説明

生ゴミ処理装置及び生ゴミ処理システム

【課題】生ゴミに包装用紙、プラスチックフィルム類等の混入があっても問題なく処理を行うことができる生ゴミ処理装置及び生ゴミ処理システムを提供することにある。
【解決手段】生ゴミ投入部10と、生ゴミ投入部10に連結し、生ゴミを加熱しながら圧送する予備乾燥部20と、予備乾燥部20に連結し、予備乾燥部20から圧送された生ゴミを密閉状態で圧送しながら複数の過熱蒸気発生装置40によってそれぞれ噴射される高温の水蒸気によって熱分解する連続熱分解部30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、家庭や食品製造行程から出る生ゴミを、有害排出物を最小限にしつつ効率的に処理する生ゴミ処理装置及び生ゴミ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
生ゴミ処理は、今や分別処理が進んでいるが、例えば、特許文献1に記載のように、包装用紙類、プラスチックフィルム類等の混入は避けられない。
そこで、例えば、(1) 燃焼処理する、(2) 醗酵により堆肥にする、(3) 醗酵してガスを回収する、等の処理が行なわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−58176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然るに、これらの処理には、それぞれ困難な問題がある。
(1) 燃焼処理は、省エネ対策とCO2 ガスの排出による環境破壊の問題がある。
(2) 堆肥化は、生ゴミに混入しているプラスチックフィルム等の混入物の分別を要し、処理時間が掛り、広大な敷地や設備等が必要である。また、肥料としての用途が限定されるため、経済的にも需要の点でも合理的な扱いが困難である。
(3) 醗酵方式によるガス回収は、堆肥化と同様に処理時間が掛かり、広大な敷地と大型の設備等が必要となり、ガス回収後の残渣の処理が困難である。
【0005】
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、生ゴミに包装用紙、プラスチックフィルム類等の混入があっても問題なく処理を行うことができる生ゴミ処理装置及び生ゴミ処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、生ゴミを投入する生ゴミ投入部と、前記生ゴミ投入部に連結し、投入された前記生ゴミを加熱しながら圧送する予備乾燥部と、前記予備乾燥部に連結し、前記予備乾燥部から圧送された前記生ゴミを密閉状態で圧送しながら複数の過熱蒸気発生装置によってそれぞれ噴射される高温の水蒸気によって熱分解する連続熱分解部とを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、生ゴミを投入する生ゴミ投入部と、前記生ゴミ投入部に連結し、投入された前記生ゴミを加熱しながら圧送する前部予備乾燥部と、前記前部予備乾燥部の終端部に位置し、予備乾燥された前記生ゴミに含まれる異物を取り除く異物除去部と、前記異物除去部に連結し、前記異物が除去された前記生ゴミを加熱しながら圧送する後部予備乾燥部と、前記後部予備乾燥部に連結し、前記後部予備乾燥部から圧送された前記生ゴミを密閉状態で圧送しながら複数の過熱蒸気発生装置によってそれぞれ噴射される高温の水蒸気によって熱分解する連続熱分解部とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1記載の生ゴミ処理装置において、前記予備乾燥部は、スクリューフィーダと、前記スクリューフィーダを回転駆動させるモータと、前記スクリューフィーダの外周に設けた加熱ヒータと、前記スクリューフィーダの外周に設けた水蒸気抜き用の部屋とを備え、前記水蒸気抜き用の部屋は、真空ポンプによって前記スクリューフィーダ内の水蒸気を脱気回収する機構に連絡していることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項2記載の生ゴミ処理装置において、前記前部予備乾燥部は、スクリューフィーダと、前記スクリューフィーダを回転駆動させるモータと、前記スクリューフィーダの外周に設けた加熱ヒータと、前記スクリューフィーダの外周に設けた水蒸気抜き用の部屋とを備え、前記水蒸気抜き用の部屋は、真空ポンプによって前記スクリューフィーダ内の水蒸気を脱気回収する機構に連絡していることを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項3記載の生ゴミ処理装置において、前記予備乾燥部は、前記生ゴミ投入部との連結部に位置する前記スクリューフィーダの外周に水抜き用の開口部を備えていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項4記載の生ゴミ処理装置において、前記前部予備乾燥部は、前記生ゴミ投入部との連結部に位置する前記スクリューフィーダの外周に水抜き用の開口部を備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項7に係る発明は、請求項1、請求項3又は請求項5の何れか記載の生ゴミ処理装置において、前記連続熱分解部は、2軸のスクリューフィーダと、前記2軸のスクリューフィーダを回転駆動させるモータと、前記予備乾燥部と前記2軸のスクリューフィーダとの連結部の外周に設けた水蒸気抜き用の部屋と、前記水蒸気抜き用の部屋より下流側の前記2軸のスクリューフィーダの外周に間隔を置いて設けた過熱蒸気発生装置とを備え、前記水蒸気抜き用の部屋は、真空ポンプによって前記2軸のスクリューフィーダ内の水蒸気を脱気回収する機構に連絡し、前記過熱蒸気発生装置は、前記2軸のスクリューフィーダの外周との間にそれぞれ部屋を備え、前記部屋は、真空ポンプによって吸引し可燃性ガスと水蒸気とを分離回収する機構にそれぞれ連絡し、最後の前記過熱蒸気発生装置の下流側には、熱分解物排出部を備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項8に係る発明は、請求項2、請求項4又は請求項6の何れか記載の生ゴミ処理装置において、前記連続熱分解部は、2軸のスクリューフィーダと、前記2軸のスクリューフィーダを回転駆動させるモータと、前記後部予備乾燥部と前記2軸のスクリューフィーダとの連結部の外周に設けた水蒸気抜き用の部屋と、前記水蒸気抜き用の部屋より下流側の前記2軸のスクリューフィーダの外周に間隔を置いて設けた過熱蒸気発生装置とを備え、前記水蒸気抜き用の部屋は、真空ポンプによって前記2軸のスクリューフィーダ内の水蒸気を脱気回収する機構に連絡し、前記過熱蒸気発生装置は、前記2軸のスクリューフィーダの外周との間にそれぞれ部屋を備え、前記部屋は、真空ポンプによって吸引し可燃性ガスと水蒸気とを分離回収する機構にそれぞれ連絡し、最後の前記過熱蒸気発生装置の下流側には、熱分解物排出部を備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項9に係る発明は、請求項7又は請求項8記載の生ゴミ処理装置において、前記熱分解物排出部は、前記2軸のスクリューフィーダの排出口に設けた排出バルブを備え、前記排出バルブは、前記2軸のスクリューフィーダの排出口に向かって圧送される熱分解物の圧力によって開閉されることを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項1乃至請求項9の何れか記載の生ゴミ処理装置において、前記連続熱分解部は、内部が大気圧より低い圧力雰囲気で密閉されていることを特徴とする。
【0013】
請求項11に係る発明は、請求項2、請求項4、請求項6、請求項8、請求項9又は請求項10の何れか記載の生ゴミ処理装置において、前記異物除去部は、前記前部予備乾燥部の終端部に位置し、予備乾燥された前記生ゴミを移送する第一の移送部と、前記第一の移送部で移送される予備乾燥された前記生ゴミを移送する第二の移送部と、前記第二の移送部に設けられる金属探知機と、前記第二の移送部を設置する作業用のステージとを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項12に係る発明は、請求項1、請求項3、請求項5、請求項7、請求項9又は請求項10の何れか記載の生ゴミ処理装置と、前記予備乾燥部に連結し、前記予備乾燥部で発生する水蒸気を脱気回収する水蒸気脱気回収装置と、前記予備乾燥部と前記連続熱分解部との連結部に連結し、最上流部の前記過熱蒸気発生装置で発生する水蒸気を脱気回収する水蒸気脱気回収装置と、前記最上流部の過熱蒸気発生装置以降の各前記過熱蒸気発生装置で発生する水蒸気又は可燃性ガスを真空ポンプによって吸引し可燃性ガスと水蒸気とを分離回収するガス水蒸気分離回収装置と、前記ガス水蒸気分離回収装置に連絡するガス改質装置と、前記ガス改質装置に連絡する発電機と、前記連続熱分解部の最下流部に連絡する熱分解物回収コンベヤとを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項13に係る発明は、請求項2、請求項4、請求項6、請求項8、請求項9、請求項10又は請求項11の何れか記載の生ゴミ処理装置と、前記前部予備乾燥部及び前記後部予備乾燥部又は前記前部予備乾燥部に連結し、前記前部予備乾燥部及び前記後部予備乾燥部又は前記前部予備乾燥部で発生する水蒸気を脱気回収する水蒸気脱気回収装置と、前記後部予備乾燥部と前記連続熱分解部との連結部に連結し、最上流部の前記過熱蒸気発生装置で発生する水蒸気を脱気回収する水蒸気脱気回収装置と、前記最上流部の過熱蒸気発生装置以降の各前記過熱蒸気発生装置で発生する水蒸気又は可燃性ガスを真空ポンプによって吸引し可燃性ガスと水蒸気とを分離回収するガス水蒸気分離回収装置と、前記ガス水蒸気分離回収装置に連絡するガス改質装置と、前記ガス改質装置に連絡する発電機と、前記連続熱分解部の最下流部に連絡する熱分解物回収コンベヤとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、生ゴミを処理装置に投入してから、その後の行程を連続して処理を行い、行程で発生する可燃ガスや水、僅かな熱分解による炭化物残渣を回収し、可燃性ガスは電力にしてリサイクルし、水分は蒸留水としてリサイクル活用し、微小な熱分解による炭化物残渣は、土の改良用、又は燃料となり装置の補助エネルギーとして利用することができる。
しかも、生ゴミに往々にして入る包装用紙、プラスチックフィルム類等の混入があっても問題なく処理を行うことができ、行程及び処理後においても環境に影響を与えない効率の良い連続処理方式の生ゴミ処理を提供することができる。
【0017】
また、生ゴミ投入から処理残渣が排出するまでを連続して処理し、水とカーボン化した残渣のみを排出するので、その熱分解により炭化した残渣は緑化土地改良材、又は、ボイラーの補助燃料などに利用できる。
また、本発明は、生ゴミを予備乾燥した後に生ゴミに含まれる異物を除去した後、生ゴミを熱分解するので、残渣は緑化土地改良材、又は、ボイラーの補助燃料などに利用できる。
【0018】
本発明の生ゴミ処理システムによれば、高温蒸気発生装置を装備した熱分解路で熱分解することにより、熱分解された生ゴミから発生する可燃ガスを回収して、発電エネルギーとして利用し、水分は蒸気で回収し水に還元することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第一実施形態に係る生ゴミ処理装置1及びこの生ゴミ処理装置1を用いる生ゴミ処理システム3を示す概略平面図である。
【図2】図1の生ゴミ投入部10と予備乾燥部20とを示す概略正面図である。
【図3】図1の生ゴミ投入部10を示す概略側面図である。
【図4】図1のA−A線に沿った連続熱分解部30を示す概略正面図である。
【図5】図1の過熱蒸気発生装置40を示す概略側面図である。
【図6】図5の過熱蒸気発生装置40の流体加熱装置41を示す概略断面図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る生ゴミ処理装置1A及びこの生ゴミ処理装置1Aを用いる生ゴミ処理システム3Aを示す概略平面図である。
【図8】図7の前部予備乾燥部と異物除去部とを示す概略側面図である。
【図9】図7の異物除去部と後部予備乾燥部とを示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る生ゴミ処理装置1及びこの生ゴミ処理装置1を用いる生ゴミ処理システム3を示す。
本実施形態に係る生ゴミ処理装置1は、生ゴミ投入部10と、この生ゴミ投入部10に連結し、生ゴミを加熱しながら圧送する予備乾燥部20と、この予備乾燥部20に連結し、予備乾燥部20によって圧送された生ゴミを密閉状態で圧送しながら複数の過熱蒸気発生装置40においてそれぞれ噴射される高温の水蒸気で熱分解する連続熱分解部30とを備えている。
【0021】
生ゴミ投入部10は、図1乃至図3に示すように、ホッパ11と、このホッパ11に生ゴミを投入する投入機12とを備えている。投入機12は、例えば、生ゴミ投入口14を有するシリンダ13内にスクリュー(図示せず)を回転自在に設置している。
ホッパ11は、予備乾燥部20の供給口21に連結されている。
予備乾燥部20は、図1乃至図3に示すように、シリンダ23内にスクリュー24を回転自在に配置したスクリューフィーダ22と、スクリュー24に変速機26を介して連絡しスクリュー24を回転駆動させるモータ25と、シリンダ23の外周に設けた加熱ヒータ27と、シリンダ23の外周に設けた水蒸気抜き用の部屋28とを備えている。
【0022】
本実施形態では、2つのスクリューフィーダ22を直交させる構造としてある。そのため、下流側のスクリューフィーダ22には、スクリュー24を変速機26を介して連絡しスクリュー14を回転駆動させるモータ25が設けてある。
なお、2つのスクリューフィーダ22を1つのスクリューフィーダ22としても良い。この場合には、モータ25及び変速機26は1つとする。
ホッパ11と連結する供給口21は、スクリュー24を被うシリンダ23に水が抜ける隙間を形成するとともに、その部位に水抜き機構21aを備え、分散して出た水は汚水処理装置(図示しない)に排水される。ここで、水抜き機構21aとしては、例えば、シリンダ23の一部に金網や穴あきパイプを設置する等の処理を施すことによって水抜きが容易に行えるように構成されている。
【0023】
加熱ヒータ27は、シリンダ23内をスクリュー24によって圧送される生ゴミから絞り出される水を水蒸気に変換するために用いられる。例えば、電熱ヒータ、蒸気ジャケット等によって構成されている。本実施形態では、加熱ヒータ27は、シリンダ23のほぼ全長に亘って外周を所定の間隔で設けられている。
水蒸気抜き用の部屋28は、加熱ヒータ27の加熱で発生した水蒸気を抜く脱気口29を備えている。脱気口29は、圧力計、調整弁を備えた管路29aに連結されている。管路29aは、水蒸気脱気回収装置に連結され、真空ポンプによって水蒸気を脱気口29から吸引し、水を分離する機能を備えている。
【0024】
予備乾燥部20の下流側のスクリューフィーダ22は連続熱分解部30の供給口31に連結されている。
連続熱分解部30は、図1、図4、図5、図6に示すように、シリンダ33内に2つスクリュー34を回転自在に配置した2軸のスクリューフィーダ32と、2つスクリュー34を変速機36を介して連絡し2つのスクリュー34を回転駆動させるモータ35と、予備乾燥部20の下流側のスクリューフィーダ22と2軸のスクリューフィーダ32との連結部(供給口31)の外周に設けた水蒸気抜き用の部屋37と、この水蒸気抜き用の部屋37より下流側の2軸のスクリューフィーダ32の外周に間隔を置いて設けた5つの過熱蒸気発生装置40と、最後の過熱蒸気発生装置40の下流側に設けた熱分解物排出部67とを備えている。
【0025】
水蒸気抜き用の部屋37は、図4に示すように、予備乾燥部20の水蒸気抜き用の部屋28と同様に、加熱ヒータ27の加熱で発生した水蒸気を抜く脱気口38を備えている。脱気口38は、圧力計、調整弁を備えた管路29aに連結されている。
過熱蒸気発生装置40は、例えば、特許第3790503号公報に記載の蒸気発生システムに用いられる流体加熱装置41を使用している。
【0026】
流体加熱装置41には、蒸気を発生させるために霧状の水を噴射するスプレー64と、電磁誘導加熱し、スプレー64から噴射された水を高温の蒸気にするために導電性管状コイル54に通電を行わせるIH(Induction Heating:電磁誘導加熱)電源62と、2軸のスクリューフィーダ32によって圧送される生ゴミに過熱蒸気発生装置40から噴出される高温の蒸気を吹き付ける熱分解室65と、熱分解室65の外周に設けられ水蒸気を抜き出す脱気口66とを備えている。脱気口66は、圧力計、調整弁を備えた管路65aに連結されている。管路65aは、ガス水蒸気分離回収装置81に連結され、真空ポンプによって可燃性ガスと水蒸気とを脱気口66から吸引し、可燃性ガスと水とに分離し、可燃性ガスをガス改質装置82を経て発電機83の駆動用の燃料とする。
【0027】
各熱分解室65は、2軸のスクリューフィーダ32のシリンダ33から立ち上がり、各過熱蒸気発生装置40によって生ゴミを満遍なく焼成するための仕切りを形成している。
なお、スプレー64に供給する水は、圧力計、調整弁を備えた管路64aに連結されている。管路64aは、例えば、温水タンク(図示せず)などの水供給源に連絡している。また、管路65aを介して回収された水は、特許第3790503号公報に記載のように、温水タンクへ流入し、さらに流体加熱装置へ流入する。また、温水タンクと流体加熱装置との間には、吸水口が設けられている。なお、流体加熱装置において滴状になった水分はスプレーを介して温水タンクに回収される。
【0028】
次に、図5、図6を用いて流体加熱装置41の詳細について説明する。
導電性を有するステンレス製の筒状部材42には、蒸気発生部である貫通穴43が形成されている。この貫通穴43は、軸長方向に貫通する円形形状を有している。貫通穴43の表面は、切削加工を行った後、ホーミング加工等の研磨加工により、鏡面状に精度良く仕上げられ、管摩擦抵抗が小さくされている。筒状部材42の一端側の外縁部には、円環状のフランジ部44が一体形成されている。
このフランジ部44の側面には、貫通穴43と同心円上に複数の雌螺子孔が形成されている。また、貫通穴43の両端部には、円形状のスリーブ挿入穴45が拡径形成されている。このスリーブ挿入穴45には、ステンレス製の円筒状のスリーブ46が挿入されている。
【0029】
このスリーブ46には、テーパ状の支持部材当接部が形成されている。また、筒状部材42の一端側には金属製の円環状のポート部材47が配置されており、他端側には金属製の円環状のポート部材48が配置されている。
ポート部材47の側面には、フランジ部44の雌螺子孔の位置と対応する位置にボルト挿通孔が貫通して形成されている。このボルト挿通孔の筒状部材42と反対側には、座ぐり孔が拡径形成されている。また、ポート部材47の中心には、スリーブ46の内径寸法よりも小さな内径寸法の流入側開口部が形成されている。この流入側開口部の貫通穴43側は、筒状部材42側に向けて広がるテーパ状に形成されており、この端部の径寸法は、スリーブ46の内径寸法と同一に形成されている。
【0030】
また、ポート部材47の筒状部材42側の側面には、側方に突出する円環状の凸部が一体形成されている。この凸部の外形寸法は、スリーブ挿入穴45の内径寸法に対応する寸法とされている。そして、ポート部材47は、凸部をスリーブ挿入穴45に嵌合し、ボルトを雌螺子孔に螺合することにより筒状部材42のフランジ部44に固定されている。
さらに、ポート部材47の筒状部材42側と反対側には、導電性管状コイル54に連結される配管59と連結された連結部49が形成されている。
また、ポート部材48の側面には、ボルト挿通孔が貫通して形成されている。このボルト挿通孔の筒状部材42と反対側には、座ぐり孔が拡径形成されている。また、ポート部材48の中心には、スリーブ46の内径寸法よりも小さな内径寸法の流出側開口部50が形成されている。この流出用開口部50の貫通穴43側は、筒状部材42側に向けて広がるテーパ状に形成されており、この端部の径寸法は、スリーブ46の内径寸法と同一に形成されている。
【0031】
さらに、ポート部材48の筒状部材42側の側面には、側方に突出する円環状の凸部が一体形成されている。この凸部の外形寸法は、スリーブ挿入穴45の内径寸法に対応する寸法とされている。そして、ポート部材48は、凸部をスリーブ挿入穴45に嵌合し、ボルトを雌螺子孔に螺合することにより筒状部材42のフランジ部44に固定されている。
また、筒状部材42には、貫通穴43の中心軸Z上に金属製のコア部材51が6個配置されている。このコア部材51の中心軸Z方向両側には、金属製のコア支持部材52がコア部材51を挟持して配置されている。このコア支持部材52は、貫通穴43の中心軸Zを中心にして回転可能とされている。なお、この実施形態では、コア部材51の側部にそれぞれ4個のコア支持部材52が配置されている。
【0032】
また、筒状部材42の外周面には、軸長方向に沿って円筒状に断熱層である断熱材53が巻回されている。この断熱材53の外周には、導電性管状コイル54が筒状部材42の他端側から挿入されている。そして、この導電性管状コイル54内に水が流通され、導電性管状コイル54が冷却される。そのため、導電性管状コイル54には銅等の耐食性の良い材料が用いられる。
また、筒状部材42を覆うようにステンレス製のカバー部材56が筒状部材42の他端側から挿入されている。このカバー部材56は、螺子によりポート部材48に、不図示の螺子によりポート部材47に固定されている。また、カバー部材56には、導電性管状コイル54と干渉せずに挿通するためにスリットが形成されている。そして、このカバー部材56と筒状部材42とポート部材48とにより、導電性管状コイル54を収容する収容部が形成され、この収容部も断熱層としての役割を果たしている。
【0033】
導電性管状コイル54一端にはパイプジョイント57が外嵌され、さらに、このパイプジョイント57にはホース55の一端が連結されている。ホース55の他端はパイプジョイント58に連結され、このパイプジョイント58には配管59が内嵌されている。また、導電性管状コイル54の他端にも、パイプジョイント57が外嵌され、さらに、このパイプジョイント57にはホース55の一端が連結されている。ホース55の他端はパイプジョイント58に連結され、このパイプジョイント58には配管59が内嵌されている。また、導電性管状コイル54の両端側に設けられたターミナル60にはそれぞれハーネス61が半田付けされ、このハーネス61はIH電源62の両極に接続される。
【0034】
次に、流体加熱装置41の昇温方法について説明する。
導電性管状コイル54に電流を流すとその周囲に磁力線が発生し、筒状部材42にうず電流が発生し、筒状部材42に抵抗熱が発生する。この抵抗熱により、筒状部材42の貫通穴43を通過する水が気化され、蒸気となる。ここで、導電性管状コイル54に流す電流に関しては、20KHz以上の高周波電流が好ましい。
また、導電性管状コイル54には、電流が通電されるため、導電性管状コイル54自身も発熱する。この発熱した導電性管状コイル54の冷却は、その管内を流れる水により行われる。この水は、温水タンクまたは吸水口等から供給される。また、導電性管状コイル54により昇温された水は、蒸気となって配管59より流出し、連結部49より貫通穴43内へ流入する。
【0035】
そして、蒸気は、ポート部材47の流入側開口部から貫通穴43内に流入し、流入側のコア支持部材52の外側の隙間と内側の隙間とを通過して分散され、筒状部材42の貫通穴43の中心軸Z上に支持される球形状のコア部材51の先端から外周面に沿って貫通穴43の内壁側に拡散され、貫通穴43の内周面とコア部材51の外周面とにより圧縮された後、再び拡散され、流出側のコア支持部材52の外側の隙間と内側の隙間とを通過して分散され、そして、ポート部材48の流出側開口部50において一体化されて、混合された状態で流出される。
この際に、蒸気の流れによりコア支持部材52が貫通穴43の中心軸Zを中心にして回転し、蒸気を分散する流路が不規則に変化する。すなわち、蒸気は、流路の横断面積が変化することにより、分散・拡散・圧縮・拡散・分散が繰り返され、流体流動により攪拌され、さらに、蒸気を分散する流路の不規則な変化により、さらに攪拌流動が発生して均一に混合される。
【0036】
最後の過熱蒸気発生装置40の下流側に設けた熱分解物排出部67は、図1、図4、図5に示すように、2軸のスクリューフィーダ32の後端部側に位置し、2軸のスクリューフィーダ32によって搬出される熱分解して炭化した生ゴミを排出するために、2軸のスクリューフィーダ32に対して直交して配置されている。
熱分解物排出部67は、水冷シリンダ69内に水冷スクリュー70を回転自在に配置したスクリューフィーダ68と、水冷スクリュー70に変速機72を介して連絡し水冷スクリュー70を回転駆動させるモータ71と、水冷シリンダ69の外周に設けた熱分解物受入口73と、スクリューフィーダ68の後端部に設けた排出口バッフル74と、排出口バッフル74から排出される熱分解した炭化物を搬送するコンベヤ75とを備えている。
【0037】
水冷シリンダ69には、冷却用の水をシリンダ内に供給排水する管路76が連絡している。水冷スクリュー70には、冷却用の水をスクリュー内に供給排水する管路77が回転ジョイント78を介して連絡している。
排出口バッフル74は、コイルばねを介して開閉するバルブで構成され、水冷スクリュー70の先端に樹脂が集まることで圧力が上昇し負荷が高まることで、自動的に開閉するように、コイルばねの強度が設定されている。残渣排出に開閉することにより全体装置の運転・停止時に水冷スクリュー70とそれを覆っている水冷シリンダ69との空隙から外部大気の流入を防ぎ、連続熱分解部30の機密を維持する。
【0038】
次に、本実施形態に係る生ゴミ処理装置1及びこの生ゴミ処理装置1を用いる生ゴミ処理システム3の作用を説明する。
先ず、搬送された生ゴミを投入機12によってホッパ11から生ゴミ投入部10に連続的に投入する。
生ゴミ投入部10に投入された生ゴミは、モータ25によって回転駆動されるスクリューフィーダ22に供給口21から送り込まれる。そして、供給口21の部位に設けられた水抜き機構21aによって分散して出た水は汚水処理装置(図示しない)に排水される。
【0039】
次に、生ゴミは、スクリューフィーダ22による押し込み力によって圧密されながら水切りされながら搬送される。同時に、生ゴミは、加熱ヒータ27によって加温され、絞り出された水が水蒸気に変換される。この水蒸気は、スクリューフィーダ22のシリンダ23の外周に設けた水蒸気抜き用の部屋28の脱気口29から管路29aを介して真空ポンプによって水蒸気脱気回収装置に吸引される。
このため、生ゴミは、加熱ヒータ27によって加熱されるスクリューフィーダ22内で混練移送されながら圧密されて脱水されつつ発生する水蒸気が数カ所の脱気口29から強制的に吸引され、生ゴミに含まれている水を分離する予備乾燥処理を受けることとなる。
【0040】
次に、スクリュー押出圧力により脱気され半乾燥状態にされた生ゴミは、予備乾燥部20の下流側のスクリューフィーダ22から連続熱分解部30の供給口31に送り込まれる。連続熱分解部30は、外気を遮断し密閉された槽内部を可燃性ガス及び水蒸気を回収をするために真空ポンプにより大気圧より低圧(例えば、400mmhg〜500mmhg)にしてある。
次に、連続熱分解部30に移送された予備乾燥された生ゴミは、最初に予備乾燥部20と同様に水蒸気抜き用の部屋37の脱気口38から管路29aを介して真空ポンプによって水蒸気脱気回収装置に吸引される。
【0041】
次に、予備乾燥された生ゴミは、シリンダ33内を撹拌微移動する2つのスクリュー34による押圧力で混練りされながら第一の高温蒸気発生装置40へ移送され、熱分解室65において流体加熱装置41から噴出される高温の水蒸気(例えば、400℃〜500℃)に晒され、熱分解される。ここで発生したガスは水蒸気を含んでいるだけの可燃ガスである。この熱分解によって発生する可燃性ガス及び水蒸気は、脱気口66から管路65aを介して真空ポンプによって強制的に吸引され、ガス水蒸気分離回収装置81において、可燃性ガスと水とに分離され、可燃性ガスをガス改質装置82を経て発電機83の駆動用の燃料とされる。
【0042】
次に、第一の高温蒸気発生装置40による熱分解処理を施された生ゴミは、以下順次第二の高温蒸気発生装置40から第五の高温蒸気発生装置40による熱分解処理が施される。
この5段階の熱分解処理によって、生ゴミは、熱分解される。
次に、熱分解された生ゴミは、第五の高温蒸気発生装置40の残渣排出口において、第五の過熱蒸気発生装置40の下流側に設けた熱分解物排出部67の熱分解物受入口73からスクリューフィーダ68に落下し、スクリューフィーダ68によって搬出される。
次に、スクリューフィーダ68の先端部まで搬送されると、熱分解した生ゴミが集まることでスクリューフィーダ68内の圧力が上昇し負荷が高まり、排出口バッフル74が自動的に開閉する。
【0043】
次に、排出口バッフル74から排出された熱分解物は、コンベヤ75上に落下し、例えば、燃料として利用される。
本実施形態では、上述の操作を繰り返すことによって、生ゴミに包装用紙、プラスチックフィルム類等の混入があっても連続的に処理することができる。
また、各工程中に発生する水蒸気は、水として回収し、冷却水として再利用される。蒸留水となっているため環境に影響しない。
また、熱分解処理により処理後に残る残渣は熱分解物となって排出され、土地改良材として利用できる。また、装置の補助熱源の燃料として利用できる。
【0044】
処理工程から排出される残渣は全て再利用可能なため、発生する有害物はほぼ皆無である。
熱分解は密閉容器内において撹拌と微速移動しながら高温蒸気により行うため、外気と遮断されている。
熱分解工程で発生するガスを回収し発電する。それにより装置の電力の一部を賄い、また売電することによりランニングコストを下げることになる。排出ガスが出ないため環境に影響しない。
【0045】
また、上述した実施形態の流体加熱装置41では、ステンレス製の筒状部材42は導電性を有するので、筒状部材42の外周面上を周回する導電性管状コイル54が通電されると、筒状部材42には渦電流が流れ、筒状部材42は発熱され、筒状部材42の貫通穴43を流れる水を手軽かつ容易に高温の蒸気にすることができる。
また、導電性管状コイル54への通電量を増加させて水の昇温効果を向上させるために、導電性管状コイル54内に水が流通されるので、筒状部材42をより高温にすることができ、より高温の蒸気を発生させることができる。
さらに、筒状部材42の外周面上は、筒状の断熱材53により覆われるので、筒状部材42の外周面からの熱の逃げを少なくすることができる。
【0046】
また、筒状部材42の一端側に設けられるポート部材47の流入側開口部から流入した水が、流入側のコア支持部材52の隙間を通過して分散され、筒状部材42の貫通穴43の中心軸Z上に支持されるコア部材51の外周に沿って貫通穴43の内壁側に拡散された後、流出側のコア支持部材52の隙間を通過して分散される。そして、ポート部材48の流出側開口部50により一体化されて、混合された状態で流出される。加えて、コア支持部材52を筒状部材42の貫通穴43の中心軸Zを中心にして回転可能に配置したので、水の流れに応じたコア支持部材52の回転により、水の流路が不規則に変化して、水の撹拌効率が向上し、水が確実に混合され確実に蒸気に変換することができる。
【0047】
なお、上記実施形態では、連続熱分解部30に水蒸気抜き用の部屋28を設けた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、連続熱分解部30を水蒸気抜き用の部屋28を設けずに複数の高温蒸気発生装置40を配置した構成としても良い。
また、上記実施形態では、連続熱分解部30に5つの高温蒸気加熱装置40を設けた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、高温蒸気加熱装置40は、処理能力に応じた数にすれば良い。
【0048】
図7乃至図9は、本発明の第二実施形態に係る生ゴミ処理装置1A及びこの生ゴミ処理装置1Aを用いる生ゴミ処理システム3Aを示す。
本実施形態に係る生ゴミ処理装置1Aは、第一実施形態における予備乾燥部20を、前部予備乾燥部20Aと後部予備乾燥部20Bとに分け、前部予備乾燥部20Aと後部予備乾燥部20Bとの間に異物除去部90を備えた点で、第一実施形態に係る生ゴミ処理装置1とは相違する。その他の構成は、第一実施形態に係る生ゴミ処理装置1と同様であるからこれらの説明は省略する。
【0049】
先ず、前部予備乾燥部20Aは、第一実施形態に係る生ゴミ処理装置1における生ゴミ投入口14を有する前段のスクリューフィーダ22と同様に構成されており、終端部に乾燥材料排出口201を備えている。
従って、この前部予備乾燥部20Aには、図1と同様に、生ゴミ投入部10を備えている。
【0050】
次に、異物除去部90は、前部予備乾燥部20Aの乾燥材料排出口201から排出される予備乾燥された生ゴミ(乾燥材料)を搬送する傾斜コンベヤ91と、この傾斜コンベヤ91にて搬送される予備乾燥された生ゴミ(乾燥材料)を搬送するコンベヤ92と、このコンベヤ92に設けられる金属探知機93と、コンベヤ92を設置する作業用のステージ94とを備えている。
【0051】
傾斜コンベヤ91は、前部予備乾燥部20Aの乾燥材料排出口201から排出される予備乾燥された生ゴミ(乾燥材料)を受け取る平坦部91aと、この平坦部91aに連なり作業用のステージ94上に設けられたコンベヤ92へ予備乾燥された生ゴミ(乾燥材料)を搬送する傾斜部91bと、コンベヤ92へ予備乾燥された生ゴミ(乾燥材料)を排出するための平坦部91cとを備えている。平坦部91a、傾斜部91b及び平坦部91cは、無端状の搬送ベルトが掛け渡してあり、図示しないモータによって搬送ベルトを回動させるように構成されている。
【0052】
作業用のステージ94上に設けられたコンベヤ92は、傾斜コンベヤ91の平坦部91cから排出される予備乾燥された生ゴミ(乾燥材料)を受け取るホッパ92aを備えている。
コンベヤ92は、予備乾燥された生ゴミ(乾燥材料)に含まれる金属、ガラス、陶器、磁器、砂、砂利、石などの無機物を作業者によって取り除くための選別コンベヤとして機能するために設けられている。
【0053】
そのため、上流側に金属探知機93を設けて予備乾燥された生ゴミ(乾燥材料)の中に金属が含まれていることを機械的に検知し、その後に手作業でその金属を取り除くことができるようにしてある。
また、コンベヤ92には、回収物を排出するためのシュート95が併設されてある。
作業用のステージ94は、作業者の人員に応じて大きくすることは可能である。又、作業用のステージ94には、両側部に昇降階段94aが設けられている。
【0054】
次に、後部予備乾燥部20Bは、第一実施形態に係る生ゴミ処理装置1における連続熱分解部30に連なる後段のスクリューフィーダ22と同様に構成されており、異物除去部90のコンベヤ92から排出される異物が除かれた予備乾燥された生ゴミ(乾燥材料)を受け取るためのホッパ20bを備えている。
なお、本実施形態では、水蒸気抜き用の部屋及び脱気口を省略してあるが、第一実施形態と同様に備えても良い。
【0055】
次に、本実施形態に係る係る生ゴミ処理装置1A及びこの生ゴミ処理装置1Aを用いる生ゴミ処理システム3Aの作用を説明する。
先ず、搬送された生ゴミを投入機12によってホッパ11から生ゴミ投入部10に連続的に投入する。
生ゴミ投入部10に投入された生ゴミは、モータ25によって回転駆動されるスクリューフィーダ22に供給口21から送り込まれる。そして、供給口21の部位に設けられた水抜き機構21aによって分散して出た水は汚水処理装置(図示しない)に排水される。
【0056】
次に、生ゴミは、スクリューフィーダ22による押し込み力によって圧密されながら水切りされながら搬送される。同時に、生ゴミは、加熱ヒータ27によって加温され、絞り出された水が水蒸気に変換される。この水蒸気は、スクリューフィーダ22のシリンダ23の外周に設けた水蒸気抜き用の部屋28の脱気口29から管路29aを介して真空ポンプによって水蒸気脱気回収装置に吸引される。
このため、生ゴミは、加熱ヒータ27によって加熱されるスクリューフィーダ22内で混練移送されながら圧密されて脱水されつつ発生する水蒸気が数カ所の脱気口29から強制的に吸引され、生ゴミに含まれている水を分離する予備乾燥処理を受けることとなる。
【0057】
次に、スクリュー押出圧力により脱気され半乾燥状態にされた生ゴミは、乾燥材料排出口201から傾斜コンベヤ91の平坦部91a上に落下し、傾斜コンベヤ91にて搬送され、傾斜コンベヤ91の平坦部91cからコンベヤ92のホッパ92aに落下する。
次に、半乾燥状態にされた生ゴミは、コンベヤ92によって搬送され、金属探知機93によって半乾燥状態にされた生ゴミに含まれる金属が検出されると、作業用のステージ94上の作業者がその指示に従って取り除く。また、作業者がコンベヤ92上を搬送される半乾燥状態にされた生ゴミを目視しながら、その他の異物が含まれているか否かを確認し、異物を排除する作業を行う。
【0058】
次に、異物回収作業後の半乾燥状態にされた生ゴミは、コンベヤ92から後部予備乾燥部20Bのホッパ20bから後部予備乾燥部20B内に送り込まれる。
次に、後部予備乾燥部20Bにてさらに予備乾燥された生ゴミは、連続熱分解部30の供給口31に送り込まれる。
以下、予備乾燥された生ゴミは、連続熱分解部30において、第一実施形態と同様に処理される。
【0059】
以上のように、本実施形態では、前部予備乾燥部20Aで処理された生ゴミに含まれる異物を、異物除去部90において除去するため、後段の連続熱分解部30における連続熱分解効率が向上し、生ゴミをより純度の高い熱分解物に置き換えることが可能となる。
また、異物が効果的に除去されるため、連続熱分解部30の耐久性が向上する。
なお、本実施形態では、前部予備乾燥部20Aと異物除去部90とを傾斜コンベヤ91によって連絡する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、昇降装置やスクリューフィーダなどを用いても良い。
【符号の説明】
【0060】
1、1A 生ゴミ処理装置
3、3A 生ゴミ処理システム
10 生ゴミ投入部
11 ホッパ
12 投入機
13、23、33 シリンダ
14 生ゴミ投入口
20 予備乾燥部
20A 前部予備乾燥部
20B 後部予備乾燥部
21、31 供給口
21a 水抜き機構
22 スクリューフィーダ
24、34 スクリュー
25、35、71 モータ
26、36、72 変速機
27 加熱ヒータ
28、37 水蒸気抜き用の部屋
29、38、66 脱気口
29a、64a、65a、76、77 管路
30 連続熱分解部
32 2軸のスクリューフィーダ
40 過熱蒸気発生装置
41 流体加熱装置
54 導電性管状コイル
62 IH(Induction Heating:電磁誘導加熱)電源
64 スプレー
65 熱分解室
67 熱分解物排出部
68 スクリューフィーダ
69 水冷シリンダ
70 水冷スクリュー
73 熱分解物受入口
74 排出口バッフル
75 コンベヤ
78 回転ジョイント
81 ガス水蒸気分離回収装置
82 ガス改質装置
83 発電機
90 異物除去部
91 傾斜コンベヤ
92 コンベヤ
93 金属探知機
94 作業用のステージ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生ゴミを投入する生ゴミ投入部と、
前記生ゴミ投入部に連結し、投入された前記生ゴミを加熱しながら圧送する予備乾燥部と、
前記予備乾燥部に連結し、前記予備乾燥部から圧送された前記生ゴミを密閉状態で圧送しながら複数の過熱蒸気発生装置によってそれぞれ噴射される高温の水蒸気によって熱分解する連続熱分解部と
を備えることを特徴とする生ゴミ処理装置。
【請求項2】
生ゴミを投入する生ゴミ投入部と、
前記生ゴミ投入部に連結し、投入された前記生ゴミを加熱しながら圧送する前部予備乾燥部と、
前記前部予備乾燥部の終端部に位置し、予備乾燥された前記生ゴミに含まれる異物を取り除く異物除去部と、
前記異物除去部に連結し、前記異物が除去された前記生ゴミを加熱しながら圧送する後部予備乾燥部と、
前記後部予備乾燥部に連結し、前記後部予備乾燥部から圧送された前記生ゴミを密閉状態で圧送しながら複数の過熱蒸気発生装置によってそれぞれ噴射される高温の水蒸気によって熱分解する連続熱分解部と
を備えることを特徴とする生ゴミ処理装置。
【請求項3】
請求項1記載の生ゴミ処理装置において、
前記予備乾燥部は、
スクリューフィーダと、
前記スクリューフィーダを回転駆動させるモータと、
前記スクリューフィーダの外周に設けた加熱ヒータと、
前記スクリューフィーダの外周に設けた水蒸気抜き用の部屋と
を備え、
前記水蒸気抜き用の部屋は、真空ポンプによって前記スクリューフィーダ内の水蒸気を脱気回収する機構に連絡している
ことを特徴とする生ゴミ処理装置。
【請求項4】
請求項2記載の生ゴミ処理装置において、
前記前部予備乾燥部は、
スクリューフィーダと、
前記スクリューフィーダを回転駆動させるモータと、
前記スクリューフィーダの外周に設けた加熱ヒータと、
前記スクリューフィーダの外周に設けた水蒸気抜き用の部屋と
を備え、
前記水蒸気抜き用の部屋は、真空ポンプによって前記スクリューフィーダ内の水蒸気を脱気回収する機構に連絡している
ことを特徴とする生ゴミ処理装置。
【請求項5】
請求項3記載の生ゴミ処理装置において、
前記予備乾燥部は、前記生ゴミ投入部との連結部に位置する前記スクリューフィーダの外周に水抜き用の開口部を備えている
ことを特徴とする生ゴミ処理装置。
【請求項6】
請求項4記載の生ゴミ処理装置において、
前記前部予備乾燥部は、前記生ゴミ投入部との連結部に位置する前記スクリューフィーダの外周に水抜き用の開口部を備えている
ことを特徴とする生ゴミ処理装置。
【請求項7】
請求項1、請求項3又は請求項5の何れか記載の生ゴミ処理装置において、
前記連続熱分解部は、
2軸のスクリューフィーダと、
前記2軸のスクリューフィーダを回転駆動させるモータと、
前記予備乾燥部と前記2軸のスクリューフィーダとの連結部の外周に設けた水蒸気抜き用の部屋と、
前記水蒸気抜き用の部屋より下流側の前記2軸のスクリューフィーダの外周に間隔を置いて設けた過熱蒸気発生装置と
を備え、
前記水蒸気抜き用の部屋は、真空ポンプによって前記2軸のスクリューフィーダ内の水蒸気を脱気回収する機構に連絡し、
前記過熱蒸気発生装置は、前記2軸のスクリューフィーダの外周との間にそれぞれ部屋を備え、前記部屋は、真空ポンプによって吸引し可燃性ガスと水蒸気とを分離回収する機構にそれぞれ連絡し、
最後の前記過熱蒸気発生装置の下流側には、熱分解物排出部を備えている
ことを特徴とする生ゴミ処理装置。
【請求項8】
請求項2、請求項4又は請求項6の何れか記載の生ゴミ処理装置において、
前記連続熱分解部は、
2軸のスクリューフィーダと、
前記2軸のスクリューフィーダを回転駆動させるモータと、
前記後部予備乾燥部と前記2軸のスクリューフィーダとの連結部の外周に設けた水蒸気抜き用の部屋と、
前記水蒸気抜き用の部屋より下流側の前記2軸のスクリューフィーダの外周に間隔を置いて設けた過熱蒸気発生装置と
を備え、
前記水蒸気抜き用の部屋は、真空ポンプによって前記2軸のスクリューフィーダ内の水蒸気を脱気回収する機構に連絡し、
前記過熱蒸気発生装置は、前記2軸のスクリューフィーダの外周との間にそれぞれ部屋を備え、前記部屋は、真空ポンプによって吸引し可燃性ガスと水蒸気とを分離回収する機構にそれぞれ連絡し、
最後の前記過熱蒸気発生装置の下流側には、熱分解物排出部を備えている
ことを特徴とする生ゴミ処理装置。
【請求項9】
請求項7又は請求項8記載の生ゴミ処理装置において、
前記熱分解物排出部は、前記2軸のスクリューフィーダの排出口に設けた排出バルブを備え、前記排出バルブは、前記2軸のスクリューフィーダの排出口に向かって圧送される熱分解物の圧力によって開閉される
ことを特徴とする生ゴミ処理装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9の何れか記載の生ゴミ処理装置において、
前記連続熱分解部は、内部が大気圧より低い圧力雰囲気で密閉されている
ことを特徴とする生ゴミ処理装置。
【請求項11】
請求項2、請求項4、請求項6、請求項8、請求項9又は請求項10の何れか記載の生ゴミ処理装置において、
前記異物除去部は、
前記前部予備乾燥部の終端部に位置し、予備乾燥された前記生ゴミを移送する第一の移送部と、
前記第一の移送部で移送される予備乾燥された前記生ゴミを移送する第二の移送部と、
前記第二の移送部に設けられる金属探知機と、
前記第二の移送部を設置する作業用のステージと
を備える
を備えることを特徴とする生ゴミ処理装置。
【請求項12】
請求項1、請求項3、請求項5、請求項7、請求項9又は請求項10の何れか記載の生ゴミ処理装置と、
前記予備乾燥部に連結し、前記予備乾燥部で発生する水蒸気を脱気回収する水蒸気脱気回収装置と、
前記予備乾燥部と前記連続熱分解部との連結部に連結し、最上流部の前記過熱蒸気発生装置で発生する水蒸気を脱気回収する水蒸気脱気回収装置と、
前記最上流部の過熱蒸気発生装置以降の各前記過熱蒸気発生装置で発生する水蒸気又は可燃性ガスを真空ポンプによって吸引し可燃性ガスと水蒸気とを分離回収するガス水蒸気分離回収装置と、
前記ガス水蒸気分離回収装置に連絡するガス改質装置と、
前記ガス改質装置に連絡する発電機と、
前記連続熱分解部の最下流部に連絡する熱分解物回収コンベヤと
を備えることを特徴とする生ゴミ処理システム。
【請求項13】
請求項2、請求項4、請求項6、請求項8、請求項9、請求項10又は請求項11の何れか記載の生ゴミ処理装置と、
前記前部予備乾燥部及び前記後部予備乾燥部又は前記前部予備乾燥部に連結し、前記前部予備乾燥部及び前記後部予備乾燥部又は前記前部予備乾燥部で発生する水蒸気を脱気回収する水蒸気脱気回収装置と、
前記後部予備乾燥部と前記連続熱分解部との連結部に連結し、最上流部の前記過熱蒸気発生装置で発生する水蒸気を脱気回収する水蒸気脱気回収装置と、
前記最上流部の過熱蒸気発生装置以降の各前記過熱蒸気発生装置で発生する水蒸気又は可燃性ガスを真空ポンプによって吸引し可燃性ガスと水蒸気とを分離回収するガス水蒸気分離回収装置と、
前記ガス水蒸気分離回収装置に連絡するガス改質装置と、
前記ガス改質装置に連絡する発電機と、
前記連続熱分解部の最下流部に連絡する熱分解物回収コンベヤと
を備えることを特徴とする生ゴミ処理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−183372(P2011−183372A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104893(P2010−104893)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(502288931)有限会社ツカダラボラトリー (2)
【出願人】(510038728)コマキ工業株式会社 (1)
【出願人】(507333443)株式会社アイ・ネットコーポレーション (3)
【Fターム(参考)】