローラ対80は、センサからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
【0042】
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(未印刷面)を感光体ドラム2に対向させるために設けられる搬送路である。
戻し搬送路Lbによれば、第1分岐部Q1から第1ローラ対54aにより排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第2ローラ対54bにより第1搬送路L1に戻して、転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、転写ニップNにおいて未印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
【0043】
第3搬送路L3における端部には、排紙部50が形成される。排紙部50は、装置本体Mにおける上方側に配置される。排紙部50は、装置本体Mの右側(図1において右側、手差し給紙部64側)に向けて開口している。排紙部50は、第3搬送路L3を搬送される用紙Tを第3ローラ対53により装置本体Mの外部に排紙する。
【0044】
排紙部50における開口側には、排紙集積部M1が形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面(外面)に形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mにおける上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、所定のトナー画像が形成され排紙部50から排紙された用紙Tが積層して集積される。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
【0045】
以下、図面を参照して、本実施形態のプリンタ1における特徴部分である現像装置16に係る構成について説明する。図2は、プリンタ1における現像装置16の全体構成を示す断面図である。図3は、図2に示す現像装置16のA−A線断面図である。図4は、図2に示す現像装置16のB−B線断面図である。図5は、現像装置16における引き剥がし部材22及び搬送部材26の構成を示す平面図である。
【0046】
なお、本実施形態のプリンタ1の説明において、感光体ドラム2、現像装置16等における各種回転体(ローラ等)の回転軸方向を「第1方向D1」(図1を貫く方向、図2等参照)という。第1方向D1は、被転写材Tの搬送方向に直交する方向でもある。第1方向D1において、前側を「+(プラス)側」ともいい、後側を「−(マイナス)側」ともいう。水平方向で且つ第1方向D1に直交する方向を「第2方向D2」ともいう。第2方向D2において、右側を「+(プラス)側」ともいい、左側を「−(マイナス)側」ともいう。垂直方向をZ方向(第1方向D1及び第2方向D2と直交する方向でもある)という。
【0047】
図2から図5に示すように、現像装置16は、収容室20と、第1攪拌部材18と、攪拌部材としての第2攪拌部材19と、第1磁石28と、現像ローラ17と、層厚規制部材としての規制ブレード21と、引き剥がし部材22と、搬送部材26と、剥離現像剤収容部31とを備える。第1攪拌部材18、第2攪拌部材19、第1磁石28、現像ローラ17、規制ブレード21、引き剥がし部材22、搬送部材26、剥離現像剤収容部31は、収容室20の内部に配置される。
【0048】
収容室20には、現像剤が収容される。現像剤は、磁性を有する磁性トナーからなる磁性一成分現像剤である。収容室20における感光体ドラム2に対向する部分には、開口部23が形成される。収容室20内に収容された現像剤としてのトナーは、開口部23を通じて現像ローラ17から感光体ドラム2に供給される。現像装置16は、感光体ドラム2の表面に形成された静電潜像を現像する。
【0049】
収容室20は、その内部に各部材を収容する所定形状の空間を有している。また、収容室20は、トナーを収容して攪拌する攪拌室25を備えている。
攪拌室25は、仕切板24によって、第2方向D2におけるプラス側の第1攪拌室25Aと、第2方向D2における左側の第2攪拌室25Bとの2室に仕切られている。第1攪拌部材18及び第2攪拌部材19は、水平方向(第2方向D2)に並列して仕切板24を挟んで収容室20内に配置されている。第1攪拌室25Aには、第1攪拌部材18が配置される。また、第2攪拌室25Bには、第2攪拌部材19が配置される。
【0050】
図2に示すように、仕切板24における第1方向D1のプラス側の外側(図2における左側)には、第1攪拌室25Aと第2攪拌室25Bとをつなぐ第1流通口27Aが形成される。仕切板24における第1方向D1のマイナス側の外側(図2における右側)には、第1攪拌室25Aと第2攪拌室25Bとをつなぐ第2流通口27Bが形成される。
【0051】
第1攪拌室25Aにおける第1方向D1の中央部近傍の上部には、トナーを収容室20に供給するための現像剤供給開口部29が形成される。トナーは、トナーカートリッジ5からトナー供給部6及び現像剤供給開口部29を介して収容室20に供給される。
【0052】
第2攪拌室25Bにおける後述する第2攪拌部材19の下側の底部には、第2攪拌室25Bの内部側に突出する突出部20Aが形成される。突出部20Aは、第2攪拌室25Bにおける第1方向D1の全域にわたって延びるように形成される。突出部20Aには、後述する引き剥がし部材22の一方の端部が固定される。
【0053】
第1攪拌部材18は、第1攪拌室25Aに配置される。第1攪拌部材18は、現像剤供給開口部29から第1攪拌室25Aに供給されたトナーを攪拌すると共に、第1流通口27Aを介して第1攪拌室25Aから第2攪拌室25Bへ搬送する。第1攪拌部材18により攪拌されたトナーは、トナー粒子の相互間の摩擦により帯電される。
【0054】
第1攪拌部材18は、図2に示すように、第4回転軸J4方向(第1方向D1)に延びるように形成される。第1攪拌部材18は、図2及び図3に示すように、第3回転軸J3を中心に矢印A方向に回転可能に構成される。第1攪拌部材18は、螺旋形状の部材である。これにより、第1攪拌部材18は、第1攪拌室25Aに収容されたトナーを第1方向D1のマイナス側からプラス側へ向かう方向D11へ搬送する。なお、本実施形態においては、第1攪拌部材18によりトナーが搬送される方向である第1方向D1方向におけるマイナス側からプラス側へ向かう方向を「第1攪拌搬送方向D11」ともいう。
【0055】
第2攪拌部材19は、図2及び図3に示すように、第2攪拌室25Bに配置される。第2攪拌部材19は、第2攪拌室25Bに搬送されたトナーを攪拌して搬送すると共に、搬送するトナーの一部を後述する現像ローラ17に供給する。また、第2攪拌部材19は、第2流通口27Bを介してトナーを第2攪拌室25Bから第1攪拌室25Aへ搬送する。第2攪拌部材19により攪拌されたトナーは、トナー粒子の相互間の摩擦により帯電される。
【0056】
第2攪拌部材19は、現像ローラ17に対向して配置される。第2攪拌部材19は、現像ローラ17の回転方向Cにおける後述する引き剥がし部材22よりも下流側に配置される。第2攪拌部材19は、後述する引き剥がし部材22の第2面224側に配置される。
【0057】
第2攪拌部材19は、図2に示すように、第4回転軸J4に平行な第3回転軸J3方向(第1方向D1)に延びるように形成される。第2攪拌部材19は、図2及び図3に示すように、第3回転軸J3を中心に矢印B方向に回転可能に構成される。第2攪拌部材19は、軸部としての螺旋羽根部191と、パドル部192と、を有する。
螺旋羽根部191は、第3回転軸J3方向(第1方向D1)に延びるように配置されており、螺旋形状に形成される。パドル部192は、突出部としての複数の支持部材193と、延在棒状部194とにより構成される。
【0058】
パドル部192における複数の支持部材193は、所定長さを有する棒状の部材である。複数の支持部材193それぞれは、螺旋羽根部191の外周面から第3回転軸J3方向(第1方向D1)に直交する方向に突出するように形成される。また、複数の支持部材193それぞれが延びる方向は、同一方向である。
複数の支持部材193は、所定間隔をあけて第3回転軸J3方向(第1方向D1)に沿うように直列に配置される。
【0059】
延在棒状部194は、複数の支持部材193の先端部に配置される。延在棒状部194は、第3回転軸J3方向(第1方向D1)に延びるように形成される。延在棒状部194は、第2攪拌部材19が回転することにより、引き剥がし部材22(後述)第2面224(後述)側に対向するように移動する。
具体的には、延在棒状部194は、複数の支持部材193における螺旋羽根部191とは反対側の先端部に配置される。延在棒状部194は、複数の支持部材193における螺旋羽根部191とは反対側の先端部をつなぐように第1方向D1に延びている。延在棒状部194は、第2攪拌部材19が回転されることにより第3回転軸J3を中心に回転される。
【0060】
また、第2攪拌部材19は、図2に示すように、第2攪拌室25Bに堆積されたトナーをパドル部192により汲み上げると共に、第2攪拌室25Bに搬送されたトナーを螺旋羽根部191により第1方向D1のプラス側からマイナス側へ向かう方向D12に搬送する。なお、本実施形態においては、第2攪拌部材19によりトナーが搬送される方向である第1方向D1におけるプラス側からマイナス側へ向かう方向を「第2攪拌搬送方向D12」ともいう。
【0061】
このように、第1攪拌部材18及び第2攪拌部材19により搬送されるトナーは、第1攪拌室25A及び第2攪拌室25Bの間を循環しながら一部が現像ローラ17に供給される。また、第1攪拌部材18及び第2攪拌部材19の回転により、第1攪拌室25A及び第2攪拌室25Bを循環されるトナーは、攪拌されて均一化される。
【0062】
図2及び図4に示すように、第1磁石28は、第2攪拌部材19における第1方向D1(第3回転軸J3方向)のマイナス側の端部側において、パドル部192の先端部に配置される。具体的には、第1磁石28は、延在棒状部194に沿うように配置される。第1磁石28は、第1方向D1(第3回転軸J3方向)における長さが後述する開口221Aに対応する所定長さを有して形成される。
【0063】
第1磁石28は、後述する引き剥がし部材22の開口221Aに対応して、開口221Aの第2面224側に対向するように移動される位置に配置される。第1磁石28は、第1磁石28が引き剥がし部材22の開口221Aにおける第2面224側に対向するように移動することにより、引き剥がし部材22の開口221Aの近傍に滞留するトナーを引き寄せて移動させる。
具体的には、第1磁石28は、剥離現像剤収容部31の内部から開口221Aを介して引き剥がし部材22の第2面224側に押し出される(排出される)現像剤を引き寄せると共に、剥離現像剤収容部31の内部(引き剥がし部材22の第1面223側)に滞留する現像剤を開口221Aを通り抜けさせて第2面224側に移動させる。
【0064】
現像ローラ17は、図2に示すように、第3回転軸J3に平行な第1回転軸J1方向(第1方向D1)に延びて形成される。
現像ローラ17は、図2及び図3に示すように、第2攪拌部材19と感光体ドラム2との間に配置される。現像ローラ17は、第2攪拌部材19及び感光体ドラム2それぞれと所定間隔をあけて配置される。
【0065】
図3に示すように、現像ローラ17は、マグネット部としてのマグネットローラ17Bと、マグネットローラ17Bの外周面を覆うように配置される現像スリーブ17Aとを有して構成される。
マグネットローラ17Bは、1又は複数の磁極が埋設されると共に、円柱状に形成される。本実施形態においては、マグネットローラ17Bには、後述する引き剥がし部材22の第2磁石222の先端が対向する部分において、N極の磁極が埋没される。マグネットローラ17Bは、現像スリーブ17Aの内部における所定位置に、回転しない状態で固定される。
【0066】
現像スリーブ17Aは、非磁性部材により円筒形状に形成される。現像スリーブ17Aは、第1回転軸J1を中心に矢印C方向に回転可能に構成される。現像スリーブ17Aは、不図示の現像ローラ駆動部によって回転駆動される。現像スリーブ17Aと第2攪拌部材19との回転方向は、第2攪拌部材19と現像スリーブ17Aとが互いに対向した部分において同じ向きになっている。
【0067】
現像スリーブ17Aは、トナーの供給を受けて表面にトナー層を形成する。具体的には、現像スリーブ17Aには、第2攪拌部材19により搬送されるトナーの一部がマグネットローラ17Bの磁力により外周面(表面)上に保持(被着)されてトナー層が形成される。現像スリーブ17Aには、電圧印加部(図示せず)により所定の電圧が印加される。
【0068】
また、現像スリーブ17Aは、現像スリーブ17Aの一部が開口部23を介して感光体ドラム2に対向して近接配置される。現像スリーブ17Aに形成されるトナー層を構成するトナーは、現像スリーブ17Aと感光体ドラム2との電圧の電圧差により、開口部23を介して感光体ドラム2に移動(供給)される。このように、現像ローラ17は、トナー層のトナーを感光体ドラム2に供給して感光体ドラム2に形成された静電潜像を現像する。
【0069】
現像スリーブ17Aの表面には、第1現像剤層と、第2現像剤層と、が形成され得る。
第1現像剤層は、現像スリーブ17Aの表面における感光体ドラム2に対向する対向位置よりも現像スリーブ17Aの回転方向Cの上流側に形成される。第1現像剤層は、現像ローラ17が感光体ドラム2にトナーを供給する前(現像前)において、現像スリーブ17Aの表面に形成されるトナー層である。
【0070】
第2現像剤層は、現像スリーブ17Aの表面における感光体ドラム2に対向する対向位置よりも下流側に形成される。第2現像剤層は、現像ローラ17に形成される第1現像剤層から感光体ドラム2にトナーを供給した後(現像後)において、感光体ドラム2に供給されなかったトナーにより現像スリーブ17Aの表面に形成されるトナー層である。
【0071】
図3に示すように、規制ブレード21は、第1回転軸J1方向(第1方向D1)に延びる部材である。規制ブレード21は、現像ローラ17の外周面(表面)に先端が近接した状態で対向配置される。規制ブレード21は、現像ローラ17の回転方向Cに対して感光体ドラム2よりも上流側に配置される。規制ブレード21は、現像ローラ17の外周面に対して略直交する位置関係となるように配置される。
【0072】
規制ブレード21は、現像ローラ17が感光体ドラム2にトナーを供給する前(現像前)に、現像ローラ17の表面に形成されるトナー層の厚さを規制する。これにより、現像スリーブ17Aの表面には、第1現像剤層が形成される。具体的には、規制ブレード21は、現像ローラ17の表面に付着したトナーの量を規制することにより、現像ローラ17の表面に、数10μm程度の一定の厚さのトナーの薄層を形成する。
また、規制ブレード21は、現像ローラに形成されるトナー層の厚さを規制する際に、現像ローラ17上の第1現像剤層を構成するトナーを帯電させる。
【0073】
引き剥がし部材22は、現像ローラ17上に形成される第2現像剤層を構成するトナーを引き剥がす部材である。具体的には、引き剥がし部材22は、現像ローラ17の表面に形成された第2現像剤層(現像後における感光体ドラム2に供給されずに表面に残存したトナー層)を構成するトナーを第2磁石222により第1面223(後述)側に滞留させるように引き剥がす。引き剥がし部材22は、板状の部材である。
【0074】
図2から図4に示すように、引き剥がし部材22は、現像ローラ17の回転方向Cに対して、感光体ドラム2よりも下流側で、且つ、規制ブレード21よりも上流側に配置される。引き剥がし部材22は、現像ローラ17の表面(外周面)に先端が近接した状態で対向配置される。本実施形態においては、引き剥がし部材22は、現像スリーブ17Aに形成された第2現像剤層に対向して配置される。
現像ローラ17の表面における引き剥がし部材22と規制ブレード21との間の領域は、第2攪拌部材19により攪拌されたトナーの一部が供給される領域である。
【0075】
図2から図4に示すように、引き剥がし部材22は、引き剥がし部材本体221と、第2磁石222とを有する。
引き剥がし部材本体221は、板状に形成される。引き剥がし部材本体221は、第1回転軸J1方向(第1方向D1)に延びるように配置される。引き剥がし部材本体221は、現像ローラ17の外周面に対して略直交する位置関係となるように配置される。引き剥がし部材本体221は、磁性を有する磁性部材により形成される。
【0076】
引き剥がし部材本体221は、図2から図5に示すように、第1面223と、第2面224と、開口状の戻し部としての開口221Aと、を有する。
第1面223は、引き剥がし部材本体221における現像スリーブ17Aの回転方向Cの上流側に形成される面である。第2面224は、引き剥がし部材本体221における第1面223とは反対側の面であると共に、現像スリーブ17Aの回転方向Cにおける下流側に形成される面である。引き剥がし部材本体221は、現像スリーブ17Aの表面から引き剥がしたトナーの第1面223側から第2面224側への移動を規制する。
【0077】
引き剥がし部材本体221は、図2に示すように、第1方向D1における両端部が収容室20に固定される。また、引き剥がし部材本体221は、現像ローラ17とは反対側の端部が収容室20の底部に形成される突出部20Aに第1方向D1の全域にわたって固定される。
【0078】
開口221Aは、剥離現像剤収容部31(引き剥がし部材22の第1面223側)に滞留して収容されるトナーを引き剥がし部材22の第2面224側に移動させることが可能に形成される。本実施形態においては、現像スリーブ17Aにおける第1方向D1(第1回転軸J1方向)の端部は、感光体ドラム2における静電潜像が形成されない領域に対応する。そのため、開口221Aは、図2及び図4に示すように、引き剥がし部材22における第1方向D1(第1回転軸J1方向)におけるマイナス側の端部側に形成される。
【0079】
これにより、過度に帯電している可能性のあるトナーは、現像スリーブ17Aにおける画像の形成に影響の少ない部分の近傍から第2攪拌部材19側へ移動される。従って、過度に帯電している可能性のあるトナーが、現像スリーブ17Aの表面における画像の形成に影響がある領域へ直接的に供給されることが抑制される。
【0080】
図2から図4に示すように、第2磁石222は、現像ローラ17の表面に近接した状態で、引き剥がし部材本体221の先端(現像ローラ17側)に配置される。第2磁石222は、第1回転軸J1方向(第1方向D1)に延びるように形成される。第2磁石222の磁極は、マグネットローラ17Bに対向する先端側がマグネットローラ17Bに埋没された磁極と同極性となるように構成される。本実施形態においては、第2磁石222の先端側の磁極を、対向するマグネットローラ17Bの磁極がN極であるため、N極とする。
【0081】
第2磁石222とマグネットローラ17Bとの間には、現像スリーブ17Aにおける第2現像剤層(現像後における感光体ドラム2に供給されなかったトナーにより形成されたトナー層)が通過する。第2現像剤層を構成するトナーは、第2磁石222の先端側の磁性とマグネットローラ17Bの磁性とが同極性であるため、第2磁石222とマグネットローラ17Bとの間を通過することにより、現像スリーブ17Aの表面から引き剥がされる。現像スリーブ17Aから引き剥がされたトナーは、引き剥がし部材22の第1面223側に滞留する。
【0082】
図2から図4に示すように、剥離現像剤収容部31は、引き剥がし部材22における第1面223側に形成される。本実施形態においては、引き剥がし部材22は、剥離現像剤収容部31の一部を形成する部材である。剥離現像剤収容部31は、引き剥がし部材22により第2面224側への移動が規制されて滞留するトナーを収容する。
【0083】
具体的には、剥離現像剤収容部31は、引き剥がし部材22、現像ローラ17、収容室20の底部及び収容室20の突出部20Aにより形成される。
剥離現像剤収容部31においては、引き剥がし部材22は、現像スリーブ17Aの表面(外周面)に先端が近接した状態で対向配置される。また、引き剥がし部材22は、第1方向D1における両端部が収容室20に固定される。また、引き剥がし部材22の現像ローラ17とは反対側の端部は、第1方向D1の全域にわたって収容室20の突出部20Aに固定される。これにより、剥離現像剤収容部31の内部は、現像スリーブ17Aにおける第1攪拌部材18及び第2攪拌部材19によりトナーが供給される領域から遮断される領域となる。
【0084】
搬送部材26は、図2から図5に示すように、剥離現像剤収容部31の内部に配置される。搬送部材26は、剥離現像剤収容部31の内部に滞留して収容されるトナーを開口221A側に搬送する。また、搬送部材26は、剥離現像剤収容部31に収容されたトナーを搬送して開口121Aを介して押し出す(排出する)ことが可能である。
【0085】
本実施形態においては、搬送部材26は、第1回転軸に平行な第2回転軸を中心に回転可能である。搬送部材26は、第2回転軸J2方向(第1方向D1)に延びるように形成される。搬送部材26は、第2回転軸J2を中心に矢印D方向に回転可能に構成される。
【0086】
搬送部材26は、螺旋状の部材である。これにより、搬送部材26は、剥離現像剤収容部31(引き剥がし部材22の第1面223側)に滞留するトナーを第2回転軸J2方向に搬送する。本実施形態においては、搬送部材26は、剥離現像剤収容部31に収容されたトナーを第1方向D1のプラス側からマイナス側へ向かう方向D13へ搬送する。なお、搬送部材26によりトナーが搬送される方向である第1方向D1方向におけるプラス側からマイナス側へ向かう方向を「搬送部材搬送方向D13」ともいう。
【0087】
次に、図2及び図3、図6Aから図6Eにより、現像装置16の動作について説明する。図6Aは、現像スリーブ17Aの表面からトナーが引き剥がされて剥離現像剤収容部31に滞留して収容される様子を説明する図である。図6Bは、剥離現像剤収容部31に滞留して収容されるトナーが搬送部材26により搬送される様子を説明する図である。図6Cは、搬送部材26に搬送されたトナーが開口221Aを介して押し出されると共に第1磁石28に引き寄せられる様子を説明する図である。図6Dは、図6Cに示す状態からトナーが第1磁石28に引き寄せられて第2攪拌部材19により搬送される様子を説明する図である。図6Eは、図6Dに示す状態からトナーが第2攪拌部材19により第1攪拌部材18側に搬送される様子を説明する図である。なお、現像装置16の動作の説明において、「現像スリーブ17Aの表面(外周面)」と「現像ローラ17の表面(外周面)」とは、同じ意味である。
【0088】
まず、図2に示すように、現像剤供給開口部29から供給されたトナーは、第1攪拌室25Aに供給される。第1攪拌室25Aに供給されたトナーは、第1攪拌部材18の回転により攪拌されながら第1攪拌搬送方向D11に搬送される。そして、第1攪拌部材18により搬送されるトナーは、第1流通口27Aを介して第1攪拌室25Aから第2攪拌室25Bに搬送される。第1攪拌部材18及び第2攪拌部材19により攪拌されたトナーは、トナー粒子の相互間の摩擦により帯電される。
【0089】
第2攪拌室25Bに供給されたトナーは第2攪拌部材19の回転により攪拌されながら搬送される。そして、第2攪拌部材19に搬送されるトナーの一部が現像ローラ17における現像スリーブ17Aの表面に供給される。これにより、現像スリーブ17Aには、マグネットローラ17Bの磁力によって外周面(表面)上にトナーが保持(被着)されてトナー層が形成される。
【0090】
次に、図3に示すように、現像ローラ17の表面に形成されたトナー層は、現像ローラ17の回転により、規制ブレード21に対向する位置へ搬送される。現像ローラ17の回転により搬送されるトナー層は、規制ブレード21と近接する位置を通過する。現像ローラ17の表面に形成されたトナー層は、感光体ドラム2と対向する位置に移動される前(感光体ドラム2に対して現像ローラ17の回転方向Cの上流側)において、規制ブレード21により層厚が規制される。
【0091】
具体的には、現像ローラ17上のトナーは、規制ブレード21により規制されて、数10μm程度の一定の厚さのトナーの薄層に形成される。これにより、現像ローラ17の表面には、トナー層としての第1現像剤層が形成される。
また、規制ブレード21により規制された第1現像剤層を構成するトナーは、帯電される。規制ブレード21により帯電されたトナーの帯電量は、第1攪拌部材18及び第2攪拌部材19により攪拌されて帯電されたトナーの帯電量よりも多い傾向がある。
【0092】
次に、規制ブレード21により層厚が規制された第1現像剤層は、現像ローラ17の回転により感光体ドラム2と対向する位置へと搬送される。
一方、感光体ドラム2の表面は、帯電部10によって一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電されている。そして、レーザスキャナユニット4の走査露光により、感光体ドラム2の表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2の表面には、静電潜像が形成されている。
【0093】
ここで、現像ローラ17の表面に形成された第1現像剤層は、感光体ドラム2と対向する位置まで搬送される。現像スリーブ17Aには、電圧印加部(図示せず)により所定の電圧が印加されている。これにより、現像ローラ17と感光体ドラム2とが対向した位置において、感光体ドラム2と現像ローラ17との間の電圧差により、感光体ドラム2の表面に形成された静電潜像は、現像ローラ17上のトナー層を構成するトナーが供給されることにより現像される。
【0094】
現像後における現像ローラ17の表面には、第2現像剤層が形成されている。ここで、第2現像剤層とは、現像後における感光体ドラム2に供給されなかったトナーにより形成されるトナー層である。感光体ドラム2に供給されずに現像ローラ17の表面に残存したトナーは、過度に帯電している可能性がある。
【0095】
次に、現像ローラ17の表面に形成された第2現像剤層は、現像ローラ17の回転により、引き剥がし部材22の第2磁石222と対向する位置まで搬送される。現像ローラ17の表面に形成された第2現像剤層は、第2磁石222と近接する位置を通過する。引き剥がし部材22は、先端部側に配置された第2磁石222の磁力により現像ローラ17上の第2現像剤層からトナーを引き剥がす。
【0096】
詳細には、図6Aに示すように、現像ローラ17上の第2現像剤層のトナーは、マグネットローラ17Bと引き剥がし部材22の第2磁石222との間を通過する。ここで、引き剥がし部材22の第2磁石222の先端側の磁極は、対向するマグネットローラ17Bの磁極と同極性である。例えば、引き剥がし部材22の第2磁石222の先端側の磁極及び対向するマグネットローラ17Bの磁極は、互いにN極である。これにより、現像ローラ17上の第2現像剤層のトナーは、同極性の磁極同士が対向する間を通過するため、引き剥がされる。
このように、引き剥がし部材22は、現像後における現像ローラ17に残存するトナーを引き剥がすことにより、現像ローラ17上のトナー層が不均一となることを抑制することができる。
【0097】
現像ローラ17から引き剥がされたトナーは、引き剥がし部材22の第1面223側に落とされる。第1面223は、引き剥がし部材22における現像ローラ17の回転方向Cの上流側に形成される面である。引き剥がし部材22の第1面223側に落とされたトナーは、第1面223側から第2面224側への移動が規制されて滞留して剥離現像剤収容部31溜まっていく(収容される)。ここで、現像ローラ17の表面から引き剥がされたトナーは、過度に帯電している可能性がある。
【0098】
このように、現像ローラ17から引き剥がされたトナーは、剥離現像剤収容部31に溜まる(収容される)。そのため、過度に帯電している可能性があるトナーは、現像スリーブ17Aにおける第1攪拌部材18及び第2攪拌部材19によりトナーが供給される領域から遮断されて剥離現像剤収容部31に収容されている。これにより、過度に帯電している可能性があるトナーが現像ローラ17に直接的に供給されることが抑制される。
【0099】
次に、図6Bに示すように、剥離現像剤収容部31の内部に滞留して収容されるトナーは、搬送部材26の回転により、搬送部材搬送方向D13に搬送され、開口221A側である第1方向D1のマイナス側に搬送される。ここで、搬送部材26によりトナーが搬送されている間においても、引き剥がし部材22により現像ローラ17からトナーが引き剥がされている。そして、現像ローラ17から引き剥がされたトナーは、順次、開口221A側へ搬送される。これにより、引き剥がし部材22により現像ローラ17から引き剥がされたトナーは、開口221A側である第1方向D1のマイナス側に溜まっていく。
【0100】
次に、図6Cに示すように、開口221A側に溜まったトナーは、搬送部材26により開口221A側に順次搬送されるトナーにより、押されていく。そして、開口221A側に溜まったトナーは、引き剥がし部材22の第1面223側から第2面224側に、開口221Aを通り抜けさせて押し出される(排出される)ように移動する。
このように、開口221A側に順次搬送されるトナーは、引き剥がし部材22の開口221Aの近傍に滞留する。ここで、開口221Aの近傍には、開口221Aにおける引き剥がし部材22の第1面223側の近傍及び第2面224側の近傍が含まれる。
【0101】
一方、第2攪拌部材19は、回転方向Bに回転している。ここで、第2攪拌部材19の複数の支持部材193の先端部には、第1方向D1におけるマイナス側の端部側であって開口221Aに対応する位置に第1磁石28が配置されている。そのため、第2攪拌部材19の回転に伴って、第2攪拌部材19の複数の支持部材193の先端部に配置された第1磁石28は、引き剥がし部材22の開口221Aにおける第2面224側に対向するように移動する。
【0102】
ここで、引き剥がし部材22により現像ローラ17の表面から引き剥がされたトナーは、順次押し出されるように移動して開口221Aの近傍に滞留している。
開口221Aの第2面224側に滞留するトナーは、第1磁石28が開口221Aに対向する領域を通過した場合に、第1磁石28に引き寄せられる。
【0103】
同様に、引き剥がし部材22の開口221Aの第1面223側に滞留したトナーも、第1磁石28が開口221Aに対向する領域を通過した場合に、第1磁石28に引き寄せられる。第1磁石28は、引き剥がし部材22の第1面223側に滞留したトナーを開口221Aを通り抜けさせて第1面223側から第2面224側に移動させる。
【0104】
このように、開口221Aの近傍に滞留するトナーは、第1磁石28の磁力により引き寄せられて、第1磁石28に吸着される、又は、第1磁石28の近傍まで引き寄せられる。
【0105】
次に、図6Dに示すように、第1磁石28は、第2攪拌部材19の回転に伴って、第3回転軸J3を中心に回転方向Bに更に回転する。第2攪拌部材19の回転及び第2攪拌部材19の回転に伴う第1磁石28の回転により、第1磁石28に引き寄せられたトナーは、第2攪拌部材19の回転方向Bにおける下流側へ搬送される。
【0106】
このように、現像ローラ17から引き剥がされて剥離現像剤収容部31に収容されたトナーは、搬送部材26の回転により引き剥がし部材22の開口221A側に搬送される。そして、開口221A側に搬送されたトナーは、引き剥がし部材22の第1方向D1のマイナス側の端部側に形成された開口221Aを介して第2攪拌部材19側へ押し出されると共に第1磁石28により引き寄せられる。
【0107】
引き剥がし部材22により現像ローラ17から引き剥がされたトナーは、第1方向D1のマイナス側の端部側において、引き剥がし部材22の第1面223側から第2面224側へ向かう方向へ流れていく。つまり、第1磁石28は、第1方向D1のマイナス側の端部側において、開口221Aの近傍に滞留したトナーを引き寄せる。そして、第1磁石28に引き寄せられたトナーは、第2攪拌部材19により攪拌される。
【0108】
従って、引き剥がし部材22により現像ローラ17の表面から引き剥がされたトナーは、収容室20の底部に滞留して堆積することや、引き剥がし部材22と収容室20との間に詰まることが抑制される。また、現像ローラ17から引き剥がされたトナーは、収容室20の底部側に堆積することが抑制されるため、現像装置16からあふれてプリンタ1本体の内部へ飛散されることが抑制される。これにより、現像ローラ17から引き剥がされたトナーに起因する画像不良を抑制することができる。
【0109】
また、開口221Aが引き剥がし部材22における第1方向D1のマイナス側の端部側に形成されている。そのため、過度に帯電している可能性のあるトナーは、現像スリーブ17Aにおける画像の形成に影響の少ない部分の近傍から第2攪拌部材19側へ移動される。これにより、過度に帯電している可能性のあるトナーが、現像スリーブ17Aの表面における画像の形成に影響がある領域へ直接的に供給されることが抑制される。従って、引き剥がし部材22により現像スリーブ17Aの表面から引き剥がされたトナーに起因する画像不良を抑制することができる。
【0110】
その後、図6Eに示すように、第1磁石28に吸着されたトナー又は引き寄せられたトナーは、第2攪拌部材19の回転により、第2攪拌部材19により攪拌され且つ搬送される。ここで、第1磁石28に吸着されたトナー又は引き寄せられたトナーは、第2攪拌室25Bを循環するトナーと混ぜ合わせられる。
【0111】
更に、第2攪拌部材19により搬送されるトナーは、第2流通口27Bを介してトナーを第2攪拌室25Bから第1攪拌室25Aへ搬送される。そして、第1攪拌室25Aに搬送されたトナーは、第1攪拌室25Aにおいて第1攪拌部材18により攪拌され且つ第1攪拌搬送方向D11に搬送される。
このように、第1磁石28に引き寄せられたトナーは、第1攪拌室25A及び第2攪拌室25Bを循環することにより、第1攪拌室25A及び第2攪拌室25Bを循環するトナーと混ぜ合わされながら循環する。
【0112】
ここで、現像ローラ17から引き剥がされたトナーは、過度に帯電している可能性がある。この場合においても、現像ローラ17から引き剥がされたトナーは、循環するトナーと混ぜ合わされながら循環するため分散される。これにより、循環するトナーの全体は、現像ローラ17に供給される通常の帯電状態となる。その後、循環するトナーと混ぜ合わされた現像ローラ17から引き剥がされたトナーは、攪拌室25を循環されて現像ローラ17に再度供給される。このように、現像後における現像ローラ17に残存するトナーを引き剥がした後に、剥離現像剤収容部31にトナーを収容して、現像ローラ17に再度供給することができる。
【0113】
本実施形態のプリンタ1によれば、例えば、次のような効果が奏される。
本実施形態におけるプリンタ1においては、マグネット部17Bと、現像スリーブ17Aとを有する現像ローラ17と、トナー層の層厚を規制して第1現像剤層を形成する層厚規制部材21と、第2現像剤を構成するトナーを引き剥がすと共に引き剥がしたトナーの第1面223側から第2面224側への移動を規制する引き剥がし部材22と、引き剥がし部材22における第1面223側に形成され、第2面224側への移動が規制されて滞留するトナーを収容する剥離現像剤収容部31と、引き剥がし部材22に形成され、剥離現像剤収容部31に滞留して収容されるトナーを引き剥がし部材22の第2面224側に移動させることが可能に形成される開口221Aと、剥離現像剤収容部31に配置され、剥離現像剤収容部31の内部に滞留して収容されるトナーを開口221A側に搬送する搬送部材26と、を備える。
【0114】
そのため、引き剥がし部材22により現像スリーブ17Aから引き剥がされたトナーは、剥離現像剤収容部31に滞留して収容される。そして、剥離現像剤収容部31に収容されたトナーは、剥離現像剤収容部31の内部に配置される搬送部材26により開口221A側に搬送される。これにより、現像スリーブ17Aから引き剥がされたトナーは、収容室20の底部などに滞留して堆積することが抑制される。その結果、過度に帯電している可能性のあるトナーは、現像スリーブ17Aに直接的に供給されることが抑制される。
また、現像スリーブ17Aから引き剥がされたトナーは、現像装置16からあふれてプリンタ1本体の内部へ飛散されることが抑制される。
従って、引き剥がし部材22により現像スリーブ17Aの表面から引き剥がされたトナー(現像剤)に起因する画像不良を抑制することができる。
【0115】
また、本実施形態のプリンタ1においては、搬送部材26は、第1回転軸J1に平行な第2回転軸J2を中心に回転可能であると共に、剥離現像剤収容部31に収容された現像剤を搬送して開口221Aを介して押し出す(排出する)ことが可能である。そのため、現像スリーブ17Aから引き剥がされたトナーは、収容室20の底部などに滞留して堆積することが抑制される。更に、現像スリーブ17Aから引き剥がされた過度に帯電している可能性があるトナーを所定位置に形成された開口221Aから押し出す(排出する)ことができる。これにより、過度に帯電している可能性のあるトナーは、現像スリーブ17Aに直接的に供給されることが抑制される。従って、引き剥がし部材22により現像スリーブ17Aの表面から引き剥がされたトナー(現像剤)に起因する画像不良を抑制することができる。
【0116】
また、本実施形態のプリンタ1においては、開口221Aは、引き剥がし部材22における第1回転軸J1方向の端部側に形成される。そのため、過度に帯電している可能性のあるトナーは、現像スリーブ17Aにおける画像の形成に影響の少ない部分の近傍から第2攪拌部材19側へ移動される。これにより、過度に帯電している可能性のあるトナーが、現像スリーブ17Aの表面における画像の形成に影響がある領域へ直接的に供給されることが抑制される。したがって、現像ローラ17における画像形成に影響がある表面に形成されるトナー層の乱れなどを抑制することができる。
【0117】
また、本実施形態のプリンタ1においては、引き剥がし部材22における第2面224側に第1回転軸J1と平行な第3回転軸J3を中心に回転可能に配置され、第3回転軸J3方向に延びるように配置される螺旋羽根部191と、螺旋羽根部191の外周面から前記第3回転軸J3方向に直交する方向に突出するように形成される複数の支持部材193とを有する第2攪拌部材19と、複数の支持部材193における先端部に開口221Aに対応する位置に配置され、第2攪拌部材19が回転することにより引き剥がし部材22の開口221Aにおける第2面224側に対向するように移動して、引き剥がし部材22の開口221Aの近傍に滞留するトナーを引き寄せて移動させる第1磁石28と、を備える。
【0118】
そのため、現像スリーブ17Aの表面から引き剥がされたトナーは、第1磁石28に引き寄せられることにより、第1攪拌部材18及び第2攪拌部材19に攪拌されるトナーと混ぜ合わせられる。これにより、現像後における感光体ドラム2に供給されなかったトナー(現像スリーブ17Aに残存したトナー)を現像ローラ17に再度供給することができるため、トナーに要するコストを低減することができる。
また、第1磁石28は、引き剥がし部材22の開口221Aの近傍に滞留するトナーを引き寄せて移動させることができる。これにより、引き剥がし部材22の開口221Aの近傍にトナーが滞留することを抑制することができる。従って、過度に帯電している可能性のあるトナーは、現像スリーブ17Aに直接的に供給されることが抑制される。
【0119】
また、本実施形態のプリンタ1においては、引き剥がし部材22は、磁性部材である。そのため、現像後に現像スリーブ17Aの表面に形成される第2現像剤層のトナーは、引き剥がし部材22の磁力により引き剥がされる。これにより、引き剥がし部材22は、現像スリーブ17A上のトナー層のトナーを磁力により好適に引き剥がすことができる。
【0120】
また、本実施形態におけるプリンタ1においては、現像剤は、磁性一成分現像剤である。ここで、現像剤が磁性トナーからなる磁性一成分現像剤の場合、磁性トナーは、磁性を有するため、現像スリーブ17Aの内部に配置されたマグネットローラ17Bの磁力により現像スリーブ17Aの表面に保持されやすい。従って、現像スリーブ17Aの表面に形成されたトナー層のトナーを引き剥がしにくくなる傾向がある。
しかし、本発明の上記構成によれば、現像スリーブ17A上のトナーを引き剥がし部材22により好適に引き剥がすことができる。これにより、引き剥がし部材22により現像スリーブ17Aからトナーを引き剥がすことができ、且つ、現像スリーブ17Aから引き剥がされたトナーを第2面224側に移動させることができるため、現像剤が磁性一成分現像剤である場合には、本発明における効果は、大きい。
【0121】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前記実施形態においては、第2攪拌部材19は、パドル部192を有する構成としているが、これに制限されない。例えば、第2攪拌部材19は、全体が螺旋状に形成される部材でもよい。
【0122】
また、前記実施形態においては、開口221Aは、掻き落とし部材22における第1方向D1(第2回転軸J2方向)のマイナス側の端部側に形成されているが、これに制限されない。開口221Aは、例えば、掻き落とし部材22における第1方向D1(第2回転軸J2方向)のプラス側の端部側に形成されていてもよいし、掻き落とし部材22における第1方向D1(第2回転軸J2方向)の両端部側に形成されていてもよい。
【0123】
また、前記実施形態においては、引き剥がし部材22は、第2磁石222を有しているが、これに制限されない。引き剥がし部材本体221が磁性部材で構成される場合には、第2磁石222を有さない構成であってもよい。
【0124】
また、前記実施形態においては、現像剤を磁性一成分現像剤としたが、これに制限されない。例えば、現像剤をトナーとキャリアからなる磁性二成分現像剤としてもよい。
【0125】
本発明の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、プリンタ以外に、コピー機、ファクシミリ、又はこれらの複合機などであってもよい。
シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0126】
1……プリンタ(画像形成装置)、2……感光体ドラム(像担持体)、16……現像装置、17……現像ローラ、17A……現像スリーブ、17B……マグネットローラ、21……規制ブレード(層厚規制部材)、22……引き剥がし部材、26……搬送部材、28……第1磁石(磁界発生部)、31……剥離現像剤収容部、221A……開口(戻し部)、223……第1面、224……第2面、J1……第1回転軸、J2……第2回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に現像剤を供給する現像装置であって、
1又は複数の磁極を有するマグネット部と、前記像担持体に対向して前記マグネット部の外周面を覆うように第1回転軸を中心に回転可能に配置され、前記像担持体に対向する対向位置より上流側に現像剤により形成される第1現像剤層と、前記対向位置より下流側に前記像担持体に供給されなかった現像剤により形成される第2現像剤層と、を表面に形成可能な現像スリーブとを有する現像ローラと、
前記現像スリーブの表面に対向して配置され、前記現像スリーブの表面に形成される現像剤層の層厚を規制することにより前記現像スリーブの表面に前記第1現像剤層を形成すると共に、前記第1現像剤層を構成する現像剤を帯電させる層厚規制部材と、
先端が前記現像スリーブにおける前記第2現像剤層に対向し前記第1回転軸方向に延びるように配置される板状の部材であって、前記現像スリーブの回転方向における上流側の第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有し、前記第2現像剤層を構成する現像剤を引き剥がすと共に該引き剥がした現像剤の前記第1面側から前記第2面側への移動を規制する引き剥がし部材と、
前記引き剥がし部材における前記第1面側に形成され、前記引き剥がし部材により前記第2面側への移動が規制されて滞留する現像剤を収容する剥離現像剤収容部と、
前記引き剥がし部材に形成され、前記剥離現像剤収容部に滞留して収容される現像剤を前記引き剥がし部材の前記第2面側に移動させることが可能に形成される開口状の戻し部と、
前記剥離現像剤収容部に配置され、該剥離現像剤収容部の内部に滞留して収容される現像剤を前記戻し部側に搬送する搬送部材と、を備える
現像装置。
【請求項2】
前記搬送部材は、前記第1回転軸に平行な第2回転軸を中心に回転可能であると共に、前記剥離現像剤収容部に収容された現像剤を搬送して前記戻し部を介して押し出すことが可能である
請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記戻し部は、前記引き剥がし部材における前記第1回転軸方向の端部側に形成される
請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記引き剥がし部材における前記第2面側に前記第1回転軸と平行な第3回転軸を中心に回転可能に配置され、前記第3回転軸方向に延びるように配置される軸部と、前記軸部の外周面から前記第3回転軸方向に直交する方向に突出するように形成される突出部とを有する攪拌部材と、
前記突出部における先端部に前記戻し部に対応する位置に配置され、前記攪拌部材が回転することにより前記引き剥がし部材の前記戻し部における前記第2面側に対向するように移動して、前記引き剥がし部材の前記戻し部の近傍に滞留する現像剤を引き寄せて移動させる磁界発生部と、を備える
請求項1から3のいずれかに記載の現像装置。
【請求項5】
前記引き剥がし部材は、磁性部材である
請求項1から4のいずれかに記載の現像装置。
【請求項6】
前記現像剤は、磁性一成分現像剤である
請求項1から5のいずれかに記載の現像装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の現像装置と、
表面に静電潜像が形成されると共に、前記現像装置の現像剤層から現像剤の供給を受けて前記静電潜像にトナー画像が形成される前記像担持体と、
前記像担持体に形成されたトナー画像を直接的に又は間接的にシート状の被転写材に転写する転写部と、
前記被転写材に転写されたトナー画像を定着させる定着部と、を備える
画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【公開番号】特開2011−197148(P2011−197148A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61597(P2010−61597)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】