説明

生産管理システム及び端末装置

【課題】登録状況において、作業者の視認性と検索性を高めた生産管理システムを提供する。
【解決手段】バーコードで情報入力を行う生産管理システムにおいて、実行コマンドをモニタ上に表示されたボタンを押す、もしくはバーコードを読み取ることによって、実行する生産管理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産管理を行うためのシステム、特にバーコードを用いたシステム及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数種類の製品を生産する手作業を中心とした工程内の管理のために生産管理システムが利用されている。生産管理システムにおいて、管理される製品は、データベースに登録された内容に基づいて製品の種類、製造番号、製品の大きさを示す情報を含んだバーコードを印刷したラベルを貼られている。
【0003】
これらの生産管理を行うにあたり、製品のバーコードを端末登録装置で読み取って確認を行い、作業の記録、および製品の受け入れ等の作業内容を作業シートに印刷されたバーコードを読み取らせ、端末登録装置の操作ボタンを押すことで、データベースに登録を行う技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−237749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら生産管理を行う時間は製品を製作しない時間であり、作業時間に対して短縮を行うことが必要とされる。また、実行コマンドのバーコードを端末登録装置に読ませるに当たり、現在の手順以外の内容を含んだ作業シートから該当する作業内容を探し出さなければならず、作業ボタンを押すには端末登録装置の持ち替えによる手間が発生している。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、バーコードによる情報入力を容易にするとともに情報入力のための操作時間を短縮するような生産管理システム及び端末装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明に係る生産管理システムは、バーコードを用いて情報入力を行うものであって、サーバと、前記サーバとネットワークで接続された少なくとも1つの端末装置と、を有し、前記端末装置は、画像を表示する表示手段と、バーコードを読み取るバーコード読取手段とを含み、前記表示手段に表示されたバーコードを前記バーコード読取手段で読み取ることにより情報入力を行う。
【0007】
前記バーコードは、2次元バーコードであることが好ましい。
【0008】
前記バーコードは生産管理に関するコマンドに対応し、前記バーコードを前記バーコード読取手段で読み取ることにより当該コマンドを実行することが好ましい。
【0009】
前記コマンドは、生産管理の作業終了のコマンドを含むことが好ましい。
【0010】
前記表示手段は、前記コマンドに対応する作業内容を表示することが好ましい。
【0011】
前記表示手段には、バーコードの他にボタンも表示され、バーコードを読み取り手段で読み取るか、又はボタンを選択することにより情報入力を行うことが好ましい。
【0012】
前記ボタンは、スタイラスペンを用いて選択することが好ましい。
【0013】
前記バーコード読取手段は、前記表示装置に表示されたバーコード以外に、製品ラベル及び作業シートに表示されたバーコードを読み取ることにより情報入力を行うこと
が好ましい。
【0014】
本発明に係る端末装置は、バーコードを用いて情報入力を行うものであって、画像を表示する表示手段と、バーコードを読み取るバーコード読取手段と、を有し、前記表示手段に表示されたバーコードを前記バーコード読取手段で読み取ることにより情報入力を行う。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、大幅に登録作業時間の低減が可能になり、視認性と検索性の向上により誤操作の低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の生産管理システムは、複数の端末とサーバを有することが好ましい。各端末とサーバはネットワークにより接続され、たとえばLANやVANなど標準プロトコルにより、無線、有線も混在した通信により接続されていることが好ましい。
【0017】
サーバは製品管理データベースを有し、SQL等共通化されたデータベース言語により、必要とされる情報の閲覧、登録、および削除等を行うことが出来る。端末は、バーコード読取機構、通信機構、画像表示機構、入力機構を有する。
【0018】
端末は、携帯可能で、無線によりサーバ間の通信を行うことにより、製品管理情報を閲覧、登録、削除等を行うことが出来ることが望ましい。端末のバーコード読取機構は、2次元画像センサを用いたカメラ型で、面積に対し情報量の密度が高い2次元バーコードの読み取りが可能であることが好ましい。
【0019】
通信機能は、無線もしくは有線により通信可能であるが、無線通信を用いて携帯しながら通信できることが好ましい。画像表示機能として液晶等のフラットディスプレイによる表示手段を有し、視認性を考慮してカラー表示できることが望ましい。また、バーコードの読み取り性能を高めるためにも、高精細表示可能で800×600の解像度で12インチ以上であることが好ましい。
【0020】
入力機構は、画面上の上をなぞることで入力できるスタイラスペンを有し、バーコードの印刷不都合などで読み取りが失敗した場合に入力できることが望ましい。本発明の製品管理システムは、画面上にボタンとともにバーコードを表示し、ボタンはスタイラスペンにより、バーコードはバーコード読取機構により実行される。バーコードは面積に対する情報量が大きい2次元バーコードを用いることが好ましい。
【実施例】
【0021】
(実施例1)
製品管理システムの構成を図1に示す。図1はLAN1に接続された製品管理サーバ2と、同じくLAN1に接続された無線LANアンテナ3と、無線LANアンテナ3を介して製品管理サーバ2と無線LANで通信する端末4とを示している。
【0022】
製品管理システムの端末の要素構成を図2に示す。図2は用いた端末5の構成を示しており、この製品管理システムを実現するための所定のプログラムを格納するメインメモリ6と、前記プログラムを実行するCPU7と、バーコードに関連付けられたデータを格納するハードディスク8とを有している。
【0023】
また、端末5は、LAN1に接続された無線LANアンテナ15を介して製品管理サーバ2と通信する無線LANインターフェイス9と、バーコード読取手段となる2次元バーコード入力装置14から入力されたデータを受け取る汎用インターフェイスと、スタイラスペン13を用いてデータが入力されるペン入力インターフェイス8と、表示手段となる液晶等のフラットディスプレイを含む画面出力インターフェイス12とを有している。
【0024】
本実施例では、画面表示および製品ラベルに用いたバーコードには2次元バーコードを用いた。スタイラスペンの入力は電磁誘導方式による。製品ラベルに用いたバーコードは、製品名、サイズ、製造番号等の情報、画面表示に用いたバーコードは、登録、削除、不良項目等、作業内容項目に関した情報を有し、それぞれの項目に対してバーコードを表示した。
【0025】
製品管理システムの作業手順を、図3に示す。図3は、既存の方法である作業シートとの併用を鑑みた作業手順である。この一連の手順は、端末5において、COU7がメインメモリ6に格納された所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0026】
最初のステップS1では、登録対象となる製品の情報が含まれるバーコードを2次元バーコード入力装置14を用いて端末5に読み込む。読み込まれたバーコードのデータは、メインメモリ6に一時的に格納され、このバーコードが画面出力インターフェイス12のディスプレイに表示される。
【0027】
ステップS2では、端末5に表示された内容と製品をオペレータが確認し、登録作業の続行の可否を画面表示インターフェイス12のディスプレイの画面上又は紙面に印刷されたバーコードを2次元バーコード入力装置で読み取らせることにより決定する。
【0028】
ステップS3では、オペレータが行った作業内容に該当するバーコードが、画面表示インターフェイス12又は印刷された紙面から2次元バーコード入力装置14によって読み込まれる。
【0029】
ステップS4では、画面表示インターフェイス12のディスプレイに表示された作業内容をオペレータが確認し、登録作業の可否を画面表示インターフェイス12又は印刷された紙面から2次元バーコード入力装置14によって読み取らせることで決定する。
【0030】
登録する決定がなされると、ステップS1においてメインメモリ6に格納されたデータはハードディスク8に記録されて登録される。削除する決定がなさると、メインメモリ6に格納されたデータは削除されるか放置される。変更する決定がなされると、スタイラスペン17によってデータの修正が行われるか、又は当該製品のバーコードが再度読み込まれる。
【0031】
図4は、ステップS3における登録の可否の選択を行う画面表示インターフェイス12のディスプレイ表示を示す。
【0032】
ディスプレイ16には、「登録」コマンドボタン19、「削除」コマンドボタン20及び「変更」コマンドボタン21の各実行コマンドが表示されている。これらの実行コマンドに対応する作業内容22も表示されている。
【0033】
オペレータは、所望のコマンドボタンをスタイラスペン17で押圧することで当該ボタンを選択し、コマンドを実行することができる。また、所望のコマンドボタンのバーコードを2次元バーコード入力装置18で読み取ることにより、それぞれのコマンドを実行することができる。
【0034】
このように、スタイラスペン17又は2次元バーコード入力装置18を用いることにより、当該製品のデータを登録するか、削除するか、または変更するかどうかを決定することができる。
【0035】
本実施例によると、ディスプレイに表示されたバーコードの読取によりコマンド実行を行うことができる。このことによって、登録作業時間を低減し、視認性と検索性の向上により誤操作の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の製品管理システム全体の構成例を示す図である。
【図2】本発明の製品管理システムにおける端末の構成例を示す図である。
【図3】本発明の製品管理システムにおける製品管理登録方法例(作業手順)を示す図である。
【図4】本発明の製品管理システムにおける端末の作業登録画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1…LAN、2…製品管理サーバ、3…無線LANアンテナ、4、5…端末、6…メインメモリ、7…CPU、8…ハードディスク、9…無線LANインターフェイス、10…汎用インターフェイス、11…ペン入力インターフェイス、12…画面出力インターフェイス、13…スタイラスペン、14…2次元バーコード入力装置、15…無線LANアンテナ、16…端末画面、17…スタイラスペン、18…2次元バーコード読み取り機、19…登録ボタンおよび2次元バーコード、20…削除ボタンおよび2次元バーコード、21…変更ボタンおよび2次元バーコード、22…作業内容

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーコードを用いて情報入力を行う生産管理システムにおいて、
サーバと、
前記サーバとネットワークで接続された少なくとも1つの端末装置と、
を有し、
前記端末装置は、画像を表示する表示手段と、バーコードを読み取るバーコード読取手段とを含み、前記表示手段に表示されたバーコードを前記バーコード読取手段で読み取ることにより情報入力を行うこと
を特徴とする生産管理システム。
【請求項2】
前記バーコードは、2次元バーコードであることを特徴とする請求項1記載の生産管理システム。
【請求項3】
前記バーコードは生産管理に関するコマンドに対応し、前記バーコードを前記バーコード読取手段で読み取ることにより当該コマンドを実行することを特徴とする請求項1又は2記載の生産管理システム。
【請求項4】
前記コマンドは、生産管理の作業終了のコマンドを含むことを特徴とする請求項3記載の生産管理システム。
【請求項5】
前記表示手段は、前記コマンドに対応する作業内容を表示することを特徴とする請求項3又は4記載の生産管理システム。
【請求項6】
前記表示手段には、バーコードの他にボタンも表示され、バーコードを読み取り手段で読み取るか、又はボタンを選択することにより情報入力を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の生産管理システム。
【請求項7】
前記ボタンは、スタイラスペンを用いて選択することを特徴とする請求項6記載の生産管理システム。
【請求項8】
前記ボタンは生産管理に関するコマンドに対応し、前記ボタンを選択することにより当該コマンドを実行することを特徴とする請求項6又は7記載の生産管理システム。
【請求項9】
前記コマンドは、生産管理の作業終了のコマンドを含むことを特徴とする請求項8記載の生産管理システム。
【請求項10】
前記表示手段は、前記コマンドに対応する作業内容を表示することを特徴とする請求項8又は9記載の生産管理システム。
【請求項11】
前記バーコード読取手段は、前記表示装置に表示されたバーコード以外に、製品ラベル及び作業シートに表示されたバーコードを読み取ることにより情報入力を行うことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の生産管理システム。
【請求項12】
バーコードを用いて情報入力を行う端末装置において、
画像を表示する表示手段と、
バーコードを読み取るバーコード読取手段と、
を有し、
前記表示手段に表示されたバーコードを前記バーコード読取手段で読み取ることにより情報入力を行うこと
を特徴とする端末装置。
【請求項13】
前記バーコードは、2次元バーコードであることを特徴とする請求項12記載の端末装置。
【請求項14】
前記表示手段には、バーコードの他にボタンも表示され、バーコードを読み取り手段で読み取るか、又はボタンを選択することにより情報入力を行うことを特徴とする請求項12又は13記載の端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−257607(P2007−257607A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−269611(P2006−269611)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】