説明

生体内検知デバイスおよびその識別方法

【課題】生体内検知デバイスに識別子コードを対応付け、検知データを識別子コードとともにデータ・レコーダへ送信して、受信した検知データを生体内検知デバイスと関係づけられるようにする。
【解決手段】生体内検知デバイスを識別するための方法であって、指定の生体内検知デバイスに内部識別子コードを与え、生体内検知デバイスから、内部識別子コードを含むデータ信号を受信し、生体内検知デバイスから受信データ信号を受信したかどうかを判定し、生体内検知デバイスからデータ信号を受信している場合、データ信号をデータ・レコーダ内に保存する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録デバイスにデータを通信することができる生体内検知デバイスと、記録デバイスが受信データを所定の生体内検知デバイスに対応付けられるように生体内検知デバイスを識別する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
生体内検知デバイス、たとえば摂取可能な検知カプセルは、患者の胃腸(GI)管または他の体内腔を診断するために、検知データ(たとえば撮像データ)を外部のデータ・レコーダへ無線で送信する。データ・レコーダを患者にストラップまたはベルトによって取り付けて、患者が観察期間中に普通の活動を自由にできるようにする。観察期間は、生体内検知デバイスを飲み込んだ後に始まり、その排出時に終了する。データ・レコーダには、無線通信能力が備わっている。また1つまたは複数のアンテナが接続されていて、生体内検知デバイスから送信される検知データを受信するようになっている。またデータ・レコーダには、受信した検知データを保存するためのメモリが備わっている。観察期間の後で、患者はデータ・レコーダをオペレータ、たとえば保健専門家へ送る。保健専門家は、保存された検知データのダウンロードを、処理するためにおよびGI管を解析して診断用に用いるために行なう。検知データには、生体内検知デバイス内の撮像装置が、デバイスがGI管を通過するにつれて取り込むGI管の画像の画像データが含まれる。
【0003】
検知データを、データ・レコーダからワークステーションなどへダウンロードして、GI管の画像を分析して診断用に用いることができる。検知データをワークステーションへダウンロードした後に、画像データにワークステーションにおいて種々の形式の画像処理を施すことが、画像が診断可能となる前に必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
明らかに、所定の生体内検知デバイスが所定のデータ・レコーダにデータを通信することが好ましい。しかし別の生体内検知デバイスが所定のデータ・レコーダとの通信距離内にあると、データ・レコーダは、所定の生体内検知デバイスから通信されるデータを受ける以外に、他の生体内検知デバイスから通信されるデータを受ける場合がある。その結果、受信データを分析するときに混乱が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、生体内検知デバイスに識別子コードを与える。識別コードは、たとえば(これらに限定されないが)数字の列または英数字の列である。生体内デバイスは、データ・レコーダにデータを通信する。データは、識別子コードとともにデータ・レコーダに通信する。
【0006】
本発明は、以下の詳細な説明を図面とともに参照することから、より十分に理解および評価される。
当然ながら、説明を簡単および明瞭にするために、図に示した要素は必ずしも正確に描かれてはおらず、一定の比率で描かれてもいない。たとえば、いくつかの要素の寸法が他の要素に対して誇張されていて明瞭さを出そうとしている場合があり、または複数の物理的コンポーネントが1つの機能ブロックまたは要素内に含められている場合がある。さらに、適切であると考えられる場合には、参照数字を図の間で繰り返して、対応する要素または類似の要素を示している場合がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下の説明において、本発明の種々の態様を記載する。説明を目的として、本発明の十分な理解が得られるように具体的な構成および詳細について記載する。しかし当業者には明らかであるように、本発明は、本明細書で示した具体的な詳細を伴うことなく実施しても良い。さらに、良く知られている特徴は省くか単純化して、本発明を不明瞭にしないようにしている場合がある。
【0008】
本発明のデバイスは、撮像システムまたは撮像デバイス、たとえば以下の文献に記載されているものと一緒に用いられる。米国特許第1,604,531号明細書、発明の名称「生体内ビデオ・カメラ・システム」。なおこの文献は本明細書において参照により組み込まれている。本発明のデバイスが一緒に用いても良い撮像システムおよび撮像デバイスのさらなる例は、以下の文献に記載されている。米国特許第1,009,634号明細書、発明の名称「生体内撮像用デバイス」。なおこの文献は本明細書において参照により組み込まれれている。たとえば、飲み込み可能な撮像カプセルたとえば米国特許第1,009,634号明細書に記載されているものを、本発明で用いる。
【0009】
図1を参照して、本発明の実施形態による生体内撮像システム10を示す。生体内撮像システム10は、生体内撮像デバイス12、データ・レコーダ14、およびワークステーション16を備えている。いくつかの実施形態では、生体内撮像デバイス12は無線デバイスである。いくつかの実施形態では、生体内撮像デバイス12は自律的である。いくつかの実施形態では、生体内撮像デバイス12は、飲み込み可能なカプセルであり、患者が生体内撮像デバイス12を飲み込んだ後に患者の胃腸管を撮像するためのものである。しかし他の体内腔または空洞を、生体内撮像デバイス12を用いて撮像または検査しても良い。
【0010】
生体内検知デバイス12は、以下のものを備える。すなわち、少なくとも1つのセンサたとえば撮像装置18(胃腸管または他の体内腔もしくは空洞の画像の画像フレームの形式の画像データを取り込む)、視界窓20、1つまたは複数の照明源22、光学系24、電源たとえば電池26、プロセッサ28、通信ユニット30、および通信ユニット30に接続されたアンテナ32である。いくつかの実施形態では、通信ユニット30は送信機である。他の実施形態では、通信ユニット30は送受信装置(すなわち送信機および受信機)である。撮像装置18は、CMOS撮像装置であり、CMOS撮像装置を備えている。あるいは、他の撮像装置を用いても良い。たとえばCCD撮像装置または他の撮像装置である。照明源22は、発光ダイオード(LED)であっても、画像を取り込むべき目標領域の照明に好適な他の照明源であっても良い。目標領域は、患者の胃腸管または他の体内腔もしくは空洞の領域である。
【0011】
生体内検知デバイス12が胃腸管または他の体内腔を通りながら、撮像装置18は、一連の画像を所定のフレーム数/秒のレートで取り込んでデータ・ストリームを形成して、ビデオ動画のフレームを形成する。各画像フレームは、撮像中の目標領域の画像を表わす画像データに対応付けられる。生体内検知デバイス12が取り込んだ画像データおよびまたは他のデータを、データ・フレーム中のデータ信号として送信することを、無線接続によって(たとえば、無線通信チャネルによって、アンテナ32を介した通信ユニット30によって)、生体内検知デバイス12から行う。またデータをデータ・レコーダ14が受信することを、1つまたは複数の受信アンテナ34たとえばアンテナ・アレイ(たとえば少なくとも部分的に患者を囲む)を介して、行なっても良い。受信アンテナ34はデータ・レコーダ受信機36に接続されている。受信データ信号を、たとえば、ワークステーション16にダウンロードして、ワーク・ステーション・プロセッサ38による処理、解析、および表示(たとえば、ディスプレイ・ユニット40上の)に用いる。受信した処理データは、ワークステーション記憶ユニット42上に保存される。ワークステーション16におけるダウンロードおよび/または処理は、オフラインで行なっても(たとえばデータ・レコーダ14が、生体内検知デバイス12から受信するデータ信号の受信および記録を完了した後に行なう)、リアル・タイムで行なっても良い。
【0012】
いくつかの実施形態では、データ・レコーダ14は表示能力を備える。たとえばデータ・レコーダ14は、情報および/または画像(たとえば生体内撮像デバイス12から送信される情報および/または画像)を見るためのビューア44を備える。別の実施形態では、処理および/または解析を、少なくとも部分的にデータ・レコーダ14内でデータ・レコーダ・プロセッサ46が行なう。いくつかの実施形態では、データ・レコーダ14は、データ・レコーダ送信機50に接続されるデータ・レコーダ送信アンテナであって、命令を生体内検知デバイス12に送信するための送信アンテナを備える。いくつかの実施形態では、データ・レコーダ14は、警報ユニット52を備える。警報ユニット52は、視覚的警報ユニット(照明源を含む)であっても、聴覚的警報ユニット(拡声器を含む)であっても良い。
【0013】
次に図2を参照する。いくつかの実施形態では、実施前に、生体内検知デバイス12を、容器(たとえばブリスター・パック56)内に配置されたホルダ54内に非動作状態で保持して、電池26から引き出されるパワーがまったくないか無視できるほどに少量となるようにする。一実施形態によれば、生体内撮像デバイス10は、実施前にホルダ54から取り出したときに、動作状態になる。別の実施形態によれば、生体内検知デバイス12を、実施前に他の手段が作動させる(すなわち動作状態にする)。作動させた生体内検知デバイス12は、画像データおよび/または他のデータを取り込んで送信し、また送信した取り込んだデータをデータ・レコーダが受信する。これは前記の通りである。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、生体内検知デバイス12および/またはホルダ54および/またはブリスター・パック56に、識別子コードを有する識別子要素58を設ける。識別子コードは、たとえば(これらに限定されないが)数字の列または英数字の列である。一実施形態によれば、識別子要素58はバーコードであり、別の実施形態によれば、識別子ユニットはRFID(無線周波数識別)チップである。いくつかの実施形態によれば、患者が生体内検知デバイス12を飲み込む前に、識別子コードを得てデータ・レコーダ14に入力する。データ・レコーダ14では、識別子コードをデータ・レコーダ・メモリ60に保存する。いくつかの実施形態では、得た識別子コードを、最初にワークステーション16に入力してワークステーション記憶ユニット42に保存した後に、データ・レコーダ14に入力する。データ・レコーダ14への入力は、データ・レコーダをワークステーションへ接続することによって、または識別子コードをワークステーション16からデータ・レコーダへ無線で送信することによって、行なわれる。識別子要素58がバーコードである実施形態では、識別子コードは、バーコード・リーダを用いて得られる。識別子要素58がRFIDチップである実施形態では、識別子コードはRFIDリーダを用いて得られる。いくつかの実施形態では、生体内検知デバイス12はデバイス・メモリ62を備えている。デバイス・メモリ62は、不揮発性メモリ(たとえば、読み出し専用メモリまたはフラッシュ・メモリ)である。デバイス・メモリ62は、プロセッサ28内に組み込まれていても良い。
【0015】
別の実施形態によれば、生体内検知デバイス12は識別子要素58を必要としない。たとえば、通常、生体内検知デバイス12は、そのパッケージングから取り出されたらすぐに画像の送信を開始する。外部のデバイス(たとえばデータ・レコーダ14またはワークステーション16)が、生体内検知デバイス12が取り込んだ画像を(好ましくはリアル・タイムで)示すディスプレイを備える。画像はユーザが見ても、保健医療専門家が見ても良い。また画像は、ディスプレイ内に見られる画像に基づいて特定の生体内検知デバイス12に対応付けられる。たとえばユーザは、データ・レコーダ14が確かに画像を正しい検知デバイスから記録していることの検証を、検知デバイスを自分自身に向けて自分の画像をディスプレイ上で見ることによってか、検知デバイスを他の別個の対象物に向けることによって、行なう。別の実施形態では、ユーザが検知デバイスを所定の画像に向けても、そして画像処理に基づいて、データ・レコーダ14が特定の検知デバイスを受信画像に対応付けても良い。さらに、ユーザはボタン(たとえばデータ・レコーダ14上に設けられている)をクリックして、特定の検知デバイスのデータ・レコーダへの対応付けを固定する。このような検出は実施が非常に簡単である。なぜならば、ユーザは正しい検知デバイスからリアル・タイムのフィードバックを受け取るからである。
【0016】
図3は、受信データを生体内検知デバイスと関連づけることによって生体内検知デバイスを識別する本発明の実施形態による方法を示す単純化されたブロック説明図である。本方法には以下のステップが含まれる。(i)生体内検知デバイス12に内部識別子コードIC1を与えて、内部識別子コードIC1をデバイス・メモリ62に保存するステップ(ステップ302)。(ii)生体内検知デバイス12および/またはホルダ54および/またはブリスター・パック56に識別子要素58を設けるステップであって、識別子要素58には外部識別子コード1C2が含まれる、設けるステップ(ステップ304)。(iii)実施前に、たとえば患者が生体内検知デバイス12を飲み込む前に、外部識別子コード1C2を識別子要素58から読み出すステップ(ステップ306)。(iv)外部識別子コード1C2をデータ・レコーダ14へ入力して、外部識別子コード1C2をデータ・レコーダ・メモリ60へ保存するステップ(ステップ308)。外部識別子コード1C2のデータ・レコーダ14への入力は、ヒューマン・マシン・インターフェースがユーザからの入力を受け入れることによって行なっても(入力はたとえばキーボードまたは入力ボタンを用いて行なう)、またはワークステーション(データ・レコーダに接続しても良い)の入力デバイスを用いて行なっても良い。(v)生体内検知デバイス12を作動させて実施するステップ(ステップ310)。いくつかの実施形態では、生体内検知デバイス12は、ブリスター・パック56から取り出すことによって作動させる。いくつかの実施形態では、生体内検知デバイス12は磁気スイッチ(外部磁石が制御する)を備えている。外部磁石は、たとえば磁気スイッチの付近のブリスター・パック56内に配置される。生体内検知デバイス12をブリスター・パック56から取り出すと、外部磁石が磁気スイッチから遠ざかって、磁気スイッチはその状態が変化し、その結果、生体内検知デバイス12を電気的に作動させることになる。また本方法には以下のステップが含まれる。(vi)画像データおよびまたは他のデータを生体内検知デバイス12によって取り込んで、取り込んだデータを内部識別子コードICIととともにデータ・レコーダ14へ送信するステップ(ステップ312)。(vii)データ・レコーダ14が生体内検知デバイス12から受信した内部識別子コードICIを、識別子要素58から読み出した外部識別子コード1C2と比較するステップ(ステップ314)。次に判定を行なう(ステップ316)。内部識別子コードICIが外部識別子コード1C2とマッチするときには、受信した取り込んだデータ(画像データおよびまたは他のデータ)をデータ・レコーダ・メモリ60に保存する(ステップ318)。そして制御をステップ312へ戻して、さらなるデータを生体内検知デバイス12によって取り込んでデータ受信機14へ送信するようにする。他方で、内部識別子コードICIが外部識別子コード1C2にマッチしないときには、データ・レコーダ14が受信したデータは、異なる生体内検知デバイスから受信したものであり、受信データをデータ・レコーダ・メモリ60には保存しない。そして制御をステップ312へ戻して、さらなるデータを生体内検知デバイス12によって取り込んでデータ受信機14へ送信するようにする(ステップ312)。このように、指定の生体内検知デバイス12から受信した画像データおよびまたは他のデータのみを、データ・レコーダ14が保存しても良い。指定の生体内検知デバイス12は、内部識別子コードIC1が外部識別子コードIC2にマッチする生体内検知デバイス12である。生体内撮像デバイス12が、患者の胃腸管を撮像するための飲み込み可能なカプセルである実施形態では、指定の生体内撮像デバイス12は、所定の患者が飲み込んだ生体内検知デバイスである。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、データ・レコーダ14に受信信号強度表示(RSSI)ユニット64を設けて、データ・レコーダ14は、受信データ信号(生体内検知デバイスの内部識別子コード、取り込んだ画像データおよびまたは他のデータを含むデータ・フレームの形式)を、指定の生体内検知デバイス12から受信したかどうかを、受信信号強度表示に基づいて判定する。図4は、RSSIに基づいて生体内検知デバイスを識別するための本発明のいくつかの実施形態による方法を示す単純化されたブロック説明図である。本方法には以下のステップが含まれる。(i)生体内検知デバイス12に識別子コードを与えて、識別子コードをデバイス・メモリ62に保存するステップ(ステップ402)。(ii)データ・レコーダ14を受信モードにするステップ(ステップ404)。(iii)生体内検知デバイス12を作動させるステップ(ステップ406)。画像および/または他のデータを生体内検知デバイス12によって取り込んで、取り込んだデータを識別子コードとともにデータ・フレームの形式のデータ信号として送信するステップ(ステップ408)。データ・レコーダにおいて、受信した各フレームに対して、受信データ信号のRSSIが閾値RSSITを超えるかどうかを判定するステップ(ステップ410)。次に判定を行なう(ステップ412)。受信データ信号のRSSIが、受信したフレームに対して閾値RSSITを超えるときには、生体内検知デバイス12の識別子コードを、受信したフレームから取り出して、受信した取り込んだデータとともにデータ・レコーダ・メモリ60に保存する(ステップ414)。そして制御をステップ408へ戻して、さらなるデータを生体内検知デバイス12によって取り込んでデータ受信機14へ送信する(ステップ408)。他方で、受信データ信号のRSSIが閾値RSSITを超えないときには、データ・レコーダ14が受信したデータは、異なる生体内検知デバイスから受信したものであり、制御をステップ408へ戻して、さらなるデータを生体内検知デバイス12によって取り込んでデータ受信機14へ送信する(ステップ312)。これらのステップ(408〜412)は、生体内検知手順全体の間、行なっても、予め設定した時間内のみ(たとえば生体内検知手順の最初の5分間または10分間の間)に行なっても良い。RSSIを生体内検知手順の全体を通して各フレームに対してチェックするときには、オフライン・プロセスによって、データ・フレーム内で受信した識別子コード(たとえばステップ414において)を分析して、特定の識別子コードとともに受信したデータ・フレームを保存するのかまたは捨てるのかを判定する。識別子コードのオフライン解析は、データ・レコーダにおいて行なっても、データ・レコーダに動作可能に接続されたワークステーションにおいて行なっても良い。RSSIのチェックを最初の所定の時間間隔の間のみに行ない、そしてRSSI>RSSITであるフレームのみをデータ・レコーダに保存する。所定の時間間隔が過ぎた後で、保存したフレーム(RSSITより大きいRSSIを有するフレーム)に含まれる識別子を分析して、指定のデバイスを、同じ識別子コードを含む最大数のフレームに基づいて選択する。たとえば、フレーム数のヒストグラムを作成する。ここでは、ヒストグラム中の各列は、検出された異なる識別子コードを表わしている。本方法には、最大数のフレームに含まれる内部識別子コードを選択することと、前記内部識別子コードに基づいて指定の生体内デバイスを判定することとが、含まれている。この場合、所定の時間間隔の後に受信したフレームに対しては、識別子コードの解析を好ましくは、生体内検知手順中になされるデータ・フレームの記録の間にオンラインで行なう。このようにして、指定の生体内検知デバイス12から受信した画像データおよび/または他のデータのみを、データ・レコーダ14が保存しても良い。指定の生体内検知デバイス12は、受信データ信号のRSSIが閾値RSSITを超える生体内検知デバイス12である。言い換えれば、指定の生体内検知デバイス12は、受信アンテナ34に近接していることによって識別される。最も高いRSSIを用いるという考え方は、指定のカプセルが他のカプセルよりもDRの近くに配置されるという想定に基づいている。したがってそのRSSIは、他の検知デバイスから送信され得る他の検出データ信号と比較したときに比較的高い。したがって、好ましい実施形態では、ステップ408の前に、生体内検知デバイス12を受信アンテナ34の近くに持って行くというさらなるステップがある。
【0018】
一実施形態によれば、生体内検知デバイスを特定のデータ・レコーダに対応付けるために、他の方法が用いられる。本方法には以下のステップが含まれる。(i)生体内検知デバイス12に識別子コードを与えて、識別子コードをデバイス・メモリ62に保存するステップ。(ii)データ・レコーダ14を受信モードにするステップ。(iii)生体内検知デバイス12を作動させて、画像および/または他のデータを生体内検知デバイス12によって取り込んで、取り込んだデータを識別子コードとともにデータ・フレームの形式のデータ信号として送信するステップ。予め設定した時間の後に、たとえばデータ・レコーダまたは生体内検知デバイスに電源投入する最初の5分間の後に、受信したデータ・フレーム(識別子コードを含む)の数のヒストグラムを計算する。たとえば、予め設定した時間を下回る時間の間に電力投入した検知デバイスから送られるフレームのみを、ヒストグラム計算において考慮する。指定の時間が過ぎた後に、判定を行なって、たとえばデータ・レコーダにおいて特定の検知デバイスから受信した最大数のフレームに基づいて、生体内検知デバイスをデータ・レコーダに対応付ける。そしてデバイスを、指定のカプセルとして設定する。一実施形態では、同じデバイス識別子コードとともに受信したフレームのみをデータ・レコーダが受け入れる。
【0019】
いくつかの実施形態では、指定の生体内検知デバイス12を識別する方法は、「取り込んだフレーム数」(生体内検知デバイス12内のフレーム・カウンタが決定する)を、データ信号において送信することを含む。指定の生体内検知デバイス12の作動は一般的に、実施前はほんの短い間であるため、「取り込んだデータ・フレーム数」は、比較的少数でなければならない(たとえば30未満)。データ信号として、「データ・フレーム数」が非常に大きいもの(たとえば100超または15,000超のもの)を、データ・レコーダ14が受信したときには、それは、データ信号を指定の生体内検知デバイス12から受信しなかったという表示である。データ・フレーム数の閾値は、たとえば、患者が受けようとしている手順の種類に基づいて、または使用する検知デバイス(および/またはフレーム・レート)の種類に基づいて、構成される。この考え方は、別の実施形態として用いられる。たとえばデータ・レコーダの電源投入をした後で、入ってくるフレームをすべてチェックする等である。これは、予め設定した間隔の間、たとえば動作の最初の10分間の間に行なわれる。この間隔の間、予め設定した閾値よりも小さい値を有するフレーム・カウンタを含むデータ・フレームの場合には、受け入れられる。予め設定した閾値よりも大きなフレーム・カウンタ値を有する受信フレームの場合には、捨てる。時間間隔が過ぎたときに、判定を、たとえばデータ・レコーダにおいて、すべての受け入れたデータ・フレームおよびそれらの対応するデバイス識別子をチェックした後で、行なっても良い。最大数のデータ・フレームを受信した(および受け入れた)デバイスの識別子を、現在の生体内検知手順に対する指定の検知デバイスとして選択し、またデータ・レコーダに対応付けても良い。現在の生体内検知手順において検知デバイスをデータ・レコーダに対応付けた後で、選択した生体内検知デバイスから届いたデータ・フレーム(たとえば、選択した検知デバイスと同じ識別子コードを有する)を、データ・レコーダが受け入れて記録する。
【0020】
いくつかの実施形態では、フレーム・カウンタをRSSIと組み合わせることが可能である。たとえば、データ・レコーダの電源投入の後の予め設定した時間中、フレームとして、RSSITよりも大きいRSSI値を有し、且つフレーム・カウンタ閾値よりも小さいフレーム・カウンタを有するもののみを、カウントする。予め設定した間隔が過ぎた後に、判定を、同じ検知デバイス(たとえばフレーム中の識別子コードが同じ)から届くカウントされたフレームの最大数に基づいて行なう。
【0021】
図5は、生体内検知デバイスを識別する本発明の実施形態による別の方法を示す単純化されたブロック説明図である。本方法には以下のステップが含まれる。(i)生体内検知デバイス12に識別子コードを与えて、識別子コードをデバイス・メモリ62に保存するステップ(ステップ502)。(ii)データ・レコーダ14を受信モードにするステップ(ステップ504)。(iii)生体内検知デバイス12を作動させるステップ(ステップ506)。(iv)識別子コードを含むビーコン・フレームを生体内検知デバイス12によって送信するステップ(ステップ508)。この段階では、生体内検知デバイス12は、通常の取得モードで動作していなくても良く、データを取り込んでいなくても良い。検知データの代わりにビーコン・フレームを送信することに対して、いくつかの利点が存在する。画像データを含まないビーコン・フレームは通常は小さく、生体内検知データ・フレームよりも短い時間で送信される。したがってビーコン送信の方が、他の検知デバイスの送信との干渉が少ない。加えて、ビーコン・フレームを送信する場合は、画像または他の検知データ送信の場合と比べて、検知デバイス・パワーが節約される。その結果、生体内検知デバイス12は、ビーコン送信モードであっても、実施の用意ができていないという表示を出す。表示は、視覚的な手段によって行なわれる。たとえば、非常に速い点滅かもしくは非常に遅い点滅によってか、またはまったく点滅しないことによってである。点滅は、照明源22によって行なっても良い。好ましくは、検知手順を受ける患者は、実施の用意ができているという表示を生体内検知デバイス12が出すまで待機しなければならない。これによって、生体内検知デバイス12が、現在の手順に対して、データ・レコーダによって確認応答されてそのデータ・レコーダに対応付けられたことを、確認する。本方法には、以下のさらなるステップが含まれる。(v)ビーコン・フレームをデータ・レコーダ14によって受信して、識別子コードをビーコン・フレームから取り出して、識別子コードをデータ・レコーダ14に保存するステップ(ステップ510)。(vi)データ・レコーダ14によって、取得要求、識別子コード、およびデータ・レコーダのIDコードを含む応答フレームを送信するステップ(ステップ512)、応答フレームを生体内検知デバイス12によって受信するステップ(ステップ514)。(vii)画像データおよび/または他のデータを生体内検知デバイス12によって取り込んで、取り込んだデータを送信するステップ(ステップ516)、取り込んだデータをデータ・レコーダによって受信するステップ(ステップ518)。ステップ514では、生体内検知デバイス12が取得要求(応答フレームに含まれる)を受信する結果、生体内検知デバイス12は、動作モードをビーコン送信モードからデータ取り込みモードへと変える。ステップ516では、送信された取り込んだデータを、生体内検知デバイス識別子コードとともに、生体内検知デバイス12が送信する。いくつかの実施形態では、送信された取り込んだデータを、生体内検知デバイス識別子コードおよびデータ・レコーダ識別子コードとともに送信する。ステップ516に、識別子コードおよび/またはIDコードを送信することが含まれているときには、ステップ518には、これらのコードを受信することが含まれる。データ・レコーダ14が、ステップ518において、取り込んだデータを受信するときには、指定の生体内検知デバイス12を効果的に取得しているのであり、データ・レコーダは、これは本当のことであるという外部表示を出す。このような外部表示は、データ・レコーダ照明源の点滅である。あるいは、データ・レコーダ・ビューア44の一部が点滅し、および/または好適な通知を示しても良い。いくつかの実施形態では、取得した生体内検知デバイス12の識別子コードを、データ・レコーダ・ビューア44上に表示する。
【0022】
本明細書に記載される方法は、オンラインで行なっても良い。たとえば生体内検知デバイスが検知データを取り込む間に行なわれる。指定のカプセルの判定は、即座に行なっても(図5に例示するビーコン方法において記載したように)、または所定の時間間隔(この間にデータを集めて分析しても良い)の後に行なっても良い。しかしこれらの方法は、オフラインで作動させることもできる。この場合、すべての受信データをデータ・レコーダに記録しても良く、記録したデータの解析を、プロセッサ(たとえばワークステーション内のプロセッサ)が、生体内検知手順の終了後に行なう。指定の生体内検知デバイスの判定は、前述したように種々の基準に基づく。たとえば以下のものである。
【0023】
初期時間中における、同じ検知デバイス識別子を有するデータ・フレームの最大数。
所定の時間中における、閾値RSSI値を超えるデータ・フレームであって、同じ検知デバイス識別子を有するフレームの最大数。
【0024】
データ記録全体の中で同じ検知デバイス識別子を有するデータ・フレームの最大数。
同じ検知デバイス識別子を有するとともに、特定の閾値を下回るフレーム・カウンタまたは「送信されたフレーム数」も有する最大数のデータ・フレーム。
【0025】
指定のデバイスと同様の識別子コードを有さないデータ・フレームは、たとえば外部のプロセッサが捨てる。
本発明を、1つまたは複数の具体的な実施形態を参照して説明してきたが、説明は全体として例示的であることが意図されており、示した実施形態に本発明を限定すると解釈してはならない。本明細書では具体的には示していないがやはり本発明の範囲内である種々の変更が当業者には想起され得ることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態による生体内検知システムを示す単純化した概念上の説明図である。
【図2】本発明の実施形態によるブリスター・パック内の生体内撮像デバイスを示す例示的な側面図である。
【図3】受信データを生体内検知デバイスと関連づけることによって生体内検知デバイスを識別する本発明の実施形態による方法を示す単純化されたブロック説明図である。
【図4】RSSIに基づいて生体内検知デバイスを識別するいくつかの本発明の実施形態による方法を示す単純化されたブロック説明図である。
【図5】生体内検知デバイスを識別する本発明の実施形態による別の方法を示す単純化されたブロック説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体内検知デバイスを識別するための方法であって、
指定の生体内検知デバイスに内部識別子コードを与えること、
前記生体内検知デバイスから、内部識別子コードを含むデータ信号を受信すること、
前記指定の生体内検知デバイスから前記受信データ信号を受信したかどうかを判定すること、
前記指定の生体内検知デバイスから前記データ信号を受信している場合、データ信号をデータ・レコーダ内に保存すること、
を備える、方法。
【請求項2】
前記指定の生体内検知デバイスから前記受信データ信号を受信したかどうかを判定することは、
前記受信した内部識別子コードを外部識別子コードと比較すること、
前記内部識別子コードが前記外部識別子コードと同一である場合、前記指定の生体内検知デバイスから前記受信データ信号を受信していると判定すること、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記外部識別子コードは、前記データ・レコーダのユーザ・インターフェースか、またはワークステーションを介して前記データ・レコーダに提供される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記指定の生体内検知デバイスから前記受信データ信号を受信したかどうかを判定することは、
所定の時間内に、各受信データ信号に対して、前記受信信号の受信信号強度表示(RSSI)が閾値を超えるかどうかを判定すること、
前記RSSIが閾値を超えている場合、前記データ信号を保存すること、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記データ信号から前記内部識別子コードを抽出すること、
最大数のフレームに含まれる前記内部識別子コードを選択すること、
前記選択した内部識別子コードに基づいて、前記指定の生体内デバイスを判定すること、
をさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記指定の生体内検知デバイスから前記受信データ信号を受信したかどうかを判定することには、
前記生体内検知デバイスから受信した画像をリアル・タイムで表示すること、
前記画像が、前記指定の生体内検知デバイスによって取り込まれたことを検証すること、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記受信データ信号は、前記内部識別子コードを含むビーコン・フレームである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記データ信号はさらに画像データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記指定の生体内検知デバイスから前記受信データ信号を受信したかどうかを判定することは、生体内検知手順の間オンラインで行なわれる、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−504(P2009−504A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−103709(P2008−103709)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(506203914)ギブン イメージング リミテッド (45)
【氏名又は名称原語表記】GIVEN IMAGING LTD.
【Fターム(参考)】