説明

環状構造を有する重合体およびその製造方法

【課題】極性基を有する環状構造を有する重合体、および重合体を加熱することによるその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1種類の下式で表される繰り返し単位を含む重合体、それを架橋してなる重合体、およびそれらの製造方法。(ZおよびZは各々独立に、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基などを表し、ZとZは互いに結合してもよく、mは0または1を表し、nは0〜20の整数を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極性基を有する環状構造を有する重合体、およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
重合体に対して架橋などの化学処理を施すことにより、重合体に新しい機能を付与できることが知られている。たとえば、特許文献1には、ラジカル開始剤を用いて架橋された環状オレフィン重合体が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−047992号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1においては重合体を化学処理するためにラジカル開始剤を用いる必要があり、さらには極性基を持たない非極性の環状オレフィン重合体を用いているために、該開始剤が必ずしも重合体中で均一に分散するとは限らないという問題があった。
かかる現状において、本発明が解決しようとする課題、すなわち、本発明の目的は、極性基を有する環状構造を有する重合体、および重合体を加熱することによるその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一は、少なくとも1種類の、下式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体である。

(1)
(ただし、上式(1)において、Z1およびZ2はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アミノ基、チオール基、およびアルキルチオ基を表し、Z1とZ2は互いに結合していてもよい。A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10およびA11はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシル基、エステル基、またはアミド基を表す。mは0または1を表し、nは0〜20の整数を表す。)
【0006】
本発明の第二は、少なくとも1種類の下式(1)で表される繰り返し単位を含み架橋されてなる重合体である。

(1)
(ただし、上式(1)において、Z1およびZ2はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アミノ基、チオール基、およびアルキルチオ基を表し、Z1とZ2は互いに結合していてもよい。A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10およびA11はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシル基、エステル基、またはアミド基を表す。mは0または1を表し、nは0〜20の整数を表す。)
【0007】
本発明の第三は、下式(4)で表される繰り返し単位を含む重合体を加熱する、重合体の製造方法である。

(4)
(ただし、上式(4)において、Rはアルキル基またはアラルキル基を表す。A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、およびA11はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシル基、エステル基、またはアミド基を表す。mは0または1を表し、nは0〜20の整数を表す。)
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、極性基を有する環状構造を有する重合体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
式(1)および式(4)においてA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、およびA11で表されるハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子を例示することができる。中でも、好ましくはフッ素原子である。
【0010】
式(1)および式(4)においてA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、およびA11で表されるアルキル基として、メチル基、エチル基およびn−ブチル基のような直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、およびネオペンチル基のような分岐状アルキル基;ならびに、シクロヘキシル基およびシクロオクチル基のような環状アルキル基を例示することができる。
【0011】
式(1)および式(4)においてA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、およびA11で表されるアラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、2,6−ジメチルベンジル基、および3,5−ジメチルベンジル基を例示することができる。該アラルキル基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、およびシアノ基のような置換基を有していてもよい。
【0012】
式(1)および式(4)においてA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、およびA11で表されるアリール基として、フェニル基、トリル基、1−ビフェニル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、およびメシチル基を例示することができる。該アリール基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、およびシアノ基のような置換基を有していてもよい。
【0013】
式(1)および式(4)においてA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、およびA11で表されるアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシキ基およびn−ブトキシ基のような直鎖状アルコキシ基;イソプロポキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、およびネオペントキシ基のような分岐状アルコキシ基;ならびに、シクロヘキシロキシ基およびシクロオクチロキシ基のような環状アルコキシ基を例示することができる。該アルコキシ基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、およびシアノ基のような置換基を有していてもよい。
【0014】
式(1)および式(4)においてA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、およびA11で表されるアラルキルオキシ基として、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、2−メチルベンジルオキシ基、3−メチルベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、2,6−ジメチルベンジルオキシ基、および3,5−ジメチルベンジルオキシ基を例示することができる。該アラルキルオキシ基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、およびシアノ基のような置換基を有していてもよい。
【0015】
式(1)および式(4)においてA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、およびA11で表されるアリールオキシ基として、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、2−エチルフェノキシ基、2−n−プロピルフェノキシ基、2−イソプロピルフェノキシ基、2−n−ブチルフェノキシ基、2−イソブチルフェノキシ基、2−tert−ブチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、3−イソプロピルフェノキシ基、3−n−ブチルフェノキシ基、3−tert−ブチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−イソプロピルフェノキシ基、4−n−ブチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、およびナフトキシ基を例示することができる。該アリールオキシ基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、スルホネート基、シリル基、およびシアノ基のような置換基を有していてもよい。
【0016】
式(1)および式(4)においてA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、およびA11で表されるアミノ基として、アミン基、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−n−ブチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジ−n−ブチルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基、N−イソブチルアミノ基、N−tert−ブチルアミノ基、N−ネオペンチルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基、N,N−ジイソブチルアミノ基、N,N−ジ−tert−ブチルアミノ基、N,N−ジネオペンチルアミノ基、N−シクロヘキシルアミノ基、N−シクロオクチルアミノ基、N,N−ジシクロヘキシルアミノ基およびN,N−ジシクロオクチルアミノ基のようなアミノ基を例示することができる。
【0017】
式(1)および式(4)においてA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、およびA11で表されるアミド基として、エタンアミド基、n−ブタンアミド基、N−メチルエタンアミド基、N−エチルエタンアミド基、N−n−ブチルエタンアミド基、イソプロパンアミド基、イソブタンアミド基、tert−ブタンアミド基、ネオペンタンアミド基、N−イソプロピルエタンアミド基、N−イソブチルメタンアミド基、N−tert−ブチルエタンアミド基、N−ネオペンチルエタンアミド基、シクロヘキサンアミド基、シクロオクタンアミド基、N−シクロヘキシルエタンアミド基およびN−シクロオクチルエタンアミド基のようなアミド基を例示することができる。
【0018】
式(1)および式(4)においてA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、およびA11で表されるアシル基として、アセチル基、n−プロパノイル基、n−ブタノイル基、n−ペンタノイル基、n−ヘキサノイル基、2−メチルプロパノイル基、ピバロイル基、2−メチルブタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、および2−ナフトイル基を例示することができる。
【0019】
式(1)および式(4)においてA1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、およびA11で表されるエステル基として、メチルエステル基、エチルエステル基およびn−ブチルエステル基のような直鎖状アルキルエステル基;イソプロピルエステル基、イソブチルエステル基、tert−ブチルエステル基、およびネオペンチルエステル基のような分岐状アルキルエステル基;ならびに、シクロヘキシルエステル基およびシクロオクチルエステル基のような環状アルキルエステル基;ベンジルエステル基、フェネチルエステル基、2−メチルベンジルエステル基、3−メチルベンジルエステル基、4−メチルベンジルエステル基、2,6−ジメチルベンジルエステル基、および3,5−ジメチルベンジルエステル基のようなアラルキルエステル基;フェニルエステル基、トリルエステル基、およびメシチルエステル基のようなアリールエステル基を例示することができる。
【0020】
中でも、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、およびA11として、水素原子、ハロゲン原子、または炭素原子数1〜10のアルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
【0021】
3とA4とは、または、A5とA6とは、互いに結合していてもよい。これらの結合によって形成される環として、シクロブタン、シクロペンタンおよびシクロヘキサンのような脂肪族の環、ならびに芳香族の環を例示することができる。これらの環は置換基を有していてもよい。
【0022】
式(1)中のZ1およびZ2として、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アミノ基、チオール基、およびアルキルチオ基を例示することができる。これらの基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、ニトリル基、スルホネート基、シリル基、シロキシ基、およびシアノ基のような置換基を有していてもよい。
【0023】
式(1)においてZ1およびZ2で表されるアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシキ基およびn−ブトキシ基のような直鎖状アルコキシ基;イソプロポキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、およびネオペントキシ基のような分岐状アルコキシ基;ならびに、シクロヘキシロキシ基およびシクロオクチロキシ基のような環状アルコキシ基を例示することができる。
【0024】
式(1)においてZ1およびZ2で表されるアラルキルオキシ基として、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、2−メチルベンジルオキシ基、3−メチルベンジルオキシ基、4−メチルベンジルルオキシ基、2,6−ジメチルベンジルオキシ基、および3,5−ジメチルベンジルオキシ基を例示することができる。
【0025】
式(1)においてZ1およびZ2で表されるアリールオキシ基として、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、2−エチルフェノキシ基、2−n−プロピルフェノキシ基、2−イソプロピルフェノキシ基、2−n−ブチルフェノキシ基、2−イソブチルフェノキシ基、2−tert−ブチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、3−イソプロピルフェノキシ基、3−n−ブチルフェノキシ基、3−tert−ブチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−イソプロピルフェノキシ基、4−n−ブチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、およびナフトキシ基を例示することができる。
【0026】
式(1)においてZ1およびZ2で表されるアシルオキシ基として、アセチルオキシ基、n−プロパノイルオキシ基、n−ブタノイルオキシ基、n−ペンタノイルオキシ基、n−ヘキサノイルオキシ基、2−メチルプロパノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、2−メチルブタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフトイルオキシ基、および2−ナフトイルオキシ基を例示することができる。
【0027】
式(1)においてZ1およびZ2で表されるアルキル基として、メチル基、エチル基およびn−ブチル基のような直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、およびネオペンチル基のような分岐状アルキル基;ならびに、シクロヘキシル基およびシクロオクチル基のような環状アルキル基を例示することができる。
【0028】
式(1)においてZ1およびZ2で表されるアラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、2,6−ジメチルベンジル基、および3,5−ジメチルベンジル基を例示することができる。
【0029】
式(1)においてZ1およびZ2で表されるアリール基として、フェニル基、トリル基、およびメシチル基を例示することができる。
【0030】
式(1)においてZ1およびZ2で表されるアミノ基として、アミノ基、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、およびN−n−ブチルアミノ基のような直鎖状アルキルアミノ基;N−イソプロピルアミノ基、N−イソブチルアミノ基、N−tert−ブチルアミノ基、およびN−ネオペンチルアミノ基のような分岐状アルキルアミノ基;N−シクロヘキシルアミノ基およびN−シクロオクチルアミノ基のような環状アルキルアミノ基;N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、およびN,N−ジ−n−ブチルアミノ基のような直鎖状アルキルアミノ基;N,N−ジイソプロピルアミノ基、N,N−ジイソブチルアミノ基、N,N−ジ−tert−ブチルアミノ基、およびN,N−ジネオペンチルアミノ基のような分岐状アルキルアミノ基;ならびに、N,N−ジシクロヘキシルアミノ基およびN,N−ジシクロオクチルアミノ基のような環状アルキルアミノ基を例示することができる。
【0031】
式(1)においてZ1およびZ2で表されるアルキルチオ基として、メチルチオ基、エチルチオ基およびn−ブチルチオ基のような直鎖状アルキルチオ基;イソプロピルチオ基、イソブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、およびネオペンチルチオ基のような分岐状アルキルチオ基;ならびに、シクロヘキシルチオ基およびシクロオクチルチオ基のような環状アルキルチオ基を例示することができる。
【0032】
式(1)においてZ1とZ2は互いに結合していてもよい。式(1)におけるZ1とZ2とが互いに結合して形成される環として、シクロプロパノン環、シクロブタノン環、シクロペンタノン環、シクロヘキサノン環、シクロヘプタノン環、シクロオクタノン環、シクロノナノン環、およびシクロデカノン環のようなケトン基を含む環;1,3−ジオキサン−4−オン環、1−オキサン−2−オン環、1−オキソラン−2−オン環のようなエステル結合を有する環;1,3−ジオキサン−2、4−ジオン環のようなカーボネート結合を有する環;ピペリジン−2,4−ジオン環、N−メチルピペリジン−2,4−ジオン環、N−エチルピペリジン−2,4−ジオン環、N−フェニルピペリジン−2,4−ジオン環、N−メチルピペリジン−2,4−ジオン環、N−エチルピペリジン−2,4−ジオン環、N−フェニルピペリジン−2,4−ジオン環、およびN,N’−ジフェニルピペリジン−2,4−ジオン環のようなアミド基を含む環;ヘキサヒドロピリミジン−2,4−ジオン環、N−メチルヘキサヒドロピリミジン−2,4−ジオン環、N,N’−ジメチルヘキサヒドロピリミジン−2,4−ジオン環、N−エチルヘキサヒドロピリミジン−2,4−ジオン環、N,N’−ジエチルヘキサヒドロピリミジン−2,4−ジオン環、N−フェニルヘキサヒドロピリミジン−2,4−ジオン環、およびN,N’−ジフェニルヘキサヒドロピリミジン−2,4−ジオン環のようなイミド基を含む環を例示することができる。
【0033】
式(1)および式(4)において、それぞれ独立に、mとして0または1を例示することができ、nとして0〜20の整数を例示することができる。
【0034】
本発明の重合体は、架橋構造を含んでいても良い。該架橋構造は、好ましくは、ケテンが反応して生成しうる架橋構造であり、より好ましくは、少なくとも、下式(2)および/または下式(3)で表される構造を架橋構造である。

(2)

(3)
(ただし、上式(2)および上式(3)において、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10およびA11はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシル基、エステル基、またはアミド基を表す。)
【0035】
式(3)および式(4)中のRとして、アルキリデン基を例示することができる。
【0036】
式(1)中のZ1およびZ2におけるアルキリデン基として、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、イソブチリデン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、およびベンジリデン基のようなアルキリデン基を例示することができる。
【0037】
本発明の重合体が架橋構造を有する場合、架橋構造の有無はたとえば高分子ゲルの生成の有無および粘弾性挙動を調べるか、あるいは、有機溶剤に対する溶解性の違いを持って確認することができる。たとえば好ましい架橋体は、架橋前の重合体に比較して特定の有機溶剤に対して耐性が向上する場合がある。
【0038】
本発明の製造方法においては、式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体を、式(4)で表される繰り返し単位を含む重合体を加熱して製造することができる。該加熱方法は、好ましくは、熱風などの気体を用いて温度調整する加熱方法;油浴、湯浴、および水浴などの液体を用いて温度調整する加熱方法;ならびに、セラミックスや金属や樹脂などの固体を用いて温度調整する加熱方法を用いることができる。
【0039】
上記加熱方法における温度範囲は、一般に0〜500℃であり、好ましくは50〜350℃である。
本発明の製造方法における製造時間は、一般に1秒から72時間である。
【0040】
本発明の製造方法において用いることのできる、式(4)で表される繰り返し単位を含む重合体は、重量平均分子量が1,000〜10,000,000の範囲であり、分子量分布は1.0〜10.0の範囲であり、ガラス転移点を−50〜250℃の範囲に1つ以上有する。
【0041】
本発明の製造方法において用いることのできる、式(4)で表される繰り返し単位を含む重合体の製造方法は特に限定されないが、好ましい製造方法としては、たとえば、シクロペンテン誘導体を用いた配位重合、ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−6−エン誘導体を用いたオレフィンメタセシス重合、ならびに、国際公開第2007/023618号パンフレット、特開2007−84790、および特開2007−84791に記載の1,6−ヘプタジエン誘導体の閉環重合を挙げることができる。
【0042】
本発明の製造方法で用いることのできる式(4)で表される繰り返し単位を含む重合体のうち、1,6−ヘプタジエン誘導体の閉環単独重合体としては、たとえば、5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン単独重合体、5−アリル−5−((2E)−2−ブテニル)2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン単独重合体、5−アリル−5−((2E)−2−ペンテニル)2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン単独重合体、5−アリル−5−((2E)−2−へキセニル)2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン単独重合体、5−アリル−5−((2E)−2−ヘプテニル)2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン単独重合体、5−アリル−5−((2E)−2−オクテニル)2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン単独重合体、5−アリル−5−((2E)−2−ノネニル)2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン単独重合体、5−アリル−5−((2E)−2−デニル)2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン単独重合体、5−アリル−5−((2E)−2−ウンデニル)2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン単独重合体、5−アリル−5−((2E)−2−ドデニル)2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン単独重合体のような2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン誘導体単独重合体;
【0043】
ならびに、2,2−ジアリルマロン酸ジメチル単独重合体、2,2−ジアリルマロン酸ジエチル単独重合体、2,2−ジアリルマロン酸ジ−n−プロピル単独重合体、2,2−ジアリルマロン酸ジイソプロピル単独重合体、2,2−ジアリルマロン酸ジ−n−ブチル単独重合体、2,2−ジアリルマロン酸ジイソブチル単独重合体、2,2−ジアリルマロン酸ジ−tert−ブチル単独重合体、2−アリル−2−((2E)−2−ブテニル)マロン酸ジエチル単独重合体、2−アリル−2−((2E)−2−ペンテニル)マロン酸ジエチル単独重合体、2−アリル−2−((2E)−2−へキセニル)マロン酸ジエチル単独重合体、2−アリル−2−((2E)−2−ヘプテニル)マロン酸ジエチル単独重合体、2−アリル−2−((2E)−2−オクテニル)マロン酸ジエチル単独重合体、2−アリル−2−((2E)−2−ノネニル)マロン酸ジエチル単独重合体、2−アリル−2−((2E)−2−デニル)マロン酸ジエチル単独重合体、2−アリル−2−((2E)−2−ウンデニル)マロン酸ジエチル単独重合体、2−アリル−2−((2E)−2−ドデニル)マロン酸ジエチル単独重合体のようなマロン酸ジエステル誘導体単独重合体を例示することができる。
【0044】
本発明の製造方法で用いることのできる式(4)で表される繰り返し単位を含む重合体は共重合体であっても良く、たとえば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、および1−デセンのような直鎖状オレフィン;3−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、およびビニルシクロヘキサンのような分岐状オレフィン;ならびに、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、ノルボルネン、リモネン、α−ピネン、β−ピネン、カンフェン、cis−シクロオクテン、trans−シクロオクテン、cis−シクロノネン、trans−シクロノネン、cis−シクロデセン、trans−シクロデセンのような環状オレフィン;ブタジエン、イソプレンのような共役ジエン;1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエンのような鎖状非共役ジエン;ならびにシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、シクロノナジエン、エチリデンノルボルネン、ノルボルナジエン、およびジシクロペンタジエンのような環状非共役ジエンを、コモノマーとした共重合体を例示することができる。
【0045】
本発明の製造方法で用いることのできる式(4)で表される繰り返し単位を含む共重合体のうち、1,6−ヘプタジエン誘導体の閉環共重合体としては、たとえば、5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/エチレン共重合体、5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/プロピレン共重合体、5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/ブテン共重合体、5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/ペンテン共重合体、5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/ヘキセン共重合体、5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/ヘプテン共重合体、5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/オクテン共重合体、5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/ノネン共重合体、5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/デセン共重合体、5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/ビニルシクロヘキサン共重合体、5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/シクロブテン共重合体、5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/シクロペンテン共重合体、5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/シクロヘキセン共重合体、5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/ノルボルネン共重合体、5−アリル−5−((2E)−2−ブテニル)2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/エチレン共重合体、5−アリル−5−((2E)−2−ペンテニル)2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/エチレン共重合体、5−アリル−5−((2E)−2−へキセニル)2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/エチレン共重合体、5−アリル−5−((2E)−2−ヘプテニル)2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/エチレン共重合体、5−アリル−5−((2E)−2−オクテニル)2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/エチレン共重合体、5−アリル−5−((2E)−2−ノネニル)2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/エチレン共重合体、5−アリル−5−((2E)−2−デニル)2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/エチレン共重合体、5−アリル−5−((2E)−2−ウンデニル)2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/エチレン共重合体、5−アリル−5−((2E)−2−ドデニル)2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン/エチレン共重合体のような2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン誘導体/オレフィン共重合体;
【0046】
ならびに、2,2−ジアリルマロン酸/エチレン共重合体、2,2−ジアリルマロン酸/プロピレン共重合体、2,2−ジアリルマロン酸/ブテン共重合体、2,2−ジアリルマロン酸/ペンテン共重合体、2,2−ジアリルマロン酸/ヘキセン共重合体、2,2−ジアリルマロン酸/ヘプテン共重合体、2,2−ジアリルマロン酸/オクテン共重合体、2,2−ジアリルマロン酸/ノネン共重合体、2,2−ジアリルマロン酸/デセン共重合体、2,2−ジアリルマロン酸/ビニルシクロヘキサン共重合体、2,2−ジアリルマロン酸/シクロブテン共重合体、2,2−ジアリルマロン酸/シクロペンテン共重合体、2,2−ジアリルマロン酸/シクロヘキセン共重合体、2,2−ジアリルマロン酸/ノルボルネン共重合体、2−アリル−2−((2E)−2−ブテニル)マロン酸/エチレン共重合体、2−アリル−2−((2E)−2−ペンテニル)マロン酸/エチレン共重合体、2−アリル−2−((2E)−2−へキセニル)マロン酸/エチレン共重合体、2−アリル−2−((2E)−2−ヘプテニル)マロン酸/エチレン共重合体、2−アリル−2−((2E)−2−オクテニル)マロン酸/エチレン共重合体、2−アリル−2−((2E)−2−ノネニル)マロン酸/エチレン共重合体、2−アリル−2−((2E)−2−デニル)マロン酸/エチレン共重合体、2−アリル−2−((2E)−2−ウンデニル)マロン酸/エチレン共重合体、2−アリル−2−((2E)−2−ドデニル)マロン酸/エチレン共重合体のようなマロン酸誘導体/オレフィン共重合体を例示することができる。
【0047】
上記重合体における共重合体の有する極性基の含有量は、目的に応じて、好ましくは該共重合体全体を100wt%とした場合に、0.001〜99.9wt%の間で極性基の含有量を設定することができる。
【実施例】
【0048】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
[実施例1]エチレン/5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン共重合体の加熱反応
エチレン/5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン共重合体(5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン導入率=10mol%、Mn=6300、Mw/Mn=1.84)90mgを、良く乾燥した重1,1,2,2−テトラクロロエタン0.7mLに溶解し、13wt%共重合体溶液を調製した。この溶液をNMRチューブ内で12時間、130℃で加熱したところ溶液がゲル状になった。得られた反応生成物を貧溶媒であるメタノールに投入したところポリマーが析出した。析出したポリマーを、日本電子社製のLA−500を用いて13C−NMR分析したところ、加熱前にはエステル基に由来するカルボニル炭素シグナル(172.2ppm)が確認されたが、加熱後の重合体ではシクロブタン−1,3−ジオン骨格中のケトン基に由来するカルボニル炭素シグナル(216.9ppm)のみが確認された。
【0049】
上記の数平均分子量および分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、下記の条件で測定した。また、検量線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
測定機 :JASCO社製(デガッサー:DG−980−50、ポンプ:PU−980、オートサンプラー:AS−950、カラムオーブン:CO−966、RI検出器:RI−930、UV検出器:UV−975)
カラム :昭和電工(株)製のShodex−806L×2本
測定温度:40℃
溶媒 :クロロホルム
サンプル濃度:1mg/1ml
【0050】
上記の13C−NMRは、日本電子社製LA−500を用いて、以下の条件で求めた。
測定溶媒:1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2
試料濃度:50mg/0.5ml
内部基準物質:1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2
【0051】
[実施例2]エチレン/5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン共重合体の加熱反応
エチレン/5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン共重合体(5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン導入率=5%、Mn=5100、Mw/Mn=1.72)0.1gを、良く乾燥した重1,1,2,2−テトラクロロエタン0.7mLに溶かし、13wt%共重合体溶液を調製した。この溶液をNMRチューブ内で12時間、130℃に加熱したところ、ゲル状になった。得られた反応生成物を貧溶媒であるメタノールに投入したところポリマーが析出した。加熱前の重合体がオイル状であったのに対し、加熱後のポリマーはゴム様の固体となった。赤外分光分析したところ、カルボニル基に由来するピークが原料のエステル基に由来する1742cm-1からケトン基に由来する1705cm-1に変化していることが分かった。
【0052】
[実施例3]エチレン/5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン共重合体の加熱反応
エチレン/5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン共重合体(5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン導入率=5mol%、Mn=5100、Mw/Mn=1.72)90mgを、脱水処理していない重1,1,2,2−テトラクロロエタン0.7mLに溶解し、13wt%共重合体溶液を調製した。この溶液をNMRチューブ内で12時間、130℃で加熱して得られた反応生成物を、メタノールに投入しポリマーを析出させた。得られた析出物を日本電子社製のLA−500を用いて13C−NMR分析したところ、加熱前にはエステル基に由来するカルボニル炭素シグナル(172.2ppm)が確認されたが、加熱後の重合体ではシクロブタン−1,3−ジオン骨格中のケトン基に由来するカルボニル炭素シグナル(216.9ppm)と、カルボン酸基に由来するカルボニル炭素シグナル(177.3ppm)が確認された。
【0053】
[実施例4]エチレン/5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン共重合体の加熱反応
30mLナスフラスコを用い、エチレン/5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン共重合体(5,5−ジアリル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン導入率=3%、Mn=9500、Mw/Mn=1.48)0.05gを15時間、180℃で加熱した。加熱前の重合体は有機溶媒に溶解可能なオイルであったが、加熱後の重合体はゴム様の固体であり、ほとんど有機溶媒に溶けなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種類の、下式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体。

(1)
(ただし、上式(1)において、Z1およびZ2はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アミノ基、チオール基、およびアルキルチオ基を表し、Z1とZ2は互いに結合していてもよい。A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10およびA11はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシル基、エステル基、またはアミド基を表す。mは0または1を表し、nは0〜20の整数を表す。)
【請求項2】
少なくとも1種類の下式(1)で表される繰り返し単位を含み架橋されてなる重合体。

(1)
(ただし、上式(1)において、Z1およびZ2はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アミノ基、チオール基、およびアルキルチオ基を表し、Z1とZ2は互いに結合していてもよい。A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10およびA11はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシル基、エステル基、またはアミド基を表す。mは0または1を表し、nは0〜20の整数を表す。)
【請求項3】
請求項1または2に記載の重合体であって、少なくとも1種類の式(1)で表される繰り返し単位と、オレフィンに由来する繰り返し単位とを含む共重合体。
【請求項4】
少なくとも、下式(2)および/または下式(3)で表される架橋構造を含む、請求項2または請求項3に記載の重合体。

(2)

(3)
(ただし、上式(2)および上式(3)において、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10およびA11はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシル基、エステル基、またはアミド基を表す。)
【請求項5】
下式(4)で表される繰り返し単位を含む重合体を加熱する、請求項1〜4のいずれかに記載の重合体の製造方法。

(4)
(ただし、上式(1)および(4)において、Rはアルキル基またはアラルキル基を表す。A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10、およびA11はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシル基、エステル基、またはアミド基を表す。mは0または1を表し、nは0〜20の整数を表す。)

【公開番号】特開2009−67959(P2009−67959A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240622(P2007−240622)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】