説明

生物学的及び化学的収集及び検出

蛍光キューラマン同定システムは、試料をフィルタ上に収集する収集サブシステム、収集した試料を処理する試薬処理サブシステム及び収集した試料の少なくとも一つの画像を自動的に撮像する蛍光イメージングサブシステムを含む。本システムは、更に、少なくとも一つの収集画像から存在する生存生物のスペクトルを測定するラマンスペクトロスコピーサブシステム、ラマンマイクロスコピーサブシステムにより分析された生物の可視画像を提供する可視画像化マイクロスコープサブシステム及び試料内の生存生物を位置決定するための画像処理を実行するプロセッサを備える。このプロセッサは、更に、ラマンスペクトロスコピーサブシステムにより記録されたスペクトルを分析して標的生物の予備同定を生成し、この予備同定を可視画像化マイクロスコープサブシステムを用いてオペレータが確認できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に粒子のラマン同定に関し、具体的には生存生物の蛍光キューラマン(fluorescence-cued Raman)同定に関する。
【背景技術】
【0002】
細菌細胞が死んでいるか生きているかを決定するために開発された標準の微生物学的法は、試験中の生物細胞のバイアビリティの一つの指標として試験細菌細胞が成長しコロニーを形成する能力に一般に依存している。しかしながら、製薬産業などの産業は生存しているが培養不能である生物を含む生存粒子の同定について心配している。例えば、ある種の細菌は生存可能であるが培養不能である状態になることがあり、この状態では細菌性生物は代謝過程を有するが細胞分裂を受けない。この状態では、依然として生存可能であるが、非選択的成長状態の下で通常のプレートカウンタなどの慣用技術を用いてコロニー形成単位として示すことができない。ある種の病原性細菌は生存可能であるが培養不能である状態と感染状態との間で変遷し得るので、このような生存可能であるが培養不能である細菌は、例えば公衆衛生上のリスク評価に不安をもたらす。
【発明の概要】
【0003】
本発明の種々の態様によれば、関心のある生物を同定する方法が提供され、該方法は環境試料又は製品試料などの試料を収集するステップを備える。本方法は、収集した試料を、収集した試料内に関心のある生物が存在するかを同定する試薬で処理するステップを更に備える。この点において、関心のある潜在的な生存生物、例えば生存細胞は、試薬との反応の結果として生成されるマーカに少なくとも部分的に基づいて同定可能になる。前記試薬は、例えば細胞過程により活性化されたとき蛍光を発するバイアビリティ染色、リポータ染料、生存生物を検出可能にするアッセイなどを含むことができる。
【0004】
本方法は、マイクロスコープを用いて試料の画像データを収集するステップを更に備える。例えば、試料を自動化マイクロスコープ段に転送し、マイクロスコープ段を用いて試料の画像を収集し、収集した試料の少なくとも一つの画像内にマーカが発生するかを自動的に決定する画像処理を用いて収集した試料内の潜在的な生存生物を位置決定するステップを更に備える。
【0005】
更に、本方法は、収集した画像データから導出される試料内のマーカの対応するインスタンスの位置に基づいて選択される、試料内の少なくとも一つの標的位置を、潜在的な生存生物のスペクトルインタロゲーションのために同定するステップを備える。本方法は、更に、試料内の同定した各標的位置のスペクトル情報を取得し、取得したスペクトル情報を分析して、少なくとも一つの対応する位置決定された潜在的な生存生物の少なくとも少しあいまいな予備同定を自動的に作成するステップ及び予備同定の結果に関連する情報をユーザによる最終確認のために提供するステップも備える。
【0006】
本発明の他の態様によれば、生物を同定するシステムが提供され、該システムは蛍光キューラマン同定システムを実現するために協働する複数のサブシステムを備える。前記複数のサブシステムは、試料をフィルタ上に収集する収集サブシステム及び収集サブシステムから試料を受け取り、収集サブシステムにより収集された試料を、該試料内に関心のある生物が存在するかを同定する試薬を用いて処理する試薬処理サブシステムを含み、ここで、関心のある潜在的な生存可能生物が、試薬との反応の結果として生成されるマーカに少なくとも部分的に基づいて同定可能になる。前記複数のサブシステムは、更に、前記試薬処理サブシステムから処理された試料を受け取り、処理された試料の少なくとも一つの画像を自動的に撮像する蛍光イメージングサブシステムを含む。
【0007】
前記複数のサブシステムは、前記蛍光サブシステムから試料を受け取り、収集された試料の少なくとも一つの画像に基づいて位置決定された潜在的な生存生物のスペクトルを測定するラマンスペクトロスコピーサブシステム及びラマンマイクロスコピーサブシステムにより分析された生物の可視画像を提供する可視画像化マイクロスコープサブシステムを含む。本システムは、更に、ラマンスペクトロスコピーサブシステムにより標的にされた試料内の潜在的な生存生物を位置決定するための画像処理を実行するプロセッサを備える。このプロセッサは、更に、可視画像化マイクロスコープサブシステムを用いるユーザの最終確認のための標的生物の予備同定を生成するために、ラマンスペクトロスコピーサブシステムにより記録されたスペクトルを分析する。
【0008】
本発明の種々の態様の詳細な説明が以下に記載されるが、その説明は下記の添付図面と関連して読むと最も良く理解することができ、図中同等の構造は同等の番号で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の種々の態様による生存生物を同定する蛍光キューラマン同定システムの概略図である。
【図2】本発明の種々の態様による図1の蛍光キューラマン同定システムのフロー図である。
【図3】本発明の種々の態様による蛍光キュー同定を実行する方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の種々の態様によれば、関心のある一つ以上の生物を検出するために蛍光アッセイを使用する蛍光キューラマン同定システムが提供される。蛍光アッセイは全/多種類の生存生物用の汎用アッセイとすることができ、また特定の一つ又は複数の生物を標的とする専用アッセイとすることもできる。
【0011】
一般に、非特異的アッセイを含む上記の蛍光アッセイは、収集した試料内の胞子状態又は成長状態のいずれかにある生存生物(例えば生存細胞)を標的として使用することができる。例えば、試料内に収集された生存生物を標的とするために選択した化学的蛍光アッセイを使用することができる。更なるインタロゲーションのために関心のある収集試料の領域を選択し標的とするために、化学的蛍光アッセイに対する試料内の特定位置の反応が使用される。同定のためにスペクトルデータが大きな試料内の選択された標的試料領域から、例えばラマンスペクトロメータを用いて収集される。標的インタロゲーション領域から収集されたスペクトルデータは、標的生物の明確な同定を生成するために評価される。また、スペクトルデータの評価は小さなあいまい群内の標的生物の同定をもたらすこともできる。
【0012】
本システムは、機械で実施された処理の評価及び/又は解釈のために、標的インタロゲーション領域に関連する情報を人間オペレータに提示することができる。例えば、模範的な実施においては、本システムは小さなあいまい群内において生存している又は生存の可能性が高いものとして検出もしくは分類された細胞に関連する情報をオペレータに提示する。機械同定との同意を得るために、システムによりオペレータに提示される情報は、本システムにより生存している又は生存の可能性が高いと判断された細胞のマイクロスコープ画像又は他の可視画像の形を取ることができる。従って、例えば微生物学者は試料が生存生物を含む可能性が高いかどうかの客観的決定を高速に行うことができる。
【0013】
ここで、図面、特に図1を参照すると、本発明の種々の態様による、蛍光キューラマン同定システム10が示されている。蛍光キューラマン同定システム10は、一般に、ここに更に詳しく説明される蛍光キューラマン同定を実行するために協働する複数のサブシステムを含む。一例として、図示のシステム10は、収集サブシステム12、試薬処理サブシステム14、蛍光イメージングサブシステム16、ラマンスペクトロスコピーサブシステム18、自動化段サブシステム20及び可視画像化マイクロスコープサブシステム22の6つのサブシステムを含む。
【0014】
本発明の種々の態様の実施形態においては、2つ以上のサブシステムの種々の論理的及び機能的特徴部は組み合わせる、併合する、又は共通の物理構造に統合することができる。例えば、模範的な実施形態においては、蛍光イメージングサブシステム16、ラマンスペクトロスコピーサブシステム18、自動化段サブシステム20及び可視画像マイクロスコープサブシステム22はラマンマイクロスコープシステム24に統合することができる。更に、例えばシステム10内に組み込まれ、種々のサブシステムと通信する処理装置としてプロセッサ26が必要に応じ設けられる。
【0015】
模範的な実施形態においては、収集サブシステム12は試料をフィルタ上に収集する。試薬処理サブシステム14は収集サブシステム12から試料を受け取り、収集サブシステム12で収集された試料を、試料内に関心のある生物があるかどうかを同定する試薬を用いて処理する。この点において、生存可能な関心のある生物は、試薬との反応の結果として生成されるマーカに少なくとも部分的に基づいて同定可能になる。蛍光イメージングサブシステム16は試薬処理サブシステム14から処理された試料を受け取り、処理された試料の少なくとも一つの画像を自動的に撮像する。ラマンスペクトロスコピーサブシステム18は蛍光サブシステム16から試料を受け取り、収集された試料の少なくとも一つの画像に基づいて位置決定された潜在的な生存生物のスペクトルを測定する。可視画像マイクロスコープサブシステム22はラマンスペクトロスコピーサブシステム18により分析された生物の可視画像を提示する。
【0016】
自動化段サブシステム20はフィルタを少なくとも2つのサブシステムの間で自動的に移送する。更に、プロセッサ26は画像処理を実行してラマンスペクトロスコピーサブシステム18により標的にされた試料内の生存可能な生物を見つける。プロセッサ26は、更に、ラマンスペクトロスコピーサブシステム18により記録されたスペクトルを分析して、可視画像マイクロスコープサブシステム22を用いるユーザによる確認のために、標的試料の予備同定を作成する。
【0017】
プロセッサ26は、必要な処理、例えばソフトウェア処理、分類、分析、画像処理、データ管理などを実行するようにシステム10のハードウェアコンポーネントの一つ以上を制御する。プロセッサ26はメモリ38及び入力出力(I/0)装置30などの他の装置、回路又は他のプロセッサと直接又は間接的に通信することもできる。従って、プロセッサ26は、ここに詳細に記載されるように、画像データ、スペクトルデータ、予備同定情報などを外部装置に通信することができる。
【0018】
メモリ28は、図1のブロック図に単一ブロック28として示されているが、実際には、一緒に具体化されたコンピュータ読取り可能なプログラムコードを有する一以上のコンピュータ読取り可能な記憶媒体として実現することができる。この点に関し、コンピュータ読取り可能な記憶媒体は、ここに十分に説明される処理を実行するプロセッサ26のような命令実行システム、装置又はデバイスで使用される又は関連して使用されるプログラム、データ又は他の情報を格納する有形媒体として実現される。各コンピュータ読取り可能な記憶媒体は、例えば電子、磁気、光学、静電、赤外又は半導体などの任意の技術又はその組み合わせを利用することができる。更に、メモリ28は、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、ポータブルコンパクトディスクリードオンリメモリ(CD−ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置などとして実現することができる。
【0019】
I/O30はユーザ及び/又は他の電子デバイスとのインタラクションを容易にする。模範的なI/O30は、他の電子デバイスとの例えばネットワークを介する通信を容易にするために、ネットワークインタフェース又は他のアダプタを含むことができる。模範的なI/O30は、ユーザとインタラクトするためのデバイス、例えばディスプレイスクリーン、ビデオアダプタ、キーパッド又はキーボード、マウス又は他のポインティングデバイス、キーパッド/マウスアダプタなど、を含むことができる。
【0020】
模範的な実施形態においては、プロセッサ26は、例えばメモリ28に記憶されたコンピュータプログラム命令を実行し、蛍光イメージングサブシステム16により収集された画像データの画像処理を実行して、収集された試料内の生存生物を位置決定する。画像処理の結果に基づいて、プロセッサ26は収集された画像データ内の標的領域を決定する。プロセッサ26により決定された標的領域情報はラマンスペクトロスコピーサブシステム18が利用して、収集された試料の標的領域における標的インタロゲーションを実行することによりラマンスペクトルデータを収集する。次に、プロセッサ26はコンピュータプログラムコードを実行し、ラマンスペクトロスコピーサブシステム18により記録されたスペクトル情報を分析して、以下に詳細に説明されるように、標的生物の予備同定などを作成する。この点に関し、プロセッサ26は、ここに詳細に説明される機能を実行するために必要なプログラムコード、データファイル、分類子、制御パラメータ又はその他の命令又はプログラムを読み出すために、コードメモリ/記憶装置28及び/又はI/O30とインタラクトすることができる。
【0021】
図2につき説明すると、本発明の種々の態様による図1のシステム10の模範的な実施形態が示されている。動作中、収集サブシステム12は試料を試料基板上に収集する。模範的な実施形態においては、収集サブシステム12は、試料を適切な試料基板、例えばフィルタ上に収集するために収集装置32を用いる。収集装置32は、例えばエアロゾルコレクタ、固体表面小面積インパクタ、静電降下装置、サイクロン装置又は他の収集技術を使用することができる。模範的な実施形態においては、収集装置32は、例えば周囲空気からコレクタを通して流体の流れを吸引し加速する。流れに取り込まれた粒子状物質は抽出され、試料基板、例えばフィルタ34の上に、比較的小さな規定の試料領域に堆積される。フィルタ34は収集した試料を保持する任意の適切な基板又は他の構成とすることができる。例えば、フィルタ34は非ラマン活性メンブレンフィルタ34として実現することができる。しかし、実際には、試料基板は他の形の試料含有材を備えるものとすることができる。
【0022】
更に、いくつかの模範的な実施形態においては、フィルタ34は収集サブシステム12内に手動的に配置される。別の模範的な実施形態においては、フィルタ34は、例えば自動化サブシステム20の平行移動機能により収集サブシステム12内に自動的に配置される。例えば、自動化サブシステム20は、フィルタ34を例えば基板保管区域又は他の場所から取り出し、収集装置32へ運ぶ自動化機構を使用できる。この点に関し、自動化サブシステム20はフィルタ34を上述した一つ以上のサブシステムの間で移送するように機能する回転段、直進段又は他の構成を利用することができる。プロセッサ26は、フィルタ34をシステム10内における自動化段20の移送のタイミング及び量を設定するために自動化段20を制御することができる。
【0023】
一つの模範的な応用例においては、システム10は吸入可能な粒度範囲内の粒子状物質について試料収集するように構成される。例えば、生物学的及化学的検出システム10は、収集した試料内の硝酸塩及び硫酸塩、アンモニウム、真菌胞子及び他の粒子状物質を同定するために使用できる。それゆえ、収集装置32、例えば小面積コレクタ、は、概して約1μmから10μmの粒度範囲内の粒子状物質を収集し、フィルタ34上に堆積するように設計される。別の模範的な実施形態においては、収集サブシステム12は、適切な試料収集技術を用いて、他の種類の環境試料、例えば水試料、製品試料、プロセス試料などを収集することができる。それゆえ、具体的な収集サブシステムの実施は、例えば収集すべき試料の種類に応じて変えることができる。
【0024】
収集装置32による試料の収集時に、収集した試料を担持するフィルタ34は試薬処理サブシステム14に移動される。模範的な実施形態においては、フィルタ34の移動は、例えば直線平行移動段、回転平行移動段などを用いる自動化サブシステム20によって平行移動により自動的に実行される。別の模範的な実施形態においては、試薬処理サブシステム14は別の方法、例えば手動的移動により、収集サブシステム12から試料を受け取ることができる。とにかく、試薬処理サブシステム14は、収集サブシステム12により収集された試料を、フィルタ34上に収集された生物を同定する試薬を用いて処理する。例えば、フィルタ34上の試料は試薬処理サブシステム14において、例えば米国、ニュージャージ州、プリンストンのAES Chemunex社;アイルランド、コークのMicroLink社;英国、ケンブリッジのSelsis International社などのベンダからの試薬及び/又は装置を用いて処理される。
【0025】
試薬処理はフィルタ34上に収集された生存生物を同定可能にする。例えば、バイアビリティ染色などの処理は、一種以上の生存生物から有限時間、例えば数分間に亘り安定な光を放出させることができる。これらの処理は、また/代りに、対応する励起に対して特異のスペクトル応答を提供するレポータ染料を使用することができる。多くのこのようなアッセイが任意の生存生物を検出するが、一つ又は複数の特定の生物を標的にするいくつかのアッセイが使用可能である。この点に関し、特定の処理の選択は用途及び/又は関心のある生物により決まる。ここでは説明を簡単にするために、フィルタ34上に収集された試料が試薬で処理されたフィルタ34は「処理済フィルタ34A」と認定される。
【0026】
試薬処理サブシステム14による試料の処理時に、フィルタ34Aは蛍光イメージングサブシステム16へ移動される。模範的な実施形態においては、フィルタ34Aの移動は、上述の実施形態と同様に、例えば直線平行移動段、回転平行移動段などを用いる自動化サブシステム20によって平行移動により自動的に実行される。代替実施形態においては、蛍光イメージングサブシステム16は、例えば手動移動により処理済フィルタ34Aを受け取ることができる。
【0027】
蛍光イメージングサブシステム16は試薬処理サブシステム14からフィルタ34A上の処理済試料を受け取り、収集された試料のストリーム一つの画像を自動的に撮像する。例えば、蛍光イメージングサブシステム16内の自動化マイクロスコープ段36が処理済フィルタ34A上の収集された試料の少なくとも一つの焦点画像を撮像する。画像処理によって、試薬処理により発見可能にされた少なくとも一つの顕著な特徴を同定することにより処理済フィルタ34上の生存細胞を位置決定する。模範的な実施形態においては、試薬処理サブシステム14での処理の結果として残存するマーカにより同定される細胞/粒子/生存生物などを同定するために、プロセッサ26が蛍光イメージングサブシステム16の自動化マイクロスコープ段36により収集された一以上の画像に対応するデータを分析する。
【0028】
プロセッサ26は、要すれば更に、蛍光イメージングサブシステム16のシステムレベル動作を制御することができ、例えば画像の収集を何時開始するか及び/又は何枚の画像を収集するかを自動化マイクロスコープ36に命令することができる。例えば、自動化マイクロスコープはプロセッサ26の制御の下で一以上の画像を撮像することができる。プロセッサ26は、要すれば、動作設定点、例えば自動化マイクロスコープ36の動作パラメータを制御することもでき、例えば倍率、焦点、露出、処理済フィルタ34A内の位置などを設定又は制御することができる。プロセッサ26は、更に、収集された試料の一以上の画像内にマーカの発生があるかどうかを自動的に決定するために画像処理を利用する。このような画像分析の実行において、プロセッサ26は画像データのフィルタリング、処理、分類、統計分析、特徴又はパターン認識などのデータ処理を実行することができる。
【0029】
蛍光イメージングサブシステム16による試料の撮像時に、フィルタ34Aはラマンスペクトロスコピーサブシステム18へ移動される。模範的な実施形態においては、フィルタ34Aの移動は、例えば直線平行移動段又は回転平行移動段を用いる自動化サブシステム20によって平行移動により自動的に実行される。代替実施形態においては、ラマンスペクトロスコピーサブシステム18は処理済フィルタ34Aを、例えば手動移動により受け取る。更にまた、蛍光イメージングサブシステム16とラマンスペクトロスコピーサブシステム18の双方が共通の物理的位置に置かれたフィルタ34と、例えば光学系を用いて相互作用できる場合には、フィルタ34を物理的に移動させる必要はなしにすることもできる。
【0030】
ラマンスペクトロスコピーサブシステム18は蛍光イメージングサブシステム16により収集された試料の焦点画像の分析に基づいて位置決定された検出された潜在的な生存生物のスペクトルを測定する。模範的な実施形態においては、プロセッサ26が少なくとも一つの画像内に位置するマーカの同定に基づいて標的位置を決定し、蛍光イメージングサブシステム16により収集された画像データの画像処理から導出される必要な座標をラマンスペクトロスコピーサブシステム18のラマンスペクトロメータ40に供給する。こうして、ラマンスペクトロメータはプロセッサ26から標的位置情報を受け取り、試料内の特定の潜在的な生存生物を標的インタロゲーションのために標的にして生存生物のスペクトルを測定する。概略ブロック図においては、フィルタ34上の試料が分析されインタロゲーションのために標的にされていることを示すために、そのフィルタは標的フィルタ34Bとして示されている。
【0031】
模範的な実施形態においては、標的インタロゲーションのために選択された試料内の各標的細胞、生物、特徴部などはラマンサブシステムの下に移動され、そこで標的位置のスペクトルがラマンスペクトロメータ40により測定される。プロセッサ26は収集されたスペクトル情報を分析して初期評価を行い、例えば標的位置に位置する生物の予備同定を提供するか、生物を小さなあいまい範囲内で同定する。プロセッサ26の分析はラマンスペクトロメータ40により分析された各標的位置に対して繰り返す。
【0032】
プロセッサ26は、要すれば更に、ラマンスペクトロスコピーサブシステム18のシステムレベル動作を制御することができ、例えばスペクトルの収集を何時開始するか、試料のどこを標的とするか及び/又はいくつのスペクトルを収集するかを自動化ラマンスペクトロメータ40に命令することができる。プロセッサ26は、要すれば、動作設定点、例えばラマンスペクトロメータ40の動作パラメータを制御することもでき、例えば倍率及び/又はスペクトル情報の収集を制御する他のパラメータなどを設定又は制御することができる。画像分析の実行において、プロセッサ26は収集されたスペクトル情報の画像データフィルタリング、処理、分類、統計分析、特徴又はパターン認識などを実行することができる。
【0033】
スペクトル分析時に、標的処理済フィルタ34Bは処理のために可視画像化マイクロスコープサブシステム22に置かれる。模範的な実施形態においては、フィルタ34は、例えば直線平行移動段又は回転平行移動段を用いる自動化サブシステム20によって平行移動により自動的に移動される。代替実施形態においては、可視画像化マイクロスコープサブシステム22はフィルタ34を、例えば手動移動により受け取る。更にまた、ラマンスペクトロスコピーサブシステム18と可視画像化マイクロスコープサブシステム22の双方が共通の物理的位置に置かれたフィルタ34と、例えば光学系を用いて相互作用できる場合には、フィルタ34を物理的に移動させる必要はなしにすることもできる。
【0034】
プロセッサ26は、ラマンスペクトロスコピーサブシステム18により記録されたスペクトルを分析して、標的生物の予備同定を評価中の生物の少なくとも小さなあいまい範囲内で作成する。可視画像化マイクロスコープサブシステム22は、ラマンスペクトロスコピーサブシステム18により収集されたスペクトルデータに基づいて分析された標的位置の例えば粒子、生物などの可視画像を提供する。模範的な実施形態においては、可視画像化マイクロスコープ22は、各標的粒子の可視画像をオペレータに与え、オペレータがその粒子の性質に関する最終決定を行うことができるようにする。この点に関し、プロセッサ26は、I/O30の適切なコンポーネントを介して相互作用し、予備評価をユーザに送付して、ユーザが予備評価をフィルタ34上に収集された試料の実際の主観的なユーザの解釈と比較することができるようにする。更に、予備評価に基づいてユーザにより行われる視覚的確認は特別に選択された標的位置の偽陽性確認に限定する必要はない。むしら、ユーザはフィルタ34上に収集された試料の他の部分を自由に走査して、偽陰性に対する検査を行うことができ、またプロセッサ26の適正同定能力の範囲を超える生物又は生物の変種の所在地を評価することができる。
【0035】
生存可能であるが培養不能である生物を同定する従来の技術は、顕微鏡による同定を用いて検査中の試料内の蛍光性粒子を手動的に検査するために検査官を必要とする。しかし、このような検査は必ずしも確実ではない。例えば、オペレータは蛍光が自己蛍光性アモルファス粒子であるか生物であるかを決定するのに僅かな時間しかない。しかしながら、本発明の種々の態様によるシステム10は、機器を操作する微生物学者がより迅速な客観的決定を行うことを可能にする。更に、評価中の粒子を生存粒子に限定することは、偽陽性を低減するとともにある程度のなりすまし防止をそれらのシステムに提供するため、国家防衛及び他の用途にも重要である。それゆえ、本発明の種々の態様は特定の生存生物の検出に限定されず、病原菌、アレルギー誘発物質、細菌、菌類、生物学的作用物質、他の生存微生物及び/又は化学的粒子状物質などの検出も含む。
【0036】
模範的な実施形態においては、プロセッサ26は、インタロゲーション結果、例えばラマンスペクトロメータ40により収集されたスペクトルデータを分析して関心のある生物学的又は化学的粒子状物質が試料領域に存在するかどうかを決定するデータ分析アルゴリズムを実行することができる。プロセッサ26は、更に、インタロゲーション結果に基づいて一以上の適切な動作イベントを実行することができる。例示的な実施形態においては、プロセッサ26は、関心のある生物学的又は化学的粒子状物質が試料、例えばフィルタ34の標的領域内で同定される場合に、警報を鳴らす又は適切な信号を通信することができる。プロセッサ26は、要すれば更に、例えばインタロゲーション結果及び他の関連又は所望の関心情報に関してログ、記録又は他の情報をメモリ28に記入又は格納することができる。
【0037】
図3を参照すると、蛍光キューラマン同定を実行する方法100が示され、本方法は例えばシステム10の他のコンポーネントと相互作用するプロセッサ26により実行できる。方法100は、試料を収集するステップ102を備える。例えば、環境試料、水試料、製品試料、プロセス試料などをフィルタ材上に収集することができる。例示的な実施形態においては、試料は、空気を採取し、採取した空気を非ラマン活性メンブレンフィルタ上に堆積させるエアロゾルコレクタを用いて収集される。
【0038】
本方法は、更に、収集した試料を処理するステップ104を備える。収集した試料は、試料内に関心のある生物が存在するかどうかを同定する試薬で処理され、ここで、関心のある潜在的な生存生物は、試薬との反応の結果として生成されるマーカにより少なくとも部分的に同定可能になる。第1の例示的な実施形態においては、収集した試料内に関心のある生物が存在するかどうかを同定するために収集した試料はバイアビリティ染色で処理され、ここで関心のある生物はバイアビリティ染色のために少なくとも部分的に同定可能になる。従って、例えば、収集した試料は、関心のある生存生物に、対応する細胞過程で活性化されたとき有限時間に亘り安定な蛍光又はグローを放出させるバイアビリティ染色で処理される。試料内の関心のある生物は、収集した試料内の生存生物を活性化された染色蛍光により自動的に位置決定することによって同定され、例えばここに詳述されるように、収集した画像データ内のグロー検出又は蛍光検出によって同定される。
【0039】
別の模範的な実施形態においては、同様にここに詳細に説明されるように、試料は励起に応答して対応する画像中に同定可能な特定のスペクトルを発生するレポータ染料を有する試薬で処理される。更に別の実施形態においては、フィルタ上に収集された試料は、例えば一以上の選択生存生物を収集される画像データ内で少なくとも有限時間に亘り検出可能にさせるために、適切な試薬及び対応する装置を含むアッセイを用いて処理される。それゆえ、このアッセイは、ここに詳細に説明されるように、収集画像データ内で検出されるマーカを少なくとも一時的に発生する少なくとも一つの特定の生物を標的にすることができる。
【0040】
本方法は、更に、処理済試料の移動が必要な場合には、必要に応じフィルタをステップ106でマイクロスコープへ移動させ、ステップ108で処理済試料の画像データを収集する。画像データは、例えば自動化マイクロスコープ段を用いて収集した試料の少なくとも一つの焦点画像を自動的に撮像することにより収集できる。本方法は、更に、ステップ110において、収集した試料の少なくとも一つの画像内にマーカの発生があるかを自動的に決定する画像処理を用いて収集した試料内の関心のある潜在的な生存生物を位置決定する。更に、本方法は、ステップ112において、潜在的な生存生物のスペクトルインタロゲーションのために試料内の少なくとも一つの標的位置を同定し、各標的位置は収集した画像データから導出される試料内のマーカの対応するインスタンスの位置に基づいて選択される。この点に関し、試料内の各選択された標的位置はインタロゲーションのために試料内にて単一の潜在的生存生物を正確に示すのに十分に小さい領域に対応する。
【0041】
本方法は、更に、ステップ114において、試料内の各決定された標的位置のスペクトル情報を取得し、ステップ116において、取得したスペクトル情報を処理して少なくとも一つの位置決定された潜在的な生存生物の予備同定を自動的に作成し、各予備同定は少なくとも小さなあいまいさにされる。模範的な実施形態においては、各標的位置に対してラマンスペクトルを収集するためにラマンスペクトロメータを用い、例えば各位置決定された生存生物のスペクトルを測定する。次に、画像処理を利用してフィルタメンブレン上の潜在的な生存生物を自動的に位置決定し、例えば試薬処理と関連する対応するマーカにより決定されるメンブレン上の位置を標的にすることによって、マークされた各生物をラマンシステムにより標的インタロゲーションを介して分析して各標的位置に対応するスペクトルデータを収集することができる。
【0042】
本方法は、更に、ステップ118において、予備同定の結果に関する情報をユーザによる最終確認用に提供することによって同定を確認する。一例では、ラマンスペクトロメータにより測定された任意の位置の生存生物のスペクトルは、任意の位置の生存生物/粒子状物質などの予備同定を作成するため又は小さなあいまい同定範囲内の生存生物/粒子状物質を同定するために自動的に分析される。本システムは次に最終的な確認のために生存生物に関する情報を提供し、例えば予備同定の結果のユーザ確認のために収集した試料を可視マイクロスコープに供給し、位置決定された生存生物の少なくとも一つの可視画像を観察する機会をオペレータに与えることによって、オペレータが標的可視生物/粒子状物質などの同定/分類に関する最終決定を行うことを可能にする。
【0043】
図のフロー図及びブロック図は本発明の種々の態様によるシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の可能の実施形態の構成、機能及び動作を示す。この点に関し、フロー図又はブロック図の各ブロックは指定の論理機能を実行する一以上の実行命令を備えるモジュール、セグメント又はコードの一部分を表すものとし得る。いくつかの代替実施形態においては、ブロックに示される機能は図に示す順序と異なる順序で実行してもよい点に注意されたい。例えば、順番に示されている2つのブロックは、実際にはほぼ同時に実行することができ、時には関連する機能に応じて逆の順序に実行することができる。更に、ブロック図及び/又はフロー図の各ブロック、及びブロック図及び/又はフロー図のブロックの組み合わせは、指定の機能又は作用を実行する専用ハードウェアベースのシステム又は専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせによって実施することができる。
【0044】
本明細書で使用される用語は単に特定の実施形態を説明するためであり、本発明を限定する意図はない。本明細書で使用される単数形は文脈上明確な指示がない限り複数形も含む。更に、本明細書で使用される「備える」及び/又は「含む」は、記載の特徴部、整数、ステップ、動作、要素及び/又はコンポーネントの存在を特定するが、一つ以上の他の特徴部、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント及び/又はその組み合わせの存在を除外しないものと理解されたい。
【0045】
本発明の記述は例示及び開示のためであり、発明の網羅を意図するものでも、発明を開示の形態に限定することを意図するものでもない。本発明の範囲及び精神から離れることなく多くの変更及び変形が当業者に明らかである。
【0046】
このように本発明がその実施形態について詳細に説明されているので、添付の特許請求の範囲に特定される本発明の範囲から離れることなく多くの変更及び変形が可能であること明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を収集するステップと、
収集した試料を該試料内に関心のある生物が存在するかを同定する試薬で処理し、関心のある潜在的な生存生物を前記試薬との反応の結果として生成されるマーカに少なくとも部分的に基づいて同定可能にする、ステップと、
マイクロスコープを用いて前記試料の画像データを収集するステップと、
前記収集した試料の少なくとも一つの画像内におけるマーカの発生を自動的に位置決定する画像処理を用いて前記収集した試料内の潜在的な生存生物を位置決定するステップと、
前記収集した画像データから導出される前記試料内のマーカの対応するインスタンスの位置に基づいて選択される、前記試料内の少なくとも一つの標的位置を、潜在的な生存生物のスペクトルインタロゲーションのために特定するステップと、
前記試料内の各特定した標的位置のスペクトル情報を取得するステップと、
取得したスペクトル情報を、少なくとも一つの対応する位置決定された潜在的な生存生物の少なくとも少しあいまいな予備同定を自動的に作成するために分析するステップと、
前記予備同定の結果に関連する情報をユーザによる最終確認のために提供するステップと、
を備える、関心のある生物を同定する方法。
【請求項2】
前記試料を収集するステップは、空気を試料収集し、収集した試料を非ラマン活性メンブレンフィルタ上に堆積させるエアロゾルコレクタを用いて試料を収集するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記収集した試料を処理するステップは、前記収集した画像データ内で蛍光検出により掲出可能なグローを生存生物に少なくとも有限時間に亘って発光させるバイアビリティ染色で前記試料を処理するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記収集した試料を処理するステップは、励起に対して前記対応する画像データ内に同定可能な特定のスペクトル応答を生じさせるレポータ染料を有する試薬で前記試料を処理するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記収集した試料を処理するステップは、生存生物を少なくとも有限時間に亘り前記収集した画像データ内で検出可能な特性にさせるアッセイで前記試料を処理するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記収集した試料を処理するステップは、前記収集した画像データ内で検出されるマーカを発生する少なくとも一つの特定の生物を標的にするアッセイで前記試料を処理するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記マイクロスコープを用いて試料の画像データを収集するステップは、前記収集した試料の少なくとも一つの焦点画像を自動的に撮像するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記試料内の少なくとも一つの標的位置を潜在的な生存生物のスペクトルインタロゲーションのために特定するステップは、インタロゲーションのために前記試料内にて単一の潜在的生存生物を正確に示すのに十分に小さい領域に対応する標的位置を選択するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記試料内の各特定した標的位置のスペクトル情報を取得するステップは、ラマンスペクトロメータを用いて各標的位置に対してラマンスペクトルを収集するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記予備同定の結果に関連する情報をユーザによる最終確認のために提供するステップは、前記収集した試料を前記予備同定結果のユーザ確認のための可視マイクロスコープに供与するステップを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
試料をフィルタ上に収集する収集サブシステム、
前記収集サブシステムから前記試料を受け取り、前記収集サブシステムにより収集された前記試料を、該試料内に関心のある生物が存在するかを同定する試薬を用いて処理し、関心のある潜在的な生存可能生物を、試薬との反応の結果として生成されるマーカに少なくとも部分的に基づいて同定可能にする、試薬処理サブシステムと、
前記試薬処理サブシステムから処理された試料を受け取り、前記処理された試料の少なくとも一つの画像を自動的に撮像する蛍光イメージングサブシステムと、
前記蛍光サブシステムから前記試料を受け取り、前記処理された試料の少なくとも一つの画像に基づいて位置決定された潜在的な生存生物のスペクトルを測定するラマンスペクトロスコピーサブシステムと、
前記ラマンマイクロスコピーサブシステムにより分析された生物の可視画像を提供する可視画像化マイクロスコープサブシステムと、
前記ラマンスペクトロスコピーサブシステムにより標的にされた前記試料内の潜在的な生存生物を位置決定するための画像処理を実行し、更に、前記可視画像化マイクロスコープサブシステムを用いるユーザの最終確認のための前記標的生物の予備同定を生成するために、前記ラマンスペクトロスコピーサブシステムにより記録されたスペクトルを分析するプロセッサと、
を備える、生物同定システム。
【請求項12】
前記フィルタを少なくとも2つのサブシステムの間で自動的に移動させる自動化段を更に備える、請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記蛍光イメージングサブシステム、ラマンスペクトロすコピーサブシステム、自動化段サブシステム及び可視画像化マイクロスコープサブシステムはラマンマイクロスコープに統合されている、請求項11記載のシステム。
【請求項14】
前記収集サブシステムは試料を収集するエアロゾルコレクタを備え、前記フィルタは前記コレクタにより収集された試料を受け取る非ラマン活性のメンブレンフィルタ材を備える、請求項11記載のシステム。
【請求項15】
前記試薬処理サブシステムは、前記収集サブシステムにより収集された試料を、前記収集した画像データ内で蛍光検出により検出可能なグローを生存生物に少なくとも有限時間に亘って発光させるバイアビリティ染色として実現された試薬を用いて処理する、請求項11記載のシステム。
【請求項16】
前記試薬処理サブシステムは、前記収集サブシステムにより収集された試料を、励起に応答して前記対応する画像データ内に同定可能な特定のスペクトル応答を生じさせるレポータ染料として実現された試薬を用いて前記試料を処理する、請求項11記載のシステム。
【請求項17】
前記蛍光イメージングサブシステムは、前記プロセッサの制御の下で少なくとも一つの画像を撮像する自動化マイクロスコープを備え、前記プロセッサは更に画像処理を利用して前記収集した試料の少なくとも一つの画像内に前記マーカの発生があるかを自動的に決定する、請求項11記載のシステム。
【請求項18】
前記ラマンスペクトロスコピーサブシステムは、前記プロセッサから標的位置情報を受け取り、試料内の特定の潜在的な生存生物を標的インタロゲーションのために標的にして生存生物のスペクトルを測定する自動化マイクロスコープを備え、前記プロセッサは少なくとも一つの画像内に位置する前記マーカの同定に基づいて前記標的位置を決定する、請求項11記載のシステム。
【請求項19】
前記プロセッサは、前記標的生物の予備同定を評価中の生物の少なくとも小さなあいまい範囲内で作成するために前記ラマンスペクトロスコピーサブシステムにより記録されたスペクトルを分析する、請求項11記載のシステム。
【請求項20】
メモリ装置及び前記プロセッサに結合され少なくとも一つの画像データ及び予備同定情報を外部装置に送る少なくとも一つの入力出力装置を更に備える、請求項11記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−521781(P2012−521781A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503533(P2012−503533)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/028869
【国際公開番号】WO2010/114772
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(501284217)バッテル メモリアル インスティチュート (6)
【Fターム(参考)】