説明

生理活性物質

【課題】 天然素材由来のミネラル、ビタミン、アミノ酸等の栄養素をバランス良く、且つ、効率よく摂取できる生理活性物質を提供する。
【解決手段】 栄養補助食品として、未焼成サンゴカルシウムと、絹エキスの粉粒体と、花粉エキスの粉粒体とが含有されてなる生理活性物質を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栄養補助食品、食品添加剤、日常品等の素材として好適に用いることができる生理活性物質に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、不規則な食生活、ストレス、運動不足、睡眠不足、加工食品、添加物の多い外食の機会の増加、汚染された空気、等の生活環境の悪化に伴う生理活性機能の低下が叫ばれて久しい。このような不健康な生活を続けていると、死の四重奏といわれる、肥満、高コレステロール、高血圧、高血糖値を招くことになり、最近では、半健康人といわれる疾病予備軍が、高脂肪血症2000万人、高血圧3261万人、糖尿病1620万人と報告されている。このような生活習慣病を予防するためには、人体の生理活性機能を維持するために不可欠なミネラル、ビタミン、アミノ酸等の栄養素をバランス良く摂取することが必要である。このため、これらの栄養素を十分に補うための栄養補助食品が多々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ミネラルとアミノ酸を含む栄養補助食品として、サンゴ粉粒体と分岐鎖アミノ酸を主成分とするものが提案されている。
また、特許文献2には、免疫賦活作用、抗酸化作用、坑発癌促進作用に優れたアミノ酸を含む生理活性作用組成物として、絹タンパク質を加水分解して得られるペプチドからなるものが提案されている。
【0004】
さらに、特許文献3には、アミノ酸やビタミン等を含む栄養補助食品として、食用花粉が提案されている。
【特許文献1】特開2000−236535号公報
【特許文献2】特開平11−139986号公報
【特許文献3】特開平10−80251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1〜3に記載のように、天然素材であるサンゴ粉粒体、絹タンパク質から得られるペプチド、食用花粉をそれぞれ単独で含む栄養補助食品は提案されているものの、これらのうち二種以上の天然素材を同時に含む栄養補助食品については提案されていないのが現状である。このため、天然素材由来のミネラル、ビタミン、アミノ酸等の栄養素を全て摂取するためには、上述した特許文献1〜3に記載の栄養補助食品を利用者が適宜選択して摂取しなければならず、最適なバランスで摂取するのが困難であった。
【0006】
これまで、癌や脳卒中、心臓病等の生活習慣病の治療の分野で、西洋医学の果たしてきた役割は大きい。しかしながら、先に述べたように、多くの人々が医者に通い、投薬を受けながら、働いているという日本の現実は、もはや西洋医学の得意とするデータ分析、投薬、手術という治療だけでは充分とは言えない。MRIの検査の予約を半年も待つということが普通の事となり、癌の入院、手術もベッドの空き待ち何カ月と何気ない会話の中に、良く聞かれる。病院が病人に追いついていない現状では、病人が病院のスケジュールに併せて治療を受けざるを得ない、この現実は普通とは言い難い。
【0007】
また、私達は、ウイルスや微生物と共に生きているが、これだけ環境が整備され、検査技術の進んだ西洋医学の中にあって、最近では乾燥した嘔吐物により空気感染も起こり得るというノロウイルスへの感染が懸念されている。
予防が最良の治療となり得るという意識の転換がなされなければ、今後も、ウイルスや微生物等の侵入にさらされて、対応が後手にまわっていくことになる。
【0008】
加えて、高齢化社会を迎え、それを支える子供達の減少ということを踏まえれば、これからの日本にあっては病気になる事前のセルフメディケーションは急務と言える。
身体の内部に自己防衛機能が整っていれば、発症まで至らずに、こうした異物を排除していくことができる。一般的に、食への関心がうすれ、基礎体力が低下した上に、ストレス、感染症(インフルエンザ、エイズ等)、食品添加物や残留農薬・化学肥料等の化学物質の影響を受け、生体防御機能は今まさに大きな危機にさらされている。
【0009】
また一方で、台所に立つことの少ない食生活に変わったことから、脂肪分の多い外食の機会が増え、食物繊維・ビタミン・ミネラルの少ない食事になっている。
この摂取栄養素のアンバランスにより、生体中に発生した活性酸素を除去するために働くホルモンや酵素が充分に活性化されず、細胞が障害を受けることも考えられる。
有害な活性酸素の影響で、正常な細胞が傷つけられた場合には、様々な病気の引き金ともなり得る。
【0010】
つまり、外部から与えられている生活環境をそのまま受け入れ、病気になったら医者に治してもらうという考えから脱却し、自己管理の上に健康が保たれるという新しい認識を持つ時代に入った。
このような背景から、ビタミンEやビタミンC等の抗酸化作用を有する成分を多く含む食品の有用性が指摘されている。
【0011】
人間も地球上の生き物であることから考えれば、できるだけ自然界からの食べ物、しかもその素材全体を摂取していくことの大切さを考える必要が出てきている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、天然素材由来のミネラル、ビタミン、アミノ酸等の栄養素をバランス良く、且つ、効率よく摂取することができる生理活性物質を提供することを課題としている。即ち、本発明は、生き物の「種の保存の本能」という、人工的なレベルを遥かに超越した技術を食品に活用していくことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような課題を解決するために、本発明に係る第一の生理活性物質は、未焼成サンゴカルシウムと、絹エキスと、花粉エキスと、が含有されてなることを特徴とするものである。
これによれば、未焼成サンゴカルシウム由来のミネラルと、絹エキス由来のアミノ酸と、花粉エキス由来のビタミン、ミネラル及びアミノ酸等の栄養素とをバランス良く、且つ、効率よく摂取することができる。
【0013】
本発明に係る第二の生理活性物質は、未焼成サンゴカルシウムと、絹エキスと、が含有されてなることを特徴とするものである。
これによれば、未焼成サンゴカルシウム由来のミネラルと、絹エキス由来のアミノ酸とをバランス良く、且つ、効率よく摂取することができる。
本発明に係る第三の生理活性物質は、未焼成サンゴカルシウムと、花粉エキスと、が含有されてなることを特徴とするものである。
【0014】
これによれば、未焼成サンゴカルシウム由来のミネラルと、花粉エキス由来のビタミン、ミネラル及びアミノ酸等の栄養素とをバランス良く、且つ、効率よく摂取することができる。
本発明に係る第四の生理活性物質は、絹エキスと、花粉エキスと、が含有されてなることを特徴とするものである。
これによれば、絹エキス由来のアミノ酸と、花粉エキス由来のビタミン、ミネラル及びアミノ酸等の栄養素とをバランス良く、且つ、効率よく摂取することができる。
【0015】
本発明に係る生理活性物質において、未焼成サンゴカルシウムは、全質量に対して、10質量%以上98.9質量%以下の範囲で含有されてなることが好ましく、10質量%以上50質量%以下の範囲で含有されてなることがさらに好ましい。特に、本発明に係る生理活性物質を栄養補助食品として用いる場合には、未焼成サンゴカルシウムが全質量に対して10質量%以上40質量%以下の範囲で含有されてなることが好ましく、本発明に係る生理活性物質を食品添加剤として用いる場合には、未焼成サンゴカルシウムが全質量に対して、95質量%以上98.9質量%以下の範囲で含有されてなることが好ましい。
【0016】
ここで、未焼成サンゴカルシウムの含有率が10質量%未満であると、生理活性機能を付与するために必要なミネラルが十分に含有されなくなり、一方、98.9質量%超過であると、栄養補助食品として用いる場合には、食品としての味が損なわれてしまい、また、食品添加剤として用いる場合には得られる効果が頭打ちになってしまう一方でコスト高となってしまう。
【0017】
また、本発明に係る生理活性物質において、絹エキスは、全質量に対して、0.5質量%以上60質量%以下の範囲で含有されてなることが好ましく、1質量%以上50質量%以下の範囲で含有されてなることがさらに好ましい。特に、本発明に係る生理活性物質を栄養補助食品として用いる場合には、絹エキスが全質量に対して1質量%以上40質量%以下の範囲で含有されてなることが好ましく、本発明に係る生理活性物質を食品添加剤として用いる場合には、絹エキスが全質量に対して、0.5質量%以上1質量%以下の範囲で含有されてなることが好ましい。
【0018】
ここで、絹エキスの含有率が0.5質量%未満であると、生理活性機能を付与するために必要なアミノ酸が十分に含有されなくなり、一方、60質量%超過であると、栄養補助食品として用いる場合には他の素材とのバランスがくずれ、経済的にもコスト高となってしまい、食品添加剤として用いる場合に1質量%超過であると、濁りができるために水としての利用が難しくなってしまう。
【0019】
さらに、本発明に係る生理活性物質において、花粉エキスは、全質量に対して、1質量%以上50質量%以下の範囲で含有されてなることが好ましく、5質量%以上40質量%以下の範囲で含有されてなることがさらに好ましい。特に、本発明に係る生理活性物質を栄養補助食品として用いる場合には、花粉エキスが全質量に対して10質量%以上20質量%以下の範囲で含有されてなることが好ましい。ただし、花粉エキスは水に溶けにくいので、本発明に係る生理活性物質を食品添加剤として用いる場合には添加させないことが好ましい。
【0020】
ここで、花粉エキスの含有率が1質量%未満であると、生理活性機能を付与するために必要なアミノ酸及びビタミン等が十分に含有されなくなり、一方、50質量%超過となると、栄養補助食品として用いる場合には、他の素材に比べて花粉の配合比率が高くなり、他の素材の有効成分が充足されなくなってしまう。
また、本発明に係る第一から第四の生理活性物質においては、ローズヒップエキスがさらに含有されてなることが好ましい。これにより、ローズヒップエキス由来のビタミンをさらに摂取することができる。特に、素材として未焼成サンゴカルシウムが含有されてなる場合には、この未焼成サンゴカルシウムからのミネラルが抽出され易くなる。
【0021】
このローズヒップエキスは、生理活性物質の全質量に対して、1質量%以上30質量%以下の範囲で含有されてなることが好ましく、5質量%以上25質量%以下の範囲で含有されてなることがさらに好ましい。特に、本発明に係る生理活性物質を栄養補助食品として用いる場合には、ローズヒップエキスが全質量に対して10質量%以上20質量%以下の範囲で含有されてなることが好ましく、本発明に係る生理活性物質を食品添加剤として用いる場合には、ローズヒップエキスが全質量に対して、1質量%以上5質量%以下の範囲で含有されてなることが好ましい。
【0022】
ここで、ローズヒップエキスの含有率が1質量%未満であると、未焼成サンゴカルシウムからのミネラルの抽出効果が十分に得られなくなり、30質量%超過となると、栄養補助食品として用いる場合には、他の素材に比べてローズヒップエキスの配合比率が高くなり、他の素材の有効成分が充足されなくなってしまうし、食品添加剤として用いる場合はリコピンより色と酸味が強くなり、水としての利用が難しくなってしまう。
また、本発明に係る第一及び第四の生理活性物質においては、ドロマイトがさらに含有されてなることが好ましい。これにより、マグネシウムが多く含まれるドロマイト由来のミネラルをさらに摂取することができる。
【0023】
このドロマイトは、生理活性物質の全質量に対して、10質量%以上40質量%以下の範囲で含有されてなることが好ましく、10質量%以上30質量%以下の範囲で含有されてなることがさらに好ましい。特に、本発明に係る生理活性物質を栄養補助食品として用いる場合には、ドロマイトが全質量に対して10質量%以上20質量%以下の範囲で含有されてなることが好ましい。ただし、ドロマイトは、本発明に係る生理活性物質を食品添加剤として用いる場合には添加させないことが好ましい。
ここで、ドロマイトの含有率が40)質量%超過となると、栄養補助食品として用いる場合には、食品としての味が損なわれてしまう。
【0024】
以下、本発明に生理活性物質に含有される素材について、詳細に説明する。
<未焼成サンゴカルシウムについて>
本発明で含有される未焼成サンゴカルシウムは、風化造礁サンゴを、洗浄、殺菌、乾燥して得られる天然素材であり、カルシウムの他に、マグネシウム、ナトリウム、リン、カリウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ストロンチウム、モリブデン等の人体に必要なミネラルを含むものである。
【0025】
<絹エキスについて>
本発明で含有される絹エキスは、絹タンパク質を加水分解して得られるペプチド(二つ以上のアミノ酸がペプチド結合した化合物)からなる天然素材であり、免疫賦活作用、抗酸化作用、坑発癌促進作用を有するものである。
<花粉エキスについて>
本発明で含有される花粉エキスは、例えば、蜜蜂花粉のように、昆虫を仲立ちに受粉が行われる花(虫媒花)から採取される天然素材であり、アミノ酸及びビタミンに加えて、ミネラル、タンパク質、酵素、糖類等を含むものである。
【0026】
<ローズヒップエキスについて>
本発明で含有されるローズヒップエキスは、乾燥させたローズヒップ(バラの根元の膨らんだ部分)のうち外皮部分から得られる天然素材であり、ビタミンC等のビタミンを含むものである。
<ドロマイトについて>
本発明で含有されるドロマイトは、カルシウムとマグネシウムとが理想的には2対1の比で含有される天然素材であり、例えば、サンゴが海底に蓄積して石灰岩になった後、カルシウムの一部が海水中のマグネシウムで置き換わって生成した生物由来の鉱石を微粉砕したものが好適に用いられる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の生理活性物質によれば、天然素材由来のミネラル、ビタミン、アミノ酸等の栄養素をバランス良く、且つ、効率よく摂取することができる。したがって、この生理活性物質を栄養補助食品や食品添加剤等として用いることにより、生活習慣病を効果的に、且つ、効率よく予防することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
<第一実施形態>
本実施形態では、本発明に係る生理活性物質を、栄養補助食品として用いた場合について説明する。
この生理活性物質は、全質量に対して、16.67質量%の未焼成サンゴ粉末と、1.67質量%の絹エキスと、11.12質量%の花粉粉末と、5.56質量%のローズヒップと、14.17質量%のドロマイトと、が含有された混合粉粒体である。
【0029】
また、この生理活性物質には、上述した天然素材由来の生理活性機能をより作用させるために、さらに紅麺エキス,カゼインホスホペプチド,ビタミンE,ビタミンD,ビタミンB1 ,ビタミンB12,L−アスコルビン酸ナトリウム,葉酸,ルチン,βーカロテン,リコピン,アスタキサンチン,ラフィノース,ブドウ種子エキス,ピロリン酸第二鉄等が含有されている。
【0030】
そして、略矩形状のアルミニウム製の袋内に所定量(例えば、1.8g)ずつ封入された混合粉粒体からなる生理活性物質は、そのまま又は飲用品に混合された状態で飲用される。
この生理活性物質によれば、未焼成サンゴ由来のカルシウム等のミネラルと、ドロマイト由来のマグネシウム等のミネラルと、絹エキス由来のグルタミン酸、アルギニン酸等のアミノ酸と、花粉由来のイソロイシン、トリプトファン等のアミノ酸及びビタミンB2 、ビタミンE等のビタミンと、マグネシウム、鉄等のミネラルと、アミラーゼ、ジャスターゼ等の酵素と、ローズヒップ粉末由来のビタミンC等のビタミンと、が摂取できる。
【0031】
すなわち、この生理活性物質を栄養補助食品として用いることにより、天然素材由来の高品質のミネラル、アミノ酸、ビタミン等の栄養素をバランス良く、且つ、効率よく摂取できる。
よって、この生理活性物質からなる栄養補助食品を飲用することにより、天然素材由来のミネラル、アミノ酸、ビタミン等の栄養素がバランス良く体内に摂取されるため、人体の生理活性機能が向上し、生活習慣病の予防が可能となる。
【0032】
次に、このような生理活性物質の製造方法について図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る生理活性物質を製造する方法の他の例を示すフローチャートである。
まず、図1に示すように、未焼成サンゴの粉粒体(商品名「コーラルバイオPW」,オキナワプロダクツ株式会社製)と、絹エキスの粉粒体(商品名「エディブルシルク」,一丸ファルコス株式会社製)と、花粉の粉粒体 (商品名「花粉粉末」,有限会社ネイティブマジック沖縄製)と、ローズヒップの粉粒体と、ドロマイト (商品名「沖縄ドロマイト」,オキナワプロダクツ株式会社製)と、これら以外の素材と、を以下に示す含有率となるように計量する (ステップS1)。
【0033】
〔混合粉粒体の全質量に対する含有率〕
・未焼成サンゴ:16.67%
・絹エキス:1.67%
・花粉エキス:11.12%
・ローズヒップエキス:5.56%
・ドロマイト:14.17%
・その他の素材{紅麺エキス:0.2%,カゼインホスホペプチド:0.16%,ビタミンE:1.67%,ビタミンD:0.02%,ビタミンB1 :0.03%,ビタミンB12:0.03%,L−アスコルビン酸ナトリウム:15.56%,葉酸:0.01%,ルチン:0.07%,βーカロテン:0.57%,リコピン:0.07%,アスタキサンチン:0.07%,ラフィノース:2.83%,ブドウ種子エキス:1.89%,ピロリン酸第二鉄:0.58%,残部(乳酸,マルチトース,トレハロース,第三リン酸カルシウム,香料、プルラン,甘味料):25.97%}
【0034】
次に、各含有率の粉粒体を予備配合して、混合粉粒体とした(ステップS2)。ここで、造粒及び本配合の前処理として予備配合を行ったことにより、含有率の少ない絹エキスの粉粒体も均一に混合することができる。
次に、これらの混合粉粒体を造粒して、所望の粒径となるように調節した(ステップS3)。
次に、造粒後の混合粉粒体を本配合した (ステップS4)。その後、外観検査、水分量検査、嵩比重検査、粒径検査、及び菌検査を行い、生理活性物質を完成させた。
そして、このようにして得られた粉粒体からなる生理活性物質を、略矩形状のアルミニウム製の袋内に所定量ずつ封入して完成形状とした。
【0035】
<第二実施形態>
本実施形態では、本発明に係る生理活性物質を、飲用水への食品添加剤として用いた場合について説明する。
この生理活性物質は、全質量に対して、87.3質量%の未焼成サンゴと、10質量%の銀添加未焼成サンゴ(銀が添加されたサンゴ)と、1質量%の絹エキスと、1質量%のローズヒップ粉末と、0.7質量%のL−アスコルビン酸ナトリウムと、が含有された混合粉粒体であり、濾紙製の袋内に所定量(例えば、1g)ずつ充填されている。
そして、この生理活性物質が充填された濾紙製の袋を、所定量(例えば、500ml)の飲用水中に所定時間(例えば、数分)浸漬させることにより、飲用水に生理活性機能を有する栄養素を付与する。
【0036】
本実施形態の生理活性物質によれば、飲用水に、未焼成サンゴからカルシウム等のミネラルが抽出され、絹エキスからグルタミン酸やアルギニン等のアミノ酸が抽出され、ローズヒップからビタミンC等のビタミンが抽出されて、天然素材由来のミネラル、アミノ酸、ビタミン等の栄養素をバランス良く、且つ、効率よく付与できる。
また、ローズヒップが含有されていることにより、未焼成サンゴ由来のミネラルが抽出され易くなる。
よって、この生理活性物質からなる食品添加剤を浸漬させた飲用水を飲用することにより、天然素材由来のミネラル、アミノ酸、ビタミン等の栄養素がバランス良く体内に摂取されるため、人体の生理活性機能が向上し、生活習慣病等の予防が可能となる。
【0037】
次に、このような生理活性物質の製造方法について図2を参照しながら説明する。
図2は、本発明に係る生理活性物質を製造する方法の一例を示すフローチャートである。
まず、図2に示すように、サンゴ粒体(商品名「コーラルバイオRF」,オキナワプロダクツ株式会社製)と、銀が添加されたサンゴ粒体(商品名「コーラルバイオSI」,オキナワプロダクツ株式会社製)と、絹エキスの粉粒体(商品名「エディブルシルク」,一丸ファルコス株式会社製)と、ローズヒップの粉粒体と、L−アスコルビン酸ナトリウムの粉粒体(商品名「L−アスコルビン酸ナトリウム」,株式会社八宝商会製)とを、以下に示す含有率となるように計量した (ステップS10)。
【0038】
〔混合粉粒体の全質量に対する存在率〕
・未焼成サンゴ:87.3質量%
・銀が添加されたサンゴ:10質量%
・絹エキス:1質量%
・ローズヒップ粉末:1質量%
・L−アスコルビン酸ナトリウム:0.7質量%
そして、各含有率の粉粒体を混合することにより(ステップS20)、生理活性物質を完成させた。
ここで、L−アスコルビン酸ナトリウムが含有されていることにより、還元力による水道水中残留塩素分解という効果を有する。
さらに、銀が添加されたサンゴが含有されていることにより、飲用水の制菌作用という効果を有する。
そして、このようにして得られた粉粒体からなる生理活性物質を、略矩形状の濾紙製の袋内に所定量ずつ封入して完成形状とした。
【実施例】
【0039】
以下、本発明の効果を検証した結果について説明する。
本実施例では、第1実施形態で示した生理活性物質からなる栄養補助食品を、肩こり、腰・手足の冷え、頭痛の症状を訴える成人男女30人に、一日3回(1回あたり1袋)、10日間飲用してもらったところ、約30%の人が肩こり、腰・手足の冷え、頭痛の症状が改善されたとの結果を得た。
【0040】
以上の結果より、未焼成サンゴカルシウムと、絹エキスと、花粉エキスとが含まれる生理活性物質からなる栄養補助食品を飲用することにより、日常の不快感を改善し、肩こり、腰や手足の冷え、頭痛等のない快適な生活に戻っている。日常の生活上の不快感については、近代医学ではあまり研究されていない。数字として表せないからである。この日常の不快感を疾病予備軍の始まりと受け止めれば、それは体達の注意信号そのものである。体は何によって動いているのかと問えば、それは「食」によっていることが判る。食生活の偏りを天然素材のアミノ酸、ミネラル、ビタミンにより少し補うことで改善されるということを確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の生理活性物質は、栄養補助食品、食品添加剤、日常品等の素材として好適に用いることができる。
より具体的には、飲食品、嗜好品、家畜やペット用の飼料、化粧料、浴用剤、経口医薬品、外用医薬品、注射・点滴薬、坐薬等の医療用製剤類などへの配合も可能である。
また、飲食品類用途としては、かまぼこ,ちくわ,はんぺんなどの水産加工製品,ソーセージ,ハム,ウインナーなどの食肉加工製品、豆腐や油揚げ,コンニャクなどの農産加工製品,洋菓子,和菓子,パン,ケーキ,ゼリー,プリン,スナック,クッキー,ガム,キャンディ,ラムネなどの菓子類、生めん,中華めん,そば,うどん等のめん類、ソース,醤油,ドレッシング,マヨネーズ,タレ,ハチミツ,粉末あめ,水あめなどの調味料、カレー粉,からし粉,コショウ粉などの香辛料、ジャム、マーマレード、チョコレートスプレッド、漬物、そう菜、ふりかけや、各種野菜・果実の缶詰・瓶詰など加工野菜・果実類、チーズ,バター,ヨーグルト等の乳製品、果実ジュース,野菜ジュース,乳清飲料,清涼飲料,健康茶,薬用酒類などの飲料、その他、栄養補強(栄養補助)を目的とするような健康維持のための錠剤、飲料、顆粒等の健康志向の飲食品類、家畜飼料、ペットフード等が対象として上げられる。
【0042】
また、化粧料類としては、例えば、化粧水(ローション),乳液,クリーム,軟膏,シェービングムース,オイル,パック,シャンプー,リンス,トリートメント,ヘアトニック,整髪料,育毛料,パーマネント液,染毛剤,ボディーソープなどのスキンケアおよびヘアケア製剤,あるいは浴用剤(液状,粉末状,顆粒状,固形状など性状は、何れであってもよい)などが上げられる。
【0043】
その他、これらとは別に、衛生用品,ウエットタイプのティシュペーパーや紙タオルあるいはコットン,すり傷,切り傷、火傷、あかぎれ、炎症、湿疹、吹き出物、ニキビ、肌荒れなどに適用する消毒用又は治療用の各種製剤やそれを含浸させたガーゼ類、絆創膏、アイ・ケア剤、吸入剤、口腔洗浄剤、うがい剤、歯磨き剤などにも応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の生理活性物質を栄養補助食品として用いる場合の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【図2】本発明の生理活性物質を食品添加剤として用いる場合の製造方法の一例を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
未焼成サンゴカルシウムと、絹エキスと、花粉エキスと、が含有されてなることを特徴とする生理活性物質。
【請求項2】
未焼成サンゴカルシウムと、絹エキスと、が含有されてなることを特徴とする生理活性物質。
【請求項3】
未焼成サンゴカルシウムと、花粉エキスと、が含有されてなることを特徴とする生理活性物質。
【請求項4】
絹エキスと、花粉エキスと、が含有されてなることを特徴とする生理活性物質。
【請求項5】
前記未焼成サンゴカルシウムは、全質量に対して、10質量%40質量%以下の範囲で含有されてなることを特徴とする請求項1、2、3のいずれか一項に記載の生理活性物質。
【請求項6】
前記絹エキスは、全質量に対して、8質量%以上60質量%以下の範囲で含有されてなることを特徴とする請求項1、2、4のいずれか一項に記載の生理活性物質。
【請求項7】
前記花粉エキスは、全質量に対して、8質量%以上20質量%以下の範囲で含有されてなることを特徴とする請求項1、3、4のいずれか一項に記載の生理活性物質。
【請求項8】
ローズヒップエキスがさらに含有されてなることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の生理活性物質。
【請求項9】
ドロマイトがさらに含有されてなることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の生理活性物質。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−182720(P2006−182720A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−379592(P2004−379592)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(503084587)有限会社アイナ (1)
【Fターム(参考)】