説明

環式有機シランの合成方法

有機シラン化合物とジハロ有機化合物の間の閉環反応を促進する溶媒を使用した、環式有機シランを調製する方法が開示されている。該閉環反応は、4、5又は6員の環式有機シランを生成し得る。該方法は、ジハロ有機化合物、少なくとも2つの官能基を有する有機シラン、溶媒及びマグネシウム(Mg)を含有する混合物を必要とする。有機シラン中の2つの官能基は、ハロゲン、アルコキシ又はこれらの組合せを含み得る。Mgの存在下、該混合物中では、ジハロ有機化合物からグリニャール中間体が生成される。該溶媒は、グリニャール中間体の分子内又は自己カップリング反応に有利に作用する。分子内又は自己カップリング反応は、グリニャール中間体の閉環反応を促進し、環式有機シランを生成する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願]
本出願は、本明細書に組み込まれている、2006年9月14日に出願した同時係属仮出願、第60/825,644号の利益を主張するものである。
【0002】
[背景]
[技術分野]
本開示は、環式有機シラン、例えばシラシクロブタン、シラシクロペンタン及びシラシクロヘキサンに関する。とりわけ本開示は、環式有機シラン化合物の環状構造の生成のために、4、5又は6員の1員として、少なくとも1つのケイ素原子を含む4、5及び6員環化合物を生成する方法に関する。
【0003】
[背景技術]
現在の当該技術分野では、環式有機シランは、化学気相蒸着(CVD)用前駆体、防カビ剤中間体、シラン系薬物/中間体及びオレフィン重合用の電子供与体として使用されることが知られている。環式有機シランは、飽和型、不飽和型及び芳香族置換型の、4、5又は6員環構造を含み得る。現在公知の環式有機シランの調製方法は、約30%〜約60%の範囲となり得る低度から中度の収率をもたらす。現行の方法は、通常、多段階を必要とし、例えばジグリニャール中間体を、環式有機シランを生成するクロロシランとのカップリング段階の前に、別個に調製する必要があり得る。その他の方法では、出発物質を調製するために、別個の反応段階が必要とされ得る。例えば、塩化アリル及び対応するヒドリドクロロシランの間でヒドロシリル化を起こして、クロロシランを生成する。次いで該クロロシランは、閉環反応用のグリニャール中間体の存在下でカップリング反応を受ける。多くの場合、環式有機シランの生成に使用する出発物質又は原料を調製する別個のプロセスは高価である。従って、このようなプロセスの適用は、原料若しくは出発物質の調製プロセスのいずれかのコスト、又はその双方のコストによって制限され得る。
【0004】
現在公知の方法における多重のプロセス段階及び高価な原料に加え、通常はカップリング反応から生じる副生物のマグネシウム塩を溶解/希釈するために、例えばジエチルエーテル及びテトラヒドロフラン(THF)などの溶媒が多量に必要である。このようなプロセスで使用される溶媒は、蒸留の容易さを助長する目的のため、通常沸点が低い。しかし、大量の溶媒の使用は、反応によって合成された環式有機シラン生成物を単離するために、長時間を費やして溶媒を蒸留除去する必要性を示している。
【0005】
以上のことを考慮すると、プロセス段階がより少なく、合成収率がより高く、溶媒がより少量で、環式有機シランの生成物をはるかに容易に単離できる1種又は複数の合成方法の提供が望まれる。
【0006】
[概要]
有機シラン化合物とジハロ有機化合物の間の閉環反応を促進する溶媒を使用した、環式有機シランの調製方法が開示されている。該閉環反応は4、5又は6員の環式有機シランを生成し得る。該方法は、ジハロ有機化合物、少なくとも2つの官能基を有する有機シラン、溶媒及びマグネシウム(Mg)を含有する混合物を必要とする。有機シラン中の2つの官能基は、ハロゲン、アルコキシ又はそれらの組合せを含み得る。Mgの存在下、該混合物中のジハロ有機化合物からグリニャール中間体が生成する。該溶媒は、グリニャール中間体の分子内又は自己カップリング(self−coupling)反応に有利に作用する。該分子内又は自己カップリング反応は、グリニャール中間体の閉環反応を促進し、環式有機シランを生成する。以下に該方法の様々な態様を示す。
【0007】
本開示の第1の態様は、分子内反応に有利に作用する溶媒中で、マグネシウム(Mg)の存在下、有機シラン化合物をジハロ有機化合物と反応させるステップを備える、環式有機シランの調製方法を提供する。
【0008】
本開示の第2の態様は、分子内反応に有利に作用する溶媒中で、マグネシウム(Mg)の存在下、有機シラン化合物をジハロ有機化合物と反応させることにより得られる、環式有機シラン化合物を提供する。
【0009】
本開示の第3の態様は、少なくとも4員を含み、4員のうち1員がケイ素(Si)原子である環状構造を有する環式有機シランを調製する方法であって、溶媒中でマグネシウム(Mg)の存在下、有機シランをジハロ有機化合物と反応させるステップを備え、溶媒が骨格として長分子鎖を有し、分子内反応に有利に作用する、方法を提供する。
【0010】
本開示の例示的態様は、本明細書に記載の問題の1つ若しくは複数及び/又は考察していない1つ若しくは複数の他の問題を解決することを意図している。
【0011】
[詳細な説明]
有機シラン化合物とジハロ有機化合物の間の閉環反応を促進する溶媒を使用した環式有機シランの調製方法の実施形態が開示されている。該閉環反応は、ジハロ有機化合物から生成するグリニャール試薬及びマグネシウム(Mg)の存在下で起こる。閉環反応から生成する該環式有機シランは、4、5又は6員を含む環状構造を取り得る。該環式有機シランは、該環状構造の4、5又は6員の1員として、少なくとも1つのケイ素原子を含む。該環式有機シランの環状構造は、その構造の中に1つ又は複数の不飽和結合も含み得る。
【0012】
該有機シラン化合物は、カルボシラン又はシロキサンを含み得る。カルボシラン及びシロキサンは、各々少なくとも2つの官能基を含み得る。該2つの官能基は、ハロゲン、アルコキシ又はそれらの組合せを含み得る。
【0013】
該有機シラン化合物は以下の一般式を有し得る。
【0014】
RR’SiXY
式中、Rは、H、アルコキシ、アルキル、フェニル、ビニル又はアリルであり、
R’は、H、アルコキシ、アルキル、フェニル、アリル、ビニル又はグリニャール試薬に対して不活性な任意の基であり、
Xは、ハロゲン及びアルコキシ(OR’’)であり、
Yは、ハロゲン及びアルコキシ(OR’’)であり、
R’’はメチル(Me)又はエチル(Et)である。
【0015】
あるいは、該有機シラン化合物は、以下の一般式を有するカルボシランでもよい。
XR’RSiCHSiRR’X
式中、Rは、水素(H)、Me、Et又はビニルであり、
R’は、H、Me、Et又はビニルであり、
Xはハロゲンである。
【0016】
該シロキサン化合物は以下の一般式を有してもよい。
XR’RSiOSiRR’X
式中、Rは、H、Me、Et又はビニルであり、
R’は、H、Me、Et又はビニルであり、
Xはハロゲンである。
【0017】
本開示の方法の実施形態に適切なジハロ有機化合物は、以下のものに限定されないが、一般的に、例えばジハロアルカン、ジハロアルケン、ジハロアリル、ジハロエーテル、ジハロシラン及びジハロシロキサンを含み得る。ジハロ有機化合物の例は、以下のものに限定されないが、1−ブロモ−3−クロロプロパン、1,3−ジブロモプロパン、1,3−ジクロロプロパン、3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペン、2,2−ジエトキシ−1,3−ジクロロプロパン、2,2−ジメトキシ−1,3−クロロプロパン、2−エトキシ−1,3−ジクロロプロパン、2−メトキシ−1,3−ジクロロプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1,4−ジブロモブタン、1,4−ジクロロブタン、2,5−ジブロモヘキサン、3,6−ジブロモオクタン、4,7−ジブロモデカン、5,8−ジブロモドデカン、1,4−ジクロロ−シス−2−ブテン、2,5−ジクロロ−シス−3−ヘキセン、3,6−ジクロロ−シス−4−オクテン、4,7−ジクロロ−シス−5−デセン、5,8−ジクロロ−シス−6−ドデセン、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、1,2−ジブロモ−ベンゼン、2,3−ジブロモプロペン、1−ブロモ−5−クロロペンタン、1,5−ジブロモペンタン、1,5−ジクロロペンタン、ビス(クロロエチル)エーテル、2,6−ジクロロヘプタン、3,7−ジクロロノナン、4,8−ジクロロウンデカン、ビス(クロロメチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビス(クロロメチル)ジメチルシラン、2,2’−ジクロロビシクロペンタン、2−クロロエトキシクロロメチルジメチルシランを含み得る。
【0018】
モノグリニャール中間体又はジグリニャール中間体のいずれかの閉環反応を促進する溶媒は、分子内又は自己カップリング反応に有利に作用する。このような溶媒中でグリニャール中間体が閉環する傾向によって、ほとんどの環式有機シランの調製において、別個の反応段階でグリニャール中間体を生成する必要性が回避される。このような溶媒を使用すると、一段反応で、ジハロ有機化合物は有機シラン化合物と直接反応することが可能になり得る。該一段反応は、環式有機シランを90%もの高い収率で製造し得る。しかし、該一段反応法が変更される例外もある。この一段反応法の代替法は、本開示の後の段落で考察する。
【0019】
該溶媒は、分子内反応に有利に作用する長鎖分子構造を有する一群の溶媒より選択され得る。該長鎖分子構造は、最小6個の炭素(C)原子及び最小2個の酸素(O)原子を含む。このような溶媒は、ジアルキルジグリムなどのジグリム、別名ビス(2−メトキシエチル)エーテル又はグリコールジメチルエーテルでもよい。例えば該溶媒は、以下のものに限定されないが、ジメチルジグリム、ジエチルジグリム、ジプロピルジグリム又はジブチルジグリムを含み得る。その他の溶媒は、デトラヒドロフラン(THF)を含み得る。長鎖分子構造の1つの例はジブチルジグリム、CHCHCHCHOCHCHOCHCHOCHCHCHCHである。該長鎖分子構造はグリニャール中間体の自己カップリングを促進し、環式有機シランの高収率をもたらす。例示的な中間体ClMgCHCHCHCHSiMeClの場合、典型的な溶媒、例えばジエチルエーテル(CHCHOCHCH)中では、分子内及び分子間反応の間に競合が存在する。このような競合によって、環式有機シラン生成物である1,1−ジメチル−1−シラシクロペンタンを含む複数の有機シラン化合物の混合物の収率%の分布が、均等化する。対照的に、同じ中間体ClMgCHCHCHCHSiMeClは、溶媒としてジブチルジグリム中では、同じ環式有機シラン化合物、1,1−ジメチル−1−シラシクロペンタンの高収率を生じる。このことは、中間体の閉環反応を促進する溶媒が、環式有機シランの収率%を改善することを実証している。
【0020】
閉環反応を促進する溶媒を使用することによって、環式有機シランの最終生成物の高収率の他にも、閉環反応に必要とされる溶媒がより少量で済む。例えば、溶媒として7リットルのジブチルジグリムを使用すると、1kgの1,1−ジメチル−1−シラシクロペンタンが生じる。同じ反応物質で溶媒としてジエチルエーテルを使用した場合、同じ量の1,1−ジメチル−1−シラシクロペンタンを得るには、ジブチルジグリムの少なくとも4倍量(例えば約4×7リットル)のジエチルエーテルが必要である。
【0021】
さらに、副生物、例えばMg塩は、通常、溶媒ジブチルジグリムの中で、環式有機シランとは別の層中に生成する。このことは、環式有機シランからの副生物の分離を容易にする。溶媒ジブチルジグリムの沸点(b.p.)は、ジブチルジグリム中で調製されるほとんどの環式有機シランと比較して有意に高い。このb.p.の差によって、完了した反応プロセスから得られた環式有機シラン生成物を、蒸留される混合物の温度が溶媒のb.p.に達する前に、蒸留できるようになる。溶媒がb.p.に達する前に環式有機シランの最終生成物の蒸留が完了することで、最終生成物は、溶媒を蒸留除去する必要なしに単離され得る。このようにして、溶媒の蒸留を待つ必要がなく、プロセス時間は短縮される。ジブチルジグリムは、操作及び使用上安全で、最大100%まで再利用できる。これらの利点は、非常に広い範囲に及ぶ環式有機シランの調製にかかる生産コストの削減をもたらす。
【0022】
以下の実施例は、本発明の方法の実施形態に従って調製された、異なる型の環式有機シランを例示するものである。
【0023】
(実施例1:)1,1−ジメチル−1−シラシクロブタンの調製
【0024】
3gのマグネシウム(Mg)粉末及び5gのジブチルジグリムを、100mlの三つ口丸底フラスコに入れた。該フラスコには、滴下ロート、温度計、及び乾燥窒素を供給するガス注入口を取り付けた水冷凝縮器を装備した。7.85gの1−ブロモ−3−クロロプロパン及び6.45gのジメチルジクロロシランを、35gのジブチルジグリムと滴下ロート中で混合した。数滴の1,2−ジブロモエタンを該三つ口丸底フラスコに添加し、グリニャール反応を開始した。反応が開始したら、該ブロモクロロプロパン/シラン/ジブチルジグリム混合物を加え反応物を磁気的に攪拌した。反応物を約50℃〜約95℃の範囲の温度に維持するように、該混合原料を非常にゆっくりと添加した。あるいは、外部の冷水浴によって反応物を冷却することにより、温度を維持する。該混合原料は全て60分間以内に添加した。反応物を、原料の添加後さらに室温で1時間攪拌した。次いで、反応より生じた混合物を、氷水混合物中に注いだ。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウム上で2時間乾燥した。減圧下で蒸留すると、約60%〜約75%の1,1−ジメチル−1−シラシクロブタンを生じた。
【0025】
(実施例2:)1−メチル−1−ビニル−1−シラシクロブタンの調製
【0026】
3gのマグネシウム(Mg)粉末及び5gのジブチルジグリムを、100mlの三つ口丸底フラスコに入れた。該フラスコには、滴下ロート、温度計、及び乾燥窒素を供給するガス注入口を取り付けた水冷凝縮器を装備した。7.85gの1−ブロモ−3−クロロプロパン及び7.05gのビニルメチルジクロロシランを、35gのジブチルジグリムと滴下ロート中で混合した。数滴の1,2−ジブロモエタンを該フラスコに添加し、グリニャール反応を開始した。反応が開始したら、該ブロモクロロプロパン/シラン/ジブチルジグリム混合物を加え、反応物を磁気的に攪拌した。反応物を約50℃〜約95℃の範囲の温度に維持するように、該混合原料を非常にゆっくりと添加した。あるいは、外部の冷水浴によって反応物を冷却することにより、温度を維持する。該混合原料は全て60分間以内に添加した。反応物を、原料の添加後さらに室温で1時間攪拌した。次いで、反応より生じた混合物を、氷水混合物中に注いだ。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウム上で2時間乾燥した。減圧下で蒸留すると、約60%〜約75%の1−メチル−1−ビニル−1−シラシクロブタンを生じた。
【0027】
(実施例3:)1−クロロ−1−メチル−1−シラシクロブタンの調製
【0028】
3gのマグネシウム(Mg)粉末及び5gのジブチルジグリムを、100mlの三つ口丸底フラスコに入れた。該フラスコには、滴下ロート、温度計、及び乾燥窒素を供給するガス注入口を取り付けた水冷凝縮器を装備した。7.85gの1−ブロモ−3−クロロプロパン及び7.5gのメチルトリクロロシランを、35gのジブチルジグリムと滴下ロート中で混合した。数滴の1,2−ジブロモエタンを該フラスコに添加し、グリニャール反応を開始した。反応が開始したら、該ブロモクロロプロパン/シラン/ジブチルジグリム混合物を加え、反応物を磁気的に攪拌した。反応温度を約50℃〜約95℃の範囲の温度に維持するように、該混合原料を非常にゆっくりと添加した。あるいは、外部の冷水浴によって反応物を冷却することにより、温度を維持する。該混合原料は全て60分間以内に添加した。反応物を、原料の添加後さらに室温で1時間攪拌した。次いで、反応より生じた混合物は、室温に放置すると2相に分離した。上部の有機相を分離した。該有機相を減圧下で蒸留すると、約55%〜約70%の1−クロロ−1−メチル−1−シラシクロブタンが生成した。
【0029】
(実施例4:)1,1−ジメチル−1−シラシクロペンタンの調製
【0030】
550gのマグネシウム(Mg)粉末及び400gのジブチルジグリムを、12リットルの三つ口丸底フラスコに入れた。該フラスコには、滴下ロート、温度計、及び乾燥窒素を供給するガス注入口を取り付けた水冷凝縮器を装備した。1270gの1,4−ジクロロブタン及び1290gのジメチルジクロロシランを、6500gのジブチルジグリムと滴下ロート中で混合した。数滴の1,2−ジブロモエタンを該フラスコに添加し、グリニャール反応を開始した。反応が開始したら、該シラン/ジクロロブタン/ジブチルジグリム混合物を、滴下ロートを通して加え、反応物を機械的に攪拌した。反応物を外部の冷水浴によって冷却した。反応物を約50℃〜約95℃の範囲の温度に維持するような速度で、該混合原料を添加した。該混合原料は全て4時間以内に添加した。反応物を、混合原料の添加後さらに室温で2時間攪拌した。次いで、反応より生じた混合物を、氷水/HCl混合物中に注いだ。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウム上で2時間乾燥した。減圧下で蒸留すると、約80%〜約90%の1,1−ジメチル−1−シラシクロペンタンを生じた。
【0031】
(実施例5:)1−メチル−1−シラシクロペンタンの調製
【0032】
3gのマグネシウム(Mg)粉末及び5gのジブチルジグリムを、100mlの三つ口丸底フラスコに入れた。該フラスコには、滴下ロート、温度計、及び乾燥窒素を供給するガス注入口を取り付けた水冷凝縮器を装備した。6.35gの1,4−ジクロロブタン及び5.75gのメチルジクロロシランを、35gのジブチルジグリムと滴下ロート中で混合した。数滴の1,2−ジブロモエタンを該フラスコに添加し、グリニャール反応を開始した。反応が開始したら、該シラン/ジクロロブタン/ジブチルジグリム混合物を加え、反応物を磁気的に攪拌した。反応物を約50℃〜約95℃の範囲の温度に維持するように、該混合原料を非常にゆっくりと添加した。あるいは、外部の冷水浴によって反応物を冷却することにより、温度を維持する。該混合原料は全て60分間以内に添加した。反応物を、原料の添加後さらに室温で1時間攪拌した。次いで、反応より生じた混合物を氷水混合物中に注いだ。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウム上で2時間乾燥した。減圧下で蒸留すると、約70%〜約80%の1−メチル−1−シラシクロペンタンを生じた。
【0033】
(実施例6:)1−メチル−1−ビニル−1−シラシクロペンタンの調製
【0034】
3gのマグネシウム(Mg)粉末及び5gのジブチルジグリムを、100mlの三つ口丸底フラスコに入れた。該フラスコには、滴下ロート、温度計、及び乾燥窒素を供給するガス注入口を取り付けた水冷凝縮器を装備した。6.35gの1,4−ジクロロブタン及び7.05gのビニルメチルジクロロシランを、35gのジブチルジグリムと滴下ロート中で混合した。数滴の1,2−ジブロモエタンを該フラスコに添加し、グリニャール反応を開始した。反応が開始したら、該シラン/ジクロロブタン/ジブチルジグリム混合物を加え、反応物を磁気的に攪拌した。反応物を約50℃〜約95℃の範囲の温度に維持するように、該混合原料を非常にゆっくりと添加した。あるいは、外部の冷水浴によって反応物を冷却することにより、温度を維持する。該混合原料は全て60分間以内に添加した。反応物を、原料の添加後さらに室温で1時間攪拌した。次いで、反応より生じた混合物を氷水混合物中に注いだ。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウム上で2時間乾燥した。減圧下で蒸留すると、約70%〜約85%の1−メチル−1−ビニル−1−シラシクロペンタンを生じた。
【0035】
(実施例7:)1−クロロ−1−メチル−1−シラシクロペンタンの調製
【0036】
230gのマグネシウム(Mg)粉末及び150gのジブチルジグリムを、12リットルの三つ口丸底フラスコに入れた。該フラスコには、滴下ロート、温度計、及び乾燥窒素を供給するガス注入口を取り付けた水冷凝縮器を装備した。508gの1,4−ジクロロブタン及び598gのメチルトリクロロシランを、3000gのジブチルジグリムと滴下ロート中で混合した。数滴の1,2−ジブロモエタンを該フラスコに添加し、グリニャール反応を開始した。反応が開始したら、該シラン/ジクロロブタン/ジブチルジグリム混合物を、滴下ロートを通して加え、反応物を機械的に攪拌した。反応物を外部の冷水浴によって冷却した。反応物を約50℃〜約95℃の範囲の温度に維持するような速度で、該混合原料を添加した。該混合原料は全て3時間以内に添加した。反応物を、原料の添加後さらに室温で2時間攪拌した。次いで、反応より生じた混合物は、室温に放置すると2相に分離した。上部の有機相を分離した。該有機相を減圧下で蒸留すると、約55%〜約70%の1−クロロ−1−メチル−1−シラシクロペンタンを生じた。
【0037】
(実施例8:)1,1−ジメチル−1−シラシクロヘキサンの調製
【0038】
3gのマグネシウム(Mg)粉末及び5gのジブチルジグリムを、100mlの三つ口丸底フラスコに入れた。該フラスコには、滴下ロート、温度計、及び乾燥窒素を供給するガス注入口を取り付けた水冷凝縮器を装備した。7.05gの1,4−ジクロロペンタン及び6.45gのジメチルジクロロシランを、35gのジブチルジグリムと滴下ロート中で混合した。数滴の1,2−ジブロモエタンを該フラスコに添加し、グリニャール反応を開始した。反応が開始したら、該シラン/ジクロロペンタン/ジブチルジグリム混合物を加え、反応物を磁気的に攪拌した。反応物を約50℃〜約95℃の範囲の温度に維持するように、該混合原料を非常にゆっくりと添加した。あるいは、外部の冷水浴によって反応物を冷却することにより、温度を維持する。該混合原料は全て60分間以内に添加した。反応物を、原料の添加後さらに室温で1時間攪拌した。次いで、反応より生じた混合物を氷水混合物中に注いだ。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウム上で2時間乾燥した。減圧下で蒸留すると、約70%〜約85%の1,1−ジメチル−1−シラシクロヘキサンを生じた。
【0039】
(実施例9:)1,1−ジメトキシ−1−シラシクロヘキサンの調製
【0040】
3gのマグネシウム(Mg)粉末及び5gのジブチルジグリムを、100mlの三つ口丸底フラスコに入れた。該フラスコには、滴下ロート、温度計、及び乾燥窒素を供給するガス注入口を取り付けた水冷凝縮器を装備した。7.05gの1,4−ジクロロペンタン及び7.61gのテトラメトキシシランを、35gのジブチルジグリムと滴下ロート中で混合した。数滴の1,2−ジブロモエタンを該フラスコに添加し、グリニャール反応を開始した。反応が開始したら、該シラン/ジクロロペンタン/ジブチルジグリム混合物を加え、反応物を磁気的に攪拌した。反応物を約50℃〜約95℃の範囲の温度に維持するように、該混合原料を非常にゆっくりと添加した。あるいは、外部の冷水浴によって反応物を冷却することにより、温度を維持する。該混合原料は全て60分間以内に添加した。反応物を、原料の添加後さらに室温で1時間攪拌した。次いで、反応より生じた混合物は、室温に放置すると2相に分離した。上部の有機相を分離した。該有機相を減圧下で蒸留すると、約55%〜約70%の1,1−ジメトキシ−1−シラシクロヘキサンを生じた。
【0041】
(実施例10:)2,2,4,6,6−ペンタメチル−1−オキソ−2,4,6−トリシラシクロヘキサンの調製
【0042】
3gのマグネシウム(Mg)粉末及び5gのジブチルジグリムを、100mlの三つ口丸底フラスコに入れた。該フラスコには、滴下ロート、温度計、及び乾燥窒素を供給するガス注入口を取り付けた水冷凝縮器を装備した。11.55gのビス(クロロメチル)テトラメチルジシロキサン及び5.75gのメチルジクロロシランを、35gのジブチルジグリムと滴下ロート中で混合した。数滴の1,2−ジブロモエタンをフラスコに添加し、グリニャール反応を開始した。反応が開始したら、該シラン/ジブチルジグリム混合物を加え、反応物を磁気的に攪拌した。反応物を約50℃〜約95℃の範囲の温度に維持するように、該混合原料を非常にゆっくりと添加した。あるいは、外部の冷水浴によって反応物を冷却することにより、温度を維持する。該混合原料は全て60分間以内に添加した。反応物を、原料の添加後さらに室温で1時間攪拌した。次いで、反応より生じた混合物を、氷水混合物中に注いだ。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウム上で2時間乾燥した。減圧下で蒸留すると、約50%〜約60%の2,2,4,6,6−ペンタメチル−1−オキソ−2,4,6−トリシラシクロヘキサンを生じた。
【0043】
(実施例11:)2,2,6,6−テトラメチル−1−オキソ−2,6−ジシラシクロヘキサンの調製
【0044】
3gのマグネシウム(Mg)粉末及び5gのジブチルジグリムを、100mlの三つ口丸底フラスコに入れた。該フラスコには、滴下ロート、温度計、及び乾燥窒素を供給するガス注入口を取り付けた水冷凝縮器を装備した。7.85gの1−ブロモ−3−クロロプロパン及び10.16gの1,3−ジクロロテトラメチルジシロキサンを、35gのジブチルジグリムと滴下ロート中で混合した。数滴の1,2−ジブロモエタンを該フラスコに添加し、グリニャール反応を開始した。反応が開始したら、該ブロモクロロプロパン/シラン/ジブチルジグリム混合物を加え、反応物を磁気的に攪拌した。反応温度を約50℃〜約95℃の範囲に維持するように、該混合原料を非常にゆっくりと添加した。あるいは、外部の冷水浴によって反応物を冷却することにより、温度を維持する。該原料は全て60分間以内に添加した。反応物を、原料の添加後さらに室温で1時間攪拌した。次いで、反応より生じた混合物を、氷水混合物中に注いだ。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウム上で2時間乾燥した。減圧下で蒸留すると、約60%〜約75%の2,2,6,6−テトラメチル−1−オキソ−2,6−ジシラシクロヘキサンを生じた。
【0045】
該方法の代替実施形態は、有機シランとカップリングする前に、溶媒中でマグネシウム(Mg)をジハロ有機化合物と混合することによる、ジグリニャール中間体の調製を提供する。例えば該溶媒は、限定されないが、ジブチルジグリムでよい。有機シランは、限定されないが、例えばジハロ有機シラン、ジアルコキシ有機シラン又はハロアルコキシ有機シランでよい。カップリング反応の前にグリニャール中間体を調製するこの代替法は、有機シラン化合物が少なくとも1つの活性官能基、限定されないが、例えばハロメチル(例えばCHCl)を含む場合の環式有機シランの調製に使用される。この代替法又は改良法は、所望の環式有機シラン生成物の良好な収率を達成し得る。以下の実施例は、該方法の代替実施形態で調製された環式有機シランの様々な型を例示するものである。
【0046】
(実施例12:)1−クロロメチル−メチル−1−シラシクロペンタンの調製
【0047】
3gのマグネシウム(Mg)粉末及び5gのジブチルジグリムを、100mlの三つ口丸底フラスコに入れた。該フラスコには、滴下ロート、温度計、及び乾燥窒素を供給するガス注入口を取り付けた水冷凝縮器を装備した。6.35gの1,4−ジクロロブタンを、35gのジブチルジグリムと滴下ロート中で混合した。数滴の1,2−ジブロモエタンを該フラスコに添加し、グリニャール反応を開始した。反応が開始したら、該1,4−ジクロロブタン/ジブチルジグリム混合物を加え、反応物を磁気的に攪拌した。反応物を約50℃〜約95℃の範囲の温度に維持するように、該混合原料を非常にゆっくりと添加した。あるいは、外部の冷水浴によって反応物を冷却することにより、温度を維持する。該混合原料は全て60分間以内に添加した。生じたグリニャール試薬を、次いで8.18gのクロロメチルメチルジクロロシランに、30分以内に添加した。反応物を、該グリニャール試薬の添加後さらに室温で2時間攪拌した。次いで、反応より生じた混合物を、氷水混合物中に注いだ。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウム上で2時間乾燥した。減圧下で蒸留すると、約65%〜約80%の1−クロロメチル−メチル−1−シラシクロペンタンを生じた。
【0048】
(実施例13:)1−クロロプロピル−メチル−1−シラシクロペンタンの調製
【0049】
3gのマグネシウム(Mg)粉末及び5gのジブチルジグリムを、100mlの三つ口丸底フラスコに入れた。該フラスコには、滴下ロート、温度計、及び乾燥窒素を供給するガス注入口を取り付けた水冷凝縮器を装備した。6.35gの1,4−ジクロロブタンを、35gのジブチルジグリムと滴下ロート中で混合した。数滴の1,2−ジブロモエタンを該フラスコに添加し、グリニャール反応を開始した。反応が開始したら、該1,4−ジクロロブタン/ジブチルジグリム混合物を加え、反応物を磁気的に攪拌した。反応物を約50℃〜約95℃の範囲の温度に維持するように、該混合原料を非常にゆっくりと添加した。あるいは、外部の冷水浴によって反応物を冷却することにより、温度を維持する。該混合原料は全て60分間以内に添加した。生じたグリニャール試薬を、次いで9.58gの3−クロロプロピルメチルジクロロシランに、30分以内に添加した。グリニャール試薬の添加後、反応物をさらに室温で2時間攪拌した。次いで、反応より生じた混合物を、氷水混合物中に注いだ。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウム上で2時間乾燥した。減圧下で蒸留すると、約65%〜約80%の1−クロロプロピル−メチル−1−シラシクロペンタンを生じた。
【0050】
実施例12及び13は、ジハロ有機化合物である1,4−ジクロロブタンを使用して、例えば1つ又は複数の活性官能基、限定されないが、例えばCHClを有する環式有機シランを調製する方法を例証している。しかし、その他のジハロ有機化合物も、このような活性官能基を有する対応する環式有機シランの調製に使用し得る。
【0051】
もう1つの代替実施形態では、さらなる改良法が、溶媒から環式有機シランの分離を容易にする。特に環式有機シランと溶媒ジアルキルジグリムの両方の沸点が非常に近い場合、改良法は、ジアルキルジグリムを、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)で置き換える。該改良法は、Mg粉末に溶媒(THF)を添加し、以後「直接グリニャール反応」と称する反応とは反対に、溶媒にMgを添加し、以後「逆グリニャール反応」と称する反応も組み込む。この代替改良法は、直接グリニャール反応と比較して、典型的に使用される溶媒、ジエチルエーテル中で良好な収率を与える。該方法の代替実施形態において、逆グリニャール反応は、THF中のジハロ有機化合物及び有機シランの溶液に、Mg粉末を添加することによって実行される。次の実施例は、この別の方法を例示するものである。
【0052】
(実施例14:)1,1−ジフェニル−1−シラシクロペンタンの調製
【0053】
100mlの三ツ口丸底フラスコ中で、6.35gの1,4−ジクロロブタン及び12.65gのジフェニルジクロロシランを50gのテトラヒドロフランと混合した。該フラスコには、温度計、及び乾燥窒素を供給するガス注入口を取り付けた水冷凝縮器を装備した。3gのマグネシウム(Mg)粉末のうち少量を、該反応フラスコに添加した。数滴の1,2−ジブロモエタンを該フラスコに添加し、グリニャール反応を開始した。その反応物を磁気的に攪拌した。反応が開始したら、反応温度を約50℃〜約95℃の範囲の温度に上昇するに任せた。反応温度が低下し始めたら、Mg粉末のさらに一部を添加した。全3gのMg粉末を6回に分け、60分以内に添加した。あるいは、外部の冷水浴によって反応物を冷却することにより、温度を維持する。全Mg粉末の添加後、反応物をさらに室温で1時間攪拌した。次いで、反応より生じた混合物を、氷水混合物中に注いだ。有機相を分離し、無水硫酸ナトリウム上で2時間乾燥した。THFの除去後、減圧下で蒸留すると、約60%〜約75%の1,1−ジフェニル−1−シラシクロペンタンを生じた。
【0054】
本開示の多様な態様に関する以上の説明は、例示及び説明の目的で示したものである。この説明は、網羅すること、又は開示された正確な形式に本発明を限定することを意図するものではなく、明らかに、多くの改変及び変形が可能である。当業者には明らかと思われるこうした改変及び変形は、付随する特許請求の範囲によって明確にされるように、本発明の範囲内に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子内反応に有利に作用する溶媒中で、マグネシウム(Mg)の存在下、有機シラン化合物をジハロ有機化合物と反応させるステップを備える、環式有機シランの調製方法。
【請求項2】
前記溶媒が、長分子鎖の骨格を形成する少なくとも6個の炭素原子と少なくとも2個の酸素原子とを有する1つの長分子鎖を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶媒がジアルキルジグリムである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記溶媒がジブチルジグリムである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記溶媒がテトラヒドロフラン(THF)である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記有機シラン化合物が下記一般式を有する、請求項1に記載の方法。
RR’SiXY
[式中、Rは、H、アルコキシ、アルキル、フェニル、ビニル及びアリルから成る群より選択される1種を表し、R’は、グリニャール試薬に対して不活性である官能基を表し、Xは、ハロゲン及びアルコキシ(OR’’)から成る群より選択される1種を表し、Yは、ハロゲン及びアルコキシ(OR’’)から成る群より選択される1種を表し、R’’は、メチル基(Me)及びエチル基(Et)から成る群より選択される1種を表す。]
【請求項7】
R’で表される前記官能基が、H、アルコキシ、アルキル、フェニル、アリル、ビニル及びそれらの組合せから成る群より選択される1種である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記有機シラン化合物が、下記一般式を有する、請求項1に記載の方法。
RR’XSiBSiRR’X
[式中、R及びR’は各々独立して、水素(H)、メチル、エチル及びビニルから成る群より選択される1種を表し、Bは、酸素及びCHより成る群から選択される1種を表し、Xは、ハロゲンを表す。]
【請求項9】
前記反応させるステップが、ジハロ有機化合物を、有機シラン化合物と混合する前にマグネシウムと混合し、ジグリニャール試薬を生成するステップを有し、
前記有機シラン化合物が一つの活性官能基を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記活性官能基がハロメチルである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記反応させるステップが、溶媒中の有機シラン化合物及びジハロ有機化合物の混合物に、マグネシウムを添加するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
分子内反応に有利に作用する溶媒中で、マグネシウム(Mg)の存在下、有機シラン化合物をジハロ有機化合物と反応させることによって得られる、環式有機シラン化合物。
【請求項13】
環状構造の1員として、少なくとも1つのケイ素原子を有する環状構造を含む、請求項12に記載の環式有機シラン化合物。
【請求項14】
前記環状構造が、4員、5員及び6員から成る群より選択される1種を備える、請求項13に記載の環式有機シラン化合物。
【請求項15】
前記環状構造が少なくとも1つの不飽和結合を含む、請求項13に記載の環式有機シラン化合物。
【請求項16】
前記環状構造が1つの芳香環と融合しており、
少なくとも1つの前記不飽和結合が前記環状構造及び前記芳香環に共有されている、請求項15に記載の環式有機シラン化合物。
【請求項17】
前記環状構造が、前記環状構造の少なくとも1つの前記ケイ素原子において芳香環置換基を含む、請求項13に記載の環式有機シラン化合物。
【請求項18】
前記環状構造が1つの酸素原子を含む、請求項13の環式有機シラン化合物。
【請求項19】
前記環状構造の1員において少なくとも1つの側鎖を含む、請求項13に記載の環式有機シラン化合物。
【請求項20】
少なくとも4員を含み、前記4員のうち1つがケイ素(Si)原子である環状構造を有する環式有機シランを調製する方法であって、
溶媒中で、マグネシウム(Mg)の存在下、有機シランを有機ジハロ化合物と反応させるステップを備え、
前記溶媒が、骨格として1つの長分子鎖を有し、分子内反応に有利に作用する、方法。
【請求項21】
前記長分子鎖が、少なくとも6個の炭素原子と少なくとも2個の酸素原子とを有する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記反応させるステップの前に、前記ジハロ有機化合物をマグネシウムと混合するステップをさらに備える、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
マグネシウムの導入前に、前記溶媒中で前記有機シランを前記ジハロ有機化合物と混合するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
請求項22の方法によって得られる、環式有機シラン化合物。
【請求項25】
請求項23の方法によって得られる、環式有機シラン化合物。

【公表番号】特表2010−503700(P2010−503700A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528464(P2009−528464)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/078364
【国際公開番号】WO2008/033980
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(509074081)スターファイアー システムズ, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】