説明

生体分子を分析するための光ディスク

本発明は、その上でポリマー分子の分析を行うことができる光ディスクを説明する。ピットおよびランドを備える光学基材上に局在させられた標的分子の複数の特徴を判定するための方法であって、(i)標的分子の種々の所定の特徴をインタロゲートするための一連の反応を、反応の各々が異なるピットにおいて生じるように実行するステップと、(ii)反応が生じたピットまたは反応が生じなかったピットのいずれかを修飾して、ピットの反射特性を変えるために、光学基材を処理するステップと、(iii)ピット内の反射率を測定することで、標的の種々の特徴を判定するステップとを含む方法が存在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーまたは他の分子の特徴についての情報を光学的に読み取ることができる基材上にエンコードするための方法および装置に関する。ポリヌクレオチドの配列情報を光ディスク上にエンコードするために特に有用である。
【背景技術】
【0002】
分子の研究における進歩は、部分的には、分子またはそれらの生体反応の特徴を明らかにするために用いられる技術の改良によってもたらされている。特に、核酸DNAおよびRNAの研究が、配列の分析およびハイブリダイゼーションの事象の研究に使用される発展中の技術の恩恵を受けている。
【0003】
生体分子の実行可能な研究方法としてのゲノミクスおよびプロテオミクスの発展が、ますます微細化され、かつ、多数のサンプルを同時にアッセイすることを可能にする分析および検出の機器および手順の発展と同時に生じている。マイクロアレイが、そのような「高能率」の技法の最もよく知られた例である。
【0004】
光ディスクも、生体サンプルおよび化学的サンプルの迅速かつ多重化された検出および分析のために開発されてきている。この技法は、コンパクトディスクおよびDVDなど、オーディオおよびビデオの光ディスクの分野において開発された技術をベースにしている。対象の分子(アナライト)が、光ディスク上または光ディスク内に配置され、光ビーム(最も一般的には、レーザ)が、ディスクの表面に焦点を合わせている。次いで、検出器が、光ディスクから反射され、あるいは光ディスクを通って伝わる光を検出する。検出される光を分析することで、アナライトについての情報がもたらされる。これは、「ラボ・オン・ディスク」技法と称されている。その例が、国際公開第96/09548号、国際公開第98/12559号、および米国特許6,760,298号に記載されている。コンパクトディスク上でのたんぱく質サンプルの高能率のマイクロ流体処理が、GustafsonらのAnalytical Chemistry、Vol.76:Issue2(253−502)、2004に記載されている。
【0005】
しかしながら、従来の光ディスク技術は、生物学的および化学的なアッセイに使用するために設計されているわけではない。光ディスクを用いて生体分子を分析するために現時点において利用可能な技法の大部分は、光ディスク上または光ディスク内で生物学的および化学的な手順を実行することを試みている。光ディスクは、アッセイに関する情報を含むことができるが、主として、生物学的アッセイのための便利な支持体として機能し、光ディスクの技術と生物学的アッセイの技術とが、本質的に分離したままである。
【0006】
国際公開第99/35499号(Remacle)が、光ディスクを標的分子の検出のための基材表面として使用することを記載している。ディスクに、開裂不能なキャプチャ分子が、ディスクのある領域に結合させて設けられている。キャプチャ分子が、サンプルから1つ以上の標的分子を単離するための手段をもたらしており、結合の検出が、レーザを使用してレーザの反射の変化を測定することによって行われている。レーザの反射の変化は、標的分子の結合に直接起因して生じ得るが、結合サイトの局所的な浸食作用によっても生じ得る。この刊行物に開示された方法は、反応から限られた情報を得ることしか可能にしていない。結合の事象は、検出はされるものの、標的の特性について、結合リガンドとの親和性を有するという知見以外には、いかなる情報ももたらされない。
【0007】
国際公開第99/35499号によれば、標的分子とその親和パートナとの間の相互作用の結果として、基材表面に痕跡(盛り上がり)が生じ、これがレーザビームによって検出され、バイナリ信号へと変換される。結合反応が、基材にあらかじめ形成された空洞において生じることができ、あるいは基材の上面に固定されたプラスチック帯において生じることができる。レーザビームが基材の上面に焦点を合わされ、光が高度に反射性の層から検出器へと反射され(反射の検出)、あるいはレーザビームが基材の下方に焦点を合わされ、光が半反射性の材料を通過し、検出器が、基材を通過する光を捕捉および測定するために使用される(光の透過)。反応がディスクの比較的広い領域において生じる点に鑑み、分解能が比較的低い。
【0008】
米国特許出願公開第2007/0031856号(Hong)が、バイオディスクマイクロアレイの製造および使用を記載している。これらのバイオディスクは、小さなオリゴヌクレオチドプローブが表面に配置されたCDタイプの光ディスクである。オリゴヌクレオチドが、その場に微細に製造され、あるいはスピンオン・アンド・ピールと称される技法を使用して製造される。製造されたマイクロアレイが、標的ポリヌクレオチドに存在する蛍光タグを使用してハイブリダイゼーションの事象を検出するために使用される。米国特許出願公開第2007/0031856号は、CDタイプのディスクのピットにポリヌクレオチドを配置できることを示しているが、検出のために蛍光タグが必要であることが、蛍光が消光を免れないという理由で、バイオディスクの有用性を制限している。さらに、蛍光信号が弱い傾向にあり、フィルタおよび別途の検出器が、通常は必要である。
【0009】
米国特許670298号(Worthington)が、アナライトの検出に使用される光ディスクの作成を記載している。ディスクが、アナライトを受け入れるための空洞を形成する多数のデータ層を備えて製造されている。生物学的または化学的な反応を、アナライト部分において実行させることができ、レーザ光によって検出される光学的な効果を生じさせるために使用することができる。光ディスクにおいて実行される反応は、ディスクの構造的な特性を変化させることがない。
【0010】
米国特許6342349号(Virtanen)が、アナライトに特有の信号エレメントが配置された光ディスクにもとづく装置を記載している。信号エレメントを光ディスクへと固定でき、標的アナライトを捕捉するために使用することができる。信号応答部分が、標的アナライトが結合した場合に、入射光を反射させ、散乱させ、さらには吸収するように機能することができる。したがって、刊行物は、光ディスク上の所定の位置に局所化された信号部分の存在にもとづくアナライトの検出方法を記載している。信号部分を検出するために使用される光(レーザビーム)が、光ディスクの上面へと向けられ、反射光が、光ディスクの上方に配置された検出器において検出される。
【0011】
これらの文献の各々は、光ディスクを用いる有用なアナライト検出技法を記載しているが、高密度の光ディスクを使用して生物学的反応を検出するための改善された方法であって、生体分子の特定の特徴を後続の識別のためにバイナリ信号へと変換することができる方法について、ニーズが依然として存在する。
【0012】
国際公開第04/094664号および国際公開第00/39333号が、「デザインポリマー」の調合のための技法を記載している。デザインポリマーは、標的ポリマーに関する情報をエンコードするポリマー配列(通常は、DNA)である。デザインポリマーは、通常は、元の標的配列上のただ1つのモノマーを表わす一連のモノマー配列を含む。元の配列が、今や「拡大」されたと言える。この方法で、元の標的のモノマーよりも高い識別性にてインタロゲートされることが可能な「修正」された配列が得られる。例えば、標的上のただ1つのモノマーを表わすためにモノマーの所定の配列を使用することで、デザインポリマーのミス配列はより明確に検出可能であるため、ユーザが、標的の配列をより正確に判定することができる。
【0013】
デザインポリマーは、きわめて有用であるが、デザインポリマーの配列の最終的な読み取りのための技法を提供するための課題が、依然として存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、光学的に読み取り可能な基材を、アナライト分子、例えば、ポリマーの特徴についての情報をエンコードするように修飾できるという理解にもとづいている。次いで、修飾された基材を、基材上の情報をデコードするための装置において使用することができる。したがって、本発明は、ポリマーの配列を判定し、ポリマーの配列を後のデコードのために基材上にエンコードするために、特に適している。好ましい実施形態において、本発明は、生体分子についての情報を光ディスク上にエンコードするために単一ピットの分解能にて使用することができる光ディスクを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の態様によれば、光学的に読み取り可能な基材が、上面に反射材料が配置されてなる透明かつ堅固な基材と、反射材料の上面を覆う化合物の層とを備える。化合物は、有機または無機であり、ピットを生成するためにレーザ光によって除去することが可能である。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、光学基材が、反射層ならびに一連のピットおよびランドを備え、1つ以上のピットが、親和パートナが結合してなるポリマー分子を含み、親和パートナを有するピットが、各々のピットまたはピット内に配置された材料を有し、親和パートナを有さないピットが、反射層を有さないことを特徴とする。
【0017】
本発明の第3の態様によれば、光学基材が、一連のピットおよびランドを備え、1つ以上のピットが、親和パートナが結合してなるポリマー分子を含み、親和パートナを有するピットが、各々のピットまたはピット内に配置された材料を有し、光学基材が、ピットの底部に反射層を備えないことを特徴とする。
【0018】
本発明の第4の態様によれば、光学基材が、反射層ならびに一連のピットおよびランドを備え、1つ以上のピットが、第2のポリヌクレオチドが結合してなる第1のポリヌクレオチドを含み、第1および第2のポリヌクレオチドを有するピットが、ピットまたはピット内に配置された材料を有し、第1のポリヌクレオチドが、一連の配列単位を含み、各々の単位が、特定の特徴を表わす複数のヌクレオチド配列を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明の第5の態様によれば、光学的に読み取り可能な基材が、実質的に直線的な形態で基材の不連続な領域に局在させられたポリヌクレオチドを備え、複数のオリゴヌクレオチドプローブが、ポリヌクレオチドへと異なる領域において取り付けられる。
【0020】
本発明の第6の態様によれば、光学的に読み取り可能な基材が、反射層を備え、さらにこの基材が、官能化されたナノ粒子が取り付けられた溝を表面に備える。
【0021】
本発明の第7の態様によれば、ピットおよびランドを備える光学基材上に局在させられた標的分子の複数の特徴を判定するための方法であって、この方法が、
(i)標的分子の種々の所定の特徴をインタロゲートするための一連の反応を、前記反応の各々が異なるピットにおいて生じるように実行するステップと、
(ii)反応が生じたピットまたは反応が生じなかったピットのいずれかを修飾して、ピットの反射特性を変えるために、光学基材を処理するステップと、
(iii)ピット内の反射率を測定することで、標的の種々の特徴を判定するステップとを含む。
【0022】
本発明の第8の態様によれば、分子の一連の特徴を判定するための方法が、分子を、反射層を有する光学的に読み取り可能な基材の表面上又は表面において反応させ、1つ以上の反応部位の反射層を崩壊させることで、分子の反応の特徴を表わす1つ以上の識別可能な信号を、基材上にエンコードすることを含む。
【0023】
本発明の第9の態様によれば、ポリマーの特徴についての情報を、反射層を有する光学的に読み取り可能な基材上にエンコードするための方法が、
i)ポリマーを基材の不連続な領域へと局在させるステップと、
ii)不連続な部位においてポリマーをインタロゲートするステップと、
iii)インタロゲーションの部位、またはインタロゲーションが生じていない部位において、反射層が変質または崩壊させられるように、基材を処理するステップとを含む。
【0024】
反応/インタロゲーションの部位の反射層を変質または崩壊させることで、基材が、分子/ポリマーについて明らかにされた情報を「エンコード」することができる。その後の工程において反射層を分析することで、反応/インタロゲーションの部位を判定し(デコードし)、例えばポリマーの配列など、分子の特徴についての有用な情報をもたらすことができる。
【0025】
本発明の第10の態様によれば、ポリヌクレオチドの配列を分析するための方法が、
i)反射層を有する光学的に読み取り可能な基材であって、ポリヌクレオチドの配列を各々が表わしている、所定の配列の一連のオリゴヌクレオチドプローブを異なる部位に結合させて有する基材を用意するステップと、
ii)ポリヌクレオチドをオリゴヌクレオチドプローブへとハイブリダイズするステップと、
iii)ポリヌクレオチドに対して完全に相補的であるオリゴヌクレオチドへと、反射層を改質または分解でき、あるいは反射層を後の改質または分解のために露出させることができるラベルを取り付けるステップと、
iv)基材を分析することによって改質または分解の配置を明らかにすることで、ポリヌクレオチドの配列を明らかにするステップとを含む。
【0026】
本発明の第11の態様によれば、ポリマーの特徴についての情報を保存するための方法が、光学的に読み取り可能な基材に、ポリマーの複数の特徴を一緒に特定する一連の光学的に読み取り可能な構造でエンコードすることを含む。
【0027】
本発明の第12の態様によれば、ポリマーに関する情報を、反射層を備える光学的に読み取り可能な基材上にエンコードするための方法が存在し、この方法が、ポリマーを基材の表面上または基材の表面の隣に局在させるステップと、ナノ粒子を、ポリマーの所定の部分に対応する基材の表面の部分に局在させるステップと、ナノ粒子を、不連続な部位において表面を変質または崩壊させるための反応を促進する条件下で基材の表面に接触させ、反射層を変質または崩壊させ、あるいは不連続な部位において反射層を変質または崩壊させるための後続の反応のために反射層を露出させることで、基材をポリマーの所定部分についての情報でエンコードするステップとを含む。
【0028】
本発明の第13の態様によれば、1つ以上の放射状の溝を備える基材の表面上においてポリマー分子を整列させるための方法が存在し、この方法が、ポリマーの末端領域を溝へと取り付け、基材をある軸を中心にして所定の速度で回転させることで、基材が回転して液体へと出し入れされ、ポリマーが液体から回転して出るときに溝内に整列させられることを含む。
【0029】
本発明の第14の態様によれば、ポリヌクレオチドの配列を分析するための方法が、
i)反射層を有する光学的に読み取り可能な基材であって、ポリヌクレオチドの推測上の配列を各々が表わしている、所定の配列の一連のオリゴヌクレオチドを異なる部位に結合させて有する基材を用意するステップと、
ii)ポリヌクレオチドをオリゴヌクレオチドのうちの2つ以上と反応させるステップと、
iii)ポリヌクレオチドと反応するオリゴヌクレオチドに、反射層を変質させることができ、あるいは反射層を後の変質のために露出させることができるラベルを取り付けるステップと、
iv)基材を分析することによって変質の配置を明らかにすることで、ポリヌクレオチドの2つ以上の配列を明らかにするステップとを含む。
【0030】
本発明の第15の態様によれば、ポリヌクレオチドが取り付けられてなる光学的に読み取り可能な基材が存在し、ポリヌクレオチドが、一連の所定の配列単位を有し、各々の配列単位が、少なくとも2つのヌクレオチドを有する。
【0031】
本発明の第16の態様によれば、生物学的情報をエンコードするための光ディスクを製造するための方法が、
(i)(a)光学的に透明な基材層と、
(b)透明な基材の上面上に層にて配置された反射材料と、
(c)反射層の上に配置された化合物の層と、
を有する光学基材を得るステップと、
(ii)化合物層において所定のパターンで所定のピットを除去し、ピット内で反射材料を露出させるステップとを含む。
【0032】
本発明が、以下の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】バイナリコードを表わしている個々の配列単位であって、デザインポリマーの配列へと取り入れることができ、基材上にエンコードされる配列単位を示している。
【図2】増幅されたポリヌクレオチド配列が基材表面に存在する複数のオリゴヌクレオチドプローブに接触する本発明の実施形態を示している。
【図3】ラベルによる基材上の反射層の分解を示している。
【図4】ラベルによる基材上の反射層の分解を示している。
【図5】本発明において使用されるために構成されたデザインポリマーを示している。
【図6】本発明による光学基材の製造を示している。
【図7】ポリヌクレオチドをディスクの表面上に吸着させるために使用される分子コーミング技法を示している。
【図8】本発明において使用するための光ディスクの物理的な特性を示している。
【図9】光学基材の溝に存在する凹みへのナノ粒子の局在を示している。
【図10】光学基材の溝に存在する凹みへのナノ粒子の局在を示している。
【図11】光学基材の溝に存在する凹みへのナノ粒子の局在を示している。
【図12】光学基材の特定の領域内へのナノ粒子の局在、および光学基材の表面の特定の領域における自己組織化単分子層の形成を示している。
【図13】光学基材の特定の領域内へのナノ粒子の局在、および光学基材の表面の特定の領域における自己組織化単分子層の形成を示している。
【図14】光学基材の特定の領域内へのナノ粒子の局在、および光学基材の表面の特定の領域における自己組織化単分子層の形成を示している。
【図15】ポリヌクレオチドを後のコーミングのために基材に固定するために使用される光学基材の表面のさまざまな構成を示している。
【図16】(a)遮断層の堆積(銀増強)後に湿式エッチングされた反射層を有する光ディスクの構成を示し、(b)湿式エッチングされていない光ディスクの構成を示し、(c)分析の前にエッチングされる光ディスクの構成を示す。
【図17】遮断後にエッチングされたピットの反射率を測定することによって達成されるピットの分解能を示している。
【図18】エッチングされていないピットの反射率を測定することによって達成されるピットの分解能を示している。
【図19】分析の前にエッチングされるピットの反射率を測定することによって達成されるピットの分解能を示している。
【図20】本発明による光ディスクのAFMトポロジーを示している。
【図21】光ディスク上で実現された銀増強を示している。
【図22】エッチング前およびエッチング後のランドおよびピットの外形を示している。
【図23】ディスク上の1つの溝のトレースについて、ディスク駆動装置SUM信号−対−時間を示している。
【図24】銀で遮断されたピットおよび手つかずの反射物を有する1つの溝からのディングルピット信号に関する、ディスク上の1つの溝のトレースについてのディスク駆動装置SUM信号−対−時間を示している。
【図25】銀で覆われた領域および銀で覆われていない領域を有する1つのトラックに沿ったディスク駆動装置検出器SUM信号のスコープトレースを示している。
【図26】銀で覆われた領域を有する1つのトラックに沿ったディスク駆動装置検出器SUM信号のスコープトレースを示している。
【図27】ディスク上の1つの溝のトレースについて、ディスク駆動装置SUM信号−対−時間を示している。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、分子の特徴を光学基材上にエンコードすることを可能にする。次いで、エンコードされた情報を、後の段階においてデコードする(読み取る)ことができる。一実施形態においては、エンコードが、調査対象の分子の特徴に応じた所定の方法で崩壊させることができる基材上の反射層を利用することによって実行される。反射層の崩壊が、読み取り可能な光学基材を生み出す。別の実施形態においては、分子が、光学基材上のピット内で分析され、ピットが、反応が生じたか否かに応じて修飾される。したがって、ピット間の識別が可能であり、単一ピットの分解能を達成することができる。これは、個々のピットの読み出しにもとづいてバイナリデータを生成できるという能力をもたらす。
【0035】
本発明は、好ましくはポリマー分子の特徴についての情報を光学的に読み取ることができる基材上にエンコードすることを、可能にする。本発明は、その最も単純な形態において、ポリマー分子を基材表面においてインタロゲートすることを可能にし、ポリマーの特定の特徴が、例えばポリマー上のインタロゲーションが生じた部位において基材の反射性の表面を変質または崩壊させることによって基材を修飾することで、基材上にエンコードされる。次いで、基材表面を「読み取る」ための従来の装置または変更された装置を使用することによって、ポリマーの特徴を特定することができる。基材の修飾の配置が、ポリマーの特徴を示している。
【0036】
この方法は、ポリマーの配列を基材上にエンコードするために特に有用である。ひとたび情報が光学的に読み取り可能な基材にエンコードされると、標準的な光学読み出し手順を使用して、情報を読み取ることが可能である。本明細書に記載される方法および装置の両者が、本発明の一部である。
【0037】
本発明は、分子の特性を分析するために使用可能である。例えば、本発明を、分子の種類を、基材表面に局所化された1つ以上の親和分子への当該分子の結合特性によって判定するために使用することができる。
【0038】
本発明は、ポリヌクレオチドに存在する特定配列を判定するために特に有用である。これは、ポリマーまたはポリヌクレオチドの特定の特徴を表わすように設計されたポリヌクレオチドの分析において役立つ。例えば、研究対象のポリヌクレオチドは、PCT/GB06/00825号(その内容が、参照により本明細書に組み込まれる)に定められるとおりのポリヌクレオチドであってもよい。しかしながら、本発明は、通常のDNA分子の配列を判定するためにも、アッセイベースのシステムにおいてDNA分子の存在を検出するためにも、使用することが可能である。
【0039】
本明細書において使用されるとき、用語「光学的に読み取り可能な基材」は、基材の分析を可能にするために光ビームによって走査することができる任意の材料を含む。反射光または透過光を検出できることは、当業者にとって明らかである。好ましい基材は、「光ディスク」である。用語「光ディスク」は、レーザによって読み取ることができる記憶装置を指すことが、当該技術分野において周知である。最も一般的な光ディスクは、コンパクトディスク(CD)およびデジタル・ビデオ・ディスク(DVD)である。例えば高品位デジタル・ビデオ・ディスク(HD−DVD)など、光ディスク技術における新規な発展が、この記憶媒体の容量を増加させている。これらの光ディスクのいずれか、または他の任意の種類の光ディスクを、本発明において使用することができる。本明細書において使用されるとき、基材の「光学的特徴」という用語は、基材を透過し、あるいは基材から反射される光ビームについて、基材が有する影響を指す。光学的特徴の変化は、通常は、基材の読み取り時に生じる信号の変化をもたらす。
【0040】
光ディスクの構造は、当業者にとって明らかである。要約すると、各々のディスクが、光学的に透明な材料からなる少なくとも1つの層(透明な基材)を、反射層でコートして備える。光学的に透明な適切な材料は、当業者にとって明らかであり、プラスチック、ガラス、マイカ、シリコン、などが挙げられる。プラスチック、特にポリカーボネートが好ましい。なぜならば、それらは、CD−ROMおよびDVD読み取り器において使用するための一般的な材料だからである。透明な層は、通常は約0.1ミリメートルの厚さであり、反射層は、通常ははるかに薄く、例えば10〜100ナノメートルの間の厚さである。反射層は、通常は薄い絶縁層であるが、銀シリコン、アルミニウム、テルル、セレン、ビスマス、銅、などといった他の反射または半反射材料や、他の任意の適切な反射材料も、適用可能である。透明な層および反射層は、レーザのトラッキングおよびオートフォーカスのためのウォブルグルーブ、ならびに/あるいは速度制御のためのピット構造など、他の機能上の構造をさらに含むことができる。好ましい実施形態においては、反射材料が、低い反射率の材料であり、あるいは半反射性である。これは、反射率の測定が、レーザ光の焦点を光ディスクの下面に位置させることによって行われ、すなわち透明な層を通して行われる実施形態において望ましい。したがって、分析されるアナライトは、光ディスクのレーザから遠い側に位置する。低反射率または半反射性の層の文脈においては、選択される材料が、入射光の50%未満、より好ましくは入射光の30%未満、最も好ましくは入射光の10%未満を反射させることが好ましい。
【0041】
光ディスク上の光学的に読み取り可能な構造は、一般に、「ピット」および「ランド」と称される。これらは、実際の物理的なピットおよびランド構造の形状を有することができるが、「ピット」および「ランド」を、より広い意味で、区別可能な反射率の差を有するディスク上の異なる領域を指して使用することができる(DVD Players and Drives、K.F.Ibrahim、Newnes、Oxford、2003)。
【0042】
一実施形態においては、反射層が基材の上面であるが、代案となる好ましい実施形態においては、保護層が、反射層の上方に設けられる。保護層を、エンコードのプロセスにおいて使用することで、適切な反応部位において保護層を浸食または除去し、後続の例えば湿式エッチングなどのエッチング(反射層を崩壊させる)のために反射層を露出させることができる。例えば、保護層は、相互作用の部位に局在したエクソヌクレアーゼによって分解できる単鎖DNAの自己組織化単分子層であってもよい。反射層を「崩壊させる」という表現は、反射層を変質させることも含む意図である。
【0043】
単分子層を設けることで、後の崩壊のために単分子層を準備するために、さまざまな化学反応を採用することができる。次いで、後続の反射層のエッチングを、反射層に明瞭な崩壊をもたらすために、従来の技法を使用して実行することができる。例えば、反射層を浸食する化学物質を用いる湿式エッチングを、使用することが可能である。
【0044】
基材がディスクである場合、本発明によるディスクは、例えばディスクの回転時に加わる遠心力によってディスクにおいて流体を移動させることができるようにする少なくとも1つのフローチャネルを含むことができる。コンパクトディスク上での生物学的サンプルのマイクロ流体処理は、例えば上述のGustafsonらに記載されているように、この技術分野において公知である。フローチャネルが、液体サンプル、例えば、ポリマーを含むサンプルをディスク内に分布させることを可能にする。フローチャネルを、サンプルがディスクの正しい領域に接するように構成しなければならないことは、当業者にとって明らかである。フローチャネルを、ディスク上の任意の場所に配置することができる。
【0045】
好ましい実施形態においては、基材がディスクであり、DVDおよびHD−DVDディスクの製造に使用される従来の技術を使用して製造可能である。ディスクは、最終的な読み出し段階においてレーザビームによって利用されるトラッキング溝を備えることができる。データトラックも設けられ、そこで反応が進行する。従来の光ディスクと異なり、本発明のディスクは、トラッキング溝に、データトラック内でのポリヌクレオチド(第2のポリヌクレオチド)の整列(コーミング)に使用される追加の凹み(通常は、おおむね長さが約100μm、幅が200nmである)をさらに備えることができる。これが、図8に示されている。ディスクが、射出成型によってマスタコピーを作成し、これを複製を作成するためのスタンプとして使用する従来のプレス技術を使用して作成される。基材の上部層は、通常は反射層である。これは、通常は、従来のスパッタリング技法によって基材表面へと配置される金属の層である。
【0046】
好ましい実施形態においては、光ディスクが、透明かつ堅固な基材(例えば、ポリカーボネート)と、透明な基材の上面に配置された反射材料(反射層)とを備え、さらに反射材料の上面を覆う化合物の層を備える。すなわち、反射材料が、化合物の層と透明な層との間に挟まれている。これは、化合物が反射層と光学的に透明な材料との間に挟まれている従来の記録可能なCDまたはDVDと異なる。この新規な構成は、本発明の方法において使用されるときに、後述のような利点を有する。
【0047】
化合物は、光ディスク上に所定のピットを形成するために例えば除去するために露出されることができる保護層を提供する。ピットは、露出された反射層を有することができる。残りの化合物層が、光ディスク上で「ランド」を形成する。
【0048】
この構成を有する光ディスクは、本発明の好ましい方法を実行するために有利である。特定の好ましい方法においては、反応が生じたピットと反応が生じていないピットとの間の区別を行うことが、目的である。これを達成するための1つの方法は、反応が生じたピットを修飾し、あるいは反応が生じなかったピットを修飾することである。
【0049】
一実施形態においては、修飾が、反射層の崩壊または除去によって達成される。反応が生じたピット(あるいは、反応が生じなかったピット)が、ピットへのアクセスを遮断するために処理される。
【0050】
次いで、エッチング(例えば、湿式エッチング)を、遮断されていないピットにおいて生じさせて、反射材料を崩壊させ、あるいは除去することができる。この実施形態の有機化合物層は、耐エッチング性であり、光ディスクの残りの表面をエッチングプロセスから保護する。これが、図16(a)および図16(b)、ならびに図17および図18にも示されている。
【0051】
好ましい実施形態においては、化合物が、例えばCiba(登録商標)IRGAPHOR(登録商標)ultragreen MXなどの有機色素である。別の耐エッチング性の有機化合物として、ダイポリマーが挙げられる。これらを、従来の技法を使用して光ディスク上にスピンコートすることができる。好ましくは、化合物は、ピットを生成するためのレーザによる処理に対して敏感である。この方法で除去することができる化合物は、当業者にとって明らかである。特に、化合物層は、典型的には、可視UV光を吸収でき、そのような光によって除去され得る材料から形成される。可視またはUV光は、通常は、100mW未満、好ましくは50mW未満、さらに好ましくは20mW未満の出力を有するレーザを使用してもたらされる。適切な材料は、従来の記録可能なCDディスクから公知である。化合物層のための材料は、通常は、反射層をエッチングするために使用される技法に対して耐性を有する。例えば、化合物層は、湿式エッチングまたは酸エッチングに耐えることができる。
【0052】
一実施形態においては、ピットが化合物層および対応する反射層に形成され、ピット内に透明な基材を露出させる(図16(c)および図19)。これの利点は、光が、遮断されていないピットを透過するが、ピットが遮断されている場合には、反射させられる点にある。この構成は、化合物層においてピットを除去し、次いで、分析の実行に先立って、湿式エッチングを実行してすべてのピット内の露出された反射材料を除去することによって実現できる。
【0053】
さらなる代案の実施形態においては、ピットが化合物層に形成され、反射材料が、修飾されないままで露出される。したがって、湿式エッチングは不要である。この実施形態においては、化合物層は、エッチング耐性を必要としない。
【0054】
用語「除去」は、光ディスクの表面に輪郭のはっきりしたピットを焼き付けるためにレーザ光で化合物層を処理することを指す。除去は、任意の適切な装置によって実行可能である。好ましくは、除去は、半導体レーザダイオードによって実行される。光レーザの出力は、通常は50mW未満、より好ましくは20mW未満である。除去時間は、化合物層に使用される材料に応じてさまざまである。典型的には、除去時間は、ピット毎に1μs未満である。除去の際に、ディスク上の機能上の構造によって、レーザのトラッキングを実行することができる。トラッキングおよび焦点合わせを、反射層から反射される光を利用することによって実行することができる。除去プロセスによって形成されるピットの深さは、化合物層の厚さに応じるが、典型的には5nm〜100nmの深さが達成される。
【0055】
本発明は、開いた表面に露出された3つまたは4つの区別可能な「高さレベル」を有するディスクを提供する。反射材料およびダイを有するオフグルーブレベル、反射材料を有するオングループレベル、反射材料を有するダイ・オングルーブ・レベル(ダイは除去されている)、および追加の材料が存在しないオングルーブレベル(ダイが除去され、反射材料が崩壊させられている)が存在する。
【0056】
製造された光ディスクは、分子(例えば、ポリマー分子)の特徴を識別するために使用される。光ディスクがピットを備える場合、分子が、例えば不動化(immobilisation)によってピット内に局所化される。
【0057】
好ましい実施形態においては、分子が、例えばポリヌクレオチドなどのポリマー分子であり、その特徴の1つ以上を特定するために、親和パートナに結合させられる。親和パートナの結合を、ピットを他の材料への暴露から効果的に遮断し、あるいは後続の検出のためにピットの反射特性を変更するために、他の試薬をピット内に局在させるためにも使用することができる。
【0058】
上述のように、本発明は、ポリマーの配列情報を判定するために特に適している。本発明によれば、ポリマーの個々のモノマーを、光学基材上にエンコードすることができる。ハイブリダイゼーションよる配列の決定に頼る方法と対照的に、ポリマー配列のはるかに小さな部分を「アドレス」することができ、すなわち基材上にエンコードすることができる。しかしながら、本発明は位置情報も提供するため、配列のその部分が標的配列のどこに属するのかを、その配列部分を露見させたアドレスが所定のアドレスパターンのどこに属するのかにもとづいて示すことができる。最も単純なアドレスパターンは、標的配列の塩基−1、塩基−2、などを表わすアドレスが、レーザの経路に沿って直線状に整列しているパターンである。ピットを使用し、各々のピットに1つのモノマーを有することが可能である。これは、標的配列内の塩基がディスク上に特定のパターンで配置されるため、ピットによって特定された配列部分(1/2塩基〜5塩基)が標的配列のどこに属するのかを、アドレス(または、ピット)がパターンにおいて有する位置のみにもとづいて、判定することを可能にする。各々の標的配列を、比較的少数のアドレス(例えば、塩基毎の2ビットにもとづいて24merの配列を決定するために、48のアドレス)で特定することができる。
【0059】
この配列決定の方法を実現する1つの方法は、標的分子を増幅し、光学基材の表面上の種々の位置(あらかじめ製造されたアレイアドレス)へと分布させることであり、各々の位置が、標的分子内の特定塩基位置をインタロゲートするようにあらかじめ製造されている。
【0060】
好ましい実施形態においては、あらかじめ製造されるアレイの表面パターンが、データ記憶技術を読み出しの様式として使用することを可能にするフォーマットで製作されている。これは、通常は、パターンが二値化され、動作上の情報で整列させられることを必要とする。
【0061】
特に好ましい実施形態において、本発明の光ディスクは、一連のピットおよびランドを有する反射層を備え、ピットのうちの1つ以上が、親和パートナが結合してなるポリマー分子を含み、親和パートナを有するピットが、各々のピットまたはピット内に配置された材料を有し、親和パートナを有さないピットは、反射層を有していない。
【0062】
特に好ましいさらなる実施形態においては、光ディスクが、一連のピットおよびランドを備え、1つ以上のピットが、親和パートナが結合してなるポリマー分子を含み、親和パートナを有するピットが、各々のピットまたはピット内に配置された材料を有し、光ディスクがピットの底部に反射層を備えていないことを特徴とする。
【0063】
またさらなる好ましい実施形態においては。本発明の光ディスクが、反射層ならびに一連のピットおよびランドを備え、ピットのうちの1つ以上が、第2のポリヌクレオチドが結合してなる第1のポリヌクレオチドを含み、第1および第2のポリヌクレオチドを有するピットが、ピットまたはピット内に配置された材料を有し、第1のポリヌクレオチドが、一連の配列単位を備え、各々の単位が、特定の特徴を表わしている複数のヌクレオチド配列を備えることを特徴とし、そのようなポリヌクレオチドは、国際公開第04/094664号および国際公開第00/39333号に開示されており、これらのそれぞれの内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
ピットを遮断するために使用される材料は、他の試薬に対するピットの効果的な遮断を提供することができる材料であってもよい。光ディスクを反射層を崩壊させるために湿式エッチングによって処理することができるため、材料は、選択された湿式エッチングプロセスに対して耐えることが好ましい。他の実施形態においては、非湿式のエッチングが行われ、したがって材料が、必ずしも湿式エッチングに対して耐性を有する必要はない。しかしながら、材料を、ピット間の区別を助けるためにピットの反射性を変化させることができる能力に関して、選択することができる。
【0065】
この目的のために、金属材料が特に有用である。金属材料を、例えば増強法によって、ピットに選択的に配置することができる。銀増強が特に好ましく、そのための市販のキットが入手可能である。選択的な銀増強を、後述のとおりに実行することができる。
【0066】
別の材料も使用可能である。例えば、DNAを、湿式エッチングの際にバリアとして機能するように、反応の部位においてピットに局在させることができる。保護層をもたらすために、ポリマーも使用可能であり、あるいは無機粒子をピット内に位置させることができる。芳香族チオールが、エッチングに耐え、したがってより効果的なバリアをもたらすために、粒子へと添加可能である。ラテックス粒子を、例えばラテックス粒子およびピット内に存在するポリマー(または、その親和パートナ)に存在する親和タグを使用することによって、ピット内に局在させることも可能である。ラテックス粒子が、湿式エッチングに耐えるための膜を形成する。
【0067】
ピットの修飾に湿式エッチングが使用されない場合、ピットへと選択的に加えられる材料は、反射性を変更できる能力に関して選択される。例えば、官能化された金属粒子を、ピット内に局在させることができる。それらは、ポリマー/親和パートナの複合体を有するピットへと選択的に向けられる。その後に、反射率を測定し、異なるピット(複合体を有するピットおよび有していないピット)を区別することができる。
【0068】
さらなる代案の実施形態においては、材料が、反射層を崩壊させ、あるいは反射層を除去するために、反射層を修飾し、ピットの反射特性を変化させる。適切な材料として、電解腐食によって銀の層(反射層)と反応する金粒子が挙げられる。金粒子を、官能基によってピットへと選択的に向けることが可能である。
【0069】
本発明を、分子、例えば、生体分子の研究に使用することができる。標的分子が、通常は、基材上の1つ以上の分子と相互作用し、標的分子の特徴が識別される。本発明の方法は、標的分子と基材上の分子との間の相互作用を、その後の基材の修飾(例えば、相互作用の部位において反射層が崩壊させられることによる)のために観察できるように実行される。これは、未反応の分子を除去し、相互作用の部位を狙って修飾を行うために事後の反応を実行することによって達成される。次に、本発明を、ポリマーを標的分子として参照しつつ、さらに詳しく説明する。しかしながら、当業者であれば、本発明のさらに広い様相を理解する。
【0070】
本発明は、例えば基材の種々の領域へと変換される種々の領域において、ポリマーのインタロゲートを可能にするために基材上にポリマーを局在させることによって実行される。
【0071】
インタロゲーションのために基材上に分子を局在させることは、任意の適切な技法を使用して実行可能である。国際公開第01/15154号が、生体分子を光ディスク上に物理的にパターニングするためのさまざまな方法を記載している。例えば、常磁性のビードが、磁石を使用して光学基材上でパターン化される。常磁性ビードを、アナライト(分子)を光ディスク上の特定の位置に局在させるために使用することができる。分子を光ディスク上で局在させるための別の方法を、米国特許7083920号に見つけることができる。
【0072】
ピットおよびランドを有する光ディスクを利用する実施形態においては、標的ポリマーまたはその親和パートナのいずれかを、ピット内に局在させる必要がある。生体分子および他の分子ならびに試薬を、アドレス可能かつ整然とした方法で、光ディスク(例えば、CD、DVD、およびHD DVD)上の光学的に読み取り可能な構造のサイズにほぼ対応するサイズで、固体表面の部位上に堆積または付着させる方法は、当業者にとって周知である[Microsystems Technology in Chemistry and Life Sciences、A.Manz、H.Becker(eds.)、Springer、Berlin、1999;Immobilisation of DNA on Chips、Vol I&II、C.Wittman(ed.)、Springer、Berlin、2005;Immungold−Silver Staining、M.A.Hayat(ed.)、CRC、1995]。そのようなアドレシング方法は、例えばマイクロコンタクト印刷、走査プローブリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、UVまたは光リソグラフィ、ナノグラフティング、およびディップペンナノリソグラフを含む。分子および試薬を、固体表面へと共有結合させることができ、あるいは結合が、ファンデルワールス結合、水素結合、イオン結合、双極子結合、疎水性相互作用、または他の種類の物理的な吸収など、物理的な性質の結合であってもよい。結合は、核酸のハイブリダイゼーションまたはビオチン/ストレプトアビジンの結合であってもよい。結合は、シロキサン結合、エステル結合、アミド結合、またはチオール結合を含むことができる。結合反応は、ホスホラミダイト反応剤を含むことができる。結合が、自己組織化単分子層を含んでもよい。そのような部位において化学反応を実行する方法は、充分に確立されている。そのような反応として、例えば、オリゴヌクレオチドアレイ上のDNAおよび/またはRNAストランドのハイブリダイゼーション、蛍光試薬による分子のラベリング、ビオチン/ストレプトアビジンの結合、抗体/抗原の結合、ストレプトアビジン−金またはプロテインA−金による金ラベリング、金および銀増強、イミュノゴールド−シルバー染色、および種々の酵素反応が挙げられる。
【0073】
ポリマーまたは親和パートナのピットへの局在は、ピットに設けられた官能基を利用することができる。例えば、ランド(有機化合物層)とピットにおいて露出された反射層または透明な基材との間の化学的相違を、ピット内に官能基を選択的にもたらすために利用することができる。
【0074】
一実施形態においては、ポリマーが、ポリマーをその配列に沿った種々の位置でインタロゲートできるようにする実質的に直線的な形態で基材表面に整列させられ、基材の表面かつポリマーのインタロゲートされた部位に対応する領域において、崩壊を生じさせることができる。しかしながら、別の実施形態においては、ポリマーを、基材表面へと取り付けられた分子との特定の相互作用によって基材表面に局在させることができ、この相互作用が基材表面へとエンコードされることで、特定の相互作用が知らされ、その特徴が明らかにされる。この文脈においては、ポリマーを直線状の形態に局所化させる必要はない。
【0075】
本明細書において使用されるとき、用語「ポリマー」は、複数のモノマー単位を含む任意の分子を指す。好ましくは、ポリマーが、生体ポリマーであり、最も好ましくはポリヌクレオチドまたはポリペプチドである。これらの用語は、当業者にとって周知である。
【0076】
本明細書において使用されるとき、用語「実質的に直線的」は、ポリマーが、基材上に局所化されたときにポリマーの末端間の直接的な経路に従うことを指す。
【0077】
ポリマーを、任意の従来の技法を使用して基材上に局在させることができる。ポリマーを、後続のインタロゲーションのために基材表面へと直接的に局在させることができ、あるいは1つ以上の仲介分子を介して間接的に局在させてもよい。仲介分子を、インタロゲーション工程の一部として使用することができ、すなわち仲介分子が、ポリマーを局在させるため、およびポリマーをインタロゲートするための両方に機能することができる。その結果、ポリマーと仲介分子との間の局所的な相互作用の部位を、これらの部位における反射層の崩壊によって特定でき、その特徴を明らかにすることができる。あるいは、仲介分子は、ポリマーを基材へと結合させ、あるいは拘束するように機能できるが、ポリマーをインタロゲートしなくてもよい。
【0078】
用語「インタロゲート」は、本明細書において、ポリマーと他の分子との間の特定の相互作用を指して使用される。相互作用は、例えば(ポリマーとしての)ポリヌクレオチドと(他の分子としての)相補的なポリヌクレオチドとの間のハイブリダイゼーションの事象など、結合の事象であってもよい。インタロゲーションの事象は、ポリマーまたはポリマーの一部分に特有であり、すなわちポリマーの配列に何らかの方法で依存する相互作用が存在する。したがって、相互作用の特徴を明らかにし、ポリマーの配列情報を明らかにすることができる。
【0079】
一実施形態において、本発明は、ポリヌクレオチドをポリマーとして使用して実行される。
【0080】
ポリヌクレオチドは、「デザインポリマー」であってもよく、バイナリコードと呼ばれる所定のポリヌクレオチド配列単位からなる配列を備え、すなわち各々の配列単位が、ヌクレオチド配列の相違によって区別される「1」または「0」のいずれかを表わしている。これが図1に示されており、図1は、各々の配列単位位置「ビット位置」において、その位置の配列単位が、「0」および「1」の両者に関して、「0」または「1」のいずれかを特徴付ける中央の2つのヌクレオチドを除いて同じ配列を備える旨を示している。デザインポリマーは、各々のビット位置における共通の配列を知るが、各々のビットの配列が0または1のいずれの配列であるかを知らずに形成されている。0または1の配列ビット情報が、種々の分子からの情報の特徴を明らかにするために使用され、すなわち0および1のビットの順序が、元の標的ポリヌクレオチドの配列の特徴を明らかにする。本発明を、各々のビット位置に「0」ビットまたは「1」ビットのどちらが存在するかを特徴付けるために使用することができる。
【0081】
標的ポリヌクレオチドを、光学基材上にエンコードされる内部制御を含むようにデザインすることができる。内部制御をポリヌクレオチドへと取り入れることは、国際公開第2006/092588号に記載されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。「制御配列」が、光学基材上に存在するオリゴヌクレオチドによって検出され、制御配列とオリゴヌクレオチドとの間の相互作用が、基材上にエンコードされる。制御配列を、配列情報の開始を特定するために使用することができ、これは、最終的な読み出しの工程において、読み出し技術による走査の開始を可能にするために役立つ。さらに、制御配列を、正しい配列の決定が行われていることを保証するために、品質管理において使用することも可能である。
【0082】
標的ポリマーの種々の特徴の判定を、あらかじめ形成されたピットおよびランドを備えて作成された光ディスクを使用して、実行することができる。標的が、ピットおよびランドを有する光学基材上に局在させられ、以下のステップ、すなわち
(i)標的分子の種々の所定の特徴をインタロゲートするための一連の反応を、各々の反応が異なるピットにおいて生じるように実行するステップと、
(ii)反応が生じたピットまたは反応が生じなかったピットのいずれかを修飾して、ピットの反射特性を変質させるために、光学基材を処理するステップと、
(iii)ピットにおける反射率を測定し、標的の種々の特徴を判定するステップとが実行される。
【0083】
ステップ(i)を、標的分子を、標的分子が特定の特徴を有する場合に標的分子に結合する第2の分子と反応させることによって、実行することができる。金属粒子を、反応の前または後のいずれかにおいて第2の分子へと結合させることによってピットまたはピット内に局在させることができる。金属粒子が、金属増強を仕向けて、反応分子を含むピットまたはピット内に金属層を選択的に堆積させるように機能する。金属粒子を、第2の分子が標的へと結合する場合に金属粒子が局在するように、第2の分子へと結合させることができる。あるいは、第2の分子がピット内に固定され、標的が第2の分子との反応のためにディスクへと導入される場合には、標的を金属粒子でラベル付けしてもよい。
【0084】
好ましい実施形態においては、金属粒子が、反応の後で標的と第2の分子との間に加えられる。例えば、標的がポリヌクレオチドであって、第2の分子がプライマ配列である場合には、ラベル付けされたヌクレオチドを新生鎖へと取り入れるために、ポリメラーゼ反応を実行することができる。これは、結合反応がすでに生じた場合にしか生じない。結果として、反応が生じたピットのみが修飾される。
【0085】
光ディスクのさらなる修飾を、反応が生じなかったピットから反射層を除去するために実行することができる。これは、上述のように、湿式エッチングによって実現可能である。代案として、すべてのピット内の反射層を、反応の実行に先立って除去してもよい。反応の後で、光ディスクが「読み取り」され、反応が生じたピットおよび反応が生じなかったピットの信号の読み出しがもたらされる。
【0086】
一実施形態においては、ポリヌクレオチドのインタロゲーションが、最初に複数のオリゴヌクレオチドプローブを基材上に固定することによって実行される。オリゴヌクレオチドは、それぞれ、ポリヌクレオチドの特定配列に特有であり、したがって特定的に、すなわちミスマッチを生じることなく、ポリヌクレオチドの特定配列に結合することができる。ポリヌクレオチド・デザイン・ポリマーのインタロゲートの文脈においては、オリゴヌクレオチドが、各々の0または1ビットに共通の「ビット」配列の知見とともに、基材上に配置される。0および1の両方のビットのためのオリゴヌクレオチドが、図2に示されるように、異なる部分において基材上に存在する。ポリヌクレオチド上のそれぞれの配列に対して相補的なオリゴヌクレオチドがハイブリダイズ(hybridise)する。したがって、ポリヌクレオチドに対して完全に相補的であるオリゴヌクレオチドだけが、その全体においてハイブリダイズする。
【0087】
オリゴヌクレオチドを、任意の従来の技法を使用して、光学基材上に配置することができる。一つの好ましい実施形態においては、オリゴヌクレオチドが、光学基材の表面上に吸着され、実質的に直線的な形態であるポリヌクレオチド(第2のポリヌクレオチド)へとハイブリダイズする領域を有することによって配置される。これが、図2に示されている。第2のポリヌクレオチドは、基材上の特定の既知の領域においてオリゴヌクレオチドのハイブリダイズを可能にすると同時に、標的ポリヌクレオチドとの交差ハイブリダイゼーション(cross−hybirisation)は許さないように意図された、所定の配列である。
【0088】
第2のポリヌクレオチドを、当業者にとって公知の技法を使用して、基材表面に配置することができる。特に、第2のポリヌクレオチドが、GuanおよびLeeのPNAS、2005;102:18321−18325(その内容は、参照により本明細書に組み込まれる)に開示の分子コーミング技法の改良を使用して、基材表面に配置される。この技法においては、大きなポリヌクレオチド分子を、引き伸ばされたナノストランドアレイを形成するために、きわめて秩序だった形態に配置することができる。コーミングを達成するために、DNA溶液が基材表面へと流される。本発明においては、基材表面が、特定の部位に局所化された異なる単独の(第2の)ポリヌクレオチドを備える。これは、GuanおよびLeeに比べてはるかに低い濃度の量のDNAを使用して実現される。第2のポリヌクレオチドを取り付けるための別の方法が、当業者にとって明らかである。
【0089】
コーミングの手順を実行するために、DNA(ポリマー)を末端領域において支持面へと固定することが望ましい場合がある。好ましくは、コーミングの後で、DNA(ポリマー)が各々の末端において固定される。固定は、DNAと支持面との間に共有結合をもたらすための従来の化学反応を使用して実行することができる。一実施形態においては、末端領域の固定が、基材上の特定の位置に設けられたくぼみにおいて生じる。くぼみに、固定をもたらすための適切なリンカー分子を設けることができる。この方法で、基材上のDNA分子の位置を、あらかじめ決定することができる。
【0090】
第2のポリヌクレオチドは、任意の適切なサイズであってもよく、典型的には50KB〜300KBのサイズ、最も好ましくは約200KBのサイズであってもよい。
【0091】
デザイン・ポリマー・ポリヌクレオチドの研究の文脈において、第2のポリヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチド上の各々のビット位置において各々の「ビット」配列(0および1)に対してのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にするように設計される。したがって、第2のポリヌクレオチドへとハイブリダイズするオリゴヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチドの配列および他に特定される配列に関連するこの配列の位置を明らかにするために、オリゴヌクレオチドと標的ポリヌクレオチドとの間の相互作用を正しく特徴付けることができるよう、基材上に正しく並んでいるだろう。
【0092】
ひとたび基材が作成されると、標的ポリヌクレオチドが基材に接触させられ、標的とオリゴヌクレオチドとの間の反応の進行が可能にされる。標的ポリヌクレオチドを、任意の適切な方法で基材/オリゴヌクレオチドに接触させることができる。
【0093】
一実施形態においては、標的ポリヌクレオチドが、ローリングサークル増幅を使用して基材表面上で合成される。これが、国際公開第2008/032058号に記載されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。ローリングサークル増幅は、相補的なプライマ(インテリアポリヌクレオチド)上のポリメラーゼ伸張による環状DNA「デザインポリマー」の増幅を含む。このプロセスは、環状DNAのコンカテマライズ(concatemerise)された複製を生成する。これが、図2に示されている。得られる「スーパー・デザイン・ポリマー」は、「ビット」配列間の分離をより大きくし、基材表面上の離間したオリゴヌクレオチドによってビット配列をインタロゲートすることを可能にするように意図されている。例えば、デザインポリマーの複製1の第1のビット配列が、第1のオリゴヌクレオチド(0および1の両方)によってインタロゲートされる。第2のビット配列が、デザインポリマーの複製2においてインタロゲートされ、以下同様である。したがって、オリゴヌクレオチドを充分に分離させ、後続のエンコード段階において、より大きな区別を可能にすることができる。
【0094】
プロセスの次の段階は、ポリヌクレオチド(標的ポリヌクレオチド)とオリゴヌクレオチドとの間の結合の事象についての情報をエンコードするように、基材を修飾することである。これは、相互作用の部位において反射層が崩壊させられるよう、各々の結合の相互作用の部位において反射層を修飾し、未結合のオリゴヌクレオチドに対応する部位においては修飾を行わないことで、最も容易に達成される。
【0095】
これは、さまざまな方法で実現可能である。好ましい実施形態において、オリゴヌクレオチドが標的ポリヌクレオチドのインタロゲートに使用される場合に、ポリヌクレオチドへと結合するオリゴヌクレオチドがラベル付けされ、ラベルが反射層と相互作用し、例えば分解によってこの層を崩壊させる。これが、図3および図4に示されており、ラベルが、銀の反射層と相互作用して所定の部位において当該層を浸食する金粒子である。ラベルを、オリゴヌクレオチドに直接取り付けることができ、あるいは図3に示されるようにリンカー分子を介してオリゴヌクレオチドへとつなぐことができる。ラベルを、標的ポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションの後で、相互作用しているオリゴヌクレオチド上に導入することができる。したがって、オリゴヌクレオチドが、後の工程においてラベルを捕まえることができる親和分子を備えることができる。
【0096】
一実施形態においては、オリゴヌクレオチドが、自由にポリヌクレオチドと相互作用(インタロゲート)できる末端を含み、ポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションにおいて、末端が隣接位置においてハイブリダイズする。これにより、末端を結さつ(ligate)して環状オリゴヌクレオチドを生成するためにリガーゼを使用することができる。ポリヌクレオチドに対して完全には相補的でないオリゴヌクレオチドは、リガーゼによる結さつが不可能であり、したがって、末端が後のヌクレアーゼ攻撃のために露出されている。後のヌクレアーゼ反応の目的は、ポリヌクレオチドに対して完全には相補的でないオリゴヌクレオチドを、基材から取り除くことにある。上述の実施形態においては、このプロセスが、ユーザが各々のビット位置において「0」および「1」ビットの間の区別を行うことを可能にする。
【0097】
ヌクレアーゼ分解は、従来の手順を使用して実行することができる。ExoIおよびExoIIなどの適切なエクソヌクレアーゼを、結さつされていないオリゴヌクレオチドを分解するために使用することができる。反応の手順は、SzemesらのNucleic Acids Res.、2005;33(8):70に記載のとおりであってもよく、その内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0098】
ポリヌクレオチドとの反応に先立って、オリゴヌクレオチドに、後続の反射層を分解するためのラベルの取り付けを可能にするために、親和タグを設けることができる。例えば、オリゴヌクレオチドに、1つ以上のビオチン分子を設けることができる。ビオチンを、後にラベル付けの工程において、その親和パートナ(アビジンまたはストレプトアビジン)と反応させることができ、これが反射層を分解するためのラベルへと結び付けられる。ポリヌクレオチドと反応していないオリゴヌクレオチドを除去することで、相互作用の特定の領域にのみ分解ラベルを取り付けることを可能にするための好都合な方法がもたらされる。その後に分解ラベルを取り付けることで、反射層の分解を生じさせ、標的ポリヌクレオチドに関する有益な情報をエンコードするように光学基材を修飾することができる。
【0099】
反射層を分解するための1つの方法は、接触時にある金属(ラベル)が第2の金属(反射層)を浸食する電解腐食を利用することである。分解は、適切な電気化学的条件を使用して実現される。2つの金属が電解液の存在下で接触するとき、金属の異なる電極の電位に起因して電気反応が生じる。電解液が、イオンの移動のための手段を提供することで、金属イオンが、陽極から陰極へと移動することができ、陽極の金属の腐食が生じる。本発明においては、金ナノ粒子を、オリゴヌクレオチド上のラベルとして使用することができ、銀を、反射層として使用することができる。適切な電解質の存在下での接触時に、銀の層の腐食が、オリゴヌクレオチドが標的ポリヌクレオチドと反応している部位に一致して生じる。これが、図4に示されている。金ナノ粒子は、典型的には、ほぼ直径5mmのサイズであり、リンカーおよびビオチン/ストレプトアビジン結合を介してオリゴヌクレオチドに取り付けられる。リンカーは、金と所定の領域内の反射層との接触を可能にするための適切なサイズである。
【0100】
実行すべき反応は、ディスク上の溝において行うことができる。反応に先立ってポリマーまたは他の試薬を溝内に配置することを、任意の従来の手段を使用して実行することができる。上述のように、DNAの文脈においては、DNAを、分子コーミングの技法を使用して整列させることができる。
【0101】
別の実施形態においては、官能化されたナノビーズを、所定の配置で基材上に配置し、ポリマーのための好都合な結合場所を提供することができる。例えば、YinらのJ.Am.Chem.Soc.2001;123(3b):8717−8729(その内容が、参照により本明細書に組み込まれる)が、コロイド粒子を境界明瞭な集合体へと集めることができる技法を開示している。これは、パターン化されたフォトレジストを使用し、ナノ粒子を液体の流れにてフォトレジスト上に流すことによってパターン化されたフォトレジストに閉じ込めることで実現される。多数のグループが、基材の表面上にあらかじめ製造されたレリーフパターンにもとづいて物理的なテンプレートを生成するために、今やこのシステムを使用しており、コロイド粒子の成長を決定および案内している。適切な技法が、
Y.N.Xiaら、Adv.Funct.Mater.、13(2003)、907、
A.van Blaaderenら、Farad.Disc.、123(2003)、107、
A.van Blaaderen、Mat.Res.Soc.Bull.、29(2004)、85、
A.van Blaaderenら、Nature、385(1997)、321、
J.P.Hoogenboomら、Nano Lett.、4(2004)、205、および
K.H.Linら、Phys.Rev.Lett.、85(2000)、1770に開示されている(これらの各々の内容が、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0102】
本発明は、これらの技法を利用して、ポリマーまたは他の試薬の取り付けのための地点として機能するよう、基材表面の境界明瞭な位置に官能化されたビーズをもたらすことができる。図9および図10に示されている一実施形態においては、基材の溝が、1つ以上のナノビーズの取り入れを可能にするために、所定の位置において凹まされている。ナノビーズが、遠心力のもとで基材を流れ、凹みに押し込まれる。
【0103】
ナノビーズは、ひとたび所定の位置に位置すると、官能化されたリンカーを介してポリマー(または、他の試薬)へと結合し、ポリマー(または、他の試薬)をつなぎ止めるために機能することができる。これは、コーミング技法においてポリマーを基材表面に正しく整列させるために有用である。
【0104】
ポリマーの整列における使用に加え、ナノビーズを、オリゴヌクレオチドの複数の複製を含む局所化領域を生成するため、すなわちオリゴヌクレオチドの局所化された自己組織化単分子層を生成するためにも使用することができる。これが、図11に示されている。図11に示されるように、ナノビーズを、基材においてDNA分子を(例えば溝に沿って)整列させるために使用することができ、次いでこれを、基材上の特定の位置で個々のオリゴヌクレオチドと結合するようにインタロゲートすることができる。各々のオリゴヌクレオチドの複製を製作でき、それらは、例えば親和相互作用など、従来の化学反応を使用して局所化させられる。次いで、局所化させられたオリゴヌクレオチドを例えば上述のように標的をインタロゲートするために使用することができる。DNAの各々の局所化された組が、上述のとおり、標的上の特定配列または「ビット」領域を定めることができる。
【0105】
図11は、追加の官能化ビーズを使用することによってオリゴヌクレオチドの複製が基材表面に配列される代案も示している。図12に示されるように、埋め込まれたビーズが、第1のより大きな「位置決め」ビーズを固定するために使用される。位置決めビーズが、ディスクの溝に局所化される。未結合のビーズが除去され、第2のビーズが導入され、第1の位置決めビーズへと固定される(図13に示されるとおり)。第1および第2のビーズは、ビーズの順次の並びを可能にする親和分子を有する。さらなるビーズを、未結合のビーズの除去を伴って、同様の方法で追加することができる(図14に示されている)。ビーズは、各々のビーズに対応する領域において自己組織化単分子層の形成を可能にするために官能化されている。したがって、ビーズの並びおよび種類を制御することによって、オリゴヌクレオチドの所定の単分子層を(図14に示されているように)生成することができる。
【0106】
図15(c)が、DNA分子を固定するためにナノビーズを使用し、その後にコーミングによってDNAを整列させることを示している。別のコーミング方法が、図15(a)および(b)に示されており、DNAが、基材上にあらかじめ作られる別の構造へと取り付けられる。
【0107】
ポリマー(DNA)を、これらの構造を使用して整列させることで、ポリマーを構造の片側へと固定し、流れの溶液の作用によって構造の表面を横切って整列させることができる。
【0108】
別のコーミング技法においては、ディスクの個々の溝または領域を、シールされた環境に置くことができ、コーミングの発生を可能にするために選択的にシールを解くことができる。コーミングの後で、溝または領域を、他の溝/領域のコーミングを可能にするために、再びシールすることができる。
【0109】
ひとたび基材が情報でエンコードされると、標準的な光学読み取り器を、基材を読み取るために使用することができる。これらは、当該技術分野において周知である。例えば複数のレーザまたは改良された信号処理用のハードウェアを備える特注の読み取り器も、使用可能である。
【0110】
理解されるとおり、本発明を、CD、DVD、およびHD−DVDなどといった種々の規格に従った光ディスクならびに対応する読み取り器のハードウェアを使用して実現することができる。使用時、ディスクは、レーザ光をトラック内の金属表面または他の構造へと入射させることによって読み取りされる。レーザ光が、金属表面から選択的に反射させられ、表面が除去されている領域においては、鏡のように反射させられるよりはむしろ散乱させられる。適切に位置する検出器が、ディスクが回転するときに表面から選択的に反射される光の受光を監視するように配置され、相応の電気出力信号を生成する。信号は、適切な電子機器によって増幅および整形される。信号波形の整形は、後の処理のために信号をクリーンにするために使用される。信号の品質を高め、誤差を少なくするために、波形整形用の電子機器を相応に変更することが必要である場合がある。整形の後で、信号は復調され、後処理のためにデジタル−アナログ変換器へと出力される。随意によるエラー検出および訂正の処理も、データへと加えることができる。これを達成するために、多数のさまざまな技法を、ディスクの表面にポリマーが配置されているためにディスク読み取り器によって使用される標準的な技法とは相違する場合があるが、使用することができる。しかしながら、ポリマーを、例えばチェックディジットまたはパリティビットとの組み合わせにおいてエラー検出および訂正の技法を使用できるように、所定の方法で配置することができる。光ディスクについて、種々の標準的なエンコード形式(NRZおよびNRZIなど)が存在するため、それらとデザインポリマーのエンコードとの間の単純なソフトウェア変換を、ハードウェアの使用に適合するために実現することができる。生成されたデータを解釈するために、従来のHD DVD駆動装置の光ヘッドを、変更なしで使用することができる。しかしながら、駆動装置の読み出しチャネル、およびテストポイントを介して駆動装置からもたらされるSUM信号を切り離すことが望ましい。これらの信号を、反射率の変化を読み取ることができる検出器へと供給することができる。
【0111】
特に好ましい実施形態においては、レーザ光が、光ディスクの下方から向けられ、すなわちレーザが最初に透明な材料を通過し、次いで反射材料に至る。反射率が、光ディスクの下方の検出器を使用して測定される。したがって、レーザは、アナライト室またはピットに決して進入せず、あるいは換言すると、アナライトが、光ディスクのレーザおよびレーザ光検出器から遠い方の面に位置している。これは、ディスクの上面またはその上方の媒体が、信号およびレーザビームの焦点合わせの妨げとなり得る汚染物質またはさまざまな屈折率の物質を含む可能性があるため、有利であることが明らかになっている。さらに、場合によっては、光ディスクの上に位置するマクロ流体区画が存在することがあり得る。このマイクロ流体区画は、レーザビームに対して妨害または干渉を生じる種々の光学的特性の物理的構造を含む場合がある。
【0112】
以下の実施例が、本発明を例示する。
【実施例1】
【0113】
生体分子にエンコードされた情報を読み取るときに使用するためのピットを備える光ディスク。
【0114】
光ディスクを、生体分子にエンコードされた情報を読み出すという目的のために製造した。ポリカーボネート基材、反射層、およびダイコーティングで構成された生のディスクを、CDおよびDVDなどの光学媒体に使用される標準的な製造方法および設備(光ディスク製造ライン)を使用して製造した。
【0115】
厚さ0.6mmのHD DVDポリカーボネート基材を、標準的なHD DVD製造ラインの射出成型モジュール(E−Jet成型機)を使用して最初に製作した。HD DVD基材を、標準的な溝構造を備えて製作した。
【0116】
厚さ25nmのZnS−SiO2絶縁反射物を、光ディスクおよび半導体業界で使用される標準的なスパッタ法を使用してポリカーボネート基材上にスパッタした。
【0117】
光学的に活性なダイ・ポリマー・コーティング(Ciba社のIgaphour Ultragreen CD−Rダイ)を、絶縁膜上にスピンコートし、溝内における厚さが40nmであり、溝間のランドにおける厚さが6nmである膜を得た。
【0118】
ディスクを、ODU−1000(手動式)という光ディスク駆動ユニット(Pulstec Industrial,Co.)を使用して焼成(除去)した。ディスクを、12mWに設定したODU−100光ディスク駆動装置の405nmのレーザを使用して、周期的に繰り返されるピットおよびランドで構成されるパターン(典型的には、長さ3〜6Tのピットが6〜11Tのランドによって隔てられている)で焼成した。HD DVDの最小ピット長は、2Tであり、0.204μmに相当する。ピットを、ポリカーボネートおよび反射物を通った反射物のレーザから遠い側に生成し、レーザ照射に暴露された位置のダイを除去し、ダイに物理的なピットを形成した。ダイの除去を、ピットの底部に有意な量のダイを残留させることなく、ピットの底部の絶縁反射物を露出させて完了した。
【実施例2】
【0119】
ピットの造作を備える光ディスク上での生体分子の銀増強
【0120】
ポリカーボネート基材、ZnS−SiO2反射物、およびUltragreenダイコーティングで構成されてピットを備える光ディスクを、生体分子をディスク表面へと結合させるために使用し、次いで生体分子の位置に銀を形成するための銀増強処理にさらした。
【0121】
生体分子1:蛍光プローブおよび1nmのAu粒子を有するストレプトアビジン
【0122】
光ディスク上での銀増強を実証するために、1nmのAuでラベル付けしたストレプトアビジン(SA−Au)を、テスト分子として使用した。SA−Auは、蛍光顕微鏡検査法での生体分子の検出を容易にするために、製造者によって蛍光プローブによってもラベル付けされていた(Invitrogen社のFluoroNanogold−Streptavidin−Alexa、Cat#7316)。
【0123】
1ml当たり7×1011個の分子という濃度を有するSA−Au溶液の5μlの液滴を、ディスクのダイコーティング上に配置し、ディスク表面を生体分子でインキュベートした。75分間のインキュベートの後で、ディスクをMilliQ水で洗い流し、乾燥させた。蛍光顕微鏡検査法で観察したところ、SA−Au分子の表面へと付着と共にディスク表面へのSA−Auの一様な分布も明らかになった。
【0124】
SA−Auでインキュベートされたディスクの領域、ならびにSA−Auでのインキュベートがされていない周囲の領域を、銀増強溶液(Invitrogen社のProd# L24929)にさらした。銀増強溶液を、20分間にわたってディスク上に残し、次いでMilliQ水で洗い流し、その後にディスクを乾燥させた。銀増強プロセスによって、SA−Auでインキュベートされた領域に銀の堆積がもたらされたが、SA−Auなしの領域には銀の堆積がなかった。この結果は、銀の堆積が、金でラベル付けされた生体分子を有する領域に特有であることを実証している。
【0125】
Ultragreenダイとピットの造作とを有するディスクでの銀増強プロセスの後の結果を、Veeco社のDimensionシステムを使用して原子間力顕微鏡法(AFM)によっても調査した(図20)。光学顕微鏡法による観察に加えて、AFM調査は、銀増強後の生体分子(SA−Au)の位置における特定的な銀の堆積を明らかにする。AFMによる形態分析において、銀は、銀の粒子で構成された粒状物質として現れており、銀の粒子が、専らSA−Auを有する領域において銀増強の後に見られている(図20c、d)。
【0126】
図20を参照すると、a)が、生体分子のインキュベーションまたは銀増強処理を表わしている。ディスクの溝を見て取ることができ、ダイコーティングは平滑である。b)は、溝において焼成されたピットを表わしており、ピットのダイコーティングの除去がもたらされている。この表面は、生体分子または銀増強にさらされていない。c)は、銀増強溶液にさらされたが、SA−Auによるインキュベートは行われていないピットを有する領域を示している。銀は検出されなかった。d)は、SA−Auによってインキュベートされ、次いで銀増強溶液にさらされた領域を表わしている。処理の結果は、ディスク表面上に粗い背景として現れる小さな銀粒子によってコートされた表面である。銀粒子が、ランドおよびピットの両方を覆っている。
【0127】
生体分子2:ストレプトアビジンおよび10nmのAu粒子でラベル付けされたマルチビオチン化DNA
【0128】
10nmのAu粒子でラベル付けされたストレプトアビジン(Sigma社のProd#S9059)を、生化学における標準的な結合プロトコルおよび精製方法を使用して、マルチビオチン化DNAへと結合させた(DNA−Sa−Au)。第1に、ディスクのダイコーティングを、ポリエルリジン(PLL)(Sigma社のProd#P4832)によって供給者の推奨に従ってコートし、次いでDNA−Sa−Auを、1ml当たり1.8×1012個の分子という濃度を有する5μlの液滴の形態で、PLLで処理したUltragreenダイコーティングへとインキュベートした。陰性の対照として、ディスクをMilliQ水、マルチビオチン化DNAの5μlの液滴でインキュベートし、陽性の対照として、SA−Au溶液を使用した。75分間のインキュベートの後で、ディスクをMilliQ水で洗い流し、次いで乾燥させた。次いで、ディスクを、20分間にわたって銀増強溶液で処理し、その後にディスクを洗い流し、乾燥させた。銀増強処理により、DNA−Sa−Auでインキュベートされた位置に銀の堆積がもたらされ(図21c)、インキュベーションの液滴の形状を有する灰色のしみとして視認することができる(図21d)。MilliQ水でインキュベートされた領域(図21a)、またはマルチビオチン化DNAによってインキュベートされた領域(図21b)においては、銀の堆積は検出されなかった。
【実施例3】
【0129】
ダイコーティングおよび銀をエッチング阻止に使用するピット経由の反射物のエッチング
【0130】
HD DVDポリカーボネート基材、厚さ25nmのZnS−SiO2反射物、およびUltragreenダイコーティングを有するディスクを、光ディスク製造ラインを使用して最初に製造し、次いでピットによってパターンを加工した。ピットを、14Tのランドによって隔てられた標準的な6Tのピットパルスを使用し、標準的な書き込み速度の半分(0.5X、3.3m/sに相当)で露光し、7Tのランドによって隔てられた3Tのピットを実際に得た。ピットは、局所的な除去の結果として、ダイコーティングを貫き、下方の反射物を露出させ、反射物にエッチング液がアクセスできるようにしている。エッチングのために、ディスク表面を60秒にわたって1%のH3PO4溶液にさらし、次いでMilliQ水で洗い流し、乾燥させた。エッチングの前および後のピットのAFM調査が、ピット内の絶縁反射物の除去を示す(図22)一方で、ダイコーティングは手つかず(intact)で残り、エッチングのマスクとして機能している。
【0131】
図22dに示された銀コーティングと同様の銀コーティングを、やはり1%のH3PO4エッチング液にさらしたが、光学顕微鏡法またはAFMにおいて、銀への影響は検出されなかった。
【実施例4】
【0132】
ディスク駆動装置を用いた銀の堆積の有無によるピットの区別
【0133】
選択肢1:遮断されていないピットを通して反射物をエッチングするときのエッチング阻止としての銀、および読み出し
【0134】
厚さ25nmのZnS−SiO2反射物およびUltragreenダイコーティングを有するHD DVDポリカーボネート基材を製造し、ピットによってパターン加工した。ピットを、14Tのランドによって隔てられた標準的な6Tのピットパルスを使用し、標準的な書き込み速度の半分(3.31m/s)で露光して、7Tのランドを有する3Tのピットを得た。
【0135】
SA−Auの液滴を、およそ2〜3mmのサイズ(実施例2と同じ条件)で、ディスク表面へとSA−Auを局所的に付着させるためにディスク上に配置した。液滴を、75分間にわたってディスク上に残し、次いでMilliQ水で洗い流し、その後に乾燥させた。
【0136】
次いで、SA−Auでコートされた領域、ならびに周囲の領域(数cmのサイズ)を、銀増強溶液で20分間にわたって処理した。銀増強によって、SA−Auを有する領域に視認できる銀の堆積がもたらされた。
【0137】
銀の堆積を、銀で覆われたピット内の反射物のエッチングを防止するためのエッチング阻止として使用した。エッチングを、SA−Auを含む領域ならびに銀増強された領域について、これらの領域を1%のH3PO4エッチング液で60秒にわたって覆うことによって行った。次いで、ディスクをMilliQ水で洗い流し、乾燥させた。
【0138】
ディスク上のトラックを通常の速度(1X、6.61m/sに相当)で読み取るODU−1000(手動式)光ディスク駆動ユニット(Pulstec Industrial,Co.)を使用し、エッチングされたピットの反射率を、銀で阻止されたピットと比較した。トラックは、エッチングされた領域、銀を有する領域、およびエッチングも銀もない領域を通過して延びている。第1に、エッチングされたピットの顕微鏡トレースは、手つかずの絶縁反射物(エッチングされていない)を有するピットと比べ、反射率の明らかな低下を示している(図23)。さらに、銀で覆われたランドからの反射率は、銀で覆われていないランドからの反射率に比べて、より低い(図23)。図23および24についての合計信号が、表1に示されており、銀を有するピットおよび銀を有さないピットを、単一ピットのレベルで区別できることを示している。
【0139】
【表1】

【0140】
選択肢2:手つかずの反射物への銀の堆積
【0141】
ピットを有するディスクを、エッチングプロセスを除いて、SA−Auのインキュベーションおよびその後の銀増強を含め選択肢1と同じ方法で、作成した。銀の堆積のある領域(図25)および銀の堆積のない領域(図26)から反射のデータを集めるために、ODU−1000(手動式)光ディスク駆動ユニットを使用した。銀が加えられたとき、反射率は、ピットおよびランドの両方において、銀のないピットおよびランドと比べて低下する。ランドおよびピットの両方における反射率の変化を、単一のランドまたはピットのレベルで検出することができる(図25および図26)。平均の合計信号のピットおよびランドが、表2に示されており、銀を有するピットおよび銀を有さないピットを、単一ピットのレベルで区別できることを示している。
【0142】
【表2】

【0143】
選択肢3:インキュベーションおよび銀の堆積の前の反射物のエッチング
【0144】
ポリカーボネート基材、反射物、およびピットを有するダイコーティングで構成されたディスクを、選択肢1に記載のとおりの同じ方法で制作した。次いで、ディスクを、図22に示した方法と同様に、60分間にわたってディスク表面に1%のH3PO4エッチング溶液を加えることによってエッチングし、エッチングにさらされたすべてのピットの反射物を除去した。次いで、ディスクの小領域を、選択肢1に示した溶液と同様のSA−Au溶液の1μlの液滴でインキュベートした。
【0145】
銀の堆積のある領域および銀の堆積のない領域(図27)から反射のデータを集めるために、ODU−1000(手動式)光ディスク駆動ユニットを使用した。銀が表面に存在するとき、反射率は、ピットおよびランドの両方において、銀のないピットおよびランドと比べて低下する。ランドおよびピットの両方における反射率の変化を、単一のランドまたはピットのレベルで検出することができる(図27)。図27からの平均の合計信号が、表3に示されており、銀を有するピットおよび銀を有さないピットを、単一ピットのレベルで区別できることを示している。
【0146】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に反射材料が配置されてなる透明かつ堅固な基材を備え、除去することが可能であって、かつ、前記反射材料の上面を覆う化合物の層をさらに備える、光学的に読み取り可能な基材。
【請求項2】
前記化合物が、エッチングに耐える、請求項1に記載の基材。
【請求項3】
前記化合物が、ダイである、請求項1または2に記載の基材。
【請求項4】
前記ダイが、ultragreenである、請求項3に記載の基材。
【請求項5】
ピットが、前記化合物の層に形成され、前記反射層が前記ピット内に露出する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基材。
【請求項6】
ピットが、前記透明な基材をピット内に露出させるために、前記化合物の層および対応する反射層に形成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基材。
【請求項7】
ポリマー分子が、前記ピットのうちの1つ以上に固定される、請求項5または6に記載の基材。
【請求項8】
前記ポリマー分子が、ポリヌクレオチドである、請求項7に記載の基材。
【請求項9】
前記ポリマー分子に、親和パートナが結合している、請求項7または8に記載の基材。
【請求項10】
前記ポリマー分子に結合した親和パートナを有するピットが、崩壊させられた反射層を有する、請求項5に従属する請求項9に記載の基材。
【請求項11】
前記親和パートナに、1つ以上の金属粒子が取り付けられている、請求項9または10に記載の基材。
【請求項12】
前記ポリマー分子に結合した親和パートナを含まないピットが、崩壊させられた反射層を有する、請求項5に従属する請求項9に記載の基材。
【請求項13】
前記結合した親和パートナを含むピットが、ピットを遮断して追加の試薬に対するピットの底部の暴露を防止する材料を含む、請求項9〜12のいずれか一項に記載の基材。
【請求項14】
前記遮断材料が、金属材料である、請求項13に記載の基材。
【請求項15】
反射層ならびに一連のピットおよびランドを備え、1つ以上のピットが、親和パートナが結合してなるポリマー分子を含み、前記親和パートナを有するピットが、各々のピットまたはピット内に配置された材料を有する光学的に読み取り可能な基材であって、前記親和パートナを有さないピットが、反射層を有さないことを特徴とする、基材。
【請求項16】
一連のピットおよびランドを備え、1つ以上のピットが、親和パートナが結合してなるポリマー分子を含み、前記親和パートナを有するピットが、各々のピットまたはピット内に配置された材料を有する光学的に読み取り可能な基材であって、前記光学基材が、前記ピットの底部に反射層を備えないことを特徴とする、基材。
【請求項17】
反射層ならびに一連のピットおよびランドを備え、1つ以上のピットが、第2のポリヌクレオチドが結合してなる第1のポリヌクレオチドを含み、前記第1および第2のポリヌクレオチドを有するピットが、ピットまたはピット内に配置された材料を有する光学的に読み取り可能な基材であって、前記第1のポリヌクレオチドが、一連の配列単位を含み、各々の単位が、特定の特徴を表わす複数のヌクレオチド配列を備えることを特徴とする、基材。
【請求項18】
ポリヌクレオチドを実質的に直線的な形態で基材の不連続な領域に局在させて備え、複数のオリゴヌクレオチドプローブが、異なった領域において前記ポリヌクレオチドに取り付けられる、光学的に読み取り可能な基材。
【請求項19】
前記ポリヌクレオチドが、一連の所定の配列単位を有し、前記所定の配列単位の各々が、少なくとも2つのヌクレオチドを有する、請求項18に記載の基材。
【請求項20】
前記オリゴヌクレオチドプローブが、前記ポリヌクレオチドに取り付けられるオリゴヌクレオチドを前記反射層を分解するラベルでラベル付けできるように、親和タグによってラベル付けされている、請求項18または19に記載の基材。
【請求項21】
反射層を備える光学的に読み取り可能な基材であって、前記基材の表面に官能化されたナノ粒子が取り付けられた溝をさらに備える、基材。
【請求項22】
前記ナノ粒子が、複数の所定の集合体へと配置されている、請求項21に記載の基材。
【請求項23】
前記ナノ粒子が、ポリマー分子へと結合している、請求項21または22に記載の基材。
【請求項24】
前記溝が、1つ以上のナノ粒子が配置される凹んだ領域を備える、請求項21〜23のいずれか一項に記載の基材。
【請求項25】
光ディスクである、請求項1〜24のいずれか一項に記載の基材。
【請求項26】
前記反射層が、絶縁層である、請求項1〜25のいずれか一項に記載の基材。
【請求項27】
前記反射層が、光学的に透明な材料の上面に配置されている、請求項15〜17のいずれか一項に記載の基材。
【請求項28】
前記ランドが、前記反射層の上面に配置された化合物で構成され、前記化合物を除去することが可能である、請求項27に記載の基材。
【請求項29】
前記ピットまたはピット内に配置される材料が、金属材料である、請求項15〜17、27、および28のいずれか一項に記載の基材。
【請求項30】
前記金属材料が、銀である、請求項29に記載の基材。
【請求項31】
ピットおよびランドを備える光学基材上に局在させられた標的分子の1つ以上の特徴を判定するための方法であって、
(i)前記標的分子の所定の特徴をインタロゲートするための1つ以上の反応を、前記反応の各々が異なるピットにおいて生じるように実行するステップと、
(ii)反応が生じたピットまたは反応が生じなかったピットのいずれかを修飾して、前記ピットの反射特性を変えるために、前記光学基材を処理するステップと、
(iii)前記ピットの反射率を測定することで、前記標的の前記1つ以上の異なる特徴を判定するステップとを含む、方法。
【請求項32】
ステップ(i)が、前記標的分子を、前記標的分子が特定の特徴を有する場合に前記標的分子と結合する第2の分子と反応させることと、前記ピットまたはピット内に金属粒子を局在させることと、前記反応分子を含むピットまたはピット内に金属層を選択的に堆積させるために金属増強を実行することとによって実行される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記光学基材が、前記ピットの底部に反射層を備える、請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
ステップ(ii)の後で、前記反射層が、反応が生じたピットにおいて除去される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記反射層が、湿式エッチングによって除去される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記光学基材が、前記ピットの底部に反射層を備えていない、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記標的分子が、ポリヌクレオチドである、請求項31〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記ポリヌクレオチドが、一連の配列単位を含み、各々の単位が、特定の特徴を表わす複数のヌクレオチド配列を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記一連のピットが、バイナリデータを表わす、請求項31〜38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記基材が、光学的に透明であって、堅固な材料からなる第1の層を備え、前記第1の層の上面に反射層が配置され、前記ランドが、有機化合物で構成されている、請求項31〜39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記基材が、請求項15〜17および27〜30のいずれか一項に記載の基材である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記反射率の測定が、前記透明な基材層の下面にレーザビームの焦点を合わせ、反射される光を測定することによって実行される、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
前記ピットの1つ以上に、オリゴヌクレオチド分子が固定されている、請求項31〜42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記ピットが、除去によって形成される、請求項31〜43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
標的ポリヌクレオチドの配列を判定するための、請求項31〜44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記ピットが、100nm〜5μmの長さである、請求項31〜45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
分子の一連の特徴を判定するための方法であって、前記分子を反射層を有する光学基材の表面又は表面上において反応させ、反応の部位の前記反射層を崩壊または変質させることで、前記分子の反応の特徴を表わす識別可能な信号を、前記光学基材上にエンコードすることを含む、方法。
【請求項48】
前記分子が、ポリマーである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
ポリマーの特徴についての情報を、反射層を有する光学的に読み取り可能な基材上にエンコードするための方法であって、
i)前記ポリマーを前記基材の不連続な領域へと局在させるステップと、
ii)不連続な部位において前記ポリマーをインタロゲートするステップと、
iii)前記インタロゲーションの部位、またはインタロゲーションが生じていない部位において、前記反射層が崩壊または変質させられるように、前記基材を処理するステップとを含む、方法。
【請求項50】
前記ポリマーが、ポリヌクレオチドである、請求項48または49に記載の方法。
【請求項51】
前記基材が、前記ポリヌクレオチドがハイブリダイズする所定の配列の複数のオリゴヌクレオチドプローブを備える、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記オリゴヌクレオチドの一部が、前記基材の表面へと吸着された第2のポリヌクレオチドへのハイブリダイゼーションによって前記基材上で局在させられる、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記ポリヌクレオチドが、一連の所定の配列単位からなり、各々の配列単位が、特定の特徴を表わしている、請求項50〜52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記ポリヌクレオチドとハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを、前記反射層を分解するラベルで後にラベル付けすることで、前記標的とのハイブリダイゼーションの部位において前記反射層の局所的な分解をもたらすことができるよう、前記オリゴヌクレオチドプローブが親和タグによってラベル付けされている、請求項51または52に記載の方法。
【請求項55】
前記反射層が銀であり、前記ラベルが、金ナノ粒子である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記オリゴヌクレオチドが、それらの末端において前記ポリヌクレオチドへとハイブリダイズし、前記ポリヌクレオチドに対して相補的であるオリゴヌクレオチドが、隣接する位置において前記末端とハイブリダイズする、請求項51〜55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記ポリヌクレオチドに対して相補的である各々のオリゴヌクレオチドについて、前記末端が後で一緒に結さつされる、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記ポリヌクレオチドに対して相補的でなく、結さつを受けないオリゴヌクレオチドが、ヌクレアーゼ酵素によって分解される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
ヌクレアーゼ処理の後で、前記分解されなかったオリゴヌクレオチドに、ハイブリダイゼーションの部位の前記反射層を分解するラベルが接触させられる、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
レーザが、前記反射層の崩壊または変質を特定するために、前記光学基材を走査するために加えられる、請求項47〜59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
分解の後で、前記基材が、前記反射層の分解のパターンを検出することによって、ハイブリダイゼーションの部位およびポリヌクレオチドの配列を判定するために、レーザによって走査される、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
ポリヌクレオチドの配列を分析するための方法であって、
i)反射層を有する光学的に読み取り可能な基材であって、前記ポリヌクレオチドの配列を各々が表わしている、所定の配列の一連のオリゴヌクレオチドプローブを異なる部位に結合させて有する前記基材を用意するステップと、
ii)前記ポリヌクレオチドを前記オリゴヌクレオチドプローブへとハイブリダイズするステップと、
iii)前記ポリヌクレオチドに対して完全に相補的であるオリゴヌクレオチドへと、前記反射層を崩壊または変質させることができ、あるいは前記反射層を後の変質のために露出させることができるラベルを取り付けるステップと、
iv)前記基材を分析することによって崩壊/変質の配置を明らかにすることで、前記ポリヌクレオチドの配列を明らかにするステップとを含む、方法。
【請求項63】
前記オリゴヌクレオチドが、請求項54または56に記載のオリゴヌクレオチドである、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記ポリヌクレオチドが、一連の配列単位を含み、各々の単位が、特定の特徴を表わす複数のヌクレオチド配列を含み、前記配列単位を特定することによって前記特徴が特定される、請求項62または63に記載の方法。
【請求項65】
前記配列単位が、バイナリコードを表わしており、各々の単位が1または0のいずれかを表わしている、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記オリゴヌクレオチドが、前記基材の表面へと吸着され、あるいは前記基材の表面上に局在させられた第2のポリヌクレオチドへのハイブリダイゼーションによって、前記基材上の異なる部位に局在させられている、請求項62〜65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記反射層が、銀であり、前記ラベルが、金であり、前記金ラベルと前記銀の層とが接触することで、前記銀の層が分解される、請求項62〜66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
ステップ(iv)が、レーザで前記基材を走査することによって実行される、請求項62〜67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
ポリマーの特徴についての情報を保存するための方法であって、光学的に読み取り可能な基材に、ポリマーの複数の特徴を一緒に特定する一連の光学的に読み取り可能な構造でエンコードすることを含む、方法。
【請求項70】
前記基材が、反射層を備え、前記光学的に読み取り可能な構造が、前記反射層の崩壊である、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記ポリマーが、少なくとも2つのヌクレオチドからなる一連の所定の配列単位を有するポリヌクレオチドであり、各々の配列単位が、前記光学的に読み取り可能な基材上にエンコードされる、請求項69または70に記載の方法。
【請求項72】
基材の表面においてポリマー分子を整列させるための方法であって、ポリマーの末端領域を前記基材の表面へと取り付け、前記基材をある軸を中心にして所定の速度で回転させることで、前記基材が回転して液体へと出し入れされ、前記ポリマーが前記液体から回転して出るときに整列させられることを含む、方法。
【請求項73】
前記液体が、表面に電荷を有する、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記ポリマーが、ポリヌクレオチドである、請求項72または73に記載の方法。
【請求項75】
前記ポリヌクレオチドのサイズが、100kbよりも大きい、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記基材が、光ディスクである、請求項31〜75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記ディスクが、複数のデータトラックを備える、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
ポリヌクレオチドの配列を分析するための方法であって、
i)反射層を有する光学的に読み取り可能な基材であって、前記ポリヌクレオチドの推測上の配列を各々が表わしている所定の配列の一連のオリゴヌクレオチドを異なる部位に結合させて有する前記基材を用意するステップと、
ii)前記ポリヌクレオチドを前記オリゴヌクレオチドのうちの2つ以上と反応させるステップと、
iii)前記ポリヌクレオチドと反応するオリゴヌクレオチドに、前記反射層を変質させることができ、あるいは前記反射層を後の変質のために露出させることができるラベルを取り付けるステップと、
iv)前記基材を分析することによって変質の配置を明らかにすることで、前記ポリヌクレオチドの2つ以上の配列を明らかにするステップとを含む、方法。
【請求項79】
生物学的情報をエンコードするための光ディスクを製造するための方法であって、
(i)(a)光学的に透明な基材層と、
(b)前記透明な基材の上面上に層にて配置された反射材料と、
(c)前記反射層の上に配置された除去可能な化合物の層と、
を有する光学基材を得るステップと、
(ii)前記化合物層において所定のパターンで所定のピットを除去し、ピット内で前記反射材料を露出させるステップとを含む、方法。
【請求項80】
標的ポリマーまたは標的ポリマーの親和パートナを、前記ピット内に固定するステップをさらに含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
ピットおよびランドを備える光学基材上に局在させられたポリマーの配列を判定するための方法であって、
(i)前記ポリマーの個々のモノマーを特定するために前記ポリマーをインタロゲートするための1つ以上の反応を、各々の反応が異なるピットにおいて実行されるように実行するステップと、
(ii)反応が生じたか否かに応じて前記ピットを修飾するステップと、
(iii)前記ピットの特徴を明らかにすることによって前記配列を特定するステップとを含む、方法。
【請求項82】
アナライトについての情報をエンコードするための方法であって、
アナライトを光学基材上で反応させるステップであって、反応が生じたか否かに応じて前記基材が物理的に変質させられるような反応を、各々の反応が前記基材の異なる領域で生じるように実行するステップと、
前記基材の変化を判定することによって、前記アナライトの情報を判定するステップとを含み、入射光を前記反応の部位から遠い前記基材の下面へと加え、反射光を前記基材の下面において捕まえることで、反射率の変化を測定することによって前記基材の変化が判定されることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16a)】
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【図16b)】
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【図16c)】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2010−531521(P2010−531521A)
【公表日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511653(P2010−511653)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際出願番号】PCT/EP2008/057439
【国際公開番号】WO2008/152119
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(509343378)リング ビタエ ホールディング エーエス (1)
【Fターム(参考)】