説明

画像システムのための膨張性筐体

【課題】配列された複数の画像ユニットを有する画像システムにおいて用いる画像ユニットのための膨張性筐体を提供する。
【解決手段】膨張性筐体は、剛性フレームであって、光エンジンおよび関連する電気回路を収納すると共に、剛性フレームの前面に光エンジンと共に用いるためのスクリーンを搭載する剛性フレームを備える。膨張性筐体は、剛性フレームの少なくとも一方に配置された少なくとも一つの膨張可能な接合パッドを、更に備える。剛性フレームと膨張可能な接合パッドは、スクリーンの膨張に実質的に一致する膨張性筐体の全体的な膨張を提供する複合熱膨張特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造化可能な画像システムを搭載するための筐体に関し、より具体的には、合成画像のそれぞれの部分を生成する複数の画像ユニットを搭載するための熱膨張可能な筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
情報を表示するために用いられる投影ディスプレイのような画像システムに関して、多数の用途および潜在的な用途がある。これらの用途は、一般的な屋内表示(例えば、ショッピングモール、アーケード、その他)、輸送表示(例えば、到着/出発時間、その他)、オフィスビルのロビー内表示、制御室、レストランの表示等を含むが、これらに限定されるものではない。
【0003】
多数の小型ディスプレイを配列させて組み立てることによって表示およびそれに類するもののための大型ディスプレイを形成することは公知である。例えば、WO 2006/115852(Ostendo)を参照のこと。残念ながら、この構成では、隣接するディスプレイは、各ユニットの熱膨張を吸収するために、大きな隙間を設けて配置される。隣接するスクリーン間の大きな隙間は、あるディスプレイから次のディスプレイへの光学遷移を妨げ、全体の画像品質を低下させる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の一態様によれば、組み合わされたパッドおよび筐体の複合熱膨張がスクリーンの熱膨張に実質的に一致するように、剛性の筐体に接続される熱膨張性の接合パッドが提供される。
【0005】
実施形態の他の態様によれば、配列させた複数の画像ユニットを備えた画像システムに用いる画像ユニットのための膨張性筐体であって、
剛性フレームであって、光エンジンおよび関連する電気回路を収納すると共に、剛性フレームの前面に光エンジンと共に用いるためのスクリーンを搭載する剛性フレームと、
剛性フレームの少なくとも一方に配置された少なくとも一つの膨張可能な接合パッドと、を備え、
剛性フレームと膨張可能な接合パッドは、スクリーンの膨張に実質的に一致する膨張性筐体の全体的な膨張を提供する複合熱膨張特性を有する、膨張性筐体が提供される。
【0006】
実施形態の他の態様によれば、筐体およびスクリーンを備えたマイクロタイル・ユニットにおいて、スクリーンの膨張に一致する膨張性筐体を備え、膨張性筐体は、
剛性フレームであって、光エンジンおよび関連する電気回路を収納すると共に、剛性フレームの前面に光エンジンと共に用いるためのスクリーンを搭載する剛性フレームと、
剛性フレームの少なくとも一方に配置された少なくとも一つの膨張可能な接合パッドと、を備え、
剛性フレームは、第1の熱膨張特性を有し、接合パッドは、第2の熱膨張特性を有し、複合熱膨張特性は、スクリーンの膨張に実質的に一致する膨張性筐体の全体的な膨張を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下、図面に基づき、実施形態を説明する。
【図1】複数の画像ユニットを備える典型的な画像システムのブロック図である。
【図2】典型的なブロック・マイクロタイル・ユニットの正面斜視図である。
【図3a】複数のマイクロタイル・ユニットの典型的な矩形配置である。
【図3b】複数のマイクロタイル・ユニットの典型的な十字配置である。
【図4】画像システムのスクリーンの膨張を示す模式図である。
【図5a】接合パッドを両側に有するマイクロタイル・ユニットを示す上面概略図である。
【図5b】接合パッドを有する複数のマイクロタイル・ユニットを示す上面概略図である。
【図6】スクリーンおよび接合パッド膨張の概略図であり、第1の状態から第2の状態までの膨張を示す。
【図7】2個のマイクロタイル・ユニットおよびその間に配置された1個の接合パッドを示す。
【図8】2個のマイクロタイル・ユニットおよびその間に配置された2個の接合パッドを示す。
【図9a】ユニットを支持構造に固定するために用いる典型的な締結部材を示す。
【図9b】隣接するユニットの間に用いる典型的な拡張可能な締結部材を示す。
【図10】流体/ガス充填容器を備えた接合パッドの交互配列を示す。
【図11】熱アクチュエータを備えた接合パッドの交互配列を示す。
【図12】押す/引っ張る両機能が可能である典型的な双方向接合パッドを示す。
【図13a】押す/引っ張る両機能を行うために用いる接続器に隣接して配置された2つの流体/ガス充填接合パッドを示す。
【図13b】押す/引っ張る両機能を行うために用いる接続器に隣接して配置された2つの熱アクチュエータ接合パッドを示す。
【0008】
図面は、本発明を説明する目的のみに用いられるものであり、いかなる形であれ本出願人の開示の範囲を制限することを目的としない。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、配列された複数の画像ユニット(例えば、マイクロタイル)を備える典型的な画像システム10を示す。典型的なマイクロタイル・ユニットは、本出願人の同時係属出願である、CONFIGURABLE IMAGING SYSTEMという名称の出願(米国特許出願番号第12/119,191号)に記載されており、参照により本明細書に含まれるものとする。各マイクロタイル・ユニット20は、通常、光エンジンおよび付随する電気回路(例えば、画像取込、リサイジング、カラーマッチング、端ブレンディング、などを提供するためのマイクロプロセッサ、RAMフレーム・バッファおよびビデオ処理を含む)を備える。
【0010】
図2において、典型的なマイクロタイル・ユニット20として、マイクロタイル・ユニットがブロック形状である場合を示す。各マイクロタイル・ユニット20の前面は、筐体24に搭載された内蔵式のスクリーン22を有する。スクリーン22に画像を投射するための小型リアプロジェクタ(光源、ライトバルブ、光学系および付随する電子機器を含む)は、各マイクロタイル・ユニットの筐体の中に配置される。実施形態によれば、光源は、レーザーまたは他の光源が利用できると考えられるが、LEDを用いたものが用いられる。この選択および使用は、当業者が適宜行えばよい。
【0011】
図3aに示すように、各ユニットは、合成画像(好ましくは、小さいピクセル・ピッチ(1mm未満)を可能にするSVGA解像度)の一部を投射する。マイクロタイル・ユニット20は、必ずしも矩形の形状に配置しなくてもよい。これによって、柔軟な表示デザインが可能である。図3bに示す配置は、6つのマイクロタイル・ユニット20を備えた十字形状のディスプレイである。
【0012】
配置に関係なく、結合機構は、各マイクロタイル・ユニット筐体のそれぞれの側面上の突起の形状に基づいて、マイクロタイル・ユニットと他のマイクロタイル・ユニットの物理的な登録または整列を可能にする。図2は、マイクロタイル筐体24の上の典型的な突起26を示す。しかしながら、スクリーン材料(一般に、スクリーン、レンズ、拡散層、フレネル、その他を含む)が筐体のそれと異なる(例えば、超える)熱膨張特性を示す構造において、膨張の差が生じることは、明らかである。温度の変化は、画像ユニットの運転を含むがこれに限らない、多くの原因および画像ユニットが設置された外気温度の変化に影響される。図4は、画像システム10の室温における第1の状態28から高温における第2の状態30への典型的なスクリーン膨張を示す概略図である。その結果、全体の合成スクリーン領域は、ここで筐体プラットフォームといわれる下層の複数の筐体ユニットより大きな程度で膨張する。この膨張に対応するため、隣接するスクリーン22の間のわずかな隙間32が、潜在的な損傷のスクリーン圧迫または衝突を回避するため必要とされている。隙間32は、通常、スクリーンサイズの熱変化を許すように十分な大きさに寸法設定されているが、隣接するスクリーンの間の大きな隙間は、一つのマイクロタイルから次のマイクロタイルへの光学遷移を妨げ、全体的な画像品質を低下させると考えられる。
【0013】
隙間の大きさを最小化するために、筐体24の熱膨張特性をスクリーン22のそれと類似にさせ、それによって、膨張の差異を縮小させることが好ましい。このようにして、一旦画像システムが配置されたならば、スクリーンの全体的な膨張は下層の筐体プラットフォームのそれと実質的に一致される。これを達成するために、一つの選択は、スクリーン・アセンブリに相当する熱膨張係数を有するプラスチック、又は類似の構造の筐体を提供することである。スクリーンが膨張するにつれて、筐体も膨張し、このことにより膨張の差異は最小に維持される。残念なことに、プラスチックの筐体は寸法安定性に関して、特に構成部品の位置調整に関して潜在的に性能が劣る。プラスチック筐体は、それが膨張し、接触すると、ねじれると共に歪み、光学構成部の配列ずれを招くことがある。
【0014】
寸法安定性を高めるために、図5aおよび5bに概略的に示すように、各マイクロタイル・ユニット20の筐体24は、通常、剛性フレーム34および少なくとも1つの膨張可能な接合パッド36を備えるように構成される。剛性フレーム34は、スクリーンの熱膨張係数より低い熱膨張係数を有する材料から形成されると共に、構成部品の正しい配列を維持するために寸法安定性を有する。剛性フレーム34は、例えば壁面のような支持構造にマイクロタイル・ユニット20を搭載できるように構成されてもよい。筐体のための好適な材料の非限定的な例には、アルミニウム、マグネシウムおよびガラス繊維入りナイロンが含まれる。
【0015】
接合パッド36は、通常、スクリーンの熱膨張係数より高い熱膨張係数を示す材料の単位ブロックである。接合パッドは、筐体の膨張を可能にするためのマイクロタイル・ユニットの上の別々の機構でもよいが、接合パッドは、マイクロタイル・ユニットと他のマイクロタイル・ユニットの登録または整列を可能にする前述の結合機構の類似および置き換えとして構成してもよい。どのような構成であれ、筐体24およびパッド36の寸法は、剛性フレーム34およびパッド36の複合熱膨張がスクリーン22の熱膨張に実質的に一致するように、適切に設定される。このように、複数のマイクロタイル・ユニットを備える画像システムにおいて、スクリーンの全体的な膨張は、筐体プラットフォームのそれと実質的に一致される。
【0016】
運転温度が上昇すると、スクリーン22および接合パッド36の両方が、膨張する。図6に示す実施形態において、スクリーンは第1の状態28から第2の状態30まで膨張する。同時に、パッドは第1の状態28aから第2の状態30aまで同様に膨張する。このように、パッド36は、効果的に隣接して配置されたマイクロタイル・ユニットを互いに遠ざける。これによって、スクリーン圧迫または衝突による損傷の可能性を減少させるため隙間を維持する。接合パッド36のための好適な材料の非限定的な例には、熱膨張係数3.6mm/m―10Cを有するQuadrantのTivar 1000 UHMWポリエチレンが含まれる。他の典型的な材料には、デュポン・テフロン(登録商標)、デュポン・Hytrel、Kolon・SPELLOY PC+ABSおよびKolon・NOPLA PEN―PETが含まれるが、これらに限定されない。
【0017】
本実施形態は、例えばお互いに対して結合するように設定された2つの隣接配置されたパッドを用いて図示されるが、若干の実施形態においては、図7に示すように、単一のパッド36を用いてもよい。この構成において、単一のパッドは、必要な膨張を提供するために、2つの隣接するマイクロタイル・ユニット20の間に配置される。複数のパッドが、2つのパッド対が用いられた図8に示すように、マイクロタイル・ユニットの一方の側に沿って間隔を置いて配置してもよい。
【0018】
表1は、スクリーンと比較した剛性筐体の熱膨張特性の典型的な組み合わせを示す。
表1:
筐体およびスクリーンの熱膨張(接合パッドなしの場合)
【表1】

【0019】
筐体およびスクリーンは、共に408mmの公称全幅に寸法設定されているが、それぞれの構成部品の運転温度(例えば40°C以上)における実際の全幅は、筐体の熱膨張係数がスクリーンの熱膨張係数より低いので、異なる。表に示すように、スクリーンは409.09mmの全幅に膨張するが、他方、筐体は408.42の全幅に膨張し、0.67mmの差異を示す。このシナリオにおいて、スクリーンは筐体より大きな程度に膨張するので、隣接するスクリーン間の有意な隙間は潜在的な圧迫/衝突による損傷を回避するために必要である。
【0020】
表2は、接合パッドが、どのように筐体の全体的な熱膨張特性を増加させるために用いられるかを示す。
表2:
剛性フレーム/接合パッドおよびスクリーンの熱膨張
【表2】

【0021】
表2に示すように、408mmの公称全幅を有するスクリーンに対して、典型的な構成は、それぞれ358mmおよび50mmの公称全幅を有する剛性フレームおよび接合パッドである。剛性フレームおよび接合パッドの組合せは、スクリーンと比較して実質的に同じ熱膨張特性を生じ、その結果、要求される隙間は小さくてよい。剛性フレームが限られた範囲内(0.37mm)で膨張すると、追加の膨張は、必要な追加の膨張(0.72mm)を生じるのに適した熱膨張係数を有する接合パッドによって提供される。このように、スクリーンの膨張(全幅409.09mm)に一致した筐体の膨張(全幅409.09mm)によって、隣接するスクリーン間の隙間の大きさは、小さくできる。
【0022】
接合パッドを用いて、画像システムの各マイクロタイル・ユニットの筐体は、接合パッドによって促進される膨張に従って移動可能に構成される。各筐体の動きは、例えばマイクロタイル・ユニットおよび支持構造(例えば壁面)との間に、および/または隣接して配列されたマイクロタイル・ユニットとの間に配置された特殊な締結部材を用いるなど、多くの方法によって促進できる。例えば、図9aに示すように、柔軟な締結部材40を、マイクロタイル・ユニット20を支持構造42に取り付けるために用いてもよい。温度が増加するにつれて、接合パッド36は膨張し、隣接するマイクロタイルを互いに遠ざける。そして、締結部材は、スクリーン22で生じる膨張に適応するためある程度の変位44が可能である。図9bに示すように、隣接するマイクロタイル・ユニット20の間に、適切な締結部材46は、膨張に適応するために限られた範囲の伸張が可能であるように構成されてよい。
【0023】
締結部材は、それぞれの筐体を筐体プラットフォームの中で、通常室温で決定される第1の中立位置に戻すように付勢するように構成してもよい。この構成では、接合パッドは、付勢力に打ち勝ち、それによって、全体的な筐体プラットフォームの膨張を引き起こすのに充分な力を与えるように構成される。膨張力がなくなったとき、例えば、画像システムが電源オフにされた、または、外気温度が低下したとき、締結部材は筐体プラットフォームを第1の中立位置に戻すように付勢する。
【0024】
図10は、接合パッドの別の実施形態を示す。この構成では、接合パッド36は、通常、流体またはガス充填容器50、容器50の一方を画定するダイアフラム52、ダイアフラム・リテーナ54、ダイアフラム・リテーナ54によって決定される膨張空間56および可動ピストン58を備える。使用中、温度の上昇は、流体またはガスの体積膨張を生じ、それはダイアフラム52を変位させる。ピストン58は、それから隣接するタイルにダイアフラム運動を伝達し、スクリーンの膨張に適応するための筐体の膨張を引き起こす。
使用後温度が低下すると、流体またはガスの容積は減少する。ダイアフラムは、それによって第1の中立位置に戻し、ピストンを接合パッドから引っ込める。
【0025】
図11は更なる実施形態を示す。ここでは、接合パッド36は、剛性フレーム34に搭載され、所定の温度で一定の変位を提供する熱アクチュエータ60を備える。これらは、スクリーンの圧迫または衝突に先行する所定の温度(例えば、温度領域の3/4)で発生する活性化温度によって使われてもよい。
【0026】
本実施形態において、熱アクチュエータは、所定の温度でステップ状変位を提供する。アクチュエータが活性化するとき、アクチュエータは隣接するタイルを遠ざけるように押し、マイクロタイルの間の隙間を増加させる。そして、スクリーン圧迫/衝突を防止する。温度が活性化温度以下に低下するとき、アクチュエータは縮み、隙間はその元の大きさに縮小する。
【0027】
表3は、熱アクチュエータを有する接合パッドが、筐体の全体的な熱膨張特性を増加させるために用いてもよいことを示す。
表3:
熱アクチュエータを有する接合パッドを用いた隙間の制御。
【表3】

【0028】
この例では、タイル間の公称隙間は、20°Cで0.5mmに設定される。温度が20°Cから40°Cまで上昇するとき、スクリーンは、ほぼ0.5mm膨張する。これは、隙間がなくなることを意味する。この点で、更なる温度上昇は、スクリーン圧迫/衝突を招く。40°Cの活性化温度で0.5mmの変位を提供するように構成された熱アクチュエータを備えた接合パッドを用いることにより、隙間が維持され続けるので衝突が避けられる。
【0029】
両者の熱膨張が必ずしも一致する必要はない点に留意する必要がある。膨張材料がスクリーンの膨張の一部のみを提供する例においても、これは、隣接するマイクロタイルの筐体が強固に取り付けられた場合より、より小さい公称隙間を許容する。公称隙間を減少させることは、あるマイクロタイルから次のマイクロタイルまでの光学遷移を減少させることによって全体的な画像品質を改善する効果を有する
【0030】
接合パッドが固体パッド、流体/ガス充填パッドまたは熱アクチュエータを備えたものとして構成されるかどうかにかかわりなく、先端は、温度が増加するにつれて、筐体の全体的な膨張をスクリーンの膨張に実質的に一致させる効果を有する。全体的な筐体プラットフォームにおけるそれぞれの筐体が膨張しても、スクリーンの間の隙間は維持され、上述のスクリーンの膨張が発生しても隣接するスクリーンの間の圧迫または衝突の危険をなくすことが可能である。例えば、正方形対矩形といったスクリーンの構成に応じて、異なる膨張特性の接合パッドを用いてもよいことに留意する必要がある。例えば、スクリーンが正方形の例で、上部/下部および横のパッド膨張特性は、スクリーン膨張の量が両方の方向で同じであるため、ほぼ同じである。横長に配置される矩形のスクリーンでは、膨張は、高さ方向と比較して、幅方向でより大きい。このように、マイクロタイル・ユニットの側面には、上部/下部に使用される接合部と比較して、より大きな膨張特性を備えた接合パッドが用いられる。
【0031】
上記の締結部材は筐体プラットフォームを第1の中立位置に向けて付勢することに用いられるが、接合パッド自体を用いてもよい。例えば、接合パッドは、それぞれの接触面が膨張の間、押され、逆に収縮の間、引っ張られるように、それぞれの先端で固定してよい。図12は、双方向接合パッドの典型的な構成を示す。この構成では、接合パッドは、補完的な端部ブロック64に成形または結合された熱膨張性材料62を備える。それぞれの端部ブロックは、ねじ切りされた植込ボルトまたは止め金具、およびボルト孔等を含むがそれに限定されない、少なくとも1つの適切な締結部材66をさらに備える。図示するように、使用される締結部材は、剛性フレーム34の側の対応する保持によって受け容れられるねじ切りされた植込ボルトである。使用中、熱膨張性材料62は、温度の上昇により膨張し、冷却により収縮する。それぞれの端部ブロック64に結合された材料62によって、先端は、温度変化に応答して隣接するユニット20を押す、および引っ張るという両方の効果を有する。類似の原理は、流体/ガス充填および熱アクチュエータ接合パッドに適用できる。ここで、それぞれの構成の可動ピストンは、ねじ切りされた植込ボルトまたは止め金具、およびボルト孔等を含むがそれに限定されない、適切な締結部材66を使用して隣接するタイルに適切に締結される。少し戻るが、図10および11は、ねじ切りされた植込ボルト66を使用して隣接するタイルに締結されたそれぞれのピストンを示す。図13aおよび13bに示すように、いくつかの実施形態では、隣接して配置されたパッドは、温度の変化に対応して押し、および引っ張り効果の両方を発揮するために、直列に接続してもよい。図示するように、接続器68は、接合パッド36の膨張、および収縮それぞれの間に、押し、および引っ張り両方を可能にするため提供される。
【0032】
上記の実施形態において、外側のエネルギー源は、必要でない。接合パッドの上記の膨張は、材料の温度に対する物理的反応に起因する。これは、動力システムと比較して、運転の全体的コストを削減する可能性を有する。しかしながら、MEMS熱アクチュエータおよび圧電式アクチュエータのような動力アクチュエータを備えた接合パッドは、接合パッドとして使用できる更なる代替手段である。
【0033】
「ブロック」マイクロタイルの構成と共にほとんど記載されているが、膨張性筐体は、他の画像ユニットにも適切に適用できる。例えば、ここで記載されている膨張性筐体は、例えばコントロールルームで使用される更に大型の画像キューブに用いてもよい。
【0034】
実施形態は、図面と共に詳細に説明されるが、各種の変更および修正をおこなうことができる。いくつかの実施形態を説明したが、上記の特徴のいくつかは、修正、置き換え、または省略が可能である。全てのこれらの代替および修正は、本発明の範囲内であると考えられ、本願明細書に添付の請求項に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列させた複数の画像ユニットを備えた画像システムに用いる画像ユニットのための膨張性筐体であって、
剛性フレームであって、光エンジンおよび関連する電気回路を収納すると共に、前記剛性フレームの前面に前記光エンジンと共に用いるためのスクリーンを搭載する剛性フレームと、
前記剛性フレームの少なくとも一方に配置された少なくとも一つの膨張可能な接合パッドと、を備え、
前記剛性フレームと前記膨張可能な接合パッドは、前記スクリーンの膨張に実質的に一致する前記膨張性筐体の全体的な膨張を提供する複合熱膨張特性を有する、膨張性筐体。
【請求項2】
前記剛性フレームは、前記スクリーンの熱膨張係数より低い熱膨張係数を有し、前記接合パッドは、前記スクリーンの熱膨張係数より高い熱膨張係数を有する、請求項1に記載の膨張性筐体。
【請求項3】
前記剛性フレームは、アルミニウム、マグネシウム、ガラス繊維入りナイロン、またはそれらのあらゆる組み合わせから選択される材料で形成された、請求項1に記載の膨張性筐体。
【請求項4】
前記接合パッドは、Tivar 1000 UHMWポリエチレン、Telfon、Hytrel、SPELLOY PC+ABS、NOPLA PEN―PET、またはそれらのあらゆる組み合わせから選択される材料で形成された単位ブロックである、請求項1に記載の膨張性筐体。
【請求項5】
前記接合パッドは、隣接して配置された画像ユニットに対する一つの画像ユニットの物理的な登録または整列を可能にするために用いられる、請求項1に記載の膨張性筐体。
【請求項6】
前記接合パッドは、流体またはガス充填容器と、前記容器と連通した変位可能なダイアフラムと、前記ダイアフラムと接続したピストンと、を備え、前記ピストンは、前記流体またはガスの温度に応じた体積膨張/収縮に対応した前記ダイアフラムの変位に応じて可動である、請求項1に記載の膨張性筐体。
【請求項7】
前記接合パッドは、所定の温度で一定の変位を提供する熱アクチュエータを備えた、請求項1に記載の膨張性筐体。
【請求項8】
前記接合パッドは、温度変化に応じた前記筐体の膨張および収縮の両方を提供するため、それぞれの接触面に向いた両方の端に固定された、請求項1に記載の膨張性筐体。
【請求項9】
筐体およびスクリーンを備えたマイクロタイル・ユニットにおいて、前記スクリーンの膨張に一致する膨張性筐体を備え、前記膨張性筐体は、
剛性フレームであって、光エンジンおよび関連する電気回路を収納すると共に、前記剛性フレームの前面に前記光エンジンと共に用いるためのスクリーンを搭載する剛性フレームと、
前記剛性フレームの少なくとも一方に配置された少なくとも一つの膨張可能な接合パッドと、を備え、
前記剛性フレームは、第1の熱膨張特性を有し、前記接合パッドは、第2の熱膨張特性を有し、複合熱膨張特性は、前記スクリーンの膨張に実質的に一致する前記膨張性筐体の全体的な膨張を提供する、マイクロタイル・ユニット。
【請求項10】
前記剛性フレームは、前記スクリーンの熱膨張係数より低い熱膨張係数を有し、前記接合パッドは、前記スクリーンの熱膨張係数より高い熱膨張係数を有する、請求項9に記載のマイクロタイル・ユニット。
【請求項11】
前記剛性フレームは、アルミニウム、マグネシウム、ガラス繊維入りナイロン、またはそれらのあらゆる組み合わせから選択される材料で形成された、請求項9に記載のマイクロタイル・ユニット。
【請求項12】
前記接合パッドは、Tivar 1000 UHMWポリエチレン、Telfon、Hytrel、SPELLOY PC+ABS、NOPLA PEN―PET、またはそれらのあらゆる組み合わせから選択される材料で形成された単位ブロックである、請求項9に記載のマイクロタイル・ユニット。
【請求項13】
前記接合パッドは、隣接して配置された画像ユニットに対する一つの画像ユニットの物理的な登録または整列を可能にするために用いられる、請求項9に記載のマイクロタイル・ユニット。
【請求項14】
前記接合パッドは、流体またはガス充填容器と、前記容器と連通した変位可能なダイアフラムと、前記ダイアフラムと接続したピストンと、を備え、前記ピストンは、前記流体またはガスの温度に応じた体積膨張/収縮に対応した前記ダイアフラムの変位に応じて可動である、請求項9に記載のマイクロタイル・ユニット。
【請求項15】
前記接合パッドは、所定の温度で一定の変位を提供する熱アクチュエータを備えた、請求項9に記載のマイクロタイル・ユニット。
【請求項16】
前記接合パッドは、温度変化に応じた前記筐体の膨張および収縮の両方を提供するため、それぞれの接触面に向いた両方の端に固定された、請求項9に記載のマイクロタイル・ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【公開番号】特開2010−39486(P2010−39486A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175038(P2009−175038)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(508191949)クリスティ デジタル システムズ ユーエスエイ インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】