説明

生分解可能なポリエステルを連続的に製造する方法

本発明は、脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸ならびに脂肪族ジヒドロキシ化合物を基礎とする生分解可能なポリエステルを連続的に製造する方法に関し、この場合脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸、および場合によっては他のコモノマー(成分C)からなる混合物は、触媒の添加なしにペーストに混合されるか、または他の選択可能な方法によれば、ジカルボン酸の液状エステルおよびジヒドロキシ化合物、および場合によっては他のコモノマーは、触媒の添加なしに供給され、およびi)第1工程で前記混合物は、触媒の全質量または部分量と一緒に連続的にエステル化されるかまたはエステル交換され;ii)第2工程において場合によっては残量の触媒で連続的にi)により得られたエステル交換生成物またはエステル化生成物は、20〜70cm3/gのDIN 53728による粘度数になるまで前縮合され;iii)第3工程において連続的にii)から得られた生成物が60〜170cm3/gのDIN 53728による粘度数になるまで重縮合され、およびiv)第4工程において連続的にiii)から得られた生成物が150〜320cm3/gのDIN 53728による粘度数になるまで重付加反応で鎖長延長剤Dと反応される。更に、本発明は、前記方法で初めて得られる生分解可能なポリエステルに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸ならびにジヒドロキシ化合物を基礎とする生物学的に分解可能なポリエステルを連続的に製造する方法に関し、この場合
脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸、および場合によっては他のコモノマー(成分C)からなる混合物は、触媒の添加なしにペーストに混合されるか、または他の選択可能な方法によれば、ジカルボン酸の液状エステルおよびジヒドロキシ化合物、および場合によっては他のコモノマーは、触媒の添加なしに供給され、および
i)第1工程において前記混合物は、触媒の全質量または部分量と一緒に連続的にエステル化されるかまたはエステル交換され;
ii)第2工程において場合によっては残量の触媒で連続的にi)により得られたエステル交換生成物またはエステル化生成物は、20〜70cm3/gのDIN 53728による粘度数になるまで前縮合され;
iii)第3工程において連続的にii)から得られた生成物が60〜170cm3/gのDIN 53728による粘度数になるまで重縮合され、および
iv)第4工程において連続的にiii)から得られた生成物が150〜320cm3/gのDIN 53728による粘度数になるまで重付加反応で鎖長延長剤Dと反応される。
【0002】
殊に、本発明は、脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸ならびに脂肪族ジヒドロキシ化合物を基礎とする生分解可能なポリエステルを連続的に製造する方法に関し、この場合
脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸、および場合によっては他のコモノマー(成分C)からなる混合物は、触媒の添加なしにペーストに混合されるか、または他の選択可能な方法によれば、ジカルボン酸の液状エステルおよびジヒドロキシ化合物、および場合によっては他のコモノマーは、触媒の添加なしに供給され、この場合
i)第1工程において前記混合物は、触媒の全質量または部分量と一緒に連続的にエステル化されるかまたはエステル交換され;
ii)第2工程において場合によっては残量の触媒で連続的にi)により得られたエステル交換生成物またはエステル化生成物は、20〜70cm3/gのDIN 53728による粘度数になるまで前縮合され;
iii)第3工程において連続的にii)から得られた生成物が70〜130cm3/gのDIN 53728による粘度数になるまで重縮合され、および
iv)第4工程において連続的にiii)から得られた生成物が160〜250cm3/gのDIN 53728による粘度数になるまで重付加反応で鎖長延長剤Dと反応される。
【0003】
更に、本発明は、前記方法で初めて得られる生分解可能なポリエステルに関する。
【0004】
公知技術水準において、脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸、ならびに脂肪族ジヒドロキシ化合物を基礎とする生分解可能なポリエステルの製造のために、殊に非連続的(バッチ)方法が記載されている(WO−A 92/09654およびWO−A 96/15173)。前記方法は、高い分子量を形成させるために、脂肪族/芳香族ポリエステルを比較的に長時間反応釜中に高い温度で滞留させなければならないという欠点を有し、この場合DIN 53728による望ましい粘度数は、160cm3/gを上廻る。敏感な脂肪族/芳香族ポリエステルは一部分が、高い温度で長い滞留時間のために再び分解される。ポリエステルの酸化数は、急速に上昇し、簡単に1.6mgKOH/gを上廻る値が達成されうる。高い酸価は、引続く鎖長延長の際に(殊に、イソシアネートで)問題をまねく。更に、よりいっそう高い分子量は、もはや形成することができない。この種の材料は、単に低い粘度を達成し、しばしば斑点を有し、数多くの射出成形法または押出法の使用にとってもはや役に立たない。最後に、高い酸価を有する生分解可能なポリエステルは、極めて制限された加水分解安定性を有する。
【0005】
刊行物からは、芳香族ポリエステル、例えばPETおよびPBTを製造するための効率的な連続的方法が記載されている(例えば、WO 03/042278およびドイツ連邦共和国特許出願公開第19929790号明細書参照)。しかし、前記方法は、脂肪族/芳香族ポリエステルに直接に転用することができない。一面で、芳香族ポリエステルは、しばしば高い酸価を有し、他面、加水分解安定性の問題は、芳香族ポリエステルの場合に脂肪族/芳香族ポリエステルの場合のようには顕著にならない。
【0006】
それに応じて、本発明の課題は、150〜320のDIN 53728による粘度数および1.2mg KOH/g未満、特に1.0mg KOH/g未満のDIN EN 12634による酸価を有する生分解可能な脂肪族/芳香族(部分芳香族)ポリエステルの製造を可能にする大工業的方法を提供することであった。更に、大工業的方法のためには、プロセス能および経済性(生成物収量および空時収量)が著しく重要である。
【0007】
意外なことに、冒頭に述べた連続的な4工程法は、全ての点で前記課題を解決する。
【0008】
更に、本発明による方法の好ましい実施態様(請求項6、17、18参照)を用いると、第1に160cm3/gを上廻る粘度数および1.0mg KOH/g未満の酸価および6.0cm3/10分未満のMVR(190℃、216kgの質量で測定した)(請求項19参照)を有する生分解可能な部分芳香族ポリエステルを準備することに成功する。この実施態様は、本質的に例えばWO−A 96/15173の記載と同様の生分解可能なポリエステルより加水分解安定性である。それによって、このポリエステルは、簡単に加工することができる。従って、さらに、新しい使用ウィンドウは、なかんずく別の加水分解不安定性のバイオポリマー、例えばPLA(ポリラクチド);PHA(ポリヒドロキシアルカノエート)、PBS(ポリブチレンスクシネート)および澱粉との混合物で開かれる。
【0009】
生分解可能なポリエステルは、脂肪族ポリエステルおよび部分芳香族ポリエステルであり、これらは、例えばWO−A 96/15173およびドイツ連邦共和国特許出願公開第1020050503068号明細書中に記載されている。
【0010】
殊に、生分解可能なポリエステルは、脂肪族/芳香族ポリエステルであり、これは、以下のもの:
A)
a1)少なくとも1つの脂肪族ジカルボン酸またはそのエステル、またはその混合物30〜99モル%、
a2)少なくとも1つの芳香族ジカルボン酸またはそのエステル、またはその混合物1〜70モル%および
a3)スルホネート基含有化合物0〜5モル%からなる酸成分、
この場合成分a1)〜a3)のモル%は、全部で100%であり、および
B)
b1)成分Aに対して少なくとも当モル量のC2〜C12アルカンジオールまたはその混合物および
b2)工程iiiによるポリエステル量(分離された反応蒸気を差し引いて成分AおよびBの使用された量に相当する)に対して0〜2質量%の少なくとも3個の官能基を含有する化合物からなるジオール成分、および場合によってはさらに
C)
c1)式I
HO−[(CH2n−O]m−H (I)
〔式中、nは、2、3または4を表わし、mは、2〜250の整数を表わす〕で示される少なくとも1個のエーテル官能基を含有するジヒドロキシ化合物、
c2)式IIaまたはIIbで示される少なくとも1つのヒドロキシカルボン酸、
【化1】

〔式中、pは、1〜1500の整数を表わし、rは、1〜4の整数を表わし、Gは、フェニレン、−(CH2q−(この場合、qは、1〜5の整数を表わす)、−C(R)H−および−C(R)HCH2(この場合、Rは、メチルまたはエチルを表わす)からなる群から選択された基を表わす〕で示される少なくとも1つのヒドロキシカルボン酸、
c3)少なくとも1つのアミノ−C2〜C12アルカノールまたは少なくとも1つのアミノ−C5〜C10シクロアルカノール、またはその混合物、
c4)少なくとも1つのジアミノ−C1〜C8アルカン、
c5)カプロラクタム、1,6−アミノカプロン酸、ラウリンラクタム、1,12−アミノラウリン酸および1,11−アミノウンデカン酸またはc1〜c5)からなる混合物からなる群から選択された少なくとも1つのアミノカルボン酸化合物から選択された成分、および
D)工程iiiによるポリエステル量に対して0.01〜4質量%の群d1)〜d4)
d1)二官能性またはオリゴ官能性イソシアネートおよび/またはイソシアヌレート、
d2)二官能性またはオリゴ官能性ペルオキシド、
d3)二官能性またはオリゴ官能性エポキシド、
d4)二官能性またはオリゴ官能性オキサゾリン、オキサジン、カプロラクタムおよび/またはカルボジイミドから選択された少なくとも1つの成分;
E)工程iiiによるポリエステル量に対して0〜15質量%の群e1)〜e3)
e1)滑剤、例えばエルカ酸アミドまたはステアレート、
e2)成核剤、例えば炭酸カルシウム、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレート、
e3)次のもの:脂肪族ポリエステルポリ乳酸、ポリカプロラクタム、ポリヒドロキシアルカノエートからなる群から選択された脂肪族ポリエステルから選択された成分から形成されている。
【0011】
好ましい実施態様においては、部分芳香族ポリエステルの酸成分Aは、30〜70モル%、特に40〜60モル%のa1を有し、かつ30〜70モル%、特に40〜60モル%のa2を有する。特に好ましい実施態様において、部分芳香族ポリエステルの酸成分Aは、50モル%を上廻る脂肪族ジカルボン酸a1)を含有する。この種のポリエステルは、優れた生分解挙動を示す。
【0012】
脂肪酸および相応する誘導体a1としては、一般に、2〜40個の炭素原子、特に4〜14個の炭素原子を有するものがこれに該当する。これらは、直鎖状であっても分枝鎖状であってもよい。本発明の範囲内で使用可能な脂環式ジカルボン酸は、一般に、7〜10個の炭素原子、特に8個の炭素原子を有するものである。しかしながら、原理的に、これより多い炭素原子、例えば30個までの炭素原子を有するジカルボン酸が使用されてもよい。
【0013】
例示的に次のものを挙げることができる:マロン酸、コハク酸、グルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、フマル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、スベリン酸、二量体脂肪酸(例えば、Cognis社のEmpol(登録商標))1061)、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸および2,5−ノルボルナンジカルボン酸。
【0014】
前記の脂肪族または脂環式ジカルボン酸のエステル形成誘導体も同様に使用することができ、これは、殊にジ−C1〜C6−アルキルエステル、例えばジメチル−、ジエチル−、ジ−n−プロピル、ジ−イソプロピル、ジ−n−ブチル、ジ−イソ−ブチル、ジ−t−ブチル、ジ−n−ペンチル、ジ−イソ−ペンチルまたはジ−n−ヘキシルエステルを挙げることができる。同様にジカルボン酸無水物も使用することができる。
【0015】
これに関して、ジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体は、単独でかまたは2個以上のこれらの混合物として使用することができる。
【0016】
好ましくは、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸またはこれらのそれぞれのエステル形成誘導体、またはこれらの混合物が使用される。特に好ましくは、コハク酸、アジピン酸またはセバシン酸、またはこれらのそれぞれのエステル誘導体またはこれらの混合物が使用される。特に好ましくは、アジピン酸またはこれらのエステル形成された誘導体、例えばこれらのアルキルエステルまたはこれらの混合物が使用される。"硬質"または"脆性"の成分ii)、例えばポリヒドロキシブチレートまたは殊にポリラクチドを有するポリマー混合物を製造する場合には、脂肪族ジカルボン酸として、セバシン酸またはセバシン酸とアジピン酸との混合物が有利に使用される。"硬質"または"脆性"の成分ii)を有するポリマー混合物、例えばポリヒドロキシブチレートコバレリエートまたはポリ−3−ヒドロキシブチレート−コ−4−ヒドロキシブチレートを製造する場合には、脂肪族ジカルボン酸として、コハク酸またはコハク酸とアジピン酸との混合物が有利に使用される。
【0017】
その上、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸およびブラシル酸は、これらの酸が再生する原料として入手可能であるという利点を有する。
【0018】
芳香族ジカルボン酸a2としては、一般に8〜12個の炭素原子を有するもの、特に8個の炭素原子を有するものが挙げられる。例示的にテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフトエ酸および1,5−ナフトエ酸ならびにこれらのエステル形成誘導体が言及される。これに関して、殊にジ−C1〜C6−アルキルエステル、例えばジメチル−、ジエチル−、ジ−n−プロピル−、ジ−イソ−プロピル、ジ−n−ブチル−、ジ−イソ−ブチル、ジ−t−ブチル、ジ−n−ペンチル−、ジ−イソ−ペンチルまたはジ−n−ヘキシルエステルが挙げられる。ジカルボン酸a2の無水物も同様に好適なエステル形成誘導体である。
【0019】
しかしながら原理的に、より多くの炭素原子、例えば20個までの炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸a2を使用することも可能である。
【0020】
芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体a2は、単独でかまたは2個以上のこれらの混合物として使用することができる。特に好ましくは、テレフタル酸またはそのエステル形成誘導体、例えばジメチルテレフタレートが使用される。
【0021】
スルホネート基含有化合物としては、通常は、スルホネート基含有ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を使用し、好ましくは5−スルホイソフタル酸のアルカリ金属塩またはこれらの混合物、特に好ましくはナトリウム塩が使用される。
【0022】
好ましい実施態様によれば、酸成分Aは40〜60モル%のa1、40〜60モル%のa2および0〜2モル%のa3を含有する。
【0023】
一般に、ジオールBは、2〜12個の炭素原子、有利に4〜6個の炭素原子を有する分枝鎖状または直鎖状アルカンジオールの中から選択される。
【0024】
適したアルカンジオールの例は、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、殊にエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールおよび2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール);シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールまたは2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールである。特に好ましいのは、1,4−ブタンジオール、殊に成分a1)としてのアジピン酸と組み合わせた1,4−ブタンジオールおよび1,3−プロパンジオール、殊に成分a1)としてのセバシン酸と組み合わせた1,3−プロパンジオールである。その上、1,3−プロパンジオールは、この1,3−プロパンジオールが再生原料として入手可能であるという利点を有する。種々のアルカンジオールの混合物が使用されてもよい。
【0025】
一般に、処理工程i)およびii)において、成分b1(ジオール)と二酸Aとの比は、1.5〜2.5、特に1.8〜2.2に調節される。
【0026】
化合物b2)は、有利に少なくとも3個の官能基を有する架橋剤を含有する。特に好ましい化合物は、3〜6個のヒドロキシル基を有する。例示的には、次のものが挙げられる:酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリット、ポリエーテルトリオールおよびグリセリン、トリメシン酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸およびピロメリット酸二無水物。好ましいのは、ポリオール、例えばトリメチロールプロパン、ペンタエリトリットおよび殊にグリセリンである。化合物b2は、分枝化剤として作用することができるか、または架橋剤としても作用することができる。成分b2により、構造粘性を有する生分解可能なポリエステルを形成させることができる。溶融液の流動学的挙動は、改善され;生分解可能なポリエステルは、簡単に加工することができ、例えば溶融液を固化してフィルムに変えることによって良好に引き伸ばすことができる。化合物b2は、剪断低粘稠化(scherentzaehend)の作用を有し、即ち負荷下での粘度は、低くなる。
【0027】
化合物b2は、特に工程iii)によるポリマー量に対して0.01〜2質量%、有利に0.05〜1質量%、特に有利に0.08〜0.20質量%の量で使用される。
【0028】
本発明によるポリエステル混合物を基礎とするポリエステルは、成分AおよびBと共に、他の成分を含有することができる。
【0029】
ジヒドロキシ化合物dとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラヒドロフラン(ポリTHF)、特に好ましくはジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびポリエチレングリコールが適しており、この場合には、これらの混合物または異なる変数nを有する化合物(式Iを参照のこと)であってもよく、例えばプロピレン単位(n=3)を含有し、例えば自体公知の方法で最初にエチレンオキシドの重合、次いでプロピレンオキシドとの重合により得られるポリエチレングリコール、特に好ましくは、異なる変数nを有する、ポリエチレングリコールを基礎とするポリマーであってよく、その際、エチレンオキシドから形成された単位が優勢である。ポリエチレングリコールの分子量(Mn)は、一般に250〜8000g/モル、好ましくは600〜3000g/モルの範囲内で選択される。
【0030】
好ましい実施態様の1つによれば、例えばジオールBおよびジヒドロキシ化合物dのモル量に対して15〜98モル%、好ましくは60〜99.5モル%のジオールBおよび0.2〜85モル%、好ましくは0.5〜30モル%のジヒドロキシ化合物dを、部分芳香族ポリエステルの製造のために使用することができる。
【0031】
コポリエステルの製造のためには、次のヒドロキシカルボン酸c2)を使用することができる:グリコール酸、D−、L−、D,L−乳酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、その環式誘導体、例えばグリコリド(1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)、D−、L−ジラクチド(3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)、p−ヒドロキシ安息香酸ならびにそのオリゴマーおよびポリマー、例えば3−ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリラクチド(例えば、NatureWorks(登録商標)(Cargill)として入手可能)ならびに3−ポリヒドロキシ酪酸とポリヒドロキシ吉草酸との混合物(後者のポリヒドロキシ吉草酸は、Biopol(登録商標)の名称でZeneca社から入手可能である)、部分芳香族ポリエステルの製造のために特に好ましいのは、前記酸の低分子量誘導体および環式誘導体である。
【0032】
ヒドロキシカルボン酸は、AおよびBの量に対して、例えば0.01〜50、好ましくは0.1〜40質量%の量で使用することができる。
【0033】
アミノ−C2〜C12−アルカノールまたはアミノ−C5〜C10−シクロアルカノール(成分c3)として、この場合この中には、4−アミノメチルシクロヘキサンメタノールも含まれ、好ましくはアミノ−C2〜C6−アルカノール、例えば2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、4−アミノブタノール、5−アミノペンタノール、6−アミノヘキサノールならびにアミノ−C5〜C6−シクロアルカノール、例えばアミノシクロペンタノールおよびアミノシクロヘキサノールまたはこれらの混合物が使用される。
【0034】
ジアミノ−C1〜C8−アルカン(成分c4)として、好ましくはジアミノ−C4〜C6−アルカン、例えば1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタンおよび1,6−ジアミノヘキサン(ヘキサメチレンジアミン、「HMD」)が使用される。
【0035】
好ましい実施態様によれば、Bのモル量に対して0.5〜99.5モル%、有利に0.5〜50モル%のc3およびBのモル量に対して0〜50モル%、有利に0〜35モル%のc4は、部分芳香族ポリエステルの製造に使用されることができる。
【0036】
成分c5として、カプロラクタム、1,6−アミノカプロン酸、ラウリンラクタム、1,12−アミノラウリン酸および1,11−アミノウンデカン酸からなる群から選択されたアミノカルボン酸化合物を使用することができる。
【0037】
一般に、c5は、成分AおよびBの全体量に対して0〜20質量%、有利に0.1〜10質量%の量で使用される。
【0038】
成分d1として、イソシアネートまたは異なるイソシアネートの混合物が使用される。芳香族又は脂肪族ジイソシアネートを使用することができる。更に高官能性イソシアネートを使用することができる。
【0039】
芳香族ジイソシアネートd1は、本発明の範囲内で、とりわけ、トルイレン−2,4−ジイソシアネート、トルイレン−2,6−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネートまたはキシレン−ジイソシアネートである。
【0040】
特に、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートならびに4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートは、成分d1として特に好ましい。一般に、後者のジイソシアネートが混合物として使用される。
【0041】
3核のイソシアネートd1として、トリ(4−イソシアノフェニル)メタンもこれに該当する。多核の芳香族ジイソシアネートは、例えば1または2核のジイソシアネートの製造の際に生じる。
【0042】
成分d1は、成分d1の全質量に対して副次的量、例えば5質量%までの量で、例えばイソシアネート基をキャップするためのウレチオン基(urethionegruppe)も含有することができる。
【0043】
脂肪族ジイソシアネートd1は、本発明の範囲内で、特に2〜20個の炭素原子、有利に3〜12個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキレンジイソシアネートまたはシクロアルキレンジイソシアネート、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートまたはメチレン−ビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)である。特に好ましい脂肪族ジイソシアネートd1は、イソホロンジイソシアネートおよび殊に1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートである。
【0044】
好ましいイソシアヌレートに関して、脂肪族イソシアヌレートが挙げられてもよく、この場合、この脂肪族イソシアヌレートは、2〜20個の炭素原子、好ましくは3〜12個の炭素原子を有するアルキレンジイソシアネートまたはシクロアルキレンジイソシアネート、例えばイソホロンジイソシアネートまたはメチレン−ビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)に由来する。この場合、アルキレンジイソシアネートは、直鎖状であっても分枝鎖状であってもよい。特に好ましくは、n−ヘキサメチレンジイソシアネートを基礎とするイソシアヌレートであり、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの環式トリマー、ペンタマーまたは高級オリゴマーである。
【0045】
一般に、成分d1は、工程iii)によるポリマー量に対して0.01〜4質量%、有利に0.05〜2質量%、特に有利に0.2〜1.2質量%の量で使用される。
【0046】
二官能性またはオリゴ官能性ペルオキシド(成分d2)としては、例えば次の化合物が適している:過酸化ベンゾイル、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)メチルシクロドデカン、n−ブチル−4,4−ビス(ブチルペルオキシ)バレレート、ジクミルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、過酸化ジブチル、α,α−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシンー3およびt−ブチルペルオキシクメン。
【0047】
成分d2は、バイオポリマーに対して0.01〜4質量%、有利に0.1〜2質量%、特に有利に0.2〜1質量%で使用される。
【0048】
成分d3として、二官能性またはオリゴ官能性エポキシドは、例えば次のものがこれに該当する:ヒドロキノン、ジグリシジルエーテル、レソルシンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール−ジグリシジルエーテルおよび水素化ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル。エポキシドの別の例は、ジグリシジルテレフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ジメチルジグリシジルフタレート、フェニレンジグリシジルエーテル、エチレンジグリシジルエーテル、トリメチレンジグリシジルエーテル、テトラメチレンジグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジグリシジルエーテル、ソルビトールジグリシジルエーテル、ポリグリセリン−ポリグリシジルエーテル、ペンタエリトリット−ポリグリシジルエーテル、ジグリセリン−ポリグリシジルエーテル、グリセリン−ポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン−ポリグリシジルエーテル、レソルシン−ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール−ジグリシジルエーテル、エチレングリコール−ジグリシジルエーテル、ジエチレングリコール−ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール−ジグリシジルエーテル、プロピレングリコール−ジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコール−ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール−ジグリシジルエーテルおよびポリブチレングリコール−ジグリシジルエーテルを含む。
【0049】
成分d3aとして、殊にスチレン、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルを基礎とするエポキシド含有コポリマーが適している。エポキシド基を有する単位は、特にグリシジル(メタ)アクリレートである。コポリマーに対して20質量%を上廻る、特に有利に30質量%を上廻る、殊に有利に50質量%を上廻るグリシジルメタクリレート含量を有するコポリマーは、好ましいことが証明された。前記ポリマー中のエポキシ当量(EEW)は、特に150〜3000g/当量、殊に有利に200〜500g/当量である。前記ポリマーの平均分子量(質量平均)は、特に2000〜25000、殊に3000〜8000である。前記ポリマーの平均分子量(数平均)は、特に400〜6000、殊に1000〜4000である。多分散性(Q)は、一般に1.5〜5である。上記タイプのエポキシ基含有コポリマーは、例えばBASF Resin B.V.社からJoncry(登録商標)ADRの商品名で販売されている。鎖長延長剤として、Joncry(登録商標)ADR 4368、欧州特許出願第08166596.0号に記載されたような長鎖状アクリレートおよびShell社のCardura(登録商標)E10は、特に好適である。
【0050】
成分d3は、バイオポリマーに対して0.01〜4質量%、有利に0.1〜2質量%、特に有利に0.2〜1質量%で使用される。成分d3は、酸捕捉剤として使用されてもよい。特に、d3は、前記実施態様において、0.01〜0.5質量%の濃度で(工程iva)使用され、引続き鎖長延長は、特に0.2〜1.2質量%の濃度で添加される成分d1、d2および/またはd3a(工程ivb)を用いて実施される。
【0051】
成分d4としては、二官能性またはオリゴ官能性オキサゾリン、オキサジン、カプロラクタムおよび/またはカルボジイミドがこれに該当する。
【0052】
ビスオキサゾリンは、一般にAngew.Chem.Int.Ed.,Vol.11(1972)、第287〜288に記載の方法によって得られる。特に好ましいビスオキサゾリンおよびビスオキサジンは、架橋員が単結合、(CH2z−アルキレン基(この場合、z=2、3または4)、例えばメチレン、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイルまたはフェニレン基を意味するものである。特に好ましいビスオキサゾリンとして、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、ビス(2−オキサゾリニル)メタン、1,2−ビス(2−オキサゾリニル)エタン、1,3−ビス(2−オキサゾリニル)プロパンまたは1,4−ビス(2−オキサゾリニル)ブタン、殊に1,4−ビス(2−オキサゾリニル)ベンゼン、1,2−ビス(2−オキサゾリニル)ベンゼンまたは1,3−ビス(2−オキサゾリニル)ベンゼンが挙げられる。更に、例は、次の通りである:2,2′−ビス(2−オキサゾリン,2,2′−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4,4′−ジエチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−プロピル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−ヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−シクロヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−ベンジル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレン−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレン−ビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレン−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレン−ビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ヘキサメチレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−オクタメチレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−デカメチレン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−テトラメチレン−ビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−9,9′−ジフェノキシエタン−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−シクロヘキシレン−ビス(2−オキサゾリン)および2,2′−ジフェニレン−ビス(2−オキサゾリン)。
【0053】
好ましいビスオキサゾリンは、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、ビス(2−オキサゾリニル)メタン、1,2−ビス(2−オキサゾリニル)エタン、1,3−ビス(2−オキサゾリニル)プロパンまたは1,4−ビス(2−オキサゾリニル)ブタン、殊に1,4−ビス(2−オキサジニル)ベンゼン、1,2−ビス(2−オキサジニル)ベンゼンまたは1,3−ビス(2−オキサジニル)ベンゼンである。
【0054】
カルボジイミドおよびポリマーのカルボジイミドは、例えばLanxess社によってStabaxol(登録商標)の商品名で販売されているかまたはElastogran社によってElastostab(登録商標)の商品名で販売されている。
【0055】
例は、次の通りである:N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−トリルカルボジイミド、N,N′−ジフェニルカルボジイミド、N,N′−ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N−トリル−N′−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジ−第三ブチルフェニルカルボジイミド、N−トリル−N′−フェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−トリルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−o−トリルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ヘキサメチレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、4,4′−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド、エチレン−ビス−ジフェニルカルボジイミド、N,N′−ベンジルカルボジイミド、N−オクタデシル−N′−フェニルカルボジイミド、N−ベンジル−N′−フェニルカルボジイミド、N−オクタデシル−N′−トリルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N′−トリルカルボジイミド、N−フェニル−N′−トリルカルボジイミド、N−ベンジル−N′−トリルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−エチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−エチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2−エチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2−イソブチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリイソブチルフェニルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミドおよびジ−t−ブチルカルボジイミド。
【0056】
成分d4は、バイオポリマーに対して0.01〜4質量%、有利に0.1〜2質量%、特に有利に0.2〜1質量%で使用される。成分d4は、酸捕捉剤として使用されてもよい。特に、d4は、前記実施態様において、0.01〜0.5質量%の濃度で(工程iva)使用され、引続き鎖長延長は、特に0.2〜1.2質量%の濃度で添加される成分d1、d2および/またはd3a(工程ivb)を用いて実施される。
【0057】
本発明による方法の好ましい実施態様において、工程iiiとivとの間または工程iv中で次の群:滑剤(e1)、成核剤(e2)および/または相溶化助剤(e3)から選択された成分が添加される。特に有利には、成分Eは、工程iiiの終結時に添加される。
【0058】
殊に、炭化水素、脂肪アルコール、高級カルボン酸、高級カルボン酸の金属塩、例えばステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸亜鉛、脂肪酸アミド、例えばエルカ酸アミドおよびワックスタイプ、例えばパラフィンワックス、蜜ろうまたはモンタンワックスは、滑剤として有効であることが証明され、また、離型剤としても有効であることが証明された(成分e1)。好ましい滑剤は、エルカ酸アミドおよび/またはワックスタイプおよび特に好ましくは、前記滑剤の組合せである。好ましいワックスタイプは、蜜ろうおよびエステルワックス、殊にグリセリンモノステアレートまたはジメチルシロキサンまたはポリジメチルシロキサン、例えばWacker社のBelsil(登録商標)DMである。鎖長延長前に滑剤を添加することによって、滑剤は、ポリマー鎖に部分的に結合されることができる。完成したポリマー材料からの滑剤の早期の浸出は、こうして効果的に阻止されうる。
【0059】
成分e1は、一般にポリマー材料に対して0.05〜2.0質量%、特に0.1〜1.0質量%で工程iiiの終結時に添加される。
【0060】
成核剤(成分e2)として、一般に無機化合物、例えばタルク、白亜、雲母、酸化珪素または硫酸バリウムがこれに該当する。本発明によるポリエステルの場合、殊に芳香族ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレートおよび殊にポリブチレンテレフタレートは、有利であることが証明された。意外なことに、工程iii後に添加された成核剤e2は、工程iv後に添加された成核剤e2より本質的に効果的に作用することが見い出された。成核剤の使用量は、同じ技術的効果、例えば急速な結晶化傾向、粘着性の回避の場合に前記使用量の約半分に減少することができる。換言すれば、芳香族ブロックの含量が少ないためになお極めて良好な生分解性を有しているが、しかし、それにも拘わらず改善された結晶化挙動のために粘着傾向を全く有しないポリマー材料が得られる。
【0061】
成分e2は、一般にポリマー材料に対して0.05〜10.0質量%、有利に0.05〜5.0質量%、殊に有利に0.1〜1.0質量%で工程iiiの終結時に添加される。
【0062】
相溶化助剤として、脂肪族ポリエステル、例えばポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエートまたはポリグリコール酸(PGA)は、有利であることが証明された。この相溶化助剤は、工程iiiの終結時に添加した場合にポリマー鎖に部分的に結合されていてよい。脂肪族または部分芳香族ポリエステルを前記ポリエステル、例えばポリ乳酸、ポリカプロラクタムまたはポリヒドロキシアルカノエートと後に混合した場合、ポリマー混合物の改善された相溶性が達成され、しばしばさらなる相溶化助剤の使用は、省略することができる。脂肪族または部分芳香族ポリエステルを鎖長延長後に蒸気の混合成分の1つと混合した場合には、ポリマー成分の相溶性は、あまり顕著ではない。この場合には、しばしば相溶化助剤をポリマー混合物に添加することが必要とされる。
【0063】
成分e3は、一般にポリマー材料に対して0.05〜15.0質量%、有利に0.1〜8.0質量%、殊に有利に0.1〜5.0質量%で工程iiiの終結時に添加される。
【0064】
殊に、脂肪族ジカルボン酸(成分a1))としてコハク酸、アジピン酸またはセバシン酸、そのエステルまたはその混合物;芳香族ジカルボン酸(成分a2))としてテレフタル酸またはそのエステル;ジオール成分(成分B)として、1,4−ブタンジオールまたは1,3−プロパンジオール、成分b2)としてグリセリン、ペンタエリトリット、トリメチロールプロパン、および成分d1)としてヘキサメチレンジイソシアネートを含有する生分解可能な部分芳香族ポリエステルが好ましい。
【0065】
本発明による方法は、脂肪族ポリエステルの製造に使用することもできる。脂肪族ポリエステルは、脂肪族C2〜C12アルカンジオールと脂肪族C4〜C36アルカンジカルボン酸とからなるポリエステル、例えばポリブチレンスクシネート(PBS)、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリブチレンスクシネートアジペート(PBSA)、ポリブチレンスクシネートセバケート(PBSSe)、ポリブチレンセバケートアジペート(PBSeA)、ポリブチレンセバケート(PBSe)または相応するポリエステルアミドである。脂肪族ポリエステルは、Showa Highpolymers社によってBionolleの名称で市場に出され、およびMitsubishiによってGSPIaの名称で市場に出されている。新たなる開発は、欧州特許出願第08165370.1号中に記載されている。
【0066】
本発明による方法を用いて製造された脂肪族ポリエステルは、一般に150〜320cm3/g、特に150〜250cm3/gのDIN 53728による粘度数を有する。
【0067】
EN ISO 1133(190℃、質量2.16kg)によるMVR(溶融体積速度)は、一般に0.1〜70cm3/10分、有利に0.8〜70cm3/10分、殊に1〜60cm3/10分である。DIN EN 12634による酸価は、一般に0.01〜1.2mg KOH/g、特に0.01〜1.0mg KOH/g、殊に有利に0.01〜0.7mg KOH/gである。
【0068】
記載された脂肪族ポリエステルおよび部分芳香族ポリエステル、および本発明によるポリエステル混合物は、生分解可能である。
【0069】
1つの物質または物質混合物に対する"生分解可能"の特徴は、本発明の範囲内で、この物質または物質混合物がDIN EN 13432に相応して少なくとも90%の百分率での生分解度を有する場合に満たされる。
【0070】
一般に生分解性は、ポリエステル(混合物)が、測定され、かつ検出可能な時間中に分解することをもたらす。この分解は、酵素的、加水分解的、酸化的に行なわれ、および/または電磁線、例えばUV光線の作用によって行なわれ、かつ大抵は大部分が微生物、例えば細菌類、酵母類、真菌類および藻類の作用によって影響を及ぼされる。この生分解性は、例えばポリエステルと堆肥を混合し、そして所定時間にわたって貯蔵することによって定量化することができる。例えば、DIN EN 13432により、CO2不含の空気は、堆肥を施こす間に熟成された堆肥に貫流させることができ、この堆肥は、定義された温度プログラムに掛けられる。この場合、生分解性は、試料の正味のCO2放出量(試料を有しない堆肥によるCO2−放出量を差引くことによる)と試料の最大CO2−放出量(試料の炭素含量から算出した)との比により、百分率での生分解度として規定される。生分解性ポリエステル(混合物)は、一般には既に堆肥を施した数日後において、顕著な分解現象、例えば真菌類の生長、亀裂および孔の形成を示す。
【0071】
生分解性を測定するための別の方法は、例えばASTM D 5338およびASTM D 6400に記載されている。
【0072】
部分芳香族ポリエステルは、一般にランダムなコポリエステルであり、即ち芳香族二酸単位および脂肪族二酸単位は、全く偶然に組み込まれる。個々のブロックの長さの分布は、B.Vollmet、Grundriss der makromolekularen Chemieにより算出することができる。Witt他、In J. Environ.Pol.Degradation,第4巻、No.1(1996)、第9頁の記載と同様に、芳香族モデルオリゴマーの堆肥中での分解は、n>3で通常、極めて遅速である。しかし、部分芳香族ポリエステルの場合には、ブロック構造も急速に分解される。
【0073】
好ましい部分芳香族ポリエステルは、一般に1000〜100000g/molの範囲内、殊に9000〜75000g/molの範囲内、有利に20000〜50000g/molの範囲内の分子量(Mn)、50000〜300000、特に75000〜200000g/molの分子量(Mw)および1〜6、特に2〜4のMw/Mn比を有する。
【0074】
融点は、60〜170℃の範囲内、有利に80〜150℃の範囲内にある。
【0075】
工程4後のEN ISO 1133(190℃、質量2.16kg)によるMVR(溶融体積速度)は、一般に0.5〜6.0cm3/10分、有利に1.0〜5.0cm3/10分、特に有利に1.5〜3cm3/10分である。
【0076】
生分解可能な脂肪族/芳香族ポリエステルは、一般に160〜250cm3/g、特に170〜220cm3/gのDIN 53728による高い粘度数を有する。以下、粘度数に関連して、常にcm3/gの大きさが考えられる。
【0077】
高い粘度数と共にDIN EN 12634による低い酸価を有する脂肪族/芳香族コポリエステルを準備することは、望ましい。脂肪族/芳香族コポリエステルの酸価が低ければ低いほど、ポリエステルは、それ自体単独で選ばれたかまたはバイオポリマー、例えば澱粉(熱可塑化されたかまたは可塑化されていない)、ポリラクチド(PLA)またはポリヒドロキシアルカノエート、脂肪族ポリエステル、例えばBionolle(登録商標)、セルロースまたはポリカプロラクトンとの混合物で選ばれてますます加水分解安定性になる。ポリエステル(混合物)の貯蔵安定性は、相応して改善される。
【0078】
更に、1.2mg KOH/g未満、有利に1.0mg KOH/g未満、特に有利に0.9mg KOH/g未満のDIN EN 12634による低い酸価を有する、工程iii)で得られたプレポリエスエルは、よりいっそう良好に鎖長延長することができる。結果として、効果的な分子量の形成を伴なう短い滞留時間および連続工程iv)での酸価の僅かな増加を生じる。副反応または望ましくない斑点形成は、殆んど完全に回避することができる。工程iii)に含まれるプレポリエステルが中間工程iva)において酸捕捉剤、例えばd3および/またはd4で処理され、次に初めて鎖長延長ivbに掛けられる場合には、酸価は、特になおさらに減少しうる。
【0079】
総じて、よりいっそう低い酸価およびよりいっそう少ないMVRを有する、本発明による生分解可能なコポリエステル(鎖長延長した。請求項13参照)は、次の利点:
加工中、例えば澱粉との配合中のよりいっそう少ない分子量の減少、
よりいっそう良好な貯蔵安定性、
フィルム製造の際のよりいっそう良好な溶融液安定性および
高い分子量による、射出成形および殊に押出の際の優れた使用特性を有する。
【0080】
次に、本発明による方法は、詳細に記載される。
【0081】
前段階で成分A、Bおよび場合によりCは、混合される。一般に、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸とからなる混合物またはこれらの酸のエステル1.0モル当量(成分A)、脂肪族ジヒドロキシ化合物1.2〜1.4モル当量(成分b1)、工程iiiのポリマー量に対して化合物b2 0〜2質量%、特に0.01〜0.5質量%および場合によっては他のコモノマー(成分C)は、前混合される。
【0082】
好ましい処理形式において、ジカルボン酸は、遊離酸(成分A)として使用される。この場合、上記混合比での混合物は、触媒の添加なしに、混合され、通常、20〜70℃に温度調節されたペーストに変わる。
【0083】
これに対して、他の選択可能な1つの方法として、ジカルボン酸の液状エステル(成分A)およびジヒドロキシ化合物および場合によっては他のコモノマーは、上記の混合比で触媒の添加なしに、一般に140〜200℃の温度で混合される。
【0084】
更に、他の選択可能な1つの方法において、1つまたは2つのジカルボン酸は、脂肪族ジヒドロキシ化合物でエステル化され、前段階の純粋な脂肪族または芳香族ポリエステルに変わり、さらにこの純粋な脂肪族または芳香族ポリエステルは、それぞれ別のジカルボン酸および他の脂肪族ジヒドロキシ化合物ならびに場合によっては化合物b2と混合される。例えば、ポリブチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンアジピネートは、この前段階で使用されることができる。
【0085】
工程i)で、脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸(A)、および脂肪族ジヒドロキシ化合物(b1)、場合によっては化合物(b2)および他のコモノマー(成分C)からなる前記のペースト、懸濁液および/または液体(前段階)は、工程iiiによるポリマー量に対して0.001〜1質量%、特に0.02〜0.2質量%の触媒の存在下で一般に5〜15cm3/gのDIN 53728による粘度数になるまでエステル化される。
【0086】
過剰のジオール成分は、一般に留去され、例えば蒸溜による後精製後に再び循環路に供給される。
【0087】
工程i)には、触媒の全体量または部分量、特に50〜80部が供給される。触媒として、通常、亜鉛化合物、アルミニウム化合物および殊にチタン化合物が使用される。その上、チタン触媒、例えばテトラブチルオルトチタネートまたはテトラ(イソプロピル)オルトチタネートは、刊行物中でしばしば使用される錫化合物、アンチモン化合物、コバルト化合物および鉛化合物、例えば錫ジオクタノエートと比較して、生成物中に残留する、触媒の残量または触媒の最終生成物が殆んど毒性でないという利点を有する。この状況は、生分解可能なポリエステルの場合に特に重要である。それというのも、この生分解可能なポリエステルは、複合袋またはマルチシートとして直接に環境中に到達するからである。
【0088】
同時に工程i)で温度は、180〜260℃、特に220〜250℃に調節され、ならびに圧力は、0.6〜1.2バール、特に0.8〜1.1バールに調節される。工程i)は、混合装置中、例えばハイドロシロン(Hydrocylon)中で実施されることができる。典型的な滞留時間は、1〜2時間である。
【0089】
好ましくは、工程i)およびii)は、唯一の反応器中、例えば塔型反応器中で実施され(例えば、WO 03/042278およびドイツ連邦共和国特許出願公開第19929790号明細書参照)、この場合この反応器は、それぞれの工程に適した取付け物を有する。
【0090】
場合によっては、工程i)および/またはii)で他の成分b1ならびに場合による成分c)が添加されてよい。一般に、工程i)において、成分B(ジオール)と二酸Aとの比は、1.5〜2.5、特に1.8〜2.2に調節される。
【0091】
工程ii)において、工程i(エステル化)で得られた液体は、場合によっては触媒の残量と一緒に前縮合に適した反応器中に供給される。前縮合のためには、反応器、例えば管束反応器、釜型カスケードまたは気泡塔および殊に場合によっては脱ガスユニットを有する落下流式カスケード(Fallstromkaskade)が適していることが証明された。一般に、反応温度は、230〜270℃、特に240〜260℃に調節され、圧力は、工程ii)の開始時に0.1〜0.5バール、特に0.2〜0.4バールに調節され、工程ii)の終結時に5〜100ミリバール、特に5〜20ミリバールに調節される。60〜160分の滞留時間の際に、20〜60cm3/g、特に25〜55cm3/gのDIN 53728による粘度数を有する脂肪族/芳香族プレポリエステルを製造することができる。プレポリエステルのDIN EN 12634による酸価は、工程ii)の後で製造法に依存してなお著しく変動することができる。前段階において、遊離ジカルボン酸を用いて開始した場合には、酸価は、工程ii)の終結時になお比較的に高く;しかし、この酸価は、工程iii)でなお減少する。前段階において、相応するジカルボン酸エステルを用いて開始した場合には、酸価は、工程ii)の終結時に比較的に低い。しかし、この場合、酸価は、工程iii)の経過中に上昇する。一般に、DIN EN 12634による酸価は、工程ii)の終結時に0.7〜2mg KOH/gである。
【0092】
前縮合ii)の本質的な特徴は、生成物流が並流で一段または数段の流下薄膜式蒸発器上に導かれる、WO−A 03/042278およびWO−A 05/042615中に詳説された塔型反応器は、特に有利であることが証明され、この場合、反応蒸気、殊に水、THF、およびジカルボン酸エステルを使用した際にアルコールは、複数の位置で反応器上に分布されて排出される(運転形式iib)。この場合、少なくとも複数の位置で行なわれる、反応蒸気の連続的な導出を伴なう、WO−A 03/042278およびWO−A 05/042615中に記載された並流での運転形式は、明らかに引き合いに出される。この運転形式は、殊に次の利点を有する:
生成物流を搬送するためのポンプをできる限り省略することができ;生成物の流出は、重量測定による流れとして簡単に制御することができ;反応器は、弱い過圧、常圧または僅かな低圧で(上記参照)運転されることができ、
反応混合物からの現場で(in situ)の反応蒸気の連続的な導出は、平衡を既に極めて穏和な運転形式で反応生成物の側に移行する。更に、反応蒸気の急速な導出によって、副反応は、回避されるか、または少なくとも抑制される。
一般に、上記の運転形式で25〜55cm3/gのDIN 53728による粘度数を有する脂肪族/芳香族プレポリエステルは、製造することができる。更に、このプレポリエステルは、DIN EN 12634による極めて低い酸価を有する。
【0093】
本質的に水からなり、ジカルボン酸エステルを使用した際にアルコールからなり、ジオール1,4−ブタンジオールを使用した際に過剰のジオールと副生成物THFからなる反応蒸気は、通常の方法により蒸留により後処理され、プロセス中に再び返送される。
【0094】
重縮合工程iii)において、前縮合されたポリエステルには、場合によっては触媒のために不活性剤が添加される。不活性剤としては、殊に燐化合物の有機ホスフィット、例えば亜ホスホン酸(Phosphonige Saeure)または亜燐酸がこれに該当する。高反応性のチタン触媒を使用する場合には、不活性剤の使用は、特に適切である。不活性剤は、工程iii)によるポリマー量に対して0.001〜0.1質量%、特に0.01〜0.05質量%の量で添加されてよい。特に、Ti/P比は、1.3〜1.5:1、殊に有利に1.1〜1.3:1に調節される。
【0095】
重縮合工程iii)において、前縮合されたポリエステルには、場合によっては触媒のために色安定剤が添加される。色安定剤としては、殊に燐化合物がこれに該当する。例は、燐酸、亜燐酸、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフェート、イルガホスPEPQ(IrgafosPEPQ)および次亜燐酸ナトリウムおよび亜燐酸ナトリウムである。この燐化合物は、混合物として使用されてもよい。色安定剤の使用は、一般に縮合速度の減速を生じる。特に好適な色安定剤は、トリフェニルホスフェートである。それというのも、縮合速度は、妨害されないからである。
【0096】
色安定剤は、工程iii)によるポリマー量に対して0.001〜1.5質量%、特に0.01〜1.0質量%の量で添加されてよい。特に、Ti/P比(モル/モル)は、1.0:0.3〜1.0、殊に有利に1.0:0.5〜1.0に調節される。
【0097】
重縮合工程iii)において、前縮合されたポリエステルには、場合によっては触媒のために活性剤が添加される。活性剤として、殊に燐化合物がこれに該当する。例は、燐酸水素ジナトリウム、次亜燐酸カルシウム、亜燐酸カルシウム、燐酸カルシウム、次亜燐酸ナトリウム、亜燐酸ナトリウム、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、イルガホス168(Irgafos168)である。この燐化合物は、混合物として使用されてもよい。特に好適な活性剤は、燐酸水素ジナトリウムおよび亜燐酸ナトリウムである。
【0098】
活性剤は、工程iii)によるポリマー量に対して0.001〜1.5質量%、特に0.01〜1.0質量%の量で添加されてよい。特に、Ti/P比(モル/モル)は、1.0〜1.5:1、殊に有利に1.1〜1.3:1に調節される。
【0099】
次の組み合わされた使用は、特に重要である:色安定剤および活性剤、例えばトリフェニルホスフェート/燐酸水素ジナトリウム。
【0100】
重縮合は、いわゆるフィニッシャ(Finisher)中で行なわれる。フィニッシャ(Finisher)としては、殊に米国特許第5779986号明細書および欧州特許第719582号明細書中に記載されているような反応器、例えば環状ディスク型反応器またはかご形反応器が適していることが証明された。殊に、後者のかご形反応器は、反応時間が増加するにつれてポリエステルの粘度が増加することを考慮に入れている。一般に、反応温度は、220〜270℃、特に230〜250℃に調節され、圧力は、0.2〜5ミリバール、特に0.5〜3ミリバールに調節される。30〜90分、特に40〜80分の滞留時間の場合、70〜130cm3/gのDIN 53728による粘度数および0.5〜1.2mg KOH/g、特に0.6〜0.9mg KOH/gのDIN EN 12634による酸価を有する脂肪族/芳香族ポリエステルは、製造することができる。前記工程で典型的な分子量(Mn)は、10000〜25000であり、分子量(Mw)は、35000〜70000である。
【0101】
鎖長延長(工程iv)においては、重縮合されたポリエステルは、ポリエステルに対して0.01〜4質量%、特に0.1〜2質量%、殊に有利に0,5〜1.2質量%と一緒に押出機、連続型混練機(リスト反応器List-Reaktor)または静的混合機中に供給される。例示的に次の取付け物が挙げられる:静的混合機の場合には、例えばSulzer Chemtech AG社、スイス国、のSMR、SMX、SMXL要素またはこれらの組合せを使用することができる。リスト反応器の例は、使用分野に応じて次の通りである:一軸DISCOTHERM Bまたは二軸CRP反応器およびORP反応器。押出機としては、一軸押出機または二軸押出機がこれに該当する。
【0102】
鎖長延長剤としては、前記のイソシアネートまたはイソシアヌレートd1、ペルオキシドd2およびエポキシドd3aがこれに該当する。これは、例えばトルイエレン−2,4−ジイソシアネート、トルイレン−2,6−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートおよび2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、イソホロン−ジイソシアネートおよびメチレン−ビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)である。特に好ましいのは、ヘキサメチレンジイソシアネートである。
【0103】
特許保護が請求された粘度範囲内および同時に低い酸価のポリエステルを製造するために、いわゆる酸捕捉剤、例えば冒頭に記載された成分d3およびd4を添加することは、好ましい。特に、これは、ポリマー混合物に対して0.01〜2.0質量%、殊に0.02〜1.0質量%の濃度で行なわれる。酸捕捉剤は、有効な方法で開始時、工程iii中または工程iiiの終結時、または前方に位置した工程ivaにおいて鎖長延長ivb前に添加される。鎖長延長剤として、成分d1、d2およびd3aは、特に好適である。しかし、酸捕捉剤d3およびd4は、鎖長延長剤d1およびd2の添加後に添加されてもよい。
【0104】
鎖長延長(ポリ付加、工程iv)は、使用された系に応じて220〜270℃、特に230〜250℃の反応温度および過圧または常圧で行なわれる。2〜30分、特に4〜15分の滞留時間の場合には、160〜250cm3/gのDIN 53728による粘度数および0.5〜1.2mg KOH/g、殊に有利に0.6〜1.0mg KOH/gのDIN EN 12634による酸価を有する脂肪族/芳香族ポリエステルを実現させることができる。
【0105】
工程4後のEN ISO 1133(190℃、質量2.16kg)によるMVR(溶融体積速度)は、一般に0.5〜6.0cm3/10分、有利に1.0〜5.0cm3/10分、特に有利に1.5〜3cm3/10分である。
【0106】
化合物b2は、前記の記載と同様に殊に架橋剤として作用し、他方で、イソシアネートは、低い温度で殊に直鎖状鎖長延長剤として作用する。鎖長延長(工程iv)をよりいっそう高い温度、殊に120℃を上廻る温度で実施する場合には、アロファネート形成が起こる。更に、鎖長延長剤は、分枝化剤としても作用し、生分解可能なポリエステルの構造粘性に対して直接に影響を及ぼす。溶融液の流動学的挙動は、改善され;生分解可能なポリエステルは、簡単に加工することができ、例えば溶融液を固化してフィルムに変えることによって良好に引き伸ばすことができる。イソシアネートd1は、剪断低粘稠化(scherentzaehend)の作用を有し、即ち負荷下での粘度は、低くなる。
【0107】
連鎖反応が実施される反応器は、前記の取付け物を有し、この取付け物は、生成物流の良好に十分な混合に役立つ。
【0108】
鎖長延長の際の強い粘度形成のために、鎖長延長を反応器中で、鎖長延長剤が少なくとも官能性単位と反応するまで運転することは、有利である。鎖長形成は、例えば別々の攪拌釜中または取付け物なしの管中で完結させることができる。こうして、閉塞および壁面での付着は、回避させることができる。
【0109】
完全に反応した溶融液は、一般に溶融液フィルターを介して直接に調製、例えば水中造粒に移送される。
【0110】
本発明による4工程の方法を用いた場合には、良好な加工性および効率で脂肪族/芳香族ポリエステルを製造することができる。
【0111】
前縮合ii)を例えば塔型反応器中で実施し、その際並流で生成物流を流下薄膜式蒸発器上に導き、および反応蒸気を現場で(in situ)反応混合物から除去した場合には、25〜55cm3/gのDIN 53728による粘度数および同時に0.9mg KOH/g未満の低い酸価を有するプレポリエステルを取得することができる。遊離酸、例えばテレフタル酸を使用した場合には、酸価は、工程ii)でなおいっそう高くなるが、しかし、工程iii)で0,9mg KOH/g未満に減少する。このプレポリエステルは、効率的に注意深く重縮合させることができ、殊にヘキサメチレンジイソシアネートを用いて効率的に注意深く鎖長延長することができる。本発明による方法の前記実施態様を用いて、最初に160cm3/gを上廻るDIN 53728による粘度数および1mg KOH/g未満の酸価ならびに6.0cm3/10分未満のEN ISO1133によるMVRを有する脂肪族/芳香族ポリエステルを製造することができる。
【0112】
低いMVRのために、本発明によるポリエステル(請求項16および19参照)は、特別に加工することができる。その上、この本発明によるポリエステルは、極めて低い酸価を有し、このことは、また良好な加水分解安定性を結果として生じる。従って、本発明によるポリエステルは、脂肪族ポリエステル、例えばBionolle(登録商標)(Showa Highpolymer社)、ポリカプロラクトン、澱粉(熱可塑化されたかまたは可塑化されていない)、セルロース、ポリヒドロキシアルカノエート(PHB Industrial社の製品、Tianan、Metabolix)およびポリ乳酸、例えばNatureWorks(登録商標)(Cargill社)からなる群から選択された1つ以上の成分を含有する生分解可能なポリマー混合物の製造にも適している。
【0113】
一般に、生分解可能なポリエステル混合物は、i)本発明によるポリエステル5〜95質量%、特に20〜80質量%;ii)脂肪族ポリエステル、ポリカプロラクトン、澱粉、セルロース、ポリヒドロキシアルカノエートおよびポリ乳酸からなる群から選択された少なくとも1つまたはそれ以上の成分95〜5質量%、特に80〜20質量%を含有する。
【0114】
これに対して、公知技術水準で工程の脂肪族/芳香族ポリエステルは、次の特性値を有する:
【表1】

【0115】
測定法:
酸価は、1998年10月のDIN EN 12634により測定された。溶剤混合物として、DMSO1体積部、プロパン−2−オール8体積部およびトルエン7体積部からなる混合物が使用された。試料は、50℃に加熱され、塩化カリウム充填物を有する棒電極と結合された。基準溶液として、テトラメチルアンモニウム−ヒドロキシド基準溶液が使用された。
【0116】
粘度数の測定は、DIN 53728 第3部、1985年1月3日により行なわれた。溶剤として、次の混合物が使用された:質量比50/50のフェノール/ジクロロベンゼン。
【0117】
溶融体積速度(MVR)の測定は、ISO 1133により行なわれた。試験条件は、190℃、2.16kgであった。溶融時間は、4分間であった。MVRは、前記条件下で次のように規定された長さおよび規定された直径の押出工具による溶融されたプラスチック成形部材の押出速度を生じる:ピストンの温度、負荷量および長さ。規定された時間で押出された体積は、押出プラストメーターのシリンダー中で測定される。
【実施例】
【0118】
実施例
1.HDIで鎖長延長されたポリブチレンアジペート−コ−テレフタレートの連続的製造(請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法)
生分解可能なポリエステルの製造のために、ジメチルテレフタレート440kg/h、アジピン酸および1,4−ブタンジオールからなるプレポリエステル510kg/h(Mn2000g/mol)、1,4−ブタンジオール270kg/hおよびグリセリン1.0kg/hをテトラブチルオルトチタネート0.55kg/hと一緒に連続的に多段の攪拌釜型カスケード中に供給した。反応混合物を常圧で攪拌釜型カスケード内で180℃〜210℃の温度および2.5時間の滞留時間でエステル交換し、生じる縮合生成物メタノールを留去した。こうして得られた低分子量のポリエステルは、10cm3/gの粘度数(VZ)を有していた。
【0119】
引続き、この反応混合物を、溶融液が多数の加熱された管に導通される後接続された上昇管型反応器(ドイツ連邦共和国特許第19509551号明細書参照)中にテトラブチルオルトチタネート0.30kg/hの添加下に260℃に加熱し、圧力を100ミリバールに減少させ、過剰量のブタンジオールの主要部を留去した。45分間の滞留時間後、ポリエステルは、23cm3/gのVZを有していた。
【0120】
亜燐酸0.28kg/hの添加後、この反応混合物を管状ディスク反応器(米国特許第5779986号明細書参照)中に移行させ、250℃の温度および4ミリバールの圧力でさらに45分間重縮合させ、残留する過剰量のブタンジオールを留去した。こうして得られたポリエステルは、89cm3/gのVZおよび1,0mg KOH/gの酸価(SZ)を有していた。重縮合に引き続いて、ポリエステルに240℃でヘキサメチレンジイソシアネート8.0kg/h(HDI)を静的混合系を用いて供給した。7分間の滞留時間後、ポリエステルを水中造粒を用いて造粒し、および乾燥させた。こうして得られたポリエステルは、1919cm3/gのVZ、36000g/molの分子量Mn(または125000g/molのMw)、3cm3/10分のMVRおよび1.1mg KOH/gのSZを有していた。静的混合機の代わりに、他の試験で工程iv)でリスト反応器を使用した。それによって得られたポリマーは、比較可能な性質(酸価、粘度数、MVR)を有していた。
【0121】
2.HDIで鎖長延長されたポリブチレンアジペート−コ−テレフタレートの連続的製造(請求項5または6に記載の方法)
生分解可能なポリエステルの製造のために、テレフタル酸19kg/h、アジピン酸19kg/h、1,4−ブタンジオール32kg/hおよびグリセリン0.05kg/hを35℃で物理的に混合し、引続きこの混合物を連続的にエステル化釜中(例えばWO 03/042278A1の記載と同様に液体サイクロンとして設計された)に移行させた。更に、1,4−ブタンジオール16kg/hおよびテトラブチルオルトチタネート0.022kg/h(TBOT)の添加下に、前記混合物を240℃の温度、1.5時間の滞留時間および0.85バールの圧力でエステル化し、生じる縮合生成物の水、ならびに過剰量のブタンジオールの一部分を留去した。こうして得られた低分子量のポリエステルは、12cm3/gの粘度数(VZ)を有していた。引続き、この反応混合物をさらにTBOT0.012kg/時間の添加下に250℃から265℃へ上昇する温度、2時間の滞留時間および300ミリバールから10ミリバールへ減少する圧力で落下流式カスケード(例えば、WO 03/042278 A1の記載と同様)上に導き、過剰量のブタンジオールの主要部を留去した。こうして得られたポリエステルは、47cm3/gの粘度数(VZ)を有していた。
【0122】
亜燐酸0.01kg/hの添加後に、反応混合物を重縮合反応器(例えば、欧州特許第0719582号明細書の記載と同様)中に移行させ、245℃の温度および1ミリバールの圧力でさらに45分間重縮合させ、残留する過剰量のブタンジオールを留去した。こうして得られたポリエステルは、95cm3/gのVZおよび0.6mg KOH/gの酸価(SZ)を有していた。重縮合に引き続いて、ポリエステルに240℃でヘキサメチレンジイソシアネート0.4kg/h(HDI)を静的混合系を用いて供給した。7分間の滞留時間後、ポリエステルを水中造粒を用いて造粒し、および乾燥させた。こうして得られたポリエステルは、235cm3/gのVZ、47000g/molの分子量Mn(または165000g/molのMw)、1.9cm3/10分のMVRおよび0.7mg KOH/gのSZを有していた。静的混合機の代わりに、他の試験で工程iv)でリスト反応器を使用した。それによって得られたポリマーは、比較可能な性質(酸価、粘度数、MVR)を有していた。
【0123】
3.比較例 HDIで鎖長延長されたポリブチレンアジペート−コ−テレフタレートのバッチ的製造
生分解可能なポリエステルの製造のために、ジメチルテレフタレート3700kg、アジピン酸と1,4−ブタンジオールとからなるプレポリエステル4300kg(Mn2000g/mol)、1,4−ブタンジオール2200kg、グリセリン8.5kgおよびテトラブチルオルトチタネート2.4kgを攪拌釜中に供給した。過剰量の1,4−ブタンジオールを留去しながら、反応混合物を8時間で段階的に245℃の温度に加熱し、同時に圧力を段階的に5ミリバールに減少させた。引続き、真空下で亜燐酸0.6kgを攪拌しながら添加した。こうして得られたポリエステルは、91cm3/gの粘度数(VZ)および1,3mg KOH/gの酸価(SZ)を有していた。重縮合に引き続いて、ポリエステルに240℃でヘキサメチレンジイソシアネート6.8kg/h(HDI)を静的混合系を用いて供給した。7分間の滞留時間後、ポリエステルを水中造粒を用いて造粒し、および乾燥させた。こうして得られたポリエステルは、170cm3/gのVZ、32000g/molの分子量Mn(または95000g/molのMw)、6.0cm3/10分のMVRおよび1.5mg KOH/gのSZを有していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸ならびに脂肪族ジヒドロキシ化合物を基礎とする生分解可能なポリエステルを連続的に製造する方法において、この場合
脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸、および場合によっては他のコモノマー(成分C)から混合物は、触媒の添加なしにペーストに混合されるか、または他の選択可能な方法によれば、ジカルボン酸の液状エステルおよびジヒドロキシ化合物、および場合によっては他のコモノマーは、触媒の添加なしに供給され、この場合
i)第1工程で前記混合物は、触媒の全質量または部分量と一緒に連続的にエステル化されるかまたはエステル交換され;
ii)第2工程において連続的にi)により得られたエステル交換生成物またはエステル化生成物は、20〜70cm3/gのDIN 53728による粘度数になるまで前縮合され;
iii)第3工程において連続的にii)から得られた生成物が60〜170cm3/gのDIN 53728による粘度数になるまで重縮合され、および
iv)第4工程において連続的にiii)から得られた生成物が150〜320cm3/gのDIN 53728による粘度数になるまで重付加反応で鎖長延長剤Dと反応される、脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸ならびに脂肪族ジヒドロキシ化合物を基礎とする生分解可能なポリエステルを連続的に製造する方法。
【請求項2】
生分解可能なポリエステルがつぎのもの:
A)
a1)少なくとも1つの脂肪族ジカルボン酸またはそのエステル、またはその混合物30〜99モル%、
a2)少なくとも1つの芳香族ジカルボン酸またはそのエステル、またはその混合物1〜70モル%および
a3)スルホネート基含有化合物0〜5モル%からなる酸成分、
この場合成分a1)〜a3)のモル%は、全部で100%であり、および
B)
b1)成分Aに対して少なくとも当モル量のC2〜C12アルカンジオールまたはその混合物および
b2)成分Aおよびb1)に対して0〜2質量%の少なくとも3個の官能基を含有する化合物からなる酸成分;および
場合によってはさらに
C)
c1)式I
HO−[(CH2n−O]m−H (I)
〔式中、nは、2、3または4を表わし、mは、2〜250の整数を表わす〕で示される少なくとも1個のエーテル官能基を含有するジヒドロキシ化合物、
c2)式IIaまたはIIb
【化1】

〔式中、pは、1〜1500の整数を表わし、rは、1〜4の整数を表わし、Gは、フェニレン、−(CH2q−(この場合、qは、1〜5の整数を表わす)、−C(R)H−および−C(R)HCH2(この場合、Rは、メチルまたはエチルを表わす)からなる群から選択された基を表わす〕で示される少なくとも1つのヒドロキシカルボン酸、
c3)少なくとも1つのアミノ−C2〜C12アルカノールまたは少なくとも1つのアミノ−C5〜C10シクロアルカノール、またはその混合物、
c4)少なくとも1つのジアミノ−C1〜C8アルカン、
c5)カプロラクタム、1,6−アミノカプロン酸、ラウリンラクタム、1,12−アミノラウリン酸および1,11−アミノウンデカン酸またはc1〜c5)からなる混合物からなる群から選択された少なくとも1つのアミノカルボン酸化合物から選択された成分、
および
D)工程iiiによるポリエステル量に対して0.01〜4質量%の群d1)〜d4)
d1)二官能性またはオリゴ官能性イソシアネートおよび/またはイソシアヌレート、
d2)二官能性またはオリゴ官能性ペルオキシド、
d3)二官能性またはオリゴ官能性エポキシド、
d4)二官能性またはオリゴ官能性オキサゾリン、オキサジン、カプロラクタムおよび/またはカルボジイミドから選択された少なくとも1つの成分から選択された1つ以上の成分;
E)工程iiiによるポリエステル量に対して0〜10質量%の群e1)〜e3)
e1)滑剤、例えばエルカ酸アミドまたはステアレート、
e2)成核剤、例えば炭酸カルシウム、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレート、
e3)次のもの:脂肪族ポリエステルポリ乳酸、ポリカプロラクタム、ポリヒドロキシアルカノエートからなる群から選択された脂肪族ポリエステルから選択された成分から形成される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
生分解可能な部分芳香族ポリエステルは、
脂肪族ジカルボン酸(成分a1))としてコハク酸、アジピン酸またはセバシン酸、そのエステルまたはその混合物;
芳香族ジカルボン酸(成分a2))としてテレフタル酸またはそのエステル;
ジオール成分(成分B)として、1,4−ブタンジオールまたは1,3−プロパンジオール、
成分b2)としてグリセリン、ペンタエリトリット、トリメチロールプロパンおよび
成分d1)としてヘキサメチレンジイソシアネートを含有する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
エステル化/エステル交換(工程i))を液体サイクロンの形で付随する熱交換器を用いて実施し、工程i)、ii)およびiii)をチタン触媒の存在下で実施する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
工程ii)を塔型反応器中で実施し、生成物流を並流で流下薄膜式蒸発器上に導き、反応蒸気を現場で(in situ)反応混合物から除去する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
工程ii)において、エステル交換生成物またはエステル化生成物を25〜55cm3/gのDIN 53728による粘度数になるまで前縮合する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
工程ii)とiii)の間で生成物流に、不活性にする燐化合物0.001〜0.1質量%または色安定にするかまたは活性化する燐化合物0.001〜1.5質量%を添加する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
工程iiiの開始時、工程iii中または工程iiiの終結時、または鎖長延長ivbに対して前方の工程ivaで、二官能性またはオリゴ官能性エポキシド(d3)、オキサゾリン、オキサジン、カプロラクタムおよび/またはカルボジイミド(d4)の群から選択された酸捕捉剤を、それぞれポリマー材料に対して0.01〜2.0質量%添加する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
工程iii)を環状ディスク型反応器またはかご形反応器中で実施する、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
工程iii)後に滑剤e1を工程iiiによるポリマー材料に対して0.05〜2.0質量%添加する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
工程iii)後に成核剤e2を工程iiiによるポリマー材料に対して0.05〜5.0質量%添加する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
工程iii)後に相溶化助剤e3を工程iiiによるポリマー材料に対して0.05〜15.0質量%添加する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
工程iv)を押出機、リスト反応器または静的混合機中で実施する、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
工程iv)において鎖長延長剤としてヘキサメチレンジイソシアネート(成分d1)を使用する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
請求項6に記載の方法により得られた、脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸、および脂肪族ジヒドロキシ化合物を基礎とする生分解可能なポリエステル。
【請求項16】
請求項6に記載の方法により得られた、脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸、および脂肪族ジヒドロキシ化合物を基礎とする生分解可能なポリエステルならびに請求項14記載の鎖長延長により得られた、脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸、および脂肪族ジヒドロキシ化合物を基礎とする生分解可能なポリエステル。
【請求項17】
請求項11に記載の方法により得られた、脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸、および脂肪族ジヒドロキシ化合物を基礎とする生分解可能なポリエステル。
【請求項18】
請求項12に記載の方法により得られた、脂肪族ジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸、および脂肪族ジヒドロキシ化合物を基礎とする生分解可能なポリエステル。
【請求項19】
次のもの:
A)
a1)次のもの:コハク酸、アジピン酸およびセバシン酸からなる群から選択された少なくとも1つの脂肪族ジカルボン酸またはそのエステル、またはその混合物35〜60モル%;
a2)テレフタル酸またはそのエステル、またはその混合物65〜40モル%からなる酸成分、および
この場合成分a1)およびa2)のモル%は、全部で100%であり、および
B)次のもの:
1,4−ブタンジオールまたは1,3−プロパンジオール、またはその混合物;
b2)成分AおよびBに対してグリセリン0.05〜1質量%からなる群から選択されたジオール成分(b1)、
D)成分
d1)成分AおよびBに対してヘキサメチレンジイソシアネート0.1〜2質量%;および1.0mg KOH/g未満のDIN EN 12634により測定された酸価および6cm3/10分未満のISO 1133によるMVR(190℃、質量2.16kg)から形成された生分解可能なポリエステル。
【請求項20】
i)請求項19記載のポリエステル5〜95質量%;
ii)脂肪族ポリエステル、ポリカプロラクトン、澱粉、セルロース、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリグリコール酸およびポリ乳酸からなる群から選択された少なくとも1つまたはそれ以上の成分95〜5質量%を含有する生分解可能なポリエステル混合物。
【請求項21】
生分解可能なポリマー混合物を製造するための請求項18記載のポリエステルの使用。

【公表番号】特表2011−516709(P2011−516709A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504420(P2011−504420)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【国際出願番号】PCT/EP2009/054116
【国際公開番号】WO2009/127556
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】