説明

生体インプラント材及びその作製方法と用途

【課題】生体インプラント材及びその作製方法と用途を提供する。
【解決手段】表面微細空間の大きさ、形状ならびに連結が制御された表面構造を有する生体材料であって、1)溝状の空間が連結された又は穴状の空間が、当該穴状の空間の幅より狭い溝で連結された、骨組織侵入のための50μm以上、1000μm以下の凹凸構造からなる表面構造を有し、2)当該表面の凹凸構造の高さ情報の2次元マップの2値化像に対するパワースペクトルにおいて、凹凸構造の周期性に対する空間周波数に対応する輝点が波数0に対応する輝点を軸に対称性を有する、ことを特徴とする生体材料、それらの製造方法、その用途としての生体インプラント及び細胞培養基担体。
【効果】骨組織や血管の侵入に好適な表面構造を有する生体インプラント等の生体材料を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体インプラント材及びその作製方法と用途に関するものであり、更に詳しくは、表面微細空間の大きさ、形状ならびにそれらの連結構造が制御された表面構造を有し、例えば、新生血管を伴った組織を表面の微細空間内に効率よく誘導し得る特定の表面構造を有し、かつデザインされた表面構造を設計通りに再現することが容易である生体インプラント材等の生体材料及びその作製方法と用途に関するものである。
【背景技術】
【0002】
骨侵入を目的とした表面構造を形成する方法として、例えば、粒子径の異なる粉末を溶射し、多孔質皮膜を得る方法(特許文献1、2参照)や、アークスプレーにより粗面を得る方法(特許文献3参照)、チタン繊維の不繊材又は焼結体を用いる方法(特許文献4参照)、チタンビーズを人工関節表面に拡散融着する方法(特許文献5参照)、リン酸カルシウム系焼結体からなる球状の気孔を有する多孔質を人工関節表面に固定する方法(特許文献6参照)等が提案されているが、これらの表面構造の形成方法は、間接的、確率的な構造制御法であるため、デザインされた表面構造を設計通りに再現することが非常に困難である。メッシュを積層する方法(特許文献7参照)も提案されているが、デザインされた孔を表面に形成することは可能であるが、連続した溝構造を表面に形成できない。
【0003】
また、表面の凹凸形状は確率的に形成されるため、偶然的に組織形成に適した大きさの穴が形成されることもあるが、組織形成に適さない大きさの穴が多数形成されるという問題がある。このような組織形成に適さない大きさの穴において、特に組織侵入に適さない小さな穴には血管を伴った組織が侵入できず、この部分で血流が低下する恐れがある。
【0004】
人工関節置換術は、クリーンルームを用いた場合においても、2−4%程度の割合で、初期感染を発症するという統計があるが、このような感染の原因は、人工物の周囲で血流が不足して、免疫機能が低下することも一因とされている。また、骨セメントを用いないセメントレスの場合は、抗生物質を骨セメントとともに注入することができず、血管からの薬剤投与に頼らざるを得ないが、インプラントの周囲で血流が不足している場合は、血管を経由した薬剤の輸送が有効に機能せず、その効果が限定的なものになる。
【0005】
このように、これまで、生体インプラント等の生体材料の表面に骨形成や新生血管を伴った生体組織の侵入に好適となるような表面の微構造を有するような生体インプラント材等の生体材料は、知られていなかったのが実情である。
【0006】
【特許文献1】特許第2710849号公報
【特許文献2】特開平5−056990号公報
【特許文献3】特開平5−146504号公報
【特許文献4】特開2004−16398号公報
【特許文献5】特開2004−141234号公報
【特許文献6】特開2002−102329号公報
【特許文献7】特開平6−7388号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、生体組織の侵入に好適な表面構造を有する生体インプラント材を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、例えば、少なくとも、表面微細空間の大きさ、形状ならびにその連結が制御された表面構造を有する生体インプラント材等において、新生血管を伴った組織を表面の微細空間内に効率よく誘導し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、表面微細空間の大きさ、形状ならびにそれらの連続構造が制御された表面構造を有し、新生血管を伴った組織を表面の微細空間内に効率よく誘導し得る特定の表面構造を有し、かつデザインされた表面構造を設計通りに再現することが容易である生体インプラント材等を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)表面微細空間の大きさ、形状ならびに連結が制御された表面構造を有する生体材料であって、1)溝状の空間が連結された又は穴状の空間が、当該穴状の空間の幅より狭い溝で連結された、骨組織侵入のための50μm以上、1000μm以下の凹凸構造からなる表面構造を有し、2)当該表面の凹凸構造の高さ情報の2次元マップの2値化像に対するパワースペクトルにおいて、凹凸構造の周期性に対する空間周波数に対応する輝点が波数0に対応する輝点を軸に対称性を有する、ことを特徴とする生体材料。
(2)上記凹凸構造の高さ情報の2次元マップの2値化像に対するパワースペクトルが異なる複数の表面構造を有する、前記(1)記載の生体材料。
(3)連続した溝状の表面微細空間構造を有する生体材料であって、0.05μm〜30μmの表面粗さを有し、50〜500μmの幅と50〜500μmの深さを有する溝状の空間が連結された凹凸構造からなる表面構造を有する、前記(1)又は(2)記載の生体材料。
(4)連続した溝状の表面微細空間構造を有する生体材料であって、0.05μm〜30μmの表面粗さを有し、50〜1000μmの幅と500〜1000μmの深さを有する穴状の空間が、該穴状の空間の幅より狭い溝で連結された凹凸構造からなる表面構造を有する、前記(1)又は(2)記載の生体材料。
(5)溝状の空間が配向して形成されている、前記(1)から(4)のいずれかに記載の生体材料。
(6)緻密骨レベルにある溝状の空間又は穴状の空間が配向して形成されている、前記(1)から(5)のいずれかに記載の生体材料。
(7)前記(1)から(6)のいずれかに記載の生体材料からなることを特徴とする生体インプラント。
(8)前記(1)から(6)のいずれかに記載の生体材料からなることを特徴とする細胞培養担体。
(9)前記(1)から(6)のいずれかに記載の生体材料を製造する方法であって、所定の幅、長さのスリットが形成されたマスクをインプラント基材のコーティング層形成面上に設置して、平均粒径が10〜150μmのチタン粒子を溶射することを特徴とする生体材料の製造方法。
(10)前記(1)から(6)のいずれかに記載の生体材料を製造する方法であって、所定の幅、長さのスリットが形成されたマスクをインプラント基材又はコーティング層の凹凸構造形成面上に設置して、ブラスト処理することを特徴とする生体材料の製造方法。
(11)生体材料が、生体インプラントである、前記(9)又は(10)に記載の生体材料の製造方法。
(12)生体材料が、細胞培養担体である、前記(9)又は(10)に記載の生体材料の製造方法。
【0009】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、表面微細空間の大きさ、形状ならびに連結が制御された表面構造を有する生体材料であって、溝状の空間が連結された又は穴状の空間が、当該穴状の空間の幅より狭い溝で連結された、骨組織侵入のための50μm以上、1000μm以下の凹凸構造からなる表面構造を有し、当該表面の凹凸構造の高さ情報の2次元マップの2値化像に対するパワースペクトルにおいて、凹凸構造の周期性に対する空間周波数に対応する輝点が波数0に対応する輝点を軸に対称性を有することを特徴とするものである。
【0010】
そして、本発明では、上記凹凸構造の高さ情報の2次元マップの2値化像に対するパワースペクトルが異なる複数の表面構造を有すること、連続した溝状の表面微細空間構造を有する生体材料であって、0.05〜30μmの表面粗さを有し、50〜300μmの幅と50〜300μmの深さを有する溝状の空間が連結された凹凸構造からなる表面構造を有すること、また、連続した溝状の表面微細空間構造を有する生体材料であって、0.05μm〜30μmの表面粗さを有し、50〜1000μmの幅と50〜1000μmの深さを有する穴状の空間が、穴状の空間の幅より狭い溝で連結された凹凸構造からなる表面構造を有すること、を好ましい実施の態様としている。
【0011】
本発明において、「表面微細空間」とは、本発明の生体材料の生体インプラント等の表面に形成された微細空間を意味する。本発明において、「溝状の空間が連結された」表面構造を有するとは、表面において溝状の凹部が形成され、それらが互いに連結された構造と定義され、「穴状の空間が、該穴状の空間の幅より狭い溝で連結された」表面構造を有するとは、表面において穴状の凹部が形成され、その穴状の構造が溝状の構造で互いに連結された構造と定義される。また、上記溝状の空間とは、細長い窪みで床と2枚の壁に挟まれた形状を意味し、また、穴状の空間とは、連結がなければ、上方向以外は全ての方向が壁に囲まれた形状を意味する。また、溝状の空間が連結されたとは、細長い窪みが連結されて形成される形状であり、穴状の空間が溝で連結されたとは、2つ以上の穴状の空間が溝状の空間でつながった状態の形状である。穴状の空間は、幅は溝状の空間の幅より大きい。
【0012】
また、「緻密骨レベルにある溝状の空間」とは、緻密骨組織に接する表面の溝状の空間を意味する。「緻密骨レベルにある穴状の空間」とは、緻密骨組織に接する表面の穴状の空間を意味する。尚、製造過程において、溝の幅の揺らぎや、構造の欠陥が形成された場合においても、表面構造の高さ情報に対するパワースペクトルにおいて、周期性が消失しない程度であれば許容される。
【0013】
本発明では、上記の生体材料において、少なくとも一部の壁面がリン酸カルシウム、酸化チタン、アルカリチタネート、高分子、シランカップリング剤、金属アルコキシドの加水分解により生成した化合物、メソポーラス材料、薬剤、あるいは、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、錫、タンタル、ジルコニウム、硅素、ニオブ、アルミ、鉄、リン及び炭素のうちの1種以上を含む化合物うちの少なくとも1つ以上を含有する、もしくは被覆されていることが可能である。
【0014】
また、本発明は、本発明の生体材料の用途発明として、例えば、代表的なものとして、上記の生体材料を構成要素の少なくとも一部に含む生体インプラント、及び上記の生体材料を構成要素の少なくとも一部に含む細胞培養用担体が例示される。
【0015】
本発明において、上記生体材料は、例えば、生体インプラント材、細胞培養用担体の他に、透析用部品、循環装置用部品、フィルター等に適用できるが、それらに限定されるものではない。また、本発明でいう生体インプラント材とは、生体インプラント材用基材における全体又は一部の表面の外側又は内側に、表面微構造を形成したものであって、通常は、人工骨、人工関節あるいは人工歯根などとして生体内で使用するための成形体を意味する。
【0016】
生体インプラント材は、生体内で使用するために必要な特性と安全性を有するものであれば、その形状及び使用形態等は特に限定されない。本発明の生体インプラント材の形状としては、例えば、ブロック状、柱状、板状、不定形バルク状など任意の形状のものが例示される。また、本発明の生体インプラント材の使用形態としては、例えば、人工股関節用ステム、人工膝関節、人工椎体、人工椎間板、骨補填材、骨プレート、骨スクリュー、人工歯根などの製品の形態が例示される。
【0017】
本発明でいう細胞培養担体とは、細胞工学や組織工学、再生医工学において細胞や組織を培養するための成形体を意味する。細胞の培養に使用するために必要な特性を有するものであれば形状並びに使用形態等は特に限定されない。例えば、形状としては、板状、シート状、ブロック状、柱状、不定形バルク状、カップ状等の任意の形状のものが使用できる。また、使用形態としては、細胞培養用シャーレ、細胞培養用シート等の製品形態をしていても良い。
【0018】
本発明において生体材料として用いる金属は、好適には、例えば、純チタン、チタン合金、ステンレス鋼、Co又はその合金、Ta、Nb又はそれらの合金、Au、Ag、Cu、Pt等が例示される。また、本発明において生体材料として用いるセラミクスとしては、好適には、例えば、水酸アパタイトや三リン酸カルシウム等のリン酸カルシウム系セラミックス、アルミナ系セラミックス、ジルコニア系セラミックス、Si系セラミックス、チタニア系セラミックス、少なくともカルシウム並びにリンを含有する生体材料用ガラス、生体材料用結晶化ガラス等が例示される。
【0019】
本発明において生体材料として用いる高分子としては、好適には、例えば、ポリオレフィン系(共)重合体、ポリスチレン系重合体、ポリ塩化ビニル系又はポリ塩化ビニリデン系重合体、ポリビニルアルコール系、そのエステル又はポリビニルアセタール系重合体、脂肪族鎖に置換基の窒素原子が直接結合している不飽和化合物の重合体、ポリ(メタ)アクリル酸(エステル)系重合体、ポリ(メタ)アクリロニトリル系重合体、ポリ(メタ)アクリルアミド系重合体等の脂肪族鎖にカルボニル基又はニトリル基が直接結合している不飽和化合物の重合体、ポリシアノアクリレート系重合体、ポリジエン系重合体、弗素樹脂、ポリエステル系重合体等が例示される。
【0020】
更に、本発明において生体材料として用いる高分子としては、例えば、ポリ乳酸等のヒドロキシカルボン酸系重合体、ポリエーテル又はポリオキサイド系重合体、ポリエーテルポリエステル系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリウレタン(ウレア)系重合体、セグメント化ポリウレタン(ウレア)系重合体、ポリアミド又はポリイミド系重合体、ポリアミノ酸系重合体、ポリアセタール系重合体、含珪素系重合体、含イオウ系重合体等が例示される。
【0021】
また、上記高分子としては、例えば、セルロース又はその誘導体、澱粉又はその誘導体、アガロース又はその誘導体、寒天、アルギン酸又はガム類等の多糖類、ヘパリン又はその誘導体、コンドロイチン又はその誘導体、ヒアルロン酸、キチン、キトサン類等のムコ多糖類、アテロペプチドコラーゲンや再構成繊維コラーゲン等のコラーゲン又はその誘導体、ゼラチン類、ケラチン、又は上記高分子の2種類以上からなる共重合体、又はブロック重合体、グラフト重合、又は架橋体やそれらの複合体等が例示される。
【0022】
本発明では、薬剤を用いることができる。本発明において、生体材料表面もしくは内部に添加物として用いる薬剤としては、好適には、例えば、抗炎症剤、フイブロネクチン、アルブミン又はラミニン、凝血又は抗凝血因子(アンチトロンビン、プラスミン、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、フイブリノーゲンアクチベータ、トロンビン等)、カリクレイン、キニン、ラジキニン拮抗薬、血液に作用しない酵素、ホルモン、骨形成因子や細胞増殖因子等の成長因子、タンパク性骨増殖因子、凝血又は抗凝血薬剤、溶血防止剤、骨粗鬆症治療薬等が例示されるが、これらに制限されるものではない。
【0023】
本発明において、生体材料表面もしくは内部に添加物として用いる充填物は、好適には、例えば、金属、セラミックス、高分子、カーボン系材料又はそれらのいずれかの複合体のうちの1種以上からなる。この複合体としては、互いに物質の異なる2種以上の材料が、物理的、化学的又は機械的に混合、接合することにより強固に結着して一体となっている材料であって、例えば、異なる材質の部材を混練により複合化した材料、前駆溶液等からの析出により複合化した材料等が例示される。
【0024】
また、充填物は、内部に薬剤等を保持していても良い。薬剤を保持するための充填物としては、好適には、例えば、ポリビニルアルコール、コラーゲン、ゼラチン、寒天、ヒアルロン酸、キチン・キトサン、ポリ酢酸ビニルのうちのいずれか1種以上からなるハイドロゲル又はその乾燥体や、ポリ乳酸系高分子、ポリエチレングリコール系ポリマー等の生分解性ポリマー等や、これらの成分とリン酸カルシウム系セラミックスを複合したものが例示される。
【0025】
次に、本発明における生体インプラント材の製造方法について説明する。本発明における生体インプラント材の製造方法としては、好適には、例えば、マスクを設置してチタン粒子を溶射する方法、マスクを設置して基材をブラスト処理する方法、ポリ乳酸などの熱可塑性ポリマーに対してガラス転移点(Tg)以上又は溶融状態の温度域で成形加工する方法等が例示される。
【0026】
更に、上記製造方法としては、例えば、溝状や穴状の構造をブラストにより形成する方法、歯科用ワックスで形成した鋳型を用いてチタンやタンタルの溶融金属をインベストメントモールド法やフルモールド法で鋳込むことにより金属製の成形体を得る方法、石膏又はウレタン等のポリマー製の鋳型にセラミックススラリーやゾルゲル法の前駆体を鋳込成形した後に、300−1650℃で焼成してセラミックス製の成形体を得る方法等が好適なものとして例示される。本発明の製造方法は、これらの製造方法に制限されるものではなく、前述の材質や温度、圧力は、目的製品に応じて適宜手法を変えることが可能である。
【0027】
人工骨等の生体材料では、規則的な生体組織の形成に寄与し、また、埋植する部位の配向性に好適に適合するように人工骨を形成することが重要であり、そのために、表面微細空間の溝の方向を任意の方向へ配向するように制御すること、また、血管の導入を可能とするために、当該配向溝を互いに繋ぐような溝を形成すること、が重要である。しかし、従来の人工骨等の生体材料では、このような配向した溝の空間配置が制御された構造を有する、生体の組織の侵入や細胞の導入に好適な生体材料は、全く報告例がなかった。
【0028】
これに対し、本発明の生体材料は、配向した溝状の空間の構造群を有し、当該配向した溝は、生体組織の侵入が可能な溝状構造で連結され、埋植する部位の組織の配向性に好適に適合するように空間配置されていることを構成要素とするものである。それらにより、細胞、組織、血管等の侵入が十分となり、かつ、埋植する部位の生体組織の配向性に好適に適合した組織再生が促進されるような、硬組織、軟組織の形成に好適な構造の構築が可能になる。
【0029】
本発明の生体材料は、骨細胞のアンカリングのための0.05μm〜30μmの表面粗さを有し、骨組織の侵入のための50〜500μmの幅と50〜500μmの深さを有する溝状の空間が連結された凹凸構造からなる表面構造を有し、緻密骨レベルにある連結された溝状の空間が配向して形成されていること、あるいは、骨組織の侵入のための50〜1000μmの幅と50〜1000μmの深さを有する穴状の空間が溝で連結された凹凸構造からなる表面構造を有し、緻密骨レベルにある穴状の空間が配向して形成されていること、を特徴としている。
【0030】
本発明において、溝状の空間又は穴状の空間が配向して形成されているとは、当該溝状の空間又は穴状の空間が、例えば、大腿骨骨幹部の皮質骨内の骨単位の配列のような生体組織に観察される配向性と同程度の配向性を有することを意味する。この場合、必ずしも骨組織の配向性をそのまま模倣したものでなくても、応力の分散や組織の配向方向を骨組織をモデルとして、これをより単純化したものの方が、設計のし易さ及び製造の容易さやコストの観点からは望ましい。
【0031】
本発明においては、溝状の空間の長て方向が埋設する部位における生体組織に観察される配向性と同一方向を向いていることが望ましいが、ここで、配向性と同一方向を向いているとは、例えば、大腿骨骨幹部の皮質骨内の骨単位の配列のような生体組織に観察される配向性と同程度の配向性を有することを意味する。この場合、本発明は、骨組織の配向性をそのまま模倣するのではなく、応力の分散や組織の配向方向を骨組織をモデルとして抽出し、これをより単純化した方が、設計のし易さ及び製造の容易さやコストの観点からは望ましい。
【0032】
本発明においては、溝状の空間が連結された構造又は穴状の空間が溝で連結された構造を形成するが、設計のし易さ及び製造の容易さやコストの観点からは、より単純化した方が望ましく、相似した凸部が周期的に配置された構造とすることが望ましい。周期性には製造により欠陥や揺らぎが生じた場合においても、インプラントの表面の高さ情報の2次元マップの2値化像に対するパワースペクトルにおいて、空間周波数に対応する輝点が消失しない限りにおいては許容される。
【0033】
本発明では、表面に凹凸構造を有するインプラントにおいて、表面の各点における高さに対して、任意に選んだ基準点の高さに対する相対値を計算し、その値を色の濃淡として、2次元平面上に投影したものをインプラントの表面の高さ情報の2次元マップと規定する。上記インプラントの表面の高さ情報の2次元マップにおいて、例えば、表面の高さの全点の平均値をしきい値として、しきい値以上の高さを有する点を「1」、しきい値未満の点を「0」とし、「1」又は「0」の点に「黒」又は「白」を割り当ててプロットし直したものを、インプラントの表面の高さ情報の2次元マップの2値化像と規定する。本発明においては、しきい値に用いる値は特に限定するものではない。
【0034】
画像を2次元フーリエ変換し、その絶対値の自乗を濃淡で表したのがパワースペクトルであり、輝点の位置が画像の周期性に対する波数(周期構造の距離の逆数で、空間周波数ともいう)を示す。本発明においては、インプラントの表面の高さ情報の2次元マップの2値化像に対するパワースペクトルを得ているので、その意味は、凹凸構造の周期性に対する空間周波数を表す。また、周期構造がないランダムな構造においては、パワースペクトルは波数0(周期構造の距離無限大)に対応する中心の輝点以外に明瞭な輝点は現れない。インプラント表面の凹凸構造の周期性が異なる場合、パワースペクトルが異なるが、これは、投影面積が等しい2つのインプラントの表面の高さ情報の2次元マップの2値化像のパワースペクトルにおいて、波数0の輝点の位置を合せたときに、凹凸構造の周期性に対する空間周波数の輝点の少なくとも一部が重ならないことを意味する。
【0035】
本発明においては、複数の表面構造が混在している場合にも、パワースペクトルにおいて対称性を有する輝点が得られるが、このときは、個々のパワースペクトルの輝点を重ね合わせた図形になる。すなわち、ランダムな表面構造が一部にあっても、他の部分の周期構造に対応するパワースペクトルで対称性を有する輝点が得られる。本発明は、上述のような単純化した形で配向性を制御した生体材料を構築することで、骨の組織再生に好適で、しかも、生体材料の設計のし易さ、製造の容易さ及びコストの合理性の要件を全て満たすことが可能な新しい生体材料を創製し得たことに最大の特徴を有するものである。上記配向性については、製造上においても、使用上においても誤差が生じるが、これらは、本発明では、配向性を有している、と見なす許容範囲に含まれる。しかし、製造上の誤差による配向性のずれは、生体組織に見られる配向性の程度の範囲内になることが望ましい。
【0036】
本発明は、生体材料の表面構造について、上述のような高精度の調整を行うことにより、養分補給及び酸素補給を制御し、組織再生、硬組織、軟組織の形成を好適に制御することが可能な生体材料を構築し、提供することを実現することができる。これらは、上記生体材料が、高配向性の上記配向溝と、当該配向溝を連結する連通した溝から構成される所定の高規則的な空間配置を有していること、それを所望の形態に適宜設計し、その空間形態を定量的に制御できること、それらの設計変更が任意にかつ容易になし得ること等の条件がそろってはじめて実現できるものである。
【発明の効果】
【0037】
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)生体材料の溝の配向性、大きさ並びに形状が直接的に制御された連通溝が形成された生体材料を形成させることができる。
(2)それにより、骨組織や血管の形成に不都合な形状を排除した、骨組織や血管の侵入に好適な足場構造のみを提供できる。
(3)それにより、形成される溝の幾何学的な形状により、そこに形成される生体組織の形態を制御することが可能となる。
(4)溝の形状や配向性などの幾何学的な形状の制御とその分布の制御により、形成される組織の配向性及び周期性を制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0039】
(連続した溝状の表面微細空間構造を有するインプラントの作製)
幅300μm、長さ1200μmのスリットが150μmの間隔で六方細密状に配置されたマスクをインプラント基材のコーティング層形成面上に設置して、平均粒径約70μmのチタン粒子を溶射した。平均約180μmの幅と深さ約230μmを有する溝状の空間が連結された表面構造(図1)を有するインプラントを形成できた。溶射等を用いて、表面に水酸アパタイト等のリン酸カルシウム系生体活性セラミックスを被覆することも可能であった。
【実施例2】
【0040】
(穴状の空間が連結された表面微細空間構造を有するインプラントの作製)
φ300μmの円形状スリットが150μmの間隔で正方配列に配置されたマスクをインプラント基材のコーティング層形成面上に設置して、平均粒径約70μmのチタン粒子を溶射した。平均約390μmの幅と約230μmの深さを有する穴状の空間が幅約200μm、深さ約230μmの溝で連結された表面構造(図2)を有するインプラントを形成できた。溶射等を用いて、表面に水酸アパタイト等のリン酸カルシウム系生体活性セラミックスを被覆することも可能であった。
【実施例3】
【0041】
(連続した溝状の表面微細空間構造を有するインプラントの動物実験)
実施例1で作製した4×3mmのインプラントを、12週齢の健康雄SPFウサギの頸骨近位付近に作製した径5mm、深さ5mmの骨欠損孔に埋植し、骨膜、皮下組織、及び皮膚を縫合した。インプラント埋植後、7日、2週、4週後のそれぞれに、動物をSodium pentbarbital約50ml/kg(i.v.)麻酔下に放血により安楽死させ、頸部埋植部を摘出し、10%の中性緩衝ホルマリンに固定した。固定後に埋植部をイオン交換法により半脱灰状態にした後、厚さ約3μmの切片を作製し、Hematoxylin・eosin染色を施し、形態学的な評価を行った。
【0042】
当該評価において、埋植7日目に緻密骨レベルにある連結された溝状の空間内に新生血管を伴う肉芽組織が侵入し(図3a)、2週目には溝状の構造壁面に沿って新生骨の形成が起こり(図3b)、4週目には血管を伴った骨組織が溝状の構造内部に形成される様子が観察された(図3c)。形成された骨組織は、インプラントの溝状の空間の配向構造をテンプレートとして、配向した組織が形成された。
【実施例4】
【0043】
(穴状の空間が連結された表面微細空間構造を有するインプラントの動物実験)
実施例2で作製した4×3mmのインプラントを、12週齢の健康雄SPFウサギの頸骨近位付近に作製した径5mm、深さ5mmの骨欠損孔に埋植し、骨膜、皮下組織、及び皮膚を縫合した。インプラント埋植後、4週後に、動物をSodium pentbarbital約50ml/kg(i.v.)麻酔下に放血により安楽死させ、頸部埋植部を摘出し、10%の中性緩衝ホルマリンに固定した。固定後に埋植部をイオン交換法により半脱灰状態にした後、厚さ約3μmの切片を作製し、Hematoxylin・eosin染色を施し、形態学的な評価を行った。
【0044】
当該評価においては、緻密骨レベルにある穴状の空間とそれを連結する溝状の空間内に新生血管を伴う骨組織と骨髄組織が形成される様子が観察された(図4)。等方的な構造を有する穴状の空間とそれを連結する溝状の空間では、配向した組織は形成されなかった。
【実施例5】
【0045】
(連続した溝状の表面微細空間構造を有するインプラントの周期性)
図6−図11は、溝状の空間が連結された表面構造を有するインプラントの表面の高さ情報の2値化像とそのパワースペクトルを示す。凹凸の繰り返し方向に、繰り返し周期の波数に対応する輝点が見られる。
【実施例6】
【0046】
(穴状の空間が溝で連結された表面微細空間構造を有するインプラントの周期性)
図12−図13は、穴状の空間が溝で連結された表面構造を有するインプラントの表面の高さ情報の2値化像とそのパワースペクトルを示す。凹凸の繰り返し方向に、繰り返し周期の波数に対応する輝点が見られる。
【実施例7】
【0047】
(表面微細空間構造の欠陥又はゆらぎを伴った周期性)
図14−図19は、欠陥又はゆらぎを伴った溝状の空間が連結された表面構造又は穴状の空間が溝で連結された表面構造を有するインプラントの表面の高さ情報の2値化像とそのパワースペクトルを示す。欠陥の存在や溝状の空間の大きさのゆらぎに関わらず、基本的な凹凸の繰り返し構造に対する繰り返し周期の波数に対応する輝点が見られる。
【0048】
比較例1
(ランダムな表面構造を有するインプラントの作製)
インプラント基材に、平均粒径約70μmのチタン粒子を溶射し、更に、平均粒径約80μmの水酸アパタイト粒子を溶射した。表面には、不定形な凹凸構造が形成された。
【0049】
比較例2
比較例1で作製した4×3mmのインプラントを、12週齢の健康雄SPFウサギの頸骨近位付近に作製した径5mm、深さ5mmの骨欠損孔に埋植し、骨膜、皮下組織、及び皮膚を縫合した。インプラント埋植後、4週後に、動物をSodium pentbarbital約50ml/kg(i.v.)麻酔下に放血により安楽死させ、頸部埋植部を摘出し、10%の中性緩衝ホルマリンに固定した。固定後に埋植部をイオン交換法により半脱灰状態にした後、厚さ約3μmの切片を作製し、Hematoxylin・eosin染色を施し、形態学的な評価を行った。
【0050】
当該評価においては、緻密骨レベルにある窪み部分のインプラント表面に偶然的にできた不定形な窪み状の構造の微細空間内に骨組織が形成される様子が観察された(図5)が、形成された組織には、新生血管の形成は認められなかった。
【0051】
比較例3
(ランダムな構造)
図20−図22は、ランダムな空間構造有するインプラントの表面の高さ情報の2値化像とそのパワースペクトルを示す。中心の波数0に対応する輝点の周囲に薄いハロパターンが見られ、明らかな構造の周期性は見られない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上詳述したように、本発明は、生体インプラント材及びその作製方法と用途に係るものであり、本発明により、生体材料の溝の配向性、大きさ並びに形状が直接的に制御された連通溝が形成された生体材料を形成させることができる。また、本発明により、形成された溝により、体液や気泡の導通が容易で、かつ骨組織や血管の侵入に好適な足場を提供でき、更に、形成される溝の幾何学的な形状により、そこに形成される生体組織の形態を制御できる、生体インプラント等の生体材料を作製し、提供することができる。本発明は、表面の凹凸構造の高さ情報の2次元マップの2値化像に対するパワースペクトルによって規定される骨組織や血管の侵入に好適な特定の表面構造を有する生体材料を提供するものとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1図は実施例1に係わる表面微細空間構造を示すものである。
【図2】第2図は実施例2に係わる表面微細空間構造を示すものである。
【図3】第3図は実施例3に係わる表面微細空間構造内に誘導された組織を示すものである。
【図4】第4図は実施例4に係わる表面微細空間構造内に誘導された組織を示すものである。
【図5】第5図は比較例2に係わるランダムな表面微細空間構造内に誘導された組織を示すものである。
【図6】第6図(a)は実施例5に係わる表面凹凸構造の凸部が六方格子に配置されて形成された溝状の空間を示すものである。(b)はパワースペクトルを示すものである。
【図7】第7図(a)は実施例5に係わる表面凹凸構造の凸部が面心格子に配置されて形成された溝状の空間を示すものである。(b)はパワースペクトルを示すものである。
【図8】第8図(a)は実施例5に係わる表面凹凸構造の凸部により形成された溝状空間のドメインが90度の角をなすように配置されて形成された溝状の空間を示すものである。(b)はパワースペクトルを示すものである。
【図9】第9図(a)は実施例5に係わる表面凹凸構造の凸部がジグザグに配置されて形成された溝状の空間を示すものである。(b)はパワースペクトルを示すものである。
【図10】第10図(a)は実施例5に係わる表面凹凸構造の凸部により形成された溝状空間のドメインが60度の角をなすように配置されて形成された溝状の空間を示すものである。(b)はパワースペクトルを示すものである。
【図11】第11図(a)は実施例5に係わる表面凹凸構造の凸部が六方格子に配置されて形成された溝状の空間を示すものである。(b)はパワースペクトルを示すものである。
【図12】第12図(a)は実施例6に係わる表面凹凸構造の凸部が立方格子に配置されて形成された穴状の空間が溝で連結された空間を示すものである。(b)はパワースペクトルを示すものである。
【図13】第13図(a)は実施例6に係わる表面凹凸構造の凸部により形成された溝状空間のドメインが60度の角をなすように配置されて形成された溝状の空間と穴状の空間からなる表面構造を示すものである。(b)はパワースペクトルを示すものである。
【図14】第14図(a)は実施例7に係わる表面凹凸構造の凸部が六方格子に配置されて形成された溝状の空間をに欠陥が形成された構造を示すものである。(b)はパワースペクトルを示すものである。
【図15】第15図(a)は実施例7に係わる表面凹凸構造の凸部が六方格子に配置されて形成された溝状の空間をに欠陥が形成された構造を示すものである。(b)はパワースペクトルを示すものである。
【図16】第16図(a)は実施例7に係わる表面凹凸構造の凸部が六方格子に配置されて形成された溝状の空間において溝の幅にゆらぎを有する構造を示すものである。(b)はパワースペクトルを示すものである。
【図17】第17図(a)は実施例7に係わる表面凹凸構造の凸部が立方格子に配置されて形成された穴状の空間が溝で連結された空間において欠陥が形成された構造を示すものである。(b)はパワースペクトルを示すものである。
【図18】第18図(a)は実施例7に係わる表面凹凸構造の凸部が立方格子に配置されて形成された穴状の空間が溝で連結された空間において欠陥が形成された構造を示すものである。(b)はパワースペクトルを示すものである。
【図19】第19図(a)は実施例7に係わる表面凹凸構造の凸部が立方格子に配置されて形成された穴状の空間が溝で連結された空間において窪の大きさや久窪を連結する溝の幅にゆらぎを有する構造を示すものである。(b)はパワースペクトルを示すものである。
【図20】第20図(a)は比較例3に係わる表面凹凸構造の凸部が比較的粗にランダムに配置されて形成された空間を示すものである。(b)はパワースペクトルを示すものである。
【図21】第21図(a)は比較例3に係わる表面凹凸構造の凸部が比較的密にランダムに配置されて形成された空間を示すものである。(b)はパワースペクトルを示すものである。
【図22】第22図(a)は比較例3に係わるワイヤ状の凸部がランダムに配置されて形成された空間を示すものである。(b)はパワースペクトルを示すものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面微細空間の大きさ、形状ならびに連結が制御された表面構造を有する生体材料であって、1)溝状の空間が連結された又は穴状の空間が、当該穴状の空間の幅より狭い溝で連結された、骨組織侵入のための50μm以上、1000μm以下の凹凸構造からなる表面構造を有し、2)当該表面の凹凸構造の高さ情報の2次元マップの2値化像に対するパワースペクトルにおいて、凹凸構造の周期性に対する空間周波数に対応する輝点が波数0に対応する輝点を軸に対称性を有する、ことを特徴とする生体材料。
【請求項2】
上記凹凸構造の高さ情報の2次元マップの2値化像に対するパワースペクトルが異なる複数の表面構造を有する、請求項1記載の生体材料。
【請求項3】
連続した溝状の表面微細空間構造を有する生体材料であって、0.05μm〜30μmの表面粗さを有し、50〜500μmの幅と50〜500μmの深さを有する溝状の空間が連結された凹凸構造からなる表面構造を有する、請求項1又は2記載の生体材料。
【請求項4】
連続した溝状の表面微細空間構造を有する生体材料であって、0.05μm〜30μmの表面粗さを有し、50〜1000μmの幅と500〜1000μmの深さを有する穴状の空間が、該穴状の空間の幅より狭い溝で連結された凹凸構造からなる表面構造を有する、請求項1又は2記載の生体材料。
【請求項5】
溝状の空間が配向して形成されている、請求項1から4のいずれかに記載の生体材料。
【請求項6】
緻密骨レベルにある溝状の空間又は穴状の空間が配向して形成されている、請求項1から5のいずれかに記載の生体材料。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の生体材料からなることを特徴とする生体インプラント。
【請求項8】
請求項1から6のいずれかに記載の生体材料からなることを特徴とする細胞培養担体。
【請求項9】
請求項1から6のいずれかに記載の生体材料を製造する方法であって、所定の幅、長さのスリットが形成されたマスクをインプラント基材のコーティング層形成面上に設置して、平均粒径が10〜150μmのチタン粒子を溶射することを特徴とする生体材料の製造方法。
【請求項10】
請求項1から6のいずれかに記載の生体材料を製造する方法であって、所定の幅、長さのスリットが形成されたマスクをインプラント基材又はコーティング層の凹凸構造形成面上に設置して、ブラスト処理することを特徴とする生体材料の製造方法。
【請求項11】
生体材料が、生体インプラントである、請求項9又は10に記載の生体材料の製造方法。
【請求項12】
生体材料が、細胞培養担体である、請求項9又は10に記載の生体材料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−272385(P2008−272385A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−122909(P2007−122909)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)文部科学省「平成17年度 若手任期付研究員支援 階層構造からなる生体硬組織代替材料の研究」産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】